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特開2023-154877管理装置、管理装置のためのコンピュータプログラム、及び、管理装置によって実行される方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154877
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】管理装置、管理装置のためのコンピュータプログラム、及び、管理装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231013BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20231013BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064501
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西崎 孝志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA21
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】複数のモバイル装置の貸出及び返却を管理する管理者が、複数のモバイル装置を適切に管理することができる技術を提供する。
【解決手段】管理装置は、複数のモバイル装置に対応する複数の関連情報を記憶可能なメモリを備える。複数の関連情報のそれぞれは、対応するモバイル装置を識別する装置識別情報と、対応するモバイル装置の貸出を受けたユーザを識別するユーザ識別情報と、対応するモバイル装置の貸出及び/又は返却に関係する履歴情報と、が関連付けられている情報である。管理装置は、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、第1のモバイル装置の貸出に関係する所定条件が満たされる場合に、第1のユーザに対して、所定の問合を実行し、所定の問合に対する回答情報を取得する場合に、第1の装置識別情報と回答情報とを関連付けてメモリに記憶し、第1の装置識別情報と回答情報とを出力部に出力する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモバイル装置の貸出及び返却を管理する管理装置であって、
前記複数のモバイル装置に対応する複数の関連情報を記憶可能なメモリであって、前記複数の関連情報のそれぞれは、対応するモバイル装置を識別する装置識別情報と、対応するモバイル装置の貸出を受けたユーザを識別するユーザ識別情報と、対応するモバイル装置の貸出及び/又は返却に関係する履歴情報と、が関連付けられている情報である、前記メモリと、
前記複数の関連情報のうち、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる第1のユーザ識別情報によって識別される第1のユーザに対して、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定の問合を実行する問合部と、
前記所定の問合に対する回答情報が取得される場合に、前記第1のモバイル装置を識別する第1の装置識別情報と前記回答情報とを関連付けて前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
前記第1の装置識別情報と前記回答情報とが関連付けて前記メモリに記憶された後に、前記第1の装置識別情報と前記回答情報とを出力部に出力させる出力制御部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記メモリ内の前記履歴情報は、当該履歴情報に関連付けられている装置識別情報によって識別されるモバイル装置が貸し出された最新の貸出日時を示す貸出日時情報を含み、
前記所定条件は、前記メモリ内の前記第1の装置識別情報に関連付けられている第1の貸出日時情報によって示される第1の貸出日時と、前記第1の貸出日時の後に前記第1のモバイル装置が返却される際の第1の返却日時と、の間の第1の差分時間が第1の所定時間未満である場合に満たされ、
前記所定の問合は、前記第1のモバイル装置が早期に返却された理由を問合せるための問合である、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理装置は、さらに、
貸出中のモバイル装置から、当該モバイル装置に装着されている消耗品の残量を示す残量情報を受信する残量情報受信部を備え、
前記メモリ内の前記履歴情報は、当該履歴情報に関連付けられている装置識別情報によって識別されるモバイル装置に装着されている消耗品の貸出時の残量を示す貸出残量情報を含み、
前記所定条件は、前記メモリ内の前記第1の装置識別情報に関連付けられている第1の貸出残量情報であって、前記第1のモバイル装置に装着されている第1の消耗品の貸出時の残量を示す前記第1の貸出残量情報によって示される第1の貸出残量と、前記第1のモバイル装置の返却時における前記第1の消耗品の返却残量と、の差分が閾値未満である場合に満たされ、
前記所定の問合せは、前記第1のモバイル装置に装着されている前記第1の消耗品の使用量が少ない理由を問合せるための問合である、請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記メモリ内の前記履歴情報は、当該履歴情報に関連付けられている前記装置識別情報によって識別されるモバイル装置が返却された最新の返却日時を示す返却日時情報を含み、
前記所定条件は、前記メモリ内の前記第1のユーザ識別情報に関連付けられている第1の返却日時情報によって示される第2の返却日時と、前記第1のユーザが、前記第1のモバイル装置とは異なる第2のモバイル装置の貸し出しを受けた際の第2の貸出日時と、の間の第2の差分時間が第2の所定時間未満である場合に満たされ、
前記所定の問合は、前記第1のモバイル装置に代えて、前記第2のモバイル装置が早期に貸し出された理由を問合せるための問合である、請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記メモリ内の前記履歴情報は、所定期間における当該履歴情報に関連付けられている装置識別情報によって識別されるモバイル装置が貸し出された貸出回数を示す回数情報を含み、
前記所定条件は、所定のタイミングにおける第1の回数情報であって、前記第1の装置識別情報に関連付けられている前記第1の回数情報によって示される第1の貸出回数が所定回数未満の場合に満たされ、
前記所定の問合は、前記第1のモバイル装置の貸出回数が少ない理由を問合せるための問合である、請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記問合部は、
前記第1の関連情報に基づいて前記所定条件が満たされた後に、前記第1のユーザが、前記第1のモバイル装置とは異なる第3のモバイル装置の貸出を受ける場合に、前記第3のモバイル装置に前記所定の問合を示す問合情報を送信する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記メモリ内の前記複数の関連情報のそれぞれは、さらに、対応するモバイル装置の貸出を過去に受けた2以上のユーザのそれぞれを識別する2以上のユーザ識別情報が関連付けられている情報であり、
前記問合部は、
前記第1の関連情報に基づいて前記所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる2以上のユーザ識別情報によって識別される2以上のユーザのそれぞれに対して、前記所定の問合を実行する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項8】
前記メモリは、さらに、1以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報によって識別されるユーザのメールアドレスを関連付けて記憶しており、
前記問合部は、
前記第1の関連情報に基づいて前記所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる前記第1のユーザ識別情報に関連付けられている第1のメールアドレスを送信先として前記所定の問合せを示す問合情報を送信する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項9】
前記問合部は、
前記第1の関連情報に基づいて前記所定条件が満たされる場合に、前記第1のユーザが利用可能な外部装置にインストール済みである特定のアプリケーションプログラムを送信先として前記所定の問合を示す問合情報を送信する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項10】
前記管理装置は、さらに、
前記第1のモバイル装置から、前記第1のモバイル装置がエラー状態であることを示すエラー情報を受信するエラー情報受信部を備え、
前記問合部は、
前記第1のモバイル装置から前記エラー情報が受信されることなく、前記第1の関連情報に基づいて前記所定条件が満たされる場合に、前記第1のユーザに対して、前記所定の問合を実行し、
前記第1のモバイル装置から前記エラー情報が受信される場合に、前記所定の問合を実行しない、請求項1から9のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項11】
管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記管理装置は、前記複数のモバイル装置に対応する複数の関連情報を記憶可能なメモリであって、前記複数の関連情報のそれぞれは、対応するモバイル装置を識別する装置識別情報と、対応するモバイル装置の貸出を受けたユーザを識別するユーザ識別情報と、対応するモバイル装置の貸出及び/又は返却に関係する履歴情報と、が関連付けられている情報である、前記メモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記管理装置のコンピュータを、
前記複数の関連情報のうち、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる第1のユーザ識別情報によって識別される第1のユーザに対して、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定の問合を実行する問合部と、
前記所定の問合に対する回答情報が取得される場合に、前記第1のモバイル装置を識別する第1の装置識別情報と前記回答情報とを関連付けて前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
前記第1の装置識別情報と前記回答情報とが関連付けて前記メモリに記憶された後に、前記第1の装置識別情報と前記回答情報とを出力部に出力させる出力制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
管理装置によって実行される方法であって、
前記管理装置は、前記複数のモバイル装置に対応する複数の関連情報を記憶可能なメモリであって、前記複数の関連情報のそれぞれは、対応するモバイル装置を識別する装置識別情報と、対応するモバイル装置の貸出を受けたユーザを識別するユーザ識別情報と、対応するモバイル装置の貸出及び/又は返却に関係する履歴情報と、が関連付けられている情報である、前記メモリを備え、
前記方法は、
前記複数の関連情報のうち、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる第1のユーザ識別情報によって識別される第1のユーザに対して、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定の問合を実行する問合ステップと、
前記所定の問合に対する回答情報が取得される場合に、前記第1のモバイル装置を識別する第1の装置識別情報と前記回答情報とを関連付けて前記メモリに記憶させる記憶制御ステップと、
前記第1の装置識別情報と前記回答情報とが関連付けて前記メモリに記憶された後に、前記第1の装置識別情報と前記回答情報とを出力部に出力させる出力制御ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、モバイル装置から取得される回答情報を出力する管理装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォトプリンタが開示されている。フォトプリンタは、最初に電源が投入される場合に、アンケート処理を実行する。フォトプリンタは、アンケート処理において、ユーザからの回答が取得される場合に、アンケートの回答を印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-184127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、複数のモバイル装置の貸出及び返却を管理する管理者が、複数のモバイル装置を適切に管理することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、複数のモバイル装置の貸出及び返却を管理する管理装置を開示する。管理装置は、前記複数のモバイル装置に対応する複数の関連情報を記憶可能なメモリであって、前記複数の関連情報のそれぞれは、対応するモバイル装置を識別する装置識別情報と、対応するモバイル装置の貸出を受けたユーザを識別するユーザ識別情報と、対応するモバイル装置の貸出及び/又は返却に関係する履歴情報と、が関連付けられている情報である、前記メモリと、前記複数の関連情報のうち、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定条件が満たされる場合に、前記第1の関連情報に含まれる第1のユーザ識別情報によって識別される第1のユーザに対して、前記第1のモバイル装置の貸出に関係する所定の問合せを実行する問合部と、前記所定の問合せに対する回答情報が取得される場合に、前記第1のモバイル装置を識別する第1の装置識別情報と前記回答情報とを関連付けて前記メモリに記憶させる記憶制御部と、前記第1の装置識別情報と前記回答情報とが関連付けて前記メモリに記憶された後に、前記第1の装置識別情報と前記回答情報とを出力部に出力させる出力制御部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、管理装置は、第1のモバイル装置に対応する第1の関連情報に基づいて、所定条件が満たされる場合に、第1のユーザに対して、所定の問合せを実行する。そして、管理装置は、所定の問合せに対する回答情報を取得する場合に、第1の装置識別情報と回答情報とを関連付けてメモリに記憶し、第1の装置識別情報と回答情報とを出力する。このため、管理装置を利用する管理者は、第1のモバイル装置の貸出に関係する回答を確認することができる。従って、管理者は、複数のモバイル装置を適切に管理することができる。
【0007】
上記の管理装置によって実行される方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、管理装置と第1のモバイル装置とを含む通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】各テーブルの一例を示す。
図3】管理装置によって実行される貸出処理のフローチャートを示す。
図4】管理装置によって実行される返却処理のフローチャートを示す。
図5】管理装置によって実行される問合送信処理のフローチャートを示す。
図6】管理装置によって実行される回答受信処理のフローチャートを示す。
図7】モバイルプリンタによって実行されるプリンタ処理のフローチャートを示す。
図8】モバイルプリンタが貸し出されるケースAのシーケンスを示す。
図9】ケースAにおける各テーブルを示す。
図10】第3実施例において、モバイルプリンタが貸し出されるケースBのシーケンスを示す。
図11】ケースBにおける各テーブルを示す。
図12】第4実施例において、管理装置によって実行される貸出処理のフローチャートを示す。
図13】第4実施例において、管理装置によって実行される返却処理のフローチャートを示す。
図14】第4実施例において、モバイルプリンタが貸し出されるケースBのシーケンスを示す。
図15】ケースCにおける各テーブルを示す。
図16】第5実施例において、管理装置によって実行される判定処理のフローチャートを示す。
図17】第5実施例で表示される問合画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、複数個のモバイルプリンタ10A~10Cと、PC100と、読取装置110と、管理装置200と、を備えている。PC100、読取装置110、及び、管理装置200は、ある施設60の内部に設置されている。施設60は、例えば、会社、大学等である。PC100、及び、読取装置110は、施設60内の保管庫70に設置されている。複数個のモバイルプリンタ10A~10Cは、保管庫70内に保管されている。管理装置200は、複数個のモバイルプリンタ10A~10C、PC100、及び、読取装置110とは異なる場所に設置されている。施設60で働いているユーザは、モバイルプリンタ10A~10Cの貸出を受けることによって、モバイルプリンタ10A~10Cを外部(施設60内の保管庫70とは異なる場所、出張先等)で利用することができる。以下では、モバイルプリンタ10A~10Cのことを、「モバイル」を省略して、「プリンタ10A~10C」と記載することがある。また、以下では、プリンタ10A~10Cを総称して、「プリンタ10」と記載することがある。
【0010】
(プリンタ10A~10Cの構成)
プリンタ10Aは、印刷機能を実行可能な可搬型の周辺装置(即ちPC等の周辺装置)である。プリンタ10Aは、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、バッテリ取付部18と、通信インターフェース20と、制御部30と、を備える。プリンタ10Aには、プリンタ10Aを識別するデバイスID「DV1」が割当てられている。プリンタ10Aは、デバイスID「DV1」がコード化されている情報コード(以下では、「デバイスコード」と記載することがある)が貼り付けられている筐体(図示省略)を備える。なお、以下ではインターフェースを「I/F」と記載する。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10Aに入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。バッテリ取付部18には、リチウムイオンバッテリ等のバッテリが取付けられ得る。通信I/F20は、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0013】
プリンタ10B、10Cは、デバイスID「DV2」、「DV3」を有する点を除いて、プリンタ10Aと同様の構成を有する。
【0014】
(PC100の構成)
PC100は、据置型のPCであるが、変形例では、例えばノートPC等の可搬型のデバイスであってもよい。PC100は、プリンタ10A~10Cの貸出、又は、返却の際に利用されるデバイスである。保管庫70において、PC100が設置されている机には、プリンタ10の貸出を受けるための操作が実行されたことを示す情報(以下では、「貸出操作情報」と記載することがある)がコード化されている情報コード(以下では、「貸出コード」と記載することがある)を示すシールと、プリンタ10を返却するための操作が実行されたことを示す情報(以下では、「返却操作情報」と記載することがある)がコード化されている情報コード(以下では、「返却コード」と記載することがある)を示すシールと、が貼り付けられている。
【0015】
(読取装置110の構成)
読取装置110は、可搬型のデバイスであり、PC100と通信可能に接続されている。読取装置110は、情報コード(例えばバーコード等)を撮像して、撮像済みの情報コードに記録されているデータを読み取るための装置である。読取装置110は、読み取ったデータをPC100に送信する。
【0016】
(管理装置200の構成)
管理装置200は、プリンタ10A~10Cの貸出及び返却を管理するためのデバイスである。管理装置200は、プリンタ10A~10Cの貸出及び返却を管理する管理者によって管理されるデバイスである。本実施例では、管理装置200は、据置型のPCであるが、変形例では、サーバなどであってもよい。管理装置200は、操作部212と、表示部214と、通信I/F220と、制御部230と、を備える。
【0017】
操作部212は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部212を操作することによって、様々な指示を管理装置200に入力することができる。表示部214は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。管理装置200は、通信I/F220を介して、PC100と通信可能に接続されている。
【0018】
制御部230は、CPU232と、メモリ234と、を備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム236に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ234は、さらに、ユーザテーブル238と、第1デバイステーブル240と、第2デバイステーブル242と、問合テーブル244と、回答テーブル246と、を備える。
【0019】
(各テーブルの構成;図2
続いて、図2を参照して、管理装置200内のユーザテーブル238、第1デバイステーブル240、第2デバイステーブル242、問合テーブル244、及び、回答テーブル246の内容を説明する。
【0020】
問合テーブル244は、ユーザに問合を実行するための問合情報を管理するためのテーブルである。問合テーブル244では、問合IDと、問合情報と、が関連付けて記憶されている。問合情報は、デバイスIDを含む情報であり、当該デバイスIDによって識別されるプリンタ10の貸出に関係する問合を含む情報である。
【0021】
ユーザテーブル238は、ユーザに関する情報を管理するためのテーブルである。ユーザテーブル238では、ユーザを識別するためのユーザIDと、メールアドレスと、問合IDと、が関連付けて記憶されている。
【0022】
第1デバイステーブル240は、プリンタ10A~10Cの貸出及び返却を管理するためのテーブルである。第1デバイステーブル240では、デバイスIDと、ユーザIDと、貸出日時情報と、返却日時情報と、が関連付けて記憶されている。貸出日時情報は、プリンタ10が貸し出された最新の貸出日時を示す情報である。返却日時情報は、プリンタ10が返却された最新の返却日時を示す情報である。
【0023】
第2デバイステーブル242は、問合信号を送信すべきプリンタ10を管理するためのテーブルである。問合信号は、問合テーブル244に含まれる問合情報を含む情報であり、プリンタ10の貸出に関係する問合せを実行するための信号である。第2デバイステーブル242では、デバイスIDと、問合IDと、が関連付けて記憶されている。
【0024】
回答テーブル246は、問合に対する回答情報を管理するためのテーブルである。回答テーブル246では、デバイスIDと、回答情報と、が関連付けて記憶されている。回答情報は、当該回答情報に関連付けられているデバイスIDによって識別されるプリンタ10の貸出に関係する問合に対する回答を示す情報である。
【0025】
(貸出処理;図3
図3を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される貸出処理について説明する。なお、各デバイスによって実行される通信は各デバイスの通信I/F(例えば管理装置の通信I/F220)を介して実行される。このため、以下では、通信I/Fを介した通信に関する処理を説明する際には、「通信I/Fを介して」という記載を省略する。
【0026】
S10において、CPU232は、PC100から貸出情報を受信することを監視する。貸出情報は、貸出対象のプリンタ10のデバイスID(以下では、「貸出対象のデバイスID」と記載することがある)と、貸出対象のプリンタ10の貸出を所望するユーザのユーザID(以下では、「貸出対象のユーザID」と記載することがある)と、を含む情報である。読取装置110は、ユーザによって、貸出コード、デバイスコード、及び、ユーザが所有するカード等に付されており、当該ユーザを識別するユーザIDがコード化されている情報コード(以下では、「ユーザコード」と記載することがある)を読み取るための操作(以下では、「貸出操作」と記載することがある)が実行される場合に、各コードをデコードすることによって、貸出操作情報、デバイスID、及び、ユーザIDを取得し、貸出操作情報、デバイスID、及び、ユーザIDをPC100に供給する。そして、PC100は、読取装置110から貸出操作情報とデバイスIDとユーザIDとが取得される場合に、貸出操作情報に基づいて、プリンタ10の貸出を受けるための操作が実行されたと判断し、デバイスIDとユーザIDとを含む貸出情報を管理装置200に送信する。CPU232は、PC100から貸出情報を受信する場合に、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0027】
S12において、CPU232は、貸出対象のユーザIDを貸出対象のデバイスIDに関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する。また、CPU232は、現在日時を貸出日時情報として、貸出対象のデバイスIDに関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する。
【0028】
S14において、CPU232は、貸出対象のデバイスIDによって識別されるプリンタ10からエラー情報を受信済みであるのか否かを判断する。エラー情報は、プリンタ10自身によって検知可能なエラーがプリンタ10に発生していることを示す情報である。CPU232は、プリンタ10からエラー情報を受信済みである場合(S14でYES)に、図3の処理を終了し、プリンタ10からエラー情報を受信していない場合(S14でNO)、S20に進む。
【0029】
S20において、CPU232は、ユーザテーブル238において、貸出対象のユーザIDに問合IDが関連付けられているのか否かを判断する。CPU232は、貸出対象のユーザIDに問合IDが関連付けられている場合(S20でYES)に、S22に進み、貸出対象のユーザIDに問合IDが関連付けられていない場合(S20でNO)に、図3の処理を終了する。
【0030】
S22において、CPU232は、ユーザテーブル238において、貸出対象のユーザIDに関連付けられている問合IDを特定し、第2デバイステーブル242において、特定済みの問合IDと貸出対象のデバイスIDとを関連付けて記憶する。
【0031】
S30において、CPU232は、ユーザテーブル238において、貸出対象のユーザIDに関連付けられているメールアドレスを特定し、問合テーブル244において、S22で特定された問合IDに関連付けられている問合情報を特定する。そして、CPU232は、特定済みの問合情報を含むとともに、特定済みのメールアドレスを送信先メールアドレスとして含む電子メールを送信する。CPU232は、S30が終了すると、図3の処理を終了する。
【0032】
(返却処理;図4
図4を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される返却処理について説明する。CPU232は、図3の貸出処理と並行して、図4の返却処理を実行する。
【0033】
S50において、CPU232は、PC100から返却情報を受信することを監視する。返却情報は、返却対象のプリンタ10のデバイスID(以下では、「返却対象のデバイスID」と記載することがある)と、返却対象のプリンタ10を返却するユーザのユーザID(以下では、「返却対象のユーザID」と記載することがある)と、を含む情報である。読取装置110は、ユーザによって、返却コード、デバイスコード、及び、ユーザコードを読み取るための操作(以下では、「返却操作」と記載することがある)が実行される場合に、各コードをデコードすることによって、返却操作情報、デバイスID、及び、ユーザIDを取得し、返却操作情報、デバイスID、及び、ユーザIDをPC100に供給する。そして、PC100は、読取装置110から、返却操作情報デバイスID、及び、ユーザIDが取得される場合に、返却操作情報に基づいて、プリンタ10を返却するための操作が実行されたと判断し、デバイスIDとユーザIDとを含む返却情報を管理装置200に送信する。CPU232は、PC100から返却情報を受信する場合に、S50でYESと判断し、S52に進む。
【0034】
S52において、CPU232は、ユーザテーブル238において、返却対象のユーザIDに問合IDが関連付けられているのか否かを判断する。CPU232は、返却対象のユーザIDに問合IDが関連付けられている場合(S52でYES)に、S60に進み、返却対象のユーザIDに問合IDが関連付けられていない場合(S52でNO)に、S70に進む。
【0035】
S60において、CPU232は、ユーザテーブル238において、返却対象のユーザIDに関連付けられている問合IDを特定し、第2デバイステーブル242において、返却対象のデバイスIDと特定済みの問合IDとが関連付けられているのか否かを判断する。CPU232は、返却対象のデバイスIDと特定済みの問合IDとが関連付けられている場合(S60でYES)に、S62に進み、返却対象のデバイスIDと特定済みの問合IDとが関連付けられていない場合(S60でNO)に、S70に進む。
【0036】
S62において、CPU232は、返却対象のデバイスIDと特定済みの問合IDとの組み合わせを第2デバイステーブル242から消去する。
【0037】
S70において、CPU232は、返却対象のプリンタ10がユーザによって利用されていた時間(以下では、「利用時間」と記載することがある)が第1の所定時間(例えば、20分)未満であるのか否かを判断する。CPU232は、第1デバイステーブル240において、返却対象のデバイスIDに関連付けられている貸出日時情報を特定し、特定済みの貸出日時情報によって示される貸出日時と、現在日時(即ち返却日時)と、の間の差分時間を利用時間として特定する。CPU232は、利用時間が第1の所定時間未満である場合(S70でYES)に、S80に進み、利用時間が第1の所定時間以上である場合(S70でNO)に、S90に進む。
【0038】
S80において、CPU232は、問合テーブル244を更新する。CPU232は、新たな問合IDを生成し、生成済みの新たな問合IDと問合情報とを関連付けて問合テーブル244に記憶させる。問合情報は、返却対象のデバイスIDを含むとともに、返却対象のデバイスIDによって識別されるプリンタ10の利用時間が短かった理由を問合せるための内容を含む情報である。
【0039】
S82において、CPU232は、ユーザテーブル238を更新する。CPU232は、S80で生成した新たな問合IDを返却対象のユーザIDに関連付けてユーザテーブル238に記憶する。CPU232は、S82が終了すると、S90に進む。
【0040】
S90において、CPU232は、第1デバイステーブル240を更新する。CPU232は、返却対象のデバイスIDに関連付けられているユーザIDを第1デバイステーブル240から消去するとともに、返却対象のデバイスIDに関連付けられている返却日時情報として現在日時を第1デバイステーブル240に記憶する。CPU232は、S90が終了すると、図4の処理を終了する。
【0041】
(問合送信処理;図5
図5を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される問合送信処理について説明する。CPU232は、図3の貸出処理、及び、図4の返却処理と並行して、図5の問合送信処理を実行する。
【0042】
S110において、CPU232は、プリンタ10から問合要求を受信することを監視する。問合要求は、問合信号の送信を要求するための信号であり、送信元のプリンタ10のデバイスIDを含む。CPU232は、プリンタ10から問合要求を受信する場合に、S110でYESと判断して、S112に進む。S112は、図3のS14と同様である。CPU232は、S112でYESと判断する場合に図5の処理を終了し、S112でNOと判断する場合にS120に進む。
【0043】
S120において、CPU232は、問合要求に含まれるデバイスIDを特定する。
【0044】
S122において、CPU232は、第2デバイステーブル242が特定済みのデバイスIDを含むのか否かを判断する。CPU232は、第2デバイステーブル242が特定済みのデバイスIDを含む場合(S122でYES)に、S124に進み、第2デバイステーブル242が特定済みのデバイスIDを含まない場合(S122でNO)に、図5の処理を終了する。
【0045】
S124において、CPU232は、問合信号をプリンタ10に送信する。CPU232は、第2デバイステーブル242において、特定済みのデバイスIDに関連付けられている問合IDを特定し、問合テーブル244において、特定済みの問合せIDに関連付けられている問合情報を特定する。そして、CPU232は、特定済みの問合情報を含む問合信号を生成し、生成済みの問合信号をプリンタ10に送信する。CPU232は、S124が終了すると、図5の処理を終了する。
【0046】
(回答受信処理;図6
図6を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される回答受信処理について説明する。CPU232は、図3の貸出処理、図4の返却処理、及び、図5の問合送信処理と並行して、図6の回答受信処理を実行する。
【0047】
S140において、CPU232は、プリンタ10から、問合信号に対する応答である回答信号を受信することを監視する。回答信号は、回答信号の送信元のプリンタ10のデバイスID(以下では、「送信元のデバイスID」と記載することがある)と、回答情報と、を含む情報である。回答情報は、問合情報に含まれているデバイスIDを含むとともに、問合に対する回答を示す情報を含む。CPU232は、プリンタ10から回答信号を受信する場合に、S140でYESと判断して、S142に進む。
【0048】
S142において、CPU232は、回答テーブル246を更新する。CPU232は、受信済みの回答信号内の回答情報に含まれるデバイスIDを特定する。そして、CPU232は、特定済みのデバイスIDと回答情報とを関連付けて回答テーブル246に記憶する。
【0049】
S144において、CPU232は、第2デバイステーブル242を更新する。CPU232は、回答信号内の送信元のデバイスIDを特定し、特定済みのデバイスIDと、当該デバイスIDに関連付けられている問合IDと、の組み合わせを第2デバイステーブル242から消去する。なお、CPU232は、送信元のデバイスIDとは異なるデバイスIDと、消去済みの問合IDと、の組み合わせが第2デバイステーブル242に存在する場合に、当該組み合わせも第2デバイステーブル242から消去する。
【0050】
S146において、CPU232は、ユーザテーブル238を更新する。CPU232は、S144で消去された問合IDをユーザテーブル238から消去する。
【0051】
S148において、CPU232は、問合テーブル244を更新する。CPU232は、S144で消去された問合IDと、当該問合IDに関連付けられている問合情報と、の組み合わせを問合テーブル244から消去する。CPU232は、S148が終了すると、図6の処理を終了する。
【0052】
(プリンタ処理;図7
図7を参照して、プリンタ10AのCPU32によって実行されるプリンタ処理について説明する。CPU32は、プリンタ10Aの電源がONされる場合に、図7の処理を開始する。
【0053】
S160において、CPU32は、ネットワーク接続が確立されることを監視する。例えば、CPU32は、ネットワーク接続操作がユーザによって実行される場合に、ネットワーク接続が確立されたと判断する。CPU32は、ネットワーク接続が確立される場合に、S160でYESと判断し、S170に進む。
【0054】
S170において、CPU32は、確立済みのネットワーク接続を利用して、デバイスID「DV1」を含む問合要求を管理装置200に送信する。
【0055】
S172において、CPU32は、管理装置200から問合信号を受信したのか否かを判断する。CPU32は、管理装置200から問合信号を受信する場合(S172でYES)に、S174に進み、管理装置200から問合信号を受信しない場合(S172でNO)に、S180に進む。
【0056】
S174において、CPU32は、問合画面500を表示部14に表示させる。問合画面500は、プリンタ10の利用時間が短かった理由を問合せるためのメッセージを含む。また、問合画面500は、「バッテリが装着されていない」、「印刷用紙の搬送に不具合が生じている」、「印刷用紙がセットされていない」、「その他」のそれぞれに対応する4個のチェックボックスと、OKボタンと、キャンセルボタンと、を含む。
【0057】
S176において、CPU32は、回答操作がユーザによって実行されたのか否かを判断する。CPU32は、1個以上のチェックボックスへのチェックを付与するための操作、及び、OKボタンを選択するための操作を受付ける場合に、S176でYESと判断し、S178に進む。一方、CPU32は、キャンセルボタンを選択するための操作を受付ける場合に、S176でNOと判断し、S180に進む。
【0058】
S178において、CPU32は、回答信号を管理装置200に送信する。回答信号は、プリンタ10AのデバイスID「DV1」と、回答情報と、を含む。回答情報は、受信済みの問合情報に含まれていたデバイスIDと、S176でチェックが付与されたチェックボックスに対応する回答を示す情報と、を含む。
【0059】
S180において、CPU32は、プリンタ10Aにエラーが発生しているのか否かを判断する。CPU32は、プリンタ10Aにエラーが発生している場合(S180でYES)に、S182に進み、プリンタ10Aにエラーが発生していない場合(S180でNO)に、S184に進む。なお、プリンタ10Aに発生するエラーとは、例えば、部品交換が必要なエラー等である。
【0060】
S182において、CPU32は、S180で特定したエラーを示すエラー情報を管理装置200に送信する。
【0061】
S184において、CPU32は、トップ画面を表示部14に表示させる。CPU32は、S184が終了すると、図7の処理を終了する。CPU32は、プリンタ10Aの電源がONされている間、S180の処理を定期的に実行する。なお、プリンタ10B、10CのCPU(図示省略)も、図7の処理と同様の処理を実行する。
【0062】
(ケースA;図8図9
続いて、図8図9を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースAについて説明する。ケースAの初期状態では、3個のモバイルプリンタ10A~10Cが保管庫70(図1参照)に保管されている。即ち、第1デバイステーブル240のユーザIDは、空の状態である。また、ユーザテーブル238において、問合IDは、空の状態である。また、第2デバイステーブル242、問合テーブル244、及び、回答テーブル246は、空の状態である。本ケースでは、プリンタ10Aのバッテリ取付部18にバッテリが取付けられていない状況を想定する。
【0063】
T10において、PC100に接続されている読取装置110を利用したプリンタ10Aの貸出操作がユーザによって実行されると、PC100は、読取装置110から、貸出操作情報と貸出対象のデバイスID「DV1」と貸出対象のユーザID「U1」とを取得し、T12において、貸出対象のデバイスID「DV1」と貸出対象のユーザID「U1」とを含む貸出情報を管理装置200に送信する。
【0064】
管理装置200は、T12において、PC100から貸出情報を受信すると(図3のS10でYES)、T14において、貸出対象のユーザID「U1」及び貸出日時情報「3/27 10:00」を貸出対象のデバイスID「DV1」に関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する(S12)。次いで、管理装置200は、プリンタ10Aからエラー情報を受信済みでないと判断し(S14でNO)、ユーザテーブル238において、貸出対象のユーザID「U1」に問合IDが関連付けられていないと判断する(S20でNO)。この場合、管理装置200は、問合信号を電子メールで送信しない。
【0065】
上述のように、本ケースでは、プリンタ10Aのバッテリ取付部18にバッテリが取付けられていない。このため、ユーザは、プリンタ10Aを早期に保管庫70に返却する。本ケースでは、ユーザは、「3/27 10:10」にプリンタ10Aを保管庫70に返却する。
【0066】
T30において、PC100に接続されている読取装置110を利用したプリンタ10Aの返却操作がユーザによって実行されると、PC100は、読取装置110から、返却操作情報と返却対象のデバイスID「DV1」と返却対象のユーザID「U1」とを取得し、T32において、返却対象のデバイスID「DV1」と返却対象のユーザID「U1」とを含む返却情報を管理装置200に送信する。
【0067】
管理装置200は、T32において、PC100から返却情報を受信すると(図4のS50でYES)、ユーザテーブル238において、返却対象のユーザID「U1」に問合IDが関連付けられていないと判断する(S52でNO)。次いで、管理装置200は、第1デバイステーブル240において、返却対象のデバイスID「DV1」に関連付けられている貸出日時情報を特定し、貸出日時情報によって示される貸出日時「3/27 10:00」と現在日時「3/27 10:10」との間の差分時間を利用時間「10分」として特定し、利用時間「10分」が第1の所定時間未満であると判断する(S70でYES)。この場合、管理装置200は、新たな問合ID「IQ1」を生成し、T40において、問合ID「IQ1」と、返却対象のデバイスID「DV1」を含む問合情報「IN1(DV1)」と、を関連付けて問合テーブル244に記憶する(S80)(図9参照)。次いで、管理装置200は、T42において、問合ID「IQ1」を返却対象のユーザID「U1」に関連づけてユーザテーブル238に記憶する(S82)(図9参照)。次いで、管理装置200は、T44において、返却対象のデバイスID「DV1」に関連付けられているユーザID「U1」を第1デバイステーブル240から消去するとともに、返却日時情報「3/27 10:10」を返却対象のデバイスID「DV1」に関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する(S90)(図9参照)。
【0068】
ユーザは、プリンタ10Aを返却した後に、バッテリが装着されているプリンタ10Bの貸出を受けるための操作を行う。T50において、PC100に接続されている読取装置110を利用したプリンタ10Bの貸出操作がユーザによって実行されると、PC100は、読取装置110から、貸出操作情報と貸出対象のデバイスID「DV2」と貸出対象のユーザID「U1」とを取得し、T52において、貸出対象のデバイスID「DV2」と貸出対象のユーザID「U1」とを含む貸出情報を管理装置200に送信する。
【0069】
管理装置200は、T52において、PC100から貸出情報を受信すると(図3のS10でYES)、T54において、貸出対象のユーザID「U1」及び貸出日時情報「3/27 10:15」をデバイスID「DV2」に関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する(S12)。次いで、管理装置200は、プリンタ10Aからエラー情報を受信済みでないと判断し(S14でNO)、ユーザテーブル238において、貸出対象のユーザID「U1」に問合ID「IQ1」が関連付けられていると判断し(S20でYES)、T60において、貸出対象のデバイスID「DV2」と問合ID「IQ1」とを関連付けて第2デバイステーブル242に記憶する(S22)(図9参照)。次いで、管理装置200は、ユーザテーブル238において、ユーザID「U1」に関連付けられているメールアドレスMA1を特定し、問合テーブル244において、問合ID「IQ1」に関連付けられている問合情報「IN1(DV1)」を特定する。次いで、管理装置200は、T70において、問合情報「IN1(DV1)」を含むとともに、メールアドレスMA1を送信先メールアドレスとして含む電子メールMLを送信する(S30)。これにより、ユーザが所有する端末装置300に電子メールMLが送信される。ユーザによって、電子メールMLが開かれると、図7の問合画面と同じ情報を含む画面が端末装置300に表示される。
【0070】
プリンタ10Bは、T80において、プリンタ10Bの電源をONするための操作を受付け、ネットワーク接続操作を受付けると(図7のS160でYES)、T90において、デバイスID「DV2」を含む問合要求を管理装置200に送信する(S170)。
【0071】
管理装置200は、T90において、プリンタ10Bから問合要求を受信すると(図5のS110でYES)、プリンタ10Bからエラー情報を受信済みでないと判断し(S112でNO)、問合要求に含まれるデバイスID「DV2」を特定する(S120)。次いで、管理装置200は、第2デバイステーブル242が特定済みのデバイスID「DV2」を含むと判断し(S122でYES)、第2デバイステーブル242において、特定済みのデバイスID「DV2」に関連付けられている問合ID「IQ1」を特定し、問合テーブル244において、特定済みの問合せID「IQ1」に関連付けられている問合情報「IN1(DV1)」を特定する。次いで、管理装置200は、T92において、特定済みの問合情報「IN1(DV1)」を含む問合信号を生成し、生成済みの問合信号をプリンタ10Bに送信する。
【0072】
プリンタ10Bは、T92において、管理装置200から問合信号を受信すると(図7のS172でYES)、T94において、問合画面を表示する。本ケースの問合画面は、図7の問合画面500のデバイスID「xxx」が表示されている部分にデバイスID「DV1」が表示される点を除いて、問合画面500と同様である。プリンタ10Bは、T96において、「バッテリが装着されていない」に対応するチェックボックスへのチェックを付与する操作、及び、OKボタンを選択するための操作を受付けると(S176でYES)、T98において、送信元のデバイスID「DV2」と、回答情報「RE1(DV1)」と、を含む回答信号を管理装置200に送信する(S178)。回答情報「RE1(DV1)」は、問合情報「IN1(DV1)」に含まれているデバイスID「DV1」を含むとともに、問合に対する回答「バッテリが装着されていない」を示す情報を含む。図示省略しているが、その後、プリンタ10Bは、プリンタ10Bにエラーが発生していないと判断し(S180でNO)、トップ画面を表示する(S184)。
【0073】
管理装置200は、T98において、プリンタ10Bから回答信号を受信すると(図6のS140でYES)、T100において、デバイスID「DV1」と回答情報「RE1(DV1)」とを関連付けて回答テーブル246に記憶し(S142)、T102において、デバイスID「DV2」と問合ID「IQ1」との組み合わせを第2デバイステーブル242から消去し(S144)、T104において、問合ID「IQ1」をユーザテーブル238から消去し(S146)、T106において、問合ID「IQ1」と問合情報「IN1(DV1)」との組み合わせを問合テーブル244から消去する(S148)。
【0074】
管理装置200は、T110において、回答結果を表示するための操作を受付けると、T112において、回答結果画面を管理装置200の表示部214に表示する。回答結果画面は、デバイスID「DV1」と、回答情報「RE1(DV1)」と、が関連付けられている情報を含む。これにより、管理者は、バッテリがプリンタ10Aのバッテリ取付部18にバッテリが取付けられていないことが原因で、プリンタ10Aが早期に返却されたことを知ることができる。
【0075】
(ケースAの効果)
ケースAに示されるように、管理装置200は、メモリ234内のデバイスID「DV1」に関連付けられている貸出日時情報によって示される貸出日時「3/27 10:00」と、プリンタ10Aが返却される際の返却日時「3/27 10:10」と、の間の差分である利用時間「10分」が第1の所定時間未満である場合に、プリンタ10Aが早期に返却された理由を問合せるための問合を実行する(図8のT92~T96)。このような構成によると、管理者は、プリンタ10Aが早期に返却された理由を知ることができ、プリンタ10Aが早期に返却されないように対処することができる。従って、管理者は、複数のプリンタ10を適切に管理することができる。
【0076】
また、管理装置200は、利用時間「10分」が第1の所定時間未満となった後に、ユーザが、プリンタ10Aとは異なるプリンタ10Bの貸出を受ける場合(T50)に、問合情報をプリンタ10Bに送信する(T92)。このような構成によると、ユーザは、プリンタ10Bを操作することによって、問合情報に対する回答情報を管理装置200に送信することができる(T96、T98)。従って、管理装置200が回答情報を受信する可能性を高めることができる。
【0077】
また、管理装置200は、利用時間「10分」が第1の所定時間未満である場合に、ユーザID「DV1」に関連付けられているメールアドレスMA1を送信先として問合情報を電子メールで送信する(T70)。このような構成によると、ユーザは、ユーザが利用する端末装置300等を利用して、問合情報を確認することができる。このため、ユーザは、端末装置300等を操作することによって、問合情報に対する回答情報を管理装置200に送信することができる。従って、管理装置200が回答情報を受信する可能性を高めることができる。
【0078】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、管理装置200は、所定の条件(利用時間が第1の所定時間未満)が満たされる場合(図4のS70でYES)に、ユーザに対して、問合を実行する(図3のS30、図5のS124)。そして、管理装置200は、問合に対する回答情報を取得する場合(図6のS140でYES)に、デバイスIDと回答情報とを関連付けてメモリ234に記憶する(S142)。そして、管理装置200は、デバイスIDと回答情報とを出力する(図8のT112)。このため、管理装置200を利用する管理者は、プリンタ10の貸出に関係する問合に対する回答を確認することができる。従って、管理者は、複数のプリンタ10を適切に管理することができる。
【0079】
また、管理装置200は、プリンタ10からエラー情報が受信されることなく(図3のS14でNO、図5のS112でNO)、利用時間が第1の所定時間未満となる場合(図4のS70でYES)に、ユーザに対して、問合を実行する(図3のS30、図5のS124)。一方、管理装置200は、プリンタ10からエラー情報が受信される場合(図3のS14でYES、図5のS112でYES)に、問合を実行しない。プリンタ10からエラー情報を受信済みである場合、管理者は、管理装置200を操作することによって、当該プリンタ10にエラーが発生していることを知ることができる。上記の構成によると、不要な問合が実行されることを抑制することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0080】
(対応関係)
プリンタ10A~10Cが、「複数のモバイル装置」の一例である。デバイスID、ユーザID、貸出日時情報が、それぞれ、「装置識別情報」、「ユーザ識別情報」、「履歴情報」の一例である。第1デバイステーブル240内のデバイスIDとユーザIDと貸出日時情報とが、「関連情報」の一例である。プリンタ10A、デバイスID「DV1」、ユーザID「U1」が、それぞれ、「第1のモバイル装置」、「第1の装置識別情報」、「第1のユーザ識別情報」の一例である。利用時間が第1の所定時間未満である場合に満たされる条件が、「所定条件」の一例である。利用時間が、「第1の差分時間」の一例である。プリンタ10Aが早期に返却された理由を問合せるための問合せが、「所定の問合」の一例である。管理装置200の表示部214が、「出力部」の一例である。貸出日時「3/27 10:00」、返却日時「3/27 10:10」が、それぞれ、「第1の貸出日時」、「第1の返却日時」の一例である。プリンタ10Bが、「第3のモバイル装置」の一例である。メールアドレスMA1が、「第1のメールアドレス」の一例である。
【0081】
図3のS30、図5のS124が、「問合部」によって実行される処理の一例である。図6のS142が、「記憶制御部」によって実行される処理の一例である。図8のT112が、「出力制御部」によって実行される処理の一例である。
【0082】
(第2実施例)
第2実施例は、図3のS30で実行される処理が、第1実施例と異なる。第2実施例では、図1に示すように、PC100には、Webアプリケーション138がインストール済みである。図3のS30において、管理装置200のCPU232は、PC100にインストール済みであるWebアプリケーション138を送信先として、問合情報を含む問合信号を送信する。PC100は、管理装置200から問合信号を受信する場合に、問合画面を表示する。このような構成によると、ユーザは、PC100を操作することによって、問合情報に対する回答情報を管理装置200に送信することができる。従って、管理装置200が回答情報を受信する可能性を高めることができる。
【0083】
(対応関係)
Webアプリケーション138が、「特定のアプリケーション」の一例である。
【0084】
(第3実施例)
第3実施例は、図4のS70で実行される処理が、第1実施例と異なる。図2に示すように、本実施例の第1デバイステーブル240では、デバイスIDと、ユーザIDと、貸出日時情報と、返却日時情報と、残量情報と、が関連付けて記憶されている。残量情報は、プリンタ10に装着されている消耗品(インクカートリッジ、トナーカートリッジ等)の貸出時の残量(以下では、「貸出残量」と記載することがある)を示す情報である。プリンタ10は、プリンタ10の電源がONされている間において、当該プリンタ10のデバイスIDと、当該プリンタ10に装着されている消耗品の残量情報と、を含む残量信号を管理装置200に定期的に送信するように構成されている。管理装置200は、プリンタ10が貸し出されてから最初に受信される残量信号内の残量情報を残量情報として第1デバイステーブル240に記憶する。
【0085】
図4に示すように、S70において、管理装置200のCPU232は、返却対象のプリンタ10に装着されている消耗品の使用量が閾値未満であるのか否かを判断する。CPU232は、第1デバイステーブル240において、返却対象のデバイスIDに関連付けられている残量情報を特定し、特定済みの残量情報によって示される貸出残量と、返却時の残量情報によって示される返却残量と、の差分を使用量として特定する。なお、管理装置200は、返却対象のプリンタ10から最後に受信された残量信号内の残量情報を返却残量として特定する。CPU232は、使用量が閾値未満である場合(S70でYES)に、S80に進み、使用量が閾値以上である場合(S70でNO)に、S90に進む。
【0086】
(ケースB;図10図11
続いて、図10図11を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、図8のケースAの初期状態と同様である。本ケースでは、プリンタ10Aにおいて、印刷用紙の搬送に不具合が発生している状況を想定する。
【0087】
T210~T214は、図8のT10~T14と同様である。プリンタ10Aは、T220において、プリンタ10Aの電源をONするための操作を受付け、ネットワーク接続操作を受付けると(図7のS160でYES)、T230において、デバイスID「DV1」を含む問合要求を管理装置200に送信する(S170)。
【0088】
管理装置200は、T230において、プリンタ10Aから問合要求を受信すると(図5のS110でYES)、プリンタ10Aからエラー情報を受信済みでないと判断し(S112でNO)、問合要求に含まれるデバイスID「DV1」を特定する(S120)。次いで、管理装置200は、第2デバイステーブル242が特定済みのデバイスID「DV1」を含まないと判断する(S122でYES)。この場合、管理装置200は、問合情報を送信しない。
【0089】
プリンタ10Aは、T232において、デバイスID「DV1」と、残量情報「80」と、を含む残量信号を管理装置200に送信する。
【0090】
管理装置200は、T232において、プリンタ10Aから残量信号を受信すると、T233において、残量信号内の残量情報「80」をデバイスID「DV1」に関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する。なお、プリンタ10Aは、その後も、定期的に残量信号を管理装置200に送信する(T234参照)。
【0091】
上述のように、本ケースでは、プリンタ10Aにおいて、印刷用紙の搬送に不具合が発生している。このため、ユーザは、プリンタ10Aを早期に保管庫70に返却する。本ケースでは、ユーザは、「3/27 10:10」にプリンタ10Aを保管庫70に返却する。
【0092】
T240、T242は、図8のT30、T32と同様である。管理装置200は、T242において、PC100から返却情報を受信すると(図4のS50でYES)、ユーザテーブル238において、返却対象のユーザID「U1」に問合IDが関連付けられていないと判断する(S52でNO)。次いで、管理装置200は、第1デバイステーブル240において、返却対象のデバイスID「DV1」に関連付けられている残量情報によって示される貸出残量「80」を特定し、返却対象のプリンタ10Aから最後に受信された残量信号内の残量情報によって示される返却残量「78」を特定する。次いで、管理装置200は、貸出残量「80」と返却残量「78」との差分である使用量「2」が閾値(例えば、「10」)未満であると判断する(S70でYES)。この場合、管理装置200は、T250において、問合ID「IQ2」と、返却対象のデバイスID「DV1」を含む問合情報「IN2(DV1)」と、を関連付けて問合テーブル244に記憶する(S222)(図11参照)。次いで、管理装置200は、T252において、問合ID「IQ2」を返却対象のユーザID「U1」に関連付けてユーザテーブル238に記憶する(S224)。T254は、図8のT44と同様である。T260、T262は、それぞれ、図8のT50、T52と同様である。
【0093】
その後、プリンタ10B、PC100、管理装置200、及び、端末装置300の間において、図8のT60~T112と同様の処理が実行される。なお、本ケースのT94で表示される問合画面510は、プリンタ10の消耗品の使用量が少なかった理由を問合せるためのメッセージを含む点、及び、「バッテリが装着されていない」に対応する情報を含まない点を除いて、図8のケースAのT94で表示される問合画面と同様である。また、本ケースのT96において、ユーザは、「印刷用紙の搬送に不具合が生じている」に対応するチェックボックスへのチェックを付与する操作、及び、OKボタンを選択するための操作を実行する(S176でYES)。このため、本ケースの回答情報は、問合情報「IN2(DV1)」に含まれているデバイスID「DV1」を含むとともに、問合に対する回答「印刷用紙の搬送に不具合が生じている」を示す情報を含む。
【0094】
(ケースBの効果)
ケースBに示されるように、管理装置200は、メモリ234内のデバイスID「DV1」に関連付けられている貸出時の残量情報によって示される貸出残量「80」と、返却残量「78」と、の差分である使用量「2」が閾値未満である場合に、プリンタ10Aの消耗品の使用量が少なかった理由を問合せるための問合を実行する(図10で引用する図8のT92~T96)。このような構成によると、管理者は、プリンタ10Aの消耗品の使用量が少なかった理由を知ることができ、プリンタ10Aが早期に返却されないように対処することができる。従って、管理者は、複数のプリンタ10を適切に管理することができる。
【0095】
(対応関係)
貸出時の残量情報が、「履歴情報」の一例である。第1デバイステーブル240内のデバイスIDとユーザIDと貸出時の残量情報とが、「関連情報」の一例である。使用量が閾値未満である場合に満たされる条件が、「所定条件」の一例である。利用時間が、「第1の差分時間」の一例である。プリンタ10Aの消耗品の使用量が少なかった理由を問合せるための問合が、「所定の問合」の一例である。貸出残量「80」が、「第1の貸出残量」の一例である。
【0096】
(第4実施例)
第4実施例では、管理装置200のCPU232は、図3の貸出処理、図4の返却処理に代えて、それぞれ、図12の貸出処理、図13の返却処理を実行する。図2に示すように、本実施例の第1デバイステーブル240では、デバイスIDと、ユーザIDと、貸出日時情報と、返却日時情報と、前回ユーザIDと、が関連付けて記憶されている。前回ユーザIDは、当該前回ユーザIDに関連付けられているデバイスIDによって識別されるプリンタ10の貸出を前回受けたユーザを識別するための情報である。前回ユーザIDは、プリンタ10の返却の際に記憶される情報である。
【0097】
(貸出処理;図12
図12を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される貸出処理について説明する。S210は、図3のS10と同様である。
【0098】
S220において、CPU232は、再貸出時間が第2の所定時間(例えば、10分)未満であるのか否かを判断する。まず、CPU232は、貸出対象のユーザIDが前回ユーザIDとして第1デバイステーブル240に記憶されているのか否かを判断する。CPU232は、貸出対象のユーザIDが前回ユーザIDとして第1デバイステーブル240に記憶されていない場合に、S220でNOと判断して、S230に進む。一方、CPU232は、貸出対象のユーザIDが前回ユーザIDとして第1デバイステーブル240に記憶されている場合に、第1デバイステーブル240において、当該前回ユーザIDに関連付けられている返却日時情報を特定する。そして、CPU232は、特定済みの返却日時によって示される返却日時と、現在日時(即ち貸出日時)と、の間の差分時間を再貸出時間として特定する。そして、CPU232は、再貸出時間が第2の所定時間未満である場合(S220でYES)に、S222に進み、再貸出時間が第2の所定時間以上である場合(S220でNO)に、S230に進む。S222、S224は、それぞれ、図4のS80、S82と同様である。S230、S240、S242、S250は、それぞれ、図3のS12、S20、S22、S30と同様である。
【0099】
(返却処理;図13
図13を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される返却処理について説明する。S260~S272は、図4のS50~S62と同様である。S280において、CPU232は、第1デバイステーブル240を更新する。CPU232は、返却対象のデバイスIDに関連付けられているユーザIDを第1デバイステーブル240から消去するとともに、返却対象のデバイスIDに関連付けられている返却日時情報として現在日時を第1デバイステーブル240に記憶する。また、CPU232は、返却対象のユーザIDを前回ユーザIDとして返却対象のデバイスIDに関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する。CPU232は、S280が終了すると、図13の処理を終了する。
【0100】
(ケースC;図14図15
続いて、図14図15を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、図8のケースAの初期状態と同様である。本ケースでは、プリンタ10Aのバッテリ取付部18にバッテリが取付けられていない状況を想定する。
【0101】
まず、PC100と管理装置200との間で図8のT10~T32と同様の処理が実行される。次いで、管理装置200は、T344において、返却対象のデバイスID「DV1」に関連付けられている「ユーザID」を第1デバイステーブル240から消去するとともに、返却日時情報「3/27 10:10」及び前回ユーザID「U1」をデバイスID「DV1」に関連付けて第1デバイステーブル240に記憶する(図13のS280)。T350、T352は、それぞれ、図8のT50、T52と同様である。
【0102】
管理装置200は、T352において、PC100から貸出情報を受信すると(図12のS210でYES)、貸出対象のユーザID「U1」が前回ユーザID「U1」として第1デバイステーブル240に記憶されていると判断し、第1デバイステーブル240において、前回ユーザID「U1」に関連付けられている返却日時情報を特定する。次いで、管理装置200は、返却日時情報によって示される返却日時「3/27 10:10」と、現在日時(即ち貸出日時)「3/27 10:15」と、の間の差分時間を再貸出時間「5分」として特定し、再貸出時間「5分」が第2の所定時間未満であると判断する(S220でYES)。この場合、管理装置200は、T360において、問合ID「IQ3」と、返却対象のデバイスID「DV1」を含む問合情報「IN3(DV1)」と、を関連付けて問合テーブル244に記憶する(S222)(図15参照)。次いで、管理装置200は、T362において、問合ID「IQ3」を返却対象のユーザID「U1」に関連付けてユーザテーブル238に記憶する(S224)(図15参照)。T370は、図8のT54と同様である。T372は、問合ID「IQ3」が第2デバイステーブル242に記憶される点を除いて、図8のT60と同様である(図15参照)。その後、プリンタ10B、PC100、管理装置200、及び、端末装置300の間において、図8のT70~T112と同様の処理が実行される。なお、本ケースのT94で表示される問合画面520は、プリンタ10Aに代えて、新たなプリンタ10Bが早期に貸し出された理由を問合せるためのメッセージを含む点を除いて、図8のケースAのT94で表示される問合画面と同様である。
【0103】
(ケースCの効果)
ケースCに示されるように、管理装置200は、メモリ234内のデバイスID「DV1」に関連付けられている返却日時情報によって示される返却日時「3/27 10:10」と、貸出日時「3/27 10:15」と、の間の差分時間である再貸出時間「5分」が第2の所定時間未満である場合に、プリンタ10Aに代えて、新たなプリンタ10Bが早期に貸し出された理由を問合せるための問合を実行する(図14で引用する図8のT92~T96)。このような構成によると、管理者は、プリンタ10Aに代えて、新たなプリンタ10Bが早期に貸し出された理由、即ち、プリンタ10Aが返却された理由を知ることができ、プリンタ10Aを利用してもらえるように対処することができる。従って、管理者は、複数のプリンタ10を適切に管理することができる。
【0104】
(対応関係)
返却時の日時情報が、「履歴情報」の一例である。第1デバイステーブル240内のデバイスIDとユーザIDと返却時の日時情報とが、「関連情報」の一例である。再貸出時間が第2の所定時間未満である場合に満たされる条件が、「所定条件」の一例である。再貸出時間が、「第2の差分時間」の一例である。プリンタ10Aに代えて、新たなプリンタ10Bが早期に貸し出された理由を問合せるための問合せが、「所定の問合せ」の一例である。返却日時「3/27 10:10」、貸出日時「3/27 10:15」、が、それぞれ、「第2の返却日時」、「第2の貸出日時」の一例である。
【0105】
(第5実施例)
第5実施例では、管理装置200のCPU232は、図16の判定処理を実行する。図2に示すように、本実施例の第1デバイステーブル240では、デバイスIDと、ユーザIDと、貸出日時情報と、返却日時情報と、貸出回数情報と、過去ユーザIDと、が関連付けて記憶されている。貸出回数情報は、所定期間(例えば、1ヶ月)において、プリンタ10が貸し出された回数(以下では、「貸出回数」と記載することがある)を示す情報である。過去ユーザIDは、所定期間(例えば、1ヶ月)において、プリンタ10の貸出を受けたユーザを示す情報である。
【0106】
(判定処理;図16
図16を参照して、管理装置200のCPU232によって実行される判定処理について説明する。CPU232は、所定のタイミングにおいて、図16の処理を実行する。本実施例では、所定のタイミングは、判定処理が前回実行されてから、所定期間(例えば、1ヶ月)が経過するタイミングである。
【0107】
S310において、CPU232は、第1デバイステーブル240内の1以上のデバイスIDのうちの1個のデバイスID(以下では、「対象デバイスID」と記載することがある)を特定する。
【0108】
S320において、CPU232は、貸出回数が所定回数(例えば、3回)未満であるのか否かを判断する。CPU232は、第1デバイステーブル240において、対象デバイスIDに関連付けられている貸出回数情報によって示される貸出回数を特定し、特定済みの貸出回数が所定回数(例えば、3回)未満であるのか否かを判断する。CPU232は、貸出回数が所定回数未満である場合(S320でYES)に、S330に進み、貸出回数が所定回数以上である場合(S320でNO)に、S340に進む。
【0109】
S330において、CPU232は、第1デバイステーブル240において、対象デバイスIDに関連付けられている1以上の過去ユーザIDを特定する。
【0110】
S332において、CPU232は、ユーザテーブル238において、S330で特定された1以上の過去ユーザIDのそれぞれに関連付けられている1以上のメールアドレスを特定する。次いで、CPU232は、対象デバイスIDと、対象デバイスIDによって識別されるプリンタ10の貸出に関係する問合と、を含む問合情報を生成する。次いで、CPU232は、生成済みの問合情報を含むとともに、特定済みの1以上のメールアドレスを送信先メールアドレスとして含む1以上の電子メールを送信する。電子メールを受信したユーザによって当該電子メールが開かれると、図17の問合画面530が表示される。問合画面530は、プリンタ10Aが貸し出された回数が少ない理由を問合せるためのメッセージを含む点を除いて、図8のケースAのT94で表示される問合画面と同様である。
【0111】
図16のS340において、CPU232は、第1デバイステーブル240内の全てのデバイスIDに対してS320~S332の処理が実行されたのか否かを判断する。CPU232は、全てのデバイスIDに対して処理が実行されたと判断する場合(S340でYES)に、図16の処理を終了し、全てのデバイスIDに対して処理が実行されていないと判断する場合(S340でNO)に、S310に戻る。なお、CPU232は、図16の処理を終了する場合に、第1デバイステーブル240内の全ての貸出回数情報を「0」に変更するとともに、過去ユーザIDを第1デバイステーブル240から消去する。
【0112】
(本実施例の効果)
上述のように、管理装置200は、所定のタイミングにおいて、メモリ234内のデバイスIDに関連付けられている回数情報によって示される貸出回数が所定回数未満である場合(図16のS320でYES)に、プリンタ10が貸し出された回数が少ない理由を問合せるための問合を実行する(S332)。このような構成によると、管理者は、プリンタ10が貸し出された回数が少ない理由を知ることができ、プリンタ10Aを利用してもらえるように対処することができる。従って、管理者は、複数のプリンタ10を適切に管理することができる。
【0113】
また、管理装置200は、メモリ234において、対象デバイスIDに2以上のユーザIDが関連付けられている場合に、2以上のユーザIDによって識別される2以上のユーザのそれぞれに、プリンタ10が貸し出された回数が少ない理由を問合せるための問合を実行する(S332)。このような構成によると、管理装置200は、2以上の回答情報を受信し得る。従って、プリンタ10Aを利用してもらえるようにより適切に対処することができる。
【0114】
(対応関係)
貸出回数情報が、「履歴情報」の一例である。第1デバイステーブル240内のデバイスIDとユーザIDと貸出時の貸出回数情報とが、「関連情報」の一例である。貸出回数が所定回数未満である場合に満たされる条件が、「所定条件」の一例である。プリンタ10が貸し出された回数が少ない理由を問合せるための問合が、「所定の問合」の一例である。図16のS332が、「問合部」によって実行される処理の一例である。
【0115】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0116】
(第1変形例)「モバイル装置」は、プリンタ10に限定されず、可搬型のモバイルスキャナ、携帯端末などであってもよい。
【0117】
(第2変形例)管理装置200がサーバである場合に、管理装置200は、管理者が利用するPCから結果情報要求が受信される場合に、通信I/Fを介して、回答結果画面データを当該PCに送信してもよい。本変形例では、通信I/Fが、「出力部」の一例である。
【0118】
(第3変形例)第1実施例、第3実施例において、過去ユーザIDが第1デバイステーブル240に記憶されていてもよい。この場合、管理装置200のCPU232は、図3のS30において、問合情報を含む1以上の電子メールを送信する。
【0119】
(第4変形例)第1実施例、第3実施例において、管理装置200のCPU232は、図3のS30において、問合情報を含む電子メールを送信するとともに、PC100にインストール済みであるWebアプリケーション138を送信先として、問合情報を含む問合信号をPC100にインストール済みであるWebアプリケーション138に送信してもよい。
【0120】
(第5変形例)第1実施例~第3実施例において、図3のS30を省略可能である。また、別の変形例では、第1実施例~第3実施例において、図5の問合送信処理を省略可能である。また、別の変形例では、第4実施例において、図12のS250、及び、図5の問合送信処理のうちの一方の処理を省略可能である。
【0121】
(第6変形例)プリンタ10は、プリンタ10自身のエラーを検知できなくてもよい。本変形例では、図7のS180、S182を省略可能である。本変形例では、「エラー情報受信部」を省略可能である。
【0122】
(第7変形例)上記の各実施例では、図3図8図10図12図14図16の各処理がソフトウェア(例えばプログラム36、236)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0123】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0124】
2:通信システム、10A~10C:モバイルプリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、18:バッテリ取付部、20:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、60:施設、70:保管庫、100:PC、110:読取装置、138:Webアプリケーション、200:管理装置、212:操作部、214:表示部、220:通信I/F、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、236:プログラム、238:ユーザテーブル、240:第1デバイステーブル、242:第2デバイステーブル、244:問合テーブル、246:回答テーブル、300:端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
図13
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図17