(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155662
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20231016BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231016BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231016BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20231016BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231016BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231016BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/6556
H01M10/625
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065120
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 伸司
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 嘉隆
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
5H031
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA11
5E322AB01
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5F136CB06
5F136CB11
5F136DA50
5F136FA01
5F136GA02
5H031KK01
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】製造コストを低減する。
【解決手段】冷却器1は、冷媒通路2を有する。冷却器1は、長手方向Lに延びて長手方向Lと直交する幅方向Wに冷媒通路2を区画する複数の区画壁74と、長手方向Lの一方の方向である第一長手方向L1と、長手方向L及び幅方向Wと直交する高さ方向Hの一方の方向である第一高さ方向H1と、に冷媒通路2を開放する第一開口75と、を有する冷却プレート部7と、冷却プレート部7の第一開口75を塞ぐように冷却プレート部7に接合された第一蓋部8と、を備える。冷却プレート部7の第一蓋部8との第一接合面77は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒通路を有する冷却器であって、
長手方向に延びて前記長手方向と直交する幅方向に前記冷媒通路を区画する複数の区画壁と、前記長手方向の一方の方向である第一長手方向と、前記長手方向及び前記幅方向と直交する高さ方向の一方の方向である第一高さ方向と、に前記冷媒通路を開放する開口と、を有する冷却プレート部と、
前記冷却プレート部の前記開口を塞ぐように前記冷却プレート部に接合された蓋部と、を備え、
前記冷却プレート部の前記蓋部との接合面は、前記長手方向よりも前記第一高さ方向側を向いている、
冷却器。
【請求項2】
前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面を有する、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面と、前記傾斜面と、により形成される、
請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記接合面は、前記高さ方向に延びる垂直面を有しない、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項5】
前記冷却プレート部は、
前記長手方向及び前記幅方向に延びる底壁部と、
前記長手方向及び前記幅方向に延びて前記高さ方向において前記底壁部と対向する上壁部と、
前記底壁部及び前記上壁部に接続されて前記幅方向に対向する一対の側壁部と、を有し、
前記接合面は、前記底壁部、前記上壁部、及び前記一対の側壁部に形成される、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項6】
前記接合面は、
前記上壁部の前記底壁部とは反対側の表面である上壁上面と、
前記上壁部の前記第一長手方向における端面である上壁端面と、
前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と、
前記底壁部の前記上壁部側の表面である底壁上面と、によりに形成され、
前記上壁上面及び前記底壁上面に形成される前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面であり、
前記上壁端面及び前記側壁端面に形成される前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面である、
請求項5に記載の冷却器。
【請求項7】
前記接合面は、
前記上壁部の前記底壁部とは反対側の表面である上壁上面と、
前記上壁部の前記第一長手方向における端面である上壁端面と、
前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と、
前記底壁部の前記第一長手方向における端面である底壁端面と、によりに形成され、
前記上壁上面に形成される前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面であり、
前記上壁端面、前記側壁端面、及び前記底壁端面に形成される前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面である、
請求項5に記載の冷却器。
【請求項8】
前記複数の区画壁の前記第一長手方向の端面である区画壁端面は、前記幅方向から見て、前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と同じ位置に形成されている、
請求項5に記載の冷却器。
【請求項9】
前記複数の区画壁の前記第一長手方向の端面である区画壁端面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面となっている、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項10】
前記冷却器を外部機器に取り付けるための取付部を更に備え、
前記取付部は、前記接合面に対する前記冷媒通路の反対側に位置する、
請求項1に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、バッテリ等を冷却する冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリ等を冷却する冷却器が記載されている。この冷却器は、長手方向に沿う冷媒通路を有する偏平状の冷却プレートと、冷却プレートに接合されて冷媒通路に連通する冷媒流入口及冷媒流出口を有する一対の上蓋体と、を備える。冷却プレートの長手方向の両端には、幅方向の両壁部を残して上方及び長手方向端部を開放する一対の切欠部が形成されている。そして、一対の切欠部に一対の上蓋体がろう付けにより接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された冷却器の冷却プレートは、上片、下片、及び一対の両側壁により偏平状に形成されている。そして、上片の上面と、下片及び一対の両側壁の長手方向の両端面とが、一対の上蓋体と接合される冷却プレートの接合面となる。しかしながら、上片の上面は水平面であるのに対し、下片及び一対の両側壁の長手方向の両端面は垂直面となる。このため、冷却プレートと一対の上蓋体とをろう付けする場合は、ろう材が、垂直面である下片及び一対の両側壁の長手方向の両端面から脱落しやすくなる。このため、ろう材を保持する保持具が必要になって、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
ここで、冷却プレートと一対の上蓋体とを溶接により接合することも考えられる。しかしながら、水平面である上片の上面に対する溶接と、垂直面である下片及び一対の両側壁の長手方向の両端面に対する溶接とでは、その溶接方向が互いに直交する方向となる。つまり、水平面である上片の上面は、垂直方向から溶接する必要があり、垂直面である下片及び一対の両側壁の長手方向の両端面は、水平方向から溶接する必要がある。このため、大型の溶接設備が必要になって、製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の一側面は、製造コストを低減することができる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る冷却器は、以下の通りである。
【0008】
[1]
冷媒通路を有する冷却器であって、長手方向に延びて前記長手方向と直交する幅方向に前記冷媒通路を区画する複数の区画壁と、前記長手方向の一方の方向である第一長手方向と、前記長手方向及び前記幅方向と直交する高さ方向の一方の方向である第一高さ方向と、に前記冷媒通路を開放する開口と、を有する冷却プレート部と、前記冷却プレート部の前記開口を塞ぐように前記冷却プレート部に接合された蓋部と、を備え、前記冷却プレート部の前記蓋部との接合面は、前記長手方向よりも前記第一高さ方向側を向いている、冷却器。
【0009】
[1]の冷却器では、冷却プレート部に蓋部が接合されることで、冷却プレート部の開口が塞がれる。ここで、開口は、第一長手方向と第一高さ方向とに冷媒通路を開放するため、冷却プレート部の接合面には、高さ方向に変位する部分が存在する。しかしながら、冷却プレート部の接合面が、長手方向よりも第一高さ方向側を向いている。このため、冷却プレート部と蓋部とをろう付けにより接合する場合は、ろう材が接合面から脱落し難くなる。また、冷却プレート部と蓋部とを溶接により接合する場合は、長手方向に溶接方向を向けなくても済む。これにより、製造コストを低減することができる。
【0010】
[2]
前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面を有する、[1]に記載の冷却器。
【0011】
[2]の冷却器では、接合面が第一長手方向に向かうに従い第二方向に向かう傾斜面を有するため、接合面の高さ方向に変位する部分において、接合面を長手方向よりも第一高さ方向側に向かせることができる。
【0012】
[3]
前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面と、前記傾斜面と、により形成される、[2]に記載の冷却器。
【0013】
[3]の冷却器では、接合面が水平面と傾斜面とにより形成されているため、接合面を長手方向よりも第一高さ方向側に向かせることができる。
【0014】
[4]
前記接合面は、前記高さ方向に延びる垂直面を有しない、[1]~[3]の何れか一つに記載の冷却器。
【0015】
[4]の冷却器では、接合面が垂直面を有しないため、冷却プレート部と蓋部とをろう付けにより接合する場合は、ろう材が接合面から脱落し難くなり、冷却プレート部と蓋部とを溶接により接合する場合は、長手方向に溶接方向を向けなくても済む。
【0016】
[5]
前記冷却プレート部は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる底壁部と、前記長手方向及び前記幅方向に延びて前記高さ方向において前記底壁部と対向する上壁部と、前記底壁部及び前記上壁部に接続されて前記幅方向に対向する一対の側壁部と、を有し、前記接合面は、前記底壁部、前記上壁部、及び前記一対の側壁部に形成される、[1]~[4]の何れか一つに記載の冷却器。
【0017】
[5]の冷却器では、冷却プレート部が底壁部、上壁部、及び一対の側壁部を有し、接合面が底壁部、上壁部、及び一対の側壁部に形成されるため、複数の区画壁により区画される冷媒通路を適切に形成することができるとともに、冷媒通路を開放する開口を蓋部により適切に塞ぐことができる。
【0018】
[6]
前記接合面は、前記上壁部の前記底壁部とは反対側の表面である上壁上面と、前記上壁部の前記第一長手方向における端面である上壁端面と、前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と、前記底壁部の前記上壁部側の表面である底壁上面と、によりに形成され、前記上壁上面及び前記底壁上面に形成される前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面であり、前記上壁端面及び前記側壁端面に形成される前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面である、[5]に記載の冷却器。
【0019】
[6]の冷却器では、接合面が水平面と傾斜面とにより形成されるため、接合面を長手方向よりも第一高さ方向側に向かせることができる。
【0020】
[7]
前記接合面は、前記上壁部の前記底壁部とは反対側の表面である上壁上面と、前記上壁部の前記第一長手方向における端面である上壁端面と、前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と、前記底壁部の前記第一長手方向における端面である底壁端面と、によりに形成され、前記上壁上面に形成される前記接合面は、前記長手方向及び前記幅方向に延びる水平面であり、前記上壁端面、前記側壁端面、及び前記底壁端面に形成される前記接合面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面である、[5]に記載の冷却器。
【0021】
[7]の冷却器では、接合面が水平面と傾斜面とにより形成されるため、接合面を長手方向よりも第一高さ方向側に向かせることができる。
【0022】
[8]
前記複数の区画壁の前記第一長手方向の端面である区画壁端面は、前記幅方向から見て、前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端面である側壁端面と同じ位置に形成されている、[1]~[7]の何れか一つに記載の冷却器。
【0023】
[8]の冷却器では、区画壁端面が幅方向から見て側壁端面と同じ位置に形成されているため、冷却プレート部を容易に製造することができる。
【0024】
[9]
前記複数の区画壁の前記第一長手方向の端面である区画壁端面は、前記第一長手方向に向かうに従い前記第一高さ方向とは反対の第二高さ方向に向かう傾斜面となっている、[1]~[8]の何れか一つに記載の冷却器。
【0025】
[9]の冷却器では、複数の区画壁の第一長手方向の区画壁端面が傾斜面となっているため、冷媒通路が複数の区画壁により区画されてなる区画冷媒通路の開口面積を大きくすることができる。これにより、冷媒の圧力損失を低減することができる。また、冷媒の圧力損失が複数の区画壁により急激に変化するのを抑制することができる。
【0026】
[10]
前記冷却器を外部機器に取り付けるための取付部を更に備え、前記取付部は、前記接合面に対する前記冷媒通路の反対側に位置する、[1]~[9]の何れか一つに記載の冷却器。
【0027】
[10]の冷却器では、取付部が接合面に対する冷媒通路の反対側に位置するため、取付部により冷媒通路の封止が阻害されるのを抑制することができるとともに、接合面の形状が複雑になるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一側面によれば、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第一本実施形態の冷却器を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すII-II線における断面図である。
【
図3】冷却器の第一長手方向における端部を示す側面図である。
【
図4】冷却器の第二長手方向における端部を示す側面図である。
【
図5】冷却器の第一長手方向における端部を示す平面図である。
【
図6】冷却器の第二長手方向における端部を示す平面図である。
【
図7】冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図8】冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図9】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す平面図である。
【
図10】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す正面図である。
【
図11】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す側面図である。
【
図12】第二実施形態の冷却器の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示すXIII-XIII線における断面図である。
【
図14】冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図15】冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図16】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す平面図である。
【
図17】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す正面図である。
【
図18】冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す側面図である。
【
図19】第三実施形態の冷却器を示す斜視図である。
【
図20】冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図21】冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、実施形態に係る冷却器を説明する。本実施形態に係る冷却器は、被冷却体を冷却するものである。被冷却体としては、特に限定されるものではなく、例えば、電気自動車等の車両に搭載されるバッテリとすることができる。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0031】
[第一実施形態]
図1は、第一本実施形態の冷却器を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すII-II線における断面図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る冷却器1は、被冷却体との接触面積が大きくなるように偏平状に形成されている。つまり、冷却器1は、長手方向L及び長手方向Lと直交する幅方向Wに延びて、長手方向L及び幅方向Wと直交する高さ方向Hに扁平している。冷却プレート部7は、幅方向Wよりも長手方向Lの方が長く形成されている。なお、長手方向Lの一方の方向を第一長手方向L1といい、長手方向Lの他方の方向を第二長手方向L2という。第二長手方向L2は、第一長手方向L1とは反対の方向である。また、高さ方向Hの一方の方向を第一高さ方向H1といい、高さ方向Hの他方の方向を第二高さ方向H2という。第二高さ方向H2は、第一高さ方向H1とは反対の方向である。
【0032】
図3は、冷却器の第一長手方向における端部を示す側面図である。
図4は、冷却器の第二長手方向における端部を示す側面図である。
図5は、冷却器の第一長手方向における端部を示す平面図である。
図6は、冷却器の第二長手方向における端部を示す平面図である。
図1~
図6に示すように、冷却器1は、冷媒通路2と、第一ポート3と、第二ポート4と、第一取付部5と、第二取付部6と、を備える。
【0033】
冷媒通路2は、被冷却体を冷却するための冷媒が流通する通路(空間)である。第一ポート3及び第二ポート4は、冷媒通路2に連通されて、冷媒通路2に対して冷媒を供給又は排出するためのポートである。第一ポート3は、冷却器1の第一長手方向L1における端部に位置する。第二ポート4は、冷却器1の第二長手方向L2における端部に位置する。このため、冷媒は、第一ポート3又は第二ポート4の何れか一方から冷媒通路2に供給され、冷媒通路2を長手方向Lに流通し、第一ポート3又は第二ポート4の何れか他方から排出される。冷媒は、冷媒通路2を流通する際に冷却器1から熱を奪うことで、冷却器1に接続された被冷却体を冷却する。
【0034】
第一取付部5及び第二取付部6は、冷却器1を外部機器(不図示)に取り付けるための部分である。第一取付部5は、冷却器1の第一長手方向L1における端部に位置する。第二取付部6は、冷却器1の第二長手方向L2における端部に位置する。第一取付部5及び第二取付部6は、例えば、冷却器1を外部機器に取り付けるためのボルト(不図示)が挿入される貫通穴である。外部機器としては、冷却器1の冷却対象である被冷却体とすることができる。
【0035】
図7は、冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図8は、冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図1~
図8に示すように、冷却器1は、冷却プレート部7と、冷却プレート部7に接合された第一蓋部8及び第二蓋部9と、を備える。
【0036】
図9は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す平面図である。
図10は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す正面図である。
図11は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す側面図である。なお、
図9~
図11の括弧書きの参照番号は、冷却プレート部の第二長手方向における端部の参照番号を示している。
図1~
図11に示すように、冷却プレート部7は、冷却器1の本体をなす。冷却プレート部7は、底壁部71と、上壁部72と、一対の側壁部73,73と、複数の区画壁74と、第一開口75と、第二開口76と、を備える。
【0037】
底壁部71は、冷却器1の底壁をなして、被冷却体に当接される部分である。底壁部71は、長手方向L及び幅方向Wに延びる略平板に形成されている。底壁部71の第一長手方向L1における端部に、第一取付部5の一部が形成されており、底壁部71の第二長手方向L2における端部に、第二取付部6の一部が形成されている。
【0038】
上壁部72は、冷却器1の上壁をなす部分である。上壁部72は、長手方向L及び幅方向Wに延びる略平板状に形成されている。上壁部72は、高さ方向Hにおいて底壁部71と対向するように配置されている。
【0039】
一対の側壁部73,73は、冷却器1の一対の側壁をなす部分である。一対の側壁部73,73は、長手方向L及び高さ方向Hに延びる略平板状に形成されている。一対の側壁部73,73は、互いに幅方向Wに対向するように配置されて、底壁部71及び上壁部72の幅方向Wにおける両端部に接続されている。
【0040】
複数の区画壁74は、長手方向Lに延びて、幅方向Wに冷媒通路2を区画する。つまり、長手方向Lに延びる複数の区画壁74が、幅方向Wに配列されている。複数の区画壁74のそれぞれは、長手方向L及び高さ方向Hに延びる略平板状に形成されており、底壁部71及び上壁部72に接続されている。そして、冷却プレート部7では、冷媒通路2は、複数の区画壁74により複数の区画冷媒通路21に区画されている。複数の区画冷媒通路21は、長手方向Lに延びて、幅方向Wに配列されている。複数の区画冷媒通路21のうち、幅方向Wの両端に位置する区画冷媒通路21は、底壁部71、上壁部72、側壁部73、及び区画壁74により形成され、それ以外の区画冷媒通路21は、底壁部71、上壁部72、及び隣り合う一対の区画壁74により形成される。
【0041】
図7~
図11に示すように、第一開口75は、冷却プレート部7の第一長手方向L1における端部において、冷媒通路2を第一長手方向L1及び第一高さ方向H1に開放する。第二開口76は、冷却プレート部7の第二長手方向L2における端部において、冷媒通路2を第二長手方向L2及び第一高さ方向H1に開放する。第一開口75及び第二開口76は、底壁部71、上壁部72、及び一対の側壁部73,73により形成される。第一開口75及び第二開口76は、例えば、上壁部72、一対の側壁部73,73、及び複数の区画壁74が切り欠かれることにより形成される。
【0042】
第一開口75では、上壁部72の第一長手方向L1における先端が、底壁部71の第一長手方向L1における先端よりも第二長手方向L2側に位置することで、冷媒通路2が第一高さ方向H1に開放されている。また、第一開口75では、冷媒通路2の第一長手方向L1側に冷却プレート部7が設けられないことで、冷媒通路2が第一長手方向L1に開放されている。
【0043】
第二開口76では、上壁部72の第二長手方向L2における先端が、底壁部71の第二長手方向L2における先端よりも第一長手方向L1側に位置することで、冷媒通路2が第一高さ方向H1に開放されている。また、第二開口76では、冷媒通路2の第二長手方向L2側に冷却プレート部7が設けられないことで、冷媒通路2が第二長手方向L2に開放されている。
【0044】
図1~
図3,
図5,
図7,
図9~
図11に示すように、第一蓋部8は、第一開口75を塞ぐように冷却プレート部7に接合されている。冷却プレート部7と第一蓋部8とが接合されている部分を、第一接合部Aという。第一接合部Aでは、冷却プレート部7の第一接合面77と第一蓋部8の接合面81とが接合されている。第一接合面77は、冷却プレート部7の第一蓋部8との接合面であり、第一蓋部8と接合されていない面を含まない。接合面81は、第一蓋部8の冷却プレート部7との接合面であり、冷却プレート部7と接合されていない面を含まない。冷却プレート部7に対する第一蓋部8の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。なお、図面では、第一接合部A、第一接合面77、及び接合面81を細かいドットのハッチングで示している。
【0045】
第一蓋部8は、上述した第一ポート3と、チャンバ形成部82と、を有する。チャンバ形成部82は、第一ポート3と複数の区画冷媒通路21との間に配置される第一チャンバ22を形成する。第一チャンバ22は、複数の区画冷媒通路21の第一長手方向L1側に位置して、複数の区画冷媒通路21に連通されるとともに第一ポート3に連通される空間である。第一チャンバ22は、冷媒通路2の一部を形成し、第一ポート3と複数の区画冷媒通路21との間で冷媒を分配又は合流させる。
【0046】
第一蓋部8の第一長手方向L1における端部には、第一取付部5の一部が形成されている。第一取付部5は、冷却プレート部7の底壁部71と第一蓋部8との互いに重ね合わされた部分により形成される。
【0047】
第一蓋部8の接合面81は、第一開口75を塞ぐために、チャンバ形成部82を囲んでいる。接合面81は、冷却プレート部7の第一接合面77に対応する形状、つまり、冷却プレート部7の第一接合面77に沿う形状となっている。
【0048】
冷却プレート部7の第一接合面77は、第一開口75を塞ぐために、第一開口75を囲んでいる。第一接合面77は、上壁部72の底壁部71とは反対側(第一高さ方向H1側)の表面である上壁上面72cと、上壁部72の第一長手方向L1における端面である第一上壁端面72aと、一対の側壁部73,73の第一長手方向L1における端面である第一側壁端面73a,73aと、底壁部71の上壁部72側(第一高さ方向H1側)の表面である底壁上面71aと、に形成される。第一接合面77は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面と、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、により形成されており、高さ方向Hに延びる垂直面を有しない。このため、第一接合面77は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側(底壁部71に対する上壁部72側)を向いている。つまり、第一開口75を囲む第一接合面77の全てが、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。また、第一接合面77は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いて、第一高さ方向H1から見て第一開口75を一周している(第一高さ方向H1から見て第一開口75の全周を囲んでいる)。なお、傾斜面は、平面状に延びる傾斜面に限定されるものではなく、一又は複数個所で屈曲しながら傾斜する傾斜面であってもよく、湾曲しながら傾斜する傾斜面であってもよい。
【0049】
具体的に説明すると、上壁上面72c及び底壁上面71aは、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面である。第一上壁端面72aは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一側壁端面73a,73aは、第一上壁端面72aと底壁上面71aとに接続されて、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一上壁端面72aの傾斜角度と、第一側壁端面73a,73aの傾斜角度とは、同じとすることができる。この場合、第一上壁端面72a及び第一側壁端面73a,73aは、面一となる。
【0050】
複数の区画壁74の第一長手方向L1の端面である第一区画壁端面74aは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一区画壁端面74aは、幅方向Wから見て、第一側壁端面73a,73aと同じ位置に形成されている。つまり、第一区画壁端面74aの傾斜角度は、第一側壁端面73a,73aの傾斜角度と同じとなっている。
【0051】
そして、冷却プレート部7の第一接合面77は、水平面である上壁上面72cと、傾斜面である第一上壁端面72aと、傾斜面である第一側壁端面73a,73aと、水平面である底壁上面71aと、に形成されている。
【0052】
なお、第一接合部A(第一接合面77及び接合面81)は、上壁上面72c、第一上壁端面72a、第一側壁端面73a,73a、及び底壁上面71aの如何なる位置に形成されていてもよいが、第一取付部5が第一接合部Aに対する冷媒通路2の反対側に位置するように形成されていることが好ましい。この場合、第一接合部Aは、第一取付部5から離間した位置に形成されていてもよく、第一取付部5の一部を囲む位置に形成されていてもよい。図面では、一例として、第一接合部Aが、第一取付部5の一部を囲む位置に形成されている場合を示している。
【0053】
図1,
図2,
図4,
図6,
図8~
図11に示すように、第二蓋部9は、第二開口76を塞ぐように冷却プレート部7に接合されている。冷却プレート部7と第二蓋部9とが接合されている部分を、第二接合部Bという。冷却プレート部7と第二蓋部9とは、第二接合部Bにおいて接合されている。第二接合部Bでは、冷却プレート部7の第二接合面78と第二蓋部9の接合面91とが接合されている。第二接合面78は、冷却プレート部7の第二蓋部9との接合面であり、第二蓋部9と接合されていない面を含まない。接合面91は、第二蓋部9の冷却プレート部7との接合面であり、冷却プレート部7と接合されていない面を含まない。冷却プレート部7に対する第二蓋部9の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。なお、図面では、第二接合部B、第二接合面78、及び接合面91を細かいドットのハッチングで示している。
【0054】
第二蓋部9は、上述した第二ポート4と、チャンバ形成部92と、を有する。チャンバ形成部92は、第二ポート4と複数の区画冷媒通路21との間に配置される第二チャンバ23を形成する。第二チャンバ23は、複数の区画冷媒通路21の第二長手方向L2側に位置して、複数の区画冷媒通路21に連通されるとともに第二ポート4に連通される空間である。第二チャンバ23は、冷媒通路2の一部を形成し、第二ポート4と複数の区画冷媒通路21との間で冷媒を分配又は合流させる。
【0055】
第二蓋部9の第二長手方向L2における端部には、第二取付部6の一部が形成されている。なお、第二取付部6は、冷却プレート部7の底壁部71と第二蓋部9との互いに重ね合わされた部分により形成される。
【0056】
第二蓋部9の接合面91は、第二開口76を塞ぐために、チャンバ形成部92を囲んでいる。接合面91は、冷却プレート部7の第二接合面78に対応する形状、つまり、冷却プレート部7の第二接合面78に沿う形状となっている。
【0057】
冷却プレート部7の第二接合面78は、第二開口76を塞ぐために、第二開口76を囲んでいる。第二接合面78は、上壁上面72cと、上壁部72の第二長手方向L2における端面である第二上壁端面72bと、一対の側壁部73,73の第二長手方向L2における端面である第二側壁端面73b,73bと、底壁上面71aと、に形成される。第二接合面78は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面と、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、により形成されており、高さ方向Hに延びる垂直面を有しない。このため、第二接合面78は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。つまり、第二開口76を囲む第二接合面78の全てが、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。また、第二接合面78は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いて、第一高さ方向H1から見て第二開口76を一周している(第一高さ方向H1から見て第二開口76の全周を囲んでいる)。
【0058】
具体的に説明すると、上壁上面72c及び底壁上面71aは、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面である。第二上壁端面72bは、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二側壁端面73b,73bは、第二上壁端面72bと底壁上面71aとに接続されて、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二上壁端面72bの傾斜角度と、第二側壁端面73b,73bの傾斜角度とは、同じとすることができる。この場合、第二上壁端面72b及び第二側壁端面73b,73bは、面一となる。
【0059】
複数の区画壁74の第二長手方向L2の端面である第二区画壁端面74bは、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二区画壁端面74bは、幅方向Wから見て、第二側壁端面73b,73bと同じ位置に形成されている。つまり、第二区画壁端面74bの傾斜角度は、第二側壁端面73b,73bの傾斜角度と同じとなっている。
【0060】
そして、冷却プレート部7の第二接合面78は、水平面である上壁上面72cと、傾斜面である第二上壁端面72bと、傾斜面である第二側壁端面73b,73bと、水平面である底壁上面71aと、に形成されている。
【0061】
なお、第二接合部B(第二接合面78及び接合面91)は、上壁上面72c、第二上壁端面72b、第二側壁端面73b,73b、及び底壁上面71aの如何なる位置に形成されていてもよいが、第二取付部6が第二接合部Bに対する冷媒通路2の反対側に位置するように形成されていることが好ましい。この場合、第二接合部Bは、第二取付部6から離間した位置に形成されていてもよく、第二取付部6の一部を囲む位置に形成されていてもよい。図面では、一例として、第二接合部Bが、第二取付部6の一部を囲む位置に形成されている場合を示している。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器1では、冷却プレート部7に第一蓋部8及び第二蓋部9が接合されることで、冷却プレート部7の第一開口75及び第二開口76が塞がれる。ここで、第一開口75は、第一長手方向L1と第一高さ方向H1とに冷媒通路2を開放するため、冷却プレート部7の第一接合面77には、高さ方向Hに変位する部分が存在する。また、第二開口76は、第二長手方向L2と第一高さ方向H1とに冷媒通路2を開放するため、冷却プレート部7の第二接合面78には、高さ方向Hに変位する部分が存在する。しかしながら、冷却プレート部7の第一接合面77及び第二接合面78が、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。このため、冷却プレート部7と第一蓋部8及び第二蓋部9とをろう付けにより接合する場合は、ろう材が第一接合面77及び第二接合面78から脱落し難くなる。また、冷却プレート部7と第一蓋部8及び第二蓋部9とを溶接により接合する場合は、長手方向Lに溶接方向を向けなくても済む。これにより、製造コストを低減することができる。
【0063】
また、この冷却器1では、第一接合面77が第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面を有するため、第一接合面77の高さ方向Hに変位する部分において、第一接合面77を第一長手方向L1よりも第一高さ方向H1側に向かせることができる。また、第二接合面78が第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面を有するため、第二接合面78の高さ方向Hに変位する部分において、第二接合面78を第二長手方向L2よりも第一高さ方向H1側に向かせることができる。
【0064】
また、この冷却器1では、第一接合面77及び第二接合面78が水平面と傾斜面とにより形成されているため、第二接合面78を第二長手方向L2よりも第一高さ方向H1側に向かせることができる。
【0065】
また、この冷却器1では、第一接合面77及び第二接合面78が垂直面を有しないため、冷却プレート部7と第一蓋部8及び第二蓋部9とをろう付けにより接合する場合は、ろう材が第一接合面77及び第二接合面78から脱落し難くなり、冷却プレート部7と第一蓋部8及び第二蓋部9とを溶接により接合する場合は、長手方向Lに溶接方向を向けなくても済む。
【0066】
また、この冷却器1では、冷却プレート部7が底壁部71、上壁部72、及び一対の側壁部73,73を有し、第一接合面77及び第二接合面78が底壁部71、上壁部72、及び一対の側壁部73,73に形成されるため、複数の区画壁74により区画される冷媒通路2を適切に形成することができるとともに、冷媒通路2を開放する第一開口75及び第二開口76を第一蓋部8及び第二蓋部9により適切に塞ぐことができる。
【0067】
また、この冷却器1では、第一接合面77が、上壁上面72c、第一上壁端面72a、一対の第一側壁端面73a,73a、及び底壁上面71aに形成され、第二接合面78が、上壁上面72c、第二上壁端面72b、一対の第二側壁端面73b,73b、及び底壁上面71aに形成される。そして、上壁上面72c及び底壁上面71aに形成される第一接合面77及び第二接合面78は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面であり、第一上壁端面72a及び一対の第一側壁端面73a,73aに形成される第一接合面77と、第二上壁端面72b及び一対の第二側壁端面73b,73bに形成される第二接合面78とは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面である。このため、第一接合面77及び第二接合面78を第二長手方向L2よりも第一高さ方向H1側に向かせることができる。
【0068】
また、この冷却器1では、第一区画壁端面74aが幅方向Wから見て第一側壁端面73a,73aと同じ位置に形成されており、第二区画壁端面74bが幅方向Wから見て第二側壁端面73b,73bと同じ位置に形成されている。このため、冷却プレート部7を容易に製造することができる。
【0069】
また、この冷却器1では、第一区画壁端面74a及び第二区画壁端面74bが傾斜面となっているため、冷媒通路2が複数の区画壁74により区画されてなる区画冷媒通路21の開口面積を大きくすることができる。これにより、冷媒の圧力損失を低減することができる。また、冷媒の圧力損失が複数の区画壁74により急激に変化するのを抑制することができる。
【0070】
また、この冷却器1では、第一取付部5が第一接合面77に対する冷媒通路2の反対側に位置し、第二取付部6が第二接合面78に対する冷媒通路2の反対側に位置する。このため、第一取付部5及び第二取付部6により冷媒通路2の封止が阻害されるのを抑制することができるとともに、第一接合面77及び第二接合面78の形状が複雑になるのを抑制することができる。
【0071】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様である。このため、以下の説明では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の説明を省略する。
【0072】
図12は、第二実施形態の冷却器第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す斜視図である。
図13は、
図12に示すXIII-XIII線における断面図である。
図14は、冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図15は、冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図12~
図15に示すように、第二実施形態の冷却器101は、冷媒通路2と、第一ポート3と、第二ポート4と、第一取付部105と、第二取付部106と、を備える。第一取付部105及び第二取付部106は、第一実施形態の第一取付部5及び第二取付部6に対応する。また、冷却器101は、冷却プレート部107と、冷却プレート部107に接合された第一蓋部108及び第二蓋部109と、を備える。冷却プレート部107、第一蓋部108及び第二蓋部109は、第一実施形態の冷却プレート部7、第一蓋部8及び第二蓋部9に対応する。
【0073】
図16は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す平面図である。
図17は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す正面図である。
図18は、冷却プレート部の第一長手方向及び第二長手方向における端部を示す側面図である。なお、
図16~
図18の括弧書きの参照番号は、冷却プレート部の第二長手方向における端部の参照番号を示している。
図12~
図18に示すように、冷却プレート部107は、底壁部171と、上壁部172と、一対の側壁部173,173と、複数の区画壁174と、第一開口175と、第二開口176と、を備える。底壁部171、上壁部172、一対の側壁部173,173、複数の区画壁174、第一開口175、及び第二開口176は、第一実施形態の底壁部71、上壁部72、一対の側壁部73,73、複数の区画壁74、第一開口75、及び第二開口76に対応する。
【0074】
第一取付部105は、第一蓋部108にのみ形成されており、冷却プレート部107には形成されていない。また、第二取付部106は、第二蓋部109にのみ形成されており、冷却プレート部107には形成されていない。
【0075】
第一開口175は、第一実施形態の第一開口75と同様に、冷却プレート部107の第一長手方向L1における端部において、冷媒通路2を第一長手方向L1及び第一高さ方向H1に開放する。第二開口176は、第一実施形態の第二開口76と同様に、冷却プレート部107の第二長手方向L2における端部において、冷媒通路2を第二長手方向L2及び第一高さ方向H1に開放する。
【0076】
図12~
図14,
図16~
図18に示すように、第一蓋部108は、第一開口175を塞ぐように冷却プレート部107に接合されている。冷却プレート部107と第一蓋部108とが接合されている部分を、第一接合部A1という。第一接合部A1では、冷却プレート部107の第一接合面177と第一蓋部108の接合面181とが接合されている。第一接合面177は、冷却プレート部107の第一蓋部108との接合面であり、第一蓋部108と接合されていない面を含まない。接合面181は、第一蓋部108の冷却プレート部107との接合面であり、冷却プレート部107と接合されていない面を含まない。冷却プレート部107に対する第一蓋部108の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。
【0077】
第一蓋部108は、上述した第一ポート3と、チャンバ形成部82と、を有する。第一蓋部108の第一長手方向L1における端部には、第一取付部105が形成されている。
第一蓋部108の接合面181は、第一開口175を塞ぐために、チャンバ形成部82を囲んでいる。接合面181は、冷却プレート部107の第一接合面77に対応する形状、つまり、冷却プレート部107の第一接合面177に沿う形状となっている。
【0078】
冷却プレート部107の第一接合面177は、第一開口175を塞ぐために、第一開口175を囲んでいる。第一接合面177は、上壁部172の底壁部71とは反対側(第一高さ方向H1側)の表面である上壁上面172cと、上壁部172の第一長手方向L1における端面である第一上壁端面172aと、一対の側壁部173,173の第一長手方向L1における端面である第一側壁端面173a,173aと、底壁部171の第一長手方向L1における端面である第一底壁端面171bと、に形成される。第一接合面177は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面と、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、により形成されており、高さ方向Hに延びる垂直面を有しない。このため、第一接合面177は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側(底壁部171に対する上壁部172側)を向いている。つまり、第一開口175を囲む第一接合面177の全てが、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。また、第一接合面177は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いて、第一高さ方向H1から見て第一開口175を一周している(第一高さ方向H1から見て第一開口175の全周を囲んでいる)。なお、傾斜面は、平面状に延びる傾斜面に限定されるものではなく、一又は複数個所で屈曲しながら傾斜する傾斜面であってもよく、湾曲しながら傾斜する傾斜面であってもよい。
【0079】
具体的に説明すると、上壁上面172cは、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面である。第一上壁端面172aは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一側壁端面173a,173aは、第一上壁端面172aと第一底壁端面171bとに接続されて、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一底壁端面171bは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一上壁端面172aの傾斜角度と、第一側壁端面173a,173aの傾斜角度と、第一底壁端面171bの傾斜角度とは、同じとすることができる。この場合、第一上壁端面172a、第一側壁端面173a,173a、及び第一底壁端面171bは、面一となる。
【0080】
複数の区画壁174の第一長手方向L1の端面である第一区画壁端面174aは、高さ方向Hに延びる垂直面となっている。第一区画壁端面174aは、幅方向Wから見て、第一側壁端面73a,73aよりも第二長手方向L2側に位置している。
【0081】
そして、冷却プレート部107の第一接合面177は、水平面である上壁上面172cと、傾斜面である第一上壁端面172aと、傾斜面である第一側壁端面173a,173aと、傾斜面である第一底壁端面171bと、に形成されている。
【0082】
図12,
図13,
図15~
図18に示すように、第二蓋部109は、第二開口176を塞ぐように冷却プレート部107に接合されている。冷却プレート部107と第二蓋部109とが接合されている部分を、第二接合部B1という。冷却プレート部107と第二蓋部109とは、第二接合部B1において接合されている。第二接合部B1では、冷却プレート部107の第二接合面178と第二蓋部109の接合面191とが接合されている。第二接合面178は、冷却プレート部107の第二蓋部109との接合面であり、第二蓋部109と接合されていない面を含まない。接合面191は、第二蓋部109の冷却プレート部107との接合面であり、冷却プレート部107と接合されていない面を含まない。冷却プレート部107に対する第二蓋部109の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。
【0083】
第二蓋部109は、上述した第二ポート4と、チャンバ形成部92と、を有する。第二蓋部109の第二長手方向L2における端部には、第二取付部106が形成されている。
【0084】
第二蓋部109の接合面191は、第二開口176を塞ぐために、チャンバ形成部92を囲んでいる。接合面191は、冷却プレート部107の第二接合面178に対応する形状、つまり、冷却プレート部107の第二接合面178に沿う形状となっている。
【0085】
冷却プレート部107の第二接合面178は、第二開口176を塞ぐために、第二開口176を囲んでいる。冷却プレート部107の第二接合面178は、上壁上面172cと、上壁部172の第二長手方向L2における端面である第二上壁端面172bと、一対の側壁部173,173の第二長手方向L2における端面である第二側壁端面173b,173bと、底壁部171の第二長手方向L2における端面である第二底壁端面171cと、に形成される。第二接合面178は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面と、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、により形成されており、高さ方向Hに延びる垂直面を有しない。このため、第二接合面178は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。つまり、第二開口176を囲む第二接合面178の全てが、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。また、第二接合面178は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いて、第一高さ方向H1から見て第二開口176を一周している(第一高さ方向H1から見て第二開口176の全周を囲んでいる)。
【0086】
具体的に説明すると、上壁上面172cは、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面である。第二上壁端面172bは、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二側壁端面173b,173bは、第二上壁端面172bと第二底壁端面171cとに接続されて、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二底壁端面171cは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第二上壁端面172bの傾斜角度と、第二側壁端面173b,173bの傾斜角度と、第二底壁端面171cの傾斜角度とは、同じとすることができる。この場合、第二上壁端面172b、第二側壁端面173b,173b、及び第二底壁端面171cは、面一となる。
【0087】
複数の区画壁174の第二長手方向L2の端面である第二区画壁端面174bは、高さ方向Hに延びる垂直面となっている。第二区画壁端面174bは、幅方向Wから見て、一対の第二側壁端面73b,73bよりも第一長手方向L1側に位置している。
【0088】
そして、冷却プレート部107の第二接合面178は、水平面である上壁上面172cと、傾斜面である第二上壁端面172bと、傾斜面である第二側壁端面173b,173bと、傾斜面である第二底壁端面171cと、に形成されている。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器101では、第一接合面177が、上壁上面172c、第一上壁端面172a、一対の第一側壁端面173a,173a、及び第一底壁端面171bに形成され、第二接合面178が、上壁上面172c、第二上壁端面172b、一対の第二側壁端面173b,173b、及び第二底壁端面171cに形成される。そして、上壁上面172cに形成される第一接合面177及び第二接合面178は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面であり、第一上壁端面172a、一対の第一側壁端面173a,173a、及び第一底壁端面171bに形成される第一接合面177と、第二上壁端面172b、一対の第二側壁端面173b,173b、及び第二底壁端面171cに形成される第二接合面178とは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面である。このため、第一接合面177及び第二接合面178を第二長手方向L2よりも第一高さ方向H1側に向かせることができる。
【0090】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第一実施形態と同様である。このため、以下の説明では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の説明を省略する。
【0091】
図19は、第三実施形態の冷却器を示す斜視図である。
図20は、冷却器の第一長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図21は、冷却器の第二長手方向における端部の、冷却プレート部と蓋部とを接合する前の状態を示す斜視図である。
図19~
図21に示すように、第三実施形態の冷却器201は、冷媒通路2と、第一ポート3と、第二ポート4と、第一取付部5と、第二取付部6と、を備える。また、冷却器201は、冷却プレート部207と、冷却プレート部207に接合された第一蓋部208及び第二蓋部209と、を備える。冷却プレート部207、第一蓋部208及び第二蓋部209は、第一実施形態の冷却プレート部7、第一蓋部8及び第二蓋部9に対応する。
【0092】
冷却プレート部207は、底壁部71と、上壁部72と、一対の側壁部73,73と、複数の区画壁74と、第一開口75と、第二開口76と、分離壁279と、を備える。
【0093】
分離壁279は、長手方向Lに延びて、冷媒通路2を第一冷媒通路2Aと第二冷媒通路2Bとに幅方向Wに分離する。分離壁279は、冷却プレート部207の幅方向Wにおける中央部に位置している。分離壁279は、複数の区画壁74と同様に、長手方向L及び高さ方向Hに延びる略平板状に形成されており、底壁部71及び上壁部72に接続されている。第一開口75のうち、第一冷媒通路2Aの第一長手方向L1側の開口を第一分離開口75Aといい、第二冷媒通路2Bの第二長手方向L2側の開口を第二分離開口75Bという。
【0094】
分離壁279の第一長手方向L1の端面である第一分離壁端面279aは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2側に向かう傾斜面となっている。また、第一分離壁端面279aは、幅方向Wから見て、第一側壁端面73a,73aと同じ位置に形成されている。つまり、第一分離壁端面279aの傾斜角度は、第一側壁端面73a,73aの傾斜角度と同じとなっている。分離壁279の第二長手方向L2の端面である第二分離壁端面(不図示)は、第二長手方向L2に向かうに従い第二高さ方向H2側に向かう傾斜面となっている。また、第二分離壁端面は、幅方向Wから見て、第二側壁端面73b,73bと同じ位置に形成されている。つまり、第二分離壁端面の傾斜角度は、第二側壁端面73b,73bの傾斜角度と同じとなっている。
【0095】
複数の区画壁74は、分離壁279により幅方向Wに分離された第一冷媒通路2A及び第二冷媒通路2Bのそれぞれにおいて、幅方向Wに配列されている。第一冷媒通路2A及び第二冷媒通路2Bに配置される複数の区画冷媒通路21のうち、分離壁279側の端に位置する区画冷媒通路21(分離壁279に隣接する区画冷媒通路21)は、底壁部71、上壁部72、区画壁74、及び分離壁279により形成される。
【0096】
第一蓋部208は、第一開口75を塞ぐように冷却プレート部207に接合されている。冷却プレート部207と第一蓋部208とが接合されている部分を、第一接合部A2という。第一接合部A2では、冷却プレート部207の第一接合面277と第一蓋部208の接合面281とが接合されている。第一接合面277は、冷却プレート部207の第一蓋部208との接合面であり、第一蓋部208と接合されていない面を含まない。接合面281は、第一蓋部208の冷却プレート部207との接合面であり、冷却プレート部207と接合されていない面を含まない。冷却プレート部207に対する第一蓋部208の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。
【0097】
第一蓋部208は、上述した第一ポート3と、上述した第二ポート4と、第一チャンバ形成部282と、第二チャンバ形成部283と、冷媒通路分離部284と、を有する。
【0098】
第一ポート3は、第一チャンバ形成部282に設けられており、第二ポート4は、第二チャンバ形成部283に設けられている。第一チャンバ形成部282は、第一ポート3と第一冷媒通路2Aとの間に配置される第一チャンバ222aを形成する。第一チャンバ222aは、第一冷媒通路2Aの第一長手方向L1側に位置して、第一冷媒通路2Aに配列された複数の区画冷媒通路21に連通されるとともに第一ポート3に連通される空間である。第二チャンバ形成部283は、第二ポート4と第二冷媒通路2Bとの間に配置される第二チャンバ222bを形成する。第二チャンバ222bは、第二冷媒通路2Bの第一長手方向L1側に位置して、第二冷媒通路2Bに配列された複数の区画冷媒通路21に連通されるとともに第二ポート4に連通される空間である。冷媒通路分離部284は、第一接合部A2において冷却プレート部207と接合されることで、第一チャンバ222aと第二チャンバ222bとを分離する。
【0099】
冷却プレート部207の第一接合面277は、第一開口75を塞ぐために、第一開口75を囲むとともに、第一分離開口75A及び第二分離開口75Bのそれぞれを囲んでいる。第一接合面277は、上壁上面72cと、第一上壁端面72aと、第一側壁端面73a,73aと、底壁上面71aと、第一分離壁端面279aと、に形成される。第一接合面277は、長手方向L及び幅方向Wに延びる水平面と、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、により形成されており、高さ方向Hに延びる垂直面を有しない。このため、第一接合面277は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側(底壁部71に対する上壁部72側)を向いている。つまり、第一開口75を囲むとともに第一分離開口75A及び第二分離開口75Bのそれぞれを囲む第一接合面277の全てが、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いている。また、第一接合面277は、長手方向Lよりも第一高さ方向H1側を向いて、第一高さ方向H1から見て第一開口75を一周しているとともに第一分離開口75A及び第二分離開口75Bのそれぞれを一周している(第一高さ方向H1から見て第一開口75の全周を囲んでいるとともに第一分離開口75A及び第二分離開口75Bのそれぞれの全周を囲んでいる)。
【0100】
具体的に説明すると、第一分離壁端面279aは、第一上壁端面72aと底壁上面71aとに接続されて、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面となっている。第一上壁端面72aの傾斜角度と、第一側壁端面73a,73aの傾斜角度と、第一分離壁端面279aの傾斜角度とは、同じとすることができる。この場合、第一上壁端面72a、第一側壁端面73a,73a及び第一分離壁端面279aは、面一となる。
【0101】
そして、冷却プレート部207の第一接合面277は、水平面である上壁上面72cと、傾斜面である第一上壁端面72aと、傾斜面である第一側壁端面73a,73aと、水平面である底壁上面71aと、傾斜面である第一分離壁端面279aと、に形成されている。このため、第一接合部A2において冷却プレート部207と第一蓋部208とが接合されることで、互いに分離された第一チャンバ222a及び第二チャンバ222bが形成される。
【0102】
第二蓋部209は、第二開口76を塞ぐように冷却プレート部207に接合されている。冷却プレート部207と第二蓋部209とが接合されている部分を、第二接合部B2という。冷却プレート部207と第二蓋部209とは、第二接合部Bにおいて接合されている。第二接合部Bでは、冷却プレート部207の第二接合面78と第二蓋部209の接合面91とが接合されている。第二接合部B、第二接合面78、及び接合面91は、第一実施形態と同様である。冷却プレート部207に対する第二蓋部209の接合は、特に限定されるものではないが、例えば、ろう付け、溶接等により行うことができる。
【0103】
第二蓋部209は、チャンバ形成部292を有し、上述した第一ポート3及び第二ポート4の何れも有しない。チャンバ形成部292は、第一冷媒通路2Aと第二冷媒通路2Bとを連通する連通チャンバ223を形成する。連通チャンバ223は、第一冷媒通路2A及び第二冷媒通路2Bの第二長手方向L2側に位置して、第一冷媒通路2Aに形成された複数の区画冷媒通路21と第二冷媒通路2Bに形成された複数の区画冷媒通路21とに連通される空間である。
【0104】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器201では、分離壁279により冷媒通路2が第一冷媒通路2A及び第二冷媒通路2Bに幅方向Wに分離され、冷却プレート部207と第一蓋部208との第一接合部A2により、第一チャンバ222aと第二チャンバ222bとが分離されるため、第一ポート3及び第二ポート4を長手方向Lにおける同じ方向に配置することができる。また、冷却器201に対する冷媒の供給方向と排出方向とを同じ向きとすることができる。これにより、片側からしか冷媒を供給及び排出することができない場所においても、冷却器201を取り付けることができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施形態では、第二実施形態では、一対の側壁部173,173の第一長手方向L1における端面である第一側壁端面173a,173aは傾斜面であるものとして説明したが、
図22に示す冷却器301のように、冷却プレート307の底壁部371の第一長手方向L1における端面である第一底壁端面371aは、第一長手方向L1に向かうに従い第二高さ方向H2に向かう傾斜面と、高さ方向Hに延びる垂直面と、により形成されていてもよい。この場合、第一蓋部308は、第一底壁端面371aの傾斜面に接合される。
【0107】
また、上記実施形態では、第一ポート3及び第二ポート4が第一高さ方向H1に延びるものとして説明したが、第一ポート3及び第二ポート4の延びる方向は特に限定されるものではない。参考例ではあるが、
図23に示す冷却器401では、第一ポート403及び第二ポート(不図示)は、区画冷媒通路(不図示)の延在方向と同じ方向である長手方向Lに沿って延びている。
【符号の説明】
【0108】
1…冷却器、2…冷媒通路、2A…第一冷媒通路、2B…第二冷媒通路、3…第一ポート、4…第二ポート、5…第一取付部、6…第二取付部、7…冷却プレート部、8…第一蓋部、9…第二蓋部、21…区画冷媒通路、22…第一チャンバ、23…第二チャンバ、71…底壁部、71a…底壁上面、72…上壁部、72a…第一上壁端面、72b…第二上壁端面、72c…上壁上面、73…側壁部、73a…第一側壁端面、73b…第二側壁端面、74…区画壁、74a…第一区画壁端面、74b…第二区画壁端面、75…第一開口、75A…第一分離開口、75B…第二分離開口、76…第二開口、77…第一接合面、78…第二接合面、81…接合面、82…チャンバ形成部、91…接合面、92…チャンバ形成部、101…冷却器、105…第一取付部、106…第二取付部、107…冷却プレート部、108…第一蓋部、109…第二蓋部、171…底壁部、171b…第一底壁端面、171c…第二底壁端面、172…上壁部、172a…第一上壁端面、172b…第二上壁端面、172c…上壁上面、173…側壁部、173a…第一側壁端面、173b…第二側壁端面、174…区画壁、174a…第一区画壁端面、174b…第二区画壁端面、175…第一開口、176…第二開口、177…第一接合面、178…第二接合面、181…接合面、191…接合面、201…冷却器、207…冷却プレート部、208…第一蓋部、209…第二蓋部、222a…第一チャンバ、222b…第二チャンバ、223…連通チャンバ、277…第一接合面、279…分離壁、279a…第一分離壁端面、281…接合面、282…第一チャンバ形成部、283…第二チャンバ形成部、284…冷媒通路分離部、292…チャンバ形成部、301…冷却器、371…底壁部、371a…第一底壁端面、401…冷却器、403…第一ポート、A…第一接合部、A1…第一接合部、A2…第一接合部、B…第二接合部、B1…第二接合部、B2…第二接合部、H…高さ方向、H1…第一高さ方向、H2…第二高さ方向、L…長手方向、L1…第一長手方向、L2…第二長手方向、W…幅方向。