(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155177
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】付加製造における支持体を低減するためのレベルセット表現に基づく形状の修正
(51)【国際特許分類】
B29C 64/386 20170101AFI20231013BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20231013BHJP
B29C 64/40 20170101ALI20231013BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20231013BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20231013BHJP
G06F 113/10 20200101ALN20231013BHJP
【FI】
B29C64/386
B33Y50/00
B29C64/40
G06F30/10 100
G06F30/20
G06F113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048177
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】17/715,631
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】チエン、イェー
(72)【発明者】
【氏名】マット、パッターソン
(72)【発明者】
【氏名】アミールマスード、ミルゼンデデル
(72)【発明者】
【氏名】モラド、ベハンディッシュ
【テーマコード(参考)】
4F213
5B146
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL62
5B146DA00
5B146DE16
5B146EA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】支持構造体を低減又は回避することができるようにオーバーハングに関連する形状特徴を自動的に修正するための方法、装置および記憶媒体を提供する。
【解決手段】形状修正処理デバイスは、初期形状及び関連する生産情報(例えば、オーバーハング角の閾値)を取得し得る。形状修正処理デバイスは、修正部分(例えば、付加された特徴)を減算製造によって除去するためにアクセス可能であることを可能にするように考慮することによって、形状を修正して、付加製造中の支持材料又は構造体に対する必要性の低減又は排除を含む、様々な生産態様を改善し得る。例えば、形状修正処理デバイスは、生産中に必要とされる支持構造体を低減又は排除のために、モデルを修正し得る。付加された特徴は、後で減算製造によって除去して、任意の機能的形状又は所望の形状を復元し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造で使用されるデジタルモデルの形状を修正するための方法であって、前記方法が、
前記デジタルモデル及び1つ以上の生産パラメータを受信することと、
処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づく前記デジタルモデルに必要とされる支持構造体と関連付けられた初期生産コストに基づいて修正される、前記デジタルモデルの一部分を特定することであって、前記デジタルモデルの前記一部分を特定することが、前記デジタルモデルのレベルセット表現を生成することを含む、特定することと、
必要とされる支持構造体を低減するために、前記処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づいて、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正されたデジタルモデルに修正することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の生産パラメータが、前記デジタルモデルの生産配向、オーバーハング閾値、又は、少なくとも密度若しくはパターンを示す値を含む1つ以上の支持体生成パラメータ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の生産パラメータに基づいて、前記デジタルモデルに必要とされる前記支持構造体を決定することと、
前記決定に基づいて、前記支持構造体と関連付けられた生産コストを計算することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理デバイスによって、前記修正されたデジタルモデルに基づいて、更新された支持構造体のセットを生成することと、
前記更新された支持構造体のセットと関連付けられた、改善された生産コストを計算することと、
前記改善された生産コストが前記初期生産コストよりも低いことを検証することと、
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記改善された生産コストがゼロに到達するまで、前記修正されたデジタルモデルの1回以上の反復に基づいて、前記デジタルモデルを修正し続けることと、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタルモデルの前記一部分を特定することが、
前記処理デバイスによって、レベルセット法(LSM)を使用して、前記デジタルモデルの前記レベルセット表現を生成することであって、前記レベルセット表現が、陰関数表現である、生成することと、
必要とされる前記支持構造体に対応するオーバーハング境界を検出することと、
前記処理デバイスによって、速度場を構築して、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正するために前記オーバーハング境界を変更することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記速度場が、
オーバーハング境界上の法線方向と、
生産方向、造形方向、又は製造方向と、
前記1つ以上の生産パラメータに示されるオーバーハング角閾値と、
に基づいて計算されるオーバーハング領域を最小にすることに基づいて構築される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記処理デバイスによって、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正することが、
前記修正されたデジタルモデルの中間バージョンを反復的に生成することと、
前記修正されたデジタルモデルの前記中間バージョンを生産するために必要とされる、対応する更新された支持構造体の容積の測定値及び視覚化を出力することと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタルモデルの前記修正が、前記デジタルモデルの前記特定された一部分に与えられた付加部分を含み、前記付加的な部分が、減算製造技術によって除去可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記処理デバイスによって、前記デジタルモデルのオーバーハング境界を変更するように構築された速度場に結合されたアクセス不可能な測定場(IMF)に基づいて、前記デジタルモデルの前記付加的な部分を計算すること、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
付加製造に使用されるデジタルモデルの形状を修正するための装置であって、前記装置が、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合された処理デバイスユニットであって、
前記デジタルモデル及び1つ以上の生産パラメータを受信することと、
処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づく前記デジタルモデルに必要とされる支持構造体と関連付けられた初期生産コストに基づいて修正される、前記デジタルモデルの一部分を特定することであって、前記デジタルモデルの前記一部分を特定することが、前記デジタルモデルのレベルセット表現を生成することを含む、特定することと、
必要とされる支持構造体を低減するために、前記処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づいて、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正されたデジタルモデルに修正することと、
を行う、処理デバイスユニットと、
を備える、装置。
【請求項12】
前記1つ以上の生産パラメータが、前記デジタルモデルの生産配向、オーバーハング閾値、又は、少なくとも密度若しくはパターンを示す値を含む1つ以上の支持体生成パラメータ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記処理デバイスが、
前記1つ以上の生産パラメータに基づいて、前記デジタルモデルに必要とされる前記支持構造体を決定することと、
前記決定に基づいて、前記支持構造体と関連付けられた生産コストを計算することと、
を更に行う、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記処理デバイスが、
前記処理デバイスによって、前記修正されたデジタルモデルに基づいて、更新された支持構造体のセットを生成することと、
前記更新された支持構造体のセットと関連付けられた、改善された生産コストを計算することと、
前記改善された生産コストが前記初期生産コストよりも低いことを検証することと、を更に行う、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記処理デバイスが、
前記改善された生産コストがゼロに到達するまで、前記修正されたデジタルモデルの1回以上の反復に基づいて、前記デジタルモデルを修正し続けること、を更に行う、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記処理デバイスが、
前記処理デバイスによって、レベルセット法(LSM)を使用して、前記デジタルモデルの前記レベルセット表現を生成することであって、前記レベルセット表現が、陰関数表現である、生成することと、
必要とされる前記支持構造体に対応するオーバーハング境界を検出することと、
前記処理デバイスによって、速度場を構築して、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正するために前記オーバーハング境界を変更することと、
によって、前記デジタルモデルの前記一部分を特定する、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記速度場が、
オーバーハング境界上の法線方向と、
生産方向、造形方向、又は製造方向と、
前記1つ以上の生産パラメータに示されるオーバーハング角閾値と、
に基づいて計算されるオーバーハング領域を最小にすることに基づいて構築される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記処理デバイスが、
前記修正されたデジタルモデルの中間バージョンを反復的に生成することと、
前記修正されたデジタルモデルの前記中間バージョンを生産するために必要とされる、対応する更新された支持構造体の容積の測定値及び視覚化を出力すること、
によって、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記処理デバイスが、前記デジタルモデルの前記特定された一部分に与えられた付加部分を生成することによって、前記デジタルモデルを修正し、前記付加部分が、減算製造技術によって除去可能であり、前記処理デバイスが、前記デジタルモデルのオーバーハング境界を変更するように構築された速度場に結合されたアクセス不可能な測定場(IMF)に基づいて、前記デジタルモデルの前記付加的な部分を計算することを更に行う、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、付加製造で使用されるデジタルモデルの形状を修正するために、前記命令が前記処理デバイスによって実行されたときに、前記処理デバイスに、
前記デジタルモデル及び1つ以上の生産パラメータを受信することと、
処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づく前記デジタルモデルに必要とされる支持構造体と関連付けられた初期生産コストに基づいて修正される、前記デジタルモデルの一部分を特定することであって、前記デジタルモデルの前記一部分を特定することが、前記デジタルモデルのレベルセット表現を生成することを含む、特定することと、
必要とされる支持構造体を低減するために、前記処理デバイスによって、前記1つ以上の生産パラメータに基づいて、前記デジタルモデルの前記特定された一部分を修正されたデジタルモデルに修正すること、
を行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実装形態は、付加製造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
付加製造(しばしば、3D印刷として既知であるか、又は印刷と称される)は、形状が複雑であり、減算製造法によって達成可能ではない構造体の生産を可能にする。例えば、機械加工プロセスでの達成(すなわち、旋盤加工、ドリル加工、及びフライス加工による材料の除去)が高価又は困難である中空構造は、付加製造において層ごとに作成され得る。多くの形態の付加製造は、化学反応によって、又は加熱(例えば、特定の場所で材料を溶融して、冷却するときに凝固させること)によって、液体から固体などの、ある状態から別の状態への物質の形質転換を利用する。
【0003】
材料噴射法又は熱溶解積層法(fused deposition modeling、FDM)などのいくつかの付加製造技術は、支持構造体が、オーバーハング(例えば、生産方向にスライスされるときに以前の層に材料が存在していない、目標形状の突起)のための基板を提供することを必要とする。例えば、材料噴射法では、感光性ポリマーの層が、(インクジェット印刷と同様に)前の層によって形成された平坦面に噴射されて、紫外(ultra-violet、UV)光によって固体に硬化される。平坦面は、形成されるモデルの他に、現在の層においてポリマーを支持するのに必要な支持材料を含み得る。支持材料は、溶融又は溶解させることになどよって完成時に除去することができる。FDMでは、フィラメントの溶融ストリングが、押し出し加工されて、ホットエンドノズルによってスライスされたパターンで各層に堆積され、溶融ストリングは、ホットエンドノズルを出た後に固化する。同じ溶融ストリングを使用して、後続の層のための支持構造体を形成する。完成時に、支持構造体は、手動で除去される。
【0004】
支持材料は、材料が異なる場合、材料コストが高価になり得、かつ管理の複雑さを増加させ得る。支持構造体が印刷材料と同じ材料である場合であっても、除去に時間がかかり得、目標モデルに損傷を生じさせる場合がある。したがって、いずれの状況においても、特定の全体的なサイズ及び形状のオブジェクトに対して、印刷中に必要とされるより少ない支持構造体、必要とされる材料及び時間のより少ないコスト、及び印刷される形状のより良好な仕上がりを達成することができる。
【0005】
生産方向に関する目標形状の配向を変化させることは、必要とされる支持構造体を低減し得るが、配向だけを変化させることはまた、新しいオーバーハングを導入し得、任意の配向のオーバーハング(例えば、放射花弁を有する花)をもたらすことになる形状の特徴に局所的に対処することができない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
記載された実施形態及びその利点は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによって最も良好に理解され得る。これらの図面は、記載された実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に当業者によって加えられ得る形態及び細部のいかなる変更も、決して限定するものではない。
【
図1】本開示の特定の態様による、付加製造の支持体を低減するために、レベルセット表現に基づいて形状を修正するための形状修正システムのブロック図を例解する。
【
図2】本開示の特定の態様による、レベルセット表現に基づいて形状又は設計を修正する際のデータフローのブロック図を例解する。
【
図3A】本開示の特定の態様による、支持構造体の生成及び形状修正の実施例を例解する。
【
図3B】本開示の特定の態様による、支持構造体の生成及び形状修正の実施例を例解する。
【
図4A】本開示の特定の態様による、オーバーハング特定の一実施例を例解する。
【
図4B】本開示の特定の態様による、レベルセット表現の一実施例を例解する。
【
図5A】本開示の特定の態様による、形状修正前のレベルセット表現及び関連する速度場の実施例を例解する。
【
図5B】本開示の特定の態様による、形状修正前のレベルセット表現及び関連する速度場の実施例を例解する。
【
図6A】本開示の特定の態様による、形状修正前のレベルセット表現及び関連する速度場の実施例を例解する。
【
図6B】本開示の特定の態様による、形状修正前のレベルセット表現及び関連する速度場の実施例を例解する。
【
図7】本開示の特定の態様による、レベルセット表現に基づく例示的な形状修正プロセスを例解する。
【
図8-1】本開示の特定の態様による、
図7の形状修正プロセスにおける反復ステップの断面の実施例を例解する。
【
図8-2】本開示の特定の態様による、
図7の形状修正プロセスにおける反復ステップの断面の実施例を例解する。
【
図9-1】本開示の特定の態様による、
図7及び
図8の形状修正プロセスにおける反復ステップの3D形状の実施例を例解する。
【
図9-2】本開示の特定の態様による、
図7及び
図8の形状修正プロセスにおける反復ステップの3D形状の実施例を例解する。
【
図9-3】本開示の特定の態様による、
図7及び
図8の形状修正プロセスにおける反復ステップの3D形状の実施例を例解する。
【
図9-4】本開示の特定の態様による、
図7及び
図8の形状修正プロセスにおける反復ステップの3D形状の実施例を例解する。
【
図10-1】本開示の特定の態様による、パラメータ制御を使用して
図7の形状修正プロセス中に達成される平滑化の実施例を例解する。
【
図10-2】本開示の特定の態様による、パラメータ制御を使用して
図7の形状修正プロセス中に達成される平滑化の実施例を例解する。
【
図10-3】本開示の特定の態様による、パラメータ制御を使用して
図7の形状修正プロセス中に達成される平滑化の実施例を例解する。
【
図11】本開示の特定の態様による、動作方法のフロー図を例解する。
【
図12】本開示の特定の態様による、トポロジ最適化動作を行うための例示的な計算デバイスを例解する。
【0007】
同様の数字は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、付加製造(additive manufacturing、AM)の支持体を低減するために、レベルセット表現に基づいて形状を修正するための様々な技術を提供する。複雑な形状は、しばしば、オーバーハングを含み、オーバーハングは、造形プラットフォーム(例えば、生産環境)に対する重力又は張力などの、生産に関連する力に対抗するために、支持構造体を加えることが必要である吊り下げ特徴である。しかしながら、このプロセスは、必要であるが高価である。ジョブをプリンタに送信する前に、人々は、支持構造を加えるために余分の計算ステップを必要とし、設計全体をスライスするのにより長い時間を費やすことになる。印刷後に、支持材料を除去することが必要であり、これは、更なる時間、エネルギー、及び材料を費やす。
【0009】
本開示は、支持構造体を低減又は回避することができるようにオーバーハングに関連する形状特徴を自動的に修正するための、技術、装置、システム、プロセス、方法、及び/又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。例えば、製造される元の形状が与えられた場合に、本開示は、局所的オーバーハングを、必要な支持構造体がより少ない(又は支持構造体を全く必要としない)新しい形状に自動的にモーフィングする(トポロジ最適化などの、反復によって変化させる)ための技術を提供する。開示される技術は、形状の忠実度(例えば、どのくらいの形状変更が導入されるか)と、支持に関連するコストの低減とのバランスをとる。とりわけ、本明細書での「修正する」、「変化させる」、「モーフィングする」、「更新する」、「調整する」、「最適化する」、又は「変更する」という用語は、元の形状又はその後に変化させた形状の1つ以上の点座標を、加えること、増加させること、減算すること、低減させること、延在させること、回転させること、スケーリングすること、移動させること、又は別様に変化させること、を含む、任意の変更を示すために、交換可能に使用され得る。
【0010】
一実施例では、形状修正処理デバイスは、初期形状及び関連する生産情報(例えば、オーバーハング角の閾値)を取得し得る。形状修正処理デバイスは、修正部分(例えば、付加された特徴)を減算製造(subtractive manufacturing、SM)による除去のためにアクセス可能であることを可能にすることを考慮することによって、形状を修正して、AM中の支持材料又は構造体に対する必要性の低減又は排除を含む、様々な生産態様を改善し得る。例えば、形状修正処理デバイスは、生産中に必要とされる支持構造体を低減又は排除ために、モデルを修正し得る。付加された特徴は、後でSMによって除去して、任意の機能的形状又は所望の形状を復元し得る(例えば、組み立てるための、又はワイヤアーク付加製造(wired arc additive manufacturing、WAAM)などで所望の形状を完成させるための修正された孔を復元し得る)。
【0011】
本開示の態様によれば、AMでデジタルモデルの形状を修正するための方法が提供される。例示的な方法は、デジタルモデル及び1つ以上の生産パラメータ(例えば、製造環境に対する造形方向又はモデル配向)を受信することを含み得る。処理デバイスは、1つ以上の生産パラメータに基づくデジタルモデルに必要とされる支持構造体と関連付けられた初期生産コストに基づいて、修正されるデジタルモデルの一部分を特定し得る。デジタルモデルの一部分を特定することは、デジタルモデルのレベルセット表現を生成することを含む。処理デバイスは、必要とされる支持構造体を低減するために、1つ以上の生産パラメータに基づいて、デジタルモデルの特定された一部分を修正し得る。
【0012】
一実施例では、処理デバイスは、生産するためのモデルを送信する前に、付加製造で使用される受信モデルを解析する。処理デバイスは、支持構造体を必要とするモデルの一部分を検査及び特定する。処理デバイスは、次いで、修正された形状に必要とされる支持構造体を最小にするように変更しながら、元の形状を可能な限り保存することを目標に、モデルの形状を計算して更新する。処理デバイスは、修正された形状が、実際に、より少ない生産コスト(例えば、支持構造体、機械使用時間、及び他の検討事項の低減による節約)を有することを検証し得る。
【0013】
本開示の一態様では、デジタルモデル(例えば、局所的形状特徴)の一部分を特定することは、レベルセット法(level set method、LSM)を使用して、デジタルモデルの陰関数表現を生成することを含み得る。一般に、LSMは、表面及び形状の数値解析のために等値面を使用する計算フレームワークを含む。実数値関数(例えば、形状)のレベルセットは、関数が一定値になるセットを含む。LSMは、パラメータ化を伴わない、固定デカルト格子上の表面計算を可能にする。
【0014】
本開示の態様によれば、処理デバイスは、LSMを使用して、支持構造体を必要とするオーバーハング境界を検出、決定、又は把握し得る。オーバーハング境界は、修正される局所的形状特徴を示し得る。場合によっては、レベルセット表現は、以下で更に考察されるように、LSM及び関連する計算処理を使用して、修正され得るオーバーハング境界の正確な一部分を決定することを含む。
【0015】
図1は、本開示の特定の態様による、付加製造の支持体を低減するために、レベルセット表現に基づいて形状を修正するための形状修正システム100のブロック図を例解する。示されるように、形状修正システム100は、形状修正処理デバイス160を含み、これは、ネットワーク105を介して、データ記憶装置140から形状情報及び生産情報163を受信し得る。形状修正処理デバイス160は、生産情報に基づいて形状を解析及び更新して、修正された形状167をデータ記憶装置140に返し、同様に、ネットワーク105を介して、一次製造デバイス142並びに二次製造デバイス144などで製造される修正された形状167を送信し得る。
【0016】
データ記憶装置140の形状情報及び生産情報は、設計入力デバイス110から受信され得る。設計入力デバイス110は、個々の処理能力及び記憶能力を含むスタンドアロン型計算デバイスなどの、任意の計算端末を含み得る。設計入力デバイス110は、モデルの設計情報又は形状情報112、及び生産パラメータ114の選択又は構成などの、様々な入力をユーザから受信し得る。
【0017】
形状情報112は、コンピュータ支援設計(computer-aided design、CAD)モデル(例えば、AutoCAD(商標)、Solidworks(商標)、STEP、VRML、IGES、又はDXFフォーマット)、標準三角言語(standard triangle language、STL)モデル若しくは同様のポイントクラウドがモデル(例えば、obj、x3dファイルなど)、又はかかるファイルに変換することができるファイル(例えば、ユーザ定義の厚さ情報を有する、png画像ファイル)を含み得る。形状情報112は、概して、デジタルモデル、モデル、設計、又はオブジェクトと称され得る。
【0018】
生産パラメータ114は、生産環境に関する形状情報112の様々な態様の設定を含み得る。例えば、生産パラメータ114は、生産されるオブジェクトが生産環境の生産空間に対応する場所を記述する、位置情報を含み得る。生産パラメータ114は、ツールの運動に対応するオブジェクトの配向情報を更に含み得る(その方向は、生産方向、製造方向、又は造形方向と称され得る)。場合によっては、AMなどでは、オブジェクトの配向は、次の層又は付加的な材料が加えられる造形方向に対応する。生産パラメータ114は、以下で簡潔に考察されるように、材料及び対応する製造技術に応じて、様々なタイプのパラメータを更に含み得る。
【0019】
AMでは、一般に、材料の層は、造形方向に沿って(例えば、造形プラットフォームから始まって)加えられ得る。制御されたパターンに固化し得る任意の材料は、例えば、高温で焼結する粉末材料、押し出して固化させる押出可能な材料、及び光によって液体から固化させる感光材料などの、付加層の各々を形成し得る。
【0020】
具体的には、粉末材料は、金属粉末及び様々な熱可塑性物質の粉末などの任意の粉砕材料を含み得る。例えば、高出力レーザドットによって、局所的に加熱されたときに、粉末材料は、溶融して単一の部品に接続される。電力出力、レーザドット(又は別の熱源)が進行する速度、使用されるレーザドットの大きさ(又は小ささ)を含む生産パラメータ114、粉末材料のサイズ及び密度、溶融温度、並びに他の生産パラメータを制御することによって、モデルの物理コピーを生産することができる。選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)、選択的レーザ溶解(selective laser melting、SLM)、及びレーザ粉末床融合(laser powder bed fusion、LPBF)は、粉末材料を使用する製造技術の例である。
【0021】
押出可能な材料としては、様々な熱可塑性材料、並びに砂糖若しくはアイスクリームなどの可食材料、又は砂若しくはガラスなどの材料が挙げられ得る。例示的な熱可塑性材料としては、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(polyethylene terephthalate glycol、PTEG)、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン(thermoplastic polyurethane、TPU)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。熱溶解積層法(FDM)は、AMプロセスにおける押出可能な材料の使用に適用可能な例示的なAM技術である。押出可能な材料としてはまた、コンクリート、2成分型エポキシなどの、化学反応によって固化する材料も挙げられ得る。
【0022】
押出可能な材料の印刷中に、押出可能な材料の制御された一部分が下層(又は第1の層を印刷する場合は造形プレート)の上へ押し出されて、堆積される。堆積された部分は、下の層を通した熱の除去、又は押出物を取り囲むように生じさせた冷気による伝達除去のいずれかによって、急速に冷却されて固化する。あるいは、化学反応によって硬化又は固化させる場合は、押出材料は、予測される反応時間で固化し得る。押出温度、冷却速度(又は固化速度)、押出速度、及び他の制約条件(例えば、押出ノズルの幅)などの生産パラメータ114を制御することによって、異なる材料及び異なる強度の部品を印刷することができる。
【0023】
押出中に、材料は、(固化する前又は後のいずれかに)載置するための基礎を必要とする。この基礎は、造形プラットフォーム又は先に印刷された層であり得る。特定の形状(例えば、オーバーハング)の場合、現在の層は、前の層を越えて延在し、付加的な支持が必要であり得る。同じ押出可能な材料又は異なる押出可能な材料の構造体(本明細書で「支持構造体」と称され、実施例は、
図3A及び
図3Bに例解されて以下で考察される)は、必要とされる支持体を提供するように形成され得、この支持体は、物理的除去(例えば、ブレークアウェイ又はメルトオフ)又は化学的除去(例えば、融解)を必要とし得る。支持構造体の実施例は、
図3A及び
図3Bに示されている。
【0024】
感光材料は、様々な波長範囲(例えば、390~405nm)の紫外線に反応する硬化性樹脂材料を含み得る。印刷中に、感光材料の各層は、全体的又は局所的に硬化光源に露光されて、液体から固体に変化する。ステレオリソグラフィ(stereolithography、SLA)3D印刷又は液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)3D印刷などのいくつかの実施例では、感光材料のタンク又は槽が、光源と造形プラットフォームとの間に配設され得る。光源は、(例えば、SLAでは)移動レーザドット、又はLCDによってフィルタリングされる平行ビームであり得る。初期層は、液相の感光材料の薄層を生産するように、透明で可撓性の媒体に隣接して位置決めされた造形プラットフォームを有することによって作成され得る。レーザドットの移動及びLCDのフィルタパターンは、層ごとのパターンを作成する。
【0025】
初期層が固化した時点で、造形プラットフォーム及び硬化層を媒体から離して、液相の感光材料の次の層が、プラットフォームと媒体との間の間隙に進入することを可能にする。層ごとに、造形プラットフォームを媒体(及び光源)から離して、モデルを形成する。いくつかの実施例では、「Polyjet」3D印刷などでは、感光材料が、(インクジェットプリンタによるインクの射出と同様に)前の層又は造形表面の上へ射出することによって直接配設され得、次いで、光源によって硬化され得る。
【0026】
いくつかの実施例では、プリントヘッドは、プリントヘッドによって携帯される光源によって硬化する厚い又は粘性の感光材料を押し出し得る。上述した技術が使用される場合、生産パラメータ114は、露光(例えば、光出力、透過率、露光時間、など)、パターン作成(例えば、レーザドットサイズ、LCD解像度、射出解像度、など)、及び他のシステムパラメータ(例えば、層の高さ、材料特性、など)といった様々な態様を含み得る。
【0027】
押出可能な材料の生産プロセスと同様に、感光材料もまた、生産中に支持構造体の必要であり得る。例えば、感光材料を射出して、射出された流体が固化する前に各層を形成する場合、流体は、間違ったパターンに流れ込むことを回避するために、下側に一様な支持体を必要とする。支持材料(例えば、感光材料がポリマーを含む場合は、ワックスなどの比較的低融点の材料)は、感光材料と一緒に各層上に射出されて、支持体を形成し得る(そして、光に対する反応とは対照的に、冷却することによって固化し得る)。このように、重要な細部が、モデルを形成する際に使用される感光材料よりも高価であり得る支持材料の費用という代償を払って達成され得る。SLA又はLCDタイプの印刷技術の場合であっても、(しばしば、オーバーハングを造形プラットフォームに接続する湯口の形態の)支持構造体が必要であり、これは、生産のコスト及び時間を大幅に増加させ得る。
【0028】
場合によっては、生産パラメータ114はまた、SMのパラメータも含み得る。例えば、形状情報112に携帯されるモデルは、AM、SM、又はそれらの組み合わせを使用して生産され得る。SMは、とりわけ、旋盤加工、フライス加工などの、コンピュータ数値制御(computer-numerically controlled、CNC)機械加工プロセスを含み得る。
【0029】
設計入力デバイス110は、形状情報112及び生産パラメータ114をデータ記憶装置140に提供し得、データ記憶装置は、ネットワーク105に提供され得る形状及び生産情報のセットを少なくとも含む。ネットワーク105は、ユーザによる需要又は要求に応じて、形状及びパラメータ情報を一次製造デバイス142に提供し得る。場合によっては、一次製造デバイスと接続された二次製造デバイス144もまた、形状情報及び生産情報の少なくとも一部分を受信して、一次製造デバイス142によって行われない特定の製造ステップを補完し得る。
【0030】
形状修正処理デバイス160は、修正部分(例えば、付加された特徴)をSMによる除去のためにアクセス可能であることを可能にすることを考慮することによって、データ記憶装置140から形状情報及び生産情報163を取得し、情報163に基づいて形状167を修正して、AM中の支持材料又は構造体に対する必要性の低減又は排除を含む、生産の様々な態様を改善し得る。例えば、一般に、生産中に必要とされる支持構造体を低減又は完全に排除するために、形状修正処理デバイス160は、モデルを修正し得る。上述したように、支持構造体は、しばしば、AMプロセスにおいて、付加的なコスト及び製造時間を課す。支持構造体に関する要件を低減又は排除することによって、AM生産プロセス全体が、(例えば、材料、コスト、及び時間に関して)より効率的になる。付加された特徴は、後でSMによって除去されて、任意の機能的形状又は所望の形状を復元し得る。形状修正処理デバイス160によって行われる形状修正は、
図3Aに例解されている。
【0031】
図3Aには、例示的なワークピース305の形状修正プロセス300が正面図で示されている。この実施例では、造形方向は底部から頂部までであり、ワークピース305の配向は、(例えば、他の考慮事項の中でも、表面品質、強度などの理由で)固定されている。上述した様々な生産技術においてオーバーハング(「T」字状のアーム)の生産を成功させるために、任意の形状修正前に、支持構造体307が必要である。形状修正処理デバイス160は、いかなる支持体も使用することなくワークピース305を印刷することを可能にする局所的な特徴309を付加することによって、ワークピース305を修正する。場合によっては、付加された特徴309は、SM技術による除去を可能にするように計算される。
【0032】
図1に戻ると、形状修正処理デバイス160は、レベルセット表現モジュール130、速度場モジュール150、及び支持構造体解析器155を含む他の処理モジュールによって、反復計算ループを形成し得る。レベルセット表現モジュール130は、レベルセット表現構成要素132を使用して、形状修正を行い得る。例えば、レベルセット表現モジュール130は、支持構造体を必要とするオーバーハングの境界を決定するために、より高次元の入力設計(例えば、その断面)で画定された平滑面を特定又は生成し得る。
【0033】
レベルセット表現に基づいて、速度場モジュール150は、法線方向に沿って移動するように境界を方向付けるためにスムースグローバル関数を適用する速度場を構築し得る。更新されたレベルセット関数に基づいて、速度場モジュール150は、修正する必要がある局所的な形状特徴に関する情報を形状修正処理デバイスに提供し得る。
【0034】
支持構造体解析器155は、オーバーハング角を計算して、支持構造体を必要とする境界を特定し得る。したがって、支持構造体解析器155は、形状修正が支持構造体及び/又はそれと関連するコストを低減するかどうかを判定するための情報(例えば、シミュレーション結果)を形状修正処理デバイス160に提供し得る。形状修正処理デバイス160は、それに応じて形状修正を行って、レベルセット関数を更新するための修正されたモデル165をレベルセット表現モジュール130に提供し得る。形状処理デバイス160は、支持構造体を低減又は排除ために、1回以上の反復を行い得る。形状修正処理デバイス160、レベルセット表現モジュール130、速度場150、及び支持構造体155の詳細な動作は、
図2~
図7の観点から更に考察される。
【0035】
設計入力デバイス110及び形状修正処理デバイス160は、2つの別個のデバイスとして例解されているが、場合によっては、設計入力デバイス110及び形状修正処理デバイス160は、同じ計算システムに含まれ得る(又は共通の計算プラットフォーム上の2つのモジュールであり得る)。場合によっては、設計入力デバイス110は、形状修正処理デバイス160として振る舞うための十分な計算能力を有し得るか、又は形状修正処理デバイス160は、そこでモデリング及び生産パラメータの直接入力を受信するために、1つ以上のユーザインターフェースを含み得る。
【0036】
場合によっては、設計入力デバイス110は、ユーザが設計及び関連する情報をデータ記憶装置140にアップロードすることを可能にする、消費者端末(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなど)であり得る。形状修正処理デバイス160は、要求されたサービスを行うサーバとして振る舞って、ネットワーク105を介して、データ記憶装置140の形状情報及び生産情報を修正又は改善し得る。データ記憶装置140は、設計入力デバイス110(例えば、一次製造デバイス142)とは別の生産情報を記憶し得る。したがって、本明細書に開示されるシステム、技術、及び方法は、設計入力デバイス110のための固定端末を伴わずに適用可能であり得、むしろ、1つの生産最適化環境においてユーザデータ、処理デバイス、及び製造デバイスを接続する柔軟なウェブベースのサービスであり得る。
【0037】
図2は、支持構造体要件を低減する形状修正の反復検討に基づいて新しい形状又は設計を計算又は生成する、ブロック
図200を例解する。示されるように、設計入力210は、設計出力240を生成する形状修正計算モジュール220に提供される。設計入力210は、モデルの形状、1つ以上のAM固有のパラメータ214(例えば、上述の生産パラメータ114)、及び1つ以上の客観的定義216を示す、ポイントクラウド212のセットを含み得る。客観的定義216は、生産コスト、目標のコスト低減、生産時間の制限、生産計画、強度、及び他の目的に関連する基準を含み得る。
【0038】
設計入力210を受信すると、形状修正計算モジュール220は、222で、LSMを使用して、ポイントクラウド212によって表される元の形状の陰関数表現を生成し得る。陰関数表現の一実施例は、レベルセット表面が例解されている
図5Aに示されている。
図5Aのレベルセット表現は、
図3Bに示される形状340に対応する。
【0039】
224で、設計又はモデル及び対応する陰関数表現の一部分の境界が、処理された情報に基づいてオーバーハング境界を特定することを可能にする。モデルの境界を決定する一実施例420は、
図4Bに示されている。複雑な形状(例えば、互いに交差する2つの円錐形状)のモデルを一実施例として使用する。水平面が上方に移動して2つの分離した境界をもたらす場合、平面が2つの円錐と交差する境界を特定することは困難であり得る。かかる展開(例えば、平面が移動するにつれて境界がどのように変化するか)に続いて変換を数値的に記載する際の難しさは、LSMを使用することによって解決することができる。LSMは、
図4Bに例解されるように、特性430、432、及び434を満たすスカラ関数を介して、陰関数形態の値のドメインの表現に依拠する。したがって、形状の値がφのゼロ等値又はφ(x,t)=0と一致したときに、例示的な形状の境界を決定することができ、ここで、φは、サイン距離関数である。
【0040】
226で、形状修正計算モジュール220は、224で特定された境界に基づいて、必要とされる支持構造体、及びモデルを生産するための関連するコストに関して解析を行い得る。例えば、
図3Bは、それぞれが造形方向の造形プラットフォーム310から垂直上方へ造形される、初期設計330、340、及び350に関する支持構造体解析の実施例320を例解する。示されるように、222及び224で、計算に基づいて、それぞれのオーバーハング境界332、342、及び352が決定される。226で、解析は、支持構造体334、344、及び354が必要であると判定する(例解目的のみ)。支持構造体334、344、及び354は、
図4Aに示されるように、様々な生産パラメータ114及び定義されたオーバーハング角に応じて変化し得る。
【0041】
簡潔に
図4Aを参照すると、部分拡大
図400は、造形プラットフォーム405に対する造形方向410、及びオーバーハング416のあるポイントの正接面に対する法線方向412に基づいて決定されたオーバーハング角414を有する形状を示す。オーバーハング角414は、造形方向410(b)と法線方向412(n)との間の角度であり、生産パラメータ114に依存し得る。例えば、オーバーハング角閾値α
0が与えられると、計算されたα
0をα
0と比較することによってオーバーハング境界が特定される。オーバーハング角は、以下の関係を有する。
cosα=n・b
式中、
【0042】
【数1】
であり、α<α
0であるとき、構造体は、オーバーハングであるとみなされる。
【0043】
図2に戻ると、228で、形状修正計算モジュール220は、支持構造体を必要とする形状の一部分を修正するようにレベルセット関数を更新し得る。レベルセット表現及び対応する速度場の実施例は、
図5A、
図5B、
図6A、及び
図6Bに示されている。速度場を構築することによってレベルセット関数を更新するために、オーバーハング領域を最小にする目的は、以下のように公式化され得る。
最小:J=|∂Ω|
【0044】
上記は、表面オーバーハング制約
【0045】
【数2】
を受ける。対応する速度場は、以下のように構築され得る。
vn=f
オーバーハング+κ、式中、
【0046】
【数3】
は、スムースステップ関数(又はオーバーハング除去関数)であり、これは、表面オーバーハング制約ηに関して移動させるように形状設計を駆動する。
式中、
Ωは、設計領域であり、
λは、ラグランジュ乗数であり、
α
0は、オーバーハング角閾値であり、
bは、生産方向、造形方向、又は製造方向(例えば、
図4の造形方向410)であり、
nは、オーバーハング境界上の法線方向であり、
κは、デジタルモデルのジグザグを低減する平滑度制御項で、本質的に平均曲率であり、
γ及びβは、速度場の平滑性を制御するための平滑化パラメータである。
【0047】
オーバーハング除去関数fオーバーハングについて、値は、オーバーハング角がユーザ定義のオーバーハング角閾値に等しいときに最大であり、オーバーハング角が閾値α0よりも小さいときにゼロよりも大きくなり、オーバーハング角が閾値α0よりも大きいときにゼロに等しくなり得る。目的関数を最小にすることによって、境界の全長が低減される(したがって、必要とされる対応する支持構造体が低減される)。加えて、最小化プロセスは、(例えば、平滑化パラメータγ及びβを調整することによって)不要な境界パターンを平滑化し得る。
【0048】
図5A及び
図5Bを簡潔に参照すると、
図5Aは、
図3Bに示される例示的な初期設計340に対応するレベルセット表面520を示す。対応する速度場550は、LSMを使用して特定された境界510に基づいて構築される。速度場550では、最大値は、境界510に対応するように特定される。
【0049】
簡潔に
図6A及び
図6Bを参照すると、
図6Aは、初期設計340に基づく修正された形状の修正された境界610を示す。修正された境界610は、更新されたレベルセット表面620に示される。
図6Bは、初期設計340の境界を修正又は更新して、支持材料の要件を排除するように構築された対応する速度場を示す。このように、更新された設計(
図8の実施例)は、支持構造体に対する必要性の排除又は少なくとも低減を達成する。
【0050】
図2に戻ると、230で、形状修正計算モジュール220は、(例えば、修正された形状に対して222、224、及び226での前のプロセスを通して実行することによって)修正部分に必要とされる支持構造体のコストが、前(又は初期)の形状の支持構造体に対して必要とされるコストよりも低いことを検証し得る。検証は、レベルセット関数を更新する性能が最適に向かって収束していることを確認し得る。
【0051】
検証に応じて、232で、形状修正計算モジュール220は、(例えば、客観的定義216で定義されたような)目的を満たすまで、付加的な反復で形状を修正し続け得る。この時点で、更新された形状は、設計出力240に出力され得る。
【0052】
設計出力240は、修正された形状242の付加製造モデルを含み得る。修正されたモデルは、設計入力210の初期モデルと比較して、低減された又は移動させた支持構造体を必要とする。設計出力240はまた、形状修正を排除し、したがって、設計入力210の元の所望の幾何学形状を保存するために使用される、1つ以上の減算製造パラメータ244も含み得る。例えば、減算製造パラメータ244は、228で、アクセス不可能な測定場(IMF)に基づいて決定された情報を使用して決定され得る。
【0053】
図7は、本開示の特定の態様による、レベルセット表現に基づく例示的な形状修正プロセス700を例解する。プロセス700は、
図2に例解されるデータフローに対応し得る。
図7では、入力設計710は、レベルセット表現720(例えば、φ
0)へのより高次の平滑面に関して計算される。支持構造体解析730は、レベルセット表現720に基づいて、支持構造体を必要とする境界を特定するために行われる。速度場740は、特定された境界に基づいて構築される。次いで、速度場740を使用して、更新されたレベルセット関数750を生産する。チェックロジック760は、更新されたレベルセット関数750が完全に収束したかどうか(例えば、支持構造体が更に低減され得るかどうか)を判定する。収束している場合、形状修正プロセス700は、770で終了し、
図8に示される修正された形状(反復820において左から右に、第4の形状)をもたらす。収束していない場合、形状修正プロセス700は、支持構造体解析730を戻って、修正するオーバーハング境界を更に特定する。
【0054】
図8は、本開示の特定の態様による、
図7の形状修正プロセス700中の反復ステップの断面の実施例800を例解する。示されるように、支持構造体低減の中間ステップは、視覚化されて、ユーザに提供され得る。形状修正の実施例810、820、及び830はそれぞれ、
図3Bに示される初期形状330、340、及び350に対応する。実施例810では、傾斜面が丸みのあるコーナー部に反復的に修正されて(例えば、モーフィングされて)、支持構造体834に対する必要性を段階的に低減する。収束した結果は、支持体を含まない。実施例820では、円形の孔が、最初は支持構造体844を必要とする上半部を含む。修正された形状は、傾斜角度がオーバーハング閾値を超えないように上半部形状を変化させる。実施例830では、矩形(例えば、正方形)の孔が丸みのある三角形の孔に反復的に修正されて、各反復において、支持構造体854に対する必要性を低減する。
図10に更に示されるように、実施例830の丸みのある三角形形状はまた、開示される形状修正プロセスが、平滑化パラメータγ及びβを制御することによって、特徴に丸みを付け得るか又は平滑化し得ることも実証する。
【0055】
図9は、本開示の特定の態様による、
図7及び
図8の形状修正プロセスにおける反復ステップの3D形状の実施例900を例解する。実施例910に示されるように、孔の上半部に必要とされる支持構造体(凡例940によって示される)を低減するために、円筒形の孔を有する立方体が修正される。実施例920では、「T」字形状のモデルは、アームに必要とされる支持構造体を回避するように修正される。実施例930では、立方体が、球形状によってくり抜かれて、必要とされる支持構造体を回避するように修正される。
【0056】
図10は、本開示の特定の態様による、パラメータ制御(例えば、γ及びβ)を使用して
図7の形状修正プロセス中に達成される平滑化の実施例1000を例解する。示されるように、不規則な特徴1010は、平滑面1020に修正され得る。同様に、実施例1030及び実施例1040は、平滑性制御項κが、形状修正中にどのように異なるレベルの平滑化を達成し得るかを実証する。実施例1030では、より細かいコーナー部であるがより粗い表面は、より多い平滑性制御によって達成される実施例1040のコーナー部及び表面よりも少ない平滑性制御によって生産され得る。
【0057】
図11は、本開示の特定の態様による、動作1100の方法のフロー図を例解する。例えば、動作1100は、
図7を参照して説明したプロセスに対応し得る。動作1100は、
図1を参照して説明した形状修正処理デバイス160などの処理デバイスによって行われ得る。
【0058】
動作1100は、1110で、デジタルモデル及び1つ以上の生産パラメータを受信することから始まる。例えば、デジタルモデルは、AM、SM、又は両方で生産される形状情報を含み得る。1つ以上の生産パラメータは、使用される生産技術及び適用される材料に固有のオーバーハング角閾値、造形方向、並びに他の生産パラメータ又は制約を含み得る。
【0059】
1120で、処理デバイスは、1つ以上の生産パラメータに基づくデジタルモデルに必要とされる支持構造体と関連付けられた初期生産コストに基づいて修正される、デジタルモデルの一部分を特定することであって、デジタルモデルのレベルセット表現を生成することを含む、デジタルモデルの一部分を特定することを含む。
【0060】
1130で、処理デバイスは、必要とされる支持構造体を低減するために、1つ以上の生産パラメータに基づいて、デジタルモデルの特定された一部分を修正する。
【0061】
態様では、1つ以上の生産パラメータは、デジタルモデルの生産配向、オーバーハング閾値、又は、少なくとも密度若しくはパターンを示す値を含む1つ以上の支持体生成パラメータ、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0062】
態様では、処理デバイスは、1つ以上の生産パラメータに基づいて、デジタルモデルに必要とされる支持構造体を決定し得る。処理デバイスは、決定に基づいて、支持構造体と関連付けられた生産コストを更に計算し得る。例えば、処理デバイスは、レベルセット法によって初期設計の陰関数表現を提供し、支持材料を必要とする部分によって製造コストを評価するためのアルゴリズムを利用し得る。
【0063】
場合によっては、処理デバイスは、製造コスト解析に基づく関数を構築して、設計モーフィングを誘導し得る。場合によっては、処理デバイスは、中間設計の支持体容積の測定値及び視覚化を提供して、次の反復における設計を更新し得る。場合によっては、処理デバイスは、改善された生産コストがゼロに到達する(例えば、支持体を含まなくなる、又は自己支持する)まで、修正されたデジタルモデルの1回以上の反復に基づいて、デジタルモデルを修正し続け得る。
【0064】
態様では、処理デバイスは、処理デバイスによって、レベルセット法を使用して、デジタルモデルのレベルセット表現を生成することによって、デジタルモデルの一部分を特定し得る。レベルセット表現は、陰関数表現を含み得る。処理デバイスは、必要とされる支持構造体に対応するオーバーハング境界を検出し、速度場を構築して、デジタルモデルの特定された一部分を修正するためにオーバーハング境界を変更し得る。場合によっては、速度場は、オーバーハング境界上の法線方向と、生産方向、造形方向、又は製造方向と、1つ以上の生産パラメータに示されるオーバーハング角閾値と、に基づいて計算されるオーバーハング領域を最小にすることに基づいて構築される。場合によっては、処理デバイスは、修正されたデジタルモデルの中間バージョンを反復的に生成すること、及び修正されたデジタルモデルの中間バージョンを生産するために必要とされる、対応する更新された支持構造体の容積の測定値及び視覚化を出力することによって、デジタルモデルの特定された一部分を修正し得る。
【0065】
態様では、処理デバイスは、デジタルモデルの特定された一部分に与えられた付加的な部分によってデジタルモデルを修正し得る。付加的な部分は、減算製造技術(例えば、機械加工、水切断、又はレーザ切断など)によって除去可能であり得る。場合によっては、処理デバイスは、デジタルモデルのオーバーハング境界を変更するように構築された速度場に結合されたアクセス不可能な測定場に基づいて、デジタルモデルの付加的な部分を計算し得る。
【0066】
様々な操作は、複数の個別の操作として順に、本開示を理解する上で最も有用な様式で説明されるが、説明の順序は、これらの操作が必ずしも順序依存であることを意味すると解釈され得ない。具体的には、これらの操作は、提示の順序で実行される必要はない。
【0067】
図12は、(動作1100などの)本明細書で考察される方法論のうちのいずれか1つ以上をマシンに行わせるための命令のセット1222が実行され得る、コンピュータシステム1200の例示的な形態におけるマシンの概略図を例解する。様々な実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。マシンは、クライアント-サーバネットワーク環境内のサーバ若しくはクライアントマシンとして動作し得るか、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして動作し得る。マシンは、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、タブレットPC、セットトップボックス(set-top box、STB)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、携帯電話、ウェブ機器、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、ハブ、アクセスポイント、ネットワークアクセス制御デバイス、又はそのマシンによってなされるべきアクションを指定する命令のセット(逐次的又はその他)を実行することができる任意のマシンであり得る。更に、単一のマシンのみが例解されているが、「マシン」という用語はまた、本明細書で考察される方法論のうちのいずれか1つ以上を実行するために命令のセット又は複数のセットを個別に又は共同して実行するマシンの任意の集合体も含むものと解釈されるべきである。一実施形態では、コンピュータシステム1200は、システム100などのサーバコンピュータシステムの代表例であり得る。
【0068】
例示的なコンピュータシステム1200は、バス1230を介して互いに通信する、処理デバイス1202と、メインメモリ1204(例えば、リードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)と、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM))と、スタティックメモリ1206(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)など)と、データ記憶デバイス1218と、を含む。処理デバイス1202は、形状修正処理デバイス160又は関連する処理デバイスユニットとして実装され得る。場合によっては、処理デバイス1202は、形状修正処理デバイス160と関連付けられたタスクを行うために使用され得る。本明細書に記載される様々なバスを通じて提供される信号のいずれかは、他の信号と時分割されて、1つ以上の共有バスを通じて提供され得る。加えて、回路構成要素又はブロック間の相互接続1229は、バスとして、又は単一の信号線として示され得る。バスの各々は、代替的に、1つ以上の単一の信号線あり得、単一の信号線の各々は、代替的に、バスであり得る。
【0069】
処理デバイス1202は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(complex instruction set computing、CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer、RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(very long instruction word、VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス1202はまた、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1つ以上の専用処理デバイスであり得る。処理デバイス1202は、処理ロジック1226を実行し得、これは、本明細書で考察される動作及びステップを行うための、
図1に示されるシステム100の一実施例であり得る。
【0070】
データ記憶デバイス1218は、機械可読記憶媒体1228を含み得、そこには、処理デバイス1202にシステム100を実行させるための命令を含む、本明細書に記載された機能の方法論のうちのいずれか1つ以上を具現化する命令の1つ以上のセット1222(例えば、ソフトウェア)が記憶される。命令1222はまた、コンピュータシステム1200によるその実行中に、メインメモリ1204内又は処理デバイス1202内にも、完全に又は少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ1204及び処理デバイス1202はまた、機械可読記憶媒体も構成する。命令1222は、ネットワークインターフェースデバイス1208を介して、ネットワーク1220を通じて更に送信又は受信され得る。
【0071】
非一時的機械読可読記憶媒体1228はまた、本明細書に記載される方法及び動作を行うための命令を記憶するために使用され得る。機械可読記憶媒体1228は、例示的な実施形態では単一の媒体であるように示されているが、「機械可読記憶媒体」という用語は、命令の1つ以上のセットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと解釈されるべきである。機械可読媒体は、機械機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構を含む。機械可読媒体としては、限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、フロッピーディスケット)、光記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、erasable programmable memory、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、又は電子的命令を記憶するのに適した別のタイプの媒体が挙げられ得る。
【0072】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、具体的なシステム、構成要素、方法などの例などの多数の具体的な詳細を記載する。しかし、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細を伴わずに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。他の事例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、周知の構成要素又は方法は詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示される。したがって、記載される具体的な詳細は、単なる例示である。特定の実施形態は、これらの例示的な詳細から変化してもよく、依然として本開示の範囲内であると考えられる。
【0073】
更に、いくつかの実施形態は、機械可読媒体が、2つ以上のコンピュータシステム上に記憶され、又はそれによって実行される、分散コンピューティング環境において実施され得る。また、コンピュータシステム間で転送される情報は、コンピュータシステムを接続する通信媒体を介して引かれるか、又は押され得る。
【0074】
特許請求される主題の実施形態は、本明細書に記載される様々な操作を含むが、これらに限定されない。これらの操作は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実行され得る。
【0075】
本明細書における方法の操作は、特定の順序で示され説明されるが、各方法の操作の順序は、特定の操作が逆順序で実行され得るように、又は特定の操作が他の操作と少なくとも部分的に同時に実行され得るように変更され得る。別の実施形態では、別個の操作の指示又はサブ操作は、断続的又は交互の様式であり得る。
【0076】
要約書に記載されているものを含む、本発明の例解された実装形態の上記の説明は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。本発明の特定の実装形態及びその実施例は、例解目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な等価の修正が可能である。本明細書で使用される「例」又は「例示的な」という語は、例、事例、又は例解としての役割を果たすことを意味する。「例」又は「例示的な」として本明細書で記載される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計に比べて好ましい又は有利であると解釈されない。むしろ、「例」又は「例示的な」という語の使用は、具体的な様式で概念を提示することが意図される。本出願で使用される場合、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、別段の指定がない限り、又は文脈から明らかでない限り、「Xは、A又はBを含む」は、自然な包括的な順列のうちのいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、又はXがA及びBの両方を含む場合、「XがA又はBを含む」は、前述の例のいずれかの下で満たされる。また、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、一般に、別段の指定がない限り、又は文脈から単数形を対象とすることから明らかでない限り、「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。更に、「一実施形態(an embodiment)」又は「一実施形態(one embodiment)」又は「一実装形態(an implementation)」又は「一実装形態(one implementation)」を通しての用語の使用は、そのように記載されない限り、同じ実施形態又は実装形態を意味するとは意図されない。更に、本明細書で使用される場合、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、異なる要素を区別するための表示として意味され、必ずしもそれらの数値表記に従った順序の意味を有し得ない。
【0077】
上で開示された、並びに他の特徴及び機能の変形物、又はそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされ得ることが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。特許請求の範囲は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせの実施形態を包含し得る。