(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155636
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】レーン形成判定装置および方法
(51)【国際特許分類】
G16Z 99/00 20190101AFI20231016BHJP
【FI】
G16Z99/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065073
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 渉
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 貴大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049DD02
(57)【要約】
【課題】
人流の分析、特に、人流によるレーンが形成されるかを客観的に評価すること。
【解決手段】
レーン形成の判定エリアを設定し、当該判定エリアにおける人を含む移動体の位置情報を用いて、当該判定エリアを構成する各セルにおける、移動に関する複数の属性それぞれの占有度合いを示す占有率を算出する占有率算出部13と、前記占有率に応じて、前記複数の属性から、各セルを代表するセル属性を特定する属性判定部14と、特定された前記セル属性が同一である占有セルの連続性に基づいて、前記判定エリアに、レーンが形成されているか判定するレーン形成判定部15を有するレーン形成判定装置10。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーン形成の判定エリアを設定し、当該判定エリアにおける人を含む移動体の位置情報を用いて、当該判定エリアを構成する各セルにおける、移動に関する複数の属性それぞれの占有度合いを示す占有率を算出する占有率算出部と、
前記占有率に応じて、前記複数の属性から、各セルを代表するセル属性を特定する属性判定部と、
特定された前記セル属性が同一である占有セルの連続性に基づいて、前記判定エリアにレーンが形成されているか判定するレーン形成判定部を有するレーン形成判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーン形成判定装置において、
前記レーン形成判定部は、前記占有セルの連続性の判定を、前記判定エリアのスタートセルからゴールセルまで同一のセル属性が連続して隣り合っているか否かで実行するレーン形成判定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレーン形成判定装置において、
前記レーン形成判定部は、互いに異なる複数の属性のレーンが形成される場合に、前記判定エリア内でレーンが形成されていると判定するレーン形成判定装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレーン形成判定装置において、
前記属性は、前記移動体の移動方向あるレーン形成判定装置。
【請求項5】
請求項3に記載のレーン形成判定装置において、
前記属性は、前記移動体の目的地の方面を示す目的地情報であるレーン形成判定装置。
【請求項6】
請求項1に記載のレーン形成判定装置において、
前記占有率算出部は、前記判定エリア内で異なる属性の割合の合計が一定以上である期間内における占有率を算出するレーン形成判定装置。
【請求項7】
請求項1に記載のレーン形成判定装置において、
前記レーン形成判定部は、前記判定エリアでレーンが形成されていないと判定された場合、前記判定エリアに内包される判定エリアを再設定するレーン形成判定装置。
【請求項8】
レーン形成判定装置を用いたレーン形成判定方法において、
占有率算出部により、レーン形成の判定エリアを設定し、当該判定エリアにおける人を含む移動体の位置情報を用いて、当該判定エリアを構成する各セルにおける、移動に関する複数の属性それぞれの占有度合いを示す占有率を算出し、
属性判定部により、前記占有率に応じて、前記複数の属性から、各セルを代表するセル属性を特定し、
レーン形成判定部により、特定された前記セル属性が同一である占有セルの連続性に基づいて、前記判定エリアにレーンが形成されているか判定するレーン形成判定方法。
【請求項9】
請求項8に記載のレーン形成判定方法において、
前記レーン形成判定部により、前記占有セルの連続性の判定を、前記判定エリアのスタートセルからゴールセルまで同一のセル属性が連続して隣り合っているか否かで実行するレーン形成判定方法。
【請求項10】
請求項8に記載のレーン形成判定方法において、
前記レーン形成判定部により、互いに異なる複数の属性のレーンが形成される場合に、前記判定エリア内でレーンが形成されていると判定するレーン形成判定方法。
【請求項11】
請求項10に記載のレーン形成判定方法において、
前記属性は、前記移動体の移動方向あるレーン形成判定方法。
【請求項12】
請求項10に記載のレーン形成判定方法において、
前記属性は、前記移動体の目的地の方面を示す目的地情報であるレーン形成判定方法。
【請求項13】
請求項8に記載のレーン形成判定方法において、
前記占有率算出部により、前記判定エリア内で異なる属性の割合の合計が一定以上である期間内における占有率を算出するレーン形成判定方法。
【請求項14】
請求項8に記載のレーン形成判定方法において、
前記レーン形成判定部により、前記判定エリアでレーンが形成されていないと判定された場合、前記判定エリアに内包される判定エリアを再設定するレーン形成判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる人流等の移動状況を分析するための技術に係り、人流等移動体の移動状況によりレーンが形成されるか判定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症の抑制、災害時の避難、マーケティング等のために人流を始めとする人出の分析を行うことが求められている。この人流を把握するために、人の軌跡を取得することがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、「評価対象に対して単に注目度を算出するだけでなく,評価領域全域における人の移動特性を視覚的に捉える」ことを課題としている。このために、特許文献1では、「画像を取り込み,所定時間毎に上記画像から画像データを生成する画像データ生成部120と,上記画像データ内の人を追跡する人追跡部122と,上記人追跡部による人の変位から当該人の移動速度を算出し,上記画像データの全領域を格子状に分割した分割領域毎に,上記分割領域内に位置する人の上記移動速度を集計する分割領域集計部124と,上記分割領域毎に上記集計された移動速度を表示する速度表示部126とを備える速度分布分析装置提供される。かかる構成により,画像データ中の人の移動情報に基づいて,分割された領域毎の速度分布を視覚的に表示し,対象物に対する人の行動を容易に把握することができる。」ことが記載されている。そして、特許文献1では、画像データ内の人の軌跡を追跡することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1では、人流の分析のために、人の軌跡を用いている。ここで、人流を分析するために、観察者が軌跡を見て判定すると、定性的な判定になり、その評価結果が不正確である可能性が存在する。特に、人流シミュレーションにおいては、精度よくシミュレーションができるかを評価する必要があるが、この評価が観察者に依存した場合、客観的な評価が困難であった。
【0006】
以上の状況を鑑み、本発明では、人流を含む移動体における移動状況の分析、特に、移動体の移動によるレーンが形成されるかを客観的に評価することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、判定エリアを構成する各セルにおける移動体の移動についてのセル属性の連続性(繋がり状況)に基づいて、レーンが形成されているか判定する。
【0008】
より具体的には、レーン形成の判定エリアを設定し、当該判定エリアにおける人を含む移動体の位置情報を用いて、当該判定エリアを構成する各セルにおける、移動に関する複数の属性それぞれの占有度合いを示す占有率を算出する占有率算出部と、前記占有率に応じて、前記複数の属性から、各セルを代表するセル属性を特定する属性判定部と、特定された前記セル属性が同一である占有セルの連続性に基づいて、前記判定エリアに、レーンが形成されているか判定するレーン形成判定部を有するレーン形成判定装置である。また、本発明には、レーン形成判定装置を用いたレーン形成判定方法も含まれる。さらに本発明には、レーン形成判定装置をコンピュータとして機能させるプログラムやこれを格納する記憶媒体も含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、人流によるレーンが形成されるかを客観的に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態における経路1での人流の様子を模式的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態におけるレーン形成判定装置の機能ブロック図である。
【
図3A】本発明の一実施形態におけるレーン形成判定部の一処理例を説明するための図(その1)である。
【
図3B】本発明の一実施形態におけるレーン形成判定部の一処理例を説明するための図(その2)である。
【
図3C】本発明の一実施形態におけるレーン形成判定部の一処理例を説明するための図(その3)である。
【
図4】本発明の一実施形態で用いられるレイアウトデータを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態で用いられる人位置情報を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態で用いられる属性情報を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態における全体処理を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態におけるステップS3およびS4の詳細を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態におけるステップS5の詳細を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態におけるレーン形成の判定結果の出力内容を示す図である。
【
図11】実施例1におけるレーン形成判定装置の実現例を示すハードウエア構成図である。
【
図12】実施例2におけるレーン形成判定装置の実現例を示すハードウエア構成図である。
【
図13】実施例3におけるレーン形成判定装置の実現例を示すハードウエア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、移動体の移動の一種である人流に関する人流データに基づいて、人流でのレーンが形成されるかを判定する。
【0012】
<概要>
まず、本実施形態の概要について説明する。
図1は、本実施形態における経路1での人流の様子を模式的に示す図である。また、人流データを模式的に示すものでもある。
【0013】
図1(a)では、道路などの経路1に、人がそれぞれの目的に向かって進んでいる様子を示している。図中、黒丸が右に進んでいる人を示し、十字丸が左に進んでいる人を示している。つまり、図中で矢印の方向にそれぞれ人が進んでいる。そして、図面中において、経路1の上部には右へ移動している人が多く、下部には左へ移動している人が多いことが分かる。この結果、
図1(b)に示すように、経路1の上部には、右方向のレーン1が形成され、下部には、左方向にレーン2が形成されることになる。
【0014】
このように、レーンとは、経路1に形成される、連続的な占有セルの集合である。このレーンの一例には、同一属性の歩行者の列と表現することもできる。例えば、左へ向かう人がほぼ一直線上に並んで視覚的に見えるとき、左へ向かう人の列、つまり、レーンが形成されていると表現できる。また、本実施形態では、経路1で例示される判定エリアを、レーン形成判定の対象とする。そして、判定エリアは、複数のセルに分けて管理されることになる。
【0015】
<構成>
次に、本実施形態の構成を説明する。
図2は、本実施形態におけるレーン形成判定装置10の機能ブロック図である。レーン形成判定装置10は、人流データからレーンが形成されるかを判定する機能を有する。また、人流データとして、シミュレーションデータや実測データを用いることができる。さらに、シミュレーションデータを用いる場合、レーン形成判定装置10は、シミュレーションデータを生成するシミュレータ機能をさらに有してもよい。
【0016】
レーン形成判定装置10は、入出力部11、処理部12および記憶部17を有する。入出力部11は、他装置や利用者等と情報の入出力を行うもので、通信装置、入力デバイス、表示装置などで実現できる。また、処理部12は、レーン形成判定等の各種処理を行う。このために、処理部12は、占有率算出部13、属性判定部14、レーン形成判定部15およびシミュレーション部16を有する。
【0017】
まず、占有率算出部13は、人流データから、判定レーンを構成する各セルにおける各人の属性別の割合を示す占有率を算出する。このために、占有率算出部13は、例えば、各人ごとに、侵入したセルに1をカウントアップし、そのカウント値の割合を占有率として算出する。なお、占有率算出部13は、属性は各人ごとに前回侵入したセルと今回侵入したセルとの位置関係により、占有率を算出してもよい。
【0018】
ここで、属性は、人の移動に関する情報であり、移動方向、移動速度、移動の規則性(無作為性、ランダムの程度)、目的地情報(移動における目的地の方面)などやこれらの組合せを用いることができる。このため、占有率算出部13は、各時刻の人データに目的地データを格納しておき、その目的値データを属性の一例である移動方向とみなしてもよい。
【0019】
また、属性判定部14は、各セルの各属性における占有率の差から、各セルがどの属性の人に占有されていたか(多数派の属性)により当該セルの属性(以下、セル属性)を決定する。例えば、属性判定部14は、占有率の差分が所定の差分閾値(例えば、0.5)以上であれば、そのセルは占有率が大きい方の属性をセル属性として決定する。また、このようにセル属性が特定されたセルを、占有セルと称する。
【0020】
また、レーン形成判定部15は、判定エリアの両端同士までの、同じセル属性の占有セルの連続性により、レーンが形成されているかを判定する。また、レーン形成判定部15でのレーン形成の判定基準は、様々な態様が想定される。例えば、(1)1つでもレーンが形成された場合、(2)複数のレーンが形成される場合、(3)異なるセル属性の複数のレーンが生成される場合などが想定される。また、同じセル属性である占有セルの連続性を確認する場合、一部繋がっていないセルが生じることを許容してもよい。この例については、後述する。
【0021】
ここで、レーン形成判定部15で、同じセル属性である占有セルの連続性を、探索候補セルを抽出しながら確認する処理の一例を、
図3A~
図3Cを用いて説明する。
図3A~
図3Cは、実施形態におけるレーン形成判定部15の一処理例を説明するための図である。そして、
図3A~
図3Cの順で処理が進む。
【0022】
まず、
図3Aにおいて、レーン形成判定部15は、判定エリア1713の一方の端のセル群を、探索候補セル群を開始するスタートセル群1711とする。また、レーン形成判定部15は、反対側の端のセル群をゴールセル群1712とする。
【0023】
次に、
図3Bにおいて、レーン形成判定部15は、スタートセル群から1つのセルを探索候補セルの開始位置となるスタートセル1711-1として抽出する。なお、レーン形成判定部15は、スタートセル群の各セルが空(いずれの属性も示さない)のときは当該属性ではレーン形成されないと判定する。
【0024】
また、レーン形成判定部15は、スタートセル(探索候補セル)に隣接する隣接セルが同一セル属性のセルであるかを判定する。つまり、レーン形成判定部15は、
図3Bの矢印で示される方向の隣接セルを抽出し、これを新たな探索候補セルとする。そして、レーン形成判定部15は、新たな探索候補セルがスタートセルのセル属性(現在の判定しているレーンの属性)と同じであるかを判定する。この結果、同一のセル属性である場合、レーン形成判定部15は探索候補セルである隣接セルを、占有セルとして抽出する。
【0025】
なお、隣接するとは、着目してるセル属性が移動方向の場合は、この移動方向に隣接する場合に限定してもよいし、移動方向は逆方向以外の方向に隣接する場合に限定してもよい。すなわち、隣接とは、
図3Cの矢印で示されるように、スタートセル群からゴールセル群に向かう方向に加え、これらに対して、斜めに近づく方向に隣接してもよいし、垂直方向(図中の上下方向)に隣接してもよい。
【0026】
そして、
図3Cにおいて、レーン形成判定部15は、特定された占有セルを起点に、これに隣接するセルが新たな占有セルとなるかを順次判定していく。
図3Cでは、スタートセルに加え、探索候補セルを太枠で示している。つまり、セル「10」「11」「21」「22」「32」「42」「41」と同じセル属性の占有セルが連続している。また、図中、太枠以外でドットが記載されたセル(「20」「12」等)は、同一のセル属性でない、と判定されたセルを示す。これらには、異なるセル属性の占有セルやセル属性が特定されない空白セルが含まれる。
【0027】
このように、レーン形成判定部15は、スタートセル1711-1からゴールセル群1712のゴールセルまで同一のセル属性が連続して隣り合っているか否かでレーン形成を判定している。このように、レーン形成判定部15は、次々と伝播的に各セルのセル属性を判定していくが、新たな占有セルがゴールセル群1712に含まれるセルであれば、当該セル属性に関するレーンが形成されている、と判定し、一旦この処理を終了する。
【0028】
また、レーン形成判定部15は、以上の探索をセル属性ごとに行う。この結果、上述したような条件を満たす場合、レーン形成判定部15は、判定エリア1713においてレーンが形成されていると判定する。例えば、セル属性として、移動方向を用いた場合、双方向(左右)でレーン形成されていれば、当該対向流ではレーン形成されたと判定される。
【0029】
なお、レーン形成判定部15は、自身の判定結果に応じて、シミュレーションを実行したシミュレータに対する評価を行う機能を有してもよい。レーン形成判定部15は、例えば、レーンが形成されたと判定された場合に合格と評価したり、形成されたレーン数に応じた評価点数を算出したりすることが想定される。なお、この評価機能は、選択的な機能であり、省略可能である。また、さらに当該機能を、レーン形成判定装置10とは別装置に設けてもよい。
【0030】
また、シミュレーション部16は、人流についてのシミュレーションを実行し、シミュレーションデータを生成する。なお、シミュレーション部16は、選択的な構成であり、必須ではない。特に実測データを用いる場合、これを省略できる。また、シミュレーション部16は、レーン形成判定装置10とは別装置に設けてもよい。なお、本実施形態では、シミュレーションデータと実測データの少なくとも一方からレーン形成を判定することができる。
【0031】
また、記憶部17は、レーン形成の判定に用いられる各種情報やデータを記憶する。つまり、記憶部17は、レイアウトデータ171、人位置情報172、属性情報173、シミュレーションデータ174および実測データ175を記憶する。これら各種情報、データについては、下記の<情報・データ>で説明する。
【0032】
なお、以上で説明したレーン形成判定装置10は、上述した機能を実行できればよく、望ましくはコンピュータで実現できる。このコンピュータでの実現例については、後述する各実施例で説明する。
【0033】
<情報・データ>
以下、本実施形態で用いられる各種情報、データについて説明する。まず、
図4は、本実施形態で用いられるレイアウトデータ171を示す図である。レイアウトデータ171は、経路1等の所定エリアを表す構造情報を保持したデータである。つまり、
図4のように、レイアウトデータ171は、所定エリアが、複数のセル(00~94)で構成されることを示している。さらに、レイアウトデータ171は、上述のレーン形成判定におけるセルの位置関係として、その隣接関係を有する。つまり、セル位置の変換のための情報として、セルのサイズ、オフセット関係、セルの形状を有することになる。なお、本実施形態におけるセルとは、何等かの属性付けや情報管理を行うことのできる単位空間である。セルとしては、例えば、2次元空間を80cm等の四方の正方形に分割し、それぞれで人数などの情報を管理する単位となる各正方形をセルとして扱うことができる。また、セルの形状には、正方形の他、六角形など他の形状で管理してもよい。
【0034】
また、
図5は、本実施形態で用いられる人位置情報172を示す図である。人位置情報172は、人流における人の位置を示す系列情報である。つまり、各人の時刻ごとの位置情報を示している。このため、
図5に示すように、人位置情報172は、人IDごとbに、各時刻の位置情報として、セルを識別する情報(レイアウトデータ171の番号)が記録されている。つまり、人ID=「1」は、時刻00:00.1においてセル「01」に位置し、時刻00:00.5においてセル「11」に位置し、時刻00:01.0において「セル21」に位置するように移動している。なお、本実施形態の人IDは所定エリア内で他の人と識別できる情報であればよく、氏名などで個人を特定できなくともよい。さらに、人位置情報172は、人流データ(シミュレーションデータ174や実測データ175)から作成できる。なお、人位置情報172は、移動体の位置情報の一例である。
【0035】
また、
図6は、本実施形態で用いられる属性情報173を示す図である。属性情報は、各セルを代表するセル属性を示す情報である。また、本実施形態では、セル属性を算出するための占有率やその差分も記録している。これらは別情報として管理してもよい。
【0036】
図6に示すように、属性情報173は、セルごとに、占有率(属性ごと)、差分およびセル属性を記録している。ここで、セルは、所定エリアを構成するセルを識別する情報であり、レイアウトデータ171の番号で実現できる。また、占有率は、当該セルにおける属性ごとの割合を示す。本実施形態では、属性として移動方向を示す左右上下止を用いる。左右上下は、
図4での方向を示し、止は停止していることを示す。これらは属性の一例であり、止等の一部を省略してもよいし、他の属性を加えてもよい。
【0037】
また、差分は、当該セルにおける占有率の最大値と二番目に大きな値(二番値)の差を示す。例えば、セル「00」では、右の占有率「0.65」-左の占有率「0.25」=差分「0.4」が算出される。また、セル「01」では、右の占有率「0.8」-上の占有率「0.15」=差分「0.65」が算出される。
【0038】
そして、この差分が予め設定されている差分閾値より大きい場合に、占有率が最大値の属性がセル属性となる。例えば、セル「00」では、差分が「0.4」で差分閾値の「0.5」以下であるため、セル属性は「-」(空白セル)となる。また、セル「01」では、差分が「0.65」であるため、セル属性が「右」となる。同様に、セル「02」のセル属性も「右」となる。このようにセル属性が特定されたセルを、占有セルと表現する。
【0039】
なお、シミュレーションデータ174や実測データ175は、各人の移動状況を示すデータであり、模式的には
図1で示されるようなデータである。なお、実測データは、カメラで撮影された画像データやこれを加工したデータで実現できる。以上で、本実施形態で用いられる情報やデータの説明を終わる。
【0040】
<処理フロー>
次に、本実施形態の処理フローを説明する。まず、
図7は、本実施形態における全体処理を示すフローチャートである。
図7のステップS1において、入出力部11が、人流データを取得する。人流データには、上述のようにシミュレーションデータ174や実測データ175が用いられる。本ステップには、シミュレーション部16でのシミュレーションの実行や実測データ175の取得のための撮影を含めてもよい。
【0041】
また、ステップS2において、占有率算出部13が、判定対象となる判定エリア1713を設定する。このために、入出力部11が、利用者から判定エリア1713の両端(スタートセル群1711およびゴールセル群1712)の指定を受け付けてもよいし、予め定められた設定ルールに従って占有率算出部13が判定エリア1713の両端を特定してもよい。
【0042】
また、ステップS3において、占有率算出部13が、判定エリア1713内の各セルの占有率を算出する。そして、S4において、属性判定部14が、ステップS3で算出された占有率を用いて、判定エリア1713内の各セルのセル属性を決定する。これらステップS3およびS4は、<構成>で説明した処理を実行することになるが、その詳細については
図8を用いて、説明する。
図8は、本実施形態におけるステップS3およびS4の詳細を示すフローチャートである。
図8において、ステップS31およびS32がステップS3の詳細を、ステップS41~S45がステップS4の詳細を示す。
【0043】
まず、ステップS31において、占有率算出部13が、判定エリア1713のセルを抽出する。これは、判定エリア1713の各セルを1つずつ抽出できればよく、その順序等は問わない。また、ステップS32において、占有率算出部13が、抽出された各セルについて、属性ごとの占有率を算出する。このために、占有率算出部13が、人位置情報172を用いて、
図7に示す属性情報173の占有率を算出する。
【0044】
また、ステップS41において、属性判定部14が、セルごとに、占有率の差分を算出する。つまり、属性判定部14は、占有率の最大値-二番値を計算する。そして、ステップS42において、属性判定部14は、算出された差分と差分閾値(例えば、0.5)を比較する。この結果、差分の方が大きい場合(Y)、ステップS43に遷移する。また、差分が差分閾値以下の場合(N)、ステップS44に遷移する。
【0045】
また、ステップS43において、属性判定部14が、最大値の属性を該当セルのセル属性と決定する。そして、属性判定部14が、このセル属性を、属性情報173に登録する。また、ステップS44において、属性判定部14が、該当セルは占有なし、つまり、空白セルと決定する。そして、属性判定部14が、空白セルであること(-)を、属性情報173に登録する。
【0046】
また、ステップS45において、属性判定部14が、判定エリア1713の各セルに対する処理が終了したかを判定する。この結果、終了した場合は、ステップS5に遷移する。また、終了していない場合(N)、ステップS31に遷移し、占有率算出部13が、次のセルを抽出する。
【0047】
以上で、ステップS3およびS4の説明を終わるが、ステップS3では、以下のような処理を行ってもよい。つまり、占有率算出部13は、判定エリア1713内で異なる属性の割合の合計が一定以上である期間内で、限定的にその占有率を算出する構成としてもよい。具体的には、占有率算出部13は、人流データに含まれる対象人数に対する判定エリア1713内の人数の割合を算出する。つまり、占有率算出部13は、異なる属性の人数の割合の合計を算出する。そして、占有率算出部13は、この合計が一定以上(最大でも可)となる時間帯(の前後)の時間を評価期間とし、評価期間内の人位置情報172から占有率を算出することになる。このように処理することで、判定エリア1713内から人がはけ始めた以降の時間帯を、判定対象外とできる。例えば、人が対向して移動する時間帯以降の判定が除外され、より有意義な時間帯に絞った判定が可能となる。
【0048】
以上で、
図8の説明を終わり、
図7に戻り、本実施形態の処理フローの説明を続ける。ステップS5において、レーン形成判定部15が、ステップS4で決定されたセル属性を、つまり、属性情報173のセル属性を用いて、判定エリア1713においてレーンが形成されているかを判定する。この処理の概要は、<構成>で説明したとおりであるが、より詳細な処理内容を、
図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態におけるステップS5の詳細を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS501において、レーン形成判定部15が、ステップS2で設定された判定エリア1713における、探索を開始するスタートセル群1711およびゴールセル群1712を特定する。この際、レーン形成判定部15が、判定するレーンの種別(属性)の数や種類を特定することが望ましいが、これは他のタイミングで実行してもよい。このために、入出力部11が利用者からの指示を受け付けてもよいし、予めこれらを記憶部17に記憶しておいてもよい。
【0050】
また、ステップS502において、レーン形成判定部15が、スタートセル群1711から探索の開始位置となるスタートセル1711-1を抽出し、探索候補セル群に加える。どのような規則でスタートセル1711-1を抽出するかは問わない。
【0051】
また、ステップS503において、レーン形成判定部15が、抽出されたスタートセル1711-1のセル属性を判定する。このために、レーン形成判定部15は、ステップS43やステップS44の結果を用いる。つまり、属性情報173のセル属性が用いられる。
【0052】
また、ステップS504において、レーン形成判定部15が、探索候補セル群から探索候補セルを一つ取り出し、その隣接セルを抽出する。この抽出は、上述の
図3A~
図3Cを用いた手法を用いることができる。また、ステップS504では、複数のセルを隣接セルとして抽出することができる。そして、ステップS505において、レーン形成判定部15が、抽出された隣接セルのセル属性を特定する。この特定は、ステップS503と同様に行うことができる。なお、ステップS503とステップS505の処理順序は問わない。
【0053】
また、ステップS506において、レーン形成判定部15が、探索候補セルの隣接セルのセル属性を比較する。この結果、一致する場合(Y)は、レーン形成判定部15が、当該隣接セルを探索候補セルと判定し、探索候補セル群に加える。そして、ステップS508に遷移する。また、一致しない場合(N)は、レーン形成判定部15が、当該隣接セルは探索候補セルではないと判定し、ステップS507に遷移する。なお、隣接セルが複数ある場合、1以上の隣接セルが一致する場合に「Y」と判定され、それ以外の場合は「N」と判定される。「Y」の場合、探索候補セル群には属性が一致する複数の隣接セルを加えてよい。
【0054】
また、ステップS507において、レーン形成判定部15が、ステップS402で抽出されたスタートセル1711-1を含むレーンは形成されない、と判定する。また、ステップS508において、レーン形成判定部15が、隣接セルがゴールセル群1712に含まれるかを判定する。ここで、レーン形成判定部15は、属性が一致した隣接セルに対してこの判定を行う。この結果、1以上の隣接セルがゴールセル群1712に含まれる場合(Y)、ステップS509に遷移する。そうでない場合(N)、ステップS504に遷移する。そして、レーン形成判定部15が、探索候補セル群の中から一つの探索候補セルを取り出し、その隣接セルを抽出することで、ステップS504の処理を実行する。
【0055】
また、ステップS509において、レーン形成判定部15が、スタートセル1711-1、つまり、ステップS506で一致すると判定されたセル属性が示す属性で、1つのレーンが形成されていると判定する。
【0056】
また、ステップS510において、レーン形成判定部15が、該当の判定エリアにおいて、ステップS509で判定された属性以外の属性(他の属性)でレーン形成と判定されたかを確認する。つまり、ステップS501で特定された判定対象となるすべての種別(属性)について、レーン形成されたかを確認する。この結果、他の属性のレーンが形成されていると判定されている場合、つまり、判定対象となるすべての種別(属性)について、レーン形成されたと判定されている場合(Y)、ステップS511に遷移する。また、レーン形成と判定されていない属性がある場合(N)、ステップS512に遷移する。
【0057】
また、ステップS511において、レーン形成判定部15が、該当の判定エリアにおいて、レーンが形成されていると判定する。そして、本処理を終了する。また、ステップS512において、レーン形成判定部15が、スタートセル群1711の各スタートセルについて本処理を実行したかを確認する。つまり、レーン形成判定部15が、該当の判定についての判定を行ったかを確認する。この結果、未処理のスタートセルが残っておらず、スタートセル群1711の各セル群への処理が終了している場合(Y)、ステップS6へ遷移する。また、未処理のスタートセルが残っている場合、ステップS502に遷移し、レーン形成判定部15が、スタートセル群1711から他のスタートセルを抽出する。なお、ここで、レーン形成判定部15は、他のスタートセルとして、レーン形成された属性とは別のセル属性のスタートセルを抽出することが望ましい。
【0058】
なお、レーン形成判定部15は、これら判定結果を、入出力部11を介して出力することになる。
図10は、本実施形態におけるレーン形成の判定結果の出力内容を示す図である。
図10において、入出力部11の一例である表示画面1110には、エリア表示領域1111およびコメント表示領域1112が含まれる。エリア表示領域1111は、セルで区切られた判定領域に、形成されたレーン1111-1、1111-2を区別して表示している。レーン1111-1、1111-2の区別は、図示したようにその形状や属性を示す矢印を付加して実現してもよいし、色分けして表示してもよい。さらに、各セルには、各属性の占有率を記載してもよい。またさらに、エリア表示領域1111は、判定エリアに限った表示としてもよい。また、レーンに加え、空白セルと他のセルを区別する形態で表示してもよい。また、コメント表示領域1112は、レーン形成の判定結果やシミュレーションについての評価を表示する。これらは必須でなく、省略してもよい。
【0059】
以上の
図9に示すステップS5の処理では、判定エリア内に、設定された互いに異なる複数の属性のレーンが形成されていると判定されることになる。言い換えると、レーン形成と判定されないない属性が存在する場合、該当の判定エリアではレーンが規制されたいなと判定している。また、これら複数の属性のレーンが形成されていると判定された場合、以降の処理を省略する。このため、余分な探索(レーン形成の判定)を減らすことができる。なお、これらはあくまでも一例であり、1以上の属性でレーンが形成されている場合、判定エリアでレーン形成と判定してもよいし、同じ属性について複数個のレーン形成を判定してもよい。
【0060】
なお、本実施形態では、同一のセル属性のセルが欠けることなく連続している場合に、1つのレーンが形成されると判定しているが、一部繋がっていないセルがあってもレーンが形成されると判定してもよい。以下、その処理について説明する。ステップS506で、レーン形成判定部15が、属性が一致しないと判定した場合は、一致しないとの判定が連続したかを確認する。また、レーン形成判定部15は、任意のスタートセルを用いた一連の探索で一致しない属性の数が一定数もしくは判定エリアの応じた一定割合以上かを確認する。これらの結果、一致しない判定が連続しておらず、属性数が一定数以下ないし一定割合以下の場合、ステップS508に遷移し、探索を継続する。この結果、一部に欠けがあっても1つのレーンが形成されると判定できる。
【0061】
さらに、レーン形成判定部15は、シミュレーションデータ174を用いている場合、ステップS511やステップS512の結果に応じて、シミュレーションデータ174ないしこれを生成したシミュレータやシミュレーション処理の評価を行ってもよい。このことは、上述の<構成>で説明したとおりである。
【0062】
以上で、
図9の説明を終わり、以下、
図7に戻り本実施形態の処理フローの説明を続ける。ステップS6において、レーン形成判定部15が、判定エリアの再設定の必要性を判定する。これは、入出力部11からの利用者の指示に応じて判定してもよいし、予め記憶部17に設定されている条件に従って判定してもよい。この条件として、判定された判定エリアの大きさ(セルの数)が所定以下、判定の回数などを用いることができる。この結果、再設定が必要な場合(Y)、ステップS7に遷移する。
【0063】
ステップS7において、ステップS2で設定された判定エリアを縮小するように、判定エリアを再設定する。言い換えると、再設定される判定エリアはステップS2で設定された判定エリアに内包されるようになる。このため、再設定された判定エリアを構成するセルのセル属性は既に判定されていることになる。したがって、ステップS7の後に、ステップS5が実行される。なお、再設定エリアは、判定エリアに内包されなくともよい。この場合、セル属性が判定されてない各セルに対して、ステップS3、ステップS4を実行することになる。
【0064】
また、再設定が必要でない場合(N)、本処理フローを終了する。なお、ステップS6およびステップS7は省略してもよい。以上で、本実施形態の処理フローの説明を終わり、以下、本実施形態の具体的な実現例を示す各実施例について説明する。
【実施例0065】
実施例1は、シミュレーションデータ174を用いたレーン形成判定を実行する実施例である。
図11は、実施例1におけるレーン形成判定装置10の実現例を示すハードウエア構成図である。
図11において、レーン形成判定装置10は、ネットワーク40を介してファイルサーバ100と接続されている。ここで、レーン形成判定装置10は、コンピュータで実現でき、処理装置101、入力装置102、表示装置103、通信装置104、メモリ105および副記憶装置106を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0066】
まず、処理装置101は、CPUなどのプロセッサで実現でき、副記憶装置106に記憶されているレーン形成判定プログラム110やシミュレーションプログラム120に従って演算を実行する。このため、処理装置101は、
図2の処理部12に該当する。
【0067】
また、入力装置102は、利用者からの指示や操作を受け付ける機能を有し、マウス、キーボードなどの入力デバイスで実現できる。また、表示装置103は、
図10に示すレーン形成の判定結果やシミュレーションデータ174、実測データ175などを表示する機能を有する。そして、表示装置103は、モニタなどで実現できる。なお、入力装置102および表示装置103は、
図2の入出力部11に該当し、タッチパネルといった1つの装置で実現してもよい。
【0068】
また、通信装置104は、ファイルサーバ100とネットワーク40を介して接続するための機能を有し、ファイルサーバ100と各種情報、データを送受信する。なお、通信装置104も
図2の入出力部11に相当する。
【0069】
また、メモリ105および副記憶装置106が、
図2の記憶部17に該当する。そして、メモリ105は、副記憶装置106に記憶されているレーン形成判定プログラム110、シミュレーションプログラム120や処理装置101での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置106は、いわゆるストレージで実現でき、レーン形成判定プログラム110やシミュレーションプログラム120を記憶する。また、副記憶装置106は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現できる。
【0070】
そして、レーン形成判定プログラム110は、占有率算出モジュール111、属性判定モジュール112、レーン形成判定モジュール113で構成される。ここで、これら各モジュールは、独立したプログラムで実現してもよい。また、これら各モジュールは、
図2に示す各部の機能を実行するための構成である。これら各モジュール、プログラムと
図2の各部の対応関係は、以下のとおりである。
占有率算出モジュール111:占有率算出部13
属性判定モジュール112:属性判定部14
レーン形成判定モジュール113:レーン形成判定部15
シミュレーションプログラム120:シミュレーション部16
また、処理装置101は、シミュレーションプログラム120に従って、人の移動に関するシミュレーションを実行し、シミュレーションデータ174を生成する。
【0071】
さらに、ファイルサーバ100には、レイアウトデータ171、人位置情報172、属性情報173およびシミュレーションデータ174を記憶する。そして、レーン形成判定装置10は、ファイルサーバ100からこれらの情報を取得して、レーン形成を判定することができる。なお、これらの情報の少なくとも一部は、副記憶装置106に記憶してもよい。なお、レイアウトデータ171、人位置情報172、属性情報173およびシミュレーションデータ174を副記憶装置106に記憶する場合、ファイルサーバ100やネットワーク40との接続を省略できる。つまり、レーン形成判定装置10を、いわゆるスタンドアロンで実現できる。以上で、実施例1の説明を終わる。
そして、レーン形成判定装置10は、ネットワーク40を介して、シミュレーションを実行するシミュレーションサーバ20と接続されている。このため、副記憶装置106に記憶されるプログラムや情報が、実施例1と異なっている。つまり、本実施例では、副記憶装置106にレーン形成判定プログラム110、レイアウトデータ171、人位置情報172および属性情報173を記憶している。これらは、実施例1と同様のものである。また、レイアウトデータ171、人位置情報172および属性情報173については、少なくとも一部を、シミュレーションサーバ20が記憶してもよい。
そして、通信装置202が、ネットワーク40を介してシミュレーションデータ174をレーン形成判定装置10に送信する。この結果、レーン形成判定装置10は、受信したシミュレーションデータ174を用いてレーン形成を判定することができる。以上で、実施例2の説明を終わる。