(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155588
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】床材パネルセット、床材パネルの施工工法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20231016BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20231016BHJP
【FI】
E04F15/02 G
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064999
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】503097347
【氏名又は名称】大和屋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】東森 亮典
【テーマコード(参考)】
2E220
5L049
【Fターム(参考)】
2E220AA33
2E220DB03
2E220EA05
2E220FA11
2E220GA25X
2E220GB43X
5L049CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な配置パターンで床材パネルを配置可能な床材パネルセットを提供する。
【解決手段】床材パネルセット1は、長方形の輪郭形状に形成された第1床材パネル10、第1床材パネル10と同一の長方形の輪郭形状に形成された第2床材パネル20を備え、第1床材パネル10は、一方の長辺及び一方の短辺に沿って雄実部11a及び雄実部12aが形成され、かつ、他方の長辺及び他方の短辺に沿って雌実部11b及び雌実部12bが形成され、第2床材パネル20は一対の長辺のうち第1床材パネル10の一方の長辺に対応する一方の長辺、及び、一対の短辺のうち第1床材パネル10の他方の短辺に対応する他方の短辺に沿って雌実部21b及び雌実部22bが形成され、かつ、一対の長辺のうち他方の長辺及び一対の短辺のうち一方の短辺に沿って雄実部21a及び雄実部22aが形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の輪郭形状に形成された第1床材パネルと、
前記第1床材パネルと同一の長方形の輪郭形状に形成された第2床材パネルと、
を備える床材パネルセットであって、
前記第1床材パネルは、一方の長辺及び一方の短辺に沿って雄実部が形成され、かつ、他方の長辺及び他方の短辺に沿って雌実部が形成され、
前記第2床材パネルは、一対の長辺のうち前記第1床材パネルの前記一方の長辺に対応する一方の長辺、及び、一対の短辺のうち前記第1床材パネルの前記他方の短辺に対応する他方の短辺に沿って雌実部が形成され、かつ、前記一対の長辺のうち他方の長辺及び前記一対の短辺のうち一方の短辺に沿って雄実部が形成されている、
床材パネルセット。
【請求項2】
前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記長辺の長さは前記短辺の長さの整数倍である、
請求項1に記載の床材パネルセット。
【請求項3】
正方形の輪郭形状を有する正方形型床材パネルをさらに備え、
前記正方形型床材パネルは、四辺のうち互いに隣接する二辺に雄実部が形成され残りの二辺に雌実部が形成されており、一辺の長さは、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記短辺の長さと同一である、
請求項1又は2に記載の床材パネルセット。
【請求項4】
前記第1床材パネルとして、
前記長辺の長さが相対的に短い短尺型の前記第1床材パネルと、
前記長辺の長さが相対的に長い長尺型の前記第1床材パネルと、を有し、
前記第2床材パネルとして、
前記長辺の長さが相対的に短い短尺型の前記第2床材パネルと、
前記長辺の長さが相対的に長い長尺型の前記第2床材パネルと、を有する、
請求項3に記載の床材パネルセット。
【請求項5】
前記短尺型の第1床材パネル及び前記長尺型の第1床材パネルの長辺の長さが、いずれも、前記第1床材パネルの前記短辺の長さの整数倍であり、
前記短尺型の第2床材パネル及び前記長尺型の第2床材パネルの長辺の長さが、いずれも、前記第2床材パネルの前記短辺の長さの整数倍である、
請求項4に記載の床材パネルセット。
【請求項6】
複数の床材パネルを使用して床構造を形成する床材パネルの施工工法であって、
長方形の輪郭形状に形成された第1床材パネルであって、一方の長辺及び一方の短辺に沿って雄実部が形成され、かつ、他方の長辺及び他方の短辺に沿って雌実部が形成された第1床材パネルを用意する工程と、
前記第1床材パネルと同一の長方形の輪郭形状に形成された第2床材パネルであって、一対の長辺のうち前記第1床材パネルの前記一方の長辺に対応する一方の長辺、及び、一対の短辺のうち前記第1床材パネルの前記他方の短辺に対応する他方の短辺に沿って雌実部が形成され、かつ、前記一対の長辺のうち他方の長辺及び前記一対の短辺のうち一方の短辺に沿って雄実部が形成された第2床材パネルを用意する工程と、
所定の配置パターンにしたがって、施工対象領域に、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記雄実部と前記雌実部とを係合させるように、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルを配置する工程と、
を有する、床材パネルの施工工法。
【請求項7】
施工対象領域の広さ及び形状を示す施工対象領域情報と、床材パネルの配置パターンを示す配置パターン情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記施工対象領域情報及び前記配置パターン情報に基づき、前記施工対象領域の広さ及び形状と前記配置パターンと必要資材とを関連付けて記憶する記憶部を参照して、前記施工対象領域に必要な前記床材パネルの数を決定する必要資材決定部と、
前記必要資材決定部が決定した前記床材パネルの数の情報を出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項8】
前記必要資材決定部は、
前記施工対象領域に前記床材パネルをどのような向きで配置するかを示す配置パターン向きにさらに基づき、前記施工対象領域に必要な前記床材パネルの数を決定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記必要資材決定部は、決定した前記床材パネルの数に応じた金額を計算し、
前記出力部は、前記金額も出力する、
請求項7または8に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材パネルセット、床材パネルの施工工法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の床板が配列された床構造に関し、床板どうしを接続するために、各床板の側面に凸状の雄実と凹状の雌実とが形成された構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の構造では、床材パネルを様々な配置パターンで配置できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、様々な配置パターンで床材パネルを配置可能な床材パネルセット及び床材パネルの施工工法を提供することを目的とする。本発明は、また、施工対象領域に必要な床材パネルの数を提示可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長方形の輪郭形状に形成された第1床材パネルと、前記第1床材パネルと同一の長方形の輪郭形状に形成された第2床材パネルと、を備える床材パネルセットであって、前記第1床材パネルは、一方の長辺及び一方の短辺に沿って雄実部が形成され、かつ、他方の長辺及び他方の短辺に沿って雌実部が形成され、前記第2床材パネルは、一対の長辺のうち前記第1床材パネルの前記一方の長辺に対応する一方の長辺、及び、一対の短辺のうち前記第1床材パネルの前記他方の短辺に対応する他方の短辺に沿って雌実部が形成され、かつ、前記一対の長辺のうち他方の長辺及び前記一対の短辺のうち一方の短辺に沿って雄実部が形成されている、床材パネルセットを提供する。
【0007】
前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記長辺の長さは前記短辺の長さの整数倍であってもよい。
【0008】
正方形の輪郭形状を有する正方形型床材パネルをさらに備え、前記正方形型床材パネルは、四辺のうち互いに隣接する二辺に雄実部が形成され残りの二辺に雌実部が形成されており、一辺の長さは、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記短辺の長さと同一であってもよい。
【0009】
前記第1床材パネルとして、前記長辺の長さが相対的に短い短尺型の前記第1床材パネルと、前記長辺の長さが相対的に長い長尺型の前記第1床材パネルと、を有し、前記第2床材パネルとして、前記長辺の長さが相対的に短い短尺型の前記第2床材パネルと、前記長辺の長さが相対的に長い長尺型の前記第2床材パネルと、を有してもよい。
【0010】
前記短尺型の第1床材パネル及び前記長尺型の第1床材パネルの長辺の長さが、いずれも、前記第1床材パネルの前記短辺の長さの整数倍であり、前記短尺型の第2床材パネル及び前記長尺型の第2床材パネルの長辺の長さが、いずれも、前記第2床材パネルの前記短辺の長さの整数倍であってもよい。
【0011】
本発明は、また、複数の床材パネルを使用して床構造を形成する床材パネルの施工工法であって、長方形の輪郭形状に形成された第1床材パネルであって、一方の長辺及び一方の短辺に沿って雄実部が形成され、かつ、他方の長辺及び他方の短辺に沿って雌実部が形成された第1床材パネルを用意する工程と、前記第1床材パネルと同一の長方形の輪郭形状に形成された第2床材パネルであって、一対の長辺のうち前記第1床材パネルの前記一方の長辺に対応する一方の長辺、及び、一対の短辺のうち前記第1床材パネルの前記他方の短辺に対応する他方の短辺に沿って雌実部が形成され、かつ、前記一対の長辺のうち他方の長辺及び前記一対の短辺のうち一方の短辺に沿って雄実部が形成された第2床材パネルを用意する工程と、所定の配置パターンにしたがって、施工対象領域に、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルの前記雄実部と前記雌実部とを係合させるように、前記第1床材パネル及び前記第2床材パネルを配置する工程と、を有する、床材パネルの施工工法を提供する。
【0012】
本発明は、また、施工対象領域の広さ及び形状を示す施工対象領域情報と、床材パネルの配置パターンを示す配置パターン情報とを取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記施工対象領域情報及び前記配置パターン情報に基づき、前記施工対象領域の広さ及び形状と前記配置パターンと必要資材とを関連付けて記憶する記憶部を参照して、前記施工対象領域に必要な前記床材パネルの数を決定する必要資材決定部と、前記必要資材決定部が決定した前記床材パネルの数の情報を出力する出力部と、を備える、情報処理装置を提供する。
【0013】
前記必要資材決定部は、前記施工対象領域に前記床材パネルをどのような向きで配置するかを示す配置パターン向きにさらに基づき、前記施工対象領域に必要な前記床材パネルの数を決定してもよい。
【0014】
前記必要資材決定部は、決定した前記床材パネルの数に応じた金額を計算し、前記出力部は、前記金額も出力してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、様々な配置パターンで床材パネルを配置可能な床材パネルセット及び床材パネルの施工工法を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態の床材パネルセットを示す図である。
【
図3】第1床材パネルの断面形状を説明するための断面図である。
【
図4】床材パネルセットの配置パターンの一例である。
【
図5】第2の実施形態の床材パネルセットを示す図である。
【
図6】床材パネルセットの配置パターンの他の一例である。
【
図7】情報処理装置及び情報処理システムの構成の模式図である。
【
図8】情報処理装置の記憶部が記憶するテーブルの一例である。
【
図10】
図9の「y」の配置パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の床材パネルセット1を示す図である。
図2は、第1床材パネル10の斜視図である。
図3は、第1床材パネル10の断面形状を説明するための断面図である。
【0018】
第1の実施形態では一対の床材パネルのみを含む床材パネルセット1を例示するが、床材パネルセットはより多くの床材パネルを含むものであってもよく、異なるサイズの複数の床材パネルを含む構成については第2の実施形態で説明する。
【0019】
床材パネルセット1は、
図1に示すように、第1床材パネル10と、第2床材パネル20とを含む。第1床材パネル10及び第2床材パネル20は、いずれも一例として長方形の輪郭形状を有する。第1床材パネル10及び第2床材パネル20は、雄実部及び雌実部(詳細下記)の位置が異なっている点を除き、同一の構造を有している。
【0020】
第1床材パネル10及び第2床材パネル20の材質は任意であるが、一例として木材である。第1床材パネル10と第2床材パネル20の板厚は同一である。第1床材パネル10及び第2床材パネル20の表面は化粧面である。化粧面は、例えば着色されていてもよいし、模様が付されていてもよいし、フィルム等が貼られていてもよい。第1床材パネル10の表面と、第2床材パネル20の表面とは異なる色又は模様であってもよい。
【0021】
以下、第1床材パネル10を例として床材パネルの各部について説明し、第2床材パネル20に関しては重複する説明は省略する。第1床材パネル10は、
図1(a)に示すように一対の長辺11と一対の短辺12とを有する。長辺11の長さは短辺12の長さの整数倍であり、具体的には、一例として長辺11の長さは短辺12の長さの2倍である。
【0022】
一対の長辺11のうちの一方(図示左側の長辺)及び一対の短辺12のうちの一方(図示上側の短辺)には、雄実部11a及び雄実部12aが形成されている。雄実部11a及び雄実部12aは、第1床材パネル10の側面から突出した突出部であり、それぞれ、長辺11及び短辺12に沿って形成されている。
【0023】
雄実部11aは、
図3に示すように、例えば矩形の断面形状を有している。図示は省略するが、雄実部12aも雄実部11aと同様の断面形状を有している。雄実部11a及び雄実部12aは、第1床材パネル10の厚み方向を高さ方向として、雄実部11aと雄実部12aと同じ高さとなる位置に形成されている。
【0024】
第1床材パネル10の一対の長辺11のうちの他方(
図1の図示右側の長辺)及び一対の短辺12のうちの他方(図示下側の短辺)には、雌実部11b及び雌実部12bが形成されている。雌実部11b及び雌実部12bは、第1床材パネル10の側面に形成された凹部であり、それぞれ、長辺11及び短辺12に沿って形成されている。雌実部11bは、
図3に示すように、雄実部11aの形状に対応する形状に形成凹部である。図示は省略するが、雌実部12bも雌実部11bと同様の凹部形状に形成されている。
【0025】
(第2床材パネル20について)
第2床材パネル20は、
図1(b)に示すように、一対の長辺21及び一対の短辺22を有する。第2床材パネル20は、
図1から理解されるように、第1床材パネル10を左右に反転させたような形状を有する。具体的には、第2床材パネル20は、一対の長辺21のうち第1床材パネル10の一方の長辺11に対応する一方の長辺21(図示左側)、及び、一対の短辺22のうち第1床材パネル10の他方の短辺12に対応する他方の短辺22(図示下側)に沿って雌実部21b及び雌実部22bが形成されている。第2床材パネル20は、一対の長辺21のうち他方の長辺21(図示右側)、及び、一対の短辺22のうち一方の短辺22(図示上側)に沿って雄実部21a及び雄実部22aが形成されている。
【0026】
(施工方法の一例)
図1の床材パネルを使用して床構造を形成する床材パネルの施工工法の一例について、以下説明する。
図4は、床材パネルセット1の配置パターンの一例である。
図4では、第1床材パネル10は網掛けがされていない状態で示され、第2床材パネル20は網掛けがされた状態で示されている。この例では、2枚の第1床材パネル10と、2枚の第2床材パネル20とがそれぞれ1つ正方形を形成しており、全体として、市松模様状のパターンを形成している。また、床材パネルセット1として、第1床材パネル10が16枚、第2床材パネル20が14枚用意されているものとする。
【0027】
仮に、同じ形状の床材パネルのみ(例えば第1床材パネル10)で
図4のような配置パターンを形成しようとした場合、雄実部及び雌実部が形成されている位置の都合で、縦向きで配置される第1床材パネル10の対と、横向きで配置される第1床材パネル10の対(
図4における第2床材パネル20の対に相当する)とを互いに係合させることができず、このような配置パターンは実現できない。
【0028】
しかしながら本実施形態によれば、
図1のようなセットを用いることで、第1床材パネル10の雌実部11bと第2床材パネル20の雄実部22aとが係合し、第1床材パネル10の雌実部12bと他の第2床材パネル20の雄実部21aとが係合するような方式で第1床材パネル10及び第2床材パネル20を配置していくことで、
図4のような市松模様状のパターンを形成することができる。
【0029】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の床材パネルセット1は、雄実部及び雌実部が形成されている位置が異なる第1床材パネル10と第2床材パネル20とを含むセットであるため、第1床材パネル10と第2床材パネル20とを所定の枚数ずつ組み合わせることで種々の配置パターンの床構造を施工することが可能となる。
【0030】
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態の床材パネルセット1Aを示す図である。床材パネルセット1Aは、第1の実施形態の床材パネルセット1に正方形の床材パネルと、長尺型の床材パネルとを加えたものである。
【0031】
具体的には、床材パネルセット1Aは、正方形型床材パネル30と、長辺の長さが相対的に短い単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aと、長辺の長さが相対的に長い長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bとを含んでいる。単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aは、第1の実施形態の第1床材パネル10及び第2床材パネル20と同一である。
【0032】
正方形型床材パネル30は、正方形の輪郭形状を有する。正方形型床材パネル30は、四辺のうち互いに隣接する二辺に雄実部31a及び雄実部32aが形成され、残りの二辺に雌実部31b及び雌実部32bが形成されている。正方形型床材パネル30の一辺の長さは、第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Bの短辺の長さと同一である。輪郭形状が異なる以外は、正方形型床材パネル30は、第1床材パネル10(
図1参照)と同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
【0033】
長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bは、第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aの長辺をより長く形成したものである。長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bは、輪郭形状が異なる以外は、単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aと同様の構成であるため、重複する説明は省略する。長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bの短辺の長さは、単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Bの短辺の長さと同一である。
【0034】
短尺型の第1床材パネル10A及び長尺型の第1床材パネル10Bの長辺の長さは、第1の実施形態で説明した通り、いずれも短辺の長さの整数倍である。同様に、長尺型の第2床材パネル20B及び長尺型の第2床材パネル20Bの長辺の長さも短辺の長さの整数倍である。具体例として、単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aの長辺の長さは短辺の2倍であり、長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bの長辺の長さは短辺の3倍である。
【0035】
図6は、床材パネルセット1Aの配置パターンの一例である。
図6の配置パターンでは、一例として、単尺型の第1床材パネル10Aが2枚、単尺型の第2床材パネル20Aが4枚、長尺型の第1床材パネル10Bが8枚、長尺型の第2床材パネル20Bが6枚、正方形型床材パネル30が5枚使用される。正方形型床材パネル30は、網掛けの状態で示されているものと網掛け無しの状態で示されているものとがあるが、これは配置される向きが違っている(一例として、正方形型床材パネル30が90°回転させた状態で配置される)ことを示している。
【0036】
本実施形態のように異なる形状の複数の床材パネルを含む床材パネルセット1Aによれば、第1の実施形態の床材パネルセット1よりもより複雑な配置パターンの床構造を形成できる。特に、床材パネルセット1Aは、正方形型床材パネル30と、正方形型床材パネル30の一片の長さの整数倍(2倍)の長辺を有する単尺型の第1床材パネル10A及び第2床材パネル20Aと、正方形型床材パネル30の一片の長さの整数倍(3倍)の長辺を有する長尺型の第1床材パネル10B及び第2床材パネル20Bとを含むものであるため、複雑な配置パターンを形成しやすい。
【0037】
また、
図6に例示した配置パターンでは、複数の床材パネルが四角形の配置領域からはみ出ることなく配置されるため、施工時に、作業者が床材パネルを切断してサイズを調整するといった作業が不要である。
【0038】
なお、第1及び第2の実施形態では床材パネルの具体的な配置パターンとして
図4及び
図6のパターンを示したが、配置パターンは他にも種々変更可能である。床材パネルが配置される領域は四角形であることを例示したが、床材パネルが配置される領域の形状は四角形に限定されない。
【0039】
<第3の実施形態>
本発明の床材パネルセットを使用する際、施工対象領域に必要な床材パネルの数が容易に確認できるようになっていることが、ユーザにとって便利である。そこで、本実施形態では、情報処理装置が床材パネルの数を決定することを説明する。
図7は、情報処理装置50及び情報処理システムS100の構成の模式図である。
図8は、情報処理装置50の記憶部52が記憶するテーブルの一例である。
【0040】
情報処理システムS100は、
図7に示すように、ユーザ端末40と、情報処理装置50とを備える。
【0041】
(ユーザ端末40)
ユーザ端末40は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等のユーザが使用する情報処理端末である。ユーザ端末40は、インターネット等のネットワークNを介して情報処理装置50と通信する。ユーザ端末40は、情報処理装置50が提供する各種の情報を表示するディスプレイ41を有する。
【0042】
ユーザ端末40は、ユーザから種々の入力を受け付ける。具体的には、ユーザ端末40は、ユーザによる施工対象領域情報の入力を受け付ける。「施工対象領域情報」は、施工対象領域の広さ及び形状を示す情報であり、一例として、施工対象の部屋の広さ及び形状を示す3600(mm)x2700(mm)といった情報である。
【0043】
ユーザ端末40は、また、ユーザからの配置パターンの入力を受け付ける。「配置パターン情報」は、床材パネルがどのようなパターンで配置されるかを示す情報である。
【0044】
ユーザ端末40は、一例として、情報処理装置50が提供するホームページの入力フォームを表示し、その入力フォームにユーザが入力した内容を受け付ける。ユーザ端末40は、入力フォームにおいて施工対象領域の広さ及び形状の複数の候補をユーザに対して提示し、その中からユーザが選択した1つを受け付けてもよい。ユーザ端末40は、また、入力フォームにおいて配置パターンの複数の候補をユーザに対して提示し、その中からユーザが選択した1つを受け付けてもよい。
【0045】
(情報処理装置50)
情報処理装置50は、例えばサーバ等のコンピュータであり、通信部51、記憶部52、及び制御部53を有する。
【0046】
通信部51は、ネットワークNを介して情報処理装置50とユーザ端末40を通信可能に接続するための通信インターフェースである。通信部51は、ユーザ端末40が送信した情報を受信する。通信部51は、また、制御部53が出力した情報をユーザ端末40へ送信する。
【0047】
記憶部52は、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部52は、施工対象領域の複数の広さ及び形状と、複数の配置パターンと、必要な床材パネルの数を示す複数の必要資材とを関連付けて記憶する。
図8は、記憶部52が記憶するテーブルの一例である。具体的には、
図8のテーブルでは、例えば、広さ及び形状が「3600(mm)x2700(mm)」であり、配置パターンが「パターンI」である場合、必要な資材である床材パネルが「A材x16(枚)、B材x14(枚)」であるといったように、施工対象領域の広さ及び形状と、配置パターンと、床材パネルの数とが関連付けられている。
【0048】
図8のテーブルは、パターンIとパターンIIの2つの配置パターンを含んでいる。「パターンI」は、例えば
図4に例示したパターンであり、「パターンII」は、
図6に例示したパターンである。
図8のテーブルが含む配置パターンは2つのみであるが、テーブルは、より多くの配置パターンを含んでいてもよい。
【0049】
制御部53は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部53は、記憶部52が記憶するコンピュータプログラムを実行することにより、
図7に示すように、情報取得部531、必要資材決定部532、及び出力部533として機能する。
【0050】
情報取得部531は、ユーザがユーザ端末40に入力した情報を、通信部51を介して取得する。具体的には、情報取得部531は、ユーザが入力した施工対象領域の広さ及び形状を示す施工対象領域情報を取得する。情報取得部531は、また、ユーザが入力した、床材パネルの配置パターンを示す配置パターン情報を取得する。
【0051】
必要資材決定部532は、情報取得部531が取得した施工対象領域情報及び配置パターン情報に基づき、対象の施工対象領域に必要な資材の量を決定する。具体的には、必要資材決定部532は、
図8に示したように、施工対象領域と配置パターンと、必要資材とを関連付けて記憶する記憶部52を参照して、必要資材である床材パネルの数を決定する。
【0052】
出力部533は、情報取得部531が決定した床材パネルの数を、通信部51経由でユーザに提示する。出力部533は、一例として、ユーザ端末40に表示されるホームページにおいて情報取得部531が決定した床材パネルの数を提示する。
【0053】
具体例として、例えばユーザがユーザ端末40から、「3600(mm)x2700(mm)」という施工対象領域情報と、ユーザが希望する配置パターンである「パターンI」を示す配置パターン情報を入力した場合、必要資材決定部532は、必要な床材パネルの数を「A材x16(枚)、B材x14(枚)」と決定する。そして、出力部533が、その数「A材x16(枚)、B材x14(枚)」をユーザに提示し、これにより、ユーザはユーザ端末40で、必要な床材パネルの数を確認することができる。
【0054】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の構成によれば、ユーザがユーザ端末40を介して入力した情報に基づいて情報処理装置50が決定した、施工対象領域に必要な床材パネルの数を、ユーザはユーザ端末40において確認することができる。特に、情報処理装置50は、施工対象領域の広さ及び形状と、配置パターンとに応じた床材パネルの数を決定できるため、ユーザは正確な床材パネルの数を確認することができる。
【0055】
<変形例1>
以上の実施形態では、必要資材決定部532は、必要な床材パネルの数のみを決定したが、必要資材決定部532は、さらに、決定した床材パネルの数に応じた金額を計算し、出力部533がその金額をユーザ端末40に出力してもよい。
【0056】
この場合、必要資材決定部532は、例えば複数の床材パネルと複数の床材パネルの金額とを関連付けて記憶する記憶部を参照して、床材パネルの数に応じた金額を計算してもよい。より具体的には、必要資材決定部532は、単に個々の床材パネルの金額を合算するのではなく、例えば、「A材x16(枚)、B材x14(枚)」のように複数種類の複数の床材パネルが一セットとなっている場合に、当該セットに関連付けて、それぞれの資材の金額を合算した金額よりも低額に設定されたセット金額を記憶する記憶部を参照して、当該セットの金額を計算してもよい。
【0057】
<変形例2>
例えば、「3600(mm)x2700(mm)」という同じ施工対象領域の広さ及び形状で、かつ、「パターンII」という同じ配置パターンであっても、配置パターンがどのような向きで配置されるかによって必要な床材パネルの数が異なることも想定される。
【0058】
そこで、必要資材決定部532は、施工対象領域に床材パネルをどのような向きで配置するかを示す配置パターン向きにさらに基づき、施工対象領域に必要な床材パネルの数を決定してもよい。具体的には、例えば、
図8に示したテーブルの項目に加えてさらに「配置パターン向き」の項目を含み、記憶部52が、施工対象領域の広さ及び形状と、配置パターンと、配置パターン向き(一例で、「縦向き」又は「横向き」)と、必要資材とを関連付けて記憶していてもよい。必要資材決定部532は、記憶部52を参照することで、配置パターン向きにさらに基づいた正確な床材パネルの数を決定することができる。
【0059】
上記の説明では本発明の実施形態について具体例を例示したが、本発明は上記の具体的な構成に限定されるものではない。例えば、
図4及び
図6において示した配置パターンはあくまで例示であり、本発明の床材パネルセットを用いることで例えば
図9に示すような様々な配置パターンの床構造を施工することができる。
【0060】
図10は、
図9の「y」の配置パターンを示す図である。
図5に例示した床材パネルセット1Aのようなセットを用いることで、このような複雑な配置パターンも実現することができる。なお、
図10に示されている配置パターンはあくまで具体的な一例であって、図示されているパターンの一部が更に変更されてもよい。
【0061】
床材パネルは、表面のみが化粧面となっており、表面と裏面とが非対称の構造であってもよい。床材パネルセットは、一例で、複数の床材パネルが、矩形の領域にぴったりと収まるように(矩形の領域から床材パネルの一部が突出しないような組合せで)、組み合わされていることが好ましい。このようなセットの場合、施工現場で作業者が床材パネルの一部を切除して大きさを調整する作業が不要となる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0063】
1 床材パネルセット
1A 床材パネルセット
10 第1床材パネル
10A 第1床材パネル
10B 第1床材パネル
11 長辺
11a 雄実部
11b 雌実部
12 短辺
12a 雄実部
12b 雌実部
20 第2床材パネル
20A 第2床材パネル
20B 第2床材パネル
21 長辺
21a 雄実部
22 短辺
22a 雄実部
22b 雌実部
30 正方形型床材パネル
31a 雄実部
31b 雌実部
32a 雄実部
32b 雌実部
40 ユーザ端末
41 ディスプレイ
50 情報処理装置
51 通信部
52 記憶部
53 制御部
531 情報取得部
532 必要資材決定部
533 出力部
N ネットワーク
S100 情報処理システム