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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155672
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/16766 20190101AFI20231016BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20231016BHJP
【FI】
G02F1/16766
G02F1/167
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065133
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA02
2K101BB43
2K101BC02
2K101BD61
2K101EC08
2K101EC12
2K101EC26
2K101EC27
2K101EC72
2K101ED13
2K101EE02
2K101EJ11
(57)【要約】
【課題】実施形態の課題は、表示性能の向上した電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る電気泳動表示装置は、基材と、基材上に設けられた共通電極CEと、共通電極に対向して設けられた複数の画素電極PEと、共通電極と画素電極との間に設けられた絶縁層と、を有するアレイ基板ARと、アレイ基板に対向する対向基板CTと、複数の電気泳動素子を含み、アレイ基板と対向基板との間に配置された電気泳動層DLと、画素電極と共通電極との間に発生する横電界により前記泳動素子を駆動する駆動部と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の上に設けられた共通電極と、前記共通電極に対向して設けられた複数の画素電極と、前記共通電極と前記画素電極との間に設けられた絶縁層と、を有するアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向する対向基板と、
複数の電気泳動素子を含み、前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置された電気泳動層と、
前記画素電極と前記共通電極との間に発生する横電界により前記電気泳動素子を駆動する駆動部と、
を備える電気泳動表示装置。
【請求項2】
マトリクス状に並んだ複数の画素を有する表示領域を備え、
前記共通電極は前記複数の画素に亘って設けられ、
前記画素電極は、マトリクス状に並んで設けられ、1画素において、平面視で、前記画素電極の少なくとも一部が前記共通電極に対向している、
請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
1画素において、平面視で、前記画素電極は周縁部を除く部分が前記共通電極に対向している、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
1画素において、前記共通電極は開口を有し、平面視で、前記画素電極は、前記開口に対向している、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記共通電極の前記開口は、渦巻状に形成され、前記画素電極は、渦巻状に形成され前記開口に対向している、請求項4に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
前記共通電極の前記開口は、環状に形成され、前記画素電極は環状に形成され前記開口に対向している、請求項4に記載の電気泳動表示装置。
【請求項7】
1画素において、前記画素電極は開口を有し、平面視で、前記画素電極の前記開口は前記共通電極に対向している、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
1画素において、前記共通電極は開口を有し、前記画素電極は開口を有し、平面視で、前記画素電極は、前記共通電極の前記開口に対向し、前記画素電極の前記開口は前記共通電極に対向している、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項9】
1画素において、前記共通電極は複数の開口を有し、前記画素電極は複数の開口を有し、平面視で、前記画素電極は、前記共通電極の前記複数の開口に対向し、前記画素電極の前記複数の開口は前記共通電極に対向している、請求項8に記載の電気泳動表示装置。
【請求項10】
前記共通電極の前記複数の開口は、それぞれ環状に形成され、前記画素電極の前記複数の開口のうち、少なくとも1つは環状に形成されている、請求項9に記載の電気泳動表示装置。
【請求項11】
1画素において、前記共通電極は、互いに離間して設けられた複数の開口を有し、前記画素電極は、前記共通電極の前記開口にそれぞれ対向して設けられた複数の分割電極を含んでいる、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項12】
前記共通電極の前記複数の開口は、同一の形状、寸法に形成され、前記複数の分割電極は、同一の形状、寸法に形成されている、請求項11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項13】
1画素において、前記共通電極の前記複数の開口は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に、間隔を置いてマトリクス状に並んでいる、請求項11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項14】
1画素において、前記共通電極の前記複数の開口は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に、間隔を置いて千鳥状に並んでいる、請求項11に記載の電気泳動表示装置。
【請求項15】
前記対向基板は、対向電極を含んでいない請求項1から14のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
【請求項16】
前記対向基板に設けられ前記電気泳動層に対向する対向電極を更に備え、
前記対向電極は、前記画素電極にそれぞれ対向する複数の開口を有し、
前記駆動部は、前記画素電極と前記対向電極との間に発生する斜め電界により前記電気泳動素子を駆動する、請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項17】
マトリクス状に並んだ複数の画素を有する表示領域を備え、
前記対向電極は、複数の開口を有する格子状に形成され、平面視で、前記画素の間の境界領域と対向している、請求項16に記載の電気泳動表示装置。
【請求項18】
前記対向電極は、それぞれ第1方向に延びる複数本の第1列と、前記第1方向と交差する第2方向にそれぞれ延び前記第1列と交差する複数本の第2列と、を有している、請求項17に記載の電気泳動表示装置。
【請求項19】
前記第1列および前記第2列の少なくとも一方は、波状に湾曲して延びている、請求項18に記載の電気泳動表示装置。
【請求項20】
マトリクス状に並んだ複数の画素を有する表示領域を備え、
1画素において、前記対向電極は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に間隔を置いて並んだ複数の開口を有し、
1画素において、前記画素電極は、平面視で、それぞれ前記対向電極の複数の開口に対向する複数の分割電極を含んでいる、請求項16に記載の電気泳動表示装置。
【請求項21】
マトリクス状に並んだ複数の画素を有する表示領域を備え、
1画素において、前記対向電極は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に間隔を置いて並んだ複数の開口を有し、
1画素において、前記画素電極は、平面視で、それぞれ前記対向電極に対向する複数の開口を有している、請求項16に記載の電気泳動表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電気泳動素子を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一例として、アレイ基板と対向基板との間に、マイクロカプセルが配列された電気泳動素子を配置した電気泳動表示装置が提案されている。電気泳動表示装置は、画像の書き換え時の電位を保持する記憶性を有している。そのため、電気泳動表示装置は、表示状態を維持するために電圧を印加する必要がなく、低消費電力駆動が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6959359号公報
【特許文献2】特開2020-126218号公報
【特許文献3】特表2006-525546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気泳動表示装置においては、表示性能の向上が望まれている。
ここで述べる実施形態の課題は、表示性能の向上を図ることが可能な電気泳動表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る電気泳動表示装置は、基材と、前記基材上に設けられた共通電極と、前記共通電極に対向して設けられた複数の画素電極と、前記共通電極と前記画素電極との間に設けられた絶縁層と、を有するアレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、複数の電気泳動素子を含み、前記アレイ基板と前記対向基板との間に配置された電気泳動層と、前記画素電極と前記共通電極との間に発生する横電界により前記電気泳動素子を駆動する駆動部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図。
図2図2は、第1実施形態に係る表示装置の概略的な回路図。
図3図3は、図2に示した画素に適用し得る等価回路図。
図4図4は、第1実施形態に係る表示装置が備える表示パネルの概略的な断面図。
図5図5は、前記表示パネルのアレイ基板における共通電極および画素電極の配列パターン例を模式的に示す平面図。
図6図6は、1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図7図7は、第1変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図8図8は、第1変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図9図9は、第2変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図10図10は、第2変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図11図11は、第3変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図12図12は、第3変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図13図13は、第3変形例における他の接続例を示す1画素分の共通電極の平面図。
図14図14は、第4変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図15図15は、第4変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図16図16は、第4変形例における1画素分の共通電極の他の例を示す平面図。
図17図17は、第4変形例における1画素分の画素電極および共通電極を拡大して示す平面図。
図18図18は、図17の線B-Bに沿ったアレイ基板の断面図。
図19図19は、第5変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図20図20は、第5変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図21図21は、第5変形例における1画素分の共通電極の他の例を示す平面図。
図22図22は、第6変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図23図23は、第6変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図24図24は、第7変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図25図25は、第7変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図26図26は、第7変形例における1画素分の画素電極の他の例を示す平面図。
図27図27は、第8変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図28図28は、第8変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図29図29は、第8変形例における1画素分の画素電極の他の例を示す平面図。
図30図30は、第9変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図31図31は、第9変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図32図32は、第9変形例における1画素分の画素電極の他の例を示す平面図。
図33図33は、第2実施形態に係る表示装置が備える表示パネルの概略的な断面図。
図34A図34Aは、図33に示した表示パネルの画素に適用し得る等価回路図。
図34B図34Bは、変形例に係る等価回路を示す等価回路図。
図35図35は、前記表示パネルの対向基板における共通電極および画素電極の配列パターン例を模式的に示す平面図。
図36図36は、1画素分の画素電極を示す平面図。
図37図37は、前記表示パネルにおける横電界および斜め電界の作用状態を模式的に示す断面図。
図38図38は、第10変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図39図39は、第10変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図40図40は、第11変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図41図41は、第11変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図42図42は、第11変形例における配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極の他の例を示す平面図。
図43図43は、第12変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図44図44は、第12変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図45図45は、第12変形例における配列パターンの1画素分の画素電極の他の例を示す平面図。
図46図46は、第13変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図47図47は、第13変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
図48図48は、第14変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図。
図49図49は、第14変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書および各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略あるいは簡略化することがある。
【0008】
各実施形態においては、表示装置の一例として、電気泳動表示装置を開示する。ただし、各実施形態は、他種の表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。他種の表示装置としては、例えば、液晶層を備える液晶表示装置、各画素に発光層が配置された有機EL表示装置、各画素に小型のLEDが配置されたLED表示装置などが挙げられる。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置DSPの構成を示す平面図である。本実施形態では、表示装置DSPの一例として、電気泳動素子あるいは電子インクを用いた電気泳動表示装置を開示する。
図1に示すように、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zを定義する。本実施形態においては、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zは互いに直交している。ただし、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zは、90度以外の角度で交わってもよい。第1方向Xおよび第2方向Yは、表示装置DSPが備える各基板の主面と平行である。第3方向Zは、表示装置DSPが備える各要素の厚さ方向に相当する。
【0010】
以下の説明において、「第1部材の上方の第2部材」および「第1部材の下方の第2部材」と記載した場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れていてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に他の部材が介在してもよい。また、第3方向Z(法線方向)と平行な方向から表示装置DSPやその構成要素を見ることを平面視という。
【0011】
表示装置DSPは、アクティブマトリクス型の表示パネルPNLと、配線基板CBと、コントローラCTLとを備えている。表示パネルPNLは、アレイ基板ARと、第3方向Zにおいてアレイ基板ARに対向する対向基板CTと、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に配置された後述の電気泳動層と、を備えている。図1の例において、アレイ基板ARおよび対向基板CTは、第1方向Xと平行な短辺と、第2方向Yと平行な長辺とを有する矩形状である。ただし、アレイ基板ARおよび対向基板CTの形状はこの例に限られない。
【0012】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周囲の周辺領域SAとを有している。本実施形態においては、周辺領域SAが額縁状である。表示パネルPNLは、ゲートドライバGD1、GD2と、ソースドライバSDと、を備えている。ゲートドライバGD1、GD2は、後述する走査線に走査信号を供給する。ソースドライバSDは、後述する信号線に画像信号を供給する。
【0013】
配線基板CBは、アレイ基板ARに接続されている。コントローラCTLは、例えばICチップであり、配線基板CBに実装されている。コントローラCTLは、配線基板CBなどを介し、ゲートドライバGD1、GD2およびソースドライバSDに駆動信号を供給する。コントローラCTLは、例えばアレイ基板ARなどの他の位置に実装されてもよい。
なお、上述したゲートドライバGD、ソースドライバSD、配線基板CB、コントローラCTLは、本願における駆動部の一例を構成しているものとする。
【0014】
図2は、表示装置DSPの概略的な回路図である。図3は、図2に示した画素PXに適用し得る等価回路図である。図2および図3に示すように、表示パネルPNLは、第1基材10と、複数の画素PXと、複数の走査線Gと、複数の信号線Sと、複数の容量配線CWと、共通電極CEとを備えている。複数の画素PXは、表示領域DAにおいてマトリクス状に配列されている。複数の画素PX、複数の走査線G、複数の信号線S、複数の容量配線CW、および共通電極CEは、第1基材10の上方に配置されている。
【0015】
複数の走査線Gは、第1方向Xに延びるとともに第2方向Yに並んでいる。各走査線Gは、ゲートドライバGD1、GD2のいずれかに接続されるとともに、第1方向Xに並ぶ複数の画素PXに接続されている。複数の信号線Sは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並んでいる。各信号線Sは、ソースドライバSDに接続されるとともに、第2方向Yに並ぶ複数の画素PXに接続されている。複数の容量配線CWは、第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並んでいる。各容量配線CWは、コントローラCTLに接続されるとともに、第2方向Yに並ぶ複数の画素PXに接続されている。
【0016】
ゲートドライバGD1、GD2は、走査線Gに走査信号SGを供給する。コントローラCTLは、ソースドライバSDに画像信号(あるいは映像信号)Vsigを供給する。ソースドライバSDは、画像信号Vsigを対応する信号線Sに供給する。コントローラCTLは、容量配線CWに電圧Vpcを供給する。また、コントローラCTLは、共通電極CEに共通電圧Vcomを供給する。例えば、電圧Vpcと共通電圧Vcomは同電位である。
【0017】
図3に示すように、各画素PXは、トランジスタTrと、第1容量C1と、第2容量C2と、画素電極PEと、共通電極CEと、を備えている。本実施形態において、画素電極PEおよび共通電極CEは、第1基材10に設けられている。
トランジスタTrは、例えばPチャネル型の薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。トランジスタTrの半導体層は、酸化物半導体で形成されている。なお、上記半導体層としては、低温多結晶シリコンなどの多結晶シリコンや非晶質シリコンのような酸化物半導体以外の半導体を利用してもよい。また、トランジスタTrは、Nチャネル型のTFTにより構成されてもよい。
【0018】
トランジスタTrは、第1電極E1と、第2電極E2と、ゲート電極GEとを有している。第1電極E1および第2電極E2の一方がソース電極として機能し、他方がドレイン電極として機能する。トランジスタTrにおいて、第1電極E1は信号線Sに接続され、第2電極E2は画素電極PEに接続され、ゲート電極GEは走査線Gに接続されている。これにより、トランジスタTrは、走査線Gに与えられる走査信号SGにより、導通状態または非導通状態に切替えられる。画像信号Vsigは、信号線Sおよび導通状態のトランジスタTrを介して画素電極PEに供給される。共通電極CEには、共通電位Vcomが供給される。
第1容量C1は、画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される。第2容量C2は、画素電極PEと容量配線CWとの間に形成に形成される。画素電極PEに供給された画像信号Vsigの電位は、第1容量C1と、第2容量C2とによって保持される。
【0019】
図4は、表示パネルPNLの概略的な断面図である。図4に示すように、アレイ基板ARは、第1基材10を有している。第1基材10の一方の表面上に導電層が設けられ、この導電層をパターニングすることにより走査線Gを形成している。第1基材10の表面上に絶縁層11、半導体層SC、絶縁層12が順に積層されている。絶縁層11は、走査線Gを覆っている。半導体層SCは、絶縁層11の上に配置されている。絶縁層12は、半導体層SCおよび絶縁層11を覆っている。
絶縁層12の上に、共通電極CE、絶縁層13、および複数の画素電極PEが設けられている。共通電極CEは、絶縁層12のほぼ全面を覆っている。共通電極CEは、それぞれ画素電極と対向する複数の貫通孔CH1を有している。絶縁層13は、共通電極CEの上に設けられ、共通電極CEおよび貫通孔CH1を覆っている。絶縁層13の上面は平坦であり、第1基材10の上面とほぼ平行となっている。複数の画素電極PEは絶縁層13の上面の上に設けられ、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列されている。各画素電極PEは、貫通孔CH1、並びに、絶縁層12および絶縁層13に形成される貫通孔CH2を通して、半導体層SCのドレインDEに接続されている。
【0020】
対向基板CTは、第2基材14を有している。第2基材14の下面は平坦であり、所定の隙間を置いてアレイ基板ARとほぼ平行に対向している。本実施形態において、対向基板CTは、対向電極を有していない。対向基板CTの周縁部は、図示しないシール部材によりアレイ基板ARに貼付されている、
【0021】
表示パネルPLNの各部を構成する材料を例示する。
第1基材10および第2基材14は、例えばプラスチックやガラス等の絶縁性の材料で形成されている。本実施形態において、第2基材14は、画面側(観察側)に位置するため、透光性のガラス基板、透光性の樹脂基板又は透光性の樹脂フィルムである。第1基材10は、画面の反対側に位置しているため、不透明であってもよいし、透明であってもよい。
走査線Gは、モリブデンを含む材料で構成されている。絶縁層11、12、13は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜等の無機膜で構成されている。半導体層SCは、酸化物半導体で形成されている。なお、上記半導体層としては、低温多結晶シリコンなどの多結晶シリコンや非晶質シリコンのような酸化物半導体以外の半導体を利用してもよい。半導体層SCは、リン又はボロン等の不純物を含むソース領域およびドレイン領域と、これらの間に位置するチャネル領域と、を有している。
【0022】
画素電極PEおよび共通電極CEは、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料で形成されている。画素電極PEおよび共通電極CEは透光性の導電膜に限らず、反射性を有する遮光性の金属材料により形成されたものであっても良い。
なお、上述した材料はあくまで一例である。本実施形態では、アレイ基板AR、対向基板CTの各部は、上記以外の材料で構成されていてもよい。例えば、走査線Gは、アルミニウム、銅、銀、モリブデン又はこれらの合金膜で構成されていてもよい。
【0023】
図4に示すように、表示パネルPNLは、アレイ基板ARと対向基板CTの間に配置された表示機能層DLを備えている。表示機能層DLには、画素電極PEと共通電極CEの間に印加される電圧が作用する。本実施形態において、表示機能層DLは電気泳動層であり、X-Y平面内においてほとんど隙間なく配列された複数のマイクロカプセル30を含んでいる。
【0024】
電気泳動素子として機能するマイクロカプセル30は、例えば20μm~70μm程度の粒径を有する球状体である。図示した例では、模式的に少数に示しているが、マイクロカプセル30は、1つの画素電極PEと対向する領域に1つあるいは複数個、設けられている。マイクロカプセル30は、アレイ基板ARと対向基板CTとの間の全域に亘って、すなわち、表示領域DAの全域に亘って、分散配置されている。なお、1つの画素電極PEと対向して配置されるマイクロカプセル30の数は、図示した例より多くてもよい。
【0025】
マイクロカプセル30は、球状の外殻(外皮)32と、外皮32内に収容された複数の白色粒子(電気泳動粒子)34a、複数の黒色粒子(電気泳動粒子)34b、および分散媒36と、を有している。
外皮32は、例えば、アクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガムなどの透光性を持つ高分子樹脂などを用いて形成されている。分散媒36は、マイクロカプセル30内において、白色粒子34aと黒色粒子34bとを分散させる液体である。分散媒36としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセロソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)などを例示することができ、その他の油類であってもよい。これらの物質は単独または混合物として用いることができ、さらに界面活性剤などを配合してもよい。
【0026】
白色粒子34aは、例えば二酸化チタン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、一例では負に帯電されている。黒色粒子34bは、例えばアニリンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、一例では正に帯電されている。これらの顔料には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。また、白色粒子34aおよび黒色粒子34bの代わりに、例えば赤色、緑色、青色、イエロー、シアン、マゼンタなどの顔料が用いられてもよい。
電気泳動層DLの周囲は、前述した枠状の封止部材により封止されている。封止部材は、電気泳動層DL内への水分、湿気の浸入を防止する防湿材としても機能する。
【0027】
上記構成の表示パネルPLNにおいて、電気泳動層(表示機能層)DLに黒表示する場合、任意の画素PXに対応する画素電極PEが共通電極CEよりも相対的に高電位に保持される。すなわち、共通電極CEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが正極性に保持され、画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界あるいは斜め電界が形成される。これにより、負に帯電した白色粒子34aが画素電極PEに引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子34bが対向基板CTの側に移動する。その結果、対向基板CT側からこの画素PXを観察すると黒色が視認される。
また、画素PXを白表示させる場合には、共通電極CEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが負極性に保持され、画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界あるいは斜め電界が形成される。これにより、正に帯電した黒色粒子34bが画素電極PEに引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子34aが対向基板CTの側に移動する。その結果、この画素PXを観察すると白色が視認される。
このように、表示パネルPDLでは、任意の画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界あるいは斜め電界を形成することにより、白色粒子34aと黒色粒子34bとの分散状態を変化させ、任意の文字、画像等を表示あるいは書換えすることができる。
【0028】
次に、共通電極CEおよび画素電極PEの配列パターン、配列構造について説明する。
図5は、第1実施形態に係る表示装置のアレイ基板ARにおける共通電極および画素電極の配列パターン例を模式的に示す平面図である。図6は、1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。なお、図5においては、図面の簡素化を図るために絶縁層、半導体層等を省略し、共通電極および画素電極のみを図示している。
【0029】
図示のように、第1実施形態によれば、共通電極CEは、全画素に亘って延びるベタの電極を用いている。共通電極CEは、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEを形成している。一例では、各共通電極CEの平面視の形状は、矩形状、ここでは、ほぼ正方形状をなしている。各共通電極CEに、貫通孔CH1が設けられている。
なお、複数の共通電極CEは連続したベタの電極に限らず、互いに独立して形成され、、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列された複数の共通電極としてもよい。
【0030】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ画素電極PEの少なくとも一部は共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。一例では、各画素電極PEの平面視での形状は、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。画素電極PEは、共通電極CEの1画素領域よりも小さい寸法に形成されている。画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置されている。画素電極PEの4辺は、各共通電極CEの4辺より中心の側にずれて位置している。すなわち、平面視において、共通電極CEの周縁部は、画素電極PEと第3方向Zに重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
各画素電極PEは、共通電極CEの対応する貫通孔CH1を通って前述の半導体層SCに接続される。
【0031】
以上説明したように、第1実施形態1に係る表示装置DSPによれば、表示パネルPLNのアレイ基板ARに複数の画素電極PEおよび共通電極CEが設けられ、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる横電界あるいは斜め電界により電気泳動素子を駆動する。表示パネルPLNの対向基板CTには、共通電極および対向電極のいずれも設けられていない。
すなわち、対向基板CTに共通電極あるいは対向電極を形成する必要がなくなり、対向基板への電極形成作業を削減することが可能となる。また、アレイ基板ARから対向基板CTの側に給電する必要がなくなり、通電のためのトランスファ形成工程を削減することが可能となる。更に、視認方向からは共通電極、対向電極が無くなるため、透過率分の表示性能の向上を図ることができる。
以上のことから、本実施形態によれば、表示性能および製造性が向上した電気泳動表示装置を得ることができる。
【0032】
第1実施形態において、画素電極PE、共通電極CEの配列パターンは上述した実施形態に限定されることなく、種々変更することが可能である。以下、配列パターンの変形例について説明する。なお、後述する種々の変形例において、上述した第1実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0033】
(第1変形例)
図7は、第1変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図8は、第1変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第1変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。各共通電極CEに、貫通孔CH1が設けられている。更に、各共通電極CEは、その中央部に例えば矩形状の開口OP1を有している。これにより、各共通電極CEは、平面視で矩形環状に形成されている。
【0034】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。一例では、各画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。画素電極PEは、共通電極CEの1画素領域よりも小さいく、かつ、開口OP1よりも大きい寸法に形成されている。画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置され、共通電極CEを覆っている。1つの画素PXにおいて、画素電極PEの4辺は、共通電極CEの外側の4辺より中心の側にずれて位置し、かつ、開口OP1の4辺より外側に位置している。すなわち、平面視において、画素電極PEの周縁部は共通電極CEに重なり、共通電極CEの周縁部は、画素電極PEと重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
各画素電極PEは、共通電極CEの対応する貫通孔CH1を通って前述の半導体層SCに接続される。
【0035】
前述したように、各画素電極PEと共通電極CEとの間に第1容量C1が形成される。上記のように、共通電極CEに開口OP1を設けることにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。なお、開口OP1は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。また、共通電極CEと画素電極PEとが重なる領域の面積は、第1方向Xおよび第2方向Yに均等である場合に限らず、任意に変更可能である。
【0036】
(第2変形例)
図9は、第2変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図10は、第2変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第2変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。各共通電極CEに、貫通孔CH1が設けられている。
【0037】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。一例では、各画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。各画素電極PEは、その中央部に例えば矩形状の開口OP2を有している。これにより、画素電極PEは、平面視で矩形環状に形成されている。
画素電極PEは、共通電極CEの1画素領域よりも小さい寸法に形成されている。画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置され、共通電極CEに重なっている。1つの画素PXにおいて、画素電極PEの外側の4辺は、共通電極CEの4辺より中心の側にずれて位置している。すなわち、平面視において、共通電極CEの周縁部は、画素電極PEと重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
各画素電極PEは、共通電極CEの対応する貫通孔CH1を通って前述の半導体層SCに接続される。
【0038】
前述したように、各画素電極PEと共通電極CEとの間に第1容量C1が形成される。画素電極PEに開口OP2を設けることにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素のサイズによっては画素電極PEの中心付近の電界が弱くなることがあるが、上記のように画素電極PEの中央部に開口OP2を設けることにより、中心付近に生じる電界の強度を上げることが可能となる。なお、開口OP2は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。
【0039】
(第3変形例)
図11は、第3変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図12は、第3変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第3変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。各共通電極CEに、貫通孔CH1が設けられている。更に、共通電極CEは、例えば矩形環状の開口OP1を有している。これにより、各共通電極CEは、平面視で矩形環状に形成された外周部CE1と、外周部CE1の内側に位置する矩形状の中央部CE2と、を有している。外周部CE1と中央部CE2とは、図示しない下層の配線で互いに電気的に接続される。
【0040】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。各画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。画素電極PEは、その中央部に例えば矩形状の開口OP2を有している。これにより、画素電極PEは、平面視で矩形環状に形成されている。
画素電極PEの外形寸法は、共通電極CEの外周部CE1の外形寸法よりも小さく、かつ、外周部CE1の内径寸法よりも大きい。画素電極PEの内径寸法、すなわち、開口OP2の外形寸法は、共通電極CEの中央部CE2の寸法よりも小さい。画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。1つの画素PXにおいて、画素電極PEの外側の4辺は、共通電極CEの外側の4辺より中心の側にずれて位置し、かつ、開口OP1の外側の4辺より外側に位置している。画素電極PEの内側の4辺は、共通電極CEの中央部CE2の4辺より中心の側にずれて位置している。すなわち、平面視において、画素電極PEは共通電極CEの開口OP1を覆っている。画素電極PEの外周縁部は、共通電極CEの外周部CE1に重なり、画素電極PEの内周縁部は、中央部CE2に重なっている。共通電極CEの外周縁部は、画素電極PEと重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
各画素電極PEは、共通電極CEの対応する貫通孔CH1を通って前述の半導体層SCに接続される。
【0041】
前述したように、画素電極PEおよび共通電極に開口OP2、OP1を設けることにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。また、画素電極PEの中央部に開口OP2を設けることにより、中心付近に生じる電界の強度を上げることができる。
なお、開口OP1、OP2は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。
共通電極CEにおける外周部CE1と中央部CE2とは、下層の配線に限らず、例えば、図13に示すような、共通電極CEと同層の細線パターンP1で接続する構成としても良い。
【0042】
(第4変形例)
図14は、第4変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図15は、第4変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第4変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。共通電極CEは、例えば矩形環状の2つの開口OP1a、OP1bを有している。これにより、各共通電極CEは、平面視で矩形環状に形成された外周部CE1と、外周部CE1の内側に位置する矩形環状の中間部CE3と、中間部CE3の内側に位置する矩形状の中央部CE2と、を有している。外周部CE1、中間部CE3、中央部CE2は、後述する下層の配線で互いに電気的に接続される。
【0043】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。各画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。画素電極PEは、例えば矩形環状の開口OP2aおよび矩形状の開口OP2bを有している。これにより、画素電極PEは、平面視で矩形環状に形成された外周部PEOと、外周部PEOの内側に位置する矩形環状の中央部PECと、を有している。外周部PEOと中央部PECは、後述する下層の配線で互いに電気的に接続される。
【0044】
画素電極PEの外周部PEOの外形寸法は、共通電極CEの外周部CE1の外形寸法よりも小さく、かつ、外周部CE1の内径寸法よりも大きい。外周部PEOの内径寸法、すなわち、開口OP2aの外形寸法は、共通電極CEの中間部CE3の外形寸法よりも小さい。画素電極PEの中央部PECの外形寸法は、共通電極CEの中間部CE3の外形寸法よりも小さく、かつ、中間部CE3の内径寸法よりも大きい。中央部PECの内径寸法、すなわち、開口OP2bの外形寸法は、共通電極CEの中央部CE2の外形寸法よりも小さい。
【0045】
画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。1つの画素PXにおいて、画素電極PEの外側の4辺は、共通電極CEの外側の4辺より中心の側にずれて位置し、かつ、開口OP1aの外側の4辺より外側に位置している。画素電極PEの外周部PEOの内側の4辺は、共通電極CEの中間部CE3の外側の4辺より中心の側にずれて位置している。平面視において、画素電極PEの外周部PEOは共通電極CEの開口OP1aを覆っている。外周部PEOの外周縁部は、共通電極CEの外周部CE1に重なり、外周部PEOの内周縁部は、中間部CE3に重なっている。なお、共通電極CEの外周縁部は、画素電極PEと重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
【0046】
平面視において、画素電極PEの中央部PECの外側の4辺は、共通電極CEの中間部CE3の外側の4辺より中心の側にずれて位置し、かつ、開口OP1bの外側の4辺より外側に位置している。中央部PECの内側の4辺は、共通電極CEの中央部CE2の外側の4辺より中心の側にずれて位置している。これにより、平面視において、画素電極PEの中央部PECは共通電極CEの開口OP1bを覆っている。中央部PECの外周縁部は、共通電極CEの中間部CE3に重なり、中央部PECの内周縁部は、中央部CE2に重なっている。画素電極PEの開口OP2bは、共通電極CEの中央部CE2に対向している。
【0047】
前述したように、画素電極PEおよび共通電極に開口OP2、OP1を設けることにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEに開口OP2a、OP2bを設けることにより、画素電極PEの中心付近に生じる電界の強度を上げることができる。
なお、開口OP1、OP2は、矩形状、矩形環状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。画素電極PEは、2重の環状形状としているが、これに限らず、3重以上の環状形状としてもよく、あるいは、中心の開口OP2bが無い形状としてもよい。共通電極CEおよび画素電極PEにおいて、パターン線幅は、内側/外側や上下左右などで同一でなくてもよい。
更に、共通電極CEは、必要な容量値に応じて形状変更可能であり、例えば、図16に示すように、開口OP1aを省略して外周部CE1と中間部とを一体化することにより、画素電極PEと対向する面積を増大してもよい。
【0048】
次に、画素電極PEおよび共通電極CEの接続構造の一例を開示する。
図17は、第4変形例における1画素分の画素電極PEおよび共通電極CEを拡大して示す平面図である。図18は、図17の線B-Bに沿ったアレイ基板の断面図である。
図示のように、絶縁層12の上に、共通電極CE、絶縁層13、および画素電極PEが設けられている。絶縁層13は、共通電極CEの上に設けられ、共通電極CEおよび開口OP1a、OP1bを覆っている。絶縁層13の上面は平坦であり、画素電極PEは絶縁層13の上面の上に設けられている。
共通電極CEの外周部CE1、中間部CE3、中央部CE2は、それぞれ絶縁層12に設けられた貫通孔CH3を通して、半導体層SCのドレインDE1に接続されている。ドレインDE1は、絶縁層11を通して共通電圧配線Vcomに接続されている。このように、共通電極CEの外周部CE1、中間部CE3、中央部CE2は、ドレインDE1により互いに電気的に接続されているとともに、共通電圧配線Vcomに電気的に接続されている。
【0049】
画素電極PEの外周部PEOおよび中央部PECは、それぞれ絶縁層12、13に設けられた貫通孔CH4および共通電極CEの開口OP1aあるいは開口OP1bを通して、半導体層SCのドレインDE2に接続されている。これにより、外周部PEOおよび中央部PECは、ドレインDE2を介して、互いに電気的に接続されているとともに、トランジスタTrのドレインに電気的に接続される。
共通電極CEにおける外周部CE1、中間部CE3、中央部CE2の接続は、下層の配線に限らず、共通電極CEと同層の細線パターンで接続する構成としても良い。同様に、画素電極PEにおける外周部PEOと中央部PECとの接続は、下層の配線に限らず、画素電極PEと同層の細線パターンで接続する構成としても良い。
【0050】
(第5変形例)
図19は、第5変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図20は、第5変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第5変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。共通電極CEは、渦巻状に形成された開口OP1あるいはスリットを有している。開口OP1は、共通電極CEの外周縁部から中心に向かって、ほぼ矩形状に屈曲して延びている。これにより、共通電極CEは、開口OP1に対応した渦巻状のパターンを有している。共通電極CEは、開口OP1によって電気的に分断されることなく、全域に亘って導通している。
【0051】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。各画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状に形成されている。画素電極PEは、渦巻状に形成された開口OP2あるいはスリットを有している。開口OP2は、画素電極PEの外周縁部から中心に向かって、ほぼ矩形状に屈曲して延びている。これにより、画素電極PEは、開口OP2に対応した渦巻状のパターンを有している。画素電極PEは、電気的に分断されることなく、全域に亘って導通している。
【0052】
画素電極PEの外形寸法は、共通電極CEの外形寸法よりも小さく、かつ、開口OP1の外形寸法よりも大きい。画素電極PEの各部の幅は、開口OP1の各部の幅よりも大きい。画素電極PEは、そのほぼ中心が共通電極CEの中心と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、画素電極PEは共通電極CEの開口OP1aを覆っている。画素電極PEの各部の幅方向の両端部は、共通電極CEに重なっている。同時に、画素電極PEの開口OP2は共通電極CEに対向している。なお、共通電極CEの外周縁部は、画素電極PEと重なることなく、画素電極PEの外側に位置している。
【0053】
以上のように、画素電極PEおよび共通電極に開口OP2、OP1を設けることにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEに開口OP2を設けることにより、画素電極PEの中心付近に生じる電界の強度を上げることができる。開口OP1、OP2を渦巻状とすることにより、共通電極CEは分断されることなく連続した電極とすることができ、同様に、画素電極PEも連続した電極とすることができる。
なお、開口OP1、OP2は、矩形の渦巻状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。共通電極CEおよび画素電極PEにおいて、パターン線幅は、一定あるいは同一でなくてもよい。例えば、電極の中心に向かうほど、パターン線幅が広くなる、あるいは、小さくなるパターンとしてもよい。第5変形例において、共通電極CEは、例えば、図21に示すように、貫通孔CH1のみを有するベタの電極としても良い。
【0054】
(第6変形例)
図22は、第6変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図23は、第6変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第6変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。共通電極CEは、複数、例えば、9つの開口OP1を有している。開口OP1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を置いて3行3列に並んでいる。
【0055】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。1画素分の画素電極PEは、複数の分割電極PE1で構成されている。複数、例えば、9つの分割電極PE1は、例えば、矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を置いて3行3列に並んでいる。一例では、9つの分割電極PE1は、同一の寸法に形成され、かつ、共通電極CEの開口OP1よりも大きい寸法を有している。
各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。また、分割電極PE1の周縁部は、共通電極CEに重なっている。なお、共通電極CEの外周縁部は、分割電極PE1と重なることなく、分割電極PE1の外側に位置している。
9つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。
【0056】
以上のように、第6変形例によれば、共通電極に開口OP1を設けることにより、また、画素電極PEを複数の分割電極PE1に分割することにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEを複数に分割することにより、画素電極PEの全域に亘って電界強度を均一にすることができる。
なお、開口OP1および分割電極PE1は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、同一寸法に限らず、互いに異なる寸法の分割電極としてもよい。すなわち、分割電極PE1と共通電極CEとの重畳領域の面積は、均一に限らず、場所により互いに相違していてもよい。第6変形例において、開口OP1および分割電極PE1の設置数は、9つ(3行3列)に限らず、2行2列、あるいは4行4列としてもよい。
【0057】
(第7変形例)
図24は、第7変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図25は、第7変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第7変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。共通電極CEは、複数、例えば、8つの開口OP1を有している。開口OP1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。
【0058】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。1画素分の画素電極PEは、複数の分割電極PE1で構成されている。複数、例えば、8つの分割電極PE1は、例えば、矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。一例では、8つの分割電極PE1は、同一の寸法に形成され、かつ、共通電極CEの開口OP1よりも大きい寸法を有している。
各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。また、分割電極PE1の周縁部は、共通電極CEに重なっている。なお、共通電極CEの外周縁部は、分割電極PE1と重なることなく、分割電極PE1の外側に位置している。
8つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。
【0059】
以上のように、第7変形例によれば、共通電極に開口OP1を設けることにより、また、画素電極PEを複数の分割電極PE1に分割することにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEを複数に分割することにより、画素電極PEの全域に亘って電界強度を均一にすることができる。
なお、開口OP1および分割電極PE1は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、同一寸法に限らず、互いに異なる寸法の分割電極としてもよい。第7変形例において、開口OP1および分割電極PE1の設置数は、8つ(4行2列)に限らず、3行2列、あるいは4行3列としてもよい。
また、図26に示すように、1画素内で、複数の分割電極PE1同士が接した画素電極としてもよい。
【0060】
(第8変形例)
図27は、第8変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図28は、第8変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第8変形例では、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。共通電極CEは、複数、例えば、8つの開口OP1を有している。開口OP1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。
【0061】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。1画素分の画素電極PEは、複数の分割電極PE1で構成されている。複数、例えば、8つの分割電極PE1は、例えば、円形に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。一例では、8つの分割電極PE1は、同一の寸法に形成され、かつ、共通電極CEの開口OP1よりも大きい外径寸法を有している。
各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。また、分割電極PE1の周縁部は、共通電極CEに重なっている。なお、共通電極CEの外周縁部は、分割電極PE1と重なることなく、分割電極PE1の外側に位置している。
8つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。
【0062】
以上のように、第8変形例によれば、共通電極に開口OP1を設けることにより、また、画素電極PEを複数の分割電極PE1に分割することにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEを複数に分割することにより、画素電極PEの全域に亘って電界強度を均一にすることができる。
なお、開口OP1は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、円形に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、同一寸法、同一形状に限らず、互いに異なる寸法あるいは形状の分割電極としてもよい。分割電極PE1と共通電極CEとの重畳領域の面積は、均一に限らず、場所により互いに相違していてもよい。開口OP1の数、および分割電極PE1の数は、8つに限らず、種々選択可能である。
【0063】
図29は、第8実施形態における画素電極の更なる変形例を示す平面図である。
図29(a)に示すように、1画素において、複数の分割電極PE1同士が接した画素電極としてもよい。あるいは、図29(b)に示すように、画素電極PEを矩形状の電極とし、千鳥状に並んだ複数の円形の開口OP2を設けるようにしてもよい。
【0064】
(第9変形例)
図30は、第9変形例に係る共通電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図31は、第9変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図示のように、第9変形例によれば、第1方向Xおよび第2方向Yに連続して並ぶ複数の共通電極CEは、それぞれ平面視で、矩形状、例えば、ほぼ正方形状をなしている。1画素において、共通電極CEは、複数、例えば、7つの開口OP1を有している。共通電極CEは、第1方向Xに隣合う2つの画素の境界上に設けられた複数、例えば、2つの開口OP1を更に有している。これらの開口OP1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて3行3列に並んでいる。
【0065】
複数の画素電極PEは、第1方向Xおよび第2方向Yに所定の間隔を置いて2次元のマトリクス状に配列され、それぞれ共通電極CEに第3方向Zに重なって配置されている。1画素分の画素電極PEは、複数の分割電極PE1に分割されている。複数、例えば、9つの分割電極PE1は、例えば、円形に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。一例では、9つの分割電極PE1は、同一の寸法に形成され、かつ、共通電極CEの開口OP1よりも大きい外径寸法を有している。
各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。また、分割電極PE1の周縁部は、共通電極CEに重なっている。2つの分割電極PE1は、境界上に位置する開口OP1を覆うように配置されている。 9つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。
【0066】
以上のように、第9変形例によれば、共通電極に開口OP1を設けることにより、また、画素電極PEを複数の分割電極PE1に分割することにより、容量C1の容量値を任意に設定することができる。画素電極PEを複数に分割することにより、画素電極PEの全域に亘って電界強度を均一にすることができる。更に、隣合う2つの画素間の境界上に分割電極PE1を設けることにより、画素の全域に亘って磁界強度の向上を図ることが可能となる。
なお、開口OP1は、矩形状に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、円形に限らず、他の種々の形状を選択可能である。分割電極PE1は、同一寸法、同一形状に限らず、互いに異なる寸法あるいは形状の分割電極としてもよい。分割電極PE1と共通電極CEとの重畳領域の面積は、均一に限らず、場所により互いに相違していてもよい。開口OP1の数、および分割電極PE1の数は、9つに限らず、種々増減可能である。更に、複数の分割電極PE1は、1画素内で互いに接する形状としてもよい。
【0067】
図32は、第9変形例における画素電極の更なる変形例を示す平面図である。
図示のように、画素電極PEを矩形状の電極とし、千鳥状に並んだ複数の開口OP2を設けるようにしてもよい。すなわち、画素電極PEは、図31(b)に示した電極とネガ/ポジ反転した電極形状としても良い。
【0068】
次に、他の実施形態に係る電気泳動表示装置について説明する。以下に述べる他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成部分には、第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略または簡略化する場合がある。
(第2実施形態)
図33は、第2実施形態に係る表示装置が備える表示パネルの概略的な断面図である。
第2実施形態によれば、表示パネルPNLは、対向基板CTに設けられた対向電極TEを更に備えている。
【0069】
詳細には、図33に示すように、電気泳動表示装置の表示パネルPNLは、アレイ基板ARと、第3方向Zにおいてアレイ基板ARに対向する対向基板CTと、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に配置された電気泳動層と、を備えている。
アレイ基板ARは、前述した第1実施形態におけるアレイ基板ARと同様に構成されている。すなわち、アレイ基板ARは、第1基材10を有している。第1基材10の一方の表面上に導電層が設けられ、この導電層をパターニングすることにより走査線Gを形成している。第1基材10の表面上に絶縁層11、半導体層SC、絶縁層12が順に積層されている。絶縁層11は、走査線Gを覆っている。半導体層SCは、絶縁層11の上に配置されている。絶縁層12は、半導体層SCおよび絶縁層11を覆っている。
絶縁層12の上に、共通電極CE、絶縁層13、および複数の画素電極PEが設けられている。共通電極CEは、絶縁層12のほぼ全面を覆っている。共通電極CEは、それぞれ画素電極と対向する複数の貫通孔CH1を有している。絶縁層13は、共通電極CEの上に設けられ、共通電極CEおよび貫通孔CH1を覆っている。絶縁層13の上面は平坦であり、第1基材10の上面とほぼ平行となっている。複数の画素電極PEは絶縁層13の上面の上に設けられ、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列されている。各画素電極PEは、貫通孔CH1、並びに、絶縁層12および絶縁層13に形成される貫通孔CH2を通して、半導体層SCのドレインDEに接続されている。
【0070】
対向基板CTは、第2基材14を有している。第2基材14の下面は平坦であり、所定の隙間を置いてアレイ基板ARとほぼ平行に対向している。第2実施形態において、対向基板CTの下面に対向電極TEが設けられ、電気泳動層DLに対向している。対向電極TEは、第3方向Zにおいて、画素電極PEと重ならない位置に配置され、かつ、画素電極PEと重ならない形状に形成されている。一例では、後述するように、対向電極TEは、格子状に形成され、画素間の境界領域と対向する位置に配置される。
対向電極TEは、インジウムスズ酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料で形成されている。
【0071】
図34Aは、表示パネルPNLに適用可能な1画素の等価回路を示している。図示のように、表示パネルPNLの各画素PXは、トランジスタTrと、第1容量C1と、第2容量C2と、画素電極PEと、共通電極CEと、対向電極TEと、を備えている。画素電極PEおよび共通電極CEは、アレイ基板ARに設けられ、対向電極TEは対向基板CTに設けられている。
トランジスタTrは、例えばPチャネル型の薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。トランジスタTrは、第1電極E1と、第2電極E2と、ゲート電極GEとを有している。トランジスタTrにおいて、第1電極E1は信号線Sに接続され、第2電極E2は画素電極PEに接続され、ゲート電極GEは走査線Gに接続されている。これにより、トランジスタTrは、走査線Gに与えられる走査信号SGにより、導通状態または非導通状態に切替えられる。画像信号Vsigは、信号線Sおよび導通状態のトランジスタTrを介して画素電極PEに供給される。共通電極CEには、共通電圧Vcomが供給される。
【0072】
対向電極TEは、封止部材を通って延びる図示しない配線等を介して、共通電極CEに接続されている。これにより、対向電極TEには、共通電圧Vcomが供給される。
第1容量C1は、画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される。第2容量C2は、画素電極PEと対向電極TEとの間に形成に形成される。画素電極PEに供給された画像信号Vsigの電位は、第1容量C1と、第2容量C2とによって保持される。
図34Bは、変形例に係る1画素の等価回路を示している。図示のように、共通電極CEから独立した電圧Vcom2を対向電極TEに供給するものであっても良い。対向電極TEの電圧Vcom2を共通電極CEの電圧Vcomから独立させて供給することにより、対向電極TEと画素電極PEとの間に形成される電界及び共通電極CEと画素電極PEとの間に形成される電界のそれぞれを、効率的に発生させることができる。これにより表示機能層DLの応答性を向上させ画像をより鮮明に表示させることが可能となる。
【0073】
図35は、対向電極の一例を示す平面図である。図36は、1画素分の共通電極および画素電極の一例を示す平面図である。
図36に示すように、画素電極PEが矩形状、例えば、正方形状を有している場合、対向電極TEは、図35に示すように、画素電極PEと重ならない形状、例えば、格子状に形成されている。すなわち、対向電極TEは、それぞれ第1方向Xに延びる複数本の第1列TE1と、これら第1列TE1と交差しそれぞれ第2方向Yに延びる複数本の第2列TE2と、を有している。同時に、対向電極TEは、それぞれ第1列TE1と第2列TE2とで囲まれた複数の矩形状の開口OP3を有している。第1列TE1の線幅、第2列TE2の線幅は、同一でも良いし、互いに異なる幅としてもよい。対向電極TEの開口OP3は、画素電極PEよりも僅かに大きな寸法を有している。
平面視において、対向電極TEは、画素電極PEと重なることなく、隣合う画素間の境界領域に対向している。すなわち、対向電極TEは、各開口OP3が画素電極PEと対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
第2実施形態において、表示パネルPDLの他の構成は、前述した第1実施形態における表示パネルPDLと同一である。
【0074】
図37は、表示時における電界の作用状態を模式的に示す表示パネルの断面図である。
図示のように、上記構成の表示パネルPLNにおいて、電気泳動層DLに、例えば、白表示する場合、任意の画素PXに対応する画素電極PEが共通電極CEよりも相対的に低い電位に保持される。すなわち、共通電極CEおよび対向電極TEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが負極性に保持され、画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界が形成され、画素電極PEと対向電極TEとの間に斜め電界が形成される。これにより、正に帯電した黒色粒子34bが画素電極PEに引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子34aが対向基板CTの側に移動する。その結果、対向基板CT側からこの画素PXを観察すると白色が視認される。
また、画素PXを黒表示させる場合には、共通電極CEおよび対向電極TEの電位を基準電位としたとき、画素電極PEが正極性に保持され、画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界あるいは斜め電界が形成され、画素電極PEと対向電極TEとの間に斜め電界が形成される。これにより、負に帯電した白色粒子34aが画素電極PEに引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子34bが対向基板CTの側に移動する。その結果、この画素PXを観察すると黒色が視認される。
【0075】
このように、表示パネルPDLでは、任意の画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界あるいは斜め電界を形成することにより、白色粒子34aと黒色粒子34bとの分散状態を変化させ、任意の文字、画像等を表示あるいは書換えすることができる。同時に、画素電極PEと対向電極TEとの間に斜め電界を形成することにより、画素電極間に集中している電界が緩和され、画素境界付近の電界が明確になる。そのため、電気泳動粒子が表示面側、すなわち、対向基板CTの側に広く広がり、電気泳動粒子の動きが円滑となり、表示が鮮明になる。
【0076】
以上説明したように、第2実施形態に係る表示装置DSPによれば、表示パネルPLNのアレイ基板ARに複数の画素電極PEおよび共通電極CEが設けられ、対向基板CTに対向電極TEが設けられている。表示パネルPLNは、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる横電界あるいは斜め電界、および、画素電極PEと対向電極TEとの間に生じる斜め電界により電気泳動素子を駆動する。画素電極PEと対向電極TEとの間に斜め電界を形成することにより、画素電極間に集中している電界が緩和され、画素境界付近の電界が明確になる。そのため、電気泳動粒子が表示面側、すなわち、対向基板CTの側に広く広がり、表示が鮮明になる。
また、対向電極TEは、多数の開口OP3を有し、比較的小さい面積に形成されている。本実施形態では、対向電極TEは平面視で画素電極PEと重なっていない。そのため、対向電極TEを対向基板CTに設けた場合でも、対向基板CTの透過性を損なうことが殆どない。
以上のことから、本実施形態によれば、表示性能が向上した電気泳動表示装置を得ることができる。
【0077】
第2実施形態において、画素電極PE、共通電極CE、対向電極TEの配列パターンは上述した実施形態に限定されることなく、種々変更することが可能である。以下、配列パターンの変形例について説明する。なお、後述する種々の変形例において、上述した第2実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付して、その説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0078】
(第10変形例)
図38は、第10変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図39は、第10変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図39に示すように、1画素分の画素電極PEは、矩形状、例えば、正方形状を有し、更に、渦巻状に形成された開口OP2を有している。図38に示すように、対向電極TEは、画素電極PEと重ならない形状、例えば、格子状に形成されている。対向電極TEは、それぞれ第1方向Xに延びる複数本の第1列TE1と、これら第1列TE1と交差しそれぞれ第2方向Yに延びる複数本の第2列TE2と、それぞれ第1列TE1と第2列TE2とで囲まれた複数の矩形状の開口OP3と、を有している。対向電極TEは、更に、各第1列TE1から各開口OP3内に延出した渦巻状の第3列TE3を一体に有している。複数の第3列TE3は、それぞれ画素電極PEの開口OP2に対応した渦巻形状を成している。
【0079】
第1列TE1の線幅、第2列TE2の線幅、第3列TE3の線幅は、同一でも良いし、互いに異なる幅としてもよい。対向電極TEの開口OP3は、画素電極PEよりも僅かに大きな寸法を有している。第3列TE3の線幅は、画素電極PEの開口OP2の幅よりも僅かに小さい。
平面視において、対向電極TEは、画素電極PEと重なることなく、隣合う画素間の境界領域および開口OP2に対向している。対向電極TEは、各開口OP3が画素電極PEと対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
【0080】
上記のように構成された第10変形例においても、前述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、対向電極TEの第3列TE3と画素電極PEとの間に斜め電界を発生させることにより、画素電極PEの中央部分に発生する電界の強度を上げることが可能となる。
【0081】
(第11変形例)
図40は、第11変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図41は、第11変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図41(a)に示すように、1画素分の画素電極PEは、複数、例えば8つの分割電極PE1で構成されている。分割電極PE1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。8つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの図示しない開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。
【0082】
図40に示すように、対向電極TEは、画素電極PEと重ならない形状、例えば、上述した第10変形例に係る対向電極よりも目の細かい格子状に形成されている。対向電極TEは、それぞれ第1方向Xに延びる複数本の第1列TE1と、これら第1列TE1と交差しそれぞれ第2方向Yに延びる複数本の第2列TE2と、それぞれ第1列TE1と第2列TE2とで囲まれた複数の矩形状の開口OP3と、を有している。一画素分において、対向電極TEは、16の矩形状の開口OP3を有している。
【0083】
第1列TE1の線幅、第2列TE2の線幅は、同一でも良いし、互いに異なる幅としてもよい。対向電極TEの開口OP3は、分割電極PE1よりも僅かに大きな寸法を有している。
平面視において、対向電極TEは、画素電極PEと重なることなく、隣合う画素間の境界領域および分割電極PE1の間の境界領域に対向している。対向電極TEは、各開口OP3が分割電極PE1と対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
【0084】
上記のように構成された第11変形例においても、前述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、対向電極TEと複数の分割電極PE1との間に斜め電界を発生させることにより、画素電極PEの中央部分に発生する電界の強度を上げることが可能となる。
【0085】
図41(b)に示すように、第11変形例において、画素電極PEは9つの分割電極PE1で構成されていてもよい。分割電極PE1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を置いて3行3列に並んでいる。9つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。このような画素電極PEについても、図40に示す対向電極TEを適用することができる。
【0086】
図42は、第11変形例における画素電極の更なる変形例を示す平面図である。
図42(a)に示すように、1画素において、8つの分割電極PE1は、矩形状に限らず、円形の分割電極PE1としても良い。分割電極PE1の外径は、対向電極TEの開口OP3の幅と同等以下に形成されている。
あるいは、図42(b)に示すように、画素電極PEを矩形状の電極とし、千鳥状に並んだ複数の円形の開口OP2を設けるようにしてもよい。
いずれの画素電極PEについても、図40に示す対向電極TEを適用することができる。
【0087】
(第12変形例)
図43は、第12変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図44は、第12変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図44(a)に示すように、1画素分の画素電極PEは、複数、例えば8つの分割電極PE1で構成されている。分割電極PE1は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて4行2列に並んでいる。8つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの図示しない開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。
【0088】
図43に示すように、対向電極TEは、例えば、矩形状のベタの電極で構成され、多数の開口OP3を有している。開口OP3は、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて並んでいる。開口OP3は、例えば、同一寸法の矩形状に形成され、分割電極PE1よりも僅かに大きい寸法を有している。1画素分において、対向電極TEは、例えば、8つの開口OP3を有している。
平面視において、対向電極TEは、分割電極PE1と重なることなく、隣合う画素間の境界領域および隣合う分割電極PE1の間の境界領域に対向している。対向電極TEは、各開口OP3が分割電極PE1と対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
【0089】
上記のように構成された第12変形例においても、前述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、対向電極TEと複数の分割電極PE1との間に斜め電界を発生させることにより、画素電極PEの中央部分に発生する電界の強度を上げることが可能となる。
【0090】
図44(b)に示すように、第12変形例において、画素電極PEの分割電極PE1は、矩形状に限らず、円形の分割電極PE1としても良い。分割電極PE1の外径は、対向電極TEの開口OP3の幅と同等以下に形成されている。
図45に示すように、画素電極PEを矩形状の電極とし、千鳥状に並んだ複数の円形の開口OP2を設けるようにしてもよい。この場合、対向電極TEは、開口OP3が画素電極PEに対向し、対向電極TEが画素電極PEの開口OP2と対向するように配置および形成される。
いずれの画素電極PEについても、図43に示す対向電極TEを適用することができる。
【0091】
(第13変形例)
図46は、第13変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図47は、第13変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図47(a)に示すように、1画素分の画素電極PEは、複数、例えば9つの分割電極PE1で構成されている。分割電極PE1は、例えば、同一寸法の円形に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて3行3列に並んでいる。9つの内、1つの分割電極PE1は、隣りの画素に跨って位置している。9つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの図示しない開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。
【0092】
図46に示すように、対向電極TEは、画素電極PEと重ならない形状、例えば、多数の開口OP3を有する格子状に形成されている。対向電極TEは、それぞれ第1方向Xに延びる複数本の第1列TE1と、これら第1列TE1と交差しそれぞれ第2方向Yに延びる複数本の第2列TE2と、それぞれ第1列TE1と第2列TE2とで囲まれた複数の矩形状の開口OP3と、を有している。本変形例において、第1列および第2列の少なくとも一方、例えば、第2列TE2は、それぞれほぼサイン波形状に湾曲しながら第2方向に延在している。第1列TE1の線幅と第2列TE2の線幅は同一でもよく、あるいは、互いに異なっていても良い。
第1列TE1と第2列TE2とで囲まれた開口OP3は、ほぼ矩形状に形成され、一画素分の画素電極PEよりも僅かに大きい寸法を有している。
【0093】
平面視において、対向電極TEは、画素電極PEと重なることなく、隣合う画素間の境界領域に対向している。対向電極TEは、各開口OP3が分割電極PE1と対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
【0094】
上記のように構成された第11変形例においても、前述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、対向電極TEと複数の分割電極PE1との間に斜め電界を発生させることにより、画素電極PEの中央部分に発生する電界の強度を上げることが可能となる。
【0095】
第13変形例において、分割電極PE1は、矩形状に限らず、他の形状、例えば、円形としてもよい。また、第13変形例において、図47(b)に示すように、画素電極PEをほぼ矩形状の電極とし、千鳥状に並んだ複数の円形の開口OP2を設けるようにしてもよい。
【0096】
(第14変形例)
図48は、第14変形例に係る対向電極および画素電極の配列パターンを模式的に示す平面図である。図49は、第14変形例に係る配列パターンの1画素分の共通電極および画素電極を示す平面図である。
図49に示すように、1画素分の画素電極PEは、複数、例えば9つの分割電極PE1で構成されている。分割電極PE1は、例えば、同一寸法の円形に形成され、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて3行3列に並んでいる。9つの内、1つの分割電極PE1は、隣りの画素に跨って位置している。9つの分割電極PE1は、図示しない下層の配線等を介して、互いに電気的に接続されている。各分割電極PE1は、そのほぼ中心が共通電極CEの図示しない開口OP1と一致した状態で配置され、共通電極CEと重なっている。平面視において、分割電極PE1は共通電極CEの開口OP1を覆っている。
【0097】
図48に示すように、対向電極TEは、例えば、矩形状のベタの電極で構成され、多数の開口OP3を有している。開口OP3は、第1方向Xおよび第2方向Yに千鳥状に間隔を置いて並んでいる。開口OP3は、例えば、同一寸法の円形に形成され、分割電極PE1よりも僅かに大きい寸法を有している。1画素分において、対向電極TEは、例えば、9つの開口OP3を有している。
平面視において、対向電極TEは、分割電極PE1と重なることなく、隣合う画素間の境界領域および隣合う分割電極PE1の間の境界領域に対向している。対向電極TEは、各開口OP3が分割電極PE1と対向するように配置および形成されている。なお、対向電極TEは、画素電極の一部分と重なる形状、寸法に形成してもよい。
【0098】
上記のように構成された第14変形例においても、前述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、対向電極TEと複数の分割電極PE1との間に斜め電界を発生させることにより、画素電極PEの中央部分に発生する電界の強度を上げることが可能となる。
第14変形例において、画素電極PEの分割電極PE1は、円形に限らず、矩形状の分割電極PE1としても良い。同様に、対向電極TEの開口OP3は、円形に限らず、他の形状、例えば矩形状としても良い。
【0099】
本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明の実施形態として上述した各構成を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての構成も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。例えば、表示パネル外形状は、矩形状に限定されることなく、平面視で多角形状や円形、楕円形、およびこれらを組み合わせた形状等の他の形状としてもよい。表示装置の構成部材の材料は、上述した例に限らず、種々選択可能である。前述した第1変形例乃至第9変形例は、第2実施形態にも適用することが可能である。
上述した実施形態によりもたらされる他の作用効果について本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0100】
DSP…表示装置、AR…アレイ基板、CT…対向基板、
DL…表示機能層(電気泳動層)、Tr…トランジスタ、SC…半導体層、
G…走査線、S…信号線、PE…画素電極、PE1…分割電極、CE…共通電極、
TE…対向電極、OP1、OP2、OP3…開口、30…マイクロカプセル
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