(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155098
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】セロファンパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
B65D75/36
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022071946
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】522166079
【氏名又は名称】有限会社西出製作所
(72)【発明者】
【氏名】西出 康弘
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AC01
3E067BA33A
3E067BB01A
3E067BB04A
3E067FA01
3E067FB02
(57)【要約】
【課題】 CO
2削減やプラスチックによる海洋ゴミ、環境負荷を大幅に削減でき、尚且つ購入者からの視認性も高く、環境に配慮することで企業イメージも上がるプラスチックを使わないパッケージを提供する。
【解決手段】 中央に開口部3を有した表側台紙1と、該表側台紙1と合わさる裏側台紙2と、前記表側台紙1と裏側台紙2とに挟まれたセロファンフィルム10とを備え、前記セロファンフィルム10と裏側台紙2との間に被包装品4が保持され、前記セロファンフィルム10は、被包装品4に沿って前記表側台紙1の開口部3から外側に突出した突出部10aと、該突出部10aの周辺部に形成されたフランジ部5とからなり、前記フランジ部5は、前記表側台紙1と裏側台紙2とに挟まれて固定されているパッケージ100。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に開口部を有した表側台紙と、該表側台紙と合わさる裏側台紙と、前記表側台紙と裏側台紙とに挟まれたセロファンフィルムとを備え、
前記セロファンフィルムと裏側台紙との間に被包装品が保持され、
前記セロファンフィルムは、被包装品に沿って前記表側台紙の開口部から外側に突出した突出部と、該突出部の周辺部に形成されたフランジ部とからなり、前記フランジ部は、前記表側台紙と裏側台紙とに挟まれて固定されていることを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記突出部は前記被包装品の一部を包装せず、該被包装品の一部が露出していることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記裏側台紙が開口部を有していることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
被包装品を透明樹脂で包装し展示するパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のパッケージは
図13のように、被包装品を収容するブリスター状の収容部が形成された透明なプラスチック製カバーと台紙で構成され、被包装品が収容部に納められて、プラスチック製カバーのフランジ部と台紙とが接着されている。
図13では釣り糸が包装されている。
【0003】
特許文献1のブリスターパックによれば、収納部にプラスチック製カバーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ブリスターパックのプラスチック製カバーを製造するにも金型製造や真空成型といった工程を必要とする欠点がある、また廃棄する際、紙とプラスチックに分別する必要がある。
【0006】
上記ブリスターパックのプラスチック製カバーが自然界に投棄された場合、長年にわたりプラスチックごみとして自然界に有り続けることとなる。
【0007】
本発明はプラスチックを使わないパッケージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、中央に開口部を有した表側台紙と、該表側台紙と合わさる裏側台紙と、前記表側台紙と裏側台紙とに挟まれたセロファンフィルムとを備え、前記セロファンフィルムと裏側台紙との間に被包装品が保持され、前記セロファンフィルムは、被包装品に沿って前記表側台紙の開口部から外側に突出した突出部と、該突出部の周辺に形成されたフランジ部とからなり、前記フランジ部は、前記表側台紙と裏側台紙とに挟まれて固定されていることを特徴とするパッケージに関する。
【0009】
請求項2に関する発明は、前記突出部は前記被包装品の一部を包装せず、該被包装品の一部が露出していることを特徴とする請求項1に記載のパッケージに関する。
【0010】
請求項3に関する発明は、前記裏側台紙が開口部を有していることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載のパッケージに関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明において、プラスチックを使わず視認性の高いパッケージを提供できる。
【0012】
治具6(
図4参照)を使うことで表台紙の裏側からセロファンフィルムを通して被包装品を手で押し込むだけで容易に被包装品を包み込むことができるため、プラスチック成型品を必要としないので金型製作や真空成型の加工が不要となり大幅なコスト削減ができる。
【0013】
商品包装材料をセロファンフィルムと治具6使用することで、プラスチックを使わないパッケージが製作できる。
セロファン素材はパルプが原料で作られており生分解性があり水と二酸化炭素にまで完全に生分解される特徴があり、海洋プラスチックゴミの問題やプラスチックによる環境負荷の大幅な削減が望まれる。
【0014】
セロファンパッケージは包装された商品を直接見ることができ、薄く柔らかいので商品の質感を購入者にとって確認しやすいという長所がある、また商品に直接触れられないため埃やウイルス、手垢などの汚れが生じることを防止することができるという長所のほか、台紙に商品に関する情報やデザインが印刷することができること、セロファンパッケージを吊り下げて陳列することができるので商品の販売スペースが少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図7】柔らかい被包装品を包装する際の押し込み治具を使用する斜視図である。
【
図8】柔らかい被包装品を包装する際の押し込み治具を使用後の斜視図である。
【
図13】現在のブリスターパッケージの写真である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0016】
【0017】
本発明のパッケージ100の実施形態について説明する。
図2,3に本発明のパッケージ100の構造を示す。
図2(a)は表側台紙1と裏側台紙2の接合前、(b)は表側台紙1と裏側台紙2の接合後を示す。
パッケージ100は、中央に開口部3を有した表側台紙1と、表側台紙1と合わさる裏側台紙2と、表側台紙1と裏側台紙2とに挟まれたセロファンフィルム10とを備えている。
セロファンフィルム10と裏側台紙2との間に被包装品4が保持され、セロファンフィルム10は、被包装品4に沿って表側台紙1の開口部3から外側に突出した突出部10aと、突出部10aの周辺に形成されたフランジ部5とからなる。フランジ部5は、表側台紙1と裏側台紙2とに挟まれて固定されている。
セロファンフィルム10で被包装品4を包むことによって、セロファンフィルム10の突出部10aの側面、及びフランジ部5は、絞られて周方向に折り重なっている。
表側台紙1と裏側台紙2とは、接着剤や熱圧着によって接合されている。
【0018】
(
図2参照)表側台紙1、裏側台紙2、セロファンフィルム10、突出部10aの周辺のフランジ部5の相互位置関係を示す図である。台紙は表側台紙1、裏側台紙2とも同じ大きさであり、セロファンフィルム10に包まれた被包装品4が表側台紙1の開口部3に通され、外側に突出した突出部10aが形成される。表側台紙1と裏側台紙2の対面する面の間に、突出部10aの周辺のフランジ部5が挟まれる。台紙の重なった面が接合され、セロファンフィルムの突出部10aの周辺のフランジ部5が表側台紙1と裏側台紙2の接着剤により確実に接合されている。
【0019】
図2のように裏側台紙2に、被包装品4と重なる領域にミシン目13を設けることで開封することが容易となる。
【0020】
接着剤としてエステル類、芳香族炭化水素類、塩ビ酢ビ共重合樹脂などを使用して接着する場合セロファンフィルム抜け落ちを防止するため表側台紙と裏側台紙の対面する面は全面接着面とする。
【0021】
パッケージ100の製造方法について説明する。(
図4~6参照)
表台紙1と裏台紙2の対面する面全域に接着層が形成されており、治具6に表側台紙1とセロファンフィルム10を位置決めガイドピン9の内側に重ねて配置し、被包装品4を表側台紙の開口部3と治具開口部7の上からセロファンフィルム10を重ね押し込むことで、セロファンフィルム10に包まれた被包装品4を表側台紙1の開口部3から外側に突出させ、セロファンフィルムの突出部10aを形成し、裏側台紙2と対面する面には、突出部10aの周辺のフランジ部5が絞られて形成される。そのフランジ部5を平らに整えた後、裏側台紙2を被せ接着することによりセロファンフィルムの突出部10aの周辺のフランジ部5と表側台紙1と裏側台紙2とが接着されることで一体化されたパッケージとなる。
【0022】
柔らかい被包装品を包装する場合の方法を説明する。(
図7,8参照)
柔らかい被包装品を包装する場合、治具6に被包装品を直接押し込む際、被包装品が柔らかく均等にフィルムを沿わせることが難しくなる場合がある。その場合被包装品とほぼ同じ大きさの硬度のある押し込み治具11で先にフィルムを治具6に押し込み、
図8の突出部10aと突出部10aの周辺にできるフランジ部5を形成する。
その後被包装品を突出部10aに収容し表側台紙1と裏側台紙2が接着されることによりフランジ部5が固定され一体化したパッケージとなる。
【0023】
図9に本発明の治具の構造を示す。
本発明で使用する治具6は、木、金属、樹脂製であり、位置決めガイド9と耐熱板8とを備えている。耐熱板8は熱圧着の際、加熱により治具の変形や損傷を防止するために用いる。
治具6にはセロファンフィルム10に包まれた被包装品4を押し込むための治具開口部7が設けられている。治具開口部7は被包装品4を定められた位置に固定できるように形成されている。また治具開口部7の深さは、被包装品4と表側台紙1との厚みを考慮した深さとなっている。
治具6には表側台紙1と裏側台紙2を正確な位置に配置できるよう位置決めガイド9を備えている。位置決めガイド9は平常時は治具6上面に突出しているが、圧着時に治具本体に埋没する可動式となっている。
また治具6は、耐熱板8を備えている。耐熱板にはベークライト、金属、樹脂、木などが使われているが材質は特定しない。
開口部3を有した表側台紙1と裏側台紙2とに挟まれたセロファンフィルム10とを備えることにより、被包装品4全体をカバーしなくとも、被包装品4の形状を利用することで、部分的なパッケージが可能となる。
セロファンフィルム10と裏側台紙2との間に被包装品4が保持され、セロファンフィルム10は、被包装品4の固定する部分にのみ被包装品4に沿って表側台紙1の開口部3から外側に突出した10aと、突出部10aの周辺に形成されたフランジ部5とからなる。フランジ部5は、表側台紙1と裏側台紙2との間に挟まれて固定されている。
表側台紙1と裏側台紙2とは、接着剤や熱圧着によって接合されている。