(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155165
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】構造化光プロジェクタ及び三次元画像センシング装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20231013BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20231013BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G02B3/00 A
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033200
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】17/658,444
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502016219
【氏名又は名称】ハイマックス テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】蕭 名淑
【テーマコード(参考)】
2F065
2H249
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA53
2F065BB05
2F065CC16
2F065DD03
2F065FF01
2F065FF02
2F065FF04
2F065FF08
2F065FF09
2F065GG01
2F065HH05
2F065HH06
2F065HH07
2F065HH13
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL10
2F065LL12
2F065LL42
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA31
2H249AA55
(57)【要約】
【課題】構造化光プロジェクタを提供する。
【解決手段】構造化光プロジェクタは、それぞれ第1のインコヒーレント光と第2のインコヒーレント光を放出するように配置される第1の光源及び第2の光源と、前記第1のインコヒーレント光及び前記第2のインコヒーレント光を屈折させるように、第1の光源及び第2の光源の上方に設けられる光屈折素子と、第1のインコヒーレント光を整形して複数の第1の光学パターンを有する第1の構造化光を生成するとともに、第2のインコヒーレント光を整形して複数の第2の光学パターンを有する第2の構造化光を生成するように、光屈折素子の上方に設けられる光整形素子と、を含み、第1の構造化光と第2の構造化光は、空間領域で重なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1のインコヒーレント光(incoherent light)及び第2のインコヒーレント光を放出するように配置される第1の光源及び第2の光源と、
前記第1のインコヒーレント光及び前記第2のインコヒーレント光を屈折させるように、前記第1の光源及び前記第2の光源の上方に設けられる光屈折素子と、
前記第1のインコヒーレント光を整形して複数の第1の光学パターンを有する第1の構造化光を生成するとともに、前記第2のインコヒーレント光を整形して複数の第2の光学パターンを有する第2の構造化光を生成するように、前記光屈折素子の上方に設けられる光整形素子と、
を含み、
前記第1の構造化光と前記第2の構造化光は、空間領域で重なる構造化光プロジェクタ。
【請求項2】
前記第1の光源と前記光屈折素子との間の距離は、実質的に前記第2の光源と前記光屈折素子との間の距離と同じである請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項3】
前記第1の光学パターンと前記第2の光学パターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンであり、前記第1の光学パターンの(M-1)×N個の光スポットパターンと前記第2の光学パターンの(M-1)×N個の光スポットパターンは、前記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項4】
前記光整形素子は、二次元ファンアウト型(fan out)回折光学素子(diffractive optical element;DOE)又はマイクロレンズアレイである請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項5】
前記光屈折素子と前記光整形素子との間に設けられる光パターニング素子を更に含む請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項6】
前記光パターニング素子は、回折型線状パターン生成素子であり、前記第1の光学パターンと前記第2の光学パターンは、いずれもM×N個の光線状パターンであり、前記第1の光学パターンの(M-1)×N個の光線状パターンと前記第2の光学パターンの(M-1)×N個の光線状パターンは、前記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である請求項5に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項7】
前記光整形素子と前記光パターニング素子は、いずれも一次元ファンアウト型回折光学素子である請求項5に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項8】
前記光屈折素子と前記光パターニング素子は、統合型一次元ファンアウト型回折光学素子である請求項7に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項9】
前記光整形素子の光投影側の上方に設けられる光パターニング素子を更に含む請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項10】
前記光整形素子は、二次元タイリング回折光学素子であり、前記光パターニング素子は、回折型線状パターン生成素子である請求項9に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項11】
第3のインコヒーレント光を放出するように配置される第3の光源と、
第4のインコヒーレント光を放出するように配置される第4の光源と、
を更に含み、
前記光屈折素子は、前記第3のインコヒーレント光及び前記第4のインコヒーレント光を屈折させるように、前記第3の光源及び前記第4の光源の上方にも設けられ、前記光整形素子は、前記第3のインコヒーレント光を整形して複数の第3の光学パターンを有する第3の構造化光を生成するとともに、前記第4のインコヒーレント光を整形して複数の第4の光学パターンを有する第4の構造化光を生成するようにも設けられ、前記第1~第4の構造化光は、前記空間領域で重なる請求項1に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項12】
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源と前記第4の光源は、それぞれ仮想正方形の四隅に設けられ、前記第1の光学パターン、前記第2の光学パターン、前記第3の光学パターンと前記第4の光学パターンは、2つの互いに垂直な方向において重なる請求項11に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項13】
前記第1の光学パターン、前記第2の光学パターン、前記第3の光学パターンと前記第4の光学パターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンであり、前記第1の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、前記第2の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、前記第3の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンと前記第4の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンは、前記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である請求項11に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項14】
前記光屈折素子と前記光整形素子との間に設けられる光パターニング素子を更に含み、
前記第1の光学パターン、前記第2の光学パターン、前記第3の光学パターンと前記第4の光学パターンは、いずれもM×N個の光線状パターンであり、前記第1の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、前記第2の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、前記第3の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンと前記第4の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンは、前記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である請求項11に記載の構造化光プロジェクタ。
【請求項15】
それぞれ複数のインコヒーレント光を放出するように配置される複数の光源と、
前記インコヒーレント光を屈折させるように、前記光源の上方に設けられる光屈折素子と、
前記インコヒーレント光を整形してそれぞれ複数の光学パターンを有するとともに空間領域で重なる複数の構造化光を生成するように、前記光屈折素子に設けられる光整形素子と、
前記空間領域から画像を取り込むように配置される画像センサと、
前記画像に対して、前記空間領域に関連する三次元データを得るための演算を行うように配置されるプロセッサと、
を含む三次元画像センシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造化光投影に関し、特に構造化光プロジェクタ及び三次元画像センシング装置を指す。
【背景技術】
【0002】
三次元立体画像センシング技術は、顔認識や障害物検知などの様々な用途に徐々に採用されている。認識用の場合、様々な用途に用いられるように異なるタイプの構造化光プロジェクタを採用してよい。例えば、構造化光プロジェクタは、人の顔の表面輪郭を計算するために光スポットパターンを投影することができ、且つ人間の動作を計算するために光線状パターンを投影することができる。一方、構造化光プロジェクタの投影均一度は、センシング品質に関わる肝心な要素の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、より良い三次元センシング品質を実現するように高均一度の光パターンを投影する構造化光プロジェクタ及び三次元画像センシング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、それぞれ第1のインコヒーレント光と第2のインコヒーレント光を放出するように配置される第1の光源及び第2の光源と、前記第1のインコヒーレント光及び前記第2のインコヒーレント光を屈折させるように、第1の光源及び第2の光源の上方に設けられる光屈折素子と、第1のインコヒーレント光を整形して複数の第1の光学パターンを有する第1の構造化光を生成するとともに、第2のインコヒーレント光を整形して複数の第2の光学パターンを有する第2の構造化光を生成するように、光屈折素子の上方に設けられる光整形素子と、を含み、第1の構造化光と第2の構造化光が、空間領域で重なる構造化光プロジェクタである。
【0005】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の光源と上記光屈折素子との間の距離は、実質的に上記第2の光源と上記光屈折素子との間の距離と同じである。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の光源と上記第2の光源は、いずれも垂直共振器型面発光レーザ源(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)である。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の光学パターンと上記第2の光学パターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンであり、上記第1の光学パターンの(M-1)×N個の光スポットパターンと上記第2の光学パターンの(M-1)×N個の光スポットパターンは、上記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光整形素子は、二次元ファンアウト型(fan out)回折光学素子(diffractive optical element;DOE)である。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光整形素子は、マイクロレンズアレイである。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記構造化光プロジェクタは、上記光屈折素子と上記光整形素子との間に設けられる光パターニング素子を更に含む。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光パターニング素子は、回折型線状パターン生成素子である。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の光学パターンと上記第2の光学パターンは、いずれもM×N個の光線状パターンであり、上記第1の光学パターンの(M-1)×N個の光線状パターンと上記第2の光学パターンの(M-1)×N個の光線状パターンは、空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光整形素子と上記光パターニング素子は、いずれも一次元ファンアウト型回折光学素子である。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光屈折素子と上記光パターニング素子は、統合型一次元ファンアウト型回折光学素子である。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記構造化光プロジェクタは、上記光整形素子の光投影側の上方に設けられる光パターニング素子を更に含む。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光整形素子は、二次元タイリング回折光学素子であり、上記光パターニング素子は、回折型線状パターン生成素子である。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記構造化光プロジェクタは、それぞれ第3のインコヒーレント光及び第4のインコヒーレント光を放出するように配置される第3の光源及び第4の光源を更に含み、上記光屈折素子は、第3のインコヒーレント光及び第4のインコヒーレント光を屈折させるように、第3の光源及び第4の光源の上方にも設けられ、上記光整形素子は、第3のインコヒーレント光を整形して複数の第3の光学パターンを有する第3の構造化光を生成するとともに、第4のインコヒーレント光を整形して複数の第4の光学パターンを有する第4の構造化光を生成するようにも設けられ、第1~第4の構造化光は、空間領域で重なる。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1~第4の光源は、それぞれ仮想正方形の四隅に設けられる。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1~第4の光学パターンは、2つの互いに垂直な方向において重なる。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の光学パターン、上記第2の光学パターン、上記第3の光学パターンと上記第4の光学パターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンであり、上記第1の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、上記第2の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、上記第3の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンと上記第4の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンは、空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記構造化光プロジェクタは、上記光屈折素子と上記光整形素子との間に設けられる光パターニング素子を更に含み、上記第1の光学パターン、上記第2の光学パターン、上記第3の光学パターンと上記第4の光学パターンは、いずれもM×N個の光線状パターンであり、上記第1の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、上記第2の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、上記第3の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンと上記第4の光学パターンの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンは、上記空間領域で重なり、M、Nは、1より大きい整数である。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光屈折素子は、コリメータレンズである。
【0023】
本発明の別の態様は、それぞれ複数のインコヒーレント光を放出するように配置される複数の光源と、これらのインコヒーレント光を屈折させるように、これらの光源の上方に設けられる光屈折素子と、これらのインコヒーレント光を整形してそれぞれ複数の光学パターンを有するとともに空間領域で重なる複数の構造化光を生成するように、光屈折素子に設けられる光整形素子と、上記空間領域から画像を取り込むように配置される画像センサと、画像に対して、空間領域に関連する三次元データを得るための演算を行うように配置されるプロセッサと、を含む三次元画像センシング装置である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
実施例及びその利点をより完全に把握するために、添付される図面に合わせて下記のように記述する。
【
図1】一実例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図2】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図3A】
図2における構造化光プロジェクタにより投影された光スポットパターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図3B】それぞれ
図3Aにおける光スポットパターンを有する構造化光を示す。
【
図3C】それぞれ
図3Aにおける光スポットパターンを有する構造化光を示す。
【
図4】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図5】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図6】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図7A】
図6における構造化光プロジェクタにより投影された光線状パターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図7B】それぞれ
図7Aにおける光線状パターンを有する構造化光を示す。
【
図7C】それぞれ
図7Aにおける光線状パターンを有する構造化光を示す。
【
図8】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図9】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの例示的な設置を示す。
【
図10】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図11A】
図10における構造化光プロジェクタにより投影された光スポットパターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図12】本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタの模式図である。
【
図13A】
図12における構造化光プロジェクタにより投影された光線状パターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図14A】それぞれ比較例と
図12における構造化光プロジェクタにより投影された光線状パターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図14B】それぞれ比較例と
図12における構造化光プロジェクタにより投影された光線状パターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図15A】それぞれ比較例と
図10における構造化光プロジェクタにより投影された光スポットパターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図15B】それぞれ比較例と
図10における構造化光プロジェクタにより投影された光スポットパターンを有する構造化光を例示的に示す。
【
図16】本発明の1つ又は複数の実施例における三次元画像センシング装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施例を詳しく検討する。しかしながら、実施例により多くの適用可能な概念が提供され、これらの概念が様々な特定の内容で実施可能であることが理解されるであろう。検討して開示された実施例は、説明のためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するためのものではない。
【0026】
本明細書において「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語を使用して各種の素子及び/又は部品を記述してよいが、これらの用語は、これらの素子及び/又は部品を制限してはならないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの素子及び/又は部品と別の素子及び/又は部品を区別するためにのみ用いられる。
【0027】
本明細書において使用される用語は、特定の実施例を記述するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を制限するためのものではない。別途制限されていない限り、単数形の「一」又は「前記」という用語は、複数形を表すためにも使用可能である。また、空間相対的用語は、装置の使用又は操作時の異なる方位を説明するために使用され、図面に示される方向に限られるわけではない。装置は、他の形態で配向されてもよく(90度回転又は他の方向)、ここで使用される空間相対的記述も同じように理解されてもよい。
【0028】
簡略化しながら明確に説明するために、本明細書では、各種の実施例において素子の符号及び/又はアルファベットを繰り返して使用する場合があるが、これは、検討された各種の実施例及び/又は配置の間に因果関係があることを表すわけではない。
【0029】
図1は、一実例の構造化光プロジェクタ100の模式図である。
図1に示すように、構造化光プロジェクタ100は、光源110と、光屈折素子120と、光整形素子130と、を含む。光源110は、発光するように配置される。光屈折素子120は、光整形素子130へ光源110により放出された光を屈折させるように、光源110の上方に設けられる。光整形素子130は、屈折光を変換して投影光パターンとし、且つ投影光パターンを空間領域Sに投影するように、光屈折素子120の上方に設けられる。
【0030】
図2は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ200の模式図である。
図2に示すように、構造化光プロジェクタ200は、光源210A、210Bと、光屈折素子220と、光整形素子230と、を含む。各光源210A、210Bは、インコヒーレント光(incoherent light)を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)、分布帰還型(distributed feedback;DFB)半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子220は、光整形素子230へ光源210A、210Bにより放出されたインコヒーレント光を屈折させるように、光源210A、210Bの上方に設けられる。光屈折素子220は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネル(Fresnel)レンズであってよいが、これらに限定されない。それぞれ光源210A、210Bにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源210Aと光屈折素子220との間の距離は、実質的に光源210Bと光屈折素子220との間の距離と同じであってよい。光整形素子230は、光屈折素子220により屈折したインコヒーレント光を整形して構造化光SLA、SLBを生成するように、光屈折素子220の上方に設けられる。構造化光プロジェクタ200の場合、各構造化光SLA、SLBは、光スポットパターン又は類似するものなどの複数の光学パターンを有するように生成されてよい。光整形素子230は、二次元ファンアウト型(fan out)回折光学素子(diffractive optical element;DOE)、マイクロレンズアレイ、フレネルレンズアレイ、ホログラフィック光学素子(holographic optical element;HOE)、又は、インコヒーレント光を、光学パターンを有する構造化光に整形する他の光学素子であってよい。構造化光SLA、SLBは、空間領域Sに投影され、且つ空間領域Sで重なる。構造化光SLA、SLBの光学パターンの強度分布は、光整形素子230の輪郭(profile)により調整可能である。
【0031】
図3Aは、
図2における構造化光プロジェクタ200により投影された光スポットパターンDPAを有する構造化光SLAと光スポットパターンDPBを有する構造化光SLBを例示的に示す。
図3Aに示すように、構造化光SLA、SLBの重なり領域内で、光スポットパターンDPAは、それぞれ光スポットパターンDPBと重なる。重なり領域は、高均一度投影領域とも呼ばれ、光スポットパターンDPA、DPBは、高均一度投影領域において1対1の形で重なる。
図3B、3Cも、それぞれ
図3Aにおける光スポットパターンDPAを有する構造化光SLAと光スポットパターンDPBを有する構造化光SLBを示す。
図3A~3Cに示すように、最上行の光スポットパターンDPAは、任意の光スポットパターンDPBとも重なっておらず、且つ最下行の光スポットパターンDPBは、任意の光スポットパターンDPAとも重なっていない。
図3A~3Cに示される例示的な実例において、構造化光SLA、SLBは、鉛直方向に重なる。他の実施例において、光源210A、210Bの位置を適切に調整することで、構造化光SLA、SLBが水平方向又は対角方向に重なるようにしてもよい。
【0032】
幾つかの実施例において、構造化光SLA、SLBの光スポットパターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンである。特に、構造化光SLA、SLBが鉛直方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAの(M-1)×N個の光スポットパターンと構造化光SLBの(M-1)×N個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAの(M-i)×N個の光スポットパターンと構造化光SLBの(M-i)×N個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、iは、1より大きくMより小さい整数である。構造化光SLA、SLBが水平方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAのM×(N-1)個の光スポットパターンと構造化光SLBのM×(N-1)個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAのM×(N-j)個の光スポットパターンと構造化光SLBのM×(N-j)個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、jは、1より大きくNより小さい整数である。
【0033】
図3A~3Cに示される光スポットパターンの重なり領域の高均一度の投影は、
図2における構造化光プロジェクタ200から派生した他の構造化光プロジェクタにより達成されてもよい。
図4は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ400の模式図である。
図4に示すように、構造化光プロジェクタ400は、光源410A、410Bと、光屈折素子420と、光パターニング素子430と、光整形素子440と、を含む。各光源410A、410Bは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子420は、光パターニング素子430へ光源410A、410Bからのインコヒーレント光を屈折させるように、光源410A、410Bの上方に設けられる。光屈折素子420は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネルレンズであってよいが、これらに限定されない。光源410A、410Bにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源410Aと光屈折素子420との間の距離は、実質的に光源410Bと光屈折素子420との間の距離と同じであってよい。光パターニング素子430は、光屈折素子420により屈折したインコヒーレント光をパターニングして回折光スポットとするように、光屈折素子420と光整形素子440との間に設けられる。光パターニング素子430は、一次元ファンアウト型回折光学素子又は一方向に回折光スポットを生成することに適する他の光学素子などの回折型線状パターン生成素子であってよい。光整形素子440は、回折光パターンを整形して全て光スポットパターンを有する構造化光SLA、SLBを生成し、且つ構造化光SLA、SLBを空間領域Sに投影するように、光パターニング素子430の上方に設けられる。光整形素子440は、一次元ファンアウト型回折光学素子又は光パターニング素子430の回折方向に垂直な別の方向に回折光スポットを生成することに適する他の光学素子などの回折型線状パターン生成素子であってよい。構造化光プロジェクタ400の配置によって、ゼロ次(zero-order)消去も提供される。
【0034】
図3A~3Cに示される内容を達成するように構造化光プロジェクタ200から派生した他の構造化光プロジェクタは
図5に示される。
図5は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ500の模式図である。
図5に示すように、構造化光プロジェクタ500は、光源510A、510Bと、統合型回折光学素子520と、光整形素子530と、を含む。各光源510A、510Bは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。統合型回折光学素子520は、光整形素子530へ光源510A、510Bからのインコヒーレント光を屈折させ、インコヒーレント光をパターニングして回折光スポットとするように、光源510A、510Bの上方に設けられる。統合型回折光学素子520は、一方向に回折光スポットを生成するように光学レンズと一次元ファンアウト型回折光学素子を統合する統合型一次元ファンアウト型回折光学素子であってよい。それぞれ光源510A、510Bにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源510Aと統合型回折光学素子520との間の距離は、実質的に光源510Bと統合型回折光学素子520との間の距離と同じであってよい。光整形素子530は、回折光スポットを整形して全て光スポットパターンを有する構造化光SLA、SLBを生成し、且つ構造化光SLA、SLBを空間領域Sに投影するように、統合型回折光学素子520の上方に設けられる。光整形素子530は、一次元ファンアウト型回折光学素子又は統合型回折光学素子520の回折方向に垂直な別の方向に回折光スポットを生成することに適する他の光学素子などの回折型線状パターン生成素子であってよい。
【0035】
図6は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ600の模式図である。
図6に示すように、構造化光プロジェクタ600は、光源610A、610Bと、光屈折素子620と、光パターニング素子630と、光整形素子640と、を含む。各光源610A、610Bは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子620は、光パターニング素子630へ光源610A、610Bからのインコヒーレント光を屈折させるように、光源610A、610Bの上に設けられる。光屈折素子620は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネルレンズであってよいが、これらに限定されない。それぞれ光源610A、610Bにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源610Aと光屈折素子620との間の距離は、実質的に光源610Bと光屈折素子620との間の距離と同じであってよい。光パターニング素子630は、光屈折素子620により屈折したインコヒーレント光を回折光線状にパターニングするように、光屈折素子620と光整形素子640との間に設けられる。光パターニング素子630は、線形状を生成する回折光学素子又は回折光線形状の生成に適する他の光学素子などの回折型線状パターン生成素子であってよい。光整形素子640は、回折光線形状を整形して構造化光SLA、SLBを生成するように、光パターニング素子630上に設けられる。構造化光プロジェクタ600の配置の場合、各構造化光SLA、SLBは、光線状パターン又は類似するものなどの複数の光学パターンを有するように生成されてよい。光整形素子640は、二次元ファンアウト型回折光学素子、又は、インコヒーレント光を、光学パターンを有する構造化光に整形することに適する他の光学素子であってよい。構造化光SLA、SLBは、空間領域Sに投影され、且つ空間領域Sで重なる。
【0036】
図7Aは、
図6における構造化光プロジェクタ600により投影された光線状パターンLPAを有する構造化光SLAと光線状パターンLPBを有する構造化光SLBを例示的に示す。
図7Aに示すように、構造化光SLA、SLBの重なり領域で、光線状パターンLPAは、それぞれ光線状パターンLPBと重なる。重なり領域は、高均一度投影領域とも呼ばれ、光線状パターンLPA、LPBは、高均一度投影領域において1対1の形で重なる。
図7B、7Cも、それぞれ
図7Aにおける光線状パターンLPA、LPBを有する構造化光SLA、SLBを示す。
図7A~7Cに示すように、最上行の光線状パターンLPAは、任意の光線状パターンLPBとも重なっておらず、且つ最下行の光線状パターンLPBは、任意の光線状パターンLPAとも重なっていない。
図7A~7Cに示される例示的な実例において、構造化光SLA、SLBは、鉛直方向に重なる。他の実施例において、光源610A、610Bの相対的位置を適切に調整することで、構造化光SLA、SLBが水平方向又は対角方向に重なるようにしてもよい。
【0037】
幾つかの実施例において、構造化光SLA、SLBの光線状パターンの数は、いずれもM×N個である。特に、構造化光SLA、SLBが鉛直方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAの(M-1)×N個の光線状パターンと構造化光SLBの(M-1)×N個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAの(M-i)×N個の光線状パターンと構造化光SLBの(M-i)×N個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、iは、1より大きくMより小さい整数である。構造化光SLA、SLBが水平方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAのM×(N-1)個の光線状パターンと構造化光SLBのM×(N-1)個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAのM×(N-j)個の光線状パターンと構造化光SLBのM×(N-j)個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、jは、1より大きくNより小さい整数である。
【0038】
図7A~7Cに示される光線状パターンの重なり領域の高均一度の投影は、
図6における構造化光プロジェクタ600から派生した他の構造化光プロジェクタにより達成されてもよい。
図8は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ800の模式図である。
図8に示すように、構造化光プロジェクタ800は、光源810A、810Bと、光屈折素子820と、光整形素子830と、光パターニング素子840と、を含む。各光源810A、810Bは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子820は、光整形素子830へ光源810A、810Bからのインコヒーレント光を屈折させるように、光源810A、810Bの上方に設けられる。光屈折素子820は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネルレンズであってよいが、これらに限定されない。それぞれ光源810A、810Bにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源810Aと光屈折素子820との間の距離は、実質的に光源810Bと光屈折素子820との間の距離と同じであってよい。光整形素子830は、光屈折素子820により屈折した回折光線形状を整形して全て光スポットパターンを有する構造化光SLA、SLBを生成し、且つ構造化光SLA、SLBを空間領域Sに投影するように、光屈折素子820と光パターニング素子840との間に設けられる。光整形素子830は、二次元タイリング回折光学素子、マイクロレンズアレイ、フレネルレンズアレイ、ホログラフィック光学素子、又は、インコヒーレント光を、光スポットパターンを有する構造化光に整形することに適する他の光学素子であってよい。光パターニング素子840は、構造化光SLA、SLBの光スポットパターンをパターニングして変換して光線状パターンとするように、光整形素子830の光投影側の上方に設けられる。光パターニング素子840は、一次元ファンアウト型回折光学素子又は一方向に回折光スポットを生成することに適する他の光学素子などの回折型線状パターン生成素子であってよい。
【0039】
図9は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ900の例示的な設置を示す。
図9に示すように、構造化光プロジェクタ900は、光源910A、910Bと、光屈折素子920と、光整形素子930と、を含む。光源910A、910B、光屈折素子920と光整形素子930は、それぞれ
図2における構造化光プロジェクタ200の光源210A、210B、光屈折素子220と光整形素子230に類似する。特に、光屈折素子920は、凸レンズであり、光整形素子930は、マイクロレンズアレイであり、アレイに配列された複数のマイクロ構造930Mを有する。
図9において、角度αはtan
-1(d/f
eff)であり、ただし、dは、光源910A、910Bのピッチであり、f
effは、光屈折素子920の有効焦点距離である。光屈折素子920の有効焦点距離f
effは、実質的に光源910A/910Bと光屈折素子920との間の距離と同じである。構造化光SLAの中心と構造化光SLBの中心の光整形素子930の中心に対する夾角θはsin
-1(d/f
eff)である。夾角θが角度αに等しい場合、構造化光SLA、SLBの光スポットパターンは重なる。光源910A、910Bの設置位置は、上記説明に応じて決定されてよい。各実施例における光源の設置位置は、類似するように決定されてよい。
【0040】
図10は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ1000の模式図である。
図10に示すように、構造化光プロジェクタ1000は、光源1010A~1010Dと、光屈折素子1020と、光整形素子1030と、を含む。光源1010A~1010Dは、それぞれ仮想正方形の四隅に設けられてよい。各光源1010A~1010Dは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子1020は、光整形素子1030へ光源1010A~1010Dからのインコヒーレント光を屈折させるように、光源1010A~1010Dの上方に設けられる。光屈折素子1020は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネルレンズであってよいが、これらに限定されない。それぞれ光源1010A~1010Dにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源1010Aと光屈折素子1020との間の距離は、実質的に光源1010Bと光屈折素子1020との間の距離と同じであってよく、実質的に光源1010Cと光屈折素子1020との間の距離と同じであってよく、且つ実質的に光源1010Dと光屈折素子1020との間の距離と同じであってよい。光整形素子1030は、光屈折素子1020により屈折したインコヒーレント光を整形して構造化光SLA、SLBを生成するように、光屈折素子1020の上方に設けられる。構造化光プロジェクタ1000の配置の場合、各構造化光SLA、SLBは、光スポットパターン又は類似するものなどの複数の光学パターンを有するように生成されてよい。光整形素子1030は、二次元ファンアウト型回折光学素子、マイクロレンズアレイ、又は、インコヒーレント光を、光学パターンを有する構造化光に整形することに適する他の光学素子であってよい。構造化光SLA、SLBは、空間領域Sに投影され、且つ空間領域Sで重なる。
【0041】
図11Aは、
図10における構造化光プロジェクタ1000により投影された光スポットパターンDPAを有する構造化光SLA、光スポットパターンDPBを有する構造化光SLB、光スポットパターンDPCを有する構造化光SLCと光スポットパターンDPDを有する構造化光SLDを例示的に示す。
図11Aに示すように、構造化光SLA~SLDの重なり領域において、光スポットパターンDPAは、それぞれ光スポットパターンDPBと重なり、それぞれ光スポットパターンDPCと重なり、且つそれぞれ光スポットパターンDPDと重なる。光スポットパターンDPAは、構造化光SLA、SLBの重なり領域においてそれぞれ光スポットパターンDPBと重なり、光スポットパターンDPAは、構造化光SLA、SLCの重なり領域においてそれぞれ光スポットパターンDPCと重なり、光スポットパターンDPBは、構造化光SLB、SLDの重なり領域においてそれぞれ光スポットパターンDPDと重なり、且つ、光スポットパターンDPCは、構造化光SLC、SLDの重なり領域においてそれぞれ光スポットパターンDPDと重なる。構造化光SLA~SLDの重なり領域は、高均一度投影領域とも呼ばれ、光スポットパターンDPA~DPDは、1対1の形で重なる。
図11B~11Eも、それぞれ
図11Aにおける光スポットパターンDPA~DPDを有する構造化光SLA~SLDを示す。
図11A~11Eに示すように、最左上側の光スポットパターンDPAは、任意の光スポットパターンDPB~DPDとも重なっておらず、最右上側の光スポットパターンDPBは、任意の光スポットパターンDPA、DPC、DPDとも重なっておらず、最左下側の光スポットパターンDPCは、任意の光スポットパターンDPA、DPB、DPDとも重なっておらず、最右下側の光スポットパターンDPDは、任意の光スポットパターンDPA、DPB、DPCとも重なっていない。
図11A~11Eに示される例示的な実例において、2つの互いに垂直な方向(例えば鉛直と水平方向)に重なる。他の実施例において、光源1010A~1010Dの相対的位置を適切に調整することで、構造化光SLA~SLDが2つの互いに垂直な対角方向に重なるようにしてもよい。
【0042】
幾つかの実施例において、構造化光SLAの光スポットパターン、構造化光SLBの光スポットパターン、構造化光SLCの光スポットパターンと構造化光SLDの光スポットパターンは、いずれもM×N個の光スポットパターンである。特に、構造化光SLA~SLDが鉛直と水平方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、構造化光SLBの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターン、構造化光SLCの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンと構造化光SLDの(M-1)×(N-1)個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAの(M-i)×(N-j)個の光スポットパターン、構造化光SLBの(M-i)×(N-j)個の光スポットパターン、構造化光SLCの(M-i)×(N-j)個の光スポットパターンと構造化光SLDの(M-i)×(N-j)個の光スポットパターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、iは、1より大きくMより小さい整数であり、jは、1より大きくNより小さい整数である。
【0043】
図12は、本発明の1つ又は複数の実施例における構造化光プロジェクタ1200の模式図である。
図12に示すように、構造化光プロジェクタ1200は、光源1210A~1210Dと、光屈折素子1220と、光パターニング素子1230と、光整形素子1240と、を含む。光源1210A~1210Dは、それぞれ仮想正方形の四隅に設けられてよい。各光源1210A~1210Dは、インコヒーレント光を放出するように配置され、且つ垂直共振器型面発光レーザ源、分布帰還型半導体レーザ源などのレーザ源又はその他の適切な光源であってよい。光屈折素子1220は、光パターニング素子1230へ光源1210A~1210Dからのインコヒーレント光を屈折させるように、光源1210A~1210Dの上方に設けられる。光屈折素子1220は、コリメータレンズ、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又はフレネルレンズであってよいが、これらに限定されない。それぞれ光源1210A~1210Dにより同じインコヒーレント光を放出する場合、光源1210Aと光屈折素子1220との間の距離は、実質的に光源1210Bと光屈折素子1220との間の距離と同じであってよく、実質的に光源1210Cと光屈折素子1220との間の距離と同じであってよく、且つ実質的に光源1210Dと光屈折素子1220との間の距離と同じであってよい。光パターニング素子1230は、光屈折素子1220により屈折したインコヒーレント光をパターニングして回折光線状とするように、光屈折素子1220と光整形素子1240との間に設けられる。光パターニング素子1230は、線状を生成する回折光学素子又は回折光線状を生成することに適する他の光学素子などの回折型光パターン生成素子であってよい。光整形素子1240は、回折光線形状を整形して構造化光SLA~SLDを生成するように、光パターニング素子1230の上方に設けられる。構造化光プロジェクタ1200の配置の場合、各構造化光SLA~SLDは、光線状パターン又は類似するものなどの複数の光学パターンを有するように生成されてよい。光整形素子1240は、二次元ファンアウト型回折光学素子、又は、インコヒーレント光を、光学パターンを有する構造化光に整形することに適する他の光学素子であってよい。構造化光SLA~SLDは、空間領域Sに投影され、且つ空間領域Sで重なる。
【0044】
図13Aは、
図12における構造化光プロジェクタ1200により投影された光線状パターンLPAを有する構造化光SLA、光線状パターンLPBを有する構造化光SLB、光線状パターンLPCを有する構造化光SLCと光線状パターンLPDを有する構造化光SLDを例示的に示す。
図13Aに示すように、構造化光SLA~SLDの重なり領域において、光線状パターンLPAは、それぞれ光線状パターンLPBと重なり、それぞれ光線状パターンLPCと重なり、且つそれぞれ光線状パターンLPDと重なる。光線状パターンLPAは、構造化光SLA、SLBの重なり領域においてそれぞれ光線状パターンLPBと重なり、且つ構造化光SLA、SLCの重なり領域においてそれぞれ光線状パターンLPCと重なり、光線状パターンLPBは、構造化光SLB、SLDの重なり領域においてそれぞれ光線状パターンLPDと重なり、光線状パターンLPCは、構造化光SLC、SLDの重なり領域においてそれぞれ光線状パターンLPDと重なる。構造化光SLA~SLDの重なり領域は、高均一度投影領域とも呼ばれ、光線状パターンLPA~LPDは、高均一度投影領域において1対1の形で重なる。
図13B~13Eも、それぞれ
図13Aにおける光線状パターンLPA~LPDを有する構造化光SLA~SLDを示す。
図13A~13Eに示すように、最左上側の光線状パターンLPAは、任意の光線状パターンLPB~LPDとも重なっておらず、最右上側の光線状パターンLPBは、任意の光線状パターンLPA、LPC、LPDとも重なっておらず、最左下側の光線状パターンLPCは、任意の光線状パターンLPA、LPB、LPDとも重なっておらず、最右下側の光線状パターンLPDは、任意の光線状パターンLPA~LPCとも重なっていない。
図13A~13Eに示される例示的な実例において、構造化光SLA~SLDは、2つの互いに垂直な方向(例えば鉛直と水平方向)に重なる。他の実施例において、光源1210A~1210Dの相対的位置を適切に調整することで、構造化光SLA~SLDが互いに垂直な2つの対角方向に重なるようにしてもよい。
【0045】
幾つかの実施例において、構造化光SLAの光線状パターン、構造化光SLBの光線状パターン、構造化光SLCの光線状パターンと構造化光SLDの光線状パターンは、いずれもM×N個の光線状パターンである。特に、構造化光SLA~SLDが鉛直と水平方向に重なる場合、幾つかの実施例において、構造化光SLAの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、構造化光SLBの(M-1)×(N-1)個の光線状パターン、構造化光SLCの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンと構造化光SLDの(M-1)×(N-1)個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、又は、別の実施例において、構造化光SLAの(M-i)×(N-j)個の光線状パターン、構造化光SLBの(M-i)×(N-j)個の光線状パターン、構造化光SLCの(M-i)×(N-j)個の光線状パターンと構造化光SLDの(M-i)×(N-j)個の光線状パターンは、空間領域Sで重なり、M、Nは、1より大きい整数であり、iは、1より大きくMより小さい整数であり、jは、1より大きくNより小さい整数である。
【0046】
図14A、14Bは、それぞれ比較例と
図12における構造化光プロジェクタ1200により投影された光線状パターンを有する構造化光を例示的に示す。比較例は、
図1の構造化光プロジェクタ100に類似し、それにより投影された光線状パターンが全て重なっていない。
図14A、14Bから分かるように、構造化光プロジェクタ1200により投影された光線状パターンの均一度は、比較例により投影された光線状パターンの均一度よりも明らかに高い。また、
図15A、15Bは、それぞれ比較例と
図10における構造化光プロジェクタ1000により投影された光スポットパターンを有する構造化光を例示的に示す。比較例は、
図1の構造化光プロジェクタ100に類似し、それにより投影された光スポットパターンが全て重なっていない。
図15A、15Bから分かるように、構造化光プロジェクタ1000により投影された光スポットパターンの均一度は、比較例により投影された光スポットパターンの均一度よりも明らかに高い。
【0047】
図16は、本発明の1つ又は複数の実施例における三次元画像センシング装置1600の模式図である。
図16に示すように、三次元画像センシング装置1600は、光源1610、光屈折素子1620、光整形素子1630、画像センサ1604とプロセッサ1606を含む。光源1610、光屈折素子1620と光整形素子1630は、それぞれ
図2における構造化光プロジェクタ200の光源210A、210B、光屈折素子220と光整形素子230に類似してよく、且つ構造化光プロジェクタ1602に含まれてよい。換言すれば、構造化光プロジェクタ1602は、
図2の構造化光プロジェクタ200に類似してよい。各実施例において、構造化光プロジェクタ1602は、構造化光プロジェクタ400、500、600、800、1000、1200又は他の類似する構造化光プロジェクタとして実施されてもよい。構造化光プロジェクタ1602は、空間領域Sで重なる構造化光を投影するように配置される。画像センサ1604は、空間領域から対応する光学パターンの画像を取り込むように配置される。画像センサ1604は、構造化光センサ、飛行時間(time of flight;ToF)測距センサ又は上記の組み合わせであってよく、且つ電荷結合素子(charge-coupled device;CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide semiconductor;CMOS)などを含んでよい。プロセッサ1606は、画像センサにより取り込まれた画像に対して、空間領域Sに関連する三次元データを得るための演算を行うように配置される。
【0048】
本開示は、実施例により前述の通りに開示されたが、実施例が本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示の精神と範囲から逸脱しない限り、何らかの変更や修飾を加えることができる。従って、本開示の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0049】
100、200、400、500、600、800、900、1000、1200、1602 構造化光プロジェクタ
110、210A、210B、410A、410B、510A、510B、610A、610B、810A、810B、910A、910B、1010A~1010D、1210A~1210D、1610 光源
120、220、420、620、820、920、1020、1220、1620 光屈折素子
130、230、440、530、640、830、930、1030、1240、1630 光整形素子
430、630、840、1230 光パターニング素子
520 統合型回折光学素子
930M マイクロ構造
1600 三次元画像センシング装置
1604 画像センサ
1606 プロセッサ
DPA、DPB、DPC、DPD 光スポットパターン
LPA、LPB、LPC、LPD 光線状パターン
α 角度
θ 夾角
d ピッチ
S 空間領域
SLA、SLB、SLC、SLD 構造化光