(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155088
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】タバコ喫煙具
(51)【国際特許分類】
A24F 19/00 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
A24F19/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064847
(22)【出願日】2022-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】521534426
【氏名又は名称】福建省福和楽供応鏈有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】黄 津
(57)【要約】
【課題】片手で持ちながら喫煙するだけで、灰が自然に内部に落ちて溜まるとする。
【課題を解決するための手段】 有底筒状で上端部に上部開口と、側面に換気開口を有する喫煙具本体2と、喫煙具本体2の上部開口に着脱自在に設けられるとともに、喫煙具本体2の軸方向に沿って形成された紙巻タバコを挿通するためのタバコ挿通穴を有し、外部から紙巻タバコの先端側をタバコ挿通穴に挿通し、先端側が貫通した姿勢で紙巻タバコから手を離すとタバコ挿通穴との摩擦で紙巻タバコが保持されるタバコ挿入部20と、喫煙具本体の換気開口16を開閉する開閉蓋部17を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状で中空の内部空間を有し、上端部に上部開口、側面に換気開口を備えた喫煙具本体と、
喫煙具本体の上部開口に着脱自在に設けられるとともに、喫煙具本体の軸方向に沿って形成された紙巻タバコを挿通するためのタバコ挿通穴を有し、外部から紙巻タバコの先端側をタバコ挿通穴に挿通し、先端側が内部空間へ貫通した姿勢で紙巻タバコから手を離すとタバコ挿通穴との摩擦で紙巻タバコが保持されるタバコ挿入部と、
喫煙具本体の換気開口を開閉する開閉蓋部と、
を備えたことを特徴とするタバコ喫煙具。
【請求項2】
タバコ挿入部を弾性部材により形成したこと、
を特徴とする請求項1記載のタバコ喫煙具。
【請求項3】
喫煙具本体は下端部に、内部に溜まった灰を捨てる底蓋部が着脱自在に備えられていること、
を特徴とする請求項1または2記載のタバコ喫煙具。
【請求項4】
換気開口は、軸方向に縦長に形成されており、開閉蓋部は、軸方向にスライドすることで換気開口を開閉するように備えられていること、
を特徴とする請求項1乃至3の内のいずれか一項記載のタバコ喫煙具。
【請求項5】
喫煙具本体は、上端部に着脱自在に螺合された肩部を含み、
肩部に上部開口が形成されていること、
を特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか一項記載のタバコ喫煙具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ喫煙具に係り、とくに紙巻タバコの喫煙が可能な携帯式のタバコ喫煙具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外で紙巻タバコを喫煙するための携帯灰皿があった。この携帯灰皿は、容器本体と開閉蓋を有しており、タバコを喫煙する際に蓋を開けておき、タバコの先の灰が大きくなったら、タバコを持つ手を振って容器本体の中に灰を落とす。喫煙し終わったら、吸い殻を容器本体の中に入れ、蓋を閉めて携帯することで、周囲を汚さなくて済むようになっている。
【0003】
けれども、従来の携帯灰皿は、一方の手でタバコを摘まみ、他方の手で携帯灰皿を持つ必要があり、両手がふさがる不便があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した問題に鑑みなされたもので、片手で持ちながら喫煙するだけで、灰が自然に内部に落ちて溜まるタバコ喫煙具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、
有底筒状で中空の内部空間を有し、上端部に上部開口、側面に換気開口を備えた喫煙具本体と、
喫煙具本体の上部開口に着脱自在に設けられるとともに、喫煙具本体の軸方向に沿って形成された紙巻タバコを挿通するためのタバコ挿通穴を有し、外部から紙巻タバコの先端側をタバコ挿通穴に挿通し、先端側が内部空間へ貫通した姿勢で紙巻タバコから手を離すとタバコ挿通穴との摩擦で紙巻タバコが保持されるタバコ挿入部と、
喫煙具本体の換気開口を開閉する開閉蓋部と、
を備えたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、
タバコ挿入部を弾性部材により形成したこと、
を特徴としている。
請求項3記載の発明は、
喫煙具本体は下端部に、内部に溜まった灰を捨てる底蓋部が着脱自在に備えられていること、
を特徴としている。
請求項4記載の発明は、
換気開口は、軸方向に縦長に形成されており、開閉蓋部は、軸方向にスライドすることで換気開口を開閉するように備えられていること、
を特徴としている。
請求項5記載の発明では、
喫煙具本体は、上端部に着脱自在に螺合された肩部を含み、
肩部に上部開口が形成されていること、
を特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、喫煙する前に火を点けた紙タバコを挿通穴から挿通し、先端側を本体内に露出させるとともに換気開口の開閉蓋部を開けることで、片手で本体を持って喫煙することができ、タバコの先の灰が大きくなると自然に本体内に落ちて溜まるので、両手が塞がることはない。また喫煙後、換気開口の開閉蓋部を閉めて内部を酸欠状態にすることで、紙巻タバコを消すことができる。
他の発明によれば、本体下端の底蓋部を開けて中に溜まった灰を捨てることができる。
更に他の発明によれば、換気開口の開閉を開閉蓋部のスライド操作により容易に行うことかできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明の一実施例に係るタバコ喫煙具の外観正面図である(実施例1)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例0009】
図1乃至
図24を参照して本発明の一実施例に係るタバコ喫煙具を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るタバコ喫煙具の外観正面図、
図2乃至
図4は
図1の斜視図、平面図、底面図、
図5と
図6は分解図、
図7と
図8は胴部の斜視図、
図9は胴部の平面図、
図10乃至
図13はタバコ挿入部の斜視図、側面図、平面図、底面図、
図14乃至
図17は肩部の斜視図、側面図、平面図、底面図、
図18乃至
図20は底蓋部の斜視図、平面図、底面図、
図21は換気開口を開けた外観正面図、
図22は換気開口付近の拡大図、
図23と
図24は使用方法の説明図である。
これらの図において、1は携帯式のタバコ喫煙具であり、全体がパイプ型に形成されている。タバコ喫煙具1の内、2は中空の内部空間を有する有底筒状の喫煙具本体(以下、単に「本体」という)であり、外径30mm、長さ13.5mm程度の寸法を有している。本体2は上下に開口した筒状の胴部3と、胴部3の上端の開口に着脱自在に螺合された金属製の肩部4と、胴部3の下端の開口に着脱自在に螺合された金属製の底蓋部5とからなる。本体2は後述するように、上端部と側面に内部空間を外部に連通させる上部開口と換気開口が設けられている。
【0010】
胴部3は金属製で上端、下端に開口を有する内筒6と、内筒6の外周面に嵌装されるとともに上端、下端に開口を有する木製の外筒7からなり、内筒6に対し外筒7が相対回転しないように固定されている。内筒6は内部に直径16mm、長さ105mm程度の円柱状の空間を有している。内筒6の上端部内側に形成された雌ネジ部8に、肩部4の下端部に形成された雄ネジ部9が着脱自在に螺合可能になっている。また内筒6の下端部内側に形成された雌ネジ部10に、底蓋部5の上部に形成された雄ネジ部11が着脱自在に螺合可能になっている。
【0011】
肩部4は略円錐台状に形成されており、胴部3に螺合すると、雄ネジ部9の上側のフランジ12の底面12Aが胴部3の内筒6、外筒7の上端に当接して密接するようになっている。底蓋部5はボタン状に形成されており、胴部3に螺合すると、雄ネジ部11の下側のフランジ13の上面が胴部3の内筒6、外筒7の下端に当接して密接するようになっている。
【0012】
肩部4には本体2の上部開口としての内径16mm程度の穴部14が上下に貫通するように形成されている。胴部3と底蓋部5により、筒部15が構成されている。
胴部3の側面には、外筒7と内筒6を一緒に半径方向に貫通するようにして、軸方向に細長い略長方形状に開いた換気開口16が形成されている。換気開口16には軸方向にスライドすることで開閉する金属製の開閉蓋部17が設けられている。具体的には、内筒6の開口の対向する端縁に沿って上下方向にガイド溝18が設けられており、細長い略長方形状の開閉蓋部17の左右端縁が上下に摺動自在にガイド溝18に嵌合している。開閉蓋部17の上端近くには、胴部3の半径方向外側に突出した操作ボタン19が設けられている。
【0013】
本体2の上端部の上部開口としての肩部4の穴部14には、弾性及び耐熱性を有するシリコン樹脂製のタバコ挿入部20が着脱自在に設けられている。タバコ挿入部20は断面がT字状に形成されており、大径の頂部21と、頂部21の下部から下方に延びた首部22を備え、首部22の外周にリング状突部23が設けられている。首部22の径は穴部14の径より僅かに大きく形成されており、下端側から穴部14に押し込むと弾性変形しながら首部22の全体が穴部14の中に挿入されて穴部14の壁に圧接し、手を離しても抜けなくなる。頂部21の下面が肩部4の上端に当接することで、頂部21は外部に露出する。
【0014】
タバコ挿入部20は中央に、喫煙具本体2の軸方向に沿って形成された紙巻タバコを挿通するためのタバコ挿通穴24を有し、外部から紙巻タバコの先端側をタバコ挿通穴24に挿通し、先端側が本体2の内部空間へ貫通した姿勢で紙巻タバコから手を離すとタバコ挿通穴24との摩擦で紙巻タバコが保持されるようになっている。
【0015】
次に
図23と
図24を参照して上記したタバコ喫煙具の使用方法を説明する。
まず、換気開口16を閉じている開閉蓋部17の操作ボタン19に指を掛けて下方へ下げ、開閉蓋部17を下方ヘスライドさせて本体2の内部空間を開口した状態とさせる(
図21参照)。
紙巻タバコ30の先端に火を点け、紙巻タバコの先端側をタバコ挿入部20のタバコ挿通穴24に挿通する。タバコ挿入部20は耐熱性を有するので挿入中に焼けることはない。紙巻タバコ30の先端側がタバコ挿通穴24を貫通して本体2の内部空間に露出した姿勢で紙巻タバコから手を離す。紙巻きタバコはタバコ挿通穴24との摩擦で保持される(
図23参照。なお、
図23は紙巻タバコに火は着いていない)。
【0016】
本体2の胴部3を片手で持ちながら、紙巻タバコを咥えて喫煙することができる。換気開口16が開口しているので、火が消えることはない。先端の灰が大きくなると自然に筒部15の内底に落ちて溜まり、環境を汚すことはない。
本体2内に露出した部分が短くなったときは、タバコ挿入部20の外側に露出している部分を、押し込めば良い。
喫煙を止めるときは、開閉蓋部17の操作ボタン19に指を掛けて上方へ上げ、開閉蓋部17を上方ヘスライドさせて閉口させる。数十秒程度で酸欠により、火が消える(
図24参照)。
【0017】
灰を捨てたり、本体2の内部を掃除をしたい場合、底蓋部5を回して胴部3との螺合を外したり、肩部4を回して胴部3との螺合を外して、胴部3の上下端の開口を開放すれば良い。
【0018】
この実施例によれば、喫煙する前に火を点けた紙巻タバコをタバコ挿通穴24から挿通し、先端側を本体2の内部空間に露出させるとともに換気開口16の開閉蓋部17を開口させることで、片手で本体2を持って喫煙することができ、紙巻タバコの先の灰が大きくなると自然に本体2内に落ちて溜まるので、両手が塞がることはない。また喫煙後、換気開口16の開閉蓋部17を閉めて内部空間を酸欠状態にすることで、紙巻タバコを消すことができる。
また、本体2下端の底蓋部5を開けて中に溜まった灰を捨てたり、掃除をしたりすることができ、肩部4を開けることでも、掃除をすることができる。
また、換気開口16の開閉を開閉蓋部17のスライド操作により容易に行うことかできる。
【0019】
なお、上記した実施例では、外筒を木製としたが、カーボンファィバー製、プラスチック製などとしても良い。