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  • 特開-防音マイクシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155099
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】防音マイクシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20231013BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20231013BHJP
   H04R 1/12 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G10K11/16 150
H04R1/00 328Z
H04R1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022071947
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】512284228
【氏名又は名称】木島 太郎
(71)【出願人】
【識別番号】509172376
【氏名又は名称】株式会社アリア
(71)【出願人】
【識別番号】521461591
【氏名又は名称】一般社団法人パワーコーラス協会
(72)【発明者】
【氏名】木島 太郎
【テーマコード(参考)】
5D017
5D061
【Fターム(参考)】
5D017BB16
5D061AA04
5D061AA06
5D061CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自然な発声、会話ができて、なおかつ居住空間、公共空間及び野外でも周囲を気にせず、また騒音の発生する場所でも使用できる防音マイクシステムを提供する。
【解決手段】防音マイクシステム1において、口を動かし音声を発生可能なように、弾性体又は硬質の材料で空間を形成した少なくとも口を覆うための適宜な固定部材を有するマスク本体2と、マスク本体内に外部機器11に接続可能なマイク3を設ける。マスク本体の空間には、外部と空気の流れる空気通路5に消音器4を介在させることで、自然な会話又は歌唱ができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口を動かし音声を発生可能なように、弾性体又は硬質の材料で空間を形成した少なくとも口を覆うための適宜な固定部材を有するマスク本体と、このマスク本体内に外部装置に接続可能なマイクを設け、さらにマスク本体の空間は外部と空気の流れる通路に消音器を介在させて、自然な会話又は歌唱ができるようにしたことを特徴とする防音マイクシステム。
【請求項2】
前記少なくとも口を覆うマスク本体の密着部分は、少なくともゴム又は樹脂などの弾性体で構成してなることを特徴とする前記請求項1記載の防音マイクシステム。
【請求項3】
前記マスク本体の外部と空気の流れる通路の適宜位置に埃や細菌を防止するフィルタを介在させたことを特徴とする前記請求項1乃至2記載の防音マイクシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、声楽練習やカラオケ、あるいは外でのネットワーク会議や電話などに適した防音マイクシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイレント楽器と称して、電子回路との組み合わせによる防音タイプのピアノ、ベルにミュートを付加したトランペット、楽器全体を覆うサックス、など楽器については多数提案されているが、ボーカルについては、商用化がほとんどなされておらず、例えば、数少ない事例として、特許文献1に示されるようなものが提案されている。
【0003】
この特許文献1では、(図8参照)マイクの集音部に取り付けて用いるマイクカバー51を設けたものが提案されている。この構造は、弾性を有する略円筒状のフード部52と、フード部の一端におけるマイク側開口部をマイクに密着して固定するマイク密着体53とから成り、フード部52の内面には吸音を行うための消音ウレタン63を貼着し、フード部52の他端における口側開口部41を使用者の口に押圧して該フード部の内部で発声するように構成されている。
【0004】
しかしながらこれは、あらかじめ所有するマイクを、マイクの周囲に嵌合させるマイク密着体53を介して、マイクの頭部(集音部)をフード部52内に固定させて使用できる点で歓迎されるが、密閉されたフード部52内で、声を出すと、空気の抜け道がないため、少なくとも口のみで鼻を覆って歌うものではない。しかも、この技術では、声を出すと内圧が増し自然な声にならず声がこもってしまい、フード部52を使用者の口に押圧すると言っても、実際の使用では、隙間をつくらないと歌うことが事実上難しく大きな声も出せなかった。
【0005】
そこで、すなわち特許文献1では、声は口からだけではなく、鼻からの音も必要であるのだが、その点の考慮にかけていた。しかしこの特許文献1より以前に、特許文献2の技術として、口を覆う漏斗状集収音装置の中に口腔用マイクホン4を配置し、さらに使用者が口膣から声を発したとき空気が抜けるテール管15を設けているものが開示されている。また、鼻からの音については、漏斗の外部に設けた鼻用マイクロホン3で集音している技術が開示されている。
【0006】
この特許文献2による事例では、空気の抜け道がある点で、発声がしやすく、より自然な音声が得られ、なおかつ消音性にも優れている。このように特許文献2では、わざわざ漏斗の外側の鼻用マイクロホン3と、漏斗の内側の口腔用マイクホン4で別々に集音を行っている。鼻と口からの集音をミックスした集音ではないため自然な発声でないことが感じられるため練習用としても不満が残るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3230078号公報
【特許文献2】特開2002-244665号公報
【特許文献3】特願2021-172724号
【特許文献4】特願2021-200424号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
このようにマイクについては、普段使い慣れている手持ちのハンドヘルド型のマイクを使うことで、普段の音特性からも、練習用としても意義があるため、特許文献2で示されたものも改良の余地が残る。
【0008】
本発明は、使用者の口に押圧して密閉された空間で発生するのではなく、また普段慣れているハンドヘルド型マイクで練習ができる防音マイクシステムの研究から、自然な発声ができて、なおかつ居住空間でも隣近所を気にせず使用できる防音マイクシステムを提供することを目的とした発明をすでに出願している(特許文献3、4)。
【0009】
つまり本書図3に示すように、一般的には、イヤホンマイクや、ピンマイクなどを持って、歌唱、会話を行うにしても、特に居住空間外では、いろいろな音声を拾ってしまい、また、隣近所が気になり、ネットワーク会議や電話などでの使用例でも使い勝手の悪いものであった。
【0010】
カラオケや声楽練習にはハンドヘルド型のマイクを持ってするには良いが、特に、外でのネットワーク会議や電話などでの使い勝手の点で問題が残る。つまり、外でのネットワーク会議や電話などでは、資料を見たり、移動しながらの場合は、フリーハンドであることが望ましい。本発明は、このように、カラオケや声楽練習だけでなく、外でのネットワーク会議や電話など、そしてさらには、それらを移動しながらであっても、使い勝手の良い防音マイクシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の防音マイクシステムは、口を動かし音声を発生可能なように、弾性体又は硬質の材料で空間を形成した少なくとも口を覆うための適宜な固定部材を有するマスク本体と、このマスク本体内に外部装置に接続可能なマイクを設け、さらにマスク本体の空間は外部と空気の流れる通路に消音器を介在させて、自然な会話又は歌唱ができるようにしたものである。
【0012】
また、防音マイクシステムの実施例として、少なくとも口を覆うマスク本体の密着部分は、少なくともゴム又は樹脂などの弾性体で構成してなるようにしたものである。
【0013】
さらに、防音マイクシステムの実施例として、前記マスク本体の外部と空気の流れる通路の適宜位置に埃や細菌を防止するフィルタを介在させ医療用、健康用のマスクとしても使用できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の防音マイクシステムの側面断面説明図。
図2】本発明の防音マイクシステムの使用状態の側面断面説明図。
図3】従来のマイクシステムの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願出願を説明する前に、前述した通り本願出願人がすでに出願しており、小型マイクを使用することで、フリーハンドで会話や歌唱ができるようにしたものである。
【0016】
次に図1に基づいて本発明の防音マイクシステム1を詳細に説明する。防音マイクシステム1は、口を動かし音声を発生可能なように、弾性体又は硬質の材料で空間を形成した少なくとも口を覆うための適宜な固定部材を有するマスク本体2が形成される。このマスク本体2の内部には、外部装置に接続可能なマイク3を設け、さらにマスク本体2の空間は外部と空気の流れる空気通路5に消音器4を介在させて、自然な会話又は歌唱ができるようになっている。
【0017】
本実施例では、口と鼻を覆えるようにしてなるものであり、呼吸も会話も、歌唱も楽に行える空気通路5があるのが特徴である。また、少なくとも口を覆うマスク本体2の密着部分6は、少なくともゴム又は樹脂などの弾性体で構成して密着性を高めている。
【0018】
マスク本体2の密着部分6以外の部分は、軽量化を考慮して、密着部分6より固めの樹脂、又は紙製でも良い。金属を採用する場合はアルミ程度なら耐えうるものと思われる。
【0019】
前記マスク本体2の外部と空気の流れる通路の適宜位置に埃や細菌を防止するフィルタを介在させたことで、前述したように埃や細菌を防止し医療用、健康用のマスクとしても可能であると思われる。フィルタは、一般的な医療用のマスクのフィルタの材質から選択すればよい。マスク本体2への取り付けは、空気通路5を遮るように、横から摺動させて取り付けられるようになっている。
【0020】
9は、マスク本体2内部のマイク3の接続部であり、イヤホーン10の信号とともに外部機器10へ配線により信号を送れるようになっている。もちろん実施例によりマイク3の信号は、Bluetooth(登録商標)等無線により外部機器に接続できるようにしても良い。
【0021】
消音器4は、自動車やバイクなどのように内部に入れ子になった壁が多数配置され、空気は無理なく出入り可能なようになりつつ、音を吸収するようになっている従来公知のものを採用することができる。
【0022】
耳掛け部8は、通常のマスクのように弾力性のあるゴムや繊維などで耳にかけるように構成するほかか、メガネのように多少硬質の耳掛け部であっても良く、その場合は、顔への密着性を高めるために後頭部へ回せるゴムバンドのようなものを補助的に配置しても良い。
【0023】
このようにして提供されるマスク型の防音マイクシステム1によれば、家での歌唱だけでなく、外部でネットワーク会議や電話などでの使用例でも非常に使い勝手の良いものになり、しかも移動中でも安全に話ができ、さらに外部の音を拾わないように工夫されているので、需要が増加するものと思われる。
【符号の説明】
【0024】
1…防音マイクシステム
2…マスク本体
3…マイク
4…消音器
5…空気通路
6…密着部
7…フィルタ
8…耳掛け部
9…接続部
10…イヤホーン
11…外部機器
図1
図2
図3