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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155002
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】トランスファフィーダ
(51)【国際特許分類】
   B21D 43/05 20060101AFI20231013BHJP
   B30B 13/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B21D43/05 J
B30B13/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064696
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000238946
【氏名又は名称】株式会社エイチアンドエフ
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】三上 達郎
(72)【発明者】
【氏名】細川 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】宮越 侑輝
【テーマコード(参考)】
4E090
【Fターム(参考)】
4E090AA01
4E090AA07
4E090AB01
4E090BA01
4E090BA02
4E090CC01
4E090EA01
4E090EB01
4E090EC01
4E090FA02
4E090GA03
4E090HA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フィードバーに任意の位置で着脱自在であり、かつワークを任意のチルト角度で回動可能なトランスファフィーダを提供する。
【解決手段】トランスファフィーダ1において、ワーク搬送方向をフィード方向F、上下方向をリフト方向L、フィード方向F及びリフト方向Lに直交する幅方向をクランプ方向Cとした場合、方向Fに延びる一対のフィードバー1aと、フィードバー1aに対し方向Fに駆動させるフィード駆動部11、方向Lに駆動させるリフト駆動部、方向Cに駆動させるクランプ駆動部、複数の取付部に着脱自在なチルト部2と、を備え、チルト部2が、取付部に固定されたブラケット、ブラケットに支持された回動機構、回動機構に取付けられた保持部とを有し、保持部がワークを保持し、保持部に直接取付けられた回動機構の回転体と一体となってワークをチルト回動させるトランスファフィーダ1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスファプレス装置に用いられるトランスファフィーダにおいて、
ワークの搬送方向をフィード方向とし、上下方向をリフト方向とし、フィード方向及びリフト方向に直交する幅方向をクランプ方向とした場合に、
フィード方向に延びる一対のフィードバーと、
前記フィードバーを前記リフト方向に駆動させるためのリフト駆動部と、
前記フィードバーを前記クランプ方向に駆動させるためのクランプ駆動部と、
前記フィードバーに設けられた複数の取付部に着脱自在に取り付けられたチルト部と、
を備え、
前記チルト部が、
前記取付部に固定されたブラケットと、
前記ブラケットに支持された回動機構と、
前記回動機構に取り付けられた前記保持部と
を有し、
前記保持部が前記ワークを保持するためのものであり、
前記回動機構のクランプ方向を軸とする回転体が、前記保持部に直接取り付けられたものであり、該回転体と前記保持部とが一体となって前記ワークをチルト回動させるものであるトランスファフィーダ。
【請求項2】
前記ブラケットが、前記取付部に固定される板状の底板部と、
該底板部の端部に立設された立板部と、を有するフィード方向視L字状であり、
前記回動機構が前記立板部に支持固定されている請求項1記載のトランスファフィーダ。
【請求項3】
前記取付部に前記チルト部が複数取り付けられるものであり、
複数の前記チルト部の前記回転体が、それぞれ独立して回転可能である請求項1記載のトランスファチルトフィーダ。
【請求項4】
前記ブラケットが、前記フィード方向を長手方向とする板状のプレートを介して前記取付部に固定されたものである請求項1記載のトランスファフィーダ。
【請求項5】
前記保持部が、棒状のフレーム部と、
該フレーム部に一定の間隔をおいて取り付けられた一対のグリッパと、よりなる請求項1記載のトランスファフィーダ。
【請求項6】
前記回動機構が、サーボモータと減速機とよりなり、
前記回転体が、前記減速機の減速側回転体である請求項1記載のトランスファフィーダ。
【請求項7】
前記回動機構に電力を供給するための回動機構コネクタと、
前記保持部にエアを供給するための保持部コネクタと、
を更に備え、
前記フィードバーが、前記回動機構コネクタと、前記保持部コネクタとを複数有するものである請求項1記載のトランスファフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランスファフィーダに関し、更に詳しくはフィードバーに任意の位置で着脱自在であり、かつワークを任意のチルト角度で回動可能なトランスファフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレス装置によって順次ワークにプレス加工を行うトランスファプレス装置が知られている。これは、複数のプレス装置と、各プレス装置間でワークを搬送するトランスファフィーダを備えるものである(例えば、特許文献1)。
【0003】
プレス加工においては、目的とする形状のワークを得るために、同一のワークに対して異なる方向からプレスを行う必要が生じる場合がある。このとき、鉛直方向とは異なる方向にプレスが可能な金型は、機構が複雑なものとなり、金型自体が大型化する。
これを解決するため、搬送中にワークの角度を変更するためのチルト装置が知られている。ワークのチルト角度を変更することで、プレス装置のプレス方向(鉛直方向)を維持したまま、異なる方向からワークをプレスすることが可能となる。
【0004】
例えば、特許文献2のパネルチルト装置は、パネルの上方に位置しパネルを把持するパネル把持具を有するクロスバーが固定されたスライダと、スライダをチルト中心のまわりに傾動可能に案内する円弧ガイドを備えるパネルチルト装置である。
【0005】
また、特許文献3のワーク搬送装置は、ワークを解放可能に支持するワーク支持機構を備えた搬送テーブルと、前記搬送テーブルに、ワーク搬送方向に沿った略垂直な面内にて枢軸を介して回動可能に一端側が連結される第1及び第2のアームと、前記第1のアームの他端側が枢軸を介して回動自在に連結される第1の移動部と、前記第2のアームの他端側が枢軸を介して回動自在に連結される第2の移動部と、前記搬送テーブルと前記第1のアーム或いは前記第2のアームのなす角、第1のアームと第1の移動部のなす角、或いは第2のアームと第2の移動部のなす角の少なくとも一つを制御することにより搬送テーブルの姿勢を制御する姿勢制御手段と、を含んで構成され、アームに固定されたギヤのうちの片方を、サーボモータにて上側枢軸廻りに、アームに対して相対的に回転可能及び所定回転角度位置にて停止維持可能に構成して、設定した所定回転角度分だけ回動させることで、ワークを任意角度に傾けることを可能にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6634377号公報
【特許文献2】特許第5083664号公報
【特許文献3】特許第6192131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2のパネルチルト装置は、パネルのチルト角度が円弧ガイドによって規定されているため、チルト角度の最大量を変更する場合には円弧ガイドを交換する必要がある。更に、チルト角度を大きくする場合には円弧ガイドも大型化し、取り付けのためのスペースが必要となる。したがって、既存のプレス装置に取り付けようとする場合の制約が大きい。
【0008】
特許文献3のチルト機能を担うアームがワークのフィード機能と一体化しているため、いずれかの機能に不具合が出た場合には全てを交換する必要があり、メンテナンスの手間及びコストが増大する。
【0009】
本発明は、上述の課題を受けて開発されたものである。すなわち、本発明はフィードバーに任意の位置で着脱自在であり、かつワークを任意のチルト角度で回動可能なトランスファフィーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は鋭意検討の結果、回動機構のクランプ方向を軸とする回転体を保持部に直接取り付け、回転体と保持部とが一体となってワークをチルト回動させるものであるチルト部を、トランスファフィーダに着脱自在に備えることによって、上記課題を解決可能であることを見出した。本発明はこの知見に基づく。
【0011】
本発明は、トランスファプレス装置に用いられるトランスファフィーダにおいて、ワークの搬送方向をフィード方向とし、上下方向をリフト方向とし、フィード方向及びリフト方向に直交する幅方向をクランプ方向とした場合に、フィード方向に延びる一対のフィードバーと、フィードバーをリフト方向に駆動させるためのリフト駆動部と、フィードバーをクランプ方向に駆動させるためのクランプ駆動部と、フィードバーに設けられた複数の取付部に着脱自在に取り付けられたチルト部と、を備え、チルト部が、取付部に固定されたブラケットと、ブラケットに支持された回動機構と、回動機構に取り付けられた保持部とを有し、保持部がワークを保持するためのものであり、回動機構のクランプ方向を軸とする回転体が、保持部に直接取り付けられたものであり、回転体と保持部とが一体となってワークをチルト回動させるものであるトランスファフィーダに存する。
【0012】
本発明は、ブラケットが、取付部に固定される板状の底板部と、底板部の端部に立設された立板部と、を有するフィード方向視L字状であり、回動機構が立板部に支持固定されている上記記載のトランスファフィーダに存する。
【0013】
本発明は取付部にチルト部が複数取り付けられるものであり、複数のチルト部の回転体が、それぞれ独立して回転可能である上記記載のトランスファチルトフィーダに存する。
【0014】
本発明は、ブラケットが、フィード方向を長手方向とする板状のプレートを介して取付部に固定されたものである上記記載のトランスファフィーダに存する。
【0015】
本発明は、保持部が、棒状のフレーム部と、フレーム部に一定の間隔をおいて取り付けられた一対のグリッパと、よりなり、フレーム部の略中央が回動機構に取り付けられたものである上記記載のトランスファフィーダに存する。
【0016】
本発明は、回動機構が、サーボモータと減速機とよりなり、回転体が、減速機の減速側回転体である上記記載のトランスファフィーダに存する。
【0017】
本発明は、回動機構に電力を供給するための回動機構コネクタと、保持部にエアを供給するための保持部コネクタと、を更に備え、フィードバーが、回動機構コネクタと、保持部コネクタとを複数有するものである上記記載のトランスファフィーダに存する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のトランスファフィーダは、フィードバーに設けられた複数の取付部に着脱自在に取り付けられたチルト部を備えることにより、フィードバーの任意の位置にチルト機能を与えることができる。
そのため、既存のトランスファフィーダにチルト機能を追加することも可能となる。
また、本発明のトランスファフィーダは、回動機構のクランプ方向を軸とする回転体が、保持部に直接取り付けられたものであり、回転体と保持部とが一体となってワークをチルト回動させるものであることにより、シンプルな構造でありながら保持部の回動幅を確保し、ワークを任意のチルト角度にチルト回動させることが可能となる。
【0019】
本発明のトランスファフィーダは、取付部に固定される板状の底板部と、底板部の端部に立設された立板部と、を有するフィード方向視L字状であることにより、回動機構を立板部に固定するとともに、底板部をフィードバーに固定し、チルト部全体をフィードバーに確実に固定することが可能となる。
また、チルト部の回転軸をクランプ方向に向くように配置できるので、回転体と保持部とが一体となってワークをチルト回動させることが可能となる。
【0020】
本発明のトランスファフィーダは、取付部にチルト装置が複数取り付けられるものであり、複数のチルト装置の回転体が、それぞれ独立して回転可能であることにより、複数のプレス装置を有するトランスファプレス装置において、各プレス装置間を移動するワークを、それぞれ所定のチルト角度にチルト回動させたうえで同時に搬送することが可能となる。
これにより、金型に沿った角度でワークをプレス装置に搬入することができる。したがって、ワークがプレス装置に搬入される際の衝撃を軽減するとともに、それぞれの金型において所定の角度からワークをプレスすることが可能となる。
【0021】
本発明のトランスファフィーダは、ブラケットが、フィード方向を長手方向とする板状のプレートを介して取付部に固定されたものであることにより、保持部のフィードバーに対する取り付け位置を微調整することが可能となる。
【0022】
本発明のトランスファフィーダは、保持部が、棒状のフレーム部と、フレーム部に一定の間隔をおいて取り付けられた一対のグリッパと、よりなることにより、ワークが2箇所で保持されるため、ワークを安定して保持することが可能となる。
これらにより、大きくチルト回動されたワークであっても、搬送することが可能となる。
【0023】
本発明のトランスファフィーダは、回動機構が、サーボモータと減速機とよりなり、回転体が、減速機の減速側回転体であることにより、チルト角度の微調整を容易に行うことが可能となる。そのため、容易に目的とするチルト角度を得ることができる。
【0024】
本発明のトランスファフィーダは、フィードバーが、回動機構コネクタと、保持部コネクタとを複数有するものであることによりチルト部のフィードバーに対する取り付け位置を、容易に変更することが可能となる。
このため、製造ロットの変更に容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本実施形態に係るトランスファフィーダが取り付けられたトランスファプレス装置を示す概略正面図である。
図2図2は、本実施形態に係るトランスファフィーダの構造を説明するための斜視説明図である。
図3(a)】図3(a)は、図2に示すトランスファフィーダにおける駆動部のA1矢視図である。
図3(b)】図3(b)は、図2に示すトランスファフィーダにおける駆動部のB1矢視図である。
図4(a)】図4(a)は、図3(a)に示す駆動部のA2矢視図である。
図4(b)】図4(b)は、図3(b)に示す駆動部のB2矢視図である。
図5図5は、本実施形態に係るフィードバーのチルト部を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示すチルト部とフィードバーと配線部との関係を説明するための斜視説明図である。
図7図7は、本実施形態に係るトランスファフィーダにより複数のプレス装置にワークが搬送されている状態を示す模式図である。
図8図8は、本実施形態に係るトランスファフィーダにより複数のプレス装置間でワークがチルト回動されている状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明に係るトランスファフィーダは、トランスファプレス装置に用いられ、フィード方向、リフト方向及びクランプ方向の三次元に移動可能な、いわゆる三次元トランスファフィーダである。
なお、本明細書においては、ワークの搬送方向を「フィード方向」とし、上下方向を「リフト方向」とし、フィード方向及びリフト方向に直交する幅方向を「クランプ方向」としている。
また、「上流側」とは、ワークの搬送方向(フィード方向)における上流側を意味し、「下流側」とは、ワークの搬送方向(フィード方向)における下流側を意味する。
【0027】
図1は、本実施形態に係るトランスファフィーダが取り付けられたトランスファプレス装置を示す概略正面図である。なお、図1中、紙面左側が上流側であり、紙面右側が下流側である。すなわち、ワーク(図示しない)は矢印Aの方向に搬送される。
トランスファプレス装置100は、ベッド3と、ベッド3の上面に取り付けられたボルスタ3aと、ベッド3の四隅に立設されたアプライト4と、アプライト4に支持されるクラウン5と、クラウン5に内蔵された駆動機構(図示しない)と、駆動機構に吊設されたスライド6と、スライド6の下面に取り付けられた複数の上金型7aと、上金型7aに対応するようにボルスタ3aの上面に取り付けられた複数の下金型7bと、ワーク(図示しない)を搬送するためのトランスファフィーダ1とを有する。
なお、上金型7aとそれに対応する下金型7bとの組み合わせを単に「金型」ともいう。
ここで、駆動機構としては特に限定されないが、例えば、クランク機構を用いた機械式、液体に圧力をかけて動作させる液圧式、サーボモータを用いたサーボモータ式等の駆動機構を採用することができる。
なお、トランスファプレス装置100の構造は、公知であるので、各構成の詳細な説明については省略する。
【0028】
トランスファプレス装置100においては、駆動機構が上死点にあるスライド6を下死点まで下降移動させることにより、それぞれの上金型7aと下金型7bとの間でワークがプレスされる。
そして、プレス加工後、駆動機構は下死点にあるスライド6を上死点まで上昇移動させる。
トランスファプレス装置100においては、このサイクルが繰り返し行われる。
【0029】
このとき、プレス加工後、次のプレス加工が施されるまでの間に、トランスファフィーダ1は、プレス加工が施された各下金型7b上のワークを、下流側の隣に位置する下金型7bに同時に搬送する。
これにより、ワークは、各金型で順次プレス加工が施されることになる。
なお、新たなワークの最上流側に位置する下金型7bへの搬入、及び、最下流側に位置する下金型7b上のワークのトランスファ装置100の外への搬出は、別途、公知の搬送ロボット(図示しない)により行われる。
【0030】
図2は、本実施形態に係るトランスファフィーダの構造を説明するための斜視説明図である。
図2は、図1に示すトランスファプレス装置の一部を取り出したものであり、具体的には、ベッド3、ボルスタ3a、トランスファフィーダ1及びアプライト4の一部を取り出して示したものである。
なお、スライド6、上金型7a、下金型7b、手前側のアプライト4、トランスファフィーダ1のうち保持部等の記載を省略している。
図2に示すように、トランスファフィーダ1は、フィード方向Fに延びる一対のフィードバー1aと、フィードバー1aをフィード方向Fに駆動させるためのフィード駆動部11と、フィードバー1aをリフト方向Lに駆動させるためのリフト駆動部12と、フィードバー1aをクランプ方向Cに駆動させるためクランプ駆動部13と、フィードバー1aに一定の間隔をおいて設けられた複数の取付部1bに着脱自在に取り付けられたチルト部2と、を有する。
【0031】
一対のフィードバー1aは、何れも、中空の細長い四角柱状であり、後述する配線部が内蔵されている。
そして、一対のフィードバーの上面には、何れも、後述するチルト部2を取り付けるための取付部が設けられる。
なお、チルト部2を取り付け可能とした位置が取付部であり、具体的には、例えば、チルト部2をボルト等の取付具で取り付けるための取付穴を設けた位置周辺が取付部1bとなる(図6参照)。
かかる取付部1bは、フィードバー1aの任意の位置に設けることができる。例えば、金型の位置に対応するように所定の間隔をおいて配置することが好ましい。
【0032】
フィード駆動部11は、フィード本体部11aと、フィード本体部11aの下端に設けられたフィードガイド部11cと、フィードバー1aの先端部分に取り付け固定され、フィード方向Fに延びるフィードレール部11bと、フィード本体部11aに取り付けられたフィード用サーボモータ11dとを有する。
フィード駆動部11においては、フィードレール部11bにフィードガイド部11cが取り付けられており、フィード用サーボモータ11dの駆動により、フィードレール部11bが、フィードバー1aと一体となって、フィードガイド部11cに対して、フィード方向Fに往復移動するようになっている。
すなわち、フィード駆動部11は、フィードバー1aをフィード方向Fに往復移動させる。
【0033】
図3(a)は、図2に示すトランスファフィーダにおける駆動部のA1矢視図であり、図3(b)は、図2に示すトランスファフィーダにおける駆動部のB1矢視図である。
なお、図3(a)及び図3(b)においては、必要に応じて外枠等を透過させて図示している。
クランプ駆動部13は、フィードバー1aの上流側端部近傍に取り付けられた上流側クランプ駆動部131と、フィードバー1aの下流側端部近傍に取り付けられた下流側クランプ駆動部132とからなる。すなわち、フィードバー1aは、その両側でクランプ方向Cに駆動される。
【0034】
図3(a)に示すように、上流側クランプ駆動部131は、一方側のフィードバー1aに取り付けられた第1上流側クランプ支持部131aと、該第1上流側クランプ支持部131aに取り付けられた第1上流側クランプガイド部131cと、ベッド3に内蔵され、クランプ方向Cに延びる第1上流側クランプベルト部131bと、第1上流側クランプベルト部131bを駆動するための第1上流側クランプ駆動プーリ131dとを有する構造体、及び、他方側のフィードバー1aに取り付けられた第2上流側クランプ支持部131aと、該第2上流側クランプ支持部131aに取り付けられた第2上流側クランプガイド部131cと、ベッド3に内蔵され、クランプ方向Cに延びる第2上流側クランプベルト部131bと、第2上流側クランプベルト部131bを駆動するための第2上流側クランプ駆動プーリ131dとを有する構造体、を含む。
なお、一方側のフィードバー1aに取り付けられた構造体と、他方側のフィードバー1aに取り付けられた構造体とは対照となっていること以外は同じで構造である。
上流側クランプ駆動部131においては、第1上流側クランプベルト部131b及び第2上流側クランプベルト部131bが同期して反対方向に駆動するようになっている。
これにより、第1上流側クランプガイド部131c及び第2上流側クランプガイド部131cが、それぞれ対応するフィードバー1aと一体となって、クランプ方向Cに移動するようになっている。
【0035】
図3(b)に示すように、下流側クランプ駆動部132は、一方側のフィードバー1aに取り付けられた第1下流側クランプ支持部132aと、該第1下流側クランプ支持部132aに取り付けられた第1下流側クランプガイド部132cと、クランプ方向Cに延びる第1下流側クランプベルト部132bと、第1下流側クランプベルト部132bを駆動するための第1下流側クランプ駆動プーリ132dとを有する構造体、及び、他方側のフィードバー1aに取り付けられた第2下流側クランプ支持部132aと、該第2下流側クランプ支持部132aに取り付けられた第2下流側クランプガイド部132cと、クランプ方向Cに延びる第2下流側クランプベルト部132bと、第2下流側クランプベルト部132bを駆動するための第2下流側クランプ駆動プーリ132dとを有する構造体、を含む。
なお、一方側のフィードバー1aに取り付けられた構造体と、他方側のフィードバー1aに取り付けられた構造体とは対照となっていること以外は同じで構造である。
下流側クランプ駆動部132においては、第1下流側クランプベルト部132b及び第2下流側クランプベルト部132bが同期して反対方向に駆動するようになっている。これにより、第1下流側クランプガイド部132c及び第2下流側クランプガイド部132cが、それぞれ対応するフィードバー1aと一体となって、クランプ方向Cに移動するようになっている。
したがって、クランプ駆動部13においては、上流側クランプ駆動部131及び下流側クランプ駆動部132が同期して、フィードバー1aをクランプ方向Cに往復移動させることが可能となっている。
【0036】
図4(a)は、図3(a)に示す駆動部のA2矢視図であり、図4(b)は、図3(b)に示す駆動部のB2矢視図である。
なお、図4(a)及び図4(b)においては、必要に応じて外枠等を透過させて図示している。
リフト駆動部12は、フィードバー1aの上流側端部近傍に取り付けられた上流側リフト駆動部121と、フィードバー1aの下流側端部近傍に取り付けられた下流側リフト駆動部122とからなる。すなわち、フィードバー1aは、その両側でリフト方向Lに駆動される。
【0037】
図4(a)に示すように、上流側リフト駆動部121は、上流側クランプ駆動部131を下から支持するように設けられたリフト方向Lに延びる一対の上流側ラック121aと、該上流側ラック121aにそれぞれ取り付けられた上流側ピニオン121bと、上流側ピニオン121bを回動させるための上流側リフト駆動モータ121d(図3(a)参照)と、を有する。
一対の上流側ピニオン121bは、何れも、非回転部分がベッド3内部に固定されており、上流側リフト駆動モータ121dにより歯車部分が回転自在となっている。そして、一対の上流側ピニオン121bは、歯車部分が互いに噛合されている。
これにより、上流側リフト駆動モータ121dが上流側ピニオン121bを回転させると、一対の上流側ピニオン121bは、互いに反対方向に回転するので、一対の上流側ラック121aは、上流側クランプ駆動部131と一体となって、リフト方向Lの同じ方向に移動するようになっている。
【0038】
図4(b)に示すように、下流側リフト駆動部122は、下流側クランプ駆動部132を吊持するように設けられたリフト方向Lに延びる一対の下流側ラック122aと、該下流側ラック122aにそれぞれ取り付けられた下流側ピニオン122bと、下流側ピニオン122bを回動させるための下流側リフト駆動モータ122d(図3(b)参照)と、を有する。
一対の下流側ピニオン122bは、何れも、非回転部分が隣合うアプライト4に架設されたフレームFRに固定されており(図2参照)、下流側リフト駆動モータ122dにより歯車部分が回転自在となっている。そして、一対の下流側ピニオン122bは、歯車部分が互いに噛合されている。
これにより、下流側リフト駆動モータ122dが下流側ピニオン122bを回転させると、一対の下流側ピニオン122bは、互いに反対方向に回転するので、一対の下流側ラック122aは、下流側クランプ駆動部132と一体となって、リフト方向Lの同じ方向に移動するようになっている。
したがって、リフト駆動部12においては、上流側リフト駆動部121及び下流側リフト駆動部122が同期して、フィードバー1aをリフト方向Lに往復移動させることが可能となっている。
【0039】
これらのことにより、トランスファフィーダ1は、三次元的に移動し、ワークを搬送させている。
具体的には、一対のフィードバー1aは、まず、クランプ駆動部13によりワークを保持するために内側方向に移動し、ワークを保持する。
次いで、リフト駆動部12によりワークを持ち上げるために上昇し、フィード駆動部11により隣の金型まで搬送するために下流側に移動し、リフト駆動部12によりワークをその金型に配置するために下降する。
そして、ワークを解放した後、クランプ駆動部13によりワークから退避するために外側方向に移動し、フィード駆動部13により上流側に移動して元の位置に戻る、という一連のサイクルで駆動する。
【0040】
図5は、本実施形態に係るフィードバー1aのチルト部2を示す斜視図である。
チルト部2は、各フィードバー1aそれぞれに、一定の間隔をおいて複数設けられる。
なお、フィードバー1aに着脱自在に取り付けられている複数のチルト部2は、後述の図5に示すチルト部と全て同じ構造である。
また、各チルト部2は、互いに独立しており、フィードバー1aの取付部1bに対して、それぞれが着脱自在となるように取り付けられている。
これにより、フィードバー1aの任意の位置にチルト機能を追加することができる。そのため、既存のトランスファフィーダにチルト機能を追加することも可能となる。
また、例えば、チルト機能に不具合がある場合は、フィードバー1a全体を分解することなく、不具合のあるチルト部2のみを交換すればよいので、メンテナンスが容易となる。
【0041】
さらに、チルト部2同士が独立しているので、互いに干渉することを容易に防止することができる。
このため、トランスファプレス装置100において、各プレス装置間を移動するワークを、それぞれ所定のチルト角度にチルト回動させたうえで同時に搬送することが可能となる。
これにより、金型に沿った角度でワークをプレス装置に搬入することができる。したがって、ワークがプレス装置に搬入される際の衝撃を軽減するとともに、それぞれの金型において所定の角度からワークをプレスすることが可能となる。
【0042】
チルト部2は、取付部1bに固定されたブラケット21と、ブラケット21に支持固定された回動機構22と、回動機構22に取り付けられた保持部23と、を有する。
なお、保持部23は、後述するようにワークを保持するための機構である。
【0043】
ブラケット21は、取付部1bに固定される底板部21aと、底板部21aの端部に立設された立板部21bを有し、フィード方向視でL字状となっている。底板部21aと立板部21bとは、板材21dにより補強されている。
底板部21aは矩形状の板材であり略中央に軽量化のための孔が開いている。底板部21aの端部にはそれぞれ固定のための孔が開口しており、当該孔とフィードバー1aに予め設けられた孔とを重ね合わせ、ボルト及びナット等の固定具により固定される。
立板部21bは、回動機構22を支持固定するためのものである。立板部21bは、矩形状であり、底板部21aと一体に形成されている。立板部21bは、後述する回動機構22をボルト固定するための孔を有し、さらに回動機構22の回転体22cを挿通するための孔を略中央に有している。当該孔に挿通された回転体22cが、保持部23に直接取り付けられる。
板材21は、三角形状であり、底板部21aと立板部21bとが形成する角を埋めるように両者に連結されている。板材21dは、後述する回動機構22を挟むように、回動機構22の両側に立設されている。
ブラケット21が底板部21aと立板部21bとによりフィード方向視でL字状となっていることで、回動機構22を立板部21bに固定するとともに、底板部21aをフィードバー1aに固定し、チルト部2全体をフィードバー1aに確実に固定することが可能となる。
また、チルト部2の回転軸をクランプ方向Cに向くように配置できるので、後述する回転体22cと保持部23とが一体となってワークをチルト回動させることが可能となる。
【0044】
ブラケット21は、フィード方向Fを長手方向とする板状のプレート21cを介して取付部1bに固定されている。
具体的には、プレート21cには複数の孔が設けられており、ブラケット21の底板部21aにも孔が設けられている。プレート21cの孔と底板部21aの孔とを重ね合わせ、ボルト及びナット等の取付具により固定する。
さらに、プレート21cに設けられた孔と取付部1bの取付穴とを重ね合わせ、同様にボルト及びナット等の取付具により固定することで、ブラケット21がフィードバー1aに固定される。
同様に、回動機構22は立板部21bに設けられた孔にボルト及びナット等の取付具により固定され、支持される。
【0045】
ブラケット21がプレート21を介して取付部1bに取り付けられることにより保持部23のフィードバー1aに対する取り付け位置を微調整することが可能となる。
また、フィードバー1aの取付部1bは取付穴が設けられたシンプルな構造であるため、チルト部2をフィードバー1aに容易に取り付けることが可能である。
このため、チルト部2を取り付けることで既存のトランスファフィーダにチルト機能を追加することが可能となる。
【0046】
回動機構22は、サーボモータ22aと減速機22bとよりなる。
ここで、減速機は入力側回転体と減速側回転体とが、歯数の異なる複数の歯車等により連結され、入力側回転体が回転することにより、これよりも少ない回転数で減速側回転体が回転するものである。
サーボモータ22aの回転体は減速機22bの入力側回転体に連結されており、減速機22bの減速側回転体は、後述する保持部23に直接取り付けられている。
したがって、サーボモータ22aの回転体が回転することにより、これより少ない回転数で減速機22bの減速側回転体が回転し、これに取り付けられた保持部23が減速側回転体と一体となって回動する。これにより、保持部23に保持されたワークがチルト回動される。
すなわち、減速機22bの減速側回転体は、回動機構22の回転体22cとして機能する。
回転体22cと保持部23とが一体となってワークをチルト回動させるものであることにより、シンプルな構造でありながら保持部23の回動幅を確保し、ワークを任意のチルト角度にチルト回動させることが可能となる。さらに、チルト角度の微調整を容易に行うことが可能となり、容易に目的とするチルト角度を得ることができる。
ちなみに、本実施形態に係るトランスファフィーダにおいては、予め設定することにより、各チルト装置において-180°~+180°のチルト角度を得ることができる。
【0047】
保持部23は、棒状のフレーム部23aと、フレーム部23aに一定の間隔をおいて取り付けられた一対のグリッパ23bからなる。図3(a)及び図3(b)の実施例において、グリッパ23bはフレーム部23aの両端に取り付けられている。
また、保持部23はフレーム部23aの略中央が上述した減速側回転体に取り付けられている。
一対のグリッパ23bは向きをそろえた状態でフレーム部23aに取り付けられている。グリッパ23bはエアシリンダによって駆動されて開閉し、ワークを保持又は開放する。
ワークは、一対のグリッパ23bにより2箇所で保持されるため、ワークを安定して保持することが可能となる。また、フレーム部の略中央が回動機構に取り付けられたものであることにより、保持部に対してワークの重量が均等に掛かる。これらにより、これにより、大きくチルト回動されたワークであっても、搬送することが可能となる。
また、フィードバー1aは一対に設けられており、チルト部2がそれぞれ対応する位置に取り付けられた場合、ワークは4箇所で保持されることとなり、更にワークを安定して搬送することが可能となる。
【0048】
図6は、図5に示すチルト部2とフィードバー1aと配線部との関係を説明するための斜視説明図である。
回動機構2のサーボモータ22aは、図示しない電源から供給される電力によって駆動される。電力を供給するための配線は、フィードバー1a内に内蔵されており、フィードバー1aの側面に設けられた回動機構コネクタ22dに接続してフィードバー1aの外側へと露出している。回動機構コネクタ22dとサーボモータ22aとはさらに配線によって接続され、サーボモータ22aに電力が供給される。
回動機構コネクタ22dは、フィードバー1aに複数設けられている。
【0049】
同様に、グリッパ23bを駆動するエアシリンダは、図示しないエア源から供給されるエアによって駆動される。エアを供給するための配管は、フィードバー1aに内蔵されており、フィードバーの側面に設けられた複数の保持部コネクタ23cに接続し、フィードバー1aの外側へと露出している。保持部コネクタ23cとグリッパ23bとは、さらに配管によって接続され、グリッパ23bにエアが供給される。
【0050】
回動機構コネクタ22dが複数設けられていることにより、回動機構22には、直近の回動機構コネクタ22dから電源を供給することができる。
また、チルト部2のフィードバーに1a対する取り付け位置を、容易に変更することが可能となる。このため、製造ロットの変更に容易に対応することができる。
【0051】
ここで、本実施形態に係るトランスファフィーダ1を用いてワークをチルト回動させながら搬送する機構について説明する。
図7は、本実施形態に係るトランスファフィーダ1により複数のプレス装置にワークが搬送されている状態を示す模式図である。
図7においては、各プレス装置にそれぞれワークが載置された状態である。チルト部2はそれぞれのワークに対応する位置でフィードバー1aに取り付けられている。
フィードバー1がクランプ駆動部13によりプレス装置からクランプ方向Cで外側へ退避することにより、プレス装置がワークをプレス可能な状態となり、上金型7a1、7a2、7a3、7a4が下降移動してワークをプレスする。
プレスが完了すると、それぞれの上金型7a1、7a2、7a3、7a4が上昇移動して、チルト部2がワークを保持可能な状態となる。ここでフィードバー1がクランプ駆動部13によりクランプ方向Cで内側方向へ移動し、各チルト部2の保持部23がエアシリンダで駆動されることにより保持部23にワークが保持される。
【0052】
各チルト部2がワークを保持すると、フィードバー1はリフト駆動部12によりリフト方向Lへ上昇移動し、さらにフィード駆動部11により下流側へ移動する。
図8は、本実施形態に係るトランスファフィーダ1により複数のプレス装置間でワークがチルト回動されている状態を示す模式図である。
フィードバー1が下流側に移動した後、チルト部2によって各ワークが所定のチルト角度にチルト回動される。具体的には、上述した通り回動機構22が回動することによりこれに接続された保持部23が回動し、保持部23に保持されたワークが回動する。
また、チルトの必要がない場合、回動部は回動せずにワークのチルト角度が維持される。
図8においては、チルト部2、2x、2yがそれぞれ矢印の方向に回動し、ワークをチルト回動させる。一方で、チルト部2zはチルトせず、ワークのチルト角度を維持した状態である。
【0053】
チルト部2によるチルトが終了すると、フィードバー1は更にフィード駆動部11によって下流側に移動する。ワークがプレス装置に対応する位置まで搬送されると、リフト駆動部12によりフィードバー1が下降移動し、ワークがそれぞれプレス装置に載置される。
エアシリンダの駆動により各チルト装置の保持部23がワークを解放すると、クランプ駆動部13によりフィードバー1がクランプ方向Cで外側方向へ退避し、再度プレスが可能な状態となる。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0055】
本実施形態に係るトランスファフィーダ1は、図2に示すように、フィード駆動部11と、リフト駆動部12と、クランプ駆動部13とを有しているが、これらの駆動部の構造は、図1に示す構造に限定されない。
例えば、フィードバー1a上にスライダを設け、当該スライダが駆動することにより、ワークをフィード方向Fに搬送するものとしてもよい。
また、フィード駆動部11、リフト駆動部12及びクランプ駆動部13は、何れも、駆動源がサーボモータとなっているが、リニアモータ等であってもよい。
【0056】
本実施形態に係るトランスファフィーダ1においては、チルト部2がボルトで取付部1bに取り付けられているが、取付け手段はこれに限定されない。例えば、クランパー等で取り付けてもよい。
同様に、保持部30は、テーブル部22にボルト等の取付具により取り付けられているが、取付け手段はこれに限定されない。例えば、クランパー等で取り付けてもよい。
【0057】
本実施形態に係る保持部23は一対のグリッパ23bを採用しているが、単独のグリッパ23であってもよい。
また、本実施形態に係るトランスファフィーダ1において、保持部23としてグリッパ23bを採用しているが、これに限らずフィンガー、吸着カップ等を採用してもよい。
また、保持部23の駆動源としてエアシリンダを採用しているが、これに限られない。
【0058】
本実施形態において、チルト部2によるワークのチルトは、フィードバー1の移動に続いて行われているが、同時に行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のトランスファフィーダ1は、トランスファプレス装置100において、ワークを搬送するための装置として利用できる。
本発明のトランスファフィーダ1によれば、フィードバー1aに任意の位置で着脱自在であり、かつワークを任意のチルト角度でチルト回動させることが可能である。したがって、既存のトランスファプレス装置に、容易にチルト機能を付加することができる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・トランスファフィーダ
11・・・フィード駆動部
11a・・・フィード本体部
11b・・・フィードレール部
11c・・・フィードガイド部
11d・・・フィード用サーボモータ
12・・・リフト駆動部
121・・・上流側リフト駆動部
121a・・・上流側ラック
121b・・・上流側ピニオン
121d・・・上流側リフト駆動モータ
122・・・下流側リフト駆動部
122a・・・下流側ラック
122b・・・下流側ピニオン
122d・・・下流側リフト駆動モータ
13・・・クランプ駆動部
131・・・上流側クランプ駆動部
131a・・・第1上流側クランプ支持部,第2上流側クランプ支持部
131b・・・第1上流側クランプベルト部,第2上流側クランプベルト部
131c・・・第1上流側クランプガイド部,第2上流側クランプガイド部
131d・・・第1上流側クランプ駆動プーリ,第2上流側クランプ駆動プーリ
132・・・下流側クランプ駆動部
132a・・・第1下流側クランプ支持部,第2下流側クランプ支持部
132b・・・第1下流側クランプベルト部,第2下流側クランプベルト部
132c・・・第1下流側クランプガイド部,第2下流側クランプガイド部
132d・・・第1下流側クランプ駆動プーリ,第2下流側クランプ駆動プーリ
1a・・・フィードバー
1b・・・取付部
100・・・トランスファプレス装置
2、2x、2y、2z・・・チルト装置
21・・・ブラケット
21a・・・底板部
21b・・・立板部
21c・・・プレート
21d・・・板材
22・・・回動機構
22a・・・サーボモータ
22b・・・減速機
22c・・・回転体
22d・・・回動機構コネクタ
23・・・保持部
23a・・・フレーム部
23b・・・グリッパ
23c・・・保持部コネクタ
3・・・ベッド
3a・・・ボルスタ
4・・・アプライト
5・・・クラウン
6・・・スライド
7a、7a1、7a2、7a3、7a4・・・上金型
7b・・・下金型
FR・・・フレーム
C・・・クランプ方向
F・・・フィード方向
L・・・リフト方向
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8