(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155422
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】勘定科目内訳明細書作成装置、勘定科目内訳明細書作成方法、および、勘定科目内訳明細書作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20231013BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140126
(22)【出願日】2023-08-30
(62)【分割の表示】P 2020030865の分割
【原出願日】2020-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹川 知志
(72)【発明者】
【氏名】茂松 康司
(72)【発明者】
【氏名】北田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】使用されている勘定科目および取引先を管理する項目が企業毎に異なる仕訳データから勘定科目内訳明細書に必要なデータを取得し、各勘定科目内訳明細書を自動作成することができる勘定科目内訳明細書作成装置、勘定科目内訳明細書作成方法、および、勘定科目内訳明細書作成プログラムを提供することを課題とする。
【解決】勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の内訳書に使用する、仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目の取引先を特定するのに用いる、仕訳データに含まれる補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタに基づいて、仕訳データから所定の種類の内訳書データを作成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置であって、
前記記憶部は、
仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、
勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目を集計するための補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから、前記各仕訳勘定科目の仕訳金額を合算した合算金額を計算し、当該合算金額を設定した、当該仕訳勘定科目が使用される前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成手段、
を備えたことを特徴とする勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項2】
前記内訳書作成手段は、
更に、前記内訳書データに対する修正指示に対応する修正内訳書データを作成し、
前記制御部は、
前記修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する前記仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記勘定科目の明細の合計金額と前記仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定する合計金額判定手段と、
前記合計金額判定手段により差異があると判定された場合、アラートを出力させるアラート出力手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項3】
前記修正指示は、
前記明細の統合指示、または、分割指示であることを特徴とする請求項2に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項4】
前記仕訳記憶手段は、
法人内の部門毎に前記仕訳データを記憶し、
前記記憶部は、
前記法人内の組織の階層を設定した階層マスタを記憶する階層記憶手段、
を更に備え、
前記内訳書作成手段は、
更に、前記内訳書データに対する階層集計指示が入力された場合、前記階層マスタに基づいて、当該階層集計指示に対応する前記階層に含まれる前記部門の前記仕訳データを集計し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、当該仕訳データから所定の前記種類の階層別内訳書データを作成することを特徴とする請求項1に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記内訳書データまたは前記階層別内訳書データを出力させる内訳書出力手段、
を更に備え、
前記内訳書出力手段は、
前記内訳書データを出力させている際に、前記階層集計指示が入力された場合、前記階層別内訳書データに切り替えて出力させることを特徴とする請求項4に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項6】
前記内訳書作成手段は、
前記内訳書データの明細が100を超える際に、前記階層集計指示が入力された場合、前記階層マスタに基づいて、当該階層集計指示に対応する前記階層に含まれる前記部門の前記仕訳データを集計し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、当該仕訳データから前記所定の種類の前記階層別内訳書データを作成することを特徴とする請求項4または5に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項7】
前記所定の種類は、
前記内訳書を選択させる内訳書選択画面にて選択された前記種類であることを特徴とする請求項4または5に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項8】
前記合計金額判定手段は、
前記勘定科目の明細の合計金額に対する金額チェック指示が入力された場合、前記修正内訳書データに含まれる前記各勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する前記仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記勘定科目の明細の合計金額と前記仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の勘定科目内訳明細書作成装置。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置に実行させるための勘定科目内訳明細書作成方法であって、
前記記憶部は、
仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、
勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目を集計するための補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから、前記各仕訳勘定科目の仕訳金額を合算した合算金額を計算し、当該合算金額を設定した、当該仕訳勘定科目が使用される前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成ステップ、
を含むことを特徴とする勘定科目内訳明細書作成方法。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置に実行させるための勘定科目内訳明細書作成プログラムであって、
前記記憶部は、
仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、
勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目を集計するための補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから、前記各仕訳勘定科目の仕訳金額を合算した合算金額を計算し、当該合算金額を設定した、当該仕訳勘定科目が使用される前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成ステップ、
を実行させるための勘定科目内訳明細書作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勘定科目内訳明細書作成装置、勘定科目内訳明細書作成方法、および、勘定科目内訳明細書作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、勘定科目、補助科目ごとの内訳書の所定項目の明細に関する中間ファイルを事前に作成し、当該中間ファイルに含まれるデータを、20種類以上の内訳書の種類に応じて決められた指定様式で自動入力することで、20種類以上の各内訳書を自動作成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、会計システムで利用する勘定科目や取引先の情報を管理する項目は、企業毎に様々であるため、仕訳データから勘定科目内訳明細書を作成する際に、どの勘定科目を記載すべきか、または、どの項目を利用して科目の金額集計をするかをシステム側で定義することができなかったという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、使用されている勘定科目および取引先を管理する項目が企業毎に異なる仕訳データから勘定科目内訳明細書に必要なデータを取得し、各勘定科目内訳明細書を自動作成することができる勘定科目内訳明細書作成装置、勘定科目内訳明細書作成方法、および、勘定科目内訳明細書作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置は、記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置であって、前記記憶部は、仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目の取引先を特定するのに用いる、前記仕訳データに含まれる補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから所定の前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成手段、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記内訳書作成手段は、前記内訳書データに対する修正指示に対応する修正内訳書データを作成し、前記制御部は、前記修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する前記仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記勘定科目の明細の合計金額と前記仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定する合計金額判定手段と、前記合計金額判定手段により差異があると判定された場合、アラートを出力させるアラート出力手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記修正指示は、前記明細の統合指示、または、分割指示であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記仕訳記憶手段は、法人内の部門毎に前記仕訳データを記憶し、前記記憶部は、前記法人内の組織の階層を設定した階層マスタを記憶する階層記憶手段、を更に備え、前記内訳書作成手段は、更に、前記内訳書データに対する階層集計指示が入力された場合、前記階層マスタに基づいて、当該階層集計指示に対応する前記階層に含まれる前記部門の前記仕訳データを集計し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、当該仕訳データから前記所定の種類の階層別内訳書データを作成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記制御部は、前記内訳書データまたは前記階層別内訳書データを出力させる内訳書出力手段、を更に備え、前記内訳書出力手段は、前記内訳書データを出力させている際に、前記階層集計指示が入力された場合、前記階層別内訳書データに切り替えて出力させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記内訳書作成手段は、前記内訳書データの明細が100を超える際に、前記階層集計指示が入力された場合、前記階層マスタに基づいて、当該階層集計指示に対応する前記階層に含まれる前記部門の前記仕訳データを集計し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、当該仕訳データから前記所定の種類の前記階層別内訳書データを作成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記所定の種類は、前記内訳書を選択させる内訳書選択画面にて選択された前記種類であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成装置において、前記合計金額判定手段は、前記勘定科目の明細の合計金額に対する金額チェック指示が入力された場合、前記修正内訳書データに含まれる前記各勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する前記仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、前記勘定科目の明細の合計金額と前記仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成方法は、記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置に実行させるための勘定科目内訳明細書作成方法であって、前記記憶部は、仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目の取引先を特定するのに用いる、前記仕訳データに含まれる補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから所定の前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成ステップ、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る勘定科目内訳明細書作成プログラムは、記憶部と制御部とを備えた勘定科目内訳明細書作成装置に実行させるための勘定科目内訳明細書作成プログラムであって、前記記憶部は、仕訳データを記憶する仕訳記憶手段と、勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類と、当該種類の前記内訳書に使用する、前記仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目の取引先を特定するのに用いる、前記仕訳データに含まれる補助区分と、を紐付けて設定した内訳書対象科目マスタを記憶する内訳書対象科目記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記内訳書対象科目マスタに基づいて、前記仕訳データから所定の前記種類の内訳書データを作成する内訳書作成ステップ、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、財務会計システムで保持している仕訳データから、勘定科目内訳明細書に必要なデータを自動で取得し、各種内訳書データを自動で作成することができるという効果を奏する。これにより、本発明によれば、勘定科目内訳明細書の作成の手間を大幅に削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、手入力により明細を編集した際に、勘定科目毎の合計金額が正しいかどうかを自動でチェックすることができるという効果を奏する。これにより、本発明によれば、金額チェック作業を効率化でき、ヒューマンエラーによるミスリスクを抑制することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、会計システム内で勘定科目内訳明細書の作成をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、マスタの設定により制度改正にも容易に対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、手作業による勘定科目内訳明細書作成処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における階層マスタの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における階層選択画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における事業所別内訳書作成処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における内訳書対象科目マスタ設定画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態における内訳書選択画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態における内訳書表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1は、手作業による勘定科目内訳明細書作成処理の一例を示す図である。
図2は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の概要を示す図である。
【0020】
法人税の申告業務においては、添付書類の一種として勘定科目内訳明細書を作成する必要があるが、従来の一般的な会計システムでは、勘定科目内訳明細書の作成に必要な情報をシステム内で管理しているにも関わらず、システム内で内訳書データを作成することができず、補助元帳や各種台帳を確認し、システム外で手作業により各内訳書の作成を行っていた。
【0021】
すなわち、企業により使用している勘定科目が様々であるため、従来は、内訳書毎にどの勘定科目を記載すべきかを一概にシステム側で定義できなかった。例えば、
図1に示すように、A社では、売掛金または未収入金に関する勘定科目として、「売掛金」のみが使用されているが、C社では、「売掛金」以外に「割賦売掛金」も使用されているため、内訳書毎にどの勘定科目を記載すべきかを一概にシステム側で定義できなかった。また、企業により取引先の情報管理の運用方法が様々であるため、従来は、勘定科目内訳明細書の作成を一概にシステム側で行うことができなかった。例えば、
図1に示すように、A社では当座預金勘定において「補助科目」の項目をもとに金額の集約を行うが、B社のでは「取引先」の項目をもとに金額の集約を行うため、勘定科目内訳明細書の作成を一概にシステム側で行うことができなかった。また、企業内でも勘定科目により取引先の情報管理の運用方法が様々であるため、勘定科目内訳明細書の作成は一概にシステム側で行うことができなかった。例えば、
図1に示すように、当座預金勘定では「補助科目」の項目、売掛金勘定では「取引先」の項目、および、割賦売掛金勘定では「取引先」の項目をもとに金額の合算を行うため、勘定科目内訳明細書の作成は一概にシステム側で行うことができなかった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、各内訳書で利用する勘定科目をマスタで管理し、科目ごとに取引先情報をどの項目で管理しているかをマスタで管理することで、法人毎に利用している科目や運用方法が異なっていても、システムで管理している情報については内訳書を自動で作成することが可能となる仕組みを提供している。
【0023】
例えば、
図2に示すように、本実施形態においては、内訳書対象科目マスタに登録された各社の設定情報をもとに、
図1に示す仕訳データから各内訳書の明細に必要な金額を集計することで、会社毎の運用の違いおよび内訳書毎に利用する情報の違いを吸収して、システム内で各内訳書データを自動作成している。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る勘定科目内訳明細書作成装置100の構成の一例について、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、勘定科目内訳明細書作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、勘定科目内訳明細書作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
勘定科目内訳明細書作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。勘定科目内訳明細書作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、勘定科目内訳明細書作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、勘定科目内訳明細書作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、仕訳ファイル106aと、内訳書対象科目マスタ106bと、階層マスタ106cと、内訳書ファイル106dとを備えている。
【0029】
仕訳ファイル106aは、仕訳データを記憶する。ここで、仕訳ファイル106aは、法人内の部門毎に仕訳データを記憶していてもよい。
【0030】
内訳書対象科目マスタ106bは、勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の種類(勘定科目)と、当該種類の内訳書に使用する、仕訳データに含まれる仕訳勘定科目と、当該仕訳勘定科目の取引先を特定するのに用いる、仕訳データに含まれる補助区分と、を紐付けて設定したマスタである。
【0031】
階層マスタ106cは、法人内の組織の階層を設定したマスタである。ここで、階層マスタ106cは、企業、事業所、部門および課等のように企業内の組織を数階層(例えば、4段階等)に設定したマスタであってもよい。また、階層マスタ106cは、グループ、企業単体、事業所および部門等のように企業グループ内の組織を数階層(例えば、4段階等)に設定したマスタであってもよい。
【0032】
内訳書ファイル106dは、内訳書の内訳書データを記憶する。ここで、内訳書ファイル106dは、所定の種類の内訳書データを記憶していてもよい。ここで、所定の種類は、預貯金等、受取手形、売掛金(未収入金)、仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息、棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)、有価証券、固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)、支払手形、買掛金(未払金・未払費用)、仮受金(前受金・預り金)、源泉所得税預り金、借入金及び支払利子、土地の売上高等、(事業所別)売上高等、役員報酬手当等及び人件費、地代家賃等、工業所有権等の使用料、および、雑益、雑損失等であってもよい。また、内訳書ファイル106dは、内訳書データに対する修正指示に対応する修正内訳書データを記憶していてもよい。また、内訳書ファイル106dは、内訳書データに対する階層集計指示に対応する階層別内訳書データを記憶していてもよい。
【0033】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0034】
制御部102は、勘定科目内訳明細書作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、内訳書作成部102aと、データ出力部102bと、合計金額判定部102cとを備えている。
【0035】
内訳書作成部102aは、勘定科目内訳明細書に含まれる内訳書の内訳書データを作成する。ここで、内訳書作成部102aは、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、仕訳データから所定の種類の内訳書データを作成してもよい。ここで、所定の種類は、内訳書を選択させる内訳書選択画面にて選択された種類(勘定科目)であってもよい。また、内訳書作成部102aは、内訳書データ、修正内訳書データまたは階層別内訳書データに対する修正指示に対応する修正内訳書データを作成してもよい。ここで、修正指示は、明細の統合指示、または、分割指示であってもよい。また、内訳書作成部102aは、内訳書データに対する階層集計指示が入力された場合、階層マスタ106cに基づいて、当該階層集計指示に対応する階層に含まれる部門の仕訳データを集計し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、当該仕訳データから所定の種類の階層別内訳書データを作成してもよい。また、内訳書作成部102aは、内訳書データの明細が100を超える際に、階層集計指示が入力された場合、階層マスタ106cに基づいて、当該階層集計指示に対応する階層に含まれる部門の仕訳データを集計し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、当該仕訳データから所定の種類の階層別内訳書データを作成してもよい。また、内訳書作成部102aは、内訳書データ、修正内訳書データまたは階層別内訳書データを内訳書ファイル106dに登録してもよい。
【0036】
データ出力部102bは、データを出力させる。ここで、データ出力部102bは、内訳書データ、修正内訳書データまたは階層別内訳書データを出力させてもよい。また、データ出力部102bは、内訳書データを出力させている際に、階層集計指示が入力された場合、階層別内訳書データに切り替えて出力させてもよい。また、データ出力部102bは、アラートを出力させてもよい。また、データ出力部102bは、合計金額判定部102cにより差異があると判定された場合、アラートを出力させてもよい。
【0037】
合計金額判定部102cは、修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額と仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定する。ここで、合計金額判定部102cは、修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額を計算し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、勘定科目の明細の合計金額と仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定してもよい。また、合計金額判定部102cは、勘定科目の明細の合計金額に対する金額チェック指示が入力された場合、修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額を計算し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、勘定科目の明細の合計金額と仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定してもよい。
【0038】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図4から
図14を参照して説明する。
【0039】
[勘定科目内訳明細書作成処理]
ここで、
図4を参照して、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図4に示すように、内訳書作成部102aは、ユーザにより入力装置112を介して出力装置114に表示された内訳書選択画面にて所定の種類の内訳書が選択された場合、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、仕訳ファイル106aに記憶された自社の仕訳データから、所定の種類の内訳書データを作成する(ステップSA-1)。
【0041】
そして、データ出力部102bは、内訳書データを含む内訳書表示画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-2)。
【0042】
そして、データ出力部102bは、ユーザにより入力装置112を介して出力装置114に表示された内訳書表示画面にて内訳書データに対する修正指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0043】
そして、データ出力部102bは、修正指示が入力されなかったと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0044】
そして、内訳書作成部102aは、内訳書データまたは修正内訳書データを内訳書ファイル106dに登録し(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0045】
一方、データ出力部102bは、修正指示が入力されたと判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0046】
そして、内訳書作成部102aは、修正指示に対応する修正内訳書データを作成する(ステップSA-5)。
【0047】
そして、データ出力部102bは、修正内訳書データを含む内訳書表示画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-6)。
【0048】
そして、合計金額判定部102cは、ユーザにより入力装置112を介して出力装置114に表示された内訳書表示画面にて金額チェックボタンが押下された場合、修正内訳書データに含まれる各勘定科目の明細の合計金額を計算し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額を計算し、勘定科目の明細の合計金額と仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があるか否かを判定する(ステップSA-7)。
【0049】
そして、合計金額判定部102cは、勘定科目の明細の合計金額と仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異がないと判定した場合(ステップSA-7:No)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0050】
一方、合計金額判定部102cは、勘定科目の明細の合計金額と仕訳勘定科目の明細の合計金額とに差異があると判定した場合(ステップSA-7:Yes)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0051】
そして、データ出力部102bは、アラートを出力装置114に表示させる(ステップSA-8)。
【0052】
そして、データ出力部102bは、ユーザにより入力装置112を介して出力装置114に表示された内訳書表示画面にて修正内訳書データに対する修正指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA-9)。
【0053】
そして、データ出力部102bは、修正指示が入力されなかったと判定した場合(ステップSA-9:No)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0054】
一方、データ出力部102bは、修正指示が入力されたと判定した場合(ステップSA-9:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0055】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の具体例について説明する。
図5は、本実施形態における勘定科目内訳明細書作成処理の一例を示す図である。
【0056】
図5に示すように、本実施形態においては、ユーザにより内訳書選択画面にて内訳書の種類(内訳書種類)である「預貯金等」、「受取手形」および「売掛金(未収入金)」が選択された場合、内訳書対象科目マスタ106bに予め登録してある当該内訳書種類の内訳書に使用する、仕訳データに含まれる仕訳勘定科目(科目)と、当該科目の取引先を特定するのに用いる、仕訳データに含まれる補助区分に基づいて、ユーザにより日々の仕訳入力により仕訳ファイル106aに登録されている仕訳データから、各勘定科目の仕訳金額を取引先毎に合算して、「預貯金等」、「受取手形」および「売掛金(未収入金)」の内訳書データを作成している。
【0057】
また、
図6を参照して、本実施形態における内訳書修正処理の概要について説明する。
図6は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【0058】
図6に示すように、本実施形態においては、仕訳データから自動作成した内訳書データに対する手入力の修正操作に応じて修正内訳書データを作成し、金額チェック機能により修正内訳書データの合計金額と仕訳データの対象科目の合計金額と照らし合わせてチェックしている。これにより、本実施形態においては、ヒューマンエラーによるミスリスクを抑制して誤った金額で税務署に申告してしまうリスクを排除することができるだけでなく、金額のチェック作業も効率化できる。
【0059】
また、
図7を参照して、本実施形態における内訳書修正処理の具体例について説明する。
図7は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【0060】
図7に示すように、本実施形態においては、仕訳データから自動作成された売掛金等の内訳書データについて、取引先のA(株)YY課とA(株)ZZ課とは同じ会社であるため1明細にまとめる必要があった。そこで、
図7に示すように、本実施形態においては、内訳書表示画面に表示された売掛金等の内訳書データに対して、ユーザにより明細データの削除指示が入力された場合(ステップSB-1)、A(株)ZZ課に係る明細データを削除し、A(株)YY課に係る明細データに対して、ユーザによりA(株)ZZ課に係る明細分の金額を足した金額への修正指示が入力された場合、金額を修正する(ステップSB-2)。そして、
図7に示すように、本実施形態においては、ユーザにより金額チェック指示が入力された場合、各勘定科目の合計金額を集計し、仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額を自動計算し(ステップSB-3)、各勘定科目の合計金額と、当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額とを照らし合わせ(ステップSB-4)、金額が一致していれば登録を行う。
【0061】
また、
図8を参照して、本実施形態における内訳書修正処理の具体例について説明する。
図8は、本実施形態における内訳書修正処理の一例を示す図である。
【0062】
図8に示すように、本実施形態においては、B(株)は、実態としてはB(株)とB’(株)との2社を含んでおり、B(株)に係る明細の金額は、2社分の金額となっているため、2明細に分割する必要があった。そこで、
図8に示すように、本実施形態においては、内訳書表示画面に表示された売掛金等の内訳書データに対して、ユーザにより分割したい明細データの複写指示が入力された場合、B(株)に係る明細データを複写する(ステップSC-1)。そして、
図8に示すように、本実施形態においては、売掛金台帳または得意先台帳に記録されている各社との取引情報に基づいて、ユーザにより2つのB(株)に係る明細データに対する修正指示が入力された場合、2つのB(株)に係る明細データの相手先名および/または期末残高を修正する(ステップSC-2)。そして、
図8に示すように、本実施形態においては、ユーザにより金額チェック指示が入力された場合、各勘定科目の合計金額を集計し、仕訳データに含まれる当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額を自動計算し(ステップSC-3)、各勘定科目の合計金額と、当該勘定科目に対応する仕訳勘定科目の明細の合計金額とを照らし合わせ(ステップSC-4)、金額が一致していれば登録を行う。
【0063】
また、
図9から
図11を参照して、本実施形態における事業所別内訳書作成処理の具体例について説明する。
図9は、本実施形態における階層マスタ106cの一例を示す図である。
図10は、本実施形態における階層選択画面の一例を示す図である。
図11は、本実施形態における事業所別内訳書作成処理の一例を示す図である。
【0064】
一部の種類の内訳書については、明細数が100を超える場合、事業所または拠点等の組織内の階層毎に金額を集計し記載することが認められているが、組織内の階層の管理の仕方についても、仕訳勘定科目同様、企業によって利用している項目が異なる。そこで、
図9に示すように、本実施形態においては、事業所を管理している項目をマスタに設定しておくことで、内訳書の金額を事業所毎に集計する態様に対応する仕組みを提供している。
【0065】
そして、本実施形態においては、
図10に示す階層選択画面にてユーザにより事業所集計区分が選択された場合、
図11に示すように、階層マスタ106cに基づいて、当該事業所集計区分に対応する企業内の階層に含まれる部門を特定し、仕訳ファイル106aから当該部門の仕訳データを集計し、内訳書対象科目マスタ106bに基づいて、内訳書選択画面にてユーザにより選択された種類の内訳書で使用する仕訳勘定科目および当該仕訳勘定科目を集計する際の補助区分を特定し、当該仕訳データから当該種類の階層別内訳書データを作成することができる。更に、
図11に示すように、本実施形態においては、補助区分別の明細が100を超えている場合、ユーザが画面上の事業所集計区分を選択することで、補助区分別の内訳書データと事業所別の内訳書データとを切り替えて表示することができる。
【0066】
また、
図12を参照して、本実施形態における内訳書対象科目マスタ設定画面の一例について説明する。
図12は、本実施形態における内訳書対象科目マスタ設定画面の一例を示す図である。
【0067】
図12に示すように、本実施形態においては、内訳書対象科目マスタ設定画面(内訳書対象科目マスタメンテ)にて、法人毎に仕訳勘定科目および補助区分を設定することができる。
【0068】
また、
図13を参照して、本実施形態における内訳書選択画面の一例について説明する。
図13は、本実施形態における内訳書選択画面の一例を示す図である。
【0069】
図13に示すように、本実施形態においては、内訳書選択画面にて、ユーザが作成したい内訳書データの種類を選択することができる。
【0070】
また、
図14を参照して、本実施形態における内訳書表示画面の一例について説明する。
図14は、本実施形態における内訳書表示画面の一例を示す図である。
【0071】
図14に示すように、本実施形態においては、自動作成された内訳書データを明細毎に表示させることができ、明細データに対する修正指示、修正内訳書データに対する金額チェック指示、および、内訳書データに対する登録指示をユーザから受け付けることができる。
【0072】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、勘定科目内訳明細書作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、勘定科目内訳明細書作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて勘定科目内訳明細書作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、勘定科目内訳明細書作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、勘定科目内訳明細書作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、勘定科目内訳明細書作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、法人税の申告に関する技術であるため、業種や業界に関係なく全ての業界において有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 勘定科目内訳明細書作成装置
102 制御部
102a 内訳書作成部
102b データ出力部
102c 合計金額判定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 仕訳ファイル
106b 内訳書対象科目マスタ
106c 階層マスタ
106d 内訳書ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク