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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155136
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】スピーカモジュール
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20231013BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20231013BHJP
   H02K 33/02 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H04R9/02 101A
B06B1/04 S
H02K33/02 A
H04R9/02 102A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198183
(22)【出願日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】202210361277.1
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 海娟
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲樹▼文
【テーマコード(参考)】
5D012
5D107
5H633
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012BB02
5D012CA09
5D012FA10
5D012GA01
5D012HA01
5D107BB08
5D107CC09
5D107FF10
5H633BB02
5H633GG03
5H633GG06
5H633GG07
5H633HH18
5H633JA03
5H633JB03
5H633JB04
(57)【要約】
【課題】本発明はスピーカモジュールを提供する。
【解決手段】スピーカモジュールは、収容空間を有するハウジングと、収容空間内に収容された振動システムと、収容空間内に収容されて振動システムが振動発音するように駆動する磁気回路システムとを含み、ハウジングは、貫通キャビティを有する支持フレームと、支持フレームの貫通キャビティの開口側に取り付けられたフロントカバーと、支持フレームのフロントカバーから離反する側に取り付けられたバックカバーとを含み、支持フレームの内側には、位置決め構造が設置され、振動システムは、位置決め構造のフロントカバーに近い側に固定され、磁気回路システムは、位置決め構造のバックカバーに近い側に固定され、振動システムとフロントカバーとの間にフロントチャンバが形成され、振動システムは、支持フレーム及びバックカバーは囲んでバックチャンバを形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された振動システムと、前記収容空間内に収容されて前記振動システムが振動発音するように駆動する磁気回路システムとを含み、前記ハウジングは、貫通キャビティを有する支持フレームと、前記支持フレームの貫通キャビティの開口側に取り付けられたフロントカバーと、前記支持フレームの前記フロントカバーから離反する側に取り付けられたバックカバーとを含み、前記支持フレームの内側には、位置決め構造が設置され、前記振動システムは、前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に固定され、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定され、前記振動システムと前記フロントカバーとの間にフロントチャンバが形成され、前記振動システム、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んでバックチャンバを形成し、前記支持フレームは、その内に一体的に射出成形された導電部材を含み、前記導電部材の一端は、前記貫通キャビティに露出しかつ前記振動システムに電気的に接続され、前記導電部材の他端は、前記支持フレームの外側に露出することを特徴とするスピーカモジュール。
【請求項2】
前記導電部材は、前記支持フレーム内に嵌め込まれた接続片と、前記接続片の前記貫通キャビティに近い側から一方の側に向かって折り曲げて延在する内接触片と、前記接続片の前記貫通キャビティから離れる側から一方の側に向かって折り曲げて延在する外接触片とを含み、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記貫通キャビティに露出し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレームの外側に露出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項3】
前記内接触片は、前記支持フレームの内側面に沿って延在し、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設され、
前記外接触片は、前記支持フレームの外側面に沿って延在し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項4】
前記外側接触片のエッジ部には、位置決め切り欠きが開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め切り欠き内に嵌め込まれ、
及び/又は、前記外接触片には、厚さ方向に貫通する位置決め孔が開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め孔内に嵌め込まれていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項5】
前記スピーカモジュールは、前記支持フレームの外側に固定されかつ前記導電部材に電気的に接続されたピンをさらに含み、前記ピンは、前記支持フレームの外面から突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項6】
前記ピンは、前記支持フレームの外側に貼り合わせて取り付けられた固定片と、一端が前記固定片に接続された弾性接続ピンとを含み、前記弾性接続ピンの他端は、前記固定片の前記支持フレームから離反する側に向かって折り曲げて延在することを特徴とする請求項5に記載のスピーカモジュール。
【請求項7】
前記ピンは、前記固定片に接続されかつ前記固定片の前記支持フレームから離反する側に向かって折り曲げて延在するスナップ部をさらに含み、前記スナップ部は、位置制限孔を有し、前記弾性接続ピンの自由端は、前記位置制限孔内に可動に接続されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカモジュール。
【請求項8】
前記支持フレームの前記スナップ部の位置に対応する箇所に退避溝が凹んで形成され、前記位置制限孔は、前記固定片の厚さ方向での投影が前記退避溝内に落ちることを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項9】
前記支持フレームの外側には、内向きに凹んで取付溝が形成され、前記導電部材が前記取付溝の溝壁内に嵌設され、前記ピンは、前記取付溝内に収容されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項10】
前記弾性接続ピンの中部は、前記固定片から離れる方向に向かって折り曲げて接点部を形成し、前記接点部の少なくとも一部は、前記取付溝の溝口外に突出することを特徴とする請求項9に記載のスピーカモジュール。
【請求項11】
前記振動システムは、外縁が前記支持フレームの前記フロントカバーに近い側に接続された第1振動膜と、前記第1振動膜の内縁に接続されたドームと、前記ドームの前記磁気回路システムに近い側に固定されたボイスコイルと、一端が前記ボイスコイルの前記ドームから離れる側に接続されかつ他端が前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に接続されたフレキシブル回路板と、一端が前記フレキシブル回路板と前記位置決め構造との間に挟持固定されかつ他端が前記位置決め構造に接続された第2振動膜とを含み、前記フレキシブル回路板は、前記導電部材の前記貫通キャビティに近い側に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のスピーカモジュール。
【請求項12】
前記ハウジングは、一側が前記支持フレーム内に一体的に射出接続されかつ他側が前記貫通キャビティ内に向かって延在するクランププレートをさらに含み、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークの前記ドームに近い側に固定された中心磁性鋼と、前記磁気ヨークと前記クランププレートとの間に挟持固定された側磁性鋼と、前記中心磁性鋼の前記磁気ヨークから離反する側に固定されたポールプレートとを含み、前記中心磁性鋼と前記側磁性鋼との間に磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップ内に収容されていることを特徴とする請求項11に記載のスピーカモジュール。
【請求項13】
前記磁気ヨークには、通気孔が開設され、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークに貼設されかつ前記通気孔を覆う通気スクリーン板をさらに含み、前記磁気ヨーク、前記通気スクリーン板、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んで充填空間を形成し、
前記バックカバーには、前記充填空間と連通する充填孔が開設され、前記ハウジングは、前記充填孔に封止接続された封止部材をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のスピーカモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発音装置の技術分野に属し、特にスピーカモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置において、スピーカモジュールは、一般的な電子部品であり、主にオーディオ信号の再生に用いられる。関連技術において、スピーカモジュールは、一般的にハウジングと、ハウジング内に収容されたスピーカ単体とを含み、かつ、スピーカ単体は、フレキシブル回路板がハウジングから引き出されて、外部回路に接続される。しかしながら、前述の設置方式のスピーカモジュールは、組立過程においてまずスピーカ単体を組み立てて形成し、その後にスピーカ単体をハウジング内に組み立ててスピーカモジュールを形成する必要があり、かつフレキシブル回路板の製造工程が複雑であり、関連技術のスピーカモジュールの組立工程が複雑であり、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、スピーカモジュールを提供することであり、スピーカモジュールの製造工程及び組立工程を簡略化し、応用コストを低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術案は、以下のとおりである。スピーカモジュールを提供し、当該スピーカモジュールは、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された振動システムと、前記収容空間内に収容されて前記振動システムが振動発音するように駆動する磁気回路システムとを含み、前記ハウジングは、貫通キャビティを有する支持フレームと、前記支持フレームの貫通キャビティの開口側に取り付けられたフロントカバーと、前記支持フレームの前記フロントカバーから離反する側に取り付けられたバックカバーとを含み、前記支持フレームの内側には、位置決め構造が設置され、前記振動システムは、前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に固定され、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定され、前記振動システムと前記フロントカバーとの間にフロントチャンバが形成され、前記振動システム、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んでバックチャンバを形成し、前記支持フレームは、その内に一体的に射出成形された導電部材を含み、前記導電部材の一端は、前記貫通キャビティに露出しかつ前記振動システムに電気的に接続され、前記導電部材の他端は、前記支持フレームの外側に露出する。
【0005】
さらに、前記導電部材は、前記支持フレームに嵌め込まれた接続片と、前記接続片の前記貫通キャビティに近い側から一方の側に向かって折り曲げて延在する内接触片と、前記接続片の前記貫通キャビティから離れる側から一方の側に向かって折り曲げて延在する外接触片とを含み、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記貫通キャビティに露出し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレームの外側に露出する。
【0006】
さらに、前記内接触片は、前記支持フレームの内側面に沿って延在し、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設され、
前記外接触片は、前記支持フレームの外側面に沿って延在し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設されている。
【0007】
さらに、前記外側接触片のエッジ部には、位置決め切り欠きが開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め切り欠き内に嵌め込まれ、
及び/又は、前記外接触片には、厚さ方向に貫通する位置決め孔が開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め孔内に嵌め込まれている。
【0008】
さらに、前記スピーカモジュールは、前記支持フレームの外側に固定されかつ前記導電部材に電気的に接続されたピンをさらに含み、前記ピンは、前記支持フレームの外面から突出する。
【0009】
さらに、前記ピンは、前記支持フレームの外側に貼り合わせて取り付けられた固定片と、一端が前記固定片に接続された弾性接続ピンとを含み、前記弾性接続ピンの他端は、前記固定片の前記支持フレームから離反する側に折り曲げて延在する。
【0010】
さらに、前記ピンは、前記固定片に接続されかつ前記固定片の前記支持フレームから離反する側に向かって折り曲げて延在するスナップ部をさらに含み、前記スナップ部は位置制限孔を有し、前記弾性接続ピンの自由端は、前記位置制限孔内に可動に接続されている。
【0011】
さらに、前記支持フレームの前記スナップ部の位置に対応する箇所に退避溝が凹んで形成され、前記位置制限孔は、前記固定片の厚さ方向での投影が前記退避溝内に落ちる。
【0012】
さらに、前記支持フレームの外側には、内向きに凹んで取付溝が形成され、前記導電部材が前記取付溝の溝壁内に嵌設され、前記ピンは、前記取付溝内に収容されている。
【0013】
さらに、前記弾性接続ピンの中部は、前記固定片から離れる方向に向かって折り曲げて接点部を形成し、前記接点部の少なくとも一部は、前記取付溝の溝口外に突出する。
【0014】
さらに、前記振動システムは、外縁が前記支持フレームの前記フロントカバーに近い側に接続された第1振動膜と、前記第1振動膜の内縁に接続されたドームと、前記ドームの前記磁気回路システムに近い側に固定されたボイスコイルと、一端が前記ボイスコイルの前記ドームから離れる側に接続されかつ他端が前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に接続されたフレキシブル回路板と、一端が前記フレキシブル回路板と前記位置決め構造との間に挟持固定されかつ他端が前記位置決め構造に接続された第2振動膜とを含み、前記フレキシブル回路板は、前記導電部材の前記貫通キャビティに近い側に電気的に接続されている。
【0015】
さらに、前記ハウジングは、一側が前記支持フレーム内に一体的に射出接続されかつ他側が前記貫通キャビティ内に向かって延在するクランププレートをさらに含み、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークの前記ドームに近い側に固定された中心磁性鋼と、前記磁気ヨークと前記クランププレートとの間に挟持固定された側磁性鋼と、前記中心磁性鋼の前記磁気ヨークから離反する側に固定されたポールプレートとを含み、前記中心磁性鋼と前記側磁性鋼との間に磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップ内に収容されている。
【0016】
さらに、前記磁気ヨークには、通気孔が開設され、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークに貼設されかつ前記通気孔を覆う通気スクリーン板をさらに含み、前記磁気ヨーク、前記通気スクリーン板、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んで充填空間を形成し、
前記バックカバーには、前記充填空間と連通する充填孔が開設され、前記ハウジングは、前記充填孔に封止接続された封止部材をさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。導電部材は、支持フレーム内に一体的に射出成形され、スピーカモジュールを組み立てる過程において、振動システム及び磁気回路システムを位置決め構造の対向する両側に直接的に取り付け、組立後、振動システムは、導電部材の内側に電気的に接続され、それにより貫通キャビティ内に収容されたスピーカコアを形成し、その後にフロントカバー及びバックカバーをそれぞれ支持フレームの両側に組み立て、スピーカモジュールを形成する。スピーカモジュールは、導電部材が支持フレーム外の一方の側に露出することにより、外部回路と電気的に接続されることができる。本解決手段において、スピーカ単体を組み立て形成する組立工程は必要がなく、かつ振動システムは、支持フレーム内の導電部材により外部回路との接触式電気的接続を実現することができ、スピーカモジュールの製造工程及び組立工程を簡略化し、かつ応用する時により便利で迅速であり、応用コストがより低い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のスピーカモジュールの全体構造概略図である。
図2】本発明のスピーカモジュールの図1に示すA-A方向における断面図である。
図3】本発明のスピーカモジュールの図1に示すB-B方向における断面図である。
図4】本発明のスピーカモジュールの立体分解構造概略図である。
図5】本発明のスピーカモジュールにおける導電部材の立体構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0020】
図1~5に示すように、スピーカモジュールを提供し、当該スピーカモジュールは、収容空間を有するハウジング1と、収容空間内に収容された振動システム2と、収容空間内に収容されて前記振動システムが振動発音するように駆動する磁気回路システム3とを含み、ハウジング1は、貫通キャビティを有する支持フレーム11と、支持フレーム11の貫通キャビティの開口側に取り付けられたフロントカバー12と、支持フレーム11のフロントカバー12から離反する側に取り付けられたバックカバー13とを含み、支持フレーム11の内側には、位置決め構造111が設置され、振動システム2は、位置決め構造111のフロントカバー12に近い側に固定され、磁気回路システム3は、位置決め構造111のバックカバー13に近い側に固定され、振動システム2とフロントカバー12との間にフロントチャンバ10が形成され、振動システム2、支持フレーム11及びバックカバー13は、囲んでバックチャンバ20を形成し、支持フレーム11は、その内に一体的に射出成形された導電部材112を含み、導電部材112の一端は、貫通チャンバに露出しかつ振動システム2に電気的に接続され、導電部材112の他端は支持フレーム11の外側に露出する。
【0021】
導電部材112は、支持フレーム11内に一体的に射出成形され、スピーカモジュールを組み立てる過程において、振動システム2及び磁気回路システム3を位置決め構造111の対向する両側に直接取り付け、組立後、振動システム2は、導電部材112の内側に電気的に接続され、それにより貫通キャビティ内に収容されたスピーカコアを形成し、その後、フロントカバー12及びバックカバー13をそれぞれ支持フレーム11の両側に組み立て、スピーカモジュールを形成する。スピーカモジュールは、導電部材112が支持フレーム11の外の一方の側に露出することにより、外部回路に電気的に接続することができる。本解決手段において、スピーカ単体を組み立て形成する組立工程は、必要がなく、かつ振動システム2は、支持フレーム11内の導電部材112により外部回路との接触式の電気的接続を実現することができ、スピーカモジュールの製造工程及び組立工程を簡略化し、かつ応用する時により便利で迅速であり、適用コストがより低い。
【0022】
図3~5に示すとおり、導電部材112は、支持フレーム11内に嵌め込まれた接続片1121と、接続片1121の貫通キャビティに近い側から一方の側に向かって折り曲げて延在する内接触片1122と、接続片1121の貫通キャビティから離れる側から一方の側に向かって折り曲げて延在する外接触片1123とを含み、内接触片1122は、少なくとも部分的に貫通キャビティに露出し、外接触片1123は、少なくとも部分的に前記支持フレームの外側に露出する。
【0023】
内接触片1122は、支持フレーム11の内側面に沿って延在し、内接触片1122は、少なくとも部分的に支持フレーム11内に嵌設され、外接触片1123は、支持フレーム11の外側面に沿って延在し、外接触片1123は、少なくとも部分的に支持フレーム11内に嵌設されている。具体的には、本実施例において、内接触片1122の内側面は、支持フレーム11の対応する位置の内側面と面一であり、外接触片1123の外側面は、支持フレーム11の対応する位置の外側面と面一であり、このように接続片1121と支持フレーム11との間の全体性をよりよくすることができ、それにより、支持フレーム11は、内側又は外側面がいずれもより平坦であることにより、組立過程がより円滑で確実であることを保証する。
【0024】
導電部材112と支持フレーム11との接続安定性を向上させるために、外部接触片1123のエッジ部に位置決め切り欠き11231が開設され、支持フレーム11の少なくとも一部の材料が位置決め切り欠き11231内に嵌め込まれる。具体的には、本実施例において、外接触片1123の対向する両側のエッジ部には、それぞれC型の開口が開設され、外接触片1123の面積が内接触片1122の面積より大きく、かつ内接触片1122は、振動システム2の振動方向での投影が外接触片1123の該方向での投影内に落ちる。支持フレーム11は、プラスチック材料で射出成形され、射出成形過程において、導電部材112が支持フレーム11内に嵌め込まれ、プラスチック材料がC型の開口内に流れ込み、それにより外接触片1123を位置規制し、導電部材112と支持フレーム11との間の接続をより確実に安定させる。導電部材112が射出成形方式により支持フレーム11内に直接的に成形されるため、余分なFPCを設けて内部振動システム2に接続する必要がない。したがって、製造難易度を低下させ、組み立てが完了した後のスピーカモジュールの隙間を減少させ、封止性を向上させることができる。いくつかの実施例において、外接触片1123に厚さ方向に貫通する位置決め孔が開設されてもよく、支持フレーム11の少なくとも一部の材料が位置決め孔内に嵌め込まれ、それにより導電部材112と支持フレーム11との接続密着性をさらに向上させる。
【0025】
本実施例において、支持フレーム11に2つの導電部材112が対称的に設置され、2つの導電部材112は、それぞれ支持フレーム11の2つの角部位置に設置され、好ましくは、同一側面が位置する2つの角部位置に設けられる。
【0026】
図1、3及び5に示すとおり、ピン4は、支持フレーム11の外側に貼り合わせて取り付けられた固定片41と、一端が固定片41に接続された弾性接続ピン42とを含み、弾性接続ピン42の他端は、固定片41の支持フレーム11から離れる側に向かって折り曲げて延在する。組み立てが完了したスピーカモジュールは、外部回路に接続される時、弾性接続ピン42と外部回路の対応する接点を位置合わせて押し付けるだけで、外部回路との電気的接続を実現することができ、便利で迅速であり、応用コストが低い。いくつかの実施例において、ピン4は、外部回路に設置されてもよく、すなわちスピーカモジュールと外部回路を接続する場合、外部回路のピン4と導電部材112の外接触片1123とを緊密に当接させて接触するだけで電気的接続を実現する。
【0027】
本実施例において、ピン4は、固定片41に接続されかつ固定片41の支持フレーム11にから離反する側に向かって折り曲げて延在するスナップ部43をさらに含み、スナップ部43は、位置制限孔431を有し、弾性接続ピン42の自由端は、位置制限孔431内に可動に接続されている。具体的には、スナップ部43と固定片41との接続部は、弾性接続ピン42と固定片41との接続部の対向側に位置し、弾性接続ピン42の自由端は、位置制限孔431内に可動に接続されているため、位置制限孔431は、弾性接続ピン42を位置規制することができ、それにより弾性接続ピン42は、所定の範囲内で移動することができる。
【0028】
支持フレーム11のスナップ部43の位置に対応する箇所に退避溝1131が凹んで形成され、位置制限孔431は、固定片41の厚さ方向での投影が前記退避溝1131内に落ちる。退避溝1131は、弾性接続ピン42が弾性変形する時に弾性接続ピン42の端部を収容することができる。したがって、弾性接続ピン42は、より大きな変形範囲を有し、外部回路と組み立てる時に適用範囲がより広い。
【0029】
スピーカモジュールの組立完成品の全体性をよりよくして、輸送をしやすくし、かつ、スピーカモジュールと外部回路との接触接続を容易にするために、支持フレーム11の外側に内向きに凹んで取付溝113が形成され、導電部材112が取付溝113の溝壁内に嵌設され、ピン4が取付溝113内に収容される。具体的には、本実施例において、支持フレーム11の同一側の2つの角部位置には、それぞれ1つの取付溝113が凹んで形成され、2つ取付溝113が対称に分布し、取付溝113の溝底には、退避溝1131が開設され、外接触片1123が取付溝113の溝底に嵌設され、かつ、外接触片1123の外面が取付溝113の溝底面と面一であり、固定片41が取付溝113の溝底に固定され、固定片41が溶接方式又はねじ接続等の方式で外接触片1123との電気的接続を実現することができる。弾性接続ピン42の中部は、固定片41から離れる方向に向かって折り曲げて接点部421を形成し、接点部421の少なくとも一部は、取付溝113の溝口外に突出する。スピーカモジュールと外部回路を組み立てる時、接点部421を外部回路に向けるだけで、その後接点部421と外部回路の接点を緊密に当接させるだけで、電気的接続を実現することができる。また、電気的に接続された後に支持フレーム11の一方の側は、製品の組立面に密着することができ、ピン4は、完全的に取付溝113内に収容され、空間をより節約することができる。また、取付溝113の溝底と振動システム2との間に間隔が形成され、該間隔は、バックチャンバ20の一部となり、それによりバックチャンバ20の体積を向上させることにより、スピーカの発音性能を向上させる。
【0030】
振動システム2は、外縁が支持フレーム11のフロントカバー12に近い側に接続された第1振動膜21と、第1振動膜21の内縁に接続されたドーム22と、ドーム22の磁気回路システム3に近い側に固定されたボイスコイル23と、一端がボイスコイル23のドーム22から離れる側に接続されかつ他端が位置決め構造111のフロントカバー12に近い側に接続されたフレキシブル回路板24と、一端がフレキシブル回路板24と位置決め構造111との間に挟持固定されかつ他端が位置決め構造111に接続された第2振動膜25とを含み、フレキシブル回路板24は、導電部材112の貫通キャビティに近い側に電気的に接続されている。
【0031】
具体的には、第1振動膜21の外縁が支持フレーム11の一側に貼り合わせて接続され、フロントカバー12が第1振動膜21の支持フレーム11から離反する側に設置されかつ支持フレーム11に固定され、第1振動膜21がフロントカバー12と支持フレーム11との間に挟持固定され、フロントカバー12と第1振動膜21は、囲んでフロントチャンバ10を形成し、フロントカバー12には、フロントチャンバ10と連通する音出し孔121が開設され、フロントカバー12の支持フレーム11から離反する側に防塵スクリーン板122が設置され、防塵スクリーン板122が音出し孔121を覆う。フレキシブル回路板24と第2振動膜25がいずれも対称的に2つ設置され、それにより振動システム2の振動安定性を保証し、そのうちの1つのフレキシブル回路板24が取付溝113の位置に対応し、かつ、該フレキシブル回路板24の一側がボイスコイル23に電気的に接続され、該フレキシブル回路板24の他側が位置決め構造111に貼設され、具体的には取付溝113の溝底の内側に貼設され、すなわち取付溝113の溝底が位置決め構造111の一部とし、また、内接触片1122が取付溝113の溝底内に位置しかつ一側が該溝底の内側と面一である。したがって、該フレキシブル回路板24が該内側接触片1122に電気的に接続することができる。
【0032】
ハウジング1は、一側が支持フレーム11内に一体的に射出接続されかつ他側が貫通キャビティ内に向かって延在するクランププレート14をさらに含み、磁気回路システム3は、位置決め構造111のバックカバー13に近い側に固定された磁気ヨーク31と、磁気ヨーク31のドーム22に近い側に固定された中心磁性鋼32と、磁気ヨーク31とクランププレート14との間に挟持固定された側磁性鋼33と、中心磁性鋼32の磁気ヨーク31から離反する側に固定されたポールプレート34とを含み、中心磁性鋼32と側磁性鋼33との間に磁気ギャップが形成され、ボイスコイル23は、磁気ギャップ内に収容されている。具体的には、本実施例において、磁気回路システム3は、対称的に設置された2つのクランププレート14を含み、クランププレート14の一方の側には、突出する位置制限突起と、その板面に垂直な方向に向かって延在する嵌合突起とが設置されている。位置制限突起及び嵌合突起は、いずれも支持フレーム11内に一体的に射出成形され、それによりクランププレート14と支持フレーム11の接続安定性を保証し、クランププレート14と磁気ヨーク31の共同作用で、中心磁性鋼32と側磁性鋼33をいずれも支持フレーム11に安定的に接続することができる。
【0033】
磁気ヨーク31に通気孔311が開設され、磁気回路システム3は、磁気ヨーク31に貼設されかつ通気孔311を覆う通気スクリーン板35をさらに含み、磁気ヨーク31、通気スクリーン板35、支持フレーム11及びバックカバー13は、囲んで充填空間を形成する。バックカバー13には、充填空間に連通する充填孔131が開設されている。ハウジング1は、充填孔131に封止接続された封止部材15をさらに含む。具体的には、磁気ヨーク31に対称的な2つの通気孔311が開設され、2つの通気孔311は、それぞれ2つフレキシブル回路板24の位置に対応し、かつ各通気孔311は、いずれも通気スクリーン板35を覆い、すなわちバックチャンバ20が磁気ヨーク31と通気スクリーン板35により2つのサブキャビティに仕切られ、そのうちの1つのサブキャビティは、充填空間である。スピーカモジュールの組み立てを完了した後、充填孔131を介して充填空間内に吸音材料を充填することができる。ここで、通気スクリーン板35は、吸音材料が磁気回路システム3内に入ることを防止することができ、充填が完了した後に封止部材15で充填空間を封止することができ、吸音材料の充填によりスピーカモジュールの発音性能を向上させることができる。
【0034】
前記のようなことは本発明の実施例だけであり、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、さらに改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属するものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された振動システムと、前記収容空間内に収容されて前記振動システムが振動発音するように駆動する磁気回路システムとを含み、前記ハウジングは、貫通キャビティを有し、前記ハウジングの一部である支持フレームと、前記支持フレームの貫通キャビティの開口側に取り付けられたフロントカバーと、前記支持フレームの前記フロントカバーから離反する側に取り付けられたバックカバーとを含み、前記支持フレームの内側には、位置決め構造が設置され、前記振動システムは、前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に固定され、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定され、前記振動システムと前記フロントカバーとの間にフロントチャンバが形成され、前記振動システム、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んでバックチャンバを形成し、前記支持フレームは、その内に一体的に射出成形された導電部材を含み、前記導電部材の一端は、前記貫通キャビティに露出しかつ前記振動システムに電気的に接続され、前記導電部材の他端は、前記支持フレームの外側に露出して前記ハウジングの外部の回路と電気的に接続されることができることを特徴とするスピーカモジュール。
【請求項2】
前記導電部材は、前記支持フレーム内に嵌め込まれた接続片と、前記接続片の前記貫通キャビティに近い側から一方の側に向かって折り曲げて延在する内接触片と、前記接続片の前記貫通キャビティから離れる側から一方の側に向かって折り曲げて延在する外接触片とを含み、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記貫通キャビティに露出し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレームの外側に露出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項3】
前記内接触片は、前記支持フレームの内側面に沿って延在し、前記内接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設され、
前記外接触片は、前記支持フレームの外側面に沿って延在し、前記外接触片は、少なくとも部分的に前記支持フレーム内に嵌設されていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項4】
前記外接触片のエッジ部には、位置決め切り欠きが開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め切り欠き内に嵌め込まれ、
及び/又は、前記外接触片には、厚さ方向に貫通する位置決め孔が開設され、前記支持フレームの少なくとも一部の材料が前記位置決め孔内に嵌め込まれていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカモジュール。
【請求項5】
前記スピーカモジュールは、前記支持フレームの外側に固定されかつ前記導電部材に電気的に接続されたピンをさらに含み、前記ピンは、前記支持フレームの外面から突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項6】
前記ピンは、前記支持フレームの外側に貼り合わせて取り付けられた固定片と、一端が前記固定片に接続された弾性接続ピンとを含み、前記弾性接続ピンの他端は、前記固定片の前記支持フレームから離反する側に向かって折り曲げて延在することを特徴とする請求項5に記載のスピーカモジュール。
【請求項7】
前記ピンは、前記固定片に接続されかつ前記固定片の前記支持フレームから離反する側に向かって折り曲げて延在するスナップ部をさらに含み、前記スナップ部は、位置制限孔を有し、前記弾性接続ピンの自由端は、前記位置制限孔内に可動に接続されていることを特徴とする請求項6に記載のスピーカモジュール。
【請求項8】
前記支持フレームの前記スナップ部の位置に対応する箇所に退避溝が凹んで形成され、前記位置制限孔は、前記固定片の厚さ方向での投影が前記退避溝内に落ちることを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項9】
前記支持フレームの外側には、内向きに凹んで取付溝が形成され、前記導電部材が前記取付溝の溝壁内に嵌設され、前記ピンは、前記取付溝内に収容されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項10】
前記弾性接続ピンの中部は、前記固定片から離れる方向に向かって折り曲げて接点部を形成し、前記接点部の少なくとも一部は、前記取付溝の溝口外に突出することを特徴とする請求項9に記載のスピーカモジュール。
【請求項11】
前記振動システムは、外縁が前記支持フレームの前記フロントカバーに近い側に接続された第1振動膜と、前記第1振動膜の内縁に接続されたドームと、前記ドームの前記磁気回路システムに近い側に固定されたボイスコイルと、一端が前記ボイスコイルの前記ドームから離れる側に接続されかつ他端が前記位置決め構造の前記フロントカバーに近い側に接続されたフレキシブル回路板と、一端が前記フレキシブル回路板と前記位置決め構造との間に挟持固定されかつ他端が前記位置決め構造に接続された第2振動膜とを含み、前記フレキシブル回路板は、前記導電部材の前記貫通キャビティに近い側に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のスピーカモジュール。
【請求項12】
前記ハウジングは、一側が前記支持フレーム内に一体的に射出接続されかつ他側が前記貫通キャビティ内に向かって延在するクランププレートをさらに含み、前記磁気回路システムは、前記位置決め構造の前記バックカバーに近い側に固定された磁気ヨークと、前記磁気ヨークの前記ドームに近い側に固定された中心磁性鋼と、前記磁気ヨークと前記クランププレートとの間に挟持固定された側磁性鋼と、前記中心磁性鋼の前記磁気ヨークから離反する側に固定されたポールプレートとを含み、前記中心磁性鋼と前記側磁性鋼との間に磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップ内に収容されていることを特徴とする請求項11に記載のスピーカモジュール。
【請求項13】
前記磁気ヨークには、通気孔が開設され、前記磁気回路システムは、前記磁気ヨークに貼設されかつ前記通気孔を覆う通気スクリーン板をさらに含み、前記磁気ヨーク、前記通気スクリーン板、前記支持フレーム及び前記バックカバーは、囲んで充填空間を形成し、
前記バックカバーには、前記充填空間と連通する充填孔が開設され、前記ハウジングは、前記充填孔に封止接続された封止部材をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のスピーカモジュール。