(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154990
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】携帯端末用収納装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20231013BHJP
B60N 3/12 20060101ALI20231013BHJP
B60N 3/10 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B60R11/02 T
B60N3/12
B60N3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064679
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 琢磨
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA06
3D020BB01
3D020BC10
3D020BC11
3D020BD02
3D020BD09
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】使い勝手を向上することができる携帯端末用収納装置を提供する。
【解決手段】携帯端末用収納装置11は、車両の室内に設けられる台座12と、台座12上に配置され、携帯端末13が挿入される挿入口38を前端部に有するとともに携帯端末13の一部を覆って収納する収納部14とを備える。収納部14は、後端部において、水平な姿勢になる収納位置と後端部よりも前端部の方が高くなる姿勢になる使用位置との間で回転可能に台座12に支持される。台座12には、収納部14を収納位置と使用位置との間で移動させる駆動機構31が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の室内に設けられる台座と、
前記台座上に配置され、携帯端末が挿入される挿入口を一端部に有するとともに前記携帯端末の一部を覆って収納する収納部と、
を備えた携帯端末用収納装置であって、
前記収納部は、前記挿入口側とは反対側の端部において、水平な姿勢になる収納位置と前記挿入口側とは反対側の端部よりも前記挿入口側の端部の方が高くなる姿勢になる使用位置との間で回転可能に前記台座に支持され、
前記台座には、前記収納部を前記収納位置と前記使用位置との間で移動させる駆動機構が設けられていることを特徴とする携帯端末用収納装置。
【請求項2】
操作部と、
前記収納部に収納された状態の前記携帯端末を検出する第1検出部と、
前記操作部の操作によって発生する出力を検出する第2検出部と、
前記収納部が前記収納位置にあるときに、前記第1検出部によって前記携帯端末が検出され且つ前記第2検出部によって前記出力が検出された場合に、前記収納部が前記収納位置から前記使用位置へ移動するように前記駆動機構を駆動させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用収納装置。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記操作部と、前記操作部の操作によって発光する発光部とを有し、
前記第2検出部は、前記発光部が発する光を前記出力として検出する光センサによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末用収納装置。
【請求項4】
前記携帯端末は、二次電池と、前記二次電池と電気的に接続された放電用接点と、前記二次電池と電気的に接続された第1充電用接点とを備え、
前記台座には、充電回路が設けられ、
前記収納部内には、前記駆動機構と電気的に接続された駆動用接点と、前記充電回路と電気的に接続された第2充電用接点とが設けられ、
前記収納部に前記携帯端末が収納された場合に、前記放電用接点と前記駆動用接点とが接触するとともに、前記第1充電用接点と前記第2充電用接点とが接触するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用収納装置。
【請求項5】
前記収納部が前記収納位置にある場合に、前記収納部に収納された状態の前記携帯端末を固定する固定機構を備えることを特徴とする請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の携帯端末用収納装置。
【請求項6】
前記収納位置にある前記収納部に収納された状態の前記携帯端末における前記収納部から露出する部分の下面には凹部が形成され、
前記固定機構は、前記収納部が前記収納位置にある場合に前記収納部に収納された状態の前記携帯端末の前記凹部と嵌合する凸部を備えることを特徴とする請求項5に記載の携帯端末用収納装置。
【請求項7】
前記台座は、複数の段部同士が段差部によって連結された階段状をなしており、
前記収納部は、複数の前記段部上にそれぞれ配置され、
上下方向で隣り合う2つの前記収納部は、下側に位置する前記収納部の前記挿入口側とは反対側の端部の上に上側に位置する前記収納部の前記挿入口側の端部が重なって配置されるとともに、前記挿入口側の端部同士がリンクによって連結されることによって前記収納位置と前記使用位置との間で連動して回転するように構成されていることを特徴とする請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の携帯端末用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両などの乗物の室内に設けられて携帯端末を収納可能にした携帯端末用収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の携帯端末用収納装置として、例えば特許文献1に示す電子機器用ホールド装置が知られている。こうした電子機器用ホールド装置は、車室内のセンターコンソールの上面に固定されたホルダを備えている。ホルダは、上面が開放された収納スペースを有している。この収納スペースは、スマートフォンなどの電子機器をセットしたり取り出したりすることが可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような電子機器用ホールド装置では、ホルダの収納スペースにセットされた位置とホルダの収納スペースから取り出し可能にした位置との間での電子機器の移動を手動で行う必要がある。このため、使い勝手を向上する上では、改善の余地を残すものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する携帯端末用収納装置は、乗物の室内に設けられる台座と、前記台座上に配置され、携帯端末が挿入される挿入口を一端部に有するとともに前記携帯端末の一部を覆って収納する収納部と、を備えた携帯端末用収納装置であって、前記収納部は、前記挿入口側とは反対側の端部において、水平な姿勢になる収納位置と前記挿入口側とは反対側の端部よりも前記挿入口側の端部の方が高くなる姿勢になる使用位置との間で回転可能に前記台座に支持され、前記台座には、前記収納部を前記収納位置と前記使用位置との間で移動させる駆動機構が設けられていることを要旨とする。
【0006】
上記構成によれば、携帯端末を収納する収納部を駆動機構の駆動力によって収納位置と使用位置との間で移動させることができる。したがって、携帯端末を収納する収納部を手動によって収納位置と使用位置との間で移動させる場合に比べて、使い勝手を向上することができる。
【0007】
上記携帯端末用収納装置は、操作部と、前記収納部に収納された状態の前記携帯端末を検出する第1検出部と、前記操作部の操作によって発生する出力を検出する第2検出部と、前記収納部が前記収納位置にあるときに、前記第1検出部によって前記携帯端末が検出され且つ前記第2検出部によって前記出力が検出された場合に、前記収納部が前記収納位置から前記使用位置へ移動するように前記駆動機構を駆動させる制御部と、を備えることが好ましい。
【0008】
上記構成によれば、制御部により、駆動機構が誤ったタイミングで駆動されることを抑制できる。
上記携帯端末用収納装置において、前記携帯端末は、前記操作部と、前記操作部の操作によって発光する発光部とを有し、前記第2検出部は、前記発光部が発する光を前記出力として検出する光センサによって構成されていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、携帯端末を利用して第2検出部に上記出力を検出させることができる。
上記携帯端末用収納装置において、前記携帯端末は、二次電池と、前記二次電池と電気的に接続された放電用接点と、前記二次電池と電気的に接続された第1充電用接点とを備え、前記台座には、充電回路が設けられ、前記収納部内には、前記駆動機構と電気的に接続された駆動用接点と、前記充電回路と電気的に接続された第2充電用接点とが設けられ、前記収納部に前記携帯端末が収納された場合に、前記放電用接点と前記駆動用接点とが接触するとともに、前記第1充電用接点と前記第2充電用接点とが接触するように構成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、収納部に収納された携帯端末の二次電池を充電回路によって充電できるとともに、収納部に収納された携帯端末の二次電池の電力で駆動機構を駆動させることができる。
【0011】
上記携帯端末用収納装置は、前記収納部が前記収納位置にある場合に、前記収納部に収納された状態の前記携帯端末を固定する固定機構を備えることが好ましい。
上記構成によれば、例えば車両の急停車などによって慣性力が作用した場合に、収納部から携帯端末が飛び出すことを抑制できる。
【0012】
上記携帯端末用収納装置において、前記収納位置にある前記収納部に収納された状態の前記携帯端末における前記収納部から露出する部分の下面には凹部が形成され、前記固定機構は、前記収納部が前記収納位置にある場合に前記収納部に収納された状態の前記携帯端末の前記凹部と嵌合する凸部を備えることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、凹部と凸部とを嵌合させるだけで、例えば車両の急停車などによって慣性力が作用した場合でも、収納部に収納された状態の携帯端末が収納部から前方に向かって飛び出すことを抑制できる。すなわち、慣性力によって収納部から携帯端末が飛び出すことを簡単な構成で抑制できる。
【0014】
上記携帯端末用収納装置において、前記台座は、複数の段部同士が段差部によって連結された階段状をなしており、前記収納部は、複数の前記段部上にそれぞれ配置され、上下方向で隣り合う2つの前記収納部は、下側に位置する前記収納部の前記挿入口側とは反対側の端部の上に上側に位置する前記収納部の前記挿入口側の端部が重なって配置されるとともに、前記挿入口側の端部同士がリンクによって連結されることによって前記収納位置と前記使用位置との間で連動して回転するように構成されていることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、携帯端末を収納する複数の収納部が上下方向に重ねて配置されているとともに、複数の収納部が収納位置と使用位置との間で連動して回転させるために水平方向にスペースを確保する必要がない。したがって、水平方向の占有スペースを増やすことなく複数の携帯端末を収納できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、使い勝手を向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態において、携帯端末を収納した収納部が収納位置にあるときの携帯端末用収納装置を示す側断面図である。
【
図2】携帯端末を表面側から見たときの斜視図である。
【
図3】携帯端末を裏面側から見たときの斜視図である。
【
図7】携帯端末用収納装置の要部を示す側面図である。
【
図8】携帯端末用収納装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】第1収納部に携帯端末を収納した状態の平面図である。
【
図10】携帯端末を収納した収納部が使用位置にあるときの携帯端末用収納装置を示す側断面図である。
【
図11】第2実施形態の携帯端末用収納装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、携帯端末用収納装置を車両に搭載される携帯端末用収納装置に具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。以下の記載に関しては、車両の前進方向を前方とするとともに後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両の上下方向を意味するとともに、車幅方向は車両の左右方向を意味するものとする。
【0019】
<携帯端末用収納装置11>
図1に示すように、携帯端末用収納装置11は、乗物の一例としての車両の室内における後部座席のアームレスト上や運転席と助手席との間のコンソール上などに設けられる。携帯端末用収納装置11は、1つの台座12と、携帯端末13を収納する複数(本例では2つ)の収納部14とを備えている。
【0020】
<携帯端末13>
図2及び
図3に示すように、携帯端末13は、矩形板状をなしている。携帯端末13は、表面の略全体にわたって例えば液晶や有機ELなどによって構成される表示画面15を有している。表示画面15は、例えばタッチディスプレイによって構成される。携帯端末13では、表示画面15の表示に乗員(ユーザ)が指などで触れることによって各種の入力操作が行われる。携帯端末13の裏面の中央部には、凹部16が形成されている。
【0021】
図9に示すように、携帯端末13は、表示画面15に、操作部の一例としてのソフトウェアスイッチ17と、ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって発光する発光部18とが表示可能に設定されている。ソフトウェアスイッチ17には、一例として「取り外し」の文字が表示可能になっている。
【0022】
<台座12>
図4に示すように、台座12は、前後方向に延びる略矩形板状をなしている。台座12の上面における前後方向の中央部よりも後部寄りの位置には、段差部19が設けられている。台座12の上面における段差部19よりも後側の領域は、段部の一例としての平面状の第1段部20とされている。
【0023】
台座12の上面における段差部19よりも前側の領域は、段部の一例としての平面状の第2段部21とされている。第1段部20は、第2段部21よりも段差部19の高さ分だけ高くなっている。したがって、台座12は、複数(本例では2つ)の段部同士、すなわち第1段部20と第2段部21とが段差部19によって連結された階段状に形成されている。
【0024】
図1及び
図4に示すように、第1段部20の後端部における左右の両端部には、一対の第1軸受部22が立設されている。一対の第1軸受部22は、厚さ方向が左右方向(車幅方向)となる略半円板状に形成されている。一対の第1軸受部22は、左右方向において対向している。一対の第1軸受部22の中央部には、車幅方向である左右方向に延びる第1軸23が挿入される第1軸孔24がそれぞれ貫通して形成されている。
【0025】
第2段部21の後端部における左右の両端部には、一対の第2軸受部25が立設されている。一対の第2軸受部25は、厚さ方向が左右方向となる四角板状に形成されている。一対の第2軸受部25は、左右方向において対向している。一対の第2軸受部25は、段差部19と一体に形成されている。一対の第2軸受部25の上面は、第1段部20と面一になっている。
【0026】
一対の第2軸受部25の中央部には、車幅方向である左右方向に延びる第2軸26が挿入される第2軸孔27がそれぞれ貫通して形成されている。第2軸26は、第1軸23と同一の構成になっている。第2段部21の略中央部には、凸部の一例としての台形板状の第1凸部28が設けられている。台座12内における段差部19の右端部の後側から下側にかけての位置には、駆動室29が形成されている。
【0027】
駆動室29は、段差部19の一部と第2段部21の一部とを跨ぐL字状の第1開口部30を有している。台座12の駆動室29には、収納部14を、後述する収納位置と使用位置との間で回転移動させる駆動機構31が設けられている。駆動機構31は、駆動モータ32と、駆動モータ32の出力軸(図示略)に設けられる第1歯車33と、第1歯車33と噛合する第2歯車34とを備えている。
【0028】
第1歯車33及び第2歯車34は、共に左右方向に延びる軸線を中心に回転可能に配置されている。第2歯車34の一部は、駆動室29の第1開口部30から露出している。駆動モータ32には、その出力軸(図示略)の回転位置や回転方向を検出するためのロータリーエンコーダ35(
図8参照)が設けられている。
【0029】
<収納部14>
図1に示すように、収納部14は、台座12の複数(本例では2つ)の段部上、すなわち台座12の第1段部20上及び第2段部21上にそれぞれ配置されている。2つの収納部14のうち、第1段部20上に配置された収納部14は第1収納部36とされるとともに、第2段部21上に配置された収納部14は第2収納部37とされている。
【0030】
<第1収納部36>
図1、
図4及び
図5に示すように、第1収納部36は、全体として略矩形板状をなすとともに、第1段部20上に水平に載置されている。第1収納部36の前端部は、段差部19よりも前方に突出している。第1収納部36は、矩形板状の携帯端末13が挿入される挿入口38を一端部の一例として前端部に有している。すなわち、第1収納部36は、前端部が挿入口38において開口した有底矩形箱状をなしている。
【0031】
挿入口38は、車幅方向の幅及び上下方向の厚さが携帯端末13の短辺方向の幅及び上下方向の厚さと対応している。第1収納部36は、内部に携帯端末13の一部を覆って収納する収納空間39を有している。収納空間39は、例えば、携帯端末13の長辺方向の4割程度が収納できる程度の大きさに設定される。
【0032】
したがって、第1収納部36に挿入口38から携帯端末13を長辺方向において挿入して収納空間39に収納した状態では、第1収納部36の挿入口38から携帯端末13の長辺方向の6割程度が突出する。第1収納部36に携帯端末13を収納する場合には、表示画面15を上側に向けた状態で携帯端末13を挿入口38から挿入する。第1収納部36の左右両側面における前端部には、ピン40がそれぞれ突出するように設けられている。
【0033】
第1収納部36における挿入口38側とは反対側の端部である後端部は、一対の第1軸受部22に挟まれている。第1収納部36の後端面は、左右方向から見て後側に膨らむ円弧状をなしている。第1収納部36の後端部には、当該後端部を左右方向に貫通するとともに第1軸23を挿入可能にした軸挿入孔41が形成されている。第1収納部36の軸挿入孔41は、一対の第1軸受部22の第1軸孔24と左右方向において対応している。
【0034】
第1収納部36の軸挿入孔41には、第1軸23が挿入されている。第1軸23の両端部は、第1収納部36の軸挿入孔41から突出するとともに一対の第1軸受部22の第1軸孔24にそれぞれ回転可能に挿入されて支持されている。第1収納部36は、後端部にある軸挿入孔41において第1軸23に回転不能に支持されている。すなわち、第1収納部36は、第1軸23を回転中心として第1軸23と一体回転可能になっている。
【0035】
第1収納部36は、後端部と前端部とが同じ高さとなる水平な姿勢になる収納位置(
図1に示す姿勢)と、後端部よりも前端部の方が高くなる姿勢になる使用位置(一例として
図10に示す位置)との間で回転可能になっている。第1収納部36は、後端部において、第1軸23を介して収納位置と使用位置との間で車幅方向に延びる軸線を中心に回転可能に台座12に支持されている。本例の第1収納部36の使用位置は、
図10に示すように、一例として第1収納部36を収納位置から反時計回り方向に30°程度回転した位置に予め設定している。
【0036】
図1、
図5及び
図9に示すように、第1収納部36の上壁の中央部には、貫通孔42が形成されている。第1収納部36の上壁の上面には、第2検出部の一例としての光センサ43が貫通孔42を覆った状態で設けられている。光センサ43は、第1収納部36の収納空間39に収納された携帯端末13の発光部18と、貫通孔42を通じて対向している。光センサ43は、ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって発光部18が発する光を出力として検出する。
【0037】
第1収納部36の下壁には、第1収納部36の収納空間39に収納された状態の携帯端末13を検出する第1検出部の一例としての接触式の検出スイッチ44が、当該収納空間39に露出するように設けられている。検出スイッチ44は、第1収納部36の収納空間39に携帯端末13がセットされた際に携帯端末13と接触してオン状態となる一方、第1収納部36の収納空間39から携帯端末13が取り出された際に携帯端末13と離れてオフ状態となる。
【0038】
<第2収納部37>
図1、
図4及び
図6に示すように、第2収納部37は、第1収納部36において、貫通孔42、光センサ43、及び検出スイッチ44を省略するとともに、上面中央部に凸部の一例としての台形板状の第2凸部45を設け、且つ後端部における駆動室29の第1開口部30と対応する位置に軸挿入孔41を露出させる第2開口部46を設けたものである。このため、第2収納部37の構成における第1収納部36の構成と同じ部分の説明は、省略する。
【0039】
第2収納部37は、第2段部21上に水平に載置されている。第2収納部37の前端部は、第2段部21の第1凸部28よりも若干後側に位置している。第2収納部37の後端部は、一対の第2軸受部25に挟まれている。第2収納部37の軸挿入孔41は、一対の第2軸受部25の第2軸孔27と左右方向において対応している。第2収納部37の軸挿入孔41には、第1軸23と同一構成の第2軸26が挿入されている。
【0040】
第2軸26の両端部は、第2収納部37の軸挿入孔41から突出するとともに一対の第2軸受部25の第2軸孔27にそれぞれ回転可能に挿入されて支持されている。第2収納部37は、後端部にある軸挿入孔41において第2軸26に回転不能に支持されている。すなわち、第2収納部37は、第2軸26を回転中心として第2軸26と一体回転可能になっている。
【0041】
第2軸26における第2開口部46から露出する位置には、第2軸26と一体回転する第3歯車47が設けられている。第3歯車47は、台座12の駆動室29の第1開口部30から露出する第2歯車34と噛合している。
【0042】
2つの収納部14である第1収納部36と第2収納部37とは、上下方向で隣り合って配置されている。第1収納部36よりも下側に位置する第2収納部37における挿入口38側とは反対側の端部である後端部の上には、第2収納部37よりも上側に位置する第1収納部36における挿入口38側の端部である前端部が重なって配置されている。
【0043】
第2収納部37は、後端部と前端部とが同じ高さとなる水平な姿勢になる収納位置(
図1に示す姿勢)と、後端部よりも前端部の方が高くなる姿勢になる使用位置(一例として
図10に示す位置)との間で回転移動可能になっている。第2収納部37は、第2軸26を介して、収納位置と使用位置との間で車幅方向に延びる軸線を中心に回転移動可能に台座12に支持されている。
【0044】
図1及び
図5~
図7に示すように、第1収納部36の左右のピン40と第2収納部37の左右のピン40とは、それぞれリンク48によって回転可能に連結されている。すなわち、第1収納部36及び第2収納部37における挿入口38側の端部である前端部同士は、左右一対のリンク48によってそれぞれ連結されている。したがって、第1収納部36及び第2収納部37は、収納位置と使用位置との間で連動して同時に回転移動するようになっている。
【0045】
<収納部14の動作>
図1に示すように、第1収納部36及び第2収納部37が収納位置にあるときに、駆動モータ32が駆動されて第1歯車33が反時計回り方向に回転されると、第2歯車34が時計回り方向に回転されるとともに第3歯車47が反時計回り方向に回転される。すると、第3歯車47と一緒に第2軸26が反時計回り方向に回転されるので、第2軸26を回転中心として第2収納部37が使用位置へ向かって回転移動される。この第2収納部37の使用位置へ向かう回転移動にともなって第1軸23を回転中心として第1収納部36が使用位置へ向かって回転移動される。
【0046】
図10に示すように、第1収納部36及び第2収納部37が使用位置にあるときに、駆動モータ32が駆動されて第1歯車33が時計回り方向に回転されると、第2歯車34が反時計回り方向に回転されるとともに第3歯車47が時計回り方向に回転される。すると、第3歯車47と一緒に第2軸26が時計回り方向に回転されるので、第2軸26を回転中心として第2収納部37が収納位置へ向かって回転移動される。この第2収納部37の収納位置へ向かう回転移動にともなって第1軸23を回転中心として第1収納部36が収納位置へ向かって回転移動される。
【0047】
<固定機構>
図1及び
図3に示すように、収納位置にある収納部14に収納された状態の携帯端末13における収納部14から露出する部分の下面となる裏面には凹部16が形成されている。携帯端末用収納装置11は、収納部14が収納位置にある場合に、収納部14に収納された状態の携帯端末13を固定する固定機構の一例として、上記した第1凸部28及び上記した第2凸部45を備えている。
【0048】
第1凸部28は、第2収納部37が収納位置にある場合に、第2収納部37に収納された状態の携帯端末13の凹部16に嵌合する。この場合、第1凸部28と携帯端末13の凹部16との嵌合により、第2収納部37に収納された状態の携帯端末13の特に前方への移動が阻害される。
【0049】
第2凸部45は、第1収納部36が収納位置にある場合に、第1収納部36に収納された状態の携帯端末13の凹部16に嵌合する。この場合、第2凸部45と携帯端末13の凹部16との嵌合により、第1収納部36に収納された状態の携帯端末13の特に前方への移動が阻害される。
【0050】
<携帯端末用収納装置11の電気的構成>
図8に示すように、車両には、車両における各種制御を行う制御部の一例としての車両側制御部49が搭載されている。車両側制御部49の入力側インターフェース(図示略)には、光センサ43、検出スイッチ44、及びロータリーエンコーダ35がそれぞれ電気的に接続されている。
【0051】
車両側制御部49の出力側インターフェース(図示略)には、モータドライバ50を介して駆動モータ32が電気的に接続されている。車両側制御部49は、光センサ43、検出スイッチ44、及びロータリーエンコーダ35からそれぞれ出力される信号に基づいてモータドライバ50を介して駆動モータ32の駆動を制御する。車両側制御部49は、ロータリーエンコーダ35からのパルス信号に基づいて、収納位置及び使用位置間での収納部14の回転位置を把握する。
【0052】
車両側制御部49は、収納部14が収納位置にあるときに、検出スイッチ44によって携帯端末13が検出され且つ光センサ43によって光が検出された場合に、収納部14が収納位置から使用位置へ回転移動するように駆動モータ32の駆動を制御する。車両側制御部49は、収納部14が使用位置にあるときに、検出スイッチ44によって携帯端末13が検出された場合に、収納部14が使用位置から収納位置へ回転移動するように駆動モータ32の駆動を制御する。
【0053】
<携帯端末用収納装置11の作用>
図1に示すように、携帯端末用収納装置11において、第1収納部36に携帯端末13が収納された状態では、当該携帯端末13が第1収納部36の検出スイッチ44によって検出されている。そして、携帯端末用収納装置11における収納位置にある第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された携帯端末13を使用する場合には、まず、次のような操作を行う。すなわち、第1収納部36に収納された携帯端末13の表示画面15に表示されたソフトウェアスイッチ17のタッチ操作を行う。
【0054】
すると、
図9に示すように、第1収納部36に収納された携帯端末13の表示画面15の発光部18が発光する。この場合、発光部18は、例えば、所定時間だけ所定周期で発光する。発光部18が発する光が光センサ43によって検出されると、車両側制御部49は、互いにリンク48で連結された第1収納部36及び第2収納部37が収納位置から使用位置へ連動して回転移動するように駆動モータ32を駆動させる。
【0055】
車両側制御部49は、
図10に示すように、第1収納部36及び第2収納部37が使用位置に達したときに、駆動モータ32の駆動を停止する。このとき、第2収納部37に収納された状態の携帯端末13の凹部16と第1凸部28とが離れるとともに、第1収納部36に収納された状態の携帯端末13の凹部16と第2凸部45とが離れる。
【0056】
このため、第1収納部36及び第2収納部37からそれぞれ携帯端末13を取り出して使用できるようになる。第1収納部36から携帯端末13を取り出すと、当該携帯端末13は第1収納部36の検出スイッチ44によって検出されなくなる。
【0057】
携帯端末13の使用後、携帯端末13を収納する場合には、まず、使用位置にある第1収納部36及び第2収納部37のそれぞれの挿入口38に携帯端末13を挿入して収納する。この場合、第1収納部36の挿入口38への携帯端末13の挿入は、第2収納部37の挿入口38への携帯端末13の挿入よりも後に行われる。第1収納部36の挿入口38へ携帯端末13が挿入されて収納されると、当該携帯端末13が第1収納部36の検出スイッチ44によって検出される。
【0058】
これにより、車両側制御部49は、互いにリンク48で連結された第1収納部36及び第2収納部37が使用位置から収納位置へ連動して回転移動するように駆動モータ32を駆動させる。車両側制御部49は、
図1に示すように、第1収納部36及び第2収納部37が収納位置に達したときに、駆動モータ32の駆動を停止する。
【0059】
このとき、第2収納部37に収納された状態の携帯端末13の凹部16と第1凸部28とが嵌合するとともに、第1収納部36に収納された状態の携帯端末13の凹部16と第2凸部45とが嵌合する。これにより、両方の携帯端末13の前方への移動が阻害されるので、第1収納部36及び第2収納部37からそれぞれ携帯端末13を取り出すことができないロック状態となる。
【0060】
このロック状態では、例えば車両の急停車などによって慣性力が作用した場合でも、第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された状態の携帯端末13が前方に向かって飛び出すことが効果的に抑制される。なお、第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された携帯端末13の上下方向、左右方向、及び後方への移動は、それぞれ第1収納部36及び第2収納部37によって阻害される。
【0061】
<第1実施形態の効果>
以上詳述した第1実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1-1)携帯端末用収納装置11は、車両の室内に設けられる台座12と、台座12上に配置され、携帯端末13が挿入される挿入口38を前端部に有するとともに携帯端末13の一部を覆って収納する収納部14とを備える。台座12には、収納部14を収納位置と使用位置との間で移動させる駆動機構31が設けられている。
【0062】
上記構成によれば、携帯端末13を収納する収納部14を駆動機構31の駆動力によって収納位置と使用位置との間で移動させることができる。したがって、携帯端末13を収納する収納部14を手動によって収納位置と使用位置との間で移動させる場合に比べて、使い勝手を向上することができる。
【0063】
(1-2)携帯端末用収納装置11は、ソフトウェアスイッチ17と、収納部14に収納された状態の携帯端末13を検出する検出スイッチ44と、ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって発光部18が発する光を検出する光センサ43と、車両側制御部49とを備える。車両側制御部49は、収納部14が収納位置にあるときに、検出スイッチ44によって携帯端末13が検出され且つ光センサ43によって上記光が検出された場合に、収納部14が収納位置から使用位置へ移動するように駆動機構31を駆動させる。
【0064】
上記構成によれば、車両側制御部49により、駆動機構31が誤ったタイミングで駆動されることを抑制できる。携帯端末13を利用して光センサ43に光を検出させることができる。ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって収納部14を収納位置から使用位置へ移動できるので、収納部14を収納位置から使用位置へ移動させるための物理スイッチを別途設ける必要がなくなる。収納部14に収納された状態の携帯端末13を検出する検出スイッチ44を有しているため、収納部14に携帯端末13を挿入するだけで、収納部14を使用位置から収納位置へ移動させることができるとともに上記ロック状態とすることができる。
【0065】
(1-3)携帯端末用収納装置11は、第1収納部36及び第2収納部37が収納位置にある場合に、第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された状態の携帯端末13を固定する固定機構として第1凸部28及び第2凸部45を備える。第1凸部28は、第2段部21上に形成されるとともに第2収納部37が収納位置にある場合に第2収納部37に収納された状態の携帯端末13の凹部16と嵌合する。第2凸部45は、第2収納部37上に形成されるとともに第1収納部36及び第2収納部37が収納位置にある場合に第1収納部36に収納された状態の携帯端末13の凹部16と嵌合する。
【0066】
上記構成によれば、第1収納部36及び第2収納部37が収納位置にある場合に、第1凸部28及び第2凸部45と、これらに対応する携帯端末13の凹部16とがそれぞれ嵌合される。このため、例えば車両の急停車などによって慣性力が作用した場合でも、第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された状態の携帯端末13が前方に向かって飛び出すことを抑制できる。すなわち、慣性力によって第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された状態の携帯端末13が前方に向かって飛び出すことを簡単な構成で抑制できる。
【0067】
(1-4)携帯端末用収納装置11において、上下方向で隣り合う第1収納部36及び第2収納部37は、第2収納部37の後端部の上に第1収納部36の前端部が重なって配置されている。第1収納部36及び第2収納部37は、前端部同士がリンク48によって連結されることによって収納位置と使用位置との間で連動して回転するように構成されている。
【0068】
上記構成によれば、第1収納部36及び第2収納部37が上下方向に重ねて配置されているため、第1収納部36及び第2収納部37が車幅方向(水平方向)に並べて配置された構成に比べて、車幅方向の占有スペースを低減できる。加えて、第1収納部36及び第2収納部37を収納位置と使用位置との間で連動して回転させるために、車幅方向にスペースを確保する必要がない。したがって、車幅方向(水平方向)の占有スペースを増やすことなく複数(本例では2つ)の携帯端末13を収納できる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、携帯端末用収納装置を車両に搭載される携帯端末用収納装置に具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
図11に示すように、この第2実施形態の携帯端末用収納装置61では、上記第1実施形態の携帯端末用収納装置11において、第1収納部36から貫通孔42、光センサ43、及び検出スイッチ44を省略している。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点のみを説明して上記第1実施形態と重複する説明を省略する。また、第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の部材については同一の符号を付すものとする。さらに、第2実施形態の説明では、上記第1実施形態の説明で用いた図面を適宜流用する。
【0070】
<携帯端末用収納装置61の構成>
図11に示すように、台座12内には、充電回路62が設けられている。充電回路62は、車両に搭載された車両用バッテリ63及び車両側制御部49とそれぞれ電気的に接続されている。車両側制御部49は、充電回路62を制御する。収納部14内には、駆動モータ32と電気的に接続された一対の駆動用接点64と、充電回路62と電気的に接続された一対の第2充電用接点65とが設けられている。一対の第2充電用接点65及び一対の駆動用接点64は、収納空間39(
図1参照)に露出している。
【0071】
携帯端末13は、端末側制御部66と、二次電池67と、駆動回路68と、一対の放電用接点69と、一対の第1充電用接点70とを備えている。二次電池67は、携帯端末13の内部電源である。二次電池67は、一対の第1充電用接点70と電気的に接続されている。二次電池67は、駆動回路68を介して一対の放電用接点69と電気的に接続されている。一対の第1充電用接点70及び一対の放電用接点69は、携帯端末13の外部に露出している。
【0072】
一対の第1充電用接点70及び一対の放電用接点69は、収納部14に携帯端末13が収納された場合に、一対の第2充電用接点65及び一対の駆動用接点64とそれぞれ接触する。すなわち、収納部14に携帯端末13が収納された場合には、一対の放電用接点69と一対の駆動用接点64とがそれぞれ接触するとともに、一対の第1充電用接点70と一対の第2充電用接点65とがそれぞれ接触する。
【0073】
端末側制御部66は、携帯端末13における各種制御を行う。端末側制御部66は、駆動回路68、ソフトウェアスイッチ17、及び一方の第1充電用接点70とそれぞれ電気的に接続されている。端末側制御部66は、収納部14に携帯端末13が収納された場合に、駆動回路68を介して駆動モータ32の駆動を制御する。
【0074】
収納部14に携帯端末13が収納された場合には一対の第1充電用接点70同士が導通するとともに、収納部14に携帯端末13が収納されていない場合には一対の第1充電用接点70同士が導通しない。端末側制御部66は、一対の第1充電用接点70同士の導通があるか否かを確認することで、収納部14に携帯端末13が収納されているか否かを把握する。
【0075】
<携帯端末用収納装置61の作用>
図11に示すように、携帯端末用収納装置61において、収納部14に携帯端末13が収納された状態では、一対の第1充電用接点70と一対の第2充電用接点65とがそれぞれ接触する。このため、二次電池67と充電回路62とが電気的に接続される。その後、車両側制御部49が車両用バッテリ63の電力を利用して二次電池67の充電が行われるように充電回路62を制御することで、二次電池67が充電される。
【0076】
また、
図11に示すように、携帯端末用収納装置61において、収納部14に携帯端末13が収納された状態では、一対の放電用接点69と一対の駆動用接点64とがそれぞれ接触する。このため、二次電池67と駆動モータ32とが駆動回路68を介して電気的に接続される。このとき、一対の第1充電用接点70と一対の第2充電用接点65とがそれぞれ接触することで、一対の第1充電用接点70同士が導通する。このため、端末側制御部66は、一対の第1充電用接点70同士の導通を確認することで、収納部14に携帯端末13が収納されていることを認識する。
【0077】
そして、
図1及び
図11に示すように、携帯端末用収納装置61における収納位置にある収納部14に収納された携帯端末13を使用する場合には、まず、次のような操作を行う。すなわち、まず、収納部14に収納された携帯端末13の表示画面15に表示されたソフトウェアスイッチ17のタッチ操作を行う。
【0078】
すると、ソフトウェアスイッチ17から操作信号が送信されて当該操作信号が端末側制御部66で受信される。これにより、端末側制御部66は、二次電池67の電力によって収納部14が収納位置から使用位置へ回転移動するように、駆動回路68を介して駆動モータ32を駆動させる。このとき、端末側制御部66は、収納部14が収納位置から使用位置まで回転移動して停止するように、予め設定された所定時間だけ二次電池67から駆動モータ32に電力を供給する。
【0079】
図10及び
図11に示すように、収納部14が収納位置から使用位置まで回転移動して停止すると、収納部14に収納された状態の携帯端末13の凹部16と、第1凸部28及び第2凸部45とが離れる。このため、収納部14から携帯端末13を取り出して使用できるようになる。収納部14から携帯端末13を取り出すと、当該携帯端末13の一対の第1充電用接点70同士の導通がなくなるため、端末側制御部66は、収納部14に携帯端末13が収納されていないことを認識する。
【0080】
携帯端末13の使用後、携帯端末13を収納する場合には、まず、使用位置にある収納部14の挿入口38に携帯端末13を挿入して収納する。すると、携帯端末13の一対の第1充電用接点70同士が導通するため、端末側制御部66は、収納部14に携帯端末13が収納されたことを認識する。
【0081】
これにより、端末側制御部66は、二次電池67の電力によって収納部14が使用位置から収納位置へ回転移動するように、駆動回路68を介して駆動モータ32を駆動させる。このとき、端末側制御部66は、収納部14が使用位置から収納位置まで回転移動して停止するように、予め設定された所定時間だけ二次電池67から駆動モータ32に電力を供給する。
【0082】
図1及び
図11に示すように、収納部14が使用位置から収納位置まで回転移動して停止すると、収納部14に収納された状態の携帯端末13の凹部16と、第1凸部28及び第2凸部45とが嵌合する。これにより、携帯端末13の前方への移動が阻害されるので、収納部14から携帯端末13を取り出すことができないロック状態となる。
【0083】
このロック状態では、例えば車両の急停車などによって慣性力が作用した場合でも、収納部14に収納された状態の携帯端末13が前方に向かって飛び出すことが効果的に抑制される。なお、収納部14に収納された携帯端末13の上下方向、左右方向、及び後方への移動は、収納部14によって阻害される。
【0084】
<第2実施形態の効果>
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1-1)、(1-3)、及び(1-4)の効果に加えて、次のような効果が発揮される。
【0085】
(2-1)携帯端末用収納装置61において、携帯端末13は、二次電池67と、二次電池67と電気的に接続された放電用接点69と、二次電池67と電気的に接続された第1充電用接点70とを備える。台座12には、充電回路62が設けられる。収納部14内には、駆動機構31と電気的に接続された駆動用接点64と、充電回路62と電気的に接続された第2充電用接点65とが設けられる。そして、収納部14に携帯端末13が収納された場合に、放電用接点69と駆動用接点64とが接触するとともに、第1充電用接点70と第2充電用接点65とが接触する。
【0086】
上記構成によれば、収納部14に収納された携帯端末13の二次電池67を充電回路62によって充電できる。加えて、収納部14に収納された携帯端末13の二次電池67の電力で駆動機構31を駆動させることができる。このため、車両側制御部49を必要とすることなく、駆動機構31を駆動させることができる。
【0087】
(2-2)携帯端末用収納装置61は、ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって収納部14を収納位置から使用位置へ移動できるので、収納部14を収納位置から使用位置へ移動させるための物理スイッチを別途設ける必要がなくなる。
【0088】
(2-3)携帯端末用収納装置61は、携帯端末13の一対の第1充電用接点70同士の導通を確認することで、携帯端末13が収納部14に収納されたことを認識できる。このため、収納部14に携帯端末13を挿入するだけで、収納部14を使用位置から収納位置へ移動させることができるとともに上記ロック状態とすることができる。
【0089】
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0090】
・携帯端末用収納装置11において、発光部18を省略するとともに、ソフトウェアスイッチ17のタッチ操作によって発生する操作信号が出力として車両側制御部49に無線通信で送信されるようにしてもよい。
【0091】
・ソフトウェアスイッチ17の代わりに、操作部として物理スイッチを用いるようにしてもよい。
・携帯端末13の表示画面15には、携帯端末13が収納部14に収納されているときにソフトウェアスイッチ17を表示させる一方、携帯端末13が収納部14に収納されていないときにソフトウェアスイッチ17を表示させないようにしてもよい。
【0092】
・第1凸部28及び第2凸部45のうちの少なくとも一方を省略してもよい。
・固定機構は、第1凸部28及び第2凸部45の代わりに、例えば表面に粘着性を有した凸部を用いてもよい。このようにすれば、第1収納部36及び第2収納部37が収納位置にある場合に、携帯端末13の裏面に凸部を接触させるだけで、当該凸部の粘着力によって携帯端末13の特に前方への移動を阻害できる。この場合、第1収納部36及び第2収納部37にそれぞれ収納された携帯端末13の上下方向、左右方向、及び後方への移動は、それぞれ第1収納部36及び第2収納部37によって阻害される。さらにこの場合、携帯端末13における凹部16は省略できる。
【0093】
・携帯端末13における凹部16を凸部に変更するとともに、第1凸部28及び第2凸部45を対応する携帯端末13の凸部と嵌合可能にした凹部にそれぞれ変更してもよい。この場合、凹部が固定機構を構成する。
【0094】
・2つの収納部14のうちのいずれか一方を省略してもよい。すなわち、台座12上に収納部14を1つだけ設けるようにしてもよい。
・台座12に段部を3つ以上設けるとともに、それぞれの段部に収納部14を配置してもよい。この場合、上下方向で隣り合う2つの収納部14同士をリンク48で連結することで、全て(3つ以上)の収納部14が収納位置と使用位置との間で連動して回転するように構成される。
【0095】
・携帯端末用収納装置11,61は、車両以外の乗物、例えば、航空機、船舶等における携帯端末用収納装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0096】
11,61…携帯端末用収納装置
12…台座
13…携帯端末
14…収納部
15…表示画面
16…凹部
17…操作部の一例としてのソフトウェアスイッチ
18…発光部
19…段差部
20…段部の一例としての第1段部
21…段部の一例としての第2段部
22…第1軸受部
23…第1軸
24…第1軸孔
25…第2軸受部
26…第2軸
27…第2軸孔
28…固定機構を構成する凸部の一例としての第1凸部
29…駆動室
30…第1開口部
31…駆動機構
32…駆動モータ
33…第1歯車
34…第2歯車
35…ロータリーエンコーダ
36…第1収納部
37…第2収納部
38…挿入口
39…収納空間
40…ピン
41…軸挿入孔
42…貫通孔
43…第2検出部の一例としての光センサ
44…第1検出部の一例としての検出スイッチ
45…固定機構を構成する凸部の一例としての第2凸部
46…第2開口部
47…第3歯車
48…リンク
49…制御部の一例としての車両側制御部
50…モータドライバ
62…充電回路
63…車両用バッテリ
64…駆動用接点
65…第2充電用接点
66…端末側制御部
67…二次電池
68…駆動回路
69…放電用接点
70…第1充電用接点