(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155052
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】洗浄用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20231013BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/39 20060101ALN20231013BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q19/10
A61K8/60
A61K8/49
A61K8/42
A61K8/46
A61K8/86
A61K8/40
A61Q5/02
A61K8/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064796
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000213482
【氏名又は名称】中野製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 久美子
(72)【発明者】
【氏名】小田原 駿
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC401
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC642
4C083AC691
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC892
4C083AD042
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD201
4C083AD202
4C083BB04
4C083BB07
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE10
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】高い洗浄力と優れた低温安定性を有すると共に、皮膚に対する刺激性が低く、且つ洗浄用組成物の使用性にも優れており、更に洗浄用組成物を洗い流した後の皮膚が良好な状態、すなわち、皮膚はうるおいがあってカサつかず、また皮膚のつっぱりやきしみ感を抑制できる洗浄用組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ポリグリセリンアルキルエーテル;(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤;および(C)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、およびスルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤;を含有し、アニオン性界面活性剤を含まないことを特徴とする洗浄用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリグリセリンアルキルエーテル;
(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤;および
(C)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、およびスルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤;を含有し、
アニオン性界面活性剤を実質的に含まないことを特徴とする洗浄用組成物。
【請求項2】
前記洗浄用組成物に含まれる前記(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの含有量は10質量%以下(0質量%を含まない)である請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項3】
前記洗浄用組成物に含まれる前記(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤の含有量は20質量%以下(0質量%を含まない)である請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項4】
前記洗浄用組成物に含まれる前記(C)両性界面活性剤の含有量は10質量%以下(0質量%を含まない)、かつ前記(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと前記(C)両性界面活性剤の質量比[(A):(C)]は1:0.1~1:5である請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項5】
さらに(D)多価アルコールを含有する請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の洗浄用組成物を泡立ててから、該泡状の洗浄用組成物で皮膚、および/または頭髪を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【請求項7】
前記泡状の洗浄用組成物は、泡立て器、泡立てネット、泡立てスポンジ、エアゾール、およびポンプフォーマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いて泡立てたものである請求項6に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記泡状の洗浄用組成物で皮膚、および/または頭髪を洗浄した後、別の洗浄料で皮膚および/または頭髪を洗浄するものである請求項6に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄用組成物、および該洗浄用組成物を用いた洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に皮膚および頭髪に付着している皮脂、汗、塵・埃、化粧料などの汚れを洗い流すために洗顔料やボディソープ、シャンプーなどの洗浄用組成物が使用される。しかしながら強固に付着したファンデーションや日焼け止め剤などの化粧料の汚れを洗い流すためには、本洗浄の前に専用のクレンジング料を使用した前洗浄が必要であったり、ボディタオルなどの洗浄補助具を用いた擦り洗いが必要となるなど、手間のかかる洗浄作業が必要であった。
【0003】
そのため前洗浄や洗浄補助具が不要になるように洗浄用組成物の洗浄力を高める技術が研究されている。
例えば特許文献1~3には、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤を配合した洗浄用組成物が提案されている。これらのアニオン性界面活性剤を配合すると泡立ちが良くなると共に高い洗浄力が得られるため、洗浄用組成物に汎用されている。
しかしながら、上記アニオン性界面活性剤は洗浄力が高すぎて必要以上に皮膚の油分を洗い流してしまうため、洗浄後は肌のつっぱりやきしみなどが生じて使用感が悪かった。また洗浄後の皮膚の水分保持力の低下や保護効果が低下して皮膚のカサつきなどが生じており、このような皮膚への負荷により、好ましくない皮膚刺激を誘発する可能性があった。
特に高級脂肪酸塩は、低温安定性が悪く、低温環境下では濁りや析出が生じるため、使用時に析出物に起因してざらつき感が生じたり、ポンプフォーマーを使用する場合は目詰まりの原因となっていた。
【0004】
このような問題を解消する技術として、特許文献4~6には高級脂肪酸塩を他の化合物、例えばアミノ酸系アニオン性界面活性剤(特許文献4)、リン酸系アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合わせ(特許文献5)、油性アニオン性界面活性剤と油分との組み合わせ(特許文献6)で代替する洗浄用組成物が提案されている。このような代替成分によって使用感は向上するが、低温安定性や洗浄力が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-242274号公報
【特許文献2】特開2019-172624号公報
【特許文献3】特開2020-200324号公報
【特許文献4】特開2020-037542号公報
【特許文献5】特開2020-050638号公報
【特許文献6】特開2005-239616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高い洗浄力と優れた低温安定性を有すると共に、皮膚に対する刺激性が低く、且つ洗浄用組成物の使用性(ポンプフォーマーからの吐出性や塗布性)にも優れており、更に洗浄用組成物を洗い流した後の皮膚が良好な状態、すなわち、皮膚はうるおいがあってカサつかず、また皮膚のつっぱりやきしみ感を抑制できる洗浄用組成物を提供することである。
また本発明の他の目的は上記洗浄用組成物の効果をより確実に得られる洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し得た本発明は以下の構成を有する。
[1] (A)ポリグリセリンアルキルエーテル;
(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤;および
(C)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、およびスルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤;を含有し、
アニオン性界面活性剤を実質的に含まないことを特徴とする洗浄用組成物。
[2] 前記洗浄用組成物に含まれる前記(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの含有量は10質量%以下(0質量%を含まない)である[1]に記載の洗浄用組成物。
[3] 前記洗浄用組成物に含まれる前記(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤の含有量は20質量%以下(0質量%を含まない)である[1]に記載の洗浄用組成物。
[4] 前記洗浄用組成物に含まれる前記(C)両性界面活性剤の含有量は10質量%以下(0質量%を含まない)、かつ前記(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと前記(C)両性界面活性剤の質量比[(A):(C)]は1:0.1~1:5である[1]に記載の洗浄用組成物。
[5] さらに(D)多価アルコールを含有する[1]に記載の洗浄用組成物。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の洗浄用組成物を泡立ててから、該泡状の洗浄用組成物で皮膚、および/または頭髪を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
[7] 前記泡状の洗浄用組成物は、泡立て器、泡立てネット、泡立てスポンジ、エアゾール、およびポンプフォーマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いて泡立てたものである[6]に記載の洗浄方法。
[8] 前記泡状の洗浄用組成物で皮膚、および/または頭髪を洗浄した後、別の洗浄料で皮膚および/または頭髪を洗浄するものである[6]に記載の洗浄方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い洗浄力と優れた低温安定性を有すると共に、皮膚に対する刺激性が低く、且つ洗浄用組成物の使用性(ポンプフォーマーからの吐出性や塗布性)にも優れており、更に洗浄用組成物を洗い流した後の皮膚が良好な状態、すなわち、皮膚はうるおいがあってかカサつかず、また皮膚のつっぱりやきしみ感を抑制できる洗浄用組成物を提供できる。
また本発明によれば上記洗浄用組成物の効果をより確実に得られる洗浄方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者の洗浄用組成物は下記(A)~(C)を併用することに特徴を有する。
(A)ポリグリセリンアルキルエーテル;
(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤(以下、(B)特定のノニオン性界面活性剤ということがある);
(C)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、およびスルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤(以下、(C)特定の両性界面活性剤ということがある)
【0010】
(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、(B)特定のノニオン性界面活性剤、および(C)特定の両性界面活性剤を併用すると、皮膚や頭髪に付着している汚れの洗浄除去に必要十分な洗浄力を発揮するが、必要以上に皮膚の油分を洗い流すことがないため洗浄後の皮膚のつっぱり、きしみ感がなく、また皮膚の水分保持力等の低下が抑制されるため洗浄後の皮膚のうるおいを維持できる。また本発明の洗浄用組成物は皮膚への刺激性は極めて低いだけでなく、低温安定性にも優れており、ポンプフォーマーからの吐出性や皮膚への塗布性も優れている。
そのため本発明の洗浄用組成物は、例えば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤やその改良技術であるアミノ酸系アニオン性界面活性剤、リン酸系アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組み合わせ、油性アニオン性界面活性剤などのアニオン性界面活性剤を含有する従来の洗浄用組成物が有していた問題を解消できる。
【0011】
本発明の上記効果は(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、(B)特定のノニオン性界面活性剤、および(C)特定の両性界面活性剤を併用することによる相乗効果であって、いずれか1でも欠くと所望の効果が得られない。
また本発明の洗浄用組成物にアニオン性界面活性剤が含まれていると、アニオン性界面活性剤に由来する高すぎる洗浄力、あるいは低い低温安定性などに起因して皮膚への刺激性や使用感(吐出性や塗布性)が悪化したり、洗浄後の皮膚のつっぱりやきしみ感、皮膚のうるおいなどが低下するなど、従来のアニオン性界面活性剤を含有する洗浄用組成物と同様の問題が生じる。そのため本発明の洗浄用組成物はアニオン性界面活性剤を実質的に含まないこととした。「実質的に」とは、アニオン性界面活性剤が効果を奏しない程度の含有量、すなわち不純物としての含有を許容する趣旨であるが、好ましくはアニオン性界面活性剤を全く含まないことである。
【0012】
以下、本発明の洗浄用組成物について説明する。
本明細書において「洗浄用組成物」とは、皮膚や頭髪などに付着した皮脂、汗、塵・埃、ファンデーション、日焼け止め剤などの化粧料(以下、汚れということがある)を落とすことを目的とした洗浄料である。洗浄用組成物は、使用場所に応じて、例えば顔の汚れを落とすための洗顔料、身体の汚れを落とすためのボディソープ、頭皮、および頭髪の汚れを落とすためのシャンプーなど、各種名称で呼ばれることがある。
「本洗浄」とは、洗顔料、ボディソープ、シャンプーなどの洗浄料を使用した皮膚および頭髪の洗浄をいう。また本洗浄には、本洗浄前に使用される専用のクレンジング料など特定の用途の洗浄料を使用した洗浄(予備洗浄ということがある)は含まない。
「皮膚」とは、顔と身体の肌、および頭皮を意味する。
【0013】
(A)ポリグリセリンアルキルエーテル
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルは、高級アルコールとポリグリセリンがエーテル結合して得られるノニオン性界面活性剤である。(A)ポリグリセリンアルキルエーテルは、(B)特定のノニオン性界面活性剤、および(C)特定の両性界面活性剤と併用すると、吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、洗浄力、及び低温安定性向上に寄与するが、皮膚に対する刺激性は低く抑えることができ、また高い起泡力を発揮する成分である。
【0014】
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルとしては、例えばポリグリセリル-2ラウリルエーテル、ポリグリセリル-4ラウリルエーテル、ポリグリセリル-10ラウリルエーテル、ポリグリセリル-20ラウリルエーテル、ポリグリセリル-6ミリスチルエーテル、ポリグリセリル-3ヒドロキシラウリルエーテル、ポリグリセリル-8イソステアリルエーテル、ポリグリセリル-10イソステアリルエーテル、ポリグリセリル-3セチル、ポリグリセリル-2オレイルなどが挙げられる。
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルは市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ポリグリセリル-4ラウリルエーテル:サンイーサー L-4(太陽化学株式会社製)、PGLAL ML04(株式会社ダイセル製);
ポリグリセリル-20ラウリルエーテル:CMOL B044(株式会社ダイセル製);
ポリグリセリル-10イソステアリルエーテル:CMOL B015(株式会社ダイセル製);
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルは、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0015】
洗浄用組成物(100質量%)に含まれる(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの含有量(2種以上用いる場合は合計量)は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、更に好ましくは8質量%以下であって、0質量%超(0質量%を含まない)、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの含有量が多くなる程、得られる効果が向上するために好ましいが、含有量が過剰になると洗浄力が高くなりすぎて皮膚および頭髪の脂を過剰に取り除き、肌のつっぱりや頭髪のきしみが生じることがある。したがって(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの含有量は上記範囲で調整することが好ましい。
【0016】
(B)ノニオン性界面活性剤
(B)特定のノニオン性界面活性剤は、本発明の上記効果を奏する洗浄用組成物を構成する必須成分であって、(B-1)アルキルグルコシド、(B-2)ポリグリセリン脂肪酸エステル、および(B-3)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
(B)特定のノニオン性界面活性剤は、(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、および(C)特定の両性界面活性剤と併用すると、吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、低温安定性、及び洗浄力向上に寄与するが、皮膚に対する刺激性は低く抑えることができ、また高い起泡力を発揮する成分である。特に油・脂に対する洗浄力向上に有効である。
【0017】
(B-1)アルキルグルコシド
アルキルグルコシドは、高級アルコールとグルコースオリゴマーがエーテル結合して得られるノニオン性界面活性剤である。アルキルグルコシドは、特に吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、および洗浄力の向上に有効であると共に、皮膚のつっぱり、きしみ感抑制に特に有効な成分であり、特にアルキルグルコシドを含有させると、起泡性が向上するため、より一層良好な洗浄用組成物の泡立ちが得られる。
アルキルグルコシドとしては例えば、ヤシ油アルキルグルコシド、ラウリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、デシルグルコシド、アラキルグルコシド、アラキジルグルコシド、ヒドロキシステアリルグルコシド、アルキル(C10-16)グルコシド、アルキル(C12-20)グルコシドなどが挙げられる。
アルキルグルコシドは市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ラウリルグルコシド:マイドール 12(花王株式会社製)、PLANTACARE 1200 UP(BASFジャパン株式会社製);
デシルグルコシド:マイドール 10(花王株式会社製)、PLANTACARE 2000 UP(BASFジャパン株式会社製)、Eco Sense 3000(ダウ・東レ株式会社製);
【0018】
(B-2)ポリグリセリン脂肪酸エステル
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、高級脂肪酸とポリグリセリンがエステル結合して得られるノニオン性界面活性剤である。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、特に吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、および洗浄力の向上に有効な成分である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、オレイン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、リノール酸ポリグリセリル-10、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
オレイン酸ポリグリセリル-10:NIKKOL Decaglyn 1-OV(日本サーファクタント工業株式会社製);
ラウリン酸ポリグリセリル-10:NIKKOL Decaglyn 1-L(日本サーファクタント工業株式会社製);
ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10:NIKKOL Decaglyn 5-SV(日本サーファクタント工業株式会社製);
ポリグリセリン脂肪酸エステルは単独、または2種以上を併用してもよい。
【0019】
(B-3)ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルは、高級脂肪酸とポリオキシエチレングリセリルがエステル結合して得られるノニオン性界面活性剤である。
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルは、特に皮膚のうるおい、洗浄力の向上に有効な成分である。
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルとしては例えば、ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸PEG-10グリセリル、ステアリン酸PEG-15グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、ステアリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-40グリセリル、オレイン酸PEG-15グリセリル、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、ジイソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリオレイン酸PEG-20グリセリルなどが挙げられる。
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルは市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ステアリン酸PEG-15グリセリル:NIKKOL TMGS-15V(日本サーファクタント工業株式会社製);
オレイン酸PEG-15グリセリル:NIKKOL TMGO-15(日本サーファクタント工業株式会社製);
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル:NIKKOL TGI-20(日本サーファクタント工業株式会社製);
ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルは、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0020】
洗浄用組成物に含まれる(B)アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性界面活性剤の含有量(2種以上を用いる場合は合計量)は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下であって、0質量%超(0質量%は含まない)、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。
(B)特定のノニオン性界面活性剤の含有量が多くなる程、効果、特に洗浄力が向上するために好ましいが、含有量が過剰になるとポンプフォーマーからの吐出性や洗浄用組成物の塗布性が低下したり、手触りが悪くなったり、肌のつっぱりや頭髪のきしみが生じることがある。したがって(B)特定のノニオン性界面活性剤の含有量は上記範囲で調整することが好ましい。
【0021】
本発明では(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと(B)特定のノニオン性界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(以下、他のノニオン性界面活性剤ということがある)を含有させてもよいが、他のノニオン性界面活性剤を含む場合は他のノニオン性界面活性剤を含まない場合と比べると効果、特に塗布性や洗浄力が低くなることがある。したがって本発明の洗浄用組成物には他のノニオン性界面活性剤は含まないことが望ましい。
【0022】
(C)両性界面活性剤
(C)特定の両性界面活性剤は、本発明の上記効果を奏する洗浄用組成物を構成する必須成分であって、(C-1)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、(C-2)アルキルベタイン型両性界面活性剤、(C-3)アミドベタイン型両性界面活性剤、および(C-4)スルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
(C)特定の両性界面活性剤は、(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、および(B)特定のノニオン性界面活性剤と併用すると、吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、洗浄力及び低温安定性向上に寄与するが、皮膚に対する刺激性は低く抑えることができる。特に(C)特定の両性界面活性剤は、適度な洗浄力とうるおいを付与し、皮膚および頭髪をやさしく洗い上げる効果がある。
【0023】
(C-1)イミダゾリニウム型両性界面活性剤
イミダゾリウム型両性界面活性剤は、特に吐出性、塗布性、皮膚のうるおい、および洗浄力の向上に有効であると共に、皮膚のつっぱり、きしみ感抑制に有効な成分であり、洗浄力向上により一層有効である。
イミダゾリウム型両性界面活性剤としては例えば、ココアンホ酢酸Na、ラウロアンホ酢酸Na、ステアロアンホ酢酸Na、イソステアロアンホ酢酸Na、カプロアンホ酢酸Na、アルガンアンホ酢酸Na、オリーブアンホ酢酸Na、パームアンホ酢酸Na、コメヌカアンホ酢酸Na、シア脂アンホ酢酸Na、ゴマアンホ酢酸Na、ヒマワリ種子アンホ酢酸Na、ブドウ種子アンホ酢酸Naなどが挙げられる。
イミダゾリウム型両性界面活性剤は市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ココアンホ酢酸Na:ソフタゾリン CL-R(川研ファインケミカル株式会社製);
ラウロアンホ酢酸Na:オバゾリン 662N(東邦化学工業株式会社製);
イミダゾリウム型両性界面活性剤は、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0024】
(C-2)アルキルベタイン型両性界面活性剤
アルキルベタイン型両性界面活性剤は特に吐出性、塗布性、洗浄力の向上に有効な成分である。
アルキルベタイン型両性界面活性剤としては例えば、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ミリスチルベタイン、ステアリルベタイン、オレイルベタイン、ベヘニルベタイン、ジヒドロキシエチルステアリルベタインなどが挙げられる。
アルキルベタイン型両性界面活性剤は市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ココベタイン:オバゾリン BC(東邦化学工業株式会社製);
ラウリルベタイン:レボン LD-36(三洋化成工業株式会社製);
ステアリルベタイン:アンヒトール86B(花王株式会社製);
アルキルベタイン型両性界面活性剤は、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0025】
(C-3)アミドベタイン型両性界面活性剤
アミドベタイン型両性界面活性剤は特に吐出性、塗布性、洗浄力の向上に有効な成分であり、吐出性と洗浄力向上により一層有効である。
アミドベタイン型両性界面活性剤としては例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、メドウフォームアミドプロピルベタイン、シア脂アミドプロピルベタインなどが挙げられる。
アミドベタイン型両性界面活性剤は市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
コカミドプロピルベタイン:オバゾリン CAB-30(東邦化学工業株式会社製);
ラウラミドプロピルベタイン:レボン 2000L(三洋化成工業株式会社製);
アミドベタイン型両性界面活性剤は、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0026】
(C-4)スルホベタイン型両性界面活性剤
スルホベタイン型両性界面活性剤は、特に吐出性、塗布性、洗浄力の向上に有効な成分である。
スルホベタイン型両性界面活性剤としては例えば、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ミリスタミドプロピルヒドロキシスルタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、メトキシシンナミドプロピルヒドロキシスルタインなどが挙げられる。
スルホベタイン型両性界面活性剤は市販品を用いてもよく、以下の例示が含まれる。
ラウリルヒドロキシスルタイン:アンヒトール 20HD(花王株式会社製);
ミリスタミドプロピルヒドロキシスルタイン:オバゾリン MHS-121(東邦化学工業株式会社製);
スルホベタイン型両性界面活性剤は、単独、または2種以上を併用してもよい。
【0027】
洗浄用組成物に含まれる(C-1)イミダゾリニウム型両性界面活性剤、(C-2)アルキルベタイン型両性界面活性剤、(C-3)アミドベタイン型両性界面活性剤、および(C-4)スルホベタイン型両性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤の含有量(2種以上を用いる場合は合計量)は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であって、0質量%超(0質量%は含まない)、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。
(C)特定の両性界面活性剤の含有量が多くなる程、効果、特に洗浄力が向上するために好ましいが、低温安定性が低下して低温下で濁りや析出が生じ易くなることがある。また、水気の多い泡になり、泡の弾力が弱くなり、使用感が低下することがある。
【0028】
本発明では(C)特定の両性界面活性剤以外の両性界面活性剤(以下、他の両性界面活性剤ということがある)を含有させてもよいが、他の両性界面活性剤を含む場合は他の両性界面活性剤を含まない場合と比べると効果、特に吐出性や洗浄力が低くなったり、皮膚のつっぱり、きしみ感の悪化や皮膚のうるおいが低下することがある。したがって本発明の洗浄用組成物には他の両性界面活性剤は含まないことが望ましい。
【0029】
本発明の洗浄用組成物は(C)特定の両性界面活性剤を上記範囲で含有すると共に、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと(C)特定の両性界面活性剤との比率を所定範囲内に制御することが好ましい。
何れか一方の比率が高すぎる、または低すぎると、吐出性、塗布性、低温安定性が低くなることがある。
(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと(C)特定の両性界面活性剤との質量比[(A):(C)]は好ましくは1:0.1~1:5である。
【0030】
(4)(D)多価アルコール
本発明の洗浄用組成物は、更に(D)多価アルコールを含有することも好ましい実施形態である。
(D)多価アルコールを含有させると、洗浄時および洗浄後の皮膚および頭髪にうるおいを付与して洗浄時の物理的ダメージを和らげると共に、洗浄後の皮膚および頭髪の感触を向上させることができる。したがって(D)多価アルコールを含有させると、皮膚のうるおいをより一層向上できると共に、きしみやつっぱりを更に軽減できる。
【0031】
(D)多価アルコールは特に限定されないが、例えば1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、1,2-ヘキサンジオールなどが挙げられ、これらのうち、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールは洗浄時および洗浄後の皮膚のうるおい、および手触り感が向上するため好ましい。
また(D)多価アルコールは1種または2種以上を併用してもよく、2種以上を併用すると特に吐出性、塗布性を向上できるため好ましい。
【0032】
洗浄用組成物(100質量%)に含まれる(D)多価アルコールの含有量(2種以上用いる場合は合計量)は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であって、好ましくは0質量%超(0質量%を含まない)、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上である。
(D)多価アルコールの含有量が多くなる程、得られる効果が向上するため望ましいが、含有量が過剰になると形成した洗浄用組成物の泡の弾力が弱くなり、使用感が低下することがある。
【0033】
本発明の洗浄用組成物は、(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、(B)特定のノニオン性界面活性剤、および(C)特定の両性界面活性剤を含み、好ましくは更に(D)多価アルコールを含み、残部は水である。
本発明の洗浄用組成物には、必要に応じて洗浄用組成物に通常用いられる添加剤が本発明の効果を阻害しない範囲で含まれていてもよい。
添加剤としては例えば、油剤、界面活性剤(但し、(A)ポリグリセリンアルキルエーテル、(B)特定のノニオン性界面活性剤、(C)特定の両性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤を除く)、シリコーン類、湿潤剤(但し、(D)多価アルコールを除く)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤、色素、香料などが例示される。
【0034】
以下、本発明の洗浄用組成物を用いた洗浄方法について説明するが、本発明の洗浄方法は以下の例示に限定されず、適宜変更可能である。
本発明の洗浄用組成物は用途に応じた通常の用法に従った適量を使って皮膚、および/または頭髪を洗浄することで、上記効果が得られる。なお、以下では代表例として皮膚について記載するが、頭髪についても同様に適用可能である。
【0035】
本発明の洗浄用組成物は、複雑な洗浄作業は不要であり、また従来の洗浄作業よりも簡単な洗浄作業で上記効果が得られる。
例えば従来の洗浄方法では、洗浄用組成物を泡立て、それを皮膚および頭髪を揉み込みながら、および/または洗浄用組成物を含ませたタオル等の洗浄器具で擦りながら皮膚を洗浄していたが、本発明では、まず洗浄用組成物を泡立てて泡状フォームとし、該泡状の洗浄用組成物を皮膚および頭髪になじませて軽く揉み込む程度で高い洗浄効果が得られると共に、洗浄用組成物を洗い流した後の皮膚はうるおいがあると共に、皮膚のつっぱりやきしみ感を抑制できる。
また例えばメイクや日焼け止め剤など、洗顔石けんなどの通常の洗顔料だけでは洗い落としにくい頑固な汚れに対しても本発明の洗浄用組成物を用いた洗浄方法によれば、簡単に洗浄できる。
したがって本発明によれば、従来必要だった本洗浄前の専用クレンジング料などを使用した前洗浄や、ボディタオルなどの洗浄補助具などを用いてしっかり擦り洗う、あるいは洗顔料やボディソープなどで同じ箇所の洗浄を2度繰り返すなどの洗浄作業は不要である。
【0036】
本発明の洗浄用組成物は泡立ててから泡状の洗浄用組成物で皮膚を洗浄することが望ましい。
本発明の洗浄用組成物は泡立てた状態で使用すると皮膚に塗布しやすく、また汚れになじみやすくなって汚れ落ちも早くなる。また洗浄用組成物を泡立てた状態で使用すると頑固な汚れが浮き上がりやすくなって、皮膚を必要以上に揉み込んだり、擦ったりすることなく、容易にきれいにできる。
本発明の洗浄用組成物はアニオン性界面活性剤を含有していなくても起泡性、および洗浄力に優れているため「泡立て時の手と洗浄用組成物との接触時間」と「洗浄時の皮膚と泡状の洗浄用組成物との接触時間」を短くでき、その結果、皮膚への負荷を最小限に抑えることができる。
【0037】
皮膚と洗浄用組成物との接触時間をより一層短縮するためには、器具を用いて洗浄用組成物を泡立てることが好ましく、泡立て器具としては例えば、泡立て器、泡立てネット、泡立てスポンジ、エアゾール、およびポンプフォーマーなどが挙げられる。泡立て器具は1種または2種以上併用してもよい。
これらの中でもポンプフォーマーなどのように器具の機能によって泡状フォームを形成できる器具は、「泡立て時の手との接触時間」をより短くすることができ、泡立て時の手の荒れ抑制に有効である。
【0038】
本発明の洗浄用組成物を用いた洗浄方法は、上記の様に泡状の洗浄用組成物で皮膚を洗浄すれば十分に汚れを落とすことができるが、必要に応じて、本発明の洗浄用組成物で洗浄した後、すなわち、洗浄用組成物を洗い流した後、更に洗顔料、ボディソープ、シャンプーなど従来の洗浄料を使用して洗浄をしてもよい。
また、本発明の洗浄用組成物を皮膚および頭髪になじませた後、塗布した部分をマッサージするように揉み込み、数分程度放置してから洗い流してもよい。泡状の洗浄用組成物を皮膚に付着した状態で放置すると皮膚に付着した汚れが浮き上がり、洗浄効果をより一層向上できる。
【実施例0039】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
実験1
実験1では洗浄用組成物について以下の項目を評価した。
・評価項目1:ポンプフォーマーからの吐出性
・評価項目2:塗布性(塗り広げやすさ、液垂れの無さ)
・評価項目3:皮膚のつっぱり、きしみ感の無さ(1)
・評価項目4:皮膚のうるおい(カサつきの無さ)
・評価項目5:洗浄力(1)
・評価項目6:低温安定性
・評価項目7:低刺激性の確認(ピリピリ感、かゆみの無さ)
【0041】
1-1 評価項目1:ポンプフォーマーからの吐出性
表1~8の洗浄用組成物(処方例)をポンプフォーマー(200mL容器)に100g充填する。充填後、洗浄用組成物が泡状で吐出するまでポンプを押した。泡状で吐出するようになった後、続けてポンプを5回押して泡状フォームを吐出させた。泡状フォームを5回吐出させた際のポンプの押しやすさ、泡の状態(泡の吐出性)について専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で吐出性について評価した。
[評価基準]
3点:ポンプを押す際にほとんど力が不要であり、且つ、泡にボリュームがある
2点:ポンプを押し際に少し力が必要であり、泡にボリュームがある
1点:ポンプを押す際にかなり力が必要である、および/または泡にボリュームがない
[ポンプフォーマーからの吐出性の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0042】
1-2 評価項目2:塗布性(塗り広げやすさ、液垂れの無さ)
上腕の前側部を石けんで洗浄、洗い流し(以下、洗い流しを含めて洗浄ということがある)、軽くタオルドライした後、ポンプフォーマーのポンプを2回押して泡状で吐出させた2回分の洗浄用組成物(表1~8の処方例)(泡状フォーム)を石けん洗浄後の上腕の前側部に塗布した。この塗布する際の泡状フォームの塗り広げやすさ、泡状フォームを塗り広げる際の液垂れの有無(塗布性)について専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で塗布性について評価した。
[評価基準]
3点:塗り広げやすく、また液垂れが全く無い
2点:塗り広げやすいが、液垂れがわずかにある
1点:塗り広げにくい、および/または液垂れが多い
[塗布性(塗り広げやすさ、液垂れの無さ)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0043】
1-3 評価項目3:皮膚のつっぱり、きしみ感の無さ(1)
上腕の前側部を石けんで洗浄後、軽くタオルドライした後、ポンプフォーマーのポンプを2回押して泡状で吐出させた2回分の洗浄用組成物(表1~8の処方例)(泡状フォーム)を石けん洗浄後の上腕の前側部に塗布した。塗布した後、人差し指の腹で20回擦ってからぬるま湯で洗浄用組成物を完全に洗い流した後、軽くタオルドライして乾燥させた。乾燥後、上腕の前側部の皮膚のつっぱり、きしみ感について専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で皮膚のつっぱり、きしみ感について評価した。
[評価基準]
3点:皮膚のつっぱり、およびきしみ感が全く無い
2点:皮膚のつっぱり、およびきしみ感がほとんど無い
1点:皮膚のつっぱり、および/またはきしみ感がある
[皮膚のつっぱり、きしみ感の無さの評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0044】
1-4 評価項目4:皮膚のうるおい(カサつきの無さ)
上腕の前側部を石けんで洗浄後、軽くタオルドライした後、ポンプフォーマーのポンプを2回押して泡状で吐出させた2回分の洗浄用組成物(表1~8の処方例)(泡状フォーム)を石けん洗浄後の上腕の前側部に塗布した。塗布した後、人差し指の腹で20回擦ってからぬるま湯で洗浄用組成物を完全に洗い流した後、軽くタオルドライして乾燥させた。乾燥後の上腕の前側部の皮膚のうるおいについて専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で皮膚のうるおいについて評価した。
[評価基準]
3点:皮膚が非常にうるおっている(カサつきが全く無い)
2点:皮膚がうるおっている(カサつきがほとんど無い)
1点:皮膚がカサつく
[皮膚のうるおい(カサつきの無さ)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0045】
1-5 評価項目5:洗浄力(1)
ガラス板(2.5cm×7.7cm)に表10に記載の人工皮脂50μLを一定の大きさ(2.5cm×2.5cm)に広げて乾燥させた。乾燥後、人工皮脂表面をぬるま湯で軽くすすいだ。ポンプフォーマーのポンプを1回押して泡状で吐出させた1回分の洗浄用組成物(表1~8の処方例)(泡状フォーム)を人工皮脂上に塗布し3分間放置した。3分経過した後、ぬるま湯で塗布した泡状フォームを洗い流した。得られたガラス板表面の人工皮脂の状態について専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で洗浄力について評価した。
[評価基準]
3点:人工皮脂が完全に洗い落とされている
2点:人工皮脂がほとんど洗い落とされている
1点:人工皮脂が洗い落とされていない
[洗浄力(1)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0046】
1-6 評価項目6:低温安定性
表1~8の洗浄用組成物(処方例)をガラス瓶(容量:200mL)に満量充填し、5℃に設定したインキュベーターに1週間放置した。1週間経過した後、ガラス瓶内の洗浄用組成物の状態を1名のパネラーが目視評価し、下記の基準で判定した。
[低温安定性の評価基準]
◎:外観が透明で、析出が全く無い
〇:ごくわずかに濁っているが、析出が全く無い
△:やや濁っていて、析出が少し認められる
×:析出が多く認められる
【0047】
1-7 評価項目7:低刺激性の確認(ピリピリ感、かゆみの無さ)
上腕の前側部を石けんで洗浄後、軽くタオルドライした後、ポンプフォーマーのポンプを2回押して泡状で吐出させた2回分の洗浄用組成物(表8の処方例)(泡状フォーム)を石けん洗浄後の上腕の前側部に塗布した。塗布した後、人差し指の腹で20回擦ってから5分間放置した。5分経過した後、ぬるま湯で洗浄用組成物を完全に洗い流した後、軽くタオルドライして乾燥させた。5分間放置している間、および乾燥後の上腕の前側部の皮膚のピリピリ感、かゆみについて専門のパネラー10名により、下記の3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で刺激性について評価した。
3点:皮膚に何も感じない(ピリピリ感、かゆみを感じない)
2点:皮膚にわずかにピリピリ感がある、および/または少しかゆみがある
1点:皮膚にかなりピリピリ感がある、および/またはかゆみがある
[低刺激性の確認(ピリピリ感、かゆみの無さ)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0048】
実験2
実験2では洗浄用組成物について以下の項目を評価した。
・評価項目8:泡立ちやすさ
・評価項目9:泡のボリューム
・評価項目10:汚れへのなじみやすさ
【0049】
2-1 評価項目8:泡立ちやすさ
表7の処方例77(0.7g)を表9の使用方法における泡立ちやすさについて専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で泡立ちやすさを評価した。
[評価基準]
3点:非常に泡立ちやすい(泡立ちが早い)
2点:泡立ちやすい
1点:泡立ちにくい(泡立ちが遅い)
[泡立ちやすさの評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0050】
2-2 評価項目9:泡のボリューム
表7の処方例77(0.7g)を表9の使用方法によって泡立てた際の泡のボリュームについて専門パネラー10名により、下記の3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で泡のボリュームを評価した。
[評価基準]
3点:非常にボリュームがある
2点:ボリュームがある
1点:ボリュームがない
[泡のボリュームの評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0051】
2-3 評価項目10:汚れへのなじみやすさ
上腕の前側部を石けんで洗浄し、軽くタオルドライしてから表10の人工皮脂50μLを石けんで洗浄した上腕の前側部に薄くのばし、5分間放置した。5分経過後、表7の処方例77(0.7g)を表9の使用方法(実験例1~7)で、上腕の前側部に薄くのばした。人工皮脂上に塗布した際の汚れと処方例77とのなじみやすさについて専門パネラー10名により、下記の3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で汚れへのなじみやすさを評価した。
なお、「汚れへのなじみやすさ」とは、汚れに薬剤を入り込みやすくすることで、汚れが肌や頭髪から浮き上がりやすくなり、汚れ落ちが早くなることを意味する。
[評価基準]
3点:汚れへのなじみが非常に良い(非常に早い)
2点:汚れへのなじみが良い(早い)
1点:汚れへのなじみが悪い(遅い)
[汚れへのなじみやすさの評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0052】
実験3
実験3では表11の洗浄方法について以下の項目を評価した。
・評価項目11:洗浄力(2)
・評価項目12:実使用時の使いやすさ
・評価項目13:皮膚のつっぱり、きしみ感の無さ(2)
【0053】
3-1 評価項目11:洗浄力(2)
ガラス板(2.5cm×7.7cm)に表10に記載の人工皮脂200μLを一定の大きさ(2.5cm×7.7cm)に広げて乾燥させた。乾燥後、人工皮脂表面をぬるま湯で軽くすすいだ。その後、表11の洗浄方法を行って得られた人工皮脂の状態を専門パネラー10名により、下記の3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で洗浄力について評価した。表11の洗浄方法の詳細は以下の通りである。
【0054】
[洗浄方法の詳細]
実験例8:「エヌ シャンプー MD」(中野製薬株式会社製)0.7gを手のひらにとり、両手を擦ってシャンプーを泡立てから、評価項目5と同様にして作製したガラス板に広げた人工皮脂に塗布し、3分間放置した。3分経過後、ぬるま湯で塗布したシャンプーを洗い流した。
実験例9:実験例8の洗浄方法を行った後、ガラス板に付着した水気を軽く切り、再び実験例8の洗浄方法を行った。
実験例10:表12のクレンジングオイル0.7gを評価項目5と同様にして作製したガラス板に広げた人工皮脂に塗布し、3分間放置した。3分経過後、ぬるま湯でクレンジングオイルを洗い流した。ガラス板に付着している水気を軽くタオルドライしてから、実験例8の洗浄方法を行った。
実験例11:表7の処方例77をポンプフォーマーからポンプを1回押した分の泡状フォームを人工皮脂に塗布し、3分間放置した。3分経過後、ぬるま湯で泡状フォームを洗い流した。
実験例12:実験例11の洗浄方法を行った後、ガラス板に付着した水気を軽く切り、再び実験例8の洗浄方法を行った。
[評価基準]
3点:人工皮脂が完全に洗い落とされている
2点:人工皮脂がほとんど洗い落とされている
1点:人工皮脂が洗い落とされていない
[洗浄力(2)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0055】
3-2 評価項目12:実使用時の使いやすさ
表11の洗浄方法(実験例8~12)に沿って、専門パネラー10名の頭髪を洗髪した。実験例9~12の使いやすさの評価は、実験例8の操作性(洗いやすさ、すすぎやすさ、洗浄時の手間等)評価と比較して下記の3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計値を求め、以下の基準で実使用時の使いやすさについて評価した。
なお、各薬剤の使用量は、専門パネラーの髪の長さ、毛量により異なるが、以下の使用量を目安としている。
エヌ シャンプー MD(中野製薬株式会社製):約3mL
クレンジングオイル(表12に記載):約3mL
処方例77(表7に記載)(ポンプフォーマーに充填し使用):5プッシュ
[評価基準]
3点:実験例8より操作性が良い(全く手間に感じない)
2点:実験例8の操作性と同等(あまり手間に感じない)
1点:実験例8より操作性が悪い(手間に感じる)
[実使用時の使いやすさの評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満
【0056】
3-3 評価項目13:皮膚のつっぱり、きしみ感の無さ(2)
上腕の前側部を石けんで洗浄後、軽くタオルドライした後、表11の洗浄方法(石けんで洗浄した上腕の前側部を前記[洗浄方法の詳細]に記載の使用量、手順に従い実施)を行い、軽くタオルドライして乾燥させた。乾燥後、上腕の前側部の皮膚のつっぱり、きしみ感について専門のパネラー10名により、下記3段階評価(評価点)に基づいて官能評価した。各パネラーの評価点の合計を求め、以下の基準で皮膚のつっぱり、きしみ感について評価した。
[評価基準]
3点:皮膚のつっぱり、およびきしみ感が全く無い
2点:皮膚のつっぱり、およびきしみ感がほとんど無い
1点:皮膚のつっぱり、および/またはきしみ感がある
[皮膚のつっぱり、きしみ感の無さ(2)の評価基準]
◎:25点以上
〇:20点以上、25点未満
△:15点以上、20点未満
×:15点未満」
【0057】
実施例1
本実施例では(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの有無による効果の相違を調べた。具体的には表1の処方例について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表1に示す。
なお、表1~8の各成分のうち、表欄外に記載の市販品を使用したものについては、表中に記載の成分を純分換算した値である。
【0058】
表1より、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルを含有する処方例2~4、8~11は、全ての評価項目で良好な結果が得られた。
一方、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルを含まない処方例1、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルに該当しない代替成分のみを使用した処方例5~7は、全体的に評価点が低く、特に塗布性、洗浄力、低温安定性に対する評価が悪かった。
【0059】
実施例2
本実施例では(A)ポリグリセリンアルキルエーテルの好ましい配合量を調べた。具体的には表2の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表2に示す。
【0060】
表2より、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルが配合された処方例2、12~19はいずれも良好な結果が得られた。本発明の好適な含有量を満足する処方例2、12~14、16~19は、処方例15と比べて特に吐出性と皮膚のつっぱり、きしみ感に対する評価が優れていた。
【0061】
実施例3
本実施例では本発明で規定するアルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステルから選ばれるノニオン性界面活性剤(以下、所定の(B)ノニオン性界面活性剤という)の有無による効果の相違を調べた。具体的には表3の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表3に示す。
【0062】
表3より、所定の(B)ノニオン性界面活性剤を含有する処方例21~23、27~31はいずれも良好な結果が得られた。
一方、所定の(B)ノニオン性界面活性剤を含まない処方例20、所定の(B)ノニオン性界面活性剤に該当しない代替成分のみを使用した処方例24~26は、全体的に評価点が低く、特に塗布性、洗浄力、低温安定性に対する評価が悪かった。
【0063】
実施例4
本実施例では所定の(B)ノニオン性界面活性剤の好ましい配合量を調べた。具体的には、表4の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表4に示す。
【0064】
表4より、所定の(B)ノニオン性界面活性剤が配合された処方例21、32~45はいずれも良好な結果が得られた。本発明の好適な含有量を満足する処方例21、32~35、37~41、43~45は、処方例36、42と比べて特に吐出性、塗布性、および皮膚のつっぱり、きしみ感に対する評価が優れていた。
【0065】
実施例5
本実施例では、(C)本発明で規定するイミダゾリニウム型両性界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤および、スルホベタイン型両性界面活性剤から選ばれる両性界面活性剤(以下、所定の(C)両性界面活性剤という)の有無による効果の相違を調べた。具体的には表5の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表5に示す。
【0066】
表5より、所定の(C)両性界面活性剤を含有する処方例47~50、53~56はいずれも良好な結果が得られた。
一方、所定の(C)両性界面活性剤を含まない処方例46は、塗布性、皮膚のつっぱり、きしみ感、および皮膚のうるおいに対する評価が悪かった。
また所定の(C)両性界面活性剤に該当しない代替成分のみを使用した処方例51、52は、塗布性、および低温安定性に対する評価が悪かった。
【0067】
実施例6
本実施例では、所定の(C)両性界面活性剤の好ましい配合量を調べると共に、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと所定の(C)両性界面活性剤との好ましい質量比[(A):(C)]を調べた。具体的には、表6に記載の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表6に示す。
【0068】
表6より、所定の(C)両性界面活性剤が配合された処方例57~74はいずれも良好な結果が得られた。
処方例57~62のうち、本発明の好適な含有量を満足する処方例57~61は、処方例62と比べて特に塗布性に対する評価が優れていた。
また処方例63~74のうち、(A)ポリグリセリンアルキルエーテルと所定の(C)両性界面活性剤との好ましい質量比[(A):(C)]を満足する処方例64~68、70~74は、処方例63と比べて特に皮膚のつっぱり、きしみ感に対する評価が優れていた。また処方例69と比べて特に塗布性、および低温安定性に対する評価が優れていた。
【0069】
実施例7
本実施例では、(D)多価アルコールの有無による効果の相違、および好ましい配合量を調べた。具体的には表7の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~6を評価した。結果を表7に示す。
【0070】
表7より、本発明の組成を満足する処方例71、処方例75~84は、いずれも良好な結果が得られた。特に(D)多価アルコールを含有する処方例71、76~78、80~84は(D)多価アルコールを含まない処方例75と比べて特に皮膚のつっぱり、きしみ感、皮膚のうるおいに対する評価が優れていた。また本発明の好適な含有量を満足する処方例71、76~78、80~84は、処方例79と比べて特に吐出性、および塗布性に対する評価が優れていた。
【0071】
実施例8
本実施例では本発明の除外成分であるアニオン性界面活性剤を含んだ処方例85~92と本発明の組成を満足する処方例77との比較を行った。具体的には表8の洗浄用組成物について実験1の評価項目1~7を評価した。結果を表8に示す。
【0072】
表8より、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩およびポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤を含んだ処方例85~90は皮膚のつっぱり、きしみ感、皮膚のうるおい、および低刺激性に対する評価が処方例77と比べて顕著に低かった。
また、ココイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸TEAなどのアニオン性界面活性剤を含んだ処方例91、92は特に低温安定性に対する評価が処方例77と比べて顕著に低かった。
【0073】
実施例9
本実施例では、洗浄用組成物の好ましい使用方法について調べた。具体的には、表7の処方例77を表9の使用方法に基づいて適用して実験2の評価項目8~10を評価した。結果を表9に示す。
表9より、専用の泡立て用器具を用いて泡立てた状態で使用した実験例4~7は専用の泡立て用器具を用いず手で泡立てた状態で使用した実験例3と比べて泡立ちやすさ、および泡のボリュームに対する評価が優れていた。
一方、泡立てずに使用した実験例1、および肌上で泡立てて使用した実験例2は、いずれの評価項目も泡立てて使用した実験例3~7と比べて劣る結果となった。
【0074】
実施例10
本実施例では、本発明の洗浄用組成物の有用性を調べた。具体的には、表11の洗浄方法で洗浄した後、実験3の評価項目11、及び評価項目13を評価した。また実験例9~12については実際にパネラーの頭髪を洗浄して、実験3の評価項目12を評価した。結果を表11に示す。
【0075】
表11より、本発明の洗浄用組成物(処方例77)を用いて洗浄した実験例11、12はいずれの評価項目も良好であった。
一方、本発明の洗浄用組成物を使用しなかった実験例8~10は実験例11、12と比べると実験例8では洗浄力に体する評価が劣っていた。実験例9では洗浄力および実使用時の使いやすさに対する評価が劣っていた。実験例10では実使用時の使いやすさおよび皮膚のつっぱり、きしみ感に対する評価が劣っていた。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
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