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特開2023-155046商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155046
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
G07F9/02 101A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064776
(22)【出願日】2022-04-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】510111814
【氏名又は名称】株式会社アドインテ
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】十河 慎治
(72)【発明者】
【氏名】藤野 真吾
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044CC03
3E044FB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商品の表面の性質や色が多種多様な場合であっても、商品の在庫を確実に検出する。
【解決手段】商品側当接部13は、アームの一端部に設けられ、スリットから上方に突出し、本体部の上面に載置された商品と当接すると、スリットから下方に陥没する。センサー側対向部14は、アームの他端部に設けられ、商品側当接部よりも重く構成され、自重により、本体部の内部の下方に揺動して、商品側当接部を上方に突出させる。商品側当接部が下方に陥没すると、アームの揺動に伴って、本体部の内部の上方に揺動する。反射型センサー15は、センサー側対向部が本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、センサー側対向部を検出可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に軽量品の商品が載置される本体部と、
前記本体部の上面の一部に設けられたスリットと、
中央部が前記本体部の内部に回転軸で軸支され、両端部が上下に揺動するアームと、
前記アームの一端部に設けられ、前記スリットから上方に突出し、前記本体部の上面に載置された商品と当接して、前記スリットから下方に陥没する商品側当接部と、
前記アームの他端部に設けられ、前記商品側当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記商品側当接部を上方に突出させ、前記商品側当接部が下方に陥没すると、前記アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動するセンサー側対向部と、
前記センサー側対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記センサー側対向部を検出可能な反射型センサーと、
前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出した場合に、前記商品が存在すると判定し、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出しない場合に、前記商品が存在しないと判定する商品判定制御部と、
を備える商品在庫検出装置。
【請求項2】
前記センサー側対向部は、扁平に形成され、前記アーム全体の重心を前記アームの回転軸よりも、前記センサー側対向部の方に配置させる、
請求項1に記載の商品在庫検出装置。
【請求項3】
前記本体部に設けられ、回転により、前記商品を搬送するベルトと、
前記本体部の側面側で、且つ、前記ベルトの回転方向の下流側の一部に設けられた投出用スリットと、
中央部が前記本体部の内部に回動軸で軸支され、両端部が上下に揺動する投出用アームと、
前記投出用アームの一端部に設けられ、前記投出用スリットから突出し、前記搬送された商品が投出して当接すると、前記投出用スリットから陥没する投出用当接部と、
前記投出用アームの他端部に設けられ、前記投出用当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記投出用当接部を突出させ、前記投出用当接部が陥没すると、前記投出用アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動する投出用対向部と、
前記投出用対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記投出用対向部を検出可能な投出用センサーと、
前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出した場合に、前記商品が投出したと判定し、前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出しない場合に、前記商品が投出しないと判定する投出判定制御部と、
を更に備える、
請求項1に記載の商品在庫検出装置。
【請求項4】
上面に商品が載置される本体部と、
前記本体部の上面の一部に設けられたスリットと、
中央部が前記本体部の内部に回転軸で軸支され、両端部が上下に揺動するアームと、
前記アームの一端部に設けられ、前記スリットから上方に突出し、前記商品が前記本体部の上面に載置されると、当該商品と当接して、前記スリットから下方に陥没する商品側当接部と、
前記アームの他端部に設けられ、前記商品側当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記商品側当接部を上方に突出させ、前記商品側当接部が下方に陥没すると、前記アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動するセンサー側対向部と、
前記センサー側対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記センサー側対向部を検出可能な反射型センサーと、
を備える商品在庫検出装置の商品在庫検出方法であって、
前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出した場合に、前記商品の在庫が存在すると判定し、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出しない場合に、前記商品の在庫が存在しないと判定する商品判定制御工程
を備える商品在庫検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直方体に形成された商品、例えば、たばこ等の自動販売機について、商品ストッカー内の商品の在庫があるか否かを検出することは、売り切れ表示の必要性や商品補充のタイミングの点から重要である。従来から、商品在庫を検出する技術は多種存在する。
【0003】
例えば、特開平9-288764号公報(特許文献1)には、自動販売機本体内部および自動販売機の扉裏面に設けた商品ストッカー内の商品を、自動販売機本体内部と扉裏面に設けた商品ストッカーの間を上下左右に移動でき、且つ、上下方向を軸として水平に回転できる商品取り出し装置で商品ストッカー内の最下段の商品から順次取り出し、扉表面にある商品取り出し口に排出する構造の自動販売機が開示されている。この自動販売機は、商品取り出し装置に装着した反射型フォトセンサーで、商品ストッカー内の商品在庫を検出する機能を有する。これにより、購買者への商品売り切れ表示はもちろんのこと、商品取り出し時間が短縮され、購買者へのサービスが向上する。更に、一つの商品取り出し装置に1個の反射型フォトセンサーですむため、製造コストは低減され、配線も少なくなり構造も簡単となり、その分商品の収納量が増加することになる。また、本発明は反射型フォトセンサーの自己診断ができるため、購買者へのサービスが向上するとともに、自動販売機の管理が容易になるとしている。
【0004】
又、特開2001-23013号公報(特許文献2)には、商品払い出し手段と、第1商品センサーと、ボックス状のバケットと、第2商品センサーと、停止手段と、傾斜収容手段と、を備える自動販売機の商品搬出装置が開示されている。商品払い出し手段は、前後方向に延びる商品通路に前後に並べて収納した複数の商品を、販売時に、前方に移動させることにより、最前に位置する商品を商品通路の前端の払出口から払い出す。第1商品センサーは、商品が払出口の付近に至った後、当該払出口を通過したか否かを検知する。バケットは、後端部に開口を有し、販売時に、払出口から払い出された商品を、当該払出口の付近で開口を介して受け取り、開口に連なる収容部に収容し、当該商品を商品取出口に搬出する。第2商品センサーは、受け取った商品が当該収容部の前端部に到達したか否かを検知する。停止手段は、商品が通過していないことを第1商品センサーが検知し、かつ、当該商品が到達したことを第2商品センサーが検知したときに、商品払い出し手段の作動を停止させる。傾斜収容手段は、商品払い出し手段の作動が停止手段により停止されるときに、バケットが受け取った商品を前下がりに傾斜させることにより、収容部に収容する。これにより、バケットの大きさをコンパクトに維持しながら、その内部の収容部よりも奥行き寸法の大きな商品も収容することができるとしている。
【0005】
又、特開2010-282589号公報(特許文献3)には、商品が収納してある商品収納コラム毎に、背後から商品を押し出すことにより最前に位置する商品を払い出すプッシャを備えた商品ラックと、商品ラックの前方域を移動し、選択された商品収納コラムから払い出された商品を受け取って搬送するキャッチャーメカとを備えた自動販売機が開示されている。この自動販売機は、商品収納コラムは、左右一対となる態様で商品ラックに着脱可能に立設してなり、上端部間に掛け渡した態様で商品を収納し、かつ、プッシャにより背後から押し出されることにより、最前にある商品を払い出してキャッチャーメカに設けられた商品検出センサーに払出後の商品を検出させるアタッチメント部材を備える。これにより、例えば、ガム商品等の前後幅が小さい小物商品であっても、従来のように商品どうしの隙間を十分に確保することなく、前後方向に沿って連続した態様で商品をアタッチメント部材の上端部間に収納することができ、これにより、小物商品の収納効率の拡大を図ることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-288764号公報
【特許文献2】特開2001-23013号公報
【特許文献3】特開2010-282589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動販売機等に利用されている商品の在庫を検出するための構成には、商品の物理的な接触により商品の在庫を検出する物理スイッチタイプと、赤外線等の光が商品から反射することにより商品の在庫を検出する反射型センサータイプとが存在する。
【0008】
物理スイッチタイプでは、例えば、商品がスイッチに接触して、商品の自重によりスイッチを押して動作させることで、スイッチの動作を検出して、商品の存在を検出する。このような構成では、商品の表面の性質(例えば、材質等)や色には影響を受けること無く、無関係に商品を検出することが出来る。しかしながら、一方で、商品の自重が必要であるため、商品が軽量品の場合には、商品が自重によりスイッチを動作させることが出来ず、一定の重量を有する商品にしか適用出来ないという課題がある。
【0009】
又、反射型センサータイプでは、例えば、商品の表面の一部(例えば、一側面)に光を照射し、商品の一部から反射した反射光を検出することで、商品が存在することを検出する。この反射型センサーには、例えば、反射型赤外線センサー、拡散反射型赤外線センサー、反射型フォトセンサー等が用いられている。このような構成では、商品の重量には影響を受けること無く、無関係に商品を検出することが出来る。しかしながら、一方で、商品の表面の一部から光を反射させる必要があるため、商品の性質が光を反射しない又は光を吸収する場合や商品の表面の色が暗い色の場合は、反射型センサーは、適切に反射光を検出することが出来ず、商品の検出率が極端に低下するという課題がある。
【0010】
特に、自動販売機に収納される商品の表面の性質や色は、多種多様であることが多いため、反射型センサーで、商品の表面の一部を直接検出する構成では、商品の検出率が、商品の種類に応じて極端に低下し、商品在庫の誤検知に繋がるという課題がある。又、商品が軽量品の場合、商品の表面の一部が検出し難いことがあり、この場合も、商品在庫の誤検知に繋がるという課題がある。
【0011】
更に、物理スイッチタイプと反射型センサータイプとでは、その特徴や利点が全く異なるため、例えば、商品が、軽量品で、且つ、商品の表面の性質や色が多種多様な場合は、その商品の検出率が極端に低下してしまうという課題がある。
【0012】
特許文献1-3に記載の技術では、反射型センサーで商品の表面の一部を直接検出するため、商品の表面の性質や色が特殊であったり、商品が軽量品であったりした場合には、上述と同様に、検出率が低下するという課題がある。
【0013】
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、商品が、軽量品で、且つ、商品の表面の性質や色が多種多様な場合であっても、商品の在庫を確実に検出することが可能な商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る商品在庫検出装置は、本体部と、スリットと、アームと、商品側当接部と、センサー側対向部と、反射型センサーと、商品判定制御部と、を備える。本体部は、上面に商品が載置される。スリットは、前記本体部の上面の一部に設けられる。アームは、中央部が前記本体部の内部に回転軸で軸支され、両端部が上下に揺動する。商品側当接部は、前記アームの一端部に設けられ、前記スリットから上方に突出し、前記本体部の上面に載置された商品と当接すると、前記スリットから下方に陥没する。センサー側対向部は、前記アームの他端部に設けられ、前記商品側当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記商品側当接部を上方に突出させ、前記商品側当接部が下方に陥没すると、前記アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動する。反射型センサーは、前記センサー側対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記センサー側対向部を検出可能である。商品判定制御部は、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出した場合に、前記商品が存在すると判定し、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出しない場合に、前記商品が存在しないと判定する。
【0015】
本発明に係る商品在庫検出方法は、本体部と、アームと、スリットと、商品側当接部と、センサー側対向部と、反射型センサーと、を備えた商品在庫検出装置の商品在庫検出方法であって、商品判定制御工程を備える。ここで、商品判定制御工程は、商品判定制御部に対応する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商品が、軽量品で、且つ、商品の表面の性質や色が多種多様な場合であっても、商品の在庫を確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図と機能ブロック図である。
図2】商品在庫検出装置の一例を示す平面斜視図(図2A)と、複数の商品が積載された商品在庫検出装置の一例を示す平面斜視図(図2B)と、である。
図3】本発明の実施形態に係る商品在庫検出方法の実行手順を示すためのフローチャートである。
図4】第二の商品が搬送される際の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図4A)と、第一の商品が投出される際の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図4B)と、である。
図5】第一の商品が投出された後の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図5A)と、第二の商品が投出される際の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図5B)と、である。
図6】第二の商品が投出された後の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図6A)と、突起部が回転した際の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図6B)と、である。
図7】第三の商品が投出された後の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図7A)と、第四の商品が投出された後の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図7B)と、である。
図8】検出ユニットが一列の場合の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図8A)と、検出ユニットが三列の場合の商品在庫検出装置の一例を示す断面概略図(図8B)と、である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0019】
本発明の実施形態に係る商品在庫検出装置1は、基本的に、図1に示すように、本体部10と、スリット11と、アーム12と、商品側当接部13と、センサー側対向部14と、反射型センサー15と、を備える。
【0020】
ここで、本体部10は、上面10aに商品Pが載置される。商品Pは、例えば、軽量品であり、具体的には、直方体を想定し、たばこやおもちゃ箱、簡単な景品箱等を挙げることが出来る。このような商品Pの表面の性質は、紙やプラスチック等、多種多様であり、商品Pの表面の色は、白色から黒色まで、多種多様である。スリット11は、本体部10の上面10aの一部に設けられている。アーム12は、中央部12aが本体部10の内部に回動軸12bで軸支され、両端部が上下に揺動する。
【0021】
又、商品側当接部13は、アーム12の一端部に設けられ、スリット11から上方に突出し、本体部10の上面10aに載置された商品Pと当接すると、スリット11から下方に陥没する。
【0022】
更に、センサー側対向部14は、アーム12の他端部に設けられ、商品側当接部13よりも重く構成され、自重により、本体部10の内部の下方に揺動して、商品側当接部13を上方に突出させ、商品側当接部13が下方に陥没すると、アーム12の揺動に伴って、本体部10の内部の上方に揺動する。
【0023】
そして、反射型センサー15は、センサー側対向部14が本体部10の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、センサー側対向部14を検出可能である。反射型センサー15は、例えば、赤外線等の光を照射し、対象物から反射した反射光を検出する。対象物が反射型センサー15に対向する位置に存在する場合は、反射型センサー15は、対象物が存在する旨の信号(例えば、ON信号)を発信し、対象物が反射型センサー15に対向する位置に存在しない場合は、反射型センサー15は、対象物が存在しない旨の信号(例えば、OFF信号)を発信する。
【0024】
さて、反射型センサー15は、図示しないCPU、ROM、RAM等に電気的に接続されており、CPUは、反射型センサー15からの信号を受信して、RAMを作業領域として利用し、ROM等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各制御部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各制御部を実現する。
【0025】
ここで、本発明の実施形態に係る商品在庫検出装置1は、反射型センサー15がセンサー側対向部14を検出した場合に、商品Pが存在すると判定し、反射型センサー15がセンサー側対向部14を検出しない場合に、商品Pが存在しないと判定する商品判定制御部101を備えている。これにより、商品Pが、軽量品で、且つ、商品Pの表面の性質や色が多種多様な場合であっても、商品Pの在庫を確実に検出することが可能となる。
【0026】
即ち、本発明では、反射型センサー15が、商品Pの表面の一部を直接検出するのではなく、商品Pが載置された際に揺動するセンサー側対向部14を検出するように構成している。つまり、本発明では、物理スイッチタイプの要素と反射型センサータイプの要素とを組み合わせて、商品Pの存在を、センサー側対向部14を介して間接的に検出している。これにより、商品Pの表面が多種多様であったり、商品Pが軽量品であったりしても、反射型センサー15が検出する対象は、センサー側対向部14と変わらないことから、商品Pの表面の性質や色等に全く左右されずに、商品Pを確実に検出することが可能となる。又、センサー側対向部14を、反射型センサー15が検出し易い最適な構成(例えば、樹脂製)とすることで、商品Pの検出率を更に高めることが可能となる。
【0027】
更に、本発明では、物理スイッチタイプの要素に基づいて、アーム12の構成を利用し、商品Pが当接する商品側当接部13と、反射型センサー15が検出するセンサー側対向部14とを別々に構成して、てこの原理を活用している。つまり、商品Pが軽量品であっても、商品Pが商品側当接部13に接触・当接すれば、直ぐに、センサー側対向部14が上方に揺動して、反射型センサー15がセンサー側対向部14を検出することが出来る。これにより、商品Pが軽量品であっても、商品側当接部13が容易に下方に揺動することから、反射型センサー15がセンサー側対向部14を確実に検出することが出来る。
【0028】
更に、本発明では、反射型センサータイプの要素に基づいて、反射型センサー15を検出用センサーとして採用している。反射型センサー15は、半導体で構成された部品であり、物理スイッチタイプの要素のように、マイクロスイッチやリードスイッチ等の物理的な接触や変形がある部品と比較して、圧倒的に故障率が低い。そのため、本発明では、商品在庫検出装置1の長寿命化を図ることが出来る。
【0029】
そして、本発明では、アーム12と反射型センサー15とを活用しているため、部品点数を少なくすることが可能であり、小型化を実現することが出来る。
【0030】
さて、本体部10の構成に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、直方体の形状、楕円柱の形状等を挙げることが出来る。又、スリット11の形状に特に限定は無いが、後述のように、商品Pを搬送する搬送機構が存在する場合は、商品Pの搬送方向に沿った形状であると好ましい。これにより、商品Pが搬送された際に、スリット11から突出した商品側当接部13が商品Pの搬送を阻害することなく、商品Pの搬送を円滑に行うことが出来る。
【0031】
又、アーム12の構成に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、逆S字状に形成されたり、S字状やくの字状、コの字状に形成されたりする。商品側当接部13の構成に特に限定は無いが、例えば、スリット11から上方に向かってコの字状に形成される。センサー側対向部14の構成に特に限定は無いが、例えば、扁平に形成され、アーム12全体の重心Gaをアーム12の回転軸12b(支点)よりも、センサー側対向部14の方に配置させる。これにより、商品側当接部13を商品Pに接触させ易くすることが出来るとともに、センサー側対向部14に反射型センサー15の反射板及び重りの役割を持たせて、センサー側対向部14の自重により、センサー側対向部14を本体部10の内部の下方に揺動させて、商品側当接部13を上方に突出させることが可能となる。又、センサー側対向部14を扁平にすることにより、センサー側対向部14が本体部10の内部の上方に揺動した際に、反射型センサー15の検出感度を高めることが出来る。
【0032】
ここで、アーム12の重心Gaをアーム12の回転軸12bに近づけることで、商品側当接部13の揺動感度を高めて、より軽い商品Pでも商品側当接部13を容易に下方に陥没させることが出来る。一方、アーム12の重心Gaをアーム12の回転軸12bから遠ざけることで、特定の重さ未満の商品Pでは、商品側当接部13を下方に陥没させないようにして、特定の重さ以上の商品Pに限って、商品側当接部13の揺動を生じさせることが可能となる。
【0033】
尚、センサー側対向部14の形状に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、円形でも良いし、楕円形でも三角形でも四角形でも多角形でも構わない。センサー側対向部14の厚みや面積を適宜調整することで、アーム12の重心Gaの位置を調整することが可能である。
【0034】
又、反射型センサー15の構成に特に限定は無いが、例えば、本体部10の上面10aが水平方向に沿って配置されている場合、反射型センサー15の検出面は、本体部10の上面10aに対して垂直方向(鉛直方向)に沿って配置されると好ましい。反射型センサー15の検出面が水平方向に沿って配置された場合、この検出面に埃やゴミが積もり、反射型センサー15の光(赤外線)が埃やゴミに遮られたり、検出面が反射光を検出し難くなったり(検出出来なかったり)することがある。そこで、反射型センサー15の検出面を本体部10の上面10aに対して垂直方向に沿って配置することで、検出面に埃やゴミが積もることが無くなるため、長期間使用したとしても、検出率の悪化を更に抑えることが可能となる。
【0035】
さて、商品在庫検出装置1は、本体部10の上面10aに載置された一つの商品Pの存在を検出するために、基本的に、上述した第一のスリット11と、第一のアーム12と、第一の商品側当接部13と、第一のセンサー側対向部14と、第一の反射型センサー15と、を備えている。これらの構成は、検出ユニットと称する。ここで、本発明の実施形態では、二つの商品Pの存在をそれぞれ検出するために、二つの検出ユニットを設けている。もう一つの検出ユニットは、第二のスリット21と、第二のアーム22と、第二の商品側当接部23と、第二のセンサー側対向部24と、第二の反射型センサー25と、で構成される。
【0036】
ここで、図1に示すように、第二のアーム22の中央部22aは、第一のアーム12の回動軸12bで共通して軸支されているため、第二のスリット21と、第二のアーム22と、第二の商品側当接部23と、第二のセンサー側対向部24と、第二の反射型センサー25とは、回転軸12bを中心に、第一のスリット11と、第一のアーム12と、第一の商品側当接部13と、第一のセンサー側対向部14と、第一の反射型センサー15と、にそれぞれ左右対称に配置されている。これにより、二つのアーム12、22をコンパクトに配置して、二つの並んだ商品Pの存在をそれぞれ検出することが出来る。
【0037】
又、商品在庫検出装置1において、商品Pを搬送する方法に特に限定は無いが、例えば、本体部10に設けられたベルトを回転することで、ベルトの上に乗った商品Pを搬送したり、ベルトに設けられた突起部で商品Pを押して搬送したりしても良い。具体的には、商品在庫検出装置1には、図2に示すように、商品Pを搬送するために、二つのローラ31a、31bと、ベルト32と、突起部33と、を備える。ここで、二つのローラ31a、31bは、回転軸を並行にして本体部10の前後方向に配置されている。二つのローラ31a、31bの一方又は両方は、駆動制御部102に接続され、一方の方向に回転する。ここでは、二つのローラ31a、31bは、図2Aから見て、反時計回りに回転する。又、ベルト32は、無端状であり、二つのローラ31a、31bに掛けられており、適度な張力で張られている。又、突起部33は、ベルト32の表面の一部に設けられており、ベルト32の回転に伴って本体部10の上面10aを含む表面を回転する。これにより、突起部33が回転することで、本体部10の上面10aに存在する商品Pを押して、本体部10の上面10aから外部に投出させることが出来る。
【0038】
尚、スリット11は、ベルト32の回転方向に沿って設けられると、商品側当接部13をベルト32の回転方向に沿って上方に突出させることが出来る。そのため、商品側当接部13に当接した商品Pが突起部33で搬送された際に、商品側当接部13を商品Pから円滑に離脱させることが可能となる。又、商品Pから離脱した商品側当接部13に対して次の商品Pを突起部33で搬送した際に、商品側当接部13を次の商品Pに円滑に当接させることが可能となる。
【0039】
又、商品在庫検出装置1には、図1図2Aに示すように、商品Pの投出を検出するために、投出用スリット41と、投出用アーム42と、投出用当接部43と、投出用対向部44と、投出用センサー45と、を備える。ここで、投出用スリット41は、本体部10の側面側で、且つ、ベルト32の回転方向の下流側の一部に設けられている。投出用アーム42は、中央部42aが本体部10の内部に回動軸42bで軸支され、両端部が上下に揺動する。
【0040】
投出用当接部43は、投出用アーム42の一端部に設けられ、投出用スリット41から突出し、搬送された商品Pが投出して当接すると、投出用スリット41から陥没する。
【0041】
更に、投出用対向部44は、投出用アーム42の他端部に設けられ、投出用当接部43よりも重く構成され、自重により、本体部10の内部の下方に揺動して、投出用当接部43を突出させ、投出用当接部43が陥没すると、投出用アーム42の揺動に伴って、本体部10の内部の上方に揺動する。
【0042】
そして、投出用センサー45は、投出用対向部44が本体部10の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、投出用対向部44を検出可能である。投出用センサー45は、例えば、上述の反射型センサーを採用することが出来る。投出用センサー45は、赤外線等の光を照射し、対象物から反射した反射光を検出する。対象物が投出用センサー45に対向する位置に存在する場合は、投出用センサー45は、対象物が存在する旨の信号(ON信号)を発信し、対象物が投出用センサー45に対向する位置に存在しない場合は、投出用センサー45は、対象物が存在しない旨の信号(OFF信号)を発信する。
【0043】
投出用センサー45も、反射型センサー15と同様に、図示しないCPU、ROM、RAM等に電気的に接続されており、CPUは、投出用センサー45からの信号を受信して、RAMを作業領域として利用し、ROM等に記憶されているプログラムを実行する。
【0044】
そして、本発明の実施形態に係る商品在庫検出装置1は、投出用センサー45が投出用対向部44を検出した場合に、商品Pが投出したと判定し、投出用センサー45が投出用対向部44を検出しない場合に、商品Pが投出しないと判定する投出判定制御部103を備えている。これにより、商品Pの表面が多種多様であったり、商品Pが軽量品であったりしても、商品Pの投出を確実に検出することが可能となる。つまり、上述と同様に、商品Pの投出を、投出用対向部44を介して間接的に検出しているため、検出率の向上や長寿命化を図ることが出来る。
【0045】
ここで、投出用スリット41の構成に特に限定は無いが、例えば、上下方向に沿って設けられる。又、投出用アーム42の構成に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、くの字状に形成されたり、逆S字状やS字状、コの字状に形成されたりする。投出用当接部43の構成に特に限定は無いが、例えば、本体部10の上面10aに沿った平坦状に形成される。これにより、投出した商品Pが投出用当接部43に当接し易くすることが出来る。更に、投出用対向部44の構成に特に限定は無いが、例えば、扁平に形成され、投出用当接部43よりも重く構成され、投出用アーム42全体の重心Gbを投出用アーム42の回動軸42b(支点)よりも、投出用対向部44の方に配置させる。これにより、上述と同様に、投出用対向部44に投出用センサー45の反射板及び重りの役割を持たせて、投出用対向部44の自重により、投出用対向部44を本体部10の内部の下方に揺動させて、投出用当接部43を上方に突出させることが可能となる。又、投出用対向部44を扁平にすることにより、投出用対向部44が本体部10の内部の上方に揺動した際に、投出用センサー45の検出感度を高めることが出来る。
【0046】
ここで、投出用対向部44の形状に特に限定は無いが、例えば、図1に示すように、円形でも良いし、楕円形でも三角形でも四角形でも多角形でも構わない。投出用対向部44の厚みや面積を適宜調整することで、投出用アーム42の重心Gbの位置を調整することが可能である。
【0047】
更に、商品在庫検出装置1には、図2Bに示すように、本体部10の上面10aに、商品Pを収容するケース51が設けられ、ケース51の内部に、積載された複数の商品Pが収容される。これらの商品Pは、突起部33の回転により搬送されて、外部に投出される。本発明の実施形態では、二つの検出ユニットに併せて、二つの商品Pが、ベルト32の回転方向に沿って並列に載置され、この二つの商品Pのそれぞれに三つの商品Pが積載されて、ケース51に収容されている。ケース51は、例えば、本体部10の上面10aの外周端でビス止めされている。
【0048】
又、ケース51には、ベルト32の回転方向の上流側の一部が開口され、ケース51の一部に設けられたヒンジ52を介して、その開口部53の一部を開閉可能な扉54が設けられている。商品Pを補充する作業者は、この扉54を開放して、複数の商品Pを積載して収容し、この扉54を閉塞することで、商品Pが適切に本体部10の上面10aに載置される。
【0049】
又、ケース51には、ベルト32の回転方向の下流側にガイド板55が設けられ、投出される商品Pが商品在庫検出装置1からはみ出して投出されないように、商品Pの投出を規制している。
【0050】
次に、図3図7を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、購買者が、商品在庫検出装置1を搭載した自動販売機を確認して、自動販売機に掲載している複数の商品(例えば、たばこ)のうち、特定の商品を選択して、コインを入れる等の決済処理をすると、自動販売機の購入制御部104が、商品の購入を受け付ける(図3:S101)。
【0051】
次に、購入制御部104が、商品在庫検出装置1に購入対象の商品Pの投出を指示すると、商品在庫検出装置1の駆動制御部102が、購入対象の商品Pに対応する二つのローラ31a、31bを特定し、これらを回転させることで、二つのローラ31a、31bに掛けられたベルト32を回転させる(図3:S102)。
【0052】
ここで、ベルト32の回転に伴って、図4Aに示すように、ベルト32の表面の一部に設けられた突起部33が本体部10の上面10aを含む表面を回転する。ここでは、突起部33は、図4Aから見て、反時計回りに回転している。
【0053】
購入対象の商品Pに対応する商品在庫検出装置1では、例えば、図4Aに示すように、二つの商品Pが積載された二段積みの商品Pが、ベルト32の回転方向に沿って並列に載置されている。ここで、ベルト32の回転方向の下流側に積載された最下の商品を第一の商品P1とし、ベルト32の回転方向の上流側に積載された最下の商品を第二の商品P2とする。又、ベルト32の回転方向の下流側に積載された最上の商品を第三の商品P3とし、ベルト32の回転方向の上流側に積載された最上の商品を第四の商品P4とする。
【0054】
ここで、第一の商品P1と第二の商品P2とは、第一の商品側当接部13と第二の商品側当接部23とのそれぞれに当接しているため、第一のセンサー側対向部14と第二のセンサー側対向部24とのそれぞれを本体部10の内部の上方に揺動させている。これにより、第一の反射型センサー15と第二の反射型センサー25とは、第一のセンサー側対向部14と第二のセンサー側対向部24とのそれぞれを検出し、ON信号を発信している。
【0055】
さて、突起部33が反時計回りに回転すると、図4Aに示すように、ベルト32の回転方向の上流側に積載された最下の第二の商品P2が突起部33に押されて、ベルト32の回転方向の下流側に搬送される。すると、図4Bに示すように、第二の商品P2が搬送されることで、第二の商品P2の直上に載置された第四の商品P4が真下に落下する。この場合、第二の商品P2が搬送されることで、第二の商品P2と第二の商品側当接部23との当接が一瞬解消されるものの、落下した第四の商品P4が第二の商品側当接部23に当接し、第二の反射型センサー25は、第二のセンサー側対向部24を検出する。
【0056】
又、ベルト32の回転方向の下流側に積載された最下の第一の商品P1が、第二の商品P2に押されて、本体部10の上面10aから外部に飛び出す。又、第一の商品P1が、投出用スリット41から突出している投出用当接部43に当接し、投出用当接部43を下方に押下しながら、外部に投出される。
【0057】
ここで、第一の商品P1が投出されることで、第一の商品P1と第一の商品側当接部13との当接が一瞬解消されるものの、搬送された第二の商品P2が第一の商品側当接部13に当接し、第一の反射型センサー15は、第一のセンサー側対向部14を検出する。又、この場合、投出された第一の商品P1は、自動販売機の取り出し口に落下するため、購買者は、落下した第一の商品P1を取り出し口から取得することが出来る。
【0058】
さて、投出用当接部43が、下方に揺動すると、投出用対向部44は、投出用アーム42の揺動に伴って、本体部10の内部の上方に揺動し、投出用センサー45は、投出用対向部44を検出する。つまり、投出用センサー45は、OFF信号を発信していたところ、投出用対向部44の検出に対応するON信号を発信する。
【0059】
ここで、商品在庫検出装置1の投出判定制御部103は、投出用センサー45から、今までOFF信号を受信して、商品Pの投出が行われていないと判定していたところ(図3:S103NO)、投出用センサー45からON信号を受信することで、商品Pの投出が行われたと判定する(図3:S103YES)。すると、駆動制御部102は、二つのローラ31a、31bの回転を停止して、ベルト32の回転を停止させる(図3:S104)。これにより、ベルト32の回転を適切なタイミングで停止させることが出来る。
【0060】
ところで、第一の商品P1が下方に落下すると、投出用当接部43は何も接触していない状態になるため、図5Aに示すように、投出用対向部44は、自重により本体部10の内部の下方に揺動し、投出用センサー45は、再び、投出用対向部44を検出しない状態になる。又、投出用当接部43が、投出用アーム42の揺動に伴って、再度、上方に揺動する。
【0061】
ここで、商品在庫検出装置1の商品判定制御部101は、第一の反射型センサー15からON信号を受信して、商品Pの在庫が存在すると判定する(図3:S105YES)。この場合は、商品Pが品切れでは無いため、S101に戻って、購入制御部104が、購買者から商品の購入の受付を再開する。
【0062】
さて、購買者が、再度、この商品Pを購入すると、購入制御部104が商品の購入を受け付け(図3:S101)、駆動制御部102が、ベルト32を回転させる(図3:S102)。
【0063】
ここで、ベルト32の回転に伴って、図5Bに示すように、突起部33は、最下の第二の商品P2を押して、ベルト32の回転方向の下流側に搬送する。すると、図6Aに示すように、第二の商品P2が搬送されることで、第二の商品P2の直上に載置された第三の商品P3が真下に落下する。この場合も、第二の商品P2と第一の商品側当接部13との当接が一瞬解消されるものの、落下した第三の商品P3が第一の商品側当接部13に当接し、第一の反射型センサー15は、第一のセンサー側対向部14を検出する。
【0064】
又、第二の商品P2が、突起部33に押されて、本体部10の上面10aから外部に飛び出し、投出用当接部43を下方に押下しながら、外部に投出される。
【0065】
ここでも、投出用当接部43が下方に揺動することで、投出用センサー45は、本体部10の内部の上方に揺動した投出用対向部44を検出し、投出用対向部44の検出に対応するON信号を発信する。そして、投出判定制御部103は、投出用センサー45からOFF信号を受信していたところ(図3:S103NO)、投出用センサー45からのON信号を受信して、商品Pの投出が行われたと判定する(図3:S103YES)。すると、駆動制御部102は、ベルト32の回転を停止させる(図3:S104)。
【0066】
又、第二の商品P2が下方に落下すると、図6Bに示すように、投出用当接部43が上方に揺動し、投出用対向部44は本体部10の内部の下方に揺動し、投出用センサー45は、再び、投出用対向部44を検出しない状態になる。
【0067】
ここで、商品判定制御部101は、再度、第一の反射型センサー15から、ON信号を受信するため、商品Pの在庫が存在すると判定する(図3:S105YES)。この場合も、商品Pが品切れでは無いため、S101に戻って、購入制御部104が、購買者から商品の購入の受付を再開する。
【0068】
さて、購買者が、更に、この商品Pを購入すると、購入制御部104が商品の購入を受け付け(図3:S101)、駆動制御部102が、ベルト32を回転させる(図3:S102)。
【0069】
ここで、ベルト32の回転に伴って、図6Bに示すように、突起部33が、本体部10の上面10aを含む表面を反時計回りに回転して、第四の商品P4を押して、ベルト32の回転方向の下流側に搬送する。すると、図7Aに示すように、ベルト32の回転方向の下流側に載置された第三の商品P3が、第四の商品P4に押されて、本体部10の上面10aから外部に飛び出し、投出用当接部43を下方に押下しながら、外部に投出される。
【0070】
又、投出用当接部43が下方に揺動することで、投出用対向部44は本体部10の内部の上方に揺動し、投出用センサー45は投出用対向部44を検出し、投出用対向部44の検出に対応するON信号を発信する。
【0071】
すると、投出判定制御部103は、投出用センサー45からのON信号を受信して、商品Pの投出が行われたと判定し(図3:S103YES)、駆動制御部102は、ベルト32の回転を停止させる(図3:S104)。又、第三の商品P3が下方に落下すると、上述と同様に、投出用当接部43が上方に揺動し、投出用センサー45は、再び、投出用対向部44を検出しない状態になる。
【0072】
ところで、第四の商品P4が、突起部33に押されてベルト32の回転方向の下流側に搬送されると、第四の商品P4と第二の商品側当接部23との当接が解消される。又、第四の商品P4の直上には何ら商品が存在しないことから、第二の商品側当接部23は、何ら当接しない状態となる。すると、第二のセンサー側対向部24は、本体部10の内部の下方に揺動し、第二の反射型センサー25は、OFF信号を発信する。
【0073】
すると、商品判定制御部101は、第二の反射型センサー25から、OFF信号を受信するため、ベルト32の回転方向の上流側には商品Pの在庫が存在しないと判定する(図3:S105NO)。次に、商品判定制御部101は、第一の反射型センサー15から、ON信号を受信することで、ベルト32の回転方向の下流側には商品Pの在庫が存在すると判定する(図3:S106YES)。この場合は、未だ商品Pが品切れでは無いため、S101に戻って、購入制御部104が、購買者から商品の購入の受付を再開する。
【0074】
尚、この場合は、商品Pはベルト32の回転方向の下流側に一つしか存在しないため、例えば、購入制御部104は、自動販売機の表示部に、この商品Pは最後の一つである旨の表示を行っても良い。
【0075】
さて、購買者が、この商品Pを購入すると、上述と同様に、購入制御部104が商品の購入を受け付け(図3:S101)、駆動制御部102が、ベルト32を回転させる(図3:S102)。
【0076】
ここで、ベルト32の回転に伴って、図7Bに示すように、突起部33が回転して、第四の商品P4を押して、本体部10の上面10aから外部に押し出す。次に、第四の商品P4が押し出されることで、第四の商品P4と第一の商品側当接部13との当接が解消されるが、第四の商品P4の直上には何ら商品が存在しないため、第一の商品側当接部13は、何ら当接しない状態となる。すると、第一のセンサー側対向部14は本体部10の内部の下方に揺動し、第一の反射型センサー15は、OFF信号を発信する。又、投出用当接部43が下方に揺動することで、再度、投出用センサー45は投出用対向部44を検出し、投出用対向部44の検出に対応するON信号を発信する。
【0077】
すると、投出判定制御部103は、投出用センサー45からのON信号を受信して、商品Pの投出が行われたと判定し(図3:S103YES)、駆動制御部102は、ベルト32の回転を停止させる(図3:S104)。又、第四の商品P4が下方に落下すると、投出用センサー45は、再び、投出用対向部44を検出しない状態になる。
【0078】
ここで、商品判定制御部101は、第二の反射型センサー25から、OFF信号を受信して、ベルト32の回転方向の上流側には商品Pの在庫が存在しないと判定する(図3:S105NO)。更に、商品判定制御部101は、第一の反射型センサー15から、OFF信号を受信して、ベルト32の回転方向の下流側には商品Pの在庫が存在しないと判定する(図3:S106NO)。この場合は、商品Pが品切れになったため、購入制御部104は、自動販売機の表示部に、この商品Pは品切れである旨の表示を行う(図3:S107)。これにより、商品Pの品切れを確実に通知することが可能となる。
【0079】
ところで、本発明の実施形態では、二つの検出ユニットを並べて構成しているが、一つの検出ユニットでも良いし、二つ以上の検出ユニットであっても構わない。例えば、図8Aに示すように、商品Pが幅の細長い直方体の場合は、一つの検出ユニットで構成しても良い。例えば、一つの検出ユニットは、第一のスリット11と、第一のアーム12と、第一の商品側当接部13と、第一のセンサー側対向部14と、第一の反射型センサー15と、を備えている。又、図8Bに示すように、商品Pが幅の短い直方体の場合は、三つの検出ユニットを並べて構成しても構わない。例えば、第一の検出ユニットでは、第一のスリット11と、第一のアーム12と、第一の商品側当接部13と、第一のセンサー側対向部14と、第一の反射型センサー15と、を備え、第二の検出ユニットでは、第二のスリット21と、第二のアーム22と、第二の商品側当接部23と、第二のセンサー側対向部24と、第二の反射型センサー25と、を備える。ここでは、第二のアーム22の中央部22aは、第一のアーム12の回動軸12bで共通して軸支されている。第三の検出ユニットでは、第二の検出ユニットに隣接して、第三のスリット61と、第三のアーム62と、第三の商品側当接部63と、第三のセンサー側対向部64と、第三の反射型センサー65と、を備える。第三のアーム62の中央部62aは回動軸62bで軸支されている。このように構成しても構わない。
【0080】
尚、本発明の実施形態では、商品在庫検出装置1が各制御部を備えるよう構成したが、当該各制御部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、プログラムを装置に読み出させ、当該装置が各制御部を実現する。その場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各制御部が実行する工程をハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明に係る商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法は、自動販売機に限らずに、商品の在庫を検出するための各種装置に有用であり、商品が、軽量品で、且つ、商品の表面の性質や色が多種多様な場合であっても、商品の在庫を確実に検出することが可能な商品在庫検出装置及び商品在庫検出方法として有効である。
【符号の説明】
【0082】
1 商品在庫検出装置
10 本体部
11 スリット
12 アーム
13 商品側当接部
14 センサー側対向部
15 反射型センサー
101 商品判定制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に軽量品の商品が載置される本体部と、
前記本体部の上面の一部に設けられたスリットと、
中央部が前記本体部の内部に回転軸で軸支され、両端部が上下に揺動するアームと、
前記アームの一端部に設けられ、前記スリットから上方に突出し、前記本体部の上面に載置された商品と当接して、前記スリットから下方に陥没する商品側当接部と、
前記アームの他端部に設けられ、前記商品側当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記商品側当接部を上方に突出させ、前記商品側当接部が下方に陥没すると、前記アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動するセンサー側対向部と、
前記センサー側対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記センサー側対向部を検出可能な反射型センサーと、
前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出した場合に、前記商品が存在すると判定し、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出しない場合に、前記商品が存在しないと判定する商品判定制御部と、
を備え
前記アームは、逆S字状に形成され、
前記商品側当接部は、前記スリットから上方に向かってコの字状に形成され、
前記センサー側対向部は、扁平に形成され、前記アーム全体の重心を前記アームの回転軸よりも、前記センサー側対向部の方に配置される、
商品在庫検出装置。
【請求項2】
前記本体部に設けられ、回転により、前記商品を搬送するベルトと、
前記本体部の側面側で、且つ、前記ベルトの回転方向の下流側の一部に設けられた投出用スリットと、
中央部が前記本体部の内部に回動軸で軸支され、両端部が上下に揺動する投出用アームと、
前記投出用アームの一端部に設けられ、前記投出用スリットから突出し、前記搬送された商品が投出して当接すると、前記投出用スリットから陥没する投出用当接部と、
前記投出用アームの他端部に設けられ、前記投出用当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記投出用当接部を突出させ、前記投出用当接部が陥没すると、前記投出用アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動する投出用対向部と、
前記投出用対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記投出用対向部を検出可能な投出用センサーと、
前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出した場合に、前記商品が投出したと判定し、前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出しない場合に、前記商品が投出しないと判定する投出判定制御部と、
を更に備える、
請求項1に記載の商品在庫検出装置。
【請求項3】
上面に商品が載置される本体部と、
前記本体部の上面の一部に設けられたスリットと、
中央部が前記本体部の内部に回転軸で軸支され、両端部が上下に揺動するアームと、
前記アームの一端部に設けられ、前記スリットから上方に突出し、前記商品が前記本体部の上面に載置されると、当該商品と当接して、前記スリットから下方に陥没する商品側当接部と、
前記アームの他端部に設けられ、前記商品側当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記商品側当接部を上方に突出させ、前記商品側当接部が下方に陥没すると、前記アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動するセンサー側対向部と、
前記センサー側対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記センサー側対向部を検出可能な反射型センサーと、
を備える商品在庫検出装置の商品在庫検出方法であって、
前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出した場合に、前記商品の在庫が存在すると判定し、前記反射型センサーが前記センサー側対向部を検出しない場合に、前記商品の在庫が存在しないと判定する商品判定制御工程
を備え
前記アームは、逆S字状に形成され、
前記商品側当接部は、前記スリットから上方に向かってコの字状に形成され、
前記センサー側対向部は、扁平に形成され、前記アーム全体の重心を前記アームの回転軸よりも、前記センサー側対向部の方に配置される、
商品在庫検出方法。
【請求項4】
前記商品在庫検出装置は、
前記本体部に設けられ、回転により、前記商品を搬送するベルトと、
前記本体部の側面側で、且つ、前記ベルトの回転方向の下流側の一部に設けられた投出用スリットと、
中央部が前記本体部の内部に回動軸で軸支され、両端部が上下に揺動する投出用アームと、
前記投出用アームの一端部に設けられ、前記投出用スリットから突出し、前記搬送された商品が投出して当接すると、前記投出用スリットから陥没する投出用当接部と、
前記投出用アームの他端部に設けられ、前記投出用当接部よりも重く構成され、自重により、前記本体部の内部の下方に揺動して、前記投出用当接部を突出させ、前記投出用当接部が陥没すると、前記投出用アームの揺動に伴って、前記本体部の内部の上方に揺動する投出用対向部と、
前記投出用対向部が前記本体部の内部の上方に揺動した際の所定の位置に設けられ、前記投出用対向部を検出可能な投出用センサーと、
を備え、
本商品在庫検出方法は、
前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出した場合に、前記商品が投出したと判定し、前記投出用センサーが前記投出用対向部を検出しない場合に、前記商品が投出しないと判定する投出判定制御工程
を更に備える、
請求項3に記載の商品在庫検出方法。