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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155482
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142477
(22)【出願日】2023-09-01
(62)【分割の表示】P 2019189260の分割
【原出願日】2019-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(57)【要約】
【課題】透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部を、人が入室可能な空間の内部を空間の外部から見えるように配置したブースを提供する。
【解決手段】透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、表示部は、人が入室可能な空間の内部を空間の外部から見えるように配置され、人の検知結果に基づいて、表示部の表示を変え、空間の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、表示部の表示を変えることを特徴とするブース。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、
前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、
人の検知結果に基づいて、前記表示部の表示を変え、
前記空間の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、前記表示部の表示を変えること
を特徴とするブース。
【請求項2】
前記空間の内部に人が存在し、当該空間の外部に人が存在しない場合、当該空間の内部の人に向けて画像を表示するように、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項1に記載のブース。
【請求項3】
前記空間の内部に人が存在せず、当該空間の外部に人が存在する場合、当該空間の外部の人に向けて画像を表示するように、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項1に記載のブース。
【請求項4】
前記空間の内部及び外部の両方に人が存在する場合、当該空間の内部の人に向けて特定の画像を表示するとともに、当該空間の外部から前記表示部を通して当該空間の内部を視認できないようにする他の画像を表示するように、当該表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項1に記載のブース。
【請求項5】
透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、
前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、
前記空間の予約に関する情報である予約情報に基づき、前記表示部の表示を変えることを特徴とするブース。
【請求項6】
前記予約情報は、前記空間を予約した目的についての情報であり、
前記目的についての情報に基づき、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項5に記載のブース。
【請求項7】
透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、
前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、
自ブースが設置される場所に関する情報である場所情報に基づき、前記表示部の表示を変えること
を特徴とするブース。
【請求項8】
前記場所情報は、自ブースが設置される場所の周囲の環境についての情報であり、当該環境についての情報に基づき、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項7に記載のブース。
【請求項9】
前記環境についての情報は、自ブースが設置される場所の周囲の色の情報であり、当該周囲の色の画像を表示するように、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項8に記載のブース。
【請求項10】
前記場所情報に基づき、自ブースが設置される場所が特定の条件を満たす場所の場合、当該特定の条件を満たす場所で禁止される表示をしないように、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項7に記載のブース。
【請求項11】
前記場所情報は、自ブースが設置される場所の移動についての情報であり、当該場所の移動に応じて、前記表示部の表示を変えること
を特徴とする請求項7に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像表示状態の場合には、透過型液晶パネルで画像を表示するとともに、透過型液晶パネルを裏面から光源部と透過型導光板で照明し、透過型液晶パネルと透過型導光板の間に配置した調光シートを拡散状態に切り換え、展示品表示状態の場合には、透過型液晶パネルを全面白色にすることで透明にし、光源部を不点灯または弱点灯に切り換え、さらに調光シートを透明状態にする、透過型ディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-111313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、例えば裏側を透けて見せることができる、透過性を有するディスプレイが存在する。
本発明の目的は、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部を、人が入室可能な空間の内部を空間の外部から見えるように配置したブースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、人の検知結果に基づいて、前記表示部の表示を変え、前記空間の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、前記表示部の表示を変えることを特徴とするブースである。
請求項2に記載の発明は、前記空間の内部に人が存在し、当該空間の外部に人が存在しない場合、当該空間の内部の人に向けて画像を表示するように、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項1に記載のブースである。
請求項3に記載の発明は、前記空間の内部に人が存在せず、当該空間の外部に人が存在する場合、当該空間の外部の人に向けて画像を表示するように、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項1に記載のブースである。
請求項4に記載の発明は、前記空間の内部及び外部の両方に人が存在する場合、当該空間の内部の人に向けて特定の画像を表示するとともに、当該空間の外部から前記表示部を通して当該空間の内部を視認できないようにする他の画像を表示するように、当該表示部の表示を変えることを特徴とする請求項1に記載のブースである。
請求項5に記載の発明は、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、前記空間の予約に関する情報である予約情報に基づき、前記表示部の表示を変えることを特徴とするブースである。
請求項6に記載の発明は、前記予約情報は、前記空間を予約した目的についての情報であり、前記目的についての情報に基づき、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項5に記載のブースである。
請求項7に記載の発明は、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部、を備え、前記表示部は、人が入室可能な空間の内部を当該空間の外部から見えるように配置され、自ブースが設置される場所に関する情報である場所情報に基づき、前記表示部の表示を変えることを特徴とするブースである。
請求項8に記載の発明は、前記場所情報は、自ブースが設置される場所の周囲の環境についての情報であり、当該環境についての情報に基づき、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項7に記載のブースである。
請求項9に記載の発明は、前記環境についての情報は、自ブースが設置される場所の周囲の色の情報であり、当該周囲の色の画像を表示するように、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項8に記載のブースである。
請求項10に記載の発明は、前記場所情報に基づき、自ブースが設置される場所が特定の条件を満たす場所の場合、当該特定の条件を満たす場所で禁止される表示をしないように、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項7に記載のブースである。
請求項11に記載の発明は、前記場所情報は、自ブースが設置される場所の移動についての情報であり、当該場所の移動に応じて、前記表示部の表示を変えることを特徴とする請求項7に記載のブースである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部を、人が入室可能な空間の内部を空間の外部から見えるように配置したブースにおいて、空間の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、表示部の表示を変えることができる。
請求項2記載の発明によれば、空間の内部及び外部に人が存在するか否かによらず、表示部に画像を表示する構成と比較して、空間の内部の人に向けて画像を表示し易くなる。
請求項3記載の発明によれば、空間の内部及び外部に人が存在するか否かによらず、表示部に画像を表示する構成と比較して、空間の外部の人に向けて画像を表示し易くなる。
請求項4記載の発明によれば、空間の内部及び外部に人が存在するか否かによらず、表示部に画像を表示する構成と比較して、空間の内部の人に向けて画像を表示するとともに、空間の内部の人の様子が空間の外部の人に見られてしまうことを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、予約情報に基づいて、表示部の表示を変えることができる。
請求項6記載の発明によれば、空間を予約した目的に基づいて、表示部の表示を変えることができる。
請求項7記載の発明によれば、場所情報に基づいて、表示部の表示を変えることができる。
請求項8記載の発明によれば、自ブースが設置される場所の周囲の環境に基づいて、表示部の表示を変えることができる。
請求項9記載の発明によれば、表示部の表示を、自ブースが設置される場所の周囲に同調させることができる。
請求項10記載の発明によれば、自ブースが設置される場所で禁止される表示がある場合に、表示部において、禁止される表示をしないようにすることができる。
請求項11記載の発明によれば、自ブースが設置される場所の移動に応じて、表示部の表示を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの全体構成の例を概略的に示す図である。
図2】空間の外観構成例を説明する図である。
図3】本実施の形態に係る空間管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
図4】空間管理サーバの機能構成の例を説明する図である。
図5】空間管理サーバにて実施される処理の手順の一例を示したフローチャートである。
図6】(A)~(D)は、人の検知結果に基づいて表示部の表示を変える場合の一例を説明する図である。
図7】2つの表示部を設けた場合の空間の外観構成例を説明する図である。
図8】(A)~(D)は、2つの表示部の表示を異ならせる場合の一例を示す図である。
図9】2つの表示部を重ねるように配置した空間の外観構成例を説明する図である。
図10】表示部が受け付けた入力に従って、別の表示部に画像を表示する場合の一例を説明する図である。
図11】本実施の形態に係る表示部の構成の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システム1の全体構成の例を概略的に示す図である。本実施の形態に係る情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の装置、空間2で構成されている。
【0010】
空間2は、人が入室可能な空間を有する場所であって、壁や間仕切り、パーティション等によって周囲から区切られた場所である。具体的には、空間2は、例えば、個室の作業場所や、建物内の部屋、宿泊施設等の客室、会社内等の会議スペースを含む。また、空間2は、自動車等の移動可能な場所であってもよい。本実施の形態において、空間2は、ブース、装置の一例として用いられる。
また、本実施の形態における空間2には、管理上の名称や番号等が付与されている。なお、空間2の予約は、有料でも無料でもよい。
【0011】
また、空間2の扉に電子錠が取り付けられている場合、空間2の利用は、事前に配布された電子鍵を有することが利用の条件になる。また、扉を有しない空間2の場合には、例えば、事前に配布された認証コードを用いてユーザを認証する方法、空間2の管理者が空間2を利用するユーザの氏名を確認する方法等が利用の条件になる。
なお、ユーザが空間2を予約する場合、空間2を利用するユーザ自身が予約してもよいし、空間2を利用するユーザの代わりに他のユーザが予約してもよい。
【0012】
また、図1に示す例では、クラウドネットワーク3に接続された装置の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する空間管理サーバ5が示されている。更に、クラウドネットワーク3には、空間2が接続されている。より具体的には、空間2には各種の機器が設けられ、これらの機器が、クラウドネットワーク3に接続されている。
【0013】
ここで、ある空間2を管理する事業者は、単独でも複数でもよい。例えば予約の管理、利用権限の管理、入退室や室内の利用状況などの管理、ユーザに対する利用料金の請求に関する管理、ユーザとして登録されている会員の管理のそれぞれを、異なる事業者が分担してもよい。また、空間2毎に異なる事業者が管理してもよい。
また、上述したように、予約の対象として管理される空間2は、同種である必要もない。例えば空間2の一部は宿泊施設等の客室であり、空間2の一部は会議スペースでもよい。
また、1つの目的又は機能についての管理を、複数の事業者が協働で提供してもよい。
【0014】
ユーザ端末4は、ユーザが使用する装置である。本実施の形態では、ユーザ端末4として、例えば、ユーザが携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、ユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0015】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。また、空間管理サーバ5は、空間2に設けられた各種の機器を制御する。具体的には、空間管理サーバ5は、後述する表示部21の表示を制御する。
また、空間管理サーバ5は、空間2に関連付けられている物品やサービスの予約を管理してもよい。例えば、貸し出しや使用の許諾が可能な物品やサービス、消費される又は消耗する物品やサービスを管理してもよい。
なお、図1には、空間管理サーバ5として、1台の装置しか示していないが、複数台の装置を用意してもよい。即ち、空間管理サーバ5の機能を1台の装置で実現するのではなく、複数台の装置で空間管理サーバ5の機能を実現するようにしてもよい。また、空間管理サーバ5を各々の空間2に配置して、各空間2に配置された空間管理サーバ5の各々が、その空間2の各種の機器を制御するようにしてもよい。
【0016】
<空間の構成>
図2は、空間2の外観構成例を説明する図である。
図2に示す空間2は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
図2に示す空間2は、天井が取り付けられている閉鎖型のブースである。ただし、空間2は、人が入室可能な空間を有し、周囲から区切られた場所であればよく、空間2を構成する躯体の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。例えば、天井20Aを取り除いた構成も可能である。また、通気口や小窓等の開口や隙間が、空間2を構成する躯体の一部分に設けられていてもよい。また、窓は開閉が可能でもよい。
【0017】
図2に示す空間2の躯体は、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとで構成される。
天井20Aには、換気口23が設けられている。換気口23には、開口面積の調整が可能なルーバ23Aが取り付けられている。図2のルーバ23Aは、全開状態にある。
本実施の形態では、扉22は、一例として、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。また、図2に示す例では、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉でもよいし、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉でもよい。更に、扉22には、開閉時に人が掴む取手22Aが取り付けられている。また、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする電子錠22Cが取り付けられている。
【0018】
また、扉22の中央部分には、秘匿性と防犯性を考慮した加工が施された部材22Bが配置されている。部材22Bは、例えば多数の孔が配列された金属製の板(例えばパンチングメタル)が内側に取り付けられた透明板でもよいし、目隠しとなる部材が隙間を空けて内側に取り付けられた透明板でもよいし、正面からは内部の確認が容易であるが斜め方向からは内部の確認が困難なフィルムが貼り付けられた透明板でもよいし、内部の視認性を低下させる加工が施された透明板でもよい。なお、当該加工は、部材22Bの一部に施されていてもよい。
もっとも、秘匿性と防犯性を考慮した加工は、扉22以外の部材にも施されることを妨げない。例えば壁面20D、20E、20Fの少なくとも一部に秘匿性と防犯性を考慮した加工が施されていてもよい。
【0019】
空間2の利用人数は、空間2の容積によっておおよそ決まる。図2に示す空間2は、基本的に1~3人の少人数が使用する個室型を想定したものである。もっとも、本実施の形態に係る空間2は、多人数を収容可能な大部屋でもよい。大部屋は、単独の部屋として構成されていてもよいが、空間2の壁面20D及び20Eの一方又は両方を取り除いた複数の空間2を連結することで形成してもよい。
【0020】
更に、壁面20Dには、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部21が配置されている。この表示部21は透過性を有していることから、裏側を透けて見せることができ、空間2の内部を空間2の外部から見えるように配置されている。また、空間2の内部から表示部21を見ると、空間2の外部を視認することが可能である。更に、表示部21により、空間2の内部の人に向けて画像を表示する場合もあれば、空間2の外部の人に向けて画像を表示する場合もある。
【0021】
付言すると、表示部21を通して空間2の外部から空間2の内部が見えることにより、例えば、内部の様子の確認や空室か否かの確認などが行われる。また、表示部21を通して空間2の内部から空間2の外部が見えることにより、例えば、外部の様子の確認や空間2の近くに人がいるか否かの確認などが行われる。また、例えば、空間2の内部の人にとって、空間2が広く感じられるようになる。
なお、表示部21の表示の制御は、空間管理サーバ5によって行われる。ただし、例えば、空間管理サーバ5によらず、表示部21自体が表示の制御を行ってもよい。
【0022】
また、空間2の内部には、空間2の内部の撮影を行うカメラなどにより構成される撮影装置24A、空間2の内部の人を検知する人感センサ25Aが設けられている。
更に、空間2の外表面には、空間2の外部の撮影を行うカメラなどにより構成される撮影装置24B、空間2の外部の人を検知する人感センサ25Bが設けられている。
また、空間2の外表面には、空間2を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置26が設けられる。この情報取得装置26は、例えば、利用者に翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置26は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
【0023】
また、図2には示していないが、空間2に、他の各種センサを設けてもよい。他の各種センサとしては、例えば、空間2の内部の音の収集に使用される集音マイク、空間2の外部の音の収集に使用される集音マイク、モノの動きを検知する加速度センサやジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して空間2の位置を測定するGPSセンサ等が例示される。なお、これらの各種センサを表示部21に備え付けてもよい。
【0024】
<表示部の構成>
図11は、本実施の形態に係る表示部21の構成の一例を説明する図である。
表示部21は、上述したように、透過性を有し、かつ、画像を表示するディスプレイである。この表示部21は、表裏2枚のガラス基板21A、2枚のガラス基板21Aの間に挟まれて配置される透過型液晶パネル21B、光源部21Cを有する。光源部21Cは、ガラス基板21Aの端部に配置される。光源部21Cとしては、例えば、LED(Light Emitting Diode)光源が例示される。光源部21Cは不透明であるが、これらの部材がガラス基板21Aの端部に配置されているため、人の目には、表示部21を透過して、物体6が見えている。
【0025】
ここで、光源部21Cは、赤、緑、青の光を、それぞれ例えば5ミリ秒間隔で発する。光源部21Cから発せられた光は、ガラス基板21Aと透過型液晶パネル21Bとの間を反射しながら進む。そして、透過型液晶パネル21Bの特定の画素に電圧をかけて、液晶の向きを変え、光を散乱させることにより、狙った部分が光るようになる。光源部21Cが赤、緑、青の光を発するタイミングに合わせて、透過型液晶パネル21Bの液晶を制御することにより、フルカラーの映像が表現される。
このような制御により、人の目には、表示部21に表示された画像(動画及び静止画を含む)が見えるとともに、表示部21を透過して物体6が見えるようになる。
【0026】
なお、図11に示す例は、表示部21の構成の一例である。表示部21は、透過性を有し、かつ、画像を表示するものであればよく、図11に示す例に限定されない。例えば、表示部21として、有機EL(Electro-Luminescence)を用いた透過型有機ELディスプレイを用いたり、無機ELを用いた透過型無機ELディスプレイを用いたりしてもよい。
【0027】
<空間管理サーバのハードウェア構成>
図3は、本実施の形態に係る空間管理サーバ5のハードウェア構成の一例を説明する図である。
空間管理サーバ5は、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、管理データ等を記憶するハードディスクドライブ102と、LAN(Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0028】
制御ユニット101は、CPU(Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(Basic Input Output System)等が記憶されたROM(Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)113とを有している。CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0029】
ハードディスクドライブ102は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。もっとも、不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、空間管理サーバ5は、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、ハードディスクドライブ102と、ネットワークインターフェース103とは、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0030】
<空間管理サーバの機能構成>
図4は、空間管理サーバ5の機能構成の例を説明する図である。空間管理サーバ5は、人検知結果取得部51、内部情報取得部52、外部情報取得部53、予約情報取得部54、場所情報取得部55、表示制御部56を備える。
【0031】
人検知結果取得部51は、人の検知結果を取得する。人の検知結果は、例えば、空間2の内部に人が存在するか否かの検知結果、空間2の外部に人が存在するか否かの検知結果である。人の検知結果は、例えば、人感センサ25A、人感センサ25B等により収集されて、空間管理サーバ5に送信される。
【0032】
内部情報取得部52は、空間2の内部の人から受け付けた情報を取得する。例えば、内部情報取得部52は、空間2の内部の人の操作によって受け付けた情報を取得したり、空間2の内部の人が発した音声によって受け付けた情報を取得したりする。
【0033】
外部情報取得部53は、空間2の外部の人から受け付けた情報を取得する。例えば、外部情報取得部53は、空間2の外部の人の操作によって受け付けた情報を取得したり、空間2の外部の人が発した音声によって受け付けた情報を取得したりする。
【0034】
予約情報取得部54は、空間2の予約に関する情報(以下、「予約情報」と称する)を取得する。例えば、予約情報取得部54は、空間2の予約を管理する予約管理サーバ(不図示)から、予約情報を取得する。この予約情報には、例えば、空間2を予約した予約者の情報、空間2を利用する予定の利用者の情報、空間2を予約した目的、空間2が予約されている日時、予約者が設定した情報などが含まれる。
【0035】
場所情報取得部55は、空間2の場所に関する情報(以下、「場所情報」と称する)を取得する。場所情報は、例えば、空間2の周囲の環境についての情報や、空間2の移動についての情報である。
この場所情報は、例えば、空間2に設けられた撮影装置24A、撮影装置24B、集音マイク、加速度センサ等の各種センサにより収集されて、空間管理サーバ5に送信される。また、例えば、空間2とは別の位置に撮影装置を設け、この撮影装置により空間2を撮影して得られた情報を場所情報としてもよい。更に、場所情報は、例えば、空間2の場所の気温や天気の情報など、インターネットを介して収集される情報であってもよい。また、場所情報は、例えば、空間2の場所の住所など、ユーザが空間管理サーバ5に登録する情報であってもよい。更に、場所情報は、現在の情報に限られず、将来の予測により得られる情報であってもよい。将来の予測により得られる情報としては、例えば、天気予報の情報が例示される。
【0036】
表示制御部56は、表示部21の表示を制御する。ここで、表示制御部56は、人検知結果取得部51が取得する人の検知結果、内部情報取得部52が取得する情報、外部情報取得部53が取得する情報、予約情報取得部54が取得する予約情報、場所情報取得部55が取得する場所情報などに基づいて、表示部21の表示を制御する。
【0037】
そして、空間管理サーバ5の各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、空間管理サーバ5を、図3に示したハードウェア構成にて実現した場合、例えば、ハードディスクドライブ102やROM112等に記憶されたプログラムが、RAM113に読み込まれてCPU111に実行されることにより、人検知結果取得部51、内部情報取得部52、外部情報取得部53、予約情報取得部54、場所情報取得部55、表示制御部56等の各機能部が実現される。
【0038】
<空間管理サーバの処理手順>
図5は、空間管理サーバ5にて実施される処理の手順の一例を示したフローチャートである。図5に示す処理は、例えば定期的(例えば1秒毎)に行われる。
なお、以下では、処理のステップを記号の「S」と表記する。
【0039】
まず、表示制御部56は、表示を制御する対象となる表示部21を決定する(S101)。例えば、表示制御部56は、複数の空間2の各々に配置された表示部21の中から、表示を制御する対象となる表示部21を決定する。
次に、表示制御部56は、S101で決定した表示部21の表示を制御するために、用いられる情報を取得する(S102)。ここで取得される情報は、例えば、人検知結果取得部51が取得する人の検知結果、予約情報取得部54が取得する予約情報、場所情報取得部55が取得する場所情報である。
次に、表示制御部56は、S102で取得した情報を基に、表示部21の表示を制御する(S103)。そして、本処理フローは終了する。
【0040】
<空間管理サーバの処理の具体例>
次に、空間管理サーバ5の処理の具体例について説明する。
【0041】
(人の検知結果に基づいて表示部の表示を変える場合)
まず、人の検知結果に基づいて、表示部21の表示を変える場合について説明する。図6は、人の検知結果に基づいて表示部21の表示を変える場合の一例を説明する図である。この例では、空間2の内部に人が存在するか否かの検知結果、及び、空間2の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、表示部21の表示を変えるものとする。
【0042】
例えば、図6(A)に示すように、空間2の内部及び外部の両方に人が存在しない場合(即ち、空間2の内部及び外部で人が検知されない場合)、表示制御部56は、表示部21の表示をオフにする。「表示をオフにする」とは、表示部21は起動しているが何も表示しない状態や、表示部21の電源を切る状態を意味する。この場合、表示部21には何も表示されず、空間2の外部から空間2の内部が視認可能な状態になる。
【0043】
また、例えば、図6(B)に示すように、空間2の内部に人が存在せず、空間2の外部に人が存在する場合(即ち、空間2の内部で人が検知されず、空間2の外部で人が検知される場合)、表示制御部56は、空間2の外部の人に向けて画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。
この例では、外部の人に向けて、内部に人がいないことを知らせるメッセージとして、「入室可能」の文字が表示されている。ここで、表示部21をタッチパネルディスプレイ(以下、単に「タッチパネル」と称する)として、空間2の外部の人から、空間2に入室するための操作を受け付けてもよい。
なお、仮に空間2の内部から「入室可能」の文字を見た場合、文字自体を視認することは可能であるが、いわゆる鏡文字(即ち、左右を反転させた文字)として見えることになる。
【0044】
また、例えば、図6(C)に示すように、空間2の内部に人が存在し、空間2の外部に人が存在しない場合(即ち、空間2の内部で人が検知され、空間2の外部で人が検知されない場合)、表示制御部56は、空間2の内部の人に向けて画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。
この例では、内部の人に向けて、広告として、「広告XXX」の文字が表示されている。ただし、図示のように、空間2の外部から見た場合には、いわゆる鏡文字として見えることになる。
【0045】
また、例えば、図6(D)に示すように、空間2の内部及び外部の両方に人が存在する場合(即ち、空間2の内部及び外部の両方で人が検知される場合)、表示制御部56は、空間2の内部の人に向けて特定の画像を表示するとともに、空間2の外部から表示部21を通して空間2の内部を視認できないようにする他の画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。
この例では、図示していないが、内部の人に向けて、空間2の付近に人がいることを知らせるメッセージとして、「人が近くにいます」の文字が表示されている。また、その他の表示領域には、例えば白色や黒色などの不透過の画像が表示されている。よって、内部からは「人が近くにいます」の文字が見えるが、外部からは表示部21を通して空間2の内部を視認することができない状態である。この例では、「人が近くにいます」の文字が特定の画像の一例であり、不透過の画像が他の画像の一例である。
なお、不透過の画像を表示する場合、例えば、表示部21の表示領域の全面に表示してもよいし、表示部21の表示領域の下半分など、表示部21の表示領域の一部に表示してもよい。
【0046】
このように、空間2の内部に人が存在するか否かの検知結果、空間2の外部に人が存在するか否かの検知結果に基づいて、表示部21の表示が制御される。
なお、これらの例は、人の検知結果に基づいて表示部21の表示を制御する場合の一例であり、このような表示制御を行う構成に限られない。例えば、図6(D)の場合に、不透過の画像を表示するとともに、内部の人ではなく、外部の人に向けて情報を表示してもよい。具体的には、例えば、不透過の画像を表示するとともに、外部の人に向けて、内部に人がいることを知らせるメッセージとして、「入室不可」の文字を表示してもよい。
【0047】
また、これらの例では、空間2の内部及び外部の両方の検知結果を用いたが、両方の検知結果を用いるのではなく、何れか一方の検知結果を用いてもよい。
例えば、空間2の内部に人が存在するか否かの検知結果のみに基づいて、表示部21の表示を制御してもよい。具体的には、例えば、空間2の内部に人が存在する場合、表示制御部56は、空間2の内部に向けて画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、空間2の内部に人が存在しない場合、表示制御部56は、空間2の外部に向けて画像を表示するように表示部21の表示を制御する。
また、例えば、空間2の外部に人が存在するか否かの検知結果のみに基づいて、表示部21の表示を制御してもよい。具体的には、例えば、空間2の外部に人が存在する場合、表示制御部56は、空間2の外部に向けて画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、空間2の外部に人が存在しない場合、表示制御部56は、表示部21の表示をオフにする。
【0048】
(予約情報に基づいて表示部の表示を変える場合)
次に、予約情報に基づいて、表示部21の表示を変える場合について説明する。表示制御部56は、予約情報に基づいて、表示部21のオン及びオフを制御したり、表示部21に表示する画像(例えば広告)の内容を変えたりする。
【0049】
例えば、表示制御部56は、予約情報として、空間2を予約した目的についての情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、秘密の商談や未公開品の保管などを目的とする場合、空間2の外部から空間2の内部が見えないようにするために、表示制御部56は、表示部21の表示領域に不透過の画像を表示する。また、例えば、展示を目的とする場合、空間2の外部から空間2の内部が見えるようにするために、表示制御部56は、展示の案内文を表示し、他の表示領域には画像を表示しないように、表示部21の表示を制御する。
【0050】
また、例えば、表示制御部56は、予約情報として、空間2が予約されている日時についての情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、空間2が予約されている日時が昼の時間帯の場合、表示制御部56は、日光を遮断するために透過性のある色付きの画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。また、例えば、空間2が予約されている日時が夜の時間帯の場合、表示制御部56は、昼に表示した画像よりも透過性の高い画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。
更に、例えば、表示制御部56は、空間2が予約されている日時についての情報に基づき、空間2が現在空室かどうかを示す情報や、いつになったら空きになって予約が可能になり利用できるかを示す情報を表示してもよい。また、表示制御部56は、「隣の空間2が空いています」、「ここから100メートル離れた空間2が空いています」等のメッセージのように、周辺の空いている空間2を案内する情報を表示してもよい。
【0051】
また、例えば、表示制御部56は、予約情報として、予約者が設定した情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、空間2の内部を見られたくない予約者は、予約情報として、不透過の画像を表示するように設定する。この場合、表示制御部56は、この予約者が予約している日時において、不透過の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、例えば、展示をする予約者は、予約情報として、展示の案内文を表示して他の表示領域には画像を表示しないように設定する。この場合、表示制御部56は、この予約者が予約している日時において、展示の案内文を表示して、他の表示領域には画像を表示しないように、表示部21の表示を制御する。
その他、例えば、表示制御部56は、空間2の予約者や利用者の属性(例えば、性別、年齢、国籍)の情報に基づき、表示部21のオン及びオフを制御したり、表示部21に表示する画像(例えば広告)の内容を変えたりしてもよい。
【0052】
(場所情報に基づいて表示部の表示を変える場合)
次に、場所情報に基づいて、表示部21の表示を変える場合について説明する。表示制御部56は、場所情報に基づいて、表示部21のオン及びオフを制御したり、表示部21に表示する画像(例えば広告)の内容を変えたりする。
【0053】
例えば、表示制御部56は、場所情報として、空間2の周囲の環境についての情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部56は、空間2の周囲の環境として、空間2の周囲の色の情報に基づき、表示部21の表示を制御する。ここで、例えば、表示制御部56は、空間2の周囲の色が白色系の場合には、白色系の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、例えば、表示制御部56は、空間2の周囲の色が青色系の場合には、青色系の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。このように、空間2の周囲の色と同じ系統の色の画像を表示することにより、表示部21の表示が周囲のインテリアに同調するようになる。
また、周囲の環境についての情報としては、他に、例えば、空間2の周囲の音の大小、空間2の周囲の人通りの多さ、空間2の日当たりや明るさ、気温、湿度、天気などの情報が例示される。
【0054】
更に、例えば、表示制御部56は、場所情報として、空間2の移動についての情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部56は、空間2の移動に応じて、表示部21の表示を制御する。ここで、例えば、表示制御部56は、空間2が移動中の場合には、表示部21の表示をオフにする。また、表示制御部56は、空間2が停止している場合には、広告などの特定の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。
また、空間2の移動についての情報としては、他に、例えば、空間2の移動の速度などの情報が例示される。
【0055】
更に、例えば、表示制御部56は、場所情報として、空間2が属する地域の情報に基づき、表示部21の表示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部56は、空間2が市街地にある場合、表示部21に不透過の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、例えば、表示制御部56は、空間2が山間部にある場合、表示部21の表示をオフにする。このように、空間2が属する地域の種類に応じて、表示部21の表示が制御される。
また、空間2が属する地域の情報としては、他に、例えば、東京や大阪などの地名の情報や、国内、国外などの情報が例示される。
【0056】
更に、例えば、表示制御部56は、場所情報として、空間2の場所の属性を示す情報に基づき、表示部21の表示を制御する。
空間2の場所の属性としては、例えば、オフィス、病院、学校、駅、空港、デパート等、空間2が存在する施設の情報が例示される。また、例えば、高速道路、一般道路などの道路の情報であってもよい。空間2の場所の属性は、例えば、空間2の住所やGPSセンサで取得される位置情報を基に判断される。また、空間2毎に属性を予め付与してもよい。
そして、例えば、表示制御部56は、空間2の場所の属性がオフィスの場合、表示部21に不透過の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、例えば、表示制御部56は、空間2の場所の属性が病院の場合、表示部21に広告の画像を表示したり、文字の大きさが閾値以上のコンテンツを表示したりする。
【0057】
更に、例えば、表示制御部56は、場所情報として、空間2の場所にいるユーザに関する情報に基づき、表示部21の表示を制御する。
空間2の場所にいるユーザに関する情報としては、例えば、会社員が多い、高齢者が多い、子供が多い等の情報が例示される。空間2の場所にどのようなユーザがいるかについては、空間2の場所に応じて判断される。例えば、空間2がオフィスにある場合、会社員が多いと判断される。また、例えば、空間2が東京の巣鴨にある場合、高齢者が多いと判断される。このような場所の情報は、上述したように、例えば、空間2の住所やGPSセンサで取得される位置情報、空間2毎に付与された属性を基に判断される。また、例えば、撮影装置24Aや撮影装置24Bで撮影された画像から、どのようなユーザがいるかを判断してもよい。
そして、例えば、表示制御部56は、空間2の場所に会社員が多い場合、表示部21に不透過の画像を表示するように表示部21の表示を制御する。また、例えば、表示制御部56は、空間2の場所に高齢者が多い場合、表示部21に広告の画像を表示したり、文字の大きさが閾値以上のコンテンツを表示したりする。
【0058】
更に、例えば、表示制御部56は、場所情報に基づき、空間2の場所が特定の条件を満たす場所の場合、特定の条件を満たす場所で禁止される表示をしないように、表示部21の表示を制御してもよい。
具体的には、例えば、特定の地域の法律により、人通りの多い場所では交通の妨げにならないように、画像を表示することが禁止されているとする。この場合、表示制御部56は、特定の地域にある空間2について、空間2の周囲の人通りの情報に基づき、空間2の周囲の人通りが多いか否かを判断する。そして、空間2の周囲の人通りが多いと判断された場合、表示制御部56は、表示部21の表示をオフにする。
なお、人通りの多さは、例えば、撮影装置24Bにて得られた画像を解析して、一定時間内に撮影された人の人数が予め定めた閾値を超える場合に「人通りが多い」とされ、予め定めた閾値以下の場合に「人通りが少ない」とされる。
【0059】
なお、上述した、人の検知結果、予約情報、場所情報のうち、どの情報を用いて表示部21の表示を制御するかについては、例えば、空間2の管理者等によって予め定められる。
ここで、人の検知結果の情報、予約情報、場所情報のうち、複数の情報を用いて表示部21の表示を制御してもよい。例えば、空間2の内部に人が存在し、空間2の外部に人が存在しない場合に、空間2を予約した目的が秘密の商談である場合、表示制御部56は、空間2の内部の人に向けて、「広告XXX」の文字を表示するとともに、他の表示領域に不透過の画像を表示するように、表示部21の表示を制御する。
【0060】
また、人の検知結果、予約情報、場所情報のうち、複数の情報を用いる場合、それぞれの情報に優先度を定めてもよい。例えば、優先度の高い方から、人の検知結果、予約情報、場所情報とした場合、人の検知結果が最も優先される。よって、例えば、人の検知結果に基づいて表示部21の表示をオフにする場合、予約情報、場所情報にかかわらず、表示部21の表示はオフにされる。ただし、複数の情報を用いる場合の規則は、優先度に基づく規則に限られない。例えば、空間2の管理者等の操作により、人の検知結果、予約情報、場所情報のうち、優先させる情報を決定してもよい。
【0061】
また、この例では、人の検知結果の情報、予約情報、場所情報について説明したが、表示部21の表示を制御する場合に用いる情報は、これらの情報に限定されない。例えば、空間2の管理者が入力した情報を基に、表示部21の表示を制御してもよい。また、例えば、空間2の内部の人が入力した情報や空間2の外部の人が入力した情報を基に、表示部21の表示を制御してもよい。具体的には、例えば、空間2の利用者が外部から見られたくない場合、その利用者は、不透過の画像を表示するように操作してもよい。
【0062】
<空間2の他の構成例>
次に、空間2の他の構成例について説明する。本実施の形態では、空間2に複数の表示部21を設けてもよい。そこで、複数の表示部21を備える空間2の一例として、2つの表示部21を備える空間2について説明する。
【0063】
図7は、2つの表示部21を設けた場合の空間2の外観構成例を説明する図である。
図7に示す空間2には、扉22に表示部21Aが配置されるとともに、壁面20Dに表示部21Bが配置されている。表示部21A及び表示部21Bは、図2の表示部21と同様に、透過性を有し、かつ、画像を表示する表示部である。表示部21Aは、図2の部材22Bに代えて配置されている。また、表示部21Bは、図2の表示部21と同じ位置に配置されている。
【0064】
次に、表示部21A及び表示部21Bの表示の制御について説明する。表示制御部56は、表示部21A及び表示部21Bの表示が同じになるように制御してもよいし、異ならせるように制御してもよい。
表示部21A及び表示部21Bの表示を異ならせる場合、例えば、表示部21Aを空間2の外部の人に向けて画像を表示する表示部とし、表示部21Bを空間2の内部の人に向けて画像を表示する表示部とする。この場合、一の表示部の一例として、表示部21Bが用いられる。また、他の表示部の一例として、表示部21Aが用いられる。
【0065】
図8は、2つの表示部21(ここでは、表示部21A及び表示部21B)の表示を異ならせる場合の一例を示す図である。
例えば、図8(A)に示すように、空間2の内部及び外部の両方に人が存在しない場合、表示制御部56は、表示部21A及び表示部21Bの表示をオフにする。
また、例えば、図8(B)に示すように、空間2の内部に人が存在せず、空間2の外部に人が存在する場合、表示制御部56は、空間2の外部の人に向けて画像を表示するように、表示部21Aの表示を制御する。この例では、外部の人に向けて、内部に人がいないことを知らせるメッセージとして、表示部21Aに「入室可能」の文字が表示されている。また、表示部21Bの表示をオフにする。
【0066】
更に、例えば、図8(C)に示すように、空間2の内部に人が存在し、空間2の外部に人が存在しない場合、表示制御部56は、空間2の内部の人に向けて画像を表示するように、表示部21Bの表示を制御する。この例では、内部の人に向けて、広告として、「広告XXX」の文字が表示されている。また、表示部21Bの表示をオフにする。
また、例えば、図8(D)に示すように、空間2の内部及び外部の両方に人が存在する場合、表示制御部56は、空間2の外部の人に向けて画像を表示するように、表示部21Aの表示を制御する。また、空間2の内部の人に向けて画像を表示するように、表示部21Bの表示を制御する。この例では、外部の人に向けて、内部に人がいることを知らせるメッセージとして、表示部21Aに「入室不可」の文字が表示されている。また、内部の人に向けて、空間2の付近に人がいることを知らせるメッセージとして、表示部21Bに「人が近くにいます」の文字が表示されている。
【0067】
更に、2つの表示部21を重ねるように配置してもよい。図9は、2つの表示部21を重ねるように配置した空間2の外観構成例を説明する図である。図9に示す例では、扉22に表示部21A及び表示部21Bが配置されている。この場合も、例えば、表示部21Aを空間2の外部の人に向けて画像を表示する表示部とし、表示部21Bを空間2の内部の人に向けて画像を表示する表示部とする。
【0068】
ここで、表示部21Aが空間2の外部の人から情報の入力を受け付けて、表示部21Bが空間2の内部の人から情報の入力を受け付けることとしてもよい。具体的には、表示部21A及び表示部21Bはタッチパネルであり、空間2の外部の人又は空間2の内部の人からの操作を受け付ける。そして、外部情報取得部53は、表示部21Aにおいて空間2の外部の人から受け付けた情報を取得する。また、内部情報取得部52は、表示部21Bにおいて空間2の内部の人から受け付けた情報を取得する。表示制御部56は、外部情報取得部53が取得した情報を基に、表示部21Aの表示を制御する。また、表示制御部56は、内部情報取得部52が取得した情報を基に、表示部21Bの表示を制御する。
【0069】
更に、表示制御部56は、表示部21Aが入力を受け付けた場合、この入力に従って、表示部21Bに画像を表示するようにしてもよい。また、表示制御部56は、表示部21Bが入力を受け付けた場合、この入力に従って、表示部21Aに画像を表示するようにしてもよい。付言すると、表示制御部56は、外部情報取得部53が取得した情報を基に、表示部21Bの表示を制御してもよい。また、表示制御部56は、内部情報取得部52が取得した情報を基に、表示部21Aの表示を制御してもよい。
【0070】
図10は、表示部21Aが受け付けた入力に従って、別の表示部21Bに画像を表示する場合の一例を説明する図である。例えば、空間2の外部の人が表示部21Aにて文字を入力した場合、表示部21Aにて入力された文字が、表示部21Bに表示される。また、空間2の内部の人が、表示部21Bに表示された文字を見て、その応答となる文字を表示部21Bに入力すると、表示部21Bにて入力された文字が、表示部21Aに表示される。このような処理を行うことにより、空間2の外部の人及び内部の人が、扉22を通して相手の顔や姿を確認しつつ、情報のやり取りが行われるようになる。
【0071】
なお、この例では、2つの表示部21を重ねて配置した構成において、空間2の外部の人と内部の人とが情報のやり取りをする場合について説明したが、図7に示すように、2つの表示部21を重ねて配置しない構成においても、空間2の外部の人と内部の人とが情報のやり取りをしてもよい。図7に示す例では、空間2の外部の人が表示部21Aを操作して、空間2の内部の人が表示部21Bを操作することにより、情報のやり取りが行われる。
また、表示部21A及び表示部21Bが情報の入力を受け付ける手段は、タッチパネルに限定されない。例えば、表示部21A及び表示部21Bの各々に集音マイクを設けて、人の音声によって情報の入力を受け付けてもよい。
【0072】
また、本実施の形態において、表示部21は、空間2の内部が空間2の外部から見えるように配置されればよく、表示部21が配置される位置は、壁面20Dや扉22に限定されない。例えば、表示部21を、天井20Aに配置したり、床面20Bに配置したりしてもよい。付言すると、例えば、表示部21は、空間2の内部と外部とを隔てる隔壁部に配置される。本実施の形態では、例えば、天井20A、床面20B、壁面20C~20F、扉22は、隔壁部の一例として用いられる。
更に、本実施の形態において、表示部21の大きさは限定されない。例えば、壁面20Dの全面に表示部21を配置してもよい。また、例えば、壁面20C~20Fの空間2の周囲360度に渡り、表示部21を配置してもよい。
【0073】
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に記憶して提供することも可能である。
【0074】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…情報処理システム、2…空間、21…表示部、5…空間管理サーバ、51…人検知結果取得部、52…内部情報取得部、53…外部情報取得部、54…予約情報取得部、55…場所情報取得部、56…表示制御部
図1
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図4
図5
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図8
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図11