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  • 特開-防水手袋 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155817
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】防水手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/015 20060101AFI20231016BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A41D19/015 610C
A41D19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065399
(22)【出願日】2022-04-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】522139051
【氏名又は名称】しぶやポンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 正勝
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AB16
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題は、特別な係着体を用いることなく2つの使用態様を取り得る防水手袋を提供する。
【解決手段】使用者の手が入れられる手部10と、この手部10と一体に形成され、手部10より後方に伸びる筒状部20とを有し、筒状部20には、手部10よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブ21rと、第1リブ21rよりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブ22rとが設けられ、第1第2リブ22rの長手方向に関し、第1リブ21rの後端21dと第2リブ22rの先端21bとの間には隙間Cが設けられている。複数本の第1リブ21rの後端21dはリング状リブで連結され、複数本の第2リブ22rの後端21dはリング状リブで連結され、第2リブ22rの先端21bは、筒状部20の表面に向かって先細になるように傾斜し、第1リブ21rと第2リブ22rとは筒状部20の周方向に関しずれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の手が入れられる手部(10)と、この手部(10)と一体に形成され、手部(10)より後方に伸びる筒状部(20)とを有する防水手袋であって、
前記筒状部(20)には、手部(10)よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブ(21r)と、この第1リブ(21r)よりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブ(22r)とが設けられ、
第1第2リブ(21r、22r)の長手方向に関し、第1リブ(21r)の後端(21d)と第2リブ(22r)の先端(22b)との間には隙間(C)が設けられていることを特徴とする防水手袋。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数本の第1リブ(21r)の後端(21d)はリング状リブ(23)で連結されていることを特徴とする防水手袋。
【請求項3】
請求項1において、
前記複数本の第2リブ(22r)の後端(22d)はリング状リブ(24)で連結されていることを特徴とする防水手袋。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項において、
前記第2リブ(22r)の先端(22b)は、筒状部(20)の表面(20s)に向かって先細になるように傾斜していることを特徴とする防水手袋。
【請求項5】
請求項1~3のうちいずれか一項において、
前記第1リブ(21r)と第2リブ(22r)とは筒状部(20)の周方向に関しずれていることを特徴とする防水手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水手袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1~2に見られるような技術が知られている。
【0003】
<特許文献1>実開昭59-149913号公報
特許文献1には、同文献第1図、第2図に示されるように、手袋1の腕部外周にポケット2を周設した防水手袋と、同文献第3図、第4図に示されるように、手袋1の端縁にポケット2を周設した防水手袋とが記載されている(同文献実用新案登録請求の範囲の欄)。
【0004】
この手袋を使用すれば、手を上方にあげて作業するときに、余滴は垂下してポケット内にに貯留するので、袖口や袖が濡れることがない。
しかし、この手袋はポケット2が固定的であるので、使い方は上記の1態様となる。
【0005】
<特許文献2>実用新案登録第3205566号公報
特許文献2には、
「手袋使用者の作業時、水分による衣服汚れを防止する袖口折り返し形状保持可能な手袋を提供する」ことを課題とし、
「手袋の袖口近傍表面において、該袖口に近接した折り返し側中央係着体3と、該係着体の近傍でかつ折り返し側係着体よりも手袋の指先側表面に位置する本体側係着体2を各々設け、手袋の袖口を折り返すことによって、本体側係着体2と折り返し中央側係着体3との係着にて、該手袋の折り返し形状保持を可能とした」手袋
が記載されている(同文献要約欄)。
【0006】
この手袋によれば、袖口を折り返した状態と、折り返さない状態の2態様を取り得る。
(同文献段落)
【0007】
しかし、この手袋は袖口を折り返した状態に保持するための、特別な係着体2,3等を必要とするという難点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭59-149913号公報
【特許文献2】実用新案登録第3205566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、特別な係着体を用いることなく2つの使用態様を取り得る防水手袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の防水手袋は、
使用者の手が入れられる手部と、この手部と一体に形成され、手部より後方に伸びる筒状部とを有する防水手袋であって、
前記筒状部には、手部よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブと、この第1リブよりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブとが設けられ、
第1第2リブの長手方向に関し、第1リブの後端と第2リブの先端との間には隙間が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この防水手袋は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
筒状部には、手部よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブによって補強される第1筒部と、第1リブよりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブによって補強される第2筒部とが形成される。
第1第2リブの長手方向に関し、第1リブの後端と第2リブの先端との間には隙間が設けられているから、この隙間を用い、第2筒部を第1筒部の外側に向けて折り返すと、第1筒部が第1リブによって補強されており、また第2筒部が第2リブによって補強されており、さらに第1リブの後端と第2リブの先端との間に隙間が設けられていることによって、第2筒部は第1筒部の外側に折り返された状態で維持されやすくなる。
このように第2筒部が第1筒部の外側に折り返された状態では、手袋の手部から使用者の肘方向へ向かって流れようとする水等の液体を折り返し部で止めることができる。
一方、第2筒部を第1筒部の外側に折り返さない状態、すなわち第1筒部より使用者の肘方向へ第2筒部が伸びている状態では、第1筒部及び第2筒部で、使用者の袖口等が濡れるの防止することができる。
【0012】
以上のように、本発明の防水手袋によれば、特別な係着体を用いることなく2つの使用態様を取り得る。
【0013】
この防水手袋においては、
前記複数本の第1リブの後端はリング状リブで連結されている構成とすることができる。
このように構成すると、第1筒部の保形性が向上すると共に、リング状リブを境にして第2筒部を第1筒部の外側に折り返しやすくなる。
【0014】
この防水手袋においては、
前記複数本の第2リブの後端はリング状リブで連結されている構成とすることができる。
このように構成すると、第2筒部の保形性が向上するので、第2筒部を第1筒部の外側に折り返した状態での保形性も向上する。
【0015】
この防水手袋においては、
前記第2リブの先端は、筒状部の表面に向かって先細になるように傾斜している構成とすることができる。
このように構成すると、第2筒部を第1筒部の外側に折り返す際、第2リブの先端が筒状部の表面と干渉しないか少なくとも干渉しにくくなるので、折り返しやすくなる。
【0016】
この防水手袋においては、
前記第1リブと第2リブとは筒状部の周方向に関しずれている構成とすることができる。
このように構成すると、第2筒部を第1筒部の外側に折り返す際、第1,第2リブによる抵抗が少なくなるので折り返しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る防水手袋の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は他の使用体を示す正面図、(c)は図(a)の部分省略右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る防水手袋の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0019】
図1に示すように、この実施の形態の防水手袋1は、
使用者の手が入れられる手部10と、この手部10と一体に形成され、手部10より後方(肘方向)に伸びる筒状部20とを有する防水手袋である。
【0020】
筒状部20には、手部10よりも後方に向かって放射状に伸びる複数本の第1リブ21rと、この第1リブ21rよりも後方に向かって放射状に伸びる複数本の第2リブ22rとが設けられている。
【0021】
第1第2リブ21r,22rの長手方向に関し、第1リブ21rの後端21dと第2リブ22rの先端22bとの間には隙間Cが設けられている。
【0022】
なお、この実施の形態では、第1リブ21rの後端21dはリング状リブ23で連結されているが、このリング状リブ23は設けなくてもよい。
【0023】
この防水手袋1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0024】
筒状部20には、手部10よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブ21rによって補強される第1筒部21と、第1リブ21rよりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブ22rによって補強される第2筒部22とが形成される。
【0025】
第1第2リブ21r、22rの長手方向に関し、第1リブ21rの後端21dと第2リブ22rの先端22bとの間には隙間Cが設けられているから、この隙間Cを用い、図(b)に示すように、第2筒部22を第1筒部21の外側に向けて折り返すと、第1筒部21が第1リブ21rによって補強されており、また第2筒部22が第2リブ22rによって補強されており、さらに第1リブ21rの後端21dと第2リブ22rの先端22bとの間に隙間Cが設けられていることによって、第2筒部22は第1筒部21の外側に略ラッパ状に折り返された状態で維持される。
【0026】
このように第2筒部22が第1筒部21の外側に折り返された状態では、手袋の手部10から使用者の肘方向へ向かって流れようとする水等の液体W1を折り返し部(22)で止めることができる。
【0027】
一方、図(a)に示すように、第2筒部22を第1筒部21の外側に折り返さない状態、すなわち第1筒部21より使用者の肘方向へ第2筒部22が伸びている状態では、第1筒部21及び第2筒部22で、使用者の袖口等が濡れるの防止することができる。
【0028】
以上のように、この防水手袋1によれば、特別な係着体を用いることなく2つの使用態様(図(a)図(b))を取り得る。
【0029】
この実施の形態では、複数本の第1リブ21rの後端21dはリング状リブ23で連結されている。
このように構成すると、第1筒部21の保形性が向上すると共に、リング状リブ23を境にして第2筒部22を第1筒部21の外側に折り返しやすくなる。
【0030】
複数本の第2リブ22rの後端22dはリング状リブ24で連結されている。
【0031】
このように構成すると、第2筒部22の保形性が向上するので、第2筒部22を第1筒部21の外側に折り返した状態での保形性も向上する。
【0032】
第2リブ22rの先端22bは、筒状部20の表面20sに向かって先細になるように傾斜している。傾斜部を符号22b1で示す。
【0033】
このように構成すると、第2筒部22を第1筒部21の外側に折り返す際、第2リブ22rの先端22bが筒状部20の表面20sと干渉しないか少なくとも干渉しにくくなるので、折り返しやすくなる。
【0034】
第1リブ21rと第2リブ22rとは筒状部20の周方向に関しずれている。図(a)(c)において、ズレ部を符号Eで示す。
【0035】
このように構成すると、第2筒部22を第1筒部21の外側に折り返す際、第1,第2リブ21r、22rによる抵抗が少なくなるので折り返しやすくなる。
【0036】
この防水手袋1の材質及び肉厚は上記の機能を実現できる適度の柔軟性と弾力性を有するゴムまたは合成樹脂及び肉厚を採用することができる。合成樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂を採用することができる。
【0037】
25は第1リブ21rの先端21bを連結しているリング状リブである。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0039】
1: 防水手袋
10: 手部
20: 筒状部
21r: 第1リブ
22r: 第2リブ
23,24,25: リング状リブ
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の手が入れられる手部(10)と、この手部(10)と一体に形成され、手部(10)より後方に伸びる筒状部(20)とを有する防水手袋であって、
前記筒状部(20)には、手部(10)よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブ(21r)と、この第1リブ(21r)よりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブ(22r)とが設けられ、
第1第2リブ(21r、22r)の長手方向に関し、第1リブ(21r)の後端(21d)と第2リブ(22r)の先端(22b)との間には隙間(C)が設けられ
前記複数本の第1リブ(21r)の後端(21d)はリング状リブ(23)で連結されていることを特徴とする防水手袋。
【請求項2】
使用者の手が入れられる手部(10)と、この手部(10)と一体に形成され、手部(10)より後方に伸びる筒状部(20)とを有する防水手袋であって、
前記筒状部(20)には、手部(10)よりも後方に向かって伸びる複数本の第1リブ(21r)と、この第1リブ(21r)よりも後方に向かって伸びる複数本の第2リブ(22r)とが設けられ、
第1第2リブ(21r、22r)の長手方向に関し、第1リブ(21r)の後端(21d)と第2リブ(22r)の先端(22b)との間には隙間(C)が設けられ

前記複数本の第2リブ(22r)の後端(22d)はリング状リブ(24)で連結されていることを特徴とする防水手袋。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2リブ(22r)の先端(22b)は、筒状部(20)の表面(20s)に向かって先細になるように傾斜していることを特徴とする防水手袋。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記第1リブ(21r)と第2リブ(22r)とは筒状部(20)の周方向に関しずれていることを特徴とする防水手袋。