IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立マクセル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-浄水装置 図1
  • 特開-浄水装置 図2
  • 特開-浄水装置 図3
  • 特開-浄水装置 図4
  • 特開-浄水装置 図5
  • 特開-浄水装置 図6
  • 特開-浄水装置 図7
  • 特開-浄水装置 図8
  • 特開-浄水装置 図9
  • 特開-浄水装置 図10
  • 特開-浄水装置 図11
  • 特開-浄水装置 図12
  • 特開-浄水装置 図13
  • 特開-浄水装置 図14
  • 特開-浄水装置 図15
  • 特開-浄水装置 図16
  • 特開-浄水装置 図17
  • 特開-浄水装置 図18
  • 特開-浄水装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155677
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】浄水装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20231016BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20231016BHJP
【FI】
C02F1/00 B
C02F1/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065150
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】花田 吏
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 芳則
(72)【発明者】
【氏名】舞田 剛
(72)【発明者】
【氏名】島本 裕喜
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 くるみ
(72)【発明者】
【氏名】木村 智昭
(72)【発明者】
【氏名】村田 健輔
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006HA01
4D006HA91
4D006KA72
4D006KB01
4D006KB12
4D006KB30
4D006KE03P
4D006MA01
4D006PA01
4D006PB06
4D006PC52
(57)【要約】
【課題】通信部と管理部を備えながらも、基板数に由来する製造コストの上昇を抑制可能な浄水装置を提供する。
【解決手段】消耗材カートリッジに通じた水を吐水する浄水装置において、前記消耗材カートリッジが有するRFタグとの間で無線通信を行う通信部と、前記通信により得た情報に基づいて前記消耗材カートリッジの管理を行う管理部とを一の基板上に実装した。また、前記通信部を前記基板の縁部近傍に配置したことや、前記通信部を前記基板の隅部に配置したこと、前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部が、前記基板上に配置されていること等にも特徴を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗材カートリッジに通じた水を吐水する浄水装置において、
前記消耗材カートリッジが有するRFタグとの間で無線通信を行う通信部と、前記通信により得た情報に基づいて前記消耗材カートリッジの管理を行う管理部とを一の基板上に実装したことを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記通信部を前記基板の縁部近傍に配置したことを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
前記通信部を前記基板の隅部に配置したことを特徴とする請求項2に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部が、前記基板上に配置されていることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置されるものであり、前記表示部は前記基板の垂直方向長さの中央よりも上半部の領域内に配置する一方、前記通信部は下半部の領域内に配置したことを特徴とする請求項4に記載の浄水装置。
【請求項6】
複数の消耗材カートリッジを取付可能に構成すると共に、前記通信部は前記複数の消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させて前記基板上に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項7】
前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置され、
取付可能な前記複数の消耗材カートリッジは2つであり、
前記基板の左右方向長さを四分したときの両端の領域内に1つずつ前記通信部を配置して、前記2つの消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させたことを特徴とする請求項6に記載の浄水装置。
【請求項8】
前記基板の垂直方向長さの中央よりも下半部の領域内に前記通信部を配置する一方、前記管理部に電力を供給する電源部及び/又は前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部を上半部の領域内に配置したことを特徴とする請求項7に記載の浄水装置。
【請求項9】
前記基板の垂直方向長さの中央よりも下半部の領域内に一方の前記通信部を配置すると共に、上半部の領域内に他方の前記通信部を配置したことを特徴とする請求項7に記載の浄水装置。
【請求項10】
取付可能な前記複数の消耗材カートリッジは3つ以上であり、
前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置され、
前記通信部の左右方向における位置は前記基板を左右方向長さで四等分したときの両端の領域内に1つずつ配置し、当該通信部間に残りの通信部を全ての通信部が略等間隔となる位置とすると共に、
それぞれの前記通信部の垂直方向における位置は前記基板を垂直方向長さで二等分する左右方向に伸延した仮想線を隔てて上下縁部近傍に千鳥状となる位置とし、
前記消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させたことを特徴とする請求項6に記載の浄水装置。
【請求項11】
前記消耗材カートリッジは、前記基板を隔てて表側と裏側に交互に配置したことを特徴とする請求項7又は請求項10に記載の浄水装置。
【請求項12】
請求項1に記載の浄水装置であって、
水を電気分解する電解槽を更に備え、
前記基板上には、前記電解槽への供給に適した状態に電力を変換する電解電力変換部と、前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部とが配置されていることを特徴とする電解水生成器。
【請求項13】
前記電解電力変換部は前記基板の一隅部近傍に配置すると共に、前記通信部は前記電解電力変換部を配置した隅部と対角にある隅部近傍に配置したことを特徴とする請求項12に記載の電解水生成器。
【請求項14】
請求項1に記載の浄水装置であって、
水を電気分解する電解槽を更に備え、
前記基板は、同基板上に前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部を配置して表示部配置基板とする一方、
同表示部配置基板とは異なる第2の基板に前記電解槽への供給に適した状態に電力を変換する電解電力変換部を配置し、更に、同第2の基板と前記表示部配置基板は重ねて配置していることを特徴とする電解水生成器。
【請求項15】
前記表示部配置基板上の通信部は、前記第2の基板と重ならない位置に配置していることを特徴とする請求項14に記載の電解水生成器。
【請求項16】
前記表示部配置基板上の通信部は、前記電解電力変換部の対角方向隅部に配置していることを特徴とする請求項15に記載の電解水生成器。
【請求項17】
前記電解電力変換部へ供給する電力の電圧変換用トランスを筐体内空間の一側半部に配置する一方、前記表示部配置基板上のうち筐体内空間の他側半部に配置される領域に前記通信部を配設したことを特徴とする請求項16に記載の電解水生成器。
【請求項18】
前記電解電力変換部へ供給する電力の電圧変換用トランスは、筐体内空間の一側半部の底部近傍位置に配置したことを特徴とする請求項17に記載の電解水生成器。
【請求項19】
前記表示部配置基板に電力を供給する制御系電力変換用トランスは、前記筐体内空間の一側半部に配置したことを特徴とする請求項18に記載の電解水生成器。
【請求項20】
前記制御系電力変換用トランスは、前記第2の基板上のうち筐体内空間の一側半部に配置される領域に配置したことを特徴とする請求項19に記載の電解水生成器。
【請求項21】
前記表示部配置基板と前記第2の基板とのケーブルによる接続及び/又は前記第2の基板と前記電解槽とのケーブルによる接続は、前記筐体内空間の一側半部にて行われていることを特徴とする請求項20に記載の電解水生成器。
【請求項22】
供給された水を通じて吐水口へ導く配管や前記電解槽、前記消耗材カートリッジが収容される通水系配置空間と、前記表示部配置基板及び前記第2の基板が配置される電気系配置空間とを筐体内に備え、
前記通水系配置空間は、取り付けられた前記消耗材カートリッジが収容されるカートリッジ収容空間と、それ以外の部分が収容される残部空間とを備え、
前記通信部は前記カートリッジ収容空間に収容された消耗材カートリッジが有するRFタグと対応させて前記表示部配置基板上に設け、
前記電気系配置空間と前記通水系配置空間を基板カバーにより区画すると共に、前記通水系配置空間のうち前記カートリッジ収容空間と前記残部空間をリアカバーにより区画して、前記通信部と前記RFタグとの間に前記基板カバーと前記リアカバーを介在させたことを特徴とする請求項14~21いずれか1項に記載の電解水生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水は、人が生きる上で最も重要な物質の1つであり、日々の食生活において摂取する水の善し悪しは、その人の健康を左右するといっても過言ではない。
【0003】
従って、飲用に適しない夾雑物(以下、単に夾雑物という)ができるだけ少ない水、すなわち浄水を日頃から摂取することは、健やかな日々の生活を目指す上で極めて重要である。
【0004】
そこで従来、一般家庭や飲食店など様々な場面において、水道等より供給される水を装置内に導入し、浄化して吐水する浄水装置が広く利用されている。
【0005】
そして、このような浄水装置のうち浄水機能に特化した浄水器によれば、夾雑物をできるだけ取り除くことで、日々飲用に供するのに適した水とすることができる。
【0006】
また、浄水装置のうち、更に水の電解機能を併せ持ち、電解水の生成を可能とした機器、すなわち電解水生成器では、夾雑物の除去に加え、水の電気分解を促進させるための成分(電解補助成分)を浄水に添加するなどして、更に機能性に優れた水を生成できる。
【0007】
ところで、これら浄水器や電解水生成器などの如く浄水機能や電解機能を備えた浄水装置では、浄水に必要なフィルターや活性炭等の濾過材であったり、電解補助成分の如く所謂消耗材に相当する部材をカートリッジの形式とし、この消耗材カートリッジをユーザレベルで交換可能としているのが一般的である。
【0008】
従って、使用者は各種濾過材の劣化度合いや電解補助成分の減り具合など消耗材の消耗度合いに応じ、例えば浄水装置からの報知等に基づいて適宜消耗材カートリッジの交換を行うこととなる。
【0009】
勿論、交換する新たな消耗材カートリッジは、浄水装置本来の機能を十分に発揮させるためにも、浄水装置の製造メーカが推奨する消耗材カートリッジ(以下、純正カートリッジともいう。)を使用するのが好ましい。
【0010】
しかしながら、実際にはサードパーティにより互換品と称して同様の消耗材カートリッジ(以下、非純正カートリッジともいう。)が市場に供給されており、中には浄水効果など消耗材カートリッジに求められる効果が疑わしいものや、粗悪品も存在している。
【0011】
そこで従来、RFタグとの通信を行う通信部を浄水装置本体に配設する一方、純正カートリッジであることを識別することのできる固有の情報(ID情報)を記憶させたRFタグを純正カートリッジに備えさせることでRFIDシステムを構築した浄水装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
このような浄水装置によれば、RFIDシステムを介することで取り付けられた消耗材カートリッジとの間でID情報の取得が試みられ、取得できた場合には純正カートリッジと判断して通常動作が行われるが、取得できない場合には非純正カートリッジが装着されているものとして、使用者に対し表示部等を介して警告を報知するなど注意喚起を促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2017-051891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記従来の浄水装置では、通信部が実装されている基板が、消耗材カートリッジの管理を行う管理部を実装している基板とは別体として設けられており、二つの基板を使用していることから製造コストの増加につながっていた。
【0015】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、通信部と管理部を備えながらも、基板数に由来する製造コストの上昇を抑制可能な浄水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る浄水装置では、(1)消耗材カートリッジに通じた水を吐水する浄水装置において、前記消耗材カートリッジが有するRFタグとの間で無線通信を行う通信部と、前記通信により得た情報に基づいて前記消耗材カートリッジの管理を行う管理部とを一の基板上に実装した。
【0017】
また、本発明に係る浄水装置では、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記通信部を前記基板の縁部近傍に配置したこと。
(3)前記通信部を前記基板の隅部に配置したこと。
(4)前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部が、前記基板上に配置されていること。
(5)前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置されるものであり、前記表示部は前記基板の垂直方向長さの中央よりも上半部の領域内に配置する一方、前記通信部は下半部の領域内に配置したこと。
(6)複数の消耗材カートリッジを取付可能に構成すると共に、前記通信部は前記複数の消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させて前記基板上に複数設けたこと。
(7)前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置され、取付可能な前記複数の消耗材カートリッジは2つであり、前記基板の左右方向長さを四分したときの両端の領域内に1つずつ前記通信部を配置して、前記2つの消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させたこと。
(8)前記基板の垂直方向長さの中央よりも下半部の領域内に前記通信部を配置する一方、前記管理部に電力を供給する電源部及び/又は前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部を上半部の領域内に配置したこと。
(9)前記基板の垂直方向長さの中央よりも下半部の領域内に一方の前記通信部を配置すると共に、上半部の領域内に他方の前記通信部を配置したこと。
(10)取付可能な前記複数の消耗材カートリッジは3つ以上であり、前記基板は前記浄水装置の筐体内において略垂直に配置され、前記通信部の左右方向における位置は前記基板を左右方向長さで四等分したときの両端の領域内に1つずつ配置し、当該通信部間に残りの通信部を全ての通信部が略等間隔となる位置とすると共に、それぞれの前記通信部の垂直方向における位置は前記基板を垂直方向長さで二等分する左右方向に伸延した仮想線を隔てて上下縁部近傍に千鳥状となる位置とし、前記消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれと対応させたこと。
(11)前記消耗材カートリッジは、前記基板を隔てて表側と裏側に交互に配置したこと。
【0018】
また、本発明に係る電解水生成器では、(12)前記(1)に記載の浄水装置であって、水を電気分解する電解槽を更に備え、前記基板上には、前記電解槽への供給に適した状態に電力を変換する電解電力変換部と、前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部とが配置されていることとした。
【0019】
また、本発明に係る電解水生成器では、(13)前記電解電力変換部は前記基板の一隅部近傍に配置すると共に、前記通信部は前記電解電力変換部を配置した隅部と対角にある隅部近傍に配置したことにも特徴を有する。
【0020】
また、本発明に係る電解水生成器の別の態様では、(14)前記(1)に記載の浄水装置であって、水を電気分解する電解槽を更に備え、前記基板は、同基板上に前記管理部にて生成された前記消耗材カートリッジに関する管理情報を表示する表示部を配置して表示部配置基板とする一方、同表示部配置基板とは異なる第2の基板に前記電解槽への供給に適した状態に電力を変換する電解電力変換部を配置し、更に、同第2の基板と前記表示部配置基板は重ねて配置していることとした。
【0021】
また、当該別の態様に係る電解水生成器では、以下の点にも特徴を有する。
(15)前記表示部配置基板上の通信部は、前記第2の基板と重ならない位置に配置していること。
(16)前記表示部配置基板上の通信部は、前記電解電力変換部の対角方向隅部に配置していること。
(17)前記電解電力変換部へ供給する電力の電圧変換用トランスを筐体内空間の一側半部に配置する一方、前記表示部配置基板上のうち筐体内空間の他側半部に配置される領域に前記通信部を配設したこと。
(18)前記電解電力変換部へ供給する電力の電圧変換用トランスは、筐体内空間の一側半部の底部近傍位置に配置したこと。
(19)前記表示部配置基板に電力を供給する制御系電力変換用トランスは、前記筐体内空間の一側半部に配置したこと。
(20)前記制御系電力変換用トランスは、前記第2の基板上のうち筐体内空間の一側半部に配置される領域に配置したこと。
(21)前記表示部配置基板と前記第2の基板とのケーブルによる接続及び/又は前記第2の基板と前記電解槽とのケーブルによる接続は、前記筐体内空間の一側半部にて行われていること。
(22)供給された水を通じて吐水口へ導く配管や前記電解槽、前記消耗材カートリッジが収容される通水系配置空間と、前記表示部配置基板及び前記第2の基板が配置される電気系配置空間とを筐体内に備え、前記通水系配置空間は、取り付けられた前記消耗材カートリッジが収容されるカートリッジ収容空間と、それ以外の部分が収容される残部空間とを備え、前記通信部は前記カートリッジ収容空間に収容された消耗材カートリッジが有するRFタグと対応させて前記表示部配置基板上に設け、前記電気系配置空間と前記通水系配置空間を基板カバーにより区画すると共に、前記通水系配置空間のうち前記カートリッジ収容空間と前記残部空間をリアカバーにより区画して、前記通信部と前記RFタグとの間に前記基板カバーと前記リアカバーを介在させたこと。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る浄水装置によれば、通信部と管理部を備えながらも、基板数に由来する製造コストの上昇を抑制可能な浄水器や電解水生成器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に係る浄水器の構成を示したブロック図である。
図2】カートリッジを中心とする配管類や基板類の配置構成を示した説明図である。
図3】カートリッジと制御基板との位置関係を示した説明図である。
図4】第2実施形態に係る浄水器の構成を示したブロック図である。
図5】カートリッジを中心とする配管類や基板類の配置構成を示した説明図である。
図6】カートリッジと制御基板との位置関係を示した説明図である。
図7】第3実施形態に係る浄水器の制御基板を示した説明図である。
図8】第4実施形態に係る浄水器の制御基板を示した説明図である。
図9】第5実施形態に係る浄水器の構成を示した説明図である。
図10】第6実施形態に係る電解水生成器の構成を示したブロック図である。
図11】電解水生成器の外観を示す説明図である。
図12】カートリッジの外観を示す説明図である。
図13】電解水生成器の構成を示す説明図である。
図14】電解水生成器の内部構成を示す説明図である。
図15】電解水生成器の断面図である。
図16】電解水生成器の主な電気的構成を示したブロック図である。
図17】電解水生成器の動作の流れを示したフローである。
図18】カートリッジの各種構成を示した説明図である。
図19】カートリッジの各種構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、濾過材や電解補助剤などの消耗材が収容されたカートリッジに通じた水を吐水する浄水装置において、消耗材カートリッジが有するRFタグとの間で無線通信を行う通信部と、通信により得た情報に基づいて消耗材カートリッジの管理を行う管理部とを備えながらも、基板数に由来する製造コストの上昇を抑制可能な浄水装置を提供するものである。
【0025】
浄水装置は、供給された水を浄化して吐水する機能を備えた装置を意味するものであり、その他の機能、例えば水を電気分解する機能や水中に所定の成分を溶存させる機能などを備えていても良い。すなわち、浄水装置には、浄水機能に特化した浄水器(ただし、他の機能を併せ持っても良い。)や、浄水を電気分解に供して吐水する電解水生成器(ただし、電解せずに浄水を吐水できるモードを備えていても良い。)は、浄水装置に含まれる。
【0026】
消耗材カートリッジは、浄水装置の消耗材が収容されたカートリッジである。消耗材は、少なくとも水の浄化に必要な濾過材を意味するが、それ以外にも前述の如き浄水装置の付帯機能を実現するために必要な消耗材、例えば電解促進剤やpH調整剤、また水素水の如く水中に溶存させる所定の気体の濃度を高めるために使用されるボンベなども消耗材カートリッジの概念に含まれる。
【0027】
また付言すれば、消耗材は、浄水装置の使用に必要なものでありながら、経時的に機能が減弱化したり、または損なわれたり、場合によっては逆に使用に適さないほど機能が増強するなど、時間の経過や浄水装置の使用度合いと共に初期状態から使用に適さない状態へと変化するものと解することもできる。
【0028】
以下、本実施形態に係る浄水装置について図面を参照しながら説明する。
【0029】
〔第1実施形態〕
本第1実施形態に係る浄水装置は浄水機能に特化した浄水器A1であり、図1はその構成を示したブロック図である。
【0030】
図1に示すように浄水器A1の内部構成は、供給された水を通じつつ処理を施す通水系構造部11と、通水系構造部11での通水や処理にあたり必要な電気的制御や管理を行う電気系構造部12とに大別され、これらが略箱型とした筐体13内に収納配設されている。
【0031】
通水系構造部11は、給水口14から吐水管接続口15に至るまで通水管16を接続して構成しており、通水管16の中途には中空糸膜カートリッジ17や流量センサー18が介設されている。
【0032】
給水口14は、浄水の生成原料である水(原水)の受け入れ口であり、例えば水道水などが供給される。本実施形態では、水道管20から水栓21を介して原水の供給を受けているが、水栓21には分岐栓22が配設され、かかる分岐栓22に給水ホース23の一方を接続し、同給水ホース33の他方を給水口14に接続させている。給水口14を介して供給された原水は、原水供給管24を介して中空糸膜カートリッジ17へ供給される。
【0033】
中空糸膜カートリッジ17は、内部に消耗材である濾過材として配設された中空糸膜によって原水を濾過して濾過水を生成するための消耗材カートリッジであり、原水供給管24を通じて供給された原水は、流入口17aより導入され、中空糸膜にて濾過されて濾過水となった後に流出口17bより導出される。
【0034】
また中空糸膜カートリッジ17は、浄水器A1の使用者により交換可能な消耗材カートリッジであり、付け替え可能な純正又は非純正の中空糸膜カートリッジが市販されている。
【0035】
また、図1において通水系構造部11に配設している中空糸膜カートリッジ17は純正カートリッジであり、RFタグ17cを備えている。RFタグ17cには、純正カートリッジであることを識別することのできる固有の情報(ID情報)を記憶させており、後述する通信部との間で無線通信を行って、装着されたカートリッジが純正か非純正かに応じた動作が行われるようにしている。なお、この動作は、追って説明する第6実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0036】
流出口17bより流出した濾過水は、濾過水供給管25を介して流量センサー18に供給される。流量センサー18は、流水量を測定可能に構成され、例えば、流量センサー18の中央部にプロペラを設け、かかるプロペラの回転数により流水量を測定するものである。流量センサー18は電気系構造部12と電気的に接続されており、濾過水の流量に応じた電気信号(流量信号)を出力する。電気系構造部12では、この電気信号に基づいて濾過水の流量、特に通水系構造部11に介設されている消耗材カートリッジを流れた水の量(本第1実施形態では、中空糸膜カートリッジ17を流れた水の量)を算出する。
【0037】
流量センサー18を通過した濾過水は、更に濾過水供給管25を介して吐水管接続口15へ至る。吐水管接続口15には吐水管26が接続されており、濾過水を浄水として吐水する。
【0038】
電気系構造部12は、通水系構造部11での通水や処理にあたり必要な電気的制御や管理を行う部位であり、電源ケーブルを介して商用電源等から供給される電力により稼働する。
【0039】
電気系構造部12は浄水器A1の全体的な制御を行う制御部30を備えている。制御部30は、例えば、流量センサー18より出力された流量信号に基づいて中空糸膜カートリッジ17の通水量を算出したり、通水量に基づいた中空糸膜カートリッジ17の管理を行ったり、使用者に対して中空糸膜カートリッジ17の各種情報(積算通水量の情報や交換時期の情報など)の表示等を行う。すなわち、この制御部30が搭載された基板には、カートリッジの管理を行う管理部や各種情報の表示を行う表示部などが実装されている。
【0040】
また電気系構造部12には通信部31が備えられている。この通信部31は中空糸膜カートリッジ17に備えられたRFタグ17cと共にRFIDシステムを構築する部位であり、無線通信を介して中空糸膜カートリッジ17に備えられたRFタグ17cに記憶されているID情報の読み取りや、RFタグ17cに対する各種情報の書込が行われる。なお、図1において通信部31は制御部30から離れた位置に示されているが、これから説明するように、本実施形態において通信部31は制御部30が搭載された基板と同一の基板上に実装されている。
【0041】
図2は、浄水器A1の筐体13内に収容されている構成のうち、中空糸膜カートリッジ17を中心とする配管類や基板類の配置構成を示した説明図である。図2(a)に示すように中空糸膜カートリッジ17は、原水供給管24や濾過水供給管25が収容されている配管ケーシング35から下方へ向けて垂設しており、中空糸膜カートリッジ17の側方には基板ケーシング36を近設している。
【0042】
また図2(b)に示すように、基板ケーシング36内には先述した制御部30や通信部31などが実装された基板(制御基板37)が配設されている。
【0043】
ここで、中空糸膜カートリッジ17と制御基板37との位置関係について更に説明すると、中空糸膜カートリッジ17は図3(a)にてハッチングで示すように、その側面位置にRFタグ17cが配設されている。
【0044】
一方、制御基板37には、図3(b)に示すように、中空糸膜カートリッジ17が有するRFタグ17cとの間で無線通信を行う通信部31と、前記通信により得た情報に基づいて中空糸膜カートリッジ17の管理を行う制御部30の一部としての管理部38や使用者に対して所定の情報を表示して報知するための表示部39とが、いずれも制御基板37上に実装されている。
【0045】
また、図3(c)は、図2(a)や図2(b)に示した配管ケーシング35や基板ケーシング36の図示を省略し、中空糸膜カートリッジ17と制御基板37の位置関係を示した説明図であるが、同図3(c)に示すように、管理部38と共に制御基板37上に実装された通信部31をRFタグ17cの対向位置に配設して、通信部31とRFタグ17cとの間で通信可能に構成している。
【0046】
従って、通信部専用の基板を別途設ける必要なく中空糸膜カートリッジ17に配設されたRFタグ17cと通信(以下、RF通信ともいう。)を行うことができるため、浄水器A1の製造のためのコストを低減させることができる。
【0047】
また、制御基板37上での通信部31の位置は制御基板37の縁部近傍としており、特に本実施形態では制御基板37の隅部(図3(c)では左下隅部近傍)に配置している。
【0048】
従って、RF通信を障害するようなノイズを発生させる部位(以下、単にノイズ源ともいう。)が同じ制御基板37上に存在している場合であっても、ノイズ源による影響をできるだけ避けつつRF通信を行わせることができる。
【0049】
また図3(b)や図3(c)に示すように、通信部31は管理部38にて生成された中空糸膜カートリッジ17に関する管理情報、例えば中空糸膜カートリッジ17の交換時期や通水量などをユーザに対して表示する表示部39と共に制御基板37上に配置している。
【0050】
従って、通信部31を搭載した別個独立の基板を設ける必要がなく、基板数に由来する製造コストの上昇を可及的に抑制することができる。
【0051】
また図2(b)に示したように、制御基板37は浄水器A1の筐体13内において略垂直に配置されるものであって、図3(b)及び図3(c)に示すように表示部39は制御基板37の垂直方向長さの中央、すなわち図中において一点鎖線で示す仮想線Hよりも上半部の領域内に配置する一方、通信部31は下半部の領域内に配置している。
【0052】
従って、例えば表示部39に液晶表示器などが採用されてノイズ源となり得る場合であっても、通信部31を表示部39から離隔した位置に配置することができ、RF通信に対するノイズの影響をできるだけ低減することができる。なお、本第1実施形態において表示部39は制御基板37に実装されることとしたが、これに限定されるものではなく、目的に反しない範囲内において使用者からの視認性が良好な位置に配された別基板上に実装することとしても良い。また、後述の各実施形態においても同様である。
【0053】
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る浄水装置もまた、第1実施形態に示した浄水器A1と同様に浄水機能に特化した浄水器A2であるが、消耗材カートリッジの数が2つに増えており、またこれに対応する通信部も2つに増えている点で相違する。なお、以下の説明において、先に説明した構成と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0054】
すなわち浄水器A2では、図1を参照しつつ説明した先の浄水器A1と比較すると、図4に示すように、流量センサー18の下流側流路を構成する濾過水供給管25の下流端に活性炭カートリッジ41を設け、同活性炭カートリッジ41にて処理された活性炭処理水を浄水として吐出するよう構成している。
【0055】
活性炭カートリッジ41は、中空糸膜カートリッジ17と同様に、内部に消耗材である濾過材として配設された活性炭によって濾過水を処理して活性炭処理水を生成するための消耗材カートリッジであり、濾過水供給管25を通じて供給された濾過水は、流入口41aより導入され、活性炭により不純物や夾雑物の吸着処理を経て活性炭処理水となった後に流出口41bより導出される。
【0056】
また活性炭カートリッジ41は中空糸膜カートリッジ17と共に、浄水器A2の使用者により交換可能な消耗材カートリッジであり、付け替え可能な純正又は非純正の活性炭カートリッジが市販されている。
【0057】
また、図4において通水系構造部11に配設している中空糸膜カートリッジ17と活性炭カートリッジ41はいずれも純正カートリッジであり、RFタグ17cやRFタグ41cを備えている。RFタグ17cやRFタグ41cには、純正カートリッジであることを識別することのできる固有の情報(ID情報)を記憶させており、後述する通信部との間で無線通信を行って、装着されたカートリッジが純正か非純正かに応じた動作が行われるようにしている。なお、この動作は、追って説明する第6実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0058】
流出口41bより流出した活性炭処理水は、活性炭処理水供給管27を介して吐水管接続口15へ至る。吐水管接続口15には吐水管26が接続されており、活性炭処理水を浄水として吐水する。
【0059】
また、電気系構造部12は、第1通信部31aと第2通信部31bを備えている点で第1実施形態と相違している。
【0060】
第1通信部31aは中空糸膜カートリッジ17のRFタグ17cとの間で、また第2通信部31bは活性炭カートリッジ41のRFタグ41cとの間でRFIDシステムを構築しており、各種情報の書込や読み出しが行われる。
【0061】
また制御部30は、流量センサー18より出力された流量信号に基づいて中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41の通水量を算出したり、通水量に基づいた各カートリッジの管理を行ったり、使用者に対して各カートリッジの各種情報(積算通水量の情報や交換時期の情報など)の表示等を行う表示部39などが実装されている。
【0062】
図5は、浄水器A2の筐体13内に収容されている構成のうち、各カートリッジを中心とした配管類や基板類の配置構成を示した説明図である。図5(a)に示すように中空糸膜カートリッジ17と活性炭カートリッジ41は、原水供給管24や濾過水供給管25、活性炭処理水供給管27が収容されている配管ケーシング35から下方へ向けて垂設しており、各カートリッジの側方に配した基板ケーシング36内には、図5(b)に示すように制御基板37が配設されている。
【0063】
ここで、各カートリッジと制御基板37との位置関係について更に説明すると、中空糸膜カートリッジ17と活性炭カートリッジ41には図6(a)にてハッチングで示すように、その側面位置にRFタグ17cやRFタグ41cが配設されている。
【0064】
一方、制御基板37には、図6(b)に示すように、中空糸膜カートリッジ17が有するRFタグ17cとの間で無線通信を行う第1通信部31aと、活性炭カートリッジ41が有するRFタグ41cとの間で無線通信を行う第2通信部31bと、これらRF通信により得た情報に基づいて中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41の管理を行う管理部38や使用者に対して所定の情報を表示して報知するための表示部39とが、いずれも制御基板37上に実装されている。
【0065】
また、図6(c)に示すように、第1通信部31aはRFタグ17cの対向位置、第2通信部31bはRFタグ41cの対向位置にそれぞれ配設して、各通信部31とRFタグ17cやRFタグ41cとの間で通信可能に構成している。
【0066】
従って、1つの基板で2つのカートリッジの管理を行うことができ、通信部専用の基板を別途複数設ける必要なくRF通信を行うことができるため、基板の枚数により増加する浄水器A2の製造のためのコストの上昇を抑制することができる。また、カートリッジが3つ以上の場合も同様であり、1つの基板で複数のカートリッジの管理を行うことができ、コスト上昇を抑制することができる。
【0067】
また、本第2実施形態で使用するカートリッジの本数は2本であるが、この場合、図6(b)や図6(c)に示すように、制御基板37の左右方向長さを四分したときの両端の領域内、ここでは基板垂直方向に伸延する仮想線V1,V2,V3により四分された左右方向長さのうち、左側縁から仮想線V1までの左端領域内と、仮想線V3から右側縁までの右端領域内とに1つずつ通信部31(第1通信部31a、第2通信部31b)を配置して、中空糸膜カートリッジ17と活性炭カートリッジ41との2つの消耗材カートリッジが有するRFタグのそれぞれ、すなわち、RFタグ17cとRFタグ41cとに対応させている。
【0068】
従って、制御基板37上において第1通信部31aと第2通信部31bとの間の距離をできるだけ確保することにより、第1通信部31aとRFタグ17cとの間で行われるRF通信と、第2通信部31bとRFタグ41cとの間で行われるRF通信とが干渉することを防止できる。
【0069】
そして、このような干渉が防止できれば、それぞれのRFIDシステムでの送受信に悪影響が及ぼされることを可及的に防止したり、中空糸膜カートリッジ17の取付位置に活性炭カートリッジ41が取り付けられ、活性炭カートリッジ41の取付位置に中空糸膜カートリッジ17が取り付けられた状態、すなわち、カートリッジの逆付けを防止することができる。
【0070】
特に後者について付言すれば、第1通信部31aの通信可能領域内に第2通信部31bと通信すべきカートリッジのRFタグが存在し得るような配置構成であると、逆付け位置に配された中空糸膜カートリッジ17のRFタグ17cが、通信部31aからのプリアンブル信号に呼応して所定の信号を返すことにより、装着位置の誤りが検出できない(正しい位置に装着されているものと誤認される)場合が考えられるが、前述の構成とすることにより、それぞれのRFIDシステムでの送受信の相互干渉を防止でき、各通信部31の対応位置に配されたRFタグが適切か否か、すなわち間違った種類の消耗材カートリッジの取り付けの有無や、純正カートリッジの取り付けの有無について堅実な判断を行わせることができる。
【0071】
また、本第2実施形態では、制御基板37の垂直方向長さの中央、すなわち図6(b)や図6(c)において一点鎖線で示す仮想線Hよりも下半部の領域内に通信部31(第1通信部31aや第2通信部31b)を配置する一方、管理部38に電力を供給する電源部42や管理部38にて生成された各カートリッジに関する管理情報を表示する表示部39を上半部の領域内に配置している。
【0072】
従って、例えば表示部39の液晶表示器であったり、電源部42のスイッチング素子やトランスなどのノイズ源から通信部31を離隔した位置に配置することができ、RF通信に対するノイズの影響をできるだけ低減することができる。
【0073】
なお、通信部31に対するRFタグの配置位置は、必ずしも正対している必要はなく、各通信部31の通信可能領域内に適切なRFタグが配されるような配置構成であれば良い。
【0074】
例えば、本第2実施形態では図6(c)に示すように、制御基板37上における各RFタグの投影位置は、ハッチングで示す領域の如くその全部が通信部31(第1通信部31aや第2通信部31b)の配置位置内に含まれていない位置としている。
【0075】
その一方で、各カートリッジと制御基板37との位置関係を上方より見ると、図6(d)に示すように、第1通信部31aの通信可能領域43a内にはRFタグ17cが、第2通信部31bの通信可能領域43b内にはRFタグ41cが配されている。以下の説明において、RFタグの基板上での投影領域の全部が、同RFタグと対応する通信部の配置領域内に含まれていないながらも、通信可能領域内には属しているといったRFタグの配置位置(ただし、別の通信部の通信可能領域と重複する位置を除く。)をオフセット位置ともいう。
【0076】
そして、このような構成とすれば、制御基板37上に配されるべき第1通信部31aと第2通信部31bとの相互間の配置距離をできるだけ大きくすることが可能ながらも、安定したRF通信を行わせることができる。すなわち、複数存在する通信部の相互間の距離をできるだけ大きくすべくRFタグを敢えてオフセット位置に配置することで、安定したRF通信を行わせるよう構成することもできる。ただし、基板設計に余裕がある場合は、一部又は全部のRFタグを各通信部の正対位置に配するよう構成してもよいのは勿論である。
【0077】
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る浄水装置もまた、これまで説明した浄水器A1や浄水器A2と同様に浄水機能に特化した浄水器A3であり、特に浄水器A2と同じく消耗材カートリッジの数が2つであるが、これに対応する2つの通信部の基板上での配置位置が異なっている。
【0078】
図7は、浄水器A3の制御基板37を示した説明図である。先に図6(b)を参照しつつ説明した浄水器A2の制御基板37と同様に、浄水器A3の制御基板37も制御部30と、中空糸膜カートリッジ17のRFタグ17cに対応する第1通信部31aと、活性炭カートリッジ41のRFタグ41cに対応する第2通信部31bとを備えるのであるが、仮想線Hよりも下半部の領域内に第1通信部31aを配置すると共に、上半部の領域内に他方の第2通信部31bを配置している。
【0079】
そして、このような構成とすれば、略矩形の制御基板37において、第1通信部31aと第2通信部31bとの相互間の配置距離をより大きくすることができ、干渉のおそれを可及的に抑制することができる。
【0080】
また、本第3実施形態において制御部30は、制御基板37の正面視略中央、すなわち、制御部30が占める領域の略中央を仮想線V2と仮想線Hとの交点近傍に配置しており、通信部をノイズ源から離隔した位置として、RF通信に対するノイズの影響をできるだけ低減させている。
【0081】
従って、本第3実施形態に係る浄水器A3によれば、より安定したRF通信が実現される。
【0082】
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係る浄水装置もまた、これまで説明した浄水器A1~A3と同様に浄水機能に特化した浄水器A4であり、特に浄水器A3と同じく2つ存在する通信部(第1通信部31a,第2通信部31b)の基板上での配置位置を対角隅部近傍とした点で共通するが、一方の通信部に対応する消耗材カートリッジを基板の一面側に配置し、他側の通信部に対応する消耗材カートリッジは基板の他面側に配置している点で構成を異にしている。
【0083】
図8は、浄水器A4の制御基板37を示した説明図であり、図8(b)は各カートリッジと制御基板37との位置関係を上方より臨んだ説明図である。
【0084】
図8(a)に示すように浄水器A4の制御基板37は、図7にて示した浄水器A3の制御基板37と略同様の構成としているが、第1通信部31aが制御基板37を挟んで紙面奥側に実装されているのに対し、第2通信部31bは紙面手前側に実装されている。
【0085】
また、各通信部と各消耗材カートリッジとの位置関係は、図8(b)に示すように、制御基板37の一方の面である紙面上方側の面に配された第1通信部31aに対しては中空糸膜カートリッジ17を同じく一面側(一方の面と対向配置される側)の通信可能領域43a内に配し、制御基板37の他方の面である紙面下方側の面に配された第2通信部31bに対しては活性炭カートリッジ41を同じく他面側(他方の面と対向配置される側)の通信可能領域43b内に配置して、制御基板37を境に各消耗材カートリッジを一面側と他面側とに互い違いに配置している。
【0086】
従って、それぞれのRFIDシステムでの送受信の相互干渉を防止でき、各通信部31の対応位置に配されたRFタグが適切か否か、すなわち間違った種類の消耗材カートリッジの取り付けの有無や、純正カートリッジの取り付けの有無について堅実な判断を行わせることができる。
【0087】
〔第5実施形態〕
第5実施形態に係る浄水装置もまた、これまで説明した浄水器A1~A4と同様に浄水機能に特化した浄水器A5であり、特に浄水器A3と同じく複数の通信部を備える点で共通するが、浄水器A3は2つの通信部を有していたのに対し、浄水器A5では更に多くの通信部、具体的にはその一例として3つの通信部を有している点で構成を異にしている。
【0088】
すなわち浄水器A5では、図4を参照しつつ説明した先の浄水器A2と比較すると、図9(a)に示すように、活性炭カートリッジ41の下流側流路を構成する活性炭処理水供給管27の下流端に焼成サンゴカートリッジ43を設け、同焼成サンゴカートリッジ43にて処理された焼成サンゴ処理水を浄水として吐出するよう構成している。
【0089】
焼成サンゴカートリッジ43は、内部に消耗材である成分添加材として配設された焼成サンゴにより活性炭処理水を処理して焼成サンゴ処理水を生成するためのカートリッジであり、中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41と同様に、消耗材カートリッジである。活性炭処理水供給管27を通じて供給された濾過水は、流入口43aより導入され、焼成サンゴから溶出する天然のカルシウム成分により焼成サンゴ処理水となった後、流出口43bより導出される。
【0090】
また焼成サンゴカートリッジ43は中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41と共に、浄水器A5の使用者により交換可能な消耗材カートリッジであり、付け替え可能な純正又は非純正の焼成サンゴカートリッジが市販されている。
【0091】
また、図9(a)において通水系構造部11に配設している中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41、焼成サンゴカートリッジ43はいずれも純正カートリッジであり、RFタグ17cやRFタグ41c、RFタグ43cを備えている。RFタグ17cやRFタグ41c、RFタグ43cには、純正カートリッジであることを識別することのできる固有の情報(ID情報)を記憶させており、後述する通信部との間で無線通信を行って、装着されたカートリッジが純正か非純正かに応じた動作が行われるようにしている。なお、この動作は、追って説明する第6実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0092】
流出口43bより流出した活性炭処理水は、焼成サンゴ処理水供給管28を介して吐水管接続口15へ至る。吐水管接続口15には吐水管26が接続されており、焼成サンゴ処理水を浄水として吐水する。
【0093】
また、電気系構造部12は、第1通信部31a、第2通信部31bに加え、第3通信部31cを備えている点で第2実施形態と相違している。
【0094】
第1通信部31aは中空糸膜カートリッジ17のRFタグ17cとの間、第2通信部31bは活性炭カートリッジ41のRFタグ41cとの間、また第3通信部31cは焼成サンゴカートリッジ43のRFタグ43cとの間でRFIDシステムを構築しており、各種情報の書込や読み出しが行われる。
【0095】
また制御部30は、流量センサー18より出力された流量信号に基づいて中空糸膜カートリッジ17や活性炭カートリッジ41、焼成サンゴカートリッジ43の通水量を算出したり、通水量に基づいた各カートリッジの管理を行ったり、使用者に対して各カートリッジの各種情報(積算通水量の情報や交換時期の情報など)の表示等を行う表示部39などが実装されている。
【0096】
図9(b)は、浄水器A5の制御基板37を示した説明図である。浄水器A5の制御基板37は浄水装置の筐体内において略垂直に配置されたものであり、基板上には3つの第1通信部31a~第3通信部31cが配設されている。
【0097】
また、これら第1通信部31a~第3通信部31cの配置について説明すると、各通信部の左右方向における位置は制御基板37の左右方向長さを四分したときの両端の領域内、すなわち、仮想線V1,V2,V3により四分された左右方向長さのうち、左側縁から仮想線V1までの左端領域内と、仮想線V3から右側縁までの右端領域内とに1つずつ通信部31(第1通信部31a、第3通信部31c)を配置し、この第1通信部31aと第3通信部31cとの間に残りの通信部を全て、本第5実施形態では第2通信部31bが略等間隔となる位置となるように配置されている。
【0098】
また、各通信部の垂直方向(上下方向)の位置は、一点鎖線で示す仮想線Hを隔てて上下縁部近傍に千鳥状となる位置としており、各カートリッジが有するRFタグとそれぞれ対応させている。
【0099】
従って、制御基板37上において3つ以上ある各通信部間の距離をできるだけ確保することにより、各通信部とRFタグとの間で行われるRF通信が互いに干渉することを防止できる。なお、本第5実施形態の変形例として、先述の第4実施形態と同様に、制御基板37を境に各消耗材カートリッジを一面側と他面側とに互い違いに配置しても良いのは言うまでもない。
【0100】
〔第6実施形態〕
第6実施形態に係る浄水装置は、水道等からの通水により流入した原水に対し連続して電解処理を行い、得られたアルカリ水等の電解水を吐出する、連続式の電解水生成器A6である。電解水生成器A6は、通水系構造部11において中空糸膜カートリッジ17を有しており、この中空糸膜カートリッジ17にて濾過された濾過水(浄水)に対して電解処理を行って電解水を生成するものであり、本発明に係る浄水装置の一態様である。
【0101】
本第6実施形態に係る電解水生成器A6は、図10に示すように、水道管20から水栓21や分岐栓22を介して供給される原水を給水口14より受け入れ、通水管16を通じつつ浄水処理や電解処理を施して吐水管26より電解水を吐水するものである。
【0102】
電解水生成器A6の筐体13内には、中空糸膜カートリッジ17と、この中空糸膜カートリッジ17で濾過された濾過水(浄水)の流量を測定する流量センサー18と、濾過水に食塩を添加する食塩添加筒44aと、濾過水にカルシウムを添加するカルシウム添加筒44bと、流量センサー18を経た水を食塩添加筒44aとカルシウム添加筒44bのいずれに向わせるかを切換える流路切替部45と、複数の板状の電極部46a、46b、46cを有して食塩添加筒44a又はカルシウム添加筒44bを通過した水の電解を行う電解槽46と、使用に供する電解水を流す電解水流路47aと、使用に供さない水を排出する排出流路47bとを備えている。電解水流路47aに至った電解水は、吐水管接続口15に接続されている吐水管26を介し、浄水の一態様として吐水される。
【0103】
図11は、電解水生成器A6の外観を示す説明図であり、図11(a)は電解水生成器A6の前面を右斜め上方から臨んだ状態を示しており、図11(b)は電解水生成器A6の背面を右斜め上方から臨んだ状態を示している。なお図11(b)では、中空糸膜カートリッジ17の装着状態を示すべく、図11(a)にて示しているカートリッジカバー48を外した状態としている。
【0104】
図11(a)に示すように、電解水生成器A6の前面部には、吐出する電解水の情報や装置各部の作動状態、特に中空糸膜カートリッジ17への積算通水量や交換時期の報知等が行われる表示部39と、電解水生成器A6の起動、停止や各種電解水の生成等を指示する複数のスイッチを有して使用者の操作入力を受付ける操作部47とが備えられている。
【0105】
また、電解水生成器A6の筐体13を構成する一部材として、右側面から右側背面にかけて、取り外し可能なカートリッジカバー48が設けられている。このカートリッジカバー48は、図11(b)に示すカートリッジ収容空間S1のカバーであり、カートリッジ収容空間S1には中空糸膜カートリッジ17を収容し、装着を可能としている。
【0106】
図12は中空糸膜カートリッジ17の外観を示す説明図である。図12に示すように中空糸膜カートリッジ17の胴部の所定位置にはRFタグ17cが配設されており、電解水生成器A6に内蔵された基板上の通信部31との間でRF通信可能としている。
【0107】
図13は、電解水生成器A6の構成を示す説明図であり、図13(a)は電解水生成器A6の背面を左斜め上方から臨んだ状態を示す図、図13(b)は電解水生成器A6を構成する部材のうち、通水系構造部11以外の主立った部材を示した分解斜視図である。図13に示すように電解水生成器A6は、その前面側から背面側にかけて、操作部パネル50と、フロントパネル51と、表示部配置基板52と、電解基板53と、基板カバー54と、リアカバー55と、カートリッジカバー48とを備えている。
【0108】
また電解水生成器A6の底部にはボトムケース57が備えられており、同ボトムケース57上には、後述する電解電力変換部へ供給する電力の電圧変換用のトランスである電解トランス58が配設されている。
【0109】
図14は、カートリッジカバー48、リアカバー55、基板カバー54を外した上で背面側から見た電解水生成器A6の内部構成、特に表示部配置基板52や電解基板53の配置であったり、実装されている回路部品等の配置を示す説明図である。
【0110】
図14に示すように、フロントパネル51の内側面には、表示部配置基板52と電解基板53が前後方向(前面-背面方向)に一部を重畳させた状態で配設している。
【0111】
フロントパネル51は筐体13の前面、すなわち電解水生成器A6の前面を構成するパネルであり、図11(a)に示すように、その左右方向中央部の上方位置には表示部39が使用者から視認可能となるよう露出させるための露出孔39aが形成されている。
【0112】
表示部配置基板52は、一部切欠を有するものの略矩形状の基板であり、電解水生成器A6の全体的な制御を主に行うための制御部30を備えた基板であって、中空糸膜カートリッジ17が有するRFタグ17cとの間で無線通信を行う通信部31と、通信により得た情報に基づいてRFタグ17cの管理を行う管理部38とを備える他に、この管理部にて生成された中空糸膜カートリッジ17に関する管理情報を表示する表示部39が実装されている。この表示部39は、表示部配置基板52の表裏のうちフロントパネル51と対向する面に実装されており、先述の露出孔39aを介して使用者により管理情報が視認可能となるようにしている。なお、通信部31に形成された渦巻き状の模様は、RF通信を行うためのアンテナパターンである。
【0113】
電解基板53は、図14において電解基板53の左上隅部近傍が切欠され、又は右上隅部近傍が上方へ突出形成されているものの、およそ矩形状の基板であり、電解を行うための電力や制御部30の稼働に必要となる電力を商用電源等から生成するための基板である。
【0114】
電解基板53には、電解電力変換部60や制御系電力変換用トランス61が実装されている。
【0115】
電解電力変換部60は、商用電源等から得られた電力を整流や変圧、電流の調節などを行って、先述の電解槽46への供給に適した状態に変換するための部位である。本第6実施形態ではスイッチング方式による変圧が行われており、高効率小型ながらも高周波のノイズ源でもある。
【0116】
制御系電力変換用トランス61は、各種制御系回路が搭載された表示部配置基板52に供給する電力の変換(変圧)を行うトランスである。同制御系電力変換用トランス61もまた、電解水生成器A6内に存在するノイズ源の1つでもある。
【0117】
また、電解基板53には複数のケーブル62が接続されている。これらケーブルは商用電源から受電するためのケーブルであったり、電解槽46や表示部配置基板52、電解トランス58へ電力を供給するケーブルであるが、これらケーブル62の電解基板53側接続端は、電解基板53の基板上においていずれも、図14において一点鎖線で示す仮想線V4、すなわち、電解水生成器A6の筐体13内の空間(筐体内空間S2)を左右に区画する仮想線V4(仮想平面)によって区画された左側半部の空間(電解水生成器A6の前面から見た際に左側となる筐体内空間S2L)側にて接続するようにしている。
【0118】
また、電解水生成器A6の筐体内空間S2には、ボトムケース57上であって筐体内空間S2L側に電解トランス58を配設している。この電解トランス58は電解電力変換部60へ供給する電力の電圧変換用トランスであり、先の制御系電力変換用トランス61等と同様に電解水生成器A6内に存在するノイズ源の1つでもある。
【0119】
そして、これらのような構成を備える電解水生成器A6によれば、以下のような特徴がある。すなわち、通信部31と管理部38とが実装された表示部配置基板52と、電解槽46とを備えた浄水装置の一態様である電解水生成器A6において、表示部配置基板52には表示部39を配置する一方、別個第2の基板としての電解基板53に電解電力変換部60を配置し、更に図14に示すように、表示部配置基板52と電解基板53とを重畳配置しているため、電解水生成器A6自体をコンパクトなものとすることができる。
【0120】
また、表示部配置基板52に実装された通信部31は、図14に示すように電解水生成器A6の前面-背面方向視において電解基板53と重ならない位置に配置しており、ノイズ源を多く有する電解基板53がRF通信を阻害してしまうことをできるだけ防止することができる。
【0121】
また、表示部配置基板52上の通信部31は、重畳配置された両基板の前面-背面方向視における投影形状にて、電解電力変換部60の対角方向隅部に配置しているため、電解電力変換部60に由来するスイッチングノイズの影響を低減することができる。
【0122】
また、スイッチング方式を採用する電解電力変換部60のスイッチング素子は発熱が比較的多いのであるが、通信部31に配されたRF通信制御用IC(図示せず)が電解電力変換部60からできるだけ離れた位置に配置されることとなる。それゆえ、RF通信制御用ICが温度変化に由来して誤動作することを防止し、より安定したRF通信を行わせることができる。
【0123】
また、電解トランス58を筐体内空間S2の一側半部(筐体内空間S2L)に配置する一方、表示部配置基板52上のうち筐体内空間S2の他側半部(筐体内空間S2R)に配置される領域に通信部31を配設している。
【0124】
従って、RF通信に対する電解トランス58由来のノイズの影響をできるだけ抑制することができ、また、電解トランス58の発熱に由来したRF通信制御用ICの誤動作を防止して、より安定したRF通信を行わせることができる。
【0125】
また、電解トランス58は、筐体内空間S2の一側半部(筐体内空間S2L)の底部近傍位置、本実施形態ではボトムケース57上に配置している。従って、電解水生成器A6の重心をできるだけ低くして倒れにくくすることができ、製品の転倒安定性を向上させることができる。
【0126】
また、制御系電力変換用トランス61は、筐体内空間S2の一側半部(筐体内空間S2L)に配置している。それゆえ、RF通信に対する制御系電力変換用トランス61由来のノイズの影響をできるだけ抑制することができ、また、制御系電力変換用トランス61の発熱に由来したRF通信制御用ICの誤動作を防止して、より安定したRF通信を行わせることができる。
【0127】
また、制御系電力変換用トランス61は、電解基板53上のうち筐体内空間の一側半部(筐体内空間S2L)に配置される領域に実装している。従って、電解基板53と制御系電力変換用トランス61とを接続する配線を短くすることができ、両者を接続する配線から発生するノイズを抑制できると共に、製品自体のコンパクト化を図ることができる。
【0128】
また、表示部配置基板52と電解基板53とのケーブルによる接続や、電解基板53と電解槽46とのケーブル62による接続は、筐体内空間S2の一側半部(筐体内空間S2L)にて行われている。従って、ケーブル62に由来するノイズのRF通信に対する影響をできるだけ抑制することができる。
【0129】
また、本第6実施形態に係る電解水生成器A6の特徴として、通信部31と中空糸膜カートリッジ17に配されたRFタグ17cとの間で行われるRF通信は、複数のカバーを介した状態で行われるようにしている点が挙げられる。
【0130】
図15は、電解水生成器A6の通信部31の実装位置を前面-背面方向と左右方向とを含む平面で切断した状態を示す断面図である。
【0131】
電解水生成器A6において筐体内空間S2は、先ほどの説明では左右に筐体内空間S2Lと筐体内空間S2Rの2つの空間に分けて説明したが、更に別の分け方として、各空間に配置された部材等の機能に着目して分けるならば、筐体内空間S2は通水系配置空間S3aと電気系配置空間S3bとに大別することができる。
【0132】
これら通水系配置空間S3aと電気系配置空間S3bは、図15(a)にて示すように基板カバー54によって区画される空間であり、通水系配置空間S3aには通水管16や電解槽46、中空糸膜カートリッジ17の如く主に通水系の部材が配置される一方、電気系配置空間S3bには表示部配置基板52や電解基板53の如く主に電気系の部材が配置される。なお、これら各空間に配置される部材は厳密に区別されるものではなく、例えば電磁バルブの如く電気的に駆動する部材ながらも通水系配置空間S3aに配置されるものも存在する。
【0133】
また、通水系配置空間S3aは更に、はカートリッジ収容空間S1と残部空間S4とに大別される。
【0134】
これらカートリッジ収容空間S1と残部空間S4は、リアカバー55によって区画される空間であり、カートリッジ収容空間S1は、中空糸膜カートリッジ17が収容され取り付けられるための空間であり、残部空間S4はその他の通水系部材が収容される空間である。
【0135】
そして、このような構成を備えた電解水生成器A6において、更に通信部31は図15(b)の拡大図に示すように、カートリッジ収容空間S1に収容された中空糸膜カートリッジ17が有するRFタグ17cと対応させて表示部配置基板52上に設け、電気系配置空間S3bと通水系配置空間S3aを基板カバー54により区画すると共に、通水系配置空間S3aのうちカートリッジ収容空間S1と残部空間S4をリアカバー55により区画して、通信部31とRFタグ17cとの間に基板カバー54とリアカバー55を介在させた構成としている。
【0136】
従って、電解槽46や通水管16、中空糸膜カートリッジ17等から水漏れが発生した場合であっても通信部31に水がかかりにくく、障害が生じてしまうことをできるだけ防止することができる。
【0137】
次に、電解水生成器A6の電気的構成について更に説明する。図16は、電解水生成器A6の電気的構成のうち主立った構成を示したブロック図である。
【0138】
電解水生成器A6は、電解トランス58、電解基板53、電解槽46、表示部配置基板52を備えており、電解基板53には電解電力変換部60や制御系電力変換用トランス61、表示部配置基板52には通信部31や表示部39が備えられている。
【0139】
電解トランス58は、例えば商用電源65より入力される交流電圧をAC30~40V程度へ降圧するためのトランスである。電解トランス58により降圧された電力は電解電力変換部60へ供給される。
【0140】
電解電力変換部60は全波整流を行い、更にスイッチングによって電解槽46への供給に適した状態に電力を変換するための部位である。電解電力変換部60は電解槽46に接続されており、それぞれに電力を供給する。
【0141】
電解槽46は、複数の板状の電極部46a、46b、46cを有し、食塩添加筒44a又はカルシウム添加筒44bを通過した水の電解を行う部位である。電解槽46により電解を受けた水は浄水である電解水として吐水管26を介して吐出される。また電解槽46は表示部配置基板52と電気的に接続されており、電解中に流れる電流値についての信号を表示部配置基板52に対して送信可能としている。
【0142】
制御系電力変換用トランス61は、例えば商用電源65より入力される交流電圧をAC12V程度へ降圧するためのトランスである。また電解基板53では制御系電力変換用トランス61にて変圧された電力を全波整流したり平滑化して、表示部配置基板52上のICや電磁弁等を駆動させるための電力を供給する。
【0143】
表示部配置基板52に実装された通信部31や表示部39は前述の通りであるため、説明を省略する。なお、電解トランス58や制御系電力変換用トランス61は、図14にて図示したトランスに限定されるものではなく、スイッチング電源に使用する基板に直接実装されたスイッチング用途のトランスも含まれる。
【0144】
次に、電解水生成器A6の表示部配置基板52が備える制御部30により実現される動作について説明する。図17は電解水生成器A6の動作の流れを示したフローである。制御部30にはCPUやROM、RAMなどが備えられており、ROMやRAMを参照しつつCPUが所定のプログラムを実行することにより、下記の中空糸膜カートリッジ17に対する管理処理が実現される。なお、このカートリッジ管理処理は制御部30が行う電解水生成器A6全体の制御処理の一部として実行されるものであるが、ここでは説明を割愛する。
【0145】
カートリッジ管理処理において制御部30は、まず、カートリッジ収容空間S1にて装着されている中空糸膜カートリッジ17の浸含判定処理を行う(ステップS11)。具体的には、中空糸膜カートリッジ17のRFタグ17cとの間でRF通信を行い、RFタグ17cから純正品に固有の情報の読み取る処理を行う。
【0146】
次いで制御部30は、中空糸膜カートリッジ17は純正か否か、すなわち、RF通信により純正品に固有の情報が読み取れたか否かの判断を行う(ステップS12)。ここで純正品に固有の情報が読み取れない場合(ステップS12:No)には、制御部30は処理をステップS13へ移す。
【0147】
ステップS13において制御部30は、表示部39にて使用者に対し純正カートリッジの使用を促す内容の表示、例えば「純正カートリッジを使用してください。」などの表示を行い、処理を分岐前のルーチン等へ戻す。またこのとき、制御部30は、電解水(浄水)の生成が可能な状態に電解水生成器A6を制御しても良いが、生成が不可能な状態に制御することもできる。
【0148】
一方、ステップS12において純正品に固有の情報が読み取れた場合(ステップS12:Yes)、すなわち、装着されている中空糸膜カートリッジ17が純正品であることが確認された場合には、処理をステップS14へ移す。
【0149】
ステップS14において制御部30は、RFタグ17cから各種履歴情報、例えば積算通水量や積算通水時間の読み出しを行う。
【0150】
次に制御部30は、読み出した各種履歴情報を、予めRAMやROMに記憶されている所定値、すなわちカートリッジ交換の目安となる閾値と比較する処理を行う(ステップS15)。
【0151】
次に制御部30は、比較の結果、各種履歴情報の値が所定値を越えたか否かについて判断を行う(ステップS16)。ここで所定値を越えたと判断した場合(ステップS16:Yes)には、制御部30は処理をステップS17へ移す。
【0152】
ステップS17において制御部30は、表示部39にて使用者に対し中空糸膜カートリッジ17の交換を促す内容の表示、例えば「カートリッジを交換してください。」などの表示を行い、処理を分岐前のルーチン等へ戻す。またこのとき、制御部30は、電解水(浄水)の生成が可能な状態に電解水生成器A6を制御しても良いが、生成が不可能な状態に制御することもできる。
【0153】
一方、ステップS16において所定値を越えていないと判断した場合(ステップS16:No)には、制御部30は処理をステップS18へ移す。
【0154】
ステップS18において制御部30は、使用者による電解水生成器A6の通水や電解に伴い、流量センサー18から送信される流量信号に基づき通水時間や通水量をカウントする。
【0155】
次いで制御部30は、使用者が電解水生成器A6の通水や電解を停止させた際に、RFタグ17cとの間でRF通信を行って、RFタグ17cに記憶されている積算通水量や積算通水時間などの各種履歴情報の書き込みを行い、これら情報を更新する(ステップS19)。本ステップS19を終えると、制御部30は処理を分岐前のルーチン等へ戻す。
【0156】
そして、このような構成を備えた電解水生成器A6によれば、純正品の真贋判定が行われることにより、サードパーティにより互換品と称して市場に供給されている非純正カートリッジを検出することができ、浄水効果など消耗材カートリッジに求められる効果が疑わしいものや、粗悪品の存在の可能性がある非純正カートリッジの使用について使用者に対し警告や制止を行うことができる。
【0157】
なお、これらの処理については、所謂IoT化のための技術を適宜採用しても良い。例えば、電解水生成器A6をインターネットと接続可能な構成とし、表示部39に採用したタッチパネルを介してユーザが所定のカートリッジを発注できるよう構成することもできる。
【0158】
また、スマートフォンとの連携(通信)が可能な構成としても良い。例えば、スマートフォンにインストールしたアプリケーションで現在の使用流量や使用時間を確認したり、使用状況の推移を確認可能とすることもできる。また、交換の目安となる所定値に達する前にスマートフォンを介して使用者に対し、新たなカートリッジの購入促したり、カートリッジの発注を行えるようにすることもできる。
【0159】
また、電解水生成器A6がRFタグ17cに対して書き込む情報は、上述した履歴情報の他、更なる情報を含ませることもできる。例えば、積算電解時間や製品のエラー情報であったり、水の伝導率センサーやpHセンサーを備える場合には、これら伝導率やpHなどの測定結果を記憶させることもできる。
【0160】
また、電解水生成器A6には、設置場所を特定するための手段、例えばGPS(Global Positioning System)を搭載させることもできる。例えば、GPSより得た位置情報に基づいて、その地域の水の性状やpH特性に応じた処理を行わせることもできる。
【0161】
また、各種情報を消耗材カートリッジのRFタグに記憶させることとすれば、例えば浄水装置やカートリッジの販売業者は、使用済みのカートリッジをリサイクルとして回収した際に、記憶されたデータを読み出して、製品をユーザ宅に設置している状態であっても、ユーザの使用状況等の情報を得ることができ、今後の製品開発や、現行製品の不具合改善などに役立てることができる。
【0162】
〔第7実施形態〕
第7実施形態は、第1実施形態から第6実施形態に係る浄水装置に取り付けされるカートリッジに関するものであり、特にRFタグの保護構造に関する。図18は、消耗材カートリッジの一態様であるイオン水カートリッジの各種構成を示した説明図である。
【0163】
図18(a)に示すイオン水カートリッジ71は、一般的な円柱形のカートリッジであり、底面に流入口71aと流出口71bが設けられている。また、イオン水カートリッジ71の胴部にはRFタグ71cが配設されているが、同RFタグ71cは胴部に形成された凹部71d内に配設されており、胴部の全体的な形成曲面よりも半径方向に低い位置としている。
【0164】
また図18(b)に示すイオン水カートリッジ72は、底面に流入口72a、天面に流出口72bが形成されている点でイオン水カートリッジ71と構成を異にするが、RFタグ72cが凹部72d内に配設されている点で同じ構成としている。
【0165】
そして、これらイオン水カートリッジ71やイオン水カートリッジ72によれば、図18(c)に示すように、テーブルなどの平面に胴部が接触する状態で載置した場合であっても、RFタグ71c,72cが平面と接触することがなく、RFタグが傷ついてしまうことを防止できる。
【0166】
特に、RFタグにはICが内蔵されており丁寧な取扱が求められる一方で、カートリッジは円柱形のものが多く転がりやすく、RFタグを胴部に配設する場合、床面との接触によりRFタグが傷つくことが想定されるが、このような構成とすることにより、内蔵されているICを適切に保護することができる。
【0167】
また、このような凹部は胴部のみならず天面に設けるようにしても良い。すなわち、図18(d)に示すように、一方の面(ここでは底面)に流入口73aと流出口73bを設け、他方の面(ここでは天面)に凹部73dを形成してRFタグ73cを配設することも可能である。そして、このイオン水カートリッジ73のような構成によれば、イオン水カートリッジ71やイオン水カートリッジ72と比較して、転がる面とは異なる面にRFタグ73cが設けられているため、RFタグが傷つくことを更に回避することができる。
【0168】
なお、上述したイオン水カートリッジ71,72,73は一例であり、上述した消耗材カートリッジ一般に適用することができるのは勿論である。
【0169】
〔第8実施形態〕
第8施形態は、第7実施形態と同様にRFタグの保護構造に関する。図19は、消耗材カートリッジの一態様であるイオン水カートリッジであって、上下2つの分割カートリッジ、例えば中空糸膜分割カートリッジと活性炭分割カートリッジを組み合わせて使用する構成の複合カートリッジにおけるRFタグの保護構造の各種構成を示した説明図である。
【0170】
図19(a)は、中空糸膜分割カートリッジ81と活性炭分割カートリッジ82を組み合わせて使用する構成の複合カートリッジ80であり、中空糸膜分割カートリッジ81側の底面には流入口80aが、活性炭分割カートリッジ82側の天面には流出口80bが形成されている。また、中空糸膜分割カートリッジ81の天面部と活性炭分割カートリッジ82の底面部との間には水密性を有する継手構造が備えられており、中空糸膜分割カートリッジ81と活性炭分割カートリッジ82を分離、結合可能な構成としている。
【0171】
また、中空糸膜分割カートリッジ81と活性炭分割カートリッジ82との継手部分には、中空糸膜分割カートリッジ81や活性炭分割カートリッジ82の胴部周面に比して半径方向外方へ周回りに突出した継手フランジ部80eが形成されている。
【0172】
また、中空糸膜分割カートリッジ81の胴部には凹部81dにRFタグ81cが配設されており、この凹部81dの軸線方向における胴部表面での形成位置は底面よりも継手フランジ部80eに近い位置としている。
【0173】
そして、このような構成を備えた複合カートリッジ80によれば、継手フランジ部80eの部分は高い強度を有しているため、通水時の水圧による複合カートリッジ80の変形や膨らみなどの影響を受けることなく、安定したRF通信を行うことができる。
【0174】
図19(b)は、複合カートリッジ80と略同様の構成を備えるものであって、中空糸膜分割カートリッジ84と活性炭分割カートリッジ85を組み合わせて使用する構成の複合カートリッジ83であり、流入口83aや流出口83b、継手フランジ部83eを備え、中空糸膜分割カートリッジ84の胴部にはRFタグ84cが配設されてなるものであるが、凹部81dに代えてマーカー81fが付されている。
【0175】
そして、このような構成によれば、RFタグ84cを貼着により配設する場合、カートリッジ製造の際の作業者が貼着位置を容易に認識することができ、作業性の向上を図ることができる。
【0176】
図19(c)は、複合カートリッジ80と略同様の構成を備えるものであって、中空糸膜分割カートリッジ87と活性炭分割カートリッジ88を組み合わせて使用する構成の複合カートリッジ86であり、流入口86aや流出口86b、継手フランジ部86eを備え、中空糸膜分割カートリッジ87の胴部にはRFタグ87cが配設されてなるものであるが、図19(c)の下図に示すように凹部81dに代えて中空糸膜分割カートリッジ87の周回り曲面の一部を平面87gとし、同平面87gにRFタグ87cを配設することとしている。
【0177】
また、中空糸膜分割カートリッジ87の胴部曲面の底面側周縁位置には胴部周面に比して半径方向外方へ周回りに突出した流入口側フランジ86fが形成されており、活性炭分割カートリッジ88の胴部曲面の天面側周縁位置には胴部周面に比して半径方向外方へ周回りに突出した流出口側フランジ86gが形成されている。
【0178】
そして、このような構成によれば、RFタグ87cを貼着により配設する場合、カートリッジ製造の際の作業者が貼着位置を容易に認識することができ、作業性の向上を図ることができる。また、RFタグ87cを平面に貼ることができるため、RFタグ87cを曲面に貼着する場合に比して、撓みによるRFタグ87cへの負荷を減らすことができる。また、流入口側フランジ86fと流出口側フランジ86gとにより、中空糸膜分割カートリッジ81や活性炭分割カートリッジ82の胴部が相対的に凹部状となるため、複合カートリッジ86をテーブル等の平面に寝かせて載置してもRFタグ87cが平面と接触することがなく、RFタグ87cの損傷をできるだけ抑制することができる。
【0179】
図19(d)は、複合カートリッジ86と略同様の構成を備えるものであって、中空糸膜分割カートリッジ90と活性炭分割カートリッジ91を組み合わせて使用する構成の複合カートリッジ89であり、流入口89aや流出口89b、継手フランジ部89eを備え、中空糸膜分割カートリッジ90の胴部には平面90gにRFタグ90cが配設されてなるものであり、流入口側フランジ89fと流出口側フランジ89gを備えるものであるが、更に活性炭分割カートリッジ91の周回りにも曲面の一部を平面91gとし、同平面91gにRFタグ91cを配設している。
【0180】
そして、このような構成によれば、両方の分割カートリッジにRFタグを設けることとなるため、各分割カートリッジの消耗材が異なっており、単独で交換を行う場合であっても、それぞれ別個に管理を行うことができる。なおこの場合、それぞれのRFタグは、RF通信の電波が相互に干渉しない位置に配設すべきである。また併せて、本第8実施形態における各複合カートリッジは、いずれも同複合カートリッジの一側端面に流入口を形成し、他側端面に流出口を形成したものであったが、図18(a)に示したように、一側又は他側の端面に流入口と流出口の両方を設けるようにしても良いのは勿論である。
【0181】
上述してきたように、本実施形態に係る浄水装置によれば、消耗材カートリッジに通じた水を吐水する浄水装置において、前記消耗材カートリッジが有するRFタグとの間で無線通信を行う通信部と、前記通信により得た情報に基づいて前記消耗材カートリッジの管理を行う管理部とを一の基板上に実装したため、通信部と管理部を備えながらも、基板数に由来する製造コストの上昇を抑制可能な浄水器や電解水生成器を提供することができる。
【0182】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0183】
例えば、第6実施形態にて説明した電解水生成器A6において、表示部配置基板52と電解基板53は別基板としているが、1つの基板にて構成するようにしても良い。
【0184】
すなわち、通信部31と管理部38とが実装された基板と、電解槽46とを備えた浄水装置の一態様である電解水生成器において、前記基板上には、前記電解槽46への供給に適した状態に電力を変換する電解電力変換部60と、前記管理部38にて生成された中空糸膜カートリッジ17に関する管理情報を表示する表示部39とが配置される構成とすることもできる。
【0185】
また、この場合、電解電力変換部60は基板の一隅部近傍に配置すると共に、通信部31は電解電力変換部60を配置した隅部と対角にある隅部近傍に配置することで、電解電力変換部60に由来するスイッチングノイズの影響を低減させることができる。
【0186】
また、浄水装置は上記各実施形態にて説明した浄水器や電解水生成器のとしての機能を発揮するものに限定されるものではなく、供給される水を装置内に導入し、浄化して吐水する構成を備えるものは、本発明に係る浄水装置に含まれる。ただし、本出願人が本願を権利化するにあたり、浄水装置の態様を限定することも妨げない。
【0187】
また、浄水器や電解水生成器などの浄水装置に備えられる通信部や消耗材カートリッジの数は特に限定されるものではなく、1つでも良いし、2つや3つ、場合によっては4つ以上など更に多くの通信部や消耗材カートリッジを備えても良いのは勿論である。
【0188】
なお、本発明に係る浄水装置は、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:SustainableDevelopment Goals)の目標6(安全な水とトイレを世界中に)に貢献することができる。
【符号の説明】
【0189】
17 中空糸膜カートリッジ
17c RFタグ
18 流量センサー
31 通信部
37 制御基板
38 管理部
39 表示部
41 活性炭カートリッジ
42 電源部
43 焼成サンゴカートリッジ
46 電解槽
47 操作部
52 表示部配置基板
53 電解基板
54 基板カバー
55 リアカバー
57 ボトムケース
58 電解トランス
60 電解電力変換部
61 制御系電力変換用トランス
62 ケーブル
A1~A5 浄水器
A6 電解水生成器
S1 カートリッジ収容空間
S2 筐体内空間
S2L 筐体内空間
S2R 筐体内空間
S3a 通水系配置空間
S3b 電気系配置空間
S4 残部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19