(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155543
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】冷却器及びこれを備えたレーザモジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20231016BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
H01S5/024
H01L23/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064926
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】堂本 真也
(72)【発明者】
【氏名】信岡 政樹
【テーマコード(参考)】
5F136
5F173
【Fターム(参考)】
5F136BA06
5F136CB07
5F136DA34
5F136FA14
5F136FA51
5F136GA01
5F173MD65
5F173ME44
5F173ME54
5F173ME56
(57)【要約】
【課題】2つの部材を重ね合わせてなり、内部に冷却水路を有する冷却器において、2つの部材の間を確実に封止することができる冷却器を提供する。
【解決手段】冷却器30は、第1の部材40と第2の部材50とを少なくとも有している。第1の部材40と第2の部材50は、ともに非金属材料である。第2の部材50は、表面50aに第1の凹部51を有している。第1の部材40は、板状の部材であって、第1の凹部51を覆うように第2の部材50に取り付けられている。第1の部材40と第1の凹部51とで区画される空間は、レーザダイオードバー10を冷却する冷却水が流れる冷却水路31として構成される。第1の部材40と第2の部材50との間が樹脂材料からなる絶縁接着材60で封止されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザダイオードバーの冷却器であって、
ともに非金属材料からなる第1の部材と第2の部材とを少なくとも有し、
前記第2の部材は、表面に第1の凹部を有しており、
前記第1の部材は、板状の部材であって、前記第1の凹部を覆うように前記第2の部材に取り付けられており、
前記第1の部材と前記第1の凹部とで区画される空間は、前記レーザダイオードバーを冷却する冷却水が流れる冷却水路として構成され、
前記第1の部材と前記第2の部材との間が樹脂材料で封止されていることを特徴とする冷却器。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却器において、
前記樹脂材料は耐加水分解性を有する接着材であることを特徴とする冷却器。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却器において、
前記樹脂材料はOリングであり、
前記Oリングは、前記第1の凹部の周囲を囲むように前記第2の部材の前記表面に設けられた溝に収容されており、
前記Oリングが、前記第1の部材の裏面と前記溝の内面とにそれぞれ当接して、前記第1の部材と前記第2の部材との間が封止されていることを特徴とする冷却器。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却器において、
前記樹脂材料はOリングであり、
前記Oリングは、前記第1の凹部の外縁にわたって前記第2の部材に設けられた段差部に収容されており、
前記Oリングが、前記第1の部材の側面と前記段差部の底面及び側面とにそれぞれ当接して、前記第1の部材と前記第2の部材との間が封止されていることを特徴とする冷却器。
【請求項5】
請求項4に記載の冷却器において、
前記第1の部材と前記第2の部材とが積み重ねられた方向から見て、
前記第1の部材は、n角形(nは4以上の整数)であり、かつ前記n角形のコーナー部は所定の曲率半径を有するように丸められていることを特徴とする冷却器。
【請求項6】
請求項3に記載の冷却器において、
前記第1の部材を前記第2の部材に向かって押さえ付ける第3の部材をさらに有し、
前記第3の部材は、前記第1の凹部を囲むように、かつ前記レーザダイオードバーから出射されるレーザ光を遮らない位置に設けられることを特徴とする冷却器。
【請求項7】
請求項6に記載の冷却器において、
前記第3の部材は、導電性の部材であり、かつ、前記レーザダイオードバーに電力を供給する経路の一部をなすことを特徴とする冷却器。
【請求項8】
請求項1に記載の冷却器において、
前記第1の部材の熱伝導率は、前記第2の部材の熱伝導率よりも高いことを特徴とする冷却器。
【請求項9】
請求項1に記載の冷却器において、
前記第2の部材には、前記第1の部材の裏面と対向して、複数のノズルが形成されており、
複数の前記ノズルから前記第1の部材の前記裏面に向かって前記冷却水が吹き付けられるように構成されていることを特徴とする冷却器。
【請求項10】
請求項1に記載の冷却器において、
前記第1の部材の裏面には、前記第2の部材に向かって突出する1個または複数個の突起が形成されていることを特徴とする冷却器。
【請求項11】
サブマウントと、
前記サブマウントに実装された前記レーザダイオードバーと、
前記サブマウントが実装された請求項1ないし10のいずれか1項に記載の冷却器、とを少なくとも備え、
前記サブマウントは、前記第1の部材の表面に実装されていることを特徴とするレーザモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却器及びこれを備えたレーザモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銅、金、樹脂など種々の材料において、レーザ加工への期待が高まっている。例えば、自動車産業では、電動化、小型化、高剛性化、デザイン自由度向上、及び生産性向上などが求められ、レーザ加工への期待は高い。生産性の高い加工を実現するには、高効率で高出力のレーザ光が得られるレーザ光源が要求されている。この要求に好適なレーザ光源として、半導体レーザ素子が知られている。また、レーザ光の出力を高めるためには、それぞれレーザ光を出射するエミッタを複数有するレーザダイオードバーが有用である。なお、半導体レーザ素子やレーザダイオードバーは、通常、サブマウントに実装された状態で使用される。サブマウントは、半導体レーザ素子やレーザダイオードバーを機械的に支持する部品である。
【0003】
ところで、半導体レーザ素子は、通常、入力電力に対する光変換効率(Wall Plug Efficiency:以下、WPEという)が高く、高効率なレーザ光源であることが知られている。しかし、WPEの理論的な上限は、40%程度である。言い換えると、レーザ光の生成に寄与しない大半の投入電力は、エミッタの内部で熱に変換されてしまう。レーザダイオードバーから出射されるレーザ光の出力が高くなるにつれて、レーザダイオードバーの各エミッタで発生する熱量も大きくなり、レーザダイオードバーの温度が上昇してしまう。
【0004】
このような温度上昇が起こると、レーザ光の出力が低下したり、レーザダイオードバーの動作信頼性が低下したりすることが知られている。前者は、WPEの低下につながり、後者は、レーザダイオードバーの故障につながる。特に、数十個のエミッタを有するレーザダイオードバーでは、WPEが20%以下に低下することがある。サブマウントは、レーザダイオードバーで発生した熱を外部に排出する放熱部品としても機能するが、発熱量が大きい場合、サブマウントのみでは放熱性能が不足する。
【0005】
そこで、従来、動作中のレーザダイオードバーを冷却するための冷却器を備えたレーザモジュールが提案されている。例えば、特許文献1,2には、内部に冷却水路を有する冷却器と、冷却器の表面に実装されたサブマウントと、サブマウントの表面に実装されたレーザダイオードバーとを備えたレーザモジュールが開示されている。
【0006】
冷却器は、開口部を有する底部冷却器と、開口部を覆う蓋材である上部冷却器とを有している。上部冷却器と底部冷却器とで区画される空間が、レーザダイオードバーを冷却する冷却水が流れる冷却水路として構成される。
【0007】
また、特許文献2には、さらに、上部冷却器の裏面には、底部冷却器に向かって突出する複数個の突起が形成されていることが開示されている。また、底部冷却器は、上部冷却器の裏面と対向する底壁に、上部冷却器に向かって突出する複数のノズルが形成されていることが開示されている。さらに、複数のノズルから上部冷却器の裏面に向かって冷却水が吹き付けられることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6726769号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/028596号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1,2に開示された従来の構成では、上部冷却器と底部冷却器とにおいて、それぞれ、相手との当接面がメタライズされ、さらに金属はんだやろう付け等により両者が接合される。あるいは、メタライズされた部分同士を溶接して両者が接合される。
【0010】
しかし、上部冷却器と底部冷却器との接合部分は、冷却水に被水されるため、長期間の使用によって、腐食により接合部分が脆化することがある。このような脆化があると、冷却水が漏水し、レーザモジュールの故障につながる。また、特許文献2に開示されるように、上部冷却器の裏面に冷却水を吹き付ける場合、水圧により、接合部分が外れて、冷却器が破損するとともに、漏電等の大事故につながるおそれがある。
【0011】
本開示はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、2つの部材を重ね合わせてなり、内部に冷却水路を有する冷却器において、2つの部材の間を確実に封止することができる冷却器及びこれを備えたレーザモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本開示に係る冷却器は、レーザダイオードバーの冷却器であって、ともに非金属材料からなる第1の部材と第2の部材とを少なくとも有し、前記第2の部材は、表面に第1の凹部を有しており、前記第1の部材は、板状の部材であって、前記第1の凹部を覆うように前記第2の部材に取り付けられており、前記第1の部材と前記第1の凹部とで区画される空間は、前記レーザダイオードバーを冷却する冷却水が流れる冷却水路として構成され、前記第1の部材と前記第2の部材との間が樹脂材料で封止されていることを特徴とする。
【0013】
本開示に係るレーザモジュールは、サブマウントと、前記サブマウントに実装された前記レーザダイオードバーと、前記サブマウントが実装された前記冷却器、とを少なくとも備え、前記サブマウントは、前記第1の部材の表面に実装されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示の冷却器によれば、冷却器を構成する2つの部材の間を確実にシールするとともに、冷却器を長期間、安定して使用できる。本開示のレーザモジュールによれば、レーザダイオードバーの温度上昇が抑制され、また、冷却器の故障を低減できる。このことにより、高信頼性のレーザモジュールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係るレーザモジュールの斜視図である。
【
図5】実施形態2に係るレーザモジュールの要部の断面模式図である。
【
図6】実施形態3に係るレーザモジュールの要部の断面模式図である。
【
図7】実施形態3に係る別のレーザモジュールの要部の断面模式図である。
【
図8】変形例に係るレーザモジュールの要部の断面模式図である。
【
図9】実施形態4に係るレーザモジュールの要部の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0017】
(実施形態1)
[レーザモジュールの構成]
図1は、本実施形態に係るレーザモジュールの斜視図を、
図2は、冷却器の分解断面図を、
図3は、
図1のIII-III線での断面図をそれぞれ示す。
図4は、第1の部材の斜視図を示す。
【0018】
なお、以降の説明において、レーザダイオードバー10の長手方向をX方向と呼び、レーザダイオードバー10とサブマウント20と冷却器30とが積み重ねられた方向をY方向と呼ぶ。Y方向は、第1の部材40と第2の部材50とが積み重ねられた方向でもある。X方向及びY方向とそれぞれ直交する方向をZ方向と呼ぶ。Z方向は、エミッタ11の長手方向であり、複数個のエミッタ11のそれぞれから出射されるレーザ光(図示せず)の光軸方向でもある。
【0019】
なお、Y方向において、レーザダイオードバー10が配置された側を上または上方と呼び、冷却器30が配置された側を下または下方と呼ぶ。Z方向において、レーザダイオードバー10におけるレーザ光の光出射端面10aが配置された側を前または前方と呼び、光出射端面10aと対向する端面(後端面)が配置された側を後または後方と呼ぶ。また、レーザモジュール100及びこれを構成する各部品をY方向に沿って上方または下方から見た場合を平面視と呼ぶ。また、レーザモジュール100及びこれを構成する各部品をX方向とY方向のそれぞれに平行な仮想断面で見た場合を断面視と呼ぶ。
【0020】
図1に示すように、レーザモジュール100は、冷却器30とサブマウント20とレーザダイオードバー10とが下からこの順に積み重ねられて構成されている。
【0021】
図1に示すように、レーザダイオードバー10は、複数個のエミッタ11を有し、平面視で長方形の部材であり、長辺がX方向で、短辺がZ方向である。また複数個のエミッタ11のそれぞれは分離溝12で分離されている。なお、
図1及び以降に示す各図面において、レーザダイオードバー10やエミッタ11の形状は簡略化して図示している。また、エミッタ11の個数は、実際のものとは異なっている。
【0022】
本実施形態に示すレーザダイオードバー10は、エミッタ11の発光点がサブマウント20から遠い上面側にある、いわゆるジャンクションアップタイプであるが、特にこれに限定されない。後で示すジャンクションダウンタイプ(
図8参照)であってもよい。
【0023】
本実施形態のレーザダイオードバー10における各エミッタ11からは、青色の波長域のレーザ光がそれぞれ出射される。なお、「青色の波長域」とは、350nm以上、450nm以下の波長範囲をいう。また、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料は窒化物半導体(GaN系半導体)である。ただし、レーザダイオードバー10の構成は、これに特に限定されない。例えば、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料がGaAs系半導体やInP系半導体であってもよい。また、各エミッタ11から、赤外の波長域、例えば、960nm程度の波長のレーザ光がそれぞれ出射されてもよい。
【0024】
サブマウント20は、平面視で長方形の板状の導電部材であり、例えば、ダイヤモンドと金属との複合体からなる。ただし、サブマウント20の材質は特にこれに限られず、例えば、銅とタングステン(W)との複合体であってもよい。また、サブマウント20は、レーザダイオードバー10を構成する主たる半導体材料と線膨張係数が近く、また、ヤング率が高いことが好ましい。サブマウント20は、熱伝導率の高い接着材(図示せず)、例えば、金属はんだにより、第1の部材40の表面40aに固着されている。なお、金属はんだを用いる場合は、第1の部材40の表面40aに金属層(図示せず)が設けられる。
【0025】
図2及び
図3に示すように、冷却器30は、第1の部材40と第2の部材50とを有しており、第1の部材40は、単結晶の炭化シリコン(SiC)からなる、平面視で長方形の板材である。第1の部材40の材質は、特にこれに限定されないが、裏面40bに冷却水が被水するため、耐腐食性の高い材料、例えば、非金属材料である必要がある。また、第1の部材40は、レーザダイオードバー10で発生し、サブマウント20に伝搬した熱を、さらに外部に排出する放熱部品でもある。本実施形態では、第1の部材40の裏面40bに冷却水が吹き付けられて、第1の部材40が冷却される。このときに、レーザダイオードバー10で発生して、サブマウント20と第1の部材40とを伝播した熱が冷却水に排出される。したがって、第1の部材40は、高い熱伝導率を有する材料であることが好ましく、サブマウント20と同程度の熱伝導率であれば、より好ましい。また、第1の部材40の熱伝導率は、第2の部材50の熱伝導率よりも高い。
【0026】
図3及び
図4に示すように、第1の部材40の裏面40bには、複数個の突起41が形成されている。突起41は、例えば、第1の部材40の裏面40bに対して、ダイシング等の加工を行って形成される。第1の部材40が第2の部材50に取り付けられた状態で、複数個の突起41のそれぞれは、第1の部材40の裏面40bから第2の部材50に向かって突出している。
【0027】
このようにすることで、第1の部材40において、裏面40bの表面積を大きくすることができる。したがって、第1の部材40の裏面40bからの放熱量を高められ、冷却水を介して効率良くレーザダイオードバー10で発生した熱を冷却器30の外部に排出できる。
【0028】
第2の部材50は、表面50aから下方に窪む第1の凹部51を、裏面50bから上方に窪む第2の凹部52をそれぞれ有する部材である。第2の部材50は、絶縁性セラミック、例えば、アルミナからなる。第2の部材50の材質は、特にこれに限定されないが、内部を冷却水が流れるため、耐腐食性の高い材料、例えば、非金属材料である必要がある。また、内部に複数のノズル53を形成する必要があるため、成形等の加工が容易である材料であるのが好ましい。
【0029】
第1の凹部51と第2の凹部52との間には、複数のノズル53が設けられている。言い換えると、第1の凹部51と第2の凹部52とは複数のノズル53を挟んでY方向に対向して配置されている。第1の部材40が第2の部材50に取り付けられた状態で、複数のノズル53のそれぞれは、第1の部材40の裏面40bと対向している。冷却器30の外部から第2の凹部52に冷却水が導入され、複数のノズル53のそれぞれを通って、第1の部材40の裏面40bに向かって冷却水が吹き付けられる。
【0030】
図2及び
図3に示すように、第1の部材40は、第1の凹部51を覆うように第2の部材50に取り付けられる。このように、第1の部材40が第2の部材50に取り付けられることで、冷却器30が構成される。第1の部材40は、第1の凹部51の周囲を囲むように、第2の部材50の表面50aに設けられた絶縁接着材60により、第2の部材50に固着される。また、絶縁接着材60により、第1の部材40と第2の部材50との間が封止される。絶縁接着材60は、耐加水分解性を有する樹脂材料であり、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂などのウレタン系反応性ホットメルト接着剤が用いられる。
【0031】
第1の部材40の裏面40bと第1の凹部51とで区画される空間は、複数のノズル53から噴出された冷却水が流れる冷却水路31として構成される。また、冷却水路31に排水路54が連通しており、第1の部材40に吹き付けられた冷却水は、排水路54を通って冷却器30の外部に排出される。また、冷却水を介して、レーザダイオードバー10で発生した熱も排水路54から冷却器30の外部に排出される。
【0032】
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器30は、第1の部材40と第2の部材50とを少なくとも有している。第1の部材40と第2の部材50は、ともに耐腐食性の高い材料、具体的には、非金属材料である。
【0033】
第2の部材50は、表面50aに第1の凹部51を有している。第1の部材40は、板状の部材であって、第1の凹部51を覆うように第2の部材50に取り付けられている。
【0034】
第1の部材40と第1の凹部51とで区画される空間は、レーザダイオードバー10を冷却する冷却水が流れる冷却水路31として構成される。第1の部材40と第2の部材50との間が樹脂材料、具体的には、耐加水分解性を有する絶縁接着材60で封止されている。
【0035】
冷却器30をこのように構成することで、冷却水が被水する部分、つまり、冷却水路31の内壁部分をすべて非金属材料とすることができる。このことにより、長期間の使用時にも、冷却水路31において腐食が起こらず、第1の部材40と第2の部材50との間で接合の脆化等が起こらない。
【0036】
特に、本実施形態の冷却器30では、第1の部材40に対して複数のノズル53から冷却水が吹き付けられる構造になっているため、レーザモジュール100の動作中に、第1の部材40には、第2の部材50から分離される方向に圧力が加わる。特許文献2に開示された従来の構成では、金属材料により、上部冷却器と下部冷却器とを金属材料で接合しているため、接合部分が腐食により脆化すると、上部冷却器が下部冷却器から外れてしまうおそれがある。
【0037】
一方、本実施形態によれば、第1の部材40と第2の部材50との間で接合の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、冷却器30の故障を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を確保できる。
【0038】
また、第1の部材40と第2の部材50との間の封止材料を、耐加水分解性を有する樹脂材料とすることで、長期間の使用において、冷却水による絶縁接着材60の劣化が起こりにくく、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を確実に防止できる。
【0039】
第1の部材40の熱伝導率は、第2の部材50の熱伝導率よりも高いことが好ましい。
【0040】
第1の部材40は、レーザダイオードバー10で発生した熱を受け取って、冷却水に排出する役割を有している。このため、前述したように、熱伝導率が高い材料で構成されるのが好ましい。
【0041】
しかし、熱伝導率の高い非金属材料は、種類が少なく、また、通常のセラミックよりも高価であることが多い。一方、第2の部材50は、レーザダイオードバー10で発生した熱を直接受け取ることはない。このため、耐水性や水圧に対する一定以上の堅牢性を有していればよい。
【0042】
第1の部材40として、第2の部材50よりも熱伝導率の高い材料を選択し、さらに、第1の部材40のサイズを必要最小限、例えば、平面視で、サブマウント20よりも1回り大きなサイズとする。このようにすることで、レーザダイオードバー10で発生した熱を効率良く冷却器30の外部に排出できるとともに、冷却器30のコストを低減できる。
【0043】
また、本実施形態の冷却器30において、第2の部材50には、第1の部材40の裏面40bと対向して、複数のノズル53が形成されている。複数のノズル53から第1の部材40の裏面40bに向かって冷却水が吹き付けられるように、冷却器30が構成されている。
【0044】
このようにすることで、第1の部材40を効率良くかつ確実に冷却することができる。よって、レーザダイオードバー10で発生し、サブマウント20を介して第1の部材40に伝搬された熱を、効率良くかつ確実に冷却器30の外部に排出することができる。
【0045】
第1の部材40の裏面40bには第2の部材50に向かって突出する複数個の突起41が形成されているのが好ましい。
【0046】
このようにすることで、第1の部材40において、裏面40bの表面積を大きくすることができる。したがって、第1の部材40の裏面40bからの放熱量を高められ、冷却水を介して効率良くレーザダイオードバー10で発生した熱を冷却器30の外部に排出できる。
【0047】
本実施形態に係るレーザモジュール100は、サブマウント20と、サブマウント20に実装されたレーザダイオードバー10と、サブマウント20が実装された冷却器30、とを少なくとも備えている。サブマウント20は、第1の部材40の表面40aに実装されている。
【0048】
レーザモジュール100をこのように構成することで、レーザダイオードバー10で発生した熱を効率良くかつ速やかに冷却器30の外部に排出できる。また、第1の部材40と第2の部材50との間で接合の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、レーザモジュール100の故障を抑制して、動作信頼性を確保できる。
【0049】
(実施形態2)
図5は、本実施形態に係るレーザモジュールの要部の断面模式図を示す。なお、
図5及び以降に示す各図面において、実施形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図5に示す冷却器30は、第2の部材50において、第1の凹部51の周囲を囲むように、環状の溝55が形成されている点で、実施形態1に示す冷却器30と異なる。また、溝55には、樹脂製のOリング61が収容されている。第2の部材50には、溝55と所定の間隔をあけて複数のボルト孔56が設けられている。複数のボルト孔56は、溝55の外周方向に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0051】
第1の部材40は、第1の凹部51と溝55と覆うように第2の部材50に取り付けられている。第1の部材40には、その外周方向に沿って複数の貫通孔43が互いに間隔をあけて設けられている。また、第1の部材40が第2の部材50に取り付けられた状態で、複数のボルト孔56のそれぞれに複数の貫通孔43のそれぞれが重ね合わされている。
【0052】
互いに重ね合わされた貫通孔43とボルト孔56とに締結部材であるボルト110が挿通されて、締結される。この状態で、第1の部材40がOリング61を下方に向けて押さえ付けることで、Oリング61が、第1の部材40の裏面40bと溝55の内面とにそれぞれ当接して、第1の部材40と第2の部材50との間が封止される。
【0053】
本実施形態に示す構成によっても、冷却水が被水する部分、つまり、冷却水路31と第1の部材40と第2の部材50との封止部分とをすべて非金属材料とすることができる。このことにより、長期間の使用時にも、冷却水路31において腐食が起こらず、また、第1の部材40と第2の部材50との間で封止材料の脆化等が起こらない。
【0054】
したがって、本実施形態においても、実施形態1に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができる。つまり、第1の部材40と第2の部材50との間で封止材料の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、冷却器30の故障を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を確保できる。
【0055】
また、第1の部材40と第2の部材50とをボルト110により締結しているため、第2の部材50を、第1の部材40により適切な力で押さえ付けることができる。このことにより、複数のノズル53から噴出される冷却水によって、第1の部材40が第2の部材50から外れてしまうのを確実に抑制できる。また、第1の部材40や第2の部材50の取り外しを簡便に行えるため、冷却器30に不具合が起こった場合の修理。交換を容易に行える。
【0056】
(実施形態3)
図6は、本実施形態に係るレーザモジュールの要部の断面模式図を示し、
図7は、別のレーザモジュールの要部の断面模式図を示す。
【0057】
図6や
図7に示す冷却器30は、第1の部材40の上方に、第1の部材40の表面40aに当接するように第3の部材70が設けられている点で、実施形態1,2に示す冷却器30と異なる。
【0058】
第3の部材70は、断面視でL字形状の絶縁部材であり、第1の凹部51及び溝55の周囲を囲むように、第1の部材40に取り付けられている。この状態で、第3の部材70に設けられた段差部72に、第1の部材40の外縁部分が収容されている。ただし、第3の部材70は、レーザダイオードバー10から出射されるレーザ光を遮らない位置に、つまり、Z方向から見て、レーザダイオードバー10の光出射端面10aにかからないように、第1の部材40に取り付けられる。
【0059】
図6に示す例では、第3の部材70には、その外周方向に沿って複数の貫通孔71が互いに間隔をあけて設けられている。また、第1の部材40が第2の部材50に取り付けられた状態で、第3の部材70は、第1の部材40の表面40aに当接している。また、平面視で、第2の部材50に設けられた複数のボルト孔56のそれぞれに、第3の部材70に設けられた複数の貫通孔71のそれぞれが重ね合わされている。
【0060】
互いに重ね合わされた貫通孔71とボルト孔56とに締結部材であるボルト110が挿通されて、締結される。この状態で、第3の部材70が、第1の部材40を第2の部材50に向かって押さえ付けることで、Oリング61が、第1の部材40の裏面40bと溝55の内面とにそれぞれ当接して、第1の部材40と第2の部材50との間が封止される。
【0061】
また、
図7に示す例では、第2の部材50にボルト孔56は設けられていない。また、第3の部材70に貫通孔71は設けられていない。その代わりに、第1の部材40が第2の部材50に取り付けられるにあたって、絶縁材料からなる接着材62を介して、第3の部材70が、第2の部材50の表面50aに当接するように配置される。
【0062】
第3の部材70が、第1の部材40を第2の部材50に向かって押さえ付けることで、Oリング61が、第1の部材40の裏面40bと溝55の内面とにそれぞれ当接して、第1の部材40と第2の部材50との間が封止される。
【0063】
本実施形態においても、実施形態2に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができる。つまり、第1の部材40と第2の部材50との間で封止材料の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、冷却器30の故障を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を確保できる。
【0064】
また、
図6に示す例では、第2の部材50と第3の部材70とをボルト110により締結しているため、第2の部材50を、第2の部材50と第3の部材70とに挟み込まれた第1の部材40により適切な力で押さえ付けることができる。このことにより、複数のノズル53から噴出される冷却水によって、第1の部材40が第2の部材50から外れてしまうのを確実に抑制できる。また、第1~第3の部材40,50,70の取り外しを簡便に行えるため、冷却器30に不具合が起こった場合の修理。交換を容易に行える。
【0065】
また、
図7に示す例では、第3の部材70に設けられた段差部72のY方向の高さと溝55の深さ及びOリング61の直径とをそれぞれ適切に調整することで、第1の部材40が第2の部材50を下方に押さえ付ける力を調整できる。このことにより、複数のノズル53から噴出される冷却水によって、第1の部材40が第2の部材50から外れてしまうのを確実に抑制できる。
【0066】
なお、
図6及び
図7に示すように、第3の部材70は、冷却水路31と接触する部分を持たない。したがって、第3の部材70を金属材料としてもよい。また、
図7に示す第2の部材50の表面50aのうち、溝55の外周側をメタライズするか、当該表面50aに金属層を設けてもよい。その場合、接着材62を金属はんだとしてもよい。
【0067】
<変形例>
図8は、本変形例に係るレーザモジュールの要部の断面模式図を示す。
【0068】
図8に示す冷却器30は、第3の部材80が、断面視でU字形状であり、かつ導電性の部材である点で
図6に示す冷却器30と異なる。また、第3の部材80において、側壁の内面に設けられた段差部82に第1の部材40の外縁部分が収容されている。なお、第3の部材80に、ボルト110を挿入するための貫通孔81が設けられていることは、
図5,6に示す第3の部材70と同様である。また、
図8に示すレーザダイオードバー10は、エミッタ11の発光点がサブマウント20に近い下面側にある、いわゆるジャンクションダウンタイプである。レーザダイオードバー10の上面には、図示しないn側電極を介して、複数のバンプ電極13が設けられている。第3の部材80の下面83に複数のバンプ電極13が当接している。
【0069】
本変形例によれば、複数のバンプ電極13を介して、第3の部材80とレーザダイオードバー10とを電気的に接続することができる。このようにすることで、第3の部材80をレーザダイオードバー10に電力を供給する経路の一部とすることができる。このことにより、レーザダイオードバー10に電力を供給する配線や導電部材の数を削減でき、レーザモジュール100のコストを低減できる。
【0070】
また、本変形例に示す構成においても、実施形態3に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができるのは言うまでもない。つまり、第1の部材40と第2の部材50との間で封止材料の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、冷却器30の故障を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を確保できる。
【0071】
また、第2の部材50と第3の部材80とをボルト110により締結しているため、第3の部材80によって、第1の部材40を第2の部材50に向かって適切な力で押さえ付けることができる。このことにより、複数のノズル53から噴出される冷却水によって、第1の部材40が第2の部材50から外れてしまうのを確実に抑制できる。また、第1~第3の部材40,50,80の取り外しを簡便に行えるため、冷却器30に不具合が起こった場合の修理。交換を容易に行える。
【0072】
(実施形態4)
図9は、本実施形態に係るレーザモジュールの要部の断面模式図を示し、
図10は、冷却器の平面図を示す。なお、説明の便宜上、
図10において、第3の部材90の図示を省略している。
【0073】
図9に示す冷却器30は、第3の部材90が断面視でU字形状である一方、上部部材91と下部部材92とに分割されており、上部部材91と下部部材92とが接着材63により一体化されている点で、
図8に示す冷却器30と異なる。また、第2の部材50において、第1の凹部51の外縁が切り欠かれるように加工されることで、当該外縁に段差部57が設けられている点で、実施形態1~3及び変形例に示す第2の部材50と異なる。段差部57は、第1の凹部51の外縁にわたって形成されている。
【0074】
第1の部材40が第2の部材50に取り付けられるにあたって、絶縁材料からなる接着材62を介して、第3の部材90の下部部材92が、第2の部材50の表面50aに当接するように配置される。また、第1の部材40と下部部材92との間に緩衝材64が介在しており、下部部材92が第1の部材40に対して直接接触するのを防止している。このことにより、第3の部材90が、第1の部材40を第2の部材50に向かって押さえ付けた場合、第1の部材40に局所的に圧力が加わり、第1の部材40が破損するのを防止している。
【0075】
Oリング61は、第2の部材50の段差部57に収容されている。第3の部材90が、第1の部材40を第2の部材50に向かって押さえ付けることで、Oリング61が、第1の部材40の裏面40bと段差部57の底面57a及び側面57bとにそれぞれ当接して、第1の部材40と第2の部材50との間が封止される。
【0076】
本実施形態においても、実施形態2,3に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができる。つまり、第1の部材40と第2の部材50との間で封止材料の脆化等が起こらないため、冷却水路31からの漏水や第1の部材40と第2の部材50との接合が分離される等の不具合を防止できる。このことにより、冷却器30の故障を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を確保できる。
【0077】
また、本実施形態に示す例では、下部部材92のY方向の高さと段差部57のY方向の深さ及びOリング61の直径とをそれぞれ適切に調整することで、第1の部材40が第2の部材50を下方に押さえ付ける力を調整できる。このことにより、複数のノズル53から噴出される冷却水によって、第1の部材40が第2の部材50から外れてしまうのを確実に抑制できる。
【0078】
なお、
図9に示すように、第3の部材90のうち、上部部材91は、冷却水路31と接触する部分を持たない。したがって、上部部材91を金属材料としてもよい。この場合、下部部材92の上面をメタライズするか、当該上面に金属層を設けてもよい。その場合、接着材63を金属はんだとしてもよい。
【0079】
また、上部部材91を金属材料とする場合、
図8に示すように、レーザダイオードバー10をジャンクションダウンタイプとするとともに、上面に複数のバンプ電極13を設けてもよい、このようにすることで、変形例に示すのと同様に、上部部材91とレーザダイオードバー10とを電気的に接続して、上部部材91をレーザダイオードバー10に電力を供給する経路の一部とすることができる。このことにより、レーザダイオードバー10に電力を供給する配線や導電部材の数を削減でき、レーザモジュール100のコストを低減できる。
【0080】
また、
図10に示すように、平面視で、第1の部材40のコーナー部40cが、それぞれ曲率半径Rを有するように丸められていることが好ましい。
【0081】
本実施形態において、第1の部材40の側面が、Oリング61と直接接触する。したがって、コーナー部40cが角張っていると、長期間の使用後に、Oリング61に当接するコーナー部40cにおいて、Oリング61がこすれて破損したり、切れたりする場合がある。このようなことが起こると、冷却水が漏水し、漏電事故等の重大な事故を引き起こすおそれがある。また、このような事故を起こさないために、Oリング61の状態を頻繁に点検する必要がある。
【0082】
一方、本実施形態によれば、第1の部材40のコーナー部40cが、それぞれ、曲率半径Rを有するように丸められている。このため、長期間の使用後も、Oリング61に当接するコーナー部40cにおいて、Oリング61がこすれて破損したり、切れたりする割合を小さくできる。その結果、冷却水の漏水を抑制して、レーザモジュール100の動作信頼性を向上できる。また、レーザモジュール100のメンテナンス頻度を低減して、メンテナンスコストを低減できる。
【0083】
なお、曲率半径Rの値は、第1の部材40の平面視でのサイズや材質等に応じて適宜変更されうる。
【0084】
また、第1の部材40の裏面40bには、
図10に示すように、格子状に形成された一体物の突起42が形成されていてもよい。この場合も、第1の部材40において、裏面40bの表面積を大きくすることができ、第1の部材40の裏面40bからの放熱量を高められる。したがって、冷却水を介して効率良くレーザダイオードバー10で発生した熱を冷却器30の外部に排出できる。
【0085】
なお、緩衝材64は、冷却水が被水する可能性があるため、非金属材料、例えば、対加水分解性を有する樹脂材料であることが好ましい。
【0086】
(その他の実施形態)
実施形態1~4及び変形例に示す各構成要素を適宜組み合わせて、新たな実施形態とすることができる。例えば、
図10に示す第1の部材40を、実施形態1~3に示すレーザモジュール100に適用してもよい。
【0087】
また、本願明細書では、第1の部材40を、平面視で長方形の部材としたが、特にこれに限定されない。例えば、第1の部材40が、平面視で正方形であってもよい。また、第1の部材40が、平面視でn角形(nが4以上の整数)であってもよい。なお、平面視でn角形の第1の部材40が、実施形態4に示す冷却器30に適用される場合、各コーナー部40cが所定の曲率半径を有するように丸められているのが好ましいことは言うまでもない。また、第1の部材40は、平面視で円形や半円形であってもよく、あるいは楕円形や半楕円形であってもよい。
【0088】
また、第1の部材40や第3の部材70,80を第2の部材50に締結するための締結部材は、ボルト110に限定されず、例えば、ねじであってもよい。
【0089】
また、第1の部材40の裏面40bに設けられる突起41,42の形状は、
図4や
図10に示す例に特に限定されない。例えば、X方向に延びる直線状の突起が、Z方向に互いに間隔をあけて複数設けられていてもよい。同様に、Z方向に延びる直線状の突起が、X方向に互いに間隔をあけて複数設けられていてもよい。
【0090】
また、第2の部材50の形状は、
図2に示したものに特に限定されない。例えば、第2の部材50が、上面に開口部を有する箱状の部材であってもよい。また、冷却水の流入口と排出口とを、第2の部材50の側壁にそれぞれ設けるようにしてもよい。この場合、複数のノズル53を省略してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示の冷却器は、2つの部材を重ね合わせてなり、内部に冷却水路を有する冷却器において、2つの部材の間を確実に封止することができ、高出力のレーザダイオードバーの冷却器として有用である。
【符号の説明】
【0092】
10 レーザダイオードバー
11 エミッタ
12 分離溝
13 バンプ電極
20 サブマウント
30 冷却器
31 冷却水路
40 第1の部材
40a 表面
40b 裏面
41,42 突起
50 第2の部材
51 第1の凹部
52 第2の凹部
53 ノズル
54 排水路
55 溝
57 段差部
60 絶縁接着材
61 Oリング
62 接着材
63 接着材
64 緩衝材
70,80,90 第3の部材
91 上部部材
92 下部部材
100 レーザモジュール