(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155534
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
G05F 1/10 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
G05F1/10 C
G05F1/10 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064899
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金川 信康
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋
(72)【発明者】
【氏名】十文字 賢太郎
【テーマコード(参考)】
5H410
【Fターム(参考)】
5H410BB05
5H410CC02
5H410DD02
5H410EA11
5H410EB01
5H410EB09
5H410FF05
5H410FF25
(57)【要約】
【課題】所定の故障時動作継続性を実現するための冗長性を抑えると共に、必要不可欠な冗長性を電流経路上の負荷分散などの電力配電機能の性能向上に活かすことを目的とする。
【解決手段】本発明に係る電力供給システムは、車両内の単一負荷に電力を供給する複数の電力源と、単一負荷と複数の電力源のそれぞれとの間を接続する複数の電力供給経路と、複数の電力供給経路のうち少なくとも1つに流れる電流を調整する電流調整部と、を備え、電流制御部は、電力供給経路それぞれの電気的状態の状態量を比較し、該状態量の差が所定の条件を満たしたときに、該状態量の差を減じるように電力供給経路を流れる電流を調整する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の単一負荷に電力を供給する複数の電力源と、
前記単一負荷と前記複数の電力源のそれぞれとの間を接続する複数の電力供給経路と、
前記複数の電力供給経路のうち少なくとも1つに流れる電流を調整する電流調整部と、を備え、
前記電流調整部は、前記電力供給経路それぞれの電気的状態の状態量を比較し、該状態量の差が所定の条件を満たしたときに、該状態量の差を減じるように前記電力供給経路を流れる電流を調整する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電流調整部は、前記複数の電力供給経路のそれぞれに流れる電流を調整する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電力供給システムであって、
前記電流調整部は、前記複数の電力供給経路それぞれを流れる電流を異なるデューティサイクルのパルス幅変調によって調整する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項4】
請求項2に記載の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給経路のうち少なくとも一部の複数の電力供給経路を流れる電流のオン期間の一部が重なっている、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項5】
請求項3に記載の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給経路のうちの一部の電力供給経路を流れる前記デューティサイクルが100%である、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項6】
請求項3に記載の電力供給システムであって、
前記パルス幅変調の周期が前記電力供給経路の熱時定数よりも小さい、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項7】
請求項3に記載の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給経路からの複数の入力電力を該入力電力とは異なる電圧の単一の出力電力に変換する電圧変換装置を有し、
前記パルス幅変調が前記電圧変換装置によって実行される、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項8】
請求項3に記載の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給経路それぞれの電力源側に接続された電子制御ユニットをさらに有し、
前記電子制御ユニットによって前記パルス幅変調が行われる、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電力供給システムであって、
前記電子制御ユニットが、前記複数の電力供給経路に流れる電流を計測する機能を有する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項10】
請求項8に記載の電力供給システムであって、
前記電子制御ユニットが、前記複数の電力供給経路の温度を推定する機能を有する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項11】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電気的状態は、前記電力供給経路の配線抵抗の温度である、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項12】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電気的状態は、前記電力供給経路に接続された電源の容量である、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項13】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記電気的状態は、前記電力供給経路に接続された電源の電圧である、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項14】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
それぞれの前記電力供給経路が、複数のケーブルが結束された束線からなる、
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項15】
請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記複数の電力供給経路の一部に故障が生じた場合には、前記複数の電力供給経路のうち他の電力供給経路からのみ電力を供給する、
ことを特徴とする電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力供給システムにかかり、例えば、電動化自動車に好適な車載用電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、電動パワーステアリングや電動ブレーキなどの自動車の補機の電動化が進展してきた。さらに近年になって、ハイブリッド車や電気自動車に代表されるように主機自体の電動化も進んでいる。また自動運転化も進み、今後は故障時においても自動車の運転が徐々に人間の介在なしに自律的、自動的な動作により完結することが求められるようになる。以上のような背景から、自動車の電動化、自動化を支える車載用電力供給系の高性能化、高信頼性(故障時動作継続性)が求められるようになってきている。
【0003】
上記技術に関し、例えば特許文献1には制御部の冗長化に加えて電源部の冗長化についての技術が開示されており、かつ電源部故障時には制御部を省電力モードで動作させる技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べた従来技術によれば、故障時動作継続の為に電力配電機能を冗長化するとコスト増加につながるために、コスト削減に関してさらなる考慮が望まれる。
そこで本発明では、所定の故障時動作継続性を実現するための冗長性を抑えると共に、必要不可欠な冗長性を電流経路上の負荷分散などの電力配電機能の性能向上に活かすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明に係る電力供給システムは、車両内の単一負荷に電力を供給する複数の電力源と、単一負荷と複数の電力源のそれぞれとの間を接続する複数の電力供給経路と、複数の電力供給経路のうち少なくとも1つに流れる電流を調整する電流調整部と、を備え、電流調整部は、電力供給経路それぞれの電気的状態の状態量を比較し、該状態量の差が所定の条件を満たしたときに、該状態量の差を減じるように電力供給経路を流れる電流を調整する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記構成を採用することにより、所定の故障時動作継続性を実現するための冗長性を抑えると共に、必要不可欠な冗長性を電流経路上の負荷分散などの電力配電機能の性能向上に活かすことが可能になる。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本発明の基本構成において下流側に制御用可変抵抗器を設けた構成を示す図。
【
図3】本発明の基本構成においてスイッチングによる制御を示す図。
【
図4】本発明の基本構成においてスイッチングを組み合わせた制御を示す図。
【
図5】電圧源の出力電圧制御とスイッチング制御との組み合わせを説明するための図。
【
図6】一実施例に係る電子制御ユニットの構成を示すブロック図。
【
図9】電流の2乗平均に基づく制御部の処理を示す図。
【
図10】ワイヤーハーネスに接続する電子制御ユニットの構成を示すブロック図。
【
図13】故障対応機能を有する制御部の構成を示す図。
【
図14】故障対応機能を有する制御部の処理を示す図。
【
図15】車載用電力供給網の概要を示すブロック図。
【
図18】2入力スイッチングレギュレータの構成の一例を示す図。
【
図19】2入力スイッチングレギュレータの構成の他の例を示す図。
【
図20】2入力スイッチングレギュレータの構成の他の例を示す図。
【
図21】2入力スイッチングレギュレータの構成の他の例を示す図。
【
図22】2入力スイッチングレギュレータを用いた車載用電力供給網の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に従い、本発明の実施例について説明する。
【0010】
図1は本発明に係る電力供給システムの一実施例における基本的な構成を示す図である。
電力供給システムは、単一の負荷RLに電力を供給する複数の電力源と、負荷RLと複数の電力源との間を接続する複数の電流経路20-1、20-2と、複数の電流経路20-1、20-2のそれぞれに設けられ、電流経路20-1、20-2を流れる電流を調整する電流調整手段10-1、10-2と、を備える。なお、複数の電力源の電圧をそれぞれV1、V2、電流経路20-1、20-2の配線抵抗をそれぞれr1、r2とする。また、
図1では電流調整手段10-1、10-2は電流経路20-1、20-2の上流側に配置されているが、下流側に配置してもよい。ここで、電流経路の上流側とは、電力源と負荷との間において比較的電力源に近い領域を指し、下流側とは、負荷に近い領域のことを指す。
【0011】
電流調整手段10-1、10-2は例えば、FET等の(Field Effect Transistor)等の半導体素子からなる制御用可変抵抗器を採用できる。
図2に、電流調整手段10-1として電流経路の下流側に制御用可変抵抗器rc1を直列に挿入した例を示す。
【0012】
図3は、スイッチングにより電流経路に流れる電流を調整する例を示す。
図3(a)に示すように、本実施例においては電流調整手段10-1として電流経路20-1の上流側にスイッチング素子SW1が配置されている。スイッチング素子SW1により、電流経路20-1に流れる電流のオンオフを切り替え、電流経路20-2に流れる電流は常時オンとしている。この時の波形が
図3(b)に示されている。
【0013】
図3(b)に示されるように、電流経路20-1に流れる電流I1はSW1がオンしている間に流れ、SW1がオフしている時間β1の間には0となる。一方の電流経路20-2に流れる電流I2は、SW1がオフしている時間β1の間にはすべての電流が電流経路20-2に流れるため増加し、SW1がオンしている間には電流経路20-1にも電流が流れるために減少する。この構成によれば、複数の電流経路がある場合、一部の電流経路には常に電流が流れることになる。したがって、他の電流経路の電流を遮断したときでも回路全体としては電流が急激に0となることはない。通常のスイッチングレギュレータにおいては、流れる電流が急激に0になったときにはフライバック電圧やノイズが発生して回路故障を引き起こすおそれがあり、これらを抑制するために還流ダイオードやチョークコイル等が必要となるが、本実施例によればこれらは不要となる。さらに、一方の電流経路を流れる電流を調整することで、一方の電流経路に発熱が集中することを防止することが可能になり、電流経路間の発熱のバランスを保つことが可能になる。なお、本実施例においては電流経路が2つである場合を説明したが、電流経路の数はこれに限られない。
【0014】
ここで、電力源の出力電圧をV1、V2、電流経路の抵抗をr1、r2、負荷の抵抗をRLとしたときの電流経路20-1、20-2に流れる電流I1、I2を求める。点Aにおける電圧に着目すると、キルヒホッフの法則により、
V1-r1 I1=V2 - r2 I2=(I1 + I2) RL・・・(1)
ここで、式(1)第1辺=第2辺より、
I1=(V1-V2+r2 I2)/r1・・・(2)
さらに、式(1)第2辺=第3辺より、第3辺に式(2)を代入すると、
I2={(RL+r1) V2-RL V1}/{r1 r2+(r1+r2) RL}・・・(3)
式(2)を式(3)に代入すると、
I1={(RL+r2) V1-RL V2}/{r1 r2+(r1+r2) RL}・・・(4)
となる。
【0015】
続いて、電流経路20-1、電流経路20-2のいずれかをβ1、β2の時間だけオフ(デューティサイクルは1-β1、または1-β2)とし、他方の電流経路を常時オン(デューティサイクルは1)としたときの電流経路20-1、20-2に流れる平均電流I1ave、I2aveを求める。
【0016】
まず、
図3(b)に示すように電流経路20-1をβ1だけオフ(デューティサイクルは1-β1)とし、電流経路20-2を常時オン(デューティサイクルは1)としたときの電流経路20-1には、オンとしている時にのみ電流I1が流れるため、
I1ave=(1-β1) I1・・・(5)
となる。
【0017】
一方、電流経路20-2には、電流経路20-1がオンの時には式(3)で得られるI2が流れ、電流経路20-1がオフの時には、
I2’=V2/(r2+RL)・・・(6)
なる電流が流れ、その平均電流は
I2ave=(1-β1)I2+β1 I2’・・・(7)
となる。
【0018】
同様に、電流経路20-2をβ2だけオフ(デューティサイクルは1-β2)とし、電流経路20-1を常時オン(デューティサイクルは1)としたときの電流経路20-2には、オンとしている時にのみ電流I2が流れるため、
I2ave=(1-β2)I2・・・(8)
となる。
【0019】
一方、電流経路20-1には、電流経路20-2がオンの時には式(4)で得られるI1、電流経路20-2がオフの時には、
I1’=V1/(r1+RL)・・・(9)
なる電流が流れ、平均電流は
I1ave=(1-β1)I1+β1 I1’・・・(10)
となる。
【0020】
図4は、電流経路20-1、20-2の双方に電流調整手段を配置し、パルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)によって電流経路20-1、20-2に流れる電流を調整する構成を示す図である。本実施例においては、
図4(a)左側に示すように、電流調整手段10-1、10-2(
図1参照)として電流経路20-1、20-2の上流側にスイッチング素子SW1、SW2が設けられている。そして、電流経路20-1、20-2に流れる電流をSW1、SW2をオンオフさせることにより調整する。
【0021】
具体的には、スイッチング素子SW1、SW2を交互にオンオフさせ、電流経路20-1を時間β1だけオフにし、電流経路20-2をβ2だけオフにする。この場合において、
図4(b)に示すように双方をオンさせる時間をオーバーラップさせる(デューティ時間β1、β2をオーバーラップさせない)ことにより、片側の電流経路には常に電流が流れることになる。このため、他方の電流経路の電流を遮断したときでも回路全体としては電流が急激に0となることはないので、通常のスイッチングレギュレータに必要となる還流ダイオードやチョークコイル等は不要となる。さらに、一方の電流経路を流れる電流を調整することで、一方の電流経路に発熱が集中することを防止することが可能になり、電流経路間の発熱のバランスを保つことが可能になる。また、電流経路をオフにする時間β1、β2は適宜設定可能である。
【0022】
さらに望ましくは、スイッチング素子SW1、SW2によるスイッチングを時間当たりの電流変化率di/dtを制限したソフトスイッチングとすることで、電流経路20-1、20-2のインダクタンスによるサージやノイズも抑えることができる。なお、スイッチング素子SW1、SW2はMOSFETなどの半導体素子を用いることが可能で、ソフトスイッチングはゲート駆動電圧を緩やかに変化するように制御するか、抵抗、キャパシタによる時定数回路を持たせることで実行可能である。
【0023】
また、本発明による電流経路間の電流の調整は、上述のように電流経路間の発熱のバランスを取り、一方の電流経路の発熱が集中することを防止することも可能である。そのためにはPWMのスイッチングの周期が電流経路の熱時定数よりも短ければよい。具体的には数百ms~数s程度の遅い周期でよい。そのため、スイッチング回数に比例するスイッチング損失の増加も無視できる。
【0024】
なお、
図3、4に示すように電流経路20-1、電流経路20-2に流れる電流をPWMスイッチングすることにより調整する方法は、いずれかの電流経路に電流が流れていない期間が生じ、電流経路の利用効率が低下する。言い換えれば、電流経路の発熱は電流の2乗に比例するため、時間当たりの平均電流が同じならば、電流を断続させるよりも一定の電流を流し続けたほうが電流経路全体の発熱を小さくすることができる。例えば、電流Iを流し続けたときと、電流2Iをデューティ50%で流した時では平均電流はどちらもIであるが、発熱は電流の2乗に比例するから前者の発熱をI
2Rとすると後者の発熱は(2I)
2R/2=2I
2Rとなる。
【0025】
一方で、
図2に示すように制御用可変抵抗器rc1により電流調整をする実施例では制御用可変抵抗器でI
2Rなる発熱が発生する。両者の発熱の増加には大きな差はないが、
図2に示す実施例では発熱が制御用可変抵抗器rc1に集中するため、発熱を放熱させるための放熱器などの放熱実装に新たなコストがかかるのに対して、
図3、4に示す実施例では発熱が電流経路全体に広く分散するので、放熱器を設ける必要がなく、コスト削減を達成できる。
【0026】
図5は、電流経路20-1、20-2に流れる電流を調整する際に流れる電流差の大きさによって電流の調整方法を変更する例を示す図である。
【0027】
先に述べたように電流経路20-1、20-2に流れる電流をPWMにより調整する方法は、いずれかの電流経路に電流が流れていない期間が生じ、上述の通り電流経路の利用効率が低下する。したがって、電流経路20-1、20-2に流れる電流を電圧源の出力電圧V1、V2により調整し、両電流経路に常に電流が流れるようにしたほうが電流経路の利用効率が向上し、電流経路全体の発熱を小さくすることができる。
【0028】
一方で、電圧源の出力電圧V1、V2を調整できる範囲には負荷の動作電圧範囲などにより限界がある。例えば、12V系の電力源の出力電圧範囲は12V付近(例えば12V~14V)であり、大幅に出力電圧がこの範囲から大幅に逸脱すると負荷の動作に不具合が生じる。また電力源がスイッチング動作によるレギュレータやDC/DCコンバータである場合には出力電圧を調整できるが、電力源が2次電池の場合には出力電圧は充電状態SOC(State of Charge)に依存するため出力電圧だけを独立して変えることができない。
【0029】
そこで、
図5に示すように電流経路20-1、20-2に流れる電流比(I2ave/I1ave)が一定範囲内にあり、出力電圧V1、V2がVmax~Vminの範囲内で調整できる場合には電圧源の出力電圧V1、V2により電流経路20-1、20-2に流れる電流を調整する。そして、電流経路20-1、20-2に流れる電流差が大きく、出力電圧V1、V2がVmax~Vminの範囲内で調整できない場合にはPWMスイッチング(デューティ時間β1、β2の設定)により電流経路20-1、20-2に流れる電流を制御してバランスさせる。このようにして、PWMと出力電圧調整とを組み合わせることによって、電流経路全体の発熱を低減し、効率を最適化することが可能となる。なお、
図5は電流比について示しているが、電流経路20-1、20-2の発熱量の比を用いることも可能である。
【0030】
図6は、本発明を実現するための電子制御ユニットの構成の一例を示すブロック図である。電力源100-1、100-2はそれぞれ電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)200-1、200-2に電力を供給し、電子制御ユニット200-1、200-2は電流経路20-1、20-2に流れる電流を調整する。電子制御ユニット200-1、200-2には電流検出機能または電流検出のためのシャント抵抗rs1、rs2、電流を調整する制御部110-1、110-2、電流をスイッチングするスイッチング素子SW1、SW2をそれぞれ有する。
【0031】
制御部110-1、110-2は電流検出機能または電流検出のためのシャント抵抗rs1、rs2で検出した電流経路20-1、20-2に流れる電流I1、I2の値やその平均値、2乗平均値、電流I1、I2の値から推定した電流経路20-1、20-2の発熱量に基づき、電流をスイッチングするスイッチング素子SW1、SW2をオンオフさせたり、電力源100-1、100-2の出力電圧V1、V2の設定値を制御する。電力源100-1、100-2、制御部110-1、110-2の間は通信路40で結ばれており、通信路40を経由して電力源100-1、100-2の出力電圧V1、V2の設定値や、電流I1、I2の値などが伝送される。なお通信路40の形態は個別の配線でもネットワークでもよい。
【0032】
制御部110-1、110-2の機能構成の例を
図7に示す。
図7(a)に示すように制御部110-1は、電流I1、I2の平均値I1ave、I2aveの差I1ave-I2ave(以下、ΔI1)が閾値Ith1未満の場合には、電流経路20-1を流れる電流の調整は行わない。平均電流差ΔI1が閾値Ith1以上閾値Ith2未満の場合には、電力源100-1の出力電圧V1の設定値を制御することによって電流調整を行う。さらに平均電流差ΔI1が閾値Ith2以上の場合にはPWMスイッチング(デューティ時間β1の設定)により電流制御動作を行う。
【0033】
また、
図7(b)に示すように、制御部110-2についても、平均電流差I2ave-I1ave(ΔI2)と閾値Ith1、Ith2との大小関係によって電流経路20-2を流れる電流を調整する。なお、以上から理解されるように、閾値Ith1及びIth2は、電力源100-1、100-2の出力電力を調整できる下限値及び上限値に対応している。
【0034】
なおここで、
図7に示すg、fは関数で、入出力が一定の比例係数による比例関係にあってもよく、PID制御系であっても良い。また平均電流I1ave、I2aveを求める際、所定期間の電流I1、I2の積分値や指数移動平均などによる方法を採用できる。指数移動平均によれば過去の指数移動平均の計算結果と電流の現在値にそれぞれ係数を掛けて加算すれば最新の指数移動平均値を得られ、所定の周期ごとにこの演算を繰り返せばよいので計算量を削減することができる。
【0035】
以上の制御部110-1よる動作を表としてまとめたものを
図8(a)に示す。同様に制御部110-2による動作についても
図8(b)の通りとなる。
【0036】
また、電流経路20-1、20-2での発熱は電流の2乗に比例するため、電流経路20-1、20-2上の発熱量と比例関係にある電流の2乗平均I1
2ave、I2
2aveを指標として制御部110-1、110-2が行う動作を
図9に示す。
図9(a)に示すように、制御部110-1は、電流の2乗平均差I1
2ave-I2
2ave(以下Δ11
2)が閾値Ith1未満の場合には、両者の発熱量を調整する必要がないため、電流経路20-1を流れる電流の調整は行わない。Δ1
2が閾値Ith1以上閾値Ith2未満の場合には、電力源100-1の出力電圧V1の設定値を制御することによって電流調整を行う。さらにΔ1
2が閾値Ith2以上の場合にはPWMスイッチング(デューティ時間β1の設定)により電流制御動作を行う。
【0037】
また、
図9(b)に示すように、制御部110-2についても、電流の2乗平均差I2
2ave-I1
2ave(Δ12
2)と閾値Th1、Th2との大小関係によって電流経路20-2を流れる電流を調整する。
【0038】
以上述べた実施例によれば、複数設けた電流経路20-1、20-2間で正常時には電力供給量(平均電流、電流の2乗平均、合計電流、温度上昇)をバランスよく分担させることで、電力供給効率を最適化して、電流経路20-1、20-2それぞれに求められる定格容量を削減することが可能となる。また、電流経路20-1、20-2間での電力供給量のバランスがとれていない場合、電力供給量が大きい方の電流経路に故障が生じた場合に電力供給能力の予備力が低下してしまう。しかしながら、本実施例のように電流経路20-1、20-2間での電力供給量をバランスよく調整することにより、一方の電流経路の故障時の他方の電流経路からの電力供給能力の予備力を保証することが可能となる。
【0039】
さらに同様に、正常時には電流経路20-1、20-2間で電源容量(バッテリーの充電残量、電圧)のバランスを図ることで、一方の電流経路の故障時の他方の電流経路からの電力供給能力の予備力を保証することが可能となる。
【0040】
上記の例においては、電流経路20-1、20-2が単一の信号線により構成されるものとして説明したが、車載用電力供給網においては、
図10に示すように電流経路が複数の電線や制御信号線を束ねたワイヤーハーネスと呼ばれる束線として配線されることが多い。そこで電子制御ユニット200-1、200-2は
図10に示すように複数の電線に電力を供給し、電流検出機能またはシャント抵抗rs11~rs2nによりそれぞれの電線に流れる電流I11~I2nを検出し、それらに基づき制御部110-1、110-2による電流調整動作を行えばよい。
【0041】
このように、電流経路が複数の電線や制御信号線を束ねたワイヤーハーネスと呼ばれる束線として配線される場合に対応して、電流経路20-1、20-2に流れる合計電流ΣI1、ΣI2を指標として電流制御動作を行う制御部110-1、110-2の動作を
図11に示す。
【0042】
電流経路20-1、20-2を流れる合計電流ΣI1、ΣI2はそれぞれ
ΣI1=ΣI1j(jは1からm)・・・(11)
ΣI2=ΣI2j(jは1からn)・・・(12)
の式により表される。
【0043】
そして、制御部110-1、110-2は、
図11(a)、(b)に示すように、上記の合計電流の差ΣI1-ΣI2(ΔΣI1)、ΣI2-ΣI1(ΔΣI2)と閾値lth1、lth2との大小関係によって、電流経路20-1、20-2を流れる電流を調整する。
【0044】
また、制御部110-1、110-2は、電流経路20-1、20-2での温度上昇Θ1、Θ2を指標として電流を調整することも可能である。その際に制御部110-1、110-2が行う動作を
図12に示す。この場合も、他の例と同様に、制御部110-1、110-2は、
図12(a)、(b)に示すように、上記の温度上昇の差Θ1-Θ2(ΔΘ1)、Θ2-Θ1(ΔΘ2)と閾値Θth1、Θth2との大小関係によって、電流経路20-1、20-2を流れる電流を調整する。なお、温度上昇Θ1、Θ2は実測値でもよいが、電流経路20-1、20-2に流れる電流I1、I2または合計電流ΣI1、ΣI2に基づく推定値でもよい。
【0045】
次に、2本ある電流経路のうち一方の電力経路に故障が生じた場合に制御部110-1、110-2が行う動作を
図13に示す。
図13(a)に示すように、制御部110-1には、電流経路20-2の負荷への接続を切り替えるスイッチング素子SW3が設けられている。そして制御部110-1は、電流経路20-2のステータスがOKの時、すなわち電流経路20-2に故障が生じていない場合にはSW3をオンにして、電流経路20-2の負荷への接続をオンにし、以上で説明した実施例と同様の動作をする。電流経路20-2のステータスがNGの時、すなわち電流経路20-2に故障が生じている場合にはスイッチング素子SW3が0を選択して電流経路20-2の負荷への接続を切り離す。そして、制御部110-1は電流経路20-1を流れる電流を調整せずに、定格通りに負荷に電力を供給する。電流経路20-2を制御する制御部110-2についても、
図13(b)に示すように電流経路20-1のステータスに基づき同様な動作をする。これにより、一方の電力経路に故障が生じた場合には、他方の電力供給経路からのみ電力を供給することができ、動作を継続することが可能となる。
【0046】
なお、本実施例による電流調整動作は、電流経路20-1、20-2が過熱したとき、すなわち電流経路20-1、20-2の温度の実測値あるいは推定値が所定の閾値よりも高いときにのみ実施し、過熱していないとき、すなわち電流経路20-1、20-2の温度の実測値あるいは推定値が所定の閾値よりも低いときには実施しないようにしても良い。
【0047】
この場合に制御部110-1、110-2が行う動作を
図14に示す。
図14(a)に示すように、制御部110-1は、電流経路20-2が正常、すなわち故障が生じておらず、かつ過熱している時には
図8等で説明した電流調整を行う。そして、電流経路20-2が異常である、すなわち故障が生じているとき、または電流経路20-2が過熱していないときには電流制限動作を実施しない。また、制御部110-2についても、制御部110-1と同様に、
図14(b)に示す動作を行う。
【0048】
本実施例によれば、過熱がないときには電流調整を行う必要がなく、電流経路を流れる電流に大きな差が生じていると推定される場合にのみ調整すればよく、運用の簡便化を図ることが可能になる。
【0049】
本発明の一実施例に係る電力供給システムが搭載される車載用電力供給網の一例を
図15に示す。
図15に示すように、一実施例に係る電力供給システムが搭載された車両は、ステアリングECU200-5や自動運転(AD:Automatic Driving)ECU200-6、各ECU間の通信の仲立ちとなるセントラルゲートウェイ(不図示)などの重要負荷にはそれぞれ複数の電力源100-1、100-2から電子制御ユニット200-1、200-2、電流経路20-1、20-2経由で電力が供給される。そして、電力源100-1、100-2、電子制御ユニット200-1、200-2、電流経路20-1、20-2のいずれかで故障が発生して、一方の電流経路からの電力供給が停止した場合であっても、
図13及び
図14で説明した動作を行い、他方の電流経路から電力供給を行うことによって重要負荷の動作を継続させることができる。
【0050】
なお、重要負荷以外の非重要負荷の多くには電流経路20-1、20-2のいずれかのみから電力が供給される。非重要負荷としては、エンターテイメント系やエアコン(Climate Control)のためのヒートポンプ、ヒータ、電動ファン、ボディ系などが考えられる。正常時、すなわち電流経路に故障が生じていない場合には電流経路20-1、20-2から非重要負荷並び重要負荷に電力が供給され、非重要負荷への電力供給により電流経路20-1、20-2を流れる電流に差が生じる。しかし、電流経路20-1、20-2の両方から電力が供給される重要負荷への電力供給を本発明により調整することにより電流経路20-1、20-2からの電力供給量のバランスをとることができる。また、電流経路20-1、20-2のいずれかで故障が発生した場合には、他方の電流経路から重要負荷に電力が供給され、非重要負荷への電力供給を削減または停止することで正常な側の電流経路の電力供給能力に余裕をもたせることが可能である。特に、ヒートポンプ、ヒータ、電動ファンなどは熱時定数が比較的大きいため、短時間停止させることの影響が小さい場合が多い。
【0051】
以下では、ステアリングECU200-5や自動運転ECU200-6などの重要負荷に電流経路20-1、20-2の両方から電力を供給する方法の具体例について説明する。最も単純な方法として、
図15に示すように、電流がダイオードを経由して重要負荷に電流が供給される。また、マイコンなどのECU200の主要部が例えば12V系から5Vなどの降圧した電圧で動作する場合には
図16に示すように、降圧するためのレギュレータ300-1、300-2を複数備えてレギュレータ300-1、300-2により降圧した電圧出力を、ダイオードを経由してECU200に供給することが考えられる。また
図17に示すようにECU200を構成するマイコンの冗長性確保のために複数のマイコン210-1、210-2を備えている場合には、電流経路20-1、20-2ごとに独立して複数備えたレギュレータ300-1、300-2により降圧した電圧出力をそれぞれマイコン210-1、210-2に供給することも考えられる。なお、
図17の場合には、
図16とは異なりレギュレータ300-1、300-2とマイコン210-1、210-2との間はダイオードを介さずに直結されている。
【0052】
さらに
図18に、は複数の電流経路20-1、20-2からの電力をスイッチング素子SW1、SW2でスイッチングすることで降圧させるスイッチング電源310の一例が示されている。本実施例では、スイッチング素子SW1、SW2のスイッチングのデューティサイクルを変えることにより出力電圧を制御できるうえ、スイッチング素子SW1、SW2のスイッチングのデューティサイクルに差を持たせることで、電流経路20-1、20-2からの電流を制御することができる。なおLは平滑用のチョークコイル、Cは平滑用のキャパシタ、Dは還流ダイオードである。
【0053】
図19に、スイッチング電源310のさらに詳細な構成を示す。出力電圧と基準電圧Vrefとの差はスイッチング電源310の制御部CNTRL1、CNTRL2に入力され、出力電圧と基準電圧Vrefとの差が0となるようにフィードバック制御される。ここで、CNTRL2にはDuty offsetを加算された信号が入力されるため、スイッチング素子SW2はスイッチング素子SW1とは異なるデューティサイクルでスイッチング動作をし、電流経路20-1、20-2からの電流I1、I2を異なる値に設定することができる。
【0054】
図20に、スイッチング電源310のさらに詳細な構成を示す。スイッチング電源310の制御部CNTRL1、CNTRL2は入力信号とのこぎり波または三角波発生回路OSCの出力とを比較する比較器CMP1、CMP2により構成することができる。CMP1、CMP2は入力信号とのこぎり波または三角波発生回路OSCの出力とを比較することにより所定のデューティサイクルでSW1、SW2を駆動するため、電流経路20-1、20-2からの電流I1、I2を異なる値に設定することができる。
【0055】
さらに、
図21に示すように、のこぎり波または三角波発生回路OSCの出力を反転増幅器320により反転させて比較器CMP2に入力すれば、スイッチング素子SW1、SW2は逆相で交互にスイッチング動作をするため、スイッチング周波数すなわちリプル周波数が2倍となってLとCの積の値を1/2とすることができるため、LとCの値を小さくすることができ、コスト削減につながる。
【0056】
なお、12Vから5Vへの降圧変換に限らず、
図22に示すようにECU200-1~200-3間の基幹電源系を24V~48V系の中電圧とし、各ECU(例えばECU200-3)に接続する末端の負荷への末端電源系には基幹電源系から降圧した12Vを供給する際にも本実施例によるスイッチング電源310を用いることができる。
【0057】
以上で説明した本発明の実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本発明に係る電力供給システムは、車両内の単一負荷に電力を供給する複数の電力源と、単一負荷と複数の電力源のそれぞれとの間を接続する複数の電力供給経路と、複数の電力供給経路に流れる電流を調整する電流調整部と、を備え、電流制御部は、電力供給経路それぞれの電気的状態の状態量を比較し、該状態量の差が所定の条件を満たしたときに、該状態量の差を減じるように電力供給経路を流れる電流を調整する。
【0058】
上記構成により、一方の電流経路に故障が発生した場合でも負荷への電力供給を継続することができ、特に重要負荷の動作を継続させることが可能となる。さらに電流経路に故障が発生していない正常時には、複数設けた電流経路間で電力供給量をバランスよく分担させることで、それぞれの電流経路に求められる容量を削減することができる。
【0059】
(2)電流調整部は、前記複数の電力供給経路のそれぞれに流れる電流を調整する。これにより、電力供給経路が複数あり、そのそれぞれについて電力を調整する必要がある場合にも対応が可能となる。
【0060】
(3)電流調整部は、複数の電力供給経路それぞれを流れる電流を異なるデューティサイクルのパルス幅変調によって調整する。これにより、デューティサイクルを適切に設定して、電力供給経路の利用効率を最適化することが可能になる。
【0061】
(4)複数の電力供給経路のうち少なくとも一部の複数の電力供給経路を流れる電流のオン期間の一部が重なっている。これにより、常にいずれかの電力供給経路には電流が流れているため、いずれかの電流経路の電流を遮断したときでも回路全体としては電流が急激に0となることはないため、通常のスイッチングレギュレータに必要となる還流ダイオードやチョークコイル等が不要となる。
【0062】
(5)複数の電力供給経路のうちの一部の電力供給経路を流れるデューティサイクルが100%である。これにより、この電力供給経路の発熱が、PWM制御する電力供給経路よりも減少するため、回路全体としての発熱も低減させることが可能になる。
【0063】
(6)パルス幅変調の周期が電力供給経路の熱時定数よりも小さい。具体的には、数百ms~数s程度の遅い周期でよい。そのため、スイッチング回数に比例するスイッチング損失の増加を無視することが可能になる。
【0064】
(7)複数の電力供給経路からの複数の入力電力を該入力電力とは異なる電圧の単一の出力電力に変換する電圧変換装置を有し、パルス幅変調が電圧変換装置によって実行される。自動車内部は、例えば動作電圧が24~48Vの基幹電源系、12Vの末端電源系、及び5Vの各種ECUで構成されており、上記と同様に、自動車分野における本発明の有効性が確保される。
【0065】
(8)複数の電力供給経路それぞれの電力源側に接続された電子制御ユニットをさらに有し、電子制御ユニットによってパルス幅変調が行われる。また、電子制御ユニットは、複数の電力供給経路に流れる電流を計測する機能、及び/または複数の電力供給経路の温度を推定する機能を有する。近年開発が進められているゾーンアーキテクチャ構成等を有する自動車に対して本発明は好適に適用可能である。
【0066】
(9)電気的状態は、電力供給経路の配線抵抗の温度、電力供給経路に接続された電源の容量または電圧である。これにより、種々の観点から電力供給経路の状態を監視することが可能になり、適切な電流の調整方法を採用することができる。
【0067】
(10)それぞれの電力供給経路が、複数のケーブルが結束された束線からなる。本発明は、このような構成を有する物、例えば自動車に対して好適に適用可能である。
【0068】
(11)複数の電力供給経路の一部に故障が生じた場合には、複数の電力供給経路のうち他の電力供給経路からのみ電力を供給する。これにより、互いに補完的に構成されているため、重要負荷への電力供給が途切れることを防止できる。
【0069】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0070】
20-1、20-1……電流経路(電力供給経路)、30……負荷、100-1、100-2……電力源、110-1、110-2……制御部(電流調整部)、200-1、200-2……電子制御ユニット、300-1、300-2……レギュレータ(電圧変換装置)