(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155105
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】頭部冷却用具、及び、頭部冷却用具の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 7/10 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
A61F7/10 300A
【審査請求】未請求
【請求項の数】55
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022077791
(22)【出願日】2022-04-08
(71)【出願人】
【識別番号】390011017
【氏名又は名称】ダイヤ製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517277030
【氏名又は名称】金橋ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】守金 眞滋
(72)【発明者】
【氏名】守金 大蔵
(72)【発明者】
【氏名】平井 純子
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA03
4C099GA01
4C099LA23
4C099NA09
(57)【要約】
【課題】人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の頭部冷却用具から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部を効率よく冷却すると共に長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する頭部冷却用具を提供。
【解決手段】伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備えてなる頭部を覆って装着可能な表面部材2と、表面部材2の内面側に設置された冷却媒体3とを備え、人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材2と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、
人体頭部を覆って装着可能な表面部材(2)と、
前記表面部材(2)の内面側に設置された冷却媒体(3)と、
を備え、
前記表面部材(2)は、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性表面部材(2a)を構成し、
人体頭部を覆って装着された時に、前記冷却媒体(3)が前記表面部材(2)と人体頭部との間に位置し、
該人体頭部を冷却可能に構成されてなることを特徴とする頭部冷却用具。
【請求項2】
前記断熱性表面部材(2a)は、
少なくとも、
(i)発泡プラスチック素材と、
(ii)断熱性不織布素材と、
(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、
及び/又は、
(iv)金属箔素材と、
(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、
(vi)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、
のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、
及び/又は、
(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、
及び/又は、
(x)約0.3mm厚以上のフェルト素材と、
(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ素材と、
(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布素材と、
(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、
(xiv)約0.3mm厚以上の毛糸により調製された肉厚毛糸製織布材と、
のうちの少なくとも一つの断熱性布素材、
を有する素材を構成した断熱性表面部材(2a)を備え、
前記断熱性表面部材(2a)は、前記冷却媒体(3)に起因する冷気が前記表面部材(2)の表面側に逃げることを抑制する機能を奏する、
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部冷却用具。
【請求項3】
前記表面部材(2)は、少なくとも、略半円球中空形状に加工形成されてなるプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、
前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、略半円球中空形状を維持する形状保形性を有する形状に形成されてなり、
前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、
ポリスチレン製発泡成形材、ポリプロピレン製発泡成形材、ポリアクリル製発泡成形材、ポリウレタン製発泡成形材、ユリア樹脂製発泡成形材、ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材、ポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、エチレンモノマと他のビニルモノマとの共重合されたポリエチレン共重合体製発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、天然ゴム製発泡成形材、ニトリルゴム製発泡成形材、ニトリル・ブタジエンゴム製発泡成形材、クロロプレンゴム製発泡成形材、シリコンゴム製発泡成形材、エチレン・プロピレンゴム製発泡成形材、ポリ塩化ビニル製発泡成形材、及び、ポリビニルアルコール製発泡成形材、からなる群から選ばれる少なくとも一つのプラスチック製発泡成形材である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の頭部冷却用具。
【請求項4】
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状を有し、
前記表面部材(2)は、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向に縮小可能になる程度の伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有して、形成されてなる、
ことを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項5】
前記表面部材(2)は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、
前記表面部材(2)は、
人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は略半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は略半円球中空形状の面方向に縮小可能に形成されてなる、
ことを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項6】
前記表面部材(2)は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、
伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有する前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、
ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材、ポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、エチレンモノマと他のビニルモノマとの共重合されたポリエチレン共重合体製発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、天然ゴム製発泡成形材、ニトリルゴム製発泡成形材、ニトリル・ブタジエンゴム製発泡成形材、クロロプレンゴム製発泡成形材、シリコンゴム製発泡成形材、エチレン・プロピレンゴム製発泡成形材、ポリ塩化ビニル製発泡成形材、ポリビニルアルコール製発泡成形材、ポリプロピレン製発泡成形材、ポリウレタン製発泡成形材、ポリアクリル製発泡成形材、エチレンプロピレンジエンゴム製発泡成形材、及び、エステル系エラストマ発泡成形材からなる群から選ばれる少なくとも一つのプラスチック製発泡成形材である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項7】
前記表面部材(2)は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、
前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、
ポリエチレンを主成分とするポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、及び、エチレンと他のビニルモノマとの共重合ポリマであるポリエチレン共重合体製発泡成形材のうちの少なくとも一つのポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項8】
前記表面部材(2)は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、
前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、シリコンゴム製発泡成形材である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項9】
前記プラスチック製発泡成形材(2b)は、
JISA1412測定法における熱伝導率が0.1W/mK以下、及び/又は、
JISK6767測定法における見かけ密度が0.7g/cm3以下、及び/又は、
デュロメータ-硬度計、SRIS0101/ASKER-Cタイプ測定法における表面硬度が70度以下、の性質を有してなる、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項10】
前記表面部材(2)は、該表面部材(2)の略半円球中空形状の開口部周囲領域の内面側に形成された表面部材開口部周囲突出枠部(21)を有し、
これにより、前記表面部材(2)は、該表面部材(2)と前記表面部材開口部周囲突出枠部(21)とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部を形成し、
前記冷却媒体(3)が前記表面部材内面凹部の中に設置されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項11】
前記冷却媒体(3)は、
冷媒(31)が柔軟性を有する密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
前記密封冷却媒体は、
(a)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器(32)に充填されてなる冷媒密封冷却媒体、
(b)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)をプラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密封容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体、
及び、
(c)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)を不織布製基材及び/又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる布製基材冷媒含浸密封冷却媒体、
のうちの少なくとも一つの密封冷却媒体であり、
前記密封冷却媒体(3)が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面側に設置されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項12】
前記冷却媒体(3)は、冷媒(31)が柔軟性を有する密封容器(32)に充填された繰返型密封冷却媒体の形態で構成され、
前記繰返型密封冷却媒体は、
(a)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器(32)に充填されてなる冷媒密封冷却媒体、
(b)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)をプラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密封容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体、
及び、
(c)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)を不織布製基材及び/又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる布製基材冷媒含浸密封冷却媒体、
のうちの少なくとも一つの繰返型密封冷却媒体であり、
前記繰返型密封冷却媒体(3)が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面側に設置されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項13】
前記冷却媒体(3)は、冷媒(31)が密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
前記密封冷却媒体は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有する形態で構成され、
前記密封冷却媒体は、前記複数個分割連結密封冷却媒体が互いに連結されてなる少なくとも一つの冷却媒体連結部を有し、該冷却媒体連結部において、前記密封冷却媒体が屈曲自在に連結されてなり、
それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致する形状に組み立て形成可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項11または12に記載の頭部冷却用具。
【請求項14】
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
前記冷却媒体(3)が、略半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、
人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体が、該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項15】
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
前記冷却媒体(3)は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒(31)が密封容器(32)に充填された繰返型密封冷却媒体の形態で構成され、
前記繰返型密封冷却媒体が冷却された状態において、前記繰返型密封冷却媒体が、略半円球中空形状の前記表面部材内面の形状に一致する略相似形状を有する略半円球中空形状の形態に形成可能に形成されてなり、
前記繰返型密封冷却媒体が、略半円球中空形状の表面部材内面の側の頭頂領域と側頭周囲領域を含む所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、
人体頭部に装着された時に、前記繰返型密封冷却媒体が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項16】
前記冷却媒体(3)は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体(3)、の形態で構成され、
前記繰返型密封冷却媒体(3)は、
(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、
及び/又は、
(ii)前記繰返型密封冷却媒体(3)は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、
の形態を備え、
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
前記繰返型密封冷却媒体(3)が、略半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、
これにより、人体頭部に装着された時に、前記繰返型密封冷却媒体(3)が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項17】
前記冷却媒体(3)は、人体頭部の形状に略一致して冷却されてなる略半円球中空形状を有すると共に該略半円球中空形状を維持できる程度の形状維持性を有し、
人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体(3)が、該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至16いずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項18】
前記冷却媒体(3)は、約0℃以下において形状を維持できる程度の固形状を有し、0℃から昇温するに従って形状を維持できる程度の半固形状になり、更に昇温した約25℃以上において流動形状に変化する性質を有し、
前記冷却媒体(3)は、人体頭部及び/又は前記表面部材内面の形状に略一致する略半円球中空形状を有する略0℃以下に冷却されてなると共に略半円球中空形状を有する形態で人体頭部に装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項17に記載の頭部冷却用具。
【請求項19】
前記冷却媒体(3)は、
(d-i)小片状の氷材及び/又は低温水を、袋状容器に充填してなる氷及び/又は低温水含有冷却媒体、
及び/又は、
(d-ii)低温水を布に含浸した低温水含浸布製冷却媒体、又は、水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布製冷却媒体、
及び/又は、
(d-iii)水とアルコール及び/又は多価アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液と小片状の氷材を、袋状容器に充填してなる氷アルコール水含有冷却材、
及び/又は、
(d-iv)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を、布基材に含浸してなる冷媒含浸布製冷却媒体、又は、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含浸した布を低温に冷却してなる媒含浸布製冷却媒体、
及び/又は、
(d-v)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を、連続多孔質気泡を有するプラスチック発泡基材に含浸してなる冷媒含浸プラスチック発泡冷却媒体、又は、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含浸したプラスチック発泡基材を低温に冷却してなる冷媒含浸プラスチック発泡冷却媒体、
及び/又は、
(d-vi)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを、布基材に含浸してなる冷媒が、袋状容器に充填されて、低温に冷却してなる冷媒含浸布製冷却材媒体、
及び/又は、
(d-vii)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを、プラスチック発泡基材に含浸してなる冷媒が、袋状容器に充填されて、低温に冷却してなる冷媒含浸布製冷却材媒体、
及び/又は、
(e)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填されてなる外部衝撃冷却密封冷却媒体、
を含有し、
前記冷却媒体(3)が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面側に設置されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項20】
前記冷却媒体(3)は、前記表面部材の内面側に、取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項21】
さらに、前記冷却媒体(3)を収納する冷却媒体収納袋(6)を備え、
前記冷却媒体収納袋(6)は、人体頭部を覆って装着した時に人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に一致して変形可能な柔軟性を有し、
前記冷却媒体(3)は前記冷却媒体収納袋(6)の中に設置されてなり、
前記冷却媒体(3)を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、前記表面部材の内面側に設置され、
前記冷却媒体(3)を収納した前記冷却媒体収納袋(6)が、人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体(3)の人体頭部及び/又は前記表面部材(2)からの脱落が抑制されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項22】
前記冷却媒体収納袋(6)は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部と、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、前記収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有し、
前記冷却媒体(3)は複数の冷却媒体を有し、
前記複数の複数個分割連結収納部のうちのそれぞれの複数個分割連結収納部の中に、前記複数の冷却媒体のうちのそれぞれの冷却媒体(3)が設置されてなる、
ことを特徴とする請求項21に記載の頭部冷却用具。
【請求項23】
前記冷却媒体(3)は、冷媒(31)が密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
前記密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、前記冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、
前記密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致する略半円球中空形状に組み立て形成可能であり、
前記冷却媒体収納袋(6)の中に前記密封冷却媒体(3)が収納され、
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
前記密封冷却媒体(3)を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、略半円球中空形状の表面部材内面の側の領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置されてなる、
ことを特徴とする請求項21または22に記載の頭部冷却用具。
【請求項24】
前記冷却媒体を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有し、
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
(i)前記密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、前記冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、
及び/又は、
(ii)前記密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
前記密封冷却媒体を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、略半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、
人体頭部に装着された時に、前記密封冷却媒体が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項21乃至23のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項25】
前記冷却媒体収納袋(6)は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有し、
前記冷却媒体(3)は複数の冷却媒体を有し、
該複数の冷却媒体のそれぞれの冷却媒体は、冷却媒体冷媒(31)が密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
(i)前記密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒 体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割 連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、前記冷却 媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形 態を有し、
及び/又は、
(ii)前記密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形 態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
前記複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の複数個分割連結収納部の中に、前記複数個分割連結密封冷却媒体が収納され、
前記複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の複数個分割連結収納部の中に単一密封冷却媒体が収納され、
前記冷却媒体(3)を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有し、
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、
前記密封冷却媒体を収納した前記冷却媒体収納袋(6)は、略半円球中空形状の表面部材内面の側に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、
人体頭部に装着された時に、前記密封冷却媒体を収納してなる前記冷却媒体収納袋(6)が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項21に記載の頭部冷却用具。
【請求項26】
前記冷却媒体(3)は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、
前記冷却媒体(3)は、前記冷却媒体収納袋(6)の中に、取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる、
ことを特徴とする請求項21乃至25のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項27】
さらに、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる冷却媒体収納保持用内面部材(4)を備え、
前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)は、前記冷却媒体(3)が前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)と前記表面部材(2)との間に位置する形態で、構成されてなり、
前記冷却媒体(3)は、人体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、前記冷却媒体(3)の人体頭部からの脱落が抑制されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項28】
さらに、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる冷却媒体収納保持用内面部材(4)を備え、
前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)は、前記冷却媒体(3)を収納してなる前記冷却媒体収納袋(6)が該冷却媒体収納保持用内面部材(4)と前記表面部材(2)との間に位置する形態で、構成されてなり、
前記冷却媒体(3)は、人体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、前記冷却媒体(3)の人体頭部からの脱落が抑制されてなる、
ことを特徴とする請求項21乃至26のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項29】
前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)は、人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に一致して変形可能な柔軟性シート状冷却媒体収納保持用内面部材(41)を構成し、
前記柔軟性シート状冷却媒体収納保持用内面部材(41)と前記表面部材(2)とにより囲まれて、表面部材内面部材冷却媒体収納部を形成し、
前記冷却媒体(3)が前記表面部材内面部材冷却媒体収納部に設置されてなり、
人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体(3)が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、前記冷却媒体(3)の人体頭部からの脱落が抑制されてなる、
ことを特徴とする請求項27または28に記載の頭部冷却用具。
【請求項30】
前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)は、前記表面部材の内面の形状に相似するとともに、略半円球中空形状を維持できる形態を有する軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材(42)を有し、
前記軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材(42)は、弾性ゴム製プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材、及び/又は、軟質合成プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材を有してなる、
ことを特徴とする請求項27または28に記載の頭部冷却用具。
【請求項31】
さらに、前記冷却媒体を覆って装着可能な冷却媒体頭部保持用内面部材(5)を備え、
前記冷却媒体は人体頭部側に設置され、
前記冷却媒体頭部保持用内面部材(5)は、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部側に設置された前記冷却媒体と前記表面部材(2)との間に位置する形態で構成され、
人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体(3)が人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、前記冷却媒体頭部保持用内面部材(5)及び/又は前記表面部材(2)が前記冷却媒体(3)を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項32】
さらに、前記冷却媒体(3)を収納してなる前記冷却媒体収納袋(6)を覆って装着可能な冷却媒体頭部保持用内面部材(5)を備え、
前記冷却媒体(3)を収納してなる前記冷却媒体収納袋(6)は人体頭部側に設置され、
前記冷却媒体頭部保持用内面部材(5)は、人体頭部を覆って装着した時に、
人体頭部側に設置された前記冷却媒体(3)を収納してなる前記冷却媒体収納袋(6)と前記表面部材(2)との間に位置する形態で構成され、
人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体(3)が人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、前記冷却媒体頭部保持用内面部材(5)及び/又は前記表面部材(2)が前記冷却媒体(3)を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項21乃至26のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項33】
前記冷却媒体収納保持用内面部材(4)又は前記冷却媒体頭部保持用内面部材(5)は、
(イ)メッシュ状、及び/又は、網目状、及び/又は、ラッセル状、及び/又は、ダブルラッセル状の通気性を有する通気性シート状素材、
(ロ)不織布繊維から形成されてなる不織布繊維製シート状素材、
(ハ)織布繊維から形成されてなる織布繊維製シート状素材、
(ニ)伸縮可能な伸縮性布材から形成されてなる伸縮性布材製シート状素材、
(ホ)プラスチック製フィルムシート状素材、
(ヘ)ゴム弾性を有するゴム製シート状素材、
(ト)シート状基材に金属蒸着薄膜を形成した金属薄膜付シート状素材、
(チ)繊維製シート状素材に金属箔シートを積層形成してなる金属箔積層シート状素材、
(リ)プラスチック製フィルムシート状素材に金属箔シートを積層形成してなる金属箔積層シート状素材、
(ヌ)繊維製シート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる金属蒸着膜含有シート状素材、
(ル)プラスチック製フィルムシート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる金属蒸着膜含有シート状素材、
(オ)金属箔製シート状素材、
(ワ)織布製シート素材、不織布製シート素材、プラスチックフィルム製シート素材、及び/又は、ゴム製シート素材であって、伸縮性を有する伸縮性シート状素材、
(カ)織布製シート素材、不織布製シート素材、及び/又は、プラスチックフィルム製シート素材であって、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成シート状素材、
及び、
(ヨ)プラスチックフィルム製シート、不織布製シート、布製シート、金属箔、金属薄膜付着素材プラスチックフィルム製シート、及び、金属薄膜付着不織布製シートのうちの少なくとも2つ以上を積層してなる積層シート状素材、
からなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状素材を有してなる、
ことを特徴とする請求項27乃至32のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項34】
前記冷却媒体(3)は取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる、
ことを特徴とする請求項27乃至33のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項35】
さらに、
前記冷却媒体(3)の内面側であって、人体頭部側に、取付け取り外し可能に設置されて構成されてなる頭部側内面部材(7)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至34のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項36】
前記頭部側内面部材(7)は、
(a)頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材(71)を備え、
前記頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材(71)は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟質連続気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状保湿剤保持素材に頭髪保湿剤を保持含有してなる形態を有するシート状の保湿剤保持含有頭部側内面部材(71)を有してなり、
人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項35に記載の頭部冷却用具。
【請求項37】
前記頭部側内面部材(7)は、(a)頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材(71)を備え、
前記頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材(71)は、シート状保湿剤保持素材に頭髪保湿剤を保持含有してなる形態を有してなり、
前記シート状保湿剤保持素材は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟質連続気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状保湿剤保持素材を有し、
前記頭髪保湿剤は、水、アルコール、多価アルコール、含水水溶性高分子、含水ゼラチン、及び、ゲル状含水高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの頭髪保湿剤を有してなり、
人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項35に記載の頭部冷却用具。
【請求項38】
前記頭部側内面部材(7)は、(b)水分吸収性頭部側内面部材(72)を備え、
前記水分吸収性頭部側内面部材(72)は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟質連続気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つの水分を吸収する性質を有するシート状水分吸収性頭部側内面部材(72)を有してなる、
ことを特徴とする請求項35に記載の頭部冷却用具。
【請求項39】
前記頭部側内面部材(7)は、(c)頭髪押圧用頭部側内面部材(73)を備え、
前記頭髪押圧用頭部側内面部材(73)は、
(イ)メッシュ状、及び/又は、網目状、及び/又は、ラッセル状、及び/又は、ダブル ラッセル状の通気性を有する通気性シート状素材、
(ロ)不織布繊維から形成されてなる不織布繊維製シート状素材、
(ハ)織布繊維から形成されてなる織布繊維製シート状素材、
(ニ)伸縮可能な伸縮性布材から形成されてなる伸縮性布材製シート状素材、
(ホ)プラスチック製フィルムシート状素材、
(ヘ)ゴム弾性を有するゴム製シート状素材、
(ト)シート状基材に金属蒸着薄膜を形成した金属薄膜付シート状素材、
(チ)繊維製シート状素材に金属箔シートを積層形成してなる繊維製シート金属箔積層シ ート状素材、
(リ)プラスチック製フィルムシート状素材に金属箔シートを積層形成してなるフィルム シート金属箔積層シート状素材、
(ヌ)繊維製シート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる繊維製シート金属蒸着膜含有シ ート状素材、
(ル)プラスチック製フィルムシート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなるフィルムシー ト金属蒸着膜含有シート状素材、
(オ)金属箔製シート状素材、
(ワ)織布製シート素材、不織布製シート素材、プラスチックフィルム製シート素材、及 び/又は、ゴム製シート素材であって、伸縮性を有する伸縮性シート状素材、
(カ)織布製シート素材、不織布製シート素材、及び/又は、プラスチックフィルム製シ ート素材であって、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微 小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成シー ト状素材、
及び、
(ヨ)プラスチックフィルム製シート、不織布製シート、布製シート、金属箔、金属薄膜 付着素材プラスチックフィルム製シート、及び、金属薄膜付着不織布製シートのう ちの少なくとも2つ以上を積層してなる積層シート状素材、
からなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状素材を有してなり、
人体頭部に装着された時に、人体頭髪を押圧可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項35に記載の頭部冷却用具。
【請求項40】
前記頭部側内面部材(7)と前記表面部材(2)と前記冷却媒体(3)とは互いに接合されることなく別体で構成され、
前記頭部側内面部材(7)が人体頭部を覆って装着可能に形成され、
該人体頭部を覆って装着された前記頭部側内面部材(7)を覆って前記冷却媒体(3)が装着可能に形成され、
前記冷却媒体(3)を覆って前記表面部材(2)が装着可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項35乃至39のいずれかに記載の頭部冷却用前記表面部材。
【請求項41】
さらに、
前記冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制用頭部側内面部材(8)を備え、
前記過冷抑制用頭部側内面部材(8)は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに、前記冷却媒体から人体頭部に達する冷気を抑制可能に形成されてなり、
前記過冷抑制用頭部側内面部材(8)は、冷気の伝達を抑制する機能を奏する過冷抑制用冷気遮断性部材(81)を有し、
前記過冷抑制用冷気遮断性部材(81)は、
少なくとも、
(a)断熱性発泡プラスチック素材と、
(b)断熱性不織布素材と、
(c)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、
及び/又は、
(d)金属箔素材と、
(e)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、
(f)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属 薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、
のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材 、
及び/又は、
(g)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
(h)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱 性不織布素材と、
(i)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラス チック素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との 双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、
及び/又は、
(j)繊維により調製されたフェルト素材と、
(k)繊維により調製されたニードルパンチ素材と、
(l)繊維により調製された起毛製布素材と、
(m)繊維により調製された肉厚織布素材と、
のうちの少なくとも一つの断熱性を有する断熱性布素材、
及び/又は、
(n)連続気泡を含有してなるプラスチック製連続気泡シート材、
及び/又は、
(o)独立気泡を含有してなるプラスチック製シート材、
及び/又は、
(p)略半円球中空状に成形加工されてなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材、
及び/又は、
(q)略半円球中空状に成形加工されてなるとともに屈曲可能な程度の柔軟性及び/又 は弾性を有するプラスチック製成形材又はゴム製成形材と、
を備えて形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至34のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項42】
さらに、
前記冷却媒体(3)の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制用頭部側内面部材(8)を備え、
前記過冷抑制用頭部側内面部材(8)は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに、前記冷却媒体から人体頭部に達する冷気を抑制可能に形成されてなり、
前記過冷抑制用頭部側内面部材(8)は、前記冷却媒体(3)と人体頭部との間に空気層を有する空隙を形成可能であり、該空隙により冷気の伝達を抑制する機能を奏する過冷抑制用空隙形成部材(82)を有し、
前記過冷抑制用空隙形成部材(82)は、
(r)網目形状に形成されてなる網目状プラスチック製成形素材、
及び/又は、
(s)柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又 は弾性網目状プラスチック製成形素材、
及び/又は、
(t)プラスチック製発泡成形素材により形成され、柔軟性及び/又は弾性を有するとと もに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製発泡成 形素材、
及び/又は、
(u)不織布により形成され、多数の空隙を有する空隙形成不織布製素材、
及び/又は、
(v)網目形状に形成されてなる網目状肉厚布製形成素材、
及び/又は、
(w)ラッセル状、及び/又は、ダブルラッセル状の貫通孔を有する空隙形成繊維製素材 、
を備えて形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至34のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項43】
更に、前記表面部材(2)を覆って装着可能な略半円球中空形状を有するとともに所望の機能を有する所望機能性表面部材(9)を備え、
前記所望機能性表面部材(9)は、
少なくとも、
(A)所望の外観機能を有する所望外観機能性表面部材(9a)、
(B)所望の断熱性能を有する所望断熱性表面部材(9b)、及び、
(C)破損なく装着可能な機械的強度を有する所望機械的機能性表面部材(9c)、
からなる群から選ばれる少なくとも一つの所望機能性表面部材(9)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至42のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項44】
前記表面部材(2)は、略半円球中空形状を有する前記プラスチック製発泡成形材(2b)に加えて、更に、前記プラスチック製発泡成形材(2b)に積層されてなる第二の断熱性表面部材(2c)を備え、
前記第二の断熱性表面部材(2c)は、
少なくとも、
(i)発泡プラスチック素材と、
(ii)断熱性不織布素材と、
(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、
及び/又は、
(iv)金属箔素材と、
(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、
(vi)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、
のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、
及び/又は、
(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、
のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、
及び/又は、
(x)繊維により編成された織布製素材と、
(xi)短繊維の集合により形成された不織布製布素材と、
(xii)繊維により調製された起毛製布素材と、
(xiii)繊維により調製された肉厚布素材と、
のうちの少なくとも一つの布素材、
を有し、
前記第二の断熱性表面部材(2c)は、前記冷却媒体(3)に起因する冷気が前記表面部材の表面側に逃げることを抑制する機能を奏する、
ことを特徴とする請求項3乃至43のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項45】
前記冷却媒体(3)は、
冷媒(31)が密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
前記密封冷却媒体は、複数個に分割された複数個分割連結密封冷却媒体を有するとともに、
それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、隣り合う複数個分割連結密封冷却媒体の少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体に連結された複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)を有するとともに、一体に形成されてなり、
前記複数個分割連結密封冷却媒体(3)は、
(イ)頭頂部を覆って装着可能な多角形又は円形を有する頭頂部分割連結密封冷却媒体 と、該頭頂部分割連結密封冷却媒体の周縁を4つ以上に分割してなる複数の複数 個分割連結密封冷却媒体連結部(35)を有し、それぞれの複数個分割連結密封 冷却媒体連結部(35)から周囲方向に伸びて形成された周囲分割連結密封冷却 媒体を有し、
又は、
(ロ)頭頂部に複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)を有し、該複数個分割連結 密封冷却媒体連結部(35)から該頭頂部の周囲方向に伸びて形成された複数の 頭頂部周囲分割連結密封冷却媒体を有し、
又は、
(ハ)前頭部から頭頂部を含んで後頭部に伸びて形成された略長方形を有する前頭・頭 頂・後頭分割連結密封冷却媒体と、該前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体の 左側頭部側の中間部に左複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)を有すると ともに該左複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)から左側頭部を覆うよう に形成された左側頭部分割連結密封冷却媒体と、前記前頭・頭頂・後頭分割連結 密封冷却媒体の右側頭部側の中間部に右複数個分割連結密封冷却媒体連結部(3 5)を有するとともに該右複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)から右側 頭部を覆うように形成された右側頭部分割連結密封冷却媒体、を有し、
それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体(3)は、前記複数個分割連結密封冷却媒体連結部(35)において、屈曲自在に連結されてなり、
それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体(3)は、人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能であり、
人体頭部に装着されたときに、前記複数個分割連結密封冷却媒体(3)が頭部全体を覆って形成可能に構成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項46】
前記複数個分割連結密封冷却媒体(3)は、
人体頭部に装着されたときに、人体耳部の前頭部側と後頭部側を覆うとともに、
人体耳部に相当する領域に冷却媒体耳部切欠部(37)を有し、
前記冷却媒体耳部切欠部(37)が人体耳部を覆わない形状を有してなる、
ことを特徴とする請求項45に記載の頭部冷却用具。
【請求項47】
前記表面部材(2)は、該表面部材(2)の内面側に形成された複数個の表面部材内面凸部(23)と複数個の表面部材内面凹部(24)とを有し、
前記複数個の表面部材内面凹部(24)のそれぞれの表面部材内面凹部(24)は前記複数個の表面部材内面凸部(23)の所定の複数個の表面部材内面凸部(23)に囲まれて形成されてなる複数個の表面部材内面冷却媒体収納部(25)を形成し、
前記複数個の表面部材内面冷却媒体収納部(25)のうちの所望の表面部材内面冷却媒体収納部(25)に前記冷却媒体(3)が設置及び/又は収納されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至13、及び、19のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項48】
前記複数個の表面部材内面凸部(23)は、前記表面部材(2)に一体に形成されてなり、
前記表面部材(2)とそれぞれの表面部材内面凸部(23)とに囲まれて、前記表面部材内面冷却媒体収納部(25)を形成してなる、
ことを特徴とする請求項47に記載の頭部冷却用具。
【請求項49】
前記表面部材(2)は、
複数個の多角形の組み合わせにより形成された準多面体の表面形状を有して、略半円球中空形状に形成されてなるとともに、
前記複数個の表面部材内面凹部(24)のそれぞれの表面部材内面凹部(24)は、前記多角形に一致する多角形形状を有してなる、
ことを特徴とする請求項47または48に記載の頭部冷却用具。
【請求項50】
さらに、前記複数個の表面部材内面凹部(24)を覆って設置された表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材(43)を備え、
前記表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材(43)と前記表面部材(2)と前記表面部材内面凸部(23)により囲まれて、表面部材内面部材冷却媒体収納部(25)を形成し、
前記冷却媒体(3)が前記表面部材内面部材冷却媒体収納部(25)に設置されてなる、
ことを特徴とする請求項47乃至49のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項51】
さらに、
前記冷却媒体の内面側に設置された頭部側内面部材(7)と、
前記冷却媒体の内面側に設置された過冷抑制用頭部側内面部材(8)と、
前記表面部材の表面側に設置された所望機能性表面部材(9)と、
前記表面部材の表面側に設置された第二の断熱性表面部材(2c)と、
からなる群から選ばれる少なくとも一つを備えてなる、
ことを特徴とする請求項47乃至50のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項52】
人体頭部に装着されたときに、
人体頭部側の表面温度が、約2~約15℃の範囲の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至51のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項53】
使用者の頭皮を冷却するための頭部冷却用具であって、
人体頭部に装着されたときに、前記冷却媒体が、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領域を含む頭部を覆って装着可能に形成され、頭皮を冷却可能に形成されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至52のいずれかに記載の頭部冷却用具。
【請求項54】
請求項7に記載の表面部材(2)の製造方法であって、
(イ)所定の厚さの板形状を有する板状プラスチック製発泡成形材を準備する工程、
ここで、該板状プラスチック製発泡成形材は、板状のポリエチレン系発泡成形材、 又は、板状のポリ酢酸ビニル製発泡成形材であり、
(ロ)所定の形状を有する内面型と外面型とを有する成型用金型を準備する工程、
及び、
(ハ)前記板状プラスチック製発泡成形材が形可能な温度に加熱された状態であるととも に前記内面型と外面型との間に位置する状態で、前記内面型と外面型とを互いに押 圧し、これにより、前記板状プラスチック製発泡成形材を所定の略半円球中空形状 に加工形成して、略半円球中空形状プラスチック製発泡成形材に加工形成された表 面部材を調製する工程、
を備えてなることを特徴とする表面部材(2)の製造方法
【請求項55】
請求項47乃至50のいずれか一つに記載の表面部材(2)の製造方法であって、
(イ)所定の厚さの板形状を有する板状プラスチック製発泡成形材を準備する工程、
ここで、該板状プラスチック製発泡成形材は、板状のポリエチレン系発泡成形材、 又は、板状のポリ酢酸ビニル製発泡成形材であり、
(ロ)所定の形状を有する内面型と外面型とを有する成型用金型を準備する工程、
ここで、前記内面型は複数個の内面凹部と複数個の内面凸部とを有し、前記外面型 は複数個の外面凸部と複数個の外面凹部とを有し、前記内面凹部と前記外面凸部と は互いに対抗する位置に形成され、前記内面凸部と前記外面凹部とは互いに対抗す る位置に形成され、
及び、
(ハ)前記板状プラスチック製発泡成形材が形可能な温度に加熱された状態であるととも に前記内面型と外面型との間に位置する状態で、前記内面型と外面型とを互いに押 圧し、これにより、前記板状プラスチック製発泡成形材を所定の略半円球中空形状 に加工形成して、略半円球中空形状プラスチック製発泡成形材に加工形成されると ともに、該表面部材(2)の内面側に形成された複数個の表面部材内面凸部(23 )と複数個の表面部材内面凹部(24)とを有し、前記複数個の表面部材内面凹部 (24)のそれぞれの表面部材内面凹部(24)は前記複数個の表面部材内面凸部 (23)の所定の複数個の表面部材内面凸部(23)に囲まれて形成されてなる複 数個の表面部材内面冷却媒体収納部(25)を形成してなる表面部材を調製する工 程、
を備えてなる、
ことを特徴とする表面部材(2)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭部に装着して頭部を冷却するための頭部冷却用具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般生活、家庭、病院等において、発熱・ほてり・のぼせ等の頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、氷塊を袋中に充填した氷のう・冷水を含浸した冷水布・布基材表面に含水ゲル剤を構成した冷却貼付剤などの頭部冷却用具を人体の額に接触させる方法が汎用されている。
また、夏季外出時や工事現場の帽子・ヘルメットの装着時における頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、帽子またはヘルメットに設けたポケットに冷却部材を挿入した種々の冷却帽子が提案されている。また、帽子またはヘルメットの下に被る冷却補助具も提案されている。
【0003】
更に、医療現場において、癌治療等において用いられる化学療法では、治療薬の投与が行われ、この治療薬を頭髪の毛根近辺の血管を通じて毛根が吸収し、頭髪の脱毛を伴うことが多く、患者の心理的苦痛が著しいことが課題となっている。このような頭髪の脱毛に関し、頭皮を低温に持続して血管を収縮させて、毛根が治療薬を吸収することを抑制することにより、脱毛を抑制できることが知られている。これに対応して、化学療法を受ける患者の脱毛を防止することを目的とした電気的熱交換式の頭部冷却装置が提案されている。
【0004】
上記の課題に対して、下記のような種々の形態、構成、形状の冷却機能を備えた冷却帽子、帽子又は着衣に装着可能な冷却補助具、及び、頭部冷却用具が提案されている。
冷却機能を備えた冷却帽子としては、下記の冷却帽子が提案されている。
特開2013-2004号公報(特許文献1)には、装着者の頭部を覆うための半球状のクラウンを備えた帽子であって、クラウンの下縁に開口部を有するポケットが形成され、該ポケットには吸湿性を有する不織布で形成された冷却シートが抜き取り可能な状態で収容され、冷却シートに吸収された水分が蒸発する際の気化熱により装着者の頭部を冷却することを可能とすることができる帽子が開示されている。
【0005】
実登3164804号公報(特許文献2)には、頭頂部内側に円形もしくは楕円形の冷却ジェル袋を備え、前記冷却ジェル袋は、冷却ジェルを挿入可能とするスリットを有し、且つ、取り付け部材により頭頂部内側に着脱可能であることを特徴とし、汗止め、防臭、帽子への汚れ付着防止が可能であり、且つ、装着者の頭部の冷却が可能な帽子が開示されている。
【0006】
実開昭63-81823号号公報(特許文献3)には、帽子の内側にポケットを付け、液化潜熱を応用した冷却剤を上記ポケットに取り付けた構成を有し、頭部を冷却する冷たい帽子が提案されている。
【0007】
実開昭63-60426号号公報(特許文献4)には、布巾等可撓性材料で作った帽体の内側に、帽体に沿って着脱可能に断熱帽状体に取り付け、この断熱帽状体の内壁面に沿わせてゲル状の冷媒を合成樹脂フィルムで形成した袋に密封してなる適宜厚みの冷却袋を、ファスナーにより着脱可能に定着し、該冷却袋の表側に通気性大でやや肉厚の帽状をしたクッション体を取り外し可能に被覆装着した頭部を冷やす帽子が開示されている。
【0008】
帽子の内側に装着可能な冷却補助具として、特開2003-88543号公報(特許文献5)には、2枚のシート材を熱シールして袋状とし、内部に所要量の高吸水性ポリマを収納した冷却補助部材であって、2枚のシート材の内、少なくとも一方に通水性を有するシート材を使用し、全体形状を円形または多角形に形成し、中心部から放射状に複数条のシール部を形成した帽子用冷却補助部材を使用して帽子装着時に頭部を冷やす方法であって、これにより、冷却媒体を再冷却して繰り返し使用することが可能であり、その冷却媒体を家庭の冷蔵庫等でも簡単に扱えるようにし、頭部への接触性を良くし、1つの冷却媒体で頭部の冷却を行え、専用のヘルメットや帽子等でなくても使用できる効果を奏することが開示されている。
【0009】
特に、医療用に使用される下記の頭部冷却用具が提案されている。
特開平11-269714号公報(特許文献6)には、頭部に装着される帽子本体、頭部を部分的に冷却する冷却媒体からなり、帽子本体には冷却媒体を収容するポケット状の冷却媒体収容部を有し、冷却媒体収容部は帽子本体に複数箇所設けられ、頭部の冷却部位に合わせて適宜選択し使用し、任意の位置に冷却媒体を収めることを特徴とする帽子であって、これにより、血流量の上昇を防ぎ、血管の膨張を制御し扁頭痛を沈静化させ、また、任意の部位に媒体を置くことで、帽子全体が軽量化でき、利用者の装着時の違和感を軽減する効果を奏する帽子が開示されている。
【0010】
特開平10-325010号公報(特許文献7)には、非繊維素材からなる頭部装着具本体1の内面側に、冷却用シートを着脱自在に取り付けるための着脱部を設けたことを特徴とし、頭部に装着することによって頭部を好適に冷却することができ、しかも簡易な構造で製造コストが安く、使い捨て用としての使用に適した頭部装着具が開示されている。
【0011】
特開昭57-86340号公報(特許文献8)には、前額部、こめかみから耳の頭側部および上方頭蓋の後ろ下部を含む人間の頭周りに連続的に取り巻いて巻きつけるに適したはちまき部分、上記はちまき部分の両末端部分に取り付けられる手段、はちまき部分の上縁の中心に固定された前縁、上記前縁の固定から後方に伸びる側縁と前縁から後方に一定間隔で配置され、前縁に平行な末端縁を有する、帽子の頂部分、頂部分の後部末端にある固定手段、はちまき部分の側上縁を頂部分の側縁に固定し、それによって人間の頭皮の髪の生えている部分において、熱交換を行わせるための、連続的に頭皮に接触している帽子体を形成せしめるための手段、の組み合わせからなる、人間の頭の上全頭皮領域を冷却または加熱するための熱交換帽子が開示されている。
【0012】
特表2013-533079号公報(特許文献9)には、「人間または動物の身体の一部の温度を調節するための身体部分温度調節装置であって、コントローラを備え、前記コントローラは、熱伝達流体の温度を熱伝達流体の第1、第2、第3のそれぞれ位置で検出するように構成されたそれぞれの温度センサからのそれぞれの入力を受信するように構成され、前記コントローラは、前記第1、第2、第3の入力を使用して前記熱伝達流体に伝達される熱量を決定し、その熱量に基づいて制御信号を出力して、前記熱伝達流体に伝達される熱量を調節するように構成される、身体部分温度調節装置」が提案され、特に、癌患者の抗がん剤投与の化学療法処置中において人体頭部に装着して頭皮を冷却して頭髪表面の毛根近辺の血流を抑制する装置として使用して、これにより人体の脱毛を抑制する効果を奏することが開示されている。
【0013】
特開2015-156965号公報(特許文献10)には、「頭部に装着するための冷却キャップと、冷却キャップの内部に形成されており、第1の冷却媒体ポートと第2の冷却媒体ポートとの間に延びる冷却媒体流路と、冷却媒体を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された冷却媒体を第1の冷却媒体ポート及び第2の冷却媒体ポートの一方に選択的に供給し且つ冷却媒体流路を流れた冷却媒体を第1の冷却媒体ポート及び第2の冷却媒体ポートの他方から排出させる冷却媒体流れ方向反転機構と、冷却媒体流れ方向切換機構の動作を制御する制御装置を備え、その制御装置は冷却媒体流れ方向反転機構によって冷却キャップ内の冷却媒体流路を流れる冷却媒体の流れ方向を反転させることができる」の構成を備えた頭部冷却装置が開示され、この構成により、特に、癌患者の抗がん剤投与の化学療法処置中において人体頭部に装着して頭皮を冷却して頭髪表面の毛根近辺の血流を抑制する装置として使用して、これにより人体の脱毛を抑制する効果を奏することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2013-2004号公報
【特許文献2】実登3164804号公報
【特許文献3】実開昭63-81823号号公報
【特許文献4】実開昭63-60426号号公報
【特許文献5】特開2003-88543号公報
【特許文献6】特開平11-269714号公報
【特許文献7】特開平10-325010号公報
【特許文献8】特開昭57-86340号公報
【特許文献9】特表2013-533079号公報
【特許文献10】特開2015-156965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記のように、夏季外出時や工事現場での頭部の発熱防止、又は、家庭内における人体発熱時の昇熱抑制として、頭部に装着するための種々の頭部装着物品が提案されている。
上記従来技術において、特許文献1~4に開示されている冷却帽子は気温の暑い時期や直射日光・炎天下に装着して頭部を冷却する機能を奏する主として屋外装着に用いられる帽子であるため、屋内で装着する場合には、外出用装飾のための外観を良くするために帽子を構成する材質・デザイン・色彩等を勘案するとともに日除け用の鍔を必要とするなど、外出用帽子としてのデザイン等の機能と冷却機能との双方の機能を満足する設計構成が必要である。これらの両者の機能を満足する帽子を得るためには、高価な素材・複雑な形状設計・複雑な製造方法が必要となり、量産時のコストが高くなる傾向がある。また、デザイン等の機能を重視した帽子は冷却機能を低減させた設計となり、逆に、冷却機能を重視した帽子はデザイン等の機能を低減させた設計となる傾向がある。
【0016】
また、特許文献5に開示されている帽子用内面装着具は、帽子を使用することなく、それらの帽子用内面装着具を単独で使用した場合には、頭部冷却の効果が低下し、又は、装着安定性が不安定でずり落ちやすくなる等の不都合が生じる傾向がある。
【0017】
また、医療用に使用可能な頭部冷却用具において、特許文献6に開示の冷却媒体付き帽子は適切に血管の膨張を制御できる特定の部位に冷却媒体を置くように設計されているために、頭部全体の冷却感に不満足感を覚える傾向がある。
特許文献7に開示の頭部装着具は使い捨て用途であるために繰り返し使用に不向きであり、経済的に不満足となる傾向がある。特許文献8に開示の頭皮用伝熱装置は頭の周りに連続的に取り巻いて巻きつける長方形の熱交換部材を使用しているために、着脱が煩雑になり着脱使用性に劣る傾向がある。
特許文献9及び特許文献10に開示されている電気的熱交換式の頭部冷却装置は、構成されている冷却媒体(又は、熱伝達流体)を冷却する電気的冷却機構を必須構成とするために、その頭部冷却装置を装着する患者の頭部の動作及び患者の行動等が著しく制限されるという課題がある。
【0018】
本発明は、[人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の頭部冷却用具から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部を効率よく冷却すると共に、長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがない等の「快適な装着感」を有する等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」]を奏する頭部冷却用具を提供する。
【0019】
更に、特に、医療用頭部冷却用具の用途において、冷却媒体に起因する冷気が人体頭部表面や頭皮を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、電気的冷却機構装置の付随による装着者の行動が制限されることがない等の快適な装着感を有すると共に、特に、癌患者等の化学的治療に投与された抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する「頭髪脱毛抑制効果」等の効果が期待できる頭部冷却用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な表面部材(2)と、前記表面部材(2)の内面側に設置された冷却媒体(3)と、を備え、人体頭部を覆って装着された時に、前記冷却媒体(3)が前記表面部材(2)と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなることを特徴とする。
【0021】
本発明の頭部冷却用具において、好ましくは、前記表面部材(2)は略半円球中空形状を有し、前記表面部材(2)は、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に、略半円球中空形状の開口部周囲方向に縮小可能になる程度の伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有して形成されてなる、ことを特徴する。
【0022】
本発明の頭部冷却用具において、好ましくは、前記表面部材(2)は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材(2b)を備え、前記表面部材(2)は、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は略半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は略半円球中空形状の面方向に縮小可能に形成されてなる、ことを特徴する。
【0023】
本発明の頭部冷却用具において、好ましくは、前記冷却媒体(3)は、冷媒(31)が柔軟性を有する密封容器(32)に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、前記密封冷却媒体は、(a)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器(32)に充填されてなる冷媒密封冷却媒体、(b)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)をプラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密封容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体、及び、(c)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒(31)を不織布製基材及び/又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる布製基材冷媒含浸密封冷却媒体、のうちの少なくとも一つの密封冷却媒体であり、前記密封冷却媒体(3)が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面側に設置されてなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の頭部冷却用具において、[人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがない等の「快適な装着感」を有する等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0025】
特に、医療用頭部冷却用具の用途において、[人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れ、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがなく、快適な装着感を有する、等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏する。
更に、抗癌剤医療において、一般に、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を冷却することにより、癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が知られており、従って、抗がん剤を投与された患者に使用した場合、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包及び/又は毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させ、これにより抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する「頭髪脱毛抑制効果」を期待できる]頭部冷却用具が得られる。
【0026】
なお、本発明の頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、装着者が冷え過ぎた不快な冷え過ぎ冷却感覚を感じることが無く、長時間の装着が可能であるとともに、人体頭部表面を効率よく冷却できる温度を「快適冷却温度」として定義し、その「快適冷却温度」が約2℃~約15℃の範囲であり、その「快適冷却温度」が持続する時間を「快適冷却温度持続時間」として定義する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図2】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図3】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図4】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図5】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の断面の構成模式図。
【
図6】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図7】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の断面の構成模式図。
【
図8】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図9】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図10】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図11】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図12】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図13】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図14】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図15】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【
図16】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の構成を説明するための模式的平面図。
【
図17】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体と冷却媒体収納袋の構成を説明するための模式的平面図。
【
図18】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される表面部材と冷却媒体と冷却媒体収納袋の構成を説明するための模式的平面図。
【
図19】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される表面部材と冷却媒体と過冷却防止内面部材の構成を説明するための模式的平面図。
【
図20】本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される過冷抑制用空隙形成部材の形態を説明するための写真図。
【
図21】本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<頭部冷却用具の基本構成1>
本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図1、
図2、
図3に示される。
図1(B)、
図2(B)及び
図3(B)は頭部冷却用具を該頭部冷却用具の内面側から見た模式的平面図であり、
図1(A)、
図2(A)及び
図3(A)は、
図1(B)、
図2(B)及び
図3(B)のA-A線に沿った断面を示す模式的断面図であり、
図1(C)、
図2(C)及び
図3(C)は頭部冷却用具を該頭部冷却用具の側面側から見た模式的側面図である。
【0029】
図1、
図2及び
図3に示されるように、本発明の頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な表面部材2と、前記表面部材の内面側に、設置された冷却媒体3と、を備え、前記表面部材2は、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性表面部材2aを構成し、人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる。
【0030】
この構成により、[効果イ:人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがない等の「快適な装着感」を有する等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」]を奏する頭部冷却用具が得られる。
例えば、熱い夏の時期、又は、屋外の炎天下において、本発明の頭部冷却用具を、人体頭部を覆って装着することにより、上記の効果が得られる。
例えば、疾病に起因する発熱時に、本発明の頭部冷却用具を、人体頭部を覆って装着することにより、上記の効果が得られる。
例えば、仕事や勉強中に、本発明の頭部冷却用具を、人体頭部を覆って装着することにより、上記の効果が得られる。
【0031】
好ましくは、頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合において、頭部冷却用具の内面側の温度が2℃~15℃の範囲であって、その2℃~15℃の温度を、120分間以上を持続する頭部冷却用具が実施可能である。
すなわち、頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合において「快適冷却温度」が2℃~15℃の範囲であって、「快適冷却温度持続時間が120分間以上を持続する頭部冷却用具が好ましい。
【0032】
上記頭部冷却用具において、好ましくは、人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2は、少なくとも、人体頭部の頭頂部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有し、冷却媒体3が、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領域を覆って装着可能に形成されてなる形状構成が実施可能である。
【0033】
上記のような一般の生活における頭部を冷却するための使用に限定されることなく、癌治療等の病気療養中の患者に使用されることも可能である。一般に、癌治療等のために使用者の化学療法時に投与された治療薬を、使用者の頭髪付近の血管付近に位置する毛包・毛根が吸収することにより、頭髪の脱毛が生じることが知られている。また、頭皮を冷却することにより、毛包・毛根付近の血管が収縮し、これにより、血管中の治療薬が毛包・毛根に吸収されることが抑制されて、頭髪の脱毛が抑制されることも知られている。
「人体頭部に装着されたときに、冷却媒体3が、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領域を覆って装着可能に形成されてなる頭部冷却用具」が、人体頭部に装着されたときに、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包及び/又は毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させ、これにより抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が期待できる。
【0034】
すなわち、本発明の頭部冷却用具の構成により、抗癌剤医療において、[効果イ-a:人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れ、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがなく、快適な装着感を有する、等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏するとともに、特に、一般に、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を冷却することにより、癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が知られており、従って、抗がん剤を投与された患者に使用した場合、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包及び/又は毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させ、これにより抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する「頭髪脱毛抑制効果」を期待できる]頭部冷却用具が得られる。
【0035】
なお、本発明において、「表面部材の内面側」は「頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合における、表面部材の人体頭部側に位置する側」を意味する。
【0036】
<表面部材について>
本発明の前述の「基本構成1」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成2]
・前記断熱性表面部材2aは、少なくとも、熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、及び/又は、輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、及び/又は、熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、及び/又は、断熱性布素材、を有する素材を構成した断熱性表面部材2aを備える。
・上記の熱伝導断熱素材は、(i)発泡プラスチック素材と、(ii)断熱性不織布素材と、(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材である。
・上記の金属膜輻射断熱素材は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、である。
・上記の輻射熱伝導熱断熱素材は、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、である。
【0037】
・上記の約0.3mm厚以上の断熱性布素材は、(x)約0.3mm厚以上のフェルト素材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ素材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布素材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布素材と、(xiv)約0.3mm厚以上の毛糸により調製された肉厚毛糸製職布材のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の断熱性布素材、である。
・前記断熱性表面部材2aは、冷却媒体3に起因する冷気が前記表面部材2の表面側に逃げることを抑制する機能を奏する。
【0038】
この構成により、「効果ロ:表面部材2が、該表面部材2の表裏方向における熱伝導を抑制する機能及び輻射により熱を遮断する機能とのうちの少なくとも一つの機能を奏する断熱性能を有する断熱性表面部材2aの構成に起因して、上記の効果イ(長時間冷却維持・快適装着感効果)を有すると共に、更に、長時間の冷却維持性能効果が特に著しく向上した「長時間冷却維持・快適装着感効果、及び、更なる冷却維持性能効果」が得られる。
【0039】
一般に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコンゴム、等の通常のプラスチック材料の熱伝導率は、約0.15W/mK~約0.35W/mKであり、これに対して、これらのプラスチックを発泡して多数の微細気泡を有する多孔質に成形された発泡プラスチック素材の熱伝導率は、約0.025W/mK~約0.08W/mKである。すなわち、プラスチック製発泡成形材は、通常の発泡していないプラスチック製成形材と比べて、小さい熱伝導率であって、優れた断熱性能を有する熱伝導断熱素材として使用される。例えば、ポリエチレンの熱伝導率は、約0.2~約0.3W/mKであり、シリコンゴムの熱伝導率は、約0.3~約0.4W/mKである。
また、一般に、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等により製造された繊維や、羊毛、綿、等の天然繊維から構成された不織布や織布は、これらの繊維が互いに絡み合って微細な空隙を有していることに起因して、これらの材料の塊状成形素材と比べて、小さい熱伝導率であって、優れた断熱性能を有する。
【0040】
熱伝導断熱素材としての(i)発泡プラスチック素材としては、例えば、多数の微細な連続気泡又は独立気泡を有するプラスチック製の発泡プラスチック素材が使用できる。
(ii)断熱性不織布素材としては、ポリエステル製短繊維、ポリアミド(ナイロン)製短繊維、ポリオレフィン製短繊維、アクリル製短繊維、綿、羊毛、フェルト、その他の短繊維、などの短繊維を綿状に結合してシート状に形成した不織布素材であり、所望の空隙率、嵩密度、厚さ、目付などを有する所望の構成の断熱性不織布素材が使用できる。
(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材としては、上記の短繊維からなる2枚以上の不織布を積層してなる積層不織布素材が使用できる。
また、上記の他に、例えば、微細な空洞孔の中空を形成した繊維(長繊維)を所望の織り方又は編み方で編成した微細孔形成繊維素材が使用できる。
このような熱伝導断熱素材はシートの表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有する。従って、熱伝導断熱素材製シートは冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、前述の「効果ロ:効果イを有すると共に更に長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持・快適装着感効果、及び、更なる冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0041】
金属膜輻射断熱素材は、輻射により熱を遮断する機能を奏する断熱性素材である。
金属膜輻射断熱素材としての(iv)金属箔素材としては、例えば、アルミニウムを箔状に形成したアルミ箔、又は、その他の金属を箔状に形成した金属箔が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1~100μmが好ましい。
(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材としては、例えば、アルミニウムの蒸着により形成されたアルミ蒸着薄膜、又は、その他の金属の蒸着により形成された金属蒸着薄膜が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1μm未満の超薄膜が好ましい。
(vi)基材付金属薄膜素材としては、例えば、薄い布状不織布製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着不織布、薄いプラスチック製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着プラスチックシート、布状織布にアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着織布、又は、アルミ薄膜として、アルミ蒸着膜を基材に直接に蒸着形成したアルミ蒸着膜素材が使用できる。
このような金属膜輻射断熱素材は平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有するとともに平滑平面形状の金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、金属膜輻射断熱素材製のシートは、金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏する。その結果、前述の「効果ロ:効果イを有すると共に更に長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持・快適装着感効果、及び、更なる冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0042】
輻射熱伝導熱断熱素材は、熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する断熱性素材である。
輻射熱伝導熱断熱素材として、例えば、上記の熱伝導断熱素材製シートにアルミニウム蒸着薄膜を形成したアルミ蒸着膜付断熱性不織布素材、すなわち、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、が好ましく実施可能である。
また、例えば、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材も実施可能である。
また、例えば、(ix)金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材としては、例えば、上記の柔軟性発泡プラスチックにアルミニウム薄膜を蒸着形成したアルミ蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材、又は、上記の柔軟性発泡プラスチックに所望の金属膜を蒸着形成した金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材などが使用できる。
金属薄膜の膜厚としては、特に限定されないが、例えば、膜厚が約1μm以下の金属蒸着膜又は金属箔薄膜などがより好ましく使用できる。
【0043】
すなわち、輻射熱伝導熱断熱素材は、熱伝導断熱素材と金属膜輻射断熱素材とが積層されて構成され、その積層形態としては、熱伝導断熱素材の表面に直接に金属膜輻射断熱素材を蒸着形成した構成、及び、熱伝導断熱素材とに金属膜輻射断熱素材とを接合手段により積層形成した構成が実施できる。
このような輻射熱伝導熱断熱素材は、前述の熱伝導断熱素材に起因する表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有するとともに、金属膜輻射断熱素材に起因する平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有し、更に、平滑平面に形成した金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、輻射熱伝導熱断熱素材製シートは、熱伝導断熱素材に起因する冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果と、金属膜輻射断熱素材に起因する金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果との双方の効果を奏する。その結果、前述の「効果ロ:効果イを有すると共に更に長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持・快適装着感効果、及び、更なる冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0044】
断熱性布素材は、上記の熱伝導断熱素材と類似するが、熱伝導断熱素材のうち、特に布形態を有するものであり、下記の布材が実施できる。
(x)約0.3mm厚以上のフェルト素材としては、前記の天然繊維や合成繊維の短繊維が絡み合って縮絨あるいはフェルト化されたシート状圧縮布材が使用される。フェルト素材は不織布の一種である。
(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ素材としては、ニードルパンチ手法によって製造されたシート状圧縮布材が使用される。ニードルパンチ材は不織布の一種で短繊維を使用して多数のニードル(針)のついた機械で圧縮してフェルト状に形成した布生地を意味する。
(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布素材としては、例えば、羊毛、綿、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維などを使用して起毛製を有するように、所定の編成形態に編まれて編成された約0.3mm厚以上の天然繊維製起毛製布素材、又は、合成繊維製起毛製布素材が使用される。
(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布素材としては、汎用の繊維を使用して平織、ストレッチ織、その他の所定の編成形態で編成され、肉厚に織られた織布である。
これらの起毛製布素材、フェルト素材、ニードルパンチ素材、起毛製布素材、肉厚織布素材などの厚さが約0.3mm未満の場合は断熱性に劣る傾向がある。
(xiv)約0.3mm厚以上の毛糸により調製された肉厚毛糸製布材としては、アクリル繊維、羊毛繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、綿繊維、その他の汎用の繊維を使用して調製された毛糸製織布材が実施可能である。特に、伸縮性を有するように編まれた伸縮性毛糸製織布材が好ましく実施可能である。
このような熱伝導断熱素材はシートの表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有する。従って、熱伝導断熱素材製シートは冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、前述の「効果ロ:効果イを有すると共に更に長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持・快適装着感効果、及び、更なる冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0045】
なお、上記の記載において、それぞれの語句は下記を意味する。
熱伝導断熱素材及び約0.3mm厚以上の断熱性布素材は、素材の表裏方向における熱伝導が小さい性質を有する素材である。
「表裏方向において断熱性能を有する断熱性表面部材」は、汎用のガーゼ・平織布などの織布、紙状の薄い不織布、薄いプラスチック製シート、などの汎用素材よりも高い断熱性能(換言すれば、小さい熱伝導)を有する素材である。
「発泡プラスチック製素材」は、多数の微小な発泡されてなる空隙を有する素材であって、連続気泡を有する素材と、独立気泡を有する素材とが実施可能である。そして、この発泡プラスチック製素材は、発泡されていない素材と比べて、小さい熱伝導、すなわち、断熱性を有する素材、である。
綿状断熱性不織布製素材は、多数の短繊維及び/又は短繊維が綿状のように嵩高く互いに絡まり合って、多数の空隙を有する素材であって、薄いシート状の不織布製素材と比べて、小さい熱伝導、すなわち、断熱性を有する素材、である。
「金属薄膜素材」の語句は、例えば、蒸着により形成された金属蒸着薄膜、金属の延伸、展伸、圧伸等の機械的薄化処理により形成された金属薄膜、その他の方法により製造された約1μm以下の厚さを有する金属製のシート状素材である。
「金属箔素材」の語句は、例えば、アルミニウム、その他の金属により製造された約1μm~約100μmの厚さを有する金属製のシート状素材である。
【0046】
本発明の前述の「基本構成1」又は「従属構成2」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成3]
・前記表面部材2は、少なくとも、略半円球中空形状に加工形成されてなるプラスチック製発泡成形材2bを備え、前記プラスチック製発泡成形材2bは、略半円球中空形状を維持する形状保形性を有する形状に形成されてなる。
・前記プラスチック製発泡成形材2bは、ポリスチレン製発泡成形材、ポリプロピレン製発泡成形材、ポリアクリル製発泡成形材、ポリウレタン製発泡成形材、ユリア樹脂製発泡成形材、ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材、ポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、エチレンモノマと他のビニルモノマとの共重合されたポリエチレン共重合体製発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、天然ゴム製発泡成形材、ニトリルゴム製発泡成形材、ニトリル・ブタジエンゴム製発泡成形材、クロロプレンゴム製発泡成形材、シリコンゴム製発泡成形材、エチレン・プロピレンゴム製発泡成形材、ポリ塩化ビニル製発泡成形材、及び、ポリビニルアルコール製発泡成形材、からなる群から選ばれる少なくとも一つのプラスチック製発泡成形材である、ことを特徴とする。
・プラスチック製発泡成形材2bとしては、多数の微細な空隙を有する多孔質である形態を有し、慣用のプラスチック成形材と比べて小さい熱伝導を有する断熱性を有するプラスチック製発泡成形材が好ましい。
・また、プラスチック製発泡成形材2bとしては、これらのポリマに加えて、可塑剤、着色剤、防腐剤、抗菌剤、発泡剤、その他の添加剤を含有するポリエチレン系発泡成形材が実施可能である。
【0047】
この構成により、表面部材2が保形成を有する略半円球中空形状を有するプラスチック製発泡成形材2bを備えた構成により、前述の「効果イ」及び/又は「効果ロ」を有すると共に、「効果ハ:人体頭部に装着した時にプラスチック製発泡成形材の特有の軽量に起因して重さを感じることなく快適な装着感が向上すると共に、保形性を有する略半円球中空形状を有するプラスチック製発泡成形材に起因して冷却媒体の形状を維持した状態で該冷却媒体を保持して維持することが可能になるとともに、更に、プラスチック製発泡成形材が有する断熱性能に起因して、更に長時間の冷却維持性能に優れる等の、冷却媒体快適保持効果、及び、快適装着性能効果、及び、更なる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0048】
プラスチック製発泡成形材2bとしては、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材、又は、連続気泡を有するプラスチック製連続気泡発泡成形材が実施可能である。特に、プラスチック製発泡成形材2bとしては、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材が好ましく実施可能である。
表面部材2として、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材を備えた頭部冷却用具により、「効果ハ-a:独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材は、一般に、通常のプラスチック製成形材と比べて気泡を含んでいる為に、プラスチック製独立気泡発泡成形材を構成してなる表面部材は、重量的に軽く、独立気泡である為に表裏方向において通気性のない気密性を有する性質を有し、また、多数の独立気泡に起因して低い熱伝導を有する断熱性を有し、肌に触れた時に冷たく感じることなく温かい感触を有し、従ってこれらの性質により、頭部に装着した時に、重く感じることなく軽い感じで疲労感なく長時間の装着が可能であるとともに、冷感を感じることなく温かい感触を有し、また、特に、優れた断熱性能に起因して、長時間の冷却性能を維持できる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0049】
なお、「略半円球中空形状」は、全体的な外観において、略半円球体の外観形状であって、略半円球体の内部が空洞を有し、その空洞が開口部を形成した形状を意味する。すなわち、「略半円球中空形状」は、全体的な形状において、半円球、半楕円球、等の外観を有し、人体頭部を覆って装着する慣用の帽子に類似の形状を有する。
また、略半円球中空形状を有する表面部材の表面の形状は、特に限定するものではなく、例えば、凹凸を有する表面形状、凹凸のない滑らかな表面形状、部分的に凹凸を有する表面形状、等の所望の表面形状の略半円球中空形状のものが実施可能である。
【0050】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」又は「従属構成3」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成4]
・表面部材2は略半円球中空形状を有し、表面部材2は、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向に縮小可能になる程度の伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有して形成されてなることを特徴する。
・特に好ましくは、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2の伸縮柔軟性の性質を利用して、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮した状態で装着し、これにより、表面部材2と冷却媒体3との人体頭部からの脱落が抑制可能に形成されてなる構成が好ましい。
【0051】
伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有する表面部材2としては、例えば、下記の(i)から(vii)の表面部材からなる群から選ばれる少なくとも一つの表面部材を構成してなる構成が好ましく実施可能である。
(i)伸縮柔軟性を有するプラスチック素材を使用して、略半円球中空形状に成形及び又は形成してなる伸縮柔軟性発泡プラスチック製表面部材。
(ii)伸縮柔軟性を有するプラスチック素材を使用して、略半円球中空形状に成形及び又は形成してなる伸縮柔軟性成形プラスチック製表面部材。
(iii)伸縮柔軟性を有するプラスチック素材を使用して、フィルム状であるとともに略半円球中空形状に成形してなる伸縮柔軟性フィルム状成形プラスチック製表面部材。
(iv)長繊維を使用して編み方や織り方を工夫して伸縮柔軟性を有するように形成された織布製表面部材。
(v)伸縮性を有する長繊維を使用して伸縮柔軟性を有するように形成された織布製表面部材。
(vi)短繊維を主原料として使用して繊維の絡み形態を工夫して伸縮柔軟性を有するように製造してなる不織布製表面部材。
(vii)網目形態、メッシュ形態、多数の貫通孔形態、等のように平面において多数及び/又は無数の貫通孔を有する形態を工夫して伸縮柔軟性を有するように形成された貫通孔形成表面部材。
【0052】
上記の伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有する表面部材2を備えた頭部冷却用具により、頭部冷却用具を人体頭部に装着するときに、表面部材を伸張しながら人体頭部に装着し、そして、表面部材2を人体頭部に装着したときに、伸張している表面部材2が元の形状に戻って収縮して装着される。このようにして頭部冷却用具を人体頭部に装着可能であり、この構成により、前述の「効果イ」及び/又は「効果ロ」を有すると共に、「効果ニ:頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着する時に、表面部材を伸張した状態で装着し、そして、装着した後、表面部材が元の形状に収縮し、これにより、表面部材2、冷却媒体3等の頭部冷却用具の人体頭部からの脱落が抑制され、特に冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制される効果が更に向上する」効果が得られる。
【0053】
特に好ましくは、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮してなる構成が実施可能である。
この構成により、「効果ニ-a:前述の「効果ニ」を奏すると共に、更に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮した状態で、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体と人体頭部との間隔が短くなり、その結果、冷却媒体に起因する冷気を人体頭部に伝達する効果が著しく向上し、その結果、頭部を冷却する効果が著しく向上できる」効果が得られる。
【0054】
本発明の前述の「基本構成1」~「従属構成4」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成5]
・前記表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備え、前記表面部材2は、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に縮小可能に形成されてなる、ことを特徴する。
【0055】
特に好ましくは、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮可能に形成されてなる構成が実施可能である。
【0056】
本発明の前述の「基本構成1」~「従属構成5」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成6]
・前記表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備え、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有する前記プラスチック製発泡成形材2bは、ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材、ポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、ポリエチレンと他のビニルモノマとの共重合されたポリエチレン共重合体製発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、天然ゴム製発泡成形材、ニトリルゴム製発泡成形材、ニトリル・ブタジエンゴム製発泡成形材、クロロプレンゴム製発泡成形材、シリコンゴム製発泡成形材、エチレン・プロピレンゴム製発泡成形材、ポリ塩化ビニル製発泡成形材、ポリビニルアルコール製発泡成形材、ポリプロピレン製発泡成形材、ポリウレタン製発泡成形材、ポリアクリル製発泡成形材、エチレンプロピレンジエンゴム製発泡成形材、及び、エステル系エラストマ発泡成形材からなる群から選ばれる少なくとも一つのプラスチック製発泡成形材であることを特徴とする。
・また、上記のプラスチック製発泡成形材2bとしては、これらのポリマに加えて、可塑剤、着色剤、防腐剤、抗菌剤、発泡剤、その他の添加剤を含有するポリエチレン系発泡成形材が実施可能である。
【0057】
ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと他のビニルモノマとの共重合樹脂、プロピレンと他のビニルモノマとの共重合樹脂、等の発泡成形材が実施可能である。
ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材としては、例えば、エチレンとα-オレフィンとの共重合樹脂の発泡成形材であって、α-オレフィンとしては、1-オクテン、1-ヘキセン、1-ブテン、等を有する発泡成形材が好ましく実施可能である。
エステル系エラストマ発泡成形材としては、特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とから構成されるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル及び/又はポリエステルから構成されるソフトセグメントとを含むエステル系エラストマを基材樹脂とする発泡成形材が好ましく実施可能である。エステル系エラストマ発泡成形材は、例えば、特開2018-172535号公報に開示されているような構成を備える。
【0058】
上記の「従属構成5」、「従属構成6」の構成により、表面部材2が伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備えた構成により、前述の「効果イ」、「効果ロ」、及び/又は、「効果ニ(表面部材2、冷却媒体3等の頭部冷却用具の人体頭部からの脱落の抑制効果」を有すると共に、下記の効果が得られる。
「効果ホ:人体頭部に装着した時にプラスチック製発泡成形材の特有の軽量に起因して重さを感じることなく快適な装着感が向上すると共に、更に、保形性を有する略半円球中空形状を有するプラスチック製発泡成形材に起因して冷却媒体の形状を維持した状態で該冷却媒体を保持して維持することが可能になると共に、更に、プラスチック製発泡成形材が有する小さい熱伝導率の断熱性能に起因して、更に長時間の冷却維持性能に優れる等の、冷却媒体快適保持効果、及び快適装着性能効果、及び、更なる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
更に、「効果ホ-a:頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧迫して、これにより、表面部材2と冷却媒体3との人体頭部からの脱落が抑制可能になる効果がさらに著しく向上する頭部冷却用具」が得られる。
【0059】
特に好ましくは、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮可能に形成されてなる構成が好ましい。
この構成により、「効果ホ-b:前述の「効果ホ」を奏すると共に、更に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮した状態で、頭部冷却用具が人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体と人体頭部との間隔が短くなり、その結果、冷却媒体に起因する冷気を人体頭部に伝達する効果が著しく向上し、その結果、頭部を冷却する効果が著しく向上できる」効果が得られる。
【0060】
プラスチック製泡発泡成形材2bは、極めて細かい球形の多数の発泡された気泡であって、例えば、一つの気泡のセル径が1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下、の無数の気泡を有る極めて細かい微細構造を有する多孔質のプラスチック製発泡成形材2bが実施可能である。すなわち、プラスチック製発泡成形材はプラスチック製多孔質独立気泡発泡成形材であるとも言える。
上記の発泡気泡を有するプラスチック製発泡成形材の厚さは、0.5~15mmが好ましく、更に好ましくは1~10mmであり、更に更に好ましくは1.5~8mmである。
【0061】
プラスチック製発泡成形材2bの厚さが薄くなるに従って機械的強度が弱くなるとともに、立体形状を維持いる保形性が低下していく傾向があり、この点において、厚さが0.5mm以上の厚さを有するプラスチック製発泡成形材2bが好ましい。また、プラスチック製発泡成形材2bの厚さが厚くなるに従って、重さが増加していき、頭部に装着した時に表面部材を重く感じる傾向があり、不快感を感じる傾向があり、この点において、プラスチック製発泡成形材の厚さは15mm以下の厚さを有するプラスチック製発泡成形材が好ましい。
プラスチック製発泡成形材2bの一つの気泡のセル径が大きくなるに従って、機械的強度が低下していく傾向があり、一つの気泡のセル径が1000μm以下のセル径を有するプラスチック製発泡成形材が好ましい。
【0062】
本発明の前述の「従属構成5」又は「従属構成6」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成9]
・前記プラスチック製発泡成形材2bは、JISA1412測定法における熱伝導率が0 .1W/mK以下、及び/又は、JISK6767測定法における見かけ密度が0.7 g/cm3以下、及び/又は、デュロメータ-硬度計、SRIS0101/ASKER -Cタイプ測定法における表面硬度が70度以下、の性質を有してなることを特徴とす る。
【0063】
表面部材として構成される発泡気泡を有するプラスチック製発泡成形材2bとしては、熱伝導率が、JISA1412測定法において、0.1W/mK以下、好ましくは0.07以下、更に好ましくは0.05以下を有するプラスチック製発泡成形材2bが、特に、好ましく、実施可能である。
また、例えば、硬度が、デュロメータ-硬度計、SRIS0101/ASKER-Cタイプ測定法における表面硬度が、70度以下、好ましくは60度以下、更に好ましくは50度以下、更に更に好ましくは40度以下の柔らかい硬度を有する軟質のプラスチック製発泡成形材2bが、特に、好ましく、実施可能である。
引張強度が、JISK6767測定法において、0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上、更に好ましくは0.5MPa以上の引張強度を有するプラスチック製発泡成形材2bが、特に、好ましく、実施可能である。
また、見かけ密度は0.7g/立方cm以下(JISK6767)であり、好ましくは0.5g/立方cm以下であり、より好ましくは0.3g/立方cm以下の見かけ密度有するプラスチック製発泡成形材2bが、特に、好ましく、実施可能である。なお、「立方cm」は「cm3」を意味する。
【0064】
この構成により下記の効果が得られる。
[効果ホ-c]:前述の「効果ホ」を奏すると共に、熱伝導率が0.1W/mK以下、及び/又は、硬度が70度以下、及び/又は、引張強度が0.1MPa以上を有する気泡を有するプラスチック製発泡成形材を備えた構成により、人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び/又は半円球中空形状の面方向に縮小して人体頭部表面に密着可能になり、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向に圧縮して、冷却媒体3が人体頭部に密着可能に形成され、冷却媒体の脱落が抑制されると共に、重量的に軽く、重く感じることなく軽い感じで疲労感なく長時間の装着が可能になるとともに、更に長時間の冷却維持性能に優れる等の、冷却媒体快適保持効果、及び快適装着性能効果、著しく優れた更に長時間の冷却維持性能に優れる、等の効果が著しく向上する。
【0065】
プラスチック製発泡成形材の熱伝導率が大きくなるに従って頭部を冷却する冷却維持時間が短くなる傾向にあり、熱伝導率が0.1W/mKを超える場合には、所望の冷却維持時間を確保できない傾向がある。
プラスチック製発泡成形材の硬度が硬くなるに従って、頭部冷却用具を頭部に装着したときに硬さに起因して頭部に物理的痛みを感じる傾向が有り、硬度が70度を超える場合には、快適な装着感に劣る傾向がある。
プラスチック製発泡成形材の引張強度が小さくなるに従って、頭部冷却用具を人体頭部に装着するときに引き伸ばしたときに、切断しやすくなる傾向が有り、引張強度が0.1MPa未満の場合には、表面部材が破損しやすくなる傾向がある。
頭部冷却用具を、頭部に装着した場合に、プラスチック製発泡成形材の見かけ密度が重くなるに従って重たく感じる等の装着感に劣る傾向にあり、0.7g/立方cmを超える頭部冷却用具を、頭部に装着した場合には、重たく感じる等の装着感に劣る傾向にある。
【0066】
特に、プラスチック製発泡成形材2bとして、好ましくは、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材が好ましく実施可能である。
独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材としては、特に限定されないが、例えば、多孔質を有するポリオレフィン系樹脂製発泡成形材、多孔質を有するポリエチレン製独立気泡発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製独立気泡発泡成形材、エチレンと他のビニルポリマとの共重合ポリマ製独立気泡発泡成形材、等のポリエチレン系独立気泡発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製独立気泡発泡成形材、ポリスチレン製独立気泡発泡成形材、ポリウレタン製独立気泡発泡成形材、ポリプロピレン樹脂製独立気泡発泡成形材、ポリ塩化ビニル製独立気泡発泡成形材、シリコンゴム製独立気泡発泡成形材、ポリアクリル製独立気泡発泡成形材、ユリア樹脂製独立気泡発泡成形材、エチレンプロピレンジエンゴム製独立気泡発泡成形材、等が実施可能である。
特に、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材としては、弾性を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材が好ましく実施可能である。
なお、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材としては、少なくとも独立気泡を有する発泡成形材が好ましく実施可能であり、独立気泡と連続気泡とを有する発泡成形材も好ましく実施可能である。
【0067】
上記の独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材を備えた構成により、[効果ホ-d:特定の厚さと独立気泡のセル径を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材により形成された表面部材を構成することにより、上記の「効果ホ」及び「効果ホ-a」を奏すると共に、特に、小さい熱伝導率に起因する優れた断熱性能を有し、これにより、著しく優れた更に長時間の冷却維持性能に優れる等の、冷却媒体快適保持効果、及び、更なる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具」が得られる。
【0068】
本発明の前述の「基本構成1」~「従属構成5」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
「従属構成7」
・前記表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空 形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備え、前記プラス チック製発泡成形材2bは、ポリエチレンを主成分とするポリエチレン製発泡成形材、 エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、及び、エチレンと他のビニルモノマとの 共重合ポリマであるポリエチレン共重合体製発泡成形材のうちの少なくとも一つのポリ エチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材であることを特徴とする構 成が好ましく実施可能である。
【0069】
ポリエチレン系発泡成形材は、ポリオレフィン系樹脂製発泡成形材の範疇に属し、ポリエチレンを主成分とするポリエチレン製発泡成形材、エチレンと酢酸ビニルとの共重合ポリマを主成分とするエチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、エチレンと他のビニルモノマとの共重合ポリマを主成分とするポリエチレン共重合体製発泡成形材、等である。
また、ポリエチレン系発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材としては、可塑剤、着色剤、防腐剤、抗菌剤、発泡剤、その他の添加剤を含有する発泡成形材が実施可能である。
【0070】
ポリエチレン製発泡成形材は、優れた断熱性を有すると共に、適度な柔軟性と伸縮性、適度な弾力・復元性を有し、引張・引裂等に優れた機械的強度を有する。エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材は、ポリエチレン製発泡成形材と比べて優れた柔軟性と伸縮性、適度な弾力・復元性を有する。ポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、ポリエチレン製発泡成形材やエチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材と比べて、更に優れた柔軟性と伸縮性、適度な弾力・復元性を有する。
【0071】
この構成により下記の効果が得られる。
[効果ホ-e:ポリエチレン製発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、ポリエチレン共重合体製発泡成形材等のポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、軽い軽量性、引張・引裂等に優れた機械的強度、優れた柔軟性と伸縮性、適度な弾力性と復元性を有するクッション弾力性、変形した状態から元の形状の立体形状に戻ることができる形状を維持できる優れた形状保形性、発泡気泡に起因する優れた断熱性能、等の性質を備え、頭部に装着する頭部冷却用具として最適な上記全ての性質を有するとともに、特に、優れた断熱性に起因する更なる長時間冷却維持性能効果を有し、その結果、冷却媒体快適保持効果、及び快適装着性能効果、及び、更なる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具]が得られる。
【0072】
特に好ましくは、前記プラスチック製発泡成形材2bとしては、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材が特に好ましい。
独立気泡を有する多孔質のプラスチック製独立気泡発泡成形材としては、例えば、独立気泡を有する多孔質のポリエチレンを主成分とするポリエチレン製独立気泡発泡成形材、エチレン・酢酸ビニル共重合体製発泡成形材、エチレンと他のビニルモノマとの共重合体であるポリエチレン共重合体製独立気泡発泡成形材のうちの少なくとも一つのポリエチレン系独立気泡発泡成形材、及び/又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、が好ましく実施可能である。独立気泡を有するポリエチレン系独立気泡発泡成形材、ポリ酢酸ビニル製独立気泡発泡成形材は、極めて細かい多数の独立気泡を有する多孔質の微細構造を有する。
【0073】
また、プラスチック製発泡成形材2bとしては、連続気泡を有するプラスチック製連続気泡発泡成形材も実施可能であるが、特に好ましくは、独立気泡を有するプラスチック製連続気泡発泡成形材が好ましい。プラスチック製独立気泡発泡成形材は、プラスチック製連続気泡発泡成形材よりも、若干に、優れた断熱性能を有する。
【0074】
独立気泡を有するポリエチレン系独立気泡発泡成形材、又は、独立気泡を有するポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、連続気泡を有するポリエチレン系連続気泡発泡成形材、又は、連続気泡を有するポリ酢酸ビニル製発泡成形材と比べて、小さい熱伝導率を有し(換言すれば大きい断熱性能を有し)、これにより、更に長時間の冷却作用を維持できる長時間冷却維持性能効果を有する頭部冷却用具を得ることができる。
すなわち、表面部材としてポリエチレン系独立気泡発泡成形材を備えた構成により、前述の[効果ホ-c]の効果が更に著しく発揮される頭部冷却用具が得られる。
【0075】
ポリエチレンを主成分とするポリエチレン製発泡成形材、エチレンと他のビニルモノマ-との共重合ポリマであるポリエチレン共重合体製発泡成形材、等のポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材としては、化学的に架橋されてなる架橋型ポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材、又は、化学的に架橋されていない非架橋型ポリエチレン系発泡成形材のいずれかのポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材が実施可能である。
特に好ましくは、化学的に架橋されてなる架橋型ポリエチレン系発泡成形材、又は、化学的に架橋されてなる架橋型ポリ酢酸ビニル製発泡成形材が、好ましく実施可能である。
架橋型ポリエチレン系発泡成形材又は架橋型ポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、化学構造的に架橋された三次元構造を有する。
化学的に架橋形成されてなる架橋型ポリエチレン系発泡成形材、又は、架橋型ポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、化学的に架されていない通常のポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形と比べて、引張強度、圧縮強度、復元率、反発弾性率、等の伸縮性及び柔軟性に優れた特性を有する。
【0076】
すなわち、表面部材2として、少なくとも、ポリエチレンを主成分とするポリエチレン製発泡成形材、エチレンと他のビニルモノマを含む共重合ポリマであるポリエチレン共重合体製発泡成形材等のポリエチレン系発泡成形材、又は、ポリ酢酸ビニル製発泡成形材であって、独立気泡発泡成形材であって、化学的に架橋されてなる架橋型発泡成形材である架橋型ポリエチレン系独立気泡発泡成形材、又は、架橋型ポリ酢酸ビニル製独立気泡発泡成形が、特に好ましく実施可能である。
【0077】
発泡成形材より成る略半円球中空形状を有する表面部材2を立体形状に成形して製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、所定立体形状のキャビティを有する金型の中に加熱されたポリマ原料を充填して立体形状の発泡成形体を製造する方法、又は、板状の発泡成形体を、所定立体形状を有する上下の金型の間に挟んだ状態で加熱・押圧加工して所定立体形状の発泡成形体を製造する方法、等により、プラスチック製発泡成形材を製造することができる。
【0078】
頭部冷却用具の表面部材として構成可能な一例の、化学的に架橋形成されてなるとともに独立気泡を有する架橋型ポリエチレン系独立気泡発泡成形材、及び、架橋型ポリ酢酸ビニル製独立気泡発泡成形材の一般物性を表1に示す。
【0079】
【0080】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成5」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
「従属構成8」
・前記表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空 形状を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備え、プラスチッ ク製発泡成形材2bは、シリコンゴム製発泡成形材である、ことを特徴とする。
【0081】
この構成に下記の効果が得られる。
[効果ホ-f]:シリコンゴム製発泡成形材は、軽い軽量性、引張・引裂等に優れた機械的強度、優れた柔軟性と伸縮性、適度な弾力性と復元性を有するクッション弾力性、変形した状態から元の形状の立体形状に戻ることができる形状を維持できる優れた形状保形性、発泡気泡に起因する優れた断熱性能、等の性質を備え、頭部に装着する頭部冷却用具として最適な上記全ての性質を有するとともに、特に、優れた断熱性に起因する更なる長時間冷却維持性能効果を有し、その結果、冷却媒体快適保持効果、及び快適装着性能効果、及び、更なる長時間冷却維持性能効果を奏する頭部冷却用具]が得られる。
【0082】
シリコンゴム発泡成形材としては、多数の微小な独立気泡を有するシリコンゴム独立気泡発泡成形材、又は、多数の微小な連続気泡を有するポリエチレン系シリコンゴム連続気泡発泡成形材が使用可能である。
特に好ましくは、プラスチック製発泡成形材2bは、独立気泡を有するプラスチック製独立気泡発泡成形材であり、その独立気泡を有する多孔質のプラスチック製独立気泡発泡成形材としては、独立気泡を有する多孔質のシリコンゴム製独立気泡発泡成形材が好ましく実施可能である。独立気泡を有する多孔質のプラスチック製独立気泡発泡成形材は、極めて細かい多数の独立気泡を有する多孔質の微細構造を有する。独立気泡を有するシリコンゴム製独立気泡発泡成形材は、連続気泡を有するシリコンゴム製連続気泡発泡成形材と比べて、小さい熱伝導率を有し(換言すれば大きい断熱性能を有し)、これにより、更に長時間の冷却作用を維持できる長時間冷却維持性能効果を得ることができる。
なお、シリコンゴム製独立気泡発泡成形材は、化学的に架橋形成されてなる架橋型のシリコンゴム製独立気泡発泡成形材である。
すなわち、表面部材としてシリコンゴム製独立気泡発泡成形材を備えた構成により、前述の[効果ホ-d]の効果が更に著しく発揮される頭部冷却用具が得られる。
【0083】
発泡成形材より成る略半円球中空形状を有する表面部材2を立体形状に成形して製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、所定立体形状のキャビティを有する金型の中に加熱されたポリマ原料を充填して立体形状の発泡成形体を製造する方法、又は、板状の発泡成形体を、所定立体形状を有する上下の金型の間に挟んだ状態で加熱・押圧加工して所定立体形状の発泡成形体を製造する方法、等により、プラスチック製独立気泡発泡成形材を製造することができる。
【0084】
頭部冷却用具の表面部材として構成可能な一例のシリコンゴム製発泡成形材の一般物性を表2に示す。
【0085】
【0086】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成9」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
「従属構成10」
・前記表面部材2は、該表面部材2の開口部周囲領域の内面側に形成された表面部材開口 部周囲突出枠部21を有し、これにより、表面部材2は、該表面部材2と表面部材開口 部周囲突出枠部21とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部を形成 し、冷却媒体3が表面部材内面凹部の中に設置されてなる、ことを特徴とする。
【0087】
図4は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図4において、頭部冷却用具は表面部材開口部周囲突出枠部21を構成してなる。また、
図1、
図2、
図3においても、表面部材開口部周囲突出枠部21を構成してなる。
図1、
図2、
図3、
図4において、表面部材2は、該表面部材2の略半円球中空形状の開口部周囲領域の内面側に形成された表面部材開口部周囲突出枠部21を有し、これにより、表面部材2は、該表面部材2と表面部材開口部周囲突出枠部21とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部を形成し、冷却媒体3が表面部材内面凹部の中に設置されてなる。
【0088】
この構成により、上記の「効果イ」~「効果ホ」を奏するとともに、更に、[効果ヘ:冷却媒体3が、表面部材2と表面部材開口部周囲突出枠部21とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部に保持されることが可能になり、冷却媒体3が頭部冷却用具から脱落する現象が抑制される効果]が得られる。
【0089】
図1~
図4において、表面部材2は略半円球中空形状を有し、その略半円球中空形状の開口部の周囲領域に、表面部材開口部周囲突出枠部21が形成されてなる。すなわち、表面部材2は、該表面部材2と表面部材開口部周囲突出枠部21とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部を形成してなる。
表面部材開口部周囲突出枠部21は、表面部材2の略半円球中空形状の開口部の周囲領域に一体に形成された構成が好ましく実施可能である。又は、表面部材開口部周囲突出枠部21は表面部材2とは別体部材として構成され、表面部材開口部周囲突出枠部21は表面部材2とが互いに接合されてなる構成も好ましく実施可能である。
【0090】
好ましくは、表面部材開口部周囲突出枠部21は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有する構成が、好ましく実施可能である。この構成においては、表面部材開口部周囲突出枠部21は表面部材2と同じ材料素材であって、表面部材開口部周囲突出枠部21は表面部材2とが一体に形成されてなる構成が実施可能である。
この構成により、[効果ヘ-a:表面部材開口部周囲突出枠部21が伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有する構成により、表面部材開口部周囲突出枠部21が人体頭部方向に伸縮して人体頭部方向に収縮して、人体頭部に圧迫及び/又は密着可能になり、これにより、冷却媒体3が頭部冷却用具から脱落する現象が抑制される効果が更に著しく発揮される効果]が得られる。
表面部材開口部周囲突出枠部21の突出寸法は、特に限定されないが、冷却媒体の厚さ寸法を超える寸法が好ましく実施可能である。これにより、冷却媒体が表面部材から脱落することが抑制される効果が更に向上する。
なお、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成も実施可能である。この場合、東部冷却用具が人体頭部に装着されたとき、冷却媒体3が人体頭部と表面部材2とに挟まれた状態で装着されるために、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が防止されることになる。
【0091】
表面部材2の大きさ寸法としては、冷却媒体3、及び他の構成部材を構成した状態において、人体頭部を覆って装着可能な程度の大きさ寸法を有する形状が好ましい。
例えば、成人男女50人について、人体頭部の人体耳部の上耳部を含む人体頭部周囲の長さ、及び、人体頭部の人体額を含む人体頭部周囲の長さを測定した結果、上耳部を含む人体頭部周囲長は約52~約60cmであり、人体頭部の人体額を含む人体頭部周囲長は約530~約600mmであり、上耳部を含む人体頭部周囲長の平均値は562mmであり、人体額を含む人体頭部周囲長は557mmであった。
この人体頭部の周囲長から計算して、厚さが約10mmの冷却媒体3を構成した頭部冷却用具における表面部材2の最適な内面側の周囲長は、約593mm~約663mmの範囲であり、平均値の表面部材2の内面側の周囲長は、約625mmである。
構成する冷却媒体3の厚さに対応して、最適な内面側の周囲長を有する表面部材2を構成することが好ましい。
【0092】
<冷却媒体について>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成10」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
「従属構成11」
・前記冷却媒体3は、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された密封冷却媒体 の形態で構成されてなる。
・前記密封冷却媒体は、(a)冷媒密封冷却媒体、(b)プラスチック製発泡基材冷媒含 浸密封冷却媒体、及び、(c)布製基材冷媒含浸密封冷却媒体、のうちの少なくとも一 つの密封冷却媒体を有してなる。
・前記(a)冷媒密封冷却媒体は、水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分 子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器32に 充填されてなる冷媒密封冷却媒体である。
・前記(b)プラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体は、水、アルコール、多価ア ルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31をプ ラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密封 容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体である。
・前記布製基材冷媒含浸密封冷却媒体は、(c)水、アルコール、多価アルコール、及び 、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31を不織布製基材及び /又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる 布製基材冷媒含浸密封冷却媒体である。
・密封冷却媒体3が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は表面部材2の 内面側に設置されてなる、ことを特徴とする。
【0093】
上記の構成により、[効果ト-a:冷媒が柔軟性を有するプラスチック製フィルム製容器の中に充填されてなる構成により、プラスチック製フィルム製の袋容器の形状を、所望の形状に設計して製造することが容易に可能になり、人体頭部の所望の領域又は人体頭部の全体を覆って冷却可能となる形状を有する冷媒密封冷却媒体を所望形状に設計可能になり、人体頭部の所望領域又は人体頭部全体を効率よく冷却することが可能になる効果]が得られる。
【0094】
更に、上記の構成により、[効果ト-b:水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子等の冷却媒体の種類、混合割合を設計することにより、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能を有する所望性能の冷却媒体を調製することができ、-5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。特に、約25~37℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有するとともに、約0℃においても、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体を容易に設計可能であり、この場合、冷却媒体を収納した頭部冷却用具を装着した時に、人体頭部に硬い違和感を感じることなく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0095】
更に、上記の構成により、[効果ト-c:水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子等の冷媒を、プラスチック製発泡基材、不織布製基材及び/又は織布製基材に含浸してなる基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる基材冷媒含浸密封冷却媒体の構成により、冷媒が冷却されているときの略固形形状と冷媒の温度が上昇したときの流動性を有する液状形状の如何にかかわらず、プラスチック製発泡基材、不織布製基材及び/又は織布製基材の厚さ大きさ形状が変化しないために、密封冷却媒体は所定の形状を維持することが可能となり、快適な冷却効果が更に発揮できる]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0096】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成10」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成12]
・冷却媒体3は、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された繰返型密封冷却媒 体の形態で構成されてなる頭部冷却用具が、好ましく実施可能である。
・繰返型密封冷却媒体は、(a)冷媒密封冷却媒体、(b)プラスチック製発泡基材冷媒 含浸密封冷却媒体、及び、(c)布製基材冷媒含浸密封冷却媒体、のうちの少なくとも 一つの繰返型密封冷却媒体を有してなる。
・前記の(a)冷媒密封冷却媒体は、水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高 分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器32 に充填されてなる冷媒密封冷却媒体である。
・前記の(b)プラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体は、水、アルコール、多価 アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31を プラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密 封容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体である。
・前記の(c)布製基材冷媒含浸密封冷却媒体は、水、アルコール、多価アルコール、及 び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31を不織布製基材及 び/又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてな る布製基材冷媒含浸密封冷却媒体である。
・繰返型密封冷却媒体3が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は表面部 材2の内面側に設置されてなる、ことを特徴とする。
【0097】
上記の構成により、[効果ト-d:前述の「効果ト-a」及び「ト-b」が得られるとともに、更に、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された繰返型密封冷却媒体を構成した頭部冷却用具により、繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能、等の効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0098】
図5は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の断面の構成模式図である。
図5の(A)は、所定の冷媒31が柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の密封容器32の中に充填されてなる冷却媒体3であり、特に、プラスチック製フィルム製の密封容器32は分割されることなく一つの収納部が頭部全体を覆うことが可能な大きさを有する形態であり、この構成は、例えば、
図1(B)のA-A線の断面に示される冷却媒体3の構成を示す。
図5の(B)は、所定の冷媒31が、柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の密封容器32の中に充填されてなる冷却媒体3であり、特に、プラスチック製フィルム製の密封容器32は複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3c、3d、3eが頭部全体を覆うことが可能な大きさを有する形態であり、この構成は、例えば、
図2(B)のA-A線の断面に示される冷却媒体3の構成を示す。
図5の(C)は、所定の冷媒31が、柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の密封容器32の中に充填されてなる冷却媒体3であり、特に、プラスチック製フィルム製の密封容器32は複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3h、3i、3j、3m、3kが頭部全体を覆うことが可能な大きさを有する形態であり、この構成は、例えば、
図3(B)のA-A線の断面に示される冷却媒体3の構成を示す。
なお、これらの複数個に分割されてなる複数の冷却媒体のそれぞれの冷却媒体は、所望の個所で互いに連結されてなる冷却媒体連結部35を有し、その連結される冷却媒体連結部35で屈曲可能であって、人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能である形状構成が好ましい。
なお、上記の「複数個に分割されてなる複数の冷却媒体」は、後述の「複数個分割連結密封冷却媒体」に相当し、「冷却媒体連結部35」は後述の「複数個分割連結密封冷却媒体連結部35」に相当する。
【0099】
冷却媒体3は、人体頭部に装着したときに、人体頭部の頭頂部を含む頭部全体、又は、人体頭部の所望領域を覆うことが可能な略半円球中空形状を有する形状であって、人体頭部に強い圧迫感を感じることのない程度に人体頭部全体を覆うことが可能な大きさが好ましく、また、厚さ寸法が3~20mm、好ましくは5~17mm、更に好ましくは7~15mmが好ましく実施可能である。
冷却媒体3の厚さ寸法が、3mm未満の場合には冷却媒体の全量が少ないために、頭部を長時間冷却する長時間冷却維持効果に劣る傾向があり、20mmを超える場合には人体頭部に装着したときに重い重さを感じて装着感に劣る傾向がある。
【0100】
上記の[従属構成11]、[従属構成12]において、冷媒を充填する密封容器としては、特に限定されないが、例えば、柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の袋容器、又は、柔軟性を有する金属薄膜をラミネート含有する金属薄膜ラミネートプラスチック製フィルム製の袋容器であって、冷凍冷蔵庫冷却と人体装着との繰り返し使用においても劣化、破損等の発生がない容器が使用でき、特に、熱溶着により密封して封止可能なプラスチック製フィルム製の袋容器が好ましく、これにより、任意の形状を有する袋容器を容易に量産製造可能になる。また、このようなプラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により複数個に分割されるとともに互いに連結された密封冷却媒体を製造できる。
例えば、内層として熱融着可能なポリエチレン、ポリプロピレンが構成され、外層として強い機械的強度を有するポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)が構成された柔軟性を有するプラスチックラミネートフィルム製袋容器が使用できる。これに限定されることなく、ポリ塩化ビニール、アルミ蒸着フィルムなどを使用したプラスチックラミネートフィルム製袋容器も使用できる。
内層ポリエチレン層又は内層ポリプロピレン層は熱融着可能であり、任意の形状のフィルム製袋容器を熱融着により形成できる。
外層又は表面部材中間層に文字、絵柄、図柄などを印刷形成したプラスチックフィルムも使用でき、冷却媒体の種類、使用方法などを印刷形成することにより、使用者の利便性が向上する。
【0101】
(a)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器32に充填されてなる冷媒密封冷却媒体としては、例えば、下記の冷媒密封冷却媒体が好ましく実施可能である。
(a-i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体であって、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、これらの架橋高分子、これらの共重合高分子、等を水に溶解した媒体、又は、水を保持したこれらの水溶性高分子を含有する冷却媒体が使用できる。
(a-ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した多価アルコール密封冷却媒体であって、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、等の多価アルコールを含有する媒体、又は、これらの多価アルコールと低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)との混合媒体、等が使用できる。
(a-iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体であって、例えば、上記の水溶性高分子、多価アルコール、低級アルコ-ル及び水を所望割合で混合することにより、任意の粘性を有する媒体が調製できる。例えば、多価アルコールとしてのプロピレングリコールと、水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロースと、水とを含有してなる冷却媒体が使用できる。
【0102】
これらの冷却媒体の種類、混合割合を設計することにより、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能を有する所望性能の冷却媒体を調製することができ、-5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。
本発明においては、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有するとともに、約0℃においても、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体8が特に好ましい。この場合、冷却媒体を収納した頭部冷却用具を装着した時に、人体頭部に硬い違和感なく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる。
【0103】
上記の(b)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31をプラスチック製発泡基材に含浸してなるプラスチック製発泡基材含浸型冷却媒体が、密封容器に充填されてなるプラスチック製発泡基材冷媒含浸密封冷却媒体において、プラスチック製発泡基材としては、特に限定されないが、多数の連続気泡を有する多孔質連続気泡発泡であって、柔軟性を有するプラスチック製発泡基材が好ましく実施できる。
例えば、柔軟性を有するポリウレタン製連続気泡発泡基材、柔軟性を有するポリエチレン製連続気泡発泡基材、柔軟性を有するポリシリコン製連続気泡発泡基材、等であって、例えば、厚さが3~20mmであって、密封容器の大きさ形状に相似する形状を有する所望の形状のものが実施できる。
【0104】
上記の(c)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31を不織布製基材及び/又は織布製基材に含浸してなる布製基材含浸型冷却媒体が密封容器に充填されてなる布製基材冷媒含浸密封冷却媒体としては、特に限定されないが、合成繊維、天然繊維製、又はこれらの混合繊維製であって、柔軟性を有する不織布製基材及び/又は織布製基材が好ましく実施できる。例えば、ポリエステル製繊維、ポリウレタン製繊維、ポリアミド製繊維、ポリアクリル製繊維、綿製繊維、羊毛製繊維、これらの繊維の混合繊維、等から調製された柔軟性を有する不織布製基材及び/又は織布製基材、等であって、例えば、厚さが3~20mmであって、密封容器の大きさ形状に相似する形状を有する所望の形状のものが実施できる。
【0105】
(i)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷却媒体としては、(a)家庭又は医療機関等で使用されている汎用の冷蔵庫又は冷凍庫の中に載置して約10℃以下の温度に冷却することにより、低温状態の冷却状態冷却媒体となり、(b)人体頭部に装着使用して、人体の体温まで昇温した昇温状態の昇温状態冷却媒体となり、(c)昇温状態となった冷却媒体を取出し、(a)取出した冷却媒体を再度、冷凍冷蔵庫内で冷却、のサイクルの冷却と昇温を繰返し使用しても変質しなく劣化しない冷却媒体が好ましく実施可能である。
このような冷却媒体としては、特に限定されないが、例えば、約25℃において、液体、半固体状物質、固体粉末、又は、これらの混合媒体が使用できるが、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体が好ましい。更に、特に好ましくは、約0℃の低温においても、固化することなく、粘性状、ゲル状、ジェル状、等の半固体形状を有する冷却媒体が特に好ましい。
このような冷却媒体として、上記の(a)水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が、柔軟性を有する密封容器32に充填されてなる冷媒密封冷却媒体が好ましく実施可能である。
【0106】
繰返型密封冷却媒体は、例えば、冷蔵庫又は冷凍庫の中で約-20℃~10℃に冷却され、その冷却された密封冷却媒体を人体頭部に装着して使用される。
人体頭部に装着して、密封冷却媒体の温度が上昇して冷却効力が低下した場合、密封冷却媒体を、人体頭部から取出し、冷蔵庫又は冷凍庫の中で冷却する。このように、密封冷却媒体は、(a)冷蔵庫又は冷凍庫で冷却・(b)人体頭部装着使用・(c)頭部冷却用具から取出し・(a)冷却、のサイクルを繰り返して使用される。
これにより、密封冷却媒体8を構成した頭部冷却用具により、繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0107】
本発明の前述の「従属構成11」又は「従属構成12」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成13]
・本発明の、前記冷却媒体3は、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された密 封冷却媒体の形態で構成され、密封冷却媒体は、複数個に分割された複数の複数個分割 連結密封冷却媒体を有する形態で構成され、密封冷却媒体は、前記複数個分割連結密封 冷却媒体が互いに連結されてなる少なくとも一つの冷却媒体連結部を有し、該冷却媒体 連結部において、密封冷却媒体が屈曲自在に連結されてなり、それぞれの複数個分割連 結密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致する形状に 組み立て形成可能に形成されてなる、ことを特徴とする。
・特に好ましくは、表面部材2の内面が凹凸のない滑からな略半円球形状を有する場合に は、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材2の 内面の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能に形成されてなる構成が、好まし く実施可能である。
【0108】
図16は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の構成を説明するための模式的平面図である。
冷却媒体3は、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された密封冷却媒体3の形態で構成される。
図16の(A)、(B)、(C)に示されるように、密封冷却媒体3は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体3a、3b、3c、3d、3eを有するとともに、
それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3j、3k、3l、3m、3nは、少なくとも一つの互いに連結された冷却媒体連結部35を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、冷却媒体連結部35において、屈曲自在に連結されてなり、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能に構成されてなる。
【0109】
好ましくは、密封冷却媒体は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有する形態で構成されるとともに、一体に形成されてなる構成が好ましく実施可能である。
例えば、
図16に示される冷却媒体3において、プラスチックフィルム製の複数個に分割された複数の収納部密封容器32の中に、多価アルコールと水溶性高分子と水とを含有してなる冷媒が収納されてなる複数個分割連結密封冷却媒体が実施可能である。
そして、これらの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体が立体形状に組み立てられて、人体頭部の形状に略一致する半円球中空状に形成可能に構成されてなる。
この場合、それぞれの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体の間に隙間を生じない程度に構成されてなる構成が特に好ましい。
【0110】
好ましくは、
図2に示されるように、密封冷却媒体3は、複数個分割連結密封冷却媒体3を有し、複数個分割連結密封冷却媒体3は、人体頭部に装着したとき、頭頂部を覆う位置に形成される頭頂部分割連結密封冷却媒体3aと、該頭頂部分割連結密封冷却媒体3aの周囲領域に形成される複数の頭側部分割連結密封冷却媒体3b、3c、3d、3aとを有する構成が好ましく実施可能である。更に、少なくとも、複数の頭側部分割連結密封冷却媒体3b、3c、3d、3aのそれぞれの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体が、頭頂部分割連結密封冷却媒体3aに屈曲可能に連結されてなる構成が好ましく実施可能である。そして、これらの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体が立体形状に組み立てられて、人体頭部の形状に略一致する略半円球中空形状に形成可能に構成されてなる構成が好ましく実施可能である。この場合、それぞれの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体の間に隙間を生じない程度に構成されてなる構成が特に好ましい。
【0111】
好ましくは、
図3、
図4(C)に示されるように、密封冷却媒体3は、複数個分割連結密封冷却媒体3を有し、複数個分割連結密封冷却媒体3は、人体頭部に装着したとき、頭頂部を中心として周囲方向に分割された複数の頭側部分割連結密封冷却媒体3f、3g、3h、3i、3j、3kを有する構成が好ましく実施可能である。更に、少なくとも、分割された複数の頭側部分割連結密封冷却媒体3f、3g、3h、3i、3j、3k、3m、3nのそれぞれの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体が、頭頂部分割連結密封冷却媒体3aに屈曲可能に連結されてなる構成が好ましく実施可能である。そして、これらの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体が立体形状に組み立てられて、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に略一致する半円球中空形状に形成可能に構成されてなる構成が好ましく実施可能である。この場合、それぞれの複数の頭側部分割連結密封冷却媒体の間に隙間を生じない程度に構成されてなる構成がとくに好ましい。
【0112】
このように、例えば、前述の
図2、
図3、
図4(C)及び、
図5(C)に示されるように、密封冷却媒体3は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有するとともに、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、互いに連結された冷却媒体連結部を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、前記冷却媒体連結部において、屈曲自在に連結されてなり、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能である。
密封冷却媒体3は、人体頭部の頭頂部、前頭部、後頭部、左側頭部、右側頭部、等の人体頭部の前頭部を覆って装着可能な略半円形状に組み立て形成可能である。
これらの分割の数は、特に限定されなく、任意の数に分割された複数個分割連結密封冷却媒体が使用可能である。
屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体は、例えば、プラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により作成された複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用できる。
【0113】
この構成により、[効果ト-e:複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有する構成により、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した略半円球中空形状に組み立てられた状態で装着されて、人体頭部全体及び/又は頭部の所望領域を冷却可能になるとともに、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できる効果]が得られる。
特に、例えば、
図2、
図3に示すような複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有する冷却媒体3が構成されてなることにより、冷却媒体3が、人体頭部の頭頂部、前頭部、後頭部、左側頭部。右側頭部、等の頭部の全領域を覆って、隙間なく、頭部を覆うことが可能になり、その結果、特に、[効果ト-f:前述の「効果イ-a:上記効果イを奏すると共に、一般に、抗がん剤投与における治療において、頭皮を冷却することにより、抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が得られることが知られており、冷却媒体3が人体頭部の全領域を覆って、隙間なく、頭部を覆うことが可能な構成により、頭髪が生えている頭頂部の頭部表面を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛根付近の血管を収縮せしめて、癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果」をさらに著しく発揮できる頭部冷却用具が得られる効果]が期待できる。
【0114】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成13」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成14]
・前記表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、前記冷却媒体3が、略半 円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略 半円球中空形状形態で設置され、人体頭部に装着された時に、前記冷却媒体が該人体頭 部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる 、ことを特徴とする。
・例えば、
図1、
図2、
図3に示されるように、表面部材2が略半円球中空形状の表面部 材内面を有し、冷却媒体3が略半円球中空形状形態で設置された構成が好ましく実施で きる。
【0115】
この構成により、冷却媒体3が、人体頭部の頭頂部、前頭部、後頭部、左側頭部、右側頭部等を含む頭部の全領域を覆って、隙間なく、頭部を覆うことが可能になり、[効果ト-g:冷却媒体が表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状形態で設置された構成により、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、冷却媒体が、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致して略半円球中空形状に組み立てられた状態で装着されて、人体頭部の全体領域を冷却可能になるとともに、違和感なく、優れた冷却作用を発揮できる状態で頭部冷却用具を装着できる効果]が得られる。
【0116】
特に、
図1に示すような略半円球中空形状を有する冷却媒体3、又は、
図2、
図3に示すような複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を有する冷却媒体3が構成されてなることにより、冷却媒体3が、人体頭部の全領域を覆って、隙間なく、頭部を覆うことが可能になり、その結果、特に、[効果ト-h:前述の「効果イ-a」と類似の、人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れ、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがなく、快適な装着感を有する、等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏する]。
また、[効果ト-ha:特に、一般に、抗がん剤投与における治療に使用された場合、頭皮を冷却することにより、抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が得られることが知られており、頭髪が生えている頭頂部、前頭部、後頭部、左右側頭部、等の頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包・毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、これにより、頭髪の毛包・毛根付近における投与された抗がん剤を減少させ、これにより、抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果]を奏する頭部冷却用具が期待できる。
【0117】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成14」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成15]
・
図1、
図2、
図3、
図4に示されるように、前記表面部材2は、略半円球中空形状の表 面部材内面を有し、前記冷却媒体3は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒3 1が密封容器32に充填された繰返型密封冷却媒体3、の形態で構成されてなる。
・繰返型密封冷却媒体3が冷却された状態において、繰返型密封冷却媒体が、略半円球中 空形状の表面部材内面の形状に一致する略相似形状を有する略半円球中空形状形態に形 成可能に形成されてなり、繰返型密封冷却媒体3が、略半円球中空形状の表面部材内面 の側の頭頂領域と側頭周囲領域を含む所望領域に、表面部材内面の形状に一致する略半 円球中空形状形態で設置されてなる。
・人体頭部に装着された時に、繰返型密封冷却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部 材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる。
【0118】
上記の構成により、前述の「効果ト-a」~「効果ト-h」等の効果が得られるとともに、更に、[効果ト-i:冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された繰返型密封冷却媒体を構成した頭部冷却用具により、繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能、等の効果]と類似の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0119】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成15」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成16]
・冷却媒体3は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰 返型密封冷却媒体3、の形態で構成されてなる。
・繰返型密封冷却媒体3は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個 分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在 に連結されてなる、及び/又は、(ii)繰返型密封冷却媒体3は、複数個に分割され ることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の形態を 備えてなる。
・表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、繰返型密封冷却媒体3が、略 半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、表面部材内面の形状に一致する略半 円球中空形状形態で設置され、これにより、人体頭部に装着された時に、繰返型密封冷 却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可 能に形成されてなる、ことを特徴とする。
【0120】
この構成により、[効果ト-j:複数個分割連結密封冷却媒体及び/又は単一密封冷却媒体の形態を有する構成により、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、該頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着されて、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できるとともに、頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能がさらに向上する効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0121】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成16」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成17]
・前記冷却媒体(3)は、人体頭部の形状に略一致して冷却されてなる略半円球中空形状 を有すると共に該略半円球中空形状を維持できる程度の形状維持性を有し、人体頭部に 装着された時に、冷却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一 致した状態で装着可能に形成されてなる、ことを特徴とする。
【0122】
この構成により、[効果ト-k:該半円球中空形状形態を維持できる程度の形状維持性を有する繰返型密封冷却媒体の構成により、繰り返し使用可能に起因して経済的に有利になり、更に、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、該頭部及び/又は表面部材2の内面の形状に一致して、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できるとともに、略半円球中空形状に起因して、頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能がさらに向上する効果を有する効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0123】
前述の「従属構成17」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成18]
・冷却媒体3は、約0℃以下において形状を維持できる程度の固形状を有し、0℃から昇 温するに従って形状を維持できる程度の半固形状になり、更に昇温した約25℃以上に おいて流動形状に変化する性質を有し、冷却媒体3は、人体頭部及び/又は表面部材2 の内面の形状に略一致する略半円球中空形状を有する約0℃以下に冷却されてなると共 に略半円球中空形状を有する形態で人体頭部に装着可能に形成されてなる、ことを特徴 とする。
【0124】
この構成により、前述の[効果ト-k]がさらに著しく発揮できる効果が得られる。
【0125】
例えば、冷却媒体が所望の温度に冷却された状態で人体頭部に装着されるときに、その冷却された冷却媒体が略半円球中空状形態を有するとともに、その略半円球中空状形態を維持できる程度の保形性を有する構成が好ましい。
例えば、水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒が柔軟性を有する密封容器に充填されてなる冷媒密封冷却媒体が構成されてなる場合、冷却状態において略半円球中空状形態を維持できる程度の所望の形状になるように最適な成分に調製された冷媒密封冷却媒体が構成できる。
【0126】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成10」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成19]
・冷却媒体3は、下記の(d-i)、(d-ii)、(d-iii)、(d-iv)、(d-v)、(d-vi)、(d-vii)、及び/又は、(e)の冷却媒体3を含有してなる。
・(d-i)小片状の氷材及び/又は低温水を、袋状容器に充填してなる氷及び/又は低温水含有冷却媒体.
・(d-ii)低温水、又は、水とアルコール及び/又は多価アルコールを含有する水アルコール混合液、を布に含浸した低温水含浸布製冷却媒体、又は、水を含浸した布、又は水とアルコール及び/又は多価アルコールを含有する水アルコール混合液、を布に含浸したものを低温に冷却した低温水含浸布製冷却媒体.
・(d-iii)水とアルコール及び/又は多価アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液と小片状の氷材を、袋状容器に充填してなる氷アルコール水含有冷却媒体.
・(d-iv)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を、布基材に含浸してなる冷媒含浸布製冷却媒体、又は、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含浸した布を低温に冷却してなる冷媒含浸布製冷却媒体.
・(d-v)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を、連続多孔質気泡を有するプラスチック発泡基材に含浸してなる冷媒含浸プラスチック発泡冷却媒体、又は、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを含浸したプラスチック発泡基材を低温に冷却してなる冷媒含浸プラスチック発泡冷却媒体.
・(d-vi)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを、布基材に含浸してなる冷媒が、袋状容器に充填されて、低温に冷却してなる冷媒含浸布製冷却材媒体.
・(d-vii)水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを、プラスチック発泡基材に含浸してなる冷媒が、袋状容器に充填されて、低温に冷却してなる冷媒含浸布製冷却材媒体.
・(e)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填されてなる外部衝撃冷却密封冷却媒体.
・このような冷却媒体3が、所望の温度に冷却された状態で、人体頭部及び/又は表面部材2の内面側に設置されてなる、ことを特徴とする頭部冷却用具。
【0127】
この構成により、[効果ト-m:氷含有冷却媒体、冷媒含浸冷却媒体、外部衝撃冷却密封冷却媒体等の使用構成により、優れた冷却能力を奏するとともに、使い捨て使用が可能であるために、衛生的である等、家庭や医療機関で容易に取り扱いが可能である利点]がある。
【0128】
(d-i)氷及び/又は低温水含有冷却媒体としては、例えば、約0.1~約5mmの氷片材をプラスチック製袋容器の中に充填したもの、又は、氷片材と低温水(約5℃以下の低温水)をプラスチック製袋容器の中に充填したものが使用できる。
(d-ii)低温水含浸布製冷却媒体としては、例えば、ガーゼやタオルなどの冷媒保持布材に氷水を含浸したもの、又は、水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材が使用できる。
(d-iii)氷アルコール水含有冷却媒体としては、例えば、ガーゼやタオルに、冷却した水エタノール混合液及び/又は水イソプロピルアルコール混合液を含浸したものが使用できる。
(d-iv)冷媒含浸布製冷却媒体としては、不織布製基材及び/又は織布製基材等の布基材に、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を低温に冷却したものが使用できる。
(d-v)冷媒含浸プラスチック発泡冷却媒体としては、軟質ポリウレタン製又はポリオレフィン製の連続気泡を有する連続気泡含有発砲プラスチック製基材に、水、アルコール、多価アルコール及び水溶性高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つを冷却した冷媒を低温に冷却したものが使用できる。
【0129】
これらの冷却媒体の蒸発時に発生する蒸発熱又は気化熱により、人体の体温が低下する性質を利用したものであり、特に、(d-iii)水アルコール混合液含浸布材はアルコールに起因する蒸発熱により頭部を冷却する効果が著しく向上する。
なお、このような湿布型冷却媒体を頭部に装着した場合に、頭部が水又はアルコールに起因して濡れてくることがあるが、その時には、適切なタオルなどを人体頭と頭部冷却用具との間に介在させて使用する方法が好ましい。
【0130】
低級アルコールとしてエタノール及び/又はイソプロピルアルコールを使用する場合、これらのアルコール含有割合は、特に限定されないが、水とアルコール合計量に対して、3~50重量%の範囲が好ましく、3重量%未満の場合には約-5℃の低温において固化する傾向にあり、50%を超える場合には、人体頭部に装着した時にアルコールの蒸発に起因して装着者に不健康感、不快感を及ぼす傾向がある。
水と低級アルコールとの混合割合を任意に選択することにより、例えば、-18℃の低温においても固化しない液体状の冷却媒体を得ることが可能となり、布に含浸して使用され、また、柔軟な袋状プラスチック製袋容器の中に充填して使用可能であり、低温においても流動状態を維持しているために、人体頭部に装着した場合に、ゴツゴツした装着違和感が抑制された快適な装着性を有する頭部冷却用具が得られる。
【0131】
これらの冷却媒体を保持する冷媒保持布材としては、前述のガーゼやタオルに限定されることなく、優れた吸水保持性を有する布材が使用され、その布材としては、例えば、天熱繊維製又は合成繊維製の不織布又は織布、軟質発泡ウレタン・軟質発泡オレフィンなどの連続気泡含有発泡プラスチック、特殊加工した高吸水性の不織布又は織布などが好ましい。
これらの湿布型冷却媒体は繰返し使用ができないが、優れた冷却能力を奏する性質を有するとともに、家庭や医療機関で容易に取り扱いが可能である利点がある。
【0132】
(e)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填されてなる外部衝撃冷却密封冷却媒体、冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体を叩いて衝撃を加えることにより何らかの化学的又は物理的反応により瞬間的に冷却される冷却媒体が使用できる。例えば、プラスチック製フィルム容器の中に、水と、小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを充填した密封冷却媒体であって、容器を叩くことにより小袋が破れて、水と硝酸アンモニウムとの反応により冷却された密封冷却媒体が得られる。硝酸アンモニウムを詰めた小袋としては、「叩く」などの外部衝撃によって破れやすいプラスチック製の小袋が好ましい。
【0133】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成19」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成20]
・冷却媒体3は、表面部材2の内面側に、取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる 、ことを特徴とする。
すなわち、冷却媒体3が表面部材2の内面側に取付けられた状態の冷却媒体3と表面部材2を人体頭部に装着し、そして、表面部材2の内面側に取付けられた状態の冷却媒体3と表面部材2を人体頭部から脱装して、その後、冷却媒体3を表面部材2から取り外し可能に構成されてなる。
この構成により、[効果ト-n:冷却媒体3が表面部材2の内面側に取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる構成により、所望の冷却性能を有する冷却媒体を構成可能になり、使用利便性が向上する効果]が得られる。
【0134】
<冷却媒体収納袋>
本発明の好ましい頭部冷却用具は、前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成21」を備える。
[従属構成21]
図6は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図であり、
図7は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体の断面の構成模式図である。
図6の(A)~(C)、及び、
図7の(A)~(E)において、本発明の好ましい頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具(基本構成1)において、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体収納袋6は、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に一致して変形可能な柔軟性を有する。
冷却媒体3は冷却媒体収納袋6の中に設置されてなり、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は、表面部材の内面側に設置されてなる。
冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が、人体頭部に装着された時に、冷却媒体3の人体頭部及び/又は前記表面部材2からの脱落が抑制されてなる。
【0135】
例えば、
図7(A)~(E)に示されるように、冷却媒体3が冷却媒体収納袋6の中にが収納されてなる。そして、
図6(A)~(C)に示されるように、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が表面部材の内面側であって、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部及び/又は表面部材内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなるように構成されてなる。
特に、
図7(A)、
図6(A)は、一つの冷却媒体収納袋6の中に一つの冷却媒体3が収納されてなる構成である。
図7(B)は、冷却媒体3は冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成されるとともに、一つの冷却媒体収納袋6の中に、密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成されてなる冷却媒体3が収納されてなる構成である。
【0136】
好ましくは、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が、人体頭部に装着された時、冷却媒体3が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になる。
【0137】
この構成により、[効果チ-a:冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、冷却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなり、更に、頭部全体又は頭部の所望領域を効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0138】
冷却媒体収納袋6を構成する素材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチック製フィルム材、繊維製織布や繊維製不織布等の布材、所定形状に成形されてなるプラスチック製成形材、ゴム製成形材、等が実施可能である。
【0139】
本発明の前述の「従属構成21」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成22」を備える。
図6の(B)、及び/又は、
図7の(D)、(E)に示されるように、本発明の好ましい頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具(基本構成1)において、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
【0140】
特に好ましくは、頭部冷却用具は下記の構成を備える。
[従属構成22]
冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部と、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有する。
冷却媒体3は複数個の冷却媒体を有する。
複数の複数個分割連結収納部のうちのそれぞれの複数個分割連結収納部の中に、複数個の冷却媒体のうちのそれぞれの冷却媒体3が設置されてなる。
【0141】
特に好ましくは、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有する冷却媒体収納袋6は変形可能な柔軟性を有する形態で形成されてなる。
柔軟性を有する形態で形成されてな冷却媒体収納袋6としては、特に限定されないが、例えば、不織布製布材、プラスチック製フィルム材、繊維製布材が実施可能であり、熱融着手段、裁縫、接着剤等の手段により、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有する分割冷却媒体収納袋が好ましく実施可能である。
【0142】
例えば、
図7の(D)に示されるように、冷却媒体収納袋6は複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部6a、6b、6cと複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有し、複数の複数個分割連結収納部のうちのそれぞれの複数個分割連結収納部6a、6b、6cの中に、複数個の冷却媒体のうちのそれぞれの冷却媒体3が設置されてなる。
この場合、複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の分割連結収納部6a、6b、6cの中に、複数の冷却媒体のうちの所望の冷却媒体3が設置されてなる構成が好ましく実施可能である。
そして、
図6(B)に示されるように、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が表面部材の内面側であって、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部及び/又は表面部材内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなるように構成されてなる。
【0143】
この構成により、[効果チ-b:冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は屈曲可能した状態であって、該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなり、更に、頭部全体又は頭部の所望領域を効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0144】
本発明の前述の「従属構成21」又は「従属構成22」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成23」を備える。
図6の(C)、及び、
図7の(C)に示されるように、本発明の好ましい頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具(基本構成1)であって、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
【0145】
本頭部冷却用具は、好ましくは、更に下記の構成を備える。
[従属構成23]
冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成されてなる。
密封却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致する略半円球中空形状に組み立て形成可能である。
冷却媒体収納袋6の中に密封冷却媒体3が収納されてなる。
表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有する。
密封冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側の領域に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、人体頭部に装着された時に、複数個分割連結密封冷却媒体3が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になる構成を備える。
【0146】
例えば、
図17の(A)に示されるように、頭部冷却用具は、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、密封冷却媒体は、複数個に分割された複数個分割連結密封冷却媒体3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3hを有するとともに、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、少なくと一つの連結された冷却媒体連結部を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、冷却媒体連結部において、屈曲自在に形成されてなる。
そして、
図17の(A)に示されるように、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が表面部材の内面側であって、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部及び/又は表面部材内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなるように構成されてなる。
【0147】
この構成により、[効果チ-c:複数個分割連結密封冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、複数個分割連結密封冷却媒体は互いに屈曲可能した状態で、複数個分割連結密封冷却媒体3が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になり、更に、頭部全体又は頭部の所望領域を効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0148】
本発明の前述の「従属構成21」~「従属構成23」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成24」を備える。
図18に示されるように、本発明の好ましい頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具(基本構成1)であって、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部と、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有する。
冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、密封冷却媒体は、人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能に形成されてなる。
そして、冷却媒体収納袋6の中に密封冷却媒体3が収納され、表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有する。
【0149】
本頭部冷却用具は、好ましくは、更に下記の構成を備える。
[従属構成24]
冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有する。
密封冷却媒体は、(i)密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、
及び/又は、(ii)密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する。
密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、人体頭部に装着された時に、密封冷却媒体が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる。
【0150】
例えば、
図7の(E)に示されるように、頭部冷却用具は、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備え、冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部6a、6bと、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有する。
冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成されるとともに、密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、密封冷却媒体は、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致する略半円球中空形状に組み立て形成可能に構成されてなる。
【0151】
冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有する。
密封冷却媒体は、下記の(i)及び/又は、(ii)の構成を備える。
(i)密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体3a,3bと、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有する。そして、
図7の(E)に示されるように、複数個分割連結密封冷却媒体3a,3bは複数の分割連結収納部6a、6bのうちの分割連結収納部6bの中に収納されてなる。
(ii)密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、そして、
図7の(E)に示されるように、その単一密封冷却媒体は複数の複数個分割連結収納部6a、6bのうちのそれぞれの複数個分割連結収納部6aの中に収納されてなる。
密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側の所望領域に、前記表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状形態で設置され、人体頭部に装着された時に、密封冷却媒体が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能になる構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
【0152】
また、例えば、
図18に示されるように、頭部冷却用具は、さらに、前記冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体収納袋6は、複数個に分割された複数の複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eを有し、複数の複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eは互いに屈曲自在に形成されてなる。
冷却媒体3は複数の複数個分割連結収納部のそれぞれの複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eに冷却媒体が収納された密封冷却媒体、の形態で構成されてなる。
密封冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる。
図18の(B)に示されるように、密封冷却媒体は複数の複数個分割連結収納部のうちの複数個分割連結収納部6aの中に、(ii)複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する前記密封冷却媒体が収納されてなる。
更に、
図18の(B)に示されるように、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数の複数個分割連結密封冷却媒体3a,3b、3cが複数個分割連結収納部6c、6eに収納されるとともに、複数個分割連結密封冷却媒体3a,3bcが複数個分割連結収納部6b、6dに収納されてなる。
冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
そして、
図18(C)に示されるように、複数個分割連結密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状形態で設置され、人体頭部に装着された時に、複数個分割連結密封冷却媒体を収納してなる冷却媒体収納袋6が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる。
【0153】
また、
図7の(E)に示されるように、冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部6a、6bと、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、前記収納袋連結部において屈曲可能に形成されてなる形態を有し、比較的に広い収納部を有する複数個分割連結収納部6bには、複数個分割連結密封冷却媒体3a,3bが収納され、そして、比較的に狭い収納部を有する複数個分割連結収納部6aには単一密封冷却媒体の形態を有する密封冷却媒体3が収納されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0154】
この構成により、[効果チ-e:複数の複数個分割連結収納部6a、6bを有するとともに、それぞれの複数個分割連結収納部に複数個分割連結密封冷却媒体3及び/又は単一密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、複数の複数個分割連結収納部6a、6bが屈曲可能であるとともに複数個分割連結密封冷却媒体3は互いに屈曲可能した状態で、複数個分割連結密封冷却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部材(2)の内面の形状に一致した状態で装着可能になり、更に、著しく、頭部全体又は頭部の所望領域を効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0155】
本発明の前述の「従属構成21」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成25」を備える。
図6の(C)に示されるように、本発明の好ましい頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材2と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる頭部冷却用具(基本構成1)であって、さらに、前記冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
【0156】
本発明の好ましい頭部冷却用具は、さらに、下記の構成を備える。
[従属構成25]
冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有し、冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体3の形態で構成されてなる。
冷却媒体3は複数の冷却媒体を有し、該複数の冷却媒体のそれぞれの冷却媒体は、冷却媒体冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体3の形態で構成されてなる。
密封冷却媒体は、下記の(i)及び/又は、(ii)の構成を備える。
(i)密封冷却媒体は、複数個に分割されてなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体と、複数の複数個分割連結密封冷却媒体のうちの少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体が連結されてなる冷却媒体連結部を有するとともに、冷却媒体連結部において屈曲可能に形成されてなる複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有する。
(ii)密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する。
【0157】
複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の複数個分割連結収納部の中に、複数個分割連結密封冷却媒体3が収納され、複数の複数個分割連結収納部の他の所望の複数個分割連結収納部の中に単一密封冷却媒体が収納されてなる。
冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
表面部材2は、略半円球中空形状の表面部材内面を有し、密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状の形態で設置され、人体頭部に装着された時に、密封冷却媒体を収納してなる冷却媒体収納袋6が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、構成を備える。
【0158】
すなわち、冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有し、複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の複数個分割連結収納部に複数個分割連結密封冷却媒体3を収納し、他の所望の複数個分割連結収納部に単一密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、冷却媒体収納袋6が屈曲した状態であるとともに、複数個分割連結密封冷却媒体3も屈曲可能な状態で、冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる、構成を備える。
【0159】
例えば、
図7の(E)に示されるように、頭部冷却用具は、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体収納袋6は、複数個に分割された複数の複数個分割連結収納部6a、6bを有し、複数の複数個分割連結収納部部6a、6bは互いに屈曲自在に連結されてなる。
冷却媒体3は、複数の複数個分割連結収納部6a、6bのそれぞれの複数個分割連結収納部6a、6bに冷却媒体3が収納された密封冷却媒体、の形態で構成されてなる。
複数個分割連結収納部6aの中には、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体が収納されてなる。
他の複数個分割連結収納部6bの中には、密封冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、屈曲自在に形成されてなる密封冷却媒体が収納されてなる。
冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
そして、
図6(C)に類似して示されるように、密封冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状形態で設置され、人体頭部に装着された時に、密封冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる。
【0160】
また、例えば、
図18に示されるように、頭部冷却用具は、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備える。
冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eと、複数の複数個分割連結収納部のうちの少なくとも一つの複数個分割連結収納部が連結されてなる収納袋連結部を有するとともに、複数の複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eを有し、それぞれの複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eは少なくとも一つの収納袋連結部において屈曲自在に形成されてなる。
冷却媒体3は、複数の複数個分割連結収納部のそれぞれの複数個分割連結収納部6a、6b、6c、6d、6eに冷却媒体が収納された密封冷却媒体、の形態で構成されてなる。
密封冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる。
冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、人体頭部に装着したときに人体頭部を覆って装着可能になる立体形状を有する。
そして、
図18(C)に示されるように、複数個分割連結密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6は、略半円球中空形状の表面部材内面の側に、表面部材内面の形状に一致する略半円球中空形状形態で設置され、人体頭部に装着された時に、複数個分割連結密封冷却媒体を収納してなる冷却媒体収納袋6が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能に形成されてなる。
【0161】
この構成により、[効果チ-d:冷却媒体収納袋6は、複数個の収納部に分割されてなる複数の複数個分割連結収納部を有し、複数の複数個分割連結収納部のうちの所望の複数個分割連結収納部に複数個分割連結密封冷却媒体3を収納し、他の所望の複数個分割連結収納部に単一密封冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋6が人体頭部に装着された時に、冷却媒体収納袋が屈曲した状態であるとともに、複数個分割連結密封冷却媒体も屈曲可能した状態で、冷却媒体を収納した冷却媒体収納袋が人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になり、これにより、更に、著しく、頭部全体又は頭部の所望領域を効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0162】
本発明の前述の「従属構成21」~「従属構成25」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の「従属構成26」を備える。
[従属構成26]
・本発明の好ましい頭部冷却用具は、上記の「従属構成21~従属構成25」の頭部冷却 用具において、冷却媒体3は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器 に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、冷却媒体3は、冷却媒体収納袋 6の中に、取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる、ことを特徴とする。
【0163】
例えば、
図6と
図7に示される頭部冷却用具において、冷却媒体3は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成されてなり、そして、冷却媒体3は、冷却媒体収納袋6の中に、取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0164】
この構成により、[効果チ-f:冷却媒体3が表面部材2の内面側に取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる構成により、所望の冷却性能を有する冷却媒体を構成可能になり、使用利便性が向上する効果が得られる。更に、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された繰返型密封冷却媒体を構成した頭部冷却用具により、繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能が得られる。更に、複数個分割連結密封冷却媒体及び/又は単一密封冷却媒体の形態を有する構成により、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、該頭部の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着されて、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できるとともに、頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能がさらに向上する効果が得られる。更に、繰り返し使用可能に起因して経済的に有利になる効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0165】
なお、従属構成21~26を説明する
図6に示される頭部冷却用具において、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成、又は、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成のいずれの構成も実施可能である。好ましくは、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0166】
<冷却媒体収納保持用内面部材4>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成27]
・さらに、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる冷却媒体収納保持用内面部材4を 備え、冷却媒体収納保持用内面部材4は、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4 と表面部材2との間に位置する形態で、構成されてなり、冷却媒体3は、人体頭部に装 着された時に、人体頭部及び/又は表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能 に形成されるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなる、ことを特 徴とする。
【0167】
この構成により、[効果リ-a:冷却媒体収納保持用内面部材4の構成において、冷却媒体3が表面部材2に保持可能になるとともに、冷却媒体3が頭部冷却用具から脱落する現象が抑制される効果]が得られる。
【0168】
特に好ましくは、冷却媒体収納保持用内面部材4の所定の周縁領域と表面部材2の所定の周縁領域とが互いに開閉可能に接合されてなるとともに、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に取付け取り外し可能に収納されてなる構成が好ましい。
特に好ましくは、冷却媒体収納保持用内面部材4の所定の周縁領域と表面部材2の所定の周縁領域とが互いに接合・接合解除可能に接合されて形成されるとともに、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に取付け取り外し可能に収納されてなる。
特に好ましくは、冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2の所定の周縁が互いに接合された収納部が形成されるとともに、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に取付け取り外し可能に収納されてなる。
【0169】
特に好ましくは、表面部材2が該表面部材2の略半円球中空形状の開口部周囲領域の内面側に形成された表面部材開口部周囲突出枠部21を有し、表面部材2と表面部材開口部周囲突出枠部21とにより囲まれて所定の深さで形成された表面部材内面凹部を形成し、冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2と表面部材開口部周囲突出枠部21の所定の周縁が互いに接合された収納部が形成されるとともに、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に取付け取り外し可能に収納されてなる。
【0170】
冷却媒体収納保持用内面部材4として構成される材料としては、特に限定されないが、例えば、繊維製の織布や不織布等の布材、メッシュ状の素材、ネット状の素材、プラスチック製フィルム、弾力性と柔軟性を有するシート材、所定形状に成形されてなるプラスチック製成形材、ゴム製成形材、アルミニウム箔等の金属箔を積層したプラスチックフィルム積層シート、アルミニウム等の金属蒸着膜を有するプラスチックフィルム、金属蒸着膜を有する不織布、柔軟性を有する発泡プラスチック製シート、等が実施可能である。
特に、人体頭部に装着したときに、冷却媒体の硬さに起因する不快感を緩和可能な弾力性と柔軟性を有するシート材が好ましく、例えば、綿状不織布製、柔軟な発泡プラスチック製、起毛布製、等のシート材により調製された弾力性と柔軟性を有するものが好ましい。これにより、冷却媒体の脱落が抑制されるとともに、冷却媒体の硬さに起因する不快感が抑制される双方の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
また、アルミニウム箔又は金属蒸着膜フィルム又は金属蒸着不織布等の金属薄膜シートと、不織布又は織布又はプラスチックフィルム等の機械的強度を有するシートとを積層した積層シートを有する冷却媒体収納保持用内面部材4も、好ましく実施可能であり、これにより、金属素材の優れた熱伝導性に起因して、冷却媒体に起因する冷気が頭部全体に均一に伝導されるとともに、冷却媒体収納保持用内面部材4の機械的な破損が抑制された頭部冷却用具が得られる。
【0171】
冷却媒体収納保持用内面部材4の少なくとも2箇所以上の部分が表面部材2の開口部の周囲縁に連結されて、冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2とが内面部材収納部を形成する構成が好ましく実施可能である。冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との連結手段としては、特に制限はないが、例えば、接着テープ、粘着剤、面ファスナー、ジッパー、等の連結手段を構成したものが好ましい。
【0172】
図8は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
例えば、
図8(A)、(B)に示されるように、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な冷却媒体収納保持用内面部材4を備え、冷却媒体収納保持用内面部材4は、冷却媒体3が該冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に位置する形態で、構成されてなり、冷却媒体3は、人体頭部に装着された時に、人体頭部の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなる。
例えば、
図8(A)は冷却媒体3が複数の冷却媒体3を備えた構成であり、
図8(B)は冷却媒体3が複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cを備えた構成であり、表面部材2は該表面部材2の略半円球中空形状の開口部周囲領域の内面側に形成された表面部材開口部周囲突出枠部21を有し、
図8(A)、(B)において、冷却媒体収納保持用内面部材4の所定の周縁領域と表面部材開口部周囲突出枠部21の所定の周縁領域とが互いに開閉可能に接合されて、表面部材内面凹部が収納部となるように形成され、冷却媒体3が該収納部に取付け取り外し可能に収納されてなる構成を示す。
なお、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されることなく、冷却媒体収納保持用内面部材4の所定の周縁領域と表面部材の所定の周縁領域とが互いに開閉可能に接合されて、冷却媒体3が冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に取付け取り外し可能に収納されてなる構成も実施可能である。
【0173】
本発明の前述の「従属構成21」~「従属構成26」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成28]
・前述の冷却媒体3を収納する冷却媒体収納袋6を備えた頭部冷却用具において、さらに 、人体頭部を覆って装着可能に形成されてなる冷却媒体収納保持用内面部材4を備え、 冷却媒体収納保持用内面部材4は、冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6が該冷 却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に位置する形態で、構成されてなり、 冷却媒体3は、人体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面 の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの 脱落が抑制されてなる、ことを特徴とする。
【0174】
例えば、
図8(C)に示されるように、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な冷却媒体収納保持用内面部材4を備えるとともに、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が該冷却媒体収納保持用内面部材4と表面部材2との間に位置する形態で、構成されてなり、冷却媒体3は、人体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなる。
図8(C)においては、冷却媒体3は大きな面積を有する冷却媒体が構成されてなるが、これに限定されることなく、冷却媒体3が複数の冷却媒体3を備えた構成であり、冷却媒体収納袋6の中に複数の冷却媒体3が収納されてなる冷却媒体3を備えた構成も実施可能である。
また、冷却媒体3が複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cを備えた構成であり、冷却媒体収納袋6の中に複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cが収納されてなる冷却媒体3を備えた構成も実施可能である。
【0175】
この構成により、[効果リ-b:前述の「効果チ-a」~「効果チ-f」が得られるとともに、冷却媒体3が表面部材2に保持可能になり、冷却媒体3が頭部冷却用具から脱落する現象が抑制される効果が更に向上した効果]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0176】
本発明の前述の「従属構成27」又は「従属構成28」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成29]
・冷却媒体収納保持用内面部材4は、人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に一致し て変形可能な柔軟性シート状冷却媒体収納保持用内面部材41を構成し、冷却媒体収納 保持用内面部材41と表面部材2とにより囲まれて、表面部材内面部材冷却媒体収納部 を形成し、冷却媒体3が表面部材内面部材冷却媒体収納部に設置されてなり、人体頭部 に装着された時に、冷却媒体3が該人体頭部及び/又は前記表面部材2の内面の形状に 一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制され てなる、ことを特徴とする。
【0177】
この構成により、[効果リ-c:前述の「効果リ-a」及び/又は前述の「効果リ-b」が得られるとともに、冷却媒体収納保持用内面部材4が、人体頭部及び/又は表面部材内面に、隙間の発生が抑制された状態で設置可能になり、人体頭部を冷却する効果が著しく向上するとともに、冷却媒体の頭部からの脱落が抑制される効果]が得られる。
【0178】
好ましくは、冷却媒体3又は冷却媒体を収納してなる冷却媒体収納袋6が、表面部材内面部材冷却媒体収納部の中に、取付けと取外しが可能状態で収納されて設置されてなる構成が好ましい。
この構成により、[効果リ-d:前述の「効果リ-c」が得られるとともに、冷却媒体の頭部からの脱落が抑制されるとともに、所望の冷却媒体を表面部材内面部材冷却媒体収納部の中に入れ替えて収納設置可能になり、人体頭部を冷却する効果が著しく向上する効果]が得られる。
【0179】
本発明の前述の「従属構成27」又は「従属構成28」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成30]
・冷却媒体収納保持用内面部材4は、表面部材の内面の形状に相似するとともに、略半円 球中空形状を維持できる形態を有する軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持 用内面部材42を有し、軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材4 2は、弾性ゴム製プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材、及び/又は 、軟質合成プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材を有してなる、こと を特徴とする。
・軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42としては、人体頭部に 装着したときに、人体頭部に硬さを感じさせない程度の柔軟性を有するとともに、略半 円球中空形状を維持できる性質を有する軟質プラスチック製成形材が好ましく実施可能 である。
【0180】
本構成において、冷却媒体収納保持用内面部材4は表面部材2とは別体に構成され、表面部材2の内面側に冷却媒体3を配置した後、冷却媒体3を介して冷却媒体収納保持用内面部材4を表面部材2の方向に押し付ける状態で表面部材2に配置して頭部冷却用具を構成し、その後、その頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用される。
本構成において、冷却媒体収納保持用内面部材4の周縁が表面部材2の周縁に、取付け取り外し自在に係合又は接合されてなる構成が好ましく実施できる。
【0181】
軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42の材質としては、特に限定されないが、例えば、シリコンゴム製成形材、ウレタンゴム製成形材、合成ゴム製成形材、軟質ポリ塩化ビニル製成形材、ポリエチレン系軟質成形材、等が実施可能である。
軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42の形状としては、所定の間隔で桟を形成した格子状、多数の貫通孔を有するメッシュ状、貫通孔を有しない面を有する形状、等が実施可能である。
また、軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42の厚さとしては、特に限定されないが、0.2~5mm、好ましくは、0.5~3mmであって、略半円球中空形状を維持できる程度の厚さを有する構成が実施できる。
【0182】
この構成により、[効果リ-e:「効果リ-a」又は「効果リ-b」が得られるとともに、
人体頭部に硬さを感じさせることなく、冷却媒体と軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42、及び/又は、軟質プラスチック成形製相似形冷却媒体収納保持用内面部材42と人体頭部との間に隙間の発生が抑制された状態で設置可能になり、人体頭部を冷却する効果が著しく向上する効果]が得られる。
【0183】
なお、従属構成27~30を説明する
図8に示される頭部冷却用具において、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成、又は、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成のいずれの構成も実施可能である。好ましくは、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0184】
<冷却媒体頭部保持用内面部材5>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成31]
・さらに、冷却媒体を覆って装着可能な冷却媒体頭部保持用内面部材5を備え、冷却媒体 は人体頭部側に設置され、冷却媒体頭部保持用内面部材5は、人体頭部を覆って装着し た時に、人体頭部側に設置された冷却媒体と前記表面部材との間に位置する形態で構成 され、人体頭部に装着された時に、冷却媒体3が人体頭部及び/又は前記表面部材2の 内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5 及び/又は表面部材2が前記冷却媒体3を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる、こ とを特徴とする。
【0185】
この構成により、[効果ヌ-a:前述の「効果イ」~「効果ト」が得られるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5により冷却媒体3が人体頭部側に押圧されて、その結果、頭髪及び/又は頭皮表面の冷却作用が著しく向上する効果]が得られる。
【0186】
図9は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図9(A)において、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3は人体頭部側に位置し、その冷却媒体3を覆って冷却媒体頭部保持用内面部材5が位置し、その冷却媒体頭部保持用内面部材5を覆って表面部材2が位置し、冷却媒体3が人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5及び/又は表面部材)が冷却媒体3を人体頭部側に押圧可能に位置する。
【0187】
図9(B)は、
図9(A)に構成された冷却媒体3として、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cを構成した頭部冷却用具であり、複数の冷却媒体3a、3b、3cは人体頭部側に位置し、複数の冷却媒体3a、3b、3cを覆って冷却媒体頭部保持用内面部材5が位置し、その冷却媒体頭部保持用内面部材5を覆って表面部材2が位置し、複数の冷却媒体3a、3b、3cが人体頭部の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5及び/又は表面部材2が複数の冷却媒体3a、3b、3cを人体頭部側に押圧可能に位置する。
なお、複数の冷却媒体3a、3b、3cとしては、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された密封冷却媒体、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された繰返型密封冷却媒体、冷媒31が柔軟性を有する複数個に分割された密封容器32に充填されてなる密封冷却媒体、又は、冷媒31が柔軟性を有する複数個に分割された密封容器32に充填されてなる繰返型密封冷却媒体、等が実施可能である。
【0188】
本発明の前述の「従属構成21」~「従属構成26」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成32]
・さらに、冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6を覆って装着可能な冷却媒体頭部 保持用内面部材5を備え、冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6は人体頭部側に 設置され、冷却媒体頭部保持用内面部材5は、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭 部側に設置された冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6と表面部材との間に位置 する形態で構成され、人体頭部に装着された時に、冷却媒体3が人体頭部及び/又は前 記表面部材2の内面の形状に一致した状態で装着可能になるとともに、冷却媒体頭部保 持用内面部材5及び/又は表面部材2が冷却媒体3を人体頭部側に押圧可能に形成され てなる、ことを特徴とする。
【0189】
・すなわち、
図9(C)に示されるように、さらに、冷却媒体3を収納する冷却媒体収納 袋6を備え、冷却媒体収納袋6は、人体頭部を覆って装着した時に人体頭部及び/又は 表面部材内面の形状に一致して変形可能な柔軟性を有し、冷却媒体収納袋6は、表面部 材の内面側に設置され、冷却媒体3が、冷却媒体収納袋6の中に設置されてなり、表面 部材2の内面側に設置されるとともに冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6が、人体 頭部に装着された時に、冷却媒体3が該人体頭部の形状に一致した状態で装着可能にな るとともに、冷却媒体3の人体頭部からの脱落が抑制されてなる。
・冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6を覆って装着可能な冷却媒体頭部保持用内 面部材5を備え、冷却媒体3を収納してなる前記冷却媒体収納袋6は人体頭部側に設置 され、冷却媒体頭部保持用内面部材5は、人体頭部を覆って装着した時に、人体頭部側 に設置された冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6と表面部材との間に位置する 形態で構成され、人体頭部に装着された時に、冷却媒体3が人体頭部の形状に一致した 状態で装着可能になるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5及び/又は表面部材2 が冷却媒体3を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる。
【0190】
この構成により、[効果ヌ-b:冷却媒体収納袋6を備えた構成により前述の「効果チ-a」~「効果チ-f」が得られるとともに、冷却媒体頭部保持用内面部材5を備えた構成により、冷却媒体頭部保持用内面部材5により冷却媒体3が人体頭部側に押圧されて、その結果、頭髪及び/又は頭皮表面の冷却作用が著しく向上する効果]が得られる。
【0191】
本発明の前述の「従属構成27」~「従属構成32」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。すなわち、本発明の前述の冷却媒体収納保持用内面部材4又は冷却媒体頭部保持用内面部材5を備えた頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成33]
冷却媒体収納保持用内面部材4又は冷却媒体頭部保持用内面部材5は、下記の(イ)から (ヨ)からなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状素材を有して形成されてなる ことを特徴とする。
(イ)メッシュ状、及び/又は、網目状、及び/又は、ラッセル状、及び/又は、ダブル ラッセル状の通気性を有する通気性シート状素材.
(ロ)不織布繊維から形成されてなる不織布繊維製シート状素材.
(ハ)織布繊維から形成されてなる織布繊維製シート状素材.
(ニ)伸縮可能な伸縮性布材から形成されてなる伸縮性布材製シート状素材.
(ホ)プラスチック製フィルムシート状素材.
(ヘ)ゴム弾性を有するゴム製シート状素材.
(ト)シート状基材に金属蒸着薄膜を形成した金属薄膜付シート状素材.
(チ)繊維製シート状素材に金属箔シートを積層形成してなる金属箔積層シート状素材.
(リ)プラスチック製フィルムシート状素材に金属箔シートを積層形成してなる金属箔積 層シート状素材.
(ヌ)繊維製シート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる金属蒸着膜含有シート状素材.
(ル)プラスチック製フィルムシート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる金属蒸着膜含 有シート状素材.
(オ)金属箔製シート状素材.
(ワ)織布製シート素材、不織布製シート素材、プラスチックフィルム製シート素材、及 び/又は、ゴム製シート素材であって、伸縮性を有する伸縮性シート状素材.
(カ)織布製シート素材、不織布製シート素材、及び/又は、プラスチックフィルム製シ ート素材であって、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微 小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成シー ト状素材.
(ヨ)プラスチックフィルム製シート、不織布製シート、布製シート、金属箔、金属薄膜 付着素材プラスチックフィルム製シート、及び、金属薄膜付着不織布製シートのう ちの少なくとも2つ以上を積層してなる積層シート状素材.
・好ましくは、冷却媒体収納保持用内面部材4又は冷却媒体頭部保持用内面部材5は、人 体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に相似する形状を 有する相似形内面部材を有する。
【0192】
この構成により、[効果ヌ-c:前述の「効果リ-a~効果リ-d」、「効果ヌ-a」、「効果ヌ-b」が得られるとともに、冷却媒体3が表面部材2に良好に保持可能になるとともに、冷却媒体3が頭部冷却用具から脱落する現象が良好に抑制される効果]が得られる。
【0193】
本発明の前述の「従属構成27」~「従属構成33」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。すなわち、本発明の前述の冷却媒体収納保持用内面部材4又は冷却媒体頭部保持用内面部材5を備えた頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成34]
・前記冷却媒体3は取付けと取外しが可能な状態で設置されてなる、ことを特徴とする。
この構成により、[効果ヌ-d:冷却媒体3が表面部材2の内面側又は人体頭部に取付けと取外しが可能になり、所望の性能を有する冷却媒体を構成可能になり、使用利便性が向上する効果]が得られる]が得られる。
【0194】
なお、従属構成31~34を説明する
図9に示される頭部冷却用具において、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成、又は、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成のいずれの構成も実施可能である。好ましくは、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0195】
<頭部側内面部材7>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成34」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた「従属構成35」の頭部冷却用具が実施できる。
[従属構成35]
・さらに、前記冷却媒体の内面側であって、人体頭部側に取付け取り外し可能に設置され て構成されてなる頭部側内面部材7を備えてなる、ことを特徴とする。
【0196】
この構成により、[効果ル:頭部側内面部材7が人体頭部を覆って装着されたときに、冷却媒体の冷気を人体頭部に所望の冷気状態で伝えることが可能となり、人体頭部を所望の快適な状態で冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる効果]が得られる。
例えば、冷却媒体が冷え過ぎて人体頭部に不快感を覚える場合には、適度の断熱性を有する頭部側内面部材7を人体頭部側に取付け取り外し可能に構成する。
例えば、冷却媒体になるように頭部を圧迫可能な形態、又は、冷気を伝導しやすい良熱伝導性を有する金属製素材を構成した頭部側内面部材7を人体頭部側に取付け取り外し可能に構成する。
【0197】
例えば、頭髪が多い場合には、[効果ル-a:頭部側内面部材7が人体頭部を覆って装着されたときに、頭髪間の空隙を少なくし、これにより、冷却媒体と人体頭部との隙間を少なくすることが可能になり、その結果、冷却媒体の冷気を人体頭部に効率よく伝えることが可能となり、人体頭部を冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる。特に、人体頭部全体を効率よく冷却可能となる効果]が得られる。
また、[効果ル-b:頭部側内面部材7として、保湿剤保持含有頭部側内面部材71又は水分吸収性頭部側内面部材72が構成されることにより、人体頭部に装着された時に、人体の頭髪を湿らせるとともに押圧することにより頭髪間の空隙を少なくし、これにより、冷却媒体と人体頭部との隙間を少なくすることが可能になり、その結果、冷却媒体の冷気を人体頭部に効率よく伝えることが可能となり、人体頭部を冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる。特に、人体頭部全体を効率よく冷却可能となる効果]が得られる。
【0198】
なお、本発明において、「表面部材の内面側」は「頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合における、表面部材の人体頭部側に位置する側」を意味し、また、「冷却媒体3の内面側」は、「頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合における、冷却媒体3の人体頭部側に位置する側」を意味する。
【0199】
本発明の前述の「従属構成35」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた「従属構成36」の頭部冷却用具が実施できる。
[従属構成36]
・さらに、冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面 部材7を備え、頭部側内面部材7は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装 着可能であるとともに該人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に 形成されてなる。
・頭部側内面部材7は、(a)頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71を備え、頭髪保湿 剤保持含有頭部側内面部材71は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟 質連続気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状保湿剤保 持素材に頭髪保湿剤を保持含有してなる形態を有するシート状の保湿剤保持含有頭部側 内面部材71を有してなる。
・人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに該人体頭部に接 触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる。
・好ましくは、人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に形成されて なる。
【0200】
本発明の前述の「従属構成35」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた「従属構成37」の頭部冷却用具が実施できる。
[従属構成37]
・さらに、冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面 部材7を備え、前記頭部側内面部材7は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆っ て装着可能であるとともに該人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可 能に形成されてなる。
・前記頭部側内面部材7は、(a)頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71を備え、頭髪 保湿剤保持含有頭部側内面部材71は、シート状保湿剤保持素材に頭髪保湿剤を保持含 有してなる形態を有してなる。
・シート状保湿剤保持素材は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟質連続 気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つのシート状保湿剤保持素材 を有し、頭髪保湿剤は、水、アルコール、多価アルコール、含水水溶性高分子、含水ゼ ラチン、及び、ゲル状含水高分子からなる群から選ばれる少なくとも一つの頭髪保湿剤 を有してなる。
・人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに該人体頭部に接 触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる。
・好ましくは、人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に形成されて なる。
【0201】
不織布繊維製シート及び織布繊維製シートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、綿繊維、毛繊維、等の汎用の繊維製であって、不織布、織布、編布、等の布製のものが使用できる。
軟質連続気泡発泡体製シートとしては、特に限定されないが、例えば、連続気泡発泡ポリウレタン、連続気泡発泡ポリエチレン、等の、多孔質の連続気泡を有するものが使用できる。
【0202】
頭髪保湿剤としては、特に限定されないが、水、アルコール、多価アルコール、含水水溶性高分子、含水ゼラチン、からなる群から選ばれる少なくとも一つの保湿剤が好ましく使用可能であり、特に好ましくは、流動性を有する頭髪保湿剤が実施できる。
【0203】
上記のシート状保湿剤保持素材は多数の微細空隙を有する多孔質性を有し、その微細空隙の中に上記の保湿剤が含浸及び/又は保持されて構成される。
【0204】
この構成により、[効果ル-c:前述の「効果ル」が得られるとともに、頭部側内面部材7として、頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71が構成されてなることにより、人体頭部に装着された時に、人体の頭髪を湿らせるとともに押圧することにより頭髪間の空隙を少なくし、これにより、頭髪保湿剤により頭部全体への冷気伝導が増大するとともに冷却媒体と人体頭部との隙間を少なくすることが可能になり、その結果、冷却媒体の冷気を人体頭部に効率よく伝えることが可能となり、人体頭部を冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる。特に、人体頭部全体を効率よく冷却可能となる効果]が得られる。
【0205】
この「従属構成36」及び「従属構成37」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図10に示される。
図10は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図10の(A)、(B)、(C)において、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に設置された冷却媒体3と、を備え、人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる構成であって、該人体頭部に接触可能であると共に人体頭部を覆って装着可能であって、冷却媒体の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備えてなる。
【0206】
すなわち、
図10(A)、(B)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としては頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
図10(A)においては、冷却媒体3としては、複数の冷却媒体3が配置されてなる。
図10(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体(3a、3b、3c)が配置されてなる。
【0207】
図10(C)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としては頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
ここで、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
【0208】
なお、
図10において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材2b、等が好ましく実施可能である。
【0209】
本発明の前述の「従属構成35」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施できる。
[従属構成38]
・さらに、冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面 部材7を備え、頭部側内面部材7は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装 着可能であるとともに該人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に 形成されてなり、頭部側内面部材7は、(b)水分吸収性頭部側内面部材72を備え、 水分吸収性頭部側内面部材72は、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟 質連続気泡発泡体製シートからなる群から選ばれる少なくとも一つの水分を吸収する性 質を有するシート状水分吸収性頭部側内面部材72を有してなる、ことを特徴とする。
【0210】
この構成により、[効果ル-d:前述の「効果ル」が得られるとともに、頭部側内面部材7としてシート状水分吸収性頭部側内面部材72が構成されてなる構成において、不織布繊維製シート、織布繊維製シート、及び、軟質連続気泡発泡体製シートは、一般に、人体頭部に硬さを感じさせない程度の柔らかい硬度を有するために、人体頭部に装着したときに、頭部の形状に沿って頭部に密着可能に装着されるとともに、頭部装着使用中に冷却媒体からの冷気により発生する水分を吸収して、発生する水分が人体頭部以外の領域に漏れだすことを抑制し、装着時不快感の発生を抑制できる効果]が得られる。
【0211】
「従属構成38」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図11に示される。
図11は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図11(A)、(B)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着したときに、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としてはシート状水分吸収性頭部側内面部材72が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
図11(A)においては、冷却媒体3としては、一つの冷却媒体3が配置されてなる。
図11(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体(3a、3b、3c)が配置されてなる。
【0212】
図11(C)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としてはシート状水分吸収性頭部側内面部材72が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
ここで、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
【0213】
なお、
図11において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材2b、等が好ましく実施可能である。
【0214】
本発明の前述の「従属構成35」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施できる。
[従属構成39]
・さらに、冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面 部材7を備え、頭部側内面部材7は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装 着可能であるとともに該人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に 形成されてなり、頭部側内面部材7は(c)頭髪押圧用頭部側内面部材73を備えてな る。
・頭髪押圧用頭部側内面部材73は、下記の(イ)から(ヨ)からなる群から選ばれる少 なくとも一つのシート状素材を有して形成され、人体頭部に装着された時に、人体頭髪 を押圧可能に形成されてなる。
(イ)メッシュ状、及び/又は、網目状、及び/又は、ラッセル状、及び/又は、ダブル ラッセル状の通気性を有する通気性シート状素材.
(ロ)不織布繊維から形成されてなる不織布繊維製シート状素材.
(ハ)織布繊維から形成されてなる織布繊維製シート状素材.
(ニ)伸縮可能な伸縮性布材から形成されてなる伸縮性布材製シート状素材.
(ホ)プラスチック製フィルムシート状素材.
(ヘ)ゴム弾性を有するゴム製シート状素材.
(ト)シート状基材に金属蒸着薄膜を形成した金属薄膜付シート状素材.
(チ)繊維製シート状素材に金属箔シートを積層形成してなる繊維製シート金属箔積層シ ート状素材.
(リ)プラスチック製フィルムシート状素材に金属箔シートを積層形成してなるフィルム シート金属箔積層シート状素材.
(ヌ)繊維製シート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなる繊維製シート金属蒸着膜含有シ ート状素材.
(ル)プラスチック製フィルムシート状素材に金属薄膜を蒸着形成してなるフィルムシー ト金属蒸着膜含有シート状素材.
(オ)金属箔製シート状素材.
(ワ)織布製シート素材、不織布製シート素材、プラスチックフィルム製シート素材、及 び/又は、ゴム製シート素材であって、伸縮性を有する伸縮性シート状素材.
(カ)織布製シート素材、不織布製シート素材、及び/又は、プラスチックフィルム製シ ート素材であって、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微 小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成シー ト状素材.
(ヨ)プラスチックフィルム製シート、不織布製シート、布製シート、金属箔、金属薄膜 付着素材プラスチックフィルム製シート、及び、金属薄膜付着不織布製シートのう ちの少なくとも2つ以上を積層してなる積層シート状素材.
【0215】
上記のシート状素材としては、例えば、0.5mm以下の厚さを有するシート状素材、及び/又は、柔軟性を有するとともに、頭部の形状に沿って任意の形状に屈曲可能であるシート状素材が、好ましく実施可能である。
【0216】
この構成により、[効果ル-e:前述の「効果ル」が得られるとともに、頭部側内面部材7としてシート状素材から形成されてなる頭髪押圧用頭部側内面部材73が構成されてなる構成において、シート状素材は一般に比較的薄い厚さを有するとともに軽い重さを有するために、頭部に装着したときに、頭髪の厚さ形状に対応して頭髪を押圧可能になり、その結果、冷却媒体の冷気を人体頭部に効率よく伝えることが可能となり、人体頭部を冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる効果]が得られる。
【0217】
また、[効果ル-f:特に、上記の(ト)金属薄膜付シート部材、(チ)繊維製シート金属箔積層シート状素材、(リ)フィルムシート金属箔積層シート状素材、(ヌ)繊維製シート金属蒸着膜含有シート状素材、(ル)フィルムシート金属蒸着膜含有シート状素材、(オ)金属箔製シート状素材、等の金属製シート状素材を含有する頭髪押圧用頭部側内面部材73が構成されてなる構成において、前述の「効果ル-c」が得られるとともに、金属製素材は一般に熱を良好に伝える熱伝導性を有するために、頭部に装着したときに、頭部の表面の全領域に均一に冷気を伝達可能になり、頭部表面温度の位置領域による不均一性が抑制されて、頭部全体を均一に効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0218】
この「従属構成39」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図12に示される。
図12は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図12(A)、(B)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着したときに、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としては頭髪押圧用頭部側内面部材73が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
図12(A)においては、冷却媒体3としては、頭部を覆う一つの冷却媒体3が配置されてなる。
図12(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cが配置されてなる。
【0219】
図12(C)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備える。頭部側内面部材7としては頭髪押圧用頭部側内面部材73が構成されてなる。その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
ここで、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
【0220】
なお、
図12において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材2b、等が好ましく実施可能である。
【0221】
本発明の前述の「従属構成35」~「従属構成39」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施できる。
すなわち、前述の、さらに、前記冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる頭部側内面部材7を備え、頭部側内面部材7は、人体頭部に装着したときに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに該人体頭部に接触可能であって、頭髪を人体頭部側に押圧可能に形成されてなる構成を備えた頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成40]
・頭部側内面部材7と表面部材2と冷却媒体3とは互いに接合されることなく別体で構成 され、頭部側内面部材7が人体頭部を覆って装着可能に形成され、該人体頭部を覆って 装着された頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が装着可能に形成され、冷却媒体3を 覆って表面部材2が装着可能に形成されてなる、ことを特徴とする。
【0222】
この構成により、[効果ル-g:頭部側内面部材7と表面部材2と冷却媒体3とは互いに接合されることなく別体で構成されてなる構成により、頭部側内面部材7と冷却媒体3と表面部材2のそれぞれの構成要素を人体頭部に装着するときに、該人体頭部の大きさ形状に一致するような最適な大きさ形状を有する頭部側内面部材7と冷却媒体3と表面部材2のそれぞれの構成要素を選択して装着可能になり、その結果、頭部側内面部材7と冷却媒体3と表面部材2のそれぞれの構成要素の間の隙間を著しく低減して装着者の頭部形状に合致して装着可能になって、快適な装着感が得られるとともに、冷却媒体の冷気を人体頭部に効率よく伝達可能になり、頭部の冷却効果が向上する効果]が得られる。
【0223】
「従属構成40」を備えた頭部冷却用具としては、例えば、上記の
図10、
図11、
図12に示される頭部冷却用具において、頭部冷却用具は、頭部側内面部材7と表面部材2と冷却媒体3とは互いに接合されることなく別体で構成され、頭部側内面部材7が人体頭部を覆って装着可能に形成され、該人体頭部を覆って装着された頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3が装着可能に形成され、冷却媒体3を覆って表面部材2が装着可能に形成されてなる。
【0224】
なお、従属構成35~39を説明する
図10~12に示される頭部冷却用具において、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成、又は、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成のいずれの構成も実施可能である。
【0225】
<過冷抑制用頭部側内面部材8、過冷抑制用冷気遮断性部材81>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成34」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成41]
・さらに、前記冷却媒体の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑 制用頭部側内面部材8を備え、過冷抑制用頭部側内面部材8は、人体頭部に装着したと きに、人体頭部を覆って装着可能であるとともに、前記冷却媒体から人体頭部に達する 冷気を抑制可能に形成されてなる。
・前記過冷抑制用頭部側内面部材8は、冷気の伝達を抑制する機能を奏する過冷抑制用冷 気遮断性部材81を有し、前記過冷抑制用冷気遮断性部材81は、下記の(a)~(m )に記載の素材のうちの少なくとも一つの素材、又は、(n)~(q)に記載のシート 材又はプラスチック製成形材又はゴム製成形材を備えて形成されてなる。
【0226】
・(a)発泡プラスチック素材と、(b)断熱性不織布素材と、(c)複数の不織布を積 層してなる積層不織布素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏す る熱伝導断熱素材。
・(d)金属箔素材と、(e)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(f)プラス チック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形 成した基材付金属薄膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能 を奏する金属膜輻射断熱素材。
・(g)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、( h)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性 不織布素材と、(i)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔 軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射 により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材。
【0227】
・(j)繊維により調製されたフェルト素材と、(k)繊維により調製されたニードルパ ンチ素材と、(l)繊維により調製された起毛製布素材と、(m)繊維により調製され た肉厚織布素材と、のうちの少なくとも一つの断熱性を有する断熱性布素材。
【0228】
・(n)連続気泡を含有してなるプラスチック製連続気泡シート材。
・(o)独立気泡を含有してなるプラスチック製シート材。
・好ましくは、上記の断熱素材及び/又はシート材は略半円球中空状に形成されてなる。
【0229】
・(p)略半円球中空状に成形加工されてなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材。
・(q)略半円球中空状に成形加工されてなるとともに屈曲可能な程度の柔軟性及び/又 は弾性を有するプラスチック製成形材又はゴム製成形材。
【0230】
この構成により、前述の[効果ル:頭部側内面部材7が人体頭部を覆って装着されたときに、冷却媒体の冷気を人体頭部に所望の冷気状態で伝えることが可能となり、人体頭部を所望の快適な状態で冷却する頭部冷却効果が著しく向上できる効果]が得られるとともに、特に、[効果ル-h:頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、冷却媒体と人体頭部との間に過冷抑制用頭部側内面部材8が設置構成された構成により、冷却媒体が頭皮に直接に接触することを防止して、冷却媒体から人体頭部表面に到達する冷気温度を所望の冷気温度に調節して、装着者が冷えすぎた不快感が抑制されて、快適な温度に調節可能になる効果]が得られる。
【0231】
上記の(a)断熱性発泡プラスチック素材としては、多数の微細気泡を有する微細多孔質気泡含有発泡プラスチック素材が好ましく実施可能である。
微細多孔質気泡含有発泡プラスチック素材としては、一つの気泡の大きさが0.5mm以下の多数の微細気泡を有する微細多孔質気泡含有発泡プラスチック素材が好ましい。また、特に、柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材も好ましく実施可能であり、これにより、人体頭部に装着した時に、頭部の形状に一致した状態に変形して装着されるとともに、更に、頭部に硬さを感じなく、快適な装着感を得ることができる効果が得られる。微細多孔質気泡含有発泡プラスチック素材や柔軟性発泡プラスチック素材としては、例えば、微細多孔質気泡を含有する連続気泡を有する軟質の発泡ポリウレタン、発泡シリコンゴム、ポリエチレンと他のモノマーとの共重合体の軟質のポリエチレン系発泡体、等が使用可能である。
【0232】
また、上記の(a)、(b)、(c)の熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、(d)、(e)、(f)の輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、(g)、(h)、(i)の熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、等の素材としては、特に限定されることなく、前述の「従属構成2」において説明した類似の素材が実施可能である。
[効果ル-ai:上記(a)~(i)の素材は、それぞれの素材特有の断熱性を奏する断熱性素材であり、断熱性素材が冷却媒体と人体頭部との間に構成されてなることにより、冷却媒体の冷気温度が約2℃以下に冷え過ぎている場合に、断熱性素材の介在により、人体頭部側に達する冷気が制御されて、約2℃~15℃に制御することが可能となり、人体頭部側の冷気を約2℃~15℃の快適に感じる冷気に調節することが可能なる。更に、断熱性素材が冷却媒体と人体頭部との間に構成されてなることにより、人体頭部側の冷気を、快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度に長時間保持できる効果]も得られる。
【0233】
なお、一般に、慣用されている衣料用素材は、上記の(j)フェルト素材、(k)ニードルパンチ素材、(l)起毛製布素材、(m)肉厚布素材、のいずれかに相当し、これらの布素材は、その編み方、織り方、密度、厚さ、等の布の繊維の集合方法により、熱の伝達を抑制する機能を有するものであり、例えば、プラスチック製フィルム素材と比較して優れた熱伝達抑制を奏する素材であると言える。なお、「織布」は、織られた布及び編まれた布、その他の長繊維により所定の形態に形成された布を意味する。
これらの断熱性を有するの断熱性布素材としては、約0.3mm厚以上の厚さを有する断熱性布素材が好ましく実施可能である。
この構成により、前述の[効果ル]が得られる。
【0234】
上記の(n)連続気泡を含有してなるプラスチック製連続気泡シート材としては、例えば、ポリエチレン製、軟質ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン系共重合樹脂、その他のプラスチック製であって、多数の連続気泡を有する0.5~10mm厚のシート材であって、一つの気泡の大きさが約0.05~10mmであり、柔軟性を有する独立気泡含有プラスチック製シート材が使用できる。一般に、クッション材、隙間防止材、緩衝材、等として使用されているシート材が使用できる。また、例えば、発泡倍率が約3倍以上を有する多数の連続気泡を含有してなるプラスチック製連続気泡シート材が好ましく実施できる。
この構成により、[効果ル-n:連続気泡に起因する空気層が冷却媒体からの冷気の伝達を抑制する作用を有し、これにより、冷却媒体の冷気温度が約2℃以下に冷え過ぎている場合に、冷却媒体の冷気がプラスチック製の固体を通して直接に頭部に接触することが防止されるとともに、連続気泡に起因する空気等の気体の介在により、人体頭部が快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度を長時間感じることが可能になり、その結果、人体頭部側の冷気を、快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度に長時間保持でき、更に、頭部に硬さを感じない程度の快適な装着感が得られる効果]が得られる。
【0235】
上記の(o)独立気泡を含有してなるプラスチック製シート材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、その他の慣用のプラスチックにより調製されたのプラスチック製であって、多数の独立気泡を有する1~10mm厚のシート材であって、一つの独立気泡の大きさが約0.5mm以上、好ましくは約0.5~10mmであり、柔軟性を有する独立気泡含有プラスチック製シート材が好ましく使用できる。例えば、一般に、包装緩衝材として慣用されている「気泡緩衝材」、「プチプチ(商品名・慣用名)」、「エァークッション(商品名・慣用名)」、「エァーキャップ(商品名・慣用名)」」等を素材としたシート材が使用できる。
この構成により、[効果ル-o:独立気泡に起因する気体気泡が冷却媒体からの冷気の伝達を抑制する作用を有し、これにより、冷却媒体の冷気温度が約2℃以下に冷え過ぎている場合に、冷却媒体の冷気がプラスチック製の固体を通して直接に頭部に接触することが防止されるとともに、独立気泡に起因する気体気泡の介在により、人体頭部が快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度を長時間感じることが可能になり、その結果、人体頭部側の冷気を、快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度に長時間保持でき、更に、頭部に硬さを感じない程度の快適な装着感が得られる効果]が得られる。
【0236】
上記の(p)略半円球中空状に成形加工されてなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、エチレンと他のビニルモノマとを含有するポリエチレン系ポリマ、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ABS樹脂、AS樹脂、ブタジエンゴム、プロピレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、その他の慣用のプラスチック、その他の慣用のゴム、又は、これらの共重合ポリマから調製されたのプラスチック製成形材成形材又はゴム製成形材、が好ましく実施可能である。
【0237】
(q)略半円球中空状に成形加工されてなるとともに屈曲可能な程度の柔軟性及び/又は弾性を有するプラスチック製成形材又はゴム製成形材としては、上記のプラスチック製成形材又はゴム製成形材のうちの、ポリエチレン系ポリマ、ポリ塩化ビニル、ブタジエンゴム、プロピレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、その他の慣用のゴム弾性を有するゴム材から調製された柔軟性及び/又は弾性を有するプラスチック製成形材又はゴム製成形材が好ましく実施可能である。
【0238】
上記の(p)及び(q)の略半円球中空状に成形加工されてなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材において、その成形材の厚さとしては、成形材の厚さが0.1mm~10mm、好ましくは、0.5mm~7mm、更に好ましくは、1mm~6mmの略半円球中空状に成形加工されてなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材が実施可能である。
[効果ル-p:これにより、冷却媒体の冷気温度が約2℃以下に冷え過ぎている場合に、プラスチック製成形材又はゴム製素材の介在により、冷却媒体が直接に頭部に接触することが防止されるとともに、人体頭部側に達する冷気が制御されて、約2℃~15℃に制御することが可能となり、人体頭部側の冷気を約2℃~15℃の快適に感じる冷気に調節することが可能なる。更に、プラスチック製成形材又はゴム製素材が冷却媒体と人体頭部との間に構成されてなることにより、人体頭部側の冷気を、快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度に長時間保持できる効果]も得られる。
【0239】
「従属構成41」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図13に示される。
図13は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図13(A)、(B)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着したときに、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制用頭部側内面部材8を備える。その過冷抑制用頭部側内面部材8を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
図13(A)においては、冷却媒体3としては、頭部を覆う一つの冷却媒体3が配置されてなる。
図13(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cが配置されてなる。
【0240】
図13(C)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着した時に、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制用頭部側内面部材8を備える。その過冷抑制用頭部側内面部材8を覆って冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
ここで、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
【0241】
なお、
図13において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材2b、等が好ましく実施可能である。
【0242】
<過冷抑制用頭部側内面部材8、過冷抑制用空隙形成部材82>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成34」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成42]
・さらに、冷却媒体3の内面側であって人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制 用頭部側内面部材8を備え、過冷抑制用頭部側内面部材8は、人体頭部に装着したとき に、人体頭部を覆って装着可能であるとともに、冷却媒体3から人体頭部に達する冷気 を抑制可能に形成されてなり、過冷抑制用頭部側内面部材8は、冷却媒体3と人体頭部 との間に空気層を有する空隙を形成可能であり、該空隙により冷気の伝達を抑制する機 能を奏する過冷抑制用空隙形成部材82を有する。
・過冷抑制用空隙形成部材82は、(r)網目形状に形成されてなる網目状プラスチック 製成形素材、及び/又は、(s)柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形 成されてなる柔軟性網目状プラスチック製成形素材、(t)プラスチック製発泡成形素 材により形成され、柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる 柔軟性網目状プラスチック製発泡成形素材、及び/又は、(u)不織布により形成され 、多数の空隙を有する空隙形成不織布製素材、及び/又は、(w)ラッセル状、及び/ 又は、ダブルラッセル状の貫通孔を有する空隙形成繊維製素材、を備えて形成されてな る。
【0243】
上記の(r)網目形状に形成されてなる網目状プラスチック製成形素材としては、特に限定されないが、ポリエチレン、エチレンと他のビニルモノマとを含有するポリエチレン系ポリマ、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ABS樹脂、AS樹脂、ブタジエンゴム、プロピレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、その他の慣用のプラスチック、その他の慣用のゴム、又は、これらの共重合ポリマから調製されたのプラスチック製成形材成形材又はゴム製成形部材、が好ましく実施可能である。
なお、網目形状は、メッシュ形状と略同じ形状を意味する。
【0244】
上記の(s)柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製成形素材としては、上記のプラスチック製成形素材又はゴム製成形素材のうちの、ポリエチレン系ポリマ、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ブタジエンゴム、プロピレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、その他の慣用のゴム弾性を有するゴム材から調製された柔軟性及び/又は弾性を有するプラスチック製成形素材又はゴム製成形素材が好ましく実施可能である。
【0245】
上記の(t)プラスチック製発泡成形素材により形成され、柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製発泡成形部材としては、ポリエチレン発泡材、エチレンと他のビニルモノマとを含有するポリエチレン系発泡材、ポリプロピレン発泡材、ポリウレタン発泡材、ポリ塩化ビニル発泡材、ポリ酢酸ビニル発泡材、ポリスチレン発泡材、シリコンゴム発泡材、合成ゴム発泡材、天然ゴム発泡材、その他の慣用プラスチック製又はゴム製の発泡材が好ましく実施可能である。
【0246】
上記の(u)不織布により形成され、多数の空隙を有する空隙形成不織布製素材としては、例えば、嵩高い密度又は粗い嵩密度を有して、比較的に大きな多数の空隙又は無数の空隙を形成してなる嵩高不織布製の空隙形成不織布製素材が実施可能である。
【0247】
上記の(v)網目形状に形成されてなる網目状肉厚布製形成素材としては、汎用のアクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、その他の合成繊維、及び/又は、綿繊維、羊毛繊維麻繊維、その他の天然繊維、これらの繊維が混合された混紡繊維、などにより調製された網目状肉厚布製形成材が好ましく実施可能である。例えば、これらの繊維により形成された毛糸を使用して、所望の網目形状に形成された網目状肉厚布製形成素材が好ましく実施可能である。
上記の(w)ラッセル状、及び/又は、ダブルラッセル状の貫通孔を有する空隙形成繊維製素材としては、汎用のラッセル状又はダブルラッセル状に編成された貫通孔形成繊維製素材を使用して所望の形態に編成された貫通孔を有する空隙形成繊維製素材が好ましく実施可能である。 ラッセル状とは、経編ニットの種類の一つであって、粗いゲージで編まれて、比較的に厚い形状を有するとともに粗い網目の貫通孔を有する形状を意味する。
また、上記の(r)~(w)のうちの所望の複数素材が積層又は混合等の形態で複合されてなる複合化された貫通孔を備えた空隙形成繊維製素材も好ましく実施可能である。
【0248】
上記の(r)、(s)、(t)の網目状プラスチック製成形素材、又は、(v)の網目状肉厚布製形成素材、又は、(w)ラッセル状、等の通気性繊維製素材において、その成形素材又は形成素材の形態としては、特に限定されないが、例えば、素材の厚さが0.1mm~10mm、好ましくは、0.5mm~7mm、更に好ましくは、1mm~6mmの略半円球中空状に成形加工されてなる、プラスチック製成形素材、網目状肉厚布製形成素材、又は、通気性繊維製素材、が実施可能である。
そして、網目形状に形成されてなる多数の貫通孔を有する形態としては、特に限定されないが、例えば、ネット状、格子状、メッシュ状、ラッセル状、ダブルラッセル状、等の形態を有するもの、円状、三角形、四角形、多角形、台形、菱形、ハート形、等の所望形状の多数の空隙を形成可能な貫通孔を有する形態であって、貫通孔の大きさは、特に限定されないが、例えば、網目形状の多数の貫通孔のうちの一つの貫通孔の孔径が約0.5~50mmであって、それぞれの貫通孔を形成する骨組成形材の幅寸法が0.5~10mmであるとともに、略半円球中空状成形材の内面側表面の面積において、骨格を形成する骨組面積に対する貫通孔面積の比率が、1倍以上が好ましく、より好ましくは、2倍以上が好ましく、更に好ましくは3倍以上が好ましく実施可能であり、この形態により、網目形状の多数の貫通孔を形成してなるプラスチック製成形材又はゴム製成形材の骨組部分が人体頭部に接触する面積が少なくなるとともに、貫通孔に起因する空気が人体頭部に接触する面積が多くなり、従って、骨組部分から伝わる冷気量が少なくなり、貫通孔から伝わる冷気量が多くなり、その結果、人体頭部の冷感が抑制される。
なお、構成する過冷抑制用空隙形成部材82の厚さに対応して、構成される表面部材2の大きさ形状を最適に形成することが好ましい。前述のように、過冷抑制用空隙形成部材82を構成しない頭部冷却用具において、表面部材2の周囲長が約625mmである場合、例えば、約5mm厚さを有する過冷抑制用空隙形成部材82を構成した頭部冷却用具において、表面部材2の最適な周囲長は約656mmである。
【0249】
例えば、(t)プラスチック製発泡成形素材により形成され、柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製成形部材としては、ポリエチレン発泡材、又は、軟質ポリウレタン発泡材、等のプラスチック製発泡の骨格を有し、略菱形の空隙を形成してなるネット状の網目状のシート形態であって、少なくとも一方の方向に引っ張られることにより網目面積が拡大して、シートが平面方向に拡大可能に形成されたなるプラスチック製発泡成形素材が実施可能である。
弾性を有するプラスチック製発泡成形部材としては、特に限定されることなく、例えば、ポリエチレン発泡材、軟質ポリウレタン発泡材、シリコンゴム製発泡材、ポリ塩化ビニル発泡材、ポリ酢酸ビニル発泡材、その他の慣用の軟質のポリマ製発泡材が使用可能である。
例えば、このような柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製成形素材としては、例えば、汎用、慣用されている緩衝材を使用して、所望の略半円球中空形状に形成されたものが使用可能である。柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製成形部材としては、例えば、
図20に示されるような、プラスチック製発泡成形材により所望の網目状に形成された網目状プラスチック製成形材が適用できる。
図20は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される過冷抑制用空隙形成部材の形態を説明するための写真図であり、
図20の(B)は上方向から見た網目状プラスチック製成形材の写真であり、(A)は(B)の網目状プラスチック製成形素材を横斜め方向から見た拡大写真図である。
一般に、このような網目状に形成された網目状プラスチック製成形素材は、所定の方向に力が加えられることにより、網目形態が容易に変形して、網目状プラスチック製成形素材の全体形状が伸張する柔軟性を有する。また、ポリエチレン発泡材、又は、軟質ポリウレタン発泡材等の発泡材は、弾性を有する。
【0250】
一般に、約0℃の低温の空気雰囲気の容器の中に人体部分(例えば、手)を差し入れた場合、約5分間以上の間、冷たさを我慢して、手を低温雰囲気中に容れ続けることができる。しかしながら、約0℃の低温のプラスチック製の成形材の表面に人体部分(例えば、手)を接触した場合、冷たさを我慢できなく、約1分間を超えて、プラスチック製の成形材の表面に接触し続けることは困難である。このように、人体頭部に冷気を接触する場合に、成形材等の固体の冷気よりも、空気等の気体の冷気の方が、より長時間、冷気を我慢して接触し続けることができ、人体頭部に感じる冷感が抑制される傾向がある。すなわち、冷却媒体からの冷気の直接的伝達が抑制されて、人体頭部側の冷気を、快適に感じる所望の冷気温度に長時間保持できる効果]が得られる。
【0251】
すなわち、過冷抑制用空隙形成部材82として、(r)網目形状に形成されてなる網目状プラスチック製成形素材が構成された場合には、[効果ル-r:網目形状の貫通孔に起因する空隙の空気層が冷却媒体からの冷気の直接的伝達を抑制する作用を有し、これにより、冷却媒体の冷気温度が約2℃以下に冷え過ぎている場合に、冷却媒体の冷気がプラスチック製の固体を通して直接に頭部の頭皮に接触することが防止されるとともに、網目形状の貫通孔に起因する空気の介在により、人体頭部が快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度を長時間感じることが可能になり、その結果、人体頭部側の冷気を、快適に感じる約2℃~15℃の冷気温度に長時間保持できる効果]が得られる。
また、過冷抑制用空隙形成部材82として、(s)屈曲可能な程度の柔軟性を有し、貫通孔を形成してなるプラスチック製成形素材、及び/又は、(v)網目形状に形成されてなる網目状肉厚布製形成素材が構成された場合には、[効果ル-sv:前述の効果ル-r(貫通孔に起因する空気層が冷却媒体からの冷気の直接的伝達を抑制する)効果が得られるとともに、更に、屈曲可能な程度の柔軟性を有することにより、過冷抑制用頭部側内面部材8が人体頭部の形状に応じて変形して、人体頭部に装着可能になり、装着者に過冷抑制用頭部側内面部材8に起因する硬さを感じなく、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果]が得られる。
【0252】
また、過冷抑制用空隙形成部材82として、(t)プラスチック製発泡成形素材により形成され、柔軟性及び/又は弾性を有するとともに網目形状に形成されてなる柔軟性及び/又は弾性網目状プラスチック製成形素材が構成された場合には、[効果ル-t:前述の効果ル-r(貫通孔に起因する空気層が冷却媒体からの冷気の伝達を抑制する)効果、及び、効果ル-s(屈曲可能な程度の柔軟性を有することにより、過冷抑制用頭部側内面部材8が人体頭部の形状に応じて変形して、人体頭部に装着可能になり、装着者に過冷抑制用頭部側内面部材8に起因する硬さを感じなく、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果)が得られると共に、更に、人体頭部に接触する網目状骨格がプラスチック製発泡成形素材により形成されていることに起因する断熱性を有することにより、冷却媒体の冷気の伝達を更に抑制する効果が得られ、装着者の冷た過ぎる冷却感を抑制して、更に、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果]が得られる。
【0253】
また、過冷抑制用空隙形成部材82として、(w)ラッセル状、及び/又は、ダブルラッセル状の貫通孔を有する空隙形成繊維製素材が構成された場合には、[効果ル-w:前述の効果ル-r(貫通孔に起因する空気層が冷却媒体からの冷気の伝達を抑制する)効果、及び、効果ル-s(屈曲可能な程度の柔軟性を有することにより、過冷抑制用頭部側内面部材8が人体頭部の形状に応じて変形して、人体頭部に装着可能になり、装着者に過冷抑制用頭部側内面部材8に起因する硬さを感じなく、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果)が得られると共に、特に、比較的に厚い厚さを有するラッセル状、及び/又は、ダブルラッセル状の空隙を有する空隙形成繊維製部材を構成することにより、装着者の冷た過ぎる冷却感を抑制して、更に、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果]が得られる。
また、ラッセル状の貫通孔を有する空隙形成繊維製部材に加えて、更に、メッシュ状の通気性を有する通気性繊維製素材、及び/又は、通気性を有する粗い嵩密度を有する不織布製の空隙形成繊維製素材等を積層して構成されてなるとともに、空隙を有すると共に通気性を有する積層されてなる通気性空隙形成繊維製素材も好ましく実施可能である。これにより、「効果ル-aw:前述の効果ル-wを最適に発揮する頭部冷却用具が得られる」効果が得られる。特に、所望の機械的強度を有するメッシュ状の通気性を有する通気性繊維製部材を積層構成することにより、所望の機械的強度を有すると共に前述の「効果ル-w」を最適に発揮する頭部冷却用具が得られる。
【0254】
また、過冷抑制用空隙形成部材82として、上記に限定されることなく、(x)布又はプラスチック製フィルムシートの表面に多数の凸部と凹部とを形成してなる凹凸形成シート材を構成した頭部冷却用具も好ましく実施可能であり、この構成により、[効果ル-x:冷却部材に起因して発生する水分が布又はプラスチック製フィルムシートに吸収されて、該水分が頭部頭髪に到達することが抑制されるとともに、凹部に起因する空気層が冷却媒体からの冷気の直接的伝達を抑制して、装着者の冷た過ぎる冷却感を抑制して、更に、長時間の装着においても、快適な装着感を得ることが可能になる効果]が得られる。
【0255】
「従属構成42」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図19に示される。
図19は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図であり、(A)、(B)、又は(C)に示される構成が好ましく実施可能である。
図19(A)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って頭部冷却用具を装着したときに、冷却媒体3の人体頭部側に設置可能に構成されてなる過冷抑制用頭部側内面部材8としての過冷抑制用空隙形成部材82を備える。その過冷抑制用頭部側内面部材8を覆って、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が配置され、更に、その冷却媒体3を覆って表面部材2が配置されてなる。
【0256】
図19の(B)と(C)は、人体頭部10を覆って頭部冷却用具を装着したときにおける表面部材2と冷却媒体3と過冷抑制用頭部側内面部材8としての過冷抑制用空隙形成部材(82)との構成を模式的に示す断面模式図である。
【0257】
図19(B)において、表面部材2の内面側に、冷却媒体3が配置されてなる。冷却媒体3は、複数個に分割された密封容器32の中に冷媒31が収納されてなる複数個分割連結密封冷却媒体3の形態を有する。そして、複数個分割連結密封冷却媒体3が複数個分割連結収納部6a、6bを有する冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる。
その冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる密封冷却媒体3の内面側に過冷抑制用空隙形成部材82が配置されてなる。このようにして、頭部冷却用具が構成されてなる。
【0258】
図19(C)において、表面部材2の内面側に、冷却媒体3が配置されてなる。冷却媒体3は、複数個に分割された密封容器32の中に冷媒31が収納されてなる複数個分割連結密封冷却媒体3の形態を有する。
その複数個分割連結密封冷却媒体3の内面側に過冷抑制用空隙形成部材82が配置されてなる。このようにして、頭部冷却用具が構成されてなる。
【0259】
なお、
図19において、過冷抑制用頭部側内面部材8としての過冷抑制用空隙形成部材82としては、上記の網目形状に形成されてなる網目状プラスチック製成形素材、及び/又は、柔軟性を有し、貫通孔を形成してなるプラスチック製成形素材が好ましく実施可能である。
【0260】
また、表面部材2としては、プラスチック製発泡成形材2bが好ましく実施可能である。また、
図19(A)に示されるような、表面部材の周縁領域に表面部材開口部周囲突出枠部21が設置された構成も実施可能である。また、表面部材開口部周囲突出枠部21がプラスチック製発泡成形材2bと一体になって形成されて構成されてなる構成が好ましく実施可能である。
また、表面部材開口部周囲突出枠部21が設置されていない構成も実施可能である。
【0261】
<所望機能性表面部材9>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成42」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成43]
・更に、前記表面部材を覆って装着可能な略半円球中空形状を有するとともに所望の機能 を有する所望機能性表面部材9を備え、所望機能性表面部材9は、少なくとも、(A) 所望の外観機能を有する所望外観機能性表面部材9a、(B)所望の断熱性能を有する 所望断熱性表面部材9b、及び、(C)破損なく装着可能な機械的強度を有する所望機 械的機能性表面部材9c、からなる群から選ばれる少なくとも一つの所望機能性表面部 材9を備えてなる、ことを特徴とする。
【0262】
(A)所望の外観機能を有する所望機能性表面部材9aとしては、特に限定されないが、(i)色彩的絵柄的装飾性素材(色彩又は絵柄などの装飾的外観における所望の素材)、(ii)良感触性素材(手触り又は装着感などの感触的観点における所望の素材)、(iii)良撥水性素材(撥水性に優れた素材)(vii)良抗菌性素材(菌が付着し難い、又は、菌の増殖を抑制する、又は殺菌する性質を備えた素材)、(viii)良汚染耐性素材(汚れ難いなどの汚染しにくい性質を有する素材)、(ix)良洗濯劣化耐性素材(繰返しの洗濯に対しても劣化の少ない素材)、(x)軽量性素材(装着時に重苦しさを軽減する軽く感じる素材)、(xi)通気性素材(装着時に、例えばメッシュ素材等の貫通孔形成素材などの頭部の蒸れ感を軽減する素材)、(xii)熱融着接合可能性素材(例えば、少なくともポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維を含有する不織布製であって、加熱により他の繊維と接合可能な素材)、などが好ましく実施できる。
【0263】
(B)所望の断熱性能を有する所望断熱性表面部材9bとしては、特に限定されないが、少なくとも、下記のような、熱伝導断熱素材、及び/又は、金属膜輻射断熱素材、及び/又は、輻射熱伝導熱断熱素材、及び/又は、布素材、を有する布素材を有して調製された所望断熱性表面部材9、が好ましく実施可能である。
・前記の熱伝導断熱素材は、(i)発泡プラスチック素材と、(ii)断熱性不織布素材と、(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材を有する。
・前記の金属膜輻射断熱素材は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材を有する。
・前記の輻射熱伝導熱断熱素材は、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材を有する。
・前記の布素材は、(x)繊維により編成された織布製素材と、(xi)短繊維の集合により形成された不織布製布素材と、(xii)繊維により調製された起毛製布素材と、(xiii)繊維により調製された肉厚布素材と、のうちの少なくとも一つの布素材を有する。
【0264】
(C)破損なく装着可能な機械的強度を有する所望機械的機能性表面部材9cとしては、特に限定されないが、(v)破れ難い、耐摩擦性、型崩れし難い、等の機械的強度に優れた素材などの良機械的強度性素材8が好ましく実施できる。
この構成により、[効果オ:所望の機能を有する素材を選択して表面部材の表面に構成することにより、所望の機能、断熱性能、機械的強度を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる効果]が得られる。
【0265】
この「従属構成43」の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図14に示される。
図14は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図14の(A)、(B)、(C)において、頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な頭部冷却用具であって、人体頭部を覆って装着可能な略半円球中空形状を有する表面部材2と、表面部材の内面側に設置された冷却媒体3と、を備え、人体頭部を覆って装着された時に、冷却媒体3が表面部材と人体頭部との間に位置し、該人体頭部を冷却可能に構成されてなる構成であって、更に、表面部材を覆って装着可能な略半円球中空形状を有するとともに所望の機能を有する所望機能性表面部材9を備えてなる。
所望機能性表面部材9は、少なくとも、(A)所望の外観機能を有する所望外観機能性表面部材9a、(B)所望の断熱性能を有する所望断熱性表面部材9b、及び、(C)破損なく装着可能な機械的強度を有する所望機械的機能性表面部材9c、からなる群から選ばれる少なくとも一つの所望機能性表面部材9を備えてなる。
【0266】
図14(A)においては、冷却媒体3としては、一つの冷却媒体3が配置されてなる。
図14(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cが配置されてなる。
図14(C)において、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
なお、
図14において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材(2b)、等が好ましく実施可能である。
【0267】
<第二の断熱性表面部材2c>
本発明の前述の「従属構成3」~「従属構成43」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成44]
・表面部材2は、略半円球中空形状を有するプラスチック製発泡成形材2bに加えて、更に、プラスチック製発泡成形材2bに積層されてなる第二の断熱性表面部材2cを備え、第二の断熱性表面部材2cは、少なくとも、熱伝導断熱素材、及び/又は、金属膜輻射断熱素材、及び/又は、輻射熱伝導熱断熱素材、及び/又は、布素材、を有する断熱性素材から調製された断熱性表面部材2aを備え、第二の断熱性表面部材2cは、冷却媒体3に起因する冷気が表面部材の表面側に逃げることを抑制する機能を奏する、ことを特徴とする頭部冷却用具。
・前記の熱伝導断熱素材は、(i)発泡プラスチック素材と、(ii)断熱性不織布素材と、(iii)複数の不織布を積層してなる積層不織布素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材を有する。
・前記の金属膜輻射断熱素材は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)プラスチック製フィルム基材又はシート状不織布基材又はシート状布基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材を有する。
・前記の輻射熱伝導熱断熱素材は、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材を有する。
・前記の布素材は、(x)繊維により編成された織布製素材と、(xi)短繊維の集合により形成された不織布製布素材と、(xii)繊維により調製された起毛製布素材と、(xiii)繊維により調製された肉厚布素材と、のうちの少なくとも一つの布素材を有する。
【0268】
この構成により、[効果ワ:更に、第二の断熱性表面部材2cを構成してなることにより、表面部材の断熱性能がさらに著しく向上し、人体頭部に装着したときに、冷却媒体に起因する冷気の表面部材から逃げる冷気が抑制され、その結果、人体頭部を冷却する冷却時間が更に著しく永くなる効果]が得られる。
【0269】
なお、発泡プラスチック素材としては、柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材が特に好ましく実施可能である。この構成により、[効果ワ-a:柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材を有する]が得られる。
【0270】
この「従属構成44」の-実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図が
図15に示される。
図15は本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図である。
図11の(A)、(B)、(C)において、表面部材2は、略半円球中空形状を有するプラスチック製発泡成形材2bに加えて、表面部材2は、更に、プラスチック製発泡成形材2bに積層されてなる第二の断熱性表面部材2cを備え、第二の断熱性表面部材2cは、冷却媒体3に起因する冷気が表面部材の表面側に逃げることを抑制する機能を奏する。
【0271】
図15(A)においては、冷却媒体3としては、一つの冷却媒体3が配置されてなる。
図15(B)において、冷却媒体3としては、複数個に分割されてなる複数の冷却媒体3a、3b、3cが配置されてなる。
図15(C)において、冷却媒体3としては、冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3が構成され、その冷却媒体3を覆って表面部材が配置されてなる。
【0272】
なお、
図15において、表面部材2としては、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材(2b)、等が好ましく実施可能である。
また、従属構成41~43を説明する
図13~15、
図19に示される頭部冷却用具において、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されてなる構成、又は、表面部材開口部周囲突出枠部21が構成されない構成のいずれの構成も実施可能である。
【0273】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成21」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成45]
・冷却媒体3は、冷媒31が密封容器32に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、密封冷却媒体は、複数個に分割された複数個分割連結密封冷却媒体を有するとともに、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、隣り合う複数個分割連結密封冷却媒体の少なくとも一つの複数個分割連結密封冷却媒体に連結された複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有するとともに、一体に形成されてなる。
・複数個分割連結密封冷却媒体3は、(イ)頭頂部を覆って装着可能な多角形又は円形を有する頭頂部分割連結密封冷却媒体と、該頭頂部分割連結密封冷却媒体の周縁を4つ以上に分割してなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から周囲方向に伸びて形成された周囲分割連結密封冷却媒体、又は、(ロ)頭頂部に複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から該頭頂部の周囲方向に伸びて形成された複数の頭頂部周囲分割連結密封冷却媒体、又は、(ハ)前頭部から頭頂部を含んで後頭部に伸びて形成された略長方形を有する前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体と、該前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体の左側頭部側の中間部に左複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有するとともに該左複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から左側頭部を覆うように形成された左側頭部分割連結密封冷却媒体と、前記前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体の右側頭部側の中間部に右複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有するとともに該右複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から右側頭部を覆うように形成された右側頭部分割連結密封冷却媒体、を有する。
・上記のそれぞれの複数個分割連結密封冷却媒体3は、複数個分割連結密封冷却媒体連結部35において屈曲自在に連結されてなり、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体3は人体頭部の形状に一致する略半円形状に組み立て形成可能であり、人体頭部に装着されたときに、前記複数個分割連結密封冷却媒体が頭部全体を覆って形成可能に構成されてなる。
【0274】
本構成を有する冷却媒体の一実施例が
図16に示される。
図16は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体を説明するための模式的平面図である。
図16の(A)は、前記複数個分割連結密封冷却媒体3は、(イ)頭頂部を覆って装着可能な多角形又は円形を有する頭頂部分割連結密封冷却媒体3bと、頭頂部分割連結密封冷却媒体3bの周縁を4つ以上に分割してなる複数の複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から周囲方向に伸びて形成された周囲分割連結密封冷却媒体3a、3c、3d、3eを有する構成を示す。
図16の(B)は、(ハ)前頭部から頭頂部を含んで後頭部に伸びて形成された略長方形を有する前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体3fと、前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体の左側頭部側の中間部に左複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有するとともに左複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から左側頭部を覆うように形成された左側頭部分割連結密封冷却媒体3gと、前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体3fの右側頭部側の中間部に右複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有するとともに右複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から右側頭部を覆うように形成された右側頭部分割連結密封冷却媒体3hを有する構成を示す。
図16の(C)は、(ロ)頭頂部に複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体連結部35から該頭頂部の周囲方向に伸びて形成された複数の頭頂部周囲分割連結密封冷却媒体3i、3j、3k、3l、3m、3n、3o、3pを有する構成を示す。
【0275】
図16の(A)、(B)、(C)に示される複数個分割連結密封冷却媒体3は、屈曲自在に形成された複数個分割連結密封冷却媒体連結部35において屈曲されて、互いに隣り合う分割連結密封冷却媒体の側縁が略近接して組み立てられることにより、略半円球中空形状の立体形状に組み立て可能である。
なお、それぞれの分割連結密封冷却媒体3a~3pは常温において曲面に変形可能な程度の柔軟性を有する構成が好ましく、複数個分割連結密封冷却媒体3a~3pが滑らかに曲面に変形するとともに、複数個分割連結密封冷却媒体連結部35が屈曲して、略半円球中空形状の立体形状に組み立て可能に形成されてなる。
例えば、
図16の(B)に示される前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体3fは、人体頭部に装着した場合における前頭部から後頭部に至る面は、人体頭部の形状に一致して滑らかな曲面に変形可能に形成可能である。
【0276】
なお、
図16の(B)において、前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体3fに替えて、前頭・頭頂・後頭分割連結密封冷却媒体3fを、前頭部と頭頂部と後頭部とに3分割してなる複数個分割連結密封冷却媒体を有する構成も実施可能である。
【0277】
密封冷却媒体としては、特に限定されないが、例えば、前述の「従属構成12」で説明したような柔軟性を有するプラスチック製フィルム容器32の中に、水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31が充填されて密封されてなる冷媒密封冷却媒体が実施可能である。この場合、プラスチック製フィルム容器32の所望の部分が加熱加圧融着手段等によりヒートシールされたた複数個分割連結密封冷却媒体連結部35を形成して、複数個に分割されてなる分割連結密封冷却媒体が形成された形状を有する。
水、アルコール、多価アルコール、及び、水溶性高分子、からなる群から選ばれる少なくとも一つの冷媒31が充填されて密封されてなる冷媒密封冷却媒体を使用して、これらの冷媒成分を所望に配合混合することにより、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能を有する所望性能の冷却媒体を調製することができ、-5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。
特に、約25~37℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有するとともに、約0℃においても、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体を容易に設計可能であり、この場合、冷却媒体を収納した頭部冷却用具を装着した時に、人体頭部に硬い違和感なく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる。
【0278】
[従属構成45]の構成により、前述の「基本構成1」及び/又は「従属構成2~21」により得られる効果に加えて、[効果カ:人体頭部及び/又は表面部材の内面の形状に概略一致する立体形状の冷却媒体が形成可能であり、これにより、人体頭部に装着したときに、頭部全体を冷却可能になり、著しく優れた冷却作用を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0279】
本発明の前述の「従属構成45」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成46]
・前記複数個分割連結密封冷却媒体3は、人体頭部に装着されたときに、人体耳部の前頭 部側と後頭部側を覆うとともに、人体耳部に相当する領域に冷却媒体耳部切欠部37を 有し、冷却媒体耳部切欠部37が人体耳部を覆わない形状を有してなる、ことを特徴と する。
【0280】
本構成を有する冷却媒体の一実施例が
図16に示される。
図16は本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成される冷却媒体を説明するための模式的平面図である。
図16の(A)、(B)、(C)において、冷却媒体3が略半円球中空形状の立体形状に組み立てられて、人体頭部に装着された場合、人体耳部に相当する部分に冷却媒体耳部切欠部37が形成されてなる。
【0281】
[従属構成46]の構成により、[効果ヨ:冷却媒体耳部切欠部37を備えた構成により、冷却不要な人体耳部が冷却されなく、装着者が人体耳部に不快感を感じることなく、人体頭部全体を、効率よく冷却可能になる効果]が得られる。
【0282】
<複数個の凸部と複数個の凹部とを有してなる複数個の冷却媒体収納部23を形成してなる表面部材>
図21に、本発明の一実施例の頭部冷却用具の構成を説明するための構成模式図を示す。
図21の(A)は本発明の一実施例の頭部冷却用具を該頭部冷却用具の側面側から見た断面における模式的側面図であり、
図21の(B)は本発明の他の一実施例の頭部冷却用具を該頭部冷却用具の内面側から見た模式的平面図であり、
図21の(C)は本発明の他の一実施例の頭部冷却用具を該頭部冷却用具の側面側から見た模式的側面図であり、
図21の(D)は本発明の他の一実施例の頭部冷却用具の断面を拡大して模式的に示す模式的拡大断面図である。
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成13」、「従属構成19」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える
[従属構成47]
・表面部材2は、該表面部材2の内面側に形成された複数個の表面部材内面凸部23と複 数個の表面部材内面凹部24とを有し、複数個の表面部材内面凹部24のそれぞれの表 面部材内面凹部24は複数個の表面部材内面凸部23の所定の複数個の表面部材内面凸 部23に囲まれて形成されてなる複数個の表面部材内面冷却媒体収納部25を形成し、 複数個の表面部材内面冷却媒体収納部25のうちの所望の表面部材内面冷却媒体収納部 25に冷却媒体3が設置及び/又は収納されてなる、頭部冷却用具。
【0283】
本発明の好ましい頭部冷却用具は、
図21の(A)、(B)に示されるように、略半円球中空形状を有する表面部材2の内面側の所望の領域に、複数個の表面部材内面凸部23複数個の表面部材内面凹部24が形成されてなる。それぞれの表面部材内面凹部24は複数個の表面部材内面凸部23に囲まれて形成され、その複数個の表面部材内面凸部23に囲まれて形成された表面部材内面凹部24は窪んだ凹形状を有する表面部材内面冷却媒体収納部25を形成する。その表面部材内面冷却媒体収納部25に冷却媒体3が設置されて収納されてなる。
例えば、
図21の(B)に示されるように、複数個の表面部材内面凸部23に囲まれて、複数個の表面部材内面冷却媒体収納部25a、25b、25c、25d、25eが形成されてなる。
【0284】
表面部材2としては、前述の「従属構成3」~「従属構成9」の頭部冷却用具において説明した表面部材2と類似の成形材により構成された表面部材2が好ましく実施可能である。表面部材2としては、例えば、断熱性表面部材2a、プラスチック製発泡成形材2bが好ましく実施可能である。
表面部材2としては、例えば、プラスチック製発泡成形材により成形された厚さ寸法が0.5~10mm、更に好ましくは1~5mm、更に更に好ましくは1.5~3mmの厚さ寸法のプラスチック製発泡成形材により成形された表面部材2が好ましく実施可能である。
表面部材内面凸部23としては、高さ寸法が3~20mm、好ましくは5~17mm、更に好ましくは7~15mmであって、幅寸法が1~20mm、好ましくは3~17mm、更に好ましくは5~15mmを有する表面部材内面凸部23が好ましく実施可能である。
表面部材内面凸部23の高さ寸法が3mm未満の場合には、厚さ3mm以上の冷却媒体3を設置することが困難であり、表面部材内面凸部23の高さ寸法が20mmを超える場合には、頭部冷却用具の大きさが大きくなり過ぎて装着感に劣る傾向があり、表面部材内面凸部23の幅寸法が1mm未満の場合には機械的強度的に弱く冷却媒体3を所望の位置に設置困難になる傾向があり、幅寸法が20mmを超える場合には、冷却媒体3を設置する領域が狭くなり、十分な冷却効果が得られなくなる傾向がある。
【0285】
冷却媒体3としては、前述の「従属構成11」、「従属構成12」、「従属構成19」の頭部冷却用具において説明した冷却媒体と類似の冷却媒体が実施可能である。
また、冷却媒体3としては、冷媒31が柔軟性を有する密封容器32に充填された密封冷却媒体3の形態で構成される。例えば、
図21の(A)、(B)に示されるように、密封冷却媒体3は、単一の冷却媒体3、及び/又は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体を備える。
複数個分割連結密封冷却媒体3は、複数個に分割された複数の複数個分割連結密封冷却媒体3a、3b、及び/又は、3a、3b、3cを有するとともに、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体3は、少なくとも一つの互いに連結された冷却媒体連結部を有し、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、冷却媒体連結部において、屈曲自在に連結されてなり、それぞれの複数個分割連結密封冷却媒体は、人体頭部の形状に一致する形状に組み立て形成可能に構成されてなる。このような、複数個分割連結密封冷却媒体3としては、前述の「従属構成13」の頭部冷却用具に構成される冷却媒体と類似する。
【0286】
上記の「従属構成47」において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
[従属構成48]
・複数個の表面部材内面凸部23は、表面部材2に一体に形成されてなり、表面部材2と それぞれの表面部材内面凸部23とに囲まれて、表面部材内面冷却媒体収納部25を形 成してなる、ことを特徴とする頭部冷却用具。
・更に好ましくは、複数個の表面部材内面凹部24は、表面部材内面凸部23を介して互 いに隣り合って形成されてなる頭部冷却用具。
【0287】
例えば、
図21の(A)、(B)、(D)に示されるように、複数個の表面部材内面凸部23と表面部材2は、互いに一体に形成されてなる。この場合、複数個の表面部材内面凸部23と表面部材2とは接着剤及び/又は接着テープにより互いに一体になって形成されてなる構成、又は、成形金型の使用により、複数個の表面部材内面凸部23と表面部材2とを一体に形成してなる構成が、実施可能である。
例えば、金型の中でプラスチック原材料を圧縮成型、射出成型、発泡成型、等の慣用の成型方法により、複数個の表面部材内面凸部23と表面部材2とを一体に形成してなる構成が実施可能である。また、所定の板状形状を有するプラスチック製板状材料を使用して、所定の立体形状に形成してなる構成が実施可能である。
【0288】
上記の「従属構成47」又は「従属構成48」において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
[従属構成49]
・表面部材2は、複数個の多角形の組み合わせにより形成された準多面体の表面形状を有 して、全体的に、略半円球中空形状の外観形状に形成されてなるとともに、複数個の表 面部材内面凹部24のそれぞれの表面部材内面凹部24は、前記多角形に一致する多角 形形状を有してなる頭部冷却用具。
・多角形としては、特に限定されないが、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、7 角形、等の、多角形を組み合わせて形成されてなり、全体的に、略半円球中空形状の外 観形状に形成されてなる。また、表面部材2の内面側には、上記の多角形に対応する表 面部材内面凸部23と表面部材内面凹部24とが形成されてなる。
【0289】
例えば、
図21の(C)の頭部冷却用具を該頭部冷却用具の側面側から見た模式的側面図に示されるように、表面部材2は、複数個の六角形と複数個の三角形との組み合わせにより形成された準多面体の表面形状を有する。
多角形の組み合わせとしては、例えば、五角形と六角形との組み合わせ、又は、三角形と五角形との組み合わせ、等の多角形を組み合わせて、外観形状において所定の略半円球中空形状の立体形状に形成してなる構成が実施可能である。特に好ましくは、五角形と六角形との組み合わせにより、表面部材の全面積に対して、広い面積割合を有する表面部材内面凹部24を形成可能であり、その表面部材内面凹部24に冷却媒体を設置可能になり、その結果、頭部の全体を、少ない隙間で冷却可能な頭部冷却用具が得られる。
【0290】
好ましくは、図示されていないが、この構成において、表面部材2の内面側に表面部材内面凸部23が凸形状で形成されると共に、表面部材2の表面側に、その表面部材内面凸部23に対応する凹形状で形成された表面部材表面凹部23bが形成されてなる構成が好ましく実施可能である。この形状構成を有する表面部材は、例えば、所定の凹凸形状を有する金型を使用して、所定の板状形状を有するプラスチック製板状材料を押圧加工することにより、調製される。
【0291】
上記の「従属構成47」、「従属構成48」又は「従属構成49」において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
[従属構成50]
・さらに、複数個の表面部材内面凹部24を覆って設置された表面部材内面冷却媒体収納 保持用内面部材43を備え、表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43と表面部材 2と表面部材内面凸部23により囲まれて、表面部材内面部材冷却媒体収納部25を形 成し、冷却媒体3が表面部材内面部材冷却媒体収納部25に設置されてなる、頭部冷却 用具。
・好ましくは、冷却媒体3は、人体頭部に装着された時に、人体頭部及び/又は表面部材 2の形状に一致した状態で装着可能に形成されるとともに、冷却媒体3の頭部冷却用具 及び/又は人体頭部からの脱落が抑制されてなる構成が実施可能である。
【0292】
例えば、
図21の(A)、(D)に示されるように、表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43が表面部材内面凸部23を覆って設置され、表面部材内面部材冷却媒体収納部25が、この表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材41と表面部材2と表面部材内面凸部23により囲まれて、形成されてなる。
表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43としては、特に限定されないが、例えば、前述の「従属構成27」の説明において説明した冷却媒体収納保持用内面部材4と類似の表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43、不織布、プラスチック製フィルム、等が実施可能である。
この場合、表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43として、表面部材2に形成された表面部材内面凸部23と熱融着により接合可能な性質を有する熱融着性不織布、又は、熱融着性プラスチック製フィルムが特に好ましく実施可能であり、表面部材内面凸部23と表面部材内面冷却媒体収納保持用内面部材43とが熱融着手段により接合されてなる構成が好ましく実施可能である。
【0293】
上記の「従属構成47」、「従属構成48」、「従属構成49」、又は「従属構成50」において、好ましくは、下記の構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
[従属構成51]
・さらに、冷却媒体の内面側に設置された頭部側内面部材7と、冷却媒体の内面側に設置 された過冷抑制用頭部側内面部材8と、表面部材の表面側に設置された所望機能性表面 部材9と、表面部材の表面側に設置された第二の断熱性表面部材2cと、からなる群か ら選ばれる少なくとも一つを備えてなる、頭部冷却用具。
【0294】
頭部側内面部材7としては、前述の「従属構成35」に記載の頭部側内面部材7、「従属構成36」、「従属構成37」に記載の頭髪保湿剤保持含有頭部側内面部材71、「従属構成38」に記載の水分吸収性頭部側内面部材72、「従属構成39」に記載の頭髪押圧用頭部側内面部材73、又は、「従属構成40」に記載の構成を有する頭部側内面部材7、等が好ましく実施可能である。
過冷抑制用頭部側内面部材8としては、前述の「従属構成41」に記載の過冷抑制用頭部側内面部材8と過冷抑制用冷気遮断性部材81、「従属構成42」に記載の過冷抑制用空隙形成部材82、等が好ましく実施可能である。
所望機能性表面部材9としては、、前述の「従属構成43」に記載の所望機能性表面部材9が好ましく実施可能である。
第二の断熱性表面部材2cとしては、、前述の「従属構成44」に記載の第二の断熱性表面部材2cが好ましく実施可能である。
【0295】
「従属構成47」~「従属構成51」の構成により、前述の効果(人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがない等の「快適な装着感」を有する等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」]を奏する頭部冷却用具が得られる)が得られると共に、[効果タ:表面部材と一体に形成された表面部材内面冷却媒体収納部25の中に冷却媒体を設置してなる構成により、所望の領域に設置された冷却媒体を備えた頭部冷却用具を熟練なく容易に形成可能になり、これにより、人体頭部を冷却する効果が更に向上するとともに、冷却媒体が表面部材から脱落することが抑制され、使用利便性と使用安定性に優れた頭部冷却用具が得られる]効果が得られる。
【0296】
<頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間について>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成52」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成52]
・人体頭部に装着されたときに、頭部冷却用具の人体頭部側の表面温度が、約2~約15 ℃の範囲の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成されてなる、ことを特徴とす る頭部冷却用具。
【0297】
すなわち、[従属構成52]の構成により、[効果タ:人体頭部に装着した時に、頭部全体を冷却可能であるとともに、頭部冷却用具の人体頭部側の表面温度が約2~約15℃の範囲の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成により、前述の「効果イ-a(人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れ、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがなく、快適な装着感を有する、等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0298】
頭部冷却用具の冷却媒体3の厚さが厚くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に違和感が生じる傾向にある。また、頭部冷却用具の冷却媒体3の容積(重量)が多くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に重く感じるために、人体頭や首にストレスを感じる傾向にある。
このような観点から、冷却媒体3の厚さは、約3~約15mmが望ましく、より望ましくは、約5~約13mmの厚さを有する。
また、冷却媒体3の大きさ形状としては、特に限定されないが、例えば、冷却媒体3の占める面積が、頭部冷却用具の表面部材の内側の面積の略30%以上に冷却媒体3が設置可能な構成が望ましく、更に望ましくは、冷却媒体3の占める面積が表面部材の内側の面積の約50~99%が望ましい。頭部冷却用具の表面部材の内側の面積に対して冷却媒体3の占める面積が略30%未満の場合には、頭部全体を冷却する十分な効果が得られなくなる傾向がある。
【0299】
頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間は、少なくとも、約120分以上を有する頭部冷却用具が望ましく、より望ましくは、約130分以上の快適冷却持続時間上を有する頭部冷却用具が望ましく、更に望ましくは約200分以上の快適冷却持続時間上を有する頭部冷却用具が望まい。頭部冷却用具を装着後、冷却媒体8の温度が約15℃を超えて上昇した時に、準備している他の0℃以下に冷却した冷却媒体と入れ替えて交換する。
快適冷却持続時間は、(a)頭部冷却用具の表面部材2の断熱性能、(b)頭部冷却用具の冷却媒体3が頭部を覆う面積割合、(c)頭部冷却用具の冷却媒体3の厚さ形状、(d)頭部冷却用具の冷却媒体の容積(重量)、などに起因して変化する。
【0300】
本発明の頭部冷却用具において、(a)頭部冷却用具の表面部材2の断熱性能については、所定の断熱性能を有する表面部材2を構成することにより、頭部冷却用具の表面から逃げる冷気をできる限り抑制することにより、冷却持続時間が永くなるように設計される。
(b)頭部冷却用具の冷却媒体3が頭部を覆う面積割合については、頭部全体を覆う複数個に分割された冷却媒体3を構成し、又は、複数個に分割されてなる複数の分割冷却媒体収納袋6のそれぞれの分割冷却媒体収納袋6の中に冷却媒体3を収納した構成により、人体頭部の全体を覆って装着可能な構成が、好ましく実施可能である。
(c)頭部冷却用具の冷却媒体3の厚さが厚くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に違和感が生じる傾向にある。
(d)頭部冷却用具の冷却媒体3の容積(重量)が多くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に重く感じるために、人体頭部や首にストレスを感じる傾向にある。
【0301】
このような観点から、冷却媒体3の厚さは、約3~約15mmが望ましく、より望ましくは、約5~約13mmの厚さを有するとともに、頭部冷却用具の面積の略40%以上に収納設置できる冷却媒体3が望ましい。冷却媒体3の占める面積が頭部冷却用具の面積の略40%未満の場合には、冷却持続時間が短くなる傾向がある。より望ましくは、冷却媒体3の占める面積が形状頭部冷却用具の面積の約80~99%が望ましい。
【0302】
<病気治療時に用いられる治療薬が投与された使用者の頭皮を冷却して頭髪の脱毛を予防する頭部冷却用具>
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成52」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成53]
・使用者の頭皮を冷却するための頭部冷却用具であって、人体頭部に装着されたときに、 表面部材2は、少なくとも、人体頭部の頭頂部を覆って装着可能な略半円球中空形状を 有し、前記冷却媒体は、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領域を含む頭部を覆 って装着可能に形成され、頭皮を冷却可能に形成されてなる、ことを特徴とする。
・更に好ましくは、使用者の頭皮を冷却するための頭部冷却用具であって、人体頭部に装 着されたときに、表面部材2は、少なくとも、人体頭部の頭頂部を覆って装着可能な略 半円球中空形状を有し、前記冷却媒体は、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領 域を含む頭部全領域を覆って装着可能に形成され、人体頭部の頭頂部を含む頭部全領域 を冷却可能に形成されてなる、頭部冷却用具が好ましい。
・更に好ましくは、癌治療等の病気治療時に用いられる治療薬が投与された使用者の頭皮 を冷却するための頭部冷却用具であって、人体頭部に装着されたときに、前記冷却媒体 が、少なくとも、人体頭部の頭髪が生えている領域を含む頭部を覆って装着可能に形成 され、頭皮を冷却可能に形成されてなる、頭部冷却用具が好ましい。
【0303】
[従属構成53]の構成により、[効果レ:人体頭部の頭皮を冷却可能に形成されてなる構成により、人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭皮を効率よく冷却すると共に、長時間の冷却維持性能を有する等の頭皮を冷却する冷却性能が優れ、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがなく、快適な装着感を有する、等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏する。
特に、抗がん剤等の治療薬投与における治療において、治療薬が投与された使用者の頭皮を冷却するための頭部冷却用具として使用された場合、「長時間冷却維持・快適装着感効果」を奏すると共に、特に、頭頂部、前頭部、後頭部、左側頭部、右側頭部等を含む頭部全領域、及び/又は頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包及び/又は毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させ、これにより「抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果」が期待できる頭部冷却用具が得られる効果]が得られる。
【0304】
頭部冷却用具が、癌治療等の病気治療時に用いられる治療薬が投与された使用者の頭皮を冷却するための頭部冷却用具として使用される場合、下記構成が好ましい。
・人体頭部に装着されたときに、頭部全体を冷却可能であるとともに、人体頭部の頭皮側 及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が、約2~約15℃の範囲 の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成されてなる、頭部冷却用具が好ましく 実施可能である。
・好ましくは、人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面 温度は、13℃以下が好ましく、更に好ましくは、10℃以下が更に好ましい。
【0305】
人体頭部に装着されたときにおける人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が15℃を超える場合には、人体頭部を冷却する効果が劣る傾向にある。
人体頭部に装着されたときにおける人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が約2℃未満の場合には、装着者は、冷えすぎる冷気に不快感を感じて、長時間の装着が困難になる。従って、人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が、約2℃以上が好ましく、更に好ましくは、約5℃以上が更に好ましい。
【0306】
一般に、癌治療等のために使用者の化学療法時に投与された治療薬を、使用者の頭髪付近の血管付近に位置する毛包・毛根が吸収することにより、頭髪の脱毛が生じることが知られている。また、人体頭部の頭皮の温度は一般に36℃~37℃であり、頭皮を冷却することにより、毛包・毛根付近の血管が収縮し、これにより、血管中の治療薬が毛包・毛根に吸収されることが抑制されて、頭髪の脱毛が抑制されることも知られている。
頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、頭部冷却用具の内面側の頭皮側の温度が低くなるに従って、頭髪脱毛を抑制できる効果が向上するが、しかしながら、頭部冷却用具の温度が低くなり過ぎる場合には、装着者は冷却媒体の冷気が「不快感」であると感じて、長時間の装着が困難になる傾向がある。
医療従事者、又は、公知文献によると、この頭皮温度が約19℃に冷却されることにより、頭髪の脱毛抑制効果が好適に得られることが報告されている。そして、頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、頭部冷却用具の頭部側の表面温度が、約15℃以下の場合に、頭皮温度が約19℃以下になることも報告されている。
頭皮温度を約15℃以下に冷却することにより、頭髪の脱毛が抑制される効果が得られることが確認されている。特に好ましくは、頭皮温度を約13℃以下に冷却することにより、頭髪の脱毛が抑制される効果がさらに著しく発揮されることも報告されている。
【0307】
「人体頭部に装着されたときに、頭部全体を冷却可能であるとともに、人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が約2~約15℃の範囲の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成されてなる、頭部冷却用具」が、人体頭部に装着されたときに、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包及び/又は毛根付近の血管を収縮させて、血流を減少させて、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させ、これにより抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が得られることが知られており、一般的に、頭部表面及び/又は頭皮の温度が高くなるにしたがって、血管の収縮作用は少なくなり、頭髪の毛包及び/又は毛根付近に流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤の量を減少させて抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が少なくなる傾向にあることも知られている。
そして、医療従事者からの要望として、頭部冷却用具が人体頭部に装着されたときにおいて、人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が約2~約15℃の範囲の温度を、120分間以上を持続維持可能に構成されてなる頭部冷却用具が要望されている。
人体頭部の頭皮側及び/又は頭髪側に位置する頭部冷却用具の内面の表面温度が約15℃よりも低くなるに従って、頭髪が生えている頭部表面及び/又は頭皮を効率よく冷却することが可能となり、その結果、頭髪の毛包・毛根付近の血管を収縮させて血流を減少させて、頭髪の毛包・毛根付近における流れる癌患者の化学的治療に投与された抗がん剤を減少させ、これにより抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果が、大きくなる傾向にあると言われている。
【0308】
また、医療用に使用される場合、冷却媒体3の大きさ形状としては、特に限定されないが、例えば、冷却媒体3の占める面積が、頭部冷却用具の表面部材の内側の面積の略60%以上に冷却媒体3が設置可能な構成が望ましく、更に望ましくは、冷却媒体3の占める面積が表面部材の内側の面積の約80~99%が望ましい。頭部冷却用具の表面部材の内側の面積に対して冷却媒体3の占める面積が約60%未満の場合には、頭部全体を冷却する十分な効果が得られなくなる傾向があり、上記の「抗がん剤に起因する頭髪脱毛を抑制する頭髪脱毛抑制効果」が十分に得られなくなることが予測される。
【0309】
本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成53」の頭部冷却用具において、好ましくは、下記の構成を備える。
[従属構成-鍔なし]
・表面部材2の外表面は、幅寸法が10mm以上の鍔を有しなく、人体頭部に装着された ときに、頭部を位置して横臥した状態において、前記鍔に起因する人体頭部への圧迫感 を有しない、頭部冷却用具。
【0310】
この構成により、[効果ソ:表面部材の外表面は、幅寸法が10mm以上の鍔を有しない構成により、人体頭部に装着された時に、枕に頭部を位置して横臥した状態において、鍔に起因する人体頭部への圧迫感を有しなく、快適な装着感が得られる効果]が得られる。
【0311】
<表面部材の製造方法について>
本発明の頭部冷却用具に構成される表面部材において、好ましくは、下記の構成を備えた表面部材の製造方法が好ましく実施可能である。
[従属構成54]
・前述の「従属構成7」に記載の表面部材2の製造方法であって、下記の(イ)工程、( ロ)工程、及び、(ハ)工程を備えてなる、ことを特徴とする表面部材2の製造方法。
(イ)所定の厚さの板形状を有する板又はプラスチック製発泡成形材を準備する工程、 ここで、該板状プラスチック製発泡成形材は、板状のポリエチレン系発泡成形材 、又は、板状のポリ酢酸ビニル製発泡成形材である。
(ロ)所定の形状を有する内面型と外面型とを有する成型用金型を準備する工程。
(ハ)前記板状プラスチック製発泡成形材が形可能な温度に加熱された状態であるとと もに前記内面型と外面型との間に位置する状態で、前記内面型と外面型とを互い に押圧し、これにより、前記板状プラスチック製発泡成形材を所定の略半円球中 空形状に加工形成して、略半円球中空形状プラスチック製発泡成形材に加工形成 された表面部材を調製する工程。
・ここで、成型用金型の内面型は略半円球形状の曲面表面を有するとともに、成型用金型 の外面型は前記内面型の略半円球形状の表面に略一致する曲面表面を有する構成が好ま しく実施可能であり、これにより、所定の一定の厚さを有する略半円球中空形状に加工 形成された表面部材2が製造される。
【0312】
また、本発明の頭部冷却用具に構成される表面部材において、好ましくは、下記の構成を備えた表面部材の製造方法が好ましく実施可能である。
[従属構成55]
前述の「従属構成47~50」のいずれかに記載の表面部材2の製造方法であって、下記の(イ)工程、(ロ)工程、及び、(ハ)工程を備えてなる、ことを特徴とする表面部材2の製造方法。
(イ)所定の厚さの板形状を有する板状プラスチック製発泡成形材を準備する工程、ここ で、該板状プラスチック製発泡成形材は、板状のポリエチレン系発泡成形材、又は 、板状のポリ酢酸ビニル製発泡成形材である。
(ロ)所定の形状を有する内面型と外面型とを有する成型用金型を準備する工程、ここで 、前記内面型は複数個の内面凹部と複数個の内面凸部とを有し、前記外面型は複数 個の外面凸部と複数個の外面凹部とを有し、前記内面凹部と前記外面凸部とは互い に対抗する位置に形成され、前記内面凸部と前記外面凹部とは互いに対抗する位置 に形成されてなる。
(ハ)前記板状プラスチック製発泡成形材が形可能な温度に加熱された状態であるととも に前記内面型と外面型との間に位置する状態で、前記内面型と外面型とを互いに押 圧し、これにより、前記板状プラスチック製発泡成形材を所定の略半円球中空形状 に加工形成して、略半円球中空形状プラスチック製発泡成形材に加工形成されると ともに、該表面部材2の内面側に形成された複数個の表面部材内面凸部23と複数 個の表面部材内面凹部24とを有し、複数個の表面部材内面凹部24のそれぞれの 表面部材内面凹部24は前記複数個の表面部材内面凸部23の所定の複数個の表面 部材内面凸部23に囲まれて形成されてなる複数個の表面部材内面冷却媒体収納部 25を形成してなる表面部材を調製する工程。
【0313】
特に好ましくは、板状プラスチック製発泡成形材は、板状のポリエチレン系発泡成形材、又は、板状のポリ酢酸ビニル製発泡成形材であって、化学構造的に三次元に架橋形成されてなる板状架橋型ポリエチレン系発泡成形材、又は、板状架橋型ポリ酢酸ビニル製発泡成形材が好ましく実施可能である。
【0314】
三次元に架橋形成された架橋型ポリエチレン系発泡成形材又は架橋型ポリ酢酸ビニル製発泡成形材は、約25℃の室温において伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有する形態を有し、温度の上昇に伴って軟化して、その昇温された状態で外圧をかけることにより所望の形状に変形するとともに、その変形した状態で室温に戻すことにより、その変形した状態を維持するとともに伸縮柔軟性を有する形態を維持する性質を有する。
【0315】
例えば、金属製の略半円球形状の表面を有する内面型と、該内面型の略半円球形状の表面に略一致する曲面を有する金属製の外面型との間に、板状プラスチック製発泡成形材を配置して、内面型と外面型と板状プラスチック製発泡成形材とのうちの少なくとも一つを約50℃~120℃に加熱した状態で、内面型と外面型とを互いに押圧し、その後、約40℃以下の温度に戻すことにより、所望の略半円球中空形状に形成された表面部材2を製造することができる。
例えば、金属製の略半円球形状の表面を有するとともに所定の凹凸部を形成した内面型と、内面型の略半円球形状の表面に略一致する曲面を有するとともに所定の凹凸部を形成した金属製の外面型との間に、板状プラスチック製発泡成形材を配置して、内面型と外面型と板状プラスチック製発泡成形材とのうちの少なくとも一つを約50℃~120℃に加熱した状態で、内面型と外面型とを互いに押圧し、その後、約40℃以下の温度に戻すことにより、内面側に形成された複数個の表面部材内面凸部23と複数個の表面部材内面凹部24とを有してなる表面部材2を製造することができる。
【0316】
<頭部冷却用具の使用方法及び/又は頭部冷却用具の適用方法について>
本発明の頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用する頭部冷却用具の使用方法、又は、の頭部冷却用具を人体頭部に装着して適用する場合における適用方法は、下記の構成を備える。
【0317】
前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」のいずれかに記載の頭部冷却用具の「表面部材2と冷却媒体3とを備えた頭部冷却用具」においては、(A)表面部材2の内面側に冷却媒体3を設置し、その後、その冷却媒体3を設置した表面部材2を人体頭部に装着する構成、又は、(B)まず初めに、冷却媒体3を人体頭部に装着し、その後、その冷却媒体3を覆って表面部材2を装着する構成、を備えた構成が実施可能である。すなわち、下記の[従属構成56]又は[従属構成57]を備えた構成が実施可能である。
【0318】
[従属構成56]
・前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」のいずれかに記載の頭部冷 却用具の人体頭部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭 部冷却用具の人体頭部への適用方法。
・(A-a)表面部材2の内面側に、所定の温度に冷却された冷却部材3を設置する工程 。
・(A-b)人体頭部を覆って、所定の温度に冷却された前記冷却部材3が設置された前 記表面部材2を装着する工程。
【0319】
[従属構成57]
・前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成20」のいずれかに記載の頭部冷 却用具の人体頭部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭 部冷却用具の人体頭部への適用方法。
・(B-a)人体頭部を覆って、所定の温度に冷却された冷却部材3を装着する工程。
・(B-b)人体頭部を覆って装着された所定の温度に冷却された前記冷却部材3を覆っ て、表面部材2を装着する工程。
【0320】
前述の「従属構成21」~「従属構成26」のいずれかに記載の「表面部材2と冷却媒体3と冷却媒体収納袋6を備えた頭部冷却用具」においては、(C)冷却媒体3を冷却媒体収納袋6の中に収納して、その「冷却媒体収納袋6の中に収納された冷却媒体3」を表面部材2の内面側に設置し、その後、その冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6を設置した表面部材2を人体頭部に装着する構成、又は、(D)冷却媒体3を冷却媒体収納袋6の中に収納して、その「冷却媒体収納袋6の中に収納された冷却媒体3」を人体頭部に装着し、その後、その「冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6」を覆って表面部材2を装着する構成が実施可能である。
【0321】
前述の「従属構成21」~「従属構成26」のいずれかに記載の冷却媒体収納袋(6)を備えた頭部冷却用具において、下記の[従属構成58]又は[従属構成59]を備えた構成が実施可能である。
[従属構成58]
・前述の「従属構成21」~「従属構成26」のいずれかに記載の頭部冷却用具の人体頭 部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭部冷却用具の人 体頭部への適用方法。
・(C-a)冷却媒体収納袋6の中に、所定の温度に冷却された冷却部材3を設置する工 程。
・(C-b)表面部材2の内面側に、前記冷却媒体収納袋6の中に設置されるとともに所 定の温度に冷却された冷却部材3を、設置する工程。
・(C-c)人体頭部を覆って、前記表面部材2と該表面部材2の内面側に設置されると ともに、前記冷却媒体収納袋6の中に設置されて所定の温度に冷却された前 記冷却部材3を、装着する工程。
【0322】
[従属構成59]
・前述の「従属構成21」~「従属構成26」のいずれかに記載の頭部冷却用具の人体頭 部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭部冷却用具の人 体頭部への適用方法。
・(D-a)冷却媒体収納袋6の中に、所定の温度に冷却された冷却部材3を設置する工 程。
・(D-b)人体頭部を覆って、前記冷却媒体収納袋6の中に設置されるとともに所定の 温度に冷却された前記冷却部材3を、装着する工程。
・(D-c)人体頭部を覆って装着された前記冷却媒体収納袋6の中に設置されて所定の 温度に冷却された前記冷却部材3を覆って、表面部材2を装着する工程。
【0323】
前述の「従属構成35」~「従属構成42」のいずれかに記載の頭部側内面部材7、又は、過冷抑制用頭部側内面部材8を備えた頭部冷却用具」においては、下記の構成が実施可能である。
[従属構成60]
・前述の「従属構成35」~「従属構成42」のいずれかに記載の頭部冷却用具の人体頭 部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭部冷却用具の人 体頭部への適用方法。
・(E-a)人体頭部を覆って、従属構成35乃至従属構成40のいずれかに記載の頭部 側内面部材7を装着する工程、又は、人体頭部を覆って、従属構成41また は従属構成42に記載の過冷抑制用頭部側内面部材8、を装着する工程。
・(E-b-a)前記頭部側内面部材7又は前記過冷抑制用頭部側内面部材8を覆って、 所定の温度に冷却された冷却部材3が設置された表面部材2を装着する 工程。
・又は、(E-b-b))前記頭部側内面部材7又は前記過冷抑制用頭部側内面部材8を 覆って、所定の温度に冷却された冷却部材3を装着する工程、及び、人体頭部を 覆って装着された所定の温度に冷却された前記冷却部材3を覆って、表面部材2 を装着する工程。
【0324】
前述の「従属構成47」~「従属構成50」のいずれかに記載の「表面部材内面冷却媒体収納部25」を備えた頭部冷却用具においては、下記の下記の[従属構成61]を備えた構成が実施可能である。
[従属構成61]
・前述の「従属構成47」~「従属構成50」のいずれかに記載の頭部冷却用具の人体頭 部への適用方法であって、下記の工程を備えてなることを特徴とする頭部冷却用具の人 体頭部への適用方法。
・(F-a)表面部材2の表面部材内面冷却媒体収納部25に、所定の温度に冷却された 冷却部材3を設置する工程、
・(F-b)人体頭部を覆って、所定の温度に冷却された前記冷却部材3が設置された前 記表面部材2を装着する工程。
【0325】
前述の「従属構成51」のいずれかに記載の「頭部側内面部材7」、又は、「過冷抑制用頭部側内面部材8」を備えた頭部冷却用具においては、下記の[従属構成62]を備えた構成が実施可能である。
[従属構成62]
・前述の「従属構成51」に記載の頭部冷却用具の人体頭部への適用方法であって、下記 の工程を備えてなることを特徴とする頭部冷却用具の人体頭部への適用方法。
・(G-a)人体頭部を覆って、従属構成51に記載の頭部側内面部材7、又は、過冷抑 制用頭部側内面部材8、を装着する工程.
・(G-b)前記頭部側内面部材7又は前記過冷抑制用頭部側内面部材8を覆って、所定 の温度に冷却された冷却部材3が設置された表面部材2を装着する工程。
【0326】
上記の「従属構成56」~「従属構成62」の頭部冷却用具の人体頭部への適用方法により、[人体頭部に装着した時に、冷却媒体に起因する冷気の表面部材2から逃げる冷気が抑制されて、人体頭部表面を効率よく冷却すると共に、長時間の快適冷却温度を持続する「快適冷却温度持続時間」を有する等の頭部を冷却する冷却性能が優れると共に、更に、人体頭部からの冷却媒体の脱落が抑制され、装着者の行動が制限されることがない等の「快適な装着感」を有する等の「長時間冷却維持・快適装着感効果」]を奏する頭部冷却用具が得られる。
【0327】
本発明の頭部冷却用具の人体頭部への適用方法、又は、頭部冷却用具の使用方法は、上記に限定されることなく、本発明の前述の「基本構成1」、「従属構成2」~「従属構成52」の頭部冷却用具において、下記の構成を備えた方法も実施可能である。
【0328】
例えば、表面部材2、冷却媒体3、冷却媒体収納保持用内面部材4、冷却媒体頭部保持用内面部材5、冷却媒体収納袋6、頭部側内面部材7、等のうちの所定の構成要素を備えた構成において、人体頭部に近い構成要素に先に装着し、順次、他の構成要素を装着していく方法。
【0329】
例えば、表面部材2と冷却媒体3と冷却媒体収納保持用内面部材4を備えた頭部冷却用具においては、表面部材2の内面側に冷却媒体収納保持用内面部材4を設置構成し、その後、その表面部材2と冷却媒体収納保持用内面部材4との間に冷却媒体3を設置構成する。
又は、表面部材2と冷却媒体3と冷却媒体収納保持用内面部材4と冷却媒体収納袋6を備えた頭部冷却用具においては、表面部材2の内面側に冷却媒体収納保持用内面部材4を設置構成し、その後、その表面部材2と冷却媒体収納保持用内面部材4との間に、冷却媒体収納袋6の中に収納された冷却媒体3を設置構成する方法。
【0330】
例えば、表面部材2、冷却媒体3、冷却媒体頭部保持用内面部材5を備えた頭部冷却用具においては、まず初めに冷却媒体3を人体頭部に装着し、その後、その冷却媒体3を覆って冷却媒体頭部保持用内面部材5を装着し、その後、その冷却媒体頭部保持用内面部材5を覆って表面部材2を装着する方法。
又は、表面部材2、冷却媒体3、冷却媒体頭部保持用内面部材5、冷却媒体収納袋6、を備えた頭部冷却用具においては、まず初めに「冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6」を人体頭部に装着し、その後、その「冷却媒体3を収納した冷却媒体収納袋6」を覆って冷却媒体頭部保持用内面部材5を装着し、その後、その冷却媒体頭部保持用内面部材5を覆って表面部材2を装着する方法。
【0331】
例えば、表面部材2、冷却媒体3、頭部側内面部材7を備えた頭部冷却用具においては、初めに人体頭部を覆って頭部側内面部材7を装着し、その後、その頭部側内面部材7を覆って冷却媒体3を装着し、その後、その冷却媒体3を覆って表面部材2を装着する。
又は、初めに人体頭部を覆って頭部側内面部材7を装着し、その後、その頭部側内面部材7を覆って、「表面部材2の内面側に設置されてなる冷却媒体3」を装着する方法。
又は、表面部材2、冷却媒体3、冷却媒体収納袋6、頭部側内面部材7を備えた頭部冷却用具においては、まず初めに人体頭部を覆って頭部側内面部材7を装着し、その後、その頭部側内面部材7を覆って「冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3」を装着し、その後、「その冷却媒体3を収納してなる冷却媒体収納袋6」を覆って表面部材2を装着する方法。
又は、初めに人体頭部を覆って頭部側内面部材7を装着し、その後、その頭部側内面部材7を覆って、表面部材2の内面側に設置された「冷却媒体収納袋6の中に収納されてなる冷却媒体3」を装着する方法。
【0332】
本発明の頭部冷却用具を人体頭部に装着して適用する場合における適用方法は、上記に限定されることなく、構成される構成要素に対応して、適宜、最良の適用方法が実施可能である。
【0333】
なお、頭部冷却用具が人体頭部に装着されたときに、所望の温度よりも低温に冷え過ぎる場合には、冷却媒体の人体頭部側に、織布、不織布等の布、プラスチック製フィルム、これらの積層材、等の過冷抑制用頭部側内面部材8(過冷抑制用冷気遮断性部材81及び/又は過冷抑制用空隙形成部材82)を配置して装着することも実施可能である。これにより、冷却媒体から人体頭部に伝わる冷気を緩和して冷えすぎた不快感を抑制できるとともに、所望の快適な冷却感を有する温度を維持できて、快適冷却持続時間が永くなる効果が更に顕著に得られる。
【実施例0334】
本発明の頭部冷却用具にかかる実施例を以下に説明する。なお、本実施例において、比較例を含む実施例も記載した。
このような物性を有する厚さが5mmの板状のエチレン・酢酸ビニル共重合体製独立気泡発泡成形材を、所定の半円球形状の表面を有する金属製の内面型と、その内面型の表面形状に一致する曲面表面を有する外面型との間に、位置する状態で、内面型と外面型を約70℃~90℃に加熱して、エチレン・酢酸ビニル共重合体製独立気泡発泡成形材が変形可能な温度に加熱するとともに押圧し、その後、約40℃以下の低温に戻して成形した。このようにして略半円球中空形状の表面部材2を調製した。
調製した表面部材2の半円球中空形状の内面側の周囲長は約63cmであり、表面部材2の厚さは約5mmである略半円球中空形状を有する。調製した表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに、略半円球中空形状を維持する形状保形性を有していた。
・表面部材2は、伸縮性と柔軟性を有する伸縮柔軟性を有するとともに略半円球中空形状 を維持する形状保形性を有するプラスチック製発泡成形材2bを備え、表面部材2は、 人体頭部を覆って装着される時に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び半円球中空形 状の面方向に延びて伸張して装着可能であるとともに、人体頭部を覆って装着された時 に略半円球中空形状の開口部周囲方向及び半円球中空形状の面方向に縮小可能に形成さ れてなり、人体頭部を覆って装着された時に、表面部材2が冷却媒体3を人体頭部方向 に圧縮して、これにより、冷却媒体3が人体頭部に密着可能に形成されてなる。
・プラスチック製発泡成形材は、JISA1412測定法における熱伝導率が0.1W/ mK以下、及び/又は、JISK6767測定法における見かけ密度が0.7g/cm3以下、及び、デュロメータ-硬度計、SRIS0101/ASKER-Cタイプ測定 法における表面硬度が70度以下の性質を有する。
なお、冷媒31としては、上記冷媒に限定されることなく、プロピレングリコールとカルボキシメチルセルロースと水との含有割合を任意の所望の含有割合の混合冷媒を調製することが可能であり、これにより、所望の、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能、等の所望性能を有する冷却媒体を調製することができる。例えば、-5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。
例えば、約25~37℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの流動性を有するとともに、約0℃においても、流動性を有しないが、しかしながら、曲面に変形可能であるとともに屈曲可能な程度の半固体形状を有する冷却媒体を容易に設計可能でありる。この場合、冷却媒体を構成した頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、人体頭部の形状に一致して冷却媒体が変形するとともに、人体頭部に硬い違和感を感じることなく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる。