ホーム > 特許ランキング > ブラザー工業株式会社
知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155149
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】デバイス、および、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231013BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231013BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20231013BHJP
【ＦＩ】
B41J29/38 301
B41J29/42 F
G06F3/12 330
G06F3/12 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023002308
(22)【出願日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2022064694
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柳 哲
【テーマコード（参考）】
2C061
【Ｆターム（参考）】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ41
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK19
2C061HQ17
(57)【要約】
【課題】サーバと接続可能なデバイスにおいて、ユーザに対する利便性を向上する。
【解決手段】デバイスは、外部装置からサーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、接続情報を用いて対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、取得処理にて接続情報が取得できない場合にデバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、を備える。エラー通知部は、取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行する、あるいは、エラー通知を実行せず、試行タイミングが第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する。
【選択図】 図５
【解決手段】デバイスは、外部装置からサーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、接続情報を用いて対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、取得処理にて接続情報が取得できない場合にデバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、を備える。エラー通知部は、取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行する、あるいは、エラー通知を実行せず、試行タイミングが第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する。
【選択図】 図５
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、
前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、
を備え、
前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行し、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、前記第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知を実行する、デバイス。
外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、
前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、
を備え、
前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行し、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、前記第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知を実行する、デバイス。
【請求項2】
デバイスであって、
外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、
前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、
を備え、
前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、エラー通知を実行せず、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する、デバイス。
外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、
前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、
を備え、
前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、エラー通知を実行せず、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する、デバイス。
【請求項3】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記第１のタイミングは、１回目の前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、２回目以降の前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
前記第１のタイミングは、１回目の前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、２回目以降の前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
【請求項4】
請求項１または２に記載のデバイスであって、さらに、
前記取得処理の実行指示をユーザから取得する指示取得部を備え、
前記第１のタイミングは、前記実行指示が取得されることなく、前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、前記実行指示が取得されることに応じて、前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
前記取得処理の実行指示をユーザから取得する指示取得部を備え、
前記第１のタイミングは、前記実行指示が取得されることなく、前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、前記実行指示が取得されることに応じて、前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
【請求項5】
請求項１または２に記載のデバイスであって、さらに、
前記対象サーバによるサービスの提供に関する情報を受信する受信部を備え、
前記第１のタイミングは、前記サービスの提供に関する情報が受信される前に、前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、前記サービスの提供に関する情報が受信された後に、前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
前記対象サーバによるサービスの提供に関する情報を受信する受信部を備え、
前記第１のタイミングは、前記サービスの提供に関する情報が受信される前に、前記取得処理が試行されるタイミングであり、
前記第２のタイミングは、前記サービスの提供に関する情報が受信された後に、前記取得処理が試行されるタイミングである、デバイス。
【請求項6】
請求項１に記載のデバイスであって、
前記第２のエラー通知は、前記対象サーバに関連する特定の連絡先に対して前記エラーを連絡することをユーザに促すメッセージを含み、
前記第１のエラー通知は、前記メッセージを含まない、デバイス。
前記第２のエラー通知は、前記対象サーバに関連する特定の連絡先に対して前記エラーを連絡することをユーザに促すメッセージを含み、
前記第１のエラー通知は、前記メッセージを含まない、デバイス。
【請求項7】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記接続情報は、前記対象サーバの所在を示す所在情報を含む、デバイス。
前記接続情報は、前記対象サーバの所在を示す所在情報を含む、デバイス。
【請求項8】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記取得処理部が、前記対象サーバによってサービスが提供されていないことを示す情報であり、前記接続情報とは異なる情報である未提供情報を取得する場合に、
前記エラー通知部は、前記サービスが提供されていない旨を示すメッセージを含む提供エラー通知を実行する、デバイス。
前記取得処理部が、前記対象サーバによってサービスが提供されていないことを示す情報であり、前記接続情報とは異なる情報である未提供情報を取得する場合に、
前記エラー通知部は、前記サービスが提供されていない旨を示すメッセージを含む提供エラー通知を実行する、デバイス。
【請求項9】
請求項８に記載のデバイスであって、
前記未提供情報は、前記サービスの提供が開始される時期に関する時期情報を含み、
前記取得処理部は、前記時期情報を取得する場合に、前記時期情報に基づいて、前記サービスの提供が開始される時期より後に、前記取得処理を再度試行する、デバイス。
前記未提供情報は、前記サービスの提供が開始される時期に関する時期情報を含み、
前記取得処理部は、前記時期情報を取得する場合に、前記時期情報に基づいて、前記サービスの提供が開始される時期より後に、前記取得処理を再度試行する、デバイス。
【請求項10】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記エラー通知部は、前記取得処理にて前記接続情報が取得された後に、前記接続処理にてエラーが発生した場合に、前記第１のエラー通知とは異なる接続エラー通知を実行する、デバイス。
前記エラー通知部は、前記取得処理にて前記接続情報が取得された後に、前記接続処理にてエラーが発生した場合に、前記第１のエラー通知とは異なる接続エラー通知を実行する、デバイス。
【請求項11】
請求項１０に記載のデバイスであって、
前記接続処理は、前記デバイスと前記対象サーバにて動作するアプリケーションとを接続する第１処理と、前記第１処理後に前記デバイスと前記アプリケーションとの間で実行される第２処理と、を含み、
前記エラー通知部は、前記第１処理にてエラーが発生した場合には、前記接続エラー通知として、第３のエラー通知を実行し、前記第２処理にてエラーが発生した場合には、前記接続エラー通知として、前記第３のエラー通知とは異なる第４のエラー通知を実行し、
前記第４のエラー通知は、前記対象サーバに関連する特定の連絡先に対して前記エラーを連絡することをユーザに促すメッセージを含み、
前記第３のエラー通知は、前記メッセージを含まない、デバイス。
前記接続処理は、前記デバイスと前記対象サーバにて動作するアプリケーションとを接続する第１処理と、前記第１処理後に前記デバイスと前記アプリケーションとの間で実行される第２処理と、を含み、
前記エラー通知部は、前記第１処理にてエラーが発生した場合には、前記接続エラー通知として、第３のエラー通知を実行し、前記第２処理にてエラーが発生した場合には、前記接続エラー通知として、前記第３のエラー通知とは異なる第４のエラー通知を実行し、
前記第４のエラー通知は、前記対象サーバに関連する特定の連絡先に対して前記エラーを連絡することをユーザに促すメッセージを含み、
前記第３のエラー通知は、前記メッセージを含まない、デバイス。
【請求項12】
請求項１１に記載のデバイスであって、さらに、
前記接続処理部は、
前記接続処理を試行して前記第１処理にてエラーが発生した場合に、前記接続処理を再度試行し、
前記接続処理を試行して前記第２処理にてエラーが発生した場合に、前記接続処理を再度試行しない、デバイス。
前記接続処理部は、
前記接続処理を試行して前記第１処理にてエラーが発生した場合に、前記接続処理を再度試行し、
前記接続処理を試行して前記第２処理にてエラーが発生した場合に、前記接続処理を再度試行しない、デバイス。
【請求項13】
請求項１１に記載のデバイスであって、さらに、
前記第２処理は、前記対象サーバと通信して前記対象サーバが提供するサービスを利用するための準備処理を含み、
前記エラー通知部は、前記サービスが提供されていないために前記準備処理を完了できない場合に、前記サービスが提供されていない旨を示すメッセージを含む提供エラー通知を実行する、デバイス。
前記第２処理は、前記対象サーバと通信して前記対象サーバが提供するサービスを利用するための準備処理を含み、
前記エラー通知部は、前記サービスが提供されていないために前記準備処理を完了できない場合に、前記サービスが提供されていない旨を示すメッセージを含む提供エラー通知を実行する、デバイス。
【請求項14】
請求項１３に記載のデバイスであって、
前記接続処理部は、
前記サービスが提供されていない場合に、前記サービスの提供が開始される時期に関する時期情報を受信し、
前記時期情報に基づいて、前記サービスの提供が開始される時期より後に、前記接続処理を再度試行する、デバイス。
前記接続処理部は、
前記サービスが提供されていない場合に、前記サービスの提供が開始される時期に関する時期情報を受信し、
前記時期情報に基づいて、前記サービスの提供が開始される時期より後に、前記接続処理を再度試行する、デバイス。
【請求項15】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記取得処理は、FIDO Device Onboarding (FDO) Specificationに規定されたTO1（Transfer Ownership Protocol 1）に従って実行される、デバイス。
前記取得処理は、FIDO Device Onboarding (FDO) Specificationに規定されたTO1（Transfer Ownership Protocol 1）に従って実行される、デバイス。
【請求項16】
請求項１または２に記載のデバイスであって、
前記接続処理は、FIDO Device Onboarding (FDO) Specificationに規定されたTO2（Transfer Ownership Protocol 2）に従って実行される、デバイス。
前記接続処理は、FIDO Device Onboarding (FDO) Specificationに規定されたTO2（Transfer Ownership Protocol 2）に従って実行される、デバイス。
【請求項17】
デバイスを制御するためのコンピュータプログラムであって、
外部装置から前記デバイスと対象サーバとを接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理機能と、
前記接続情報を用いて前記デバイスと前記対象サーバとを接続する接続処理を実行する接続処理機能と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記エラー通知機能は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行し、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、前記第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知を実行する、コンピュータプログラム。
外部装置から前記デバイスと対象サーバとを接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理機能と、
前記接続情報を用いて前記デバイスと前記対象サーバとを接続する接続処理を実行する接続処理機能と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記エラー通知機能は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行し、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、前記第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知を実行する、コンピュータプログラム。
【請求項18】
デバイスを制御するためのコンピュータプログラムであって、
外部装置から前記デバイスと対象サーバとを接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理機能と、
前記接続情報を用いて前記デバイスと前記対象サーバとを接続する接続処理を実行する接続処理機能と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記エラー通知機能は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、エラー通知を実行せず、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する、コンピュータプログラム。
外部装置から前記デバイスと対象サーバとを接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理機能と、
前記接続情報を用いて前記デバイスと前記対象サーバとを接続する接続処理を実行する接続処理機能と、
前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記エラー通知機能は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、エラー通知を実行せず、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、サーバとの接続処理を実行するデバイス、および、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１に開示されたシステムでは、複合機（ＭＦＰ）は、接続先提供サーバにアクセスして、アプリケーションを記憶するサーバのＵＲＬを受信する。複合機は、受信したＵＲＬを用いて、サーバにアクセスして、アプリケーションをダウンロードする。複合機は、ＵＲＬを受信できない場合や、受信したＵＲＬを用いてサーバにアクセスした際にサーバから表示情報を取得できない場合に、エラー表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第２０１７／１５０４７２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、エラーの種類に拘わらずに共通のエラー表示を使用している。このために、複合機は、ユーザに適切なエラー表示を行えず、ユーザに対する利便性が不十分である可能性があった。
【0005】
本明細書は、サーバと接続可能なデバイスにおいて、ユーザに対する利便性を向上し得る技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
［適用例１］デバイスであって、外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、を備え、前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、第１のエラー通知を実行し、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、前記第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知を実行する、デバイス。
【0008】
上記構成によれば、接続情報を取得する取得処理を試行する試行タイミングに応じて、適切なエラー通知を実行し得る。この結果、サーバと接続可能なデバイスにおいて、ユーザに対する利便性を向上し得る。
【0009】
［適用例２］デバイスであって、外部装置から対象サーバと接続するための接続情報を取得する取得処理を実行する取得処理部と、前記接続情報を用いて前記対象サーバと接続する接続処理を実行する接続処理部と、前記取得処理にて前記接続情報が取得できない場合に前記デバイスのユーザにエラーを通知するエラー通知部と、を備え、前記エラー通知部は、前記取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミングである場合には、エラー通知を実行せず、前記試行タイミングが前記第１のタイミングとは異なる第２のタイミングである場合には、第２のエラー通知を実行する、デバイス。
【0010】
上記構成によれば、接続情報を取得する取得処理を試行する試行タイミングに応じて、エラー通知を実行するか否かを適切に切り替えることができる。この結果、サーバと接続可能なデバイスにおいて、ユーザに対する利便性を向上し得る。
【0011】
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、対象サーバとデバイスとを含むシステム、デバイスまたはシステムにおける方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】システム１０００の構成を示すブロック図。
【図2】データベースおよび該データベースに格納される情報の説明図。
【図3】システム１０００の事前準備およびサービス処理のフローチャート。
【図4】プリンタ１００とサーバ３００Ａと仲介サーバ４００との処理を示すシーケンス図。
【図5】第１実施例の第１動作判定処理のフローチャート。
【図6】通知画面の一例を示す図。
【図7】第２動作判定処理のフローチャート。
【図8】動作例１のシーケンス図。
【図9】動作例２のシーケンス図。
【図10】動作例３のシーケンス図。
【図11】第３実施例の第１動作判定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
Ａ．第１実施例
Ａ－１．システム１０００の構成
図１は、システム１０００の構成を示すブロック図である。システム１０００は、プリンタ１００と、プリンタ１００の販売会社が所有する端末装置２００と、プリンタを用いるサービスを提供するサーバ３００Ａ～３００Ｄと、仲介サーバ４００と、を備える。なお、情報提供サーバ５００は、第２実施例にて備えられる構成であり、第１実施例では、備えられない構成である。このために、情報提供サーバ５００については、第２実施例にて説明する。
Ａ－１．システム１０００の構成
図１は、システム１０００の構成を示すブロック図である。システム１０００は、プリンタ１００と、プリンタ１００の販売会社が所有する端末装置２００と、プリンタを用いるサービスを提供するサーバ３００Ａ～３００Ｄと、仲介サーバ４００と、を備える。なお、情報提供サーバ５００は、第２実施例にて備えられる構成であり、第１実施例では、備えられない構成である。このために、情報提供サーバ５００については、第２実施例にて説明する。
【0014】
プリンタ１００は、プリンタ１００のコントローラとして、ＣＰＵ１１０と、ＤＲＡＭなどの揮発性記憶装置１２０と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置１３０と、を備えている。また、プリンタ１００は、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部１４０と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部１５０と、印刷機構１７０と、通信インタフェース（ＩＦ）１８０と、を備えている。
【0015】
通信ＩＦ１８０は、インターネットＩＴに接続するためのインタフェース、例えば、イーサネット（登録商標）に準拠した有線のインタフェースや、Ｗｉ－Ｆｉ規格に準拠した無線のインタフェースである。
【0016】
ＣＰＵ１１０は、データ処理を行う演算装置（プロセッサ）である。揮発性記憶装置１２０は、ＣＰＵ１１０が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置１３０には、プリンタ１００を制御するためのコンピュータプログラムＰＧｐと、後述するバウチャーヘッダＶＨと、が格納されている。
【0017】
コンピュータプログラムＰＧｐは、本実施例では、プリンタ１００の製造時に不揮発性記憶装置１３０に予め格納されて提供される。これに代えて、コンピュータプログラムＰＧｐは、例えば、インターネットＩＴを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態、あるいは、ＣＤ－ＲＯＭなどに記録された形態で提供され得る。
【0018】
ＣＰＵ１１０は、コンピュータプログラムＰＧｐを実行することによって、プリンタ１００の制御を実行する。例えば、後述するように、ＣＰＵ１１０は、サーバ３００Ａ～３００Ｄのいずれかと協働して、ユーザに対して所定のサービス（例えば、後述するセットアップサービスや消耗材管理サービスや印刷サービス）を提供する処理（以下、サービス処理とも呼ぶ）を実行する。また、後述するように、ＣＰＵ１１０は、サービス処理に先立って、端末装置２００や対象サーバ（例えば、サーバ３００Ａ）や仲介サーバ４００と協働して、後述する事前準備を実行する。
【0019】
印刷機構１７０は、ＣＰＵ１１０の制御に従って、印刷を実行する。本実施例の印刷機構１７０は、複数種類のインク（例えば、シアンとマゼンタとイエロとブラックとの４種類のインク）を色材として用いて、画像を記録媒体に印刷するインクジェット方式の印刷機構である。これに代えて、印刷機構１７０は、トナーを色材として用いて、画像を記録媒体に印刷する電子写真方式の印刷機構であっても良い。
【0020】
端末装置２００は、計算機であり、例えば、パーソナルコンピュータである。変形例では、端末装置２００は、スマートフォンやタブレットコンピュータであっても良い。端末装置２００は、例えば、プリンタ１００を販売する販売会社が所有する計算機である。
【0021】
端末装置２００は、コントローラとして、ＣＰＵ２１０と、ＤＲＡＭなどの揮発性記憶装置２２０と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置２３０と、を備えている。また、端末装置２００は、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部２４０と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部２５０と、通信ＩＦ２８０と、を備えている。通信ＩＦは、インターネットＩＴに接続するためのインタフェース、例えば、イーサネット（登録商標）に準拠した有線のインタフェースや、Ｗｉ－Ｆｉ規格に準拠した無線のインタフェースである。
【0022】
揮発性記憶装置２２０は、ＣＰＵ２１０が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置２３０には、ブラウザプログラムＢＰが格納されている。
【0023】
ＣＰＵ２１０は、ブラウザプログラムＢＰを実行することによって、ＷＥＢブラウザとして機能する。ＷＥＢブラウザとして機能するＣＰＵ２１０は、後述するバウチャーＶＣをサーバ３００Ａ～３００Ｄに登録する処理を実行する。
【0024】
サーバ３００Ａ～３００Ｅは、例えば、サービスを提供する事業者が運用する計算機、例えば、クラウドサーバである。例えば、サーバ３００Ａ～３００Ｅを運用する事業者は、プリンタ１００を製造する事業者や、該事業者とは異なるサードパーティである。サーバ３００Ａ～３００Ｅは、それぞれ、互いに異なる２以上の事業者によって運用される２以上のサーバを含み得る。サーバ３００Ａ～３００Ｅによって提供されるサービスを、それぞれ、サービスＡ～サービスＤとする。サービスＡ～サービスＤは、例えば、セットアップサービスや消耗材管理サービスや印刷サービスを含む。セットアップサービスは、例えば、ドライバやアプリケーションなどのプログラムをプリンタ１００にインストールすることや所定の設定を行うサービスである。消耗材管理サービスは、例えば、インクなどのプリンタ１００の消耗材の残量を管理し、消耗材の消耗に応じて該消耗材をユーザに配送するサービスである。印刷サービスは、例えば、ユーザの端末から送信される画像ファイルを用いて印刷ジョブを生成してプリンタ１００に送信することによって、プリンタ１００に印刷を行わせるサービスである。
【0025】
サーバ３００Ａは、コントローラとしてのＣＰＵ３１０と、ＤＲＡＭなどの揮発性記憶装置３２０と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置３３０と、通信インタフェース（ＩＦ）３８０と、を備えている。通信ＩＦ３８０は、例えば、イーサネット（登録商標）に準拠した有線のインタフェースである。
【0026】
ＣＰＵ３１０は、データ処理を行う演算装置（プロセッサ）である。揮発性記憶装置３２０は、ＣＰＵ３１０が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置３３０には、コンピュータプログラムＰＧａと、後述するバウチャーデータベースＶＤＢと、が格納されている。
【0027】
コンピュータプログラムＰＧａは、例えば、サーバ３００Ａを運用する事業者によってアップロードされる形態で提供される。サーバ３００ＡのＣＰＵ３１０は、コンピュータプログラムＰＧａを実行することによって、プリンタ１００と協働して、提供すべきサービスを実現するためのサービス処理を実行する。また、ＣＰＵ３１０は、サービス処理に先立って、端末装置２００やサーバ３００Ａや仲介サーバ４００と協働して、後述する事前準備を実行する。
【0028】
サーバ３００Ｂ～３００Ｄは、上述したサーバ３００Ａと同様の構成３１０～３８０（図示省略）を備えている。サーバ３００Ｂ～３００Ｄの構成の説明は省略する。
【0029】
仲介サーバ４００は、例えば、所定の事業者（例えば、サービスを提供する事業者やプリンタ１００を製造する事業者）が運用する計算機、例えば、クラウドサーバである。仲介サーバ４００は、サーバ３００Ａと同様に、コントローラとしてのＣＰＵ４１０と、揮発性記憶装置４２０と、通信ＩＦ４８０と、を備えている。揮発性記憶装置４２０は、ＣＰＵ４１０が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置４３０には、コンピュータプログラムＰＧｂと、後述する接続情報データベースＣＤＢと、が格納されている。
【0030】
コンピュータプログラムＰＧｂは、例えば、仲介サーバ４００を運用する事業者によってアップロードされる形態で提供される。仲介サーバ４００のＣＰＵ４１０は、コンピュータプログラムＰＧｂを実行することによって、プリンタ１００や端末装置２００やサーバ３００Ａ～３００Ｄや仲介サーバ４００と協働して、後述する事前準備を実行する。
【0031】
プリンタ１００と、端末装置２００と、サーバ３００Ａ～３００Ｄと、仲介サーバ４００とは、それぞれ、インターネットＩＴに接続されている。このために、これらの装置１００～４００は、互いに、インターネットＩＴを介して、通信可能である。
【0032】
図２は、データベースおよび該データベースに格納される情報の説明図である。図２（Ａ）には、サーバ３００Ａ～３００Ｄの不揮発性記憶装置３３０に格納されるバウチャーデータベースＶＤＢの一例が示されている。バウチャーデータベースＶＤＢには、１以上のバウチャーＶＣ（例えば、図２（Ａ）のＶＣ１、ＶＣ２）が格納されている。
【0033】
図２（Ｂ）には、バウチャーＶＣの一例が図示されている。バウチャーＶＣは、デバイス（本実施例では、プリンタ１００）の所有権を証明するデータである。バウチャーＶＣは、バウチャーヘッダＶＨと、１以上のエントリＥＴ（例えば、図２（Ｂ）のＥＴ１、ＥＴ２）と、を含む。
【0034】
バウチャーヘッダＶＨは、ＧＵＩＤと、仲介サーバ情報ＲＳＩと、公開鍵ＰＫｍと、ＨＭＡＣと、を含んでいる。ＧＵＩＤは、プリンタ１００を識別する識別子である。仲介サーバ情報ＲＳＩは、仲介サーバ４００と通信の接続を行うための情報である。仲介サーバ情報ＲＳＩは、例えば、仲介サーバ４００の所在を示す情報（例えば、ＩＰアドレスやＵＲＬ（Uniform Resource Locator））と、ポート番号と、接続に用いるプロトコルの情報と、を含む。公開鍵Ｐｋｍは、プリンタ１００の製造事業者が保有する秘密鍵と対応する公開鍵である。ＨＭＡＣ（hash message authentication code）は、メッセージ認証符号であり、例えば、プリンタ１００が保有する秘密鍵（図示省略）とハッシュ関数とデータ（例えば、バウチャーヘッダＶＨとプリンタ１００が保有するシークレット）を用いて計算される。
【0035】
バウチャーヘッダＶＨは、図１に示すように、プリンタ１００の不揮発性記憶装置１３０にも格納されている。
【0036】
エントリＥＴは、公開鍵Ｐｋｓと、署名データＳＤと、を含む。エントリＥＴは、バウチャーＶＣの受け渡し、すなわち、バウチャーＶＣの所有者の変更が行われる度に、１つずつ追加される情報である。公開鍵Ｐｋｓは、受け渡し先が保有する秘密鍵に対応する公開鍵であり、署名データＳＤは、受け渡し元が保有する秘密鍵を用いて公開鍵Ｐｋｓを暗号化して得られるデータである。図２（Ｂ）のバウチャーＶＣは、２個のエントリＥＴ１、ＥＴ２を含んでいる。したがって、図２（Ｂ）のバウチャーＶＣは、２回の受け渡しが行われたことが解る。
【0037】
図２（Ｃ）には、接続情報データベースＣＤＢの一例が図示されている。接続情報データベースＣＤＢは、１以上の接続情報ＣＩが、ＧＵＩＤと対応付けて記録されている。図２（Ｃ）の例では、接続情報ＣＩ１は、ＧＵＩＤ「ＩＤ１」と対応付けて記録され、接続情報ＣＩ２は、ＧＵＩＤ「ＩＤ２」と対応付けて記録される。各接続情報ＣＩは、対応付けられたＧＵＩＤによって識別されるデバイス（例えば、プリンタ１００）に送信されるべき情報である。
【0038】
図２（Ｄ）は、接続情報ＣＩの一例が図示されている。接続情報ＣＩは、デバイス（例えば、プリンタ１００）と協働してサービス処理を実行すべきサーバ（例えば、サーバ３００Ａ）と通信の接続を行うための情報である。接続情報ＣＩは、例えば、仲介サーバ４００の所在を示す情報（例えば、ＩＰアドレスやＵＲＬ（Uniform Resource Locator））と、ポート番号と、接続に用いるプロトコルの情報と、を含む。
【0039】
Ａ－２．システム１０００の事前準備およびサービス処理の概略
図３は、システム１０００の事前準備およびサービス処理のフローチャートである。図３のＳ１００～Ｓ６００は、サービス処理（図３のＳ７００）に先だって行われる事前準備である。
図３は、システム１０００の事前準備およびサービス処理のフローチャートである。図３のＳ１００～Ｓ６００は、サービス処理（図３のＳ７００）に先だって行われる事前準備である。
【0040】
Ｓ１００では、プリンタ１００の製造工程において、プリンタ１００にバウチャーヘッダＶＨを格納する。バウチャーヘッダＶＨの格納は、例えば、FIDO Allianceによって公開されている標準仕様である「FIDO Device Onboarding (FDO) Specification」（以下、ＦＤＯ仕様書とも呼ぶ）に規定されたＤＩ（Device Initialize Protocol）に従って実行される。これによって、図２（Ｂ）のバウチャーＶＣのうちのバウチャーヘッダＶＨが生成されて、プリンタ１００の不揮発性記憶装置１３０に格納される。
【0041】
Ｓ２００では、プリンタ１００を製造事業者から販売会社にバウチャーＶＣとプリンタ１００とが受け渡される。具体的には、販売会社は、秘密鍵と公開鍵ＰＫｓ１とのキーペアを準備し、プリンタ１００を発注する際に、販売会社の端末装置２００から製造事業者の計算機（例えば、図示しないＷＥＢサーバを含む計算機システム）に公開鍵ＰＫｓ１を送信する。製造事業者の計算機は、該公開鍵ＰＫｓ１と、該公開鍵ＰＫｓ１を製造事業者の秘密鍵を用いて暗号化して得られる署名データＳＤ１と、を含むエントリＥＴ１（図２（Ｂ））を生成する。製造事業者の秘密鍵は、Ｓ１００にて生成されるバウチャーヘッダＶＨに含まれる公開鍵ＰＫｍ（図２（Ｂ））に対応する秘密鍵である。製造事業者の計算機は、該公開鍵ＰＫｓ１と、該公開鍵を製造事業者の秘密鍵を用いて暗号化して得られる署名データＳＤ１と、を含むエントリＥＴ１（図２（Ｂ））を生成する。製造事業者の計算機は、バウチャーヘッダＶＨと、１個のエントリＥＴ１と、を含むバウチャーＶＣを、販売会社の端末装置２００に送信する。また、製造事業者は、プリンタ１００を販売会社に納品する。
【0042】
Ｓ３００では、販売会社がバウチャーＶＣを対象サーバに登録する。例えば、ユーザは、販売会社からプリンタ１００を購入する際に、プリンタ１００を用いて利用可能なサービスＡ～Ｄの中から利用するサービスについて利用契約を結ぶ。ここで、利用するサービスを提供するサーバを対象サーバとも呼ぶ。以下では、サービスＡを提供するサーバ３００Ａ（図１）が対象サーバであるとして説明を行う。具体的には、販売会社の担当者は、端末装置２００を操作して、サーバ３００Ａが提供するＷＥＢページにアクセスして、所定の操作を行う。これによって、端末装置２００とサーバ３００Ａとの間でバウチャーＶＣをサーバ３００Ａに登録する処理が実行される。
【0043】
具体的には、サーバ３００Ａは、秘密鍵と公開鍵ＰＫｓ２とのキーペアを保有しており、端末装置２００に公開鍵ＰＫｓ２を送信する。端末装置２００は、該公開鍵ＰＫｓ２と、該公開鍵ＰＫｓ２を、販売会社の秘密鍵（公開鍵ＰＫｓ１に対応する秘密鍵）を用いて暗号化して得られる署名データＳＤ２と、を含むエントリＥＴ２（図２（Ｂ））を生成する。端末装置２００は、Ｓ２００にて受信したバウチャーＶＣにエントリＥＴ２を追加したバウチャーＶＣ（例えば、図２のＶＣ１）をサーバ３００Ａに送信する。サーバ３００Ａは、受信したバウチャーＶＣをバウチャーデータベースＶＤＢに格納する（図２）。これによって、バウチャーＶＣがサーバ３００Ａに登録される。
【0044】
なお、変形例では、販売会社からユーザにバウチャーＶＣが受け渡され、ユーザが、自身の端末装置から対象サーバ（例えば、サーバ３００Ａ）にバウチャーＶＣを登録しても良い。
【0045】
Ｓ４００では、対象サーバが仲介サーバ４００に接続情報ＣＩを登録する。接続情報ＣＩの登録は、ＦＤＯ仕様書に規定されたＴＯ０（Transfer Ownership Protocol 0）に従って実行される。例えば、対象サーバであるサーバ３００Ａから仲介サーバ４００に、プリンタ１００がサーバ３００Ａにアクセスするための接続情報ＣＩ（図２（Ｄ））と、プリンタ１００のＧＵＩＤと、が送信される。仲介サーバ４００は、受信した接続情報ＣＩをプリンタ１００のＧＵＩＤと対応付けて接続情報データベースＣＤＢ（図１、図２（Ｃ））に格納する。これによって、接続情報ＣＩがプリンタ１００のＧＵＩＤと対応付けて仲介サーバ４００に登録される。
【0046】
Ｓ４５０では、販売会社がユーザにプリンタ１００を納品する。ユーザは、納品されたプリンタ１００をインターネットＩＴに接続可能に設置して、プリンタ１００の電源を投入する。
【0047】
プリンタ１００の電源が投入されると、プリンタ１００は、Ｓ５００にて、仲介サーバ４００から接続情報ＣＩを取得する。具体的には、プリンタ１００は、不揮発性記憶装置１３０に格納されたバウチャーヘッダＶＨ（図１）に含まれる仲介サーバ情報ＲＳＩを読み出す。プリンタ１００は、仲介サーバ情報ＲＳＩを用いて、仲介サーバ４００との通信の接続を確立し、接続情報取得処理を実行する。接続情報取得処理は、ＦＤＯ仕様書に規定されたＴＯ１（Transfer Ownership Protocol 1）に従って実行される。具体的には、プリンタ１００は、バウチャーヘッダＶＨに含まれるＧＵＩＤ、すなわち、自身を識別するＧＵＩＤを仲介サーバ４００に送信する。仲介サーバ４００は、接続情報データベースＣＤＢにおいて、受信したＧＵＩＤに対応付けられた接続情報ＣＩをプリンタ１００に送信する。これによって、プリンタ１００は、サーバ３００Ａにアクセスするための接続情報ＣＩを取得する。
【0048】
Ｓ６００では、接続情報ＣＩを用いて、プリンタ１００と対象サーバとの間でオンボーディング処理が実行される。オンボーディング処理は、ＦＤＯ仕様書に規定されたＴＯ２（Transfer Ownership Protocol 2）に従って実行される。具体的には、プリンタ１００は、取得した接続情報ＣＩを不揮発性記憶装置１３０から読み出し、該接続情報ＣＩを用いて、対象サーバであるサーバ３００Ａにアクセスしてオンボーディング処理を実行する。オンボーディング処理は、接続確立処理と、認証処理と、サービス準備処理と、を含む。
【0049】
接続確立処理は、例えば、ＴＣＰ（Transmission Control Protocol）とＩＰ（Internet Protocol）に従って、プリンタ１００上で動作するアプリケーションと、対象サーバであるサーバ３００Ａ上で動作するアプリケーションと、の間の接続を確立する処理である。これらのアプリケーションは、接続確立処理の後に、認証処理とサービス準備処理とを実行する。
【0050】
認証処理は、プリンタ１００と対象サーバとの間で、互いに相手の正当性を確認する処理である。例えば、プリンタ１００は、所定のフォーマット（例えば、ＥＡＴ（Entity Attestation Token）フォーマット）に従うトークンをサーバ３００Ａに送信し、サーバ３００Ａは、該トークンの正当性を指定された公開鍵を用いて検証することで、プリンタ１００の正当性を確認する。
【0051】
サーバ３００Ａは、さらに、所定のメッセージと、秘密鍵を用いて該メッセージを暗号化することによって得られる署名データと、をプリンタ１００に送信する。サーバ３００Ａは、バウチャーデータベースＶＤＢからプリンタ１００から送信されるＧＵＩＤに対応付けられたバウチャーＶＣを特定してプリンタ１００に送信する。プリンタ１００は、バウチャーＶＣに含まれるエントリＥＴ１、ＥＴ２を順次に検証する。例えば、プリンタ１００は、バウチャーヘッダＶＨに含まれる公開鍵ＰＫｍを用いてエントリＥＴ１を検証する。プリンタ１００は、検証済みのエントリＥＴ１に含まれる公開鍵ＰＫｓ１を用いてエントリＥＴ２を検証する。最後にプリンタ１００は、検証済みのエントリＥＴ２に含まれる公開鍵ＰＫｓ２を用いて、サーバ３００Ａから送信された署名データを検証することで、サーバ３００Ａの正当性を確認する。
【0052】
ここで、サーバ３００Ａがプリンタ１００の正当性を確認できない場合には、サーバ３００Ａは、サービス準備処理に進むことを拒否する。同様に、プリンタ１００がサーバ３００Ａの正当性（バウチャーＶＣの正当性）を確認できない場合には、プリンタ１００は、サービス準備処理に進むことを拒否する。
【0053】
サービス準備処理は、認証処理によって互いの正当性が確認された後に、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間でサービス処理を実行するために必要なサービス情報を交換する処理である。サービス準備処理が完了すると、プリンタ１００とサーバ３００Ａとは、サービス処理を実行することができる状態になる。サービス情報は、例えば、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間でサービス処理に関する通信を行う際に用いられるトークンや、フォーマット情報や、プロトコル情報を含む。
【0054】
Ｓ７００では、プリンタ１００と対象サーバ（例えば、サーバ３００Ａ）とは、協働して、サービス処理を実行する。サービス処理は、例えば、サーバ３００Ａが提供するサービスＡが消耗材管理サービスである場合には、プリンタ１００が定期的にインクなどの消耗材の残量情報をサーバ３００Ａに送信する処理を含む。
【0055】
以上説明した手法を用いることによって、例えば、以下の利点がある。上記手法では、ユーザや販売会社は、ユーザが利用することを望むサービスを提供する対象サーバにバウチャーＶＣを登録する（図３のＳ３００）ことによってサービスの提供を受けることができる。このために、ユーザや販売会社は、ユーザが提供を受けるべきサービスを容易に選択できる。
【0056】
また、プリンタ１００は、対象サーバの接続情報ＣＩを仲介サーバ４００から取得できる（図３のＳ５００）。このために、プリンタ１００の製造工程の段階では、仲介サーバ４００に接続するための仲介サーバ情報ＲＳＩがプリンタ１００（不揮発性記憶装置１３０）に記憶されていれば良く、対象サーバの接続情報ＣＩがプリンタ１００に記憶されている必要がない。また、プリンタ１００は、対象サーバと協働してサービス処理を実行するために必要なサービス情報を対象サーバから取得できる（図３のＳ６００）。このために、プリンタ１００の製造工程の段階では、サービス情報がプリンタ１００に記憶されている必要がない。このために、プリンタ１００の製造工程の段階で、利用すべきサービスを想定しておく必要がなく、例えば、プリンタ１００の製造後に提供が開始されたサービスや、プリンタ１００の製造時には製造事業者に認識されていなかった第三者が提供するサービスであったとしても、ユーザはプリンタ１００を用いて該サービスを利用することができる。この結果、サービスの柔軟な提供と利用とを実現できる。例えば、サービスの提供者は、プリンタ１００の改造等を行うことなく、新たなサービスを事後的に追加することもできる。例えば、ユーザや販売会社は、利用するサービスの選択や変更を容易に行うことができる。また、プリンタ１００の製造事業者、販売業者、ユーザのいずれも、例えば、出荷時や使用時にユーザが希望するサービスに接続できるようにプリンタ１００をカスタマイズする必要がないため、プリンタ１００の製造事業者、販売業者、ユーザの負担を軽減できる。
【0057】
さらに、上記手法では、バウチャーＶＣの検証やトークンの検証を行うことによって、プリンタ１００と対象サーバとは、互いの正当性を確認することができる。そして、プリンタ１００や対象サーバは、相手の正当性を確認できない場合には、オンボーディング処理の実行を拒否できる。このために、プリンタ１００が意図しないサーバに接続される、プリンタ１００とは異なる不正なデバイスが対象サーバに接続されるなどのセキュリティ上の問題が生じることを抑制できる。
【0058】
Ｃ．プリンタ１００とサーバ３００Ａ、４００との処理の詳細
次に、上述した事前準備のうち、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間の処理と、プリンタ１００と仲介サーバ４００との処理について、さらに、説明する。
次に、上述した事前準備のうち、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間の処理と、プリンタ１００と仲介サーバ４００との処理について、さらに、説明する。
【0059】
図４は、プリンタ１００とサーバ３００Ａと仲介サーバ４００との処理を示すシーケンス図である。ここで、上記の説明では、プリンタ１００と仲介サーバ４００との間の処理（図３のＳ５００）と、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間の処理（図３のＳ６００）について、エラーが発生しないことを前提としている。以下では、エラーが発生する場合も含めて、これらの処理について、説明する。
【0060】
図４の処理は、所定の開始契機が発生したタイミングで開始される。第１実施例では、開始契機は、初回の電源投入と、ユーザ指示と、実行時刻到来と、のいずれかである。図３のＳ５００にて説明したように、最初に発生する契機は、プリンタ１００への初回の電源投入である。初回の電源投入時に実行される図４の処理にて、エラーが発生して、図４の処理が中断した後には、ユーザ指示と、実行時刻到来と、のいずれかの開始契機が発生した場合に、再度、図４の処理が開始される。なお、２回目以降の電源投入時には、図４の処理は、実行されない。
【0061】
ユーザ指示は、例えば、ユーザによって入力される指示であり、サーバにプリンタ１００の操作部１５０を介してユーザによって入力される。本実施例では、プリンタ１００のマニュアルなどによって、利用を希望するサービスの提供が開始された旨の案内（以下、サービス開始案内とも呼ぶ）を受領した場合に、該ユーザ指示をプリンタ１００に入力するように、ユーザに対して説明されている。このために、ユーザ指示は、ユーザがサービス開始案内を受領した後に入力されることが想定されている。サービス開始案内は、例えば、電子メール、ユーザが利用する端末装置（例えば、スマートフォン）にインストールされる端末アプリケーションへの通知、郵送、販売会社からの口頭による連絡（電話等）によって行われる。
【0062】
実行時刻到来は、後述する第１動作判定処理や第２動作判定処理において設定される実行時刻が到来することである。設定された実行時刻が到来した場合には、プリンタ１００は、内部に備える時計（図示省略）を用いて実行時刻の到来を自動的に認識して、図４の処理を開始する。
【0063】
開始契機が発生すると、図４のＳ２、Ｓ４の処理が実行される。図４のＳ２、Ｓ４の処理は、図３のＳ５００の処理に対応している。すなわち、プリンタ１００は、図４のＳ２にて、バウチャーヘッダＶＨ（図１）に含まれる仲介サーバ情報ＲＳＩを読み出す。プリンタ１００は、図４のＳ４にて、プリンタ１００は、仲介サーバ情報ＲＳＩを用いて、接続情報取得処理を試行する。
【0064】
プリンタ１００は、接続情報取得処理を試行した結果、エラーが発生しない場合には、接続情報ＣＩを取得し、接続情報取得処理を正常に終了する。プリンタ１００は、接続情報取得処理を試行したが、エラーが発生する場合には、接続情報ＣＩを取得できずに、接続情報取得処理を中断する。接続情報取得処理において発生するエラーは、例えば、仲介サーバ４００にプリンタ１００のＧＵＩＤに対応付けられた接続情報ＣＩが登録されていない取得エラーである。取得エラーが発生する場合には、プリンタ１００は、接続情報ＣＩを取得できない。
【0065】
接続情報取得処理が正常に終了した後、あるいは、エラーによって中断された後に、プリンタ１００は、図４のＳ８にて、第１動作判定処理を実行する。
【0066】
【0067】
エラーによって接続情報ＣＩが取得できない場合には（Ｓ８０５：ＮＯ）、プリンタ１００は、Ｓ８１０にて、図４のＳ２の処理の開始契機が初回の電源投入であるか否かを判断する。開始契機が初回の電源投入である場合には（Ｓ８１０：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、Ｓ８１５に処理を進める。開始契機が初回の電源投入でない場合には（Ｓ８１０：ＮＯ）、すなわち、開始契機がユーザ指示または実行時刻到来である場合には、プリンタ１００は、Ｓ８２０に処理を進める。
【0068】
Ｓ８１５では、プリンタ１００は、プリンタ１００の表示部１４０に、通知画面Ｗ１を表示する。図６は、通知画面の一例を示す図である。図６（Ａ）の通知画面Ｗ１は、接続対象のサービスが存在しないことを通知するメッセージＭＳ１と、表示終了ボタンＢＴｅと、を含む。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ１の表示は終了される。
【0069】
Ｓ８２０では、プリンタ１００は、プリンタ１００の表示部１４０に、通知画面Ｗ２を表示する。図６（Ｂ）の通知画面Ｗ２は、対象サーバであるサーバ３００Ａが存在しないことを通知するメッセージＭＳ２ａと、サーバ３００Ａにおける手続に問題がある可能性を通知するメッセージＭＳ２ｂと、サーバ３００Ａを運用する事業者等の連絡先に対してエラーを連絡することを促すメッセージＭＳ２ｃと、表示終了ボタンＢＴｅと、を含む。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ２の表示は終了される。
【0070】
接続情報ＣＩが取得された場合には（Ｓ８０５：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、Ｓ８２５にて、取得された接続情報ＣＩとともに、サービス開始時期情報が取得されたか否かを判断する。サービス開始時期情報は、現時点でサーバ３００Ａにおいて、サービスの提供が開始されていないが、将来のサービス開始時期が決まっている場合に、接続情報ＣＩとともに、仲介サーバ４００から送信され得る。サービス開始時期情報は、サーバ３００Ａにおいてサービスの提供が開始される将来の日時を示す情報である。サービス開始時期情報は、サービスの提供が開始される将来の日時を示すので、現時点ではサービスの提供が開始されていないことを示す情報である、とも言うことができる。
【0071】
サービス開始時期情報が取得されない場合には（Ｓ８２５：ＮＯ）、この時点でサーバ３００Ａはサービスを提供している可能性が高い。この場合には、プリンタ１００は、オンボーディング処理に進むために、第１判定処理を終了して、図４のＳ１０に進む。サービス開始時期情報が取得された場合には（Ｓ８２５：ＹＥＳ）、この時点でサーバ３００Ａはサービスを提供していない。この場合には、プリンタ１００は、Ｓ８３０に処理を進める。
【0072】
Ｓ８３０では、プリンタ１００は、プリンタ１００の表示部１４０に、通知画面Ｗ３を表示する。図６（Ｃ）の通知画面Ｗ３は、現時点でサーバ３００Ａによるサービスが提供されていない旨を通知するメッセージＭＳ３ａと、サーバ３００Ａがサービスの提供を開始した後に、サーバ３００Ａと接続する旨を通知するメッセージＭＳ３ｂと、表示終了ボタンＢＴｅと、を含む。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ３の表示は終了される。
【0073】
Ｓ８３５では、プリンタ１００は、図４の処理の次回の実行時刻を設定する。例えば、次回の実行時刻は、上述のサービス開始時期情報に基づいて、サービスの提供が開始される時期よりも後の時刻に設定される。Ｓ８３５にて設定される実行時刻の到来は、上述したように図４の処理の開始契機の１つである。したがって、Ｓ８３５にて実行時刻が設定された場合には、その後に実行時刻が到来したときに、図４の処理がＳ２から再度実行される。
【0074】
Ｓ８１５、Ｓ８２０、Ｓ８３５の後には、第１動作判定処理は終了され、図４の処理は、中断される。したがって、この場合には、オンボーディング処理は実行されない。そして、次の開始契機（ユーザ指示または実行時刻の到来）が発生した場合に、図４の処理が再度、Ｓ２から実行される。
【0075】
接続情報ＣＩが取得され（図５のＳ８０５にてＹＥＳ）、サービス開始時期情報が取得されない場合には（図５のＳ８２５にてＮＯ）、プリンタ１００は、図４のＳ１０、Ｓ１４の処理を実行する。図４のＳ１０、Ｓ１４の処理は、図３のＳ６００の処理に対応する。すなわち、プリンタ１００は、Ｓ１０にて、接続情報ＣＩを不揮発性記憶装置１３０から読み出し、Ｓ１４にて、接続情報ＣＩを用いて、上述したオンボーディング処理を試行する。
【0076】
プリンタ１００は、オンボーディング処理（接続確立処理と認証処理とサービス準備処理）を試行した結果、エラーが発生しない場合には、オンボーディング処理を正常に終了する。プリンタ１００は、接続情報取得処理を試行したが、エラーが発生する場合には、オンボーディング処理を完了できずに、オンボーディング処理を中断する。オンボーディング処理において発生するエラーは、接続確立処理において発生するエラーと、認証処理において発生するエラーと、サービス準備処理にて発生するエラーと、を含む。
【0077】
接続確立処理において発生するエラーは、例えば、到達エラーや応答エラーを含む。到達エラーは、接続情報ＣＩに含まれる所在情報（例えば、ＩＰアドレスやＵＲＬ）に基づいて接続要求を行ったが、サーバ３００Ａに接続要求が到達しないエラーである。応答エラーは、例えば、サーバ３００Ａに接続要求が到達したがサーバ３００Ａから応答として何らかのエラー（例えば、ＵＲＬに対応するリソースが存在しないことを示すエラー）が送信される場合である。
【0078】
認証処理において発生するエラー（認証エラーとも呼ぶ）は、例えば、プリンタ１００がサーバ３００Ａの正当性を確認できないエラーや、サーバ３００Ａがプリンタ１００の正当性を確認できないエラーを含む。
【0079】
サービス準備処理にて発生するエラーは、本実施例では、サーバ３００Ａにてサービスの提供が開始されていないためにサービス情報を取得できない提供エラーを含む。提供エラーが発生した場合には、プリンタ１００は、サーバ３００Ａから上述したサービス開始時期情報を取得できる場合がある。サービス開始時期情報は、サーバ３００Ａにおいてサービスの提供が開始される将来の日時を示す情報である。
【0080】
オンボーディング処理が正常に終了した後、あるいは、エラーによって中断された後に、プリンタ１００は、図４のＳ１６にて、第２動作判定処理を実行する。
【0081】
図７は、第２動作判定処理のフローチャートである。図７のＳ９０５では、プリンタ１００は、図４のＳ１４のオンボーディング処理の接続確立処理にて、エラーが発生したか否かを判断する。接続確立処理にてエラーが発生した場合には（Ｓ９０５：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、Ｓ９１０にて、プリンタ１００の表示部１４０に、通知画面Ｗ４を表示する。
【0082】
図６（Ｄ）の通知画面Ｗ４は、対象サーバであるサーバ３００Ａとの通信の接続に失敗したことを通知するメッセージＭＳ４ａと、対象サーバが一時的にダウンしている可能性を通知するメッセージＭＳ４ｂと、表示終了ボタンＢＴｅと、を含む。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ４の表示は終了される。
【0083】
Ｓ９１５では、プリンタ１００は、図４のＳ１４のオンボーディング処理を所定回数（例えば、３～５回）だけ再試行したか否かを判断する。オンボーディング処理が所定回だけ再試行されていない場合には（Ｓ９１５：ＮＯ）、プリンタ１００は、図４のＳ１４に戻って、オンボーディング処理を、再度、試行する。再度の試行は、例えば、所定時間（例えば、数分）の間隔を開けて実行される。オンボーディング処理が所定回だけ再試行された場合には（Ｓ９１５：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、第２動作判定処理を終了し、図４の処理は、中断される。したがって、この場合には、オンボーディング処理が完了しないので、図４のＳ１８のサービス処理は実行できない。
【0084】
接続確立処理にてエラーが発生していない場合には（Ｓ９０５：ＮＯ）、プリンタ１００は、Ｓ９２０にて、図４のＳ１４のオンボーディング処理のアプリケーションとの処理（すなわち、認証処理またはサービス準備処理）にて、エラーが発生したか否かを判断する。アプリケーションとの処理にてエラーが発生した場合には（Ｓ９２０：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、Ｓ９２５にて、サービス開始時期情報が取得されたか否かを判断する。すなわち、サービス準備処理にて、提供エラーが発生し、サービス開始時期情報が取得されたか否かが判断される。
【0085】
サービス開始時期情報が取得されない場合には（Ｓ９２５：ＮＯ）、例えば、認証処理でエラーが発生した場合や、サービス準備処理のエラーであってもサービス開始時期情報が取得できなかった場合には、プリンタ１００は、Ｓ９３０にて、プリンタ１００の表示部１４０に、通知画面Ｗ５を表示する。図６（Ｅ）の通知画面Ｗ５は、サーバ３００Ａとの通信の接続に失敗したことを通知するメッセージＭＳ５ａと、サーバ３００Ａにおける手続に問題がある可能性を通知するメッセージＭＳ５ｂと、対象サーバを運用する事業者等の連絡先に対してエラーを連絡することを促すメッセージＭＳ５ｃと、表示終了ボタンＢＴｅと、を含む。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ５の表示は終了される。
【0086】
サービス開始時期情報が取得された場合には（Ｓ９２５：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、Ｓ９３５にて、プリンタ１００の表示部１４０に、上述した通知画面Ｗ３（図６（Ｃ））を表示する。すなわち、この場合には、図４のＳ４の接続情報取得処理にてサービス開始時期情報が取得された場合と同様の通知画面が表示される。表示終了ボタンＢＴｅが押下されると、通知画面Ｗ３の表示は終了される。
【0087】
Ｓ９４０では、図５のＳ８３５と同様に、プリンタ１００は、図４の処理の次回の実行時刻を設定する。例えば、次回の実行時刻は、上述のサービス開始時期情報に基づいて、サービスの提供が開始される時期よりも後の時刻に設定される。Ｓ９３０にて実行時刻が設定された場合には、その後に実行時刻が到来したときに、図４の処理がＳ２から再度実行される。
【0088】
【0089】
アプリケーションとの処理にてエラーが発生していない場合には（Ｓ９２０：ＮＯ）、すなわち、オンボーディング処理が正常に終了した場合には、プリンタ１００とサーバ３００Ａとは、協働して、サービス処理を実行できる。このために、この場合には、プリンタ１００は、第２動作判定処理を終了し、図４のＳ１８に処理を進める。
【0090】
【0091】
Ａ－３．動作例
以上説明した処理によれば、エラーが発生した場合には、エラーに応じて、適宜に通知画面Ｗ１～Ｗ５のいずれかが表示されつつ、処理の再試行等が行われる。以下では、動作例を説明する。
以上説明した処理によれば、エラーが発生した場合には、エラーに応じて、適宜に通知画面Ｗ１～Ｗ５のいずれかが表示されつつ、処理の再試行等が行われる。以下では、動作例を説明する。
【0092】
図８～図１０は、動作例のシーケンス図である。図８、図９では、図４に示す処理のうち、初回に実行される処理の符号には、図４の同じ処理の符号の末尾に「Ａ」が付され、２回目、３回目に実行される処理の符号には、図４の同じ処理の符号の末尾に、それぞれ、「Ｂ」、「Ｃ」が付されている。
【0093】
Ａ－３－１．動作例１
図８の動作例１では、初回の電源投入を開始契機として、図８のＳ２Ａ、Ｓ４Ａの処理が実行される。ここで、図８のＳ４Ａの接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得できない取得エラーが発生したとする。この場合には、図８のＳ８Ａの第１動作判定処理にて、通知画面Ｗ１（図６（Ａ））が表示され、処理は中断される（図５のＳ８１０にてＹＥＳ、Ｓ８１５）。
図８の動作例１では、初回の電源投入を開始契機として、図８のＳ２Ａ、Ｓ４Ａの処理が実行される。ここで、図８のＳ４Ａの接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得できない取得エラーが発生したとする。この場合には、図８のＳ８Ａの第１動作判定処理にて、通知画面Ｗ１（図６（Ａ））が表示され、処理は中断される（図５のＳ８１０にてＹＥＳ、Ｓ８１５）。
【0094】
上述したように、本実施例の手法では、プリンタ１００の製造後にも、新たにサービスを開始することが容易である。初回の電源投入を開始契機とする場合には、サービスが開始される前であっても、Ｓ２Ａ、Ｓ４Ａの処理が実行されるので、初回の電源投入を開始契機とする場合に取得エラーが発生する場合には、その時点でサーバ３００Ａによるサービスが提供されていない可能性が高い。この場合には、この時点では、ユーザが取るべき対応は、サービスの開始を待つことであり、ユーザは、サービス事業者への連絡などの積極的な行動を起こす必要はないと考えられる。このために、図６（Ａ）の通知画面Ｗ１は、図６（Ｂ）の通知画面Ｗ２とは異なり、ユーザが取るべき対応を示すメッセージを含んでいない。変形例では、通知画面Ｗ１は、例えば、「サービス開始案内を受け取るまでお待ちください」等のユーザがとるべき対応を示すメッセージを含んでも良い。
【0095】
サーバ３００Ａによるサービスが開始されると、ユーザは、サービス開始案内を受領する。ユーザは、サービス開始案内を受領すると、プリンタ１００に、図４の処理を開始させるための上述したユーザ指示を入力する。
【0096】
ユーザ指示が入力されると、ユーザ指示の入力を開始契機として、図８のＳ２Ｂ、Ｓ４Ｂの処理が実行される。ここで、図８のＳ４Ｂの接続情報取得処理にて、上述のＳ４Ａの場合と同様に、接続情報ＣＩが取得できない取得エラーが発生したとする。この場合には、図８のＳ８Ｓの第１動作判定処理にて、通知画面Ｗ２（図６（Ｂ））が表示され、処理は中断される（図５のＳ８１０にてＮＯ、Ｓ８２０）。
【0097】
ユーザ指示を開始契機とする場合には、ユーザは、サービス開始案内を受領していると考えられるために、サーバ３００Ａによるサービスは開始されている可能性が高い。このために、ユーザ指示を開始契機とする場合に取得エラーが発生する場合には、図３のＳ１００～Ｓ４５０の過程で、何らかの手続き上の問題（例えば、手続きの間違い）が発生している可能性がある。例えば、図３のＳ３００、Ｓ４００の処理における間違いによって、仲介サーバ４００に、ユーザのプリンタ１００のＧＵＩＤに対応する接続情報ＣＩが登録されていない可能性がある。この場合には、ユーザは、適切な連絡先（本実施例ではサーバ３００Ａを運用するサービス事業者）に、取得エラーの発生を連絡することが好ましい。これによって、例えば、サービス事業者が手続き上の問題の有無を確認して、問題があれば、しかるべき対応を行うことで、当該問題を解決できる場合がある。このために、図６（Ｂ）の通知画面Ｗ２は、上述したように、手続に問題がある可能性を通知するメッセージＭＳ２ｂと、サーバ３００Ａを運用する事業者等の連絡先に対してエラーを連絡することを促すメッセージＭＳ２ｃと、を含んでいる。
【0098】
ユーザがサービス事業者に連絡し、サービス事業者が問題解決のための対応を行った後に、ユーザは、再度、ユーザ指示をプリンタ１００に入力する。
【0099】
ユーザ指示が入力されると、ユーザ指示の入力を開始契機として、図８のＳ２Ｃ、Ｓ４Ｃの処理が実行される。ここで、図８のＳ４Ｃの接続情報取得処理では、上述の問題が解決済みであるために、接続情報ＣＩが取得され、接続情報取得処理は、正常に終了する。この場合には、図８のＳ８Ｃの第１動作判定処理は、通知画面を表示することなく、正常に終了する（図５のＳ８０５にてＹＥＳ、Ｓ８２５にてＮＯ）。
【0100】
その後に、図８のＳ１０Ａ～Ｓ１６Ａが実行される。図８の動作例１では、Ｓ１４Ａのオンボーディング処理は、エラーが発生することなく、正常に終了するものとする。この場合には、Ｓ１６Ａの第２動作判定処理も、通知画面を表示することなく、正常に終了する（図７のＳ９０５にてＮＯ、Ｓ９２０にてＮＯ）。そして、図８のＳ１８Ａにて、プリンタ１００とサーバ３００Ａとの間でサービス処理が実行される。
【0101】
Ａ－３－２．動作例２
図９の動作例２では、初回の電源投入を開始契機として、図９のＳ２Ａ、Ｓ４Ａの処理が実行される。ここで、図９のＳ４Ａの接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得され、Ｓ４Ａの接続情報取得処理は、正常に終了したとする。この場合には、図９のＳ８Ａの第１動作判定処理は、通知画面を表示することなく、正常に終了する（図５のＳ８０５にてＹＥＳ、Ｓ８２５にてＮＯ）。
図９の動作例２では、初回の電源投入を開始契機として、図９のＳ２Ａ、Ｓ４Ａの処理が実行される。ここで、図９のＳ４Ａの接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得され、Ｓ４Ａの接続情報取得処理は、正常に終了したとする。この場合には、図９のＳ８Ａの第１動作判定処理は、通知画面を表示することなく、正常に終了する（図５のＳ８０５にてＹＥＳ、Ｓ８２５にてＮＯ）。
【0102】
その後に、図９のＳ１０Ａ～Ｓ１６Ａが実行される。図９の動作例２では、Ｓ１４Ａのオンボーディング処理では、接続確立処理にて応答エラーが発生したとする。この場合には、図９のＳ１６Ａの第２動作判定処理にて、通知画面Ｗ４（図６（Ｄ）が表示され、オンボーディング処理の再試行が設定される（図７のＳ９０５にてＹＥＳ、Ｓ９１０、Ｓ９１５にてＮＯ）。
【0103】
接続情報ＣＩが取得されたにも拘わらずに、未到達エラーや応答エラーが発生している場合には、サーバ３００Ａが存在していないとは考えにくく、サーバ３００Ａが一時的にダウンしている可能性がある。このために、図６（Ｄ）の通知画面Ｗ４は、上述したように、サーバ３００Ａとの通信の接続に失敗したことを通知するメッセージＭＳ４ａと、対象サーバが一時的にダウンしている可能性を通知するメッセージＭＳ４ｂと、を含んでいる。
【0104】
サーバ３００Ａが一時的にダウンしている場合には、オンボーディング処理の接続確立処理を何度か再試行すれば、接続確立処理が成功する可能性がある。このために、この場合には、図９のＳ１４Ｂにて、オンボーディング処理が再試行される。
【0105】
Ｓ１４Ｂのオンボーディング処理では、接続確立処理と認証処理とはエラーが発生することなく完了されるものとする。そして、Ｓ１４Ｂのオンボーディング処理では、サービス準備処理にて、サービスの提供が開始されていないためにサービス情報を取得できない提供エラーが発生し、プリンタ１００はサービス開始時期情報を取得するとする。この場合には、図９のＳ１６Ｂの第２動作判定処理にて、通知画面Ｗ３（図６（Ｃ）が表示され、次の実行時刻が設定されて、処理が中断される（図７のＳ９２０にてＹＥＳ、Ｓ９２０にてＹＥＳ、Ｓ９３５、Ｓ９４０）。
【0106】
その後、サーバ３００Ａにてサービスの提供が開始され、実行時刻が到来すると、実行時刻の到来を開始契機として、図９のＳ２Ｂ、Ｓ４Ｂが実行される。図９のＳ２Ｂ、Ｓ４Ｂ、および、その後の処理は、例えば、図８のＳ２Ｃ～Ｓ８Ｃ、Ｓ１０Ａ～Ｓ１８Ａと同じである。
【0107】
【0108】
その後に、図１０のＳ１０Ａ～Ｓ１６Ａが実行される。図１０の動作例３では、Ｓ１４Ａのオンボーディング処理では、認証処理にて認証エラーが発生したとする。この場合には、図１０のＳ１６Ａの第２動作判定処理にて、通知画面Ｗ５（図６（Ｅ）が表示されて、処理が中断される（図７のＳ９２０にてＹＥＳ、Ｓ９２５にてＮＯ、Ｓ９３０）。
【0109】
認証エラー等のアプリケーションによる処理のエラーは、サービスの提供が開始されていないためにサービス準備処理が完了できないエラーを除いて、図３のＳ１００～Ｓ４５０の過程で、何らかの手続き上の問題（例えば、手続きの間違い）が発生している可能性がある。例えば、図３のＳ２００、Ｓ３００の処理の間違いによって、バウチャーＶＣの適切な受け渡しが行われておらず、認証処理において、プリンタ１００が、サーバ３００Ａの正当性を確認できない場合には、認証エラーが発生する。この場合には、ユーザは、適切な連絡先に、認証エラーの発生を連絡することが好ましい。これによって、例えば、サービス事業者が手続き上の問題の有無を確認して、問題があれば、しかるべき対応を行うことで、当該問題を解決できる場合がある。このために、図６（Ｅ）の通知画面Ｗ５は、図６（Ｂ）の通知画面Ｗ２と同様に、手続に問題がある可能性を通知するメッセージＭＳ５ｂと、サーバ３００Ａを運用する事業者等の連絡先に対してエラーを連絡することを促すメッセージＭＳ５ｃと、を含んでいる。
【0110】
ユーザがサービス事業者に連絡し、サービス事業者が問題解決のための対応を行った後に、ユーザは、再度、ユーザ指示をプリンタ１００に入力する。サービス開始案内を受領する。ユーザは、サービス開始案内を受領すると、プリンタ１００に、図４の処理を開始させるための上述したユーザ指示を入力する。
【0111】
ユーザ指示が入力されると、ユーザ指示の入力を開始契機として、図１０のＳ２Ｂ～Ｓ１８Ｂの処理が実行される。図１０のＳ２Ｂ～Ｓ１６Ｂ、Ｓ１８Ａの処理は、例えば、図８のＳ２Ｃ～Ｓ８Ｃ、Ｓ１０Ａ～Ｓ１８Ａと同じである。
【0112】
以上説明した本実施例によれば、プリンタ１００は、仲介サーバ４００から対象サーバであるサーバ３００Ａと接続するための接続情報ＣＩを取得する接続情報取得処理を実行する（図４のＳ４）。プリンタ１００は、接続情報ＣＩを用いてサーバ３００Ａと接続するオンボーディング処理を実行する（図４のＳ１４）。プリンタ１００は、接続情報取得処理にて接続情報ＣＩが取得できない場合にユーザにエラーを通知する（図５のＳ８１５、Ｓ８２０、Ｓ８３０）。プリンタ１００は、接続情報取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミング（例えば、初回の電源投入のタイミング）である場合には、第１のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ１の表示）を実行し、試行タイミングが第１のタイミングとは異なる第２のタイミング（例えば、ユーザ指示や実行時刻到来）である場合には、第１のエラー通知とは異なる第２のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ２の表示）を実行する（図５のＳ８１０～Ｓ８２０）。この結果、接続情報ＣＩの取得処理を試行する試行タイミングに応じて、適切なエラー通知を実行し得る。したがって、サーバと接続可能なデバイスであるプリンタ１００において、ユーザに対する利便性を向上し得る。例えば、上述したように、試行タイミングに応じて、エラーが発生した場合に、ユーザが取るべき対応が異なる場合には、該ユーザが取るべき対応に応じてエラー通知が実行され得るので、利便性が向上する。
【0113】
さらに、上記第１のタイミングは、１回目の接続情報取得処理が試行されるタイミング（本実施例では、初回の電源投入のタイミング）である（図５のＳ８１０にてＹＥＳ）。第２のタイミングは、２回目以降の接続情報取得処理が試行されるタイミング（本実施例では、実行時刻が到来したタイミングやユーザ指示が入力されるタイミング）である（図５のＳ８１０にてＮＯ）。この構成によれば、１回目の接続情報取得処理が試行されるタイミングと、２回目以降の接続情報取得処理が試行されるタイミングと、のそれぞれで、適切なエラー通知を実行し得る。例えば、実施例のように、１回目の接続情報取得処理が試行されるタイミングと、２回目以降の接続情報取得処理が試行されるタイミングと、では、サーバ３００Ａの状況（例えば、サービスが開始されているか否か）が異なる場合がある。このような場合であっても状況に応じた適切なエラー通知が実行される。
【0114】
さらに、上記第１のタイミングは、接続情報取得処理が試行される特定のタイミング（本実施例では、初回の電源投入のタイミング）である（図５のＳ８１０にてＹＥＳ）。第２のタイミングは、特定のタイミングでの接続情報取得処理またはオンボーディング処理において設定される実行時刻が到来したタイミングである（図５のＳ８１０にてＮＯ）。この構成によれば、特定のタイミングと、実行時刻が到来したタイミングと、のそれぞれで、適切なエラー通知を実行し得る。例えば、特定のタイミングと、実行時刻が到来したタイミングと、では、サーバ３００Ａの状況（例えば、サービスが開始されているか否か）が異なる場合がある。このような場合であっても状況に応じた適切なエラー通知が実行される。
【0115】
さらに、上記第１のタイミングは、プリンタ１００が、ユーザ指示を取得することとなく、接続情報取得処理を試行するタイミングであり、第２のタイミングは、ユーザ指示を取得することに応じて、接続情報取得処理を試行するタイミングである。例えば、実施例のように、ユーザ指示が取得することなく、接続情報取得処理が実行される場合（例えば、初回の電源投入時）と、ユーザ指示が取得されることに応じて、接続情報取得処理が実行される場合とでは、サーバ３００Ａの状況が異なる場合がある。例えば、本実施例では、ユーザ指示は、サービスが開始されているか否か）が異なる場合がある。このような場合であっても状況に応じた適切なエラー通知が実行される。
【0116】
さらに、上記第２のタイミングで実行される第２のエラー通知（本実施例の通知画面Ｗ２）は、サーバ３００Ａに関連する特定の連絡先に対してエラーを連絡することをユーザに促すメッセージＭＳ２ｃを含む（図６（Ｂ））。上記第１のタイミングで実行される第１のエラー通知（本実施例の通知画面Ｗ１）は、このようなメッセージを含まない（図６（Ａ））。上述のように、接続情報取得処理の試行タイミングによって、例えば、サービス事業者等の特定の連絡先に対してエラーを連絡することでエラーを解決できる可能性が高い場合と、特定の連絡先に対してエラーを連絡してもエラーを解決できる可能性が低い場合がある。本実施例では、このような状況に応じて、適切なエラー通知を実行できる。
【0117】
さらに、本実施例によれば、取得される接続情報ＣＩは、サーバ３００Ａの所在を示す所在情報を含む（図２（Ｄ））ので、例えば、プリンタ１００は、製造時にサーバ３００Ａの所在情報を保持していなくても、サーバ３００Ａとの間でオンボーディング処理を実行できる。
【0118】
さらに、本実施例によれば、プリンタ１００は、仲介サーバ４００から、サーバ３００Ａによるサービスが提供されていないことを示すサービス開始時期情報を取得する場合に（図５のＳ８２５にてＹＥＳ）、サービスが提供されていない旨を示すメッセージＭＳ３ａを含む提供エラー通知（本実施例の通知画面Ｗ３）を実行する（図５のＳ８３０、図６（Ｂ））。この結果、サーバ３００Ａによるサービスが提供されていない場合に適切なエラー通知を実行できる。
【0119】
さらに、本実施例によれば、プリンタ１００は、オンボーディング処理（図４のＳ１４）にて、エラーが発生した場合に、接続情報取得処理にて通知され得る第１のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ１の表示）とは異なる接続エラー通知（例えば、通知画面Ｗ４、Ｗ５の表示）を実行する（図７のＳ９１０、Ｓ９３０）。この結果、エラーが発生した処理に応じて、適切な通知を実行できる。
【0120】
具体的には、プリンタ１００は、接続確立処理にてエラーが発生した場合には、接続エラー通知として、第３のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ４の表示）を実行し、認証処理やサービス準備処理にてエラーが発生した場合には、接続エラー通知として、第３のエラー通知とは異なる第４のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ５の表示）を実行する。そして、第４のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ５の表示）は、サーバ３００Ａに関連する特定の連絡先に対してエラーを連絡することをユーザに促すメッセージＭＳ５ｃを含む（図６（Ｅ））。第３のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ４の表示）は、このようなメッセージを含まない（図６（Ｄ））。上述のようにオンボーディング処理におけるエラーの種類によって、例えば、サービス事業者等の特定の連絡先に対してエラーを連絡することでエラーを解決できる可能性が高い場合と、特定の連絡先に対してエラーを連絡してもエラーを解決できる可能性が低い場合がある。本実施例では、このような状況に応じて、適切なエラー通知を実行できる。
【0121】
さらに、本実施例によれば、オンボーディング処理の接続確立処理にてエラーが発生した場合に、オンボーディング処理を再度試行し（図７のＳ９１５）、オンボーディング処理の認証処理やサービス準備処理にてエラーが発生した場合に、オンボーディング処理を再度試行しない（図７）。上述のように、接続確立処理にてエラーが発生した場合には、例えば、一時的な通信障害やサーバ３００Ａのダウンなどのエラーである可能性があるために、オンボーディング処理を再度試行した場合には同一のエラーが発生しない可能性がある。認証処理やサービス準備処理にてエラーが発生した場合には、例えば、サーバ３００Ａ側で対応が必要である可能性が高いので、オンボーディング処理を再度試行したとしても同一のエラーが発生する可能性が高い。本実施例によれば、このような事情に鑑みて、オンボーディング処理の再試行を適切に実行できる。
【0122】
さらに、本実施例によれば、プリンタ１００は、サーバ３００Ａにてサービスが提供されていないためにサービス準備処理を完了できない場合に（図６のＳ９２５にてＹＥＳ）、上述のように、サービスが提供されていない旨を示すメッセージＭＳ３ａを含むエラー通知（例えば、図６（Ｃ）の通知画面Ｗ３の表示）を実行する（図６のＳ９３５）。この結果、サーバ３００Ａにてサービスが提供されていない場合であっても適切な通知を実行できる。
【0123】
さらに、本実施例によれば、プリンタ１００は、サーバ３００Ａにてサービスが提供されていない場合に、接続情報取得処理やオンボーディング処理において、サービスの提供が開始される時期に関するサービス開始時期情報を受信し（図５のＳ８２５にてＹＥＳ、または、図７のＳ９１５にてＹＥＳ）、サービス開始時期情報に基づいて、サービスの提供が開始される時期より後に、接続情報取得処理およびオンボーディング処理を再度試行する（図５のＳ９３５または図７のＳ９４０）。この結果、対象サーバによるサービスの提供が開始された後に、オンボーディング処理を再度試行するので、オンボーディング処理を適切に完了できる。
【0124】
以上の説明から解るように、本実施例の接続情報取得処理は、取得処理の例であり、オンボーディング処理は、接続処理の例である。また、オンボーディング処理の接続確立処理は、第１処理の例であり、認証処理およびサービス準備処理は、第２処理の例である。
【0125】
Ｂ．第２実施例
第２実施例では、図４に示すように、図４の処理の開始契機が第２実施例とは異なる。第２実施例のシステム１０００は、図２に破線で示すように、第１実施例では備えていない情報提供サーバ５００を備えている。
第２実施例では、図４に示すように、図４の処理の開始契機が第２実施例とは異なる。第２実施例のシステム１０００は、図２に破線で示すように、第１実施例では備えていない情報提供サーバ５００を備えている。
【0126】
情報提供サーバ５００は、例えば、プリンタ１００の製造事業者が運用するサーバである。プリンタ１００は、定期的に（例えば、１日に一度）、情報提供サーバ５００に情報要求信号を送信する。情報提供サーバ５００は、情報要求信号を受信したときに、プリンタ１００に送信すべき情報がある場合には、プリンタ１００に、情報要求信号に対する応答として該情報を送信する。
【0127】
第２実施例では、情報提供サーバ５００は、サーバ３００Ａにてサービスの提供が開始された場合には、サーバ３００Ａ、もしくは、サーバ３００Ａの運用者の別の端末装置からの通知に基づいて、サーバ３００Ａにてサービスの提供が開始されたことを示すサービス開始通知を記憶する。情報提供サーバ５００は、サービス開始通知の記憶後に、プリンタ１００から情報要求信号を受信したときに、プリンタ１００にサービス開始通知を送信する。
【0128】
第２実施例における図４の処理の開始契機は、第１実施例におけるユーザ指示に変えて、サービス開始通知の受信を含む。すなわち、第２実施例における図４の処理の開始契機は、第１実施例と同様の初回の電源投入と実行時刻の到来と、第１実施例とは異なるサービス開始通知の受信と、を含む（図４）。このために、第２実施例では、初回の電源投入の後に、サービス開始通知が受信される場合、最初に図４のＳ４の接続情報取得処理が試行されるタイミングは、サービス開始通知が受信される前のタイミングである。そして、その後に、図４のＳ４の接続情報取得処理が試行されるタイミングは、サービス開始通知が受信された後のタイミングである。
【0129】
このために、第２実施例では、図４のＳ４の接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得できない取得エラーが発生した場合において、接続情報取得処理の試行タイミングが、初回の電源投入のタイミングである場合には（図５のＳ８１０にてＹＥＳ）、図６（Ａ）の通知画面Ｗ１が表示される（図５のＳ８１５）。そして、接続情報取得処理の試行タイミングが、サービス開始通知が受信された後のタイミングである場合には（図５のＳ８１０にてＮＯ）、図６（Ｂ）の通知画面Ｗ２が表示される（図５のＳ８２０）。
【0130】
この結果、第２実施例によれば、プリンタ１００は、サービス開始通知が受信される前に接続情報取得処理が試行されるタイミングと、サービス開始通知が受信された後に接続情報取得処理が試行されるタイミングと、のそれぞれで、適切なエラー通知を実行し得る。
【0131】
Ｃ．第３実施例
図１１は、第３実施例の第１動作判定処理のフローチャートである。第３実施例では、第１動作判定処理が第１実施例とは異なっており、図５の第１動作判定処理に代えて、図１１の第１動作判定処理が実行される。
図１１は、第３実施例の第１動作判定処理のフローチャートである。第３実施例では、第１動作判定処理が第１実施例とは異なっており、図５の第１動作判定処理に代えて、図１１の第１動作判定処理が実行される。
【0132】
図１１の第１動作判定処理と図５の第１動作判定処理とが異なる点は、図１１の第１動作判定処理では、図５の第１動作判定処理のＳ８１５の処理が実行されない点である。図１１の第１動作判定処理の他の処理は、図５の第１動作判定処理の同符号の処理と同一である。
【0133】
すなわち、図１１の第１動作判定処理では、プリンタ１００は、Ｓ８１０にて、図４のＳ２の処理の開始契機が初回の電源投入であるか否かを判断する。プリンタ１００は、開始契機が初回の電源投入である場合には（Ｓ８１０：ＹＥＳ）、プリンタ１００は、通知画面を表示することなく、図１１の第１動作判定処理を終了する。これによって、図４の処理は、中断される。
【0134】
開始契機が初回の電源投入でない場合には（Ｓ８１０：ＮＯ）、プリンタ１００は、図５の第１動作判定処理と同様に、Ｓ８２０にて、表示部１４０に通知画面Ｗ２を表示し、その後に、図１１の第１動作判定処理を終了する。これによって、図４の処理は、中断される。ここで、第３実施例において、開始契機が初回の電源投入でない場合は、第１実施例と同様に、開始契機がユーザ指示である場合や開始契機が実行時刻の到来である場合である。これに代えて、あるいは、これに加えて、開始契機が初回の電源投入でない場合は、第２実施例と同様に、開始契機が、情報提供サーバ５００からサービス開始通知を受信したことであっても良い。
【0135】
以上の説明から解るように、第３実施例では、上述した図８（動作例１）のＳ４Ａの接続情報取得処理にて、接続情報ＣＩが取得できない取得エラーが発生した場合には、図８のＳ８Ａの第１動作判定処理にて、通知画面が表示されることなく、処理は中断される（図１１のＳ８１０にてＹＥＳ）。この場合には、ユーザは、例えば、取得エラーが発生したことを認識することもない。
【0136】
以上説明した本実施例によれば、プリンタ１００は、仲介サーバ４００から対象サーバであるサーバ３００Ａと接続するための接続情報ＣＩを取得する接続情報取得処理を実行する（図４のＳ４）。プリンタ１００は、接続情報ＣＩを用いてサーバ３００Ａと接続するオンボーディング処理を実行する（図４のＳ１４）。プリンタ１００は、接続情報取得処理にて接続情報ＣＩが取得できない場合にはユーザにエラーを通知する場合がある（図１１のＳ８２０、Ｓ８３０）。プリンタ１００は、接続情報取得処理が試行される試行タイミングが第１のタイミング（例えば、初回の電源投入のタイミング）である場合には、エラー通知を実行せず、試行タイミングが第１のタイミングとは異なる第２のタイミング（例えば、ユーザ指示や実行時刻到来）である場合には、第１実施例と同様の第２のエラー通知（例えば、通知画面Ｗ２の表示）を実行する（図１１のＳ８１０～Ｓ８２０）。この結果、接続情報ＣＩの取得処理を試行する試行タイミングに応じて、エラー通知を実行するか否かを適切に切り替えることができる。したがって、サーバと接続可能なデバイスであるプリンタ１００において、ユーザに対する利便性を向上し得る。
【0137】
例えば、初回の電源投入のタイミングで、取得エラーが発生した場合には、ユーザは、対応する必要がない可能性が高い。例えば、第１実施例でも説明したように、その時点で対象サーバ（例えば、サーバ３００Ａ）によるサービスが提供されていない場合には、ユーザは、サービスの開始を待てば良く、何らかの対応を行う必要はない。また、ユーザがそもそもサービスを利用する意志がなく、サービスの利用契約を結んでいない場合がある。この場合には、初回の電源投入のタイミングで接続情報取得処理が実行されても、当然に、対象サーバであるサーバ３００Ａと接続するための接続情報ＣＩは取得されず、取得エラーが発生する。この場合にも、ユーザは、何ら対応を行う必要はない。ユーザが何ら対応を行う必要がない場合には、エラー通知が表示されてもユーザにとって利益がなく、ユーザに不安を与える不利益だけが生じる可能性がある。これに対して、初回の電源投入とは異なるタイミング、例えば、サービスの開始案内を受領したユーザの指示が入力されたタイミングや、サービス開始時期情報に基づく実行時刻が到来したタイミングで接続情報取得処理が実行される場合は、例えば、第１実施例で説明したように、ユーザがサービス事業者に連絡する等の対応を行う必要がある可能性が高い。従って、この場合には、第１実施例と同様に、エラー通知を行う必要性が高い。本実施例によれば、このように、試行タイミングによって、エラーが発生した場合にユーザが対応を取る必要がある場合と無い場合がある場合などに、試行タイミングに応じてエラー通知を実行するか否かが適切に切り替えられるので、利便性が向上する。
【0138】
Ｄ．変形例
（１）上記実施例では、接続情報取得処理は、サービスを提供するサーバ３００Ａ～３００Ｄとは異なる仲介サーバ４００とプリンタ１００との間で実行され、プリンタ１００は、仲介サーバ４００から接続情報ＣＩを取得している。これに代えて、接続情報取得処理は、例えば、サーバ３００Ａ～３００Ｄのうちの１つのサーバ（例えばサーバ３００Ａ）とプリンタ１００との間で実行され、プリンタ１００は、サーバ３００Ａから接続情報ＣＩを取得しても良い。この場合には、例えば、サーバ３００Ａは、プリンタ１００から第１のＵＲＬを用いてアクセスされる場合には、プリンタ１００との間で接続情報取得処理を実行し、プリンタ１００から第２のＵＲＬを用いてアクセスされる場合には、プリンタ１００との間でオンボーディング処理を実行する。そして、プリンタ１００の不揮発性記憶装置１３０には、仲介サーバ情報ＲＳＩに代えて、第１のＵＲＬを含むサーバ３００Ａに接続するための情報が記憶される。
（１）上記実施例では、接続情報取得処理は、サービスを提供するサーバ３００Ａ～３００Ｄとは異なる仲介サーバ４００とプリンタ１００との間で実行され、プリンタ１００は、仲介サーバ４００から接続情報ＣＩを取得している。これに代えて、接続情報取得処理は、例えば、サーバ３００Ａ～３００Ｄのうちの１つのサーバ（例えばサーバ３００Ａ）とプリンタ１００との間で実行され、プリンタ１００は、サーバ３００Ａから接続情報ＣＩを取得しても良い。この場合には、例えば、サーバ３００Ａは、プリンタ１００から第１のＵＲＬを用いてアクセスされる場合には、プリンタ１００との間で接続情報取得処理を実行し、プリンタ１００から第２のＵＲＬを用いてアクセスされる場合には、プリンタ１００との間でオンボーディング処理を実行する。そして、プリンタ１００の不揮発性記憶装置１３０には、仲介サーバ情報ＲＳＩに代えて、第１のＵＲＬを含むサーバ３００Ａに接続するための情報が記憶される。
【0139】
（２）上記実施例では、プリンタ１００は、サービス開始時期情報を取得する場合には、次の実行時刻を設定して、自動的に、接続情報取得処理を再度試行している。これに代えて、プリンタ１００は、サービス開始時期情報を取得する場合には、サービスの開始時期をユーザに通知するメッセージを含む通知画面を表示しても良い。この場合には、サービスの開始時期が到来した後に、ユーザがユーザ指示をプリンタ１００に入力することによって、接続情報取得処理が再度試行される。
【0140】
（３）上記実施例では、仲介サーバ４００やサーバ３００Ａは、サーバ３００Ａにてサービスが開始されていない場合に、サービス開始時期情報を送信している。これに代えて、サービスが開始されていないことのみを示し、サービスの開始時期を示さない情報が、送信されても良い。この場合には、プリンタ１００は、実行時刻を自動的に設定することはきないので、実行時刻の設定は行われなくても良い。この場合には、例えば、サービス開始案内をユーザが受領した場合に、ユーザ指示がプリンタ１００に入力されることによって、次回の接続情報取得処理が試行される。
【0141】
また、サービス開始時期情報に代えて、サービスの提供が開始される時期に関連する他の時期情報が用いられても良い。例えば、サービスの提供が開始される時期よりも後に設定される実行推奨時期を示す推奨時期情報が用いられても良い。例えば、サーバ３００Ａや仲介サーバ４００は、同じ時刻にプリンタからのサーバ３００Ａへのアクセスが集中しないように、送信先のプリンタごとに少しずつ時期が異なる実行推奨時期を示す推奨時期情報を送信しても良い。この場合には、例えば、プリンタ１００は、推奨時期情報を受信すると、図５のＳ８３５や図７のＳ９４０にて、推奨時期情報によって示される実行推奨時期に次回の実行時刻を設定しても良い。
【0142】
（４）上記実施例の通知画面Ｗ２（図６（Ｂ））や通知画面Ｗ５（図６（Ｅ））は、特定の連絡先に対してエラーを連絡することをユーザに促すメッセージＭＳ２ｃ、ＭＳ２ｃを含む。これに代えて、例えば、これらの通知画面Ｗ２、Ｗ５は、ユーザ自身が実行可能な問題を解決するための方法を提示するメッセージを含んでも良い。例えば、通知画面Ｗ２は、メッセージＭＳ２ｃに代えて、あるいは、メッセージＭＳ２ｃとともに、ユーザが自身の端末装置を用いてバウチャーＶＣをサーバ３００Ａに送信し直す方法や、該方法の説明を閲覧するためのＵＲＬを提示するメッセージが含まれても良い。
【0143】
（５）上記実施例の第１動作判定処理や第２動作判定処理は、一例であり、適宜に一部の処理の省略や変形がされても良い。例えば、第１動作判定処理や第２動作判定処理において、実行時刻の設定（図５のＳ８３０、図７のＳ９４０）は省略されても良い。第１動作判定処理において実行時刻の設定を行わない場合には、図５のＳ８３０では、通知画面Ｗ３に代えて、通知画面Ｗ１が表示されても良い。
【0144】
例えば、複数の通知画面を使い分けるのは、第１動作判定処理のみとし、第２動作判定処理では、エラーが発生した場合には、常に共通の通知画面が表示されても良い。共通の通知画面は、例えば、単に、オンボーディング処理においてエラーが発生したことを通知する画面であっても良い。
【0145】
例えば、第２動作判定処理において、図７のＳ９１５の再試行の設定は、省略されても良い。この場合には、Ｓ９１０にて表示される通知画面Ｗ４は、所定時間の経過後に、ユーザ指示を入力して接続情報取得処理を再度試行するようにユーザに促すメッセージを含んでも良い。
【0146】
例えば、通知画面Ｗ１～Ｗ５（図６）に示すメッセージの文言は、一例であり、これに限られない。これらのメッセージには、例えば、同様の趣旨を表現する他の文言が採用されても良い。
【0147】
また、プリンタ１００は、自身の表示部１４０に、通知画面Ｗ１～Ｗ５（図６）を表示することで、ユーザへの通知を実行している。これに代えて、他の方法、例えば、ユーザの端末装置の表示部や音声出力を用いて、ユーザへの通知が実行されても良い。この場合には、例えば、通知画面Ｗ１～Ｗ５に含まれる通知内容を示す通知データを、ユーザの端末装置に送信しても良い。
【0148】
（６）上記各実施例では、デバイスとしてプリンタ１００が採用されている。これに限らず、対象サーバと協働してユーザに対してサービスを提供する他のデバイスが採用されても良い。他のデバイスを用いるサービスには、例えば、自宅やオフィスなどに設定された他のデバイス（例えば、監視カメラ、調理器具等の電化製品）を、端末装置（端末アプリケーション）から対象サーバを介して遠隔操作するサービスが含まれ得る。
【0149】
（８）上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0150】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0151】
１０００…システム,１００…プリンタ,１１０…ＣＰＵ,１２０…揮発性記憶装置,１３０…不揮発性記憶装置,１４０…表示部,１５０…操作部,１７０…印刷機構,１８０…通信ＩＦ,２００…端末装置,２１０…ＣＰＵ,２２０…揮発性記憶装置,２３０…不揮発性記憶装置,２４０…表示部,２５０…操作部,２８０…通信ＩＦ,３００Ａ～３００Ｄ…サーバ,３１０…ＣＰＵ,３２０…揮発性記憶装置,３３０…不揮発性記憶装置,３８０…通信ＩＦ,４００…仲介サーバ,４１０…ＣＰＵ,４２０…揮発性記憶装置,４３０…不揮発性記憶装置,４８０…通信ＩＦ,５００…情報提供サーバ,ＢＰ…ブラウザプログラム,ＣＤＢ…接続情報データベース,ＣＩ…接続情報,ＩＴ…インターネット,ＰＧａ,ＰＧｂ,ＰＧｐ…コンピュータプログラム,ＲＳＩ…仲介サーバ情報,ＶＣ…バウチャー,ＶＤＢ…バウチャーデータベース,Ｗ１～Ｗ５…通知画面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】