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特開2023-155405ガラスリボンを製作するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155405
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】ガラスリボンを製作するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
C03B17/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139651
(22)【出願日】2023-08-30
(62)【分割の表示】P 2021531455の分割
【原出願日】2019-08-06
(31)【優先権主張番号】62/717,173
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ セルゲイヴィッチ アモーソフ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ フルネル
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディスラフ ユリエヴィッチ ゴリアティン
(72)【発明者】
【氏名】グザヴィエ テリエ
(57)【要約】
【課題】溶融材料を通過させるための少なくとも1つのスロットを備える導管を有する、ガラスリボンを製作するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】
装置は、導管を備え、複数のスロットのうちの少なくとも1つのスロットは、スロットの第1の端部の最大幅及び/又は上記スロットの第2の端部の最大幅よりも小さな最大幅を有する中間部長さを備える。方法は、導管の周壁内に少なくとも1つのスロットを備える装置を用いてガラスリボンを製造する。また、導管の周壁のスロットを通って流れる溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを決定する。さらに、方法及び装置は、導管の周壁の外周面を通って延在するスロットを提供し、スロットは、スロットを通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを達成するための、スロットの長さに沿った幅プロファイルd(x)を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管の周壁にスロットを形成する方法であって:
前記スロットを通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【数1】
(ここでμ(x)は前記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは前記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【数2】
(ここでhは前記導管の前記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように、前記スロットの幅プロファイルd(x)を決定するステップ;並びに
決定された前記幅プロファイルd(x)に基づいて前記スロットを形成するステップであって、前記スロットは、前記導管の前記周壁を通って延在する、ステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記スロットは、第1の外側端部、第2の外側端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備え、
前記スロットを通る前記溶融材料の前記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、前記中間部分の位置における溶融材料流量を含み、前記溶融材料流量は、前記第1の端部の位置及び前記第2の端部の位置におけるものよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中間部分に沿った幅は、前記第1の外側端部に沿った幅、及び前記第2の外側端部に沿った幅よりも大きい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スロットの前記第1の外側端部及び前記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
導管の周壁のスロットを通って流れる溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを決定する方法であって:
前記スロットの前記幅プロファイルd(x)を測定するステップ;並びに
前記スロットを通る前記溶融材料の前記体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【数3】
(ここでμ(x)は前記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは前記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【数4】
(ここでhは前記導管の前記周壁の厚さを表す)の関数として決定するステップ
を含む、方法。
【請求項6】
ガラスリボンを製造する方法であって:
導管の周壁によって画定された領域内に溶融材料を流すステップであって、前記導管は、前記周壁の外面を通って延在するスロットを備え、前記スロットは、第1の外側端部、第2の外側端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備える、ステップ;
前記周壁の前記スロットを通して前記溶融材料を流すステップであって、前記スロットを通る前記溶融材料の前記体積流量プロファイルは、前記中間部分の位置における溶融材料体積流量を含み、前記溶融材料体積流量は、前記第1の端部の位置及び前記第2の端部の位置におけるものよりも大きい、ステップ;
前記スロットからの前記溶融材料の第1の流れを、ウェッジの第1のウェッジ面上に流し、また前記スロットからの前記溶融材料の第2の流れを、前記ウェッジの第2のウェッジ面上に流すステップであって、前記溶融材料の前記第1の流れ及び前記溶融材料の前記第2の流れは、基部に向かう方向に集束する、ステップ;
前記溶融材料の前記第1の流れ及び前記溶融材料の前記第2の流れを前記基部からドロー加工して、前記溶融材料の融合済みシートとするステップ;並びに
前記溶融材料の前記融合済みシートを冷却して前記ガラスリボンとするステップ
を含む、方法。
【請求項7】
前記スロットの前記第1の外側端部及び前記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
装置であって:
導管であって、前記導管は、前記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備える、導管;
前記周壁を通って延在するスロットを備える、前記周壁の第1の部分であって、前記スロットは前記領域と流体連通し、また前記スロットは、前記スロットの前記第1の外側端部と前記スロットの前記第2の外側端部との間に延在する長さを備え、前記スロットの前記長さに沿った前記スロットの幅プロファイルd(x)は、前記スロットを通る前記溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【数5】
(ここでμ(x)は前記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは前記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【数6】
(ここでhは前記導管の前記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように構成される、第1の部分;並びに
前記スロットから下流に位置決めされたウェッジであって、前記ウェッジは、集束して基部を形成する第1のウェッジ面及び第2のウェッジ面を備える、ウェッジ
を備える、装置。
【請求項9】
前記スロットの前記第1の外側端部及び前記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記スロットを通る前記溶融材料の前記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、前記スロットの前記中間部分の位置における所定の体積流量を含み、前記所定の体積流量は、前記第1の外側端部における前記スロットを通る前記溶融材料の所定の体積流量より大きく、また前記第2の外側端部における前記スロットを通る前記溶融材料の所定の体積流量より大きい、請求項8又は9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2018年8月10日出願の米国仮特許出願第62/717173号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。また、本願は、2019年8月6日に出願された特願2021-531455号の分割出願である。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガラスリボンを製作するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
成形装置を用いて溶融材料をガラスリボンへと加工することが知られている。従来の成形装置は、動作することによって、成形装置からのある量の溶融材料をガラスリボンとしてダウンドロー加工することが知られている。
【発明の概要】
【0004】
これより、本開示の簡潔な概要を提示することにより、「発明を実施するための形態」に記載されているいくつかの例示的実施形態の基礎的な理解を提供する。
【0005】
本開示は一般に、ガラスリボンを製作するための装置及び方法に関し、より詳細には、溶融材料を通過させるための少なくとも1つのスロットを備える導管、及び方法に関する。
【0006】
いくつかの実施形態によると、装置は導管を備えることができ、上記導管は、上記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備える。上記装置は更に、上記周壁を通って延在する複数のスロットを備える、上記周壁の第1の部分を備えることができる。上記複数のスロットの各上記スロットは、上記領域と流体連通できる。上記複数のスロットのうちの少なくとも1つの上記スロットは、第1の端部と第2の端部との間に延在する中間部長さを備えることができる。上記中間部長さに沿った最大幅は、上記第1の端部の最大幅及び/又は上記第2の端部の最大幅より小さくすることができる。上記装置は更に、上記複数のスロットから下流に位置決めされたウェッジを備えることができる。上記ウェッジは、集束して基部を形成する第1のウェッジ面及び第2のウェッジ面を備えることができる。
【0007】
一実施形態によると、上記スロットは、直線経路に沿って位置合わせできる。
【0008】
別の実施形態によると、上記直線経路は、上記導管の上記流れ方向に対して平行とすることができる。
【0009】
別の実施形態によると、上記直線経路、上記流れ方向、及び上記ウェッジの上記基部は、共通平面に沿って延在できる。
【0010】
別の実施形態によると、上記少なくとも1つのスロットの上記中間部長さの幅は、上記導管の上記流れ方向に、又は上記導管の上記流れ方向の反対方向に、連続的に減少させることができる。
【0011】
別の実施形態によると、上記装置を用いてガラスリボンを製造する方法は、上記領域内において、上記溶融材料を、上記導管の上記流れ方向に流すステップを含むことができる。上記方法は更に、上記溶融材料を、上記複数のスロットの各上記スロットを通して流すステップを含むことができる。上記方法は更に、上記複数のスロットの各上記スロットを通って流れる上記溶融材料を、上記第1のウェッジ面上を流れる上記溶融材料の第1の流れと、上記第2のウェッジ面上を流れる上記溶融材料の第2の流れとに合流させるステップを含むことができる。上記方法は更に、上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れを、上記基部からドロー加工して、溶融材料の融合済みシートとするステップを含むことができる。上記方法は更に、上記溶融材料の上記融合済みシートを冷却して上記ガラスリボンとするステップを含むことができる。
【0012】
別の実施形態によると、上記方法は更に、上記ガラスリボンを、分割経路に沿って、複数の分割済みガラスリボンに分割するステップであって、上記分割経路は、上記複数のスロットのうち対応する隣り合った上記スロットのペアの、隣り合った端部のペアの間の横方向位置と位置合わせされている、ステップを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態によると、導管の周壁にスロットを形成する方法は、上記スロットを通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0014】
【数1】
【0015】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0016】
【数2】
【0017】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように、上記スロットの幅プロファイルd(x)を決定するステップを含むことができる。上記方法は更に、決定された上記幅プロファイルd(x)に基づいて上記スロットを形成する(例えば機械加工する)ステップを含むことができ、ここで上記スロットは、上記導管の上記周壁を通って延在する。
【0018】
別の実施形態によると、上記スロットは、第1の外側端部、第2の外側端部、及び上記第1の端部と上記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備え、上記スロットを通る上記溶融材料の上記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、上記中間部分の位置における溶融材料流量を含み、上記溶融材料流量は、上記第1の端部の位置及び上記第2の端部の位置におけるものよりも大きくすることができる。
【0019】
別の実施形態によると、上記中間部分に沿った幅は、上記第1の外側端部に沿った幅、及び上記第2の外側端部に沿った幅よりも大きくすることができる。
【0020】
別の実施形態によると、上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている。
【0021】
いくつかの実施形態によると、導管の周壁のスロットを通って流れる溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを決定する方法は、上記スロットの上記幅プロファイルd(x)を測定するステップを含むことができる。上記方法は更に、上記スロットを通る上記溶融材料の上記体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0022】
【数3】
【0023】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0024】
【数4】
【0025】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として決定するステップを含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ガラスリボンを製造する方法は、導管の周壁によって画定された領域内に溶融材料を流すステップを含み、上記導管は、上記周壁の外面を通って延在するスロットを備えることができ、上記スロットは更に、第1の外側端部、第2の外側端部、及び上記第1の端部と上記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備えることができる。上記方法は更に、上記周壁の上記スロットを通して上記溶融材料を流すステップを含むことができる。上記スロットを通る上記溶融材料の上記体積流量プロファイルは、上記中間部分の位置における溶融材料体積流量を含むことができ、上記溶融材料体積流量は、上記第1の端部の位置及び上記第2の端部の位置におけるものよりも大きくすることができる。上記方法は更に、上記スロットからの上記溶融材料の第1の流れを、ウェッジの第1のウェッジ面上に流すステップを含むことができる。上記方法は更に、上記スロットからの上記溶融材料の第2の流れを、上記ウェッジの第2のウェッジ面上に流すステップを含むことができる。上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れは、基部に向かう方向に集束できる。上記方法は更に、上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れを上記基部からドロー加工して、上記溶融材料の融合済みシートとするステップを含むことができる。上記方法は更に、上記溶融材料の上記融合済みシートを冷却して上記ガラスリボンとするステップを含むことができる。
【0027】
一実施形態では、上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている。
【0028】
いくつかの実施形態では、装置は導管を備えることができ、上記導管は、上記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備える。上記装置は、上記周壁を通って延在するスロットを備える、上記周壁の第1の部分を備えることができる。上記スロットは上記領域と流体連通できる。上記スロットは、上記スロットの上記第1の外側端部と上記スロットの上記第2の外側端部との間に延在する長さを備えることができる。上記スロットは、上記スロットの上記長さに沿った上記スロットの幅プロファイルd(x)を備えることができ、上記幅プロファイルd(x)は、上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0029】
【数5】
【0030】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0031】
【数6】
【0032】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように構成される。上記装置は更に、上記スロットから下流に位置決めされたウェッジを備えることができる。上記ウェッジは、集束して基部を形成する第1のウェッジ面及び第2のウェッジ面を備えることができる。
【0033】
一実施形態では、上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細とすることができる。
【0034】
一実施形態では、上記スロットを通る上記溶融材料の上記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、上記スロットの上記中間部分の位置における所定の体積流量を含むことができ、上記所定の体積流量は、上記第1の外側端部における上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量より大きく、また上記第2の外側端部における上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量より大きい。
【0035】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも本開示の実施形態を提示し、ここで説明及び請求されている実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを目的としていることを理解されたい。添付の図面は、これらの実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は本開示の様々な実施形態を図示しており、本説明と併せて、これらの様々な実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【0036】
本開示のこれらの及び他の特徴、実施形態、及び利点は、添付の図面を参照して本開示を読むと、更に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の実施形態によるガラス製造装置のある例示的実施形態の概略図
図2】本開示のある実施形態による成形用容器の立面図
図3図2の線3‐3に沿った成形用容器の上面図
図4図2の線3‐3に沿った成形用容器の別の実施形態の上面図
図5図2の線3‐3に沿った成形用容器の更に別の実施形態の上面図
図6図5のビュー6において得られる成形用容器の一部分の拡大図
図7図4のスロットの長さに沿った、決定されたスロット開口幅プロファイルを示すグラフ
図8】スロットの長さに沿ったモデル正規化体積流量を、図7のスロットプロファイルと共に示すグラフ
図9図3~5の線9‐9に沿った成形用容器の断面図
図10図3~5の線9‐9に沿った成形用容器の別の実施形態の断面図
図11図9及び10の線11‐11に沿った成形用容器の断面図
図12図9及び10の線11‐11に沿った成形用容器の更なる実施形態の断面図
図13図9の線13‐13に沿った、成形用容器のまた更なる実施形態の断面図
図14図9の線13‐13に沿った、成形用容器のまた更なる実施形態の断面図
図15図9の線13‐13に沿った、成形用容器の追加の実施形態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
これより、例示的実施形態を示す添付の図面を参照して、実施形態をより詳細に説明する。可能な場合は常に、図面全体を通して、同一又は同様の部品を指すために同一の参照番号を使用する。しかしながら、本開示は多数の異なる形態で実現してよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈してはならない。
【0039】
本開示の装置及び方法は、ガラスリボンを提供でき、このガラスリボンをその後、ガラスシートに分割してよい。いくつかの実施形態では、ガラスシートは4つの縁部を備えてよく、これらの縁部は、長方形(例えば正方形)等の平行四辺形、台形、又は他の形状を形成する。更なる実施形態では、ガラスシートは、1つの連続した縁部を有する円形、長円形、又は楕円形のガラスシートであってよい。2つ、3つ、5つ等の個数の湾曲した及び/又は直線状の縁部を有する他のガラスシートも提供でき、本記載の範囲内にあるものと考えられる。多様な長さ、高さ、及び厚さを含む、様々なサイズのガラスシートも考えられる。いくつかの実施形態では、ガラスシートの平均厚さは、ガラスシートの対向する大面の間の様々な平均厚さとすることができる。いくつかの実施形態では、ガラスシートの平均厚さは50マイクロメートル(μm)超、例えば約50μm~約1ミリメートル(mm)、例えば約100μm~約300μmとすることができるが、更なる実施形態では他の厚さが提供される場合もある。ガラスシートは、限定するものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、及びプラズマディスプレイパネル(PDP)等の、幅広いディスプレイ用途に使用できる。
【0040】
図1に概略図で示されているように、いくつかの実施形態では、例示的なガラス製造装置100は、ある量の溶融材料121からガラスリボン103を製造するために設計された、(図1に概略図で示されている)成形用容器140を含む、ガラス成形装置101を含むことができる。いくつかの実施形態では、ガラスリボン103は、ガラスリボン103の第1の外縁部153及び第2の外縁部155に沿って形成された対向する比較的厚い縁部ビードの間に配置された、中央部分152を含むことができる。更にいくつかの実施形態では、ガラスシート104をガラスリボン103から、ガラス分割器149(例えばスクライブ、スコアホイール、ダイヤモンドチップ、レーザ等)によって、分割経路151に沿って分割できる。いくつかの実施形態では、ガラスリボン103からガラスシート104を分割する前又は分割した後に、第1の外縁部153及び第2の外縁部155に沿って形成された比較的厚い縁部ビードを、ガラス分割器157によって、分割経路507a、507dに沿って除去して、均一な厚さを有する高品質のガラスシート104として中央部分152を提供できる。いくつかの実施形態では、ガラス分割器157は、レーザ、又はレーザと流体の冷却流との組み合わせを含んでよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ガラス製造装置100は、貯蔵用蓋付き容器109からバッチ材料107を受承するよう配向された溶融用容器105を含むことができる。バッチ材料107は、モータ113によって動力供給されるバッチ送達デバイス111によって導入できる。いくつかの実施形態では、任意のコントローラ115を用いてモータ113を起動し、矢印117で示すように、所望量のバッチ材料107を溶融用容器105に導入できる。溶融用容器105はバッチ材料107を加熱して、溶融材料121を提供できる。いくつかの実施形態では、ガラス溶融プローブ119を用いて、スタンドパイプ123内の溶融材料121の液位を測定し、測定した情報を、通信ライン125によってコントローラ115に通信できる。
【0042】
更にいくつかの実施形態では、ガラス製造装置100は第1の調質ステーションを含むことができ、上記第1の調質ステーションは、溶融用容器105の下流に配置され、第1の接続導管129によって溶融用容器105に連結された、清澄用容器127を含む。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第1の接続導管129によって、溶融用容器105から清澄用容器127へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、溶融用容器105から清澄用容器127へと第1の接続導管129の内部通路を通過するように推進できる。更にいくつかの実施形態では、様々な技法によって、清澄用容器127内の溶融材料121から気泡を除去できる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ガラス製造装置100は更に第2の調質ステーションを含むことができ、上記第2の調質ステーションは、清澄用容器127から下流に配置できる混合用チャンバ131を含む。混合用チャンバ131を用いて、溶融材料121の均質な組成物を提供でき、これによって、清澄用容器127を出る溶融材料121内に存在することになり得る不均質性を低減又は排除する。図示されているように、清澄用容器127は、第2の接続導管135によって混合用チャンバ131に連結できる。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第2の接続導管135によって、清澄用容器127から混合用チャンバ131へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、清澄用容器127から混合用チャンバ131へと第2の接続導管135の内部通路を通過するように推進できる。
【0044】
更にいくつかの実施形態では、ガラス製造装置100は第3の調質ステーションを含むことができ、上記第3の調質ステーションは、混合用チャンバ131から下流に配置できる送達用容器133を含む。いくつかの実施形態では、送達用容器133は溶融材料121を、流入導管141内へと供給するために調質できる。例えば送達用容器133は、溶融材料121の一貫した流れを調整して流入導管141へと提供するための、アキュムレータ及び/又は流れコントローラとして機能できる。図示されているように、混合用チャンバ131は、第3の接続導管137によって送達用容器133に連結できる。いくつかの実施形態では、溶融材料121は、第3の接続導管137によって、混合用チャンバ131から送達用容器133へと重力によって供給できる。例えばいくつかの実施形態では、重力は溶融材料121を、混合用チャンバ131から送達用容器133へと第3の接続導管137の内部通路を通過するように推進できる。更に図示されているように、いくつかの実施形態では、送達用パイプ139(例えば下降管)を、成形用容器140の流入導管141へと溶融材料121を送達するように位置決めできる。
【0045】
本開示の実施形態は、導管を備える成形用容器を有する装置を提供でき、上記導管は、上記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備える。いくつかの実施形態では、導管は、導管の領域内に溶融材料を内包しながら、溶融材料を導管の流れ方向に流すように構成できる。導管に加えて、本開示のいくつかの成形用容器は任意に、ガラスリボンをドロー加工するための成形用ウェッジ、ガラスリボンをスロットドロー加工するためのスロット、及び/又はガラスリボンを圧延成形するためのプレスロールを備えることができる。
【0046】
図2~5及び9~15は、成形用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501の実施形態を示し、これは、領域1101、1202を画定する内面1106、1207(図11及び12を参照)を備える周壁205、1205を備える、導管203、1203を備えてよい。領域1101、1202は、導管203、1203の流れ方向1103(図3~5、11、及び12)に延在できる。図3~6及び9~12に示すように、周壁205、1205の第1の部分204a、1204aは、少なくとも1つのスロット301、403、503を備えることができる。少なくとも1つのスロット301、403は単一の連続したスロットとして図示されているが、長さ1104に沿って位置合わせされた複数のスロットを設けてもよい。このような実施形態では、複数のスロット301、403は、図5及び6に示されている複数のスロット503と同様の、拡張された端部を含んでよい。更に、図示されていないが、少なくとも1つのスロット301、403、及び複数のスロット503は、長さ1104に沿って互いに平行に延在してよいスロットの複数の列を含むことができる。
【0047】
図9~12に示すように、1つ以上のスロット301、403、503は、周壁205、1205を通って延在する貫通スロットを含むことができる。図11及び12に示すように、いくつかの実施形態では、スロット301、403、503は、周壁205、1205の外周面1105、1206及び内面1106、1207において開くことができ、これにより、周壁205、1205の領域1101、1202と外周面1105、1206との間の連通を提供できる。
【0048】
図3及び4に示すように、本開示のいずれの実施形態のスロット301、403は任意に、導管203、1203の周壁205、1205の外周面1105、1206に沿って、対向する縁部方向決定器1107a、1107bの内側境界位置1106a、1106b間の長さ1104、例えば全長1104だけ延在する連続したスロットを含むことができる。図示されていないが、スロット301の幅は、本開示のいずれの実施形態において、例えばスロットの長さ1104に沿って同一とすることができる。あるいは、本開示のいずれの実施形態において、スロットの幅は長さ1104に沿って変動してよい。例えば図3に示すように、スロット301の幅は、流れ方向1103に沿って、第1の幅W1から第2の幅W2まで、例えば断続的又は連続的に増大してよく、ここで第2の幅W2は第1の幅W1より大きくてよい。更に、幅が連続的に増大する場合、スロット幅は任意に、一定の割合で連続的に増大してよいが、更なる実施形態では、割合が変化しながら連続的に増大してもよい。例えば図3に示すように、スロット301は任意に、第1の幅W1から第2の幅W2まで、流れ方向1103において一定の割合で連続して増大してよい。スロット301の幅が流れ方向1103に増大する、例えば連続的に増大することにより、使用時に、スロット301の長さ1104に沿った、スロット301を通る溶融材料の略同一の体積流量を提供するのを補助できる。
【0049】
いくつかの実施形態では、図3に示されている単一の連続したスロット301は、長さ1104に沿って位置合わせされた複数のスロットとして設けてよい。更に、複数のスロットを設ける場合、これらは任意に、図5及び6の拡張された端部と同様に、スロットとスロットとの間のブリッジに拡張された端部を備えてよい。更に、複数のスロットは、望ましい正規化体積プロファイルに近くなるように設計してよい。いくつかの実施形態では、図3に示すように、単一のスロット301を設けてよい。更なる実施形態では、少なくとも1つのスロット301は2つのスロットを含むことができ、これら2つのスロットは、これら2つのスロットの間の(以下に記載の部分617と同様の)部分を備えてよく、これにより、以下に記載の強化用ブリッジを提供する。2つのスロットの間の上記部分は、図3に示されている長さ1104の対称中心に位置してよい。2つのスロットを含む実施形態の場合、スロットの対応する端部は任意に、(図5及び6と同様の)拡張された部分を備えてよく、これにより、スロットの間の部分、例えばブリッジによって発生する流れの損失の補償を補助できる。更なる実施形態では、2つのスロットの対応する端部は、拡張された端部を備えなくてもよく、これによりいくつかの実施形態では、スロットの中央部分において、望ましい流れの低減が提供される。更なる実施形態では、少なくとも1つのスロット301は、長さ1104に沿って位置合わせされた3つ以上のスロットを備えることができる。
【0050】
更なる実施形態では、図4に示すように、スロット403は、第2の幅W2を備える中間部分404から、第1の端部幅W1aを有する第1の外側端部405a、及び第2の端部幅W1bを有する第2の外側端部405bへと、例えば断続的又は連続的に減少させることにより、長さ1104に沿って変化させることができる。図示されているように、第2の端部幅W2は、第1の外側端部405aの第1の端部幅W1a、及び第2の外側端部405bの第2の端部幅W1bよりも大きくすることができる。実際には図4に示すように、第1の外側端部405aは、流れ方向1103の反対の第1の方向407aに先細にすることができ、また第2の外側端部405bは、第1の方向407aの反対の、流れ方向1103である第2の方向407bに先細にすることができる。いくつかの実施形態では、図示されているように、第1の端部幅W1a、及び第2の端部幅W1bは、スロット403の外側端部405a、405b両方において互いに同一とすることができる。更なる実施形態では、端部幅のうちの一方を他方の端部幅より大きくすることができるが、これらの端部幅はいずれも上記第2の幅より小さくてよい。例えば図7は、図4と同様の連続したスロットのスロット幅プロファイル701の一実施形態を示し、これは、水平軸又は「X」軸上に示されているスロットの長さに対して、垂直軸又は「Y」軸上に示されているスロット幅を有する。図7に示すように、第1の外側端部405aの第1の端部幅W1aは約3.5で始まってよく、その一方で第2の外側端部405bの第2の端部幅W1bは、より大きな約3.8の幅で終わってよい。図7に更に示すように、中間部分404の第2の端部幅W2は、第1の端部幅W1a及び第2の端部幅W1bの両方より大きくすることができる。図8は、図7のスロット幅プロファイル701の水平軸又は「X」軸上に示されているスロットの長さに対して、垂直軸又は「Y」軸上にモデル正規化体積流量を示す。正規化プロット801は、導管203の領域1101を通過する溶融材料121の正規化体積流量を表し、領域1101を通過する溶融材料121の、まだスロット403を通過していない体積は、第1の外側端部405aから第2の外側端部405bへと漸減する。正規化プロット803は、スロット403を通過する溶融材料121の正規化体積流量を表す。正規化体積流量プロファイル803によって示されているように、図7に示されている中間部分404のスロット幅は、第1の外側端部405a及び第2の外側端部405bのそれぞれにおいて徐々に先細となる、正規化体積流量中央領域805を提供できる。図示されているように、第1の外側端部405aにおける正規化体積流量プロファイル803の先細化は、第2の外側端部405bに関して概ね対称に配置できる。よって図7のスロット幅プロファイル701は、中央領域における、スロット403を通る溶融材料の正規化体積流量を提供でき、ここで、スロット403の第1の外側端部405a及び第2の外側端部405bにおいて体積流量が同様に減少する。このような正規化体積流量プロファイル803により、外側端部405a、405bに比べてより多くの溶融材料121を中間部分404に通すことができる。図示されているように、外側端部において溶融材料の体積流量を減少させると、成形デバイスからドロー加工されるリボンの縁部ビードに供給される材料の量が削減されることにより、上記縁部ビードのサイズ及び/又は厚さが削減された、実施形態を提供できる。
【0051】
図7のスロット幅プロファイル701は、図4に示されている連続したスロット403を表す連続的なスロットとして示されている。いくつかの実施形態では、上述のように、図4に示されている単一の連続したスロット403を、長さ1104に沿って位置合わせされた複数のスロットとして設けてよい。複数のスロットを有するいくつかの実施形態では、スロット幅プロファイルは、図7のスロット幅プロファイル701と同様に見えるかもしれないが、複数のセグメントで図示されており、これらは、長さに沿って位置合わせされた、セグメント化されたスロットを表す。更に、複数のスロットを設ける場合、これらは任意に、図5及び6の拡張された端部と同様に、スロットとスロットとの間のブリッジに拡張された端部を備えてよい。更に、複数のスロットは、図8に示されている正規化体積プロファイル803に近くなるように設計してよい。いくつかの実施形態では、図4に示すように、単一のスロット403を設けてよい。更なる実施形態では、2つのスロットは、これら2つのスロットの間の(以下に記載の部分617と同様の)部分を備えてよく、これにより、以下に記載の強化用ブリッジを提供する。2つのスロットの間の上記部分は、図4に示されている長さ1104の対称中心に位置してよい。2つのスロットを含む実施形態の場合、スロットの対応する端部は任意に、(図5及び6と同様の)拡張された部分を備えてよく、これにより、スロットの間の部分、例えばブリッジによって発生する流れの損失の補償を補助できる。更なる実施形態では、2つのスロットの対応する端部は、拡張された端部を備えなくてもよく、これによりいくつかの実施形態では、スロットの中央部分において、望ましい流れの低減が提供される。更なる実施形態では、長さ1104に沿って位置合わせされた3つ以上のスロットを備えることができる。
【0052】
本開示の実施形態は、図3、4、7、及び8に関して上述したスロット301、403等のスロットを製造する方法を含むことができる。例えば図4を参照すると、上記方法は、スロット403を通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dx(例えば図8の803を参照)を:
【0053】
【数7】
【0054】
(ここでμ(x)は溶融材料の所定の粘度を表し、Rは導管203の内半径(図9及び10を参照)を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、並びに
【0055】
【数8】
【0056】
(ここで「h」(図9及び10を参照)は導管203の周壁205の厚さを表す)の関数として達成するように、スロット403の幅プロファイルd(x)を決定するステップを含むことができる。図3及び4に示すように、例えば、長さ1104に沿って延在する単一のスロットが存在するため、「n」は「1」に等しくなる。図示されていないが、長さ1104に沿って互いに対して平行に延在する2つのスロットが存在する場合、「n」は「2」に等しくなる。幅プロファイルd(x)を決定するステップは、長さ1104に沿った連続したスロットを含むスロット301、403に対して実施できる。更なる実施形態では、幅プロファイルd(x)は、長さ1104に沿って延在する、位置合わせされた複数のスロットの各スロットに関して決定できる。上記方法は更に、決定された幅プロファイルd(x)に基づいてスロット301、403を形成する(例えば機械加工する)ステップを含むことができる。例えば上記方法は、決定された幅プロファイルd(x)(例えば図7のスロット幅プロファイル701を参照)を用いてスロット403を形成するステップを含むことができる。あるいは、決定された幅プロファイルd(x)に基づいてスロット403を形成する上記ステップは、スロットの寸法を変化させる恐れがある、予測される熱膨張、弾性変形、及び/又は非弾性変形(例えばクリープ若しくは他の恒常的変形)に基づいて決定された幅プロファイルd(x)の予測される変化を補償するために、決定された幅プロファイルd(x)を増減させるステップを含むことができ、上記スロットの寸法は、導管の予想寿命にわたって、及び/又は使用時に導管203を通過する溶融材料を用いた製造工程の予測される長さの間に、計算又は推定できる。このような予想される変化の補償は、最終的に、装置の寿命の延長、及び/又は材料のより経済的な使用(例えばより薄い白金製壁)をもたらすことができる。決定された幅d(x)に基づいて形成されたスロット301、403は、導管203の周壁205を通って延在する。本開示全体を通して、1つ以上のスロットの形成のいくつかの例示的実施形態は、1つ以上のスロットを機械加工する(例えば切断、鋸引き、穿孔、又は研削によって機械加工する)ステップを含むことができる。導管203内に形成される実際の幅プロファイルd(x)は、形成(例えば機械加工)の許容誤差に基づいて、望ましい幅プロファイルd(x)とは異なる場合があり、上記許容誤差は、例えば、望ましい幅プロファイルd(x)の特定の位置において、望ましい幅の100マイクロメートル以内、50マイクロメートル以内、20マイクロメートル以内、10マイクロメートル以内である。
【0057】
スロット403を上述のようにして形成した後、全体として図4に示すように、また図7の例示的なスロット幅プロファイル701によって示されているように、スロット403は、第1の外側端部405a、第2の外側端部405b、及び第1の外側端部405aと第2の外側端部405bとの間に位置決めされた中間部分404を備えることができる。溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dx(例えば図8の803を参照)によって更に示されているように、スロット403を通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、中間部分の位置における溶融材料体積流量を含むことができ、上記溶融材料体積流量は、第1の外側端部405aの位置及び第2の外側端部405bの位置におけるものよりも大きい。このような構成の場合、図7に示すように、中間部分404の第2の幅W2は、第1の外側端部405aの第1の端部幅W1aよりも大きくすることができ、中間部分404の第2の幅W2は更に、第2の外側端部405bの第2の端部幅W1bよりも大きくすることができる。更に、図4及び7に示すように、第1の外側端部405aは方向407aに先細とすることができ、第2の外側端部405bは方向407aの反対の方向407bに先細とすることができる。
【0058】
従って上述のように、本開示の実施形態は、導管内への1つのスロット又は複数のスロットの決定された幅プロファイルd(x)に基づいて上記1つのスロット又は複数のスロットを形成する(例えば機械加工する)ことによって、溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを達成できる。形成後、1つ以上のスロットは、望ましい体積流量プロファイルdQ(x)/dxを、この1つ以上のスロットを通して送達でき、これにより、上記1つ以上のスロットを通って流れる溶融材料の望ましい流れ特性を提供することによって、望ましいガラスリボン属性を提供できる。例えば上述のように、所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、ガラスリボンの中央部分を形成する材料に比べて低減された、ガラスリボンの縁部を形成する溶融材料の望ましい削減された流れのために、スロットの外縁部の流れを削減するのを補助するために提示できる。次に本開示の方法は、望ましい所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxにより厳密に一致する実際の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを提供できる対応する幅プロファイルを有する、1つのスロット又は複数のスロットを、更に精密に形成するために、望ましい所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxに基づいて幅プロファイルd(x)を決定するステップを含むことができる。
【0059】
更なる実施形態では、導管の周壁に既に設けられている既存の1つのスロット又は複数のスロットを通って流れる溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを予測することが望まれる場合がある。例えば本開示の方法は、所与の成形用容器の実際の体積流量プロファイルを決定するために、導管を設置して実際の溶融材料を導管に通すことを必ずしも必要とすることなく、体積流量プロファイルを予測できる。いくつかの実施形態では、方法は、様々な導管の1つのスロット又は複数のスロットを通る予測体積流量プロファイルdQ(x)/dxを決定した後、特定の用途に最も望ましい体積流量プロファイルdQ(x)/dxを提供すると判断された導管を選択できる。体積流量プロファイルdQ(x)/dxを予測する上記方法は、導管の既存のスロット(例えば単一の既存のスロット、又は複数のスロットのうちの1つの既存のスロット)の幅プロファイルd(x)を測定するステップを含むことができる。次に上記方法は、スロットを通る溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0060】
【数9】
【0061】
(ここでμ(x)は溶融材料の所定の粘度を表し、Rは導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0062】
【数10】
【0063】
(ここで「h」は導管の周壁の厚さを表す)の関数として決定できる。
【0064】
複数のスロットを有する実施形態では、体積流量プロファイルdQ(x)/dxを、複数のスロットの各スロットに関して決定してよく、続いて複数のスロットを通る全体としての流量プロファイルを、複数のスロットの各スロットを通る体積流量プロファイルの合計に基づいて決定できる。
【0065】
いくつかの実施形態では、装置は導管203を備えることができ、この導管203は、導管203の流れ方向1103に延在する領域1101を画定する周壁205を備える。周壁205の第1の部分204aは、周壁205を通って延在するスロット403を備えることができる。スロット403は領域1101と流体連通でき、また第1の外側端部405aと第2の外側端部405bとの間に延在する長さ1104を備えることができる。スロット403の長さ1104に沿ったスロット403の幅プロファイルd(x)は、スロット403を通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0066】
【数11】
【0067】
(ここでμ(x)は溶融材料の所定の粘度を表し、Rは導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0068】
【数12】
【0069】
(ここで「h」は導管203の周壁205の厚さを表す)の関数として達成するように構成できる。
【0070】
複数のスロットを有する実施形態では、複数のスロットの各スロットを、これらのスロットを組み合わせると全体としての望ましい体積流量プロファイルdQ(x)/dxに近づくような、体積流量プロファイルdQ(x)/dxを達成するように構成できる。
【0071】
以下で更に完全に説明されるように(例えば図9を参照)、成形用ウェッジ207はスロット403から下流に位置決めでき、ここで成形用ウェッジ207は、集束して基部915を形成する第1のウェッジ面913a及び第2のウェッジ面913bを備えることができる。図4に示され、また既に説明されているように、スロット403の第1の外側端部405a及び第2の外側端部405bはそれぞれ、反対の方向407a、407bに先細とすることができる。図8の正規化体積流量プロファイル803によって示されているように、いくつかの実施形態では、スロット403を通る溶融材料121の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、中間部分404の位置において、スロット403を通る溶融材料121の所定の体積流量を提供でき、上記所定の体積流量は、第1の外側端部405aにおいてスロット403を通る溶融材料の所定の体積流量よりも大きく、また第2の外側端部405bにおいてスロット403を通る溶融材料121の所定の体積流量よりも大きい。
【0072】
本開示のいずれの実施形態では、導管は、スロットの端部のうちの一方に少なくとも1つの拡張された部分を備えてよい複数のスロットとして提供できるが、更なる実施形態は、拡張されていない端部を含んでよい。例えば図5を参照すると、装置の成形用容器501は、上述のような導管203を含んでよい。上述のように、導管203はまた、流れ方向1103(図5を参照)に延在する領域1101(図9を参照)を含むことができる。図示されているように、周壁205の第1の部分204aは、周壁205を通って延在する複数のスロット503を含むことができる。複数のスロット503の各スロットは、領域1101と流体連通した状態で提供できる。図6に示すように、複数のスロット503のうちの少なくとも1つのスロットは、第1の端部長602aを有する第1の端部605aと、第2の端部長602bを有する第2の端部605bとの間に延在する、中間部長さ603を有する中間部分611を備えることができる。第1の端部605a、第2の端部605b、及び中間部分611は全て、スロットの全長601内に含まれており、この全長601は、中間部分611の中間部長さ603、第1の端部605aの第1の端部長602a、及び第2の端部605bの第2の端部長602bの合計で構成される。本出願の目的のために、第1の端部605aは、スロットのうちの、スロットの第1の外側端部から全長601の33%以内の部分として考える。同様に、本出願の目的のために、第2の端部605bは、スロットのうちの、スロットの第2の外側端部の全長601の33%以内の部分として考える。中間部分611は、スロットのうちの、第1の端部605aと第2の端部605bとの間に位置する部分として考える。よって図6に示すように、第1の端部長602a及び第2の端部長602bはそれぞれ、スロットの全長601の33%を含み、中間部長さ603はスロットの全長601の34%を含む。
【0073】
図示されているように、第1の端部605a及び第2の端部605bはそれぞれ、スロットの全長601に対して垂直な方向に沿って、対応する最大幅609を有する。いくつかの実施形態では、ある端部に関連する拡張された部分は、この対応する端部の最大幅に等しい最大幅を有することができる。例えば図6に示すように、拡張された部分はそれぞれ、対応する端部605a、605bそれぞれの最大幅609に等しい最大幅を有することができる。
【0074】
更に、図示されているように、スロットの拡張された部分は、端部605a、605bのうちの一方又は両方に関連していてよい。例えば図示されている実施形態では、複数のスロット503のうちの中央のスロットは、図示されている球状の部分のような、両方の端部605a、605bに関連する拡張された部分を備えることができる。図5に示すように、いくつかの実施形態では、複数のスロット503のうちの外側のスロット504a、504bは、端部605a、605bのうちの1つに関連する単一の拡張された部分を備えることができるが、更なる実施形態では、外側のスロット504a、504bは、両方の端部605a、605bに関連する拡張された部分を含んでもよい。また更なる実施形態では、図示されていないが、中央のスロット(即ち外側のスロット504a、504bの間のスロット)のうちの1つ以上は、中間部分611の最大幅607より大きな最大幅609を有する、スロットの端部605a、605bのうちの1つに関連する単一の拡張された部分を備えることができる。あるいはいくつかの実施形態では、端部605a、605bそれぞれが、中間部分611の最大幅607より大きな最大幅609を有することができる。
【0075】
図示されているように、いくつかの実施形態では、端部605a、605bに関連する両方の拡張された部分の長さは、対応する端部605a、605bの対応する長さ602a、602bと同一でなくてよい。例えば図示されているように、端部605a、605bに関連する拡張された部分はそれぞれ、対応する第1の端部長602a及び対応する第2の端部長602bよりも短い長さを有してよい。更なる実施形態では、図示されていないが、拡張された端部が設けられている場合、その一方又は両方は、対応する第1の端部長602a及び対応する第2の長さ602b以上の長さを有してよい。従って、拡張された端部の長さは、対応する端部605a、605bの対応する長さ602a、602bより大きいか、小さいか、又はこれと等しくてよい。更に、図示されているように、第1の端部605aに関連する拡張された部分の長さは、第2の端部605bに関連する拡張された部分の長さに等しい。更なる実施形態では、図示されていないが、第1の端部605aに関連する拡張された部分の長さは、第2の端部605bに関連する拡張された部分の長さより小さくても大きくてもよい。
【0076】
中間部分611の幅607は、スロットの長さ601の方向に対して垂直な方向に、第1の側部613aと第2の側部613bとの間に画定できる。いくつかの実施形態では、図示されているように、側部613a、613bは略直線状とすることができるが、更なる実施形態では、他の形状の側部を設けてもよい。図5に示すように、複数のスロット503の各スロットは、直線状の、互いに対して平行な側部613a、613bを有してよい。例えば図5を参照すると、全てのスロットは、直線状の、互いに対して平行な、対応する側部613a、613bを有してよく、ここで全ての側部613aは、第1の共通の直線経路に沿って位置合わせされ、また全ての側部613bは、第2の共通の直線経路に沿って位置合わせされ、各スロットの側部613aと側部613bとの間の幅607は、互いに同一である。図示されていないが、複数のスロットは、直線状の、互いに対して平行な側部613a、613bを備えてよく、ここで少なくとも1つのスロットは、複数のスロットのうちの別のスロットの側部613aと側部613bとの間の幅607とは異なる、側部613aと側部613bとの間の幅607を有する。
【0077】
図6は代替実施形態を示し、ここでは、中間部分611の側部613a、613bは略直線状であってよく、また互いに対して鋭角に配設されていてよく、これにより、側部613a、613bは対応する経路615a、615bをたどって、ある方向(例えば方向407a及び/又は407b)に沿って互いに向かって集束する。いくつかの実施形態では、スロットの中間部長さ603は、流れ方向1103に連続的に減少でき、又は図示されているように、流れ方向1103と反対の方向に連続的に減少できる。従っていくつかの実施形態では、複数のスロット503のうち、第1のスロットのセット、及び第2のスロットのセットはそれぞれ、図4に示されているものと同様の様式で、第1のスロットのセットに関して流れ方向1103に、及び第2のスロットのセットに関して流れ方向1103の反対の方向に先細になった経路615a、615bをたどる、側部613a、613bを含むことができる。あるいはいくつかの実施形態では、複数のスロット503のうちの全てのスロットは、(例えば図3に示されているものと同様の様式で)流れ方向1103又は流れ方向の反対方向に先細になった、対応する側部613a、613bを有してよい。
【0078】
図示されていないが、(例えば図3及び/又は4に示されているものと同様の)一方又は両方の方向407a、407bの有効な先細化は、複数のスロットが、直線状の互いに対して平行な中間部分611の側部613a、613bを有するものの、方向407a、407bのうちの1つ以上において漸減する幅607を有することによって、達成できる。例えばいくつかの実施形態では、第1の端部スロットの中間部分611の幅607は、図3のW1と同様の幅607を有してよく、反対側の端部スロットは、図3に示されているW2と同様の幅607を有する中間部分611を含んでよく、ここでこれらの端部スロットの間にある各スロットの中間部分611の幅607は、第1の端部スロットから第2の端部スロットへと流れ方向1103に漸増する。いくつかの代替実施形態では、第1の端部スロットの幅607は、図4に示されているスロットの外側端部の幅W1aと同様の幅607を有してよく、反対側の第2の端部スロットは、図4に示されているスロットの外側端部の幅W1bと同様の幅607を有してよい。第1のスロットのセットの中間部分611の幅607は、流れ方向1103と反対の方向に、図4に示されているスロットの中間部分の幅W2と同様の幅607から、図4に示されているスロットの外側端部の幅W1aと同様の幅607へと漸減してよい。同様に、第2のスロットのセットの中間部分611の幅607は、流れ方向1103に、図4に示されているスロットの中間部分の幅W2と同様の幅607から、図4に示されているスロットの外側端部の幅W1bと同様の幅607へと漸減してよい。
【0079】
従って、複数のスロット503の各スロットの幅607、及び図3~7に関して上述した代替実施形態は、使用時にスロットを通って流れる望ましい溶融材料プロファイルを達成するために、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、図6に示すように、導管203の部分617は、複数のスロット503のうちの隣り合ったスロットのペアの各スロットを隔てることができる。線9‐9に沿った切断面に対して平行な切断面に沿った、部分617における導管203の断面は、図9と同様に見えるかもしれないが、スロットが部分617に置き換えられた、中断されていない壁を備える。よって部分617は、導管203を強化する中断されていない壁205を有する、導管のセグメントの一部である。実際には、部分617は、導管203の寸法及びスロット503の寸法の維持を補助できる。
【0081】
いくつかの実施形態では、スロットは、図示されている球状の端部等の拡張された端部を含んでよく、これにより、端部における溶融材料の流れの増大を補助して、隣り合ったスロットの端部に余剰の溶融材料を供給し、導管203の部分617によって引き起こされる溶融流の不連続性を改善する。拡張された端部はスロットの対応するペアの各端部に設けられるが、いくつかの実施形態では、一方の端部に拡張された端部を設けてもよい。1つ以上の拡張された端部を設けるために、各スロットの中間部分611の中間部長さ603に沿った最大幅607を、第1の端部605aの最大幅609及び/又は第2の端部605bの最大幅609よりも小さくすることができる。例えば図6に示すように、中間部分611の中間部長さ603に沿った最大幅607を、第1の端部605a及び第2の端部605bの両方の最大幅609よりも小さくすることができる。拡張された端部は球状の端部として図示されているが、更なる実施形態では、非円形の形状を提供してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数のスロット503は、図5に示すような3つのスロットよりも多い、いずれの個数のスロットを備えてよい。更なる実施形態では、2つのみのスロットが、強化用ブリッジを提供するための、2つのスロットの間の部分617を備えてもよい。2つのスロットの間の部分617は、図5に示されている長さ1104の対称中心に配置できる。2つのスロットを含む実施形態の場合、部分617を画定するスロットの対応する端部は任意に、拡張された部分を備えてよく、これにより、スロットの間の部分617によって発生する流れの損失の補償を補助できる。2つのスロットを備える実施形態において、いくつかの実施形態では、対応するスロットの内側端部のみが拡張された端部を有してよく、ここでスロットは、スロット504a、504bと同様の対応する構成を有してよい。更なる実施形態では、長さ1104に沿って位置合わせされた3つ以上のスロットを設けてよい。
【0083】
図9及び12から分かるように、本開示のいずれの実施形態では、スロット301、403、又は複数のスロット503は、導管203、1203の最上部の頂点において、周壁205、1205の第1の部分204a、1204aに設けることができる。いくつかの実施形態では、本開示のいずれの実施形態の1つ以上のスロット301、403、503は、直線経路に沿って位置合わせされていてよい。例えば図5に示すように、複数のスロット503の各スロットは、直線経路505に沿って互いに対して位置合わせされていてよい。更なる実施形態では、図3及び4に示すように、スロット301、403は、直線経路に沿って連続して延在できる。更に図示されているように、1つ以上のスロットがそれに沿って延在する直線経路は、導管の流れ方向1103に延在できる。更に図9に示すように、いくつかの実施形態では、1つ以上のスロット301、403、503の直線状流れ経路、流れ方向1103、及び成形用ウェッジ207の基部915が全て、共通平面に沿って延在できる。図9に示すように、共通平面は、図示されている切断線11‐11に沿って延在する、導管203、1つ以上のスロット301、403、503、及び基部915を二等分する垂直平面を含むことができる。上記最上部の頂点に沿って導管、基部、及び1つ以上のスロット301、403、503を二等分することによって、上記1つ以上のスロットを出る溶融材料を、反対方向に流れる流れ925a、925bに均等に分割するのを補助できる。図示されていないが、導管を二等分する垂直平面がスロットも二等分できるか、又はスロットに対して平行となることができるように延在する、複数のスロットを設けてもよい。例えば、スロットのうちの1つ以上のペアを、導管を二等分する垂直平面に関して対称に配置してよく、ここで上記スロットのペアの各スロットは、導管の対応する各側部に、これら専用の溶融材料の流れを提供する。必須ではないが、スロットのペアを垂直平面に関して対称に配置することにより、導管の対応する各側部から、溶融材料の同等の流量を提供することを補助できる。
【0084】
導管203、1203の周壁205、1205は例えば、白金又は白金合金で構成された白金製壁を含んでよいが、溶融材料と適合した、上昇した温度において構造的完全性を提供する他の材料を提供してもよい。更なる実施形態では、周壁205、1205の全体が、白金若しくは白金合金を含むか、又は白金若しくは白金合金から本質的になってよい。従って、いくつかの実施形態では、導管は、領域1101、1202を画定する周壁205、1205を備える白金製導管203、1203を備えることができる。更に、白金製導管203、1203が設けられている場合、これは上述のように1つ以上のスロット301、403、503を含むことができ、これらは、周壁205、1205を通って延在できる。上述のように、1つ以上のスロット301、403、503は、周壁205、1205の領域1101、1202及び外周面1105、1206と流体連通する貫通スロットを含むことができる。
【0085】
導管(例えば白金製導管203、1203)の材料コストを削減するために、導管の周壁205、1205の厚さ「h」は例えば約3ミリメートル(mm)~約7mmとすることができるが、更なる実施形態では、他の厚さを用いてもよい。約3mm~約7mmの範囲内の厚さ「h」を導管に提供することにより、導管に望ましいレベルの構造的完全性を提供するために十分に大きな厚さを提供できる一方で、導管(例えば白金製導管)を製造するための材料のコストを削減するために最小限に抑えることができる厚さも提供できる。
【0086】
導管203、1203の周壁205、1205は、製造及び/若しくは組み立てコストを削減するため、並びに/又は導管203、1203の機能性を向上するための、様々なサイズ、形状、及び機能性を備えることができる。例えば図示されているように、周壁205、1205の外周面1105、1206及び/又は内面1106、1207は、流れ方向1103に対して垂直方向に得られる断面に沿って、円形の形状を備えてよいが、更なる実施形態では、他の曲線形状(例えば楕円)又は多角形形状を提供してもよい。外周面及び内周面の両方の、円形状等の曲線形状を提供することにより、一定の厚さの周壁を提供でき、また高い構造的強度を有する壁を提供でき、導管203、1203の領域1101を通る溶融材料の一貫した流れを促進するのを補助できる。
【0087】
本開示のいずれの実施形態の、流れ方向に対して垂直方向に得られる上記領域の断面積は、流れ方向に沿って同一のままとすることができる。例えば図11に示すように、流れ方向1103に対して垂直方向に得られる領域1101の断面積は、流れ方向1103において同一のままとすることができる。実際には図11に示すように、領域1101の上流位置における断面積A1は、領域1101の下流位置における断面積A2と略等しくすることができる。更に、図9~11から分かるように、導管203の外周面1105及び/又は内面1106は、長さ1104に沿って同一の円形状(又は他の形状)を有することができる。このような実施形態では、1つ以上のスロットに沿った様々な位置における、1つ以上のスロット301、403、503を通る体積流量を、上述のように1つ以上のスロット301、403、503の幅を流れ方向1103及び/又は流れ方向1103の反対の方向に修正することによって制御できる(例えば略同一に維持できる)。
【0088】
あるいは、本開示のいずれの実施形態の、流れ方向に対して垂直方向に得られる上記領域の断面積は、流れ方向に沿って変動してもよい。例えば図12に示すように、導管1203の流れ方向1103に対して垂直方向に得られる領域1202の断面積は、導管1203の流れ方向1103に減少させることができる。実際には図12に示すように、領域1202の上流位置における断面積A1は、領域1202の下流位置における断面積A2よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、図示されているように、上記断面積は、流れ方向1103に沿ってA1からA2まで(例えば一定の割合で)連続的に減少させることができるが、この断面積は、変動する割合で減少させてもよく、又は段階的に減少してもよい。流れ方向1103に沿って一定の割合で断面積を連続的に減少させることにより、スロットの長さに沿って、1つ以上のスロット301、403、503を通る溶融材料の、更に一貫した流量を提供できる。更に図12から分かるように、導管1203の外周面1206及び/又は内面1207は、長さ1104に沿って、幾何学的に同様の円形の断面形状を有することができる。このような実施形態では、1つ以上のスロットに沿った様々な位置における、1つ以上のスロット301、403、503を通る堆積流量を、流れ方向1103に沿った領域1202の断面積を減少させることのみによって、又はこれと、上述のように流れ方向1103及び/又は流れ方向の反対の方向において1つ以上のスロット301、403、503の幅を増大させることとを組み合わせることによって、制御できる(例えば略同一に維持できる)。
【0089】
本開示のいずれの実施形態の導管203、1203(例えば白金製導管)は、連続した導管を含むことができるが、更なる実施形態では、セグメント化された導管を設けてもよい。例えば図11~14に示すように、導管203、1203は、導管の長さに沿ってセグメント化されていない連続した導管を含むことができる。このような連続した導管は、構造的強度が向上したシームレスな導管を提供するために有益となり得る。いくつかの実施形態では、セグメント化された導管を設けてもよい。例えば図15に示すように、成形用容器1501の導管203、1203(例えば白金製導管)は任意に、導管セグメント1503a、1503b、1503cを備えることができ、これらは、隣り合った導管セグメントのペアの当接する端部間の接合部1505a、1505bにおいて、1つに直列に接続できる。いくつかの実施形態では、上記接合部は、導管セグメント1503a、1503b、1503cを、スロット301の長さに沿って延在する一体型の導管として一体に接合するための、溶接された接合部を含んでよい。導管を一連の導管セグメント1503a、1503b、1503cとして提供することにより、一部の用途において、導管の製造を簡略化できる。
【0090】
成形用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501の実施形態は任意に、支持部材903、1003(図9及び10を参照)を含むことができ、これらは導管203、1203と領域1101、1202内の溶融材料との重量を支持するように位置決めされる。図10に示すように、支持部材1003は、導管203、1203及び関連する溶融材料の重量を支持するよう設計された上面1005を含むことができる。上部支持面1005は平坦な表面として図示されているが、更なる実施形態では、凹面等の他の表面を設けてもよい。凹面として設けられる場合、この凹面は、導管203、1203の外周面1105、1206の凹面セグメントと幾何学的に同様となり得、これにより、支持面1005に対する導管の位置決め、及び支持面1005に沿った導管の重量の更に均等な分散を補助するための、クレードルを提供できる。
【0091】
更なる実施形態では、導管203、1203及び導管に関連する溶融材料の重量の支持に加えて、上記支持部材は、導管203、1203の形状及び/又は寸法、例えば1つ以上のスロット301、403、503の形状及び寸法の維持を補助するように構成してよい。例えば、成形用容器140、401、501、1201、1401、1501の実施形態は、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bを受承するエリア909を画定する支持面905を備える支持部材903(図9、11、及び12を参照)を含むことができる。図9、11、及び12に示すように、周壁205、1205の第1の部分204a、1204aは、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bと対向させることができる。その結果、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bに関連する、導管203、1203の最下部は、支持部材903の支持部材905によって画定されるエリア909内に受承され、着座できる。いくつかの実施形態では、図9に示すように、支持部材903の支持面905は、導管203、1203の周壁205、1205の外周面1105、1206の約25%~約60%を取り囲むことができる。外周面1105、1206の約25%~約60%を取り囲む支持面を設けることにより、1つ以上のスロット301、403、503の幅の望ましくない増大を発生させることになり得る、導管203、1203の周壁205、1205の対向する部分の横方向変形の防止を補助できる。更にいくつかの実施形態では、図5及び6に関して上述した導管の部分617によって隔てられた複数のスロット503は更に導管の強度を向上でき、これにより、導管203、1203の周壁205、1205の対向する部分の横方向変形の防止を更に補助でき、またスロット503の幅の維持を補助できる。よって、外周面1105、1206の少なくとも一部分を取り囲むことにより、変形の防止を補助でき、これにより、スロットの長さ1104に沿った1つ以上のスロット301、403、503の幅の寸法を維持することで、使用時にスロット301を通る溶融材料の一貫した流れ特性を提供できる。更に、本開示のいずれのスロットを複数のスロット(例えば強化用部分617を有する複数のスロット)として提供することにより、変形の防止、及び1つ以上のスロット301、403、503の幅の寸法の維持を更に補助できる。また更に、導管203、1203の断面形状を、望ましい所定の形状に維持することによって、流れ方向1103に沿って移動する溶融材料の望ましい特性の維持を補助してもよい。
【0092】
図9、11~13に示すように、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bを受承するエリア909の深さ「D」は、1つ以上のスロット301、403、503の長さ1104に沿って略同一のままとすることができる。あるいは図14~15に示すように、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bを受承するエリア909の深さは、1つ以上のスロット301、403、503の長さ1104に沿って変動してよい。このような実施形態は、必要な横方向支持が比較的小さいエリアの支持部材を形成するために必要な材料の量を最小限に抑えながら、更なる横方向支持が必要とされ得る位置において、追加の横方向支持のために増大させた深さを更に提供できる。例えば図14に示すように、周壁の第2の部分204b、1204bを受承するエリア909の深さは、導管203、1203の流れ方向1103において測定されたスロット301の長さ1104の約33%未満の位置において、最も深い深さ「D2」とすることができる。いくつかの実施形態では、周壁の深さは、流入導管141の上端の対称中心線からの、流れ方向1103における導管203、1203の軸方向長さの約33%以下の位置において、最大とすることができる(図1を参照)。上述のように、導管203、1203の軸方向長さの約33%以下、例えば1つ以上のスロット301、403、503の長さ1104の約33%未満の位置において、増大させた深さ「D2」を設けることにより、応力が最大となる位置において導管203、1203の横方向支持を最大化しながら、1つ以上のスロット301、403、503の幅等の導管203、1203の寸法の維持のために必要な横方向支持が比較的小さい他の位置において、深さを(例えば深さ「D1」に)削減できる。
【0093】
上述のように、図15に示すように、成形用容器1501の導管203、1203(例えば白金製導管)は任意に、導管セグメント1503a、1503b、1503cを備えることができ、これらは、隣り合った導管セグメントのペアの当接する端部間の接合部1505a、1505bにおいて、1つに直列に接続できる。このような実施形態では、図15に示すように、周壁205、1205の第2の部分204b、1204bを受承するエリア909の深さ「D2」は、導管セグメント1503a、1503b、1503cの他の位置1507bにおいてよりも、接合部1505a、1505bの横方向位置1507aにおいて大きくすることができる。上述のように、接合部1505a、1505bの横方向位置1507aにおいて、増大させた深さ「D2」を設けることにより、いくつかの実施形態では、接合部のいずれの不連続性を原因として応力集中が発生する位置において導管203、1203の横方向支持を最大化しながら、必要な横方向支持が小さい中間位置1507bにおいて深さを削減できる。
【0094】
本開示の支持部材903、1003は例えば、単一のモノリシックな支持部材(例えば単一のモノリシックな支持ビーム)として提供できる。いくつかの代替実施形態では、図9~15に概略図で示すように、支持部材903、1003は任意に、第1の支持ビーム904a、1004aと、上記第1の支持ビームを支持する第2の支持ビーム904b、1004bとを含むことができる。図示されているように、第1の支持ビーム904a、1004a、及び第2の支持ビーム904b、1004bは、支持ビームの積層体で構成でき、ここでは、第1の支持ビーム904a、1004aが、第2の支持ビーム904b、1004bの上に積み重ねられる。支持ビームの積層体を提供することにより、製作を簡略化でき、及び/又は製作のコストを削減できる。例えばいくつかの実施形態では、第2の支持ビーム904b、1004bを第1の支持ビーム904a、1004aよりも長くすることができ、第2の支持ビーム904b、1004bの対向する端部が、図1及び2に示すように対向する位置158a、158bにおいて、支持されることになる(例えば単に支持される)基部915の幅の横方向外側に延在できる。従って第2の支持ビーム904b、1004bは、形成されるガラスリボン103の幅「W」より長くすることができ、成形用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501を通って横方向に延在する中空エリア912を通って延在して、成形用容器の長さに沿って成形用容器を完全に支持できる。更に、第2の支持ビーム904b、1004bは、図示されている長方形等の形状を有してよいが、中空形状、Iビームの形状、又は他の形状を提供することによって、支持ビームに比較的高い曲げ慣性モーメントを依然として提供しながら、材料コストを削減できる。更に、第1の支持ビーム904a、1004aを、導管を支持するための形状で製作することによって、上述のような導管の形状及び寸法の維持を補助できる。
【0095】
いくつかの実施形態では、第1の支持ビーム904a、1004a、及び第2の支持ビーム904b、1004bは、略同一の、又は同一の材料で製作してよいが、更なる実施形態では、複数の別の材料を提供してもよい。いくつかの実施形態では、支持部材903、1003は、1400℃の温度において、1MPa~5MPaの圧力下で1×10-121/s~1×10-141/sのクリープ速度を有する支持材料で製作できる。いくつかの実施形態では、導管の重量を支持するように位置決めされる支持部材は、1400℃の温度において、1MPa~5MPaの圧力下で1×10-121/s~1×10-141/sのクリープ速度を有することができる、セラミック材料(例えば炭化ケイ素)で製作できる。このような支持材料は、導管、及び導管によって高温(例えば1400℃)で搬送される溶融材料に対して、最小限のクリープで十分な支持を提供でき、これにより、成形用容器及び上記成形用容器によって搬送される溶融材料の重量下での大きな応力に耐えることができる比較的安価な材料で製作された支持部材903、1003を提供しながら、溶融材料を汚染することなく溶融材料と物理的に接触するために理想的な白金又は他の高価な耐火材料の使用を最小限に抑えた、溶融用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501を提供できる。同時に、上述の材料で製作された支持部材903、1003は、高応力及び高温下でクリープに耐えることができ、これにより、導管及び導管に関連する壁(例えば白金製壁)の位置及び形状を維持できる。
【0096】
本開示の実施形態の成形用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501のいずれは、成形用ウェッジを備えることができる。成形用ウェッジ207、及び関連する構造(例えば側壁911a、911b)について、図2、9、及び10に示されている実施形態を参照して説明するが、同様の又は同一の成形用ウェッジ207を、本開示のいずれの実施形態の特徴と共に組み込むことができることを理解されたい。例えば図2及び9に示すように、成形用容器は、ドロー方向154において導管203、1203の1つ以上のスロット301、403、503から下流に位置決めされた成形用ウェッジ207を含む。図9に示すように、成形用ウェッジ207は、第1のウェッジ面913aを画定する第1の側壁911aと、第2のウェッジ面913bを画定する第2の側壁911bとを含むことができる。図9に示すように、第1のウェッジ面913a及び第2のウェッジ面913bは、下流ドロー方向154に集束して、成形用ウェッジ207の基部915を形成できる。
【0097】
いくつかの実施形態では、側壁911a、911bは、導管の組成と同様又は同一の白金及び/又は白金合金で構成できるが、更なる実施形態では、異なる組成物を採用してよい。従っていくつかの実施形態では、第1の側壁911a及び第2の側壁911bはそれぞれ白金製側壁を含むことができる。材料コストを削減するために、側壁911a、911b(例えば白金製側壁)の厚さは、例えば約3mm~約7mmの範囲内とすることができる。厚さの削減によって、全体の材料コストを削減できる。同時に、側壁の構成及び/又は支持部材の配置により、側壁に、厚さが比較的小さいにもかかわらず使用時の変形に耐えるために十分な構造的完全性を備えることができる。例えば図9及び10に示すように、支持部材903、1003は、第1の側壁911aの上流部分917aと第2の側壁911bの上流部分917bとの間に位置決めできる。従って、上流部分917aと上流部分917bとの間の間隔は、これらの間に位置決めされる支持部材903、1003によって維持できる。更に、中空エリア912を任意に設けることができ、これは、材料コストを更に削減でき、また支持部材を、上記中空エリアを通って延在させることによって、位置158a、158bにおいて導管を支持できる。更に、第1の側壁911a及び第2の側壁911bは、下流ドロー方向154に集束して基部915を形成でき、側壁と支持部材903、1003のベースとによって強固な三角形構成を形成できる。従って、構造的に堅固な構成を、約3mm~約7mmの範囲内の比較的薄い側壁で達成できる。
【0098】
図9及び10に示すように、いくつかの実施形態では、第1の側壁911a(例えば白金製側壁)の上流部分917aの上流端部919aは、第1の境界面921aにおいて、導管203(例えば白金製導管)の周壁205に取り付けることができる。同様に、第2の側壁911b(例えば白金製側壁)の上流部分917bの上流端部919bは、第2の境界面921bにおいて、導管203(例えば白金製導管)の周壁205に取り付けることができる。図示されているように、第1の境界面921a及び第2の境界面921bはそれぞれ、導管203の1つ以上のスロット301、403、503から下流に位置してよい。いくつかの実施形態では、側壁911a、911bの上流端部919a、919bは、導管203の周壁205に溶接して、導管の上側部分の外面と側壁の外面との間に、対応する平滑な境界面921a、921bが得られるように機械加工できる。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の側壁の上流部分は、図10に示すように互いに平行とすることができる。あるいは図9に示すように、第1の側壁911aの上流部分917a、及び第2の側壁911bの上流部分917bは、対応する境界面921a、921bから下流方向154に広がって互いから離れる。側壁が広がって互いから離れることにより、いくつかの実施形態では、支持部材903のためのスペースの増大も可能にしながら、下流方向154に沿った溶融材料の下向きの流れを促進できる。例えば図9に示すように、支持部材903の支持面905は、ベース壁908と、ベース壁908から上向きに延在する対向するチャネル壁906a、906bの、内側を向いた対向するチャネル壁面とによって画定できる。対向するチャネル壁906a、906bの内側を向いたチャネル壁面と、ベース壁908の内側を向いた底面とは、クレードルを形成でき、これは、周壁205の第2の部分204bを受承するための図示されているチャネルエリアを含むことができるエリア909を画定する。
【0100】
いくつかの実施形態では、上記壁の材料は、支持部材903、1003の材料との物理的接触に適合していない場合がある。例えばいくつかの実施形態では、上記壁は白金(例えば白金又は白金合金)で構成でき、支持部材903、1003は炭化ケイ素で構成でき、炭化ケイ素は、壁が支持部材に接触すると白金を腐食するか、白金と他の化学的反応を起こす可能性がある。従っていくつかの実施形態では、不適合材料間の接触を回避するために、壁(例えば第1の側壁911a、第2の側壁911b)のいずれの部分、及び導管203、1203のいずれの部分が、支持部材903、1003のいずれの部分に物理的に接触するのを防止できる。例えば図9及び10に示されているように、第1の側壁911a及び第2の側壁911bはそれぞれ、支持部材903、1003のいずれの部分から離間し、物理的に接触しない。更に、導管203、1203は、支持部材903、1003のいずれの部分から離間し、物理的に接触しない。壁を支持部材から離間させるために、様々な技法を使用できる。例えばピラー又はリブを設けて、離間を提供してよい。
【0101】
更なる実施形態では、図示されているように、中間材料923の層を、側壁911a、911bと支持部材903、1003との間に設けることにより、側壁911a、911b及び導管203、1203を支持部材903、1003から離間させて接触しないようにしてよい。いくつかの実施形態では、中間材料923の層は、側壁911a、911bの全ての部分と、隣り合った支持部材903、1003の離間した部分との間に、連続して設けてよい。連続した中間材料923の層を設けることにより、側壁から離間した支持部材903、1003の表面による、側壁の全ての部分にわたる支持を促進できる。
【0102】
図示されているように、いくつかの実施形態では、導管203、1203の周壁205、1205の第2の部分204b、1204bは、支持部材903、1003のエリア909内に位置決めでき、また支持部材903、1003によって支持でき、ここで導管203、1203(例えば導管の全ての部分)を、支持部材903、1003のいずれの部分から離間させて、物理的に接触しないようにすることができる。例えば図示されているように、中間材料923の層を、導管203、1203の全ての部分を、支持部材903、1003のいずれの部分から離間させて物理的に接触しないようにするための、連続した中間材料の層として提供してよい。従って中間材料923の層は、導管203、1203の上記部分の連続した支持を提供でき、これにより、導管203、1203の強度を増大させて、変形及びクリープに対する耐性を高めることができる。
【0103】
壁及び支持部材の材料に応じて、様々な材料を中間材料923として使用できる。例えば上記材料は、アルミナ、又は成形用容器140、401、501、1001、1201、1401、1501による溶融材料の格納及び案内に関連する高温・高圧条件下における白金及び炭化ケイ素との接触に適合した他の材料を含むことができる。よっていくつかの実施形態では、アルミナを含む中間材料の層によって、白金又は白金合金製の側壁及び白金製導管を、炭化ケイ素を含む支持部材903、1003のいずれの部分から離間させて物理的に接触しないようにすることができる。
【0104】
上述の成形用容器140、401、1001、1201、1401、1501のいずれを用いて、ある量の溶融材料121からガラスリボン103を製作する方法は、領域1101内において溶融材料121を導管203、1203の流れ方向1103に流すステップを含むことができる。図9及び10を参照すると、上記方法は更に、溶融材料121を、1つ以上のスロット301、403を通して導管203、1203の領域1101から、溶融材料の第1の流れ925a及び溶融材料の第2の流れ925bとして流すステップを含むことができる。上記方法はまた更に、溶融材料の第1の流れ925aを、下流方向154に沿って、第1のウェッジ面913a上に流し、溶融材料の第2の流れ925bを、下流方向154に沿って、第2のウェッジ面913b上に流すステップを含むことができる。続いて上記方法は、溶融材料の第1の流れ925a、及び溶融材料の第2の流れ925bを、成形用ウェッジ207の基部915から、ガラスリボン103としてドロー加工するステップを含むことができる。
【0105】
上述の成形用容器140、1001、1201、1401、1501のいずれの実施形態のスロットは、複数のスロット(例えば上述の複数のスロット503)として提供できる。このような実施形態では、成形用容器140、1001、1201、1401、1501のうちのいずれを用いてガラスリボンを製造する方法は、領域1101内において、溶融材料121を、導管203、1203の流れ方向1103に流すステップを含むことができる。図5及び6を参照すると、上記方法は更に、溶融材料121を、複数のスロット503の各スロットを通して、導管203、1203の領域1101から流すステップを含むことができる。上記方法は更に、複数のスロット503の各スロットを通って流れる溶融材料121を、溶融材料の第1の流れ925aと、溶融材料の第2の流れ925bとに合流させるステップを含むことができる。実際にいくつかの実施形態では、スロットの拡張された端部は、端部において増大した体積流量を提供でき、これにより、複数のスロット503のうちのスロットのペアの間に延在する導管の部分917によって形成された空隙を充填するのを補助できる。図9を参照すると、上記方法は更に、溶融材料の第1の流れ925aを、下流方向154に沿って、第1のウェッジ面913a上に流し、また溶融材料の第2の流れ925bを、下流方向154に沿って、第2のウェッジ面913b上に流すステップを含むことができる。次に上記方法は、溶融材料の第1の流れ925a及び溶融材料の第2の流れ925bを、成形用ウェッジ207の基部915から、溶融材料の融合済みシートとしてドロー加工するステップを含むことができ、上記融合済みシートをその後冷却して、ガラスリボン103とすることができる。
【0106】
図4の成形用容器401を用いてガラスリボン103を製造する例示的実施形態は、導管203の周壁205によって画定される領域1101内において、溶融材料121を流すステップを含むことができる。上記導管はスロット403を備えることができ、このスロット403は、周壁205の外面を通って延在し、第1の外側端部405a、第2の外側端部405b、及び第1の外側端部405aと第2の外側端部405bとの間に位置決めされた中間部分404を備える。図4及び7に示すように、スロット403の第1の外側端部405a及び第2の外側端部405bはそれぞれ、反対の方向407a、407bに先細とすることができる。上記方法は、溶融材料121を、周壁のスロット403を通して流すステップを含むことができ、ここで、図8の正規化体積流量プロファイル803によって示されているように、スロット403を通る溶融材料121の体積流量プロファイルは、中間部分404の位置における溶融材料体積流量を含み、上記溶融材料体積流量は、第1の端部405aの位置及び第2の端部405bの位置におけるものよりも大きい。図9に示すように、上記方法はまた更に、溶融材料の第1の流れ925aを、下流方向154に沿って、スロット403から第1のウェッジ面913aを越えて流し、溶融材料の第2の流れ925bを、下流方向154に沿って、スロット403から第2のウェッジ面913bを越えて流すステップを含むことができる。従って、溶融材料の第1の流れ925a及び溶融材料の第2の流れ925bは、下流方向154に、基部915に向かって集束する。次に上記方法は、溶融材料の第1の流れ925a及び溶融材料の第2の流れ925bを、成形用ウェッジ207の基部915から、溶融材料の融合済みシートとしてドロー加工するステップを含み、上記融合済みシートをその後冷却して、ガラスリボン103とすることができる。
【0107】
本開示の各実施形態では、ガラスリボン103を基部915からドロー方向154に、ドロー平面内でフュージョンドロー加工してよい。いくつかの実施形態では、これに続いてガラス分割器149(図1を参照)が、分割経路151に沿って、ガラスリボン103からガラスシート104を分割できる。図示されているように、いくつかの実施形態では、分割経路151は、第1の外縁部153と第2の外縁部155との間のガラスリボン103の幅「W」に沿って延在できる。更にいくつかの実施形態では、分割経路151は、ガラスリボン103のドロー方向154に対して垂直に延在できる。更にいくつかの実施形態では、ドロー方向154は、ガラスリボン103を成形用容器からフュージョンドロー加工できる方向を画定できる。いくつかの実施形態では、ガラスリボン103は、ドロー方向154に沿って縦走する際に、≧50mm/s、≧100mm/s、又は≧500mm/s、例えば約50mm/s~約500mm/s、例えば約100mm/s~約500mm/s、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の速度を有することができる。
【0108】
本開示全体を通して、ガラスリボン103の幅「W」は例えば、約20mm以上、例えば約50mm以上、例えば約100mm以上、例えば約500mm以上、例えば約1000mm以上、例えば約2000mm以上、例えば約3000mm以上、例えば約4000mm以上であるが、更なる実施形態では、上述の幅より小さな又は大きな他の幅を提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、ガラスリボン103の幅「W」は、約20mm~約4000mm、例えば約50mm~約4000mm、例えば約100mm~約4000mm、例えば約500mm~約4000mm、例えば約1000mm~約4000mm、例えば約2000mm~約4000mm、例えば約3000mm~約4000mm、例えば約20mm~約3000mm、例えば約50mm~約3000mm、例えば約100mm~約3000mm、例えば約500mm~約3000mm、例えば約1000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約2500mm、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内とすることができる。
【0109】
更に図1に示すように、分割経路151に沿ってガラスリボン103からガラスシート104を分割する前又は後に、ガラスリボン103又はガラスシート104を、対応するガラス分割器157を用いて、1つ以上の垂直分割経路507a、507b、507c、507dに沿って、複数の分割済みガラスリボン又は複数の分割済みガラスシートへと分割してよい。いくつかの実施形態では、ガラス分割器157を用いて分割経路507a、507b、507c、507dに沿って分割した後、外側部分を廃棄して、リボンの球状の縁部を除去することにより、美しい中央部分152を残して、1つ以上の美しいガラスリボン/ガラスシートへと分割してよい。図5に示すように、いくつかの実施形態では、分割経路507a、507b、507c、507dはそれぞれ、複数のスロット503のうちの隣り合ったスロットの対応するペアの、隣り合った端部605a、605bのペアの間の横方向位置と位置合わせできる。このようにして、上記分割経路は、複数のスロット503のうちのスロットのペアの間に延在する導管の部分917から生じる、ガラスリボンのいずれの不連続部分と位置合わせできる。いくつかの実施形態では、分割経路のこのような不連続部分は、分割経路に沿って分割されたガラスリボン/ガラスシートの縁部に位置し得る。従って、分割経路の位置合わせされた位置を原因とするいずれの不連続部分は、分割されたガラスリボン/ガラスシートの1つ以上の縁部に位置し得る。いくつかの実施形態では、分割経路に関連する部分917による不連続部分を原因とする、ガラスの望ましくない属性は、ガラスリボン/ガラスシートの機能に干渉しないものとすることができる。というのは、上記不連続部分を、使用時に光を透過させるためには使用され得ない、ガラスリボン/ガラスシートの縁部に限定できるためである。
【0110】
図9に示すように、ガラスリボン103を基部915からドロー加工でき、ここでガラスリボン103の第1の大面とガラスリボン103の第2の大面とは対向する方向を向いて、ガラスリボン103の厚さ「T」(例えば平均厚さ)を画定する。本開示全体を通していくつかの実施形態では、本開示の成形用容器では、本開示の成形容器は、ガラスリボン103の厚さ「T」を、約2ミリメートル(mm)以下、約1ミリメートル以下、約0.5ミリメートル以下、例えば約300マイクロメートル(μm)以下、約200マイクロメートル以下、又は約100マイクロメートル以下とすることができるが、更なる実施形態では他の厚さを提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、ガラスリボン103の厚さ「T」は、約50μm~約750μm、約100μm~約700μm、約200μm~約600μm、約300μm~約500μm、約50μm~約500μm、約50μm~約700μm、約50μm~約600μm、約50μm~約500μm、約50μm~約400μm、約50μm~約300μm、約50μm~約200μm、約50μm~約100μm(これらの間の全ての厚さの範囲及び部分範囲を含む)とすることができる。更にガラスリボン103は、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、アルカリ含有ガラス、又はアルカリ非含有ガラスを含むがこれらに限定されない、多様な組成物を含むことができる。
【0111】
本開示の様々な実施形態は、該特定の実施形態に関連して説明されている特定の特徴、要素又はステップを伴ってよいことが理解されるだろう。また、ある特定の特徴、要素又はステップは、それが1つの特定の実施形態に関連して説明されていても、相互交換可能であり、又は様々な例示されていない組み合わせ若しくは順列で、代替的な実施形態と組み合わせてよいことが理解されるだろう。
【0112】
本明細書において使用される場合、用語「上記(the)」、「ある(a又はan)」は「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、そうでないことが明示されていない限り、「ただ1つ(only one)」に限定されないことも理解されたい。同様に、「複数(plurality)」は「2つ以上(more than one)」を指すことを意図している。
【0113】
本明細書において、範囲は「約(about)」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。このような範囲が表されている場合、実施形態は、上記1つの特定の値から、及び/又は上記別の特定の値までを含む。同様に、先行語句「約」の使用によって、値が近似値として表されている場合、上記特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係においても、他方の端点とは独立しても、重要であることが理解されるだろう。
【0114】
本明細書において使用される場合、用語「実質的な(substantial)」、「実質的に/略(substantially)」及びその変形形態は、記載されている特徴が、ある値又は記載と等しいか又は概ね等しいことを注記することを目的としている。
【0115】
特段の記載がない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、その複数のステップをある具体的な順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に示していない場合、又は上記複数のステップがある具体的な順序に限定されることが請求項又は本説明において具体的に言明されていない場合、いずれの特定の順序を暗示することは一切意図されていない。
【0116】
特定の実施形態の様々な特徴、要素又はステップが、移行句「…を含む(comprising)」を用いて開示されている場合、移行句「…からなる(consisting of)」又は「…から本質的になる(consisting essentially of)」を用いて記載され得るものを含む代替的な実施形態も暗に含まれていることを理解されたい。従って例えば、A+B+Cを含む装置に対する、暗に含まれている代替的な実施形態は、装置がA+B+Cからなる実施形態、及び装置がA+B+Cから本質的になる実施形態を含む。
【0117】
添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な修正及び変形を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内である限り、本明細書中の実施形態の修正例及び変形例を包含することが意図されている。
【0118】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0119】
実施形態1
装置であって:
導管であって、上記導管は、上記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備え、上記周壁を通って延在する複数のスロットを備える、上記周壁の第1の部分を備え、上記複数のスロットの各上記スロットは、上記領域と流体連通し、上記複数のスロットのうちの少なくとも1つの上記スロットは、第1の端部と第2の端部との間に延在する中間部長さを備え、上記中間部長さに沿った最大幅は、上記第1の端部の最大幅及び/又は上記第2の端部の最大幅より小さい、導管;並びに
上記複数のスロットから下流に位置決めされた、ウェッジであって、上記ウェッジは、集束して基部を形成する第1のウェッジ面及び第2のウェッジ面を備える、ウェッジ
を備える、装置。
【0120】
実施形態2
上記スロットは、直線経路に沿って位置合わせする、実施形態1に記載の装置。
【0121】
実施形態3
上記直線経路は、上記導管の上記流れ方向に対して平行である、実施形態2に記載の装置。
【0122】
実施形態4
上記直線経路、上記流れ方向、及び上記ウェッジの上記基部は、共通平面に沿って延在する、実施形態3に記載の装置。
【0123】
実施形態5
上記少なくとも1つのスロットの上記中間部長さの幅は、上記導管の上記流れ方向に、又は上記導管の上記流れ方向の反対方向に、連続的に減少する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0124】
実施形態6
実施形態1~5のいずれか1つに記載の装置を用いてガラスリボンを製造する方法であって:
上記領域内において、上記溶融材料を、上記導管の上記流れ方向に流すステップ;
上記溶融材料を、上記複数のスロットの各上記スロットを通して流すステップ;
上記複数のスロットの各上記スロットを通って流れる上記溶融材料を、上記第1のウェッジ面上を流れる上記溶融材料の第1の流れと、上記第2のウェッジ面上を流れる上記溶融材料の第2の流れとに合流させるステップ;
上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れを、上記基部からドロー加工して、溶融材料の融合済みシートとするステップ;並びに
上記溶融材料の上記融合済みシートを冷却して上記ガラスリボンとするステップ
を含む、方法。
【0125】
実施形態7
上記ガラスリボンを、分割経路に沿って、複数の分割済みガラスリボンに分割するステップであって、上記分割経路は、上記複数のスロットのうち対応する隣り合った上記スロットのペアの、隣り合った端部のペアの間の横方向位置と位置合わせされている、ステップを更に含む、実施形態6に記載の方法。
【0126】
実施形態8
導管の周壁にスロットを形成する方法であって:
上記スロットを通る溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0127】
【数13】
【0128】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0129】
【数14】
【0130】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように、上記スロットの幅プロファイルd(x)を決定するステップ;並びに
決定された上記幅プロファイルd(x)に基づいて上記スロットを形成するステップであって、上記スロットは、上記導管の上記周壁を通って延在する、ステップ
を含む、方法。
【0131】
実施形態9
上記スロットは、第1の外側端部、第2の外側端部、及び上記第1の端部と上記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備え、
上記スロットを通る上記溶融材料の上記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、上記中間部分の位置における溶融材料流量を含み、上記溶融材料流量は、上記第1の端部の位置及び上記第2の端部の位置におけるものよりも大きい、実施形態8に記載の方法。
【0132】
実施形態10
上記中間部分に沿った幅は、上記第1の外側端部に沿った幅、及び上記第2の外側端部に沿った幅よりも大きい、実施形態9に記載の方法。
【0133】
実施形態11
上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、実施形態10に記載の方法。
【0134】
実施形態12
導管の周壁のスロットを通って流れる溶融材料の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを決定する方法であって:
上記スロットの上記幅プロファイルd(x)を測定するステップ;並びに
上記スロットを通る上記溶融材料の上記体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0135】
【数15】
【0136】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0137】
【数16】
【0138】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として決定するステップ
を含む、方法。
【0139】
実施形態13
ガラスリボンを製造する方法であって:
導管の周壁によって画定された領域内に溶融材料を流すステップであって、上記導管は、上記周壁の外面を通って延在するスロットを備え、上記スロットは、第1の外側端部、第2の外側端部、及び上記第1の端部と上記第2の端部との間に位置決めされた中間部分を備える、ステップ;
上記周壁の上記スロットを通して上記溶融材料を流すステップであって、上記スロットを通る上記溶融材料の上記体積流量プロファイルは、上記中間部分の位置における溶融材料体積流量を含み、上記溶融材料体積流量は、上記第1の端部の位置及び上記第2の端部の位置におけるものよりも大きい、ステップ;
上記スロットからの上記溶融材料の第1の流れを、ウェッジの第1のウェッジ面上に流し、また上記スロットからの上記溶融材料の第2の流れを、上記ウェッジの第2のウェッジ面上に流すステップであって、上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れは、基部に向かう方向に集束する、ステップ;
上記溶融材料の上記第1の流れ及び上記溶融材料の上記第2の流れを上記基部からドロー加工して、上記溶融材料の融合済みシートとするステップ;並びに
上記溶融材料の上記融合済みシートを冷却して上記ガラスリボンとするステップ
を含む、方法。
【0140】
実施形態14
上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、実施形態13に記載の方法。
【0141】
実施形態15
装置であって:
導管であって、上記導管は、上記導管の流れ方向に延在する領域を画定する周壁を備える、導管;
上記周壁を通って延在するスロットを備える、上記周壁の第1の部分であって、上記スロットは上記領域と流体連通し、また上記スロットは、上記スロットの上記第1の外側端部と上記スロットの上記第2の外側端部との間に延在する長さを備え、上記スロットの上記長さに沿った上記スロットの幅プロファイルd(x)は、上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxを:
【0142】
【数17】
【0143】
(ここでμ(x)は上記溶融材料の所定の粘度を表し、Rは上記導管の内半径を表し、nは平行なスロットの個数を表す)、及び
【0144】
【数18】
【0145】
(ここでhは上記導管の上記周壁の厚さを表す)の関数として達成するように構成される、第1の部分;並びに
上記スロットから下流に位置決めされたウェッジであって、上記ウェッジは、集束して基部を形成する第1のウェッジ面及び第2のウェッジ面を備える、ウェッジ
を備える、装置。
【0146】
実施形態16
上記スロットの上記第1の外側端部及び上記第2の外側端部はそれぞれ反対方向に先細となっている、実施形態15に記載の装置。
【0147】
実施形態17
上記スロットを通る上記溶融材料の上記所定の体積流量プロファイルdQ(x)/dxは、上記スロットの上記中間部分の位置における所定の体積流量を含み、上記所定の体積流量は、上記第1の外側端部における上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量より大きく、また上記第2の外側端部における上記スロットを通る上記溶融材料の所定の体積流量より大きい、実施形態15又は16に記載の装置。
【符号の説明】
【0148】
100 ガラス製造装置
101 ガラス成形装置
103 ガラスリボン
104 ガラスシート
105 溶融用容器
107 バッチ材料
109 貯蔵用蓋付き容器
111 バッチ送達デバイス
113 モータ
115 コントローラ
117 矢印
119 ガラス溶融プローブ
121 溶融材料
123 スタンドパイプ
125 通信ライン
127 清澄用容器
129 第1の接続導管
131 混合用チャンバ
133 送達用容器
135 第2の接続導管
137 第3の接続導管
139 送達用パイプ
140、401、501、1001、1201、1401、1501 成形用容器
141 流入導管
149、157 ガラス分割器
151 分割経路
152 中央部分
153 第1の外縁部
154 下流ドロー方向、下流方向、ドロー方向
155 第2の外縁部
158a、158b 位置
203、1203 導管
204a、1204a 第1の部分
204b、1204b 第2の部分
205、1205 周壁
207 成形用ウェッジ
301、403、503 スロット
404、611 中間部分
405a 第1の外側端部
405b 第2の外側端部
407a 第1の方向
407b 第2の方向
507a、507b、507c、507d 分割経路、垂直分割経路
601 スロットの全長
602a 第1の端部長
602b 第2の端部長
603 中間部分611の中間部長さ
605a、605b スロットの端部
607 中間部分の幅、最大幅
609 端部605a、605bそれぞれの最大幅
613a 第1の側部
613b 第2の側部
615a、615b 経路
617 導管203の部分
701 スロット幅プロファイル
801 正規化プロット
803 正規化体積流量プロファイル
903、1003 支持部材
904a、1004a 第1の支持ビーム
904b、1004b 第2の支持ビーム
905 支持面
906a、906b チャネル壁
908 ベース壁
909 エリア
911a 第1の側壁
911b 第2の側壁
913a 第1のウェッジ面
913b 第2のウェッジ面
915 基部
917 導管の部分
917a 第1の側壁の上流部分
917b 第2の側壁の上流部分
919a 第1の側壁の上流部分の上流端部
919b 第2の側壁の上流部分の上流端部
921a 第1の境界面
921b 第2の境界面
923 中間材料
925a 第1の流れ
925b 第2の流れ
1101、1202 領域
1103 流れ方向
1104 長さ
1105、1206 外周面
1106、1207 内面
1106a、1106b 内側境界位置
1107a、1107b 縁部方向決定器

1501 成形用容器
1503a、1503b、1503c 導管セグメント
1505a、1505b 接合部
1507a 横方向位置
1507b 中間位置
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