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特開2023-155862タイヤ加硫金型のコンテナリング及びそのコンテナリングを有するタイヤ加硫金型
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  • 特開-タイヤ加硫金型のコンテナリング及びそのコンテナリングを有するタイヤ加硫金型 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155862
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】タイヤ加硫金型のコンテナリング及びそのコンテナリングを有するタイヤ加硫金型
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/04 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
B29C33/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022073783
(22)【出願日】2022-04-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】515058064
【氏名又は名称】新興金型工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】石丸 裕志
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AH20
4F202CA21
4F202CU01
4F202CY02
4F202CY11
4F202CY21
4F202CY24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】環状蒸気流路の高さをできるだけ小さくする一方で、金型の加熱を効率良く行うことができるコンテナリング及びそのコンテナリングを備えた加硫金型を提供する。
【解決手段】タイヤ加硫金型において、中心軸の周りに環状に配置された複数のセクタを前記複数のセクタの外側から拘束する環状のコンテナリング30は、内部に、中心軸を中心とする周方向に連続した環状の主加熱媒体案内路46と、周方向に間隔をあけて配置され、主加熱媒体案内路46から上方に向けて延在する複数の副加熱媒体案内路84,86が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫金型(10)において、中心軸(18)の周りに環状に配置された複数のセクタ(28)を前記複数のセクタ(28)の外側から拘束する環状のコンテナリング(30)であって、前記コンテナリング(30)は、内部に、
前記中心軸(18)を中心とする周方向に連続した環状の主加熱媒体案内路(46)と、
前記周方向に間隔をあけて配置され、前記主加熱媒体案内路(46)から上方に向けて延在する複数の副加熱媒体案内路が形成されている、コンテナリング。
【請求項2】
前記コンテナリング(30)は、前記主加熱媒体案内路(46)に加熱媒体を供給する入口ポート(68)と、前記主加熱媒体案内路から加熱媒体を排出する出口ポート(70)とを有する、請求項1に記載のコンテナリング。
【請求項3】
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は前記コンテナリング(30)の上端面に開口しており、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端開口が蓋で塞がれている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項4】
前記コンテナリング(30)の上端面には窪みが形成され、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は前記窪みの底部に開口しており、
前記窪みが蓋で塞がれている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項5】
前記コンテナリング(30)は上リング部(52)と下リング部(54)に分割され、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は前記下リング部(54)の上端面に開口しており、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端開口が蓋で塞がれている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項6】
前記コンテナリング(30)は上リング部(52)と下リング部(54)に分割され、
前記下リング部(54)の上端面には窪みが形成され、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は前記窪みの底部に開口しており、
前記窪みが蓋で塞がれている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項7】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる少なくとも一つの孔を有する、請求項3から6のいずれかに記載のコンテナリング。
【請求項8】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる2つの孔(84,86)を有する、請求項3から6のいずれかに記載のコンテナリング。
【請求項9】
前記2つの孔(84,86)は、前記2つの孔(84,86)の上端が連絡路(85)によって互いに連通されている、請求項8に記載のコンテナリング。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかのコンテナリングを含む、タイヤ加硫金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造の加硫工程で使用される金型及び該金型を構成するコンテナリングに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、タイヤを製造する加硫工程で使用される金型が記載されている。この金型は、上下方向の中心軸の周りに環状に配置された複数のセクタと、これら複数のセクタの周囲に配置されて該セクタの径方向外側への移動を阻止する環状のコンテナリングを備えている。コンテナリングは、中心軸を中心とする周方向に連続した環状の蒸気流路(ジャケット)が形成されており、この蒸気流路に高温蒸気を流すことで、金型全体を加熱できるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたコンテナリングには、上下方向に長い縦長の蒸気流路が形成されている。しかし、コンテナリングの強度を確保するためには、蒸気流路の上下方向寸法を出来るだけ小さくすることが好ましい。一方、蒸気流路の上下方向寸法を小さくすると、金型の加熱に要する時間が長くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第653798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、環状蒸気流路の高さをできるだけ小さくする一方で、金型の加熱を効率良く行うことができるコンテナリング及びそのコンテナリングを備えた加硫金型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本願発明の実施形態に係るコンテナリングは、
タイヤ加硫金型の中心軸を中心とする周方向に連続した環状の主加熱媒体案内路と、
前記周方向に一定の間隔をあけて配置され、前記環状の主加熱媒体案内路から上方に向けて延在する複数の副加熱媒体案内路を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
このように構成された実施形態のコンテナリングによれば、主加熱媒体案内路に供給された加熱媒体は、環状の主加熱媒体案路に沿って周方向に移動しながらコンテナリングの全体を加熱する。主加熱媒体案路に供給された加熱媒体はまた、複数の副加熱媒体案内路に入り、主加熱媒体案内路の上にあるコンテナリング部分を加熱する。これにより、コンテナリングは、その上下方向に一様にかつ短時間で目的の温度まで加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る方法を適用するタイヤ加硫金型の構成を示す断面図。
図2図1に示す金型を構成するセグメントとセクタを示す斜視図。
図3図1に示す金型を構成するコンテナリングを上方から見た部分平面図。
図4図1に示す金型を構成するコンテナリングの断面図。
図5】実施形態のコンテナリングにおける加熱温度と時間の関係を示すグラフ。
図6】比較例のコンテナリングにおける加熱温度と時間の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係るタイヤ加硫金型(以下、単に「金型」という。)及びその一部を構成するコンテナリング(または、「アクチュエータリング」ともいう。)の実施形態を説明する。
【0010】
[金型]
図1は、金型10の概略構成を示す。金型10は、図示しない基台の上に置かれる。基台の上には3つの部材-下部プラテン12、下部プレート14、及び下サイドモールド16がこの順序で積層される。
【0011】
下部プラテン12、下部プレート14、及び下サイドモールド16はそれぞれ、上下方向に向けられた金型の中心軸18を中心とする開口20,22,24を有する。図示しないが、基台にも、中心軸18を中心とする開口が形成されている。これらの開口には、加硫時図示しない昇降装置が配置される。昇降装置は、加硫時にタイヤを保持するブラダリングを支持する。また、昇降装置は、タイヤの内側に高温高圧蒸気を噴射するノズルを備えている。
【0012】
下サイドモールド16の上には、中心軸18を中心とする円周上に複数のセグメント26が配置される。例えば、図2に示すように、金型10は、同一形状の9個のセグメント26からなる。
【0013】
複数のセグメント26によって囲まれた内側の空間には、セグメント26の内周面に沿って複数のセクタ28が配置される。図2に示すように、各セクタ28の外周面は外側のセグメント26の内周面形状に対応する形状を有する。
【0014】
複数のセグメント26の外周には環状のコンテナリング30が配置される。
【0015】
セグメント26及びセクタ28の上には、3つの部材-上サイドモールド32、上部プレート34、及び上プラテン36がこの順序で積層される。図示するように、上サイドモールド32は、中心軸18を中心とする円形の開口38を有する。
【0016】
このように、複数のセクタ28の内周面、下サイドモールド16の上面、及び上サイドモールド32の下面によって、タイヤの外形を形作るモールド面が形成される。例えば、複数のセクタ28の内周面にはタイヤのトレッド部に対応する形状が形成され、下サイドモールド16の上面と上サイドモールド32の下面にはタイヤのサイドウォール部に対応する形状が形成されている。
【0017】
以上の構成を備えた金型10を用いてタイヤを加硫する場合、セクタ28と下サイドモールド16と上サイドモールド32に囲まれたモールド空間40に、昇降機構に支持された上下ブラダリングとそれに支持されたタイヤ(グリーンタイヤ)が収容される。
【0018】
タイヤには、その内側と外側から圧力が加えられる。例えば、タイヤの内面には、昇降機構に設けたノズルを通じて、上下ブラダリングとタイヤに囲まれた空間に高温高圧の蒸気が供給されて圧力が加えられる。タイヤの外面に加わる力は、複数のセクタ28を介してトレッド部に加えられる力と、下サイドモールド16と上サイドモールド32を介してサイドウォール部に加えられる力である。
【0019】
実施形態では、上部プレート34とコンテナリング30の上に配置された上プラテン36に上方から力が加えられる。上プラテン36からコンテナリング30に加わる力は、コンテナリング30とセグメント26の円錐傾斜面42,44を介して中心軸18に向かう加圧力に変換され、複数のセクタ28からトレッド部に加えられる。一方、上プラテン36から上部プレート34に加わる力は、上サイドモールド32と下サイドモールド16がタイヤのサイドウォール部をその上下から加圧する力に変換される。
【0020】
加硫前、コンテナリング30の内部に形成されたジャケット46と下プラテン12と上プラテン36の内部に形成されたジャケット46、48にそれぞれ加熱媒体である高温高圧蒸気が供給されてタイヤはその外側から加熱(予熱)される。また、加硫時、昇降機構の流路を介してタイヤの内側に高温高圧蒸気が供給されてタイヤはその内側から加熱される。
【0021】
このように、タイヤには、その内側と外側から熱と圧力が加えられ、金型10のモールド面に付された形状に対応した形状が付与される。
【0022】
[コンテナリング]
図3に示すように、コンテナリング30は、上リング部52と下リング部54の2つの部分で構成されている。
【0024】
上リング部52は板状リングである。
【0025】
下リング部54は、略三角形又は略台形の断面形状を有し、径方向外側の外周面56が略鉛直方向に向けられた円筒面56によって形作られ、径方向内側の内周面58が上方に向かって次第に中心軸18に接近する円錐面(テーパ面)によって形作られ、下リング部54の幅は下から上に向かって次第に大きくなっている。
【0026】
下リング部54の内部、特に、下リング部54の下部には、上述のように、加硫前また加硫中に金型を予熱及び加熱するために、中心軸18を中心とする円周に沿って連続した環状のジャケット46からなる主加熱媒体流路が形成されている。
【0027】
ジャケット46に高温高圧蒸気を供給するために、下リング部54の外周円筒面56には、ジャケット46に通じる2つの開口60,62が形成されている。一方の開口60はプレート64が溶接されて塞がれている。プレート64には入口ポート68が形成され、そこに蒸気供給管72が接続されている。他方の開口62もプレート66が溶接されて塞がれている。プレート66には出口ポート70が形成され、そこに蒸気排出管74が接続されている。
【0028】
開口60,62は、中心軸18を中心として対称な位置(周方向に180°離れた場所)に設けてもよいし、周方向に関して近くに配置してもよい。
【0029】
図3,4に示すように、下リング54の上端面80には、周方向に所定の間隔をあけて所定深さの溝81又は窪みが形成されている。溝81の底部には、溝81とジャケット46を連通する副加熱媒体流路が上下方向に向けて形成されている。実施形態において、副加熱媒体流路は、平行に配置された2つの孔(流路)84,86で構成されている。溝81には、溝81の形状に対応する形状の蓋(ブロック)82が着脱可能に嵌め込まれる。好ましくは、蓋82は、例えば溝81と蓋82の接触部を周方向に連続して溶接して、下リング54に固定される。実施形態において、溝81の底部には、2つの孔84,86の上端部を互いに連結する連絡路85が形成され、これにより、孔84,86は、それらの上端部が連絡路85によって互いに連通されるとともに、それらの下端がジャケット46によって互いに連通されている。
【0030】
図4に示すように、溝81は、これを上から見ると、周方向に長い溝であるが、溝81の形は任意である。また、図4には、複数の溝81が一定の間隔で示されているが、溝81の間隔は一定である必要はない。図示しないが、コンテナリング30には、コンテナリング30の内側に配置されるセクタ28を固定するためのボルトを通す穴が多数形成されており、それらのボルト穴と孔84,86が干渉しないように、溝81の位置と間隔、及び孔84,86の位置と間隔が決められる。
【0031】
図3に示すように、下リング部54の上端面80には上リング部52が配置され、ボルト等の固定手段によって、着脱可能に固定される。これにより、ジャケット46,孔84,86,溝81は、蒸気供給管72と蒸気排出管74にのみ通じる、一つの閉鎖された空間(蒸気流路)を形成する。
【0032】
このように構成されたコンテナリング30によれば、金型10の予熱及び加熱時、図示しない高温高圧蒸気供給源から供給される高温高圧蒸気は、蒸気供給管72を介してジャケット46に供給される。供給された蒸気は、蒸気排出管74に向かって進行する過程で、孔84,86及び連絡路85に入り、コンテナリング30の下部から上部まで一様に加熱する。コンテナリング30に熱が奪われた蒸気は、液化したドレーンとともに蒸気排出管74から排出される。図3に示すように、ドレーンを排出するために、蒸気排出管74は、ジャケット46の下部に接続されている。
【0033】
[比較実験]
上述した実施形態のコンテナリングと従来のコンテナリング(溝と孔の無いコンテナリング)に高温高圧蒸気を供給し、コンテナリングの各部における温度を測定した。
【0034】
実施形態のコンテナリングには、蒸気供給管72の出口付近(ジャケット入口)と、コンテリングの上部内周面に温度検出器を取り付けた。
【0035】
従来のコンテナリングには、蒸気供給管の出口付近(ジャケット入口)と、コンテナリングの中央部内周面と上部内周面に温度検出器を取り付けた。
【0036】
図5に示すように、実施形態のコンテナリングの場合、コンテナリングの上部内周面の温度は、蒸気の供給開始と共に急激に温度が上昇し、僅か10分経過時点で約150℃に達し、その後約25分経過時点でほぼ蒸気温度(176~178℃)に近い温度(170℃)に達した。これに対し、図6に示すように、従来のコンテナリングでは、中央部及び上部の温度が、蒸気の供給開始からの経過時間に応じて徐々に増加するものの、約140℃の温度に達するまでに約80分を要した。
【0037】
実験から明らかなように、実施形態のコンテナリングの場合、蒸気の供給開始からわずかな時間でコンテリングが蒸気温度(176~178℃)に近い温度(170℃)まで加熱されることが判明した。これに対し、従来のコンテナリングの場合、コンテナリングの内周面が蒸気温度に近い温度まで加熱されることがなく、供給開始から100分経過した時点でもコンテナリングの内周面の温度は140℃~150℃であった。
【0038】
[他の実施形態]
上述の実施形態では、副加熱媒体流路は、2つの孔84,86で構成したが、1つの孔で構成してもよいし、3つ以上の孔で構成してもよい。
【0039】
上述の実施形態では、溝81の下に、2つの孔84,86を互いに連通する連絡路85を形成したが、この連絡路は無くてもよい。連絡路の効果を確認するために、2つの孔の上端を溝で接続したコンテナリングと、一つの孔だけを形成してその上端を閉鎖したコンテナリングを用いて温度上昇を比較した。その結果、最終的には両コンテナリングの上部内周面が蒸気温度(176~178℃)に近い温度(170℃)まで上昇したが、その温度に達するまで要した時間は前者で約25分、後者で約80分であった。したがって、コンテナリングを短時間で加熱するためには、複数の孔を設けてそれらの上端を連絡路によって互いに連通することが好ましいと考えられる。
【0040】
上述の実施形態では、下リング54の上端面80に溝81を形成するとともに、溝81の底部に連絡路82を形成したが、溝81を連絡路として利用してもよい。この場合、上リング52と下リング54との間には、孔の周囲にシール手段(ガスケット溝と該ガスケット溝に配置するガスケット等)を設け、上リング52と下リング54との境界面から蒸気が漏れるのを防止することが好ましい。
または、下リング54の上端面80に、溝を形成することなく、直に一つ又は複数の孔を開けてもよい。この場合、各孔の上端部を対応する形の蓋(栓)で閉じてシールしてもよいし、孔の周囲にシール手段(ガスケット収容溝と該ガスケット溝に配置するガスケット等)を設け、上リング52と下リング54との境界面から蒸気が漏れるのを防止してもよい。
【0041】
上述の実施形態では、コンテナリング30を上リング52と下リング54に分割したが、コンテナリング30を分割することなく、コンテナリングを一つのリングで構成してもよい。
この形態では、一つのリングの上端面に孔を形成してもよい。この場合、孔の上端に蓋を嵌めることによって、孔の上端を閉じる。
または、一つのリングの上端面に溝(又は窪み)を形成し、溝の底部に孔を形成してもよい。この場合、溝に蓋を嵌めることによって、孔の上端を閉じる。
もしくは、一つのリングの上端面に溝(又は窪み)を形成するとともに、溝の底部に複数の孔を形成し、孔の上端部を連通路によって互いに連通してもよい。この場合、溝に蓋を嵌めることによって、連通路の上端を閉じる。
【0042】
他の実施形態では、一つ又は複数の孔に、コンテナリングを構成する材料(通常は鉄)よりも熱伝導率の良い金属(例えば、銅、アルミニウム)からなる中空又は中実の金属棒を挿入してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10:加硫金型
28:セクタ
30:コンテナリング
46:主加熱媒体案内路(ジャケット)
52:上リング部
54:下リング部
80:上端面
84,86:副加熱媒体案内路(孔)
85:連絡路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫金型(10)において、中心軸(18)の周りに環状に配置された複数のセクタ(28)を前記複数のセクタ(28)の外側から拘束する環状のコンテナリング(30)であって、前記コンテナリング(30)は、内部に、
前記中心軸(18)を中心とする周方向に連続した環状の主加熱媒体案内路(46)と、
前記周方向に間隔をあけて配置され、前記主加熱媒体案内路(46)から上方に向けて延在する複数の副加熱媒体案内路が形成されており、
前記コンテナリング(30)は、前記主加熱媒体案内路(46)に加熱媒体を供給する入口ポート(68)と、前記主加熱媒体案内路から加熱媒体を排出する出口ポート(70)とを有し、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は、前記コンテナリング(30)を構成する第1のリング部(54)の上端面に開口しており、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端開口が蓋(82)で塞がれている、コンテナリング。
【請求項2】
前記第1のリング部(54)の上端面(80)に前記窪み(81)が形成され、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端が前記窪み(81)の底部に開口しており、
前記窪み(81)に前記蓋(82)が嵌められて前記窪み(81)が塞がれている、請求項1に記載のコンテナリング。
【請求項3】
前記コンテナリング(30)は第2のリング部(52)を有し、
前記第1のリング部(54)の上端面(80)に前記第2のリング部(52)が配置されて固定されている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項4】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる少なくとも一つの孔を有する、請求項1から3のいずれかに記載のコンテナリング。
【請求項5】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる2つの孔(84,86)を有する、請求項1から3のいずれかに記載のコンテナリング。
【請求項6】
前記2つの孔(84,86)は、前記2つの孔(84,86)の上端が連絡路(85)によって互いに連通されている、請求項5に記載のコンテナリング。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかのコンテナリングを含む、タイヤ加硫金型。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
[コンテナリング]
図3に示すように、コンテナリング30は、上リング部(第2のリング部)52と下リング部(第1のリング部)54の2つの部分で構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
図3,4に示すように、下リング54の上端面80には、周方向に所定の間隔をあけて所定深さの溝81又は窪みが形成されている。溝81の底部には、溝81とジャケット46を連通する副加熱媒体流路が上下方向に向けて形成されている。実施形態において、副加熱媒体流路は、平行に配置された2つの孔(流路)84,86で構成されている。溝81には、溝81の形状に対応する形状の蓋(ブロック)82が着脱可能に嵌め込まれる。好ましくは、蓋82は、例えば溝81と蓋82の接触部を周方向に連続して溶接して、下リング54に固定される。実施形態において、溝81の底部には、2つの孔84,86の上端部を互いに連結する連絡路85が形成され、これにより、孔84,86は、それらの上端部が連絡路85によって互いに連通されるとともに、それらの下端がジャケット46によって互いに連通されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
上述の実施形態では、下リング54の上端面80に溝81を形成するとともに、溝81の底部に連絡路82を形成したが、溝81を連絡路として利用してもよい。この場合、上リング52と下リング54との間には、孔の周囲にシール手段(ガスケット溝と該ガスケット溝に配置するガスケット等)を設け、上リング52と下リング54との境界面から蒸気が漏れるのを防止することが好ましい。
または、下リング54の上端面80に、溝を形成することなく、直に一つ又は複数の孔を開けてもよい。この場合、各孔の上端部を対応する形の蓋(栓)で閉じてシールしてもよいし、孔の周囲にシール手段(ガスケット収容溝と該ガスケット溝に配置するガスケット等)を設け、上リング52と下リング54との境界面から蒸気が漏れるのを防止してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
上述の実施形態では、コンテナリング30を上リング52と下リング54に分割したが、コンテナリング30を分割することなく、コンテナリングを一つのリングで構成してもよい。
この形態では、一つのリングの上端面に孔を形成してもよい。この場合、孔の上端に蓋を嵌めることによって、孔の上端を閉じる。
または、一つのリングの上端面に溝(又は窪み)を形成し、溝の底部に孔を形成してもよい。この場合、溝に蓋を嵌めることによって、孔の上端を閉じる。
もしくは、一つのリングの上端面に溝(又は窪み)を形成するとともに、溝の底部に複数の孔を形成し、孔の上端部を連通路によって互いに連通してもよい。この場合、溝に蓋を嵌めることによって、連通路の上端を閉じる。

【手続補正書】
【提出日】2023-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫金型(10)において、中心軸(18)の周りに環状に配置された複数のセクタ(28)を前記複数のセクタ(28)の外側から拘束する環状のコンテナリング(30)であって、前記コンテナリング(30)は、内部に、
前記中心軸(18)を中心とする周方向に連続した環状の主加熱媒体案内路(46)と、
前記周方向に間隔をあけて配置され、前記主加熱媒体案内路(46)から上方に向けて延在する複数の副加熱媒体案内路が形成されており、
前記コンテナリング(30)は、前記主加熱媒体案内路(46)に加熱媒体を供給する入口ポート(68)と、前記主加熱媒体案内路から加熱媒体を排出する出口ポート(70)とを有し、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端は、前記コンテナリング(30)を構成する第1のリング部(54)の上端面に開口しており、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端開口が蓋(82)で塞がれている、コンテナリング。
【請求項2】
前記第1のリング部(54)の上端面(80)に窪み(81)が形成され、
前記複数の副加熱媒体案内路のそれぞれの上端が前記窪み(81)の底部に開口しており、
前記窪み(81)に前記蓋(82)が嵌められて前記窪み(81)が塞がれている、請求項1に記載のコンテナリング。
【請求項3】
前記コンテナリング(30)は第2のリング部(52)を有し、
前記第1のリング部(54)の上端面(80)に前記第2のリング部(52)が配置されて固定されている、請求項2に記載のコンテナリング。
【請求項4】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる少なくとも一つの孔を有する、請求項1に記載のコンテナリング。
【請求項5】
前記複数の副加熱媒体案内路は、それぞれが、
前記主加熱媒体案内路(46)から上方に延びる2つの孔(84,86)を有する、請求項1に記載のコンテナリング。
【請求項6】
前記2つの孔(84,86)は、前記2つの孔(84,86)の上端が連絡路(85)によって互いに連通されている、請求項5に記載のコンテナリング。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかのコンテナリングを含む、タイヤ加硫金型。