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▶ 株式会社寺田製作所の特許一覧

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  • 特開-茶葉揉捻機の構造 図1
  • 特開-茶葉揉捻機の構造 図2
  • 特開-茶葉揉捻機の構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155528
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】茶葉揉捻機の構造
(51)【国際特許分類】
   A23F 3/12 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
A23F3/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064880
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000145116
【氏名又は名称】株式会社寺田製作所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 順一
【テーマコード(参考)】
4B027
【Fターム(参考)】
4B027FB01
4B027FC10
4B027FP36
(57)【要約】
【課題】 オーソドックス揉捻機の主要部分を構成する、円筒ドラムと円筒ドラムから3方向に伸びた支持腕、支持腕の先に設けた軸受が、一体物として製作されている物を、各々、分割脱着可能とし、加工、組立、修理を容易にし、コストを下げること。
【解決手段】 円筒ドラムの外周に、補強帯を巻き付け、補強帯に補強円盤接続用ブラケットを溶接し、補強帯の外側に3分割した補強円盤を設け、分割した補強円盤には、それぞれ円筒ドラム支持腕を溶接し、補強円盤を接続用ブラケットにボルト締めし、円筒ドラム支持腕の先端には、脱着自在の軸受ユニットを設ける、という手段を用いる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に茶葉を載置可能な揉盤と、該揉盤の上面に対して、平行面内で回動可能に配設された、上下面が開放された円筒ドラムに、茶葉を投入し、
円筒ドラムの上方から、加圧棒の下端に取り付けた円盤状の加圧蓋を、円筒ドラムに沿って上下させて、揉盤と加圧蓋の間に、茶葉を挟み、茶葉を加圧しながら揉捻するオーソドックス式茶葉揉捻機において、
円筒ドラムと、円筒ドラムを保持する3本の保持腕を脱着自在としたこと、を特長とした茶葉揉捻機の構造。
【請求項2】
円筒ドラムの外周に、補強帯を巻き付け、補強帯に補強円盤接続用ブラケットを溶接し、補強帯の外側に3分割した補強円盤を設け、分割した補強円盤には、それぞれ円筒ドラム支持腕を溶接し、補強円盤を接続用ブラケットにボルト締めする、ことを特長とした請求項1記載の茶葉揉捻機の構造。
【請求項3】
円筒ドラム支持腕の先端に、脱着自在の軸受ユニットを設けたことを特長とした、請求項1、2記載の茶葉揉捻機の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、昔から製茶工場で使用されている揉捻機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統的な揉捻に代わるものとして、スクリューで揉捻作用をするローターバン揉捻機、ローラーで茶葉を裁断するCTC揉捻機、などが使用されて来ている。しかし、揉盤上を回動する円筒ドラムに茶葉を入れ、加圧蓋で、茶葉を加圧しながら揉捻する、オーソドックス式揉捻機も、未だ多数使われている。
【0003】
オーソドックス揉捻機は、円筒ドラムから3方向に伸びる支持腕を、3ケ所に設けたクランクで保持し、そのクランクを廻すことで、円筒ドラムを回動させるという方式を取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-346655号公報
【特許文献2】特開平10-56968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーソドックス式揉捻機は、それぞれ長い歴史があるが、基本的な構造は殆ど変わっていない。
【0006】
円筒ドラムが比較的小さい場合は、円筒ドラムと3方向に伸びる支持腕を、一体物として、鋳造により製作していた。円筒ドラムが大きくなるにつれて、円筒ドラムに補強帯を巻き付けて溶接し、3本の支持腕を補強帯に溶接して一体物とし、支持腕の先端に孔加工をする、という方法が行われている。
【0007】
近年、揉捻機が大型化しているので、円筒ドラムと3本の支持腕を一体化した物を取扱うには、広い場所と、大型の工作機械が必要になる。現地に運ぶにも大型のトラックを必要とする。更に、修理の場合、故障個所が一部でも、全体を交換する必要が生じる。
【0008】
この発明は、オーソドックス揉捻機を、鋳造部品や、特殊な大型工作機械を必要とせずに製作可能とし、運送の場合、大型トラックを必要とせず、修理の場合にも、必要部分だけの交換ですむ構造にすること、を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、
請求項1では
上面に茶葉を載置可能な揉盤と、該揉盤の上面に対して、平行面内で回動可能に配設された、上下面が開放された円筒ドラムに、茶葉を投入し、
円筒ドラムの上方から、加圧棒の下端に取り付けた円盤状の加圧蓋を、円筒ドラムに沿って上下させて、揉盤と加圧蓋の間に、茶葉を挟み、茶葉を加圧しながら揉捻するオーソドックス式茶葉揉捻機において、
円筒ドラムと、円筒ドラムを保持する3本の支持腕を分離し、脱着自在とする、という手段を用いた。
請求項2では
円筒ドラムと、3本の支持腕を脱着自在とする為に、
円筒ドラムの外周に、補強帯を巻き付け、補強帯に、補強円盤接続用ブラケットを溶接し、補強帯の外側に3分割した補強円盤を設け、分割した円盤には、それぞれ円筒ドラム支持腕を溶接し、補強円盤を接続用ブラケットにボルト締めする、という手段を用いた。
更に、請求項3では
円筒ドラム支持腕の先端に、脱着自在の軸受ユニットを設ける、という手段を用いた。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、最近、発達してきたレーザー加工技術を用いて、加工することが可能となり、円筒ドラムから伸びる3本の支持腕を、正確な寸法に仕上げることが出来るようになった。更に、近年、特に困難になって来た鋳造作業が不要になる効果は大きい。
円筒ドラムと、3本の支持腕を分離することにより、加工、組立の作業が容易になる。また、修理の際も、必要部分だけ交換すればよい。運送の際、分割すれば、普通のトラックが使用できる。
円筒ドラム外周の補強円盤と、補強帯をボルト締めにすることにより、補強帯が更に強化され、円筒ドラムの真円を出すことも容易となる。
円筒ドラム支持腕の先端の軸受を、脱着自在にすれば、支持腕の先端を大型工作機械で、孔加工する必要がなくなる。また、軸受として、市販の軸受ユニットを利用することも出来る。
揉捻機が、更に大型化に向っている今、大きなコストダウンが期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1はこの発明の実施例を示す茶葉揉捻機の平面図。
図2図2図1の茶葉揉捻機の側面図、円筒ドラム、補強帯、補強円盤、支持腕、軸受部は断面を示す。
図3図3は円筒ドラムと3本の支持腕を、分離した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明の実施例を図面に従って説明する。
【0013】
21はオーソドックス式揉捻機を揉盤であり、揉盤21の上面を、円筒ドラム1がクランク16、17、18で支えられて回動する。円筒ドラム1内には、加圧蓋保持腕25の先端に取り付けた加圧棒26により、加圧蓋19がぶら下がっている。
【0014】
加圧棒26の取付部は自在継手27を使用している。茶葉を投入する為に、加圧蓋19の直径は、円筒ドラム1の直径より小さくし、周りに隙間を設けてある。従って、円筒ドラム1の動きにより、加圧棒26は左右に振れる。自在継手27はこの振れを吸収する。
【0015】
加圧蓋保持腕25は、上下移動柱28に取付けられ一緒に上下する。上下移動柱28は、エアーシリダー24のロットに接続してあり、支柱20に沿って上下する。支柱20は、後部補強円盤5の上に立てられており、エアーシリンダー24を内蔵している。
【0016】
円筒ドラム1には、ドラム補強帯2が巻き付けてあり、その周りにブラケット3、4が溶接してある。円筒ドラム1の外側には、3ケに分割された補強円盤(後)5、(左)6、(右)7を設けてあり、ブラケット3、4により円筒ドラム1とボルト締めされて一体となる。ブラケット4は補強円盤の接続部に使用する。
【0017】
各々の補強円盤5、6、7には、円筒ドラム1を支持する腕8、9、10が溶接してある。各腕8、9、10の先端には、軸受ユニット13、14、15がボルト締めしてあり、クランク16、17、18の軸に嵌め合わせてある。
【0018】
クランク16、17、18を回転させて、円筒ドラム1を回動させる。
【0019】
ブラケット3、4と補強円盤5、6、7を繋いであるボルトを外せば、図3に示すように、ドラム円筒1と補強円盤5、6、7をバラバラにすることが出来る。
【0020】
同様に、軸受ユニット13、14、15も取外し、修理の時は交換できる。
【符号の説明】
【0021】
1 円筒ドラム
2 ドラム補強帯
3 ブラケット
4 ブラケット(補強円盤接続用)
5 補強円盤(後)
6 補強円盤(左)
7 補強円盤(右)
8 後腕
9 左腕
10 右腕
11、12 腕側板
13、14、15 軸受ユニット
16、17、18 クランク
19 加圧蓋
20 支柱
21 揉盤
22 本体枠
23 茶葉
24 エアーシリンダー
25 加圧蓋保持腕
26 加圧棒
27 自在継手
28 上下移動柱
29 ボルト・ナット
図1
図2
図3