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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155700
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20231016BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A01C11/02 311Z
A01C11/02 311W
A01B69/00 303T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065182
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】今泉 大介
(72)【発明者】
【氏名】石井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】三宅 浩喜
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA10
2B043AB20
2B043BA02
2B043BB06
2B043DC03
(57)【要約】
【課題】 車体の走行を行いながら苗を植付ける、田植え機などのような作業車両が、知られている。しかしながら、上述された従来の田植え機などのような作業車両については、十分な使い勝手の良さは必ずしも実現されていない。
【解決手段】 車体100の走行を行いながら苗を植付ける田植え機であって、車体100の前部の上方に配置されたアンテナ300を支持するアンテナフレーム機構400を備えており、アンテナフレーム機構400は、左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420を有し、左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420の形状は、車体左右方向に関する側面視において、車体100の前方へ突出する曲がり形状である田植え機である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部の上方に配置されたアンテナ(300)を支持するアンテナフレーム機構(400)を備えており、
前記アンテナフレーム機構(400)は、左アンテナ支柱(410)および右アンテナ支柱(420)を有し、
前記左アンテナ支柱(410)および前記右アンテナ支柱(420)の形状は、車体左右方向に関する側面視において、前記車体(100)の前方へ突出する曲がり形状であることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記車体(100)の前記前部に配置されたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を囲むエンジンフード(500)と、
を備えており、
前記エンジンフード(500)は、上側フード部(510)、前側フード部(520)、左側フード部(530)および右側フード部(540)を有し、
前記上側フード部(510)は、上方へ向かって回動可能であり、
前記左アンテナ支柱(410)と前記右アンテナ支柱(420)との間の前記車体左右方向に関する距離(400D)は、前記左側フード部(530)と前記右側フード部(540)との間の前記車体左右方向に関する距離(500D)より小さいが、前記上側フード部(510)の前記車体左右方向に関する幅(500W)より大きいことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部に配置されたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を囲むエンジンフード(500)と、
を備えており、
前記エンジンフード(500)は、上側フード部(510)、前側フード部(520)、左側フード部(530)および右側フード部(540)を有し、
前記エンジン(210)の後方には、前記エンジン(210)の電装部品(610)が配置されており、
前記エンジン(210)と前記電装部品(610)との間には、仕切り部材(710)が設けられていることを特徴とする作業車両。
【請求項4】
車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部に配置されたエンジン(210)を備えており、
前記エンジン(210)のラジエーター冷却ファン(820)の一部は、車体左右方向に関する側面視において、前記エンジン(210)のラジエーター(810)を基準として前記車体(100)の前方へまたは後方へ出ているように設けられており、
前記ラジエーター冷却ファン(820)の冷却風は、前記ラジエーター(810)を通らずに、前記ラジエーター冷却ファン(820)の前記前方へまたは後方へ出ている一部を通って引込まれることを特徴とする作業車両。
【請求項5】
車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)へ昇降可能に取付けられた苗植付け装置(240)と、
前記苗植付け装置(240)の補植苗供給制御を行う制御機構(900)と、
を備えており、
前記補植苗供給制御は、枕地における角部の補植が必要になる補植エリア(240A)に対して、前記苗植付け装置(240)が上昇されて苗植付け位置にない状態で、補植のための補植苗を落下させる制御であることを特徴とする作業車両。
【請求項6】
前記苗植付け装置(240)は、複数の苗植付け具(241)を有し、
前記補植苗供給制御は、前記複数の苗植付け具(241)の一部の駆動を利用して行われることを特徴とする請求項5に記載の作業車両。
【請求項7】
前記枕地での苗植付け走行が行われておらず、前記苗植付け装置(240)が上昇されている状態で、前記補植苗は前記補植エリア(240A)に対して落下させられることを特徴とする請求項5または6に記載の作業車両。
【請求項8】
前記苗植付け装置(240)が上昇されており、前記枕地での旋回走行が行われている状態で、前記補植苗は前記補植エリア(240A)に対して落下させられることを特徴とする請求項5または6に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機などのような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車体の走行を行いながら苗を植付ける、田植え機などのような作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-74808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述された従来の田植え機などのような作業車両については、十分な使い勝手の良さは必ずしも実現されていない。
【0005】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、使い勝手の良さを向上することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部の上方に配置されたアンテナ(300)を支持するアンテナフレーム機構(400)を備えており、
前記アンテナフレーム機構(400)は、左アンテナ支柱(410)および右アンテナ支柱(420)を有し、
前記左アンテナ支柱(410)および前記右アンテナ支柱(420)の形状は、車体左右方向に関する側面視において、前記車体(100)の前方へ突出する曲がり形状であることを特徴とする作業車両である。
【0007】
第2の本発明は、前記車体(100)の前記前部に配置されたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を囲むエンジンフード(500)と、
を備えており、
前記エンジンフード(500)は、上側フード部(510)、前側フード部(520)、左側フード部(530)および右側フード部(540)を有し、
前記上側フード部(510)は、上方へ向かって回動可能であり、
前記左アンテナ支柱(410)と前記右アンテナ支柱(420)との間の前記車体左右方向に関する距離(400D)は、前記左側フード部(530)と前記右側フード部(540)との間の前記車体左右方向に関する距離(500D)より小さいが、前記上側フード部(510)の前記車体左右方向に関する幅(500W)より大きいことを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
【0008】
第3の本発明は、車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部に配置されたエンジン(210)と、
前記エンジン(210)を囲むエンジンフード(500)と、
を備えており、
前記エンジンフード(500)は、上側フード部(510)、前側フード部(520)、左側フード部(530)および右側フード部(540)を有し、
前記エンジン(210)の後方には、前記エンジン(210)の電装部品(610)が配置されており、
前記エンジン(210)と前記電装部品(610)との間には、仕切り部材(710)が設けられていることを特徴とする作業車両である。
【0009】
第4の本発明は、車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)の前部に配置されたエンジン(210)を備えており、
前記エンジン(210)のラジエーター冷却ファン(820)の一部は、車体左右方向に関する側面視において、前記エンジン(210)のラジエーター(810)を基準として前記車体(100)の前方へまたは後方へ出ているように設けられており、
前記ラジエーター冷却ファン(820)の冷却風は、前記ラジエーター(810)を通らずに、前記ラジエーター冷却ファン(820)の前記前方へまたは後方へ出ている一部を通って引込まれることを特徴とする作業車両である。
【0010】
第5の本発明は、車体(100)の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、
前記車体(100)へ昇降可能に取付けられた苗植付け装置(240)と、
前記苗植付け装置(240)の補植苗供給制御を行う制御機構(900)と、
を備えており、
前記補植苗供給制御は、枕地における角部の補植が必要になる補植エリア(240A)に対して、前記苗植付け装置(240)が上昇されて苗植付け位置にない状態で、補植のための補植苗を落下させる制御であることを特徴とする作業車両である。
【0011】
第6の本発明は、前記苗植付け装置(240)は、複数の苗植付け具(241)を有し、
前記補植苗供給制御は、前記複数の苗植付け具(241)の一部の駆動を利用して行われることを特徴とする第5の本発明の作業車両である。
【0012】
第7の本発明は、前記枕地での苗植付け走行が行われておらず、前記苗植付け装置(240)が上昇されている状態で、前記補植苗は前記補植エリア(240A)に対して落下させられることを特徴とする第5または第6の本発明の作業車両である。
【0013】
第8の本発明は、前記苗植付け装置(240)が上昇されており、前記枕地での旋回走行が行われている状態で、前記補植苗は前記補植エリア(240A)に対して落下させられることを特徴とする第5または第6の本発明の作業車両である。
【発明の効果】
【0014】
第1の本発明により、使い勝手の良さを向上することが可能である。
【0015】
第2の本発明により、第1の本発明の効果に加えて、利便性を向上することが可能である。
【0016】
第3の本発明により、使い勝手の良さを向上することが可能である。
【0017】
第4の本発明により、使い勝手の良さを向上することが可能である。
【0018】
第5の本発明により、使い勝手の良さを向上することが可能である。
【0019】
第6の本発明により、第5の本発明の効果に加えて、利便性を向上することが可能である。
【0020】
第7の本発明により、第5または第6の本発明の効果に加えて、融通性を向上することが可能である。
【0021】
第8の本発明により、第5または第6の本発明の効果に加えて、融通性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明における実施の形態の田植え機の模式的な左側面図
図2】本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分左側面図
図3】本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分正面図
図4】本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分平面図
図5】(a)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その二)
図6】(a)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その二)
図7】(a)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分正面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分正面図(その二)
図8】本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分斜視図
図9】(a)本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その二)
図10】(a)本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その一)、(b)本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その二)、(c)本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その三)
図11】本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分正面図
図12】本発明における実施の形態の第四変形例の田植え機の模式的な部分平面図
図13】本発明における実施の形態の第五変形例の田植え機の自動運転操作において利用されるタブレット入力画面の説明図(その一)
図14】本発明における実施の形態の第五変形例の田植え機の自動運転操作において利用されるタブレット入力画面の説明図(その二)
図15】本発明における実施の形態の第五変形例の田植え機の自動運転操作において利用されるタブレット入力画面の説明図(その三)
図16】本発明における実施の形態の第五変形例の田植え機の自動運転操作において利用されるタブレット入力画面の説明図(その四)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0025】
(1)はじめに、図1を参照しながら、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0026】
ここに、図1は、本発明における実施の形態の田植え機の模式的な左側面図である。
【0027】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、制御機構900などにより実現される、本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法についても説明する。
【0028】
本実施の形態の田植え機は、操舵装置230における手動操縦操作または自動操縦操作に基づいた制御機構900の制御に応じて、左右一対の前輪221および後輪222を有する走行装置220で走行しながら、整地ローター部材261および整地フロート部材262を有する整地装置260により圃場の整地を行って苗植付け具241を有する苗植付け装置240により圃場への苗植付けを行うとともに施肥装置250により圃場への施肥を行うための田植え機である。
【0029】
走行装置220ならびに苗植付け装置240、施肥装置250および整地装置260は、HSTである主変速装置および副変速装置を有する変速機構を介して伝達されるエンジン210の動力により駆動される。
【0030】
本実施の形態の田植え機は、車体100の走行を行いながら苗を植付ける作業車両であって、本発明における作業車両の具体的な例である。
【0031】
(2)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0032】
(2a)はじめに、図2、3および4を主として参照しながら、アンテナフレーム機構400について説明する。
【0033】
ここに、図2は本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分左側面図であり、図3は本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分正面図であり、図4は本発明における実施の形態の第一変形例の田植え機の模式的な部分平面図である。
【0034】
図2においては、開閉可能な上側フード部510の回動方向が両向き矢印で示されている。
【0035】
車体100の前部の上方に配置されたアンテナ300を支持するアンテナフレーム機構400は、左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420を有する。
【0036】
エンジン210が車体100の前部に配置されている、フロントエンジン仕様での操作コラム460の上方へ構成されたくの字形状のアンテナステーとしての左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420の実装のためのより具体的な構成は、つぎのように実現される。
【0037】
左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420の形状は、車体左右方向に関する側面視において、車体100の前方へ突出する曲がり形状である。
【0038】
GNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナなどのようなアンテナ300は車体100の前部の上方に配置されており、アンテナフレーム機構400の左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420はくの字形状に形成されている。左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420の支柱下端はエンジン210の後方の操作コラム460の上部へ固定されており、アンテナ支柱本体は斜め上方へ向かって延びる。操作コラム460の上部と操作ハンドル450より少し高い箇所との間に位置する、アンテナ支柱本体の下側部分は、前方へ向かって延びている。このような操作ハンドル450より少し高い箇所の上方に位置する、アンテナ支柱本体の上側部分は、後方へ向かって延びている。二本の支柱である、左アンテナ支柱410と右アンテナ支柱420との間の幅としての幅500Wは、エンジン210が収納されている大きなボンネットであるエンジンフード500の幅としての距離500Dより狭い。
【0039】
車体100の前部に配置されたエンジン210を囲むエンジンフード500は、上側フード部510、前側フード部520、左側フード部530および右側フード部540を有する。
【0040】
左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420が操作コラム460の上部から斜め上方へ向かって延びるように構成されていることにより、車体前方において邪魔になりやすい配置で支柱構成を行う必要はなくなるので、エンジンフード500の取外しなどをともなうエンジン210のメンテナンスが車体100の前部から行われるとき、支柱越しの作業は不要であり、作業性が広い作業空間の確保にともなって向上するという効果が期待される。
【0041】
上側フード部510は、上方へ向かって回動可能である。
【0042】
左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420はくの字形状に形成されており、十分に広い空間400Sが操作ハンドル450の前方に確保されているので、植付け作業が圧迫感のようなオペレーターの不快感なしに行われるという効果が期待される。そして、オペレーターと左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420との間の距離が十分に確保されていることにより、ロボットモニター471、操作モニター472、直進モニター473、可変施肥タブレット474、大型バックミラー475などのようなさまざまな部材が左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420などへ取付けられても、前方の障害物が十分に広く確保された空間400Sのために視認しやすい部材配置が実現されるという効果が期待される。
【0043】
左アンテナ支柱410と右アンテナ支柱420との間の車体左右方向に関する距離400Dは、左側フード部530と右側フード部540との間の車体左右方向に関する距離500Dより小さいが、上側フード部510の車体左右方向に関する幅500Wより大きい。
【0044】
エンジン210の上方に位置する、エンジンフード500の前上面としての上側フード部510のみが開閉されることにより、幅が狭いくの字形状の支柱である、左アンテナ支柱410および右アンテナ支柱420が存在しない範囲でのエンジンフード500の開閉が支障なしに行われるので、エンジン210のメンテナンスおよびその他のさまざまな作業における優れた作業性が保証される、有効な空間利用が実現されるという効果が期待される。
【0045】
(2b)つぎに、図5(a)および5(b)、6(a)および6(b)、7(a)および7(b)、ならびに8を主として参照しながら、仕切り部材710について説明する。
【0046】
ここに、図5(a)および5(b)は本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その一および二)であり、図6(a)および6(b)は本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その一および二)であり、図7(a)および7(b)は本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分正面図(その一および二)であり、図8は本発明における実施の形態の第二変形例の田植え機の模式的な部分斜視図である。
【0047】
図5(b)においては、取外し可能な上側フード部510の範囲が斜線で示されている。
【0048】
エンジン210の後方には、エンジン210の電装部品610が配置されている。
【0049】
電装品ヒューズボックスのような電装部品610に影響を与える、エンジン210のエンジン熱に対処するためのより具体的な構成は、つぎのように実現される。
【0050】
エンジン210と電装部品610との間には、仕切り部材710が設けられている。
【0051】
エンジンフード500の内部において、鉄板751およびターポリン752などのような仕切り部材710は、前側に配置されたエンジン210と、後側に配置された操舵装置230の操作部との間の部分に設けられている。エンジンフード500の内部における部屋が分割されていることにより、エンジン210の排熱が操作部側であるオペレーター側へ伝わりにくくなる。そして、エンジン部ヒューズボックスとしての電装部品610が仕切り部材710の後側である操作部側の部屋の近傍に配置されているのみならず、鉄板751がヒューズボックス前面において切欠かれ、ターポリン752が被せられている。このため、仕切り部材710の内、ヒューズボックス前面の仕切り部はターポリン752を捲ることのみにより容易に取除かれる。
【0052】
電装部品610は熱ができるだけ伝わりにくい箇所に配置されていることにより、熱の影響による電装部品610の不具合は惹起されにくいという効果が期待される。そして、仕切り部材710の前方に位置する、エンジン210の上方のアッパーフードである上側フード部510のみが取外されてエンジンメンテナンスが行われるとき、ターポリン752が捲られることにより仕切りの一部は取除かれるので、作業者の手は支障なしに電装部品610へ届き、ヒューズ確認を容易に行うことができるという効果が期待される。
【0053】
(2c)つぎに、図9(a)および9(b)、10(a)から10(c)、ならびに11を主として参照しながら、ラジエーター810およびラジエーター冷却ファン820について説明する。
【0054】
ここに、図9(a)および9(b)は本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分平面図(その一および二)であり、図10(a)から10(c)は本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分左側面図(その一から三)であり、図11は本発明における実施の形態の第三変形例の田植え機の模式的な部分正面図である。
【0055】
図9(b)においては、ラジエーター冷却ファン820の冷却風の流れ向きが矢印で示されている。図10(c)においては、ラジエーター冷却ファン820の一部が車体100の前方へ出ている範囲が斜線で示されている。
【0056】
エンジン210のラジエーター冷却ファン820の一部は、車体左右方向に関する側面視において、エンジン210のラジエーター810を基準として車体100の前方へまたは後方へ出ているように設けられている。
【0057】
ラジエーター冷却ファン820のオフセット配置によるゼネレーター850およびマフラー配管860の冷却のためのより具体的な構成は、つぎのように実現される。
【0058】
ラジエーター冷却ファン820の冷却風は、ラジエーター810を通らずに、ラジエーター冷却ファン820の前方へまたは後方へ出ている一部を通って引込まれる。
【0059】
ラジエーター冷却ファン820はラジエーター810に対して前方へ向かってズラされて配置されており、ラジエーター冷却ファン820はラジエーター810のラジエーターフィン面から前方へ向かって飛出している。そして、車体側面視において、ゼネレーター850およびマフラー配管860はラジエーター冷却ファン820が飛出しているファン飛出し範囲と重なるまたはその近傍に位置するように車体左右方向に並んで配置されている。
【0060】
ラジエーター冷却ファン820はラジエーター810のラジエーターフィン面から飛出すように配置されていることにより、ラジエーターフィン部を通過しない冷たい外気が上述されたファン飛出し範囲の空気として吸込まれて流される。このため、ラジエーター冷却ファン820の冷却風の流れの先端に配置されたマフラー配管860の熱くなりやすいマフラーの冷却効率が向上するという効果が期待される。そして、ゼネレーター850などの電装品がこのような箇所に配置されていることにより、電装品加熱は抑制されて電装品破損は発生しにくいという効果が期待される。
【0061】
(2d)つぎに、図12を主として参照しながら、補植苗供給制御について説明する。
【0062】
ここに、図12は、本発明における実施の形態の第四変形例の田植え機の模式的な部分平面図である。
【0063】
図12においては、苗が植付けられる植付けポイントが丸印で示されている。たとえば、補植苗が植付けられる植付けポイントが補植エリア240Aにおける24(=3×8)個の丸印で示されている。
【0064】
制御機構900は、車体100へ昇降可能に取付けられた苗植付け装置240の補植苗供給制御を行う。
【0065】
乗用田植え機における補植苗の供給制御のためのより具体的な構成は、つぎのように実現される。
【0066】
補植苗供給制御は、枕地における角部の補植が必要になる補植エリア240Aに対して、苗植付け装置240が上昇されて苗植付け位置にない状態で、補植のための補植苗を落下させる制御である。
【0067】
矢印A1に沿う前進が中断され、矢印A3に沿う旋回が矢印A2に沿う後進の後に行われ、矢印A4に沿う前進が再開される、いわゆる畦際三工程による畦際の植付けが行われるとき、車体長さとの関係のために植付けを行うことができず補植が必要になる区間として、補植エリア240Aが生じる。苗植付け域の最前端とほぼ一致する、旋回のための後進限界域の前方に位置する補植エリア240Aに対して、補植苗が車体100から落下させられることにより、補植作業が容易化される。
【0068】
このような補植苗の一株の植付け本数は通常の植付け作業における一株の植付け本数と一致するように確保され、苗生育面における安定化が実現されることが望ましい。
【0069】
副変速レバー952の部分には、補植苗供給状態を認識するために、苗植付け装置240の昇降リンクアクチュエーター960と連動する部材が設けられている。主変速レバー951が補植苗供給状態において操作されると、車体100は停止しているにもかかわらず、苗植付け具241による苗の掻取り動作が一定回数の苗植付け駆動回転で行われる。このような動作においては、たとえば、ピタ植えとも呼ばれるその場植えのための動作制御による既存の技術が応用される。
【0070】
上述された構成において、昇降リンク最上昇状態が昇降リンクアクチュエーター960を利用することにより認識され、補植苗供給制御は苗植付け装置240の植付け部の上昇状態で行われる。そして、苗植付け駆動回転が停止された後に、制御の終了が制御終了報知ユニットにより報知される。このような制御終了報知により、制御は補植苗が有効に落下された状態で確実に終了させられ、植付け作業が再開される。
【0071】
上述された構成において、苗植付け駆動回転の回転数により決定される、供給される補植苗の本数を調節するためのユニットが車体100へ設けられている。このような回転数の増減は作業者による株間設定に応じて行われるので、無駄な資財の消費削減が実現される。
【0072】
なお、補植苗供給制御は、苗植付け装置240が有する複数の苗植付け具241の一部の駆動を利用して行われてもよい。
【0073】
枕地での苗植付けの態様はさまざまであり、たとえば、最外周の苗植付けが行われた後に、最外周の内側の一周の苗植付けが行われる態様が考えられる。このような態様においては、最外周の苗植付けが行われるとき、最外周の内側の一周の苗植付けのための軌跡目印ラインが引かれるように、水車マーカーとも呼ばれる線引きマーカー970が内側へ向かって振出されることが望ましい。
【0074】
田植え機車体幅の苗植付け条数と対応する苗植付け具241の個数および圃場の大きさなどを考慮し、上述された最外周の苗植付けが行われるとき、アゼクラッチとも呼ばれる部分条クラッチが必要に応じて利用される。たとえば、最外周の苗植付けが行われるとき、内側の部分条クラッチのオフを利用して、最外周の内側の一周の苗植付けを見越しての苗植付け条数を減らす調節が行われ、最外周の内側の一周の苗植付けはこのような調節なしに田植え機車体幅の苗植付け条数で行われる。
【0075】
上述された構成において、部分条クラッチを利用することにより、たとえば、車体左側または車体右側の端の二条のみの植付け条に対応する苗植付け駆動回転が行われる。補植苗の落下位置が集中するので、補植苗の拾上げ作業は容易であり、作業性が向上する。
【0076】
上述された構成において、車体中心位置を基準としての車体左側または車体右側の内、線引きマーカー970が振出されていた側の反対側である、畦に近い側への補植苗の落下が行われる。あるいは、部分条クラッチのオフを利用して、苗が矢印A1に沿う前進工程において植えられなかった側の反対側である、畦に近い側への補植苗の落下が行われる。このため、畦側からの補植苗の拾上げ作業は容易である。
【0077】
上述された構成において、植込み桿とも呼ばれる苗植付け具241が弧を描くように、苗植付け装置240の昇降リンクの昇降は行われるので、苗植付け具241が車体100に対して上昇されて苗植付けが行われないときの苗植付け具241の位置は、苗植付けが行われるときの苗植付け具241の位置と比べて、車体100の進行側である車体前側に位置する。補植苗の位置が補植を行う作業者にとって理解しやすいように、補植苗は補植エリア240Aへ供給される。そして、直前に植付けられた苗が倒されないように、補植苗を供給することができる。
【0078】
枕地での苗植付け走行が行われておらず、苗植付け装置240が上昇されている状態で、補植苗は補植エリア240Aに対して落下させられる。
【0079】
自動制御技術が自動旋回において応用される態様において、補植苗が補植エリア240Aに対して落下させられる補植苗供給状態の認識が行われるタイミングは、たとえば、部分条クラッチが利用された後に、苗植付け装置240が上昇されたタイミングである。
【0080】
位置情報を利用するロボット田植え機制御技術が自動旋回において応用される態様において、このような補植苗供給状態の認識が行われるタイミングは、たとえば、畦際の苗植付けが行われるとき、矢印A1に沿う前進工程が終了した後に、苗植付け装置240が矢印A3に沿う旋回のために上昇されたタイミングである。
【0081】
上述された構成において、補植苗が補植エリア240Aに対して落下させられた後に、180度未満の車体旋回が行なわれ、矢印A1に沿う前進工程に続く、矢印A4に沿う前進工程による畦際の苗植付け作業が行われる。
【0082】
たとえば、施肥駆動アクチュエーターが走行部に設けられている態様において、上述された苗植付け装置240が上昇されたタイミングで、直前の苗植付け条における施肥作業は補植エリア240Aに対しても行なわれ、肥料なしの苗植付け区間の削減が行われる。
【0083】
なお、苗植付け装置240が上昇されており、枕地での旋回走行が行われている状態で、補植苗は補植エリア240Aに対して落下させられてもよい。
【0084】
このような態様においては、走行系の動力伝達が旋回走行にともなって行われているので、PTO(Power Take Off)系の動力伝達を利用することにより行われる苗植付け装置240の駆動制御は容易である。
【0085】
(3)つぎに、本発明における実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0086】
(3a)はじめに、図13から16を主として参照しながら、自動運転操作のタブレット入力について説明する。
【0087】
ここに、図13から16は、本発明における実施の形態の第五変形例の田植え機の自動運転操作において利用されるタブレット入力画面Sの説明図(その一から四)である。
【0088】
自動運転操作における、自動植付けおよび手動植付けならびに外周走行の指令がタブレットタッチにより簡易操作で行われることにより、作業性が向上する。
【0089】
タッチ操作パネルの方式が、スマートフォンなどの静電容量方式と異なる、抵抗膜方式であることにより、構造の簡素化が実現されるのみならず、埃および水滴に対する耐性が向上して手袋操作を行うことができるので、このような態様は野外の田植えなどにおける操作に適する。
【0090】
画面タッチの方法により指令内容を設定するための態様について具体的に説明する。
【0091】
図13に示されているように、操作パネルのタブレット入力画面Sを矢印の向きに手指でなぞることにより、なぞられた圃場の箇所に対する作業指令が行われる。
【0092】
図13に示されているように、たとえば、作業がなぞり始めからなぞり終わりの向きに行われるように、作業方向および作業向きの指定が行われる。
【0093】
図13に示されているように、苗を植える作業指令においては、オート植付けまたは手動植付けを選択するための選択ボタン表示が押続けによるなぞり操作で行われ、いわゆる空走りは点線操作により指令される。
【0094】
図14に示されているように、GPS(Global Positioning System)地形形状の表示(図13参照)が行われる地形形状部の外に表示された選択表示部の圃場出入口アイコンを地形形状部の所定の箇所までタッチしたまま移動させることにより、突起部のような圃場の出入口部が登録される。このようにされた圃場の出入口部は、作業指令における迂回指令、または自動植付けにおける停止箇所の目安として利用可能である。
【0095】
図14に示されているように、直進制御A点および直進制御B点が設定された後に、往復自動植付けにおける自動値付けが繰返して同じように行われる場合において、たとえば、二本の往復自動植付け経路の作業指令をこの順番で縦方向にタッチした後に、後続の工程の圃場部分の終了箇所までタッチを続けることにより、往復工程がコピー表示される。このようにして、指令内容を設定するための作業の簡略化が実現される。
【0096】
図15に示されているように、既に登録された開始から終了までの圃場1枚の作業指令内容は、異なる圃場の作業指令としてコピー可能である。たとえば、長方形などの形状を有する整備された圃場については、指令内容は実質的に全て同じであり、入力作業の簡素化が相似形拡張の図形処理などで実現される。
【0097】
図15に示されているように、上述の如くコピーされた一連の作業指令の内容は、コピー先である貼付け先の圃場形状と比べて、より小さい大きさで貼付けられて表示され、回転変形および延長変形などの変形が圃場形状に整合するように行われる。
【0098】
図14に示されているように、上述された変形が行われる場合において、畦際手動植付けによる畦際作業については変形なしに固定的な貼付けが行われ、往復自動植付けによる実質的に同じ作業については延長変形による貼付けが行われる。
【0099】
図13に示されているように、たとえば、点線操作の始めと終わりについては、長押しによる押続け操作が行われる。
【0100】
図16に示されているように、旋回についての自動表示については、指令表示の間の接続部での旋回に関する表示が行われる。
【0101】
図16に示されているように、畦際などで90度などのような所定の角度を超えない旋回角度での旋回が行われる場合において、植付けなしの区間が発生しにくいように、通常、自動的なバック旋回が行われる。
【0102】
図16に示されているように、Uターンまたはバック旋回のための選択表示アイコンなどが設けられてもよい。
【0103】
(3b)つぎに、図1を主として参照しながら、ロボット田植え機直進制御パラメーター自動調整について説明する。
【0104】
GNSS測位を行う機器と、IMU(Inertial Measurement Unit)と、を備え、それらにより得た横方向および方位方向のズレを演算し、目標とする経路に沿って自動で直進する田植え機において、直進のための操舵制御に用いるパラメーターを自動的に調整する構成が考えられる。圃場の状態などの影響を受け、直進性が損なわれる場合において、パラメーターの調整が必要である。自動的に調整されるため、調整作業が不要である。
【0105】
上述された構成について、過去に走行実績のある圃場でロボット田植え機を使用するとき、過去の走行時の制御パラメーターを用いる構成が考えられる。圃場の特性が過去から大きな変化がない場合において、早くかつ計算負荷少なくパラメーターの自動調整が行える。
【0106】
上述された構成について、リアルタイムで測定した走行情報を基にパラメーターの自動調整をする構成が考えられる。過去データの記憶が不要である。リアルタイムに変化する圃場環境に合わせて自動調整が可能である。
【0107】
上述された構成について、リアルタイムで測定した走行情報から、過去に記録した類似する外乱パターンと近い圃場でのパラメーター情報を基に、パラメーターの自動調整をする構成が考えられる。
【0108】
上述された構成について、上述された構成の一つまたは複数の方法を用いてパラメーターの自動調整をする構成が考えられる。過去の圃場の状態を基に、リアルタイムに状況に合わせた自動調整が可能となり、早く正確な調整が可能である。
【0109】
上述された構成について、目標とする経路に対する横方向のズレを、GNSS測位を行う機器と、自車位置を演算するユニットと、にて行い、横方向ズレの値変化の傾向によりパラメーターを決定する構成が考えられる。
【0110】
上述された構成について、直前の経路での始点から終点の間の横ズレを波形で表現したときの振動周期と振幅とから、パラメーターを自動調整する構成が考えられる。
【0111】
上述された構成について、目標とする経路に対する方位のズレを、IMUと、自車位置を演算するユニットと、にて行い、方位ズレの値変化の傾向によりパラメーターを決定する構成が考えられる。
【0112】
上述された構成について、直前の経路での始点から終点の間の方位ズレを波形で表現したときの振動周期と振幅とから、パラメーターを自動調整する構成が考えられる。
【0113】
上述された構成について、GNSS測位により得た、自車位置の単位時間の移動量と、移動方向をあらわすベクトル量と、IMUの値から演算した、単位時間当たりの車体方位変化量と、田植え機本機の車速情報より算出した単位時間当たりの理想移動量と、から車体のスリップ量をあらわすベクトル量を算出する構成が考えられる。スリップした距離だけでなくスリップした方位についても、リアルタイムに計測できる。
【0114】
上述された構成の情報と、あるパラメーターで走行したときの横ズレ方位ズレの大きさと、をサンプルとする構成が考えられる。
【0115】
上述された構成について、圃場状態に対して適したパラメーターを、事前に用意した特性セットから選択し、パラメーターを決定する構成が考えられる。
【0116】
上述された構成について、ロボット田植え機による自動運転を行っている間、サンプルを記録する構成が考えられる。
【0117】
上述された構成について、取得したサンプルを、車両のデータベースのような記憶部に記憶する構成が考えられる。
【0118】
上述された構成について、取得したサンプルを、車両との無線通信により接続されたクラウド上のデータベースのような記憶部に記憶する構成が考えられる。
【0119】
車両の操舵量または操舵輪のキレ角に対する、上述された構成より算出したスリップベクトル量をサンプルとする構成が考えられる。
【0120】
上述された構成について、田植え機のキーオンのような稼働時間のサンプルを記憶する構成が考えられる。
【0121】
上述された構成について、取得したサンプルを、車両のデータベースのような記憶部に記憶する構成が考えられる。
【0122】
上述された構成について、取得したサンプルを、車両と無線通信により接続されたクラウド上のデータベースのような記憶部に記憶する構成が考えられる。
【0123】
横ズレ方位ズレの量を評価式として用いる構成が考えられる。
【0124】
上述された構成で取得したデータから、AI(Artificial Intelligence)を利用する機械学習により、上述された構成の評価式を最小にするパラメーターを算出する構成が考えられる。AIと、車両が取得したビッグデータのようなデータと、の活用により、あらゆる特性の圃場で最適な制御が可能になる。統計的にスリップベクトル量に対する制御を決定するため、制御式で表現しきれない挙動にも対応可能である。
【0125】
上述された構成で取得したデータから、AIを利用する機械学習により、該当圃場での操舵に対する応答を推測する構成が考えられる。
【0126】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0127】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の作業車両動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0128】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0129】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0130】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0131】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0132】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0133】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明における作業車両は、使い勝手の良さを向上することができ、田植え機などのような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0135】
100 車体
210 エンジン
220 走行装置
221 前輪
222 後輪
230 操舵装置
240 苗植付け装置
240A 補植エリア
241 苗植付け具
250 施肥装置
260 整地装置
261 整地ローター部材
262 整地フロート部材
300 アンテナ
400 アンテナフレーム機構
400D 距離
400S 空間
410 左アンテナ支柱
420 右アンテナ支柱
450 操作ハンドル
460 操作コラム
471 ロボットモニター
472 操作モニター
473 直進モニター
474 可変施肥タブレット
475 大型バックミラー
500 エンジンフード
500D 距離
500W 幅
510 上側フード部
520 前側フード部
530 左側フード部
540 右側フード部
610 電装部品
710 仕切り部材
751 鉄板
752 ターポリン
810 ラジエーター
820 ラジエーター冷却ファン
850 ゼネレーター
860 マフラー配管
900 制御機構
951 主変速レバー
952 副変速レバー
960 昇降リンクアクチュエーター
970 線引きマーカー
A1、A2、A3、A4 矢印
S タブレット入力画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16