(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155313
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】スタック性金属カップ
(51)【国際特許分類】
B65D 21/02 20060101AFI20231013BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20231013BHJP
B65D 1/46 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
B65D21/02 400
B65D1/26 110
B65D1/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134151
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2022009650の分割
【原出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 章太
(72)【発明者】
【氏名】篠島 信宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 江利華
(57)【要約】
【課題】金属カップの変形によるスタック性の低下が有効に防止されたスタック性金属カップを提供する。
【解決手段】上部が開口している中空形状を有しており、上端内径Dが下端外径よりも大きく、上方から下方に向かって傾斜している形状の胴部3と、胴部3の下端に曲率部Rを介して連なっている接地部5を備えた底部7とを有するスタック性金属カップ1において、接地部5から上端までの高さHを100%として、高さが70%~100%の上部領域A1は、胴部3の垂直面に対する傾斜角が変化する変曲点部分αを少なくとも1個含んでいることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口している中空形状を有しており、上端内径が下端外径よりも大きく、上方から下方に向かって傾斜している形状の胴部と、該胴部の下端に曲率部を介して連なっている接地部を備えた底部とを有するスタック性金属カップにおいて、
前記接地部から上端までの高さHを100%として、高さが70%~100%の上部領域A1は、前記胴部の垂直面に対する傾斜角が変化する変曲点部分αを複数含んでおり、
前記変曲点部分αを画定する傾斜角差Δθが25度以下であることを特徴とするスタック性金属カップ。
【請求項2】
高さが40%以下の下部領域A2に、前記胴部の傾斜角が変化する変曲点部分αが少なくとも1個形成されている請求項1に記載のスタック性金属カップ。
【請求項3】
前記変曲点部分αは、垂直面に対する傾斜角が2度以下の基準垂壁と、該基準垂壁に対して傾斜角差Δθを有する傾斜壁との交差部である請求項1または2に記載のスタック性金属カップ。
【請求項4】
前記接地部から上端までの高さHが90~150mmの範囲にあり、前記開口の上端内径が70~90mmの範囲にある請求項1~3の何れかに記載のスタック性金属カップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ねて保管できるスタック性を有する金属カップに関する。
【背景技術】
【0002】
喫飲などのために使用されるカップ形状の器としては、従来、紙やプラスチック製のものが広く使用されていた。これらの素材から成形された器は、軽量であり、しかも成形容易であるため、安価であり、使い捨ての用途に適しているからである。しかしながら、近年における資源の枯渇、ゴミ問題などの環境上の観点から、金属カップが注目されている。金属カップは、紙やプラスチック製のカップに比して、強度や耐久性が高く、繰り返し使用に適しており、資源の枯渇化やゴミの発生を大幅に抑制することができるからである。
【0003】
ところで、このような金属カップは、例えば、ビールなどのアルコール飲料を喫飲するために使用される場合が多く、所謂小ジョッキ~大ジョッキ程度の大きさを有していると同時に、スタック性を持たせるために、上端の開口内径を底部の外径よりも大きく設定された形態を有している。このような形態を有する金属カップは、例えば特許文献1に示されているように、胴部の途中に2~3の数の段差が形成されている。また、特許文献2に記載されているように、上端の開口内径を底部の外径よりも大きくするために、胴部をテーパー状の傾斜壁とすることもできるが、この場合においても、例えば胴部壁(傾斜壁)に2個程度の段差が形成されている。何れの形態の金属カップにおいても、複数のカップがスタックされたとき、胴部壁同士の密着が抑制され、スタックされた金属カップの出し入れがスムーズに行い得るようになっている。
【0004】
即ち、特許文献1,2の金属カップでは、胴部壁に段差が形成されているため、スタックされている上側のカップの胴部壁外面と、これを保持している下側のカップの胴部壁内面との間に空隙が形成され、両者が密着する部分が大幅に減じられており、スタックしやすいばかりか、スタックされているカップを引き抜き易くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-506842号公報
【特許文献2】特開2021-155121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年における金属加工技術の発展により、絞りしごき加工により、アルミ缶に代表される金属缶の極薄肉化が実現され、金属カップでも薄肉化が実現されるようになり、カップの軽量化、省資源化が達成されている。しかしながら、このような胴部壁の薄肉化は、上記のような利点をもたらす反面、強度低下をもたらし、金属カップが変形し易くなり、スタック性が損なわれるという問題が生じている。
【0007】
従って、本発明の目的は、金属カップの変形によるスタック性の低下が有効に防止されたスタック性金属カップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上部が開口している中空形状を有しており、上端内径が下端外径よりも大きく、上方から下方に向かって傾斜している形状の胴部と、該胴部の下端に曲率部を介して連なっている接地部を備えた底部とを有するスタック性金属カップにおいて、
前記接地部から上端までの高さHを100%として、高さが70%~100%の上部領域A1は、前記胴部の垂直面に対する傾斜角が変化する変曲点部分αを複数含んでおり、
前記変曲点部分αを画定する傾斜角差Δθが25度以下であることを特徴とするスタック性金属カップが提供される。
【0009】
本発明のスタック性金属カップにおいては、以下の態様が好適に採用される。
(1)高さが40%以下の下部領域A2に、前記胴部の傾斜角が変化する変曲点部分αが少なくとも1個形成されていること。
(2)前記変曲点部分αは、垂直面に対する傾斜角が2度以下の基準垂壁と、該基準垂壁に対して傾斜角差Δθを有する傾斜壁との交差部であること。
(3)前記接地部から上端までの高さHが90~150mmの範囲にあり、前記開口の上端内径が70~90mmの範囲にあること。
【発明の効果】
【0010】
本発明の金属カップは、全体として、胴部の上端内径が下端外径よりも大きく設定されており、これによりスタック性を確保しているのであるが、特に重要な特徴は、胴部壁の傾斜角の変化(即ち傾斜角差)により生じる変曲点部分αにより胴部壁に周方向からの圧力に対する耐性を高め、形状変化を抑制した点にある。即ち、本発明では、このような変曲点部分αが上部領域A1(高さが70%~100%の領域)に1個以上形成されている。このため、金属カップの上端が変形し難くなっており、例えば、下方部分が変形した場合にも、開口の上端形状が変形しないため、スタック性が損なわれることがない。これが、本発明の最大の利点である。
【0011】
また、本発明において好適な金属カップは、上記のような変曲点部分αが下部領域A2(高さが40%以下の領域)にも1個以上形成されている。即ち、下部領域A2も変形が生じ難くなっており、開口部の上端部分に加え、下端部分の変形も生じ難くなっている。要するにスタック性を確保するために一番重要な上部形状と下部形状とが変形し難くなっているため、スタック性がより安定的に確保されているわけである。
【0012】
さらに、本発明において、最も好適な形態は、上部領域A1と下部領域A2との間の中間領域A3にも上記のような変曲点部分αが4個以上形成されており、さらには、このような変曲点部分αを画定する角度差Δθが、上部領域A1及び下部領域A2での角度差Δθよりも小さく、例えば触感でわずかに感じる程度の段差である。即ち、この中間領域A3は、この金属カップを手で握る頻度の高い部分である。この領域は、最も変形が生じる頻度の高い部分であるため、多くの変曲点部分αを設けた方がよいのであるが、上部領域A1や下部領域A2と同程度の角度差Δθにより形成される変曲点部分は、段差として明確に認識されるほど大きく、このような段差として認識される変曲点部分が多くなると、胴部壁の平滑性が損なわれ、例えば印刷適性やラベル貼布性などが損なわれてしまう。また、スタックしたとき、重ねられているカップがガタつくようになり、スタック時の安定性が損なわれてしまうこともある。そこで、この中間領域A3では、段差として認識されにくい僅かな角度差により変曲点部分αを形成し、上記不都合を防止しながら強度の向上を図ったわけである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の金属カップの一例を示す概略側断面図及び胴部の部分拡大断面図。
【
図2】本発明の金属カップの一例を示す中間領域A3の部分拡大写真。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、全体として1で示す本発明の金属カップは、胴部3と、接地部5を備えた底部7を備えている。胴部3の上端には、通常、カール部9が形成されており、鋭利な端部が外部に露出しないようになっている。また、胴部3の下端は、曲率部Rを介して接地部5に連なっている。
底部7は、フラットであってもよいが、通常は、中央部分がドーム状に凹んだ形状を有しており、このドーム状凹部の周縁が接地部5となっている。このような形態により、この金属カップ1は、耐座屈性の高いものとなる。
胴部3は、上端が開口されている中空部10を形成しており、この中空部10は底部7により閉じられ、用途に応じて、飲料等の液体が収容されるようになっている。
【0015】
上記の金属カップ1では、スタック性を確保するために、中空部10の上端の開口径D(即ち、胴部3の上端の内径)が下端の外径dよりも大きく、下方に行くにしたがって傾斜している。
【0016】
尚、この金属カップ1の構成素材である金属は、種々の金属ないし合金材であってよく、例えば、アルミニウム、銅、鉄或いは、これらの金属を含む合金、さらにはブリキなどの錫めっき鋼板や化成処理を施したアルミニウム板などの表面処理鋼板であってよい。一般的には、スチール、ステンレススチール、アルミニウムもしくはアルミニウム合金などが好適であるが、特に軽量性や加工性などの観点から、アルミニウム若しくはその合金が好適である。
さらに、金属カップ1の内面は、有機樹脂被覆が積層されていてもよい。有機樹脂被覆としては、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料などの塗料に由来する被覆や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂であり、耐腐食性や、過酷な成形加工に際しての表面荒れなどを抑制するために設けられる。勿論、外面にも有機樹脂被覆が形成されていてもよい。
【0017】
このような金属カップ1は、例えば、金属製の薄肉の素板(内面さらには外面となる側の面にも、前述した有機樹脂被覆が形成されていてよい)を用いて成形することができる。
例えば、有機樹脂被膜が形成されている場合は、打抜き、絞り、再絞り-しごき加工を行い、ほぼ同時に底部についてドーミング加工を行い、その後、トリミング部の熱処理(膜剥がれ防止)、トリミング、カール工程、側壁に傾斜を設ける再絞り工程、熱処理工程(樹脂の歪除去&ワックス除去)、外面印刷、熱処理などが行われる。
また、有機被膜樹脂が形成されていない場合は、打抜き、絞り、再絞り-しごき加工を行い、ほぼ同時に底部についてドーミング加工を行い、その後、トリミング、洗浄乾燥、カール工程、側壁に傾斜を設ける再絞り工程、外面印刷、熱処理などが行われる。
【0018】
上記のような金属カップ1において、底部7の中心部分の厚みは、このカップ1の成形に用いる素板の厚みに相当し、カップ1の用途によっても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有しており、胴部3の厚みやカップ1のハイトH(接地部5から胴部3の上端までの高さ)は、しごきの程度によって異なり、しごき率を次第に高くしてしごき加工を多段で行うにつれて、胴部3は薄肉化され、且つハイトHは高くなる。特に近年では、この薄肉化が顕著となっており、このような薄肉化に対応し得るように、本発明の金属カップ1は、以下のような形態を有するものである。
【0019】
この胴部3には、
図1に示されているように、傾斜角度(垂直面に対する角度)が変化している箇所が多数存在しており、この傾斜角の角度差Δθにより変曲点部分αが生じる。この角度差Δθが大きいと、この変曲点部分αは、段差として明確に視認される。このような変曲点部分αは、この金属カップ1の胴部3の周方向外面からの応力に対して耐性を示し、胴部3の変形を有効に抑制する。
尚、以下の説明において、傾斜角と記載するときは、特記しない限り、垂直面に対する角度を意味する。
【0020】
例えば、
図1に示されている例では、垂直面に対する傾斜角が2度以下、特に1度以下、好ましくは0.5度以下(即ち、傾斜角がほぼゼロである)である基準垂壁3aと、基準垂壁3aとの角度差Δθを有する傾斜壁3bが交互に連なっており、複数の変曲点部分αが形成されている。この場合、前記基準垂壁3aの傾斜角は、前記角度差△θよりも小さい。なお、上記角度差Δθ(即ち、基準垂壁3aとの角度差)は、25度以下の範囲であり、複数の変曲点部分αを形成する角度差Δθは、一律に同一でもよいし、傾斜角が25度以下であることを条件に、それぞれ異なる値であってもよい。
【0021】
本発明において、上記のような胴部3の垂直面に対する傾斜角や垂直壁3aとの角度差Δθは、当然、中空部10の上端の開口径Dが下端の外径dよりも大きいという条件を満足するように設定されるわけであるが、必要以上に大きく設定されていると、下端の外径dが必要以上に小さくなったり、或いは、変曲点部分α(段差)の数が制限されてしまい、さらには、胴部3の外面の平坦性が損なわれてしまい、印刷適性やラベル貼布性が損なわれてしまう。このような観点から、胴部3の傾斜角度(垂直面に対する角度)は、7度以下であり、且つ角度差Δθが5度以下、特に1度以下、最も好ましくは0.5度以下に設定することが好ましい。これにより、変曲点部分αの数を適度に多くすることができる。例えば、水平方向に凹んだ凹部により変曲点部分を形成することは望ましくない。
【0022】
上記のような変曲点部分αを有する胴部3を備えた金属カップ1は、胴部3のハイトHを100%としたとき、高さが70%~100%の上となる上部領域A1と、高さがHの40%以下の下部領域A2と、これらの領域A1とA2との間の中間領域A3に3分割することができる。本発明では、これらの領域のそれぞれに、上記のような角度差Δθによる変曲点部分αが分布している。
【0023】
まず、上部領域A1においては、胴部3の傾斜角の角度差Δθにより生ずる変曲点部分αが少なくとも1個、好ましくは2~4個形成される。これにより、上部領域A1を高強度化することができ、中空開口10の上端部分の変形を有効に抑制することができ、スタック性を確保することができる。
【0024】
また、下部領域A2においては、胴部3の傾斜角の角度差Δθにより生ずる変曲点部分αが少なくとも1個、好ましくは3~5個形成することが望ましい。これにより、上部領域A1と共に下部領域A2も高強度化することができ、中空開口10の上端部分及び下端部分の変形を有効に抑制することができ、スタック性をより確実に確保することができる。即ち、スタックに際して、金属カップ1の受け入ればかりか、金属カップ1の挿入もスムーズに行うことができる。
【0025】
尚、上記の上部領域A1及び下部領域A2での傾斜角の角度差Δθは、前述したように、25度以下に設定される。
また、
図1においては、垂直面に対する傾斜角が非常に小さい(或いは傾斜角がゼロ)基準垂壁3aと、該基準垂壁3aに対して角度差Δθを有する傾斜壁3bとが交互に連なっているが、角度差Δθが25度以下である限りにおいて、基準垂壁3aと傾斜壁3bとの間にさらに傾斜角の異なる壁(例えば傾斜壁3bよりも傾斜角の大きいテーパー壁)が形成されていてもよい。この場合には、テーパー壁と傾斜壁3b及びテーパー壁と基準垂壁3aとの間にも変曲点部分αが形成されることになる。
【0026】
さらに、本発明においては、中間領域A3にも傾斜角の角度差Δθにより生ずる変曲点部分αを少なくとも4個、好ましくは6~10個形成することが最適である。即ち、この金属カップ1は、ビールなどのアルコール飲料などを喫飲するために使用される場合が最も多い。従って、中間領域A3の部分が最も強く握られて変形しやすい箇所となっている。従って、この部分の強度化を図る上で、上記のような数の変曲点部分αを形成するのがよい。また、中間領域A3は大面積であるため、この部分がフラットであると、金属カップ1をスタックしたとき、重ね合わされている上下のカップ1間で密着する領域が大きくなり、このため、スタック性が低下する恐れがある。このようなスタック性の低下を回避する上でも変曲点部分αを多く形成することが好適である。
【0027】
ところで、中間領域A3を示す
図2を併せて参照して、この中間領域A3は大面積であり、金属カップ1の中央部分に位置している。このため、この部分には、印刷が施されたり、或いはラベルなどが貼布される頻度が極めて高い。このため、この領域では高い平滑性が求められる。このような観点から、この中間領域A3での傾斜角の角度差Δθは、上部領域A1や下部領域A2よりも小さく形成されていることが好ましく、複数存在する角度差Δθは、全て、5度以下、特に1度以下、最も好適には、0.5度以下であることが望ましい。このような小さな角度差による変曲点部分αは、
図2からも理解されるように、触感で認識できる程度の僅かな段差を示すものであり、高強度化という点では上部領域A1や下部領域A2での変曲点部分αよりも劣っている。しかしながら、このような小さな角度差による変曲点部分αであってもスタック性を確保するという点では十分であり、しかも、変曲点部分αの数を多く設定すること(隣り合う変曲点部分αの間隔を小さくすること)により、ある程度の高強度化を図ることができるため、最も好ましい態様である。
【0028】
上述した本発明の金属カップ1は、先に述べたように、ビールを飲む際のジョッキ代わりに使用される頻度が多いことから、高さHが90~150mmの範囲にあり、前記開口の上端内径が70~90mmの範囲にあることが最も好ましい。
また、上述した例では、上端にカール部9が形成されているが、カール部9の代わりに水平フランジなどを形成し、食品類などを収容した後、ヒートシールなどにより蓋材を設けて使用することもできる。この場合には、使用後のカップを繰り返し使用する際、その保管に有利である。
また、金属カップ1に飲料等を充填した後、蓋部材を取り付けた缶として使用してもよい。蓋部材としては、金属製のステイオンタブ蓋、積層体からなるシート、ネジ蓋等、いかなるものであってもよい。
蓋部材をステイオンタブ蓋として胴部の上端に巻締める場合は、容器の胴部の上端は巻締のためのトリミング加工後に面状部を形成するフランジング加工を行った状態であればよい。
蓋部材を積層体からなるシートとして胴部の上端に熱等で接着する場合は、容器の胴部の上端は接着面積を確保するために面状部を有する形状としてもよい。積層体からなるシートとしては、熱接着層としては、公知のシーラントフィルムを始め、ラッカータイプ接着剤、イージーピール接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤からなる層を有した積層体を採用することができる。
蓋部材をネジ蓋として胴部の上端にネジ固定する場合は、容器の胴部上端にネジ条を有するものとしてもよく、ネジ蓋をネジ固定するために別途ネジ条を有する注出口付き蓋部材を容器の胴部の上端に巻締めてもよい。蓋部材の取り付け形態に合わせることで、蓋部材をどのようなものとしても、容器部分を保管、輸送する際の効率を向上することができる。
【符号の説明】
【0029】
1:金属カップ
3:胴部
R:曲率部
5:接地部
7:底部
9:カール部
10:中空空間
α:変曲点部分