(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155191
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のためのX線撮像システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/14 20060101AFI20231013BHJP
A61B 6/06 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A61B6/14 313
A61B6/14 311
A61B6/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058929
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】20225308
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】509353665
【氏名又は名称】パロデックス グループ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スウロネン エサ
(72)【発明者】
【氏名】カルフネン アンッティ
(72)【発明者】
【氏名】リンタマキ マルクス
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA12
4C093AA18
4C093AA22
4C093CA32
4C093DA05
4C093EA12
4C093FA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワンショット(フルビュー)及び走査撮像動作を行うことを可能にする、頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のための汎用性のある、コスト最適化されたX線撮像システムを提供すること。
【解決手段】X線撮像システム(100)は、コントローラ(132)、X線(106)を放射するためのX線エミッタ(104)、X線をコリメータするための一次コリメータ及び二次コリメータ(108、110)、エミッタからX線を受信するためのX線受信機(124)、及び撮像されるオブジェクト(102)を位置決めするためのポジショナ(120)を備える。コントローラは、ワンショット及び走査頭部計測撮像動作のうちの1つを選択し、選択された撮像動作でX線画像データを取得するために、X線放射を放出するようにエミッタ(106)及び放出された放射を受信するように受信機を制御するように構成されている。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のためのX線撮像システム(100)であって、
コントローラ(132)と、
X線(106)を放出するためのX線エミッタ(104)と、
前記X線をコリメートするための一次コリメータ及び二次コリメータ(108、110)と、
前記エミッタから前記X線を受信するためのX線受信機(124)と、
撮像されるオブジェクト(102)を位置決めするためのポジショナ(120)と、を備え、
前記コントローラが、ワンショット撮像動作及び走査頭部計測撮像動作のうちの1つを選択し(264)、かつ選択された前記撮像動作においてX線画像データ(ID)を取得するために、X線放射(106)を放出するように前記エミッタを制御し、放出された前記放射を受信するように前記受信機を制御する(266)ように構成されていることを特徴とする、X線撮像システム(100)。
【請求項2】
放出された前記放射は、前記ワンショット撮像動作において前記一次コリメータ(108)によって、並びに前記走査撮像動作において前記一次コリメータ及び前記二次コリメータによってコリメータされる、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記一次コリメータ(108)は、前記ワンショット撮像動作における放出された前記放射をコリメートするためのワンショット開口部(112)と、走査開口部(112、114)と、を備え、前記走査開口部(112、114)は、前記二次コリメータが前記エミッタと位置決めされた前記オブジェクトとの間に位置し、その結果、前記二次コリメータが前記エミッタよりも位置決めされた前記オブジェクトに近くなるときに、前記走査撮像動作における放出された前記放射を、前記二次コリメータ(110)と一緒にコリメートするために前記ワンショット開口部よりも狭い、請求項1又は2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像システムは、前記ワンショット撮像動作において、前記ワンショット開口部をワンショット位置(OS)に選択し、前記走査撮像動作において、前記走査開口部を走査位置(SP)に選択して、放出された前記放射をコリメートするように構成されたセレクタ(116)を更に備える、請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記セレクタを制御して、前記一次コリメータの前記ワンショット又は走査開口部を選択するように構成されている、請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記エミッタ、前記一次コリメータ、及び前記受信機は、前記ワンショット撮像動作における前記X線放射の放出中に前記オブジェクトに対して静止している、請求項1~3のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記エミッタ、前記一次コリメータ、及び前記二次コリメータが、前記走査撮像動作における前記X線放射の放出中に、前記オブジェクトに対して同期的に移動するか、又は前記エミッタが静止しており、前記一次コリメータ及び前記二次コリメータが、前記オブジェクトに対して同期的に移動する、請求項1~5のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記受信機は、前記走査撮像動作における前記X線放射の放出中に、前記オブジェクトに対して少なくとも前記一次コリメータ及び前記二次コリメータと同期して移動する、請求項7に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記撮像システムは、前記システムの構造に対して前記エミッタを支持するように構成されたサポータ(128)を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記ワンショット撮像動作又は前記走査撮像動作において前記オブジェクトを位置決めするためのイヤロッド(122)を備える前記ポジショナが、前記ワンショット撮像動作又は前記走査撮像動作において前記オブジェクトを支持するための頭部計側器(130)を確立する、請求項1~9のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記頭部計側器は、前記サポータが、前記エミッタを支持する回転子(128)を備えるとき、前記ワンショット撮像動作又は前記走査撮像動作において前記受信機、前記二次コリメータ、及びナシオンサポータ(123)を更に備える、請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記撮像システムは、前記コントローラが、選択された前記撮像動作における前記X線放射の前記放射中に前記受信機が前記エミッタに向かって垂直になるように、前記エミッタに対して前記受信機を移動させるように制御するように構成されている、ムーバ(126)を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記一次コリメータは、少なくとも1つのコリメータを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項14】
頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のためのX線撮像方法(256)であって、
コントローラ(132)によって、X線放射(106)を放出するようにX線エミッタ(104)を制御する(266)ステップと、
一次コリメータ(108)及び二次コリメータ(110)のうちの少なくとも1つによって、放出された前記放射をコリメータする(266)ステップと、を少なくとも含み、
前記方法が、前記コントローラによって、ワンショット撮像動作及び走査頭部計測撮像動作のうちの1つを選択する(264)ステップと、前記コントローラによって、選択された前記撮像動作において、コリメートされた前記放射を受信してX線画像データ(ID)を取得するようにX線受信機(124)を制御する(266)ステップと、を更に含むことを特徴とする、X線撮像方法(256)。
【請求項15】
命令を含むコンピュータプログラム(154)であって、前記命令は、前記コンピュータプログラムがコントローラ(132)によって実行されると、X線撮像システム(100)に、請求項14に記載の方法(256)の少なくとも前記ステップを実行させる、コンピュータプログラム(154)。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラム(154)が記憶された、有形の不揮発性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のためのX線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
既知の頭部計測X線撮像システムは、撮像される患者がX線エミッタとデジタルX線センサとの間に位置決めされることを必要とし、それにより、エミッタを介して患者の歯科領域に向かってX線を放射し、X線が患者に浸透した後、センサを介してX線を受信することが可能である。受信したX線は、センサ内のX線画像データの形式に変換され、この画像データは、患者からの二次元(2D)頭部計測画像の形成に使用される。
【0003】
既知のワンショット(フルビュー)撮像システムは、高速なワンショット撮像動作を使用し、ワイドセンサは、患者の撮像領域全体を一度にキャプチャする。撮像領域全体をキャプチャするために、ワンショット撮像動作では、センサからの大きなセンサ領域が必要になり、高価なセンサにつながる。
【0004】
既知の走査撮像システムは、より安価な走査撮像動作を使用し、狭いセンサは、いくつかの連続した撮像領域部分で全体の撮像領域をキャプチャし、センサ及びコリメータは、撮像領域を横切るエミッタによって放出されるX線を追う。撮像領域全体をキャプチャするために、走査撮像動作はシステム部品の走査移動を必要とし、これにより長い撮像動作がもたらされ、この長い撮像時間は、撮像動作を患者の動作にさらす。これらの移動は、捕捉された画像データにアーチファクトを引き起こし、これは、画像の形成における画像データの補正の必要性の増加及び劣化した画像品質をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は、既知のシステムの欠点を取り除き、ワンショット(フルビュー)及び走査撮像動作を行うことを可能にする、頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のための汎用性のある、コスト最適化されたX線撮像システムを提供することである。
【0006】
本発明の1つの目的は、独立した特許請求の範囲に記載のX線撮像システム、X線撮像方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ可読媒体を提供することによって達成される。
【0007】
本発明の実施形態は、独立した特許請求の範囲に記載のX線撮像システム、X線撮像方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ可読媒体によって特定される。
【0008】
頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のための第1のX線撮像システムは、コントローラ、X線を放出するためのX線エミッタ、X線をコリメートするための一次及び二次コリメータ、エミッタからX線を受信するためのX線受信機、及び撮像されるオブジェクトを位置決めするためのポジショナを含む。コントローラは、ワンショット及び走査頭部計測撮像動作のうちの1つを選択し、選択された撮像動作でX線画像データを取得するために、X線放射を放出するようにエミッタ及び放射された放射を受信するように受信機を制御するように構成されている。
【0009】
前の第1の撮像システムによって実行される、頭部計測歯顎顔面X線撮像動作のための第2のX線撮像方法。撮像方法は、コントローラによって、ワンショット及び走査頭部計測撮像動作のうちの1つを選択するステップと、コントローラによって、X線放射を放出するようにX線エミッタを制御するステップと、を含む。撮像方法は、一次コリメータ及び二次コリメータのうちの少なくとも1つによって放射された放射をコリメートするステップと、コリメートされた放射を受信して選択された撮像動作でX線画像データを取得するために、コントローラによってX線受信機を制御するステップと、を更に含む。
【0010】
第3のコンピュータプログラムは、命令であって、コンピュータプログラムがコントローラによって行われると、前の第1の撮像システムに、前の第2の撮像方法の少なくともステップを行わせる、命令を含む。
【0011】
第4の有形の不揮発性コンピュータ可読媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、これは、前の第3のコンピュータプログラムに従う。
【0012】
例示的な実施形態は、添付の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1a】ワンショット頭部計測撮像動作におけるX線撮像システムの原理を提示する。
【
図1b】更なる詳細を有する走査頭部計測撮像動作におけるX線撮像システムの原理を提示する。
【
図2】ワンショット及び走査頭部計測撮像動作におけるX線撮像方法のフローチャートを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1a及び
図1bは、X線撮像動作において、オブジェクト102、例えば、患者又は較正ターゲットからX線画像データIDを取得(キャプチャ)するように構成されたX線撮像システム100を提示する。取得された画像データIDは、処理され(計算され、変換され)、撮像されたオブジェクト102の少なくとも一部からX線画像を形成する。
【0015】
システム100は、少なくとも頭部計測X線撮像動作(例えば、ワンショット及び走査撮像動作)を行う(実施する、実行する)ように構成され、これは、図が提示するように、撮像されたオブジェクト102、例えば、オブジェクト102の歯顎顔面領域からの二次元(2D)頭部計測X線画像、例えば、側方又はPosteroAnterior(PA)画像の形成のための画像データIDをもたらす(生成する)。
【0016】
システム100は更に、パノラマX線撮像動作を行うように構成されてもよく、これは、撮像されたオブジェクト102からの2Dパノラマ画像の形成のための画像データIDをもたらす。更に、システム100は、コンピュータ断層撮影(CT)X線撮像動作を行うように更に構成されてもよく、これは、撮像されたオブジェクト102からの三次元(3D)ボリュームの再構築のための画像データIDをもたらす。
【0017】
システム100は、少なくとも頭部計測撮像動作のためにX線(X線放射)106を放出(照射)するように構成されたX線エミッタ104を備える。エミッタ104は、パノラマ及びCT撮像動作の少なくとも1つのためにX線106を放出するように更に構成されてもよい。
【0018】
システム100は、一次コリメータ108及び二次コリメータ110を更に含む。一次コリメータ108は、ワンショット撮像動作において、及び二次コリメータ110と一緒に走査撮像動作において、単独で放射されたX線106をコリメータするように構成され、二次コリメータ110は、走査撮像動作において放射されたX線106をコリメートするように構成される。
【0019】
一次コリメータ108は、1つの調節可能な開口部112を含み、これは、X線106を、ワンショット撮像動作におけるワンショット開口部として、及び走査撮像動作における走査開口部としてコリメートするように構成される。調整されたワンショット開口部112の少なくとも1つの寸法(例えば、幅、高さ、断面積(サイズ))は、調整された走査開口部112の対応する寸法よりも大きい。代替的に、一次コリメータ112は、2つの開口部112、114を含み、その中で、ワンショット撮像動作中にX線106をコリメートするように構成されたより大きいワンショット開口部112は、図が示すように、走査撮像動作中にX線106をコリメートするように構成されたより狭い走査開口部114よりも少なくとも1つの寸法を有する。
【0020】
一次コリメータ108は、一次コリメータ108がエミッタ104の近傍にあるか、又はそれがエミッタ104の構造の一部であるように、エミッタ104と位置決めされたオブジェクト102との間に配置され、したがって、一次コリメータ108は、位置決めされたオブジェクト102よりもエミッタ104にはるかに近い。
【0021】
一次コリメータ108は、前述されているように、及び以下で説明されているように、並びに図が提示するように、少なくとも1つのコリメータ(コリメータ構造)、例えば、主に使用される1つのコリメータを含み、又は図面に提示されていない、ほとんど使用されていない少なくとも2つの連続したコリメータ(コリメータ構造)を備える。少なくとも2つの連続したコリメータは、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の連続したコリメータを含む。
【0022】
一次コリメータ108内の連続するコリメータの数にかかわらず、複数のコリメータで構成される一次コリメータ108は、ワンショット撮像動作において、単独で、及び走査撮像動作において、1つのコリメータを含む主に使用される一次コリメータ108として対応する二次コリメータ110とともに、放出されたX線106をコリメータ化するように構成される。加えて、一次コリメータ108内の連続するコリメータの数にかかわらず、複数のコリメータで構成される一次コリメータ108は、一次コリメータ108がエミッタ104の近傍にあるか、又はそれが主に使用される一次コリメータ108として対応してエミッタ104の構造の一部であるように、エミッタ104と位置決めされたオブジェクト102との間に配置する。
【0023】
システム100は、より大きなワンショット位置OSを開口部112に選択して、ワンショット撮像動作中に放射されたX線106をコリメートするように、また、より狭い走査位置SPを開口部112、114に選択して、走査撮像動作中に放射されたX線106をコリメートするように構成されたセレクタ116を更に備える。
【0024】
一次コリメータ108が単一の開口部112を備える場合、セレクタ116は、開口部112の寸法をワンショット撮像動作において、開口部112がワンショット開口部として動作するようにワンショット位置OSに調整すること、及び、開口部112の寸法を前述したワンショット位置OSよりも狭い走査位置SPに調整することにより、開口部112が走査撮像動作において走査開口部として動作するように選択する。あるいは、一次コリメータ108が、図面が提示するように2つの開口部112、114を備える場合、セレクタ116は、より大きなワンショット開口部112がワンショット撮像動作のためにワンショット位置OSに正しく位置決めされるように一次コリメータ108を位置決め(調整)することによって、及びより狭い走査開口部114が走査撮像動作のために走査位置SPに正しく位置決めされるように一次コリメータ108を配置することによって選択を行う。
【0025】
二次コリメータ110は、走査撮像動作SPで使用されるように構成された開口部118を備える。二次コリメータ110は、エミッタ104及び一次コリメータ108並びに位置決めされたオブジェクト102の間に配置する。第2のコリメータ110と位置決めされたオブジェクト102との間の距離COは、エミッタ104とコリメータ110との間の距離ECよりも短いため、二次コリメータ110は、エミッタ104及び一次コリメータ108よりも位置決めされたオブジェクト102に近い。
【0026】
システム100は、撮像されるオブジェクト102を頭部計測撮像位置に位置決めされるように構成されたポジショナ120を更に備える。ポジショナ120は、オブジェクト102がワンショット及び走査撮像動作の位置を占めるシステム100の近傍にある撮像位置(提示されていない)の表示を含む。追加的又は代替的に、ポジショナ120は、オブジェクト102の聴覚管内に設定されるように構成されたイヤロッド(耳サポータ)122、及びオブジェクト102に対して設定されるように構成されたナシオン(鼻根点、nasion)サポータ123のうちの少なくとも1つを含む。イヤロッド122及びナシオンサポータ123は、ワンショット撮像動作又は走査撮像動作において、オブジェクト102を撮像位置に位置決めされるように構成される。
【0027】
システム100は、エミッタ104からX線106を受信し、位置決めされたX線露光(撮像された)オブジェクト102から画像データIDを生成するように構成されたX線受信機124を更に備える。生成された画像データIDは、次いで、オブジェクト102からの頭部計測画像の形成において処理される。
【0028】
受信機124は、受信機124が、少なくともワンショット及び走査頭部計測撮像動作を行うように構成されるように、デジタルX線センサを備える。センサは、パノラマ及びCT撮像動作が存在する場合、それらを行うように更に構成される。
【0029】
ワンショット撮像動作における側頭部計測画像の最も使用される領域は、おおよそ、オブジェクト102の部分からオブジェクト102の鼻の先端までである。この部分-鼻先端の距離は、典型的には16cm未満である。センサの十分な水平幅WIは、16~17cm、例えば、16、16.25、16.5、16.75、又は17cmである。この幅WIを有するセンサは、ワンショット撮像動作によってほとんどの頭部計測撮像動作を動作させるように構成されており、まれに、より広い領域(例えば、側頭部計測画像領域全体)を必要とする場合は、走査撮像動作によって動作される。代替的に、センサの幅WIは、16~20cm、例えば、16、17、18、19、又は20cmであってもよい。システム100内で使用されるセンサの幅にかかわらず、幅WIは、とにかく、幅が26cmの全幅センサよりも有意に小さい。
【0030】
システム100は、MO受信機124をエミッタ104に対して直線的かつ回転的のうちの少なくとも1つに移動させるように構成されたムーバ126を含み得、その結果、受信機124は、ワンショット及び走査撮像動作の少なくとも1つのためのX線106の放出中に、エミッタ104に向かって垂直になる。
【0031】
システム100は、システム100及びサポータ128の構造に対して、エミッタ104、一次コリメータ108、及びセレクタ116を支持するように構成されたサポータ128を更に備える。更に、サポータ128は、エミッタ104と位置決めされたオブジェクト102(ポジショナ120)との間に十分な距離EOを確立するように構成されている。更に、サポータ128は、エミッタ104及び一次コリメータ108を、ワンショット及び走査撮像動作のためのそれらの撮像位置に移動させ、一次コリメータ108及び、必要に応じて、エミッタ104を、走査撮像動作中の走査移動SCに従って、システム100に対して回転的かつ直線的のうちの少なくとも1つに移動させるように構成される。
【0032】
エミッタ104がシステム100内の唯一のエミッタである場合、サポータ128は、C字形の回転子(ガントリー)128を含む(である)。この単一エミッタで構成された実施形態では、システム100は、少なくとも垂直カラム(提示されていない)、水平上部棚(提示されていない)、二次コリメータ110、ポジショナ120、及び受信機124を備える遠位頭部計側器(頭部計測画像サポータ)130、並びに上部棚及び回転子を他のシステム部品と同様に直線的及び回転的に作動させるためのアクチュエータ機構を更に備える。
【0033】
あるいは、エミッタ104がシステム100内の唯一のエミッタではない場合、サポータ128は、エミッタ104と位置決めされたオブジェクト102との間の距離EOを確立するための遠位エミッタサポータ128を含む(である)。この複数のエミッタで構成される実施形態では、システム100は、カラム、上部棚、パノラマ及びCT撮像動作のうちの少なくとも1つのための別のX線エミッタを含む回転子(図示せず)、二次コリメータ110、及び受信機124、ポジショナ120を含む遠位頭部計側器、並びに上部棚及び回転子を他のシステム部品として枢動、直線、及び回転的に作動させるためのアクチュエータ機構を更に含む。
【0034】
システム100の単一エミッタで構成された実施形態の動作及び必要なシステム部分は、公開された特許出願第FI20145617号の背景でより正確に説明されている。システム100の複数のエミッタで構成される実施形態の動作及び必要なシステム部分は、同じ特許出願の詳細な説明でより正確に説明されている。
【0035】
システム100は、システム100が前述のように、及び以下に説明されているように動作するように、システム部品、例えばシステム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130、138、140、142、144の動作を制御するように構成されたコントローラ132を更に備える。
【0036】
コントローラ132は、オペレータが開始した命令、コンピュータプログラム(ソフトウェア)が開始した命令、又はその両方を行い、コンピュータプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を動かすためにデータを処理するように構成されたプロセッサ134を備える。プロセッサ134は、少なくとも1つのプロセッサ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のプロセッサを備える。
【0037】
コントローラ132は、データを格納及び維持するように構成されたメモリ136を更に備える。データは、命令、コンピュータプログラム、及びデータファイルであってもよい。メモリ136は、少なくとも1つのメモリ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のメモリを含む。
【0038】
システム100は、コントローラ132が、コマンド、要求、及びデータを、例えば、システム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130、138、140、142、144、例えば、エミッタ104及び受信機124のうちの少なくとも1つに送信するように制御するように構成されている通信機138を更に含む。コントローラ132は、通信器138を制御して、例えば、システム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130、138、140、142、144、例えば、エミッタ104及び受信機124のうちの少なくとも1つからコマンド、要求、及びデータを受信するように更に構成される。通信機138と例えばシステム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130、138、140、142、144との間の通信は、有線接続、無線接続、又は両方の接続を介して行われる。
【0039】
システム100は、コントローラ132が、例えばシステム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130のうちの少なくとも1つを作動させるように制御するように構成されたアクチュエータ140を更に含む。アクチュエータ140は、例えば、モータ、ドライバ、アクチュエータ機構、又は他のアクチュエータ部品を含む。
【0040】
システム100は、コントローラ132がシステム100の動作に電力を供給するように制御するように構成されている電力供給器142を更に備える。電力供給器142は、システム100に電力を供給するように構成された少なくとも1つの供給器部品、例えば、電気プラグ、バッテリ、レギュレータ、又は他の供給器部品への接続を含む。
【0041】
システム100は、コントローラ346がシステム100のオペレータから命令、要求、又はデータを受信するように制御するように構成されたユーザインターフェース(UI)144を更に備える。コントローラ132は、UI358を制御して、命令、要求、又はデータをオペレータに提示するように更に構成される。
【0042】
メモリ136は、通信機138を動作(制御)するための通信機プログラム146、アクチュエータ140を動作させるためのアクチュエータプログラム148、電力供給器142を動作させるための電力供給器プログラム150、及びUI144を動作させるためのUIプログラム152を格納するように構成されている。
【0043】
メモリ136は、コントローラ346が、システム100の動作、例えば、前述のように、例えば、システム部品104、108、110、112、114、116、118、120、124、126、128、130、138、140、142、144のうちの少なくとも1つの動作を制御するように実行する(動かす)ように構成されたコンピュータプログラム154を格納するように更に構成される。コンピュータプログラム154は、コンピュータ可読コード命令を含む。
【0044】
コンピュータプログラム154は、有形の不揮発性(非一時的)コンピュータ可読媒体、例えば、コンパクトディスク(CD)又はユニバーサルシリアルバス(USB)ストレージデバイスに格納されるように構成される。
【0045】
図2は、前述したシステム100による頭部計測歯顎顔面X線撮像動作を行うためのX線撮像方法256を提示する。
【0046】
ステップ258で、システム100は、エミッタ104、一次コリメータ108、二次コリメータ110、セレクタ116、受信機124、ムーバ126、及び他のシステム部品を提示する。オペレータは、UI144によって、コントローラ132に、システム100を開始し、それを初期化して、撮像されるオブジェクト102から画像データIDを取得するように指示する。
【0047】
ステップ260において、システム100の状態を記述する特定のパラメータ、前の較正後の特定の経過時間、又は所定の限界を超えるいくつかの実施された撮像処理が、システム100の初期化後にシステム100を較正する必要性を示す場合、オペレータは、UI144によって、コントローラ132に、較正対象によってエミッタ104、受信機124、及び他の関連するシステム部品の較正を行うように指示する。あるいは、コントローラ132は、少なくとも1つの前述の状態が所定の限界値を超えたときに、較正の必要性を初期的に(自動的に)検出し、較正を実行する。
【0048】
ステップ262で、オペレータ又はシステム100は、オブジェクト102、すなわち患者に、エミッタ104と受信機124との間、並びに一次コリメータ108、又は前の図に提示するように二次コリメータ110と受信機124との間に患者102を位置決め又はオペレータが位置決めするように指示し、これにより、エミッタ104によって患者102を照射することが可能であり、使用された撮像動作に応じて一次コリメータ108によって、可能であれば二次コリメータ110によって放射されたX線106をコリメートすることが可能であり、受信機124によって照射された患者102から画像データIDをキャプチャすることが可能である。
【0049】
患者102は、ポジショナ120によって位置決めされる。患者102は、位置指示に従って自由に設定すること、イヤロッド122を聴覚管に設定すること、ナシオンサポータ123に対して鼻を支持することのうちの少なくとも1つを行った。
【0050】
ステップ264で、オペレータは、UI144を介して、セレクタ116が一次コリメータ108のための関連する開口部112、114を選択するように制御し、アクチュエータ140が選択された撮像動作に応じて遠位頭部計側器130又は回転子を作動させ、二次コリメータ110が選択された撮像動作に対して正しく位置決めされるように制御するように、コントローラ132に指示することによって、ワンショット撮像動作又は走査撮像動作を使用するかどうかを選択する。
【0051】
ステップ264で選択された撮像動作がワンショット撮像動作である場合、一次コリメータ108が単一の開口部112のみを含む場合、開口部112の寸法を調整することによって、又は一次コリメータ108が複数の開口部112、114を含む場合、より広いワンショット開口部112が、
図1aに提示するように、ワンショット位置OSに正しく配置されるように、一次コリメータ108を作動させることによって、コントローラ132は、ワンショット撮像動作に構成されるより広い開口部112を選択するようにセレクタ116に指示する。
【0052】
更に、システム100が単一エミッタで構成されたシステムである場合、コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104及び選択された開口部112がワンショット撮像動作のために正しく位置決めされるようにサポータ(回転子)128を制御し、二次コリメータ118がワンショット撮像動作を防止又は妨げないように頭部計側器130を制御し、受信機124が正しく位置決めされ、エミッタ104に向かうようにムーバ126を制御するように指示する。システム100が複数のエミッタで構成されるシステムである場合、コントローラ132は、アクチュエータ140に、遠位頭部計側器(ポジショナ120)に対して(上に)正しく位置決めされ、二次コリメータ118が防止又は妨害されないように、回転子を制御するように、及び受信機124がエミッタ104に向かって正しく位置決めされるように、ムーバ126を制御するように指示する。
【0053】
あるいは、ステップ264で選択された撮像動作が走査撮像動作である場合、コントローラ132は、一次コリメータ108が単一の開口部112のみを含む場合、開口部112の寸法を調整することによって、又は一次コリメータ108が複数の開口部112、114を含む場合、より狭い走査開口部114が、
図1bが提示するように、走査位置SPに正しく配置されるように、一次コリメータ108を作動させることによって、セレクタ116に走査撮像動作に構成される狭い開口部112を選択するように指示する。
【0054】
更に、システム100が単一エミッタで構成されたシステムである場合、コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104及び選択された開口部112、114が適切に配置され、走査移動SCの準備ができているように、サポータ128を制御し、二次コリメータ118が正しく位置決めされ、関連する走査移動SCの準備ができているように、頭部計側器130を制御し、及び受信機124がエミッタ104に向かって正しく位置決めされ、関連する走査移動SCの準備ができているように、ムーバ126を制御するように指示する。システム100が複数のエミッタで構成されるシステムである場合、コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104及び選択された開口部112、114が関連する走査移動SCのために準備ができているように、遠位エミッタサポータ128を制御し、回転子及び二次コリメータ118が遠位頭部計側器に対して正しく位置決めされ、関連する走査移動SCのために準備が整っているように、回転子を制御し、受信機124がエミッタ104に向かって正しく位置決めされ、関連する走査移動SCのために準備が整っているように、ムーバ126を制御するように指示する。
【0055】
ステップ266で、オペレータ又はシステム100は、UI144を介して、コントローラ132に、位置決めされた患者102の歯顎顔面から画像データIDを取得するために選択された撮像動作を制御するように指示する。
【0056】
選択された撮像動作がワンショット撮像動作である場合、コントローラ132は、一次コリメータ108が、放射されたX線106をコリメートするように、少なくとも部分的に患者102の関連する歯顎顔面領域と、貫通したX線106を受信するために受信機124とを貫通(横断)するX線106をエミッタ104に一度放出するように指示する。コントローラ132は更に、受信したX線106に基づいて患者102の関連領域の画像データIDを生成するよう受信機124に指示する。エミッタ104、一次コリメータ108、及び受信機124は、X線106の放出及び受信の間、オブジェクト102(ポジショナ120、システム100)に対して静止している。
【0057】
選択された撮像動作が走査撮像動作である場合、コントローラ132は、エミッタ104、一次コリメータ108、及び二次コリメータ110及び受信機124のうちの少なくとも1つに、走査移動SCを行うように指示する。コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104を作動させ、一次コリメータ108が、二次コリメータ110及び受信機124の走査移動SCと一緒に走査移動SCを同期的に行うように指示することができる。あるいは、コントローラ132は、アクチュエータ140に、一次コリメータ108ではなく、エミッタ104のみを作動させて、二次コリメータ110及び受信機124の走査移動SCと一緒に走査移動SCを同期的に行うように指示し得る。あるいは、コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104ではなく、一次コリメータ108のみを作動させて、二次コリメータ110及び受信機124の走査移動SCと一緒に走査移動SCを同期的に行うように指示し得る。あるいは、コントローラ132は、アクチュエータ140に、エミッタ104を作動させ、一次コリメータ108が、二次コリメータ110ではなく、受信機124の走査移動SCのみと一緒に走査移動SCを同期的に行うように指示することができる。全てのオプションにおいて、これらの走査移動SCは、オブジェクト102に対して実行される。コントローラ132は更に、エミッタ104にX線106を放出するように指示し、その結果、一次コリメータ108及び二次コリメータ110は、患者102の関連領域を少なくとも部分的に貫通する放出されたX線106をコリメートし、受信機124は、前述の走査移動SC中に貫通したX線106を受信する。コントローラ132は更に、受信したX線106に基づいて患者102の関連領域の画像データIDを生成するように受信機124に指示する。
【0058】
ステップ268で、オペレータは、患者102に、撮像位置から立ち去る(出る)ように指示する。
【0059】
ステップ270で、全ての必要な画像データIDの取得が完了した後、コントローラ132は、取得された画像データIDから画像を計算することによって、関連領域の頭部計測画像を形成する。
【0060】
本発明及びそのいくつかの利点は、先の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。本発明がこれらの実施形態に限定されるだけでなく、以下の特許請求の範囲内の全ての可能な実施形態を含むことは明らかである。