(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155208
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】組電池の均等加圧装置、組電池の製造方法及び電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20231013BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/509 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20231013BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20231013BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/213
H01M50/293
H01M50/204 401F
H01M50/509
H01M50/204 401D
H01M50/50 101
H01M50/593
H01M50/588
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062011
(22)【出願日】2023-04-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】202210357194.5
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523129457
【氏名又は名称】嘉▲興▼模度新能源有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIAXING MODULE BONDING TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.182,Pujiaqiao Community, Yangqiao Villege, Dayun Town, Jiashan Coutry, Jiaxing City, Zhejiang Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】汪 波
(72)【発明者】
【氏名】汪 子▲棋▼
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA22
5H040AS07
5H040AT01
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC13
5H040CC26
5H040CC34
5H040CC38
5H040DD03
5H040JJ03
5H040JJ06
5H040LL04
5H040LL06
5H043AA03
5H043CA03
5H043FA04
5H043FA06
5H043FA24
5H043HA06D
5H043HA06F
5H043HA12D
5H043HA12F
5H043JA13D
5H043JA13F
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池列間の接続ブリッジ間の圧力と円筒形電池セル間の圧力が同じであることを保証し、組電池の円筒形電池セル間に、より高い電気的接続の安定性、より高い接触抵抗の一致性を与える、組電池の均等加圧装置、および組電池の製造方法を提供する。
【解決手段】均等加圧装置は、フレーム部10と加圧部20を含み、フレーム部は、周囲を囲むバッフルを含み、内部に電池アレイを収容することができ、加圧部は、バッフルと電池アレイの一側辺との間に設けられ、加圧部の電池アレイ側に向かう表面は、加圧面であり、加圧面は、N個の合わせ面を含み、各合わせ面は、対応する縦方向電池列に圧力印加を行い、加圧部21、22は、流体の注入に伴って膨張し、N個の合わせ面が前記電池アレイに対して圧力印加を行うとともに、N個の前記合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力が同じであるようにすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部と加圧部を含み、
前記フレーム部は、直立する複数の円筒形電池セルを縦方向と横方向に配列した電池アレイを収容し、前記電池アレイは、平行に配列されたN個の縦方向電池列を含み、N≧2であり、前記フレーム部は、周囲を囲むバッフルを含み、前記バッフルの高さが前記円筒形電池セルの高さの半分以上であり、
前記加圧部は、少なくとも前記バッフルと前記電池アレイの一側辺との間に設けられ、前記加圧部の前記電池アレイ側に向かう表面は、加圧面であり、前記加圧面は、可撓性材料を含み、N個の合わせ面を含み、各前記合わせ面は、対応する縦方向電池列に圧力印加を行い、前記合わせ面は、前記円筒形電池セルのケースポストに合わせられる円柱面を含み、前記加圧部は、貫通する内部を有し、前記加圧部は、その内部への流体の注入に伴って増圧膨張し、N個の合わせ面が適応してそれぞれ当接し、かつN個の縦方向電池列に当接して圧力印加を行うようにすることができ、N個の前記合わせ面が膨張によって前進する長さが異なる場合、N個の前記合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力は同じである、ことを特徴とする組電池の均等加圧装置。
【請求項2】
前記合わせ面の高さは、前記円筒形電池セルの側面ケースポストの高さの半分以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項3】
前記加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての前記円筒形電池セルのケースポストに貼着する、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項4】
前記合わせ面は、前記円筒形電池セルのケースポストに合わせられる円柱面である、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項5】
前記合わせ面は剛性の接触面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項6】
前記バッフルの同一側には、連動する複数の前記加圧部が設けられ、連動する複数の前記加圧部の前記加圧面は、それぞれ先頭列の横方向電池列の一部の前記円筒形電池セルのケースポストに並列に対応して貼着し、全ての前記加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての前記円筒形電池セルのケースポストを重ならないように覆い、連動する複数の前記加圧部内の圧力は等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項7】
前記フレーム部は、前記バッフルによって囲まれてなる、閉じられ、安定した矩形フレームを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項8】
前記バッフルの内側面には、弾性のある絶縁耐震難燃材料が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項9】
前記フレーム部は、組電池ケース又は組電池ケースの一部である、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項10】
前記組電池ケースには、複数の同じ前記フレーム部が含まれる、ことを特徴とする請求項9に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項11】
前記加圧部は、膨脹可能なエアバッグ又は液体バッグを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項12】
前記加圧部は、流体通路を有する、ことを特徴とする請求項11に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項13】
前記加圧部は、縦方向電池列を加圧可能な第1加圧部と、横方向電池列を加圧可能な第2加圧部とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項14】
前記電池アレイにおいて、縦方向電池列は電気的に直列接続され、横方向電池列は、電気的に並列接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項15】
前記第1加圧部の圧力閾値は、前記第2加圧部の圧力閾値より大きい、ことを特徴とする請求項14に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項16】
圧力検出モジュールと圧力印加モジュールを含む圧力制御ユニットをさらに含み、前記圧力制御ユニットは、前記加圧部に接続され、前記加圧部内に注入される流体の体積、速度及び圧力を制御し、前記圧力印加モジュールは、設定された圧力閾値によって制限され、前記圧力検出モジュールにより前記加圧部内の圧力が圧力閾値に達したことが検出されると、前記圧力印加モジュールは、前記加圧部に対する圧力印加を停止し、複数のバッチの前記電池アレイの加圧の一致性を保証する、ことを特徴とする請求項1に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項17】
圧力表示ユニットをさらに含み、前記圧力表示ユニットは、前記圧力制御ユニット及び前記加圧部にそれぞれ接続され、前記加圧部から前記電池アレイに提供された圧力を表示する、ことを特徴とする請求項16に記載の組電池の均等加圧装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の組電池の均等加圧装置を用いて組電池を製造する方法であって、
複数の円筒形電池セルを加圧装置のフレーム部に順に入れて、矩形の電池アレイを形成するステップと、
電池アレイ内の隣接する円筒形電池セルの側面ケースポストの間に構造用接着剤、及び/又は接続ブリッジ、及び/又は冷間溶接接着剤、及び/又は絶縁接続部品を設けるステップと、
加圧部をフレーム部に入れるステップと、
加圧部に流体を注入するステップと、
加圧部が電池アレイの縦方向電池列及び/又は横方向電池列の長手方向に沿って加圧して、電池アレイを押圧するステップと、
加圧部による異なる縦方向電池列及び/又は横方向電池列への圧力が対応するプリセット値に達するように加圧部を制御するステップと、
電池アレイを加圧した後、円筒形電池セル間に設けられた構造用接着剤を互いに押圧して全体を硬化させるステップと、
加圧部を減圧し取り出して、組電池を得るステップと、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記縦方向電池列は、直列接続された電池列であり、前記横方向電池列は、並列接続された電池列である、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電池アレイを加圧した後、接続ブリッジ及び/又は冷間溶接接着剤を硬化させる、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記縦方向電池列は、複数の絶縁接続部を含み、前記複数の絶縁接続部は、前記円筒形電池セル間及び/又は電気的接続部品間を絶縁し、ずらして配列された前記縦方向電池列の端部を埋める、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記フレーム部と前記電池アレイを組み合わせて電池モジュールとし、
或いは、M個の前記フレーム部とM個の前記電池アレイを組み合わせて電池モジュールとし、M≧2である、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
フレーム部と電池アレイとの組み合わせを少なくとも1つ含む、ことを特徴とする請求項18に記載の方法で製造された電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギー動力電池の分野に関し、特に、組電池の均等加圧装置、組電池の製造方法及び電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー式電気自動車の車載用動力電池パックの組み合わせの応用分野は、高エネルギー密度化や迅速かつ一体的に組み合わせる(パックする)CTP(CELL TO PACK)の技術方向に発展している。業界標準の円筒形の動力電池のセルは、サイズが21700(直径21mm、高さ70mm)から46800(直径46mm、高さ80mm)に大きくなっている。セル円筒形電池を組み合わせて電池パック化する過程における様々な電気的接続操作の利便性及び信頼性を高めることは、CTP技術が重点的に解決しようとする重要な問題である。円筒形電池セルのCTP配列、組み合わせ過程において、円筒形電池セルの側面ケースが電池の両極のうちの一方であるという特徴に対して、技術的には、通常、側面ケースに接続ブリッジを電気的に接続してから、隣接する電池の頂部の異極性の他方又は隣接する電池の側面ケースの同極性の一方に接続して、セル電池間の直列接続及び並列接続を実現する。接続ブリッジと側面ケースとの間は、通常、冷間溶接圧着の接着プロセスにより、多数の側方電気的接続点全体を電気的に導通するため、電池列の両端を内向きに加圧して、接続ブリッジと円筒形電池の側面ケースとを緊密に接続し、接触抵抗を最小化する必要がある。しかしながら、異なる円筒形電池セルは、直径に公差が存在するため、電池列の長さに累積公差が存在することになる。平行に配列された複数の電池列に対して、同一の平面端部全体を加圧する方式を用いると、各電池列が同じ圧力を受けることを保証できず、列と列との内部電気的接続点の接触抵抗に大きな差異が生じて、精密かつ均等な組み合わせに不利となる。さらに、現在、電池CTPの組み合わせ過程において、電池列又はモジュールを電池ボックスの外部で加圧し、封止してから電池ボックス内に入れる必要があり、ステップが複雑であり、生産効率が低い。
【0003】
したがって、どのように円筒形電池セルを直接電池ボックスに入れ、電池ボックス内で各列に対して側方から均等に圧力を印加して、多数の側方の電気的接続点間全体の均等な電気的接続を実現し、そして電池ボックス内で電池パック構造を直接封止するかということが、現在業界で早急に解決しなければならない技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における技術的問題を解決するために、組電池の均等加圧装置、組電池の製造方法及び電池モジュールを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術手段を用いる。
【0006】
一態様では、本発明に係る組電池の均等加圧装置は、フレーム部と加圧部を含み、
フレーム部は、直立する複数の円筒形電池セルを縦方向と横方向に配列した電池アレイを収容し、電池アレイは、平行に配列されたN個の縦方向電池列を含み、N≧2であり、フレーム部は、周囲を囲むバッフルを含み、バッフルの高さが円筒形電池セルの高さの半分以上であり、
加圧部は、少なくともバッフルと電池アレイの一側辺との間に設けられ、加圧部の電池アレイ側に向かう表面は、加圧面であり、加圧面は、可撓性材料を含み、N個の合わせ面を含み、各合わせ面は、対応する縦方向電池列に圧力印加を行い、加圧部は、貫通する内部を有し、加圧部は、その内部への流体の注入に伴って増圧膨張し、N個の合わせ面が適応してそれぞれ当接し、かつN個の縦方向電池列に対して圧力印加を行うとともに、かつN個の合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力が同じであるようにすることができる。
【0007】
好ましい技術手段として、合わせ面の高さは、円筒形電池セルの側面ケースポストの高さの半分以上である。
【0008】
好ましい技術手段として、N個の合わせ面が膨張によって前進する長さが異なる場合、N個の合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力は同じである。
【0009】
好ましい技術手段として、加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての円筒形電池セルのケースポストに貼着する。
【0010】
好ましい技術手段として、合わせ面は、円筒形電池セルのケースポストに合わせられる円柱面である。
【0011】
好ましい技術手段として、合わせ面は、剛性の接触面を有する。
【0012】
好ましい技術手段として、バッフルの同一側には、連動する複数の加圧部が設けられ、連動する複数の加圧部の加圧面は、それぞれ先頭列の横方向電池列の一部の円筒形電池セルのケースポストに並列に対応して貼着し、全ての加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての円筒形電池セルのケースポストを重ならないように覆い、連動する複数の加圧部内の圧力は、等しい。
【0013】
好ましい技術手段として、フレーム部は、バッフルによって囲まれてなる、閉じられ、安定した矩形フレームを含む。
【0014】
好ましい技術手段として、バッフルの内側面には、弾性のある絶縁耐震難燃材料が設けられる。
【0015】
好ましい技術手段として、フレーム部は、組電池ケース又は組電池ケースの一部である。
【0016】
好ましい技術手段として、組電池ケースには、複数の同じフレーム部が含まれる。
【0017】
好ましい技術手段として、加圧部は、膨脹可能なエアバッグ又は液体バッグを含む。
【0018】
好ましい技術手段として、加圧部は、流体通路を有する。
【0019】
好ましい技術手段として、加圧部は、縦方向電池列を加圧可能な第1加圧部と、横方向電池列を加圧可能な第2加圧部とを含む。
【0020】
好ましい技術手段として、電池アレイにおいて、縦方向電池列は電気的に直列接続され、横方向電池列は、電気的に並列接続される。
【0021】
好ましい技術手段として、第1加圧部の圧力閾値は、第2加圧部の圧力閾値より大きい。
【0022】
好ましい技術手段として、加圧装置は、圧力検出モジュールと圧力印加モジュールを含む圧力制御ユニットをさらに含み、圧力制御ユニットは、加圧部に接続され、加圧部内に注入される流体の体積、速度及び圧力を制御し、圧力印加モジュールは、設定された圧力閾値によって制限され、圧力検出モジュールにより加圧部内の圧力が圧力閾値に達したことが検出されると、圧力印加モジュールは、加圧部に対する圧力印加を停止し、複数のバッチの電池アレイの加圧の一致性を保証する。
【0023】
好ましい技術手段として、加圧装置は、圧力表示ユニットをさらに含み、圧力表示ユニットは、圧力制御ユニット及び加圧部にそれぞれ接続され、加圧部から電池アレイに提供された圧力を表示する。
【0024】
別の態様では、本発明に係る、上記組電池の均等加圧装置を用いて組電池を製造する方法は、
複数の円筒形電池セルを順に加圧装置のフレーム部に入れて、矩形の電池アレイを形成するステップと、
電池アレイ内の隣接する円筒形電池セルの側面ケースポストの間に構造用接着剤、及び/又は接続ブリッジ、及び/又は冷間溶接接着剤、及び/又は絶縁接続部品を設けるステップと、
加圧部をフレーム部に入れるステップと、
加圧部に流体を注入するステップと、
加圧部が電池アレイの縦方向電池列及び/又は横方向電池列の長手方向に沿って加圧して、電池アレイを押圧するステップと、
加圧部による異なる縦方向電池列及び/又は横方向電池列への圧力が対応するプリセット値に達するように加圧部を制御するステップと、
加圧部を減圧し取り出して、組電池を得るステップと、を含む。
【0025】
好ましい技術手段として、縦方向電池列は、直列接続された電池列であり、横方向電池列は、並列接続された電池列である。
【0026】
好ましい技術手段として、電池アレイを加圧した後、円筒形電池セル間に設けられた構造用接着剤を互いに押圧して全体を硬化させ、接続ブリッジ及び/又は冷間溶接接着剤を硬化させる。
【0027】
好ましい技術手段として、縦方向電池列は、複数の絶縁接続部を含み、複数の絶縁接続部は、円筒形電池セル間及び/又は電気的接続部品間を絶縁し、ずらして配列された縦方向電池列の端部を埋める。
【0028】
好ましい技術手段として、フレーム部と電池アレイを組み合わせて電池モジュールとする、或いは、M個のフレーム部とM個の電池アレイを組み合わせて電池モジュールとし、M≧2である。
【0029】
また別の態様では、本発明に係る、上記方法で製造された電池モジュールは、フレーム部と電池アレイとの組み合わせを少なくとも1つ含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明が用いる技術手段は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0031】
本発明の一態様に係る組電池の均等加圧装置は、主な構造として電池アレイを収容するフレーム部と、電池アレイを加圧する加圧部とを含み、加圧部は、好ましくは膨張可能なエアバッグ又は液体バッグであり、流体の注入に伴って、電池アレイの一側の各円筒形電池セルの側部にフレキシブルに貼着し、かつ均等に加圧して、電池列間の接続ブリッジ間の圧力と円筒形電池セル間の圧力が同じであることを保証し、組電池の円筒形電池セル間に、より高い電気的接続の安定性、より高い接触抵抗の一致性を与える。本発明の別の態様に係る組電池の製造方法は、上記加圧装置を用いて、加圧装置のフレーム部内で円筒形電池セルの電気的接続と取り付けを効果的に完了して、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用される、本発明の一部を構成する図面について簡単に説明するが、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不当な限定を構成するものではない。
【0033】
【
図1】本発明の実施例1に係る組電池の均等加圧装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る組電池の均等加圧装置の上面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る第1加圧部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら、本発明の技術手段を明確、かつ完全に説明する。なお、本発明の説明において、文脈が明確に他の意味を示すのでない限り、用語「又は」は、通常、「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0035】
なお、本発明の説明において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、着脱可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。また、本願の説明において、用語「第1」、「第2」などは、区別して説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解すべきではない。
【0036】
明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく得られる他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0037】
従来技術における問題を解決するために、本具体的な実施形態は、組電池の均等加圧装置を提供する。該組電池の均等加圧装置は、フレーム部10と少なくとも1つの加圧部20を含み、フレーム部10は、直立する複数の円筒形電池セル30を縦方向と横方向に配列した電池アレイを収容し、電池アレイは、平行に配列されたN個の縦方向電池列を含み、N≧2である。フレーム部10は、周囲を囲むバッフルを含み、バッフルの高さは円筒形電池セル30の高さの半分以上であり、加圧部20は、少なくともバッフルと電池アレイの一側辺との間に設けられ、加圧部20の電池アレイ側に向かう表面は、加圧面であり、加圧面は、可撓性材料を含み、かつN個の合わせ面を含む。各合わせ面は、対応する縦方向電池列に圧力印加を行い、加圧部は、貫通する内部を有し、加圧部は、その内部への流体の注入に伴って増圧膨張し、N個の合わせ面が適応してそれぞれ当接し、かつN個の縦方向電池列に対して圧力印加を行うとともに、N個の合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力が同じであるようにすることができる。
【実施例0038】
本実施例1に係る組電池の均等加圧装置は、円筒形電池セル30により、電池列のセルが直列接続され、電池列間が並列接続されたCTPモジュールを製造し、特に、新エネルギー車両の動力電池ユニットの製造過程に適用され、同様に低速電動車、電動自転車及び他のエネルギー貯蔵製品に適用される。
【0039】
本実施例における円筒形電池セル30は、高エネルギー密度の動力電池であり、18650電池、21700電池、46800電池などから選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0040】
図1~
図4に示すように、本実施例における組電池の均等加圧装置は、図に示す円筒形電池セル30を含まず、円筒形電池セル30を組み合わせる構造として単独で提供される。
【0041】
本実施例に係る組電池の均等加圧装置は、フレーム部10と加圧部20を含み、フレーム部10は、直立する複数の円筒形電池セル30を縦方向と横方向に配列した電池アレイを収容し、加圧部20は、電池アレイを加圧する。
図1に示すように、加圧部20と電池アレイは、いずれもフレーム部10内に設けられ、加圧部20は、膨張可能であり、バッフルと電池アレイの一側辺との間に設けられる。加圧部20が加圧を完了し、かつフレーム部10から取り出されると、フレーム部10と電池アレイ(及び電池アレイ中の電気的接続部品)は、組電池を構成し、このとき、フレーム部10は、組電池のケース又は組電池のケースの一部になり、好ましくは、組電池ケースには、複数の同じフレーム部が含まれる。
【0042】
一実施形態において、フレーム部10は、周囲を囲むバッフルと底板で構成された、閉じられ、安定した矩形フレームを含み、サイズは膨張後の加圧部20と電池アレイの体積とに適合し、好ましくは、バッフルの高さは、円筒形電池セル30の高さの半分以上である。
図1は、5X5の電池アレイを示し、当業者であれば理解できるように、組電池は、4X4アレイ、6X4アレイ、8X4アレイ、10X4アレイ、8X20アレイ、8X40アレイなどであってもよく、具体的な数量は実際の製造上の必要に応じて自由に調整することができる。本実施例は、電池アレイの横方向及び縦方向の拡張をいずれも限定しない。説明を容易にするために、
図2において、垂直方向は、実施例に記載の横方向電池列を示し、横方向は、実施例に記載の縦方向電池列を示す。好ましくは、電池アレイは、平行に配列されたN個の縦方向電池列を有し、N≧2である。
【0043】
フレーム部10の底板とバッフルは、いずれも絶縁材料で製造され、好ましくは、バッフルは、内側面に一定の弾性のある絶縁材料が設けられ、一定の緩衝を提供することができ、加圧部20の膨張時の大きすぎる圧力の強さにより円筒形電池セル30の側部が変形することを回避するとともに、同じ横方向電池列にある円筒形電池セル30の側部間の絶縁を保証することができる。
【0044】
一実施形態において、加圧部20は、1つのみ設けられ、その電池アレイ側に向かう表面は加圧面であり、好ましくは、加圧面は可撓性絶縁材料である。加圧部20には、貫通する内部が設けられ、加圧部20は、流体の注入に伴って膨張することができ、電池アレイの一側の各円筒形電池セル30の側部にフレキシブルに貼着し、かつ均等に加圧し、好ましくは、加圧面は、各列の電池の具体的な位置を正確に位置決めする剛性の接触面である。好ましくは、加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての円筒形電池セル30のケースポストに貼着し、好ましくは、横方向電池列の各円筒形電池セル30間は、並列接続され、縦方向電池列の各電池間は、直列接続され、加圧面は、横方向電池列に貼着してそれを加圧し、実際には、直列接続された電池列を加圧して、電池列間の電池接続ブリッジ40間の圧力と円筒形電池セル30間の圧力が同じであることを保証し、組電池内の円筒形電池セル30間により高い電気的接続の安定性、より高い接触抵抗の一致性を与え、電池を組み合わせた後に均等な電流を出力する。
【0045】
好ましくは、加圧面は、N個の合わせ面を含み、各合わせ面は、それぞれ対応する縦方向電池列に圧力印加を行い、合わせ面は、電池アレイへの均等加圧を保証するように、円筒形電池セル30のケースポストに合わせられる円柱面であり、好ましくは、N個の合わせ面が膨張によって前進する長さが異なる場合、N個の合わせ面によって対応する縦方向電池列に印加される圧力は同じである。好ましくは、合わせ面が縦方向電池列を均等に加圧することを保証するために、その高さを円筒形電池セル30の高さの半分以上にする。
【0046】
当業者であれば理解できるように、異なる仕様、異なる数量の円筒形電池セル30を選択してアレイを構成する場合、合わせ面の曲率及び数量もそれに伴って変化し、具体的には、実際の製造上の必要に応じて自由に調整することができ、本実施例は、これを限定しない。
【0047】
別の実施形態において、加圧部20は、1組設けられ、バッフルの同一側には、連動する複数の加圧部20が設けられ、各加圧部20の加圧面には、円筒形電池セル30のケースポストの曲率に適合する合わせ面が少なくとも1つ設けられる。連動する複数の加圧部20の加圧面は、それぞれ先頭列の横方向電池列の一部の円筒形電池セル30のケースポストに並列に対応して貼着し、全ての加圧面は、先頭列の横方向電池列の全ての円筒形電池セル30のケースポストを重ならないように覆う。
【0048】
別の実施形態において、加圧部20は、2組設けられ、加圧面がそれぞれ先頭列の横方向電池列及び先頭列の縦方向電池列の全ての円筒形電池セル30の側部に貼着し、先頭列の横方向電池列の一側に貼着し、かつ縦方向電池列を加圧するのは、第1加圧部21であり、先頭列の縦方向電池列の一側に貼着し、かつ横方向電池列を加圧するのは、第2加圧部22である。第2加圧部22は、弧形の合わせ面が設けられなくてもよく、好ましくは、第1加圧部21と第2加圧部22は、いずれも1つ設けられてもよく、1組設けられてもよく、両者の組み合わせで設けられてもよい。好ましくは、第1加圧部21によって圧力印加が行われる縦方向電池列間は、電気的に直列接続され、第2加圧部22によって圧力印加が行われる横方向電池列間は、電気的に並列接続される。直列接続された電池列の電流が大きく、並列接続された電池列の電流が小さいため、より好ましくは、まず、直列接続された電池列の各円筒形電池セル30間の接触抵抗の一致性を保証するように、第1加圧部21の圧力閾値は、第2加圧部22の圧力閾値より大きい。
【0049】
一実施形態において、加圧部20は、流体通路が設けられた膨張可能なエアバッグであり、内部に加圧ガスを注入して加圧部を膨張させることができ、好ましくは、加圧ガスは、膨張過程における安全性を保証するように空気又は不活性ガスである。
【0050】
別の実施形態において、加圧部20は、流体通路が設けられた膨張可能な液体バッグであり、加圧部に難燃性の、常温で加圧されて硬化しにくい加圧液体を注入することができ、好ましくは、加圧液体は、水又は作動油である。
【0051】
好ましくは、加圧部20には、圧力表示ユニット及び圧力制御ユニットがさらに接続され、圧力表示ユニットは、加圧部20から電池アレイに提供された圧力を表示し、圧力制御ユニットは、加圧部20から電池アレイに提供された圧力を調整する。
【0052】
好ましくは、圧力制御ユニットは、圧力検出モジュールと圧力印加モジュールを含み、圧力制御ユニットは、加圧部20に接続され、加圧部20内に注入される流体の体積、速度及び圧力を制御し、圧力印加モジュールは、設定された圧力閾値によって制限され、圧力検出モジュールにより加圧部20内の圧力が圧力閾値に達したことが検出されると、圧力印加モジュールは、加圧部20に対する圧力印加を停止し、複数のバッチの電池アレイの加圧の一致性を保証する。
直立する複数の円筒形電池セル30を提供し、フレーム部10の底板に構造用接着剤60を設け、フレーム部10の一角を起点として、バッフルに当接して円筒形電池セル30を順に入れ、配列して電池アレイとする。
2、電池アレイ内の隣接する円筒形電池セルの側面ケースポストの間に構造用接着剤60、及び/又は接続ブリッジ40、及び/又は冷間溶接接着剤、及び/又は絶縁接続部品を設ける。
隣接する円筒形電池セル30の頂部ポスト31とケースポストとは、冷間溶接プロセスにより直列接続する。当業者であれば理解できるように、冷間溶接プロセスに用いられる電気的接続構造の総称は、隣接する円筒形電池セル30の頂部ポスト31とケースポストとの間に設けられた冷間溶接接着剤、及び/又は接続ブリッジ40を含み、好ましくは、冷間溶接接着剤は、常温で硬化可能な導電剤であり、好ましくは、接続ブリッジ40は、導電性材料で製造され、上記冷間溶接接着剤は、電気的接続の接触面積を増加させ、硬化後に電気的接続点の電束を安定化する。好ましくは、接続ブリッジ40は、シート状金属を折り曲げたものであり、接続ブリッジ40とケースポストとの接触面に導電剤を塗布する。
好ましくは、隣接する円筒形電池セル30間には構造用接着剤60が硬化され、電気的直列接続の安定性及び信頼性を保持するとともに、直列接続された電池列構造の安定性及び信頼性を保持する。構造用接着剤60は、絶縁材料で製造され、円筒形電池セル30の側面ケース間に隙間を形成し、隣接する円筒形電池セル30の側面ケースが平行であるように保持し、加圧部20の膨張時に一定の緩衝作用を果たす。
好ましくは、電池アレイ内の縦方向電池列は直列接続し、横方向電池列は並列接続する。横方向電池列の各円筒形電池セル30間は、バスバー50により電気的に並列接続する。
好ましくは、縦方向電池列は、複数の絶縁接続部を含み、複数の絶縁接続部は、円筒形電池セル間30間及び/又は電気的接続部品間を絶縁し、ずらして配列された縦方向電池列の端部を埋める。
一実施形態においては、直列接続された電池列をその長手方向に沿って加圧する第1加圧部21のみが設けられ、別の実施形態においては、電池列のセルが直列接続された電池アレイ、及び電池列間が並列接続された電池列をそれぞれ加圧する第1加圧部21と第2加圧部22が設けられる。
実施例1に記載されているように、加圧部20は、エアバッグ又は液体バッグであるため、加圧部20の実際のタイプに応じて対応する加圧ガス又は加圧液体を注入する。
好ましくは、第1加圧部21の圧力閾値は、第2加圧部22の圧力閾値より大きく、縦方向電池列は、直列回路方向であり、接触抵抗の最小化を要求し、圧力が接触抵抗に反比例するため、第1加圧部21の圧力値を適切に増加させる。
圧力制御ユニットにより、加圧部20内に注入される流体の体積、速度及び圧力を制御するとともに、加圧部20内の圧力が圧力のプリセット値に達したか否かを検出し、プリセット値に達した場合、加圧部20に対する圧力印加を停止し、複数のバッチの電池アレイの加圧の一致性を保証する。さらに、各接続ブリッジ40及び/又は冷間溶接接着剤間の圧力と隣接する円筒形電池セル30間の圧力とが同じであり、抵抗が一致することを保証する。このとき、円筒形電池セル30間の構造用接着剤60を押圧して硬化させ、接続ブリッジ40及び/又は冷間溶接接着剤及び/又は絶縁構造部品を硬化させる。
このとき、フレーム部10と電池アレイを組み合わせると電池モジュールとするか、或いはM個のフレーム部10とM個の電池アレイを組み合わせて電池モジュールとする。
1、円筒形電池セルをボックスに入れ、電池間の直列接続及び並列接続をボックス内の操作により全体的に実施する。電池アレイ内部の構造の一体化とボックス底部への同時固定の動作を一回で完了する。電池アレイ内に含まれる複数の電池列は、電池列のセルが直列接続され、電池列間が並列接続され、加圧部の膨張により、組電池内の円筒形電池セルを均等に加圧し、組電池内の円筒形電池セル間の多数の電気的接続点のより高い電気的接続の安定性と、より高い接触抵抗の一致性とが保証され、電池を組み合わせた後、円筒形電池セルの均等な給電を保証することができる。