(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155138
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】スピーカボックス
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20231013BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H04R1/02 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198827
(22)【出願日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】202210361090.1
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲樹▼文
(72)【発明者】
【氏名】葛 振凡
【テーマコード(参考)】
5D017
5E322
【Fターム(参考)】
5D017AD40
5E322AA03
5E322AA05
5E322AB06
5E322AB11
5E322FA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、スピーカボックスを開示する。
【解決手段】当該スピーカボックスは、収容キャビティを有するハウジングと、収容キャビティ内に固定され、収容キャビティを密閉された後音響チャンバ及びハウジングの外部に連通する前音響チャンバに仕切る発音ユニットとを含み、収容キャビティの壁体内には、熱交換チャンバが設けられ、熱交換チャンバ内には、熱交換媒体が充填されている。従来技術に比べて、本発明は、ハウジング内に熱交換媒体が充填された熱交換チャンバを設けることにより、スピーカボックスが動作状態にあり、発音ユニットが振動して熱を生成し、熱が収容キャビティの壁体を介して熱交換媒体に伝導され、熱交換媒体が外部空気と接触して熱交換を行って熱を放出し、それによりスピーカボックスの放熱効率を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に固定され、前記収容キャビティを密閉された後音響チャンバ及び前記ハウジングの外部に連通する前音響チャンバに仕切る発音ユニットと、を含むスピーカボックスであって、
前記収容キャビティの壁体内に熱交換チャンバが設けられ、前記熱交換チャンバ内に熱交換媒体が充填されていることを特徴とするスピーカボックス。
【請求項2】
前記発音ユニットは、支持体及び発音単体を含み、
前記支持体の第1端は、前記収容キャビティ内に収容され、前記ハウジングには、前記収容キャビティに連通する第1溝が開設され、前記支持体の第2端は、前記第1溝を介して前記ハウジングの外部まで延在し、前記支持体には、第2溝及び第3溝が設けられ、前記第2溝は、前記支持体の第1端を貫通し、前記第3溝の一端は、前記支持体の第2端に開口を形成し、前記第3溝の他端は、前記第2溝に連通するまで延在し、
前記発音単体は、前記第2溝に支持され、前記発音単体、前記収容キャビティ、前記第2溝及び前記第3溝は、共同して前記前音響チャンバを囲み、前記発音単体、前記支持体及び前記収容キャビティは、共同して密閉された前記後音響チャンバを囲むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカボックス。
【請求項3】
前記ハウジングは、頂壁、底壁及び周壁を含み、前記頂壁及び前記底壁は、間隔を隔てて設けられ、前記周壁は、前記頂壁及び前記底壁に接続され、前記収容キャビティは、前記頂壁、前記底壁及び前記周壁で取り囲まれるように形成され、前記第1溝は、前記周壁に開設され、前記支持体及び前記熱交換チャンバは、いずれも前記底壁に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカボックス。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記発音単体の振動方向に沿ってそれぞれ前記発音単体の対向する両側に蓋設されたフロントカバー及びリアカバーを含み、前記リアカバーは、前記フロントカバーに対向して設けられたリアカバー主板と、前記リアカバー主板の外周縁から前記フロントカバーの方向へ折り曲げて延在し且つ前記フロントカバーに固定接続されたリアカバー側板とを含み、前記リアカバー側板は、前記フロントカバーに当接して密封固定を形成し、前記リアカバー主板の壁体は、前記頂壁を形成し、前記リアカバー側板の壁体は、前記周壁を形成し、前記フロントカバーの壁体は、前記底壁を形成することを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項5】
前記熱交換チャンバは、前記底壁のエッジに設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項6】
前記底壁のエッジが凹んで第4溝が形成され、前記底壁には、前記第4溝を密封するためのカバープレートが更に設けられ、前記カバープレートの内壁及び前記第4溝の溝壁が取り囲んで前記熱交換チャンバを形成することを特徴とする請求項5に記載のスピーカボックス。
【請求項7】
前記ハウジング及び前記カバープレートは、いずれも金属材質であることを特徴とする請求項6に記載のスピーカボックス。
【請求項8】
前記カバープレートと前記底壁は、溶接により貼り合わせて密封されることを特徴とする請求項7に記載のスピーカボックス。
【請求項9】
前記第2溝は、段差溝であることを特徴とする請求項2に記載のスピーカボックス。
【請求項10】
前記周壁には、前記後音響チャンバに連通する第5溝が開設され、前記ハウジングには、前記ハウジングに貼り合わせられたシールカバーが開設され、前記シールカバーは、前記第5溝を完全に覆うことを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に関し、特にスピーカボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカボックスは、携帯型モバイル電子製品(例えば、携帯電話)に広く応用され、オーディオ信号を音声に変換して再生することを実現する。スピーカボックスは、音量が大きく、低周波の音声効果が高い。
【0003】
従来技術のスピーカボックスは、フロントカバー、前記フロントカバーに蓋設され且つ収容空間を共に囲むリアカバー、及び、前記収容空間内に収容された発音単体を含み、前記発音単体は、前記収容空間を前音響チャンバ及び後音響チャンバに仕切る。しかしながら、従来技術のスピーカボックスの放熱性が低くて更に音響性能が制限されてしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題に鑑み、本発明は、従来技術における技術的課題を解決し、良好な放熱性を有するスピーカボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本発明は、スピーカボックスを提供し、当該スピーカボックスは、
【0006】
収容キャビティを有するハウジングと、
【0007】
前記収容キャビティ内に固定され、前記収容キャビティを密閉された後音響チャンバ及び前記ハウジングの外部に連通する前音響チャンバに仕切る発音ユニットとを含み、
【0008】
前記収容キャビティの壁体内に熱交換チャンバが設けられ、前記熱交換チャンバ内に熱交換媒体が充填されている。
【0009】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記発音ユニットは、支持体及び発音単体を含み、
【0010】
前記支持体の第1端は、前記収容キャビティ内に収容され、前記ハウジングには、前記収容キャビティに連通する第1溝が開設され、前記支持体の第2端は、前記第1溝を介して前記ハウジングの外部まで延在し、前記支持体には、第2溝及び第3溝が設けられ、前記第2溝は、前記支持体の第1端を貫通し、前記第3溝の一端は、前記支持体の第2端に開口を形成し、前記第3溝の他端は、前記第2溝に連通するまで延在し、
【0011】
前記発音単体は、前記第2溝に支持され、前記発音単体、前記収容キャビティ、前記第2溝及び前記第3溝は、共同して前記前音響チャンバを囲み、前記発音単体、前記支持体及び前記収容キャビティは、共同して密閉された前記後音響チャンバを囲む。
【0012】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記ハウジングは、頂壁、底壁及び周壁を含み、前記頂壁及び前記底壁は、間隔を隔てて設けられ、前記周壁は、前記頂壁及び前記底壁に接続され、前記収容キャビティは、前記頂壁、前記底壁及び前記周壁で取り囲まれるように形成され、前記第1溝は、前記周壁に開設され、前記支持体及び前記熱交換チャンバは、いずれも前記底壁に設けられている。
【0013】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記ハウジングは、前記発音単体の振動方向に沿ってそれぞれ前記発音単体の対向する両側に蓋設されたフロントカバー及びリアカバーを含み、前記リアカバーは、前記フロントカバーに対向して設けられたリアカバー主板と、前記リアカバー主板の外周縁から前記フロントカバーの方向へ折り曲げて延在し且つ前記フロントカバーに固定接続されたリアカバー側板とを含み、前記リアカバー側板は、前記フロントカバーに当接して密封固定を形成し、前記リアカバー主板の壁体は、前記頂壁を形成し、前記リアカバー側板の壁体は、前記周壁を形成し、前記フロントカバーの壁体は、前記底壁を形成する。
【0014】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記熱交換チャンバは、前記底壁のエッジに設けられている。
【0015】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記底壁のエッジが凹んで第4溝が形成され、前記底壁には、前記第4溝を密封するためのカバープレートが更に設けられ、前記カバープレートの内壁及び前記第4溝の溝壁が取り囲んで前記熱交換チャンバを形成する。
【0016】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記ハウジング及び前記カバープレートは、いずれも金属材質である。
【0017】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記カバープレートと前記底壁は、溶接により貼り合わせて密封される。
【0018】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記第2溝は、段差溝である。
【0019】
上述したスピーカボックスにおいて、好ましくは、前記周壁には、前記後音響チャンバに連通する第5溝が開設され、前記ハウジングには、前記ハウジングに貼り合わせられたシールカバーが開設され、前記シールカバーは、前記第5溝を完全に覆う。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べて、本発明は、ハウジング内に熱交換媒体が充填された熱交換チャンバを設けることにより、スピーカボックスが動作状態にあり、発音ユニットが振動して熱を生成し、熱が収容キャビティの壁体を介して熱交換媒体に伝導され、熱交換媒体が外部空気と接触して熱交換を行って熱を放出し、それによりスピーカボックスの放熱効率を向上させる。
【0021】
上記説明は、本発明の技術的解決手段の概要に過ぎない。本発明の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかにするために、以下に本発明の具体的な実施形態を特に挙げる。
以下の好ましい実施形態に対する詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及び利点は当業者にとって明らかになる。図面は好ましい実施形態を示すためだけに用いられ、本発明を限定するものではない。且つ全ての図面において、同じ符号で同じ部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例に関わる全体構造の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に関わる全体構造の分解概略図である。
【
図3】本発明の実施例に関わる全体構造の正面図である。
【
図5】本発明の実施例に関わるフロントカバーの斜視図である。
【
図6】本発明の実施例に関わるフロントカバーとカバープレートが結合状態での斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に関わるリアカバーの角度の斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に関わるリアカバーの別の角度の斜視図である。
【0023】
図面において、図面は実際の比率に応じて描かれない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0025】
従来技術におけるスピーカボックスは、放熱性が低いという技術的欠陥が存在し、研究により、スピーカボックス内の発音単体が動作状態にある時、生成された熱は、空気により後音響チャンバ及び前音響チャンバに伝送して放熱し、一方で発音単体を支持するブラケットは、プラスチック構造であり、その熱伝導性が低く、放熱効率が低く、一方後音響チャンバの熱空気は、後音響チャンバ内に密封され、1つの漏孔を介して外部空気と接触することができ、それにより放熱性が低く更に音響性能が制限されることを見出した。
【0026】
スピーカボックス10の放熱機能を向上させるために、
図1~
図8に示すように、出願人は、スピーカボックス10を提供し、当該スピーカボックス10は、ハウジング100及び発音ユニットを含み、
【0027】
ハウジング100の内部に収容キャビティ101を有し、発音ユニットは、収容キャビティ101内に固定され、発音ユニットは、振動発音のための振動膜を有し、発音ユニットは、収容キャビティ101を密閉された後音響チャンバ1012及びハウジング100の外部に連通する前音響チャンバ1011に仕切り、振動膜は、前音響チャンバ1011内に収容される。
【0028】
収容キャビティ101の壁体内に熱交換チャンバ102が設けられ、熱交換チャンバ102は、前音響チャンバ1011及び/又は後音響チャンバ1012に位置し、好ましくは、熱交換チャンバ102は、後音響チャンバ1012が位置する壁体内に位置し、熱交換チャンバ102内に熱交換媒体が充填され、熱交換媒体は、好ましくは冷却液であり、スピーカボックス10は、動作状態にあり、発音ユニットが振動して熱を生成し、熱が熱交換チャンバ102の壁体を介して熱交換媒体に伝導され、熱交換媒体が外部空気と接触して熱交換を行って熱を放出し、それによりスピーカボックス10の放熱効率を向上させる。
【0029】
更に、
図2、
図4及び
図7に示すように、発音ユニットは、支持体200及び発音単体300を含み、
【0030】
支持体200の第1端は、収容キャビティ101内に固定的に収容され、ハウジング100には、収容キャビティ101に連通する第1溝103が開設され、支持体200の第2端は、第1溝103を介しハウジング100の外部まで延在し、好ましくは、支持体200がプラスチック材料で製造され且つ環状構造を呈し、支持体200には、第2溝201及び第3溝202が設けられ、第2溝201は、支持体200の第1端を貫通し、第3溝202の一端は、支持体200の第2端に開口を形成し、開口がハウジング100の外部に位置し、第3溝202の他端は、第2溝201に連通するまで延在し、当該構造がスピーカボックス10の側発音構造を形成することによりスピーカボックス10の外形が機械全体の外形にマッチングするため、スピーカボックス10が機械全体での柔軟な組み立てに役立つ。
【0031】
発音単体300は、第2溝201に支持され、発音単体300の振動膜が設けられる側は、第2溝201に向かって設けられ、且つ収容キャビティ101の内壁面と間隔を隔てて設けられ、第2溝201の溝壁は、発音単体300の周側を取り囲み、発音単体300と第2溝201は、密封固定を形成し、発音単体300、収容キャビティ101、第2溝201及び第3溝202は、共同して前音響チャンバ1011を囲み、発音単体300、支持体200及び収容キャビティ101は、共同して密閉された後音響チャンバ1012を囲む。
【0032】
更に、ハウジング100は、頂壁、底壁及び周壁を含み、頂壁及び底壁は、間隔を隔てて設けられ、周壁は、頂壁及び底壁に接続され、収容キャビティ101は、頂壁、底壁及び周壁で取り囲まれるように形成され、第1溝103は、周壁に開設され、支持体200及び熱交換チャンバ102は、いずれも底壁に設けられ、発音単体300は、支持体200に支持され、それにより底壁に振動して発音し、熱が底壁に集中し、熱交換チャンバ102も底壁に設けられ、熱交換チャンバ102の熱伝導効果がより高く、更に放熱効果を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、ハウジング100は、分離型構造であり、成形加工及び組み立てを容易にし、具体的には、ハウジング100は、発音単体300の振動膜の振動方向に沿ってそれぞれ発音単体300の対向する両側に蓋設されたフロントカバー104及びリアカバー105を含み、フロントカバー104は、板体構造であり、リアカバー105は、フロントカバー104に対向して設けられたリアカバー主板1051と、リアカバー主板1051の外周縁からフロントカバー104の方向へ折り曲げて延在し且つフロントカバー104に固定接続されたリアカバー側板1052とを含む。リアカバー側板1052は、フロントカバー104に当接して密封固定を形成し、リアカバー主板1051の壁体は、頂壁を形成し、リアカバー側板1052の壁体は、周壁を形成し、フロントカバー104の壁体は、底壁を形成し、支持体200は、フロントカバー104に固定される。
【0034】
更に、熱交換チャンバ102は、フロントカバー104のエッジに設けられ、熱交換チャンバ102は、発音単体300を取り囲んで設けられ、且つフロントカバー104とリアカバー105との接続部に近接することにより、熱交換チャンバ102は、フロントカバー104とリアカバー105の放熱作用を兼ねることができ、発音単体300の振動により生成された熱は、フロントカバー104を介して熱交換チャンバ102に伝達され、更に熱交換チャンバ102内の冷却液と空気との熱交換により降温し、熱交換チャンバ102の延伸方向は、フロントカバー104のエッジの形状とマッチングし、それにより成形が簡単であり、より良好な熱伝導性を有し、放熱効果がより優位である。
【0035】
更に、
図5及び
図6に示すように、フロントカバー104のエッジがハウジング100の外部から収容キャビティ101内へ凹んで第4溝1021が形成され、第4溝1021の延伸方向は、フロントカバー104のエッジの形状とマッチングし、フロントカバー104には、更に第4溝1021を密封するためのカバープレート1041が設けられ、カバープレート1041は、第4溝1021の両側のフロントカバー104の表面に貼り合わせられて第4溝1021を完全に密閉し、カバープレート1041の内壁及び第4溝1021の溝壁は、取り囲んで熱交換チャンバ102を形成する。
【0036】
いくつかの実施例において、熱交換チャンバ102の製造フローは、以下のとおりである。
【0037】
ステップ1では、カバープレート1041を鋼板を用いて打ち抜き成形し、
【0038】
ステップ2では、フロントカバー104を鋼板を用いてプレス曲げ成形し、
【0039】
ステップ3では、カバープレート1041とフロントカバー104を溶接により貼り合わせて密封して熱交換チャンバ102を形成し、熱交換チャンバ102の両端は、開口して注射口を形成し、
【0040】
ステップ4では、注射口を経由して熱交換チャンバ102内に冷却液を注射し、注射した後に接着剤で密封するか又は溶接し密封する。
【0041】
更に、ハウジング100及びカバープレート1041は、いずれも金属材質であり、ハウジング100の構造強度を確保する前提で、金属材質のハウジング100は、全プラスチックハウジング100の構造に対してより薄く設計することができ、且つ金属材料のフロントカバー104とリアカバー105は金属溶接により固定することができ、超音波溶接のためにより多くの空間を予約する必要がなく、同様に発音単体300を効果的に組み立てると同時に、ハウジング100内のチャンバ体積を大幅に向上させ、発音単体300とハウジング100で囲まれた後音響チャンバ1012の体積を効果的に増加させ、更にスピーカボックス10の音響性能、特に低周波音響性能を改善し、同時に金属材質のハウジング100及びカバープレート1041は、熱伝導性が良好であり、発音単体300内の振動膜が動作状態にある時、振動によって発生する熱は、ハウジング100及びカバープレート1041での伝導がより迅速で効率的であり、スピーカボックス10全体の放熱性能を向上させる。
【0042】
更に、
図4に示すように、第2溝201は、段差溝であり、段階的に折り曲げて収縮する溝部を有し、発音単体300は、段差溝内に固定され、発音単体300と支持体200の厚さを重ね合わせることができ、それにより発音単体300の占める空間を減少させ、スピーカボックス10の小型化に役立つ。
【0043】
更に、
図2及び
図8に示すように、リアカバー側板1052には、後音響チャンバ1012に連通する第5溝106が開設され、ハウジング100には、ハウジング100に貼り合わせられたシールカバー108が開設され、シールカバー108は、第5溝106を完全に覆い、第5溝106は、後音響チャンバ1012と外部の気圧バランスを改善するために用いられ、シールカバー108は、第5溝106により後音響チャンバ1012に吸音材を充填した後、シールカバー108は、第5溝106を密封し、それによりスピーカボックス10の組み立てがより簡単で確実である。
【0044】
以上は図面に示す実施例に基づいて本発明の構造、特徴及び作用効果を詳細に説明し、以上は本発明の好適な実施例を示したに過ぎず、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の構想に応じて行われる変更、又は同等変化の等価実施例に修正することは、依然として明細書及び図面に含まれる精神から逸脱しない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0045】
10 スピーカボックス
100 ハウジング
101 収容キャビティ
1011 前音響チャンバ
1012 後音響チャンバ
102 熱交換チャンバ
103 第1溝
104 フロントカバー
1041 第4溝
105 リアカバー
1051 リアカバー主板
1052 リアカバー側板
106 第5溝
107 カバープレート
108 シールカバー
200 支持体
201 第2溝
202 第3溝
300 発音単体
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に固定され、前記収容キャビティを密閉された後音響チャンバ及び前記ハウジングの外部に連通する前音響チャンバに仕切る発音ユニットと、を含むスピーカボックスであって、
前記収容キャビティの壁体内に熱交換チャンバが設けられ、前記熱交換チャンバ内に熱交換媒体が充填されており、
前記発音ユニットは、発音単体を含み、
前記ハウジングは、前記発音単体の振動方向に沿ってそれぞれ前記発音単体の対向する両側に蓋設されたフロントカバー及びリアカバーを含み、
前記熱交換チャンバは、前記フロントカバーのエッジに前記発音単体を取り囲んで設けられ、且つ前記フロントカバーと前記リアカバーとの接続部に近接することを特徴とするスピーカボックス。
【請求項2】
前記発音ユニットは、支持体を含み、
前記支持体の第1端は、前記収容キャビティ内に収容され、前記ハウジングには、前記収容キャビティに連通する第1溝が開設され、前記支持体の第2端は、前記第1溝を介して前記ハウジングの外部まで延在し、前記支持体には、第2溝及び第3溝が設けられ、前記第2溝は、前記支持体の第1端を貫通し、前記第3溝の一端は、前記支持体の第2端に開口を形成し、前記第3溝の他端は、前記第2溝に連通するまで延在し、
前記発音単体は、前記第2溝に支持され、前記発音単体、前記収容キャビティ、前記第2溝及び前記第3溝は、共同して前記前音響チャンバを囲み、前記発音単体、前記支持体及び前記収容キャビティは、共同して密閉された前記後音響チャンバを囲むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカボックス。
【請求項3】
前記ハウジングは、頂壁、底壁及び周壁を含み、前記頂壁及び前記底壁は、間隔を隔てて設けられ、前記周壁は、前記頂壁及び前記底壁に接続され、前記収容キャビティは、前記頂壁、前記底壁及び前記周壁で取り囲まれるように形成され、前記第1溝は、前記周壁に開設され、前記支持体及び前記熱交換チャンバは、いずれも前記底壁に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカボックス。
【請求項4】
前記リアカバーは、前記フロントカバーに対向して設けられたリアカバー主板と、前記リアカバー主板の外周縁から前記フロントカバーの方向へ折り曲げて延在し且つ前記フロントカバーに固定接続されたリアカバー側板とを含み、前記リアカバー側板は、前記フロントカバーに当接して密封固定を形成し、前記リアカバー主板の壁体は、前記頂壁を形成し、前記リアカバー側板の壁体は、前記周壁を形成し、前記フロントカバーの壁体は、前記底壁を形成することを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項5】
前記熱交換チャンバは、前記底壁のエッジに設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。
【請求項6】
前記底壁のエッジが凹んで第4溝が形成され、前記底壁には、前記第4溝を密封するためのカバープレートが更に設けられ、前記カバープレートの内壁及び前記第4溝の溝壁が取り囲んで前記熱交換チャンバを形成することを特徴とする請求項5に記載のスピーカボックス。
【請求項7】
前記ハウジング及び前記カバープレートは、いずれも金属材質であることを特徴とする請求項6に記載のスピーカボックス。
【請求項8】
前記カバープレートと前記底壁は、溶接により貼り合わせて密封されることを特徴とする請求項7に記載のスピーカボックス。
【請求項9】
前記第2溝は、段差溝であることを特徴とする請求項2に記載のスピーカボックス。
【請求項10】
前記周壁には、前記後音響チャンバに連通する第5溝が開設され、前記ハウジングには、前記ハウジングに貼り合わせられたシールカバーが開設され、前記シールカバーは、前記第5溝を完全に覆うことを特徴とする請求項3に記載のスピーカボックス。