(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155124
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022156226
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】PI2022001873
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(71)【出願人】
【識別番号】522384938
【氏名又は名称】ヴィトロックス テクノロジーズ センディリアン ベルハッド
【氏名又は名称原語表記】VITROX TECHNOLOGIES SDN. BHD.
【住所又は居所原語表記】746, PERSIARAN CASSIA SELATAN 3, BATU KAWAN INDUSTRIAL PARK, BANDAR CASSIA, 14110 PENANG, Malaysia
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】ヘン ジュアン タン
(72)【発明者】
【氏名】ティン リク ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェー キット ロー
(72)【発明者】
【氏名】ケク キョン キム
(72)【発明者】
【氏名】カイ ツー セオウ
(72)【発明者】
【氏名】イー ティン サン
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065CC25
2F065DD03
2F065DD06
2F065FF07
2F065FF61
2F065GG04
2F065GG07
2F065HH06
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065QQ31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定するためのシステムは、直接光を放出する第1の光源と、構造化光を放出する第2の光源と、2つ以上のカメラ(41、42、43)でパッケージチップ(10)の第1の画像セット、第2の画像セットを取り込み、パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定する少なくとも1つのプロセッサ(61)と、を備える。カメラ(41、42、43)は、第1の光源が直接光をパッケージチップ(10)に向けて放出するとき、第1の画像セットを取り込み、第2の光源が構造化光をパッケージチップ(10)に向けて放出するとき、第2の画像セットを取り込む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定するためのシステムであって、
直接光を放出するための第1の光源と、
構造化光を放出するための第2の光源と、
2つ以上のカメラ(41、42、43)であって、
前記パッケージチップ(10)の第1の画像セット(51)、及び
前記パッケージチップ(10)の第2の画像セット(52)
を取り込むために前記パッケージチップ(10)の方に向けられた、2つ以上のカメラ(41、42、43)と、
前記2つ以上のカメラ(41、42、43)によって取り込まれた前記第1の画像セット(51)及び前記第2の画像セット(52)を処理し、前記パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定する少なくとも1つのプロセッサ(61)と、
を備え、
前記2つ以上のカメラ(41、42、43)が、
前記第1の光源が直接光を前記パッケージチップ(10)に向けて放出するとき、前記第1の画像セット(51)を取り込み、
前記第2の光源が構造化光を前記パッケージチップ(10)に向けて放出するとき、前記第2の画像セット(52)を取り込む、システム。
【請求項2】
前記プロセッサ(61)が、
前記第1の画像セット(51)から前記パッケージチップ(10)の1つ以上のコンタクト(11)の位置を導出するためのコンタクト決定モジュール(614)、
前記パッケージチップ(10)の前記コンタクト(11)の前記位置と、第1の基準点との間の第2の相対距離に基づいて第1の高さを導出するための第1の高さ決定モジュール(615)、
前記第2の画像セット(52)から前記パッケージチップ(10)のパッケージ表面(12)に沿った1つ以上の点を導出するためのパッケージ表面決定モジュール(616)、
前記パッケージチップ(10)の前記パッケージ表面(12)に沿った前記点と、第2の基準点との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出するための第2の高さ決定モジュール(617)、及び
前記第1の高さと前記第2の高さとの絶対差に基づいて前記パッケージチップ(10)のコンタクト高さを算出するための、コンタクト高さ決定モジュール(618)、
を含む、1つ以上のモジュールを動作させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサ(61)によって動作させられる前記パッケージ表面決定モジュール(616)が、
前記第2の画像セット(52)の各画像を1つ以上のサブ画像にセグメント化するための画像セグメント化サブモジュール(6161)、
各サブ画像内に存在する明るい縞部分及び暗い縞部分を決定するための縞決定サブモジュール(6162)、並びに
前記サブ画像の各暗い縞部分の中心内に配置されるべき1つ以上の指定点を当てがうための点指定サブモジュール(6163)、
を含む、1つ以上のサブモジュールを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサ(61)によって動作させられる前記パッケージ表面決定モジュール(616)が、前記サブ画像に沿った鉛直中心線上に配置されているか、その近くに配置されているか、又はその両方である点が残るよう、前記1つ以上の指定点をフィルタリングするための第1の点フィルトレーションサブモジュール(6164)をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ(61)によって動作させられる前記第2の高さ決定モジュール(617)が、前記パッケージチップ(10)の前記パッケージ表面(12)に沿った点が残るよう、前記1つ以上の指定点をフィルタリングするための第2の点フィルトレーションサブモジュール(6171)を含む、1つ以上のサブモジュールを含む、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記2つ以上のカメラ(41、42、43)が、
前記パッケージチップ(10)に対して垂直に配置された第1のカメラ(41)、並びに
前記第1のカメラ(41)に対して第1の角度をなして、及び前記パッケージチップ(10)に対して第2の角度をなして配置された第2のカメラ(42)、
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムを用いてパッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定するための方法であって、
2つ以上のカメラ(41、42、43)を前記パッケージチップ(10)の方に向けるステップと、
第1の光源によって、直接光を放出するステップと、
第2の光源によって、構造化光を放出するステップと、
前記2つ以上のカメラ(41、42、43)によって、
前記パッケージチップ(10)の第1の画像セット(51)、及び
前記パッケージチップ(10)の第2の画像セット(52)
を取り込むステップと、
少なくとも1つのプロセッサ(61)によって、前記2つ以上のカメラ(41、42、43)によって取り込まれた前記第1の画像セット(51)及び前記第2の画像セット(52)を処理し、前記パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定するステップと、
を含み、
前記2つ以上のカメラ(41、42、43)によって、前記パッケージチップ(10)の第1の画像セット(51)及び前記パッケージチップ(10)の第2の画像セット(52)を取り込む前記ステップの間に、前記2つ以上のカメラ(41、42、43)が、
前記第1の光源が直接光を前記パッケージチップ(10)に向けて放出するとき、前記第1の画像セット(51)を取り込み、
前記第2の光源が構造化光を前記パッケージチップ(10)に向けて放出するとき、前記第2の画像セット(52)を取り込む、方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサ(61)によって、前記2つ以上のカメラ(41、42、43)によって取り込まれた前記第1の画像セット(51)及び前記第2の画像セット(52)を処理し、前記パッケージチップ(10)のコンタクト高さを決定する前記ステップが、
前記プロセッサ(61)によって動作させられるコンタクト決定モジュール(614)によって、前記第1の画像セット(51)から前記パッケージチップ(12)の1つ以上のコンタクト(11)の位置を導出するステップ、
前記プロセッサ(61)によって動作させられる第1の高さ決定モジュール(615)によって、前記パッケージチップ(10)の前記コンタクトの前記位置と、第1の基準点との間の第1の相対距離に基づいて第1の高さを導出するステップ、
前記プロセッサ(61)によって動作させられるパッケージ表面決定モジュール(616)によって、前記第2の画像セット(52)から前記パッケージチップ(10)のパッケージ表面(12)に沿った1つ以上の点を導出するステップ、
前記プロセッサ(61)によって動作させられる第2の高さ決定モジュール(617)によって、前記パッケージチップ(10)の前記パッケージ表面(12)に沿った前記点と、第2の基準点との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出するステップ、及び
前記プロセッサ(61)によって動作させられるコンタクト高さ決定モジュール(618)によって、前記第1の高さと前記第2の高さとの絶対差に基づいて前記パッケージチップ(10)のコンタクト高さを算出するステップ、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサ(61)によって動作させられるパッケージ表面決定モジュール(616)によって、前記第2の画像セット(52)から前記パッケージチップ(10)のパッケージ表面(12)に沿った1つ以上の点を導出する前記ステップが、
前記パッケージ表面決定モジュール(616)の画像セグメント化サブモジュール(6161)によって、前記第2の画像セット(52)の各画像を1つ以上のサブ画像にセグメント化するステップ、
前記パッケージ表面決定モジュール(616)の縞決定サブモジュール(6162)によって、各サブ画像内に存在する明るい縞部分及び暗い縞部分を決定するステップ、並びに
前記パッケージ表面決定モジュール(616)の点指定サブモジュール(6163)によって、前記サブ画像の各暗い縞部分の中心内に配置されるべき1つ以上の指定点を当てがうステップ、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセッサ(61)によって動作させられるパッケージ表面決定モジュール(616)によって、前記第2の画像セット(52)から前記パッケージチップ(10)のパッケージ表面(12)に沿った1つ以上の点を導出する前記ステップが、前記パッケージ表面決定モジュール(616)の第1の点フィルトレーションサブモジュール(6164)によって、前記サブ画像に沿った鉛直中心線上に配置されているか、その近くに配置されているか、又はその両方である点が残るよう、前記1つ以上の指定点をフィルタリングするステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサ(61)によって動作させられる第2の高さ決定モジュール(617)によって、前記パッケージチップ(10)の前記パッケージ表面(12)に沿った前記点と、前記所定の基準空間との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出する前記ステップが、前記第2の高さ決定モジュール(617)の第2の点フィルトレーションサブモジュール(6171)によって、前記パッケージチップ(10)の前記パッケージ表面(12)に沿った点が残るよう、前記1つ以上の指定点をフィルタリングするステップをさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチップコンタクトの検査に関する。より詳細には、本発明は、特に、ボールグリッドアレイ(BGA(Ball Grid Array))パッケージ及びランドグリッドアレイ(LGA(Land Grid Array))パッケージのチップのための、パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージチップ(packaged chip)は、集積回路への電流の流れを可能にする1つ以上の露出したパッドを有する、基板パッケージ内に成形されたチップ形態の集積回路を有する半導体デバイスを指し得る。パッケージチップは、その意図された適用を考慮して、様々な種類のパッケージング技術に基づいて製造され得る。
【0003】
特に、パッケージチップは、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ又はランドグリッドアレイ(LGA)パッケージ内に含まれるように成形されたチップ形態の集積回路を有する種類の半導体デバイスを指し得る。これらの種類のパッケージチップは、複数のはんだボール又ははんだパッドの使用を通じて回路板上に表面実装されるように設計される。表面実装される前に、はんだボール又ははんだパッドは、これらの種類のパッケージチップの露出したパッドに付着させられることになる。それゆえ、この種のパッケージチップにとって、はんだボール又ははんだパッドはそのコンタクトと見なされ得る。その上で、はんだボール又ははんだパッドが付着させられたこの種のパッケージチップは、次に、回路板のパッド上に載せられ、リフローはんだ付け作業を通じてそれにはんだ付けされ得る。
【0004】
はんだボール又ははんだパッドがこの種のパッケージチップに付着させられるために、この種のパッケージチップは、その露出したパッドにはんだボール又ははんだパッドが接着するよう、弱い熱に曝露される。しかし、このプロセスの間に、全てのはんだボール又ははんだパッドがこの種のパッケージチップに適切に接着しないことがあり、それゆえ、はんだボール又ははんだパッドの高さにばらつきが生じ得る。これは、この種のパッケージチップにわたる全体的な凸凹を生じさせ得る。それゆえ、この種のパッケージチップはリフローはんだ付け作業の間にプリント回路板に十分に付着させられなくなり得る。それゆえ、最終的な組み立てられた回路板の故障率を最小限に抑えるために、パッケージチップのコンタクト高さの決定を可能にするシステム及び方法が非常に重要である。
【0005】
パッケージチップのコンタクト高さを測定するためのシステム及び方法に関する従来技術に対する開示技術が数例存在する。その中にあるのが(特許文献1)である。同出願は、x、y及びz次元におけるスケーリング係数を利用する電子部品の接触要素の位置を測定するための方法及び手段を開示している。スケーリング係数は校正手順の間に決定される。この従来技術では、校正作業が、第1の像点と第2の像点との間の変位を得、高さの差を決定するためのプロセスの部分として、接触要素の点ごとの第1のカメラにおいて記録された像点を、第2及び第3のカメラにおいて記録された対応する像点に写像する。
【0006】
別の開示技術は(特許文献2)である。同出願は、構造化光を測定対象上に照射する照射デバイスと、光パターンによって照射された測定対象からの反射光を撮像し、画像データを得る撮像デバイスと、撮像デバイスによって撮像された画像データに基づいて測定対象上の様々な座標位置における高さを測定する画像処理デバイスと、歪み補正を遂行する補正算出デバイスと、を有する3次元測定デバイスを開示している。特に、この開示技術は4つの異なるパターン光を用い、コンタクト高さを測定するために用いられることが留意される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010011124(A)号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第20100177192(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、直接光及び構造化光の双方の利用を通じたパッケージデバイスのコンタクト高さの正確な算出を可能にする解決策は上述の従来技術によって開示されなかったことが留意される。したがって、特に、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ及びランドグリッドアレイ(LGA)パッケージのチップのための、パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステム及び方法を有することが望ましくなり得る。また、検査時間を低減するために、1つの単一のパターン光が用いられることも好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主目的は、パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステム及び方法を提供することである。この目的を達成するために、本発明は、パッケージチップのコンタクト高さを決定するための直接光及び構造化光の利用を採用する。具体的には、直接光は、パッケージチップのコンタクトと第1の基準点との間の高さが得られることを可能にすることになり、構造化光は、パッケージチップのパッケージ表面上の点と第2の基準点との間の高さが得られることを可能にすることになる。これらの高さの間の絶対差がパッケージチップのコンタクト高さの決定を可能にすることになる。
【0010】
本発明の結果、コンタクト高さを決定するために、1つ以上の基準点を基準としたパッケージチップ上の2つ以上の別個の点の高さを得ることができるため、パッケージチップのコンタクト高さの決定は、改善された精度を有する。さらに、本発明は検査プロセスにおけるコプラナリティ試験のために潜在的に用いられ得る。
【0011】
本発明は、パッケージチップのコンタクト高さを決定するためのシステムであって、直接光を放出するための第1の光源と、構造化光を放出するための第2の光源と、2つ以上のカメラであって、パッケージチップの第1の画像セット、及びパッケージチップの第2の画像セットを取り込むためにパッケージチップの方に向けられた、2つ以上のカメラと、カメラによって取り込まれた第1の画像セット及び第2の画像セットを処理し、パッケージチップのコンタクト高さを決定する少なくとも1つのプロセッサと、を備えるシステムを提供することを意図する。カメラは、第1の光源が直接光をパッケージチップに向けて放出するとき、第1の画像セットを取り込み、第2の光源が構造化光をパッケージチップに向けて放出するとき、第2の画像セットを取り込む。
【0012】
好ましくは、プロセッサは、第1の画像セットからパッケージチップの1つ以上のコンタクトの位置を導出するためのコンタクト決定モジュール、パッケージチップのコンタクトの位置と、第1の基準点との間の第1の相対距離に基づいて第1の高さを導出するための第1の高さ決定モジュール、第2の画像セットからパッケージチップのパッケージ表面に沿った1つ以上の点を導出するためのパッケージ表面決定モジュール、パッケージチップのパッケージ表面に沿った点と、第2の基準点との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出するための第2の高さ決定モジュール、及び第1の高さと第2の高さとの絶対差に基づいてパッケージチップのコンタクト高さを算出するためのコンタクト高さ決定モジュールを含む、1つ以上のモジュールを動作させる。
【0013】
好ましくは、プロセッサによって動作させられるパッケージ表面決定モジュールは、第2の画像セットの各画像を1つ以上のサブ画像にセグメント化するための画像セグメント化サブモジュール、各サブ画像内に存在する明るい縞部分及び暗い縞部分を決定するための縞決定サブモジュール、並びにサブ画像の各暗い縞部分の中心内に配置されるべき1つ以上の指定点を当てがうための点指定サブモジュールを含む、1つ以上のサブモジュールを含む。
【0014】
好ましくは、プロセッサによって動作させられるパッケージ表面決定モジュールは、サブ画像に沿った鉛直中心線上に配置されているか、その近くに配置されているか、又はその両方である点が残るよう、1つ以上の指定点をフィルタリングするための第1の点フィルトレーションサブモジュールをさらに含む。
【0015】
好ましくは、プロセッサによって動作させられる第2の高さ決定モジュールは、パッケージチップのパッケージ表面に沿った点が残るよう、1つ以上の指定点をフィルタリングするための第2の点フィルトレーションサブモジュールを含む、1つ以上のサブモジュールを含む。
【0016】
好ましくは、カメラは、パッケージチップに対して垂直に配置された第1のカメラ、第1のカメラに対して第1の角度をなして、及びパッケージチップに対して第2の角度をなして配置された第2のカメラ、を含む。
【0017】
本発明はまた、パッケージチップのコンタクト高さを決定するための方法であって、1つ以上のカメラをパッケージチップの方に向けるステップと、第1の光源によって、直接光を放出するステップと、第2の光源によって、構造化光を放出するステップと、カメラによって、パッケージチップの第1の画像セット、及びパッケージチップの第2の画像セットを取り込むステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、カメラによって取り込まれた第1の画像セット及び第2の画像セットを処理し、パッケージチップのコンタクト高さを決定するステップと、を含む方法を提供することを意図する。カメラによって、パッケージチップの第1の画像セット及びパッケージチップの第2の画像セットを取り込むステップの間に、カメラは、第1の光源が直接光をパッケージチップに向けて放出するとき、第1の画像セットを取り込み、第2の光源が構造化光をパッケージチップに向けて放出するとき、第2の画像セットを取り込む。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つのプロセッサによって、カメラによって取り込まれた第1の画像セット及び第2の画像セットを処理し、パッケージチップのコンタクト高さを決定するステップは、プロセッサによって動作させられるコンタクト決定モジュールによって、第1の画像セットからパッケージチップの1つ以上のコンタクトの位置を導出するステップ、プロセッサによって動作させられる第1の高さ決定モジュールによって、パッケージチップのコンタクトの位置と、第1の基準点との間の第1の相対距離に基づいて第1の高さを導出するステップ、プロセッサによって動作させられるパッケージ表面決定モジュールによって、第2の画像セットからパッケージチップのパッケージ表面に沿った1つ以上の点を導出するステップ、プロセッサによって動作させられる第2の高さ決定モジュールによって、パッケージチップのパッケージ表面に沿った点と、第2の基準点との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出するステップ、及びプロセッサによって動作させられるコンタクト高さ決定モジュールによって、第1の高さと第2の高さとの絶対差に基づいてパッケージチップのコンタクト高さを算出するステップ、をさらに含む。
【0019】
好ましくは、プロセッサによって動作させられるパッケージ表面決定モジュールによって、第2の画像セットからパッケージチップのパッケージ表面に沿った1つ以上の点を導出するステップは、パッケージ表面決定モジュールの画像セグメント化サブモジュールによって、第2の画像セットの各画像を1つ以上のサブ画像にセグメント化するステップ、パッケージ表面決定モジュールの縞決定サブモジュールによって、各サブ画像内に存在する明るい縞部分及び暗い縞部分を決定するステップ、並びにパッケージ表面決定モジュールの点指定サブモジュールによって、サブ画像の各暗い縞部分の中心内に配置されるべき1つ以上の指定点を当てがうステップ、をさらに含む。
【0020】
好ましくは、プロセッサによって動作させられるパッケージ表面決定モジュールによって、第2の画像セットからパッケージチップのパッケージ表面に沿った1つ以上の点を導出するステップは、パッケージ表面決定モジュールの第1の点フィルトレーションサブモジュールによって、サブ画像に沿った鉛直中心線上に配置されているか、その近くに配置されているか、又はその両方である点が残るよう、1つ以上の指定点をフィルタリングするステップをさらに含む。
【0021】
好ましくは、プロセッサによって動作させられる第2の高さ決定モジュールによって、パッケージチップのパッケージ表面に沿った点と、所定の基準空間との間の第2の相対距離に基づいて第2の高さを導出するステップは、第2の高さ決定モジュールの第2の点フィルトレーションサブモジュールによって、パッケージチップのパッケージ表面に沿った点が残るよう、1つ以上の指定点をフィルタリングするステップをさらに含む。
【0022】
当業者は、本発明は、目的を果たし、上述された結果及び利点、並びにそれに固有のものを得るためにうまく適応されていることを容易に理解するであろう。本明細書において説明される実施形態は本発明の範囲の限定として意図されていない。
【0023】
本発明の理解を促進するために、好ましい実施形態が添付の図面に示される。それらを以下の説明に関連して考慮しつつ精査することで、本発明、その構成及び動作、並びにその利点のうちの多くが容易に理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、パッケージチップのコンタクト高さを決定するための本発明のシステムを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な上面図を示す図である。
【
図3a】
図3aは、第1の照光ユニットが、直接光をパッケージチップに向けて放出する第1の光源として動作する、本発明の構成を示す図である。
【
図3b】
図3bは、第2の照光ユニットが、構造化光をパッケージチップに向けて放出する第2の光源として動作する、本発明の構成を示す図である。
【
図4a】
図4aは、パッケージチップが第1の光源からの直接光を受光した際に第1のカメラによって取り込まれた画像である、第1の画像セットのパッケージチップの第1の画像を示す図である。
【
図4b】
図4bは、パッケージチップが第1の光源からの直接光を受光した際に第2のカメラによって取り込まれた画像である、第1の画像セットのパッケージチップの第2の画像を示す図である。
【
図4c】
図4cは、パッケージチップが第1の光源からの直接光を受光した際に第3のカメラによって取り込まれた画像である、第1の画像セットのパッケージチップの第3の画像を示す図である。
【
図5a】
図5aは、パッケージチップが第2の光源からの構造化光を受光した際に第1のカメラによって取り込まれた画像である、第2の画像セットのパッケージチップの第1の画像を示す図である。
【
図5b】
図5bは、パッケージチップが第2の光源からの構造化光を受光した際に第2のカメラによって取り込まれた画像である、第2の画像セットのパッケージチップの第2の画像を示す図である。
【
図5c】
図5cは、パッケージチップが第2の光源からの構造化光を受光した際に第3のカメラによって取り込まれた画像である、第2の画像セットのパッケージチップの第3の画像を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の動作を制御及び管理するコンピュータの詳細ブロック図を示す図である。
【
図7】
図7は、パッケージチップのパッケージ表面上の点の指定及びフィルトレーションを示す図的フローチャートである。
【
図8a】
図8aは、第1の基準座標空間内の写像点を示す図である。
【
図8b】
図8bは、第2の基準座標空間内の写像点を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の基準座標空間に従うその知覚に関する第1のカメラの視界、第2の基準座標空間に従うその知覚に関する第2のカメラの視界、及び基準校正器上の点とパッケージチップ上の点との間の相対距離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、パッケージチップの1つ以上のコンタクト高さを測定するためのシステム及び方法に関する。本発明はまた、共通要素を有する多数の異なる実施形態において提示され得る。本発明のコンセプトによれば、パッケージチップが保持される保持器ユニット、パッケージチップの方に向いた、異なる角度でそれの画像を取り込むための1つ以上のカメラ、第1の光源及び第2の光源の役割を果たす照光ユニット、並びにパッケージチップのコンタクト高さが決定されるよう、カメラによって取り込まれた画像を処理するためのコンピュータが存在する。
【0026】
次に、図面を参照して本発明が例としてより詳細に説明される。
【0027】
図1は、パッケージチップ10のもう1つのコンタクト高さHを決定するための本発明のシステムを示す。好ましくは、パッケージチップ10は基板パッケージングプロセスによって作り出される。最も好ましくは、パッケージチップ10は、パッケージチップ10が、それに付着させられた1つ以上のはんだボールを有した状態での表面実装技術に適合している。これらのはんだボールはパッケージチップ10のコンタクトと見なされ得る。代替的に、これらのはんだボールははんだパッドで置換されてもよい。それゆえ、はんだボールを含む説明ははんだパッドにも当てはまる。
【0028】
代替的に、パッケージチップ10はリードフレームパッケージングプロセスによって作り出されてもよく、それゆえ、リードをそのコンタクトとして有する。パッケージチップ10はまた、チップスケールパッケージング、リードありパッケージング、リードなしパッケージング、フリップチップ-ボールグリッドアレイパッケージング、又は同様のものなどの他の関連パッケージングプロセスによっても作り出され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明のシステム及び方法の説明はこれらの種類のパッケージチップにも当てはまり得ることを理解されたい。
【0029】
図1を参照すると、パッケージチップ10は、好ましくは、保持器ユニット20によって、直立した様態で、所定位置に保持又は支持される。1つ以上の照光ユニット31、32が光をパッケージチップ10に向けて放出する。レンズをパッケージチップ10の方に向けさせた1つ以上のカメラ41、42、43が複数の視点におけるそれの画像を取り込み得る。アプリケーションソフトウェア610を実行する、少なくともプロセッサ61、及びメモリユニット52を有する、コンピュータ60が、次に、パッケージチップ10のコンタクト高さHを得るためにこれらの画像を処理し得る。
【0030】
図1を参照すると、パッケージチップ10、保持器ユニット20、照光ユニット31、32、及び1つ以上のカメラ41、42、43などの、特定の図示された構成要素は、側方視点から知覚されたように描かれたことに留意されたい。
図2は、それが、パッケージチップ10、保持器ユニット20、照光ユニット31、32、及び1つ以上のカメラ41、42、43の上面図を図示しているため、
図1の補足図面と見なされ得る。その上で、パッケージチップ10、保持器ユニット20、照光ユニット31、32、及び1つ以上のカメラ41、42、43の配置が説明され得る。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、保持器ユニット20は、それがパッケージチップ10を所定位置に保持しながらパッケージチップ10の上方にあるように配置されることが留意される。保持器ユニット20は、好ましくは、直動的な仕方で動作する、メカニカルアームのエンドエフェクタであり得る。保持器ユニット20は、真空吸引を通じてパッケージチップ10を所定位置に保持又は支持するピックアップ先端をさらに具備する。
【0032】
図1及び
図2を参照すると、照光ユニット31、32は、パッケージチップ10の下方にあるように配置されることが留意される。好ましくは、照光ユニット31、32は、光がパッケージチップ10に向けて放出されよう、実質的にパッケージチップ10の底部の方に向けられている。
【0033】
図1及び
図2を参照すると、カメラ41、42、43は、それらのレンズをパッケージチップ10の方に向けてパッケージチップ10の下方にあるように配置されていることが留意される。カメラ41、42、43は、パッケージチップ10を包囲するように配置され得る。カメラは、第1のカメラ41、第2のカメラ42、及び第3のカメラ43を含む。
【0034】
具体的には、第1のカメラ41は、そのレンズを、90°の仰角をなして直接、パッケージチップ10の方に向け、パッケージチップ10に対して垂直であるように構成されていることが留意される。これは、それがパッケージチップ10の「2次元」画像を取り込み得るようにするためである。第2のカメラ42は、それが、中心点の役割を果たす第1のカメラ41に対して第1の角度にあるように、及びそのレンズがパッケージチップ10に対して第2の角度にあるように配置され得る。この第2の角度は、好ましくは45°の、0でない仰角である。第3のカメラ43は、それが、中心点の役割を果たす第1のカメラ41に対して第3の角度にあるように、及びそのレンズがパッケージチップ10に対して第4の角度にあるように配置され得る。この第4の角度は、好ましくは、同様に45°の、0でない仰角である。それゆえ、第2のカメラ42及び第3のカメラ43の配置は、それらの各々がパッケージチップ10の「3次元」画像を取り込み得るようになっている。好ましくは、
図2のとおり、カメラ41、42、43は、一直線になるように配置されており、互いに等距離にある。
【0035】
カメラ41、42、43の画像センサに関して、それらは、科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS(scientific complementary metal-oxide-semiconductor))技術を用いて製作される能動ピクセルセンサであり得る。代替的に、カメラ41、42、43の画像センサは電荷結合素子(CCD(charge-coupled device))センサ技術のものであり得る。さらに、カメラ41、42、43はティルトシフトレンズをより良好な画像集束のために用い得る。
【0036】
代替的実施形態では、一方のカメラがパッケージチップ10の「2次元」画像を取り込み、他方のカメラがパッケージチップ10の「3次元」画像を取り込む、2つのカメラのみが、パッケージチップ10のコンタクト高さHを決定するために必要とされ得る。それゆえ、第3のカメラ43又は任意の追加のカメラは、パッケージチップ10のためのより多くの「3次元」画像を得るために用いられる補足カメラと考えられ得る。さらに、第1のカメラ41及び第3のカメラ43によって取り込まれた画像に基づいてパッケージチップ10のコンタクト高さHを決定するための動作は、第1のカメラ41及び第2のカメラ42によって取り込まれた画像に基づいてパッケージチップ10のコンタクト高さHを決定するための動作と同じであることが留意される。それゆえ、本発明ははまた、第1のカメラ41及び第2のカメラ42のみを用いて説明され得る。
【0037】
本発明の代替的実施形態では、システムの空間制約を克服するためにミラーが含まれ得る。具体的には、パッケージチップ10の画像がカメラ42、43のレンズ内へ反射され得るよう、第2のカメラ42と第3のカメラ43との間に1つ以上の角度の付いたミラーが配設される。ミラーの使用は、第2のカメラ42及び第3のカメラ43が第1のカメラ41により接近して密集することを可能にすることになり、これにより、カメラ41、42、43によって占有される空間を低減する。
【0038】
図1を参照すると、コンピュータ60は従来の産業用コンピュータであり得る。コンピュータ60のプロセッサ61に関して、それは、好ましくは、保持器ユニット20、照光ユニット31、32、及びカメラ41、42、43とインターフェースで接続されている。それは、その上で実行するアプリケーションソフトウェア610によって命令されるとおりにソフトウェア命令又はコンピュータ論理命令のスケジューリング及び実行を遂行することになる。好ましくは、それは、限定するものではないが、従来のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC(application-specific integrated circuit))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA(field-programmable gate array))、又はこれらの組み合わせであり得る。メモリユニット62に関して、それは、好ましくは、プロセッサ61とインターフェースで接続されている。メモリユニット62は、アプリケーションソフトウェア610に関連するプログラムファイルを記憶するか、又はアプリケーションソフトウェア610の実行時間の間に処理データを一時的に記憶し得る。
【0039】
図3aは、第1の照光ユニット31が、直接光31aをパッケージチップ10に向けて放出する第1の光源として動作する、本発明内の実例を示す。それに対して、
図3bは、第2の照光ユニット32が、構造化光32aをパッケージチップ10に向けて放出する第2の光源として動作する、本発明内の別の実例を示す。本発明の文脈において、直接光31aは、妨害なくパッケージチップ10に向けて発光させられる種類の光を指すものとする。それに対して、構造化光32aは、1つ以上のスリットを有する物体によって妨害され、明るい縞部分及び暗い縞部分の交互パターンをパッケージチップ10上に作り出す、パッケージチップ10に向けて発光させられる種類の光を指すものとする。第1の照光ユニット31の実施形態は複数の発光ダイオードを含み得、それに対して、第2の照光ユニット32の実施形態はレーザデバイス、プロジェクタ、又はこれらの組み合わせを含み得る。一方が第1の光源の役割を果たし、他方が第2の光源の役割を果たす、2つの別個の照光ユニット31、32が存在することが好ましいが、代替的に、これらの照光ユニット31、32の双方が、第1の光源及び第2の光源の双方の役割を果たす能力を有する単一の照光ユニットに統合されてもよい。
【0040】
図4a~
図4cは、カメラ41、42、43によって取り込まれたパッケージチップ10の第1の画像セット51を示す。この第1の画像セット51から見えているものは、パッケージチップ10のコンタクト11及びパッケージ表面12である。好ましくは、この画像セット51は、第1の照光ユニット31が直接光をパッケージチップ10に向けて放出するときに取り込まれる。
【0041】
具体的には、
図4aは、第1のカメラ41によって取り込まれた画像である、この第1の画像セット51のパッケージチップ10の第1の画像511を示す。
図4bは、第2のカメラ42によって取り込まれた画像である、この第1の画像セット51のパッケージチップ10の第2の画像512を示す。
図4cは、第3のカメラ43によって取り込まれた画像である、この第1の画像セット51のパッケージチップ10の第3の画像513を示す。具体的には、第2のカメラ42及び第3のカメラ43の配置のゆえに、前述の第2の画像512及び第3の画像513はパッケージチップ10の透視図である。
【0042】
図5a~
図5cは、カメラ41、42、43によって取り込まれたパッケージチップ10の第2の画像セット52を示す。これらの第1の画像セット52から見えているものは、パッケージチップ10のコンタクト11及びパッケージ表面12を含む。好ましくは、この画像セット52は、第2の照光ユニット32が構造化光をパッケージチップ10に向けて放出するときに取り込まれる。それゆえ、この第2の画像セット52内のパッケージチップ10の各画像は交互の明るい縞部分及び暗い縞部分を有する。
【0043】
具体的には、
図5aは、第1のカメラ41によって取り込まれた画像である、この第2の画像セット51のパッケージチップ10の第1の画像521を示す。
図5bは、第2のカメラ42によって取り込まれた画像である、この第2の画像セット52のパッケージチップ10の第2の画像522を示す。
図5cは、第3のカメラ43によって取り込まれた画像である、この第1の画像セット52のパッケージチップ10の第3の画像513を示す。具体的には、第2のカメラ42及び第3のカメラ43の配置のゆえに、前述の第2の画像522及び第3の画像523はパッケージチップ10の透視図である。
【0044】
図6は、パッケージチップ10のコンタクト高さHを決定するための本発明の動作を制御及び管理するコンピュータ60の詳細ブロック図表現を示す。
【0045】
図6を参照すると、プロセッサ61が1つ以上のモジュールを動作させると言うことができる。より具体的には、これらのモジュールは、アルゴリズムを計算し、本発明のシステムの動作に関連する制御命令を生成するための、プロセッサ61上で動作する、又は実行するアプリケーションソフトウェア610のソフトウェアモジュールである。これらのモジュールは、マスタ制御モジュール611、画像処理モジュール612、校正モジュール613、コンタクト決定モジュール614、第1の高さ決定モジュール615、パッケージ表面決定モジュール616、第2の高さ決定モジュール617、及びコンタクト高さ決定モジュール618を含み得る。提示されたモジュールはソフトウェアの実施形態の形態のものである必要はなく、それらがプロセッサ61に接続されたハードウェアの実施形態であってもよいことに留意されたい。上述のモジュールのためのさらなるサポートを提供するための補助モジュールが含まれてもよい。
【0046】
図6に示されるとおりのマスタ制御モジュール611に関して、それは、好ましくは、1つ以上の制御構成を通じて保持器ユニット20、照光ユニット31、32、及びカメラ41、42、43の動作を管理し得る。
【0047】
第1の制御構成例では、マスタ制御モジュール611は保持器ユニット20を、パッケージチップ10を生産バッチから取り上げ、それを
図1及び
図2による位置へ持ってくるよう作動させ得る。パッケージチップ10の画像が取り込まれた後に、マスタ制御モジュール611は保持器ユニット20を、パッケージチップ10から離れ、次のものを生産バッチから取り上げるよう作動させ得る。
【0048】
第2の制御構成例では、マスタ制御モジュール611は照光ユニット31、32を、それらの動作を交代させるように制御し得る。これは、第1の照光ユニット31が1つの時点で直接光31aを放出し得、第2の照光ユニット32が別の時点で構造化光32aを放出し得るようにするためである。
【0049】
第3の制御構成例では、マスタ制御モジュール611はカメラ41、42、43を、それらがパッケージチップ10の画像を同時に取り込むよう制御し得る。
【0050】
第4の制御構成例では、マスタ制御モジュール611は、照光ユニット31、32の各々が、1つの時点におけるパッケージチップ10に向けた直接光31aの放出、及び1つの時点におけるパッケージチップ10に向けた構造化光32aの放出のためにそれらの動作を交代させた際に、カメラ41、42、43がパッケージチップ10の画像を直ちに取り込み得るよう、第2の制御構成と第3の制御構成との間のタイミングを制御し得る。
【0051】
図6に示されるとおりの画像処理モジュール612に関して、それは、好ましくは、カメラ41、42、43によって取り込まれた画像を、それらが後続のモジュールによる処理のために準備され得るよう前処理する。具体的には、画像処理モジュール612は従来の画像鮮明化及び画像ノイズ除去アルゴリズムを画像に対して遂行する。これは、パッケージチップ10のコンタクト、或いは画像上の明るい縞部分及び暗い縞部分を画定する縁部が識別されることを可能にし得る。
【0052】
図6に示されるとおりの校正モジュール613に関して、それは、好ましくは、座標系に関して定義される、1つ以上の基準座標空間を確立又は出力する役割を果たす。好ましくは、校正モジュール613は校正作業を実施し、その説明は従来技術の(特許文献1)と同様であり得る。
【0053】
校正作業の要約された説明は以下のとおりである。標線を有する基準校正器(
図6には示されていない)が、保持器ユニット20によって保持又は支持されことになる。第1の照光ユニット31が直接光31aを基準校正器に向けて放出し得る。次に、カメラ41、42、43が、校正基準画像のセットを形成する基準校正器の画像を取り込み得る。これらの校正基準画像は、画像処理モジュール612によって前処理された後に、第1の基準座標空間及び第2の基準座標空間を生成するために校正モジュール613によって処理されることになる。これらの基準座標空間から、基準座標空間を現実世界距離にスケーリングするための、好ましくは無単位である、スケール係数fが導出され得る。さらに、基準校正器の座標が導出され、基準座標空間上に写像され得る。これで校正作業の説明は終わりである。
【0054】
第1のカメラ41によって取り込まれた基準校正器の第1の画像に基づいて、校正モジュール613の基準座標空間決定サブモジュール6131が、デカルト座標系に関して定義される、第1の基準座標空間を導出し得る。
【0055】
第2のカメラ42によって取り込まれた基準校正器の第2の画像に基づいて、校正モジュール613の基準座標空間決定サブモジュール6131は、アフィン変換デカルト座標系又は射影変換デカルト座標系に関して定義される、以後、第2の基準座標空間と称されることになる、第1の座標空間の透視射影を導出し得る。これは、第2の画像が基準校正器の透視図であるためである。それゆえ、この第2の基準座標空間は深度情報を含む。
【0056】
(基準校正器の第3の画像を取り込むための)第3のカメラ43、又は追加のカメラを含むことは、第2の基準座標空間と同様の性質のものであるが、代わりに、第1の座標空間に対する異なる透視射影の、追加の基準座標空間をもたらし得る。簡潔にするために、第2の基準座標空間のみが用いられるように説明されることになる。しかし、第2の基準座標空間に関する説明は、第3のカメラ43又は追加のカメラを含むことによって導出された追加の基準座標空間に当てはまり得ることに留意されたい。
【0057】
第1の基準座標空間内の一意の点は第2の基準座標空間内の1つ以上の一意の点に対応し得ることを理解されたい。さらに、第2の基準座標空間の前述の1つ以上の一意の点は、第1の基準座標空間内の前述の一意の点から正射影されたものと見なされ得る。
【0058】
その上で、確立された基準座標空間は、基準校正器の座標と共に、次に、それらが、パッケージチップ10のコンタクト高さHを得るために他のモジュールによって後に利用されるよう、メモリユニット62内に永久的又は一時的に記憶され得る。基準校正器は、パッケージチップ10のコンタクト高さHを決定する際に必ずしも存在しなくてもよく、その理由は、その座標及び寸法がシステムによって知られており、その存在に対する任意の補償は従来の手段を通じて行われるためであることを理解されたい。
【0059】
図6に示されるとおりのコンタクト決定モジュール614に関して、それは、好ましくは、パッケージチップ10のパッケージ表面12から最も遠いはんだボール上の点である、最大点に対応するパッケージチップ10のコンタクト11の位置点を決定する役割を果たす。コンタクト決定モジュール614は、好ましくは、前処理された第1の画像セット51を画像処理モジュール612から受け取る。コンタクト決定モジュール614は、従来技術の(特許文献1)において説明されたものと同様に動作し得る。代替的に、それは、第2のカメラ42及び第3のカメラ43によって知覚されたとおりの、コンタクト11の投じられた影に基づいてこれらの位置を決定するアルゴリズムを通じてこれらの点を導出することを試み得る。
【0060】
図6に示されるとおりの第1の高さ決定モジュール615に関して、それは、パッケージチップ10のコンタクト11と基準校正器との間の高さ又は高さ群を決定する役割を果たす。これは、第1の画像セット51を、決定されたコンタクト11の位置点と共に、メモリユニット62内に以前に記憶された基準座標空間及び基準校正器の座標の上に写像することによって行われる。
【0061】
具体的には、第1の高さ決定モジュール615は、第2の基準座標空間内におけるコンタクト11と基準校正器の第1の基準点との間の距離である、第1の相対距離ΔZ1’を導出することになる。第1の相対距離ΔZ1’を得た後に、第1の高さ決定モジュール615は、次に、第1の相対距離ΔZ1’とスケール係数fとの間の乗算演算を遂行し、第1の高さΔZ1を積として得ることができる。この第1の高さΔZ1は、現実世界距離においてパッケージチップ10のコンタクト11と基準校正器の第1の基準点との間の実際の高さに対応する。
【0062】
図6に示されるとおりのパッケージ表面決定モジュール616に関して、それは、パッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点を決定する役割を果たす。パッケージ表面決定モジュール616は、好ましくは、前処理された第2の画像セット52を画像処理モジュール612から受け取る。パッケージ表面決定モジュール616は、画像セグメント化サブモジュール6161、縞決定サブモジュール6162、点指定サブモジュール6163、及び第1の点フィルトレーションサブモジュール6164を含む、1つ以上のサブモジュールを含むことがさらに示されている。
【0063】
具体的には、パッケージ表面決定モジュール616の画像セグメント化サブモジュール6161は、第2の画像セット52の各画像を、好ましくは、固定された区域の、1つ以上のサブ画像にセグメント化する役割を果たす。
【0064】
具体的には、パッケージ表面決定モジュール616の縞決定サブモジュール6162は、次に、各サブ画像を受け取り、その内部に存在する暗い縞部分を決定し得る。これは、例えば、各サブ画像内のコントラストレベルを、暗い縞部分が強調されるようアルゴリズム的に調整することによって行われ得る。好ましくは、これを行った後は、サブ画像にわたる暗い縞部分の幅及び長さにおける曖昧さは存在しない。
【0065】
具体的には、パッケージ表面決定モジュール616の点指定サブモジュール6163は、好ましくは、1つ以上の指定点を、それらを、パッケージチップ10のパッケージ表面12が配置され得る潜在的な点として標識するために、サブ画像内の各暗い縞部分の中心内に配置されるよう当てがう。まず、暗い縞部分ごとに、点指定サブモジュール6163は、長手方向縁部に沿って配置されたそのピクセルが検出されたと決定する。次に、点指定サブモジュール6163は暗い縞部分の中心ピクセル点を決定し、指定点をそれに当てがう。ある意味で、前述の暗い縞部分の中心ピクセル点は、前述の暗い縞部分の「重心」であると言える。
【0066】
具体的には、パッケージ表面決定モジュール616の第1の点フィルトレーションサブモジュール6164は、好ましくは、サブ画像の鉛直中心線に最も近い、又はそれに沿って配置された点が残るよう、点指定サブモジュール6163によって指定された1つ以上の指定点をフィルタリングにより除外する。これが行われるために、第1の点フィルトレーションサブモジュール6164はサブ画像の縁部をアルゴリズム的に導出し、サブ画像内のパッケージ表面12にわたる鉛直中心線を推定し得る。好ましくは、鉛直中心線から2ピクセルの誤差マージン以内にある指定点が残るよう選定される。
【0067】
サブ画像が第2の画像セット52内の第2の画像522又は第3の画像523によって作り出される場合には、鉛直中心線は、それが、第2の画像522又は第3の画像523のようにパッケージチップ10の対応する透視図と実質的に平行になるよう、アフィン変換又は透視変換を通じて変換され得る。
【0068】
図6に示されるとおりの第2の高さ決定モジュール617に関して、それは、パッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点と基準校正器との間の高さ又は高さ群を決定する役割を果たす。これは、第2の画像セット52を、決定されたパッケージ表面12の指定点と共に、メモリユニット62内に以前に記憶された基準座標空間及び基準校正器の座標の上に写像することによって行われる。
【0069】
具体的には、第2の高さ決定モジュール617は、第2の基準座標空間内におけるパッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点と基準校正器の第2の基準点との間の距離である、第2の相対距離ΔZ2’を導出することになる。第2の相対距離ΔZ2’を得た後に、第2の高さ決定モジュール617は、次に、第1の相対距離ΔZ2’とスケール係数fとの間の乗算演算を遂行し、第2の高さΔZ2を積として得ることができる。この第2の高さΔZ2は、現実世界距離におけるパッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点と基準校正器の第2の基準点との間の実際の高さに対応する。
【0070】
第2の高さ決定モジュール617は、第2の点フィルトレーションサブモジュール6171を含む、1つ以上のサブモジュールを含むことがさらに示されている。第2の点フィルトレーションサブモジュール6171は、点指定サブモジュール6163によって指定された指定点をさらにフィルタリングする役割を果たす。それは、最小平均二乗アルゴリズムを通じて第1の高さΔZ1によって規定される平面を基準とした第2の高さΔZ2の誤差の大きさを算出することによって、これを行う。これは、所定の閾値よりも高い、又はそれよりも低い誤差の大きさを有し得るパッケージ表面12に沿った点をフィルタリングにより除外する役割を果たす。この誤差の大きさは0~1の範囲を有し得る。第1の例では、点の誤差の大きさが第1の所定の閾値を下回る場合に、該点はフィルタリングにより除外されることになる。第2の例では、1から点の誤差の大きさを差し引いた値が第2の所定の閾値を上回る場合に、該点はフィルタリングにより除外されることになる。
【0071】
図6に示されるとおりのコンタクト高さ決定モジュール618に関して、それは、1つ以上のコンタクト高さHを算出する役割を果たす。コンタクト高さHは、パッケージチップ10のコンタクト11とパッケージチップ10のパッケージ表面12上の点との間の高さである。具体的には、第1の高さΔZ
1と第2の高さΔZ
2との絶対差が算出される。その上で、パッケージチップ10のコンタクト高さHが決定される。
【0072】
図7は、パッケージ表面決定モジュール616によって遂行されるパッケージチップ10のパッケージ表面12上の点の指定及びフィルトレーションを示す図的フローチャートである。好ましくは、これは第2の画像セット52内の画像のうちの全てのために行われる。一例として、第2の画像セット52の第1の画像521が用いられる。指定点の指定を例示するために、この第1の画像521は、その明るい縞が(B)とラベル付けされ、その暗い縞が(D)とラベル付けされるという仕方で例示されている。
【0073】
第1の画像521が画像処理モジュール611によって前処理された後に、画像セグメント化モジュール6161は、次に、図示のように、画像を、固定された区域の1つ以上のサブ画像にセグメント化することになる。次に、1つ以上の点が、縞決定モジュール6162及び点指定モジュール6163によって、サブ画像の暗い縞部分上に指定されることになる。最後に、サブ画像内のパッケージ表面12上の指定点が、第1の点フィルトレーションサブモジュール6164及び第2の点フィルトレーションモジュール6171によって、サブ画像内の最終的な指定点が残るようフィルタリングされる。
【0074】
図8aは、第1のカメラ41の視点による、第1の基準座標空間内の写像点を示す。
図8bは、第2のカメラ42の視点による、第2の基準座標空間内の写像点を示す。これらの図は、第1の高さ決定モジュール615及び第2の高さ決定モジュール617内で行われる算出を例示することを意図されていることに留意されたい。
【0075】
図9は
図8a及び
図8bに対する補足図面と見なされ得る。それは、
図8aの第1の基準座標空間に関する第1のカメラ41の観望、
図8bの第2の基準座標空間に関する第2のカメラ42の観望、及びコンタクト高さHの決定のためのパッケージチップ10の点と基準校正器との間の相対距離を示す。
【0076】
図8a及び
図9を参照すると、第1の基準座標空間内に、グリッドセルABCDが存在する。このグリッドセルABCDはその内部に点X
1、X
2、X
3及びX
4を有する。この第1の基準座標空間内においては、以下のことが留意される:
・ 点X
1はコンタクト11に対応する。
・ 点X
2はパッケージ表面12上の点に対応する。
・ 点X
3は基準校正器の第1の基準点に対応する。
・ 点X
4は基準校正器の第2の基準点に対応する。
【0077】
特に、X1及びX3は同じ座標位置を占有し得、その一方で、X2及びX4は同じ座標位置を占有し得る。第1の基準座標空間内の点X1、X2、X3及びX4の正確な座標が決定されるよう、グリッドセルABCDの座標に関する補間、より具体的には、バイリニア補間が利用され得る。
【0078】
図8b及び
図9を参照すると、第2の基準座標空間内に、グリッドセルA’B’C’D’が存在する。このグリッドセルA’B’C’D’はその内部に点X
1’、X
2’、X
3’、及びX
4’を有する。この第2の基準座標空間内においては、以下のことが留意される:
・ 点X
1’はコンタクト11に対応する。
・ 点X
2’はパッケージ表面12上の点に対応する。
・ 点X
3’は、点X
1’に対して正射影された、基準校正器の第1の基準点に対応する。
・ 点X
4’は、点X
2’に対して正射影された、基準校正器の第2の基準点に対応する。
【0079】
図示のように、第2の基準座標空間内の点X1’、X2’、X3’,及びX4’は第1の基準座標空間の点X1、X2、X3、及びX4に対応する。同様に、第2の基準座標空間内の点X1’、X2’、X3’,及びX4’の正確な座標が決定されるよう、グリッドセルA’B’C’D’の座標に関する補間が利用され得る。この第2の基準座標空間内の深度情報を含むことで、今度は、点X1’、X2’、X3’、及びX4’の各々の間の距離が存在する。
【0080】
この第2の基準座標空間から、(点X1’である)パッケージチップ10のコンタクト11と(点X3’である)基準校正器の第1の基準点との間の第1の相対距離ΔZ1’が算出され得る。また、(点X2’である)パッケージチップ10のパッケージ表面12上の点と(点X4’である)基準校正器の第1の点との間の第2の相対距離ΔZ2’も算出され得る。
【0081】
その上で、次に、第1の相対距離ΔZ1’及び第2の相対距離ΔZ2’は、校正モジュール613によって以前に導出されたスケール係数fを用いて乗算され、第1の高さΔZ1及び第2の高さΔZ2を得ることができる。
【0082】
上述されたように、第1の高さΔZ1は、現実世界距離におけるパッケージチップ10のコンタクト12と基準校正器の第1の基準点との間の実際の高さである。第2の高さΔZ2は、現実世界距離におけるパッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点と基準校正器の第2の基準点との間の実際の高さである。
【0083】
コンタクト高さ決定モジュール618は、次に、第1の高さΔZ1と第2の高さΔZ2との絶対差を算出することによって、コンタクト11とパッケージ表面12上の点との間のコンタクト高さHを導出することになる。
【0084】
図示はされないが、本発明の方法の簡潔な概要が説明され得る。好ましくは、本方法のステップに先立って、第1の基準座標空間及び第2の基準座標空間の確立のための校正作業が校正モジュール613によって行われる。
【0085】
まず、ステップ1において、保持器ユニット20がパッケージチップ10を生産バッチから取り上げ、それを
図1及び
図2のとおりに位置付ける。
【0086】
ステップ2において、アプリケーションソフトウェア610が、次に、第1の照光ユニット31を、直接光31aをパッケージチップ10に向けて発光するように動作させ得る。
【0087】
ステップ3において、アプリケーションソフトウェア610が、カメラ41、42、43を、それらの各々がパッケージチップ10の画像を取り込むように仕向けることができ、これにより、第1の画像セット51を得る。この第1の画像セット51はカメラ41、42、43自体の内部に記憶され得る。
【0088】
ステップ4において、アプリケーションソフトウェア610が、次に、第2の照光ユニット32を、構造化光32aをパッケージチップ10に向けて発光するように動作させ得る。
【0089】
ステップ5において、アプリケーションソフトウェア610が、カメラ41、42、43を、それらの各々がパッケージチップ10の画像を取り込むように仕向けることができ、これにより、第2の画像セット52を得る。この第2の画像セット52はカメラ41、42、43自体の内部に記憶され得る。
【0090】
ステップ6において、アプリケーションソフトウェア610がカメラ41、42、43からの第1の画像セット51及び第2の画像セット52を要求し得る。
【0091】
ステップ7において、アプリケーションソフトウェア610が画像処理モジュール612を用いて第1の画像セット51及び第2の画像セット52を前処理し得る。
【0092】
ステップ8において、アプリケーションソフトウェア610が、パッケージチップ10上のコンタクトの位置が決定されるよう、前処理された第1の画像セット51をコンタクト決定モジュール614内へ誘導し得る。
【0093】
ステップ9において、前のステップ、ステップ8からの情報を用いて、第1の高さ決定モジュール615が、第2の基準座標空間におけるコンタクト11と基準校正器の第1の点との間の第1の相対距離ΔZ1’を算出し、次に、第1の高さΔZ1を得る。第1の高さΔZ1は、現実世界距離におけるパッケージチップ10のコンタクト12と基準校正器の第1の基準点との間の実際の高さである。
【0094】
ステップ10において、アプリケーションソフトウェア610が、パッケージチップ10のパッケージ表面上の点が指定されるよう、前処理された第2の画像セット52をパッケージ表面決定モジュール614内へ誘導し得る。
【0095】
ステップ10.1において、画像セグメント化サブモジュール6161が、第2の画像セット52の各画像を、好ましくは、固定された区域の、サブ画像にセグメント化する。
【0096】
ステップ10.2において、縞決定サブモジュール6162が、前のステップ、ステップ10.1において得られた各サブ画像内の明るい縞部分及び暗い縞部分を決定する。
【0097】
ステップ10.3において、点指定サブモジュール6163が、サブ画像の各暗い縞部分の中心内に配置された1つ以上の指定点を当てがう。
【0098】
ステップ10.4において、第1の点フィルトレーションサブモジュール6164が、サブ画像に沿った鉛直中心線上に配置されているか、その近くに配置されているか、又はその両方である点が残るよう、1つ以上の指定点をフィルタリングする。
【0099】
ステップ11において、前のステップ、ステップ10.4からの情報を用いて、第2の高さ決定モジュール617がパッケージ表面12上の指定点と基準校正器の第2の基準点との間の第2の相対距離ΔZ2’を算出し、次に、第2の高さΔZ2を得る。第2の高さΔZ2は、現実世界距離におけるパッケージチップ10のパッケージ表面12に沿った点と基準校正器の第2の基準点との間の実際の高さである。
【0100】
ステップ11.1において、第2の点フィルトレーションサブモジュール6171が、最小平均二乗アルゴリズムを通じて第1の高さΔZ1によって規定される平面を基準とした第2の高さΔZ2の誤差の大きさを算出することによって、1つ以上の指定点をフィルタリングする。これは、所定の閾値よりも高い、又はそれよりも低い誤差の大きさを有し得るパッケージ表面12に沿った点をフィルタリングにより除外する役割を果たす。
【0101】
ステップ8~9及びステップ10~11.1はアプリケーションソフトウェア610によって順次に、又は同時に実行され得ることに留意されたい。
【0102】
最後に、ステップ12において、コンタクト高さ決定モジュール618が、前のステップ、ステップ9及びステップ11.1から得られた情報を用いて、第1の高さΔZ1と第2の高さΔZ2との絶対差を算出することによってコンタクト高さHを決定する。
【0103】
これをもって、パッケージチップ10のコンタクト高さHを決定するためのシステム及び方法の説明は完結した。
【0104】
本開示は、添付の請求項に包含されるとおりのもの、及び上述の説明のものを含む。本発明は、ある程度の特定性を持ってその好ましい形態で説明されたが、好ましい形態の開示は単なる例として行われたにすぎず、本発明の範囲から逸脱することなく、構成の詳細、並びに部分の組み合わせ及び配置における数多くの変更が行われ得ることが理解される。
【符号の説明】
【0105】
10 パッケージチップ
11 コンタクト
12 パッケージ表面
20 保持器ユニット
31 照光ユニット
41 第1のカメラ
42 第2のカメラ
43 第3のカメラ
51 第1の画像セット
52 第2の画像セット
60 コンピュータ
61 プロセッサ
62 メモリユニット
610 アプリケーションソフトウェア
611 画像処理モジュール
611 マスタ制御モジュール
612 画像処理モジュール
613 校正モジュール
614 パッケージ表面決定モジュール
614 コンタクト決定モジュール
615 第1の高さ決定モジュール
616 パッケージ表面決定モジュール
617 第2の高さ決定モジュール
618 コンタクト高さ決定モジュール
6131 基準座標空間決定サブモジュール
6161 画像セグメント化サブモジュール
6162 縞決定サブモジュール
6163 点指定サブモジュール
6164 第1の点フィルトレーションサブモジュール
6171 第2の点フィルトレーションサブモジュール
【外国語明細書】