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特開2023-155777個人認証システム、個人認証装置、及び個人認証方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155777
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】個人認証システム、個人認証装置、及び個人認証方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/12 20220101AFI20231016BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231016BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20231016BHJP
【FI】
G06V40/12
G06F3/041 500
G06F21/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065317
(22)【出願日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高畑 昌志
(72)【発明者】
【氏名】邵 剛
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043FA07
5B043GA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利便性を損ねずセキュリティの強化と認証精度の向上とを両立する個人認証システム、個人認証装置及び個人認証方法を提供する。
【解決手段】個人認証システムにおいて、表示装置100は、センサ部10におけるタッチ位置及び指紋データを検出する検出装置2と、指紋登録時に取得した指紋データに基づいて第1指紋イメージを生成し、当該第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する制御装置と、を備える。制御装置は、指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージと、を照合して指紋認証処理を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証システムであって、
センサ部におけるタッチ位置及び指紋データを検出する検出装置と、
指紋登録時に取得した指紋データに基づいて前記第1指紋イメージを生成し、当該第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する制御装置と、
を備える、
個人認証システム。
【請求項2】
前記第1指紋イメージ上の特徴点数と、複数の前記第1分割イメージ上の特徴点の総数とが一致する、
請求項1に記載の個人認証システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
指紋イメージの分割方向、分割数、及び各分割イメージの相対的なサイズが定義された複数の分割パターンを保持し、
指紋登録時において、前記複数の分割パターンのうち、指紋イメージ上の特徴点として識別可能な特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重ならない分割パターンを設定し、当該分割パターンに基づき、前記第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する、
請求項1又は2に記載の個人認証システム。
【請求項4】
前記制御装置は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、指紋イメージの分割数が前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項3に記載の個人認証システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、各分割イメージの相対的なサイズが前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項3に記載の個人認証システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、指紋イメージの分割方向が前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項3に記載の個人認証システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
指紋登録時において設定した分割パターンを複数の前記第1分割イメージに関連付けて登録する、
請求項1から6の何れか一項に記載の個人認証システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
個人認証時に取得した指紋データに基づき、前記第1分割イメージに関連付けて登録した分割パターンを適用して、前記第2指紋イメージを構成する複数の第2分割イメージを取得する、
請求項7に記載の個人認証システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
個人認証時において、複数の前記第1分割イメージにそれぞれ対応する前記第2分割イメージごとに指紋認証処理を実行する、
請求項8に記載の個人認証システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
個人認証時において、複数の前記第1分割イメージを合成して前記第1指紋イメージを復元し、複数の前記第2分割イメージを合成して前記第2指紋イメージを生成し、指紋認証処理を実行する、
請求項8に記載の個人認証システム。
【請求項11】
前記検出装置は、
パスワードの入力キーとして、前記センサ部に複数の第1領域が設けられ、
前記制御装置は、
個人認証時において、前記パスワードのキー入力ごとに検出された前記第1領域内のタッチ検出座標を中心座標とする第2領域を設定し、当該第2領域において取得した指紋データに基づき、複数の前記第2分割イメージを取得する、
請求項8から10の何れか一項に記載の個人認証システム。
【請求項12】
前記制御装置は、
複数の前記第1分割イメージを格納する記憶部を備え、
指紋登録時において、複数の前記第1分割イメージを前記記憶部内の記憶領域においてそれぞれ異なるアドレスに格納する、
請求項1から11の何れか一項に記載の個人認証システム。
【請求項13】
指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証装置であって、
センサ部におけるタッチ位置及び指紋データを検出する検出部と、
指紋登録時に取得した指紋データに基づいて前記第1指紋イメージを生成し、当該第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する処理部と、
を備える、
個人認証装置。
【請求項14】
前記第1指紋イメージ上の特徴点数と、複数の前記第1分割イメージ上の特徴点の総数とが一致する、
請求項13に記載の個人認証装置。
【請求項15】
前記処理部は、
指紋イメージの分割方向、分割数、及び各分割イメージの相対的なサイズが定義された複数の分割パターンを保持し、
指紋登録時において、前記複数の分割パターンのうち、指紋イメージ上の特徴点として識別可能な特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重ならない分割パターンを設定し、当該分割パターンに基づき、前記第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する、
請求項13又は14に記載の個人認証装置。
【請求項16】
前記処理部は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、指紋イメージの分割数が前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項15に記載の個人認証装置。
【請求項17】
前記処理部は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、各分割イメージの相対的なサイズが前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項15に記載の個人認証装置。
【請求項18】
前記処理部は、
指紋登録時において、複数の前記分割パターンのうちの第1分割パターンを選択したとき、前記特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重なる場合に、指紋イメージの分割方向が前記第1分割パターンとは異なる第2分割パターンを設定する、
請求項15に記載の個人認証装置。
【請求項19】
前記処理部は、
指紋登録時において設定した分割パターンを複数の前記第1分割イメージに関連付けて登録する、
請求項13から18の何れか一項に記載の個人認証装置。
【請求項20】
前記処理部は、
個人認証時に取得した指紋データに基づき、前記第1分割イメージに関連付けて登録した分割パターンを適用して、前記第2指紋イメージを構成する複数の第2分割イメージを取得する、
請求項19に記載の個人認証装置。
【請求項21】
前記処理部は、
個人認証時において、複数の前記第1分割イメージにそれぞれ対応する前記第2分割イメージごとに指紋認証処理を実行する、
請求項20に記載の個人認証装置。
【請求項22】
前記処理部は、
個人認証時において、複数の前記第1分割イメージを合成して前記第1指紋イメージを復元し、複数の前記第2分割イメージを合成して前記第2指紋イメージを生成して、指紋認証処理を実行する、
請求項20に記載の個人認証装置。
【請求項23】
前記検出部は、
パスワードの入力キーとして、前記センサ部に複数の第1領域が設けられ、
前記処理部は、
個人認証時において、前記パスワードのキー入力ごとに検出された前記第1領域内のタッチ検出座標を中心座標とする第2領域を設定し、当該第2領域において取得した指紋データに基づき、複数の前記第2分割イメージを取得する、
請求項20から22の何れか一項に記載の個人認証装置。
【請求項24】
前記処理部は、
複数の前記第1分割イメージを格納する記憶部を備え、
指紋登録時において、複数の前記第1分割イメージを前記記憶部内の記憶領域においてそれぞれ異なるアドレスに格納する、
請求項13から23の何れか一項に記載の個人認証装置。
【請求項25】
指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証方法であって、
指紋登録時に取得した指紋データに基づいて第1指紋イメージを生成し、指紋イメージの分割方向、分割数、及び各分割イメージの相対的なサイズが定義された複数の分割パターンのうち、指紋イメージ上の特徴点として識別可能な特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重ならない分割パターンを設定し、当該分割パターンに基づき、前記第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する、
個人認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証システム、個人認証装置、及び個人認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の個人認証の手法として、パスワードによる個人認証のセキュリティレベルが高いとされている。一方、パスワードによる個人認証では、パスワードが分かれば本人以外であっても認証可能であるため、なりすましによる不正アクセスが懸念される。このため、パスワード認証と指紋や顔等の生体認証とを組み合わせてセキュリティを強化する手法が考えられるが、複数の認証手段を設けるとユーザーの利便性が損なわれる可能性がある。例えば、ユーザーが入力したキーの指紋を検出し、パスワード認証と指紋認証とを組み合わせてセキュリティを強化する個人認証手段が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-85559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照合用の指紋イメージを登録する際、指紋イメージ取得後に分割して登録することにより、照合用の指紋イメージの流出リスクを低減することができる。しかしながら、取得した指紋イメージを分割する際に、分割位置によっては特徴点の多重登録や登録漏れが発生し、分割後の指紋イメージの精度を維持できない可能性がある。
【0005】
本発明は、利便性を損ねずセキュリティの強化と認証精度の向上とを両立することができる個人認証システム、個人認証装置、及び個人認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る個人認証システムは、指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証システムであって、センサ部におけるタッチ位置及び指紋データを検出する検出装置と、指紋登録時に取得した指紋データに基づいて前記第1指紋イメージを生成し、当該第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する制御装置と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る個人認証装置は、指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証装置であって、センサ部におけるタッチ位置及び指紋データを検出する検出部と、指紋登録時に取得した指紋データに基づいて前記第1指紋イメージを生成し、当該第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する処理部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る個人認証方法は、指紋登録時に登録した第1指紋イメージと、個人認証時に取得した第2指紋イメージとを照合して指紋認証処理を実行する個人認証方法であって、指紋登録時に取得した指紋データに基づいて第1指紋イメージを生成し、指紋イメージの分割方向、分割数、及び各分割イメージの相対的なサイズが定義された複数の分割パターンのうち、指紋イメージ上の特徴点として識別可能な特徴点識別領域に前記第1指紋イメージの分割位置が重ならない分割パターンを設定し、当該分割パターンに基づき、前記第1指紋イメージを複数の第1分割イメージに分割して登録する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る個人認証システムを構成する検出装置を有する表示装置の平面図である。
図2図2は、図1のII-II’線に沿う断面図である。
図3A図3Aは、実施形態に係る個人認証システムを示す平面図である。
図3B図3Bは、実施形態に係る個人認証装置を示す平面図である。
図4A図4Aは、実施形態1に係る個人認証システムのブロック構成の一例を示す図である。
図4B図4Bは、実施形態1に係る個人認証装置のブロック構成の一例を示す図である。
図5図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。
図6図6は、センサ基板の平面図である。
図7図7は、第1電極及び第2電極の一部を拡大して示す平面図である。
図8図8は、図7のVII-VII’線に沿う断面図である。
図9図9は、第1期間と第2期間との切替動作の一例を示すタイミングチャートである。
図10図10は、第1検出モードの一例を示す図である。
図11図11は、第2検出モードの一例を示す図である。
図12図12は、第3検出モードの一例を示す図である。
図13図13は、第4検出モードの一例を示す図である。
図14図14は、表示装置100の画面であって、実施形態1に係る個人認証方法において指紋の認証を行う際の検出領域の一例を示す図である。
図15図15は、第1領域と第2領域との位置関係を示す図である。
図16A図16Aは、実施形態1における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第1図である。
図16B図16Bは、実施形態1における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第2図である。
図17図17は、図16Aに示す分割パターン例における指紋イメージの特徴点を示す図である。
図18図18は、指紋照合に用いる特徴点の具体例を示す図である。
図19図19は、分割領域ごとに含まれる特徴点の数を示す図である。
図20図20は、特徴点識別領域の一例を示す概念図である。
図21図21は、実施形態1に係る個人認証処理における分割パターンの具体例を示す図である。
図22図22は、実施形態1に係る指紋登録処理における指紋イメージ取得領域を説明する図である。
図23A図23Aは、実施形態1に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図23B図23Bは、実施形態1に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図23C図23Cは、実施形態1に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図23D図23Dは、実施形態1に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図24図24は、図21に示す分割パターンにおける指紋イメージの分割数及び分割位置の一例を示す図である。
図25図25は、第1分割イメージが格納される記憶領域の一例を示す図である。
図26図26は、図20に示す特徴点識別領域の座標を示す図である。
図27図27は、指紋イメージ記憶部に格納される特徴点識別領域の座標情報の一例を示す図である。
図28図28は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理の一例を示すフローチャートである。
図29A図29Aは、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。
図29B図29Bは、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。
図30図30は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理の具体例を示すシーケンス図である。
図31図31は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における個人認証処理の一例を示すフローチャートである。
図32図32は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における認証用データ取得処理の一例を示すサブフローチャートである。
図33図33は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置におけるパスワード認証処理の一例を示すサブフローチャートである。
図34図34は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋認証処理の一例を示すサブフローチャートである。
図35図35は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における個人認証処理の具体例を示すシーケンス図である。
図36A図36Aは、実施形態2における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第1図である。
図36B図36Bは、実施形態2における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第2図である。
図37図37は、実施形態2に係る個人認証処理における分割パターンの具体例を示す図である。
図38A図38Aは、実施形態2に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図38B図38Bは、実施形態2に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図38C図38Cは、実施形態2に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図38D図38Dは、実施形態2に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。
図39図39は、図37に示す分割パターンにおける指紋イメージの分割数及び分割位置の一例を示す図である。
図40A図40Aは、実施形態2に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。
図40B図40Bは、実施形態2に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
図1は、実施形態に係る個人認証システムを構成する検出装置を有する表示装置の平面図である。図2は、図1のII-II’線に沿う断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態の表示装置100は、表示領域AAと、額縁領域GAと、検出領域FAとを有する。表示領域AAは表示パネル30の画像を表示する領域である。額縁領域GAは、表示領域AAの外側の領域である。検出領域FAは、接触又は近接する指等の表面の凹凸を検出する領域である。検出領域FAは、表示領域AAの全面に重なって設けられる。
【0012】
図2に示すように、本実施形態の表示装置100は、カバー部材101と、検出装置2と、表示パネル30とを含む。カバー部材101は、第1面101aと、第1面101aと反対側の第2面101bとを有する板状の部材である。カバー部材101の第1面101aは、検出装置2の検出面であり、検出面に被検出体が接触することにより、当該被検出体の検出面上における平面的な座標位置、及び当該被検出体の表面の凹凸が検出される。なお、本実施形態においては、被検出体は使用者の手指であり、被検出体の表面の凹凸とは指紋を含む。同時に、カバー部材101の第1面101aは、表示パネル30の画像を表示する表示面であり、使用者が当該画像を観察する観察面ともなる。カバー部材101の第2面101b側に、表示パネル30及び検出装置2のセンサ部10が設けられる。カバー部材101はセンサ部10及び表示パネル30を保護するための部材であり、センサ部10及び表示パネル30を覆って設けられる。カバー部材101は、例えばガラス基板、又は樹脂基板である。
【0013】
なお、カバー部材101、センサ部10及び表示パネル30は、平面視で長方形状である場合に限られず、円形状、長円形状、或いは、これらの外形形状の一部を欠落させた異形状の構成であってもよい。また、例えば、カバー部材101が円形状であり、センサ部10及び表示パネル30が正多角形状等である場合のように、カバー部材101と、センサ部10及び表示パネル30との外形形状が異なっていてもよい。カバー部材101は、平板状のみならず、例えば表示領域AAが曲面で構成され、或いは額縁領域GAが表示パネル30側に湾曲する等、曲面を有する曲面ディスプレイも採用可能である。
【0014】
図1及び図2に示すように、額縁領域GAにおいて、カバー部材101の第2面101bに加飾層110が設けられている。加飾層110は、カバー部材101よりも光の透過率が小さい着色層である。加飾層110は、額縁領域GAに重畳して設けられる配線や回路等が観察者に視認されることを抑制することができる。図2に示す例では、加飾層110は第2面101bに設けられているが、第1面101aに設けられていてもよい。また、加飾層110は、単層に限定されず、複数の層を重ねた構成であってもよい。
【0015】
検出装置2は、カバー部材101の第1面101aに接触又は近接する指Fin等の表面の凹凸を検出するセンサ部10を含む。図2に示すように、検出装置2のセンサ部10は、表示パネル30の上に設けられる。すなわち、センサ部10は、カバー部材101と表示パネル30との間に設けられ、第1面101aに対して垂直な方向から見たときに、表示パネル30と重なっている。センサ部10には、フレキシブルプリント基板76が接続されており、センサ部10からの検出信号を外部に出力することができる。
【0016】
センサ部10の一方の面は、接着層71を介してカバー部材101と貼り合わされる。また、センサ部10の他方の面は、接着層72を介して、表示パネル30の偏光板35と貼り合わされる。接着層71は、例えば、液状のUV硬化型樹脂である光学透明樹脂(OCR:Optical Clear Resin又は、LOCA:Liquid Optically Clear Adhesive)である。接着層72は、例えば、光学粘着フィルム(OCA:Optical Clear Adhesive)である。
【0017】
表示パネル30は、第1基板31と、第2基板32と、第1基板31の下側に設けられた偏光板34と、第2基板32の上側に設けられた偏光板35とを有する。第1基板31にフレキシブルプリント基板75が接続されている。第1基板31と、第2基板32との間には、表示機能層として液晶表示素子が設けられる。すなわち、表示パネル30は、液晶パネルである。これに限定されず、表示パネル30は、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機ELディスプレイ(マイクロLED、ミニLED)であってもよい。或いは、表示パネルは、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や、表示素子として電気泳動素子を用いた電気泳動型表示パネル(EPD:Electrophoretic Display)であってもよい。
【0018】
図2に示すように、センサ部10は、カバー部材101の第2面101bと垂直な方向において、表示パネル30よりもカバー部材101に近い位置に配置される。このため、例えば、表示パネル30と一体に指紋検出用の検出電極を設けた場合に比べ、検出電極と、検出面である第1面101aとの距離を小さくすることができる。したがって、本実施形態の検出装置2を備える表示装置100によれば、検出性能を向上させることができる。
【0019】
なお、表示装置100は、センサ部10と表示パネル30がそれぞれ独立している所謂アウトセル方式の構成であるが、センサ部10と表示パネル30の一部の基板、又は、電極が兼用された所謂インセル方式やオンセル方式の構成であってもよい。
【0020】
図3Aは、実施形態に係る個人認証システムを示す平面図である。図3Aに示すように、個人認証システム1は、検出装置2と、制御装置9と、を含む。検出装置2は、基板3と、配線基板4と、を有する。制御装置9は、制御基板5を有する。基板3には、配線基板4を介して制御基板5が電気的に接続される。
【0021】
基板3は、上述した検出領域AA及び周辺領域GAを有する。センサ部10は、検出領域AAに設けられる。第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16は、周辺領域GAに設けられる。
【0022】
配線基板4には、検出回路6が設けられている。検出回路6は、例えば検出用ICに設けられている。
【0023】
制御基板5には、制御回路7が設けられている。制御回路7は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されるホストICに設けられている。制御回路7は、センサ部10、第1電極選択回路15、検出電極選択回路16、及び検出回路6に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。なお、第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16のいずれかのうち一方又は両方を検出回路6又は制御回路7に設ける構成も採用可能である。
【0024】
第1電極選択回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。検出電極選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路6との間に設けられる。
【0025】
なお、第1方向Dxは、基板3と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、基板3と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、基板3の法線方向である。
【0026】
図3Bは、実施形態に係る個人認証装置を示す平面図である。図3Bに示すように、個人認証装置1aは、図3Aに示す個人認証システム1の検出装置2に対応する。
【0027】
図3Bに示す個人認証装置1aにおいて、配線基板4には、個人認証回路8が設けられている。個人認証回路8は、例えば検出用ICに設けられている。
【0028】
図3Bに示す例において、制御装置9aの制御基板5には、制御回路7aが設けられている。図3Aに示す個人認証システム1の検出回路6と図3Bに示す個人認証装置1aの個人認証回路8とは、割り当てられた機能が異なる。
【0029】
次に個人認証システム1及び個人認証装置1aの詳細な構成について説明する。
【0030】
図4Aは、実施形態に係る個人認証システムのブロック構成の一例を示す図である。図4Aに示すように、個人認証システム1は、検出装置2と、検出装置2のホストデバイスとしての制御装置9とを含む。検出装置2は、センサ部10と、検出制御部11と、第1電極選択回路15と、検出電極選択回路16と、検出部40を備えた検出回路6と、を含む。制御装置9は、処理部50を備えた制御回路7を含む。
【0031】
図4Bは、実施形態に係る個人認証装置のブロック構成の一例を示す図である。図4Bに示すように、個人認証装置1aは、センサ部10と、検出制御部11と、第1電極選択回路15と、検出電極選択回路16と、検出部40及び処理部50を備えた個人認証回路8と、を含む。すなわち、図3B及び図4Bに示す個人認証装置1aでは、図3A及び図4Aに示す個人認証システム1の制御回路7が有する処理部50の機能を、個人認証回路8が有する構成としている。以下の説明における各構成部は、図3A及び図4Aに示す個人認証システム1、及び、図3B及び図4Bに示す個人認証装置1aの何れにも適用可能である。
【0032】
センサ部10は、第1電極選択回路15から供給される第2駆動信号Vtx2に従って検出を行う。すなわち、第1電極選択回路15の動作により複数の第1電極Tx(図6参照)を個々に又は同時に選択する。そして、第1電極選択回路15は、選択された複数の第1電極Txのそれぞれに対して、所定の符号に基づいて位相が決められた第2駆動信号Vtx2を供給する。センサ部10は、相互静電容量方式の検出原理に基づいて、接触又は近接する指Fin又は手の表面の凹凸の変化を電気信号の変化に変換して検出回路6に出力する。
【0033】
また、センサ部10は、第1電極選択回路15から供給される第1駆動信号Vtx1に従って、接触又は近接する指Fin等の位置(座標)の検出も可能となっている。センサ部10は、隣り合う複数の第1電極Txを束ねた第1電極ブロックごと又は複数本に1本の割合で第1電極Txを走査し、検出領域FA全体にわたって検出する。センサ部10は、相互静電容量方式の検出原理に基づいて、検出面に接触している指Finの有無に伴う電気信号の変化を検出回路6に出力する。なお、上記第1駆動信号Vtx1による検出面のタッチ検出は、指の座標さえ検出・特定できればよいので、検出解像度は第2駆動信号Vtx2による検出よりも低い。
【0034】
検出制御部11は、第1電極選択回路15、検出電極選択回路16及び検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御部11は、駆動部11aと、クロック信号出力部11bとを含む。駆動部11aは、電源電圧VPを第1電極選択回路15に供給する。検出制御部11は、クロック信号出力部11bのクロック信号に基づいて、各種制御信号Vctrlを第1電極選択回路15に供給する。
【0035】
第1電極選択回路15は、各種制御信号Vctrlに基づいて複数の第1電極Txを同時に又は個々に選択する回路である。第1電極選択回路15は、各種制御信号Vctrl又は複数の電源電圧VPに基づいて、選択された複数の第1電極Txに第1駆動信号Vtx1又は第2駆動信号Vtx2を供給する。第1駆動信号Vtx1と第2駆動信号Vtx2は、それぞれ波長や振幅を含む波形そのものが異なるものであることはもちろん、波形を同じくする一方センサ部10に出力される期間が異なるものも含む。センサ部10は、第1電極選択回路15による第1電極Txの選択の状態を異ならせることで、第1検出モードM1、第2検出モードM2、第3検出モードM3、第4検出モードM4(図10から図13参照)を実現できる。
【0036】
検出電極選択回路16は、複数の第2電極Rx(図6参照)を同時に選択するスイッチ回路である。検出電極選択回路16は、検出制御部11から供給される第2電極選択信号Vhselに基づいて、複数の第2電極Rxを選択し、当該複数の第2電極Rxと検出回路6とを接続する。
【0037】
検出部40は、検出制御部11から供給される制御信号と、センサ部10から供給される第1検出信号Vdet1及び第2検出信号Vdet2に基づいて、比較的大きなピッチで検出面への指のタッチの有無を検出し、また、比較的細かいピッチで当該指の指紋を検出する回路である。検出部40の各構成部は、検出制御部11から供給される制御信号に基づき、同期して動作する。検出部40は、各構成部として、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、指紋検出領域設定部46と、データ生成部47と、検出タイミング制御部48と、を備える。なお、以下の説明において第1検出信号Vdet1及び第2検出信号Vdet2を区別して説明する必要がない場合には、単に検出信号Vdetと表す。
【0038】
検出タイミング制御部48は、検出制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、データ生成部47と、が同期して動作するように制御する。
【0039】
検出信号増幅部42は、検出信号Vdetを増幅する。A/D変換部43は、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0040】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、所定の復号処理を行う。具体的に、信号処理部44は、検出信号Vdetの差分の信号(絶対値|ΔV|)を取り出す処理を行う。信号処理部44は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較して出力する。
【0041】
座標抽出部45は、信号処理部44の復号処理結果に基づいて、センサ部10に接触又は近接する被検出体の座標(以下、「タッチ検出座標」とも称する)を抽出し、処理部50に出力する。
【0042】
指紋検出領域設定部46は、処理部50から出力される検出開始座標から、検出を行う領域を設定する。検出開始座標及び検出を行う領域については後述する。
【0043】
データ生成部47は、信号処理部44の復号処理結果に基づき、被検出体の表面の凹凸を抽出して指紋データを生成する。
【0044】
本実施形態において、図4Aに示す個人認証システム1及び図4Bに示す個人認証装置1aは、静電容量型の検出原理に基づいて、センサ部10の検出面に接触する指Finを検出する(以下、「タッチ検出」と称する)。また、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、静電容量型の検出原理に基づいて、センサ部10に接触している指Finの表面の凹凸を検出することで指紋を検出する(以下、「指紋検出」と称する)。
【0045】
なお、静電容量型のタッチ検出動作において、指Finの接触によって容量変化が生じている状態を、以下「タッチ状態」と称する。また、指Finによる容量変化が生じていない状態を、以下「非タッチ状態」と称する。
【0046】
ここで、図5を参照して、本実施形態の個人認証システム1及び個人認証装置1aの相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。なお、図5は、検出回路を併せて示している。
【0047】
図5に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及び検出電極E2を備えている。容量素子C1は、駆動電極E1と検出電極E2との対向面同士の間に形成される電界(図示しない)に加え、駆動電極E1の端部から検出電極E2の上面に向かって延びる電界が生じる。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)に接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば、図4に示す検出部40に含まれる積分回路である。
【0048】
交流信号源から駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz~数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。電圧検出器DETには、容量素子C1の容量値に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。
【0049】
指によって形成される静電容量C2が、検出電極E2と接触し、又は接触と同視し得るほど近傍近づくにつれて、駆動電極E1と検出電極E2との間にあるフリンジ分の電気力線が導体(指)により遮られる。このため、容量素子C1は、非接触状態での容量値よりも接近に応じて徐々に容量値の小さい容量素子として作用する。
【0050】
電圧検出器DETから出力される電圧信号の振幅は、非接触状態に比べて指Finが接触状態に近づくにつれて小さくなる。この電圧差分の絶対値|ΔV|は、検出面に接触する指Finの影響に応じて変化することになる。検出部40は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較することで、指Finの検出面への接触/非接触を判断する。なお、本実施形態においては、かかる判断は、検出部40の信号処理部44と座標抽出部45のいずれか一方又は両方の協働によってなされる。
【0051】
また、検出部40は、絶対値|ΔV|に基づいて指Finの凹凸等を判断する。当該凹凸の判断においても絶対値|ΔV|と所定のしきい値と比較することで判断することも可能であるが、当該しきい値は指Finの接触/近接を判断するしきい値とは異なる値を採用することもできるし、複数のしきい値を用いることも可能である。なお、本実施形態においては、かかる判断は、検出部40の信号処理部44によってなされる。このようにして、検出部40は相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいてタッチ検出及び指紋の検出が可能となる。
【0052】
なお、本開示において、指紋イメージとは、複数の第2電極Rxからの出力に基づいて形成される面情報としてのデータであって、検出面における1又は数か所の座標位置を特定するタッチ座標(点情報)とは異なる。より具体的には、指紋イメージとは、複数の検出単位領域における検出データの集合体で、各検出データとは、例えば、検出単位領域の座標及び各座標位置における凹凸の判断結果を含む。当該凹凸の判断は、上述の如くあるしきい値を境としてしきい値よりも検出結果が大きいと凹と判断し、小さいと凸と判断するといったような2値の判断結果を採用することができる。また、これに替えて、実際の検出信号を複数のしきい値に基づいてより細かくデジタル化したデータであっても構わない。また、各座標における出力信号の大きさをそのままRAWデータとして備えたデータであっても構わない。これら座標ごとのデータが集積されることにより、二次元の広がりを持った面情報が形成される。
【0053】
なお、本実施形態は被検出体としての指Fin及びその指紋を検出対象としているが、被検出体は指に限定されず、被検出体の凹凸としても、指紋に限定されないことは言うまでもない。
【0054】
次に、第1電極Tx及び第2電極Rxの構成について説明する。図6は、センサ基板の平面図である。図7は、第1電極及び第2電極の一部を拡大して示す平面図である。図8は、図7のVII-VII’線に沿う断面図である。
【0055】
図6に示すように、センサ基板21上に複数の第1電極Tx及び第2電極Rxが設けられる。センサ基板21は、可視光を透過可能な透光性を有するガラス基板である。又は、センサ基板21は、ポリイミド等の樹脂で構成された透光性の樹脂基板又は樹脂フィルムであってもよい。センサ部10は、透光性を有するセンサである。
【0056】
第1電極Txは、第1方向Dxに延びており、第2方向Dyに複数配列される。第2電極Rxは、第2方向Dyに延びており、第1方向Dxに複数配列される。第2電極Rxは、平面視で、第1電極Txと交差する方向に延びている。各第2電極Rxは、額縁配線(図示せず)を介して、センサ基板21の額縁領域GAの短辺側に設けられたフレキシブルプリント基板76に接続される。第1電極Tx及び第2電極Rxは、検出領域FAに設けられている。第1電極Txは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電材料で構成されている。第2電極Rxは、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属材料で構成されている。なお、第1電極Txを金属材料で構成し、第2電極RxをITOで形成してもよい。ただし、第2電極Rxを金属材料とすることで、検出信号Vdetに係る抵抗を低減することができる。
【0057】
なお、第1方向Dxは、センサ基板21と平行な面内の一方向であり、例えば、検出領域FAの一辺と平行な方向である。また、第2方向Dyは、センサ基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、本明細書において、「平面視」とは、センサ基板21に垂直な方向から見た場合を示す。
【0058】
第2電極Rxと第1電極Txとの交差部分に、それぞれ静電容量が形成される。センサ部10において、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行う際、第1電極選択回路15は、第1電極Txを選択し、選択された第1電極Txに同時に第1駆動信号Vtx1又は第2駆動信号Vtx2を供給する。そして、接触又は近接する指等の表面の凹凸による容量変化に応じた検出信号Vdetが第2電極Rxから出力されることにより、指紋検出が行われる。又は、接触又は近接する指等による容量変化に応じた検出信号Vdetが第2電極Rxから出力されることにより、タッチ検出が行われる。
【0059】
図6に示すように、第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16等の各種回路は、センサ基板21の額縁領域GAに設けられている。第1電極選択回路15は、第1選択回路151、第2選択回路152、第3選択回路153及び第1電極ブロック選択回路154を含む。ただし、これはあくまで一例である。各種回路の少なくとも一部は、フレキシブルプリント基板76に実装された検出用IC(Integrated Circuit)に含まれていてもよい。或いは、各種回路の少なくとも一部は、外部の制御基板に設けられていてもよい。また、第1選択回路151、第2選択回路152、第3選択回路153及び第1電極ブロック選択回路154は、それぞれ個別の回路として設けられる構成に限定されない。第1選択回路151、第2選択回路152、第3選択回路153及び第1電極ブロック選択回路154の機能を含む1つの集積回路として、第1電極選択回路15が設けられていてもよい。第1電極選択回路15は、半導体集積回路(IC)であってもよい。
【0060】
次に、検出領域における第1電極Tx及び第2電極Rxのより具体的な構成について説明する。図7に示すように、第2電極Rxは、ジグザグ状の線であり、全体として第2方向Dyに長手を有する。例えば、第2電極Rxは、複数の第1直線部26aと、複数の第2直線部26bと、複数の屈曲部26xと、を有する。第2直線部26bは、第1直線部26aと交差する方向に延びている。また、屈曲部26xは、第1直線部26aと第2直線部26bとを接続している。
【0061】
第1直線部26aは、第1方向Dx及び第2方向Dyと交差する方向に延びている。第2直線部26bも、第1方向Dx及び第2方向Dyと交差する方向に延びている。第1直線部26aと第2直線部26bは、第1方向Dxに平行な仮想線(図示せず)を軸に、対称となるように配置されている。第2電極Rxは、第1直線部26aと第2直線部26bとが第2方向Dyに交互に接続される。
【0062】
複数の第2電極Rxの各々において、第2方向Dyにおける屈曲部26xの配置間隔をPryとする。また、隣り合う第2電極Rx間において、第1方向Dxにおける屈曲部26xの配置間隔をPrxとする。本実施形態では、例えば、Prx<Pryであることが好ましい。なお、第2電極Rxは、ジグザグ状に限定されず、波線状、直線状など他の形状であってもよい。
【0063】
図7に示すように、複数の第1電極Tx-1、Tx-2、Tx-3、Tx-4…は、複数の電極部23a、23bと、複数の接続部24と、をそれぞれ有する。なお、以下の説明において、第1電極Tx-1、Tx-2、Tx-3、Tx-4…を区別して説明する必要がない場合には、単に第1電極Txと表す。
【0064】
第2電極Rxの第2直線部26bと交差する第1電極Tx-1、Tx-2は、第2直線部26bと平行な2辺を有する電極部23aを備える。また、第2電極Rxの第1直線部26aと交差する第1電極Tx-3、Tx-4は、第1直線部26aと平行な2辺を有する電極部23bを備える。言い換えると、電極部23a、23bは、第2電極Rxに沿って複数配置されている。これにより、平面視で、ジグザグ状の第2電極Rxと、電極部23a、23bとの離隔距離を一定の大きさにすることができる。
【0065】
複数の第1電極Tx-1、Tx-2において、複数の電極部23aは第1方向Dxに並んでおり、互いに離れて配置されている。また、複数の第1電極Txの各々において、接続部24は、複数の電極部23aのうち隣り合う電極部23aを接続している。また、平面視で、複数の第2電極Rxの各々は、隣り合う電極部23aの間を通って接続部24と交差している。第1電極Tx-3、Tx-4も同様の構成である。第2電極Rxは、金属細線であり、第2電極Rxの第1方向Dxの幅は、電極部23a、23bの第1方向Dxの幅よりも小さい。このような構成により、第1電極Txと第2電極Rxとが重なり合う面積が小さくなり、寄生容量を抑制することができる。
【0066】
また、第2方向Dyにおける第1電極Txの配置間隔をPtとする。配置間隔Ptは、第2電極Rxの屈曲部26xの配置間隔Pryの1/2程度である。なお、これに限定されず、配置間隔Ptは、配置間隔Pryの半整数倍以外であってもよい。配置間隔Ptは、例えば50μm以上、100μm以下である。また、1つの第1電極Txにおいて、第1方向Dxに隣り合う接続部24は、第2方向Dyでの配置間隔Pbを有して、互い違いに配置される。なお、電極部23a、23bは、それぞれ平行四辺形状であるが、その他の形状であってもよい。例えば、電極部23a、23bは、矩形状、多角形状、異形状であってもよい。
【0067】
次に、図7のVII-VII’線に沿う断面構造について説明する。なお、図8において、額縁領域GAの断面は、第1電極選択回路15に含まれる薄膜トランジスタTrを含む部分を切断した断面である。図8では、検出領域FAの層構造と額縁領域GAの層構造との関係を示すために、検出領域FAのVII-VII’線に沿う断面と、額縁領域GAの薄膜トランジスタTrを含む部分の断面とを、模式的に繋げて示している。
【0068】
図8に示すように、センサ基板21上の額縁領域GAに薄膜トランジスタTrが設けられている。薄膜トランジスタTrは、半導体層61と、ソース電極62と、ドレイン電極63と、ゲート電極64と、を含む。ゲート電極64は、センサ基板21上に設けられる。第1層間絶縁膜81は、センサ基板21上に設けられてゲート電極64を覆う。ゲート電極64の材料としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金が用いられる。第1層間絶縁膜81の材料としては、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)又はシリコン酸化窒化膜(SiON)が用いられる。また、第1層間絶縁膜81は単層に限定されず、積層構造の膜でもよい。例えば、第1層間絶縁膜81は、シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜が形成された、積層構造の膜であってもよい。
【0069】
また、半導体層61は、第1層間絶縁膜81上に設けられる。第2層間絶縁膜82は、第1層間絶縁膜81上に設けられて半導体層61を覆う。第2層間絶縁膜82に設けられたコンタクトホールの底部では、半導体層61が露出している。半導体層61の材料としては、ポリシリコン又は酸化物半導体が用いられる。第2層間絶縁膜82の材料としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はシリコン酸化窒化膜が用いられる。また、第2層間絶縁膜82は単層に限定されず、積層構造の膜でもよい。例えば、第2層間絶縁膜82は、シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜が形成された、積層構造の膜であってもよい。
【0070】
また、ソース電極62と、ドレイン電極63とは、第2層間絶縁膜82上に設けられる。ソース電極62と、ドレイン電極63とは、それぞれ第2層間絶縁膜82に設けられたコンタクトホールを介して半導体層61に接続される。ソース電極62と、ドレイン電極63及び接続部24の材料としては、チタンとアルミニウムとの合金である、チタンアルミニウム(TiAl)が用いられる。
【0071】
さらに、第2層間絶縁膜82上には、絶縁性の樹脂層27と、第1電極Txの電極部23b及び接続部24が設けられている。額縁領域GAに設けられた樹脂層27は、ソース電極62及びドレイン電極63を覆っている。また、額縁領域GAに設けられた樹脂層27に設けられたコンタクトホールを介して、ドレイン電極63は、第1電極Txと電気的に接続される。
【0072】
一方、検出領域FAに設けられた樹脂層27は、第1樹脂層27Aと、第1樹脂層27Aよりも薄膜の第2樹脂層27Bとを有する。第1樹脂層27Aは、接続部24において、第2電極Rxの直下に位置する部位を覆っている。また、検出領域FAに設けられた第2樹脂層27Bは、接続部24において、電極部23bの直下に位置する部位を覆っている。
【0073】
第2樹脂層27BにはコンタクトホールH1、H2が設けられている。検出領域FAにおいて、電極部23bの周縁部は、コンタクトホールH1、H2を介して接続部24に接続されている。なお、この例では、電極部23bは第2層間絶縁膜82に接している。
【0074】
第2電極Rxは、第1樹脂層27A上に設けられている。第2電極Rxは、例えば、第1金属層141、第2金属層142及び第3金属層143を有する。第3金属層143上に第2金属層142が設けられており、第2金属層142上に第1金属層141が設けられている。例えば、第1金属層141、第3金属層143の材料には、モリブデン又はモリブデン合金が用いられている。第2金属層142の材料には、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。第1金属層141を構成するモリブデン又はモリブデン合金は、第2金属層142を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金よりも可視光の反射率が低い。これにより、第2電極Rxの不可視化を図ることができる。
【0075】
樹脂層27、電極部23b及び第2電極Rx上に絶縁膜83が設けられている。絶縁膜83によって、第2電極Rxの上面及び側面は覆われている。絶縁膜83には、シリコン窒化膜など、高屈折率で低反射率の膜が用いられる。
【0076】
以上のような構成により、第1電極Txと第2電極Rxとは、同一のセンサ基板21の上に形成される。そして、第1電極Txと第2電極Rxとは、絶縁層である樹脂層27を介して異なる層に設けられる。
【0077】
以下、実施形態に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aにおける個人認証用データ取得期間について説明する。
【0078】
本開示において、個人認証システム1及び個人認証装置1aにおける個人認証用データ取得期間は、タッチ検出を実行するタッチ検出期間(座標検出期間)を設けた第1期間と、指紋検出を実行する指紋検出期間(面情報検出期間)を設けた第2期間と、を有している。図9は、第1期間と第2期間との切替動作の一例を示すタイミングチャートである。図9において、TPはタッチ検出期間(座標検出期間)を示し、FPは指紋検出期間(面情報検出期間)を示している。
【0079】
図9に示すように、本実施形態に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、処理部50から出力される第1制御信号に基づき、第1期間から第2期間に移行する。また、本実施形態に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、処理部50から出力される第2制御信号に基づき、第2期間から第1期間に移行する。
【0080】
次に、個人認証システム1及び個人認証装置1aにおける検出モードの具体例について説明する。図10は、第1検出モードの一例を示す図である。図11は、第2検出モードの一例を示す図である。図12は、第3検出モードの一例を示す図である。
【0081】
図10に示すように、第1検出モードM1において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第2検出モードM2(図11参照)に比べて大きい第1検出ピッチPtsで、検出領域FAの全面を走査することで、指Fin等の検出、より具体的には、検出面における指の位置(検出面における指の座標位置)の検出を行う。第1検出モードM1では、第1電極選択回路15は、隣り合う又は所定のピッチで配される複数の第1電極Txを束ねて第1電極ブロックとし、該第1電極ブロックごとに第1駆動信号Vtx1を供給する。各第1電極ブロックに含まれる複数の第1電極Txには、同じ第1駆動信号Vtx1が同時に供給される。これにより、第1検出モードM1では、後述する第2検出モードM2と比較して大きい第1検出ピッチPtsで検出ができる。なお、第1検出モードM1では、検出電極選択回路16は、隣り合う又は所定のピッチで配される複数の第2電極Rxを束ねて第2電極ブロックとし、該第2電極ブロックごとに第2駆動信号Vtx2を供給する構成としても良い。また、全ての第2電極Rxがそれぞれ検出部40に接続される態様であっても良い。
【0082】
図11に示すように、第2検出モードM2において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第1検出モードM1(図10参照)に比べて小さい第2検出ピッチPfで、検出領域FAの全面を走査することで、指Fin等の検出、より具体的には、検出面における被検出体の表面の凹凸(例えば、検出面に接触している被検出体の指紋イメージ)の検出を行う。第2検出モードM2では、第1電極選択回路15は、複数の第1電極Txにそれぞれ所定の符号に基づいて位相が定められた第2駆動信号Vtx2を供給する。また、第1電極選択回路15は、各第1電極Txを個々に走査し、当該走査に伴って第2駆動信号Vtx2としてのパルス波を供給する構成も採用可能である。以下、第2駆動信号Vtx2を供給とは、これらいずれの態様も含むものとする。これにより、第2検出モードM2において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第1検出モードM1と比較してより小さい第2検出ピッチPfで検出を行うことができる。より具体的には、マクロ的な視点で見た場合には検出面に指が接触している状態であっても、ミクロの視点で見ると指の表面の凹凸によって当該指の一部は検出面に接触し、一部は検出面からやや離間している、という状態になる。該第2検出モードM2では、当該ミクロ的な観点で見たときの被検出体の表面の凹凸(ここでは指の表面の凹凸、すなわち指紋)を検出するものである。なお、当該第2検出ピッチPfは、第1検出ピッチよりも小さいものであればよく、最も小さい第2検出ピッチは、隣り合う2本の第1電極又はそれらに交差する隣り合う2本の検出電極によって形成されるピッチである。
【0083】
第2検出モードM2において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、検出領域FAの全面で検出を行う。このため、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、指紋検出のみに限定されず、例えば掌紋を検出することができる。或いは、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、検出領域FAに接触又は近接する手の形状を検出し、指先の位置を特定することができる。この場合、指先が接触又は近接する領域のみで、信号処理や演算処理を行うことで指紋を検出することができる。
【0084】
指紋検出では、検出面において指紋検出を行う領域を検出面の一部の領域としても良い。例えば、図12に示すように、第3検出モードM3において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、検出領域FAのうち一部分の第1部分領域FA1において第2検出ピッチPfで検出を行う。この第3検出モードM3において、第1電極選択回路15は、第1部分領域FA1に含まれる複数の第1電極Txにのみ第2駆動信号Vtx2を供給する。第3検出モードM3においても、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第2検出ピッチPfで検出を行うことができる。例えば、第3検出モードM3では、第1部分領域FA1のみで検出を行うため、検出に要する時間を短縮し、また、検出部40(図4A図4B参照)が行う処理を低減できる。第1部分領域FA1は、あらかじめ設定された固定領域である。ただし、第1部分領域FA1の位置や大きさは、適宜変更してもよい。
【0085】
上述した第2検出モードM2に代えて、第3検出モードM3により指紋検出を実行する態様であっても良い。具体的に、第1期間では、第1検出モードM1によりタッチ検出を実行し、第2期間では、第3検出モードM3による指紋検出を実行する。これにより、指紋検出期間FPを短縮することができ、検出に要する時間を短縮できる。
【0086】
図13は、第4検出モードの一例を示す図である。例えば、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第1期間に第1検出モードM1のタッチ検出を実行し、検出面上に指が接触しているか否かを検出する。指Fin等が検出された場合、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、第2期間に移行し、第4検出モードM4による指紋検出を実行する。この第4検出モードM4において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、指Fin等が検出された位置を含む所定の領域である第2部分領域FA2においてのみ、第2検出ピッチPfで検出を行う。第2部分領域FA2の位置や大きさは、タッチ検出期間TPにおいて検出された指Fin等の情報に基づいて変更できる。このように、第1検出モードM1の検出結果に基づいて第4検出モードM4の指紋検出を行ってもよい。これにより、第2部分領域FA2の面積を小さくすることができるため、検出領域全面に亘って指紋を検出する場合と比べて指紋検出に要する時間を大幅に短縮できる。
【0087】
以下、本開示の個人認証方法について説明する。本開示では、検出領域FAにおける最小の第2検出ピッチPfで区切られた領域を1単位として、個人認証用の指紋検出を行う態様としている。なお、個人認証システム1及び個人認証装置1aにおける個人認証方法は、以下に示す個人認証方法に限定されるものではない。
【0088】
図14は、表示装置100の画面であって、実施形態1に係る個人認証方法において指紋の認証を行う際の検出領域の一例を示す図である。本実施形態に係る個人認証方法では、指紋の認証を行う際、図14に示すように、検出領域FA内にそれぞれ異なる入力キーが割り当てられた複数の第1領域KYが設けられる。図14では、入力キーとして「0」から「9」までの10個の数字がそれぞれ割り当てられた10個の第1領域KY「0」,「1」,「2」,・・・,「9」が設けられた例を示している。なお、入力キーは数字に限らず、例えば大文字や小文字のアルファベットや、「♯」や「*」等の記号を含む態様であっても良い。
【0089】
本実施形態に係る個人認証方法において指紋の認証を行う際、個人認証システム1及び個人認証装置1aでは、上述した第2検出モードM2によりタッチ検出を行い、ユーザーが入力したキーを識別する。具体的に、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、ユーザーがタッチした検出領域FA上の座標が、例えば第1領域KY「5」内の座標である場合に、入力キー「5」が入力されたと識別する。
【0090】
また、本実施形態に係る個人認証方法では、ユーザーがタッチした検出領域FA上の座標が、第1領域KY「0」,「1」,「2」,・・・,「9」内の何れかに該当するとき、この座標を中心座標Cとする所定領域を第2領域FGとし、当該第2領域FGを、指紋の認証を行う際に指紋イメージを取得する際の領域とする。
【0091】
図15は、第1領域と第2領域との位置関係を示す図である。図15では、個人認証用のパスワード入力において、入力キー「5」が入力されたと識別した座標を第2領域FGの中心座標C(Cx,Cy)とした例を示している。すなわち、ユーザーは入力キー「5」をタッチすべく検出面をタッチしたが、当該入力キー「5」の中心位置からややずれた位置をタッチし、検出部や処理部を経てかかるタッチを演算処理した結果、当該ユーザーがタッチした中心位置を中心座標C(Cx,Cy)として認識された、ということになる。そして、当該中心座標Cとの関係で指紋検出のための第2領域FGが決定される。
【0092】
本実施形態に係る個人認証方法では、パスワードの各キーが入力されるごとに、図15に示す第2領域FGよりも小さい領域のイメージを取得する。これにより、パスワード入力の際に各入力キーにタッチした状態が維持される時間に検出すべき検出領域、及びその結果として取得されるイメージを可及的小さくできる。このため、パスワードのキー入力ごとに取得するイメージの精度を高めることができる。
【0093】
(実施形態1)
図16Aは、実施形態1における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第1図である。図16Bは、実施形態1における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第2図である。
【0094】
本開示では、指紋の登録を行う際に、検出領域FA上の所定位置に設けられた指紋登録領域FRにタッチされた指の指紋イメージFPを登録する。この指紋イメージFPのサイズは、指紋の認証を行う際の第2領域FGのサイズに等しい。図16A及び図16Bに示す例において、指紋イメージFPの指紋登録領域FR上におけるサイズは、第1方向Dxに256Pf(Tx256行分)、第2方向Dyに256Pf(Rx256列分)の(256×256)Pf(以下、単に「256×256」とも称する)サイズである。
【0095】
図16Aでは、指紋イメージFPが第2方向Dyに沿って4つの分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4に分割された分割パターン例を示している。図16Aに示す分割パターンにおいて、各分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4の第2方向Dyのサイズは第2方向Dyにおいて等しく、それぞれ64Pf(256Pf/4)としている。
【0096】
図16Bでは、指紋イメージFPが第2方向Dyに沿って3つの分割イメージSP1,SP2,SP3に分割された分割パターン例を示している。図16Bに示す分割パターンにおいて、分割イメージSP1,SP2の第2方向Dyのサイズはそれぞれ86Pfとし、分割イメージSP3の第2方向Dyのサイズは84Pfとしている。
【0097】
本開示において、指紋の認証を行う際(以下、「指紋認証時」とも称する)の個人認証用のパスワードの桁数Nは、指紋の登録を行った際(以下、「指紋登録時」とも称する)に取得した指紋イメージFPの分割数M、すなわち、分割イメージSPの数以上である(N≧M)。具体的に、図16Aに示す分割パターン例のように、指紋イメージFPの分割数Mが4(M=4)である場合、パスワードの桁数Nは4以上(N≧4)であれば良い。また、図16Bに示す分割パターン例のように、指紋イメージFPの分割数Mが3(M=3)である場合、パスワードの桁数Nは3以上(N≧3)であれば良い。
【0098】
また、本開示において、指紋イメージFPの分割方向、分割数M、及び各分割イメージSPmの相対的なサイズは、指紋登録時に設定され、指紋認証時に、指紋登録時において設定した指紋イメージFPの分割方向、分割数M、及び各分割イメージSPmの相対的なサイズを適用して指紋照合を行う。指紋イメージFPの分割方向、分割数M、及び各分割イメージSPmの相対的なサイズは、例えば、指紋照合に用いる特徴点の位置に基づき決定される。図17は、図16Aに示す分割パターン例における指紋イメージの特徴点を示す図である。図18は、指紋照合に用いる特徴点の具体例を示す図である。
【0099】
本開示において、指紋照合に用いる特徴点とは、図18に破線で示すように、例えば、指紋紋様の分岐点BP、端点EP、三角州DP等、指紋イメージFPにおいて個人を識別するための判断基準となるような特徴を有する部位を示す。本開示では、後述する指紋登録処理において、指紋イメージFP上の特徴点を抽出して分割イメージごとに登録し、指紋認証処理において、指紋イメージFP上の特徴点を、指紋登録処理において登録した分割イメージごとに抽出し、各特徴点の種類(分岐点、端点、三角州等)、指紋イメージFPの中心点から各特徴点への方向、中心点からの距離等を、指紋照合アルゴリズムによって照合する。指紋認証処理において用いる指紋照合アルゴリズムにより本開示が限定されるものではない。
【0100】
図19は、分割イメージごとに含まれる特徴点の数を示す図である。図19では、図17に示す分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4ごとの特徴点数を例示している。
【0101】
特徴点の位置が各分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4の境界付近にある場合、指紋登録時に取得した特徴点数と、指紋認証時に取得した特徴点数とが一致しない可能性がある。具体的に、例えば、図17に示す分割イメージSP1と分割イメージSP2との境界線上に位置する特徴点が、隣り合う分割イメージSP1と分割イメージSP2との双方の特徴点として取得される(重複登録)、あるいは、隣り合う分割イメージSP1と分割イメージSP2とのどちらの特徴点としても取得されない(登録漏れ)可能性がある。
【0102】
本開示では、指紋登録時において、指紋イメージ上の特徴点として識別可能な領域を指紋照合における特徴点識別領域CPとして設定する。図20は、特徴点識別領域の一例を示す概念図である。
【0103】
図20では、指紋紋様の分岐点を指紋イメージFP上の特徴点として例示している。本開示では、指紋登録時に取得した指紋イメージFP内において、第1方向DxにxPf、第2方向DyにyPfの(x×y)Pf(以下、単に「x×y」とも称する)の領域を特徴点識別領域CPとして設定する。図20に示す例では、指紋イメージFP内において2×2の領域を特徴点識別領域CPとして設定した例を示している。以下の説明では、指紋イメージFP内の2×2の領域を特徴点識別領域CPとした例について説明するが、例えば、指紋イメージFP内の3×3以上の領域を特徴点識別領域CPとする態様であっても良いし、特徴点識別領域CPとする領域は必ずしもx×yの方形状でなくとも良い。指紋イメージFP上における特徴点識別領域CPのサイズや形状により本開示が限定されるものではない。
【0104】
本開示では、指紋イメージFPの分割方向、分割数M、及び各分割イメージSPmの相対的なサイズが定義された複数の分割パターンを予め保持しておき、指紋登録時において、特徴点識別領域CPに分割イメージの分割位置が重ならないような分割パターンを選択して分割イメージを取得する。
【0105】
図21は、実施形態1に係る個人認証処理における分割パターンの具体例を示す図である。図21に示す各分割パターン(M_s_o)における各分割イメージSPmの数値は、各分割イメージSPの第2方向Dyのサイズ(Pf)を示している。各分割パターン(M_s_o)において、Mは指紋イメージFPの分割数を示し、sは分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号を示し、oは分割イメージの並び順序番号を示している。
【0106】
図21に示す各分割パターンでは、第2方向Dyが分割方向とされる(図16A図16B参照)。また、本開示において、各分割パターンにおける指紋イメージFPの分割数Mは、3又は4である(M=3or4)。
【0107】
分割数M=3の分割パターンにおいて、分割イメージSPの第2方向DyのサイズのパターンはA=86又はB=84であり、これらの組み合わせにより3つのバリエーション(s=1、o=1,2,3)を有している。
【0108】
分割数M=4の分割パターンにおいて、分割イメージSPの第2方向Dyのサイズのパターンは、A=66,70,74,78,82,86、B=64,66,68、C=42,46,50,54,58,62の何れかであり、各分割パターン(M_s_o)において、A>B>Cの関係を有し、第2方向DyのサイズのパターンがAとなる1つの分割イメージSP、第2方向DyのサイズのパターンがBとなる2つの分割イメージSP、第2方向DyのサイズのパターンがCとなる1つの分割イメージSPを含む組み合わせによる110個のバリエーション(s=1~10、o=1~11、)と、全ての分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4の第2方向Dyのサイズが64となる1つのバリエーション(s=11、o=12)とを含む111個のバリエーションを有している。
【0109】
本開示において、個人認証システム1及び個人認証装置1aは、個人認証処理を実行する際の前提条件として、ユーザーの指紋登録処理を実行する。以下、実施形態に係る指紋登録処理及び個人認証処理を実行するための具体的な構成及び動作について説明する。
【0110】
図4A及び図4Bに戻り、処理部50は、タッチ判定部51と、検出開始座標設定部52と、データ受信部53と、指紋イメージ記憶部54と、指紋イメージ生成部55と、指紋認証部58と、指紋認証結果記憶部59と、パスワード記憶部511と、パスワード認証部512と、パスワード認証結果記憶部513と、個人認証部514と、個人認証結果記憶部515と、を備える。指紋イメージ記憶部54、指紋認証結果記憶部59、パスワード記憶部511、パスワード認証結果記憶部513、及び個人認証結果記憶部515は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、レジスタ回路等であっても良い。また、指紋イメージ記憶部54、指紋認証結果記憶部59、パスワード記憶部511、パスワード認証結果記憶部513、及び個人認証結果記憶部515は、1つのRAM、ROM、レジスタ回路等であっても良い。
【0111】
タッチ判定部51は、上述した第1期間において検出部40から出力されたタッチ検出座標に基づき、本開示の個人認証方法において有効なタッチ状態であるか否かを判定する。
【0112】
指紋登録処理において、「本開示の個人認証方法において有効なタッチ状態」とは、ユーザーがタッチした検出領域FA上の座標、すなわち検出部40から出力されたタッチ検出座標が、図16A及び図16Bに示す指紋登録領域FR内の座標であることを示している。
【0113】
指紋登録処理において、タッチ判定部51は、指紋登録領域FR内の座標においてタッチ検出した場合に、上述した第1期間から第2期間に移行するための第1制御信号を検出制御部11に出力する。
【0114】
また、個人認証処理において、「本開示の個人認証方法において有効なタッチ状態」とは、ユーザーがタッチした検出領域FA上の座標、すなわち検出部40から出力されたタッチ検出座標が、図14に示す第1領域KY内の座標であることを示している。
【0115】
具体的に、タッチ判定部51は、指紋登録領域FR内の座標、又は第1領域KY内の座標においてタッチ状態であると判定した場合に、上述した第1期間から第2期間に移行するための第1制御信号を検出制御部11に出力する。以下、個人認証処理において、上述した「本開示の個人認証方法において有効なタッチ状態」であることを、「キー入力された」と称する。具体的には、例えば、検出部40から出力されたタッチ検出座標が、図15に示すように、第1領域KY「5」内の座標である場合には、「5」がキー入力されたとする。
【0116】
すなわち、個人認証処理において、タッチ判定部51は、キー入力されたことを検出した場合に、第2期間に移行するための第1制御信号を検出制御部11に出力する。
【0117】
そして、タッチ判定部51は、個人認証処理においてキー入力されたキー(図15に示す例では、「5」)をパスワード記憶部511に順次格納する。
【0118】
検出開始座標設定部52は、指紋登録処理においてタッチ判定部51が指紋登録領域FR内の座標においてタッチ検出した場合に、当該タッチ検出座標から指紋登録処理における指紋イメージ検出開始座標S(第1検出開始座標)を設定する。
【0119】
図22は、実施形態1に係る指紋登録処理における指紋イメージ取得領域を説明する図である。図22に示す座標C(Cx,Cy)は、指紋登録領域FR内におけるタッチ検出座標を示している。
【0120】
本開示において、指紋登録処理における指紋イメージ検出開始座標S(Sx,Sy)は、指紋登録領域FR内のタッチ検出座標を中心座標C(Cx,Cy)=C(128,128)として正規化された値とする。
【0121】
具体的に、指紋登録処理における第1指紋イメージFP_1の指紋イメージ検出開始座標S(Sx,Sy)をS(0,0)とする(図22)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、照合用の第1指紋イメージFP_1を取得するための指紋イメージ検出領域として、図22に示す指紋イメージ検出開始座標S(0,0)を始点とする256×256サイズの領域を割り当てる。すなわち、指紋登録領域FR内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256の領域が指紋イメージ検出領域として割り当てられる。
【0122】
検出開始座標設定部52は、個人認証処理においてタッチ判定部51がキー入力されたことを検出した場合に、キー入力された第2領域FG内のタッチ検出座標、及び指紋イメージ記憶部54から取得した分割パターンに基づき、個人認証処理における分割イメージ検出開始座標Sm(第2検出開始座標)を設定する(mは、1~Mの整数)。
【0123】
図23A図23B図23C図23Dは、実施形態1に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。図23A図23B図23C図23Dでは、図21に示す分割パターン(4_11_12)における認証用の第2指紋イメージFP_2の各第2分割イメージSPm_2の分割イメージ取得領域を例示している。図23Aは、第2分割イメージSP1_2の分割イメージ取得領域を示し、図23Bは、第2分割イメージSP2_2の分割イメージ取得領域を示し、図23Cは、第2分割イメージSP3_2の分割イメージ取得領域を示し、図23Dは、第2分割イメージSP4_2の分割イメージ取得領域を示している。
【0124】
本開示において、個人認証処理における分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)は、第1領域KY内のタッチ検出座標を第2領域FGの中心座標Cm(Cmx,Cmy)=Cm(128,128)として正規化された値とする。
【0125】
具体的に、個人認証処理における第2分割イメージSP1_2の分割イメージ検出開始座標S1(S1x,S1y)をS1(0,0)とする(図23A)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP1_2を取得するため分割イメージ検出領域として、図23Aに示す分割イメージ検出開始座標S1(0,0)を始点とする256×64サイズの領域を割り当てる。
【0126】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP2_2の分割イメージ検出開始座標S2(S2x,S2y)をS2(0,64)とする(図23B)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP2_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図23Bに示す分割イメージ検出開始座標S2(0,64)を始点とする256×64サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第2方向Dyに4分割した際の、上から2段目の分割領域が割り当てられる。
【0127】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP3_2の分割イメージ検出開始座標S3(S3x,S3y)をS3(0,128)とする(図23C)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP3_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図23Cに示す分割イメージ検出開始座標S3(0,128)を始点とする256×64サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第2方向Dyに4分割した際の、上から3段目の分割領域が割り当てられる。
【0128】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP4_2の分割イメージ検出開始座標S4(S4x,S4y)をS4(0,192)とする(図23D)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP4_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図23Dに示す分割イメージ検出開始座標S4(0,192)を始点とする256×64サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第2方向Dyに4分割した際の、上から4段目の分割領域が割り当てられる。
【0129】
データ受信部53は、指紋登録処理において、上述した第2期間に検出部40から出力された指紋データを受信する。
【0130】
また、データ受信部53は、個人認証処理において、上述した第2期間に検出部40から出力された分割データを受信する。
【0131】
指紋イメージ記憶部54は、図21に示す複数の分割パターン(M_s_o)が予め格納されている。図24は、図21に示す分割パターンにおける指紋イメージの分割数及び分割位置の一例を示す図である。図24では、図21に示す分割パターン(4_11_12)における分割数及び分割位置を例示している。
【0132】
本実施形態において、指紋イメージの分割数Mは、3又は4とされる。また、本実施形態における指紋イメージの分割位置は、分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)を含むSmy行とされる。具体的に、図21に示す分割パターン(4_11_12)における分割位置は、S1y=0(0行)、S2y=64(64行)、S3y=128(128行)、S4y=192(192行)とされる。
【0133】
また、指紋イメージ記憶部54は、指紋登録処理において指紋イメージ生成部55により抽出された特徴点識別領域CP、及び、指紋イメージ生成部55により生成されたM個の第1分割イメージSPm_1が分割パターン(M_s_o)と関連付けられて格納される。
【0134】
図25は、第1分割イメージが格納される記憶領域の一例を示す図である。本開示において、M個の第1分割イメージSPm_1は、図25に示すように、指紋イメージ記憶部54内の記憶領域においてそれぞれ異なるアドレスに格納される。これにより、照合用の第1指紋イメージFP_1の流出リスクを低減することができる。
【0135】
また、指紋イメージ記憶部54は、個人認証処理において指紋イメージ生成部55により生成されたM個の第2分割イメージSPm_2が一時記憶される。
【0136】
指紋登録処理において、指紋イメージ生成部55は、データ受信部53が受信した指紋データに基づき、照合用の第1指紋イメージFP_1を生成する。また、指紋イメージ生成部55は、生成した照合用の第1指紋イメージFP_1上の特徴点識別領域CPを抽出し、抽出した特徴点識別領域CPを指紋イメージ記憶部54に格納する。
【0137】
図26は、図20に示す特徴点識別領域の座標を示す図である。図27は、指紋イメージ記憶部に格納される特徴点識別領域の座標情報の一例を示す図である。図26及び図27では、第1指紋イメージFP_1上のQ個の2×2の領域を特徴点識別領域CPqとして抽出した例を示している。
【0138】
また、指紋イメージ生成部55は、指紋登録処理において、生成した照合用の第1指紋イメージFP_1の分割処理を行う。照合用の第1指紋イメージFP_1の分割処理については後述する。また、指紋イメージ生成部55は、分割処理後のM個の第1分割イメージSPm_1を分割パターン(M_s_o)と関連付けて指紋イメージ記憶部54に格納する。このとき、指紋イメージ生成部55は、上述した第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力する。
【0139】
また、個人認証処理において、指紋イメージ生成部55は、データ受信部53が受信した分割データに基づき、認証用の第2指紋イメージFP_2を構成するM個の第2分割イメージSPm_2を順次生成する。また、指紋イメージ生成部55は、順次生成したM個の第2分割イメージSPm_2を指紋イメージ記憶部54に一時記憶する。このとき、指紋イメージ生成部55は、上述した第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力する。
【0140】
指紋認証部58は、指紋イメージの認証判定処理を行う。具体的に、指紋認証部58は、指紋イメージ記憶部54に格納された第1分割イメージSPm_1と第2分割イメージSPm_2とを分割イメージ番号mごとに照合する。この場合、指紋認証部58は、例えば、分割イメージ番号mごとに、第1分割イメージSPm_1と第2分割イメージSPm_2とを照合し、それぞれ所定数の特徴点が一致する場合に認証成功とする態様であっても良い。
【0141】
また、指紋認証部58は、M個の第1分割イメージSPm_1を合成した第1指紋イメージFP_1とM個の第2分割イメージSPm_2を合成した第2指紋イメージFP_2とを照合する態様であっても良い。この場合、指紋認証部58は、例えば、合成された第1指紋イメージFP_1と第2指紋イメージFP_2とを照合し、所定数の特徴点が一致する場合に認証成功とする態様であっても良い。
【0142】
そして、指紋認証部58は、指紋認証判定結果を指紋認証結果記憶部59に格納する。なお、指紋認証部58における指紋認証判定手法は上記に限定されず、指紋認証判定手法により本開示が限定されるものではない。
【0143】
パスワード認証部512は、パスワード記憶部511に格納されたキーを合成して認証用のパスワードを生成し、当該認証用のパスワードの認証判定処理を行い、当該パスワード認証判定結果をパスワード認証結果記憶部513に格納する。具体的には、例えば、予め設定された照合用のパスワードと、生成した認証用のパスワードとを照合し、一致する場合に認証成功とする。
【0144】
個人認証部514は、パスワード認証結果記憶部513に記憶されたパスワード認証判定結果と、指紋認証結果記憶部59に記憶された指紋認証判定結果とを参照し、個人認証判定処理を行い、当該個人認証処理結果を個人認証結果記憶部515に格納する。具体的に、個人認証部514は、パスワード認証判定結果が認証成功であり、かつ、指紋認証判定結果が認証成功である場合に、個人認証が成功したものとする。
【0145】
以下、実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aの検出部40及び処理部50において実現する指紋登録方法の具体例について、図28図29A図29B、及び図30を参照して説明する。図28は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理の一例を示すフローチャートである。図29A及び図29Bは、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。図30は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理の具体例を示すシーケンス図である。
【0146】
実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、上位システムからの指紋登録開始指令に基づき指紋登録処理を開始する。本開示において、指紋登録処理により登録される第1分割イメージSPm_1は、指紋登録を行うユーザーのユーザーIDが関連付けられて登録される。
【0147】
指紋登録処理の第1期間において、処理部50のタッチ判定部51は、指紋登録領域FR内のタッチ有無を判定する(ステップS101)。タッチ検出されていなければ(ステップS101;No)、タッチ判定部51は、タッチ検出されるまで(ステップS101;Yes)、ステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0148】
指紋登録領域FR内においてタッチ検出された場合に(ステップS101;Yes)、タッチ判定部51は、第1期間から第2期間に移行するための第1制御信号を検出制御部11に出力する(ステップS102)。
【0149】
検出開始座標設定部52は、指紋登録領域FR内のタッチ検出座標に基づいて指紋イメージ検出開始座標S(図22参照)を設定し(ステップS103)、当該指紋イメージ検出開始座標Sを検出部40の指紋検出領域設定部46に出力する。
【0150】
指紋検出領域設定部46は、検出開始座標設定部52から出力される指紋イメージ検出開始座標Sを始点とする指紋イメージ検出領域を設定する(ステップS104)。
【0151】
検出制御部11は、タッチ判定部51から出力される第1制御信号に基づき、指紋検出領域設定部46により設定された指紋イメージ検出領域において指紋検出を行うように、第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16を制御する。
【0152】
検出部40のデータ生成部47は、信号処理部44の復号処理結果に基づいて、指紋検出領域設定部46において割り当てられた指紋イメージ検出領域における指紋データを生成し(ステップS105)、処理部50に出力する。
【0153】
処理部50の指紋イメージ生成部55は、データ受信部53によって受信された指紋データに基づき、照合用の第1指紋イメージFP_1を生成する(ステップS106)。また、指紋イメージ生成部55は、照合用の第1指紋イメージFP_1上の特徴点識別領域CPqを抽出して(ステップS107)、指紋イメージ記憶部54に格納する。
【0154】
続いて、指紋イメージ生成部55は、図29Aに示す分割パターン設定処理を実行する(図28のステップS108)。
【0155】
実施形態1では、ステップS108において、図21に示す複数の分割パターン(M_s_o)のうち、図24に示す分割位置Smyと、図27に示す特徴点識別領域CPqの第2方向Dyの位置Pq_1y,Pq_2yとが一致しないような分割パターンを設定する。以下、実施形態1に係る分割パターン設定処理について、図29A及び図29Bを参照して説明する。
【0156】
指紋イメージ生成部55は、図29Aに示す分割パターン設定処理における初期条件として、指紋イメージの分割数M、分割パターンにおける分割イメージ番号m、分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号s、分割イメージの並び順序番号o、特徴点識別領域の番号q、及びエラーフラグErrの初期設定を行う(ステップS201)。具体的に、ここでは、M=3、m=1、s=1、o=1、q=1、Err=0とし、図29Bに示す判定処理に移行する(図29AのステップS202)。なお、エラーフラグErrは、分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの第2方向Dyの位置Pq_1y,Pq_2yとが一致した場合に「Err=1」とする。
【0157】
指紋イメージ生成部55は、分割パターン(M_s_o)における分割イメージSPmの分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)を含むSmy行を分割位置Smyとし(図24参照)、特徴点識別領域CPqの座標Pq_1(Pq_1x,Pq_1y)及び座標Pq_3(Pq_2x,Pq_1y)を含むPq_1y行を特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとして、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致するか否か(Smy=Pq_1y)を判定する(ステップS221)。あるいはまた、例えば、図24に示す分割イメージにおいては、S1y=0、S2y=64であるから、第1の分割イメージのy座標は1~63までとなる。ここで、当該特徴点識別領域CPqの座標Pq_1におけるy座標Pq_1yが上記1~63に収まるか否かが判定される。
【0158】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致しない場合(ステップS221;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、特徴点識別領域CPqの座標Pq_2(Pq_1x,Pq_2y)及び座標Pq_4(Pq_2x,Pq_2y)を含むPq_2y行を特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとして、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致するか否か(Smy=Pq_2y)を判定する(ステップS222)。あるいはまた、例えば、図24に示す分割イメージにおいては、S1y=0、S2y=64であるから、第1の分割イメージのy座標は1~63までとなる。ここで、当該特徴点識別領域CPqの座標Pq_2におけるy座標Pq_2yが上記1~63に収まるか否かが判定される。
【0159】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致しない場合(ステップS222;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=3)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mがM+1未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221に戻り、ステップS221以降の処置を繰り返し実行する。
【0160】
分割イメージ番号mがM+1である(m=4)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS202に戻り、ステップS221以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図29Aに戻る。
【0161】
ステップS221において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致した場合(ステップS221;Yes)、又は、ステップS222において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致した場合(ステップS222;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図29Aに戻る。あるいはまた、例えば、上述の如く第1の分割イメージの認定において、上記特徴点識別領域CPqの座標Pq_1におけるy座標Pq_1yが1~63以内に収まり、座標Pq_2におけるy座標Pq_2yが1~63に収まらない場合、指紋イメージ生成部55が、エラーフラグErrを「1」(Err=1)(ステップS227)とする構成も採用可能である。
【0162】
図29Aに戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS203)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS203;Yes)、図28に戻る。エラーフラグErrが「1」(Err=1)であれば(ステップS203;No)、特徴点識別領域の番号qを初期化し(q=1)、分割イメージの並び順序番号oをカウントアップして(o=o+1)(ステップS204)、分割イメージの並び順序番号oが4であるか否か(o=4)を判定する(ステップS205)。分割イメージの並び順序番号oが4未満である場合(ステップS205;No)、指紋イメージ生成部55は、図29Bに示す判定処理(図29AのステップS202)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0163】
ステップS205において分割イメージの並び順序番号oが4である(o=4)場合(ステップS205;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージの並び順序番号oを初期化し(o=1)、指紋イメージの分割数M=4として(ステップS206)、図29Bに示す判定処理に移行する(図29AのステップS207)。
【0164】
続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致するか否か(Smy=Pq_1y)を判定する(ステップS221)。
【0165】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致しない場合(ステップS221;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致するか否か(Smy=Pq_2y)を判定する(ステップS222)。
【0166】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致しない場合(ステップS222;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=4)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mがM+1未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221に戻り、ステップS221以降の処置を繰り返し実行する。
【0167】
分割イメージ番号mがM+1である(m=5)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=Q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221に戻り、ステップS221以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図29Aに戻る。
【0168】
ステップS221において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致した場合(ステップS221;Yes)、又は、ステップS222において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致した場合(ステップS222;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図29Aに戻る。
【0169】
図29Aに戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS208)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS208;Yes)、図28に戻る。エラーフラグErrが「1」(Err=1)であれば(ステップS208;No)、特徴点識別領域の番号qを初期化し(q=1)、分割イメージの並び順序番号oをカウントアップして(o=o+1)(ステップS209)、分割イメージの並び順序番号oが12であるか否か(o=12)を判定する(ステップS210)。分割イメージの並び順序番号oが12未満である場合(ステップS210;No)、指紋イメージ生成部55は、図29Bに示す判定処理(図29AのステップS207)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0170】
分割イメージの並び順序番号oが12である場合(ステップS210;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージの並び順序番号oを初期化し(o=1)、分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号sをカウントアップして(s=s+1)(ステップS211)、分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号sが11であるか否か(s=11)を判定する(ステップS212)。分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号sが11未満である場合(ステップS212;No)、指紋イメージ生成部55は、図29Bに示す判定処理(図29AのステップS207)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0171】
ステップS212において分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号sが11である(s=11)場合(ステップS212;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージの並び順序番号o=12として(ステップS213)、図29Bに示す判定処理に移行する(図29AのステップS207)。
【0172】
続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致するか否か(Smy=Pq_1y)を判定する(ステップS221)。
【0173】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致しない場合(ステップS221;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致するか否か(Smy=Pq_2y)を判定する(ステップS222)。
【0174】
分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致しない場合(ステップS222;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=4)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mがM+1未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221に戻り、ステップS221以降の処置を繰り返し実行する。
【0175】
分割イメージ番号mがM+1である(m=5)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221に戻り、ステップS202以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図29Aに戻る。
【0176】
ステップS221において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1yとが一致した場合(ステップS221;Yes)、又は、ステップS222において分割イメージSPmの分割位置Smyと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2yとが一致した場合(ステップS222;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図29Aに戻る。
【0177】
図29Aに示す分割パターン設定処理から図28に戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS108a)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS108a;Yes)、分割イメージの分割数M、分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号s、及び分割イメージの並び順序番号oが確定する。
【0178】
具体的には、図29AのステップS203においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)であった場合(ステップS203;Yes)、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(M_s_o)は、図21に示す分割パターン(3_1_1),(3_1_2),(3_1_3)の何れかに決まる。このとき確定した分割パターン(3_1_o)において、各特徴点識別領域CPqは、各分割イメージSPmの何れかに含まれることになる。これにより、分割後の3個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0179】
また、図29AのステップS208においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)であった場合(ステップS208;Yes)、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(M_s_o)は、図21に示す分割パターン(4_1_1)~(4_1_11),(4_2_1)~(4_2_11),(4_3_1)~(4_3_11),(4_4_1)~(4_4_11),(4_5_1)~(4_5_11),(4_6_1)~(4_6_11),(4_7_1)~(4_7_11),(4_8_1)~(4_8_11),(4_9_1)~(4_9_11),(4_10_1)~(4_10_11)の何れかに決まる。このとき確定した分割パターン(4_s_o)において、各特徴点識別領域CPqは、各分割イメージSPmの何れかに含まれることになる。これにより、分割後の4個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0180】
また、図29AのステップS214における判定処理(図29B)においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)で確定した場合、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(4_11_12)に決まる。このとき、分割後の4個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0181】
図29AのステップS214における判定処理(図29B)においてエラーフラグErrが「1」(Err=1)で確定した場合、すなわち、ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「1」である場合(ステップS108a;No)、ステップS101に戻り、ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「0」となるまで(ステップS108a;Yes)、上述した処理を繰り返し実行する。
【0182】
ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「0」(Err=0)となると(ステップS108a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、確定した分割パターン(M_s_o)に従い、照合用の第1指紋イメージFP_1をM個の第1分割イメージSPm_1に分割し(ステップS109)、当該第1分割パターンSPm_1と確定した分割パターン(M_s_o)とを関連付けて指紋イメージ記憶部54に格納する。そして、指紋イメージ生成部55は、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力し(ステップS110)、指紋登録処理を終了する。
【0183】
上述した処理により、特徴点識別領域CPに第1分割イメージSPm_1の分割位置が重ならない分割パターンを設定することができる。これにより、第1指紋イメージFP_1上の特徴点数と、複数の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数とが一致し、分割後の各第1分割イメージSPm_1における特徴点の重複登録や登録漏れを抑制することができる。
【0184】
次に、実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aの検出部40及び処理部50において実現する個人認証方法の具体例について、図31図32図33、及び図34を参照して説明する。図31は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における個人認証処理の一例を示すフローチャートである。図32は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における認証用データ取得処理の一例を示すサブフローチャートである。図33は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置におけるパスワード認証処理の一例を示すサブフローチャートである。図34は、実施形態1に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋認証処理の一例を示すサブフローチャートである。
【0185】
実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、上位システムからの個人認証開始指令に基づき、図31に示す個人認証処理を開始する。本開示において、個人認証処理では、予め指紋登録を行うユーザーのユーザーIDが特定され、当該ユーザーIDに関連付けられた照合用パスワード及び照合用の第1分割イメージSPm_1との照合判定処理(認証処理)が実行される。
【0186】
まず、実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、図32に示す認証用データ取得処理(図31のステップS301)を実行する。
【0187】
図32に示す認証用データ取得処理における前提条件として、第2分割イメージSPm_2の蓄積数m及びキーの蓄積数nがリセット(m=0,n=0)されているものとする。
【0188】
個人認証処理の第1期間において、タッチ判定部51は、第1領域KY内のタッチ有無を判定する(ステップS401)。タッチ検出されていなければ(ステップS401;No)、タッチ判定部51は、タッチ検出されるまで(ステップS401;Yes)、ステップS402の処理を繰り返し実行する。
【0189】
第1領域KY内においてタッチ検出された場合に(ステップS401;Yes)、タッチ判定部51は、パスワード記憶部511に格納されたキーの蓄積数nをカウントアップし(n=n+1)(ステップS402)、キー入力されたキー(図15に示す例では、「5」)をパスワード記憶部511に格納する(ステップS403)。
【0190】
タッチ判定部51は、指紋イメージ記憶部54に格納された第2分割イメージSPm_2の蓄積数mが分割数M以上であるか否かを判定する(ステップS404)。
【0191】
第2分割イメージSPm_2の蓄積数mが分割数M未満である場合(ステップS404;No)、タッチ判定部51は、第1期間から第2期間に移行するための第1制御信号を検出制御部11に出力する(ステップS405)。
【0192】
検出開始座標設定部52は、図28に示す指紋登録処理においてM個の第1分割イメージSPm_1に関連付けられて指紋イメージ記憶部54に記憶された分割パターン(M_s_o)を読み出し(ステップS406)、当該分割パターン(M_s_o)及び第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて、分割イメージ検出開始座標Sm(図23A図23B図23C図23D参照)を設定し(ステップS407)、当該分割イメージ検出開始座標Smを検出部40の指紋検出領域設定部46に出力する。
【0193】
指紋検出領域設定部46は、検出開始座標設定部52から出力される分割イメージ検出開始座標Smを始点とする分割イメージ検出領域を設定する(ステップS408)。
【0194】
検出制御部11は、タッチ判定部51から出力される第1制御信号に基づき、指紋検出領域設定部46により設定された分割イメージ検出領域において指紋検出を行うように、第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16を制御する。
【0195】
検出部40のデータ生成部47は、信号処理部44の復号処理結果に基づいて、指紋検出領域設定部46において割り当てられた分割イメージ検出領域における指紋データを生成し(ステップS409)、処理部50に出力する。
【0196】
処理部50の指紋イメージ生成部55は、データ受信部53によって受信された指紋データに基づき、認証用の第2分割イメージSPm_2を生成して(ステップS410)、指紋イメージ記憶部54に格納する(ステップS411)。そして、指紋イメージ生成部55は、第2分割イメージSPm_2の蓄積数mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS412)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS413)、ステップS401の処理に戻る。
【0197】
検出制御部11は、指紋イメージ生成部55から出力される第2制御信号に基づき、検出領域FAの全域においてタッチ検出を行うように、第1電極選択回路15及び検出電極選択回路16を制御する。
【0198】
指紋イメージ記憶部54に格納された第2分割イメージSPm_2の蓄積数mが分割数Mに達していなければ(ステップS404;No)、指紋イメージ記憶部54に格納された第2分割イメージSPm_2の蓄積数mが分割数Mに達するまで(ステップS404;Yes)、ステップS413までの処理が繰り返し実施される。これにより、認証用の第2指紋イメージFP_2を構成するM個の第2分割イメージSPm_2が指紋イメージ記憶部54に蓄積される。
【0199】
第2分割イメージSPm_2の蓄積数mが分割数Mとなると(ステップS404;Yes)、続いて、タッチ判定部51は、パスワード記憶部511に格納されたキーの蓄積数nがパスワードの桁数Nに達したか否かを判定する(ステップS414)。
【0200】
キーの蓄積数nがパスワードの桁数Nに達していなければ(ステップS414;No)、ステップS401の処理に戻り、キーの蓄積数nがパスワードの桁数Nに達するまで(ステップS414;Yes)、ステップS414までの処理を繰り返し実施する。これにより、N桁のパスワードがパスワード記憶部511に蓄積される。
【0201】
パスワード記憶部511に格納されたキーの蓄積数nがパスワードの桁数Nに達すると(ステップS414;Yes)、第2分割イメージSPm_2の蓄積数m及びキーの蓄積数nをリセット(m=0,n=0)し(ステップS415)、図31に示す個人認証処理に戻る。
【0202】
続いて、実施形態1に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aは、図32に示すパスワード認証処理(図31のステップS302)を実行する。
【0203】
パスワード認証部512は、パスワード記憶部511に格納されたキーを読み出して(ステップS501)、個人認証用のパスワードを生成して当該パスワードの認証判定処理を実行し(ステップS502)、パスワード認証判定結果をパスワード認証結果記憶部513に格納する(ステップS503)。
【0204】
図31に戻り、個人認証部514は、パスワード認証結果記憶部513に記憶されたパスワード認証判定結果を読み出し(ステップS303)、パスワード認証が成功したか否かを判定する(ステップS304)。
【0205】
パスワード認証が成功すると(ステップS304;Yes)、指紋認証部58は、図34に示す指紋認証処理(図31のステップS305)を実行する。
【0206】
指紋認証部58は、図34に示す指紋認証処理における初期条件として、分割パターンにおける分割イメージ番号mの初期設定(m=1)を行い(ステップS601)、指紋イメージ記憶部54に格納された第1分割イメージSPm_1及び第2分割イメージSPm_2を読み出して(ステップS602)、分割イメージ番号mごとに指紋認証判定処理を実行し(ステップS603)、分割イメージ番号mをカウントアップして(m=m+1)(ステップS604)、分割イメージ番号mが分割イメージの分割数M+1であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS605)。分割イメージ番号mが分割イメージの分割数M+1未満である場合(ステップS605;No)、指紋認証部58は、ステップS602に戻り、ステップS602以降の処置を繰り返し実行する。
【0207】
分割イメージ番号mが分割イメージの分割数M+1である(m=M+1)場合(ステップS605;Yes)、分割イメージ番号mごとの指紋認証判定結果を指紋認証結果記憶部59に格納する(ステップS606)。
【0208】
なお、図34では、分割イメージ番号mごとに指紋認証判定処理を実行する例を示したが、これに限らず、指紋イメージ記憶部54に格納されたM個の第1分割イメージSPm_1を合成して第1指紋イメージFP_1を復元し、指紋イメージ記憶部54に格納されたM個の第2分割イメージSPm_2を合成して第2指紋イメージFP_2を生成し、これら第1指紋イメージFP_1と第2指紋イメージFP_2との指紋認証判定処理を実行し、当該指紋認証判定結果を指紋認証結果記憶部59に格納する態様であっても良い。
【0209】
図31に戻り、個人認証部514は、指紋認証結果記憶部59に記憶された指紋認証判定結果を読み出し(ステップS306)、指紋認証が成功したか否かを判定する(ステップS307)。
【0210】
指紋認証が成功すると(ステップS307;Yes)、個人認証部514は、個人認証が成功したことを示す個人認証処理結果を個人認証結果記憶部515に格納する(ステップS308)。
【0211】
パスワード認証が失敗(ステップS304;No)、あるいは、指紋認証が失敗(ステップS307;No)した場合、個人認証部514は、上位の処理装置(不図示)に対してパスワードの再入力要求を出力する(ステップS309)。
【0212】
上述した個人認証処理により、パスワード入力の際に分割イメージを取得して指紋認証を実行することができるので、利便性を損なうことなく指紋認証によるセキュリティ強化を実現することができる。
【0213】
また、個人認証処理において指紋認証に用いる照合用の指紋イメージを、指紋登録時に分割して登録することで、照合用の指紋イメージの流出リスクを低減することができる。さらに、分割した指紋イメージを記憶領域における異なるアドレスに登録することで、照合用の指紋イメージの流出リスクをさらに低減することができる。
【0214】
また、照合用の指紋イメージを分割して登録する際に、特徴点識別領域に分割イメージの分割位置が重ならない分割パターンを設定することで、特徴点の重複登録や登録漏れを抑制することができ、分割後の照合用の指紋イメージ(分割イメージ)の精度を維持することができる。
【0215】
本実施形態により、利便性を損ねずセキュリティの強化と認証精度の向上とを両立することができる個人認証システム1、個人認証装置1a、表示装置100、及び個人認証方法を得ることができる。
【0216】
(実施形態2)
図36Aは、実施形態2における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第1図である。図36Bは、実施形態2における指紋イメージの分割パターンの一例を示す第2図である。以下の説明では、実施形態1とは異なる点について詳細に説明し、実施形態1と重複する説明については省略することがある。
【0217】
図36Aでは、指紋イメージFPが第1方向Dxに沿って4つの分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4に分割された分割パターン例を示している。図36Aに示す分割パターンにおいて、各分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4の第1方向Dxのサイズは、それぞれ64Pfとしている。
【0218】
図36Bでは、指紋イメージFPが第1方向Dxに沿って3つの分割イメージSP1,SP2,SP3に分割された分割パターン例を示している。図36Bに示す分割パターンにおいて、分割イメージSP1,SP2の第1方向Dxのサイズはそれぞれ86Pfとし、分割イメージSP3の第2方向Dyのサイズは84Pfとしている。
【0219】
図37は、実施形態2に係る個人認証処理における分割パターンの具体例を示す図である。図37に示す各分割パターン(M_s_o)における各分割イメージSPの数値は、各分割イメージSPの第1方向Dxのサイズ(Pf)を示している。各分割パターン(M_s_o)において、Mは指紋イメージFPの分割数を示し、sは分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号を示し、oは分割イメージの並び順序番号を示している。
【0220】
図37に示す各分割パターンでは、第1方向Dxが分割方向とされる(図36A図36B参照)。また、本開示において、各分割パターンにおける指紋イメージFPの分割数Mは、3又は4である(M=3or4)。
【0221】
分割数M=3の分割パターンにおいて、分割イメージSPの第2方向DyのサイズのパターンはA=86又はB=84であり、これらの組み合わせにより3つのバリエーション(s=1、o=1,2,3)を有している。
【0222】
分割数M=4の分割パターンにおいて、分割イメージSPの第1方向Dxのサイズのパターンは、A=66,70,74,78,82,86、B=64,66,68、C=42,46,50,54,58,62の何れかであり、各分割パターン(M_s_o)において、A>B>Cの関係を有し、第1方向DxのサイズのパターンがAとなる1つの分割イメージSP、第1方向DxのサイズのパターンがBとなる2つの分割イメージSP、第1方向DxのサイズのパターンがCとなる1つの分割イメージSPを含む組み合わせによる110個のバリエーション(s=1~10、o=1~11、)と、全ての分割イメージSP1,SP2,SP3,SP4の第1方向Dxのサイズが64となる1つのバリエーション(s=11、o=12)とを含む111個のバリエーションを有している。
【0223】
図38A図38B図38C図38Dは、実施形態2に係る個人認証処理における分割イメージ取得領域を説明する図である。図38A図38B図38C図38Dでは、図37に示す分割パターン(4_11_12)における認証用の第2指紋イメージFP_2の各第2分割イメージSPm_2の分割イメージ取得領域を例示している。図38Aは、第2分割イメージSP1_2の分割イメージ取得領域を示し、図38Bは、第2分割イメージSP2_2の分割イメージ取得領域を示し、図38Cは、第2分割イメージSP3_2の分割イメージ取得領域を示し、図38Dは、第2分割イメージSP4_2の分割イメージ取得領域を示している。
【0224】
本開示において、個人認証処理における分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)は、第1領域KY内のタッチ検出座標を第2領域FGの中心座標Cm(Cmx,Cmy)=Cm(128,128)として正規化された値とする。
【0225】
具体的に、個人認証処理における第2分割イメージSP1_2の分割イメージ検出開始座標S1(S1x,S1y)をS1(0,0)とする(図38A)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP1_2を取得するため分割イメージ検出領域として、図38Aに示す分割イメージ検出開始座標S1(0,0)を始点とする64×256サイズの領域を割り当てる。
【0226】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP2_2の分割イメージ検出開始座標S2(S2x,S2y)をS2(64,0)とする(図38B)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP2_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図38Bに示す分割イメージ検出開始座標S2(64,0)を始点とする64×256サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第1方向Dxに4分割した際の、左から2番目の分割領域が割り当てられる。
【0227】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP3_2の分割イメージ検出開始座標S3(S3x,S3y)をS3(128,0)とする(図38C)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP3_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図38Cに示す分割イメージ検出開始座標S3(128,0)を始点とする64×256サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第1方向Dxに4分割した際の、左から3番目の分割領域が割り当てられる。
【0228】
また、個人認証処理における第2分割イメージSP4_2の分割イメージ検出開始座標S4(S4x,S4y)をS4(192,0)とする(図38D)。このとき、検出部40の指紋検出領域設定部46は、認証用の第2指紋イメージFP_2の第2分割イメージSP4_2を取得するための分割イメージ検出領域として、図38Dに示す分割イメージ検出開始座標S4(192,0)を始点とする64×256サイズの領域を割り当てる。すなわち、第1領域KY内のタッチ検出座標に基づいて規定される256×256サイズの第2領域FGを第1方向Dxに4分割した際の、左から4番目の分割領域が割り当てられる。
【0229】
指紋イメージ記憶部54は、図37に示す複数の分割パターン(M_s_o)が予め格納されている。図39は、図37に示す分割パターンにおける指紋イメージの分割数及び分割位置の一例を示す図である。図39では、図37に示す分割パターン(4_11_12)における分割数及び分割位置を例示している。
【0230】
本実施形態において、指紋イメージの分割数Mは、3又は4とされる。また、本実施形態における指紋イメージの分割位置は、分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)を含むSmx行とされる。具体的に、図37に示す分割パターン(4_11_12)における分割位置は、S1x=0(0列)、S2x=64(64列)、S3x=128(128列)、S4x=192(192列)とされる。
【0231】
以下、実施形態2に係る個人認証システム1及び個人認証装置1aの検出部40及び処理部50において実現する指紋登録方法の具体例における分割パターン設定処理について説明する。図40A及び図40Bは、実施形態2に係る個人認証システム及び個人認証装置における分割パターン設定処理の一例を示すサブフローチャートである。なお、実施形態2に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理フローは、実施形態1における図28と同一である。また、実施形態2に係る個人認証システム及び個人認証装置における指紋登録処理シーケンスは、実施形態1における図30と同一である。
【0232】
実施形態2では、図28に示すステップS108において、図37に示す複数の分割パターン(M_s_o)のうち、図39に示す分割位置Smxと、図27に示す特徴点識別領域CPqの第1方向Dxの位置Pq_1x,Pq_2xとが一致しないような分割パターンを設定する。
【0233】
指紋イメージ生成部55は、図40Aに示す分割パターン設定処理における初期条件として、指紋イメージの分割数M、分割パターンにおける分割イメージ番号m、分割イメージの第1方向Dxのサイズ番号s、分割イメージの並び順序番号o、特徴点識別領域の番号q、及びエラーフラグErrの初期設定を行う(ステップS201a)。具体的に、ここでは、M=3、m=1、s=1、o=1、q=1、Err=0とし、図40Bに示す判定処理に移行する(図40AのステップS202a)。
【0234】
指紋イメージ生成部55は、分割パターン(M_s_o)における分割イメージSPmの分割イメージ検出開始座標Sm(Smx,Smy)を含むSmx列を分割位置Smxとし(図39参照)、特徴点識別領域CPqの座標Pq_1(Pq_1x,Pq_1y)及び座標Pq_3(Pq_2x,Pq_1y)を含むPq_1x列を特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとして、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致するか否か(Smx=Pq_1x)を判定する(ステップS221a)。
【0235】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致しない場合(ステップS221a;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、特徴点識別領域CPqの座標Pq_2(Pq_1x,Pq_2y)及び座標Pq_4(Pq_2x,Pq_2y)を含むPq_2x列を特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとして、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致するか否か(Smx=Pq_2x)を判定する(ステップS222a)。
【0236】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致しない場合(ステップS222a;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=3)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mがM+1未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。
【0237】
分割イメージ番号mがM+1である(m=4)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS202aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図40Aに戻る。
【0238】
ステップS221aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致した場合(ステップS221a;Yes)、又は、ステップS222aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致した場合(ステップS222a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図40Aに戻る。
【0239】
図40Aに戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS203)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS203;Yes)、図28に戻る。エラーフラグErrが「1」(Err=1)であれば(ステップS203;No)、特徴点識別領域の番号qを初期化し(q=1)、分割イメージの並び順序番号oをカウントアップして(o=o+1)(ステップS204)、分割イメージの並び順序番号oが4であるか否か(o=4)を判定する(ステップS205)。分割イメージの並び順序番号oが4未満である場合(ステップS205;No)、指紋イメージ生成部55は、図40Bに示す判定処理(図40AのステップS202a)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0240】
ステップS205において分割イメージの並び順序番号oが4である(o=4)場合(ステップS205;Yes)、分割イメージの並び順序番号oを初期化し(o=1)、指紋イメージの分割数M=4として(ステップS206)、図40Bに示す判定処理に移行する(図40AのステップS207)。
【0241】
続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致するか否か(Smx=Pq_1x)を判定する(ステップS221a)。
【0242】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致しない場合(ステップS221a;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致するか否か(Smx=Pq_2x)を判定する(ステップS222a)。
【0243】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致しない場合(ステップS222a;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=4)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mが5未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。
【0244】
分割イメージ番号mがM+1である(m=5)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=Q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図40Aに戻る。
【0245】
ステップS221aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致した場合(ステップS221a;Yes)、又は、ステップS222aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致した場合(ステップS222a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図40Aに戻る。
【0246】
図40Aに戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS208)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS208;Yes)、図28に戻る。エラーフラグErrが「1」(Err=1)であれば(ステップS208;No)、特徴点識別領域の番号qを初期化し(q=1)、分割イメージの並び順序番号oをカウントアップして(o=o+1)(ステップS209)、分割イメージの並び順序番号oが12であるか否か(o=12)を判定する(ステップS210)。分割イメージの並び順序番号oが12未満である場合(ステップS210;No)、指紋イメージ生成部55は、図29Bに示す判定処理(図40AのステップS207)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0247】
分割イメージの並び順序番号oが12である場合(ステップS210;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージの並び順序番号oを初期化し(o=1)、分割イメージの第1方向Dxのサイズ番号sをカウントアップして(s=s+1)(ステップS211a)、分割イメージの第1方向Dxのサイズ番号sが11であるか否か(s=11)を判定する(ステップS212a)。分割イメージの第1方向Dxのサイズ番号sが11未満である場合(ステップS212a;No)、指紋イメージ生成部55は、図40Bに示す判定処理(図40AのステップS207)に戻り、以降の処置を繰り返し実行する。
【0248】
ステップS212aにおいて分割イメージの第1方向Dxのサイズ番号sが11である(s=11)場合(ステップS212a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージの並び順序番号o=12として(ステップS213)、図40Bに示す判定処理に移行する(図40AのステップS214a)。
【0249】
続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致するか否か(Smx=Pq_1x)を判定する(ステップS221a)。
【0250】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致しない場合(ステップS221a;No)、続いて、指紋イメージ生成部55は、分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致するか否か(Smx=Pq_2x)を判定する(ステップS222a)。
【0251】
分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致しない場合(ステップS222a;No)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mをカウントアップし(m=m+1)(ステップS223)、分割イメージ番号mがM+1(ここでは、M=4)であるか否か(m=M+1)を判定する(ステップS224)。分割イメージ番号mが5未満である場合(ステップS224;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。
【0252】
分割イメージ番号mがM+1である(m=5)場合(ステップS224;Yes)、指紋イメージ生成部55は、分割イメージ番号mを初期化し(m=1)、特徴点識別領域の番号qをカウントアップして(q=q+1)(ステップS225)、特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1であるか否か(q=Q+1)を判定する(ステップS226)。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1未満である場合(ステップS226;No)、指紋イメージ生成部55は、ステップS221aに戻り、ステップS221a以降の処置を繰り返し実行する。特徴点識別領域の番号qが特徴点識別領域数Q+1である(q=Q+1)場合(ステップS226;Yes)、図40Aに戻る。
【0253】
ステップS221aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_1xとが一致した場合(ステップS221a;Yes)、又は、ステップS222aにおいて分割イメージSPmの分割位置Smxと特徴点識別領域CPqの位置Pq_2xとが一致した場合(ステップS222a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrを「1」(Err=1)として(ステップS227)、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力して(ステップS228)、図40Aに戻る。
【0254】
図40Aに示す分割パターン設定処理から図28に戻り、指紋イメージ生成部55は、エラーフラグErrが「0」(Err=0)であるか否かを判定する(ステップS108a)。エラーフラグErrが「0」(Err=0)であれば(ステップS108a;Yes)、分割イメージの分割数M、分割イメージの第2方向Dyのサイズ番号s、及び分割イメージの並び順序番号oが確定する。
【0255】
具体的には、図40AのステップS203においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)であった場合(ステップS203;Yes)、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(M_s_o)は、図37に示す分割パターン(3_1_1),(3_1_2),(3_1_3)の何れかに決まる。このとき確定した分割パターン(3_1_o)において、各特徴点識別領域CPqは、各分割イメージSPmの何れかに含まれることになる。これにより、分割後の3個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0256】
また、図40AのステップS208においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)であった場合(ステップS208;Yes)、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(M_s_o)は、図37に示す分割パターン(4_1_1)~(4_1_11),(4_2_1)~(4_2_11),(4_3_1)~(4_3_11),(4_4_1)~(4_4_11),(4_5_1)~(4_5_11),(4_6_1)~(4_6_11),(4_7_1)~(4_7_11),(4_8_1)~(4_8_11),(4_9_1)~(4_9_11),(4_10_1)~(4_10_11)の何れかに決まる。このとき確定した分割パターン(4_s_o)において、各特徴点識別領域CPqは、各分割イメージSPmの何れかに含まれることになる。これにより、分割後の4個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0257】
また、図40AのステップS214aにおける判定処理(図40B)においてエラーフラグErrが「0」(Err=0)で確定した場合、照合用の第1指紋イメージFP_1に対応する分割パターン(4_11_12)に決まる。このとき、分割後の4個の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数と、分割前の第1指紋イメージFP_1上の特徴点数とが一致する。
【0258】
図40AのステップS214aにおける判定処理(図40B)においてエラーフラグErrが「1」(Err=1)で確定した場合、すなわち、ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「1」である場合(ステップS108a;No)、ステップS101に戻り、ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「0」となるまで(ステップS108a;Yes)、上述した処理を繰り返し実行する。
【0259】
ステップS108aにおいてエラーフラグErrが「0」(Err=0)となると(ステップS108a;Yes)、指紋イメージ生成部55は、確定した分割パターン(M_s_o)に従い、照合用の第1指紋イメージFP_1をM個の第1分割イメージSPm_1に分割し(ステップS109)、当該第1分割パターンSPm_1と確定した分割パターン(M_s_o)とを関連付けて指紋イメージ記憶部54に格納する。そして、指紋イメージ生成部55は、第2期間から第1期間に移行するための第2制御信号を検出制御部11に出力し(ステップS110)、指紋登録処理を終了する。
【0260】
上述した処理により、実施形態1と同様に、特徴点識別領域CPに第1分割イメージSPm_1の分割位置が重ならない分割パターンを設定することができる。これにより、第1指紋イメージFP_1上の特徴点数と、複数の第1分割イメージSPm_1上の特徴点の総数とが一致し、分割後の各第1分割イメージSPm_1における特徴点の重複登録や登録漏れを抑制することができる。
【0261】
なお、実施形態1では、指紋イメージFPを第2方向Dyに分割する例を示し、実施形態2では、指紋イメージFPを第1方向Dxに分割する例を示したが、指紋イメージFPの分割方向は、第1方向Dx又は第2方向Dyの何れかに限定されない。
【0262】
具体的には、例えば、実施形態1に係る分割パターン設定処理(図29A図29B)において、図21に示す分割パターンの何れにおいても、図24に示す分割位置Smyと、図27に示す特徴点識別領域CPqの第2方向Dyの位置Pq_1y,Pq_2yとが一致した場合に、指紋イメージFPの分割方向を第2方向Dyから第1方向Dxに変更して、実施形態2に係る分割パターン設定処理(図40A図40B)に移行する態様であっても良い。
【0263】
また、例えば、実施形態2に係る分割パターン設定処理(図40A図40B)において、図37に示す分割パターンの何れにおいても、図39に示す分割位置Smxと、図27に示す特徴点識別領域CPqの第1方向Dxの位置Pq_1x,Pq_2xとが一致した場合に、指紋イメージFPの分割方向を第1方向Dxから第2方向Dyに変更して、実施形態1に係る分割パターン設定処理(図29A図29B)に移行する態様であっても良い。
【0264】
これにより、分割後の各第1分割イメージSPm_1における特徴点の重複登録や登録漏れの抑制効果をより高めることができる。
【0265】
なお、上述した各実施形態では、検出装置として静電容量型の検出原理を用いたセンサ部を適用した例について説明したが、検出装置におけるセンサ部の態様はこれに限定されない。具体的には、例えば、検出素子として例えば有機フォトダイオード等の複数の光センサを用いてセンサ部が構成された態様とすることも可能である。
【0266】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示このような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0267】
1 個人認証システム
1a 個人認証装置
2 検出装置
3 基板
4 配線基板
5 制御基板
6 検出回路
7,7a 制御回路
8 個人認証回路
9,9a 制御装置
10 センサ部
11 検出制御部
21 センサ基板
23a,23b 電極部
24 接続部
30 表示パネル
31 第1基板
32 第2基板
40 検出部
42 検出信号増幅部
43 A/D変換部
44 信号処理部
45 座標抽出部
46 指紋検出領域設定部
47 データ生成部
48 検出タイミング制御部
50 処理部
51 タッチ判定部
52 検出開始座標設定部
53 データ受信部
54 指紋イメージ記憶部
55 指紋イメージ生成部
58 指紋認証部
59 指紋認証結果記憶部
100 表示装置
101 カバー部材
110 加飾層
151 第1選択回路
152 第2選択回路
153 第3選択回路
154 第1電極ブロック選択回路
511 パスワード記憶部
512 パスワード認証部
513 パスワード認証結果記憶部
514 個人認証部
515 個人認証結果記憶部
BP 分岐点(特徴点)
CP,CPq 特徴点識別領域
DP 三角州(特徴点)
EP 端点(特徴点)
FP 指紋イメージ
FP_1 第1指紋イメージ
FP_2 第2指紋イメージ
Smx,Smy 分割位置
SPm 分割イメージ
SPm_1 第1分割イメージ
SPm_2 第2分割イメージ
Vctrl 各種制御信号
VP 電源電圧
Vtx1 第1駆動信号
Vtx2 第2駆動信号
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37
図38A
図38B
図38C
図38D
図39
図40A
図40B