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特開2023-155197光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155197
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20231013BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231013BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231013BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231013BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/57
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060281
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】202210359808.3
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210779623.8
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210779174.7
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211439303.4
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211207021.1
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 一嘉
(72)【発明者】
【氏名】和出 達貴
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2K005AA01
2K005CA45
2K005CA53
5C122EA54
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】案内機構における摩擦係数が大きくなりにくく、全体としてさらに薄型の構成にすることができる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】光学部材駆動装置10は、光学部材の移動を案内する案内機構34(36、38)を有し、この案内機構は、金属製の第1部材22に形成された溝42A、46A及び摺動平面42B、46Bを含む案内部42、46と、樹脂製の第2部材24、16に複数の突起として形成された支持部40、44と、を有し、樹脂製の複数の突起のうちの一部の突起40A、44Aが金属製の溝42A、46Aに嵌り込み、複数の突起のうちの残りの突起40B、44Bが金属製の摺動平面42B、46Bに接触して支持部と案内部が摺動する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部材の移動を案内する案内機構を有し、
前記案内機構は、金属製の第1部材に形成された溝及び摺動平面を含む案内部と、樹脂製の第2部材に複数の突起として形成された支持部と、を有し、前記樹脂製の前記複数の突起のうちの一部の前記突起が前記金属製の前記溝に嵌り込み、前記複数の突起のうちの残りの前記突起が前記金属製の前記摺動平面に接触して前記支持部と前記案内部が摺動する
光学部材駆動装置。
【請求項2】
1つの前記第1部材と2つの前記第2部材を有し、
前記1つの第1部材は前記光学部材の光軸方向の両側に前記案内部を有し、当該案内部の前記光軸方向の一方側に設けられた前記溝の延在方向と、前記光軸方向の他方側に設けられた前記溝の延在方向とが互いに直交しており、
前記2つの第2部材は前記光軸方向の両側から前記第1部材を挟むとともに、その一方に前記光学部材を支持するための支持体を有する
請求項1記載の光学部材駆動装置。
【請求項3】
板状の前記第1部材の外形は四角形状であり、
前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、前記四角形状の前記第1部材の四隅に前記板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている
請求項2記載の光学部材駆動装置。
【請求項4】
前記案内部の他方は、前記突出部の裏面に形成されている
請求項3記載の光学部材駆動装置。
【請求項5】
前記第1部材は一体に成形されて形成されている
請求項1記載の光学部材駆動装置。
【請求項6】
前記第1部材が2枚の金属板体が固着されて形成されており、当該2枚の金属板体の一方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方が形成され、前記2枚の金属板体の他方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の他方が形成される
請求項2記載の光学部材駆動装置。
【請求項7】
前記2枚の金属板体の外形は、ともに四角形状であり、
前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、一方の前記金属板体の四隅に板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている
請求項6記載の光学部材駆動装置。
【請求項8】
請求項1記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としてのレンズと、を備えたカメラ装置。
【請求項9】
請求項1記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としての画像センサと、を備えたカメラ装置。
【請求項10】
請求項8又は9のいずれか1項記載のカメラ装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の電子機器には、小型のカメラ装置が搭載されている。この種の小型カメラはレンズ駆動装置を有し、このレンズ駆動装置として、例えば特許文献1に示すように、手ブレ補正機能を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-217051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、レンズを移動自在とするための案内機構が設けられており、この案内機構は、ガイド凹部のガイド面に摺接する複数の突起を含んでいる。
【0005】
しかしながら、このような案内機構は、突起とガイド面との間で摩擦係数が大きくなる場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、案内機構における摩擦係数が大きくなりにくく、全体としてさらに薄型の構成にすることができる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は光学部材駆動装置であり、この光学部材駆動装置は、光学部材の移動を案内する案内機構を有し、前記案内機構は、金属製の第1部材に形成された溝及び摺動平面を含む案内部と、樹脂製の第2部材に複数の突起として形成された支持部と、を有し、前記樹脂製の前記複数の突起のうちの一部の前記突起が前記金属製の前記溝に嵌り込み、前記複数の突起のうちの残りの前記突起が前記金属製の前記摺動平面に接触して前記支持部と前記案内部が摺動する。
【0008】
好適には、光学部材駆動装置は、1つの前記第1部材と2つの前記第2部材を有し、前記1つの第1部材は前記光学部材の光軸方向の両側に前記案内部を有し、当該案内部の前記光軸方向の一方側に設けられた前記溝の延在方向と、前記光軸方向の他方側に設けられた前記溝の延在方向とが互いに直交しており、前記2つの第2部材は前記光軸方向の両側から前記第1部材を挟むとともに、その一方に前記光学部材を支持するための支持体を有する。
【0009】
好適には、板状の前記第1部材の外形は四角形状であり、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、前記四角形状の前記第1部材の四隅に前記板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている。
【0010】
好適には、前記案内部の他方は、前記突出部の裏面に形成されている。
【0011】
好適には、前記第1部材は一体に成形されて形成されている。
【0012】
好適には、前記第1部材が2枚の金属板体が固着されて形成されており、当該2枚の金属板体の一方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方が形成され、前記2枚の金属板体の他方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の他方が形成される。
【0013】
好適には、前記2枚の金属板体の外形は、ともに四角形状であり、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、一方の前記金属板体の四隅に板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている。
【0014】
本発明の他の態様はカメラ装置であり、このカメラ装置は、上記態様の光学部材駆動装置と、前記光学部材としてのレンズと、を備える。
【0015】
本発明の他の態様はカメラ装置であり、このカメラ装置は、上記態様の光学部材駆動装置と、前記光学部材としての画像センサと、を備える。
【0016】
本発明の他の態様は電子機器であり、この電子機器は、上記態様のカメラ装置を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、案内機構を構成する溝及び摺動平面が形成された第1部材を金属製とし、この溝に嵌る突起及び摺動平面に接触する突起が形成された第2部材を樹脂で形成している。それにより、案内機構における摩擦係数が大きくなりにくく、全体としてさらに薄型の構成にすることができる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を斜め前方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を斜め後方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を固定体と移動体に分解して斜め前方から見た分解斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態に係るレンズ駆動装置の移動体を分解して斜め前方から見た分解斜視図である。
図5】本発明の第一実施形態に係るレンズ駆動装置の移動体を分解して斜め後方から見た分解斜視図である。
図6図6(A)は本発明の第一実施形態の第2移動体プレートの平面図、図6(B)は図6(A)のVIB-VIB線断面図、図6(C)は6(B)のVIC-VIC線断面図、図6(D)は図4のVID部分の拡大図である。
図7図7(A)は本発明の第一実施形態のレンズ支持体を後方から見た場合の底面図、図7(B)は図7(A)のVIIB-VIIB線断面図、図7(C)は図7(A)のVIIC-VIIC線断面図、図7(D)は図5のVIID部分の拡大図である。
図8】本発明の第一実施形態の移動体を前方から見た場合の平面図である。
図9図9(A)は、図8のIXA-IXA線断面図、図9(B)は、図8のIXB-IXB線断面図、図9(C)は、図8のIXC-IXC線断面図、図9(D)は、図8のIXD-IXD線断面図である。
図10】本発明の第一実施形態の第1移動体プレートの変形例の斜視図である。
図11】本発明の第二実施形態の移動体を分解して斜め前方から見た分解斜視図である。
図12】本発明の第二実施形態の移動体を分解して斜め後方から見た分解斜視図である。
図13】本発明の第二実施形態の移動体を前方から見た場合の平面図である。
図14図14(A)は、図13のXIIIA-XIIIA線断面図、図14(B)は、図13のXIIIB-XIIIB線断面図、図14(C)は、図13のXIIIC-XIIIC線断面図、図14(D)は、図13のXIIID-XIIID線断面図である。
図15】本発明の第二実施形態の第1移動体プレートの変形例の斜視図である。
図16図16(A)は、本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置を斜め前方から見た斜視図であり、図16(B)は、同じく光学部材駆動装置を斜め後方から見た斜視図である。
図17図16の斜視図からケースを取り除いた状態を示す斜視図である。
図18】本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置を分解して斜め前方から見た分解斜視図である。
図19】本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置を分解して斜め後方から見た分解斜視図である。
図20】本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置を主要部分に分解して斜め前方から見た分解斜視図である。
図21図21(A)は、本発明の実施形態のスライダを前方から見た場合の斜視図であり、図21(B)は、同じくスライダを後方から見た場合の斜視図である。
図22】本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置の上面図である。
図23図23(A)は、図22のVIIIA-VIIIA線断面図、図23(B)は、図22のVIIIB-VIIIB線断面図である。
図24図24(A)は、図23(A)の断面を斜め前方から見た場合の断面斜視図であり、図24(B)は、図23(B)の断面を斜めから見た場合の断面斜視図である。
図25図25(A)は、図22のXA-XA線断面図、図25(B)は、図22のXB-XB線断面図である。
図26図26(A)は、変形例のスライダを前方から見た場合の斜視図であり、図26(B)は、同じく変形例のスライダを後方から見た場合の斜視図である。
図27】本発明の実施形態に係る画像センサ駆動装置の斜視図である。
図28図27の斜視図からケースを取り除いた状態を示す斜視図である。
図29】本発明の実施形態に係る画像センサ駆動装置を分解して光軸方向前方側から見た分解斜視図である。
図30】本発明の実施形態に係る画像センサ駆動装置を分解して光軸方向後方側から見た分解斜視図である。
図31図31(A)は、本発明の実施形態のスライダを光軸方向前方側から見た場合の斜視図であり、図31(B)は、同じくスライダを光軸方向後方側から見た場合の斜視図である。
図32】本発明の実施形態に係る光学部材駆動装置の正面図である。
図33図33(A)は、図32のVIIA-VIIA線断面図、図33(B)は、図32をVIIB-VIIB線で切断して斜めから見た場合の断面斜視図である。
図34図34(A)は、図32のVIIIA-VIIIA線断面図、図34(B)は、図32をVIIIB-VIIIB線で切断して斜めから見た場合の断面斜視図である。
図35図35(A)は、図32のIXA-IXA線断面図、図35(B)は、図32をIXB-IXB線で切断して斜めから見た場合の断面斜視図である。
図36図36(A)は、図32のX-X線断面図、図36(B)は、同じく図32のX-X線で切断して斜めから見た場合の断面斜視図である。
図37図37(A)は、図32のXI-XI線断面図、図37(B)は、同じく図32のXI-XI線で切断して斜めから見た場合の断面斜視図である。
図38図38(A)は、変形例のスライダを光軸方向前方側から見た場合の斜視図であり、図38(B)は、同じく変形例のスライダを光軸方向後方側から見た場合の斜視図である。
図39図39は、変形例の画像センサ駆動装置の正面図である。
図40図40(A)は、図39のXIVA-XIVA線断面図、図40(B)は、図39のXIVB-XIVB線断面図である。
図41図41(A)は、図39のXVA-XVA線断面図41(B)は、図39のXVB-XVB線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の光学部材駆動装置又は画像センサ駆動装置、カメラ装置及び電子機器を例示して示すものであり、本発明を以下の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0020】
[第一実施形態]
図1から図9には、本発明の光学部材駆動装置であるレンズ駆動装置10の、第一実施形態が示されている。レンズ駆動装置10は光学部材として採用したレンズと共に、スマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられる。
【0021】
レンズ駆動装置10は、固定体12と、この固定体12に対して移動自在に支持された移動体14とを有する。移動体14は、図4及び図5に示すように、図示しないレンズを支持するレンズ支持体16と、このレンズ支持体16を囲む第1枠体18とを有する。レンズ支持体16及び第1枠体18は、前方から見た外形が略四角形状となっている。
【0022】
なお、この明細書においては、便宜上、レンズの光軸方向をZ方向、光軸方向と直交する方向をX方向、並びにZ方向及びX方向と直交する方向をY方向と称する。また、光軸の被写体側を前側、その反対側で図示しない画像センサが配置される側を後側と称する。
【0023】
レンズ支持体16の内側にZ方向から見て円形のレンズ取付け用孔20が形成され、このレンズ取付け用孔20にレンズが取り付けられる。
【0024】
第1枠体18は、第1移動体プレート22、第2移動体プレート24及び第1カバー26とから構成されている。レンズ支持体16及び第2移動体プレート24は、例えば液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックから作られている。また、第1移動体プレート22及び第1カバー26は、例えば金属から作られている。第1移動体プレート22、第2移動体プレート24及び第1カバー26には、それぞれ光を通過させるための貫通孔28、30、32が形成されている。貫通孔28、30、32はそれぞれ略円形に形成されている。
【0025】
第1枠体18は、レンズ支持体16をY方向及びX方向の両方向に移動自在に支持している。即ち、第1枠体18は、直交方向案内機構34を有し、この直交方向案内機構34を介してレンズ支持体16をXY方向に移動自在であるようにしてある。
【0026】
直交方向案内機構34は、Z方向に隔てられた第1案内機構36と第2案内機構38とから構成されている。第1案内機構36は、Z方向後方に設けられ、第1案内部42と第1支持部40とを含む。第1案内部42は、第1移動体プレート22の後面に形成され、+Z方向に凹む第1溝42A及び第1摺動平面42Bを含む。第1支持部40は、第2移動体プレート24の前面に+Z方向に突出する複数の突起として形成され、第1溝42Aに対応する第1支持部40A及び第1摺動平面42Bに対応する第1支持部40Bを含む。第1支持部40Aと第1支持部40Bの形状は同じであり、図6に示すように、X方向の寸法がY方向の寸法よりも大きく、全体として半円柱形状をなしており、X方向の両端は半円柱状部分と滑らかに繋がるように1/4球状をなしている。
【0027】
第1案内機構36において、第1案内部42と第1支持部40は、四角形状の外形を有する第1移動体プレート22及び第2移動体プレート24の4つの角部に配置されている。このうち、第1磁石54と磁性部材86が設けられた-Y側の辺の両端に設けられる第1案内部42は、V字形状の第1溝42Aとして形成され、第1溝42AはX方向に延びている。反対側の+Y側の辺の両端に設けられる第1案内部42は第1摺動平面42Bとして形成され、第1摺動平面42BはX-Y平面に広がっている。-Y側の2つの第1支持部40は第1支持部40Aであり、第1溝42Aに嵌り込む。+Y側の2つの第1支持部40は第1支持部40Bであり、第1摺動平面42Bに接触している。X方向に延びる第1溝42Aと第1支持部40AとがY方向には移動を制限するように嵌っているので、第1移動体プレート22は、第2移動体プレート24に対してX方向のみ移動自在である。
【0028】
図9(A)、図9(B)に示すように、X方向から見た場合に、第1溝42AはV字形状であり、第1支持部40Aは半円形状である。これにより、第1支持部40Aの弧状の曲面部分と第1溝42AのV字の平面部分とは、Y-Z平面の断面において2点で接触、即ち全体では2箇所で互いに線接触する。
【0029】
第1支持部40の断面形状は角部が第1溝42Aの底面に当接しない形状が好ましく、半円形状としたが、半楕円形状でもよい。第1溝42Aの断面形状はV字形状としたが、U字形状であってもよい。2箇所で線接触することにより、第1溝42Aに対する第1支持部40のY方向の位置がブレることなく決まる。
【0030】
また、同じく図9(A)、図9(B)に示すように、X方向から見た場合、第1摺動平面42BはY方向に広がり、第1支持部40Bは、第1支持部40Aと同様に半円形状である。これにより、第1移動体プレート22の第2移動体プレート24に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第1摺動平面42BのY方向の幅は、第1支持部40BのY方向の幅よりも幅広い。そのため、第1支持部40Aと第1支持部40Bの間の寸法が、第1溝42Aと第1摺動平面42Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0031】
また、第1案内部42は金属で構成されるのに対し、第1支持部40は樹脂で構成されている。これにより、金属と樹脂との接触により摩擦係数が小さく保たれる。よって、第1案内機構36における摩擦係数が大きくなりにくい。
【0032】
第2案内機構38は、Z方向前方に設けられ、第2案内部46と第2支持部44とを含む。第2案内部46は、第1移動体プレート22の前面に形成され、-Z方向に凹む第2溝46A及び第2摺動平面46Bを含む。第2支持部44は、レンズ支持体16の後面に-Z方向に突出する複数の突起として形成され、第2溝46Aに対応する第2支持部44A及び第2摺動平面46Bに対応する第2支持部44Bを含む。第2支持部44Aと第2支持部44Bの形状は同じであり、図7に示すように、Y方向の寸法がX方向の寸法よりも大きく、全体として半円柱形状をなしており、Y方向の両端は半円柱状部分と滑らかに繋がるように1/4球状をなしている。
【0033】
第2案内機構38において、第2案内部46と第2支持部44は、四角形のレンズ支持体16及び第1移動体プレート22の4つの角部に配置されている。このうち、第1磁石54と磁性部材86が設けられた+X側の辺の両端に設けられる第2案内部46は、V字形状の第2溝46Aとして形成され、第2溝46AはY方向に延びている。反対側の-X側の第2案内部46は第2摺動平面46Bとして形成され、第2摺動平面46BはX-Y平面に広がっている。+X側の2つの第2支持部44は第2支持部44Aであり、第2溝46Aに嵌り込む。-X側の2つの第2支持部44は第2支持部44Bであり、第2摺動平面46Bに接触している。Y方向に延びる第2溝46Aと第2支持部44AとがX方向には移動を制限するように嵌っているので、レンズ支持体16は、第1移動体プレート22に対してY方向のみ移動自在である。第1案内機構36及び第2案内機構38によって、レンズ支持体16は、第2移動体プレート24に対してX方向及びY方向に移動自在である。
【0034】
図9(C)、図9(D)に示すように、Y方向から見た場合に、第2溝46AはV字形状であり、第2支持部44Aは半円形状である。これにより、第2支持部44Aの弧状の曲面部分と第2溝46AのV字の平面部分とは、X-Z平面の断面において2点で接触、即ち全体では2箇所で互いに線接触する。
【0035】
第2支持部44Aの断面形状は角部が第2溝46Aの底面に当接しない形状が好ましく、半円形状としたが、半楕円形状でもよい。第2溝46Aの断面形状はV字形状としたが、U字形状であってもよい。2箇所で線接触することにより、第2溝46Aに対する第2支持部44AのX方向の位置がブレることなく決まる。
【0036】
また、同じく図9(C)、図9(D)に示すように、Y方向から見た場合、第2摺動平面46BはX方向に広がり、第2支持部44Bは、第2支持部44Aと同様に半円形状である。これにより、レンズ支持体16の第1移動体プレート22に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第2摺動平面46BのX方向の幅は、第2支持部44BのX方向の幅よりも幅広い。そのため、第2支持部44Aと第2支持部44Bの間の寸法が、第2溝46Aと第2摺動平面46Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0037】
また、第2案内部46は金属で構成されるのに対し、第2支持部44は樹脂で構成されている。これにより、金属と樹脂との接触により摩擦係数が小さく保たれる。よって、第2案内機構38における摩擦係数が大きくなりにくい。
【0038】
なお、第1案内部42、第2案内部46を備える第1移動体プレート22は、非磁性金属、例えばアルミニウム合金で所定肉厚の板状の部材となるように形成される。例えば、溶融したアルミニウム合金を金型に流し込んで形成するアルミダイカスト製法によって形成してもよい。さらに、第1案内部42、第2案内部46の表面を、研磨による鏡面処理や化学研磨処理を施すことにより表面粗さを小さくし、摩擦係数が小さくなるようにしてもよい。また、第1案内部42と第1支持部40との間、第2案内部46と第2支持部44との間に潤滑剤が介在するようにしてもよい。また、第1移動体プレート22を粉末冶金法により製造し、この多孔質の銅などの金属体に潤滑剤を含浸させてもよい。
【0039】
また、図5に示すように、第1案内部42の第1溝42Aは、第1移動体プレート22の-Z側の板面から+Z方向に凹むように形成されている。また、第1摺動平面42Bは、第1移動体プレート22の-Z側の板面から+Z方向に凹んだ位置に、第1移動体プレート22の板面と平行に形成されている。第1摺動平面42Bの位置は第1溝42Aの溝深さよりも浅い位置にある。また、図4に示すように、第2案内部46の第1溝46Aと第2摺動平面46Bは、第1移動体プレート22の+Z側の板面から+Z方向に台状に突出した突出部に形成され、このうち第2摺動平面46Bは、第1移動体プレート22の板面と平行に形成されている。第2摺動平面46Bの位置は第2溝46Aの溝深さよりも浅い位置にある。
【0040】
上述した直交方向案内機構34の第1案内機構36と第2案内機構38の構造は以下のようにも説明できる。第1案内機構36は、第1部材としての第1移動体プレート22に形成された第1溝42A及び第1摺動平面42Bを含む第1案内部42と、第2部材としての第2移動体プレート24に突起として形成された第1支持部40と、を有する。第1支持部40Aが第1案内部42の第1溝42Aに嵌まり、第1支持部40Bが第1案内部42の第1摺動平面42Bに接触し、第1案内部42と第1支持部40が摺動する。第1移動体プレート22は金属で構成され、第2移動体プレート24は樹脂で構成されている。
【0041】
また、第2案内機構38は、第1部材としての第1移動体プレート22に形成された第2溝46A及び第2摺動平面46Bを含む第2案内部46と、第2部材としてのレンズ支持体16に突起として形成された第2支持部44と、を有する。第2支持部44Aが第2案内部46の第2溝46Aに嵌まり、第2支持部44Bが第2案内部46の第2摺動平面46Bに接触し、第2案内部46と第2支持部44が摺動する。第1移動体プレート22は金属で構成されており、レンズ支持体16は樹脂で構成されている。
【0042】
また、直交方向案内機構34において、第1部材である第1移動体プレート22は光学部材であるレンズの光軸方向の両側に第1案内部42と第2案内部46を有する。第2部材である第2移動体プレート24とレンズ支持体16は光軸方向の両側から第1移動体プレート22を挟んでいるが、2つの第2部材の一方はレンズを支持するためのレンズ支持体16である。そして、第1移動体プレート22に設けられた第1案内部42の第1溝42Aと第2案内部46の第2溝46Aの延在方向が直交している。
【0043】
第1カバー26の四隅には、取付け部48がZ方向の後方へ延びるように設けられている。この取付け部48には、四角形状の取付け孔50が形成されている。また、第2移動体プレート24の四隅には、被取付け部52が側方に突出するように形成されている。この被取付け部52に取付け孔50が嵌り、第1カバー26が第2移動体プレート24に固定されている。
【0044】
レンズ支持体16の外側には、+X側と-Y側に第1磁石54及び第1ヨーク56が固定されている。+X側の第1磁石54は、X方向にS極とN極が形成されている。また、-Y側の第1磁石54はY方向にS極とN極が形成されている。
【0045】
また、第2移動体プレート24の+Y側には、第2磁石58及び第2ヨーク60が固定されている。この第2磁石58は、Z方向に2分割され、それぞれY方向にS極とN極が形成され、その極性が前後で逆になるように形成されている。また、第2移動体プレート24の底面の+X側の辺と-Y側の辺には、磁性部材86、86が第1磁石54、54の後方に対応して固定されている。これによってレンズ支持体16が第1移動体プレート22とともに第2移動体プレート24に引き寄せられて、移動体14が一つの部材としてまとまる。
【0046】
次に固定体12と移動体14との関係について説明する。固定体12は、第2枠体62を有する。この第2枠体62は、移動体14の第1枠体18の周囲を囲んでいる。この第2枠体62は、ベース64と、このベース64に装着された第2カバー66とを有する。ベース64及び第2カバー66は、前方から見て四角形状であり、ベース64の外側に第2カバー66が嵌め込まれて第2枠体62が構成されている。また、ベース64の底面部68及び第2カバー66の前面部70には、光を通過させ、或いはレンズを挿入するための貫通孔72、74が形成されている。
【0047】
また、ベース64の4つの角部には、角部を挟んで2つに分かれた支柱部76が底面部68から前方へ立ち上がるように形成されている。この支柱部76を囲むようにフレキシブルプリント基板78がベース64の外側に配置されている。フレキシブルプリント基板78は、ベース64の外形を囲むように四角形状に折り曲げられて支柱部76に固定され、その後部において、端子部80が形成されている。この端子部80を介して後述する第1コイル82及び第2コイル84への通電が制御されるが、これに限るものではない。
【0048】
フレキシブルプリント基板78の内側には、+X側と-Y側に第1コイル82が固定されている。また、フレキシブルプリント基板78の内側の+Y側には第2コイル84が固定されている。第1コイル82は、第1磁石54に対向し、第2コイル84は第2磁石58に対向している。
【0049】
また、フレキシブルプリント基板78の+Y側の外側には、磁性体からなる磁性部材86が設けられている。この磁性部材86は、フレキシブルプリント基板78及び第2コイル84を挟んで第2磁石58に対向している。磁性部材86には第2磁石58からの磁束が流れるため、第2磁石58と磁性部材との間には吸引力が生じる。このため、移動体14には、固定体12に向けて+Y方向に吸引力が作用する。
【0050】
移動体14は、固定体12に対して光軸方向支持機構88によりZ方向に移動自在であるように支持されている。光軸方向支持機構88は、ベース64に設けられた主案内軸90と副案内軸92、及び移動体14に設けられた案内孔94と案内壁96とから構成されている。第2コイル84に通電することにより、移動体14はレンズ支持体16とともに固定体12に対してZ方向に移動する。
【0051】
上記構成において、+X側の第1磁石54に対向している第1コイル82に通電すると、第1コイル82にはX方向へのローレンツ力が作用する。第1コイル82はベース64に固定されているので、第1磁石54に働くその反作用がレンズ支持体16及び第1移動体プレート22に対する駆動力となってレンズ支持体16及び第1移動体プレート22は、第1案内機構36に支持されながらX方向へ移動する。
【0052】
第1案内機構36においては、第1案内部42と、第1支持部40とが摺動する。第1案内部42は金属で形成され、第1支持部40は樹脂で形成されているので、摩擦係数が小さく保たれ、互いにスムーズに摺動する。
【0053】
また、-Y側の第1磁石54に対向する第1コイル82に通電すると、第1コイル82にはY方向へのローレンツ力が作用する。第1コイル82はベース64に固定されているので、第1磁石54に働くその反作用がレンズ支持体16に対する駆動力となってレンズ支持体16は、第2案内機構38に支持されながらY方向へ移動する。
【0054】
第2案内機構38においては、第2案内部46と、第2支持部44とが摺動する。第2案内部46は金属で形成され、第2支持部44は樹脂で形成されているので、摩擦係数が小さく保たれ、互いにスムーズに摺動する。
【0055】
X方向又はY方向の少なくとも一方にレンズ支持体16が移動した後に第1コイル82への通電を中止する。すると、第1磁石54、54と磁性部材86、86との間の吸引力及び第1案内部42と第1支持部40、及び第2案内部46と第2支持部44の摩擦により、レンズ支持体16は通電を中止した位置に止まる。
【0056】
上記第一実施形態においては、金属製の第1移動体プレート22に第1案内部42、及び第2案内部46を形成した。また、これらに対向するように、樹脂製の第2移動体プレート24に第1支持部40を形成し、樹脂製のレンズ支持体16に第2支持部44を形成した例を説明した。第1案内部42、第2案内部46が金属部材で形成され、第1支持部40、第2支持部44が樹脂部材で形成されている。そのため、第1案内部42と第1支持部40との間及び第2案内部46と第2支持部44との間の摩擦係数が小さく保たれ、摩擦力も小さく、互いにスムーズに摺動する。本構成によれば、樹脂同士の摺動の場合、潤滑剤を使用しても摩擦係数は0.2程度であるのに対し、金属と樹脂の摺動の場合、摩擦係数は0.1程度である。このように、摩擦力が小さいため、樹脂と金属の摺動面を有さない構造のものに比べて、必要な駆動力も小さく、駆動のための消費電力が削減できる。
【0057】
また、第1移動体プレート22全体を金属で形成したため、Z方向の厚みを薄くすることが可能となり、レンズ駆動装置10全体の薄型化を図ることが可能となる。
【0058】
なお、図10に示す変形例のように、第1案内部42と第2案内部46の間に、隙間としてXY方向に広がるスリット22Aを設け、所定の一方側でのみ第1移動体プレート22の本体部と繋がるようにしてもよい。これによって後述する第二実施形態のように、衝撃を受けたときに第1移動体プレート22の第1案内部42及び第2案内部46を設けた部分が弾性変形をして衝撃を和らげ、第1支持部40及び第2支持部44のダメージを抑制することができる。
【0059】
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、第1移動体プレート22をアルミダイカスト等で鋳造した単一の金属部材として構成した場合を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。第1移動体プレートは、下記に説明する第二実施形態のように、2枚の金属板体を一体化して形成してもよい。その場合、2枚の金属板体の一方に第1案内部が形成され、2枚の金属板体の他方に第2案内部が形成される。以下、図11から図14を参照して、第二実施形態のレンズ駆動装置10’について説明する。なお、第二実施形態のレンズ駆動装置10’は、第一実施形態のレンズ駆動装置10とは、第1移動体プレート98の構成が異なるだけで他の部分の構成は同じである。したがって、同一の構成に対しては同一の参照符号を用いて説明し、それらについての詳細な説明は省略する。
【0060】
図11図12に示すように、第1移動体プレート98は、-Z側に配置される後側金属プレート100と+Z側に配置される前側金属プレート102の、2枚の金属板体がZ方向に重なり合うようにして形成されている。後側金属プレート100、前側金属プレート102は略四角形状であり、後側金属プレート100の四隅に第1案内部104が形成され、前側金属プレート102の四隅に第2案内部106が形成されている。
【0061】
前側金属プレート102と後側金属プレート100とは、第1案内部104と第2案内部106以外の部分が溶接、かしめ、ねじ止め、接着といった固着方法で一体化されている。また、第1案内部104における後側金属プレート100と第2案内部106における前側金属プレート102とは、下記に説明するように、光軸方向に隙間が設けられて重なり合っている。
【0062】
第1案内部104のうち、第1磁石54と磁性部材86が設けられた-Y側の辺の両端に設けられた第1案内部104はV字形状の第1溝104Aとして形成され、第1溝104AはX方向に延びている。反対側の+Y側の辺の両端に設けられた第1案内部104は第1摺動平面104Bとして形成され、第1摺動平面104BはX-Y平面に広がっている。第1溝104Aは、後側金属プレート100の板面から直接+Z方向に凹んで形成され、第1摺動平面104Bは、後側金属プレート100の板面から+Z方向に凹んだ位置に形成されている。第1案内部104の第1溝104Aは、いずれも第1移動体プレート98の本体部と+Y側でのみ繋がっている。また、第1案内部104の第1摺動平面104Bは、いずれも第1移動体プレート98の本体部と-Y側でのみ繋がっている。第1摺動平面104Bの位置は第1溝104Aの溝深さよりも浅い位置にある。第1溝104A及び第1摺動平面104Bは板状の後側金属プレート100を折り曲げて形成している。
【0063】
-Y側の2つの第1支持部40Aは第1溝104Aに嵌り込み、+Y側の2つの第1支持部40Bは第1摺動平面104Bに接触している。X方向に延びる第1溝104Aと第1支持部40AとがY方向には移動を制限するように嵌っているので、第1移動体プレート98は、第2移動体プレート24に対してX方向のみ移動自在である。なお、第1溝104AをV字形状の溝として形成した例を説明したが、U字形状の溝として形成してもよい。
【0064】
また、第2案内部106のうち、第1磁石54と磁性部材86が設けられた+X側の辺の両端に設けられた第2案内部106はV字形状の第2溝106Aとして形成され、第2溝106AはY方向に延びている。反対側の-X側の辺の両端に設けられた第2案内部106は第2摺動平面106Bとして形成され、第2摺動平面106BはX-Y平面に広がっている。これらの第2案内部106は前側金属プレート102の板面から+Z方向に台状に突出した突出部に形成されている。この突出部は、板状の前側金属プレート102を折り曲げて形成している。また、第2溝106Aはこの突出部をさらに折り曲げて形成している。第2摺動平面106Bはこの突出部の平坦面である。第2案内部106の第2溝106Aは、いずれも第1移動体プレート98の本体部と-X側でのみ繋がっている。また、第2案内部106の第2摺動平面106Bは、いずれも第1移動体プレート98の本体部と+X側でのみ繋がっている。第2摺動平面106Bの位置は第2溝106Aの溝深さよりも浅い位置にある。
【0065】
+X側の2つの第2支持部44Aは第2溝106Aに嵌り込み、-X側の2つの第2支持部44Bは第2摺動平面106Bに接触している。Y方向に延びる第2溝106Aと第2支持部44AとがX方向には移動を制限するように嵌っているので、レンズ支持体16は、第1移動体プレート22に対してY方向のみ移動自在である。これによって、レンズ支持体16は、第2移動体プレート24に対してX方向及びY方向に移動自在である。なお、第2溝106AをV字形状の溝として形成した例を説明したが、U字形状の溝として形成してもよい。
【0066】
前述のように、第1案内部104における後側金属プレート100と第2案内部106における前側金属プレート102とは、光軸方向に隙間が設けられて重なり合っている。これによって、衝撃が与えられた場合、第1案内部104と第2案内部106の少なくとも一方が撓んで衝撃を吸収することによって、樹脂でできた第1支持部40及び第2支持部44のダメージを抑制することができる。
【0067】
具体的には、第1案内部104における後側金属プレート100と第2案内部106における前側金属プレート102とが接触しないように、第1溝104Aの溝深さと第2溝106Aの溝深さと突出部の高さが決定される。これらの寸法は、寸法公差の他に、自重に加えて第1磁石54と磁性部材86の吸引力による撓み、通常使用における撓み及び衝撃による撓み等を考慮して決定する。その他の箇所については、第1摺動平面104Bの位置が第1溝104Aの溝深さよりも浅い位置にあり、第2摺動平面106Bの位置が第2溝106Aの溝深さよりも浅い位置にあるため、必然的に十分な間隔が確保できる。
【0068】
上記説明した第二実施形態の直交方向案内機構34のX-Y方向の動作は、第一実施形態の直交方向案内機構34の動作と略同じであるので、詳細な説明は省略する。上記説明した第二実施形態の直交方向案内機構34において、+Z方向の力が加わったとする。即ちこの場合、第2移動体プレート24が第1移動体プレート98を+Z方向に押し、第1移動体プレート98がレンズ支持体16を+Z方向に押す。第1案内機構36において、-Y側の第1支持部40Aが第1溝104Aに嵌り、+Y側の第1支持部40Bが第1摺動平面104Bに接触した状態で、第2移動体プレート24の第1支持部40は、第1案内部104が形成された部分の後側金属プレート100を+Z方向に撓ませて変形させる。
【0069】
また、直交方向案内機構34の第2案内機構38において、+X側の第2支持部44Aが第2溝106Aに嵌り、-X側の第2支持部44Bが第2摺動平面106Bに接触した状態で、第2案内部106が形成された部分の前側金属プレート102は-Z方向に撓みながら変形してレンズ支持体16の第2支持部44を押す。
【0070】
このとき、第1案内部104が形成された部分の後側金属プレート100と第2案内部106が形成された部分の前側金属プレート102との間に間隙がある。そのため、第1案内部104が形成された部分の後側金属プレート100が+Z方向に撓んで変形でき、第2案内部106が形成された部分の前側金属プレート102が-Z方向に撓んで変形でき、しかも両者は接触しない。そのため、第1案内部104及び第2案内部106が十分に弾性変形することができ、衝撃を吸収することができる。なお、-Z方向の力が加わった場合も、同様に第1案内部104が形成された部分の後側金属プレート100と第2案内部106が形成された部分の前側金属プレート102との間の間隙が狭くなるように変形する。
【0071】
なお、第1案内部104と第2案内部106とは、Z方向から見たときに重ならなくてもよい。図15の変形例に示すように、第1案内部104及び第2案内部106はそれぞれ四角形の第1移動体プレート98の四隅に設けられている。しかし、第1案内部104は±X側の辺の両端に配置し、第2案内部106は±Y側の辺の両端に配置することで両者が重ならないようにしている。それぞれの第1案内部104及び第2案内部106と第1移動体プレート98の本体部との間にスリット98Aを設けてある。これによって、第1溝104Aを形成した第1案内部104は+Y側でのみ第1移動体プレート98の本体部と繋がり、第1摺動平面104Bを形成した第1案内部104は-Y側でのみ第1移動体プレート98の本体部と繋がる。また、第2溝106Aを形成した第2案内部106は-X側でのみ第1移動体プレート98の本体部と繋がり、第2摺動平面106Bを形成した第2案内部106は+X側でのみ第1移動体プレート98の本体部と繋がる。
【0072】
この変形例においては、2枚の金属板体を一体化する必要が無く、例えば1枚の金属板体からプレス加工等で形成することができる。また、第1案内部104と第2案内部106とを重ねないことにより、高さ方向の制約が無くなり、金属板体の板面をそのまま第1摺動平面104B及び第2摺動平面106Bとすることができるので、第1摺動平面104B及び第2摺動平面106Bは、第1移動体プレート98の本体部と同じ高さである。そのため、第1溝104Aと第2溝106Aも突出部を設けることなく形成できる。即ち、第1案内部104及び第2案内部106は、突出部を設けることなく、第1移動体プレート98の本体部からその板面内方向に延出している。なお、本変形例の第1移動体プレート98は、鋳造等の他の方法で製造しても構わない。
【0073】
なお、上記第一及び第二実施形態では、携帯電話やスマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられるレンズ駆動装置10について説明したが、本発明は、他の装置にも適用可能である。
【0074】
また、上記第一及び第二実施形態では、溝を金属で形成し、この溝に嵌る突起を樹脂で形成した案内機構を、レンズ支持体をレンズの光軸方向と直交する方向に移動させる手ブレ補正用の直交方向案内機構に応用した場合を説明した。さらに、本発明は、例えば、固定体12と、固定体12に対してレンズの光軸方向に相対移動する移動体14とを支持するオートフォーカス用の光軸方向支持機構に適用してもよい。また、例えば、光学部材として画像センサを採用し、それを光軸と直交する方向に移動させる手ブレ補正用の直交方向案内機構に応用してもよい。
【0075】
例えば、前者の場合、案内機構は、光軸方向支持機構88に置き換わるものであり、Z方向に伸びる溝及びZX方向に広がる摺動平面として形成された案内部を金属製の第1部材に形成し、突起として形成された支持部を樹脂製の第2部材に設ける。そして、第1部材は固定体12として、第2部材は移動体14として設けてもよい。
【0076】
[第三実施形態]
図16から図25には、本発明の光学部材駆動装置110の第三実施形態が示されている。光学部材駆動装置110は、レンズ(図示せず)及び画像センサ128を収容しスマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられる。
【0077】
なお、以下の説明では、レンズ(図示せず)の光軸と平行な方向を光軸方向又はZ方向とし、Z方向に直交し且つ互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。Z方向において、被写体側を+Z側又は前側とし、画像センサ128側を-Z側又は後側とする。また、以下の説明では、主として図18及び図19に基づいて記載し、必要に応じて図の番号を補足する。
【0078】
光学部材駆動装置110は、ベース120と、ベース120に固定されるケース112と、ケース112に固定された副ベース114と、副ベース114の内部に配置されるレンズキャリア116と、を含む。レンズキャリア116は、レンズ(図示せず)を保持するとともに、レンズの光軸方向に移動自在に支持されている。
【0079】
光学部材駆動装置110は、さらに、光軸方向に直交する直交方向に移動自在に支持されるセンサホルダ124と、センサホルダ124とベース120との間に配置されるスライダ196と、を含む。センサホルダ124は、第1フレキシブルプリント基板(以後、第1FPC(flexible printed circuit)という)126に固定された画像センサ128を保持している。
【0080】
図16(A)、図16(B)に示すように、ケース112は、Z方向から見て略四角形状の前板130と、その周縁から-Z方向に延出した側壁134とを有する箱型の形状をなし、前板130には光を通過させるための貫通孔136及び貫通孔136の周囲に4つの取付け孔148が形成されている。
【0081】
副ベース114は、Z方向から見て略四角形状の底板138と、-Y側を除く底板138の3辺の周縁から+Z方向に延出した側壁140とを有する箱型の形状をなす。底板138と側壁140で囲まれた空間にレンズキャリア116が収容される。副ベース114の-Y側は開口部142となっている。底板138には、光を通過させるための貫通孔144が形成されている。側壁140の四隅の前端には取付け突起146が形成され、取付け孔148に嵌め合わされることにより、副ベース114がケース112に固定される。
【0082】
レンズキャリア116は、Z方向から見た形状が略四角形状をなす直方体形状であり、レンズ(図示せず)が取り付けられる円形の貫通孔132が前側から後側を貫通して形成される。レンズキャリア116は、樹脂で形成される。レンズキャリア116の-Y側の側面には板状の第3磁石1112と第3ヨーク1114が固定される。第3磁石1112は、Z方向の前側と後側に2分割されており、板面にS極とN極が設けられ、その極性が前後で逆になるように着磁されている。
【0083】
光軸方向案内機構118は、副ベース114の底板138の-Y側の両端部分に設けられた固定孔150に取り付けられた2本の案内軸152と、これに対応してレンズキャリア116の-Y側の両端部分に設けられ、案内軸152が挿通される案内孔154から構成される。
【0084】
案内軸152は、Z方向へ延在する円柱形状であり、例えばセラミックや金属で形成される。金属で形成された場合は、副ベース114をインサート成形で形成し、インサート金属に溶接等で固定することができる。
【0085】
案内孔154は、レンズキャリア116の前面から後面を貫通する中空の通し孔として形成される。-X側に位置する案内孔154のX-Y方向の断面形状は、その+Y側部分が-Y側に向けて開いたV字形状であり、その-Y側部分が方形である。-Y側部分の断面形状は半円形状であってもよい。案内孔154は、案内軸152の外表面にV字形状の2箇所で線接触する。これにより、レンズキャリア116の副ベース114に対するX方向及びY方向の位置決めを正確に行うことができる。
【0086】
+X側に位置する案内孔154は、X-Y方向の断面において、Y方向で対向する2つの壁面を少なくとも含んでいる。この2つの壁面はZ方向の中央部分が最も接近するように曲面状に突出しており、案内軸152の外表面と+Y側の壁面のZ方向の中央部分が1点で点接触するので摩擦抵抗を小さくできる。この構成により、レンズキャリア116は副ベース114に対して光軸方向に移動可能に支持される。
【0087】
副ベース114の3辺の外側を囲むように第2フレキシブルプリント基板(以後、第2FPC(flexible printed circuit)という)1116が配置される。第2FPC1116は、副ベース114の+Y側の側壁140の外側、+X側の側壁140の外側、及び-Y側の開口部142にコの字状に折り曲げられて配置されている。第2FPC1116は、-Y側の前部からケース112の貫通孔136を通って-Y方向に引き出された入出力部1126を有し、入出力部1126を介して電流供給、信号出力等が行われる。
【0088】
第2FPC1116の+Y側の外面には第1コイル1118が固定され、+X側の外面には第2コイル1120が固定されている。第2FPC1116の-Y側の内面には第3磁石1112と対向するように第3コイル1122が固定される。第2FPC1116の-Y側の外面には第3コイル1122を間に挟んで第3磁石1112と対向するように第5ヨーク1124が固定されている。そのため、第3磁石1112と第5ヨーク1124との間には吸引力が働き、レンズキャリア116には-Y方向の力が作用し、2本の案内軸152に押し当てられる。
【0089】
第1コイル1118の巻線の内側にはY方向位置検出素子1128が配置されて第1磁石1104と対向し、第2コイル1120の巻線の内側にはX方向位置検出素子1130が配置されて第2磁石1106と対向している。第2FPC1116の内側であって第3コイル1122に隣接した位置にはZ方向位置検出素子1132が配置されて第3磁石1112に対向している。
【0090】
ベース120は、Z方向から見た形状が略四角形状で中央に貫通孔162を有する底板156と、底板156の周縁から+Z方向に突出した固定凸部158と、底板156の-Y側の周縁の中央部分から固定凸部158よりも高く+Z方向に突出したFPC固定壁160とを有する。ベース120は、樹脂で形成される。固定凸部158の周囲にケース112の側壁134が嵌め合わされてケース112とベース120とが組み合わされる。
【0091】
図20に示すように、+X側及び+Y側の固定凸部158の内側にはそれぞれ第4ヨーク固定部164が形成され、第4ヨーク166が固定される。また、底板156の四隅において固定凸部158の内側に樹脂で形成された直交方向案内機構122の第1支持凸部194A及び194Bが設けられている。ベース120には貫通孔162を-Z側から塞ぐように底蓋168が取り付けられる。
【0092】
センサホルダ124は、Z方向から見た形状が略四角形状をなして中央に貫通孔170を有する底板部172と、底板部172の外縁と内縁の中間から+Z方向に突出する側板部174とを有する。画像センサ128は貫通孔170を介して前側に露出し、側板部174は副ベース114を外側から囲む。センサホルダ124は、樹脂で形成される。副ベース114及びそれに取り付けられている部材とセンサホルダ124及びそれに取り付けられている部材とは離隔して配置される。
【0093】
+Y側の側板部174の内側面には板状の第1磁石1104及び第1ヨーク1108が固定され、第1コイル1118に対向する。第1磁石1104は第1コイル1118に対向する面がN極又はS極となるよう着磁される。+X側の側板部174の内側面には板状の第2磁石1106及び第2ヨーク1110が固定され、第2コイル1120に対向する。第2磁石1106は第2コイル1120に対向する面がN極又はS極となるよう着磁される。底板部172の後側面の+X側及び+Y側の周縁には第4磁石固定部176が形成され、第4ヨーク166に対向する板状の第4磁石178が固定され、センサホルダ124とベース120とが引き寄せ合う。
【0094】
底板部172の+Y側の外縁には内側に向けて凹む凹部172Aが第4磁石固定部176の両側に設けられている。底板部172の-Y側を除く外縁の3辺の角部には+Z方向に突出する凸部172Bが設けられている。底板部172の外縁の角部はストッパとして機能する。底板部172の後側面の四隅には樹脂で形成された直交方向案内機構122の第2支持凸部1100A及び1100Bが設けられている。
【0095】
第1FPC126は、Z方向から見た形状が略四角形状の平板部180と1対の帯状部184を有し、平板部180に画像センサ128が載置される。帯状部184は、平板部180の+Y側の辺部から+Z方向に延出して凹部172Aを通過してセンサホルダ124の側板部174の外周囲を-Y側へ向けて延伸する。1対の帯状部184は第1FPC126のX方向の中心を通りY-Z方向に平行な面を対称面とする面対称に配置される。第1FPC126は、平板部180の前側面がセンサホルダ124の後側面に固定され、帯状部184がベース120のFPC固定壁160の外側面に固定される。図24(A)、図24(B)に示すように、帯状部184は、側板部174とは間隙を開けて底板部172の外縁にある凸部172Bと側板部174との間に位置し、帯状部184の後端が凸部172Bの前端よりも後側にあり、センサホルダ124の移動への帯状部184の影響が小さい。
【0096】
第1FPC126は、この固定された帯状部184の-Z側から-Y方向に引き出されて端子部182を構成し、端子部182を介して画像センサ128に電流供給、信号出力等が行われる。したがって、第2FPC1116と第1FPC126とは、-Y方向にそれぞれ引き出されており、光学部材駆動装置110の一方側のみで外部と接続ができる。
【0097】
スライダ196は、ベース120とセンサホルダ124の間に配置され、Z方向から見た形状が略四角形状で中央に貫通孔1102Aを有する板状金属部材である。スライダ196の外縁の+Y側の一辺と+X側の一辺には、それぞれ-Y側、-X側に凹んだ凹部1102Bが形成され、第4ヨーク固定部164を収容している。スライダ196の後側面の四隅に直交方向案内機構122の第1案内溝192A及び第1案内平面192Bが形成され、前側面の四隅に第2案内溝198A及び第2案内平面198Bが形成されている。
【0098】
直交方向案内機構122は、-Z側に設けられた第1案内機構188と、+Z側に設けられた第2案内機構190と、を有する。第1案内機構188は、第1案内部192と第1支持部194とを含む。第1案内部192は、スライダ196の後側面に形成され、+Z方向に凹みX方向に延びるV溝形状の第1案内溝192A及びX-Y方向に平行な第1案内平面192Bを含む。第1支持部194は、ベース120の底板156の前側面に+Z方向に突出して形成された第1案内溝192Aに対応する第1支持凸部194A及び第1案内平面192Bに対応する第1支持凸部194Bを含む。第1支持凸部194Aと第1支持凸部194Bの形状は同じであり、X方向の寸法がY方向の寸法よりも大きく、少なくとも先端部分は全体として半円柱形状をなしており、X方向の両端は半円柱状部分と滑らかに繋がるように1/4球状をなしている。
【0099】
第1案内溝192A及び第1支持凸部194Aは+Y側の辺の両端に設けられ、第1案内平面192B及び第1支持凸部194Bは-Y側の辺の両端に設けられる。図25(A)、図25(B)に示すように、Y-Z平面に平行な断面において、第1支持凸部194Aと第1案内溝192Aは2点で接触して摺動し、第1支持凸部194Bと第1案内平面192Bは1点で接触して摺動する。全体として、第1支持凸部194Aと第1案内溝192Aは2箇所で線接触して摺動し、第1支持凸部194Bと第1案内平面192Bは1箇所で線接触して摺動する。X方向に延びる第1案内溝192Aと第1支持凸部194AとがY方向には移動を制限するように嵌っているので、スライダ196は、ベース120に対してX方向のみに移動自在である。
【0100】
また、第1支持凸部194BのZ方向の頂部がX-Y方向に広がった第1案内平面192Bに接触する。これにより、スライダ196のベース120に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第1案内平面192BのY方向の幅は、第1支持凸部194BのY方向の幅よりも幅広い。そのため、第1支持凸部194Aと第1支持凸部194Bの間の寸法が、第1案内溝192Aと第1案内平面192Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0101】
第2案内機構190は、第2案内部198と第2支持部1100とを含む。第2案内部198は、スライダ196の前側面において+Z方向に突出した台状の突出部に形成された、-Z方向に凹みY方向に延びるV溝形状の第2案内溝198A及びX-Y方向に平行な第2案内平面198Bを含む。第2支持部1100は、センサホルダ124の後側面に-Z方向に突出して形成された第2案内溝198Aに対応する第2支持凸部1100A及び第2案内平面198Bに対応する第2支持凸部1100Bを含む。第2支持凸部1100Aと第2支持凸部1100Bの形状は同じであり、Y方向の寸法がX方向の寸法よりも大きい以外は第1支持凸部194Aと第1支持凸部194Bと同じである。
【0102】
第2案内溝198A及び第2支持凸部1100Aは-X側の辺の両端に設けられ、第2案内平面198B及び第2支持凸部1100Bは+X側の辺の両端に設けられる。図23(A)、図23(B)、図24(A)、図24(B)に示すように、Z-X平面に平行な断面において、第2支持凸部1100Aと第2案内溝198Aは2点で接触し、第2支持凸部1100Bと第2案内平面198Bは1点で接触して摺動する。全体として、第2支持凸部1100Aと第2案内溝198Aは2箇所で線接触して摺動し、第2支持凸部1100Bと第2案内平面198Bは1箇所で線接触して摺動する。Y方向に延びる第2案内溝198Aと第2支持凸部1100AとがX方向には移動を制限するように嵌っているので、センサホルダ124は、スライダ196に対してY方向のみ移動自在である。第1案内機構188及び第2案内機構190によって、センサホルダ124は、ベース120に対してX方向及びY方向に移動自在である。
【0103】
また、第2支持凸部1100BのZ方向の頂部がX-Y方向に広がった第2案内平面198Bに接触する。これにより、センサホルダ124のスライダ196に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第2案内平面198BのX方向の幅は、第2支持凸部1100BのX方向の幅よりも幅広い。そのため、第2支持凸部1100Aと第2支持凸部1100Bの間の寸法が、第2案内溝198Aと第2案内平面198Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0104】
また、第1案内部192及び第2案内部198は金属で構成され、第1支持部194及び第2支持部1100は樹脂で構成されている。これにより、金属と樹脂との接触により摩擦係数が小さく保たれる。よって、直交方向案内機構122における摩擦係数が大きくなりにくい。
【0105】
第1案内部192、第2案内部198を備えるスライダ196は、非磁性金属、例えばアルミニウム合金で所定肉厚の板状の部材となるように形成される。例えば、溶融したアルミニウム合金を金型に流し込んで形成するアルミダイカスト製法によって形成してもよい。また、スライダ196はステンレス合金で形成してもよい。さらに、第1案内部192、第2案内部198の表面を、研磨による鏡面処理や化学研磨処理を施すことにより表面粗さを小さくし、摩擦係数が小さくなるようにしてもよい。
【0106】
一方、第1支持部194と第2支持部1100が設けられるベース120及びセンサホルダ124は、樹脂製であり、例えば、フッ素含有液晶ポリマー樹脂で形成される。第1支持部194及び第2支持部1100が樹脂で形成してあればよく、ベース120及びセンサホルダ124をインサート成形で形成し金属で補強してもよい。また、第1案内部192と第1支持部194との間、第2案内部198と第2支持部1100との間にフッ素系樹脂の潤滑剤が介在するようにしてもよい。また、スライダ196を粉末冶金法により製造し、この多孔質の銅などの金属体に潤滑剤を含浸させてもよい。
【0107】
また、図21(B)に示すように、第1案内部192は、スライダ196の-Z側の板面から+Z方向に凹むように形成され、第1案内平面192Bの位置は第1案内溝192Aの溝深さよりも浅い位置にある。また、図21(A)に示すように、第2案内部198は、スライダ196の+Z側の板面から+Z方向に台状に突出した突出部に形成され、第2案内平面198Bの位置は第2案内溝198Aの溝深さよりも浅い位置にある。また、スライダ196に設けられた第1案内溝192Aと第2案内溝198Aの延在方向は直交している。
【0108】
上記構成において、第1コイル1118に通電すると、Y方向の電磁力が発生し、センサホルダ124は第2案内機構190に案内されてスライダ196に対してY方向に移動する。第1コイル1118への通電を停止すると、センサホルダ124は、第4磁石178と第4ヨーク166との間の吸引力及び第2案内機構190の摩擦等により、その位置に停止する。
【0109】
第2コイル1120に通電すると、X方向の電磁力が発生し、センサホルダ124はスライダ196とともに第1案内機構188に案内されてX方向に移動する。第2コイル1120への通電を停止すると、センサホルダ124及びスライダ196は、第4磁石178と第4ヨーク166との間の吸引力及び第1案内機構188の間の摩擦等により、その位置に停止する。
【0110】
第3コイル1122に通電すると、Z方向の電磁力が発生し、レンズキャリア116は光軸方向案内機構118に案内されてZ方向に移動する。第3コイル1122への通電を停止すると、レンズキャリア116は、第3磁石1112と第5ヨーク1124との間の吸引力及び光軸方向案内機構118の摩擦等により、その位置に停止する。
【0111】
光学部材駆動装置110がZ方向に衝撃を受けた場合、第1案内部192と第1支持部194、及び第2案内部198と第2支持部1100は、離れたとしてもそれぞれわずかな距離だけ離れてすぐに元の位置に戻る。そして、第1案内機構188、第2案内機構190における接触状態がそれぞれ線接触であるので、そのため、金属製の第1案内部192及び第2案内部198にダメージは無く、樹脂製の第1支持部194及び第2支持部1100は弾性変形して元に戻るのでダメージはほぼ無い。また、案内軸152と案内孔154はそれぞれ接触状態を保つため、ダメージはほぼ無い。
【0112】
また、光学部材駆動装置110がX方向あるいはY方向に衝撃を受けた場合、第1案内部192と第1支持部194、及び第2案内部198と第2支持部1100はほぼ接触状態を保つので、ダメージはほぼ無い。また、案内軸152と案内孔154は、離れたとしてもそれぞれわずかな距離だけ離れてすぐに元の位置に戻る。その際、案内孔154は樹脂製で弾性変形するので、案内軸152も案内孔154もダメージはほぼ無い。
【0113】
[変形例]
上記第三実施形態では、スライダ196をアルミダイカスト等で鋳造した単一の金属部材として構成した場合を説明したが、本発明は上記第三実施形態に限定されない。スライダ196は、下記に示す変形例のように、一方に第1案内部を形成し、他方に第2案内部を形成した2枚の金属板体を一体化して形成したスライダ1134としてもよい。なお、変形例の光学部材駆動装置は、第三実施形態の光学部材駆動装置110とは、スライダ1134の構成が異なるだけで他の部分の構成は同じである。したがって、同一の構成については同一の参照符号を用いて説明し、それらについての詳細な説明は省略する。
【0114】
図26(A)、図26(B)に示すように、スライダ1134は、-Z側に配置される後側金属プレート1136と+Z側に配置される前側金属プレート1138の、2枚の金属板体がZ方向に重なり合うようにして形成されている。後側金属プレート1136、前側金属プレート1138は略長方形状であり、中央部分には略長方形の貫通孔1140が形成され、凹部1102Bに対応して、外周部の+Y側の一辺と+X側の一辺にはそれぞれ凹部1142が形成される。また、後側金属プレート1136の四隅に第1案内部1144が形成され、前側金属プレート1138の四隅に第2案内部1146が形成されている。
【0115】
前側金属プレート1138と後側金属プレート1136とは、第1案内部1144と第2案内部1146以外の部分が溶接、かしめ、ねじ止め、接着といった固着方法で一体化されている。また、第1案内部1144における後側金属プレート1136と第2案内部1146における前側金属プレート1138とは、Z方向に隙間が設けられて重なり合っている。
【0116】
第1案内部1144は第1案内溝1144A及び第1案内平面1144Bを有し、それぞれ第1案内溝192Aと第1案内平面192Bに対応する。また、第2案内部1146は第2案内溝1146A及び第2案内平面1146Bを有し、それぞれ第2案内溝198A及び第2案内平面198Bに対応する。第1案内部1144は、後側金属プレート1136を折り曲げて形成し、第2案内部1146は、前側金属プレート1138を折り曲げて形成している。第2案内部1146は、第2案内部198と同様に、前側金属プレート1138の+Z側の板面から+Z方向に台状に突出した突出部に形成されている。第1案内溝1144Aは後側金属プレート1136の本体部と-Y側でのみ繋がり、第1案内平面1144Bは後側金属プレート1136の本体部と+Y側でのみ繋がっている。第2案内溝1146Aは前側金属プレート1138の本体部と-X側でのみ繋がり、第2案内平面1146Bは後側金属プレート1136の本体部と+X側でのみ繋がっている。
【0117】
第1案内部1144における後側金属プレート1136と第2案内部1146における前側金属プレート1138とは、Z方向に隙間が設けられて重なり合っている。これによって、衝撃が与えられた場合、第1案内部1144と第2案内部1146の少なくとも一方が撓んで衝撃を吸収し、樹脂でできた第1支持部194及び第2支持部1100のダメージをさらに抑制することができる。
【0118】
具体的には、第1案内部1144における後側金属プレート1136と第2案内部1146における前側金属プレート1138とが接触しないように、第1案内溝1144Aの溝深さと、第2案内溝1146Aの溝深さと、第2案内部1146が形成される突出部の高さが決定される。これらの寸法は、寸法公差の他に、自重に加えて第4磁石178と第4ヨーク166の吸引力による撓み、通常使用における撓み及び衝撃による撓み等を考慮して決定する。その他の箇所については、第1案内平面1144Bの位置が第1案内溝1144Aの溝深さよりも浅い位置にあり、第2案内平面1146Bの位置が第2案内溝1146Aの溝深さよりも浅い位置にあるため、必然的に十分な間隔が確保できる。
【0119】
変形例の直交方向案内機構122において、+Z方向の力が加わった場合、ベース120がスライダ1134を+Z方向に押し、スライダ1134がセンサホルダ124を+Z方向に押し、センサホルダ124はスライダ1134を-Z方向に押し返す。つまり、第1案内機構188において、第1支持部194は、第1案内部1144が形成された部分の後側金属プレート1136を+Z方向に弾性変形させる。第2案内部1146が形成された部分の前側金属プレート1138は、-Z方向に弾性変形しながら第2支持部1100を押す。
【0120】
第1案内部1144が形成された部分の後側金属プレート1136と第2案内部1146が形成された部分の前側金属プレート1138との間には撓んで変形できる間隙があるため、撓んで変形しても両者は接触しない。そのため、第1案内部1144及び第2案内部1146が十分に弾性変形することができ、衝撃を吸収することができる。-Z方向の力が加わった場合も、同様に第1案内部1144が形成された部分の後側金属プレート1136と第2案内部1146が形成された部分の前側金属プレート1138との間の間隙が狭くなるように変形する。
【0121】
なお、上記第三実施形態では、携帯電話やスマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられる光学部材駆動装置110について説明したが、本発明は、他の装置にも適用可能である。
【0122】
[第四実施形態]
図27から図38には、本発明の画像センサ駆動装置210の第四実施形態が示されている。画像センサ212を駆動するための画像センサ駆動装置210は、その前側に配置されるレンズ(図示せず)及びレンズをその光軸方向に駆動するレンズ駆動装置(図示せず)と共にスマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられる。潜望鏡式の場合、レンズ及びレンズ駆動装置の前側に光路折り曲げ部材であるプリズム又は反射鏡が配置される。画像センサ212はレンズを通過した被写体からの光を受けて電気信号に変換して出力する。
【0123】
以下の説明では、画像センサ212の長方形状の受光面の法線方向をZ方向、Z方向に直交する長方形状の長辺に平行な方向をX方向、Z方向とX方向の両方に直交する長方形状の短辺に平行な方向をY方向とする。画像センサ212の受光面に光が入射してくる側を+Z側又は前側、反対側を-Z側又は後側とする。
【0124】
画像センサ駆動装置210は、前側面に受光面を有する画像センサ212を後側から固定するセンサホルダ214と、センサホルダ214の後側に配置されるスライダ242と、スライダ242の後側に配置される非可動体であるベース216と、を備える。センサホルダ214、スライダ242、及びベース216は、画像センサ212の長辺、短辺に対応する長辺、短辺を有する長方形状を有し、その四隅にセンサホルダ214をベース216に対して受光面と平行な方向に移動自在に案内支持する案内機構218が形成されている。
【0125】
センサホルダ214は、図29図30に示すように、X-Y平面に平行な、X方向が長辺、Y方向が短辺の長方形の平板状の板体で構成されている。センサホルダ214の+Z側の面は平面状であり、その四隅にはストッパ220が+Z方向に柱状に突出している。センサホルダ214の-Z側の面には、その板面から-Z方向に駆動部材取付け部222が台状に突出している。
【0126】
スライダ242は、X-Y平面に平行な平板状の金属製の板体で構成され、X方向が長辺、Y方向が短辺の長方形状をなしている。その中央には角丸四角形の貫通孔248が設けられている。
【0127】
ベース216は、X-Y平面に平行な底部224とその外縁全周から+Z方向に立設する側壁226を含む+Z側が開いた箱形状であり、センサホルダ214を内部に収容する。底部224はX方向が長辺、Y方向が短辺で、センサホルダ214の長辺及び短辺よりもそれぞれ大きい。側壁226の四隅には、+Z方向にさらに延び出た延出部228が設けられ、短辺における2つの延出部228の間は隙間部230になっている。延出部228の外側に後述するケース232が嵌め合わされることにより、画像センサ駆動装置210の筐体が構成される。
【0128】
案内機構218は、センサホルダ214、スライダ242、及びベース216の四隅に形成され、-Z側に設けられた第1案内機構234と、+Z側に設けられた第2案内機構236と、を有する。第1案内機構234は、第1案内部238と第1支持部240とを含む。第1案内部238は、スライダ242の後側面に形成され、+Z方向に凹みX方向に延びるV溝形状の第1案内溝238A及びX-Y平面に平行な第1案内平面238Bを含む。第1支持部240は、ベース216の底部224の前側面に+Z方向に突出して形成され、第1支持凸部240Aと第1支持凸部240Bを含み、第1支持凸部240Aは第1案内溝238Aに対応し、第1支持凸部240Bは第1案内平面238Bに対応する。第1支持凸部240Aと第1支持凸部240Bの形状は同じであり、X方向の寸法がY方向の寸法よりも大きく、少なくとも先端部分は全体として半円柱形状をなしており、X方向の両端は半円柱状部分と滑らかに繋がるように1/4球状をなしている。
【0129】
第1案内溝238A及び第1支持凸部240Aは+Y側の辺の両端に設けられ、第1案内平面238B及び第1支持凸部240Bは-Y側の辺の両端に設けられる。図36(A)、図36(B)、図37(A)、図37(B)に示すように、Y-Z平面に平行な断面において、第1支持凸部240Aと第1案内溝238Aは2点で接触して摺動し、第1支持凸部240Bと第1案内平面238Bは1点で接触して摺動する。全体として、第1支持凸部240Aと第1案内溝238Aは2箇所で線接触して摺動し、第1支持凸部240Bと第1案内平面238Bは1箇所で線接触して摺動する。X方向に延びる第1案内溝238Aと第1支持凸部240AとがY方向には移動を制限するように嵌っているので、スライダ242は、ベース216に対してX方向のみに移動自在である。
【0130】
また、第1支持凸部240BのZ方向の頂部がX-Y方向に広がった第1案内平面238Bに接触する。これにより、スライダ242のベース216に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第1案内平面238BのY方向の幅は、第1支持凸部240BのY方向の幅よりも幅広い。そのため、第1支持凸部240Aと第1支持凸部240Bの間の寸法が、第1案内溝238Aと第1案内平面238Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0131】
第2案内機構236は、第2案内部244と第2支持部246とを含む。第2案内部244は、スライダ242の前側面の+Z方向に突出した台状の突出部に形成され、-Z方向に凹みY方向に延びるV溝形状の第2案内溝244AとX-Y平面に平行な第2案内平面244Bを含む。第2支持部246は、センサホルダ214の後側面に-Z方向に突出して形成され、第2案内溝244Aに対応する第2支持凸部246A及び第2案内平面244Bに対応する第2支持凸部246Bを含む。第2支持凸部246Aと第2支持凸部246Bの形状は、Y方向の寸法がX方向の寸法よりも大きい以外は第1支持凸部240Aと第1支持凸部240Bと同じである。
【0132】
第2案内溝244A及び第2支持凸部246Aは+X側の辺の両端に設けられ、第2案内平面244B及び第2支持凸部246Bは-X側の辺の両端に設けられる。図33(A)、図33(A)、図34(A)、図34(B)に示すように、Z-X平面に平行な断面において、第2支持凸部246Aと第2案内溝244Aは2点で接触し、第2支持凸部246Bと第2案内平面244Bは1点で接触して摺動する。全体として、第2支持凸部246Aと第2案内溝244Aは2箇所で線接触して摺動し、第2支持凸部246Bと第2案内平面244Bは1箇所で線接触して摺動する。Y方向に延びる第2案内溝244Aと第2支持凸部246AとがX方向には移動を制限するように嵌っているので、センサホルダ214は、スライダ242に対してY方向のみ移動自在である。第1案内機構234及び第2案内機構236によって、センサホルダ214は、ベース216に対してX方向及びY方向に移動自在である。
【0133】
また、第2支持凸部246BのZ方向の頂部がX-Y方向に広がった第2案内平面244Bに接触する。これにより、センサホルダ214のスライダ242に対するZ方向の高さを決めることができる。また、第2案内平面244BのX方向の幅は、第2支持凸部246BのX方向の幅よりも幅広い。そのため、第2支持凸部246Aと第2支持凸部246Bの間の寸法が、第2案内溝244Aと第2案内平面244Bとの間の寸法と公差範囲内で異なっていても組み立てることができる。
【0134】
第1支持凸部240Aや第2支持凸部246Aの形状は頂部が第1案内溝238Aや第2案内溝244Aの底面に当接しない形状が好ましく、半円柱形状としたが、半楕円形状等の他の形状でもよい。第1案内溝238A及び第2案内溝244Aの断面形状はV字形状としたが、U字形状であってもよい。
【0135】
また、第1案内部238及び第2案内部244は金属で構成され、第1支持部240及び第2支持部246は樹脂で構成される。これにより、金属と樹脂との接触により摩擦係数が小さく保たれる。よって、案内機構218における摩擦係数が大きくなりにくい。
【0136】
第1案内部238、第2案内部244を備えるスライダ242は、非磁性金属、例えばアルミニウム合金で所定肉厚の板状の部材となるように形成される。例えば、本第四実施形態のような溶融したアルミニウム合金を金型に流し込んで形成するアルミダイカスト製法によって形成してもよい。また、スライダ242はステンレス合金で形成してもよい。さらに、第1案内部238、第2案内部244の表面を、研磨による鏡面処理や化学研磨処理を施すことにより表面粗さを小さくし、摩擦係数が小さくなるようにしてもよい。
【0137】
一方、第1支持部240が設けられるベース216及び第2支持部246が設けられるセンサホルダ214は、樹脂製であり、例えば、フッ素含有液晶ポリマー樹脂で形成される。インサート成形で形成し金属で補強してもよい。また、第1案内部238と第1支持部240との間、第2案内部244と第2支持部246との間にフッ素系樹脂の潤滑剤が介在するようにしてもよい。また、スライダ242を粉末冶金法により製造し、この多孔質の銅などの金属体に潤滑剤を含浸させてもよい。
【0138】
また、図31に示すように、第2案内部244は、スライダ242の+Z側の板面から+Z方向に台状に突出した突出部に形成され、第1案内部238は、スライダ242の-Z側の板面から+Z方向に凹むように形成されている。第1案内平面238Bの位置は第1案内溝238Aの溝深さよりも浅い位置にあり、第2案内平面244Bの位置は第2案内溝244Aの溝深さよりも浅い位置にある。
【0139】
センサホルダ214の駆動部取付け部222は、図30に示すように、中央部分に+Z方向に凹んだ第1取付け凹部250が形成され、その+X側と-X側の両側に+Z方向に凹んだ第2取付け凹部252が形成される。第1取付け凹部250には第1ヨーク254と第1磁石256が固定され、第2取付け凹部252には第2ヨーク258と第2磁石260が固定される。
【0140】
第1磁石256はY方向に2分割され、一方の磁石片の後側面にS極が、他方の磁石片の後側面にN極が形成されている。第2磁石260はX方向にそれぞれ2分割され、一方の磁石片の後側面にS極が、他方の磁石片の後側面にN極が形成されている。
【0141】
ベース216には、その底部224の前側面上に駆動用フレキシブルプリント基板(以下、駆動用FPC)262が配置されている。駆動用FPC262は、底部224の第1支持部240の内側に載置可能な大きさの四角形状で、その-Y側の長辺端部から外側にわずかに延び出し、前側に折り曲げられ、ベース216の角部に向けて向きを変えた略L字形状の入出力部264を有する。入出力部264はさらに延出部228の外側を通って後述するケース232のスリット290から外部に出る。
【0142】
駆動用FPC262の前側面には、中央部分に第1コイル266が固定され、その+X側と-X側の両側に第2コイル268が固定される。第1コイル266はX方向の直線部を有して第1磁石256に対向配置され、第2コイル268はY方向の直線部を有して第2磁石260にそれぞれ対向配置される。第1コイル266及び第2コイル268は、駆動用FPC262を介して外部と電気的に接続される。
【0143】
第1コイル266及び第2コイル268は、スライダ242の貫通孔248内に収容される。スライダ242がY方向に移動するためには、その分スライダ242のY方向の寸法が必要で、画像センサ駆動装置210のY方向の寸法が大きくなり、電子装置が厚くなる。スライダ242をX方向に移動させることで、電子装置が厚くなることを防ぐことができる。
【0144】
第1コイル266の中央にはY方向位置検出センサ270が配置され、2つの第2コイル268の一方の中央にはX方向位置検出センサ272が配置される。
【0145】
図30に示すように、ベース216の底部224の後側面に設けられた第3取付け凹部274に第1磁石256及び第2磁石260に対向して第3ヨーク276が固定される。第1磁石256及び第2磁石260と第3ヨーク276との間に引力が生じるため、センサホルダ214は、スライダ242を介してベース216に向けて-Z方向に引っ張られている。
【0146】
センサ用フレキシブルプリント基板(以下、センサ用FPC)278は、画像センサ212とセンサホルダ214の間に固定されるセンサ固定部280と、外部と接続される2つの端子部284と、センサ固定部280と端子部284とをそれぞれ接続する2つの接続部282とを含む。センサ固定部280は、センサホルダ214の外形状より若干小さめの長方形の平板状であり、この前側面に画像センサ212が固定され、センサホルダ214に後側面が固定される。
【0147】
2つの接続部282は、線対称に延出する。2つの接続部282は、それぞれセンサ固定部280の+Y側の長辺の中央部分から外側にわずかに延出して+Z側に折れ曲がり、この長辺の端部に向けてこの長辺に沿って延出し、この長辺の端部を過ぎたら折れ曲がって向きを変えて短辺に沿うように延出する。2つの接続部282は、それぞれさらに短辺に沿ってX方向の外側に向けてジグザグに折れ曲がって、ベース216の隙間部230からベース216の外側に出る。接続部282は、延出部228の外側面に沿って延出するとともにこの外側面に固定され、後述するケース232のスリット290から外部に出て、端子部284を構成する。画像センサ212はセンサ用FPC278を介して外部と電気的に接続される。
【0148】
画像センサ駆動装置210は、ベース216と組み合わされて収容空間を形成する箱状のケース232をさらに備えている。ケース232は、長方形状の前板286とその周囲の4辺からそれぞれ-Z方向に延びた4枚の側板288を備え、ベース216の延出部228の外側に嵌め合わされる。また、各側板288同士の間にはスリット290が形成され、このスリット290を介してセンサ用FPC278の端子部284及び駆動用FPC262の入出力部264が外部に引き出される。装置外部の端子部284及び入出力部264は-Y側の側板288及び側壁226とほぼ面一で、且つその法線方向が短辺と平行に配置される。画像センサ駆動装置210は-Y側の側板288及び側壁226がカメラ装置本体に載置されるので、このような配置は電気的な接続がしやすい。
【0149】
前板286の中央には貫通孔292が設けられ、画像センサ212への入射光を通過させる。Z方向においてセンサホルダ214に設けられたストッパ220の前端と前板286の後側面との間の距離は、支持凸部の頂部と案内溝の表面との間の距離以下である。即ち、第1支持凸部240Aの頂部とスライダ242の後側面との間の距離以下、且つ第2支持凸部246Aの頂部と前述の台状の突出部との間の距離以下である。これにより第1支持凸部240A及び第2支持凸部246Aがそれぞれ第1案内溝238A及び第2案内溝244Aから外れない。
【0150】
上記構成において、第2コイル268に通電すると、ローレンツ力によりスライダ242はセンサホルダ214とともに第1案内機構234に案内されてベース216に対してX方向に移動する。第1コイル266に通電すると、ローレンツ力によりセンサホルダ214は第2案内機構236に案内されてスライダ242に対してY方向に移動する。これによって、画像センサ212を搭載するセンサホルダ214はベース216に対して、X-Y方向に駆動される。第1コイル266及び第2コイル268への通電を停止するとセンサホルダ214はその位置で停止する。
【0151】
画像センサ駆動装置210がZ方向に衝撃を受けた場合、第1案内部238と第1支持部240、及び第2案内部244と第2支持部246は、離れたとしてもそれぞれわずかな距離だけ離れてすぐに元の位置に戻る。第1案内部238と第1支持部240、及び第2案内部244と第2支持部246における接触状態はいずれも線接触である。そのため、金属製の第1案内部238及び第2案内部244にダメージは無く、樹脂製の第1支持部240及び第2支持部246は弾性変形して元に戻るのでダメージはほぼ無い。
【0152】
また、画像センサ駆動装置210がX方向あるいはY方向に衝撃を受けた場合、第1支持部240と第1案内部238、及び第2支持部246と第2案内部244はほぼ接触状態を保つので、ダメージはほぼ無い。いずれの方向に衝撃を受けてもダメージがほぼ無く、ベース216に対するセンサホルダ214のスムーズな移動を確保できる。
【0153】
[変形例]
上記第四実施形態では、スライダ242をアルミダイカスト等で鋳造した単一の金属部材として構成した場合を説明したが、本発明は上記第四実施形態に限定されない。スライダ242は、下記に説明する変形例のように、2枚の金属板体を一体化して形成したスライダ296としてもよい。その場合、2枚の金属板体の一方に第1案内部が形成され、2枚の金属板体の他方に第2案内部が形成される。以下、図38図41を参照して、変形例のレンズ駆動装置について説明する。なお、変形例のレンズ駆動装置は、上記第四実施形態の画像センサ駆動装置210とは、スライダ296の構成が異なるだけで他の部分の構成は同じである。したがって、同一の構成については同一の参照符号を用いて説明し、それらについての詳細な説明は省略する。
【0154】
図38(A)、図38(B)に示すように、スライダ296は、-Z側に配置される後側金属プレート298と+Z側に配置される前側金属プレート2100の、2枚の金属板体がZ方向に重なり合うようにして形成されている。後側金属プレート298、前側金属プレート2100は略長方形状であり、中央部分には第1コイル266及び第2コイル268を受け入れる貫通孔2102が形成されている。また、後側金属プレート298の四隅に第1案内部2104が形成され、前側金属プレート2100の四隅に第2案内部2106が形成されている。
【0155】
前側金属プレート2100と後側金属プレート298とは、第1案内部2104と第2案内部2106以外の部分が溶接、かしめ、ねじ止め、接着といった固着方法で一体化されている。また、第1案内部2104における後側金属プレート298と第2案内部2106における前側金属プレート2100とは、下記に説明するように、Z方向に隙間が設けられて重なり合っている。
【0156】
第1案内部2104は第1案内溝2104A及び第1案内平面2104Bを有し、それぞれ第1案内溝238A及び第1案内平面238Bに対応する。また、第2案内部2106は第2案内溝2106A及び第2案内平面2106Bを有し、それぞれ第2案内溝244A及び第2案内平面244Bに対応する。第1案内溝2104A及び第1案内平面2104Bは板状の後側金属プレート298を折り曲げて形成しており、第2案内溝2106A及び第2案内平面2106Bは板状の前側金属プレート2100を折り曲げて形成している。また、第1案内溝2104Aは、後側金属プレート298の本体部と-Y側でのみ繋がっており、第1案内平面2104Bは、後側金属プレート298の本体部と+Y側でのみ繋がっている。また、第2案内溝2106Aは、前側金属プレート2100の本体部と-X側でのみ繋がっており、第2案内平面2106Bは、前側金属プレート2100の本体部と+X側でのみ繋がっている。
【0157】
第1案内部2104における後側金属プレート298と第2案内部2106における前側金属プレート2100とは、Z方向に隙間が設けられて重なり合っている。これによって、衝撃が与えられた場合、第1案内部2104と第2案内部2106の少なくとも一方が撓んで衝撃を吸収することによって、樹脂でできた第1支持部240及び第2支持部246のダメージを抑制することができる。
【0158】
具体的には、第1案内部2104における後側金属プレート298と第2案内部2106における前側金属プレート2100とが接触しないように、第1案内溝2104Aの溝深さと第2案内溝2106Aの溝深さと第2案内部244と同様の第2案内部2106が形成される突出部の高さが決定される。これらの寸法は、寸法公差の他に、自重に加えて第1磁石256及び第2磁石260と第3ヨーク276の引力による撓み、通常使用における撓み及び衝撃による撓み等を考慮して決定する。その他の箇所については、第1案内平面2104Bの位置が第1案内溝2104Aの溝深さよりも浅い位置にあり、第2案内平面2106Bの位置が第2案内溝2106Aの溝深さよりも浅い位置にあるため、必然的に十分な間隔が確保できる。
【0159】
変形例の案内機構218において、+Z方向の衝撃が加わった場合、ベース216がスライダ296を+Z方向に押し、スライダ296がセンサホルダ214を+Z方向に押し、センサホルダ214はスライダ296を-Z方向に押し返す。つまり、第1案内機構234において、第1支持部240は第1案内部2104を+Z方向に押し、第1案内部2104は+Z方向に弾性変形する。また、第2案内機構236において、第2支持部246は第2案内部2106を-Z方向に押し、第2案内部2106は-Z方向に弾性変形する。第1案内部2104における後側金属プレート298と第2案内部2106における前側金属プレート2100とは、隙間が設けられているので、弾性変形しても互いに接触しない。-Z方向の衝撃が加わった場合も同様である。そのため、第1案内部2104及び第2案内部2106が十分に弾性変形することができ、衝撃を吸収することができる。変形例の案内機構218のX方向あるいはY方向の衝撃が加わった場合は、上記第四実施形態の案内機構218の動作と略同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0160】
なお、上記第四実施形態では、携帯電話やスマートフォン等の電子機器に搭載されるカメラ装置に用いられる画像センサ駆動装置210について説明したが、本発明は、他の装置にも適用可能である。
【0161】
(付記)
(((1)))
光学部材の移動を案内する案内機構を有し、
前記案内機構は、金属製の第1部材に形成された溝及び摺動平面を含む案内部と、樹脂製の第2部材に複数の突起として形成された支持部と、を有し、前記樹脂製の前記複数の突起のうちの一部の前記突起が前記金属製の前記溝に嵌り込み、前記複数の突起のうちの残りの前記突起が前記金属製の前記摺動平面に接触して前記支持部と前記案内部が摺動する
光学部材駆動装置。
(((2)))
1つの前記第1部材と2つの前記第2部材を有し、
前記1つの第1部材は前記光学部材の光軸方向の両側に前記案内部を有し、当該案内部の前記光軸方向の一方側に設けられた前記溝の延在方向と、前記光軸方向の他方側に設けられた前記溝の延在方向とが互いに直交しており、
前記2つの第2部材は前記光軸方向の両側から前記第1部材を挟むとともに、その一方に前記光学部材を支持するための支持体を有する
(((1)))記載の光学部材駆動装置。
(((3)))
板状の前記第1部材の外形は四角形状であり、
前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、前記四角形状の前記第1部材の四隅に前記板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている
(((2)))記載の光学部材駆動装置。
(((4)))
前記案内部の他方は、前記突出部の裏面に形成されている
(((3)))記載の光学部材駆動装置。
(((5)))
前記第1部材は一体に成形されて形成されている
(((1)))記載の光学部材駆動装置。
(((6)))
前記第1部材が2枚の金属板体が固着されて形成されており、当該2枚の金属板体の一方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方が形成され、前記2枚の金属板体の他方に、前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の他方が形成される
(((2)))記載の光学部材駆動装置。
(((7)))
前記2枚の金属板体の外形は、ともに四角形状であり、
前記光軸方向の両側に設けられた前記案内部の一方は、一方の前記金属板体の四隅に板状の板面から前記光軸方向に台状に突出した突出部の表面に形成されている
(((6)))記載の光学部材駆動装置。
(((8)))
(((1)))記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としてのレンズと、を備えたカメラ装置。
(((9)))
(((1)))記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としての画像センサと、を備えたカメラ装置。
(((10)))
(((8)))又は(((9)))のいずれか1項記載のカメラ装置を備えた電子機器。
(((11)))
光学部材の移動を案内する案内機構を有し、
前記案内機構は、金属製の第1部材の表面に形成された溝及び摺動平面を含む案内部と、樹脂製の第2部材に複数の突起として形成された支持部と、を有し、
前記案内部は、前記第1部材の本体と一方側でのみ繋がっており、
前記複数の突起のうちの一部の前記突起が前記溝に嵌り込み、前記複数の突起のうちの残りの前記突起が前記摺動平面に接触して前記支持部と前記案内部が摺動することにより、前記光学部材の移動を案内する
光学部材駆動装置。
(((12)))
前記第1部材は、その前記表面と裏面の同じ位置にそれぞれ前記案内部が形成され、
2つの前記案内部の間に隙間が設けられている
(((11)))記載の光学部材駆動装置。
(((13)))
前記第1部材は、板面が重なり合う2枚の金属板体で形成され、前記案内部が設けられた位置において少なくとも一方の金属板体がその板面に対し台状に突出した突出部を形成して2枚の前記金属板体の間に前記隙間が設けられて重なり合っており、
(((12)))記載の光学部材駆動装置。
(((14)))
前記2枚の金属板体はそれぞれ略四角形状であり、
前記突出部は、前記略四角形状の金属板体の四隅に形成される
(((13)))記載の光学部材駆動装置。
(((15)))
前記略四角形状の2枚の金属板体のそれぞれには、対向する2つの辺のうちの一方の辺の両端に前記溝が設けられ、他方の辺の両端に前記摺動平面が設けられ、一方の金属板体に形成された前記溝の延在方向と、他方の金属板体に形成された前記溝の延在方向とが互いに直交している
(((14)))記載の光学部材駆動装置。
(((16)))
前記突出部は、前記金属板体を折り曲げて形成している
(((3)))記載の光学部材駆動装置。
(((17)))
前記第1部材は一体に成形されて形成されており、
前記隙間は、前記2つの案内部の間に前記摺動平面に平行に設けられたスリットである
(((12)))記載の光学部材駆動装置。
(((18)))
前記第1部材は金属板体であり、前記案内部は前記第1部材の本体部からその板面内方向に延出しており、前記摺動平面は、前記第1部材の本体部と同じ高さである
(((11)))記載の光学部材駆動装置。
(((19)))
前記第1部材の本体部と同じ高さである前記摺動平面は、前記第1部材の両面に設けられている
(((18)))記載の光学部材駆動装置。
(((20)))
前記第2部材は、前記第1部材を前記光学部材の光軸方向の両側から挟み込む2つの第2部材を有し、その一方に前記光学部材を支持するための支持体が設けられる
(((12)))又は(((19)))のいずれか一項記載の光学部材駆動装置。
(((21)))
(((1)))記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としてのレンズと、を備えたカメラ装置。
(((22)))
(((11)))記載の光学部材駆動装置と、前記光学部材としての画像センサと、を備えたカメラ装置。
(((23)))
(((21)))又は(((22)))のいずれか1項記載のカメラ装置を備えた電子機器。
(((24)))
板状のベースと、
前記ベースに固定される箱型のケースの前板に固定される箱型の副ベースと、
前記副ベースの内部でレンズの光軸方向に移動自在に支持されるレンズキャリアと、
画像センサを保持し、直交方向案内機構によって前記ベースに対して前記光軸方向に直交し且つ互いに直交する2方向に移動自在に支持されるセンサホルダと、
前記センサホルダと前記ベースとの間に配置されるスライダと、を備え、
前記直交方向案内機構は、前記スライダの前側面及び後側面に形成された金属製の案内溝及び案内平面と、前記センサホルダの後側面及び前記ベースの前側面にそれぞれ形成された樹脂製の複数の支持凸部と、を有し、各前記支持凸部は対応する各前記案内溝又は前記案内平面のいずれか一方に接触する光学部材駆動装置。
(((25)))
前記センサホルダは、第1フレキシブルプリント基板に固定された画像センサを保持しており、
前記第1フレキシブルプリント基板は、前記光軸方向に直交し前記画像センサが載置された平板部と、当該平板部の一方側の辺部から光軸方向に延出して前記センサホルダの周囲を前記平板部の反対側の辺部へ向けて延伸して、前記ベースに固定されている帯状部と、を有する(((24)))記載の光学部材駆動装置。
(((26)))
前記センサホルダは中央に貫通孔を有する底板部と、前記底板部の外縁と内縁の中間から前側に立ち上がる側板部と、を有し、
前記帯状部は、前記底板部の前記外縁と前記側板部との間に位置する(((25)))記載の光学部材駆動装置。
(((27)))
前記底板部の前記外縁には内側に向けて凹部が設けられており、前記平板部は前記センサホルダの前記後側面に取り付けられ、前記平板部の一方側の辺部から前記光軸方向に延出した前記帯状部は前記凹部を通過する(((26)))記載の光学部材駆動装置。
(((28)))
前記底板部の前記外縁の3辺には前側に突出する凸部が設けられており、前記帯状部の後端は前記凸部の前端よりも後側にある(((26)))記載の光学部材駆動装置。
(((29)))
前記3辺ではない前記外縁の辺に対向する前記ベースの辺にはFPC固定壁が立設し、前記帯状部は前記FPC固定壁の外側面に固定される(((28)))記載の光学部材駆動装置。
(((30)))
前記副ベースの3辺の外側を囲むように第2フレキシブルプリント基板が配置されており、前記副ベースは、前記レンズキャリアの3辺の外側を囲む側壁を有し、
前記側壁の外側の位置で前記第2フレキシブルプリント基板の隣り合う外側の2面に第1コイル及び第2コイルが配置され、前記側壁が無い位置で前記第2フレキシブルプリント基板の内側の面に第3コイルが配置されている(((24)))記載の光学部材駆動装置。
(((31)))
前記第2フレキシブルプリント基板は前記ケースの前記前板に設けられた貫通孔を通って外部と電気接続される(((30)))記載の光学部材駆動装置。
(((32)))
前記レンズキャリアには前記第3コイルに対向するように第3磁石が配置され、前記センサホルダには前記第1コイルに対向するように第1磁石が配置され、前記第2コイルに対向するように第2磁石が配置される(((30)))記載の光学部材駆動装置。
(((33)))
前記センサホルダに固定された第4磁石、前記第4磁石に対向するように前記ベースに固定された第4ヨークと、をさらに有し、
前記スライダには外周部の隣り合う2辺に凹部が形成されており、当該凹部内に前記第4ヨークが固定されている(((24)))記載の光学部材駆動装置。
(((34)))
(((24)))記載の光学部材駆動装置と、前記レンズキャリアに固定されるレンズを備えたカメラ装置。
(((35)))
(((34)))記載のカメラ装置を備えた電子機器。
(((36)))
前側面に受光面を有する画像センサを後側から固定するためのセンサホルダと、
前記センサホルダの後側に配置されるスライダと、
前記スライダの後側に配置される非可動体であるベースと、を備え、
前記センサホルダ、前記スライダ、及び前記ベースは、対応する長辺及び短辺を有する長方形状を有し、その四隅に前記センサホルダを前記ベースに対して前記受光面と平行な方向に移動自在に案内支持する案内機構が形成され、
前記案内機構は、前記スライダの前側面及び後側面に形成された金属製の案内溝及び案内平面と、前記センサホルダの後側面及び前記ベースの前側面にそれぞれ形成された樹脂製の複数の支持凸部と、を有し、各前記支持凸部は対応する各前記案内溝又は前記案内平面のいずれか一方に接触する画像センサ駆動装置。
(((37)))
各前記支持凸部が対応する各前記案内溝又は前記案内平面のいずれか一方に接触するのは線接触である(((36)))記載の画像センサ駆動装置。
(((38)))
センサ用フレキシブルプリント基板を更に備え、
前記センサ用フレキシブルプリント基板は、前記画像センサと前記センサホルダの間に固定されるセンサ固定部と、外部と接続される2つの端子部と、前記センサ固定部と前記端子部とをそれぞれ接続する2つの接続部と、を有し、
前記2つの接続部は、線対称に延出しており、それぞれ長方形状の前記センサ固定部の長辺の中央部分から外側にわずかに延出して前側に折れ曲がり、向きを変えてこの長辺の端部に向けてこの長辺に沿って延出し、この長辺の端部を過ぎたら折れ曲がって短辺に沿うように延出し、さらに外側に向かうようにジグザグに折れ曲がって前記端子部に至る(((36)))記載の画像センサ駆動装置。
(((39)))
前記端子部は、長方形状の前記ベースの長辺と面一でその法線方向が前記短辺と平行である(((38)))記載の画像センサ駆動装置。
(((40)))
前記ベースの長方形状に対応した長方形状を有する箱状のケースを更に備え、
前記ベースは前記受光面に平行な底部と、前記底部の外縁全周から前側に立設する側壁と、前記側壁の角部からさらに前側に延出する延出部と、を有し、
前記ケースは角部にスリットを有しており、
前記接続部は、前記ベースの短辺に設けられた2つの前記延出部の間の隙間部から前記ベースの外側に出て、一方の前記延出部の外側に沿って延出して前記スリットから外部に出て前記端子部に至る(((39)))記載の画像センサ駆動装置。
(((41)))
前記ベースに保持される駆動用フレキシブルプリント基板及び前記駆動用フレキシブルプリント基板に保持されるコイルを更に備え、
前記駆動用フレキシブルプリント基板は、長方形の長辺端部から外側にわずかに延び出し、前側に折れ曲がり、前記ベースの角部に向けて向きを変え、前記延出部の外側を通って前記スリットから前記接続部の一方とともに前記外部に出る入出力部を有する(((40)))記載の画像センサ駆動装置。
(((42)))
前記センサホルダの後側面に固定される駆動磁石及び前記ベースの前側面に固定されるコイルを更に備え、
前記コイルは、前記長辺方向の直線部を有する第1コイルと前記短辺方向の直線部を有する第2コイルが前記長辺方向に並んでいる(((36)))記載の画像センサ駆動装置。
(((43)))
前記スライダはその中央に貫通孔を有しており、前記コイルが前記貫通孔内に位置する(((42)))記載の画像センサ駆動装置。
(((44)))
前記スライダの前記後側面に形成された前記案内溝は前記長辺方向に延びている(((43)))記載の画像センサ駆動装置。
(((45)))
前記ベースと組み合わされて収容空間を形成するケースをさらに備え、
前記センサホルダはその前側面から前方に柱状に突出するストッパを有し、
前記ストッパの前端と前記ケースの前板の後側面との間の距離は、前記支持凸部の頂部と前記案内溝の表面との間の距離以下である(((36)))記載の画像センサ駆動装置。
(((46)))
(((36)))記載の画像センサ駆動装置と、前記画像センサ駆動装置の前側に配置されるレンズ及び当該レンズを駆動するレンズ駆動装置を備えたカメラ装置。
(((47)))
(((46)))記載のカメラ装置を備えた電子機器。
【0162】
(((1)))から(((10)))にかかる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器の発明によれば、案内機構を構成する溝及び摺動平面が形成された第1部材を金属製とし、この溝に嵌る突起及び摺動平面に接触する突起が形成された第2部材を樹脂で形成している。それにより、案内機構における摩擦係数が大きくなりにくく、全体としてさらに薄型の構成にすることができる。
(((11)))から(((23)))にかかる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器の発明によれば、案内機構は、金属製の第1部材の表面に形成された溝及び摺動平面を含む案内部と、樹脂製の第2部材に突起として形成された支持部と、を有し、案内部は、第1部材の本体と一方側でのみ繋がっている構成となっている。したがって、案内機構における摩擦係数が大きくなりにくく、また、衝撃が加わった場合でも案内部が弾性変形するので、案内機構が破損しにくい構成とすることができる。
(((24)))から(((35)))にかかる光学部材駆動装置、カメラ装置及び電子機器の発明によれば、スライダの前側面及び後側面に形成された金属製の案内溝及び案内平面と、センサホルダの後側面及びベースの前側面にそれぞれ形成された樹脂製の複数の支持凸部と、を有し、各支持凸部は対応する各案内溝又は案内平面のいずれか一方に接触する。したがって、衝撃が加わっても、金属製の案内溝及び案内平面にダメージは無く、樹脂製の支持凸部は弾性変形して元に戻るのでダメージはほぼ無い。また、金属と樹脂との接触により摩擦係数が小さく保たれる。そのため、落下衝撃時におけるダメージを受けにくく、画像センサ等の光学部材を保持する部材のスムーズな移動を確保できる。
(((36)))から(((47)))にかかる画像センサ駆動装置、カメラ装置及び電子機器の発明によれば、案内機構は、スライダの前側面及び後側面に形成された金属製の案内溝及び案内平面と、センサホルダの後側面及びベースの前側面にそれぞれ形成された樹脂製の複数の支持凸部と、を有する。各支持凸部は対応する各案内溝又は案内平面のいずれか一方に接触する。したがって、衝撃が加わっても、金属製の案内溝及び案内平面にダメージは無く、樹脂製の支持凸部は弾性変形して元に戻るのでダメージはほぼ無い。そのため、衝撃を受けてもダメージを受けにくく、スムーズな移動を確保できる。
【符号の説明】
【0163】
10 レンズ駆動装置
12 固定体
14 移動体
16 レンズ支持体
18 第1枠体
20 レンズ取付け用孔
22 第1移動体プレート
22A スリット
24 第2移動体プレート
26 カバー
28、30、32 貫通孔
34 直交方向案内機構
36 第1案内機構
38 第2案内機構
42 第1案内部
42A 第1溝
42B 第1摺動平面
40、40A、40B 第1支持部
46 第2案内部
46A 第2溝
46B 第2摺動平面
44、44A、44B 第2支持部
48 取付け部
50 取付け孔
52 被取付け部
54 第1磁石
56 第1ヨーク
58 第2磁石
60 第2ヨーク
62 第2枠体
64 ベース
66 カバー
68 底面部
70 前面部
72、74 貫通孔
76 支柱部
78 フレキシブルプリント基板
80 端子部
82 第1コイル
84 第2コイル
86 磁性部材
88 光軸方向支持機構
90 主案内軸
92 副案内軸
94 案内孔
96 案内壁
98 第1移動体プレート
98A スリット
100 後側金属プレート
102 前側金属プレート
104 第1案内部
104A 第1溝
104B 第1摺動平面
106 第2案内部
106A 第2溝
106B 第2摺動平面
110 光学部材駆動装置
112 ケース
114 副ベース
116 レンズキャリア
118 光軸方向案内機構
120 ベース
122 直交方向案内機構
124 センサホルダ
126 第1フレキシブルプリント基板(第1FPC)
128 画像センサ
130 前板
132 貫通孔
134 側壁
136 貫通孔
138 底板
140 側壁
142 開口部
144 貫通孔
146 取付け突起
148 取付け孔
150 固定孔
152 案内軸
154 案内孔
156 底板
158 固定凸部
160 FPC固定壁
162 貫通孔
164 第4ヨーク固定部
166 第4ヨーク
168 底蓋
170 貫通孔
172 底板部
172A 凹部
172B 凸部
174 側板部
176 第4磁石固定部
178 第4磁石
180 平板部
182 端子部
184 帯状部
188 第1案内機構
190 第2案内機構
192 第1案内部
192A 第1案内溝
192B 第1案内平面
194 第1支持部
194A、194B 第1支持凸部
196 スライダ
198 第2案内部
198A 第2案内溝
198B 第2案内平面
1100 第2支持部
1100A、1100B 第2支持凸部
1102A 貫通孔
1102B 凹部
1104 第1磁石
1106 第2磁石
1108 第1ヨーク
1110 第2ヨーク
1112 第3磁石
1114 第3ヨーク
1116 第2フレキシブルプリント基板(第2FPC)
1118 第1コイル
1120 第2コイル
1122 第3コイル
1124 第5ヨーク
1126 入出力部
1128 Y方向位置検出素子
1130 X方向位置検出素子
1132 Z方向位置検出素子
1134 スライダ
1136 後側金属プレート
1138 前側金属プレート
1140 貫通孔
1142 凹部
1144 第1案内部
1144A 第1案内溝
1144B 第1案内平面
1146 第2案内部
1146A 第2案内溝
1146B 第2案内平面
210 画像センサ駆動装置
212 画像センサ
214 センサホルダ
216 ベース
218 案内機構
220 ストッパ
222 駆動部材取付け部
224 底部
226 側壁
228 延出部
230 隙間部
232 ケース
234 第1案内機構
236 第2案内機構
238 第1案内部
238A 第1案内溝
238B 第1案内平面
240 第1支持部
240A、240B 第1支持凸部
242 スライダ
244 第2案内部
244A 第2案内溝
244B 第2案内平面
246 第2支持部
246A、246B 第2支持凸部
248 貫通孔
250 第1取付け凹部
252 第2取付け凹部
254 第1ヨーク
256 第1磁石
258 第2ヨーク
260 第2磁石
262 駆動用フレキシブルプリント基板(駆動用FPC)
264 入出力部
266 第1コイル
268 第2コイル
270 Y方向位置検出センサ
272 X方向位置検出センサ
274 第3取付け凹部
276 第3ヨーク
278 センサ用フレキシブルプリント基板(センサ用FPC)
280 センサ固定部
282 接続部
284 端子部
286 前板
288 側板
290 スリット
292 貫通孔
296 スライダ
298 後側金属プレート
2100 前側金属プレート
2102 貫通孔
2104 第1案内部
2104A 第1案内溝
2104B 第1案内平面
2106 第2案内部
2106A 第2案内溝
2106B 第2案内平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41