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特開2023-155626情報通知システム、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155626
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】情報通知システム、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20231016BHJP
【FI】
G06F21/62 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065060
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】石橋 真之
(57)【要約】
【課題】セキュリティ向上が可能な情報通知システムを提供する。
【解決手段】通信端末装置30の利用者側受信部31に、情報発信サーバ10から情報配信サーバ20を介してメッセージ情報を通知する情報通知システム1であり、情報発信サーバ10は、利用者特定情報にデバイストークンを関連づける利用者登録部11と、利用者特定情報に基づく発信側照合情報を生成する発信側照合情報生成部12と、メッセージ受付部13と、デバイストークン、メッセージ情報、及び発信側照合情報を含む発信情報を情報配信サーバ20に送信する送信処理部14とを備えると共に、情報配信サーバ20において通信端末装置30に発信情報を送信させることが可能であり、利用者側受信部31は、受信側照合情報生成部33と、発信情報の受信部32と、受信した発信側照合情報及び受信側照合情報の照合によりメッセージ情報の開封権限有無を判定する開封判定部34とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイストークン及びメッセージ情報を含む発信情報を受けることにより、前記発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する通信端末装置において実現された利用者側受信部に対して、前記発信情報を送信可能とされた情報配信サーバを用いることにより、情報発信サーバから情報配信サーバを介して、予め利用登録した利用者に対してメッセージ情報を通知するための情報通知システムであって、
前記情報発信サーバは、
前記利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンを関連づけて登録する利用者登録部と、
前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成する発信側照合情報生成部と、
送信対象となる前記メッセージ情報を受け付けるメッセージ受付部と、
送信先となる前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信する前記メッセージ情報、及び当該利用者に係る前記利用者特定情報に基づいて前記発信側照合情報生成部において生成された前記発信側照合情報を含む情報を発信情報として、前記情報配信サーバに対して送信する送信処理部と、
を備えるとともに、
前記送信処理部から前記発信情報を発信することにより、当該発信情報を受信した前記情報配信サーバにおいて、当該発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する前記通信端末装置に対して当該発信情報を送信させることが可能なものであり、
前記利用者側受信部は、
前記利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成する受信側照合情報生成部と、
前記情報配信サーバから前記発信情報を受信する受信部と、
前記受信部において受信した前記発信情報に含まれる発信側照合情報、及び前記受信側照合情報生成部において生成された前記受信側照合情報の照合により、当該発信情報に含まれている前記メッセージ情報の開封権限の有無を判定する開封判定部と、
を備えており、
前記開封判定部において前記発信側照合情報と前記受信側照合情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、前記メッセージ情報が開封されること、
を特徴とする情報通知システム。
【請求項2】
前記通信端末装置が、車両における車載情報通信装置又は前記車両を保有する利用者の携帯端末装置であり、前記利用者特定情報が、前記車両を特定するための車両識別情報を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の情報通知システム。
【請求項3】
前記発信側照合情報生成部は、
前記発信側照合情報に含まれる少なくとも前記利用者特定情報を暗号化処理することにより生成される第一暗号化情報を前記発信側照合情報に付与することが可能であり、
前記受信側照合情報生成部は、
前記受信側照合情報に含まれる少なくとも前記利用者特定情報を暗号化処理することにより生成される第二暗号化情報を前記受信側照合情報に付与することが可能であり、
前記開封判定部は、前記発信情報に含まれる前記第一暗号化情報、及び前記受信側照合情報に含まれる前記第二暗号化情報の照合により、前記第一暗号化情報と前記第二暗号化情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされることを、を特徴とする請求項1又は2に記載の情報通知システム。
【請求項4】
デバイストークン及びメッセージ情報を含む発信情報を受けることにより、前記発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する通信端末装置において実現された利用者側受信部に対して、前記発信情報を送信可能とされた情報配信サーバを用いることにより、情報発信サーバから情報配信サーバを介して、予め利用登録した利用者に対してメッセージ情報を通知するための情報通知方法であって、
前記情報発信サーバは、
前記利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンを関連づけて登録する利用者登録ステップと、
前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成する発信側照合情報生成ステップと、
送信対象となる前記メッセージ情報を受け付けるメッセージ受付ステップと、
送信先となる前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信する前記メッセージ情報、及び当該利用者に係る前記利用者特定情報に基づいて生成された前記発信側照合情報を含む情報を発信情報として、前記情報配信サーバに対して送信する発信情報送信ステップと、
を実行可能であるとともに、
前記情報配信サーバに対して前記発信情報を発信することにより、当該発信情報を受信した前記情報配信サーバにおいて、当該発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する前記通信端末装置に対して当該発信情報を送信させる発信情報送信指示ステップを実行可能であり、
前記利用者側受信部は、
前記情報配信サーバから前記発信情報を受信する受信ステップと、
受信した前記発信情報に含まれる前記利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成する受信側照合情報生成ステップと、
受信した前記発信情報に含まれる発信側照合情報、及び前記受信側照合情報生成ステップにおいて生成された前記受信側照合情報の照合により、当該発信情報に含まれている前記メッセージ情報の開封権限の有無を判定する開封判定ステップと、
を実行可能であり、
前記開封判定ステップにおいて前記発信側照合情報と前記受信側照合情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、前記メッセージ情報が開封される開封ステップが実行されること、
を特徴とする情報通知方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報通知方法を実行可能である情報通知アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュ通知等の情報通知で利用可能な情報通知システム、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、個人情報を保護しつつユーザ(利用者)本人の認証を行う支払システムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の支払システムは、ユーザ端末と、ユーザ端末管理サーバと、収納機関サーバとを有しており、ユーザ端末管理サーバ及び収納機関サーバのそれぞれでユーザの個人情報を記憶するものとされている。また、特許文献1に記載の支払いシステムは、ユーザ端末管理サーバ及び収納機関サーバのそれぞれで個人情報に基づいたハッシュ値を作成し、それぞれのハッシュ値をユーザ端末管理サーバ及び収納機関サーバの双方で記憶するものとされている。また、特許文献1に記載の支払いシステムは、ユーザ端末から認証の要求があった場合に、ユーザ端末管理サーバ及び収納機関サーバに記憶されたハッシュ値に基づいてユーザの認証を行うものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-259105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近では、各種のサービス提供がインターネット等のネットワークを介して行われている。これらのサービス提供にあたり、サービス提供者からユーザに向けてプッシュ通知とも称される情報発信が行われている。前記プッシュ通知は、例えば、サービス提供者の管理サーバからプッシュ通知配信サーバに対して、メッセージ等に係る情報の配信(通知)を要求することにより行われている。プッシュ通知配信サーバは、情報の配信要求を受けて、所定のユーザに向けてプッシュ通知を行うものとされている。
【0005】
しかしながら、上述したプッシュ通知は、配信先の決定にあたり、他社が管理するプッシュ通知配信サーバ上で、ユーザ端末、及び当該ユーザ端末に割り当てられたデバイストークンの情報の照合を行う必要がある。そのため、プッシュ通知配信サーバにおける照合情報に誤りがあった場合は、プッシュ通知の配信予定であるユーザとは異なるユーザにプッシュ通知が行われる懸念があった。かかる場合は、情報漏洩に繋がる懸念があり、セキュリティ上の問題があった。また、上述した特許文献1に記載の支払いシステムにおいてプッシュ通知を行う場合は、同様に、プッシュ通知の配信予定であるユーザとは異なるユーザにプッシュ通知が行われる懸念があった。
【0006】
そこで、上述した課題を解決すべく、本発明は、情報漏洩を回避してセキュリティ向上を図ることが可能な情報通知システム及び情報通知方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記情報通知システム及び情報通知方法の利用を容易にする情報通知アプリケーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の情報通知システムは、デバイストークン及びメッセージ情報を含む発信情報を受けることにより、前記発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する通信端末装置において実現された利用者側受信部に対して、前記発信情報を送信可能とされた情報配信サーバを用いることにより、情報発信サーバから情報配信サーバを介して、予め利用登録した利用者に対してメッセージ情報を通知するための情報通知システムであって、前記情報発信サーバは、前記利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンを関連づけて登録する利用者登録部と、前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成する発信側照合情報生成部と、送信対象となる前記メッセージ情報を受け付けるメッセージ受付部と、送信先となる前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信する前記メッセージ情報、及び当該利用者に係る前記利用者特定情報に基づいて前記発信側照合情報生成部において生成された前記発信側照合情報を含む情報を発信情報として、前記情報配信サーバに対して送信する送信処理部と、を備えるとともに、前記送信処理部から前記発信情報を発信することにより、当該発信情報を受信した前記情報配信サーバにおいて、当該発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する前記通信端末装置に対して当該発信情報を送信させることが可能なものであり、前記利用者側受信部は、前記利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成する受信側照合情報生成部と、前記情報配信サーバから前記発信情報を受信する受信部と、前記受信部において受信した前記発信情報に含まれる発信側照合情報、及び前記受信側照合情報生成部において生成された前記受信側照合情報の照合により、当該発信情報に含まれている前記メッセージ情報の開封権限の有無を判定する開封判定部と、を備えており、前記開封判定部において前記発信側照合情報と前記受信側照合情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、前記メッセージ情報が開封されること、を特徴とするものである。
【0008】
上述した情報通知システムは、情報発信サーバから発信される発信側照合情報を含む発信情報が、情報配信サーバを介して通信端末装置において実現された利用者側受信部に向けて送信されるものとされている。また、上述した情報通知システムは、利用者側受信部において受信した発信側照合情報と、利用者側受信部において生成された受信側照合情報とを照合することにより、前記発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無が判定されるものとされている。すなわち、上述した情報通知システムは、例えば、情報配信サーバが第三者によって管理されている場合であっても、当該情報配信サーバに依存することなく、メッセージ情報の開封権限の有無を判定することができる。
【0009】
従って、上述した情報通知システムは、情報配信サーバ上で配信先の誤りがあった場合でも、配信先の異なる利用者がメッセージ情報を開封することを抑制できる。これにより、上述した情報通知システムは、セキュリティを向上させることができる。ここで、情報配信サーバは、例えば、プッシュ通知を行うプッシュ通知配信サーバを利用することができ、利用者側受信部に送信される発信情報(メッセージ情報)は、広告等のプッシュ通知とすることができる。
【0010】
また、上述した情報通知システムは、情報発信サーバにおいて、利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンが関連づけて登録され、前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報が生成される。すなわち、上述した情報通知システムは、情報配信サーバ(例えば、プッシュ通知配信サーバ)側でのデバイストークン及び通信端末装置の関連づけに依存せずに、情報発信サーバ(例えば、車両メーカ等のサービス提供者の管理サーバ)側で、発信情報(プッシュ通知)と利用者特定情報とを関連づけして管理することができる。これにより、上述した情報通知システムは、サービス提供者の管理下において発信情報の発信(通知)を管理できるので、発信情報のセキュリティを向上できる。
【0011】
また、上述した情報通知システムは、開封権限を有しないものとの判定がなされた場合に、メッセージ情報を開封せずに破棄するものとするとよい。上述した情報通知システムは、かかる構成とすることにより、開封権限を有しない利用者が、メッセージ情報を取得することを確実に抑制できる。
【0012】
(2)上述した本発明の情報通知システムは、前記通信端末装置が、車両における車載情報通信装置又は前記車両を保有する利用者の携帯端末装置であり、前記利用者特定情報が、前記車両を特定するための車両識別情報を含むとよい。
【0013】
上述した情報通知システムは、かかる構成とすることにより、車両(車載情報通信装置を含む)と、車両の利用者との関連づけを車両識別情報に基づいて行うことができる。これにより、発信情報の通知(プッシュ通知)と利用者とをより強固に関連づけすることができる。また、上述した情報通知システムは、例えば、車両のコネクトサービスに係る発信情報を、所定の利用者に対して配信する場合に好ましく利用できる。ここで、車両識別情報は、車両識別番号(VIN)を用いるとよい。
【0014】
(3)上述した本発明の情報通知システムは、前記利用者側受信部が、表示部を備えており、前記開封判定部において開封権限を有するとの判定がなされることを条件として、前記メッセージ情報が、前記表示部に表示されるとよい。
【0015】
上述した情報通知システムは、かかる構成とすることにより、利用者に対して視覚的に訴えることが可能なメッセージ情報を提供することができる。
【0016】
(4)上述した本発明の情報通知システムにおいて、前記発信側照合情報生成部は、前記発信側照合情報に含まれる少なくとも前記利用者特定情報を暗号化処理することにより生成される第一暗号化情報を前記発信側照合情報に付与することが可能であり、前記受信側照合情報生成部は、前記受信側照合情報に含まれる少なくとも前記利用者特定情報を暗号化処理することにより生成される第二暗号化情報を前記受信側照合情報に付与することが可能であり、前記開封判定部は、前記発信情報に含まれる前記第一暗号化情報、及び前記受信側照合情報に含まれる前記第二暗号化情報の照合により、前記第一暗号化情報と前記第二暗号化情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされるとよい。
【0017】
上述した情報通知システムは、発信側照合情報に含まれる利用者特定情報に係る第一暗号化情報と、受信側照合情報に含まれる利用者特定情報に係る第二暗号化情報とを照合することにより開封権限を有するか否かの判定がなされるものとされている。そのため、上述した情報通知システムは、利用者特定情報の漏洩リスクを低減でき、利用者の認証をより確実に行うことができる。ここで、暗号化処理は、例えば、ハッシュ関数を用いたハッシュ値への変換を利用するとよい。かかる場合は、第一暗号化情報及び第二暗号化情報が、ハッシュ値として付与される。このように、上述した情報通知システムは、暗号化情報としてハッシュ値を用いるようにすることで、照合における情報(データ)のセキュリティ向上が期待でき、情報通知システムへの実装が容易となる。
【0018】
(5)上述した課題を解決すべく提供される本発明の情報通知方法は、デバイストークン及びメッセージ情報を含む発信情報を受けることにより、前記発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する通信端末装置において実現された利用者側受信部に対して、前記発信情報を送信可能とされた情報配信サーバを用いることにより、情報発信サーバから情報配信サーバを介して、予め利用登録した利用者に対してメッセージ情報を通知するための情報通知方法であって、前記情報発信サーバは、前記利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンを関連づけて登録する利用者登録ステップと、前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成する発信側照合情報生成ステップと、送信対象となる前記メッセージ情報を受け付けるメッセージ受付ステップと、送信先となる前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信する前記メッセージ情報、及び当該利用者に係る前記利用者特定情報に基づいて生成された前記発信側照合情報を含む情報を発信情報として、前記情報配信サーバに対して送信する発信情報送信ステップと、を実行可能であるとともに、前記情報配信サーバに対して前記発信情報を発信することにより、当該発信情報を受信した前記情報配信サーバにおいて、当該発信情報に含まれる前記デバイストークンに対応する前記通信端末装置に対して当該発信情報を送信させる発信情報送信指示ステップを実行可能であり、前記利用者側受信部は、前記情報配信サーバから前記発信情報を受信する受信ステップと、受信した前記発信情報に含まれる前記利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成する受信側照合情報生成ステップと、受信した前記発信情報に含まれる発信側照合情報、及び前記受信側照合情報生成ステップにおいて生成された前記受信側照合情報の照合により、当該発信情報に含まれている前記メッセージ情報の開封権限の有無を判定する開封判定ステップと、を実行可能であり、前記開封判定ステップにおいて前記発信側照合情報と前記受信側照合情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、前記メッセージ情報が開封される開封ステップが実行されること、を特徴とするものである。
【0019】
上述した情報通知方法は、開封判定ステップにおいて、受信ステップで受信した発信側照合情報と、受信側照合情報生成ステップで生成された受信側照合情報とを照合することにより、前記発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無が判定されるものとされている。すなわち、上述した情報通知方法は、例えば、情報配信サーバが第三者によって管理されている場合であっても、当該情報配信サーバに依存することなく、メッセージ情報の開封権限の有無を判定することができる。
【0020】
従って、上述した情報通知方法は、情報配信サーバ上で配信先の誤りがあった場合でも、配信先の異なる利用者がメッセージ情報を開封することを抑制できる。これにより、上述した情報通知方法は、セキュリティを向上させることができる。ここで、情報配信サーバは、例えば、プッシュ通知を行うプッシュ通知配信サーバを利用することができ、利用者側受信部に送信される発信情報(メッセージ情報)は、広告等のプッシュ通知とすることができる。
【0021】
また、上述した情報通知方法は、利用者登録ステップにおいて、利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンが関連づけて登録され、発信側照合情報生成ステップにおいて前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報が生成される。すなわち、上述した情報通知方法は、情報配信サーバ(例えば、プッシュ通知配信サーバ)側でのデバイストークン及び通信端末装置の関連づけに依存せずに、情報発信サーバ(例えば、車両メーカ等のサービス提供者の管理サーバ)側で、発信情報(プッシュ通知)と利用者特定情報とを関連づけして管理することができる。これにより、上述した情報通知方法は、サービス提供者の管理下において発信情報の発信(通知)を管理できるので、発信情報のセキュリティを向上できる。
【0022】
また、上述した情報通知方法は、開封判定ステップにおいて開封権限を有しないものとの判定がなされた場合に、メッセージ情報を開封せずに破棄するものとするとよい。上述した情報通知方法は、かかる構成とすることにより、開封権限を有しない利用者が、メッセージ情報を取得することを確実に抑制できる。
【0023】
(6)上述した課題を解決すべく提供される本発明の情報通知アプリケーションプログラムは、上述した情報通知方法を実行可能であることを特徴とするものである。
【0024】
上述した情報通知アプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラム上で情報通知方法に係る処理を実行可能であるので、配信先の異なる利用者が、他人の情報を取得することを回避させることができる。そのため、上述した認証アプリケーションプログラムは、セキュリティを向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、情報漏洩を回避してセキュリティ向上を図ることが可能な情報通知システム及び情報通知方法を提供できる。また、本発明は、上記情報通知システム及び情報通知方法の利用を容易にする情報通知アプリケーションプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る情報通知システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報通知システムの概略説明図である。
図3】本発明の情報通知システム及び情報通知アプリケーションプログラムにおいて実行される情報処理方法の一実施形態を表すチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る情報通知システム1について、図1図3を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、情報通知システム1が、コネクティッドカーの利用に係るコネクトサービスに利用される場合を例として説明する。また、本実施形態では、情報発信サーバ10として、例えば、車両メーカ等のサービス提供者によって管理されるサーバが利用され、情報配信サーバ20として、プッシュ通知配信サーバが利用される場合を例として説明する。また、本実施形態では、通信端末装置30が、車両を保有する利用者(ユーザ)のスマートフォンなどの携帯端末装置である場合を例として説明する。
【0028】
図1及び図2に示すように、情報通知システム1は、情報発信サーバ10を備えている。また、情報通知システム1は、インターネット等のネットワークを介して情報発信サーバ10と情報通信可能に接続される情報配信サーバ20及び通信端末装置30を利用するものとされている。具体的には、情報通知システム1は、デバイストークン及びメッセージ情報を含む発信情報を受けることにより、前記発信情報に含まれるデバイストークンに対応する通信端末装置30において実現された利用者側受信部31に対して、情報発信サーバ10から情報配信サーバ20を介して、予め利用登録した利用者に対してメッセージ情報を通知するものとされている。ここで、デバイストークンは、特定のデバイスを識別するために割り当てられた端末識別用IDとされている。詳細は後述するが、本実施形態では、デバイストークンが、情報配信サーバ20によって付与されるものとされている。
【0029】
図1に示すように、情報発信サーバ10は、例えば、コンピュータ等の情報処理装置として形成されており、各種の演算処理が可能である。また、情報発信サーバ10は、利用者登録部11と、発信側照合情報生成部12と、メッセージ受付部13と、送信処理部14等を備えている。
【0030】
利用者登録部11は、例えば、メモリやハードディスクなどの記憶媒体で構成されている。利用者登録部11は、利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置30に割り当てられたデバイストークン(DT)を関連づけて登録するものとされている。ここで、利用者特定情報は、情報通知システム1を利用する利用者を特定するための利用者ID(例えば、会員情報)とされている。
【0031】
発信側照合情報生成部12は、前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成するものとされている。ここで、発信側照合情報は、少なくとも利用者特定情報を含むものとされている。また、本実施形態では、発信側照合情報生成部12が、前記利用者特定情報を暗号化処理することにより、第一暗号化情報を生成するものとされている。具体的には、発信側照合情報生成部12が、前記利用者特定情報をハッシュ関数により第一暗号化情報に相当する第一ハッシュ値(図2参照)に変換するものとされている。これにより発信側照合情報生成部12は、発信側照合情報に第一ハッシュ値を付与することができる。
【0032】
メッセージ受付部13は、送信対象となるメッセージ情報を受け付けるものとされている。具体的には、メッセージ受付部13は、利用者の通信端末装置30に向けて発信するためのメッセージ情報を受け付けるものとされている。ここで、前記メッセージ情報は、例えば、情報発信サーバ10を管理するサービス提供者によって準備される広告等に係る通知(プッシュ通知)とされている。
【0033】
送信処理部14は、インターネット等のネットワークを介して情報通信を行うことが可能な通信装置として構成されている。送信処理部14は、送信先となる利用者が利用する通信端末装置30に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信するメッセージ情報、及び当該利用者に係る利用者特定情報に基づいて発信側照合情報生成部12において生成された発信側照合情報を含む情報を発信情報(図2参照)として、情報配信サーバ20に対して送信することができる。
【0034】
情報発信サーバ10は、上記の構成を備えており、送信処理部14から発信情報(図2参照)を発信することにより、当該発信情報を受信した情報配信サーバ20において、当該発信情報に含まれるデバイストークンに対応する通信端末装置30に対してメッセージ情報及び第一ハッシュ値を含む発信情報を送信させることが可能である。
【0035】
本発明の情報通知システム1において利用される情報配信サーバ20は、例えば、第三者が配したプッシュ通知配信サーバである。情報配信サーバ20は、情報発信サーバ10から発信される発信情報の配信指示によって発信情報を利用者の通信端末装置30に配信(通知)するものとされている。具体的には、図2に示すように、情報配信サーバ20は、情報発信サーバ10から送信された発信情報に含まれるデバイストークンから、配信先の通信端末装置30を特定し、当該通信端末装置30に対して発信情報を送信するものとされている。
【0036】
通信端末装置30は、例えば、利用者が保有するスマートフォンなどの携帯端末装置とされている。通信端末装置30は、インターネット等のネットワークを介しての情報通信が可能なものとされている。また、通信端末装置30は、適宜の表示部35を備えており、表示部35を介して各種の情報を表示することが可能である。また、本実施形態では、図1に示すように、通信端末装置30が、当該通信端末装置30において実現された利用者側受信部31を有するものとされている。本実施形態では、利用者側受信部31が、後述する情報通知方法を実行可能な情報通知アプリケーションプログラムを実行することにより、通信端末装置30において実現されている。情報通知アプリケーションプログラムは、例えば、通信端末装置30にインストールすることによって通信端末装置30のローカル環境において利用者側受信部31を実現するものとすることができる。また、報通知アプリケーションプログラムは、例えば、通信端末装置30にインストールされたブラウザやアプリケーション等を介してアクセス可能とされたサーバにおいて実行することによりオンライン環境下において通信端末装置30を介して実行可能に利用者側受信部31を実現可能なものとすることもできる。利用者側受信部31は、受信側照合情報生成部32と、受信部33と、開封判定部34等を備えている。
【0037】
受信側照合情報生成部32は、利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成するものとされている。本実施形態では、受信側照合情報生成部32が、前記利用者特定情報を暗号化処理することにより、第二暗号化情報を生成するものとされている。具体的には、受信側照合情報生成部32が、前記利用者特定情報をハッシュ関数により第二暗号化情報に相当する第二ハッシュ値(図2参照)に変換するものとされている。これにより受信側照合情報生成部32は、受信側照合情報に第一ハッシュ値を付与することができる。
【0038】
受信部33は、インターネット等のネットワークを介しての情報通信が可能なものとされている。本実施形態では、受信部33は、利用者の携帯端末装置における通信機能を利用するものとされている。受信部33は、情報配信サーバ20から発信情報を受信することができる。
【0039】
開封判定部34は、受信部33において受信した発信情報に含まれる発信側照合情報、及び受信側照合情報生成部32において生成された受信側照合情報を照合(図2参照)することにより、発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無を判定するものとされている。本実施形態における開封判定部34は、発信情報に含まれる第一暗号化情報、及び受信側照合情報に含まれる第二暗号化情報の照合を行うことにより、前記第一暗号化情報と前記第二暗号化情報とが合致するか否かの判定を行うものとされている。また、開封判定部34は、前記第一暗号化情報と前記第二暗号化情報とが合致することを条件として、開封権限を有するものとの判定がなされ、メッセージ情報が開封される。本実施形態では、メッセージ情報が開封されると、表示部35にメッセージ情報が表示される。このように、上述した情報通知システム1は、表示部35により、利用者に対して視覚的に訴えることが可能なメッセージ情報を提供することができる。
【0040】
一方、開封判定部34において開封権限を有しない、すなわち、前記第一暗号化情報及び前記第二暗号化情報が合致しない場合には、メッセージ情報の開封を行わずに、当該メッセージ情報を破棄(図2参照)するものとされている。
【0041】
以上が、本発明の情報通知システム1における構成であり、次に本発明の情報通知システム1の作用効果について以下に説明する。
【0042】
上述したように本発明の情報通知システム1は、情報発信サーバ10から発信される発信側照合情報を含む発信情報が、情報配信サーバ20を介して通信端末装置30において実現された利用者側受信部31に向けて送信されるものとされている。また、上述した情報通知システム1は、利用者側受信部31において受信した発信側照合情報と、利用者側受信部31において生成された受信側照合情報とを照合することにより、前記発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無が判定されるものとされている。すなわち、上述した情報通知システム1は、例えば、情報配信サーバ20が第三者によって管理されている場合であっても、当該情報配信サーバ20に依存することなく、メッセージ情報の開封権限の有無を判定することができる。
【0043】
従って、上述した情報通知システム1は、情報配信サーバ20上で配信先の誤りがあった場合でも、配信先の異なる利用者がメッセージ情報を開封することを抑制できる。これにより、上述した情報通知システム1は、セキュリティを向上させることができる。
【0044】
また、上述した情報通知システム1は、情報発信サーバ10において、利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置30に割り当てられたデバイストークンが関連づけて登録され、前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報が生成される。すなわち、上述した情報通知システム1は、情報配信サーバ20(例えば、プッシュ通知配信サーバ)側でのデバイストークン及び通信端末装置30の関連づけに依存せずに、情報発信サーバ10側で、発信情報(プッシュ通知)と利用者特定情報とを関連づけして管理することができる。これにより、上述した情報通知システム1は、サービス提供者の管理下において発信情報の発信(通知)を管理できるので、発信情報のセキュリティを向上できる。
【0045】
また、上述した情報通知システム1は、開封権限を有しないものとの判定がなされた場合に、メッセージ情報を開封せずに破棄するものとされている。従って、上述した情報通知システム1は、開封権限を有しない利用者が、メッセージ情報を取得することを確実に抑制できる。
【0046】
また、上述した情報通知システム1は、発信側照合情報に含まれる利用者特定情報に係る第一暗号化情報と、受信側照合情報に含まれる利用者特定情報に係る第二暗号化情報とを照合することにより開封権限を有するか否かの判定がなされるものとされている。そのため、上述した情報通知システム1は、利用者特定情報の漏洩リスクを低減でき、利用者の認証をより確実に行うことができる。ここで、本実施形態では暗号化処理が、例えば、ハッシュ関数を用いたハッシュ値への変換を利用しており、第一暗号化情報及び第二暗号化情報が、ハッシュ値として付与されている。従って、上述した情報通知システム1は、照合における情報(データ)のセキュリティ向上が期待でき、情報通知システム1への実装が容易となる。
【0047】
以上が、本発明の情報通知システム1の構成及び作用効果の詳細であり、次に本発明の情報通知システム1を利用した情報通知方法及び当該情報通知方法を実行可能な情報通知アプリケーションプログラム(以下、情報通知アプリとも称する)の詳細について図3を参照しつつ以下に説明する。なお、本実施形態では、通信端末装置30に情報通知アプリが組み込まれている場合を例として説明する。
【0048】
図3に示すように、まず利用者が情報通知アプリ上で通信端末装置30の登録申請を行う(ステップS1)。ステップS1では、登録申請が、情報通知アプリから情報配信サーバ20に対して行われる。続いて、情報配信サーバ20において、通信端末装置30及びデバイストークンの関連づけが行われる(ステップS2)。ステップS2における処理が終了すると、情報通知アプリ(利用者側受信部31)に対して、デバイストークンが付与される(ステップS3)。
【0049】
続いて、情報通知アプリから情報発信サーバ10に対して、会員登録の申請が行われる(ステップS4)。当該会員登録は、サービス提供者が提供するサービス(例えば、コネクトサービス)の利用を許可するために行われる。
【0050】
ステップS4において、会員登録の申請が行われると、利用者特定情報の付与が行われる(ステップS5)。ここで、利用者特定情報の付与は、利用者IDの発行に相当するものである。
【0051】
続いて、情報発信サーバ10において、情報通知アプリから情報発信サーバ10に対して利用者特定情報、通信端末装置30に関連づけられたデバイストークンが送信される。また、情報発信サーバ10は、利用者特定情報及びデバイストークンを関連づけて登録する(利用者登録ステップS6)。
【0052】
続いて、情報発信サーバ10は、利用者特定情報に基づいて発信側照合情報を生成する(発信側照合情報生成ステップS7)。本実施形態では、発信側照合情報の生成に伴って、発信側照合情報に第一ハッシュ値(第一暗号化情報)が付与される。
【0053】
発信側照合情報生成ステップS7における処理が終了すると、利用者特定情報(利用者ID)が、情報通知アプリ(利用者側受信部31)に対して通知される(ステップS8)。ステップS8における通知を受けた情報通知アプリは、利用者特定情報及びデバイストークンを関連づけて管理(登録)する(ステップS9)。ステップS9における登録処理が完了すると、適宜のタイミングで情報発信サーバ10からメッセージ情報の発信が行われる。また、情報配信サーバ20は、異なる利用者の通信端末装置30の登録申請が行われるまで、通信端末装置30の登録待ち状態(ローテーション)に復帰する(ステップS10)。当該ステップS10における処理は、必要に応じて行えばよい。
【0054】
ここで、情報発信サーバ10におけるメッセージ情報の発信にあたり、情報発信サーバ10において、送信対象となるメッセージ情報を受け付けるメッセージ受付ステップ(図示せず)が実行される。
【0055】
メッセージ受付ステップにおいて送信するメッセージ情報が準備されると、送信先となる利用者が利用する通信端末装置30に割り当てられたデバイストークン、当該利用者に向けて送信するメッセージ情報、及び当該利用者に係る前記利用者特定情報に基づいて生成された発信側照合情報を含む情報を発信情報として、情報配信サーバ20に対して送信する(発信情報送信ステップS11)。また、発信情報送信ステップS11においては、情報配信サーバ20に対して、発信情報を通信端末装置30に送信させるための発信情報送信指示が行われる(発信情報送信指示ステップ)。具体的に説明すると、発信情報送信ステップS11では、情報配信サーバ20に対して発信情報を発信することにより、当該発信情報を受信した情報配信サーバ20において、当該発信情報に含まれるデバイストークンに対応する通信端末装置30に対して当該発信情報を送信させる発信情報送信指示ステップが発信情報送信ステップS11と併せて実行される。
【0056】
発信情報と、当該発信情報の通信端末装置30に対する送信指示を受信した情報配信サーバ20は、当該発信情報を情報通知アプリ(通信端末装置30)に送信する(ステップS12)。
【0057】
通信端末装置30における利用者側受信部31(情報通知アプリ)は、情報配信サーバ20から送信された前記発信情報を受信する(受信ステップ)。また、通信端末装置30が前記発信情報を受信すると、当該発信情報に含まれる利用者特定情報に基づいて受信側照合情報を生成する(受信側照合情報生成ステップS13)。本実施形態では、受信側照合情報の生成に伴って、受信側照合情報に第二ハッシュ値(第二暗号化情報)が付与される。
【0058】
続いて、開封判定部34が、受信した前記発信情報に含まれる発信側照合情報、及び受信側照合情報生成ステップS13において生成された受信側照合情報の照合により、当該発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無を判定する(開封判定ステップS14)。
【0059】
開封判定ステップS14においては、発信側照合情報(第一ハッシュ値)と受信側照合情報(第二ハッシュ値)とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、メッセージ情報が開封される(開封ステップS15)。ここで、メッセージ情報が開封されると、通信端末装置30におけるオペレーティングシステム(OS)を介して、表示部35にメッセージ情報を表示させる制御が行われる。
【0060】
一方、開封判定ステップS14において、開封権限を有しないものとの判定がなされた場合は、メッセージ情報が開封されず(表示されず)に破棄される(ステップS16)。これにより、上述した情報通知方法は、開封権限を有しない利用者が、メッセージ情報を取得することを確実に抑制できる。
【0061】
以上の処理が終了すると、情報通知アプリは、情報発信サーバ10からのメッセージ情報の待ち状態に復帰する。なお、上記ステップS1~S9までの処理は、原則、通信端末装置30が変更となった場合や、利用者が変更となった場合等を除いて、一度登録されれば実行する必要がない。
【0062】
以上が、本発明の情報通知方法、及び情報通知方法を利用した情報通知アプリケーションプログラムの一実施形態であり、次に本発明の情報通知方法及び情報通知アプリケーションプログラムによる作用効果について以下に説明する。
【0063】
上述した情報通知方法は、開封判定ステップS14において、受信ステップで受信した発信側照合情報と、受信側照合情報生成ステップS13で生成された受信側照合情報とを照合することにより、前記発信情報に含まれているメッセージ情報の開封権限の有無が判定されるものとされている。すなわち、上述した情報通知方法は、例えば、情報配信サーバ20が第三者によって管理されている場合であっても、当該情報配信サーバ25に依存することなく、メッセージ情報の開封権限の有無を判定することができる。
【0064】
従って、上述した情報通知方法は、情報配信サーバ20上で配信先の誤りがあった場合でも、配信先の異なる利用者がメッセージ情報を開封することを抑制できる。これにより、上述した情報通知方法は、セキュリティを向上させることができる。
【0065】
また、上述した情報通知方法は、利用者登録ステップS6において、利用者を特定するための利用者特定情報、及び前記利用者が利用する通信端末装置に割り当てられたデバイストークンが関連づけて登録され、発信側照合情報生成ステップS7において前記利用者特定情報に基づいて発信側照合情報が生成される。すなわち、上述した情報通知方法は、情報配信サーバ20(例えば、プッシュ通知配信サーバ)側でのデバイストークン及び通信端末装置30の関連づけに依存せずに、情報発信サーバ10(例えば、車両メーカ等のサービス提供者の管理サーバ)側で、発信情報(プッシュ通知)と利用者特定情報とを関連づけして管理することができる。これにより、上述した情報通知方法は、サービス提供者の管理下において発信情報の発信(通知)を管理できるので、発信情報のセキュリティを向上できる。
【0066】
上述した情報通知アプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラム上で情報通知方法に係る処理を実行可能であるので、配信先の異なる利用者が、他人の情報を取得することを回避させることができる。そのため、上述した認証アプリケーションプログラムは、セキュリティを向上させることができる。
【0067】
以上が、本発明の情報通知システム1、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラムの実施形態であるが、本発明の情報通知システム1、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0068】
本実施形態のように情報発信サーバ10によって提供されるサービスが、例えばコネクトサービスのように車両を絡めたサービスである場合は、利用者特定情報に、車両を特定するための車両識別情報を含めるとよい。ここで、車両識別情報には、車両に固有の車両識別番号(VIN)が利用できる。また、本実施形態では、通信端末装置30として利用者が保有するスマートフォンなどの携帯端末装置である場合を例示したが、通信端末装置30には、例えば、TCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)やナビゲーション装置などの通信機器を用いることもできる。
【0069】
上述した情報通知システム1は、利用者特定情報に車両識別情報を含めることにより、車両(車載情報通信装置を含む)と、車両の利用者との関連づけを車両識別情報に基づいて行うことができる。これにより、発信情報の通知(プッシュ通知)と利用者とをより強固に関連づけすることができる。また、上述した情報通知システム1は、例えば、車両のコネクトサービスに係る発信情報を、所定の利用者に対して配信する場合に好ましく利用できる。ここで、車両識別情報は、車両識別番号(VIN)を用いるとよい。
【0070】
本実施形態では、デバイストークンが情報配信サーバ20によって発行(付与)されるものとしているが、これには限定されず、例えば、デバイストークンが情報発信サーバ10によって発行されてもよい。また、本実施形態では、利用者の通信端末装置30に割り当てられたデバイストークンにより、通信端末装置30を特定するものとしているが、通信端末装置30の特定にあたり、デバイストークン以外の通信端末装置30に固有の各種の情報(例えば、MACアドレス等)を用いることも可能である。また、通信端末装置30に通知するメッセージ情報は、各種の情報を含めることができる。
【0071】
また、本実施形態では、情報配信サーバ20が第三者によって管理されているプッシュ通知配信サーバを例示したが、情報配信サーバ20には、各種のサーバが利用でき、管理者も第三者によるものだけではなく、情報発信サーバ10を管理するサービス提供者であってもよい。また、通信端末装置30は、利用者側で利用可能な各種の通信端末装置30を利用することができる。例えば、スマートフォンや車載のナビゲーション装置、あるいは、固定配置されたパソコンなどの通信機器も利用が可能である。また、本実施形態では、通信端末装置30に対して情報通知アプリが組み込まれている場合を例として説明したが、本発明の情報通知システム1及び情報通知方法は、情報通知アプリを用いずに提供することも可能である。また、情報通知アプリは、通信端末装置30に組み込まれるものだけではなく、情報発信サーバ10や情報配信サーバ20に組み込むことも可能である。かかる場合は、情報通知アプリを、情報発信サーバ10、情報配信サーバ20、及び通信端末装置30の間で相互にリンクさせて使用可能にするとよい。
【0072】
また、通信端末装置30に通知するメッセージ情報は、各種の情報を含めることができる。また、利用者登録部11において登録される利用者特定情報は、利用者を特定可能な各種の情報を含めることができる。また、発信側照合情報は、利用者、及び利用者が利用する通信端末装置30を関連づけて識別することが可能な各種の情報を含めることができる。また、通信端末装置30に対して送信される発信情報は、利用者に送信する各種のメッセージ情報、及び通信端末装置30を特定可能な各種の情報を含めることができる。
また、受信側照合情報は、発信側照合情報と対応する各種の情報を含めることができる。
【0073】
また、本実施形態では、開封判定部34において発信側照合情報と受信側照合情報とが合致することを条件として、開封権限を有するとの判定がなされて、前記メッセージ情報が開封されるものとしたが、これには限定されない。開封判定部34においては、開封権限の有無を判定可能な各種の条件を判定条件として採用できる。
【0074】
また、本実施形態では通信端末装置30(利用者側受信部31)が、表示部35を備えるものとしているが、表示部35に代えて、あるいは、表示部35と共に各種の通知手段を採用できる。例えば、メッセージ情報が音声によって通知されるものとしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、利用者特定情報を、ハッシュ関数を用いてハッシュ値に変換しているが、これには限定されず、本発明における暗号化処理は、各種の暗号化処理手段を用いることができる。また、上述した情報通知システム1、情報処理方法、及び情報通知アプリは、発信側照合情報や受信側照合情報に対して、暗号化処理を行わないものとすることもできる。また、本実施形態では、利用者特定情報を暗号化処理しているが、これには限定されず、利用者を特定可能な各種の情報について暗号化処理を施すことが可能である。
【0076】
以上が、本発明に係る情報通知システム1、情報通知方法、及び情報通知アプリケーションプログラムの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の情報通知システム、情報通知方法及び情報通知アプリケーションプログラムは、コネクトサービス等の各種のサービスに利用できる。また、本発明の情報通知システム、情報通知方法及び情報通知アプリケーションプログラムは、各種のサービスにおけるプッシュ通知などの情報の通知に利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 :情報通知システム
10 :情報発信サーバ
11 :利用者登録部
12 :発信側照合情報生成部
13 :メッセージ受付部
14 :送信処理部
20 :情報配信サーバ(プッシュ通知配信サーバ)
30 :通信端末装置(携帯端末装置)
31 :利用者側受信部
32 :受信側照合情報生成部
33 :受信部
34 :開封判定部
35 :表示部
図1
図2
図3