IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 池田 敏明の特許一覧

<>
  • 特開-クール・インナーマスク 図1
  • 特開-クール・インナーマスク 図2
  • 特開-クール・インナーマスク 図3
  • 特開-クール・インナーマスク 図4
  • 特開-クール・インナーマスク 図5
  • 特開-クール・インナーマスク 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015493
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】クール・インナーマスク
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20230125BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230125BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61F7/00 331E
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119299
(22)【出願日】2021-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】719008069
【氏名又は名称】池田 敏明
(72)【発明者】
【氏名】池田 敏明
【テーマコード(参考)】
2E185
4C099
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA09
2E185CB09
2E185CC32
4C099AA02
4C099CA05
4C099GA30
4C099LA09
4C099LA11
4C099NA02
4C099NA20
(57)【要約】
【課題】空気より比重の重い水のような液体を循環させるためにマスクが重くなり、長時間装着すると疲れる問題や、長時間使用するに従いマスク内の温度が上昇し、一定の冷却効果が得られないという問題があった。もう一例は、マスク内に挿入されたチューブの先端部から排出される冷気は、マスクから吸入する外気と合流して拡散され、一定の冷却効果が得られないという問題があった。
【解決手段】クール・インナーマスクのインナーマスク本体は円弧状の平板と平板外周近傍に該平板と慨垂直に接着固定された枠体と、前記枠体の長辺の一方の概中央部に設けられた切り欠き部と、枠体の一か所以上に設けられた空洞部を有しているインナーマスク本体と、冷気を生成し送ることが可能な慨密閉体の保冷バッグと、前記インナーマスク本体と保冷バッグ間に接続されたチューブを有しており、前記インナーマスク本体が有する空洞部から確実に冷気を口と鼻へ供給できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状の平板と平板外周近傍に該平板と慨垂直に接着固定された枠体と、前記枠体の長辺の一方の概中央部に設けられた切り欠き部と、枠体の一か所以上に設けられた空洞部を有しているインナーマスク本体と、冷気を生成し、送ることが可能な慨密閉体の保冷バッグと、前記インナーマスク本体の空洞部と保冷バッグ間に接続されたチューブとを有する
ことを特徴とするクール・インナーマスク。
【請求項2】
前記保冷バッグは、冷気を発生する保冷剤を収納しており、保冷バッグに設けられた排気口部と、
前記排気口部と接続され、前記チューブに冷気を送るためのファンを内包し、前記保冷バッグの一部面とで閉空間を構成するチューブボックスと、
チューブボックス内であって、ファン排気口およびファン排気口とインナーマスク本体に接続されるチューブのチューブボックス内の部分を覆い内包する空間である保冷室と、
保冷室内のチューブと保冷室の壁面とが弾性体で接続していることを
特徴とする請求項1記載のクール・インナーマスク。
【請求項3】
保冷室と、
保冷室内のチューブと保冷室の壁面とが弾性体で接続していることを特徴とする請求項2記載のクール・インナーマスク。
【請求項4】
円弧状の平板の概中央部に開口部を設けて、前記開口部を覆うスライド可能なスライド板を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のクール・インナーマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク下に装着して息苦しさの改善と、熱中症による体調不良を未然に防ぐために冷気を送風できるクール・インナーマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のマスクは、特許文献1に記載するように、口と鼻の両方の領域を覆うカップ部とカップ部に設けられた装着者の呼吸を可能にする呼吸部と、カップ部に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路と、液体路の熱交換面積を大きくする金属の液体路構成部材を備えるようになっていた。
【0003】
また特許文献2によれば、保冷物を収納する保冷バッグと、前記保冷バッグとエアーポンプを介してマスク内に挿入されるチューブ(中空)と接続され、前記チューブ のマスク側の先端を密閉し、マスク内に挿入される前記チューブの先端部近傍に1ヶ所以上の孔を設けるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6714904号公報
【特許文献2】特願2020-120350
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載のマスクは、口と鼻の両方の領域を覆うカップ部とカップ部に設けられた装着者の呼吸を可能にする呼吸部と、カップ部に存在し、水等の液体が循環する冷却用の液体路と、液体路の熱交換面積を大きくする金属の液体路構成部材とを備えるようになっていたので、装着したカップ部に液体路の熱交換面積を大きくするために金属の液体鋼製部材を多量に使用し、空気より比重の重い水のような液体を循環させるためにカップ部の重量が重くなり、使用者が長時間装着すると疲れる問題や、長時間冷却用の液体を循環させるために、使用当初に比べ長時間使用するに従い、カップ内の温度が上昇し、一定の冷却効果が得られないという問題があった。
【0006】
特許文献2記載のマスクは、保冷物を収納する保冷バッグと、前記保冷バッグとエアーポンプを介してマスク内に挿入されるチューブ(中空)と接続され、前記チューブ のマスク側の先端を密閉し、マスク内に挿入される前記チューブの先端部近傍に1ヶ所以上の孔を設けるようになっていたので、マスク内に挿入されたチューブの先端部から排出される冷気は、マスクから吸入する外気と合流して拡散され、一定の冷却効果が得られないという問題があった。また、マスクとポンプはチューブを介して、空中を通して接続されているだけなので、マスクを装着した使用者が顔や体を動かしにくいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のクール・インナーマスクは、円弧状の平板と平板外周近傍に該平板と慨垂直に接着固定された枠体と、前記枠体の長辺の一方の概中央部に設けられた切り欠き部と、枠体の一か所以上に設けられた空洞部を有しているインナーマスク本体と、冷気を生成し、送ることが可能な慨密閉体の保冷バッグと、インナーマスク本体の空洞部と保冷バッグ間に接続されたチューブとを有することを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に示す本発明のクール・インナーマスクは前述のクール・インナーマスクの保冷バッグが、冷気を発生する保冷剤を収納しており、保冷バッグに設けられた排気口部と、前記排気口部と接続され冷気を送るためのファンを内包し、前記保冷バッグの一部面とで閉空間を構成するチューブボックスと、チューブボックス内であってファン排気口およびファン排気口とインナーマスク本体に接続されるチューブのチューブボックス内の部分を覆い内包する空間である保冷室と、保冷室内のチューブと保冷室の壁面とが弾性体で接続していることを特徴としている。
【0009】
インナーマスク本体の円弧状の平板の概中央部に開口部を設けて、前記開口部を覆うスライド板がスライドすることよって会話がスムースになることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のクール・インナーマスクは円弧状の平板と平板外周近傍に該平板と慨垂直に接着固定された枠体と、前記枠体の長辺の一方の概中央部に設けられた切り欠き部と、枠体の一か所以上に設けられた空洞部を有しているインナーマスク本体と、冷気を生成し、送ることが可能な慨密閉体の保冷バッグと、インナーマスク本体の空洞部と保冷バッグ間に接続されたチューブとを有し、保冷バッグが、冷気を発生する保冷剤を収納しており、保冷バッグに設けられた排気口部と、前記排気口部に接続され冷気を送るためのファンを内包し、前記保冷バッグの一部面とで閉空間を構成するチューブボックスとチューブボックス内であって、ファン排気口およびファン排気口とインナーマスク本体に接続されるチューブのチューブボックス内の部分を覆い内包する空間である保冷室と保冷室内のチューブと保冷室の壁面とが弾性体で接続していることを特徴としているので、特許文献1のような冷却用液体を循環させるのではなく、気体を送気するだけであるのでクール・インナーマスクに荷重は掛からず、長時間楽に着用できる。また保冷剤に触れた空気を冷気として送風しているので長時間ほぼ一定の温度にクール・インナーマスク内を保てる利点がある。更に保冷剤は冷蔵庫で冷やすことで何度も簡単に再利用できるので安価にできるという利点がある。
【0011】
特許文献2のようにチューブをマスク内に挿入して冷気をマスク内に直接注入するのではなく、マスク下にマスクとは別物のインナーマスク本体を設けて、前記インナーマスク本体内にチューブを介して冷気を集合させることで、口と鼻からの呼吸が楽になり体温の上昇を抑える効果を奏する。また、保冷室を設けているので前記チューブの冷気の温度低下を防ぎ、より効率的に冷気を送付できる。また、保冷室内のチューブと保冷室の壁面とが弾性体で接続されているために、本クール・インナーマスクの使用者が顔や体を動かしてもチューブがインナーマスク本体から離れにくい構造で、使用者が動きやすいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のクール・インナーマスクの第一実施形態の全体像を示す概略図である。
図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明第一実施形態のインナーマスク本体の前方側から見た斜視図、インナーマスク本体の後方側から見た斜視図である。
図3】は本発明第一実施形態のクール・インナーマスクの保冷バッグを示す斜視図である。
図4】(A)、(B)はそれぞれ本発明第一実施形態のクール・インナーマスクの保冷バッグの正面断面図、側面断面図である。
図5】は本発明第一実施形態のクール・インナーマスクのチューブボックスの正面断面図である。
図6】(A)、(B)はそれぞれ本発明第二実施形態のインナーマスク本体の前方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。図1は本発明のクール・インナーマスクの第一実施形態の全体像を示す概略図、図2(A)、(B)はそれぞれ本発明第一実施形態のインナーマスク本体の前方側から見た斜視図、インナーマスク本体の後方側から見た斜視図、図3は本発明第一実施形態のクール・インナーマスクの保冷バッグを示す斜視図、図4(A)、(B)はそれぞれ本発明第一実施形態のクール・インナーマスクの保冷バッグの正面断面図、側面断面図、図5は発明第一実施形態のクール・インナーマスクのチューブボックスの正面断面図、図6(A)、(B)はそれぞれ本発明第二実施形態のインナーマスク本体の前方側から見た斜視図である。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0014】
発明のインナーマスク本体1は、マスク装着部を冷却可能としたマスク形状保持器であり、通常のマスク下に装着して使用するものである。
【0015】
図1に示すようにインナーマスク本体1は、インナーマスク本体1を装着した上から一般に使用されるマスク7(本発明対象外のため点線で図示)で覆い使用するものである。
【0016】
また、図1図5に示すようにインナーマスク本体1はチューブ6でチューブボックス21内のファン排気口25に接続され、ファン23はファン23を介して、チューブボックス21と密閉状態で設置された保冷バッグ11の保冷バッグ排気口14に接続されており、保冷バッグ11内には保冷剤16が通気パイプ18を介して、保温材17にくるまれて、保冷バッグ11の下方に収納される外気導入パイプ12の上部に設置され、保冷バッグ11は前記外気導入パイプ12を介して外気とつながっている。更に前記外気導入パイプ12の下方には保冷剤で生じる空気の結露を集め、吸収するための水分吸収部材15が入っている。
チューブボックス21と、密閉状態で設置されている保冷バッグ11は一体化しているために、これらを収納するツールバッグ10を設けてもよい。
【0017】
またチューブボックス21内は図5に示すようにファン23接続され、インナーマスク本体1に接続するチューブ6を保冷室22で覆い、保冷室22はファン23の排気孔26に接続され、排気孔26から冷気が送付され、保冷室22内のチューブを低温にするようになっている。
【0018】
更に保冷室22内のチューブ6が弾性体28で保冷室22の壁面と接続され、ガイド状のチューブボックス内のチューブ出口の方からチューブ6から出ている。このようになっているので、本発明のクール・インナーマスクを装着した人が顔や体を動かしたとき、保冷室内の空間をいわゆる遊び距離を持って動ける状態となり、装着したインナーマスク本体1がずれたりするようなことが少なくなる。ここでチューブ6と保冷室22の壁面を接続する弾性体として、ゴム、バネ、樹脂などが利用できる。
【0019】
ここで、インナーマスク本体1は、使用者が楽に使用できるために軽量であることが望ましいから構成する部材は軽量の素材、例えば樹脂が選択される。
【0020】
また、チューブ6の長さ寸法は固定されていないが、長くなる程冷気の温度低下が否めないので極力短縮し、前記チューブ6の内径寸法はファン23の風量と見合う内径寸法とする。さらに、前記チューブ6は保持するものが冷気であるから低温度に適応する素材が良く、例えば、シリコン製のチューブが利用できる。
さらに、前記チューブ6が露出する部分においては、保温材で覆うとか保温加工を施すことで前記チューブ6内の冷気の温度低下が抑えられる。
【0021】
ツールバッグ10は、図示されていないが、背中とか胸部とか腰とかにベルト等で保持するが、前記チューブ6は外気と触れる部分が短絡な程、温度の低下が抑えられるので、例えば、前記ツールバッグ10は胸部に保持するのが望ましい。
【0022】
さらに、図6に示すように本発明のクール・インナーマスクの第二実施形態であるが、図2の基板2の円弧状の平板の概中央部に開口部を設けて、前記開口部を覆うスライド板を開口状態にすることで会話をスムースにするものである(請求項4記載)。
【0023】
以上説明したように本発明クール・インナーマスクはインナーマスク本体1の真上に位置する鼻へ冷気が直接供給され、口呼吸の場合は口がインナーマスク本体1で覆われているので冷気の吸入が容易で呼吸が楽である。鼻から吐出される暖かい息は、インナーマスク本体1から常時冷気が吐出されるのでインナーマスク本体1内へは逆流しない。口も同様に、暖かい息は冷気と共にインナーマスク本体1外へ吐出されると同時にインナーマスク1内に冷気が常時供給される。
【0024】
また、保冷バッグ内の保冷剤により結露した水滴を分別して外部に排出できるような保冷バッグと、保冷バッグにファンを介して密閉状態で接続されたチューブボックス内のチューブと接続され、ファンによって送付された冷気をインナーマスク本体1に送気するために、温度変化が少ない冷気が長時間送気できるという利点がある。またチューブボックス内のチューブが弾性体により保冷室壁面と接続されているので、インナーマスク本体1を装着した利用者が動いてもインナーマスク本体1の装着位置がずれにくいという利点の他に、保冷バッグ内の保冷剤を交換するだけで簡単に使用継続できるという利点がある。
【符号の説明】
【0025】
1 インナーマスク本体
2 基板
3 基板枠
4 基板開口部
5 スライド板
6 チューブ
7 マスク
10 ツールバッグ
11 保冷バッグ
12 外気導入パイプ
13 外気吸入口
14 保冷バッグ排気口
15 水分吸収部材
16 保冷剤
17 保温材
18 通気パイプ
21 チューブボックス
22 保冷室
23 ファン
24 ファン吸気口
25 ファン排気口
26 排気孔
27 ファン吸気口カバー
28 弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
円弧状の平板の概中央部に開口部を設けて、前記開口部を覆うスライド可能なスライド板を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のクール・インナーマスク。