(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154985
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】販売データ処理装置、および販売データ処理システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231013BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231013BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G07G1/12 321E
G07G1/01 301D
G07G1/12 341A
G07G1/00 311E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064672
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA20
3E142DA08
3E142EA04
3E142EA23
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA22
3E142GA02
3E142GA05
3E142GA06
3E142GA35
3E142GA36
3E142GA41
3E142HA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一取引について複数人が並行して商品登録を行うことが可能な販売データ処理装置および販売データ処理システムを提供することである。
【解決手段】販売データ処理装置1は、商品識別情報を読取る第1スキャナ23及び第2スキャナと、第1スキャナ23が読取った商品識別情報で識別される商品情報を表示する第1表示部21と、第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品情報を表示する第2表示部と、第1スキャナ23が読取った商品識別情報で識別される商品情報と第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品情報とを登録する登録部と、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナの読取による商品情報とを別取引として登録する第1モードと、同一取引として登録する第2モードと、に切換えるモード切換部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品識別情報を読取る第1スキャナおよび第2スキャナと、
前記第1スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第1表示部と、
前記第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第2表示部と、
前記第1スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報と前記第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報とを登録する登録部と、
前記第1スキャナの読取による商品情報と前記第2スキャナの読取による商品情報とを別取引として登録する第1モードと、前記第1スキャナの読取による商品情報と前記第2スキャナの読取による商品情報とを同一取引として登録する第2モードと、を切換えるモード切換部と、
を備える販売データ処理装置。
【請求項2】
前記第1モードまたは前記第2モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける選択情報受付部をさらに備え、
前記登録部は、前記選択情報受付部が選択情報を受付けたことを条件に商品情報の登録を行う、
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記第2モードにおいて、前記第1表示部および前記第2表示部のそれぞれに、前記第1スキャナの読取による商品情報と前記第2スキャナの読取による商品情報とを区別して表示させる表示制御部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
前記第2モードにおいて、前記第1スキャナの読取による商品情報の登録完了を示す第1完了情報および前記第2スキャナの読取による商品情報の登録完了を示す第2完了情報を受付けるスキャン完了情報受付部と、
前記スキャン完了情報受付部が前記第1完了情報および前記第2完了情報を受付けたことを条件に会計処理を実行する会計処理部と、をさらに備える、
請求項3に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記スキャン完了情報受付部が前記第1完了情報および前記第2完了情報を受付けたことを条件に、前記第1表示部および前記第2表示部に会計処理を指示するための操作子を表示させる、
請求項4に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
商品を識別する商品識別情報を読取るスキャナと、前記スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部と、前記登録部に登録された商品情報に基づいて会計処理を実行する会計処理部と、をそれぞれ備えた第1販売データ処理装置および第2販売データ処理装置を有する販売データ処理システムであって、
前記第1販売データ処理装置の登録部が登録した商品情報と前記第2販売データ処理装置の登録部が登録した商品情報とを別取引として会計処理する第1モードと、前記第1販売データ処理装置の登録部が登録した商品情報と前記第2販売データ処理装置の登録部が登録した商品情報とを同一取引として会計処理する第2モードと、を切換えるモード切換部を備える、
販売データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置、および販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を購入する顧客自身が商品登録に係る操作および会計処理に係る操作を行うセルフPOS(Point Of Sales)端末が知られている(例えば、特許文献1)。セルフPOS端末は、スキャナと表示器とを備えている。
【0003】
スキャナは、商品に付されたコードシンボルから商品コードを読取る。セルフPOS端末は、スキャナが読取った商品コードに基づいて商品情報を登録することによって商品登録を実行する。このとき、表示器は、スキャナが読取った商品コードに対応する商品情報を表示する。これにより、顧客は商品登録した商品について、その商品情報を確認することができる。また、表示器は、会計処理の指示などの各種操作を行うための操作子などを表示する。
【0004】
上記従来技術のセルフPOS端末は、親子連れなど複数人のグループの顧客であっても商品登録等の操作を複数人で同時に行うことができないため、特に購入商品が多い場合には商品登録に時間を要するものであった。上記従来技術のセルフPOS端末は、筐体に埋め込まれたスキャナとハンディスキャナとを備えているが、当該ハンディスキャナは補助的に使用されるものである。このため、これらスキャナに1対1で対応する表示器は備えられておらず、2つのスキャナを使った場合でも商品情報の確認は同じ表示器で行う必要があり、一取引について複数人が並行して商品登録を行うことができるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、一取引について複数人が並行して商品登録を行うことが可能な販売データ処理装置および販売データ処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ処理装置は、商品を識別する商品識別情報を読取る第1スキャナおよび第2スキャナと、前記第1スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第1表示部と、前記第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第2表示部と、前記1スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報と前記第2スキャナが読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報とを登録する登録部と、前記第1スキャナの読取による商品情報と前記第2スキャナの読取による商品情報とを別取引として登録する第1モードと、前記第1スキャナの読取による商品情報と前記第2スキャナの読取による商品情報とを同一取引として登録する第2モードと、を切換えるモード切換部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の販売データ処理装置の外観を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の販売データ処理装置の決済部の外観を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の販売データ処理装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の販売データ処理装置の商品情報部のデータ構成を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の販売データ処理装置の取引コード部のデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の販売データ処理装置の機器テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の販売データ処理装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第1モード選択時の表示画面の変移を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第2モード選択時の表示画面の変移を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第2モードの商品登録時の表示画面の変移を示す図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第2モードの会計処理時の表示画面の第1の変移を示す図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第2モードの会計処理時の表示画面の第2の変移を示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の販売データ処理装置における第2モードの会計処理時の表示画面の第3の変移を示す図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態の販売データ処理装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第1の実施形態の販売データ処理装置の制御部による第1モード処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第1の実施形態の販売データ処理装置の制御部による第2モード処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態の販売データ処理システムの概略を示す図である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の制御部による単独処理の流れを示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の制御部によるマスタ処理の流れを示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、第2の実施形態の販売データ処理システムを構成する販売データ処理装置の制御部によるスレーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の販売データ処理装置および販売テータ処理システムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、販売データ処理装置はキャッシュレス決済専用機としているが、これに限らない。販売データ処理装置は、釣銭機を備えた現金決済可能なものとしてもよい。また、販売データ処理装置は、決済機能を備えていなくてもよい。
【0009】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の販売データ処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、販売データ処理装置の一例であるセルフPOS端末1の外観を示す図である。本実施形態のセルフPOS端末1は、商品を販売する店舗、例えばスーパーマーケットなどに適用される。
【0010】
なお、
図1では、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸の3軸方向を用いてセルフPOS1端末の構成を説明する。X軸は、セルフPOS端末1を前後に貫き、セルフPOS端末1の前方から後方に向かう軸である。Y軸は、セルフPOS端末1を左右に貫き、セルフPOS端末1の右側から左側に向かう軸である。Z軸は、セルフPOS端末1を上下に貫き、セルフPOS端末1の下方から上方に向かう軸である。
【0011】
セルフPOS端末1は、置台10と本体20とを備える。置台10は、顧客が購入する商品等を載置可能なものであって、第1置台11および第2置台12で構成される。第1置台11は、本体20から前方に向かって延設されている。また、第2置台12は、本体20から後方に向かって延設されている。第1置台11と第2置台12とが本体20を間にして反対方向に延設されていることによって、第1置台11を利用する顧客と第2置台12を利用する顧客との干渉を抑制することができる。
【0012】
本体20は、前後に対象な構成となっている。本体20の前面には、第1表示部21、第1操作部22、第1スキャナ23、および第1決済部24が設けられている。これら第1表示部21、第1操作部22、第1スキャナ23、および第1決済部24によって第1POS部Aが構成される。なお、表示部、操作部、スキャナ、および決済部で構成されるPOS部の数は3つ以上であってもよい。
【0013】
本体20の後面には、第2表示部25、第2操作部26、第2スキャナ27、および第2決済部28(ともに
図3参照)が設けられている。これら第2表示部25、第2操作部26、第2スキャナ27、および第2決済部28によって第2POS部Bが構成される。第1POS部Aと第2POS部Bは同様な構成であるので、ここでは第1POS部Aについて詳細に説明し、第2POS部Bの説明は省略する。
【0014】
第1表示部21は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。第1表示部21による表示内容の詳細は後述する。第1操作部22は、例えばタッチパネルで構成されており、各種情報を入力するためのものである。第1操作部22は、触れた位置に応じた情報を制御部200(
図3参照)に入力する。第1操作部22は、キーボード等の入力装置を別途備えていてもよい。
【0015】
第1スキャナ23は、第1表示部21に下方に位置して設けられる。第1スキャナ23は、その前側に位置した商品に付されたバーコード等のコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には第1スキャナ23は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、第1スキャナ23は、認識した商品バーコードをデコードし、当該商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、第1スキャナ23が認識した商品バーコードのデコードは、制御部200で行ってもよい。
【0016】
第1決済部24は、第1スキャナ23の下方に位置して設けられる。第1決済部24は、カードリーダ、電子マネーリーダライタ、決済端末等(ともに図示せず)を有する。
図2は、第1決済部24の外観を示す図である。第1決済部24は、液晶パネル241およびカード挿入口242を備える。
【0017】
第1決済部24には、NFC(近距離無線通信:Near Field Communication)用のアンテナが埋設されている。電子マネーリーダライタは、電子マネーカードや携帯型電子機器などの決済媒体と上記アンテナを介して通信し、当該決済媒体に対するデータの読み書きを行う。顧客は、液晶パネル241に決済媒体を近づけることで、商品の購入代金の支払いを行うことができる。
【0018】
カード挿入口242は、前方に向かって開口し、クレジットカードを受け入れる。本実施形態では、ICチップを内蔵したクレジットカードから情報を読取るICカードリーダを採用しているが、ICカードリーダに代えて、あるいは加えて磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダを用いてもよい。
【0019】
また、本体20の上部には、景品収容部29が設けられている。景品収容部29に収容された景品は、本体20の右側下部に設けられた第1排出口30あるいは本体20の左側下部に設けられた第2排出口(図示せず)から排出される。店舗は、集客のためのプロモーションとして、商品を購入した顧客に景品をプレゼントすることができる。セルフPOS端末1が景品を排出する条件は、店舗が任意に設定することができる。例えば、決済が完了したら景品が排出される、店舗が設定した特定商品が購入された場合に景品が排出される、購入点数が所定数以上の場合に景品が排出される、購入金額が所定金額以上の場合に景品が排出されるなど、景品の排出条件は任意に設定することができる。
【0020】
本実施形態のセルフPOS端末1は、第1POS部Aと第2POS部Bとを別々の顧客が同時に使用することができる第1モードと、同じ顧客が同時に使用することができる第2モードとを切換えることができる。言い換えれば、セルフPOS端末1は、第1スキャナ23で商品バーコードを読取った商品と第2スキャナ27で商品バーコードを読取った商品とを別々の取引として扱う第1モードと、同一の取引として扱う第2モードとを切換えることができる。この点についての詳細は後述する。
【0021】
次に、セルフPOS端末1のハードウェア構成についてブロック図を用いて説明する。
図3は、セルフPOS端末1の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【0022】
セルフPOS端末1は、上述した第1POS部A、第2POS部B等の構成に加えて、制御部200と、記憶部300と、通信部400と、を備えている。制御部200、記憶部300、通信部400、第1POS部Aを構成する各種機器、および第2POS部Bを構成する各種機器は、バス500等を介して互いに接続されている。
【0023】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、互いにバス500を介して接続されている。
【0024】
CPU201はセルフPOS端末1の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部300に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部200は、CPU201がROM202や、記憶部300に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、セルフPOS端末1の各種制御処理を実行する。
【0025】
また、RAM203は、商品情報部204および取引コード部205を備える。商品情報部204は、第1スキャナ23または第2スキャナ27で商品バーコードを読取った商品の商品情報を取引コードに対応付けて記憶する。
図4は、商品情報部204のデータ構成を示す図である。商品情報部204は、取引コード、商品コード、及び商品情報を対応付けて記憶する。
【0026】
取引コードは顧客の取引を識別する情報であり、当該顧客がセルフPOS端末1の操作を開始した際などに制御部200によって発行される。商品コードは商品を識別する情報であり、商品識別情報の一例である。商品情報は、商品名、価格など商品に関する情報である。制御部200は、第1スキャナ23または第2スキャナ27で読取った商品コードに基づいて商品情報を登録する。制御部200が商品情報部204に商品情報を登録することによって商品登録がなされる。
【0027】
取引コード部205は、制御部200が発行した取引コードとPOS部IDとを対応付けて記憶する。顧客が第1モードまたは第2モードを選択した際に、取引コード部205に情報が登録される。
図5は、取引コード部205のデータ構成を示す図である。
【0028】
取引コードは上述のとおり、顧客の取引を識別する情報である。POS部IDは、対応する取引コードの取引に係る商品情報を処理するPOS部を識別する情報である。顧客によって第1モードが選択されると、発行された取引IDに第1POS部Aまたは第2POS部BのいずれかのPOS部IDが対応付けられる。一方、顧客によって第2モードが選択されると、発行された取引IDに第1POS部Aおよび第2POS部Bの両方のPOS部IDが対応付けられる。
【0029】
記憶部300は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部300は、制御プログラム301、商品マスタ302、および機器テーブル303を記憶する。
【0030】
制御プログラム301は、セルフPOS端末1の動作モードを第1モードで動作させる機能、第2モードで操作させる機能、第1モードと第2モードとを切換える機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0031】
商品マスタ302は、店舗で取り扱っている商品について、商品コードと商品情報(商品名、価格等)とを対応づけたマスタファイルである。商品マスタ302は、図示しない店舗サーバ等から通信部400を介して受信される。店舗で取り扱う商品は日々変化するので、商品マスタ302は適宜更新される。
【0032】
機器テーブル303は、POS部ごとに機器を管理するデータテーブルである。
図6は、機器テーブル303のデータ構成を示す図である。機器テーブル303は、POS部ID、表示部ID、操作部ID、スキャナID、および決済部IDを対応付けて記憶する。
【0033】
POS部IDはPOS部を識別する情報であり、表示部IDは表示部を識別する情報である。操作部IDは操作部を識別する情報であり、スキャナIDはスキャナを識別する情報である。決済部IDは、決済部を識別する情報である。第1POS部AのPOS部IDには、第1表示部21、第1操作部22、第1スキャナ23、および第1決済部24の各IDが対応付けられている。また、第2POS部BのPOS部IDには、第2表示部25、第2操作部26、第2スキャナ27、および第2決済部28の各IDが対応付けられている。
【0034】
通信部400は、店舗サーバ等の外部装置と通信を行うためのインターフェイスである。制御部200は、通信部400を介して外部装置と通信することで、当該外部装置と情報(データ)を送受信することができる。第1POS部Aおよび第2POS部Bを構成する各機器については上述したので、重複する説明は省略する。
【0035】
続いて、セルフPOS端末1の制御部200の機能構成について説明する。
図7は、セルフPOS端末1の制御部200の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部200は、CPU201がROM202や記憶部300に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、受付部2001、モード切換部2002、登録部2003、会計処理部2004、表示制御部2005、および送受信部2006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0036】
受付部2001は、第1スキャナ23または第2スキャナ27が読取った商品コードを受付ける。また、受付部2001は、第1モードまたは第2モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける。具体的には、受付部2001は、第1操作部22または第2操作部26に対する顧客の操作により入力された選択情報を受付ける。選択情報は、セルフPOS端末1の動作モードが第1モードに選択されたか、第2モードに選択されたかを示す情報である。受付部2001は、選択情報受付部として機能する。
【0037】
上述したとおり、第1モードは、第1POS部Aと第2POS部Bとを別々の顧客が同時に使用することができる動作モードである。また、第2モードは、第1POS部Aと第2POS部Bとを同じ顧客(一顧客)が同時に使用して一取引で会計することができる動作モードである。
【0038】
受付部2001は、第2モードにおいて、第1スキャナ23の読取による商品情報の登録完了を示す第1完了情報および第2スキャナ27の読取による商品情報の登録完了を示す第2完了情報を受付ける。具体的には、受付部2001は、第2モードにおいて、第1スキャナ23を利用した顧客が商品登録を完了した際に第1操作部22から入力される第1完了情報を受付ける。また、受付部2001は、第2モードにおいて、第2スキャナ27を利用した顧客が商品登録を完了した際に第2操作部26から入力される第2完了情報を受付ける。受付部2001は、スキャン完了情報受付部として機能する。
【0039】
さらに、受付部2001は、第1操作部22および第2操作部26から各種情報を受付ける。また、受付部2001は、第1決済部24および第2決済部28から各種情報を受付ける。
【0040】
モード切換部2002は、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナ27の読取による商品情報とを別取引として登録する第1モードと、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナ27の読取による商品情報とを同一取引として登録する第2モードと、を切換える。モード切換部2002は、受付部2001が受付けた選択情報に基づいて、セルフPOS端末1の動作モードを第1モードまたは第2モードに切換える。
【0041】
なお、セルフPOS端末1がPOS部を3つ以上備えたものであり、これらPOS部の組み合わせによる3つ以上の動作モードで動作可能である場合、モード切換部2002は、顧客の操作に応じていずれかの動作モードに切換えるようにしてもよい。
【0042】
登録部2003は、第1スキャナ23が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報と第2スキャナ27が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報とを登録する。具体的には、登録部2003は、第1スキャナ23または第2スキャナ27が商品コードを読取ると、商品マスタ302から当該商品コードに対応する商品情報を読み出して商品情報部204に登録(記憶)することで、商品登録を実行する。
【0043】
このとき、登録部2003は、商品情報に取引コードを対応付ける。詳細には、商品コードを読取ったスキャナのスキャナIDに対応するPOS部IDを機器テーブル303から読み出し、当該POS部IDに対応する取引コードを取引コード部205から読み出す。そして、登録部2003は、読み出した取引コードを商品情報に対応付けて商品情報部204に登録する。
【0044】
なお、以下の説明において、第1スキャナ23が読取った商品識別情報に基づいてなされる商品登録を「第1POS部Aによる商品登録」という場合がある。また、第2スキャナ27が読取った商品識別情報に基づいてなされる商品登録を「第2POS部Bによる商品登録」という場合がある。
【0045】
会計処理部2004は、商品情報部204に登録された情報に基づいて、会計処理を実行する。会計処理は、顧客が購入代金の支払いを行うために必要な処理であって、本実施形態では、購入代金の合計金額の算出や表示、電子マネー情報やクレジット情報等の読み取り、決済事業者の決済サーバとの情報の送受信、などである。なお、セルフPOS端末1が現金決済可能な場合、会計処理は釣銭の算出や排出等の処理を含む。会計処理部2004は、商品情報部204に登録されている商品情報を取引コードごとに分類して会計処理を実行する。
【0046】
表示制御部2005は、第1表示部21および第2表示部25を制御して、これら表示部に各種情報を表示させる。表示制御部2005の制御による具体的表示例の詳細は後述する。
【0047】
送受信部2006は、店舗サーバや決済事業者の決済サーバ等の外部装置との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2006は、決済サーバに決済要求を送信し、当該決済要求に対する応答として決済完了通知を受信する。
【0048】
ここで、表示制御部2005の制御によって第1表示部21および第2表示部25に表示される表示画面の画面変移について説明する。
図8は、第1モード選択時の表示画面の変移を示す図である。第1操作部22で第1モードが選択された場合の第1表示部21の画面変移と、第2操作部26で第1モードが選択された場合の第2表示部25の画面変移とは同様である。ここでは、第1操作部22によって第1モードが選択されたものとして説明する。
【0049】
図8に示すように、第1表示部21は、第1POS部Aが使用されていない待機時では待機画面211を表示する。待機画面211には、スタートボタン2111が表示される。スタートボタン2111が操作(タップ)されると、第1表示部21はモード選択画面212を表示する。
【0050】
モード選択画面212には、「反対側のセルフレジも同時に使用しますか?」とのメッセージとともに、はいボタン2121と、いいえボタン2122とが表示される。はいボタン2121は第2モードを選択するための操作子であり、いいえボタン2122は第1モードを選択するための操作子である。いいえボタン2122が操作されると、受付部2001は、第1モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける。そして、モード切換部2002によってセルフPOS端末1の動作モードが第1モードに設定され、登録部2003は商品登録が可能になる。
【0051】
いいえボタン2122が選択された後、第1スキャナ23が商品バーコードから商品コードを読取ると商品登録がなされる。このとき、第1表示部21は、登録画面213を表示する。詳細には、モード選択画面212で、いいえボタン2122が選択されると、受付部2001は第1モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける。受付部2001が上記選択情報を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21は登録画面213を表示する。
【0052】
登録画面213には、商品情報表示部2131、合計情報表示部2132、および会計ボタン2133が表示される。商品情報表示部2131は、商品登録された商品の商品情報を表示する。商品情報表示部2131は、商品情報として、商品名、購入点数、および金額を同じ行に表示する。合計情報表示部2132は、商品登録された商品の合計購入点数および合計金額を表示する。
【0053】
会計ボタン2133は、商品登録を完了した顧客が支払に進むための操作子、すなわち会計処理部2004に会計処理を指示するための操作子である。会計ボタン2133が操作されると、受付部2001は会計指示を受付ける。受付部2001が会計指示を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21は会計画面214を表示する。
【0054】
会計画面214は、登録画面213上に支払方法(決済方法)を選択するための支払方法選択部2141がポップアップ表示されることで形成される。顧客は、希望する支払方法を選択して支払を行う。
【0055】
次に、第2モードにおいて第1表示部21および第2表示部25に表示される表示画面の画面変移について説明する。
図9は、第2モード選択時の表示画面の変移を示す図である。ここでは、第1操作部22によって第2モードが選択されたものとして説明する。この場合、第1操作部22を備えた第1POS部Aをマスタ側、第2POS部Bをスレーブ側という。
【0056】
待機画面211およびモード選択画面212は、
図8の例と同様である。モード選択画面212において、はいボタン2121が操作されると、受付部2001は、第2モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける。制御部200は、反対側のセルフレジ(第2POS部B)が使用されていないことをチェックし、使用されていなければ、第1表示部21は認証待ち画面215を表示する。認証待ち画面215には、「反対側のセルフレジの認証待ちです」など、顧客に待機を促すメッセージが表示される。
【0057】
このとき、第2表示部25は、認証画面255を表示する。認証画面255には、「反対側のセルフレジと一緒に使用します」とのメッセージとともに、はいボタン2551と、いいえボタン2552とが表示される。はいボタン2551が操作されると、受付部2001は、スレーブ側の認証が済んだことを示す認証情報を受付ける。これにより、セルフPOS端末1の動作モードが第2モードに設定され、登録部2003は商品登録が可能になる。
【0058】
受付部2001が認証情報を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21は認証完了画面216を、第2表示部25は認証完了画面256を、それぞれ表示する。認証完了画面216と認証完了画面256は、同一内容(商品登録を開始することができる旨のメッセージ)を表示する。
【0059】
続いて、第2モードにおける登録画面について説明する。
図10は、第2モードの商品登録時の表示画面の変移を示す図である。ここでは、マスタ側である第1POS部Aでの商品登録が先に完了したものとして説明する。
図10に示すように、顧客による商品登録の作業中、第1表示部21はA1画面217を、第2表示部25はB1画面257をそれぞれ表示する。
【0060】
A1画面には、商品情報表示部2171、合計情報表示部2172およびスキャン完了ボタン2173が表示される。商品情報表示部2171は、商品登録された順に商品情報を表示する。具体的には、商品情報表示部2171は、直近に商品登録された商品の商品情報が最上段に表示され、最初に商品登録された商品の商品情報が最下段に表示される。
図10の例では、最初に商品登録された商品は「GG」であり、最後に商品登録された商品は「AA」である。
【0061】
なお、商品情報部2171は、商品登録を実行したPOS部毎に商品情報をまとめて表示してもよい。例えば、商品情報部2171は、第1POS部Aで商品登録された商品の商品情報を上部にまとめて表示し、第2POS部Bで商品登録された商品の商品情報を下部にまとめて表示してもよい。この場合、後述する第2POS部Bの商品情報表示部2571も同様に表示してもよい。あるいは、第2POS部Bの商品情報表示部2571は、当該第2POS部Bで商品登録された商品の商品情報を上部にまとめて表示し、第1POS部Aで商品登録された商品の商品情報を下部にまとめて表示してもよい。
【0062】
また、商品情報表示部2171は、第1POS部Aおよび第2POS部Bで商品登録された商品の商品情報を区別して表示する。例えば、第1POS部Aで商品登録された商品については、「A」の文字を商品名、購入点数、および金額と同じ行に表示するとともに、この行の背景を白にして表示する。
【0063】
一方、反対側である第2POS部Bで商品登録された商品については、「B」の文字を商品名、購入点数、および金額と同じ行に表示するとともに、この行の背景をグレーにして表示する。これにより、顧客は、自身が商品バーコードをスキャンした商品の情報と、同じグループの顧客が反対側の第2POS部Bで商品バーコードをスキャンした商品の情報とを区別して認識することができる。したがって、顧客の利便性を向上させることができる。
【0064】
合計情報表示部2172は、商品情報表示部2171に表示された商品の合計購入点数および合計金額を表示する。また、合計情報表示部2172は、商品の合計点数の表示に隣接して、第1POS部Aで商品登録された商品点数と、第2POS部Bで商品登録された商品点数とを表示する。これにより、顧客は各POS部で商品登録された商品点数を一目で認識することができる。スキャン完了ボタン2173は、顧客が商品登録を完了した場合に操作される操作子である。スキャン完了ボタン2173が操作されると、受付部2001は第1スキャナ23の読取による商品情報の登録完了を示す第1完了情報を受付ける。なお、第1POS部Aで商品登録された商品点数および第2POS部Bで商品登録された商品点数の表示はなくてもよい。
【0065】
B1画面には、商品情報表示部2571、合計情報表示部2572およびスキャン完了ボタン2573が表示される。B1画面は、A1画面と同様であるので重複する説明は省略する。ただし、B1画面の商品情報表示部2571は、A1画面の商品情報表示部2171とは反対に、第2POS部Bで商品登録された商品の商品情報を示す行の背景を白にし、第1POS部Aで商品登録された商品の商品情報を示す行の背景をグレーにして表示する。
【0066】
マスタ側の第1POS部Aが先に商品登録を完了してスキャン完了ボタン2173が操作されると、第1表示部21はA2画面218を、第2表示部25はB2画面258を、それぞれ表示する。
【0067】
A2画面218には、商品情報表示部2181および合計情報表示部2182が表示される。これら商品情報表示部2181および合計情報表示部2182は、A1画面217における商品情報表示部2171および合計情報表示部2172と同様である。また、A2画面には、「反対側Bでスキャン中です」など、顧客に待機を促すメッセージが表示される。第1POS部Aを操作する顧客は第2POS部Bでの商品登録が完了するまで待機する。
【0068】
B2画面258には、商品情報表示部2581、合計情報表示部2582、およびスキャン完了ボタン2583が表示される。これら商品情報表示部2581、合計情報表示部2582、およびスキャン完了ボタン2583は、B1画面における商品情報表示部2571、合計情報表示部2572、およびスキャン完了ボタン2573と同様である。また、B2画面には、「反対側Aはスキャン完了」などのメッセージが表示される。第2POS部Bを操作する顧客は第1POS部Aでの商品登録が完了したことを認識できる。これにより、例えば第2POS部Bで商品登録しようとしている残りの商品が多数ある場合、その一部を、第1POS部Aを操作する顧客によって商品登録するようにすることができ、商品登録の効率化が図られる。この場合、第1POS部Aでは第1表示部21あるいは別途設けられたキーボードなどから商品登録を再開するための情報を入力することができる。
【0069】
第2POS部Bでの商品登録が完了すると、顧客によってスキャン完了ボタン2583が操作される。スキャン完了ボタン2583が操作されると、受付部2001は第2スキャナ27の読取による商品情報の登録完了を示す第2完了情報を受付ける。
【0070】
受付部2001が第1完了情報および第2完了情報を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21はA3画面219を、第2表示部25はB3画面259を、それぞれ表示する。
【0071】
A3画面219には、商品情報表示部2191、合計情報表示部2192、および会計ボタン2193が表示される。商品情報表示部2191および合計情報表示部2192は、A2画面における商品情報表示部2181および合計情報表示部2182と同様である。会計ボタン2193は、会計処理部2004に会計処理を指示するための操作子である。
【0072】
B3画面259には、商品情報表示部2591、合計情報表示部2592、および会計ボタン2593が表示される。B3画面259は、商品情報表示部2591の商品情報の背景がA3画面の商品情報表示部2191と反対である点を除いて、A3画面219と同様である。
【0073】
続いて、第2モードにおける会計時の画面について説明する。
図11は、第2モードの会計処理時の表示画面の第1の変移を示す図である。ここでは、マスタ側である第1POS部Aで会計指示が入力されたものとして説明する。
【0074】
A3画面219において、会計ボタン2193が操作されると、受付部2001は会計指示を受付ける。受付部2001が会計指示を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21はA4画面220を表示する。
【0075】
A4画面220は、A3画面219上に会計方法を選択するための会計方法選択部2201がポップアップ表示されることで形成される。なお、このとき会計ボタン2193は非表示となる。A4画面においては、会計ボタン2193は顧客が操作する必要のない不要な操作子であるため、非表示とすることで操作性を良好とすることができる。会計方法選択部2201は、会計方法を選択する3つのボタンを表示する。具体的には、会計方法選択部2201は、全額会計ボタン2202、均等会計ボタン2203、および選択会計ボタン2204を表示する。
【0076】
全額会計ボタン2202は、第1POS部A(会計ボタンが操作されたPOS部)で全額支払いを行うための操作子である。均等会計ボタン2203は、第1POS部Aおよび第2POS部Bで商品登録された全ての商品の購入代金を均等割りして、第1POS部Aと第2POS部Bとでそれぞれ支払を行うための操作子である。選択会計ボタン2204は、第1POS部Aおよび第2POS部Bで商品登録された全ての商品について、第1POS部Aで支払を行う商品と、第2POS部Bで支払を行う商品とを顧客が選択して、それぞれのPOS部で支払を行うための操作子である。
【0077】
A4画面220において、全額会計ボタン2202が操作されると、受付部2001は全額会計指示を受付ける。受付部2001が全額会計指示を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21はA5画面221を、第2表示部25はB4画面260を、それぞれ表示する。
【0078】
A5画面221は、A4画面220の会計方法選択部2201が支払方法選択部2211に置き換わった画面となる。なお、このとき支払ボタン2215が表示される。支払方法選択部2211は、いずれかの支払方法を選択する複数のボタンを表示する。具体的には、支払方法選択部2211は、電子マネー決済ボタン2212、クレジット決済ボタン2213、およびコード決済ボタン2214をそれぞれ複数表示する。
【0079】
電子マネー決済ボタン2212は、電子マネーによる支払を行うための操作子であって、電子マネーの種別に対応して複数設けられている。クレジット決済ボタン2213は、クレジットカード決済による支払を行うための操作子であって、クレジットカードの種別に対応して複数設けられている。コード決済ボタン2214は、二次元コード決済による支払を行うための操作子であって、二次元コード決済の種別に対応して複数設けられている。なお、電子マネー決済ボタン2212、クレジット決済ボタン2213、およびコード決済ボタン2214の数は図示の例に限らない。顧客はいずれかの支払方法を選択した後、支払ボタン2215を操作して、選択した支払方法で支払を行う。
【0080】
B4画面260は、B3画面259上にメッセージ部2601がポップアップ表示されることで形成される。メッセージ部2601には、「反対側で会計を行っています」など顧客に待機を促すメッセージが表示される。B4画面260は、第1POS部Aでの会計処理が終了するまで表示される。
【0081】
B4画面260では、会計ボタン2593は非表示となる。第1POS部AのA4画面220で会計ボタン2193がすでに操作されており、第1POS部BのB4画面260では会計ボタン2593の操作を受付けないようにしている。なお、会計ボタン2593を、ポップアップ表示されたメッセージ部2601の背景に表示されたままの状態として、操作を受付けないようにしてもよい。
【0082】
次に、A4画面220において、均等会計ボタン2203が選択された場合の画面について説明する。
図12は、第2モードの会計処理時の表示画面の第2の変移を示す図である。
【0083】
A4画面220において、均等会計ボタン2203が操作されると、受付部2001は均等会計指示を受付ける。受付部2001が均等会計指示を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第2表示部25はB5画面261を表示する。
【0084】
B5画面261は、メッセージ部2611を表示する。メッセージ部2611には、「均等割り勘、両側で会計が選択されました」など、第2POS部Bを操作する顧客に対して均等会計が選択されたことを通知するメッセージが表示される。
【0085】
制御部200によって、割り勘金額の算出が終了し所定時間経過すると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21はA6画面222を、第2表示部25はB6画面262を、それぞれ表示する。
【0086】
A6画面222は、A5画面221と同様に、支払方法選択部2221と支払ボタン2225とを表示する。また、支払方法選択部2221は、電子マネー決済ボタン2222、クレジット決済ボタン2223、およびコード決済ボタン2224を表示する。これら各操作子の機能はA5画面221の各操作子と同様であるので、重複する説明は省略する。なお、A6画面222には、第1POS部Aで支払われる割り勘支払額2226が表示される。これにより、第1POS部Aで支払を行う顧客は、自己が支払うべき金額を容易に認識することができる。
【0087】
B6画面262は、支払方法選択部2621と支払ボタン2625とを表示する。また、支払方法選択部2621は、電子マネー決済ボタン2622、クレジット決済ボタン2623、およびコード決済ボタン2624を表示する。これら各操作子の機能はA6画面222と同様であるので、重複する説明は省略する。また、B6画面262には、第2POS部Bで支払われる割り勘支払額2626が表示される。
【0088】
第1POS部Aを操作する顧客および第2POS部Bを操作する顧客は、いずれかの支払方法を選択した後、第1POS部Aを操作する顧客は支払ボタン2225を操作して、第2POS部Bを操作する顧客は支払ボタン2625を操作して、選択した支払方法でそれぞれ支払を行う。
【0089】
次に、A4画面220において、選択会計ボタン2204が選択された場合の画面について説明する。
図13は、第2モードの会計処理時の表示画面の第3の変移を示す図である。
【0090】
A4画面220において、選択会計ボタン2204が操作されると、受付部2001は選択会計指示を受付ける。受付部2001が選択会計指示を受付けると、表示制御部2005の制御によって、第2表示部25はB7画面263を表示する。
【0091】
B7画面263は、メッセージ部2631を表示する。メッセージ部2631には、「商品を選んでそれぞれで会計が選択されました」など、第2POS部Bを操作する顧客に対して選択会計が選択されたことを通知するメッセージが表示される。
【0092】
制御部200によって所定時間が計時されると、表示制御部2005の制御によって、第1表示部21はA7画面223を、第2表示部25はB8画面264を、それぞれ表示する。
【0093】
A7画面223には、商品情報表示部2231、合計情報表示部2232および支払ボタン2233が表示される。商品情報表示部2231は、第1POS部Aおよび第2POS部Bで商品登録された商品の商品情報を区別して表示する。例えば、第1POS部Aで商品登録された商品については、「A」の文字を商品名、購入点数、および金額と同じ行に表示する。一方、反対側である第2POS部Bで商品登録された商品については、「B」の文字を商品名、購入点数、および金額と同じ行に表示する。顧客は、いずれかの商品情報をタップすることで、自身が支払する商品を選択することができる。
【0094】
合計情報表示部2232は、第1POS部A(第1操作部22)で選択された商品の合計金額を表示する第1金額部2234、第2POS部B(第2操作部26)で選択された商品の合計金額を表示する第2金額部2235、いずれのPOS部でも選択されない商品の合計金額を均等割りした金額を表示する第3金額部2236、および第1POS部Aで会計処理される金額を示す第4金額部2237を有する。いずれのPOS部でも商品が選択されていない初期状態では、第3金額部2236および第4金額部2237に、商品登録された全ての商品の合計金額を均等割りした金額が表示される。
【0095】
B8画面264は、A7画面と同様の画面構成となっている。具体的には、B8画面には、商品情報表示部2641、合計情報表示部2642および支払ボタン2643が表示される。また、合計情報表示部2642は、第1POS部Aで選択された商品の合計金額を表示する第1金額部2644、第2POS部Bで選択された商品の合計金額を表示する第2金額部2645、いずれのPOS部でも選択されない商品の合計金額を均等割りした金額を表示する第3金額部2646、および第2POS部Bで会計処理される金額を示す第4金額部2647を有する。A7画面223と同様に、初期状態では、第3金額部2646および第4金額部2647に、商品登録された全ての商品の合計金額を均等割りした金額が表示される。
【0096】
第1POS部Aおよび第2POS部Bで商品が選択されると、第1表示部21はA8画面224を、第2表示部25はB9画面265を、それぞれ表示する。
【0097】
A8画面224は、A7画面223と同様に、商品情報表示部2241、合計情報表示部2242、支払ボタン2243、第1金額部2244、第2金額部2245、第3金額部2246、第4金額部2247を表示する。また、商品情報表示部2241は、第1POS部Aで選択された商品であることを示す選択マーク2248を表示する。第1金額部2244~第4金額部2247に表示される金額は商品の選択状況に応じて適宜変更される。
【0098】
B9画面265は、B8画面264と同様に、商品情報表示部2651、合計情報表示部2652、支払ボタン2653、第1金額部2654、第2金額部2655、第3金額部2656、第4金額部2657を表示する。商品情報表示部2651は、、第2POS部Bで選択された商品であることを示す選択マーク2658を表示する。
【0099】
A8画面224において支払ボタン2243が操作されると、第1表示部21は、支払方法を選択するA6画面222(
図12参照)と同様の画面を表示する。また、B9画面265において支払ボタン2653が操作されると、第2表示部25は、支払方法を選択するB6画面262(
図12参照)と同様の画面を表示する。顧客は画面表示にしたがって支払を行う。
【0100】
次に、上記構成のセルフPOS端末1の制御部200が実行する処理について説明する。
図14は、制御部200による処理の流れを示すフローチャートである。
【0101】
まず、制御部200は、受付部2001がスタート入力を受付けたか否か判断し(ステップS1)、受付けないと(ステップS1のN)、ステップS1の処理に戻って待機する。受付部2001がスタート入力を受付けると(ステップS1のY)、モード切換部2002は、受付部2001が第1モードを選択する第1モード選択入力を受付けたか否か判断する(ステップS2)。
【0102】
受付部2001が第1モード選択入力を受付けると(ステップS2のY)、モード切換部2002は、動作モードを第1モードに設定し、制御部200は第1モード処理を実行して(ステップS3)、処理を終了する。第1モード処理の詳細は後述する。受付部2001が第1モード選択入力を受付けないと(ステップS2のN)、モード切換部2002は、受付部2001が第2モードを選択する第2モード選択入力を受付けたか否か判断する(ステップS4)。
【0103】
受付部2001が第2モード選択入力を受付けると(ステップS4のY)、モード切換部2002は、第2モード処理が実行可能か否か判断する(ステップS5)。具体的には、モード切換部2002は、スレーブ側となるPOS部が第1モードで動作中であるか否かを判断する。第2モード処理が実行可能であると(ステップS5のY)、言い換えるとスレーブ側のPOS部が顧客によって使用されていないと、モード切換部2002は、受付部2001がスレーブ側のPOS部から認証情報を受付けたか否か判断する(ステップS6)。言い換えれば、モード切換部2002は、スレーブ側のPOS部を操作する顧客によって第2モードで動作することを認証する旨の情報が入力されたか否かを判断する。
【0104】
受付部2001がスレーブ側のPOS部から認証情報を受付けると(ステップS6のY)、モード切換部2002は、動作モードを第2モードに設定し、制御部200は第2モード処理を実行して(ステップS7)、処理を終了する。第2モード処理の詳細は後述する。
【0105】
なお、ステップS4の処理において、第2モード選択入力がなされないと(ステップS4のN)、制御部200はステップS2の処理に戻る。また、ステップS5の処理において、第2モード処理が実行可能でない場合(ステップS5のN)、表示制御部2005はスタート入力がなされたPOS部の表示部(第1表示部21または第2表示部25)にエラー表示を行う(ステップS8)。エラー表示は、スレーブ側となる他方のPOS部が使用できないことを示す表示である。そして、制御部200は、ステップS2の処理に戻る。
【0106】
ステップS6の処理において、受付部2001がスレーブ側のPOS部から認証情報を受付けないと(ステップS6のN)、制御部200は、ステップS6の処理に戻って待機する。
【0107】
上記処理により、顧客はセルフPOS端末1を第1モードまたは第2モードで使用することができる。
【0108】
次いで、第1モード処理について説明する。
図15は、制御部200による第1モード処理の流れを示すフローチャートである。
【0109】
第1モードが選択されると、制御部200は、第1モードで使用されるPOS部を特定するPOS部IDと対応付けた取引コードを設定する(ステップS11)。例えば、制御部200は、スタート入力を受付けた操作部の操作部IDに対応するPOS部IDを機器テーブル303から読み出して、発行した取引コードを対応付けて取引コード部205に記憶する。
【0110】
次いで、制御部200は、受付部2001が商品コードと当該商品コードを読取ったスキャナのスキャナIDとを受付けたか否か判断し(ステップS12)、受付けなければ(ステップS12のN)、ステップS12の処理に戻って待機する。
【0111】
受付部2001がスキャナIDに対応付けられた商品コードを受付けると(ステップS12のY)、登録部2003は、POS部IDに対応する取引コードに係る商品登録を行う(ステップS13)。具体的には、登録部2003は、受付部2001が受付けた商品コードに対応する商品情報を商品マスタ302から読み出す。また登録部2003は、受付部2001が受付けたスキャナIDに対応するPOS部IDを機器テーブル303から読み出し、当該POS部IDに対応する取引コードを取引コード部205から読み出す。そして、登録部2003は取引コード部205から読み出した取引コードと、商品マスタ302から読み出した商品情報と、受付部2001が受付けた商品コードと、を対応付けて商品情報部204に登録する。
【0112】
続いて、表示制御部2005は、POS部IDに対応する表示部に登録した商品情報を表示する(ステップS14)。具体的には、表示制御部2005は、受付部2001が受付けたスキャナIDに対応する表示部IDを機器テーブル303から読み出し、当該表示部IDで識別される表示部に登録部2003が登録した商品情報を表示する。
【0113】
次いで、制御部200は、受付部2001が会計指示入力と当該会計指示入力が入力された操作部の操作部IDとを受付けたか否か判断し(ステップS15)、受付けなければ(ステップS15のN)、ステップS12の処理に戻って待機する。
【0114】
受付部2001が操作部IDに対応付けられた会計指示入力を受付けると(ステップS15のY)、会計処理部2004は、POS部IDに対応する取引コードの会計処理を行う(ステップS16)。具体的には、会計処理部2004は、受付部2001が受付けた操作部IDに対応するPOS部IDを機器テーブル303から読み出し、当該POS部IDに対応する取引コードを取引コード部205から読み出す。そして、会計処理部2004は、読み出した取引コードに対応する商品情報を商品情報部204から読み出し、当該商品情報に基づいて会計処理を行う。そして、制御部200は第1モード処理を終了する。
【0115】
上記第1モード処理により、顧客はいずれかのPOS部のみを利用して商品登録および購入代金の支払を行うことができる。
【0116】
次いで、第2モード処理について説明する。
図16は、制御部200による第2モード処理の流れを示すフローチャートである。
【0117】
第2モードが選択されると、制御部200は、POS部IDに対応付けて取引コードを設定する(ステップS21)。具体的には、制御部200は、発行した取引コードに第1POS部AのPOS部IDおよび第2POS部BのPOS部IDを対応付けて取引コード部205に記憶する。
【0118】
次いで、制御部200は、受付部2001が商品コードと当該商品コードを読取ったスキャナのスキャナIDとを受付けたか否か判断し(ステップS22)、受付けなければ(ステップS22のN)、ステップS22の処理に戻って待機する。
【0119】
受付部2001がスキャナIDに対応付けられた商品コードを受付けると(ステップS22のY)、登録部2003は、商品登録を行う(ステップS23)。具体的には、登録部2003は、受付部2001が受付けた商品コードに対応する商品情報を商品マスタ302から読み出す。また、登録部2003は、取引コードを取引コード部205から読み出す。そして、登録部2003は、機器テーブル303から読み出した取引コードと、商品マスタ302から読み出した商品情報と、受付部2001が受付けた商品コードと、を対応付けて商品情報部204に登録する。
【0120】
続いて、表示制御部2005は、第1表示部21および第2表示部25に、登録された商品情報を区別表示する(ステップS24)。このとき、受付部2001が受付けた商品コードが第1スキャナ23のスキャナIDに対応付けられていた場合、表示制御部2005は、当該商品コードに対応する商品情報を、第1表示部21では白の背景で、第2表示部25ではグレーの背景で表示させる。
【0121】
また、受付部2001が受付けた商品コードが第2スキャナ27のスキャナIDに対応付けられていた場合、表示制御部2005は、当該商品コードに対応する商品情報を、第1表示部21ではグレーの背景で、第2表示部25では白の背景で表示させる。これにより、第1表示部21および第2表示部25は、商品コードを読取ったスキャナ毎に区別して商品情報を表示することができる。
【0122】
続いて、制御部200は、受付部2001が第1操作部22および第2操作部26の両方でスキャン完了入力がなされたか否か判断し(ステップS25)、スキャン完了入力がなされていなければ(ステップS25のN)、ステップS22の処理に戻る。
【0123】
第1操作部22および第2操作部26の両方でスキャン完了入力がなされると(ステップS25のY)、制御部200は、受付部2001が会計指示入力と当該会計指示入力がなされた操作部の操作部IDとを受付けたか否か判断し(ステップS26)、受付けなければ(ステップS26のN)、ステップS26の処理に戻って待機する。
【0124】
受付部2001が操作部IDに対応付けられた会計指示入力を受付けると(ステップS26のY)、表示制御部2005は、POS部IDに対応する表示部に会計方法を選択するための画面(A4画面220:
図11参照)を表示する(ステップS27)。具体的には、表示制御部2005は、会計指示入力に対応付けられた操作部IDに対応する表示部IDを機器テーブル303から読み出し、当該表示部IDで識別される表示部に会計方法を選択するための画面を表示する。
【0125】
会計処理部2004は、選択された会計方法に応じた会計処理を実行する(ステップS28)。そして、制御部200は第2モード処理を終了する。
【0126】
上記第2モード処理により、顧客は第1POS部Aおよび第2POS部Bの両方を使用して一取引の商品登録および購入代金の支払を行うことができる。
【0127】
以上説明したとおり、第1の実施形態のセルフPOS端末1は、商品を識別する商品識別情報を読取る第1スキャナ23および第2スキャナ27と、第1スキャナ23が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第1表示部21と、第2スキャナ27が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を表示する第2表示部25と、第1スキャナ23が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報と第2スキャナ27が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報とを登録する登録部2003と、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナ27の読取による商品情報とを別取引として登録する第1モードと、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナ27の読取による商品情報とを同一取引として登録する第2モードと、に切換えるモード切換部2002と、を備える。
【0128】
これにより、セルフPOS端末1は、第1スキャナ23と第2スキャナ27が別の顧客によって使用される使用形態と、第1スキャナ23と第2スキャナ27を一顧客によって使用される使用形態とで使用することが可能となる。すなわち、セルフPOS端末1は、一取引について複数人が並行して商品登録を行うことが可能となる。
【0129】
また、第1の実施形態のセルフPOS端末1は、第1モードまたは第2モードが選択されたことを示す選択情報を受付ける選択情報受付部(受付部2001)をさらに備え、登録部2003は、前記選択情報受付部が選択情報を受付けたことを条件に商品情報の登録を行う。
【0130】
これにより、セルフPOS端末1は、顧客によって動作モードが指定されてから商品登録を行う。このため、顧客は動作モードを認識してから商品登録に係る操作を行うので、商品登録した商品情報が他の顧客の取引対象として登録されてしまうといった誤登録を抑制することができる。
【0131】
さらに、第1の実施形態のセルフPOS端末1は、第2モードにおいて、第1表示部21および第2表示部25のそれぞれに、第1スキャナ23の読取による商品情報と第2スキャナ27の読取による商品情報とを区別して表示させる表示制御部2005をさらに備える。
【0132】
これにより、第2モードにおいて、顧客は、自己の操作により登録した商品情報と、自己と同じ顧客の他のメンバの操作により登録した商品情報とを区別して認識することができる。このため、第2モードにおけるセルフPOS端末1の操作性を向上させることができる。
【0133】
加えて、第1の実施形態のセルフPOS端末1は、第2モードにおいて、第1スキャナ23の読取による商品情報の登録完了を示す第1完了情報および第2スキャナ27の読取による商品情報の登録完了を示す第2完了情報を受付けるスキャン完了情報受付部(受付部2001)と、前記スキャン完了情報受付部が前記第1完了情報および前記第2完了情報を受付けたことを条件に会計処理を実行する会計処理部2004と、をさらに備える。
【0134】
これにより、セルフPOS端末1は、一取引について複数人が並行して商品登録を行う第2モードにおいて、それぞれが登録した商品情報を一取引に係る商品情報として確実に取り扱うことができる。このため、正確な会計処理を実現することができる。
【0135】
また、第1の実施形態のセルフPOS端末1は、スキャン完了情報受付部(受付部2001)が第1完了情報および第2完了情報を受付けたことを条件に、第1表示部21および第2表示部25に会計処理を指示するための操作子を表示させる。
【0136】
これにより、セルフPOS端末1は、一取引について複数人が並行して商品登録を行う第2モードにおいて、それぞれの商品登録が完了する前に会計指示の入力がなされることを防止する。このため、この点においても、正確な会計処理を実現することができる。
【0137】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態の販売データシステムについて、図面を参照して説明する。
図17は、販売データ処理システム6の概略を示す図である。販売データ処理システム6は、同一構成の複数のセルフPOS端末7を有する。これらセルフPOS端末7は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
図17において、一方のセルフPOS端末7は第1販売データ処理装置の一例であり、他方のセルフPOS端末8は第2販売データ処理装置の一例である。なお、販売データ処理システム6を構成するセルフPOS端末7の数は、図示の例に限らない。
【0138】
以下の説明において、第1の実施形態のセルフPOS端末1と同様の構成、機能については、詳細な説明を省略する場合がある。以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0139】
セルフPOS端末7は、表示部71と、表示部71の表面に設けられたタッチパネルからなる操作部72と、スキャナ73とを備える。また、セルフPOS端末7は、決済部74(
図18参照)を備える。
【0140】
図18は、セルフPOS端末7の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。セルフPOS端末7は、上述した表示部71、操作部72、スキャナ73、決済部74に加えて、制御部70と、記憶部80と、通信部90と、を備えている。表示部71、操作部72、スキャナ73、決済部74、制御部70、記憶部80、および通信部90は、バス95等を介して互いに接続されている。
【0141】
制御部70は、CPU701、ROM702、RAM703を備えたコンピュータ構成となっている。CPU701、ROM702、およびRAM703は、互いにバス95を介して接続されている。
【0142】
CPU701はセルフPOS端末7の全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用され、ROM702や記憶部80に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部70は、CPU701がROM702や、記憶部80に記憶されRAM703に展開された制御プログラムに従って動作することによって、セルフPOS端末7の各種制御処理を実行する。
【0143】
また、RAM703は、商品情報部704を備える。商品情報部704は、スキャナ73で商品バーコードを読取った商品の商品情報を記憶する。商品情報部704のデータ構成は第1の実施形態の商品情報部204と同様である。
【0144】
記憶部80は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部80は、制御プログラム801および商品マスタ802を記憶する。
【0145】
制御プログラム801は、単独処理、マスタ処理、スレーブ処理等を実行するためのプログラムなどである。単独処理、マスタ処理、およびスレーブ処理の詳細については後述する。商品マスタ802は、第1の実施形態の商品マスタ302と同様である。通信部90は、他のセルフPOS端末7や店舗サーバ等の外部装置と通信を行うためのインターフェイスである。表示部71、操作部72、スキャナ73、および決済部74の詳細については第1実施形態で述べているので、重複する説明は省略する。
【0146】
続いて、セルフPOS端末7の制御部70の機能構成について説明する。
図19は、セルフPOS端末7の制御部70の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部70は、CPU701がROM702や記憶部80に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、受付部7001、切換部7002、登録部7003、会計処理部7004、表示制御部7005、および送受信部7006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0147】
受付部2001は、スキャナ73で読取った商品コードを受付ける。また、受付部2001は、操作部72や他のセルフPOS端末7から指示情報を受付ける。例えば、受付部2001は、操作部72から単独処理の指示またはマスタ処理の指示を受付ける。単独処理の指示は、自装置で読取った商品コードに対応する商品情報のみに基づいて会計処理を行う単独処理を指示する情報である。マスタ処理の指示は、自装置で読取った商品コードに対応する商品情報と、他のセルフPOS端末7から取得した商品情報とに基づいて会計処理を行うマスタ処理を指示する情報である。
【0148】
また、受付部7001は、送受信部7006が他のセルフPOS端末7から受信したスレーブ処理の指示を受付ける。スレーブ処理の指示は、自装置で読取った商品コードに対応する商品情報を、スレーブ処理の指示の送信元のセルフPOS端末7に送信するスレーブ処理を指示する情報である。受付部2001は、操作部72からその他の各種情報を受付ける。
【0149】
切換部7002は、受付部7001が受付けた指示情報に応じて処理を切換える。具体的には、切換部7002は、制御部70の処理モードを、単独処理、マスタ処理、スレーブ処理のいずれかに切換える。各セルフPOS端末7の制御部70の処理モードが切換わることによって、販売データ処理システム6の動作モードが切換わる。すなわち、各セルフPOS端末7の切換部7002が協働して、販売データ処理システム6の動作モードを第1モードと第2モードとに切換える。
【0150】
第1モードは、第1販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報と第2販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報とを別取引として会計処理する動作モードである。第2モードは、第1販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報と第2販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報とを同一取引として会計処理する動作モードである。
【0151】
登録部7003は、スキャナ73が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する。具体的には、登録部2003は、スキャナ73が商品コードを読取ると、商品マスタ802から当該商品コードに対応する商品情報を読み出して商品情報部704に登録(記憶)することで、商品登録を実行する。
【0152】
会計処理部7004は、単独処理において、商品情報部704に登録された商品情報に基づいて会計処理を実行する。また、会計処理部7004は、マスタ処理において、商品情報部704に登録された商品情報および他のセルフPOS端末7から受信した商品情報に基づいて会計処理を実行する。
【0153】
表示制御部7005は、表示部71に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部7005は、スキャナ73で商品コードを読取った商品の商品情報を表示する。また、表示制御部7005は、制御部70に各種情報を入力するための操作子等を表示する。
【0154】
送受信部7006は、他のセルフPOS端末7、店舗サーバ、決済事業者の決済サーバ等の外部装置との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部7006は、マスタ処理において、他のセルフPOS端末7に商品情報要求を送信し、当該商品情報要求に対する応答として商品情報を受信する。また、送受信部7006は、他のセルフPOS端末7からスレーブ処理の指示を受信し、スレーブ処理において登録した商品情報を当該他のセルフPOS端末7に送信する。
【0155】
次に、上記構成のセルフPOS端末7の制御部70が実行する処理について説明する。
図20は、制御部70による処理の流れを示すフローチャートである。
【0156】
まず、制御部70は、受付部7001がスタート入力を受付けたか否か判断し(ステップS31)、受付けないと(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。受付部7001がスタート入力を受付けると(ステップS31のY)、切換部7002は、受付部7001が単独処理を指示する単独処理入力を受付けたか否か判断する(ステップS32)。
【0157】
受付部7001が単独処理入力を受付けると(ステップS32のY)、切換部7002が処理モードを単独処理に設定し、制御部70は、単独処理を実行して(ステップS33)、処理を終了する。単独処理の詳細は後述する。受付部7001が単独処理入力を受付けないと(ステップS32のN)、切換部7002は、受付部7001がマスタ処理を指示するマスタ処理入力を受付けたか否か判断する(ステップS34)。
【0158】
受付部7001がマスタ処理入力を受付けると(ステップS34のY)、切換部7002が処理モードをマスタ処理に設定し、制御部70は、マスタ処理を実行して(ステップS35)、処理を終了する。マスタ処理の詳細は後述する。受付部7001がマスタ処理入力を受付けないと(ステップS34のN)、切換部7002は、受付部7001が送受信部7006を介して他のセルフPOS端末7からスレーブ処理を指示するスレーブ指示を受付けたか否か判断する(ステップS36)。
【0159】
受付部7001がスレーブ指示を受付けると(ステップS36のY)、切換部7002が処理モードをスレーブ処理に設定し、制御部70は、スレーブ処理を実行して(ステップS37)、処理を終了する。スレーブ処理の詳細は後述する。受付部7001がスレーブ指示を受付けないと(ステップS36のN)、制御部70はステップS32の処理に戻る。
【0160】
上記処理により、顧客は販売データ処理システム6を第1モードまたは第2モードで使用することができる。
【0161】
次いで、単独処理について説明する。
図21は、制御部70による単独処理の流れを示すフローチャートである。
【0162】
切換部7002によって単独処理が設定されると、制御部70は、受付部7001が商品コードを受付けたか否か判断し(ステップS41)、受付けなければ(ステップS41のN)、ステップS41の処理に戻って待機する。
【0163】
受付部7001が商品コードを受付けると(ステップS41のY)、登録部7003は、商品登録を行う(ステップS42)。このとき、商品登録された商品の商品情報は表示部71に表示される。続いて、制御部70は、受付部7001が会計処理の指示を受付けたか否か判断し(ステップS43)、受付けなければ(ステップS43のN)、ステップS41の処理に戻る。
【0164】
受付部7001が会計処理の指示を受付けると(ステップS43のY)、会計処理部7004は会計処理を実行する(ステップS44)。そして、制御部70は単独処理を終了する。
【0165】
上記単独処理により、セルフPOS端末7は、通常のセルフPOS端末としての機能、すなわち自装置で商品登録した商品について会計処理を実行する機能を実現することができる。
【0166】
次いで、マスタ処理について説明する。
図22は、制御部70によるマスタ処理の流れを示すフローチャートである。
【0167】
切換部7002によってマスタ処理が設定されると、送受信部7006は、他のセルフPOS端末7にスレーブ側の装置として利用可能か否かの問合せを送信する(ステップS51)。言い換えると、送受信部7006は、他のセルフPOS端末7が別の顧客によって使用されているか否かの問合せを送信する。次いで、制御部70は、上記問合せに対する応答がスレーブ側の装置として利用可能を示すものであるか否か判断する(ステップS52)。
【0168】
他のセルフPOS端末7がスレーブ側の装置として利用可能であると(ステップS52のY)、制御部70は、受付部7001が商品コードを受付けたか否か判断し(ステップS53)、受付けなければ(ステップS53のN)、ステップS53の処理に戻る。
【0169】
受付部7001が商品コードを受付けると(ステップS53のY)、登録部7003は、商品登録を行う(ステップS54)。このとき、商品登録された商品の商品情報は表示部71に表示される。続いて、制御部70は、受付部7001がスキャン完了入力を受付けたか否か判断し(ステップS55)、受付けなければ(ステップS55のN)、ステップS53の処理に戻る。スキャン完了入力は、マスタ側のセルフPOS端末7において商品登録が完了したことを示す情報で、操作部72から入力される。
【0170】
受付部7001がスキャン完了入力を受付けると(ステップS55のY)、送受信部7006は、スレーブ側の装置である他のセルフPOS端末7に商品情報要求を送信する(ステップS56)。商品情報要求は、同一顧客の他のメンバが他のセルフPOS端末7で登録した商品情報の送信を要求するものである。
【0171】
制御部70は、商品情報要求に対する応答として送受信部7006が他のセルフPOS端末7から商品情報を受信したか否か判断し(ステップS57)、受信しなければ(ステップS57のN)、ステップS57の処理に戻って待機する。
【0172】
送受信部7006が他のセルフPOS端末7から商品情報を受信すると(ステップS57のY)、表示制御部7005は、表示部71に送受信部7006が受信した商品情報を含む全商品情報を表示させる(ステップS58)。ここで、全商品情報とは、マスタ側のセルフPOS端末7およびスレーブ側のセルフPOS端末7で商品登録された商品の商品情報を意味する。
【0173】
続いて、制御部70は、受付部7001が会計処理の指示を受付けたか否か判断し(ステップS59)、受付けなければ(ステップS59のN)、ステップS59の処理に戻る。受付部7001が会計処理の指示を受付けると(ステップS59のY)、会計処理部7004は会計処理を実行する(ステップS60)。そして、制御部70はマスタ処理を終了する。
【0174】
なお、ステップS52の処理において、他のセルフPOS端末7がスレーブ側装置として利用できない場合(ステップS52のN)、表示制御部7005は表示部71にエラー表示を表示させる(ステップS61)。そして、制御部70はマスタ処理を終了する。
【0175】
上記マスタ処理により、セルフPOS端末7は、他のセルフPOS端末7から受信した商品情報も含めて会計処理を実行することができる。
【0176】
次いで、スレーブ処理について説明する。
図23は、制御部70によるスレーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【0177】
切換部7002によってスレーブ処理が設定されると、制御部70は、受付部7001が商品コードを受付けたか否か判断し(ステップS71)、受付けなければ(ステップS71のN)、ステップS71の処理に戻って待機する。
【0178】
受付部7001が商品コードを受付けると(ステップS71のY)、登録部7003は、商品登録を行う(ステップS72)。このとき、商品登録された商品の商品情報は表示部71に表示される。続いて、制御部70は、受付部7001がスキャン完了入力を受付けたか否か判断し(ステップS73)、受付けなければ(ステップS73のN)、ステップS71の処理に戻る。このスキャン完了入力は、スレーブ側のセルフPOS端末7において商品登録が完了したことを示す情報で、操作部72から入力される。
【0179】
受付部7001がスキャン完了入力を受付けると(ステップS73のY)、送受信部7006は、マスタ側の装置である他のセルフPOS端末7に登録した商品情報、すなわち商品情報部704に記憶された商品情報を送信する(ステップS74)。そして、制御部70はスレーブ処理を終了する。
【0180】
上記スレーブ処理により、セルフPOS端末7は、マスタ側である他のセルフPOS端末7に、自装置が登録した商品情報を提供することができる。
【0181】
以上説明したとおり、第2の実施形態の販売データ処理システム6は、商品を識別する商品識別情報を読取るスキャナ73と、スキャナ73が読取った商品識別情報で識別される商品の商品情報を登録する登録部7003と、登録部7003に登録された商品情報に基づいて会計処理を実行する会計処理部7004と、をそれぞれ備えた第1販売データ処理装置(セルフPOS端末7)および第2販売データ処理装置(セルフPOS端末7)を有する販売データ処理システム6であって、前記第1販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報と前記第2販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報とを別取引として会計処理する第1モードと、前記第1販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報と前記第2販売データ処理装置の登録部7003が登録した商品情報とを同一取引として会計処理する第2モードと、を切換えるモード切換部(各切換部7002)を備える。
【0182】
これにより、販売データ処理システム6は、複数のセルフPOS端末7がそれぞれ別の顧客によって使用される使用形態と、複数のセルフPOS端末7が一顧客によって使用される使用形態とで使用することが可能となる。すなわち、販売データ処理システム6は、一取引について複数のセルフPOS端末7を用いて商品登録を行うことが可能となる。
【0183】
なお、上記各実施形態において、セルフPOS端末1、7で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各実施形態のセルフPOS端末1、7で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0184】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0185】
1 セルフPOS端末(販売データ処理装置)
6 販売データ処理システム
7 セルフPOS端末(第1販売データ処理装置、第2販売データ処理装置)
21 第1表示部
23 第1スキャナ
25 第2表示部
27 第2スキャナ
2001 受付部
2002 モード切換部
2003 登録部
2004 会計処理部
2005 表示制御部
2006 送受信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0186】