IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイの特許一覧

<>
  • 特開-人形 図1
  • 特開-人形 図2
  • 特開-人形 図3
  • 特開-人形 図4
  • 特開-人形 図5
  • 特開-人形 図6
  • 特開-人形 図7
  • 特開-人形 図8
  • 特開-人形 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155081
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】人形
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/00 20060101AFI20231013BHJP
   A63H 3/36 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A63H3/00 Z
A63H3/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064831
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄太
(72)【発明者】
【氏名】肥田野 真由美
(72)【発明者】
【氏名】植田 蘭
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BC02
2C150CA01
2C150DD04
2C150EH07
2C150EH08
2C150EH09
(57)【要約】
【課題】自立が可能で従来に比して興趣性の高い人形を提供する。
【解決手段】足部10、脚部20、胴体部30および頭部50を少なくとも備える人形1であって、足部10の底面10aが載置面80に接した状態で、人形1を側面方向から見た側面視において、人形1の前後方向における胴体部30と頭部50との接続部P1の位置は、足部10の前後方向の長さの中心位置を通り且つ載置面80に垂直な仮想線ILよりも前側に位置している。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足部、脚部、胴体部および頭部を少なくとも備える人形であって、
前記足部の底面が載置面に接した状態で、前記人形を側面方向から見た側面視において、前記人形の前後方向における前記胴体部と前記頭部との接続部の位置は、前記足部の前記前後方向の長さの中心位置を通り且つ前記載置面に垂直な仮想線よりも前側に位置している、
人形。
【請求項2】
請求項1に記載の人形であって、
前記側面視において、前記前後方向における前記足部と前記脚部との接続部の位置は、前記仮想線よりも後側に位置する、
人形。
【請求項3】
請求項1または2に記載の人形であって、
前記頭部の高さ方向の大きさは、前記人形の身長に対して三頭身内である、
人形。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の人形であって、
前記側面視において、前記頭部は、前記胴体部よりも高さ方向の長さが大きい、
人形。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の人形であって、
前記側面視において、前記足部は、前記前後方向における前記頭部の両端部の位置の間にある、
人形。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の人形であって、
前記足部の前記前後方向の長さは、前記胴体部の前記前後方向の長さよりも大きい、
人形。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の人形であって、
前記側面視において、前記胴体部は、前記前後方向における前記足部の両端部の位置の間にある、
人形。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の人形であって、
前記人形を正面方向から見た正面視において、前記頭部の横方向の長さは、前記足部の左右両足の外側端部間の長さよりも大きい、
人形。
【請求項9】
請求項8に記載の人形であって、
前記正面視において、前記左右両足は、前記横方向における前記頭部の両端部の位置の間にある、
人形。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の人形であって、
前記側面視において、前記脚部は、少なくとも一部が前記足部と前記脚部との接続部の位置よりも前側に位置するように傾斜している、
人形。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の人形であって、
前記側面視において、前記胴体部は、少なくとも一部が前記脚部と前記胴体部との接続部の位置よりも前側に位置するように傾斜している、
人形。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の人形であって、
前記胴体部の上部を構成する首部は、前記仮想線と平行になる軸線に沿って延出されている、
人形。
【請求項13】
請求項12に記載の人形であって、
前記頭部と前記首部との連結部は、何れか一方側が球状連結面を有して他方に対して向きを変更可能に連結され、前記頭部と前記胴体部が傾斜可能に成された、
人形。
【請求項14】
請求項12または13に記載の人形であって、
前記首部の先端には、略球形の連結突部が設けられ、
前記連結突部は、前記首部の軸線上に軸対称に設けられている、
人形。
【請求項15】
請求項1~14の何れか一項に記載の人形であって、
前記人形は、前記頭部を覆うことが可能なフードを含んだ衣装を着ている、
人形。
【請求項16】
請求項15に記載の人形であって、
前記フードは、前記衣装を装着した状態で前記頭部の後方側に変位可能に構成されている、
人形。
【請求項17】
請求項15または16に記載の人形であって、
前記フードは、前記頭部を覆った状態で前記人形を正面方向から見た正面視において、少なくとも前記頭部の両脇の下端側に空間を形成可能に構成されている、
人形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体や動物さらには各種キャラクター等の人形においては、ぬいぐるみ状の人形体や人形体を壁等にすがらせることなく立てかけることのできる、例えば特許文献1のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたものは、人形体の胴体部分と略同じ高さで、上縁部分に人形体の首後部が載置される首支持縁が設けられたシート材の左右側スタンド部を後方に折り曲げ、別の折曲片で係止することにより、人形体の背面を背面支持部にすがらせるとともに首後部を首支持縁に載置して立て掛けられるようにした人形スタンド、である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-190649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、ぬいぐるみや人形体が自立できないことを前提としている。したがって、従来においては、人形の背後に支持手段を設けるため、取り扱い性が悪いという問題があった。また、人形の背後に設ける支持手段は、人形の可愛らしさ等の演出において好ましくない存在であり、興趣性を損なう大きな要因であった。
【0006】
本発明は、自立が可能で従来に比して興趣性の高い人形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る人形は、
足部、脚部、胴体部および頭部を少なくとも備える人形であって、
前記足部の底面が載置面に接した状態で、前記人形を側面方向から見た側面視において、前記人形の前後方向における前記胴体部と前記頭部との接続部の位置は、前記足部の前記前後方向の長さの中心位置を通り且つ前記載置面に垂直な仮想線よりも前側に位置している、ことを特徴としている。
【0008】
前記側面視において、前記前後方向における前記足部と前記脚部との接続部の位置は、前記仮想線よりも後側に位置する、ようにしても良い。
【0009】
前記頭部の高さ方向の大きさは、前記人形の身長に対して三頭身内である、ようにしても良い。
【0010】
前記側面視において、前記頭部は、前記胴体部よりも高さ方向の長さが大きい、ようにしても良い。
【0011】
前記側面視において、前記足部は、前記前後方向における前記頭部の両端部の位置の間にある、
ようにしても良い。
【0012】
前記足部の前記前後方向の長さは、前記胴体部の前記前後方向の長さよりも大きい、ようにしても良い。
【0013】
前記側面視において、前記胴体部は、前記前後方向における前記足部の両端部の位置の間にある、ようにしても良い。
【0014】
前記人形を正面方向から見た正面視において、前記頭部の横方向の長さは、前記足部の左右両足の外側端部間の長さよりも大きい、
ようにしても良い。
【0015】
前記正面視において、前記左右両足は、前記横方向における前記頭部の両端部の位置の間にある、ようにしても良い。
【0016】
前記側面視において、前記脚部は、少なくとも一部が前記足部と前記脚部との接続部の位置よりも前側に位置するように傾斜している、
ようにしても良い。
【0017】
前記側面視において、前記胴体部は、少なくとも一部が前記脚部と前記胴体部との接続部の位置よりも前側に位置するように傾斜している、ようにしても良い。
【0018】
前記胴体部の上部を構成する首部は、前記仮想線と平行になる軸線に沿って延出されている、ようにしても良い。
【0019】
前記頭部と前記首部との連結部は、何れか一方側が球状連結面を有して他方に対して向きを変更可能に連結され、前記頭部と前記胴体部が傾斜可能に成された、ようにしても良い。
【0020】
前記首部の先端には、略球形の連結突部が設けられ、
前記連結突部は、前記首部の軸線上に軸対称に設けられている、ようにしても良い。
【0021】
前記人形は、前記頭部を覆うことが可能なフードを含んだ衣装を着ている、ようにしても良い。
【0022】
前記フードは、前記衣装を装着した状態で前記頭部の後方側に変位可能に構成されている、ようにしても良い。
【0023】
前記フードは、前記頭部を覆った状態で前記人形を正面方向から見た正面視において、少なくとも前記頭部の両脇の下端側に空間を形成可能に構成されている、ようにしても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、自立が可能で従来に比して興趣性の高い人形を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態の人形の本体部の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す人形を右側面方向から見た側面図である。
図3図1に示す人形の正面図である。
図4図1に示す人形の分解斜視図である。
図5図1に示す人形の頭部と胴体部との連結状態を示す拡大断面図である。
図6】頭部の底面図である。
図7図3に示す本体部に衣装を着けた状態の正面図である。
図8】衣装を付けた状態の側面図である。
図9】衣装を着けた状態においてフードを外した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明における向きの記載については、左右、上下、及び前後等の記載をするが、これは、人形を立てた状態において前方から見た場合の記載である。また、図面には、人形の自立状態において人形前方から見て、上側(上方向)を「U」、下側(下方向)を「D」とし、左右については、向かって右側(右方向)を「R」、左側(左方向)を「L」とし、前後については、人形の裏側(後方向)を「Rr」、前側(前方向)を「Fr」、として方向を記載する。また、図1図6に示す人形は、顔や髪の毛、及び靴などを取り付けていない状態の人形本体部の構成として示し、図7図9は、顔や髪の毛、及び靴などを設けた状態の人形として図示する。
【0027】
図1は、人形の本体部の外観を示す斜視図である。図2は、人形の右側面方向から見た側面図である。
【0028】
図1、及び図2に示すように、人形1の本体部5は、載置面80上に自立可能に構成されている。本体部5は、足部10、脚部20、胴体部30および頭部50を備え、例えば、両腕30hを左右両側斜め下方に伸ばしたポーズを取っており、左右対称の形状を成した形状となっている。また、頭部50は、左右に耳部50eが設けられ他の部分の大きさに比べて大きく構成されている。例えば、頭部50の高さ方向の大きさ(L2)は、胴体部30の高さ方向の大きさ(L3)よりも大きく構成されており、本実施形態においては、二頭身に近い形状となっている。なお、人形1の頭部50の大きさのバランスとしては、人形としての可愛らしさをより強く感じさせることが可能なように、人形1の身長(L1)に対して三頭身内に構成されていることが好ましい。また、頭身の高さのバランスに合わせて、側面視において、前後方向における頭部50の前方側の端部50fと後方側の端部50rの前後方向の長さ(L4)は、胴体部30の前後方向の長さ(L5)よりも長いことが好ましく、さらに、前後方向における頭部50の前方側の端部50fと後方側の端部50rの前後方向の長さ(L4)は、胴体部30の前後方向の長さ(L5)の2倍よりも長いことがより好ましい。
【0029】
足部10の底面10aが載置面80に接した自立状態において、図2に示すように、人形1を側面方向から見た側面視の場合、人形1の前後方向における胴体部30と頭部50との接続部の位置P1(以後、「胴頭部接続位置P1」という)は、足部10の前後方向の長さ(L6)の中心位置を通り且つ載置面80に垂直な仮想線ILよりも前方側に位置している。
【0030】
なお、ここで言う胴頭部接続位置P1とは、側面視において、胴体部30と頭部50と接続する首部40の軸部分41の前後方向の幅w1(図5参照)、及び上下方向の幅w2(図5参照)の中心の位置である。
【0031】
足部10の前後方向の長さ(L6)は、側面視において、前後方向における頭部50の前方側の端部50fと後方側の端部50rの前後方向の長さ(L4)よりも小さく、且つ両端部50f,50r間内にあるように構成されている。また、足部10の前後方向の長さ(L6)は、胴体部30の前後方向の長さ(L5)よりも大きく構成されている。更に、側面視において、胴体部30は、足部10の前後方向における前方側の端部10fと後方側の端部10rの位置の間に位置している。
【0032】
脚部20は、図2に示すように、側面視において、下方から上方にかけて前方に向かうよう傾斜する構成となっている。ここで、脚部20は、膝を曲げてない形状の脚部20として、脚部20の下端側から上端側(胴体部30との接続部分)まで略直線状で真っ直ぐな構成である。すなわち、脚部20の脚部中心線CL2が下方から上方にかけて前方に向かうよう傾斜するように構成されている。このように傾斜した脚部20は、前後方向において、その多くが足部10と脚部20との接続部の位置P2(以後、「脚足部接続位置P2」という)よりも前側に位置することになる。
【0033】
なお、ここで言う前後方向における脚足部接続位置P2とは、側面視において、足部10と脚部20の前方側の接続点p2fと、足部10と脚部20の後方側の接続点p2rとを結んだ直線の中心の位置である。
【0034】
そして、脚足部接続位置P2は、側面視において、仮想線ILよりも後側に位置する。したがって、脚足部接続位置P2と、前掲の胴頭部接続位置P1と、は仮想線ILを挟んで前後に位置している。
【0035】
また、胴体部30は、側面視において少なくとも一部が脚部20と胴体部30との接続部の位置P3(以後、「胴脚部接続位置P3」という)よりも前側に位置するように傾斜している。すなわち、胴脚部接続位置P3と胴頭部接続位置P1とを通る胴体部30の中心線である胴体部中心線CL3が、脚部中心線CL2よりも小さい傾斜角でもって下方から上方にかけて前方に向かうよう傾斜している。胴体部中心線CL3が、脚部中心線CL2よりも小さい傾斜角にして胴体部30の傾斜角を脚部20の傾斜角よりも小さくしておくことで、人形1が傾斜することによる見た目の違和感を軽減することができ、人形1の興趣性の低下を抑制することができる。
【0036】
なお、ここで言う胴脚部接続位置P3とは、側面視において、胴体部30と脚部20の前方側の接続点p3fと、胴体部30と脚部20の後方側の接続点p3rとを結んだ直線の中心の位置である。
【0037】
図3は人形1の本体部5の正面図である。
前述したように、頭部50は、他の部分に比べて大きく構成されているが、人形1を正面方向から見た正面視においては、図3に示すように、頭部50の横方向の左端50Lと右端50R間の長さ(L7)は、足部10の左右両足の外側端部10L,10R間の長さ(L8)よりも大きく構成されている。また、左右両足部10は、左右方向における頭部50の左右両端50L,50Rの間に位置するように構成されている。
【0038】
足部10は、その底面10aが左右何れも平坦な面であって、左右の両足部10の底面10aが1つの平面上に位置するように構成されている。更に、足部10は、先方側のつま先を若干広げるように構成されている。したがって、左右両底面10aによって囲まれる仮想面積(左右両底面10a、及び左右両底面10aの間の空間により形成される仮想面の面積)が大きくなる。これは、左右の足部10が平行になっている場合に比べ、足部10の左右両足の外側端部間の長さ(L8)が大きくなり、足部10の接地面の左右両側の間隔が実質的に広くなり、自立状態を維持しやすい構成である。
【0039】
図4は、図1に示す人形1の分解斜視図である。
頭部50は、図4に示すように、胴体部30に対して着脱可能であり、胴体部30の上端部分の首部40に嵌めこむことで支持可能に構成されている。例えば、頭部50の頭部底面50bには、円筒形の内周面の有する連結凹部52が設けられている。一方、首部40は、軸部分41の先端に、軸部分41よりも大径で略球状の外面を有する連結突部42が設けられている。このように、連結凹部52と連結突部42とによって連結部45が構成されている。
【0040】
図5は、人形1の頭部50と胴体部30との連結部45を示す拡大断面図である。図6は、頭部50を取り外した状態における底面図である。
【0041】
図5に示すように、連結部45は、連結突部42の球状の外面42aが連結凹部52に接した状態で嵌合している。したがって、例えば、頭部50は、首部40に対して、首部40の中心軸線である首部中心線CL4を中心に軸対称に設けられており、360度回転可能であり、且つ球状の外面42a回りに回転して連結角度を変更することができる。なお、首部40の首部中心線CL4は、仮想線ILと平行は軸線として延出されている。
【0042】
首部40の軸部分41は、胴体部30の前後方向の長さ(L5)よりも細く、脚部20の前後左右方向の長さよりも細く構成されている(図2及び図3参照)。また、頭部50が胴体部30に対して大きく形成されている場合には、首部40の軸部分41は、頭部50の半分よりも細く、さらに、頭部の4分の1程度の細さになる場合もある。更に、軸部分41は、軸径w1が連結突部42の直径(前後方向の長さ)よりも小さく構成されている。これにより、頭部50を胴体部30に対して傾けたときに、軸部分41が頭部50に当たらない。
【0043】
頭部50を首部40に装着するときには、前掲の如く連結凹部52に連結突部42を押し込むようにするが、連結凹部52の外周縁には、図6に示すよう、底面視で左右方向に長軸の楕円形の凹部縁部53が設けられている。この凹部縁部53は、頭部底面50bから連結凹部52に向う傾斜面となっている。この凹部縁部53は、連結突部42を連結凹部52に嵌入するときのガイド面として機能する。また、頭部50を胴体部30に対して傾斜させるときに、凹部縁部53が頭部50の胴体部30に対する逃げ面となる。
【0044】
図7は、本体部5に衣装60を付けた状態の正面図である。図8は、衣装60を付けた状態の側面図である。
前掲した頭部50の前面側には、図7、及び図8に示すように、口、眼、及び鼻が描かれた顔部50Fが設けられ、頭には髪の毛50Hが設けられている。足部10には靴部10Sを設けられている。なお、靴部10Sは、足部10の底面10aを覆うように構成されているが、底面10aの平坦形状は維持されている。また、衣装60は、胴体部30、及び脚部20を覆う部分においては、本体部5のサイズに比べて大きくゆったりとした形状に構成されている。
【0045】
衣装60は、フード65を有しており、このフード65が頭部50を覆うことが可能なように構成されている。そして、本体部5が衣装60を付けた状態で本体部5において衣装60から露出する部分は、顔部分と両手の指先部分だけである。
【0046】
また、フード65は、頭部50のサイズに対して大きく構成されている。すなわち、フード65を被った状態において、人形1を正面方向から見た正面視において、頭部50とフード65の間に隙間を有するように構成されていることで、髪の毛をフード65から見えるようにできる。特に、少なくとも頭部50の両脇の下端側に空間SPを形成できるようになっている。これにより、例えば、長い髪の毛を空間SPから露出し、人形1の興趣性を向上することができる。
【0047】
図9は、衣装60の装着状態においてフード65を外した状態の側面図である。
フード65は、図9に示すように、衣装60を着たままの状態で、フード65の部分のみを頭部50の後方側に位置を変える(変位する)ことができる。これは、前掲のように、頭部50の大きさに比べてフード65が大きく構成されていることで、頭部50に対するフード65の着脱がし易い。
【0048】
人形1は、例えば、図9に示すように、フード65のサイズが、本体部5の胴体部30から下の部分の大きさに比べて大きく構成し人形1の後方側に位置させた人形1の重心が後ろ側になる場合においても、フード65を載置面80に接触させることなく自立することが可能である。一方、頭部50から外したフード65を載置面80に接触させる場合(図示せず)は、フード65を人形1の自立状態の維持に寄与させることも可能である。
【0049】
以上述べたように、本実施形態によれば、人形1の足部10の底面10aが載置面80に接した状態での側面視において、胴頭部接続位置P1が、前後方向の仮想線ILよりも前側に位置していることで、人形1の重量の分布を前後方向に長くすることができる。この結果、人形1の前後方向における重量バランスを取りやすい構造となる。
【0050】
また、本実施形態の人形1では、側面視において、前後方向における脚足部接続位置P2が前後方向の仮想線ILよりも後方側に位置することで、胴頭部接続位置P1と脚足部接続位置P2とを仮想線ILを挟むように配置することができる。これにより、人形1の重量を支える足部10の底面10aの前後方向の中心点(載置面80と仮想線ILとの交点)に対して重量が掛かる位置が前後に分散される。この結果、人形1の前後方向における重量バランスの取れた載置状態を作り出しことができ、足部10の底面10aによって人形1が自立し易い状態を作り出すことができる。
【0051】
また、本実施形態の人形1では、頭部50を大きくすることで、胴体部30、及び足部10の重量に対する頭部50の重量比率が大きくなる。これにより、頭部50の向きによる前後方向の重量バランスの調節がし易くなり、安定して自立させ易くなる。また、頭部50が慎重に対して大きくなることで、人形1として、可愛らしさを演出でき興趣性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態の人形1では、側面視において、足部10は、前後方向における頭部50の両端部50f,50rの位置の間にあることで、大きく構成された頭部50を支える足部10の底面10aが頭部50の位置から外れた位置とならず、前後方向の重量バランスが良くなり、安定した自立を可能とする。
【0053】
また、足部10の前後方向の長さ(L6)は、胴体部30の前後方向の長さ(L5)よりも大きいことで、載置面80との接触面を大きくでき、前後方向のバランスがとり易い人形1を提供できる。
【0054】
また、本実施形態の人形1では、胴体部30は、側面視で前後方向における足部10の両端部10f,10rの位置の間にあることで、足部10の底面10aの前後範囲から胴体部30が外れることがなく、前後方向の重量バランスを良好に維持でき、安定した自立状態を可能にする。
【0055】
また、本実施形態の人形1では、正面視において、頭部50の左右方向の長さ(L7)が足部10の左右両足の外側端部10L,10R間の長さ(L8)よりも大きいことで、可愛らしさを演出することができる。
【0056】
また、本実施形態の人形1では、正面視において、左右両足部10は、左右方向における頭部50の両端部50L,50Rの位置の間にあることで、左右方向における重量バランスの偏りを抑えることができる。
【0057】
また、本実施形態の人形1では、側面視において、脚部20が脚足部接続位置P2よりも前側に傾斜していることで、胴頭部接続位置P1を脚足部接続位置P2よりも前方側に置くようにでき、胴頭部接続位置P1を仮想線ILに対して前方寄りに配置するように構成できる。
【0058】
また、本実施形態の人形1では、首部40は、仮想線ILと平行になる軸線に沿って延出されていることで、首部40の軸線に沿って頭部50を取り付けることで、頭部50の取り付け向きが胴体部30に対して略真っ直ぐで自然になる。
【0059】
また、頭部50と首部40との連結部45は、頭部50と胴体部30が傾斜可能に成されているので、自立時のバランス取るために頭部50を傾斜させることが可能になる。また、衣装60や顔の表情に対応させて頭部50の向きを傾斜させることができ、人形1の演出の多様化を図ることができる。
【0060】
また、本実施形態の人形1では、連結突部42は、首部40の軸線上に軸対称に設けられているので、頭部50の傾斜向きは、軸線に対して何れの向きにも同じように傾斜させることができる。
【0061】
また、本実施形態の人形1では、フード65によって頭部50が覆われる状態と、フード65を頭部50後方に移動した状態とをとることができるので、人形1の印象を大きく変えた外観を提供することができる。
【0062】
また、本実施形態の人形1では、フード65は、頭部50を覆った状態で人形1を正面方向から見た正面視において、頭部50の両脇の下端側に空間SPを形成可能であるので、フード65のゆったり感で可愛い演出ができるだけでなく、髪の毛が長い場合には、この空間SPに髪の毛をいれることができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、頭部50に嵌合凹部52が設けられ首部40に連結突部42が設けられたが、これとは逆の凹凸関係であっても良い。
【0064】
また、上記実施形態における胴体部30の両腕30hについては、一体構造としたが、着脱並びに移動(回転移動)可能な構成であっても良い。さらに、脚部20、足部10などについても着脱可能な構成であっても良い。
【符号の説明】
【0065】
1 人形
10 足部
10a 足部の底面
20 脚部
30 胴体部
40 首部
42 連結突部
45 連結部
50 頭部
60 衣装
65 フード
80 載置面
IL 仮想線
P1 胴頭部接続位置(胴体部と頭部との接続部の位置)
P2 脚足部接続位置(足部と脚部との接続部の位置)
P3 胴脚部接続位置(脚部と胴体部との接続部の位置)
SP 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9