(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155766
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20231016BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
G03G21/16 133
B41J29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065293
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061BB15
2C061BB21
2C061BB35
2H171FA01
2H171FA06
2H171FA24
2H171FA28
2H171GA03
2H171GA04
2H171GA25
2H171GA31
2H171GA40
2H171HA02
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA31
2H171NA01
2H171NA05
2H171PA04
2H171PA12
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
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2H171QB52
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC24
2H171QC36
2H171RA01
2H171RA03
2H171RA05
2H171SA08
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA20
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2H171TA20
2H171UA03
2H171WA01
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2H171WA08
2H171WA10
2H171WA11
2H171WA15
2H171XA16
(57)【要約】
【課題】内部に侵入し、側面を伝って垂れ落ちた水を受け止めることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置本体を覆う筐体140と、筐体140の側面に設けられ、給排気を行う通気部150と、通気部150の下方であって、装置本体の内部に向かって突出して設けられた漏水受け部160とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を覆う筐体と、
前記筐体の側面に設けられ、給排気を行う通気部と、
前記通気部の下方であって、装置本体の内部に向かって突出して設けられた漏水受け部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記漏水受け部は、前記通気部の下方であって、装置本体の内部に向かって延びた受け部底面と、前記受け部底面の辺縁に立設された受け部立設面とを有すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記受け部底面は、前記筐体の側面から離れるに従って高くなるように傾斜していること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記受け部底面は、前記筐体の側面に沿った幅方向に対して傾斜していること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記受け部立設面は、上方に向かうに従って、前記受け部底面の辺縁から外側に広がるように傾斜していること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記漏水受け部は、前記通気部の最下部に面して設けられていること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記漏水受け部は、前記筐体の側面に沿った幅方向での横幅が、前記通気部の前記幅方向での幅よりも大きいこと
を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記漏水受け部は、前記筐体に複数配置されており、複数の前記漏水受け部同士が繋がっていること
を特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体を覆う筐体を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、用紙に画像を形成する画像形成装置は、オフィスや店舗や家庭など様々な環境に設置されている。画像形成装置の設置環境によっては、様々な事態が想定され、例えば、突発的な事故により、画像形成装置に水が降り注がれることがあり得る。画像形成装置の内部に水などの液体が侵入すると、基板などの要部に液体がかかって正常な動作が阻害され、損壊してしまう虞がある。そのため、液体を筐体の外に導く排液口を設けて、内部に侵入する液体を低減する印刷装置(画像形成装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の印刷装置は、用紙に印刷する本体部と、本体部を覆う筐体を備え、筐体の天面に設けられた用紙排出口から用紙を排出する。さらに、印刷装置は、天面から侵入する液体を受ける液体受け部と、液体受け部で受けた液体を本体部の外縁方向に誘導する第1流路と、第1流路で誘導される液体を筐体の底面に誘導する第2流路と、第2流路で誘導される液体を筐体の外部に排出する排液口とを有する。
【0005】
ところで、画像形成装置では、筐体の側面に、内部の冷却を行うための通気孔(ルーバー)が設けられていることもあり、液体の侵入経路は、筐体の天面に設けられた用紙排出口だけに限定されない。そのため、上述した印刷装置では、筐体の側面から液体が侵入した場合に対応できない虞がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、内部に侵入し、側面を伝って垂れ落ちた水を受け止めることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、装置本体を覆う筐体と、前記筐体の側面に設けられ、給排気を行う通気部と、前記通気部の下方であって、装置本体の内部に向かって突出して設けられた漏水受け部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成装置では、前記漏水受け部は、前記通気部の下方であって、装置本体の内部に向かって延びた受け部底面と、前記受け部底面の辺縁に立設された受け部立設面とを有する構成としてもよい。
【0009】
本発明に係る画像形成装置では、前記受け部底面は、前記筐体の側面から離れるに従って高くなるように傾斜している構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る画像形成装置では、前記受け部底面は、前記筐体の側面に沿った幅方向に対して傾斜している構成としてもよい。
【0011】
本発明に係る画像形成装置では、前記受け部立設面は、上方に向かうに従って、前記受け部底面の辺縁から外側に広がるように傾斜している構成としてもよい。
【0012】
本発明に係る画像形成装置では、前記漏水受け部は、前記通気部の最下部に面して設けられている構成としてもよい。
【0013】
本発明に係る画像形成装置では、前記漏水受け部は、前記筐体の側面に沿った幅方向での横幅が、前記通気部の前記幅方向での幅よりも大きい構成としてもよい。
【0014】
本発明に係る画像形成装置では、前記漏水受け部は、前記筐体に複数配置されており、複数の前記漏水受け部同士が繋がっている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、通気部を通じて装置本体の内部に侵入し、側面を伝って垂れ落ちた水を漏水受け部で受け止めることによって、内部に収容された他の部品が濡れることを防止でき、発火や画像形成装置の故障を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す外観斜視図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置の概略構成図である。
【
図3】筐体の表面側の一部を拡大して示す拡大正面図である。
【
図4】筐体の裏面側の一部を拡大して示す拡大正面図である。
【
図5】筐体の裏面側の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図6】
図4の矢符A-Aでの断面を示す拡大断面図である。
【
図7】
図4の矢符B-Bでの断面を示す拡大断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態において、筐体の裏面側の一部を拡大して示す模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す外観斜視図であって、
図2は、
図1に示す画像形成装置の概略構成図である。
【0019】
画像形成装置100は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機であり、画像読取装置110によって読み取られた原稿の画像を外部に送信し(スキャナ機能に相当する)、読み取られた原稿の画像または外部から受信した画像をカラーもしくは単色で用紙に画像形成する(複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能に相当する)。
【0020】
画像読取装置110の上側には、画像読取装置110に対して開閉自在に支持された原稿搬送装置120(ADF)が設けられている。原稿搬送装置120が開かれると、画像読取装置110の上方が開放され、原稿(用紙)を手置きで置くことができるようになっている。また、原稿搬送装置120は、載置された原稿を画像読取装置110の上に自動で搬送する。画像読取装置110は、載置された原稿または原稿搬送装置120から搬送された原稿を読み取って画像データを生成する。
【0021】
画像形成装置100は、露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナ装置4、帯電器5、中間転写ベルト装置6、定着装置7、給紙トレイ81、手差しトレイ82、排紙トレイ91、および用紙搬送経路Sを備える構成とされており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色および単色の画像を形成する。
【0022】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0023】
感光体ドラム3は、画像形成装置100の略中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。クリーナ装置4は、現像および画像転写の後に感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去および回収する。
【0024】
中間転写ベルト装置20は、感光体ドラム3の上側に配置され、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、および中間転写ベルトクリーニング装置25を備えている。
【0025】
中間転写ベルト駆動ローラ22および中間転写ベルト従動ローラ23は、中間転写ベルト21を張架して、中間転写ベルト21の表面を所定方向(図中矢符E方向)に移動させるように構成されている。
【0026】
中間転写ベルト21は、矢符Eの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0027】
画像形成装置100は、転写ローラ10aを含む2次転写装置10をさらに備えている。転写ローラ10aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路Sを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。
【0028】
給紙トレイ81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、露光装置1の下側に設けられている。手差しトレイ82は、画像形成装置100の側面に設けられ、画像形成に使用する用紙を載置できるトレイである。また、排紙トレイ91は、画像形成装置100の上側に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。
【0029】
用紙搬送経路Sは、S字状に設けられた主経路S1と、主経路S1の途中で分岐して再合流する反転経路S2とを備え、主経路S1に沿って、ピックアップローラ11a、手差しピックアップローラ11b、レジスト前ローラ12a、レジストローラ13、2次転写装置10、定着装置7、および排紙ローラ12bが配置されている。反転経路S2は、定着装置7と排紙ローラ12bとの間から分岐し、反転搬送ローラ12cおよび反転搬送ローラ12dを経由してレジスト前ローラ12aとレジストローラ13との間に再合流する。
【0030】
ピックアップローラ11aは、給紙トレイ81の端部近傍に備えられ、給紙トレイ81から用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ13は、給紙トレイ81から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10aに搬送する。レジスト前ローラ12aは、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。
【0031】
定着装置7では、定着ローラ71に加圧ローラ72が押圧され、定着ローラ71を加熱する加熱部73を備えている。定着装置7では、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、用紙を定着ローラ71と加圧ローラ72との間に挟み込んで搬送する。定着後の用紙は、排紙ローラ12bによって排紙トレイ91上に排出される。
【0032】
また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排紙ローラ12bから反転経路S2へと逆方向に搬送して、用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ13へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行い、用紙を排紙トレイ91へと搬出する。
【0033】
画像形成装置100の前面側の側面のうち、上部には、入力部と表示部とを備えた操作パネル130が設けられている。操作パネル130では、表示部の枠外にボタンなどを設けてもよいし、表示部をタッチパネルとして、入力部を兼ねていてもよい。
【0034】
図1に示すように、画像形成装置100では、上部に原稿搬送装置120が設けられ、原稿搬送装置120の下方に画像読取装置110が設けられている。また、画像読取装置110の下方であって、画像形成装置100の略中央に排紙トレイ91が設けられている。
【0035】
画像形成装置100では、装置本体を覆う筐体140を有している。本実施の形態では、画像形成装置100の背面に対応する筐体140の側面に、給排気を行う通気部150が設けられている。次に、画像形成装置100における背面側の筐体140の一部について、
図3ないし
図7を参照して説明する。
【0036】
図3は、筐体の表面側の一部を拡大して示す拡大正面図である。
【0037】
図3では、筐体140の一部であって、通気部150近傍を拡大して示している。筐体140の表面(筐体表面140a)は、画像形成装置100の外部に面しており、筐体140の裏面(
図4に示す筐体裏面140b)は、画像形成装置100の内部に面している。以下では説明のため、筐体140の側面に沿う横方向を幅方向Xと呼び、筐体140の側面に沿う縦方向を高さ方向Zと呼び、筐体140自体を貫通する方向を厚み方向Yと呼ぶことがある。
【0038】
通気部150は、並べて配置された複数の通気孔で構成されており、通気孔を通じて、画像形成装置100の外部と内部との間で、給排気が行われる。画像形成装置100において、通気部150に面する箇所には、ダクトの開口部などが配置されていてもよい。なお、通気部150は、筐体140自体を貫通する孔を有していればよく、例えば、ルーバーやスリットなどのように、一方向に長く延びた孔で構成されていてもよい。本実施の形態において、通気部150は、背面側の筐体140の2箇所に設けられており、以下ではこれらを区別するために、一方の通気部150(
図3では、右側)を第1通気群151と呼び、他方の通気部150(
図3では、左側)を第2通気群152と呼ぶことがある。また、第1通気群151のうち、高さ方向Zで最も低い位置(最下部)に設けられた通気孔を第1最下部151aと呼び、第2通気群152のうち、最下部に設けられた通気孔を第2最下部152aと呼ぶことがある。
【0039】
図4は、筐体の裏面側の一部を拡大して示す拡大正面図であって、
図5は、筐体の裏面側の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【0040】
図4および
図5では、
図3に示す筐体140の一部を裏面側から見た状態を示している。筐体140の裏面側には、通気部150に対応する位置に漏水受け部160が設けられている。漏水受け部160は、通気部150の下方であって、装置本体の内部に向かって突出して設けられている。本実施の形態において、漏水受け部160は、2箇所の通気部150のそれぞれに対応して設けられており、以下ではこれらを区別するために、第1通気群151に対応する漏水受け部160を第1受け部161と呼び、第2通気群152に対応する漏水受け部160を第2受け部162と呼ぶことがある。
【0041】
本実施の形態では、漏水受け部160を設けているので、通気部150を通じて装置本体の内部に侵入し、側面を伝って垂れ落ちた水を漏水受け部160で受け止め、内部に収容された他の部品が濡れることを防止でき、発火や画像形成装置100の故障を避けることができる。
【0042】
図4および
図5に示すように、漏水受け部160は、通気部150の最下部に面して設けられている。具体的に、第1受け部161は、第1最下部151aに面しており、第2受け部162は、第2最下部152aに面している。このように、漏水受け部160が通気部150の最下部に連通しているので、通気部150自体を排水口として機能させ、別途、排水口などを設けることなく、漏水受け部160に溜まった水を、通気部150の最下部から外部に排出することができる。
【0043】
図6は、
図4の矢符A-Aでの断面を示す拡大断面図であって、
図7は、
図4の矢符B-Bでの断面を示す拡大断面図である。
【0044】
図6は、筐体140のうち、第1通気群151および第1受け部161近傍の断面を示している。
図7は、筐体140のうち、第2通気群152および第2受け部162近傍の断面を示している。漏水受け部160は、通気部150の下方であって、装置本体の内部に向かって延びた受け部底面160aと、受け部底面160aの辺縁に立設された受け部立設面とを有する。具体的に、受け部底面160aは、通気部150の最下部よりも少し低い位置であって、筐体裏面140bから装置本体の内部に向かって延出している。受け部底面160aの先端には、上方に向かって延びる受け部対向面160b(受け部立設面の一例)が立設されている。また、受け部底面160aのうち、幅方向Xで対向する辺縁には、上方に向かって延びる受け部側面160c(受け部立設面の一例)が立設されている。上述した構成では、受け部底面160aで侵入した水を受け止め、受け止めた水が受け部立設面でせき止められるので、漏水受け部160で受け止めた水が、装置本体の内部へ零れることを避けられる。
【0045】
受け部底面160aは、筐体140の側面から離れるに従って高くなるように傾斜している。つまり、筐体裏面140bから突出した先端の側(
図6および
図7では、右端)が、筐体裏面140bと繋がる部分(
図6および
図7では、左端)よりも高くなっている。漏水受け部160では、傾斜を設けることで、受け部底面160aの上に溜まった水を筐体の外部へ排出しやすくなる。
【0046】
受け部対向面160bは、上方に向かうに従って、受け部底面160aの辺縁から外側に広がるように傾斜している。
図6に示す第1対向距離L1は、厚み方向Yにおいて、筐体裏面140bから受け部対向面160bの下端までの距離である。また、第2対向距離L2は、厚み方向Yにおいて、筐体裏面140bから受け部対向面160bの上端までの距離であり、第1対向距離L1よりも長い。このように、受け部対向面160b(受け部立設面)に傾斜を設けることによって、漏水受け部160は、上端の方が大きく開いた形状となるので、より広範囲から漏水を取り込むことができる。なお、後述する
図7に示すように、受け部側面160cについても、受け部対向面160bと同様にして傾斜させてもよい。
【0047】
本実施の形態のように、筐体140に複数の漏水受け部160を配置した際には、漏水受け部160同士が繋がった構造としてもよい。この際には、漏水受け部160の一部に孔を開け、孔に繋がる流路を設けて、漏水受け部160同士を繋げてもよい。流路については、壁や配管などによって適宜形成すればよい。このように、排水する箇所を1つにまとめることで、筐体140の濡れる箇所を狭い範囲に絞り込むことができ、防水などの処置をすべき箇所を特定することができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る画像形成装置の構造については、
図1ないし
図7に示す第1実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0049】
図8は、本発明の第2実施形態において、筐体の裏面側の一部を拡大して示す模式正面図である。
【0050】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、受け部底面160aの構造が異なっている。
図8では、第3通気群153(通気部150の一例)の最下部(第3最下部153a)と、第3通気群153に対応する第3受け部163(漏水受け部160の一例)との関係を模式的に示している。第3受け部163における受け部底面160aは、幅方向Xに対して傾斜している。具体的に、受け部底面160aは、幅方向Xでの中央近傍が最も低くなっており、幅方向Xでの両端が高くなっている。このように、傾斜によって、受け部底面160aの上に溜まった水を1箇所に集めることができ、筐体140の濡れる箇所を狭い範囲に絞り込むことができる。
【0051】
上述したように、受け部側面160cは、上方に向かうに従って、受け部底面160aの辺縁から外側に広がるように傾斜している。
図8に示す第1受け部幅W1は、幅方向Xで対向する受け部側面160cの下端同士の間の距離である。また、第2受け部幅W2は、幅方向Xで対向する受け部側面160cの上端同士の間の距離であり、第1受け部幅W1よりも長い。
【0052】
漏水受け部160は、幅方向Xでの横幅(第1受け部幅W1および第2受け部幅W2)が、通気部150の幅方向Xでの幅よりも大きく設定されている。つまり、通気部150(特に、最下部)は、対応する漏水受け部160が設けられた範囲内に収まっていることが好ましい。このように、通気部150よりも漏水受け部160の横幅を大きくすることで、通気部150を介して入り込んだ水を漏水受け部160で確実に受け止めることができる。
【0053】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0054】
100 画像形成装置
140 筐体
150 通気部
160 漏水受け部
160a 受け部底面
160b 受け部対向面(受け部立設面の一例)
160c 受け部側面(受け部立設面の一例)
X 幅方向
Y 厚み方向
Z 高さ方向