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特開2023-155117曲線アライメント方法および曲線アライメント装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155117
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】曲線アライメント方法および曲線アライメント装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/22 20180101AFI20231013BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20231013BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20231013BHJP
   G01Q 30/04 20100101ALI20231013BHJP
【FI】
G01N23/22
G06F11/36 192
G06F11/34 138
G01Q30/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022125265
(22)【出願日】2022-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】111113396
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518005182
【氏名又は名称】▲コウ▼康科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】鄒 翔宇
(72)【発明者】
【氏名】陳 弘仁
【テーマコード(参考)】
2G001
5B042
【Fターム(参考)】
2G001AA03
2G001BA07
2G001BA11
2G001CA03
2G001FA08
2G001HA01
5B042MA08
5B042MC08
5B042MC37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単一の機器または複数の機器のデータの曲線の自動アライメントを実施する曲線アライメント方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、少なくとも1つの機器が試験サンプルを分析することによって得られたデータを検索して試験曲線を生成し、試験曲線のうち、第1の曲線の周辺の第1の点を第2の曲線の周辺の第2の点に向けるアライメント操作に応じて、第1の点及び第2の点に対応する特徴間の対応関係を記録し、アライメント操作の対応関係を特徴データとして収集する。方法はさらに、機器が現在のサンプルを分析することによって得られたデータを検索して、現在の曲線を生成し、対応関係に従って、第3の曲線上の第1の特徴に一致する第3の点及び第4の曲線上の第2の特徴に一致する第4の点を探索する。第3の曲線及び第4の曲線のうちの少なくとも1つを、第3の点を第4の点とアライメントするように調整する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ検索装置およびプロセッサを有する電子装置に適用可能な曲線アライメント方法であって、
前記データ検索装置を使用して、少なくとも1つの機器が試験サンプルを分析するにことよって得られた試験データを検索して、複数の試験曲線を生成するステップと、
前記試験曲線のうち、第1の曲線の周辺の第1の点を第2の曲線の周辺の第2の点に向けるアライメント操作に応じて、前記第1の点に対応する第1の特徴と前記第2の点に対応する第2の特徴との対応関係を記録し、複数の前記アライメント操作の前記対応関係を特徴データとして収集するステップと、
前記データ検索装置を使用して、前記機器が現在のサンプルを分析することによって得られた現在のデータを検索して、複数の現在の曲線を生成するステップと、
前記記録された特徴データにおける前記対応関係のそれぞれに従って、前記現在の曲線のうちの第3の曲線および第4の曲線について、前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する第3の点および前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する第4の点を探索するステップと、
前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記試験曲線のそれぞれの複数の特徴を分析し、前記特徴の形状および分布に従って前記試験曲線を複数のセグメントに分割するステップと、
前記セグメントのそれぞれにおける前記アライメント操作のそれぞれの、前記第1の点に対応する前記第1の特徴と前記第2の点に対応する前記第2の特徴との対応関係を前記特徴データとして記録するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在の曲線のそれぞれの複数の特徴を分析し、前記特徴の形状および分布に従って前記現在の曲線を複数のセグメントに分割するステップと、
前記セグメントのそれぞれの前記記録された特徴データにおける前記対応関係のそれぞれに従って、前記セグメントのうちの選択されたセグメントに位置する前記第3の曲線および前記第4の曲線について、前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する前記第3の点および前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する前記第4の点を探索するステップと、
前記選択されたセグメントの前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記セグメントのそれぞれにおける前記現在の曲線について、前記現在の曲線のそれぞれの前記特徴の固有値を計算するステップと、
前記固有値のサイズに従って、前記選択されたセグメントにおけるアライメントのための前記現在の曲線を選択するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する前記第3の点と、前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する前記第4の点とを探索する前記ステップが、
スライディングウィンドウを使用して前記第3の曲線および前記第4の曲線に対して特徴比較をそれぞれ行って、前記第3の点および前記第4の点を探索するステップであって、前記特徴比較が傾き比較、相関比較、または位置比較を含む、ステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する前記第3の点と、前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する前記第4の点とを探索する前記ステップの後に、
前記探索された第3の点および第4の点に対する確認操作に応じて、前記第3の曲線および前記第4の曲線のうち少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするステップと、
前記第1の特徴と前記第2の特徴との前記対応関係の記録の数を累積し、前記累積された記録の数に従って、前記特徴比較のための前記対応関係の重みを調整するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の点に対応する前記第1の特徴と前記第2の点に対応する前記第2の特徴との前記対応関係を記録し、前記アライメント操作の前記対応関係を前記特徴データとして収集する前記ステップが、
前記対応関係のそれぞれの記録の数を累積し、前記累積された記録の数に従って前記特徴比較のための前記対応関係の重みを調整するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントする前記ステップが、
前記第3の曲線または前記第4の曲線に対して比例スケーリングを行って、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントする前記ステップが、
前記第3の曲線および前記第4の曲線を調整するためのベースラインを定義し、前記ベースラインを基準として前記第3の曲線または前記第4の曲線を調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントする前記ステップの後に、
前記アライメントされた第3の点および第4の点の位置に基づいてベースラインを定義し、前記ベースラインを基準として前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整し続けるステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
曲線アライメント装置であって、
少なくとも1つの機器に接続されたデータ検索装置と、
記憶装置と、
前記データ検索装置および前記記憶装置に結合されたプロセッサであって、
前記データ検索装置を使用して、前記機器が試験サンプルを分析することによって得られた試験データを検索して、複数の試験曲線を生成し、
前記複数の試験曲線のうち、第1の曲線の周辺の第1の点を第2の曲線の周辺の第2の点に向けるアライメント操作に応じて、前記第1の点に対応する第1の特徴と前記第2の点に対応する第2の特徴との対応関係を前記記憶装置に記録し、複数の前記アライメント操作の前記対応関係を特徴データとして収集し、
前記データ検索装置を使用して、前記機器が現在のサンプルを分析することによって取得された現在のデータを検索して、複数の現在の曲線を生成し、
前記記憶装置に記録された前記特徴データにおける前記対応関係のそれぞれに従って、前記現在の曲線のうちの第3の曲線および第4の曲線について、前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する第3の点および前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する第4の点を探索し、
前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするように構成された、プロセッサと、
を備える、曲線アライメント装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記試験曲線のそれぞれの複数の特徴を分析し、前記特徴の形状および分布に従って前記試験曲線を複数のセグメントに分割し、前記セグメントのそれぞれにおける前記アライメント操作のそれぞれの、前記第1の点に対応する前記第1の特徴と前記第2の点に対応する前記第2の特徴との対応関係を前記特徴データとして記録するようにさらに構成されている、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記セグメントのそれぞれの前記記録された特徴データにおける前記対応関係のそれぞれに従って、前記セグメントのうちの選択されたセグメントに位置する前記第3の曲線および前記第4の曲線について、前記第3の曲線上の前記第1の特徴に一致する前記第3の点および前記第4の曲線上の前記第2の特徴に一致する前記第4の点を探索し、前記選択されたセグメントの前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするようにさらに構成されている、請求項12に記載の曲線アライメント装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記セグメントのそれぞれにおける前記現在の曲線について、前記現在の曲線のそれぞれにおける前記特徴の固有値を計算し、前記固有値のサイズに従って、前記選択されたセグメントにおけるアライメントのための前記現在の曲線を選択するようにさらに構成されている、請求項13に記載の曲線アライメント装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、スライディングウィンドウを使用して前記第3の曲線および前記第4の曲線に対して特徴比較をそれぞれ行って、前記第3の点および前記第4の点を探索するようにさらに構成され、前記特徴比較が傾き比較、相関比較、または位置比較を含む、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記探索された第3の点および第4の点に対する確認操作に応じて、前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントし、前記第1の特徴と前記第2の特徴との前記対応関係の記録の数を蓄積し、前記蓄積された記録の数に従って前記特徴比較のための前記対応関係の重みを調整するようにさらに構成されている、請求項15に記載の曲線アライメント装置。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記対応関係のそれぞれの記録の数を累積し、前記累積された記録の数に従って前記特徴比較のための前記対応関係の重みを調整するようにさらに構成されている、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記第3の曲線または前記第4の曲線に対して比例スケーリングを行って、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするようにさらに構成されている、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記第3の曲線および前記第4の曲線を調整するためのベースラインを定義し、前記ベースラインを基準として前記第3の曲線または前記第4の曲線を調整して、前記第3の点を前記第4の点とアライメントするようにさらに構成されている、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記アライメントされた第3の点および第4の点の位置に基づいてベースラインを定義し、前記ベースラインを基準として前記第3の曲線および前記第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整し続けるようにさらに構成されている、請求項11に記載の曲線アライメント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理方法および装置に関し、特に、曲線アライメント方法および曲線アライメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡技術の進歩に伴い、原子間力顕微鏡(AFM)や、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡、二次イオン質量分析計(SIMS)、広がり抵抗プローブ(SRP)、エネルギー分散型X線分光計(EDS)、X線光電子分光計(XPS)、電界放射型オージェ電子分光計(FE-AES)、膜厚測定装置(α-step)などの、様々な顕微鏡観察装置が登場している。電子顕微鏡の高解像度3次元画像技術は、臨床医学および生体分子研究の分析・検査用途に応用され、観察画像の解像度および観察結果の精度を効果的に高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
顕微鏡観察装置を使用してサンプルを分析するプロセス中、サンプルの完全性分析レポートを取得するために、機器の検査データを調整、拡張、合体することなどを含む、異なる機器の分析結果を統合する必要がある。機器の仕様、特性、動作方式、および動作環境の違いにより、検査データの曲線間にオフセットおよび変形などの差異が存在することがある。したがって、検査データを統合する際に、オペレータが経験に基づいて曲線を手動で調整して相関を見つけ、それに応じてアライメントを行い、これによって正しい分析結果を得ることに頼る必要があり、したがって、分析プロセスは時間がかかり、労働集約的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、過去の曲線アライメントの操作経験を学習することにより、複数の機器のデータの曲線の自動調整およびアライメントを実施することができる曲線アライメント方法および曲線アライメント装置を提供する。
【0005】
本開示の実施形態の曲線アライメント方法は、データ検索装置およびプロセッサを有する電子装置に適用可能である。本方法は、以下のステップを含む。少なくとも1つの機器が試験サンプルを分析することによって得られたデータは、データ検索装置を使用して検索され、複数の試験曲線を生成する。試験曲線のうち第1の曲線の周りの第1の点を第2の曲線の周りの第2の点に向けるアライメント操作に応じて、第1の点に対応する第1の特徴と第2の点に対応する第2の特徴との対応関係が記録され、複数のアライメント操作の対応関係が特徴データとして収集される。現在のサンプルを分析する機器によって得られたデータは、データ検索装置を使用して検索され、複数の現在の曲線を生成する。記録された特徴データにおける各対応関係に従って、現在の曲線のうちの第3の曲線および第4の曲線について、第3の曲線上の第1の特徴に一致する第3の点および第4の曲線上の第2の特徴に一致する第4の点が探索される。第3の曲線および第4の曲線のうちの少なくとも1つは、第3の点を第4の点とアライメントするように調整される。
【0006】
本開示の実施形態の曲線アライメント装置は、データ検索装置と、記憶装置と、プロセッサとを含む。データ検索装置は、少なくとも1つの機器を接続するために使用される。プロセッサは、データ検索装置および記憶装置に結合され、以下を実行するように構成される。少なくとも1つの機器が試験サンプルを分析することによって得られたデータは、データ検索装置を使用して検索され、複数の試験曲線を生成する。試験曲線のうち第1の曲線の周りの第1の点を第2の曲線の周りの第2の点に向けるアライメント操作に応じて、第1の点に対応する第1の特徴と第2の点に対応する第2の特徴との対応関係が記録され、複数のアライメント操作の対応関係が特徴データとして収集される。現在のサンプルを分析する機器によって得られたデータは、データ検索装置を使用して検索され、複数の現在の曲線を生成するため。記録された特徴データにおける各対応関係に従って、現在の曲線のうちの第3の曲線および第4の曲線について、第3の曲線上の第1の特徴に一致する第3の点および第4の曲線上の第2の特徴に一致する第4の点が探索される。第3の曲線および第4の曲線のうちの少なくとも1つは、第3の点を第4の点とアライメントするように調整される。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づいて、本開示の曲線アライメント方法および曲線アライメント装置において、単一の機器または異なる機器の出力データの曲線に対してオペレータによって実行されたアライメント操作は、特徴データとして検索および記録され、機器の後続の出力データの曲線に対して特徴比較および調整を実行するために使用され、それによって、単一の機器または複数の機器のデータの曲線の自動アライメントを実施する。
【0008】
本開示の特徴および利点をより理解しやすくするために、以下の特定の実施形態を図面と併せて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態による曲線アライメント装置のブロック図である。
【0010】
図2】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の流れ図である。
【0011】
図3】本開示の一実施形態による曲線図である。
【0012】
図4A】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
図4B】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
図4C】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
【0013】
図5A】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
図5B】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
【0014】
図6】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の流れ図である。
【0015】
図7】本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施形態は、曲線アライメント方法および曲線アライメント装置を提供する。試験サンプルを分析する単一の機器または異なる機器によって取得されたデータの曲線間のオフセットおよび変形などの差異に対して、オペレータによって曲線に対して行われたアライメント操作を学習し、アライメント操作を特徴データとして記録することによって、その後、現在のサンプルの曲線を取得する際に、特徴データに基づいて曲線に対して特徴比較を行い、曲線間の相関を見つけ、それに応じてアライメントし、これによって、異なる機器の分析結果を正確かつ迅速に統合する。
【0017】
図1は、本開示の一実施形態による曲線アライメント装置のブロック図である。図1を参照されたい。本実施形態の曲線アライメント装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ワークステーション、その他の計算機能を有する装置であり、データ検索装置12、記憶装置14、プロセッサ16を含み、以下にその機能を説明する。
【0018】
データ検索装置12は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、RS232、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、SPI(Serial Peripheral Interface)、ディスプレイポート、サンダーボルト(thunderbolt)、LAN(Local Area Network)インターフェースなどの有線接続装置、またはWi-Fi(Wireless Fidelity)、RFID、Bluetooth、赤外線、NFC(Near Field Communication)、D2D(Device-to-Device)などをサポートする通信プロトコル無線接続装置である。データ検索装置12は、サンプルを分析するための少なくとも1つの機器20に接続されて、機器20がサンプルを分析することによって得られたデータを検索することができる。機器20は、例えば、二次イオン質量分析計(SIMS)、広がり抵抗分析装置(SRP)、エネルギー分散型X線分光計(EDS)、X線光電子分光計(XPS)、電界放出型オージェ電子分光計(FE-AES)などの様々な微小領域成分分析装置であるが、本明細書ではこれに限定されない。
【0019】
記憶装置14は、例えば、任意のタイプの固定されたまたは取り外し可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、他の同様の装置、または装置の組合せであり、プロセッサ16によって実行可能なプログラムを記憶するために使用される。一部の実施形態では、記憶装置14は、データ検索装置12によって検索されたデータと、データの曲線に対してアライメント操作および特徴識別を行うことによって取得された特徴データと、を記録することができる。記録されたデータは、例えば、テキストファイル、スプレッドシート、ツリー構造などの形式でデータベースに記憶され、探索に利用され、本実施形態では、その記憶様式は限定されない。
【0020】
プロセッサ16は、データ検索装置12および記憶装置14に結合され、曲線アライメント装置10の実行を制御するために使用される。一部の実施形態では、プロセッサ16は、例えば、中央処理装置(CPU)、他のプログラマブル汎用または専用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、他の同様の装置、またはこれらの装置の組合せであり、記憶装置14に記憶されたプログラムをロードして実行して、本開示の実施形態の曲線アライメント方法を実行することができる。
【0021】
一部の実施形態では、曲線アライメント装置10は、データ検索装置12によって検索されたデータの曲線を表示するためのディスプレイと、ディスプレイ上に表示された曲線を操作するための操作装置と、をさらに含み、ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、操作装置は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、およびタッチスクリーンなどの装置であるが、本明細書ではこれに限定されない。
【0022】
図2は、本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の流れ図である。図1および図2を同時に参照されたい。本実施形態の方法は、図1の曲線アライメント装置10に適用可能であり、本開示の曲線アライメント方法の詳細なステップは、曲線アライメント装置10の様々な要素と併せて以下に説明される。
【0023】
ステップS202において、少なくとも1つの機器20が試験サンプルを分析することによって得られた試験データは、曲線アライメント装置10のプロセッサ16によってデータ検索装置12を使用して検索され、複数の試験曲線が生成される。プロセッサ16は、例えば、データ検索装置12を使用して、機器20によって分析された試験サンプルの生データを検索し、生データを、試験曲線を生成するための名称、ポイント数、備考などの曲線情報を含む試験曲線に描き込み、試験曲線の平均値、最小値、最大値、および他の意味のある統計情報を計算する。
【0024】
一部の実施形態では、プロセッサ16は、描画された試験曲線をディスプレイ上にさらに表示し、曲線情報、統計情報、および軸情報を一覧表にすることができる。例えば、図3に示す曲線図30では、試験曲線32、34と、その関連軸情報(時間および強度)が表示されている。試験曲線32、34は、異なる機器が試験サンプルを分析することによって得られた経時的な信号強度の変化を表す。
【0025】
一部の実施形態において、プロセッサ16は、操作装置を介して、試験曲線に対してオペレータによって実行される調整操作を受信することができる。オペレータは、マウスを使用して(左ボタンまたは右ボタンを押し下げたままにすることによって)試験曲線をドラッグして、試験曲線に対して平行移動およびスケーリングなどの操作を行うことができ、またはマウスを使用して試験曲線をクリックすることによって試験曲線に対して切断および合体などの操作を行うことができるが、本明細書ではこれに限定されない。一部の実施形態では、オペレータは、マウスを使用して試験曲線のうちの第1の曲線周辺の第1の点を第2の曲線周辺の第2の点に向けて、試験曲線に対するアライメント操作を実行することができる。アライメント操作は、例えば、曲線開始点または自己定義されたベースラインを基準として(すなわち、ベースライン上に位置する試験曲線の点を固定して)第1または第2の曲線をスケーリングして、第1の点を第2の点とアライメントすることである。
【0026】
ステップS204において、プロセッサ16は、試験曲線のうち、第1の曲線周辺の第1の点を第2の曲線周辺の第2の点に向けるアライメント操作に応じて、第1の点に対応する第1の特徴と第2の点に対応する第2の特徴との対応関係を記憶装置14に記録し、複数のアライメント操作の対応関係を特徴データとして収集する。特徴データは、例えば、第1の点および第2の点の位置、対応する曲線の名称、対応する特徴の特徴点、対応する点の距離などを含むが、本明細書ではこれに限定されない。
【0027】
詳細には、一部の実施形態では、第1の特徴は、例えば、第1の曲線上の第1の点の周辺に位置する複数の特徴点を含み、第2の特徴は、第2の曲線上の第2の点の周辺に位置する複数の特徴点を含む。特徴点は、例えば、曲線の形状に従って等しい時間間隔または等しい距離でサンプリングすることによって得られ、特徴点の数は、曲線の変形の程度または予想される細かさに従って決定されてもよく、その取得様式は、本実施形態では限定されない。一部の実施形態では、第1の特徴は、第1の点と第1の曲線との相対関係(すなわち、グローバル特徴)を記録し、第2の特徴は、第2の点と第2の曲線との相対関係を記録するが、これに限定されない。
【0028】
ステップS206において、機器20が現在のサンプルを分析することによって得られた現在のデータは、プロセッサ16によってデータ検索装置12を使用して検索され、複数の現在の曲線を生成する。
【0029】
ステップS208において、プロセッサ16は、記録された特徴データにおける各対応関係に従って、現在の曲線のうちの第3の曲線および第4の曲線について、第3の曲線上の第1の特徴に一致する第3の点および第4の曲線上の第2の特徴に一致する第4の点を探索する。プロセッサ16は、例えば、第3の曲線および第4の曲線に対応する機器タイプ、曲線名、位置、特徴点、解像度などの情報に応じて、特徴データを用いて、第3の曲線および第4の曲線における特徴の類似度を比較し、これによって、第3の曲線および第4の曲線に適したアライメント操作をフィルタリングして自動アライメントを行う。
【0030】
具体的には、プロセッサ16は、例えば、スライディングウィンドウを使用して第3の曲線および第4の曲線に対して特徴比較をそれぞれ行って、第3の曲線から第1の特徴に一致する第3の点を探索し、第4の曲線から第2の特徴に一致する第4の点を探索するようにする。特徴比較は、傾き比較、相関比較、または位置比較を含むが、本実施形態はこれに限定されない。
【0031】
一部の実施形態では、特徴比較で使用される特徴データは、例えば、試験段階で受け取ったアライメント操作または実施段階で受け取った確認操作の記録の累積数に従って、重みが調整されてもよい。調整された重みは、例えば、データベースに記憶され、その後の特徴比較の基準としても使用される。すなわち、ある第1の特徴をある第2の特徴に対応付けるアライメント操作の累積回数が比較的多い場合は、その特徴データが将来の探索において現在の曲線の特徴と照合される際に、このアライメント操作が呼び出される可能性が高くなる。これにより、特徴比較のためのアライメント操作によって指し示される対応関係の重みを調整することができ、その結果、比較結果がオペレータの実際の操作を反映するようになり、それによって、ユーザエクスペリエンスが最適化される。加えて、第1の特徴と一致する第3の点および第2の特徴と一致する第4の点を探索した後、オペレータによる第3の点および第4の点の確認操作に応じて、特徴比較のための確認操作によって確認された対応関係の重みを調整して、比較結果がオペレータの実際の操作を反映するようにしてもよい。逆に、オペレータがある第3の点とある第4の点との対応関係を削除した場合は、特徴比較のための対応関係の重みを減らして、対応関係が呼び出される可能性を減らすことができる。
【0032】
ステップS210において、プロセッサ16は、第3の曲線および第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、第3の点を第4の点とアライメントする。プロセッサ16は、例えば、第3の曲線および/または第4の曲線に対して比例スケーリングを行い、第3の点を第4の点とアライメントする。一部の実施形態では、プロセッサ16は、第3の曲線および第4の曲線を調整するためのベースラインをさらに定義し、ベースラインを基準として(すなわち、ベースライン上の第3の曲線または第4の曲線の点を固定して)第3の曲線または第4の曲線を調整して、第3の点を第4の点とアライメントすることができる。一部の実施形態では、プロセッサ16は、アライメントされた第3の点および第4の点の位置に基づいてベースラインをさらに定義し、ベースラインを基準として第3の曲線または第4の曲線を調整し続けることができる。
【0033】
例えば、図4A図4Cは、本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。図4Aを参照されたい。本実施形態では、異なる機器が試験サンプルのデータを分析することによって生成された試験曲線CおよびDが曲線アライメント装置によってディスプレイに表示され、オペレータによる試験曲線Cの周辺の点cを試験曲線Dの周辺の点dに向けるアライメント操作が受け付けられる。次に、図4Bを参照されたい。曲線アライメント装置は、試験曲線C上の点cに対応する複数の特徴点c1~c4を第1の特徴として用い、試験曲線D上の点dに対応する複数の特徴点d1~d7を第2の特徴として用い、第1の特徴と第2の特徴との対応関係を特徴データとして記録する。図4Cを参照されたい。曲線アライメント装置が、同じ機器または同じタイプの機器が現在のサンプルを分析することによって得られたデータを受け取り、そのデータを用いて現在の曲線EおよびFを生成する場合、過去に記録された特徴データを用いて現在の曲線EおよびF上の複数の特徴を分析し、それによって、現在の曲線E上の第1の特徴(特徴点c1~c4を含む)に一致する第3の特徴(特徴点e1~e4を含む)およびその対応点eを見つけ、現在の曲線F上の第2の特徴(特徴点d1~d7を含む)に一致する第4の特徴(特徴点f1~f7を含む)およびその対応点fを見つける。したがって、曲線アライメント装置は、現在の曲線Eおよび/または現在の曲線Fを調整してe点をf点とアライメントし、それによって、現在の曲線Eと現在の曲線Fとのアライメント操作を完了することができる。
【0034】
第1の特徴と第2の特徴との対応関係は、試験曲線に対してオペレータによって行われる複数のアライメント操作が含まれてもよいことに留意されたい。例えば、図5Aおよび図5Bは、本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の例である。図5Aを参照されたい。試験曲線A1およびB1について、オペレータは、試験曲線B1の山頂の縁部を試験曲線A1の対応する山頂の縁部に向ける2つのアライメント操作を行い、2つのアライメント操作に対応する特徴間の対応関係を特徴データとして記録することができる。現在の曲線C1およびD1については、過去に記録された特徴データを用いて、現在の曲線D1の山頂に対応する現在の曲線C1の山頂を見つけ、それによって現在の曲線C1とD1とのアライメント操作を完了することができる。図5Bを参照されたい。試験曲線A2およびB2について、オペレータは、試験曲線B2の谷の縁部を試験曲線A2の対応する山頂の縁部に向ける2つのアライメント操作を行い、2つのアライメント操作に対応する特徴間の対応関係を特徴データとして記録することができる。現在の曲線C2およびD2について、過去に記録された特徴データを用いて、現在の曲線D2の谷に対応する現在の曲線C2の山頂を見つけ、それによって現在の曲線C2とD2とのアライメント操作を完了することができる。
【0035】
上記の方法により、本開示の実施形態の曲線アライメント装置は、特徴比較および後続データの曲線の自動アライメントに適用される機器のデータの曲線を調整する際のオペレータの経験を学習することができ、これによって、異なる機器の分析結果を迅速かつ正確に統合し、オペレータが機器のデータの曲線間の相関を観察することを支援する。
【0036】
一部の実施形態では、本開示の実施形態の曲線アライメント装置は、分析曲線の特徴の形状および分布に従って分析曲線を複数のセグメントにさらに分割し、特徴比較および自動アライメントをそれぞれ実行することができ、これによって、より好ましい分析結果を得ることができることに留意されたい。
【0037】
詳細には、図6は、本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の流れ図である。図1および図6を同時に参照されたい。本実施形態の方法は、図1の曲線アライメント装置10に適用可能であり、本開示の曲線アライメント方法の詳細なステップは、曲線アライメント装置10の様々な要素と併せて以下に説明される。
【0038】
ステップS502において、少なくとも1つの機器20が試験サンプルを分析することによって得られた試験データは、曲線アライメント装置10のプロセッサ16によってデータ検索装置12を使用して検索され、複数の試験曲線を生成する。本ステップは、前述の実施形態におけるステップS202と同一または同様であるため、ここではその詳細な内容は繰り返さない。
【0039】
前述の実施形態とは異なり、本実施形態のステップS504において、プロセッサ16は、各試験曲線の複数の特徴を分析し、特徴の形状および分布に従って試験曲線を複数のセグメントに分割する。特徴は、例えば、曲線におけるピーク、谷、または他の特別の形状であり、これらは本明細書では限定されない。プロセッサ16は、例えば、曲線に連続的に現れる複数のピーク、複数の谷、または他の特徴を同一セグメントとして設定し、異なるセグメントに対するアライメント操作を記録して、後続の同様のセグメントの特徴比較のために使用する。
【0040】
ステップS506において、プロセッサ16は、試験曲線のうちの第1の曲線の周辺の第1の点を第2の曲線の周辺の第2の点に向けるアライメント操作に応じて、各セグメントにおける各アライメント操作の第1の点に対応する第1の特徴と第2の点に対応する第2の特徴との対応関係を特徴データとして記録する。試験曲線の各セグメントについて、プロセッサ16は、オペレータによるセグメント内の曲線に対するアライメント操作に従って、その特徴間の対応関係を記録し、この対応関係を後続の特徴比較のための特徴データとして使用することができる。
【0041】
ステップS508において、機器20が現在のサンプルを分析することによって得られた現在のデータは、プロセッサ16によってデータ検索装置12を使用して検索され、複数の現在の曲線を生成する。次いで、ステップS510において、各現在の曲線の複数の特徴が分析され、現在の曲線が特徴の形状および分布に従って複数のセグメントに分割される。プロセッサ16は、ステップS504と同一または同様の方式で現在の曲線を分割してもよく、または現在の曲線が属する機器のタイプに従って同一機器のデータの曲線を分割するための前述の方式によって現在の曲線を分割してもよく、これは本明細書では限定されない。
【0042】
ステップS512において、プロセッサ16は、記録された各セグメントの特徴データにおける各対応関係に従って、セグメントのうちの選択されたセグメントに位置する第3の曲線および第4の曲線について、第3の曲線上の第1の特徴に一致する第3の点および第4の曲線上の第2の特徴に一致する第4の点を探索する。プロセッサ16は、例えば、各セグメントにおける現在の曲線について、各現在の曲線の特徴の固有値を計算し、それによって、計算された固有値のサイズに従って、選択されたセグメントにおけるアライメントのための現在の曲線を選択する。
【0043】
詳細には、場合によっては、曲線の特定のセグメントにおける特徴が十分に明らかではないため、特徴は、特徴比較に使用することができない、または使用しにくい。したがって、曲線の特徴間の対応関係を観察し、異なるセグメントで使用可能な特徴(ピーク、谷、または他の特殊形状など)を特徴比較の基準として採用することがより好ましい。当該特徴は、セグメントにおける曲線をアライメントするために使用されてもよく、本実施形態は、その範囲を限定しない。
【0044】
ステップS514において、プロセッサ16によって、選択されたセグメントにおける第3の曲線および第4の曲線のうちの少なくとも1つを調整して、第3の点を第4の点とアライメントする。
【0045】
一部の実施形態では、各選択されたセグメントにおける曲線のアライメントを完了した後、プロセッサ16は、例えば、現在の曲線に対して再セグメント化および特徴比較を行い、異なるセグメント化方式を採用することによって得られた対応する特徴を比較し、それによって、現在の曲線間の対応する特徴をすべて見つけて、対応する特徴がセグメント化エラーによって失われることを防止することに留意されたい。
【0046】
例えば、図7は、本開示の一実施形態による曲線アライメント方法の一例である。図7を参照されたい。本実施形態では、単一の機器または異なる機器が同一の現在のサンプルを分析することによって生成された試験曲線(曲線A、曲線B、曲線C、曲線D、曲線E、および曲線Fを含む)を、曲線アライメント装置によってディスプレイ上に表示している。曲線アライメント装置は、例えば、密に変化する曲線Aおよび曲線Bに従ってセグメント62を分割し、曲線Cおよび曲線Eの対応する変動に従ってセグメント64を分割し、曲線Cの3つのピークおよび曲線Dの3つの谷に従ってセグメント66を分割し、変動周波数および振幅が類似する曲線Eおよび曲線Fに従ってセグメント68を分割し、形状が類似する曲線Eおよび曲線Fに従ってセグメント70を分割する。曲線アライメント装置は、現在の曲線のセグメント62~70について、例えば、セグメント62では曲線Bを曲線Aにアライメントすることによってアライメント操作を実施し、セグメント64では曲線Cと曲線Eの連続した交互の山と谷によるアライメント操作を実施し、セグメント66では曲線Cの3つのピークと曲線Dの3つの谷をアライメントすることによってアライメント操作を実施し、セグメント68では曲線Eを曲線Fにアライメントすることによってアライメント操作を実施し、セグメント70では曲線Eを曲線Fにアライメントすることによってアライメント操作を実施する。セグメント62~70のそれぞれにおいて特徴が明らかな曲線を用いてアライメント操作を行うことによって、より好ましいアライメント結果を得ることができる。
【0047】
要約すると、本開示の実施形態の曲線アライメント方法および曲線アライメント装置では、単一の機器または異なる機器の出力データの曲線に対してオペレータによって行われるアライメント操作を監視し、このアライメント操作を特徴データとして記録し、この特徴データを用いて、後続の機器の出力データの曲線に対して特徴比較を行い、それによって、現在の曲線のアライメントに適用すべき適切なアライメント操作をフィルタリングする。このようにして、本開示の実施形態は、複雑な調整/アライメントプロセスを経験に変換して、現在の曲線の調整にフィードバックすることができ、それによって、異なる機器の分析結果を正確かつ迅速に統合することができる曲線の自動アライメントを実施することができる。
【0048】
本開示は、上記の実施形態において開示されたが、実施形態は、本開示を限定することは意図されていない。当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、いくつかの変更および修正を行うことができる。したがって、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示の曲線アライメント方法および曲線アライメント装置は、複数の機器のデータの曲線の自動調整およびアライメントに適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10:曲線アライメント装置
12:データ検索装置
14:記憶装置
16:プロセッサ
20:機器
30:曲線図
42,44:特徴
62,64,66,68,70:セグメント
32,34,A1,A2,B1,B2,C,D:試験曲線
c,d,e,f:点
c1~c4,d1~d7,e1~e4,f1~f7:特徴点
C1,C2,D1,D2,E,F:現在の曲線
S202~S210,S502~S514:ステップ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
【外国語明細書】