IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-発声部品 図1
  • 特開-発声部品 図2
  • 特開-発声部品 図3
  • 特開-発声部品 図4
  • 特開-発声部品 図5
  • 特開-発声部品 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155141
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】発声部品
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20231013BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R9/02 101C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202682
(22)【出願日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】202220795541.8
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宋威
(72)【発明者】
【氏名】金▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】張帆
(72)【発明者】
【氏名】令狐栄林
(72)【発明者】
【氏名】肖波
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012CA09
5D012DA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振動を発生させる発声部品を提供する。
【解決手段】発声部品は、収容キャビティを有するハウジングである上部ハウジング11及び下部ケーシング12)と、収容キャビティ内に配置される発声単体と、収容キャビティ内に配置される筐体3と、を備える。発声単体は、収容キャビティ内に位置される振動システム21と、振動システムを振動させて第1方向に沿って音を発生する磁気システム22とを備える。振動システムと磁気システムは、筐体内に設置され、コイル4がハウジング上に固定され、発声単体を第1方向に垂直な第2方向に振動させる。さらに、筐体を収容キャビティ内に吊り下げるために弾性アセンブリ(611~624)が用いられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発声部品であって、
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に配置される発声単体とを備え、
前記発声単体は、前記収容キャビティ内に位置される振動システムと、前記振動システムを振動させて第1方向に沿って音を発生する磁気システムとを備え、
前記磁気システムは、主磁鋼と、前記主磁鋼を取り囲んで磁気ギャップを形成する副磁鋼とを備え、
前記発声部品は、前記収容キャビティ内に配置される筐体と、前記磁気システムの前記振動システムから離れた側に設置され且つ前記磁気システムと間隔をあけて設置されるコイルと、前記ハウジングの前記コイルに面する側に設置され且つ前記コイルに電気的に接続される配線板と、一端が前記ハウジングに接続され且つ他端が前記筐体に接続される弾性アセンブリとを備え、
前記振動システムと前記磁気システムは前記筐体内に配置され、前記コイルは、前記ハウジングに固定され、前記発声単体を第2方向に振動させ、前記第2方向は前記第1方向に垂直し、前記弾性アセンブリは、前記筐体を前記収容キャビティ内に吊り下げるために用いられる、
ことを特徴とする発声部品。
【請求項2】
前記筐体は、前記振動システムに接続されるフレームと、前記フレームに接続される上筐体と、前記上筐体の前記フレームから離れた側に接続される下筐体とを備え、前記弾性アセンブリの一端は、前記ハウジングに接続され、前記弾性アセンブリの他端は、前記下筐体に接続され、前記コイルは、前記下筐体の前記上筐体から離れた側に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項3】
前記下筐体の前記上筐体から離れた側は、上筐体方向に向かって凹んで取り付け溝を形成し、前記コイルの少なくとも一部は前記取り付け溝内に位置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の発声部品。
【請求項4】
前記筐体の前記コイルから離れた側に設置されたシール膜アセンブリを備え、前記シール膜アセンブリの一側は前記ハウジングに接続され、他側は前記筐体に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項5】
前記シール膜アセンブリは、シール部材と接続部材とを備え、前記接続部材は、前記ハウジングの前記コイルから離れた側の内壁に貼り付けられ、前記シール部材の一側は前記接続部材に接続され、前記シール部材の他側は前記筐体に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の発声部品。
【請求項6】
前記コイルは2つあり、前記磁気システムは、前記主磁鋼と前記副磁鋼とを固定接続する磁気ヨークと、前記主磁鋼上に貼り付けられる主磁極コアと、前記主磁極コアを取り囲み且つ前記副磁鋼上に貼り付けられる副磁極コアとを備え、前記磁気ヨークは前記取り付け溝内に設置され、2つの前記コイルは、前記磁気ヨークの両側に対向して設置される、
ことを特徴とする請求項3に記載の発声部品。
【請求項7】
前記弾性アセンブリは、第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが前記筐体の両側に対向して設置され、前記第1弾性部材は、前記ハウジングに接続される第1弾性アームと、前記筐体に接続される第2弾性アームと、前記第1弾性アームと前記第2弾性アームとを連結する第1弾性力部とを備え、前記第2弾性部材は、前記ハウジングに接続される第3弾性アームと、前記筐体に接続される第4弾性アームと、前記第3弾性アームと前記第4弾性アームとを連結する第2弾性力部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項8】
前記振動システムは、前記フレームに接続される上振動膜と、前記第1方向に沿って前記上振動膜に対向して設置される下振動膜と、前記上振動膜と前記下振動膜との間に設置される骨組みと、前記骨組みと前記上振動膜との間に設置される球面頂部と、前記下振動膜に接続されるフレキシブル回路基板と、前記磁気ギャップに挿入され且つ前記骨組みに接続されるボイスコイルとを備え、前記上振動膜の外縁は前記フレームに接続され、前記上振動膜の内縁は前記球面頂部に接続され、前記下振動膜の外縁は前記フレキシブル回路基板に接続され、前記下振動膜の内縁は前記骨組みに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の発声部品。
【請求項9】
前記筐体の一方側に開口部が設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は前記下振動膜に接続され、他端は前記開口部から延出して前記筐体に固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の発声部品。
【請求項10】
前記コイルと前記磁気システムとの間に設置される気体透過性膜をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の技術分野に属し、特に、発声部品に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイス(例えば、タブレットPC、ラップトップPCなど)の急速な発展の中で、製品に対する人々の機能要件はますます高くなり、エンターテイメント効果をより際立たせるために、拡声器は、低周波音響の体験を向上させるために、拡声器とBOXとを組み合わせた構造で構成された箱体拡声器が広く使用されている。
【0003】
携帯電話などのモバイル通信端末機器は着信を無音で通知するには、本体の振動を利用する必要があり、振動を発生させる部品は内蔵の振動モータである。
【0004】
しかし、関連技術では、拡声器とモータは独立して分離されており、多くのスペースを占有し、且つ組立工程は複雑であり、コストが高い問題が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の技術問題を少なくともある程度解決する発声部品を提供することである。
【0006】
本発明は、収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に配置される発声単体とを備え、前記発声単体は、前記収容キャビティ内に位置される振動システムと、前記振動システムを振動させて第1方向に沿って音を発生する磁気システムとを備え、前記磁気システムは、主磁鋼と、前記主磁鋼を取り囲んで磁気ギャップを形成する副磁鋼とを備え、前記発声部品は、前記収容キャビティ内に配置される筐体と、前記磁気システムの前記振動システムから離れた側に設置され且つ前記磁気システムと間隔をあけて設置されるコイルと、前記ハウジングの前記コイルに面する側に設置され且つ前記コイルに電気的に接続される配線板と、一端が前記ハウジングに接続され且つ他端が前記筐体に接続される弾性アセンブリとを備え、前記振動システムと前記磁気システムは前記筐体内に配置され、前記コイルは、前記ハウジングに固定され、前記発声単体を第2方向に振動させ、前記第2方向は前記第1方向に垂直し、前記弾性アセンブリは、前記筐体を前記収容キャビティ内に吊り下げるために用いられる、発声部品を提供する。
【0007】
好ましくは、前記筐体は、前記振動システムに接続されるフレームと、前記フレームに接続される上筐体と、前記上筐体の前記フレームから離れた側に接続される下筐体とを備え、前記弾性アセンブリの一端は、前記ハウジングに接続され、前記弾性アセンブリの他端は、前記下筐体に接続され、前記コイルは、前記下筐体の前記上筐体から離れた側に設置される。
【0008】
好ましくは、前記下筐体の前記上筐体から離れた側は、上筐体方向に向かって凹んで取り付け溝を形成し、前記コイルの少なくとも一部は前記取り付け溝内に位置される。
【0009】
好ましくは、前記筐体の前記コイルから離れた側に設置されたシール膜アセンブリを備え、前記シール膜アセンブリの一側は前記ハウジングに接続され、他側は前記筐体に接続される。
【0010】
好ましくは、前記シール膜アセンブリは、シール部材と接続部材とを備え、前記接続部材は、前記ハウジングの前記コイルから離れた側の内壁に貼り付けられ、前記シール部材の一側は前記接続部材に接続され、前記シール部材の他側は前記筐体に接続される。
【0011】
好ましくは、前記コイルは2つあり、前記磁気システムは、前記主磁鋼と前記副磁鋼とを固定接続する磁気ヨークと、前記主磁鋼上に貼り付けられる主磁極コアと、前記主磁極コアを取り囲み且つ前記副磁鋼上に貼り付けられる副磁極コアとを備え、前記磁気ヨークは前記取り付け溝内に設置され、2つの前記コイルは、前記磁気ヨークの両側に対向して設置される。
【0012】
好ましくは、前記弾性アセンブリは、第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが前記筐体の両側に対向して設置され、前記第1弾性部材は、前記ハウジングに接続される第1弾性アームと、前記筐体に接続される第2弾性アームと、前記第1弾性アームと前記第2弾性アームとを連結する第1弾性力部とを備え、前記第2弾性部材は、前記ハウジングに接続される第3弾性アームと、前記筐体に接続される第4弾性アームと、前記第3弾性アームと前記第4弾性アームとを連結する第2弾性力部とを備える。
【0013】
好ましくは、前記振動システムは、前記フレームに接続される上振動膜と、前記第1方向に沿って前記上振動膜に対向して設置される下振動膜と、前記上振動膜と前記下振動膜との間に設置される骨組みと、前記骨組みと前記上振動膜との間に設置される球面頂部と、前記下振動膜に接続されるフレキシブル回路基板と、前記磁気ギャップに挿入され且つ前記骨組みに接続されるボイスコイルとを備え、前記上振動膜の外縁は前記フレームに接続され、前記上振動膜の内縁は前記球面頂部に接続され、前記下振動膜の外縁は前記フレキシブル回路基板に接続され、前記下振動膜の内縁は前記骨組みに接続される。
【0014】
好ましくは、前記筐体の一方側に開口部が設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は前記下振動膜に接続され、他端は前記開口部から延出して前記筐体に固定される。
【0015】
好ましくは、前記コイルと前記磁気システムとの間に設置される気体透過性膜をさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有利な効果は以下である。コイルが発声単体の一方側に配置され、弾性アセンブリを介して発声単体がハウジング内に吊り下げられ、コイルと磁気システムとが対向するように間隔をあけて設置されることで、発声部品が発声機能及びモータ機能を持つことができる。コイルと振動システムは同一の磁気システムを共用しており、部品を最大限に共用することができ、部品の合計数を減らし、組立工程を簡素化し、コストを削減することができる。また、コイルと振動システムは同一の磁気システムを共用し、発声単体はコイルの質量単位として使用され、余分な質量単位を追加する必要がなく、スピーカ性能とモータ性能を考慮しながら、スペースを最大限に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によって提供される発声部品の構造概念図である。
図2】本発明の図1のA-Aの断面図である。
図3】本発明によって提供される発声部品の分解図である。
図4】下部ケーシングを取り外した後の本発明の底面図である。
図5】本発明の振動システムの分解図である。
図6】本発明の磁気システム及び筐体の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態を参照しながら本発明を説明する。
【0019】
本発明は、電子機器に使用できる発声部品を提供しており、音響によるフィードバック機能を果たし、振動によるフィードバック機能も果たすことができる。前記発声部品は、収容キャビティ01を有するハウジング1と、収容キャビティ01内に配置された発声単体2とを備える。発声単体2は、収容キャビティ01内に配置された振動システム21と、振動システム21を振動して第1方向に音を発するように駆動する磁気システム22とを備える。磁気システム22は、主磁鋼221と、主磁鋼221の周囲に配置されて磁気ギャップ21aを形成する副磁鋼222とを備える。発声部品は、収容キャビティ01内に配置された筐体3と、磁気システム22の振動システム21から離れる側に配置され且つ磁気システム22と間隔をあけて設けられたコイル4と、ハウジング1のコイル4に向ける側に配置され且つコイル4に電気的に接続される配線板5と、一端がハウジング1に接続され且つ他端が筐体3に接続される弾性アセンブリ6とを備える。振動システム21及び磁気システム22は、筐体3内に配置され、コイル4は、ハウジング1に固定され、発声単体2が第2方向に振動することを駆動する。第2方向は、第1方向に垂直である。弾性アセンブリ6は、筐体3が収容キャビティ01内に吊り下げられるように用いられる。
【0020】
本実施例では、コイル4は、発声単体2の一方側に配置され、且つ弾性アセンブリ6を介して発声単体2がハウジング1内に吊り下げられている。コイル4は、磁気システム22に対向し且つ間隔をあけて設置されている。振動システム21は、主磁鋼221及び副磁鋼222によって振動されることで、振動システム21を振動させてデバイスの音声フィードバックを実現する。コイル4と、主磁鋼221及び副磁鋼222との間の相互作用力により、発声単体2が振動するように駆動されることで、発声部品はスピーカ性能及びモータ性能を備え、デバイスの振動フィードバックを実現する。コイル4と振動システム21は磁気システム22を共用することで、構成要素を最大限に共有し、構成要素の総数を減少させることができるほか、組み立てプロセスを簡素化し、コストの低減も実現することができる。また、コイル4及び振動システム21は、磁気システム22を共有し、且つ発声単体2はコイル4の質量単位として直接使用されるので、余分な質量単位を追加する必要がなく、スピーカ性能とモータ性能を考慮しながらスペース解放を最大化にすることができる。
【0021】
具体的には、ハウジング1は、上部ハウジング11と下部ケーシング12とで取り囲むことで形成されている。下部ケーシング12には、配線板5に対応する収容溝121が設けられ、配線板5は、収容溝121内に収容され、配線板5は、電気エネルギーをコイル4に提供することにより、コイル4が磁場を生成する。コイル4によって生成された磁場は、主磁鋼221及び副磁鋼222によって生成された磁場と相互作用し、発声単体2が収容キャビティ01内で振動方向に沿って往復振動するように駆動される。
【0022】
筐体3は、振動システム21に接続されるフレーム31と、フレーム31に接続される上筐体32と、上筐体32のフレーム31から離れる側に接続される下筐体33とを備える。弾性アセンブリ6の一端はハウジング1に接続され、弾性アセンブリ6の他端は下筐体33に接続される。コイル4は、下筐体33の上筐体32から離れる側に配置される。下筐体33の上筐体32から離れる側は、上筐体32方向に向かって取り付け溝33aを形成する。コイル4の少なくとも一部は取り付け溝33a内に配置される。
【0023】
本実施例では、フレーム31、上筐体32及び下筐体33が順次接続されて筐体3を形成し、筐体3の一方側は、磁気システム22及び振動システム21を設置するための開口である。取り付け溝33aは、コイル4が少なくとも部分的に取り付け溝33a内に配置されるように、上筐体32から離れた下筐体33の側に凹んでおり、コイル4の厚さ及び発声単体2の厚さは部分的に重なり合っているため、デバイスの厚さを減らすことができ、コイル4が占有するスペースを節約できるので、軽量化及び薄型化の促進に役立つ。同時に、筐体3、振動システム21及び磁気システム22が質量単位を形成し、発声単体2全体が可動子として使用され、コイル4が固定子として使用される。コイル4と、主磁鋼221、副磁鋼222との間の相互作用力により、発声単体2を振動させてデバイスの振動フィードバックを実現することができる。
【0024】
好ましくは、コイル4は2つあり、磁気システム22は、主磁鋼221と副磁鋼222とを固定接続された磁気ヨーク223と、主磁鋼221上に貼り付けられた主磁極コア224と、主磁極コア224を取り囲み且つ副磁鋼222上に貼り付けられた副磁極コア225とを備え、磁気ヨーク223は取り付け溝33a内に配置され、2つのコイル4は、互いに対向して磁気ヨーク223の両側に設置されている。また、コイル4と磁気システム22との間に設置された気体透過性膜7を備えている。
【0025】
本実施例では、コイル4に面する主磁鋼221の一端の磁気極性は、コイル4に面する副磁鋼222の一端の磁気極性と反対であるため、コイル4は振動することができる。コイル4は、巻回孔41を備え、第1方向上において、巻回孔41と磁気ギャップ21aとが対向配置され、コイル4と主磁鋼221、副磁鋼222との相対位置を最適化して、コイル4と主磁鋼221、副磁鋼222との間の相対作用力を増加させ、発声単体2の駆動を保証する。本実施例では、コイル4は2つあり、2つのコイル4は磁気ヨーク223の両側に配置されている。もちろん、別の実施例では、コイル4と主磁鋼221との相対面積、コイル4と副磁鋼222との相対面積は、限られたスペース内でコイル4の数を増やすことによって増加させることができ、それによって、コイル4と主磁鋼221、副磁鋼222との間の相互作用力が増加することができる。磁気ヨーク223は取り付け溝33a内に配置され、磁気ヨーク223とコイル4との接触を確実に回避しつつ、装置の厚さを減少し、コイル4が占有するスペースを節約でき、薄型化の推進を図ることができる。気体透過性膜7は、取り付け溝33aに取り付けられることで、空気中のゴミ等の不純物が発声単体2内に侵入するのを防止できる。
【0026】
好ましくは、弾性アセンブリ6は、第1弾性部材61と第2弾性部材62とを備え、第1弾性部材61と第2弾性部材62は、筐体3の両側に対向配置されている。第1弾性部材61は、ハウジング1に接続される第1弾性アーム611と、筐体3に接続される第2弾性アーム612と、第1弾性アーム611と第2弾性アーム612とを連結するための第1弾性力部613とを備える。第2弾性部材62は、ハウジング1に接続される第3弾性アーム621と、筐体3に接続される第4弾性アーム622と、第3弾性アーム621と第4弾性アーム622とを連結するための第2弾性力部623とを備える。
【0027】
本実施例では、第1弾性部材61及び第2弾性部材62は両方ともV字形状である。第1弾性アーム611及び第3弾性アーム621は、ハウジング1の対向の両側にそれぞれ固定接続され、第2弾性アーム612及び第4弾性アーム622は、筐体3の対向の両側にそれぞれ固定接続されることで、収容キャビティ01に発声単体2を安定して吊るすことができる。発声単体2の振動過程中、第1弾性アーム611と第2弾性アーム612とは、第1弾性力部613によって互いに接近および離間する。第3弾性アーム621と第4弾性アーム622とは、第2弾性力部623によって互いに接近および離間する。なお、別の実施例では、第1弾性部材61及び第2弾性部材62はU字形状であってもよく、その両端はそれぞれハウジング1と筐体3とに接続される。他の実施例では、第1弾性アーム611と第2弾性アーム612の互いに対向する表面には、第1ガスケット614が設置され、第3弾性アーム621と第4弾性アーム622の互いに対向する表面には、第2ガスケット624が設置されている。前記第1ガスケット614、第2ガスケット624は、第1弾性部材61及び第2弾性部材62が変形するときの衝突を緩衝するために、発泡体、ゴム、シリカゲルなどの弾性材料で作られる。
【0028】
好ましくは、振動システム21は、フレーム31に接続された上振動膜211と、第1方向に沿って上振動膜211と対向配置された下振動膜212と、上振動膜211と下振動膜212との間に配置された骨組み213と、骨組み213と上振動膜211との間に設置された球面頂部214と、下振動膜212に接続されたフレキシブル回路基板215と、磁気ギャップ21aに挿入され且つ骨組み213に接続されるボイスコイル216とを備える。上振動膜211の外縁はフレーム31に接続され、上振動膜211の内縁は球面頂部214に接続され、下振動膜212の外縁はフレキシブル回路基板215に接続され、下振動膜212の内縁は骨組み213に接続されている。筐体3の一側には開口部34が形成され、フレキシブル回路基板215の一端は下振動膜212に接続され、他端は開口部34から突出して筐体3上に固定される。
【0029】
本実施例では、発声の過程で、ボイスコイル216は、変化する電流と磁気システム22との複合作用の下で、上振動膜211と下振動膜212とを振動させることで、上振動膜211及び下振動膜212付近の空気が振動して音が発生する。上振動膜211と下振動膜212が振動する過程で、骨組み213と球面頂部214との相乗作用により、拡声器の球面頂部214全体の強度が高まり、拡声器の球面頂部214上で生成される分割振動を抑制し、拡声器の音響性能を改善し、拡声器の全体的な音質を改善し、拡声器の球面頂部214の共振周波数を低下させることができる。なお、フレキシブル回路基板215の1つは、下振動膜212に接続された第1分岐部2151と、筐体3の外壁に貼り付けられた延在部2153と、第1分岐部2151と延在部2153とを連結するための第2分岐部2152とを備える。第2分岐部2152は、第1分岐部2151の下振動膜212から離れる側から外側に延びるように形成され、且つ第2分岐部2152は、開口部34を通って筐体3の外壁に達し、延在部2153は、第2分岐部2152の第1分岐部2151から離れる側から延びるように形成され、且つ延在部2153は筐体3の外壁に貼り付けられるように設置され、それによって、フレキシブル回路基板215が占有するスペースを節約することができる。
【0030】
好ましくは、筐体3のコイル4から離れる側に設置されたシール膜アセンブリ8をさらに備える。シール膜アセンブリ8の一側は、ハウジング1に接続され、他側は、筐体3に接続される。シール膜アセンブリ8は、シール部材81と接続部材82とを備え、接続部材82は、ハウジング1のコイル4から離れる側の内壁に貼り付けられる。シール部材81の一側は接続部材82に接続され、シール部材81の他側は筐体3に接続されている。
【0031】
本実施例では、下筐体33のコイル4に近い側に配合凹溝33bが形成されている。配合凹溝33bの形状は、第1弾性部材61及び第2弾性部材62に対応しており、第1弾性部材61及び第2弾性部材62を収容するために用いられており、デバイスの厚みを薄くすることもできる。それによって、第1弾性部材61と第2弾性部材62が占有するスペースを節約することができ、薄型化に有益である。シール部材81の一側はハウジング1に密封して接続され、シール部材81の他側は筐体3に密封して接続されており、発声単体2とハウジング1との間の密封及び防水要件を達成することができる。同時に、第1方向上において、収容キャビティ01は、シール部材81によって、前キャビティ01aと後キャビティ01bとに分割されている。具体的には、シール部材81は凹んで屈曲部811を形成する。コイル4が発声単体2を振動させると、シール部材81は、発声単体2に押されたり引っ張れたりして変形しやすくなり、発声単体2が振動しやすくなる。別の実施例では、シール部材81は、屈曲部811の内縁から延在して形成された、発声単体2内の筐体3に固定された第1接続部812と、屈曲部811の外縁から延在して形成された、接続部材82に固定された第2接続部813とを備えている。接続部材82はハウジング1の内壁に設置されている。シール部材81と発声単体2とは第1接続部812により密封して接続され、シール部材81とハウジング1とは第2接続部813により密封して接続されている。
【0032】
なお、上記は本実用新案の実施形態に過ぎず、当業者にとって、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改良などを行うことが可能であるが、これらは本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発声部品であって、
収容キャビティを有するハウジングと、前記収容キャビティ内に配置される発声単体とを備え、
前記発声単体は、前記収容キャビティ内に位置される振動システムと、前記振動システムを振動させて第1方向に沿って音を発生する磁気システムとを備え、
前記磁気システムは、主磁鋼と、前記主磁鋼を取り囲んで磁気ギャップを形成する副磁鋼とを備え、
前記発声部品は、前記収容キャビティ内に配置される筐体と、前記磁気システムの前記振動システムから離れた側に設置され且つ前記磁気システムと間隔をあけて設置されるコイルと、前記ハウジングの前記コイルに面する側に設置され且つ前記コイルに電気的に接続される配線板と、一端が前記ハウジングに接続され且つ他端が前記筐体に接続される弾性アセンブリとを備え、
前記振動システムと前記磁気システムは前記筐体内に配置され、前記発声単体を第2方向に振動させ、前記第2方向は前記第1方向に垂直し、前記弾性アセンブリは、前記筐体を前記収容キャビティ内に吊り下げるために用いられる、
ことを特徴とする発声部品。
【請求項2】
前記筐体は、前記振動システムに接続されるフレームと、前記フレームに接続される上筐体と、前記上筐体の前記フレームから離れた側に接続される下筐体とを備え、前記弾性アセンブリの一端は、前記ハウジングに接続され、前記弾性アセンブリの他端は、前記下筐体に接続され、前記コイルは、前記下筐体の前記上筐体から離れた側に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項3】
前記下筐体の前記上筐体から離れた側は、上筐体方向に向かって凹んで取り付け溝を形成し、前記コイルの少なくとも一部は前記取り付け溝内に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の発声部品。
【請求項4】
前記筐体の前記コイルから離れた側に設置されたシール膜アセンブリを備え、前記シール膜アセンブリの一側は前記ハウジングに接続され、他側は前記筐体に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項5】
前記シール膜アセンブリは、シール部材と接続部材とを備え、前記接続部材は、前記ハウジングの前記コイルから離れた側の内壁に貼り付けられ、前記シール部材の一側は前記接続部材に接続され、前記シール部材の他側は前記筐体に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の発声部品。
【請求項6】
前記コイルは2つあり、前記磁気システムは、前記主磁鋼と前記副磁鋼とを固定接続する磁気ヨークと、前記主磁鋼上に貼り付けられる主磁極コアと、前記主磁極コアを取り囲み且つ前記副磁鋼上に貼り付けられる副磁極コアとを備え、前記磁気ヨークは前記取り付け溝内に設置され、2つの前記コイルは、前記磁気ヨークの両側に対向して設置される、
ことを特徴とする請求項3に記載の発声部品。
【請求項7】
前記弾性アセンブリは、第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、前記第1弾性部材と第2弾性部材とが前記筐体の両側に対向して設置され、前記第1弾性部材は、前記ハウジングに接続される第1弾性アームと、前記筐体に接続される第2弾性アームと、前記第1弾性アームと前記第2弾性アームとを連結する第1弾性力部とを備え、前記第2弾性部材は、前記ハウジングに接続される第3弾性アームと、前記筐体に接続される第4弾性アームと、前記第3弾性アームと前記第4弾性アームとを連結する第2弾性力部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。
【請求項8】
前記振動システムは、前記フレームに接続される上振動膜と、前記第1方向に沿って前記上振動膜に対向して設置される下振動膜と、前記上振動膜と前記下振動膜との間に設置される骨組みと、前記骨組みと前記上振動膜との間に設置される球面頂部と、前記下振動膜に接続されるフレキシブル回路基板と、前記磁気ギャップに挿入され且つ前記骨組みに接続されるボイスコイルとを備え、前記上振動膜の外縁は前記フレームに接続され、前記上振動膜の内縁は前記球面頂部に接続され、前記下振動膜の外縁は前記フレキシブル回路基板に接続され、前記下振動膜の内縁は前記骨組みに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の発声部品。
【請求項9】
前記筐体の一方側に開口部が設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は前記下振動膜に接続され、他端は前記開口部から延出して前記筐体に固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の発声部品。
【請求項10】
前記コイルと前記磁気システムとの間に設置される気体透過性膜をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発声部品。