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特開2023-155877エネルギー貯蔵システムの爆発パネル
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  • 特開-エネルギー貯蔵システムの爆発パネル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155877
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システムの爆発パネル
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/02 20190101AFI20231016BHJP
   B65D 90/22 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B65D90/02 B
B65D90/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187286
(22)【出願日】2022-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0044682
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522459269
【氏名又は名称】エフディーシー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンス
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA21
3E170BA03
3E170LA10
3E170NA01
3E170RA01
3E170VA20
(57)【要約】
【課題】コンテナの内部が外部温度によって影響されない断熱機能を有するエネルギー貯蔵システムの爆発パネルを提供する。
【解決手段】爆発パネルは、設定された圧力で破裂する破裂線を備えるトップディスク(10)を備え、その上部には、リブフランジ(20)が密着する。本体は、トップディスク(10)の底面に密着する本体フランジ(32)と、本体フランジ(32)から垂直下方に延長され、一定の高さ(H)を形成する内側壁(34)とを備える。本体の内側壁(34)の下部には、格子構造体が設置される。これらの内側壁(34)間には、断熱部材が挿入された状態で、格子構造体(36)によって支持される。ここで、本体(30)の内側壁(34)の高さ(H)の変化に応じて、断熱部材(40)の厚さを変化させることができる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された圧力で破裂する破裂線を備えるトップディスクと、
コンテナの上面に支持されるように、外側の水平方向に延長され、前記トップディスクの底面に密着する本体フランジと、前記本体フランジから垂直下方に延長され、一定の高さを形成する内側壁と、を備える本体と、
前記トップディスクの上部に密着するリブフランジと、
前記本体の前記内側壁の下部に設置される格子構造体と、
前記内側壁間に挿入され、前記格子構造体によって支持される断熱部材と、を含み、
前記本体の前記内側壁の高さの変化に応じて、前記断熱部材の厚さが変化可能なエネルギー貯蔵システムの爆発パネル。
【請求項2】
前記リブフランジは、破裂線の外側から前記トップディスクに接触し、前記本体フランジは、前記破裂線の内側まで内部に延長して成形される請求項1に記載のエネルギー貯蔵システムの爆発パネル。
【請求項3】
前記本体の前記内側壁及び前記格子構造体は、一定の高さの板を垂直に配置して形成される請求項1に記載のエネルギー貯蔵システムの爆発パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System、ESS)の爆発パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、太陽光発電のようにエネルギーを生産するシステムには、生産されたエネルギーの貯蔵のためのエネルギー貯蔵システムが必須に設置されている。この種のエネルギー貯蔵システムは、必要な体積を有するコンテナと、コンテナの内部にエネルギーの貯蔵が可能な多数の貯蔵装置と、を含むことが一般的である。
【0003】
また、このようなコンテナの内部には、エネルギーの貯蔵に必要な安定した環境を作るための様々な装置が設置されるが、例えば、特許文献1では、コンテナ内部の温度、湿度などを含む空気条件を制御する空調装置を含む様々な装置が設置されていることが分かる。
【0004】
また、コンテナの内部に設置されている貯蔵手段は、火災及び爆発などに極めて脆弱であるので、コンテナの内部に異常イベントが発生すると、高圧のガス及び火炎を外部に排出させる爆発ベンティング装置が取り付けられなければならない。例えば、エネルギー貯蔵システムのコンテナの内部に異常イベントが発生して高圧が形成されると、爆発パネルに含まれたトップディスクが爆発して、外部に連通されることにより、コンテナの内部で発生した高圧のガス及び火炎などが外部に排出されるように構成される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10-1381592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、コンテナ内部の温度条件を充分満たすためには、外気に対する断熱が必要である。ここで、コンテナそのものは、断熱層が形成されているが、爆発パネルには断熱層が配備されていないので、断熱層を介した熱伝導を防止することが好ましい。また、地域によって外気の温度が異なるので、断熱層の断熱性能を調節することができれば、さらに好ましいと言える。
【0007】
このようなことに鑑みた本発明の目的は、コンテナの内部が外部温度によって影響されない断熱機能を有するエネルギー貯蔵システムの爆発パネルを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、断熱層の厚さを調節しやすく構成することにより、外気に対する断熱性能が調節しやすい爆発パネルを提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、コンテナの外側(上部)に突出する突出量を最小化することにより、コンテナの積載の際にさらに有利な爆発パネルを提供することにある。
【0010】
このような断熱層によって、エネルギー貯蔵システムのコンテナ内部への外部の温度変化の影響を最大限減らすことは、実質的にエネルギー貯蔵システムの安全の維持と関連していることが明らかである。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的は、設定された高圧によって爆発するトップディスクを長時間堅固に支持することができる爆発パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるエネルギー貯蔵システムの爆発パネルは、設定された圧力で破裂する破裂線が配備されるトップディスクを備えている。このようなトップディスクの上部には、リブフランジが密着状態で支持される。また、本体は、コンテナの上面に支持されるように、外側の水平方向に延長され、トップディスクの底面に密着する本体フランジと、本体フランジから垂直下方に延長され、一定の高さを形成する内側壁と、を備える。本体の内側壁の下部には、格子構造体が設置されており、実質的に内側壁の高さを決定することができるようになる。これらの内側壁間には、断熱部材が挿入された状態で、格子構造体によって支持される。ここで、本体内側壁の高さ変化に応じて、断熱部材の厚さを変化させることができることを特徴としている。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、リブフランジは、破裂線の外側からトップディスクに接触し、本体フランジは、破裂線の内側まで内部に延長して成形されている。
【0014】
本発明のまた他の実施形態によれば、内側面及び格子構造体は、一定の高さの板を垂直で配置して形成される。
【発明の効果】
【0015】
上述した構成を有する本発明の爆発パネルによれば、本体の内側壁の高さに相当する厚さを有する断熱部材を爆発パネルの内部に配置してもよい。ここで、断熱部材の厚さは、本体内側壁の高さに対応するので、本体内側壁の高さを調節することにより、断熱部材の厚さを調節することができる。これは、最終的に断熱機能の程度を調節することができることを意味するので、エネルギー貯蔵システムが設置される地域の外部温度を考慮して、適切な設計を通じた断熱機能の最適化を具現することができるようになる。
【0016】
また、本発明によれば、本体から下方に延長された内側壁部分に断熱部材が設置されていることが分かる。このような構成は、実質的に、爆発パネルにおいて、断熱部材が下方に位置するように設計するものと言える。したがって、エネルギー貯蔵システムのコンテナを積載する場合にも問題とならない、優れた断熱機能を含む爆発パネルを具現していると言える。
【0017】
また、本発明によれば、トップディスクは、上部ではリブフランジによって、また、下部では本体フランジによって密着して支持されている。ここで、リブフランジは、トップディスクの破裂線の外側から破裂ディスクに密着し、本体フランジは、破裂線の内側まで延長された状態で、破裂ディスクに密着する。このような構成は、破裂ディスクの破裂線の周辺に施されるテーピングを長期間安全に維持することができ、爆発パネルそのものの耐久性をさらに確保することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による爆発パネルの上部を示す例示斜視図である。
図2】本発明による爆発パネルの下部を示す例示斜視図である。
図3】本発明による爆発パネルの部分的な例示断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明によるエネルギー貯蔵システムの爆発パネルは、エネルギー貯蔵システムのコンテナの外側面に設置されることにより、外部の熱がコンテナの内部に伝導されないようにする断熱層を有していることを特徴とする。
【0020】
コンテナの上面には、例えば、四角状の開かれた部分が形成されており、本発明の爆発パネルは、このようなコンテナの上面の開かれた部分に取り付けられる。図1乃至図3に示すように、本発明の爆発パネルは、設定された高圧で破裂するトップディスク10と、このようなトップディスク10の下部に設置される断熱材40と、を含んでいる。トップディスク10は、コンテナの内部が定められた高圧に到達すると、破裂するものであって、図示した実施形態のように、破裂線12を備えてもよい。
【0021】
トップディスク10の破裂線12は、機械的加工またはレーザー加工によって相対的に薄く加工され、コンテナの内部に設定された高圧がかかるようになると、トップディスク10が破裂するものである。このような破裂線についての具体的な例としては、レーザーまたは機械加工で形成される割線(Scored line)が挙げられる。
【0022】
このようなトップディスク10は、上下に位置するフランジ20、32によって締結された状態を維持するようになる。トップディスク10の上部には、リブフランジ20が周縁に沿って設置され、トップディスク10の下部には、本体フランジ32が周縁に沿って配置されている。このようなリブフランジ20と本体フランジ32は、同じ形状を有していると言える。図示した実施形態では、本体フランジ32が、相対的にトップディスク10の内側にさらに延長されていることが分かる。
【0023】
また、トップディスク10と本体フランジ32との間には、気密のための上部ガスケット24が設置されている。このような上部ガスケット24は、平面視において、実質的に本体フランジ32と同じ形状を有することが好ましい。ここで、本体フランジ32は、実質的に本体30をなす部分のうち、最も上面の周縁部を形成するものである。
【0024】
全体的に四角状を有する本体30の本体フランジ32の内側は、垂直下方に延長された内側壁34をなしている。これらの内側壁34は、本体フランジ32の一部を下方に折り曲げて成形されてもよい。平面視において、全体的に四角状をなしている内側壁34の下部には、格子構造体36が設置される。
【0025】
ここで、内側壁34と格子構造体36は、実質的に垂直方向の板で形成されるグレーティング(Grating)と言える。したがって、内側壁34と格子構造体36は、本体フランジ32よりも下部に位置するようになる。また、本体30において、外側の水平方向に延長された本体フランジ32は、コンテナの上面に支持され、内側壁34は、コンテナの上面Pの開かれた部分に挿入して支持されていることが分かる。
【0026】
本発明において、内側壁34と格子構造体36は、実質的に断熱部材40を支持するためのものであって、内側壁34は、一定の高さHを有し、これらの内側壁34間には、断熱部材40が挿入されて格子構造体36によって支持されている。内側壁34間に挿入され、格子構造体36によって支持される断熱部材40は、実質的に内側壁34の高さに相当する対応高さを有してもよい。
【0027】
したがって、内側壁34の高さHを調節することにより、内側壁間に設置される断熱部材40の厚さも調節することができる。また、内側壁34は、本体フランジ32から下方に成形され、断熱部材40は、本体フランジ32よりも上方に突出しないように設置されてもよい。ここで、本体フランジ32は、実質的にコンテナの上面Pに架け渡された状態で設置されるので、本発明の断熱部材40は、コンテナから上方に突出しないように設置することができ、エネルギー貯蔵システムのコンテナの積層の際に、優れた長所を有する。
【0028】
また、内側壁34の高さHを、エネルギー貯蔵システムが設置される地域に応じて調節することができるというのは、実質的に地域の温度に応じて、断熱部材40の厚さを調節することができることを意味する。したがって、本発明による爆発パネルを構成する内側壁34の高さを調節することにより、断熱部材40の厚さ調節を介して、断熱性能を調節することができることが分かる。
【0029】
本発明において、断熱部材40の厚さを調節することにより、断熱性能を調節することができるというのは、実質的に本発明による爆発パネルの設置場所に応じて、最適の断熱性能を有することができることでもある。すなわち、本発明による爆発パネルによれば、一つの部品を、寸法の設定または調節を介して、外部温度に対する断熱性能を調節可能にする特徴があることが理解できるであろう。
【0030】
以下、トップディスク10を支持する構造について説明する。本発明による爆発パネルは、コンテナの上面Pの開かれた部分に取り付けられる。また、気密のため、本体フランジ32とコンテナの上面Pとの間にも、下部ガスケット26が介在される。ここで、トップディスク10の上下部には、リブフランジ20及び本体フランジ32がそれぞれ設置される。
【0031】
ここで、リブフランジ20は、破裂線12の外側位置において、トップディスク10と接触するように結合される。すなわち、リブフランジ20の内側端部は、破裂線12の外側に位置するようになるが、これは、破裂線12が、設定された圧力で正確に破裂するようにするためである。また、トップディスク10の下部に結合される本体フランジ32は、破裂線12の内部まで延長して成形されていることが確認される。
【0032】
本体フランジ32がトップディスク10の破裂線12の内側まで延長されているというのは、実質的に破裂線12の周辺のテーピング(Taping)部分が、本体フランジ32によって完全に支持されることを意味する。ここで、破裂線12の底面には、気密のためのテーピング処理が行われるが、本体フランジ32は、このような破裂線12のテーピング部分の底面まで支持するように、内側にさらに延長されている。このように、本体フランジ32を破裂線12の内部まで延長して成形することにより、実質的に長時間にわたって損傷し得るテーピング部分をさらに堅固に支持することができるようになる。
【符号の説明】
【0033】
10 トップディスク
12 破裂線
20 リブフランジ
24 上部ガスケット
26 下部ガスケット
30 本体
32 本体フランジ
34 内側壁
36 格子構造体
図1
図2
図3