(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155538
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】マグネットクランプの操作画面および射出成形機ならびに射出成形機システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/17 20060101AFI20231016BHJP
B29C 33/20 20060101ALI20231016BHJP
B29C 45/64 20060101ALI20231016BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20231016BHJP
B29C 45/03 20060101ALI20231016BHJP
B29C 45/04 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C33/20
B29C45/64
B29C45/76
B29C45/03
B29C45/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064911
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】古本 求
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM08
4F202AM09
4F202AM15
4F202AP01
4F202AP05
4F202AR01
4F202AR20
4F202CA11
4F202CB01
4F202CC01
4F202CR01
4F202CR03
4F202CS07
4F206AM08
4F206AM09
4F206AM15
4F206AP01
4F206AP05
4F206AR01
4F206AR20
4F206JA07
4F206JC01
4F206JL03
4F206JP14
4F206JP15
4F206JP22
4F206JP25
4F206JQ81
4F206JQ82
4F206JQ83
4F206JQ88
4F206JT40
(57)【要約】
【課題】操作性に優れたマグネットクランプの操作画面を提供する。
【解決手段】射出成形機(1)のコントローラ(5)に表示される画面を対象とする。対象の射出成形機(1)の型締装置(2)には、マグネットクランプ(7)が設けられている。射出成形機(1)のコントローラ(5)には、このマグネットクランプ(7)を制御して金型(31、32)のクランプ/アンクランプを操作する、マグネットクランプの操作画面(50)を設ける。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機のコントローラに表示される画面であって、
前記射出成形機の型締装置にはマグネットクランプが設けられ、
前記マグネットクランプを制御して金型のクランプ/アンクランプを操作するようになっている、マグネットクランプの操作画面。
【請求項2】
前記マグネットクランプと前記射出成形機は前者の操作時に後者の制御が制限されると共に後者の制御時に前者の操作が制限されるインターロックが設けられており、
前記操作画面は前記インターロックに関する項目が表示されるようになっている、請求項1に記載のマグネットクランプの操作画面。
【請求項3】
前記操作画面は前記マグネットクランプの温度が表示されるようになっている、請求項1または2に記載のマグネットクランプの操作画面。
【請求項4】
前記操作画面は前記マグネットクランプの着磁力が表示されるようになっている、請求項1または2に記載のマグネットクランプの操作画面。
【請求項5】
前記マグネットクランプにおいてエラーが発生すると前記操作画面に前記エラーの種類であるエラー種別が表示されるようになっている、請求項1または2に記載のマグネットクランプの操作画面。
【請求項6】
前記操作画面には前記エラー種別と共に前記エラー種別に対して対応すべき対処方法の説明が表示されるようになっている、請求項5に記載のマグネットクランプの操作画面。
【請求項7】
金型を型締する型締装置と、
射出材料を射出する射出装置と、
前記型締装置と前記射出装置とを制御するコントローラと、から構成され、
前記型締装置はマグネットクランプを備え、
前記マグネットクランプは前記コントローラによって制御されて前記金型をクランプ/アンクランプするようになっており、
前記コントローラは前記マグネットクランプを操作する操作画面を備えている、射出成形機。
【請求項8】
前記マグネットクランプと前記射出成形機は前者の操作時に後者の制御が制限されると共に後者の制御時に前者の操作が制限されるインターロックが設けられており、
前記操作画面は前記インターロックに関する項目が表示されるようになっている、請求項7に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記マグネットクランプには温度センサが設けられ、前記操作画面は前記温度センサで検出される温度が表示されるようになっている、請求項7または8に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記マグネットクランプには磁場検出センサが設けられ、前記操作画面は前記磁場検出センサで検出される着磁力が表示されるようになっている、請求項7または8に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記マグネットクランプにおいてエラーが発生すると前記操作画面に前記エラーの種類であるエラー種別が表示されるようになっている、請求項7または8に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記操作画面には前記エラー種別と共に前記エラー種別に対して対応すべき対処方法の説明が表示されるようになっている、請求項11に記載の射出成形機。
【請求項13】
請求項7または8に記載の射出成形機と、
金型を交換する金型交換装置と、を備え、
前記金型交換装置は前記型締装置に隣接して設けられ前記型締装置に設けられている金型を交換するようになっている、射出成形機システム。
【請求項14】
請求項13に記載の射出成形機システムは、金型を搬送する搬送装置を備え、
前記搬送装置は前記金型交換装置に金型を搬送し、前記金型交換装置から金型を搬出するようになっている、射出成形機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットクランプを備えた射出成形機のコントローラに表示される操作画面、およびマグネットクランプを備えた射出成形機、ならびに射出成形機システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マグネットクランプは、例えば特許文献1に記載されているように型締装置の固定盤と可動盤とに設けられている。マグネットクランプは、金型が接するマグネットクランププレートを備え、このマグネットクランププレートには永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが複数個埋め込まれている。コイルに電力を供給すると永電磁磁石の磁極が反転して永久磁石と互いの磁力が相殺される。これにより磁力線はマグネットクランププレートの表面から出ることはできない。金型はマグネットクランププレートから着磁力を受けないので自由に移動することができる。一方、コイルへの電力の供給を停止すると永久磁石の磁力と永電磁磁石の磁力の向きが一致し、磁力が強化されてマグネットクランププレートの表面から磁力線が出る。これにより金型を強い着磁力でクランプすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マグネットクランプは、コイルへの電力供給により金型をアンクランプし、電力供給を停止することによって金型をクランプするようになっており、クランプ/アンクランプが容易に実施でき優れている。しかしながら、マグネットクランプの操作は専用のコントローラによって実施し、射出成形機から実施することはできない。そうすると作業者は、射出成形機を停止させ、安全が確保されたことを確認した上で専用のコントローラを操作してマグネットクランプを操作しなければならない。マグネットクランプ操作時に誤って射出成形機が動作すると危険であるからである。同様に、作業者が射出成形機を制御する場合には、マグネットクランプの操作が完了していることを予め確認する必要がある。このように作業者は、安全を考慮しながら射出成形機のコントローラと、マグネットクランプの専用コントローラとを交互に操作しなければならず煩雑である、という問題がある。
【0005】
本開示において、操作性に優れたマグネットクランプの操作画面、射出成形機および射出成形機システムを提供する。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、射出成形機のコントローラに表示される画面を対象とする。対象の射出成形機の型締装置には、マグネットクランプが設けられている。射出成形機のコントローラには、このマグネットクランプを制御して金型のクランプ/アンクランプを操作する、マグネットクランプの操作画面を設ける。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、射出成形機を制御しているコントローラにおいてマグネットクランプを操作でき操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る射出成形機を示す正面図である。
【
図2】本実施の形態に係る型締装置の一部と固定側マグネットクランプを示す正面図である。
【
図3A】本実施の形態に係るマグネットクランプの操作画面である。
【
図3B】本実施の形態に係るマグネットクランプの操作画面である。
【
図4A】本実施の形態に係るマグネットクランプの操作画面のポップアップ画面である。
【
図4B】本実施の形態に係るマグネットクランプの操作画面のポップアップ画面である。
【
図5A】本実施の第1の形態に係る射出成形機システムを示す上面図である。
【
図5B】本実施の第2の形態に係る射出成形機システムを示す上面図である。
【
図6】本実施の形態に係る竪型射出成形機を示す正面図である。
【
図7】竪型射出成形機に設けられている本実施の形態に係るマグネットクランプの操作画面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
【0011】
本実施の形態を説明する。
<射出成形機>
本実施の形態に係る射出成形機1は、
図1に示されているように、ベッドBに設けられている型締装置2と、同様にベッドBに設けられている射出装置3と、これらを制御するコントローラ5と、を備えている。
【0012】
<型締装置>
型締装置2は、ベッドBに固定されている固定盤10と、このベッドBにスライド自在に設けられている型締ハウジング11と、固定盤10と型締ハウジング11の間でベッドB上にスライド自在に設けられている可動盤12と、を備えている。固定盤10と型締ハウジング11は複数本、例えば4本のタイバー14、14、…によって接続され、可動盤12はタイバー14、14、…に貫通されている。型締ハウジング11と可動盤12の間には型締機構が設けられている。本実施の形態において型締機構はトグル機構16になっている。したがって、トグル機構16を駆動すると可動盤12が固定盤10に対して近接方向と離間方向とに駆動される。本実施の形態に係る型締装置2は、次に説明するマグネットクランプ7が設けられている。
【0013】
<マグネットクランプ>
本実施の形態においてマグネットクランプ7は、固定盤10に設けられている固定側マグネットクランプ18と、可動盤12に設けられている可動側マグネットクランプ19と、から構成されている。固定側マグネットクランプ18も可動側マグネットクランプ19も同様に構成されているので、
図2によって固定側マグネットクランプ18についてのみ説明する。
【0014】
固定側マグネットクランプ18は、固定盤10と同等の大きさからなるマグネットクランププレート21を備えている。マグネットクランププレート21には複数個のボルト穴23、23、…が開けられており、マグネットクランププレート21は固定盤10に対してボルトにより固定されている。マグネットクランププレート21には中央にくり抜き穴22が開けられており、後で説明する射出装置3(
図1参照)の射出ノズル39が挿入されるようになっている。
【0015】
マグネットクランププレート21には、その裏面側、つまり固定盤10に接する面に複数個の有底の穴、つまりコア穴25、25、…が開けられている。これらコア穴25、25、…のそれぞれには、図には示されていないが、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが入れられている。マグネットクランププレート21の裏面側には電力供給部27が設けられ、この電力供給部27から電力供給配線28が伸びている。そして電力供給配線28からは複数本の分岐配線29、29が分岐して、それぞれのコア穴25、25、…に入れられているマグネットコアに接続されている。
【0016】
電力供給部27から短時間電流を供給すると、マグネットコアのコイルに通電されて永電磁磁石の磁極が反転する。そうするとマグネットコアの中で永久磁石と永電磁磁石の磁力線が相殺されて、マグネットクランププレート21の表面から磁力線は出ない。着磁力が発生しないので金型をアンクランプできるようになっている。一方、電力供給部27からの電力供給を停止すると、永電磁磁石の磁極が元に戻る。マグネットコアの中で永久磁石と永電磁磁石の磁力線が合わさって強化され、マグネットクランププレート21の表面から磁力線が出る。金型に強い着磁力が作用して金型をクランプすることができる。
【0017】
マグネットクランププレート21にはその温度を測定する温度センサ30が設けられている。またマグネットクランププレート21にはその表面から出ている磁力線による磁場の強さを検出するための磁場検出センサ設けられている。磁場検出センサは図に示されていないがコア穴25、25のそれぞれに設けられており、それぞれのマグネットコアからの磁場の強度を検出するようになっている。温度センサ30によって検出される温度と、磁場検出センサによって検出される磁場の強さはコントローラ5(
図1参照)に送られるようになっている。コントローラ5は磁場の強さにより、金型をクランプする際の着磁力を計算するようになっている。
【0018】
このように構成されているマグネットクランプ7には、
図1に示されているように固定側マグネットクランプ18に固定側金型31が、そして可動側マグネットクランプ19には可動側金型32が、それぞれクランプされている。
【0019】
<射出装置>
射出装置3は、加熱シリンダ34と、加熱シリンダ34内に設けられているスクリュ35と、スクリュ35を駆動するスクリュ駆動装置37と、を備えている。加熱シリンダ34の後方寄りには射出材料を投入するホッパ38が設けられている。そして、加熱シリンダ34の前方には射出ノズル39が設けられている。
【0020】
<コントローラ>
本実施の形態においてコントローラ5は、型締装置2と射出装置3だけでなく、マグネットクランプ7も制御するようになっている。つまりマグネットクランプ7を含めた射出成形機1を統合的に制御するようになっている。コントローラ5にはモニタ41が設けられ、次に説明するマグネットクランプ操作画面等、色々な画面が表示されるようになっている。本実施の形態においてモニタ41はタッチパネルになっており、画面に表示されるボタン、タブ等のアイコンを選択することができるようになっている。
【0021】
<マグネットクランプ操作画面>
本実施の形態に係るマグネットクランプ操作画面50は、
図3Aに示されているように構成されている。まず、この画面にはマグネットクランプ7(
図1参照)の操作を行うための「クランパ設定」表示と、マグネットクランプ7の正常/異常等の状態を表示する「通信データ」表示とを切り換える、クランパ設定表示タブ51と通信データ表示タブ52とが設けられている。
図3Aには、クランパ設定表示タブ51が選択されて「クランパ設定」表示に切り換えられた状態が示されている。一方、通信データ表示タブ52が選択されると、
図3Bに示されているように「通信データ」表示に切り換えられる。
【0022】
「クランパ設定」表示されているとき、
図3Aに示されているように、マグネットクランプ操作画面50は3段の欄から構成されている。すなわち上段がインターロック欄54に、中段がモニタ欄55に、そして下段が手動操作欄56になっている。
【0023】
本実施の形態に係る射出成形機1は、射出成形機1が運転中にマグネットクランプ7が操作されないように、そしてマグネットクランプ7が操作されているときに射出成形機1が運転されないように、互いにインターロックが設けられている。インターロック欄54には、マグネットクランプ7と射出成形機1の相互のインターロックの状態が表示される。
【0024】
クランパインターロック解除キー欄58は、マグネットクランプ7の操作に対するインターロックが解除されているか否かが表示されている。クランパ操作インターロック欄59は、射出成形機1の運転状態、例えばサーボが起動中であるか否か、エジェクタが後退しているか否か等が、それぞれの項目の右に設けられているインジケータアイコン57、57、…の色により運転状態が表示される。いずれか1個でも運転状態になっているとマグネットクランプ7に対してインターロックが掛かって操作はできない。
【0025】
可動盤クランプインターロック欄60、可動盤リリースインターロック欄61は、それぞれ可動側マグネットクランプ19(
図1参照)におけるクランプ/アンクランプ操作に対するインターロックの情報が表示されている。同様に固定盤クランプインターロック欄63、固定盤リリースインターロック欄64は、それぞれ固定側マグネットクランプ18(
図1、
図2参照)におけるクランプ/アンクランプ操作に対すインターロックの情報が表示されている。
【0026】
モニタ欄55は、マグネットクランプ7においてクランプ/アンクランプの操作を行うとき、射出成形機1のコントローラ5(
図1参照)と、マグネットクランプ7とで相互に通信される信号の内容が表示されるようになっている。成形機>>クランパ装置欄66には、コントローラ5からマグネットクランプ7側に送信する信号の情報が表示される。クランパ装置>>成形機欄67には、マグネットクランプ7からコントローラ5に送信される信号の情報が表示される。このモニタ欄55には、スクリュ位置、型締位置等の情報も表示されている。
【0027】
手動操作欄56は、マグネットクランプ7を操作するための欄になっている。可動盤クランパ欄69は、可動側マグネットクランプ19(
図1参照)を操作するための欄であり、金型32をアンクランプするときに選択するリリースボタン70と、クランプするときに選択するクランプボタン71とが設けられている。固定盤クランパ欄73は固定側マグネットクランプ18(
図1、
図2参照)を操作するための欄であり、金型31をアンクランプするときに選択するリリースボタン74と、クランプするときに選択するクランプボタン75とが設けられている。
【0028】
マグネットクランプ操作画面50において、通信データ表示タブ52を選択すると、
図3Bに示されているように「通信データ」表示に切り換えられる。このときマグネットクランプ操作画面50は3段の欄から構成される。すなわち上段が通信状態欄80に、中段が固定側欄81に、そして下段が可動側欄82になっている。通信状態欄80はコントローラ5とマグネットクランプ7の通信の状態が表示されている。固定側欄81には固定側マグネットクランプ18(
図1、
図2参照)におけるクランプ状態を表示するクランプ状態欄84と、エラーの発生状況を示すエラー状態欄85とが表示される。固定側欄81には、固定側マグネットクランプ18における着磁力と温度とが表示されるようになっている。
【0029】
可動側欄82には、可動側マグネットクランプ19(
図1参照)におけるクランプ状態を表示するクランプ状態欄87と、エラーの発生状況を示すエラー状態欄88とが表示される。可動側欄82にも、可動側マグネットクランプ19における着磁力と温度とが表示されるようになっている。
【0030】
マグネットクランプ7(
図1参照)において、温度の管理、着磁力の管理は重要である。マグネットクランプ7において使用されている永久磁石は温度により磁力が減少するからであり、着磁力が減少すると金型31、32のクランプに問題が生じるからである。したがって、前記したように、固定側欄81と可動側欄82とには、それぞれ温度と着磁力とが表示されている。
【0031】
固定側欄81と可動側欄82のそれぞれのエラー状態欄85、88には色々な種類のエラー、すなわちエラー種別が表示される。エラーが発生しているとき、エラー種別を示す項目を選択すると、
図4A、
図4Bに示されているようなポップアップウィンドウ90、91が表示される。ポップアップウィンドウ90、91には、エラー種別の内容と、このエラー種別に対してオペレータが対処すべき対処方法とが表示される。
【0032】
なお、射出成形機1の運転中においてマグネットクランプ7(
図1参照)についてのエラーが発生する場合もある。このときモニタ41において他の画面が表示されていても、
図4A、
図4Bに示されているような画面、つまりエラー種別の内容と対処方法とを示すポップアップウィンドウ90、91が表示されるようになっている。
【0033】
<射出成形機システム>
図5Aには、本実施の形態に係る射出成形機1を備えた、本実施の第1の形態に係る射出成形機システム100Aが示されている。射出成形機システム100Aは、射出成形機1と金型交換装置システム101Aとから構成されている。第1の形態において金型交換装置システム101Aは、型締装置2の左右に設けられている第1、第2の金型交換装置103、104と、第2の金型交換装置104に接続されている金型搬送装置106と、から構成されている。
【0034】
第1、第2の金型交換装置103、104は金型110a、110b、…を乗せてこれらを射出成形機1の型締装置2に搬送し、あるいは型締装置2から金型110cを搬出するようになっている。金型搬送装置106は金型110d、…を搬送するようになっており、第2の金型交換装置104から金型110bを図示されない外部の金型自動倉庫等に搬送したり、金型搬送装置106に乗せられている金型110dを第2の金型交換装置104に移動させたりすることができるようになっている。このように、金型交換装置システム101Aは第1、2の金型交換装置103、104と、金型搬送装置106とから構成されているので、比較的多数の金型101a、101b、…を扱うことができ、交換することができるようになっている。
【0035】
この射出成形機システム100Aにおいて、射出成形機1に設けられているマグネットクランプ7は、図示されていないコントローラ5によって自動的に制御されるようになっている。したがって、金型110a、110b、…の交換においてこれらを自動的にクランプ/アンクランプするようになっている。
【0036】
図5Bには、本実施の第2の形態に係る射出成形機システム100Bが示されている。射出成形機システム100Bに設けられている金型交換装置システム101Bは、水平方向にスライドする移動テーブル112と、この移動テーブル112に載せられている第1、第2の金型交換装置113、114とから構成されている。したがって、第1の実施の形態に係る射出成形機システム100Aと同様に金型110a、110b、…を自動的に交換することができるようになっている。なお、
図5Bには成形品を搬送する成形品搬送装置116と、搬送用ベルトコンベヤ117も示されている。
【0037】
<竪型射出成形機>
本実施の形態は色々な変形が可能である。例えば、射出成形機1は横置き型になっているが、
図6に示されている竪型射出成形機121でも実施できる。竪型射出成形機121は、型締装置122と、この型締装置122の上部に設けられている射出装置123と、これらを制御するコントローラ125と、を備えている。
【0038】
<型締装置>
型締装置122は、ベッド127に固定されている固定盤129と、この固定盤129の上方に設けられている上可動盤130と、図示されていないがベッド127内に設けられている下可動盤とを備えている。上可動盤130と下可動盤は本実施の形態では3本のタイバー132、132、…で連結されており、下可動盤と固定盤129の間に設けられている図示されない型締機構を駆動すると上可動盤130が上下に駆動されるようになっている。本実施の形態に係る型締装置122は、固定盤129の上にターンテーブル134が設けられている。ターンテーブル134は中央の1本のタイバー132を中心に180度回転、つまり反転するようになっている。
【0039】
<マグネットクランプ>
このような型締装置122にマグネットクランプ135が設けられている。すなわち、上可動盤130に設けられている上側マグネットクランプ136と、ターンテーブル134に設けられている下側マグネットクランプ137A、137Bである。
図6において、下側マグネットクランプ137Bは手前の下側マグネットクランプ137Aと重なっていて隠れている。ターンテーブル134が反転すると、下側マグネットクランプ137Bが手前に来ることになる。このような上側マグネットクランプ136には上側金型140がクランプされている。そして下側マグネットクランプ137A、137Bにはそれぞれ下側金型141A、下側金型141Bがクランプされている。
【0040】
<射出装置>
射出装置123は、型締装置122の上可動盤130の上に設けられているが、説明は省略する。
【0041】
<マグネットクランプ操作画面>
本実施の形態に係る竪型射出成形機121のコントローラ125に表示される、マグネットクランプ操作画面150が、
図7に示されている。横置き型の射出成形機1(
図1参照)のコントローラ5に表示されるマグネットクランプ操作画面50(
図3A、
図3B参照)と概ね同様に構成されているので詳しい説明は省略し、異なる一部の点についてのみ補足的に説明する。すなわち、竪型射出成形機121においては、前記したようにマグネットクランプ135は上側マグネットクランプ136と、下側マグネットクランプ137A、137Bとから構成されている。これらはそれぞれ符号151、152、153で示されているように「上側クランパ」「下側クランパA」、「下側クランパB」として表示されている。この実施の形態に係るマグネットクランプ操作画面150も、安全に金型140、141A、141B(
図6参照)のクランプ/アンクランプができるようになっている。
【0042】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 5 コントローラ
7 マグネットクランプ 10 固定盤
11 型締ハウジング 12 可動盤
14 タイバー 16 トグル機構
18 固定側マグネットクランプ 19 可動側マグネットクランプ
21 マグネットクランププレート 22 くり抜き穴
23 ボルト穴 25 コア穴
28 電力供給配線 29 分岐配線
31 固定側金型 32 可動側金型
34 加熱シリンダ 35 スクリュ
37 スクリュ駆動装置 38 ホッパ
39 射出ノズル 41 モニタ
50 マグネットクランプ操作画面 90 ポップアップウィンドウ
91 ポップアップウィンドウ
100 射出成形機システム 101 金型交換装置システム
103 第1の金型交換装置 104 第2の金型交換装置
106 金型搬送装置 110 金型
112 移動テーブル 113 第1の金型交換装置
114 第2の金型交換装置 116 成形品搬送装置
117 搬送用ベルトコンベヤ
121 竪型射出成形機 122 型締装置
123 射出装置 125 コントローラ
127 ベッド 129 固定盤
130 上可動盤 132 タイバー
134 ターンテーブル 135 マグネットクランプ
136 上側マグネットクランプ 137 下側マグネットクランプ
140 上側金型 141 下側金型
150 マグネットクランプ操作画面