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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155658
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】液体用包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/02 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
B65D30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065114
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】民山 まどか
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA01
3E064BA17
3E064BA24
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064EA30
3E064FA03
(57)【要約】
【課題】液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋を、安価に提供することを課題とする。
【解決手段】液体用包装袋であって、その内部に内容物の液体を収納可能であって、包装袋は、基材層とシーラント層を少なくとも備えた積層体からなり、シーラント層は熱可塑性樹脂からなり、シーラント層同士を対向させて重ね、周縁部をシールして包装袋が製袋され、密封可能であって、基材層は紙層であって、包装袋の最外層に位置して、サイズ度が15未満であることを特徴とする液体用包装袋である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用包装袋であって、その内部に内容物の液体を収納可能であって、
包装袋は、基材層とシーラント層を少なくとも備えた積層体からなり、
シーラント層は熱可塑性樹脂からなり、シーラント層同士を対向させて重ね、周縁部をシールして包装袋が製袋され、密封可能であって、
基材層は紙層であって、包装袋の最外層に位置して、サイズ度が15未満であることを特徴とする液体用包装袋。
【請求項2】
前記積層体は、基材層とシーラント層の間にガスバリア層を有することを特徴とする、請求項1に記載の液体用包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関するものである。特にプラスチックフィルム及び紙の積層体からなる包装袋であって、内部に液体を収納可能であって、手指などを用いて包装袋の一部を切り裂いて開封し、内容物の液体を取り出すに際して、内容物の液体が包装袋表面に付着し。さらに手指などに再付着する問題や、周囲への汚染を回避することが可能な、液体用包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装材料の一種である包装袋は、プラスチックフィルムを基材とする単層または積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、現代の人々の生活にとっては不可欠なものとなっている。
【0003】
また、包装袋は、缶や瓶などの容器に比べて、一般に価格が安いことや、さまざまな要求品質に対してきめ細かい材料設計で対応できる点、また内容物充填前にはたたんでおくことが可能であり、流通や保管においても軽量で省スペースであることが挙げられる。また包装袋は、使用済みの廃棄物を減らすという観点からも、環境適応型の容器であるといえる。
【0004】
特にプラスチックフィルム、もしくはその積層体を基材として製袋された包装袋は、液体用の容器としても広汎に用いられ、飲料のほか液体調味料やレトルト食品などの食品分野でも広く用いられている。そのほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。
【0005】
また包装袋の外側から見える層への高精細の印刷によって、商品のイメージアップを図ることができ、内容物に関する必要な情報を表示することが可能であり、バーコードの印刷などは、商品の流通や在庫管理、マーケティング情報の源泉ともなっている。
【0006】
包装袋の利点として、その構成材料がプラスチックフィルムなどの、薄く可撓性を有する材料であるため、軽量で省スペースであり、また開封にあたっても包装袋の一部を切り裂くなどして開口部を容易に形成し、包装袋の外側から内容物を押し出すなどして、中の液体を容易に取り出すことが可能である。
【0007】
一方でこのような包装袋は、例えば開封にあたっては手指を用いて包装袋の一部を切り裂いて開封し、内容物を押し出すことが可能であり、その簡便さゆえに実際に多くの商品はこのような開封の方式をとっている。
【0008】
しかしながら、このような開封の方式をとる場合には、開封及び取り出しの際に内容物の液体が手指に付着したり、また包装袋の表面に付着した内容物の液体が手指に再付着する恐れもあり、あるいは周囲の汚染を引き起こすなどの問題が避けられず、問題とされていた。
【0009】
特許文献1には、注ぎ口を有する液体用包装袋として、包装袋の胴部を内容物の液体の収納部分として、分岐部によって胴部から独立した注ぎ口を設けた液体用包装袋が提案されており、開封に伴う内容物の液体の手指への付着や、周囲の汚染の問題はある程度軽減されているものの、十分ではなく、また包装袋の構造の複雑さによって、材料の使用量も増大し、製造工程は煩雑なものとなり、したがってコスト面でも問題を抱えるものであっ
た。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2020-6995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋を、安価に提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
液体用包装袋であって、その内部に内容物の液体を収納可能であって、
包装袋は、基材層とシーラント層を少なくとも備えた積層体からなり、
シーラント層は熱可塑性樹脂からなり、シーラント層同士を対向させて重ね、周縁部をシールして包装袋が製袋され、密封可能であって、
基材層は紙層であって、包装袋の最外層に位置して、サイズ度が15未満であることを特徴とする液体用包装袋である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、
前記積層体は、基材層とシーラント層の間にガスバリア層を有することを特徴とする、請求項1に記載の液体用包装袋である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への再付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋を、安価に提供することが可能である。
【0015】
すなわち、包装袋は、基材層とシーラント層を少なくとも備えた積層体からなり、包装袋は、シーラント層同士を対向させて重ね、周縁部をシールして製袋され。密封可能であることによって、包装袋内部で内容物の液体に接する面はシーラント層であって、耐水性を備えており、液体用包装袋として必要な機能を有するものである。
【0016】
また、基材層は紙層であって、包装袋の最外層に位置して、サイズ度が15未満であることによって、包装袋の一部を手指などを用いて切り裂いて開封し、内容物の液体を取り出そうとする際に内容物の液体が、包装袋の外側表面に付着した場合に、最外層に紙が配置されていることによって、この層が液体を吸収することができるため、手指に再付着したり周囲を汚染することを防止することが可能である。
【0017】
すなわち、包装袋の最外層に紙層が配置されず、表面にプラスチック層が露出している場合には、液体の吸収がなく、開封時に付着した内容物の液体は、手指への再付着を起こす恐れがあり、また周囲への汚染を引き起こす恐れがある。
【0018】
紙層に関しては、サイズ度が15未満であることによって、内容物の液体の吸収に効果的であり、本発明の課題解決を図ることができる。サイズ度は、より好ましくは10未満であることが本発明の課題解決に、より効果的である。
【0019】
また本発明は、基材層に紙層を採用することによって課題解決を図ろうとするものであって、これによって包装袋の形態を変化させることがなく、また別部材を用いるものでは
なく、製造工程に特段の変更を必要とするものではなく、したがってコスト面に対して負荷が少なく、包装袋の安価な提供が可能である。
【0020】
また特に請求項2に記載の発明によれば、積層体は、ガスバリア層を有することによって、包装材料として内容物の液体を保護し、環境による変化や劣化を抑えることが可能である。
【0021】
また包装袋が長期にわたって保管される場合においても、内容物の液体の成分のうち、例えば揮発成分やにおい成分などが、包装袋外部に散逸することを抑制することができる包装袋とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明に係る液体用包装袋の一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
図2図2は、本発明に係る液体用包装袋の実施例を説明するための、平面模式図である。
図3図3は、本発明に係る液体用包装袋の実施例1を説明するための、部分断面模式図である。
図4図4は、本発明に係る液体用包装袋の実施例2を説明するための、部分断面模式図である。
図5図5は、本発明に係る液体用包装袋の実施例3を説明するための、部分断面模式図である。
図6図6は、本発明に係る液体用包装袋の比較例1を説明するための、部分断面模式図である。
図7図7は、本発明に係る液体用包装袋の比較例2を説明するための、部分断面模式図である。
図8図8は、本発明に係る液体用包装袋の比較例3を説明するための、部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
【0024】
図1は、本発明に係る液体用包装袋の一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
【0025】
本発明は、液体用包装袋に関するものである。特にプラスチックフィルム及び紙の積層体(10)からなる包装袋であって、内部に液体を収納可能であって、手指などを用いて包装袋の一部を切り裂いて開封し、内容物の液体を取り出すに際して、手指などへの内容物の液体の再付着や、周囲の汚染を回避することが可能な、液体用包装袋に関するものである
【0026】
本発明による包装袋は、基材層(1)とシーラント層(2)を少なくとも備えた積層体(10)からなる。包装袋外側に配置される基材層(1)は紙層であって、包装袋内側のシーラント層(2)は熱可塑性樹脂からなる。
【0027】
包装袋はシーラント層(2)同士を対向させて重ね、周縁部をシールして製袋されて、内容物を収納したのちに密封可能である。
【0028】
シーラント層(2)の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
【0029】
シーラント層(2)の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体(10)上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体(10)の表面にシーラント層を形成することも可能である。
【0030】
本発明において、基材層(1)は紙層であって、包装袋の最外層に位置して、サイズ度が15未満であることを特徴とする。
【0031】
紙を材料とする基材層(1)が包装袋の最外層に位置することによって、包装袋を開封して内容物の液体を取り出す際に、紙層が液体を吸収することに効果的に作用し、本発明に課題とするところの、内容物の液体が予期せず手指に再付着したり、周囲への汚染を回避することが可能となる。
【0032】
我々は、本発明を鋭意検討する過程で、紙層からなる基材層(1)を最外層に配置し、紙層のサイズ度が15未満であることが、上記の課題解決に効果的であることを、検証することができた。またサイズ度が10未満であることが、課題解決により効果的であることも見出した。
【0033】
この紙層による液体の吸収によって、本発明が課題とするところの液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への再付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋の提供が可能であることに加えて、基材層(1)に紙層を採用することは、包装袋の形態を変化させることがなく、また別部材を用いるものではなく、製造工程に特段の変更を必要とするものではなく、したがってコスト面に対して負荷が少なく、包装袋の安価な提供が可能となる。
【0034】
また本発明において、包装袋を構成する積層体(10)には、基材層(1)とシーラント層(2)の間にガスバリア層を設けることが可能である。
【0035】
たとえば、アルミニウムなどの金属箔はガスバリア層として有効である。あるいはプラスチックフィルムの表面にガスバリア層を設けてなるガスバリアフィルムを用いることができる。
【0036】
ガスバリアフィルムの場合には、用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
【0037】
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は例えば無機化合物の蒸着層、コーティング
層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
【0038】
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
【0039】
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。ちなみに蒸着層の厚みは15nm~30nmが良い。
【0040】
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
【0041】
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
【0042】
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成される。
【0043】
そのため、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
【0044】
このようにして本発明によれば、液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への再付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋を、安価に提供することが可能である。
【実施例0045】
以下本発明を、実施例1~実施例3、及び比較例1~比較例3によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
【0046】
液体用包装袋の評価用サンプルを作成し、評価を行った。
【0047】
図2は、本発明に係る液体用包装袋の実施例を説明するための、平面模式図である。
【0048】
サンプルの外寸は、縦80mm×横85mmとした。
包装袋の周縁は、シール部(3)でシールされて密封されている。
内容物の液体(50)として、20mlのソースを充填し密封した。
開封は包装袋(100)の上部を、ハサミ(4)を用いて切り裂いて開口部を形成し、内
容物の液体(50)の注ぎ出しを行った。
【0049】
評価項目は、基材層のサイズ度測定、及び注ぎ性とした。
【0050】
初めに各評価用サンプルの、基材層のサイズ度を測定した。
測定は、JIS P 8122に準じて測定を行った。
【0051】
本発明に規定する範囲内の、サイズ度15未満のものを実施例とし、本発明に規定する範囲を逸脱する、サイズ度15以上のものを比較例とした。
【0052】
注ぎ性の評価は、それぞれの評価用サンプルに20mlのソースを充填し密封したものを、鋏を用いて評価用サンプルの上部を切り裂いて開口部を形成し、内容物のソースを吐出させた際に、手指、および机へのソースの付着の有無を観察した。
【0053】
評価基準は、下記のとおりである。
手指、および机のいずれにもソースの付着が見られなかったものを、注ぎ性○評価とした。
手指、および机のいずれかもしくは両方にソースの付着が見られたものを、注ぎ性×評価とした。
【0054】
<実施例1>
図3は、本発明に係る液体用包装袋の実施例1を説明するための、部分断面模式図である。
【0055】
積層体は、包装袋外側から、基材層、シーラント層の2層構成である。
基材層には上質紙(11)を用いた。
基材層:上質紙(坪量52.3g/m)とした。サイズ度:5である。
シーラント層(12):ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらは、本発明に規定する範囲に沿うものである。
【0056】
<実施例2>
図4は、本発明に係る液体用包装袋の実施例2を説明するための、部分断面模式図である。
【0057】
積層体は、包装袋外側から、基材層、シーラント層の2層構成である。
基材層には、上質紙(13)を用いた。
基材層:上質紙(坪量64g/m)とした。サイズ度:7である。
シーラント層(12):ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらは、本発明に規定する範囲に沿うものである。
【0058】
<実施例3>
図5は、本発明に係る液体用包装袋の実施例3を説明するための、部分断面模式図である。
【0059】
積層体は、包装袋外側から、基材層、シーラント層の2層構成である。
基材層には、上質紙(14)を用いた。
基材層:上質紙(坪量127.9g/m)とした。サイズ度:10である。
シーラント層(12):ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらは、本発明に規定する範囲に沿うものである。
【0060】
<比較例1>
図6は、本発明に係る液体用包装袋の比較例1を説明するための、部分断面模式図である。
【0061】
積層体は、包装袋外側から、基材層、シーラント層の2層構成である。
基材層には、片アート紙(15)を用いた。
基材層:片アート紙(坪量50g/m)とした。サイズ度:15である。
シーラント層:ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらのうちサイズ度は、本発明に規定する範囲を逸脱するものである。
【0062】
<比較例2>
図7は、本発明に係る液体用包装袋の比較例2を説明するための、部分断面模式図である。
【0063】
積層体は、包装袋外側から、基材層、シーラント層の2層構成である。
基材層には、片アート紙(16)を用いた。
基材層:片アート紙(坪量127.9g/m)とした。サイズ度:30である。
シーラント層:ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらのうちサイズ度は、本発明に規定する範囲を逸脱するものである。
【0064】
<比較例3>
図8は、本発明に係る液体用包装袋の比較例3を説明するための、部分断面模式図である。
【0065】
積層体は、包装袋外側から、プラスチックフィルム層、基材層、シーラント層の3層構成である。
プラスチックフィルムには、ポリエチレンテレフタレートフィルム(18)を用いた。
プラスチックフィルム層(最外層):ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)
基材層には、上質紙(17)を用いた。
基材層:上質紙(坪量50g/m)とした。プラスチックフィルムと積層した状態でのサイズ度:>300である。
シーラント層(12):ポリエチレン(厚さ40μm)とした。
これらのうち、プラスチックフィルムが最外層に配置される構成、及びそれに起因するサイズ度は、本発明に規定する範囲を逸脱するものである。
【0066】
評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示す結果から明らかなように、本発明による規定の範囲に沿う、実施例1~実施例3は、注ぎ性がいずれも○評価であることに対し、本発明による規定の範囲を逸脱するところのある比較例1~比較例3は、注ぎ性の評価がいずれも×評価である。
【0069】
この結果は、内容物の液体の注ぎ出しにおいて、本発明に規定する範囲に沿って、包装袋(100)の外側の層である基材層(1)が、サイズ度15未満の紙基材である場合に、この紙基材層が開口部からはみ出た内容物の液体(50)に対して十分な吸収がなされるために、手指への再付着や周囲への汚染を防止することに効果的であることを示している。
【0070】
一方で、本発明に規定する範囲を逸脱して、紙基材のサイズ度が15以上であったり、外側の層にプラスチックフィルムが配置されている場合には、開口部からはみ出た内容物の液体(50)の吸収に対して不十分であって、手指への再付着や周囲への汚染を引き起こした結果となっている。
【0071】
すなわち本発明によれば、液体用包装袋の開封や取り出しに際して、内容物の液体の手指への付着や、周囲への汚染の問題がない液体用包装袋を、安価に提供することが可能であることを検証することができた。
【符号の説明】
【0072】
1・・・基材層
2・・・シーラント層
3・・・シール部
4・・・ハサミ
10・・・積層体
11・・・上質紙
12・・・シーラント層
13・・・上質紙
14・・・上質紙
15・・・片アート紙
16・・・片アート紙
17・・・上質紙
18・・・ポリエチレンテレフタレートフィルム
50・・・内容物の液体
100・・・包装袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8