(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155891
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】内燃エンジン
(51)【国際特許分類】
F02M 26/47 20160101AFI20231016BHJP
F02M 26/06 20160101ALI20231016BHJP
F02M 26/21 20160101ALI20231016BHJP
F02M 26/38 20160101ALI20231016BHJP
F02M 26/51 20160101ALI20231016BHJP
F02D 21/08 20060101ALI20231016BHJP
F02B 37/12 20060101ALI20231016BHJP
F02B 29/04 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
F02M26/47 C
F02M26/06
F02M26/21
F02M26/38
F02M26/51
F02D21/08 L
F02B37/12 303J
F02B29/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023047501
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】22167576
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515191442
【氏名又は名称】ヴィンタートゥール ガス アンド ディーゼル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー タンツァー
【テーマコード(参考)】
3G005
3G062
3G092
【Fターム(参考)】
3G005DA02
3G005DA04
3G005DA09
3G005GB18
3G005HA12
3G062AA01
3G062AA02
3G062AA05
3G062BA06
3G092AA02
3G092AA03
3G092AA17
3G092AB06
3G092AC10
3G092EB01
3G092FA06
3G092HD07Z
(57)【要約】
【課題】再循環排ガスの不均衡を低減又は防止する内燃エンジン及び内燃エンジンを動作させる方法を提供すること。
【解決手段】内燃エンジン10は、少なくとも200mmの内径12を有する少なくとも1つのシリンダ11を有する。内燃エンジン10は、シリンダの排気出口13と空気入口14との間に少なくとも部分的に並列に流体配置された少なくとも2つのEGR経路41a、41bを備える排ガス再循環のためのシステム40を有する。各EGR経路は、少なくとも1つのEGRバルブ42a、42b及び/又は少なくとも1つのEGRブロワ49、49a、49bを有する。各EGR経路は、それぞれの感知経路51a、51bに流体接続され、又は接続可能であり、感知経路は、それぞれのEGR経路内のEGRガスの量を表わす値を提供する少なくとも1つのガス・センサ・デバイス54を備えた測定経路53に流体接続され、又は接続可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン(10)、すなわち大型船舶用エンジン又は固定エンジン、好ましくは2ストローク・エンジン又は2ストローク・クロス・ヘッド・エンジンであって、
前記内燃エンジン(10)は、少なくとも200mmの内径(12)を有する少なくとも1つのシリンダ(11)を有し、
前記内燃エンジン(10)は、前記シリンダ(10)の排気出口(13)と空気入口(14)との間に少なくとも部分的に並列に流体配置された少なくとも2つのEGR経路(41a、41b)を備える排ガス再循環のためのシステム(40)を有し、
各EGR経路(41a、41b)が、少なくとも1つのEGRバルブ(42a、42b)及び/又は少なくとも1つのEGRブロワ(49、49a、49b)を有し、
各EGR経路(41a、41b)が、それぞれの感知経路(51a、51b)に流体接続されており、又はそれぞれの感知経路(51a、51b)に接続可能であり、前記感知経路(51a、51b)は、それぞれの前記EGR経路(41a、41b)内のEGRガスの量を表わす値を提供する少なくとも1つのガス・センサ・デバイス(54)を備えた測定経路(53)に流体接続されている、又は接続可能であることを特徴とする、内燃エンジン(10)。
【請求項2】
各感知経路(51a、51b)は、新鮮な空気と排ガスとが混ざり合う混合ゾーン(46a、46b)の下流でそれぞれの前記EGR経路(41a、41b)から分岐する、請求項1に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項3】
前記内燃エンジン(10)は第1の制御ユニット(50)を有し、前記第1の制御ユニット(50)は、前記少なくとも1つのガス・センサ・デバイス(54)によって提供される前記値を受信するように構成され、且つ前記EGRバルブ(42a、42b)及び/又は前記EGRブロワ(49a、49b)を動作させるように構成され、それにより、前記新鮮な空気との混合後に全てのEGR経路(41a、41b)に本質的に同じEGR濃度を提供する、請求項1又は2に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項4】
前記内燃エンジンはただ1つの測定経路(53)を有し、全てのEGR経路(41a、41b)が前記測定経路(53)に接続可能である、請求項1、2又は3に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項5】
各感知経路(51a、51b)は感知バルブ(52a、52b)を有し、前記内燃エンジン(10)は、前記感知バルブ(52a、52b)を動作させるように構成された第2の制御ユニット(60)を有し、それにより、前記測定経路(53)をそれぞれのEGR経路(41a、41b)と連続的に接続する、請求項4に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項6】
前記第2の制御ユニット(60)は、以下の測定サイクル、すなわち
全ての感知バルブ(52a、52b)を開いて前記ガス・センサ・デバイス(54)を加熱するステップと、
第1のEGR経路(41a)が前記測定経路(53)と接続されるように1つを除いて全ての感知バルブ(52a、52b)を閉じ、他の全ての感知バルブ(52b)が閉じられている間に、前記第1のEGR経路(41a)内のEGRガスの量を表わす値の決定を可能にし、前記第1の感知バルブ(51a)を閉じる、ステップと、
第2のEGR経路(41b)を前記測定経路(53)と接続するように第2の感知バルブ(51b)を開き、このとき他の全ての感知バルブ(52a)が閉じられ、前記第2のEGR経路(41b)内のEGRガスの量を表わす値の決定を可能にし、前記第2の感知バルブ(51b)を閉じる、ステップと、
好ましくは、利用可能であれば、更なる感知バルブを連続的に開閉して、更なるEGR経路内のEGRガスの量に関する値の決定を可能にするステップと
を含む測定サイクルを実行するように構成されている、請求項5に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項7】
前記第2の制御ユニット(60)は前記測定サイクルを少なくとも2回実行するように構成され、それにより、各EGR経路(41a、41b)のEGRガスの平均量に関する値が決定可能である、請求項6に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項8】
前記内燃エンジンは低圧EGR経路(41a、41b)を有し、前記内燃エンジン(10)は、少なくとも1つのターボチャージャ(30a、30b)、好ましくはそれぞれのEGR経路ごとに少なくとも1つのターボチャージャ(30a、30b)を有し、前記ターボチャージャ(30a、30b)は、タービン(31a、31b)とコンプレッサ(32a、32b)とを有し、
排ガスが前記ターボチャージャ(30a、30b)の前記タービン(31a、31b)を介して案内可能であり、前記排ガスの少なくとも一部が、好ましくは各低圧EGR経路(41a、41b)内で、前記ターボチャージャ(30a、30b)の前記コンプレッサ(32a、32b)を通して前記シリンダ(11)の前記空気入口(14)に案内可能である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項9】
前記内燃エンジンは、前記コンプレッサ(32a、32b)の下流に入口空気冷却器(33a、33b)を有し、前記感知経路(51a、51b)は、前記入口空気冷却器(33a、33b)の上流又は下流で分岐する、請求項8に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項10】
前記内燃エンジン(10)は、タービン(31a、31b)とコンプレッサ(32a、32b)とを有する少なくとも1つのターボチャージャ(30a、30b)を有し、
排ガス再循環のための前記システム(40)が高圧システムであり、排ガスが前記ターボチャージャ(30a、30b)の前記タービン(31a、31b)の上流で分岐可能であり、前記排ガスの少なくとも一部が、前記シリンダ(11)の前記空気入口(14)へ案内可能であり、且つ前記ターボチャージャ(30a、30b)の前記コンプレッサ(32a、32b)の下流で掃気と混合可能である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の内燃エンジン(10)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の内燃エンジンを運転する方法であって、
複数の前記EGR経路を前記測定経路に連続的に接続するステップと、
それぞれの前記EGR経路のEGRガスの量を表わす値を提供するステップと、
複数の前記EGR経路内のEGRガスの量を表わす前記値が釣り合うように、前記EGRバルブ及び/又は前記EGRブロワを動作させるステップと
含む方法。
【請求項12】
全ての感知バルブ(52a、52b)を開いて前記ガス・センサ・デバイス(54)を加熱するステップと、
第1の感知バルブ(52a)を除いて全ての感知バルブ(52a、52b)を閉じるステップであって、それにより、他の全ての感知バルブ(52b)が閉じられている間に第1のEGR経路(41a)が前記測定経路(53)と接続される、ステップと、
前記第1のEGR経路(41a)内のEGRガスの量を表わす値を提供し、前記第1の感知バルブ(51a)を閉じるステップと、
第2のEGR経路(41b)を前記測定経路(53)と接続するように第2の感知バルブ(51b)を開き、同時に他の全ての感知バルブ(52a)が閉じられるステップであって、さらに、前記第2のEGR経路(41b)内のEGRガスの量を表わす値の決定し、前記第2の感知バルブ(51b)を閉じる、ステップと、
好ましくは、利用可能であれば、更なる感知バルブを連続的に開閉して、更なるEGR経路内のEGRガスの量に関する値を決定するステップと
を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス再循環のためのシステムを有する内燃エンジン(内燃機関)、及び内燃エンジンを運転するための方法に関する。
【0002】
本発明は、好ましくは、そのシリンダが少なくとも200mmの内径を有する、大型の海洋エンジン又は船舶エンジン又は固定エンジンのような内燃エンジンに関する。エンジンは、好ましくは、2ストローク・エンジン又は2ストローク・クロス・ヘッド・エンジンである。エンジンは、ディーゼル・エンジン又はガスエンジン、二重燃料又は多燃料エンジンであり得る。そのようなエンジンでは、自己点火又は強制点火だけでなく、液体燃料や気体燃料の燃焼も可能である。
【背景技術】
【0003】
エンジンは、内部にピストンを有する少なくとも1つのシリンダを有する。ピストンはクランクシャフトに接続される。エンジンの動作中、ピストンは上死点(TDC)と下死点(BDC)との間を往復動する。シリンダは、一般に、吸気用の少なくとも1つの通気開口、特にシリンダのライナに配置される空気入口と、排気用の少なくとも1つの通気開口、特にシリンダのカバーに配置される排気出口とを有する。
【0004】
内燃エンジンは、縦方向にフラッシングされる2ストローク・エンジンであり得る。
【0005】
内燃エンジンという用語は、燃料の自己点火を特徴とするディーゼル・モードだけでなく、燃料の積極的な点火を特徴とするオットー・モードでも動作できる、或いは2つの混合で動作できる大型エンジンも指す。更に、内燃エンジンという用語は、特に、燃料の自己点火が別の燃料の積極的な点火に使用されるデュアル燃料エンジン及び大型エンジンを含む。
【0006】
エンジン速度は、低速エンジンの指定を示す800RPM(4ストローク)未満であることが好ましく、200RPM(2ストローク)未満であることが更に好ましい。
【0007】
燃料は、ディーゼル油、又は船舶用ディーゼル油、又は重油、又はエマルジョン、又はスラリー、又はメタノール、又はエタノール、並びに液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)などのガスであり得る。
【0008】
要求に応じて追加できる更なる想定し得る燃料は、LBG(液化バイオガス)、生物燃料(藻類燃料や海藻油など)、水素、CO2からの合成燃料(例えばPower-To-Gas又はPower-To-Liquidによって形成される)である。
【0009】
ガス/空気混合物及びメタン・スリップの反応性を低下させるために、排ガス再循環(EGR)、特に例えば欧州特許出願公開第3722572(A1)号に示されるような低圧排ガス再循環(EGR)を行なうことが知られている。排ガスの一部はシリンダに再循環され、一方、排ガスの他の部分はファンネルに導かれて環境に放出される。
【0010】
例えば、独国特許第4222414(C2)号及び欧州特許出願公開第0896139(A2)号によれば、酸素センサが少なくとも吸気管に設けられて制御ユニットに接続され、制御ユニットは、酸素センサによって生成された信号から実際の排ガス再循環速度を決定する。それに応じて、排ガス再循環バルブが制御される。
【0011】
米国特許第7783408(B2)号は、複数のシリンダを伴うエンジンを開示する。各シリンダには共通のEGRバルブから導入される排ガスが供給される。制御ユニットが、シリンダの排気管に設けられた空燃比センサにより検出されるシリンダ別空燃比に基づいて、シリンダ間の空燃比の不均衡を検出する。シリンダ間の空燃比に不均衡がある場合は、EGRバルブが閉じられる。個々のシリンダのEGR率は与えられない。
【0012】
米国特許第6382198(B1)号は、幾つかのエンジン・シリンダの組み合わされた排ガス流に応答する単一の酸素センサが使用される内燃エンジン燃料制御を開示する。酸素センサ出力は、エンジン点火事象と同期してサンプリングされ、時間に対する空燃比の不均衡の指標を成す。サンプリングをエンジン点火事象と同期させる必要があるため、エンジン・コントローラにかなりの計算負荷が課される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3722572(A1)号
【特許文献2】独国特許第4222414(C2)号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0896139(A2)号
【特許文献4】米国特許第7783408(B2)号
【特許文献5】米国特許第6382198(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の欠点を回避すること、特に、再循環排ガスの不均衡を低減又は防止する内燃エンジン及び内燃エンジンを動作させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、内燃エンジンは、大型エンジン、例えば船舶用エンジン、又は固定エンジンである。内燃エンジンは、好ましくは、2ストローク・エンジン又は2ストローク・クロス・ヘッド・エンジンである。内燃エンジンは、少なくとも200mmの内径を有する少なくとも1つのシリンダを有する。
【0016】
一般に、シリンダは、少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの排気出口を有する。好ましくは、内燃エンジンは、シリンダ壁の下部に掃気ポートを伴うとともに、シリンダのカバーに排気出口を伴う、縦方向にフラッシングされる往復動ピストン燃焼エンジンである。
【0017】
内燃エンジンは、共通の掃気レシーバから供給されて排ガスを共通の排気マニホールドに送出する複数のシリンダを有することができる。
【0018】
好ましくは、内燃エンジンは、タービン及びコンプレッサを伴う少なくとも1つのターボチャージャを有する。
【0019】
内燃エンジンは、シリンダの排気出口と空気入口との間に少なくとも部分的に並列に流体配置された少なくとも2つのEGR経路を伴う排ガス再循環のためのシステムを有する。
【0020】
一般的なEGR管が並列なラインに分割されてもよく、各ラインの排ガスが新鮮な空気と混合される。
【0021】
例えば、新鮮な空気又は新鮮な空気と排ガスとの混合物を掃気レシーバ又はシリンダの空気入口に供給する複数の掃気ラインがあるとき、及び/又は、拡大された掃気レシーバがあるときには、複数のEGR経路が必要になる場合がある。複数の掃気ライン及び/又は拡大された掃気レシーバは、一般に複数のターボチャージャも有する複数のシリンダを伴う内燃エンジンに必要な場合がある。
【0022】
新鮮な空気と排ガスとの混合物を案内する掃気ラインは、新鮮な空気と排ガスとが混ざり合う混合ゾーンの下流側のEGR経路の一部として理解されてもよい。
【0023】
各EGR経路は、少なくとも1つのEGRバルブ及び/又は少なくとも1つのEGRブロワを有する。好ましくは、各EGR経路は、EGR冷却器、EGRデミスタ、EGRスクラバー、及び/又はEGRエコノマイザも有する。
【0024】
好ましくは、各EGR経路は、それぞれの感知経路に流体接続される又はそれぞれの感知経路と接続可能である。
【0025】
或いは、複数のEGR経路のうちの選択した少なくとも2つのEGR経路のみが、それぞれの感知経路に流体接続される又はそれぞれの感知経路と接続可能である。
【0026】
流体接続されるとは、一般にEGRガス又はEGRガスと新鮮な空気との混合物である流体がEGR経路から感知経路に案内され得ることを意味する。流体接続は、例えば、EGR経路と感知経路との間の閉じたバルブ又は感知経路内の閉じたバルブによって防止され得る。
【0027】
前記感知経路は、測定経路に流体接続される又は接続可能である。測定経路は、それぞれのEGR経路内のEGRガスの量を表わす値を与える少なくとも1つのガス・センサ・デバイスを有する。
【0028】
感知経路は、それぞれのEGR経路、例えば、それぞれのEGR経路の管、又はそれぞれのEGR経路に配置された入口空気冷却器に接続される感知経路管によって確立されてもよい。
【0029】
測定には少量のガスしか必要としないため、感知経路は、EGR経路の管の直径よりも小さい管直径を有してもよく、例えば、感知経路は、8~25mmの管直径を有してもよく、これに対し、EGR経路の管の直径は360~800mmである。
【0030】
感知経路は、EGR経路の総質量流量のごく一部しか導かない。
【0031】
感知経路は、EGR経路及び/又は測定経路への流体接続を確立するための少なくとも1つの感知バルブを有することができる。
【0032】
ガス・センサ・デバイスは、排ガス再循環が作動している場合、それぞれのEGR経路における、好ましくは新鮮な空気及び排ガスを含むEGR経路の部分におけるEGRガスの濃度を表わす値を与えることができる。EGRガスの濃度を表わす値は、EGRガスの量を表わす値であると考えられる。
【0033】
ガス・センサ・デバイスは、O2センサ、NOxセンサ及び/又はCO2センサなど、EGR量又はEGR濃度を表わす種を評価するための少なくとも1つのガス・センサを有することができる。
【0034】
各感知経路は、新鮮な空気と排ガスとが混ざり合う混合ゾーンの下流側でそれぞれのEGR経路から分岐することができる。低圧EGR経路では、以下で更に説明するように、感知経路がターボチャージャのコンプレッサの下流側で分岐することができる。
【0035】
一方では、測定経路がEGR経路に接続可能であってもよく、他方では、測定経路が、排ガスを案内するための任意の適切な経路に対して、又はファンネルに対して直接に接続されてもよい。好ましくは、排ガスを案内するための適切な経路において、圧力は、感知経路が分岐するEGR経路の部分におけるよりも低い。
【0036】
内燃エンジンは第1の制御ユニットを有してもよく、第1の制御ユニットは、少なくとも1つのガス・センサ・デバイスによって与えられる値を受けるように構成されるとともに、新鮮な空気と混合した後にEGRバルブ及び/又はEGRブロワを動作させて全てのEGR経路に本質的に同じEGR濃度を与えるように構成される。
【0037】
混合ゾーンの下流側のEGR経路における等しいEGR濃度は、全ての空気入口における釣り合いの取れたEGR濃度及び/又は掃気レシーバにおける均一なEGR濃度をもたらし、したがって、全てのシリンダにおける等しいEGR濃度ももたらし得る。
【0038】
第1の制御ユニットは、全ての空気入口又は掃気ラインに関してEGR濃度を釣り合わせる。排ガスが新鮮な空気と混合される混合ゾーンの下流側の異なるEGR経路におけるEGR濃度は、互いに及び/又は全てのEGR経路にわたる平均から±1%を超えて逸脱してはならない。
【0039】
全体のEGR率は、一般に、第1の制御ユニットの動作によって影響を受けない。
【0040】
しかしながら、第1の制御ユニットは、例えば、好ましくはガス・モード又はディーゼル・モードの閉ループ・コントローラによって決定される、周囲条件、負荷、シリンダ温度及び/又はシリンダ圧力に応じて全体のEGR率も制御するエンジン制御ユニットの一部であってもよい。
【0041】
好ましくは、第1の制御ユニットは、少なくとも1つのそれぞれのEGR経路における少なくとも1つの流量調整バルブを動作させる。流量調整バルブの設定は、バタフライバルブの場合、0.5%~1%又は0.45°~0.9°のステップで変化され得る。100%の開放が90°のバルブ設定に対応し得る。
【0042】
一般に、複数のEGR経路のうちの2つ以上のEGR経路の流量調整バルブを動作させて、全体のEGR率を変えることなく濃度を釣り合わせなければならない。
【0043】
各EGR経路のセンサによって決定される値が全てのEGR経路の平均値よりも所定の値又は割合だけ小さい又は大きい場合には、EGR経路のEGRバルブを更に開閉することができる。
【0044】
これに加えて又は代えて、センサによって決定された値が全てのEGR経路の平均値よりも所定の値又は割合だけ小さい又は大きい場合には、EGR経路のEGRブロワを加速又は減速することができる。
【0045】
所定の値又は割合は、制御ユニットに格納することができる。所定の値又は割合は、ショップテストに基づいて決定することができる。
【0046】
第1の制御ユニットは、内燃機が安定動作点に到達すると直ぐに、EGRバルブ及び/又はEGRブロワを動作させてもよい。例えば、負荷、周囲条件、及び/又はシリンダ圧力条件がそれ以上変化せず且つ全体的なEGR率が選択されたときに、安定動作点に到達する。
【0047】
例えば、負荷が一定で、ガス・モード又はディーゼル・モードにおけるそれぞれの閉ループ・コントローラが背圧バルブ及び流量調整バルブの設定を変更しない場合。設定は測定中一定のままである。このとき、測定中のEGR率はほぼ一定であると仮定することもできる。
【0048】
測定時間は、好ましくは数分以内である。
【0049】
内燃機が安定動作点に達すると直ぐに、EGR経路内のEGRガスの量を表わす値の測定値を連続的に又は特定の時間間隔で定期的に、例えば数分ごとに取得することができる。
【0050】
好ましくは、2つ以上のEGR経路が共通の測定経路に接続可能である。
【0051】
より好ましくは、内燃エンジンは測定経路を1つだけ有し、全てのEGR経路が前記測定経路に接続可能である。それぞれのEGR経路から分岐する各感知経路は、測定経路と流体接続され得る又は測定経路に接続可能であり得る。
【0052】
EGR経路におけるEGR量を表わす値は同じガス・センサ・デバイスによって与えられ、それぞれの測定値の差のみが重要であるため、絶対値に対するガス・センサ・システムの較正は必要ない。
【0053】
各感知経路は、それぞれのEGR経路と測定経路との間の流体接続を確立及び防止するための感知バルブを有することができる。
【0054】
感知バルブは、様々なEGR経路の相互汚染を防ぐために迅速且つ確実に切り換え可能である。好ましくは、感知バルブとして磁気バルブが使用される。
【0055】
内燃エンジンは、測定経路をそれぞれのEGR経路に連続的に接続するために感知バルブを動作させるように構成された第2の制御ユニットを有することができる。
【0056】
第2の制御ユニットは、第1の制御ユニットの一部であってもよく、及び/又はエンジン制御ユニットの一部であってもよい。
【0057】
第2の制御ユニットは、測定サイクルを実行するように構成され得る。測定サイクルは、少なくとも以下のステップを有することができる。
【0058】
最初に、ガス・センサ・デバイス、特にガス・センサを加熱するために、全ての感知バルブが開かれる。
【0059】
全ての感知バルブを閉じ、第1の感知バルブを開くことができる。
【0060】
或いは、第1の感知バルブを除く全ての感知バルブを閉じて、第1のEGR経路を測定経路に接続し、他の全ての感知バルブを閉じてもよい。
【0061】
或いは、第1の感知バルブは、前に全ての感知バルブを開くことなく開かれてもよい。
【0062】
第1の感知バルブが開くことにより、第1のEGR経路内のEGRガスの量を表わす値を決定することができる。
【0063】
好ましくは、第1の感知バルブは、測定経路を第1のEGR経路の排ガスでフラッシングするための第1の時間間隔にわたって、例えば30秒間にわたって開いており、また、第1の感知バルブは、直後の第2の時間間隔、例えば60秒間にわたって開いたままであり、この場合、ガス・センサ・デバイスは、データを収集し、第1のEGR経路におけるEGRガスの量及び/又はEGR濃度を表わす値を与える。
【0064】
第2の時間間隔中に、第1のEGR経路におけるEGRガスの量及び/又はEGR濃度に関する平均値を決定することができる。その後、第1感知バルブが閉じられる。
【0065】
他の全ての感知バルブが閉じられたままである間に第2のEGR経路を測定経路と接続するべく、第2の感知バルブは、第1の感知バルブが閉じられた後又は閉じられる前に開かれる。
【0066】
第2の感知バルブは、第1の感知バルブについて説明したように時間間隔にわたって開いていてもよい。第2の時間間隔は、第1の感知バルブが閉じられた後に開始し得る。
【0067】
第2感知バルブが開くことにより、第2のEGR経路内のEGRガスの量を表わす値を決定することができる。
【0068】
第2のEGR経路におけるEGRガスの量及び/又はEGR濃度を表わす値に関する平均値を決定することができる。その後、第2の感知バルブが閉じられる。
【0069】
好ましくは、利用可能な場合及び/又は選択された場合、更なる感知バルブが、第2の感知バルブについて前述したように連続的に開閉される。更なるEGR経路におけるEGRガスの量を表わす値を決定することができる。
【0070】
ガス・センサが高温に保たれるように、連続して開かれる感知バルブの開放時間の重複があってもよい。
【0071】
最後に、それぞれのEGR経路ごとに決定された値の全体の平均値が決定され得る。
【0072】
第1の制御ユニットは、ガス・センサ・デバイスによって与えられる値を受けた後、平均値及び全体の平均値を決定するように構成され得る。
【0073】
それぞれのEGR経路の値が所定の限界値又は所定の限界割合を超えて全体平均値と異なる場合、第1の制御ユニットは、それぞれのEGR経路のそれぞれのEGRバルブ及び/又はEGRブロワを作動させることができる。
【0074】
第2の制御ユニットは、各EGR経路のEGRガスの量を表わす値の平均が2回以上の測定サイクルにわたって決定可能であるように、測定サイクルを少なくとも2回続けて直ちに実行するように構成されてもよい。
【0075】
第2の制御ユニットは、各EGR経路のEGRガスの量又はそれぞれの平均値を表わす値が継続的に決定可能であるように、所定の時間間隔の後に連続的に何度も又は定期的に測定サイクルを実行するように構成されてもよい。
【0076】
内燃エンジンは、排ガス再循環のための低圧システムを有することができる。
【0077】
低圧システムを伴う内燃エンジンは、低圧EGR経路を有する。内燃エンジンは、タービン及びコンプレッサを伴う少なくとも1つのターボチャージャを有することができる。
【0078】
低圧EGRシステムでは、排ガスがターボチャージャのタービンを介して案内可能であり、また、排ガスの少なくとも一部は、タービンの下流側で分岐することができるとともに、ターボチャージャのコンプレッサを介してシリンダの空気入口へ案内可能である。
【0079】
内燃エンジンは、それぞれのEGR経路ごとに少なくとも1つのターボチャージャを有することができる。各低圧EGR経路において、排ガスは、それぞれのターボチャージャのそれぞれのコンプレッサを通じて案内可能であり得る。
【0080】
低圧EGRシステムを伴う内燃エンジンは、コンプレッサの下流側に入口空気冷却器を有することができる。感知経路は、入口空気冷却器の上流側又は下流側で分岐することができる。
【0081】
感知経路が入口空気冷却器の上流側で分岐する場合、暖かいガスがガス・センサ・デバイスに案内される。さもなければ、より冷たいガスがより高い水分含有量を有する可能性があり、結露を防ぐためにガス・センサ・デバイスを温める必要があり得る。
【0082】
或いは、内燃エンジンは、高圧EGRシステムを有することができる。
【0083】
内燃エンジンは、タービン及びコンプレッサを伴う少なくとも1つのターボチャージャを有することができる。高圧システムである排ガス再循環のためのシステムでは、排ガスがターボチャージャのタービンの上流側で分岐可能であり、排ガスの少なくとも一部がシリンダの空気入口へ案内可能である。再循環された排ガスは、ターボチャージャのコンプレッサの下流側で掃気と混合可能である。
【0084】
内燃エンジンは、2つ以上のターボチャージャを有することができる。上流側の各タービン排ガスは、再循環のために分岐可能である。各コンプレッサの下流側では、排ガスがそれぞれの混合ゾーンで新鮮な空気と混合可能である。
【0085】
本発明によれば、前述の内燃エンジンを起動させる方法が以下のステップを有する。
【0086】
EGR経路は、ガス・センサ・デバイスを有する測定経路に連続的に流体接続される。それぞれのEGR経路ごとに、それぞれのEGR経路内のEGRガスの量及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を表わす値が、ガス・センサ・デバイスによって与えられる。
【0087】
EGRバルブ及び/又はEGRブロワは、EGR経路内のEGRガスの量及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を表わす値が釣り合わされるように動作される。
【0088】
EGR経路内のEGRガスの量、及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を釣り合わせるために、量及び/又は濃度を明示的に決定する必要はない。例えば、測定値を相互に及び/又は全体の平均と比較するだけで十分である。
【0089】
特に、この方法は以下のステップを含む。
【0090】
最初に、ガス・センサ・デバイスを加熱するために、全ての感知バルブを開くことができる。その後、全ての感知バルブを閉じて、第1の感知バルブを開くことができる。
【0091】
或いは、第1の感知バルブを除いて全ての感知バルブが閉じられてもよい。
【0092】
或いは、前に全ての感知バルブを開くことなく、第1の感知バルブが開かれてもよい。
【0093】
したがって、他の全ての感知バルブが閉じられている間、第1のEGR経路が測定経路に接続される。
【0094】
第1のEGR経路内のEGRガスの量及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を表わす値が与えられる。第1の感知バルブは、第1の時間間隔及び第2の時間間隔にわたって開いたままであってもよい。好ましくは、第2の時間間隔においてのみ値が与えられ、及び/又は第2の時間間隔にわたる平均値が決定される。
【0095】
第1の感知バルブが閉じられる。他の全ての感知バルブが閉じられている間に第2のEGR経路を測定経路に接続するべく、第1の感知バルブが閉じられる前又は後に、第2の感知バルブが開かれる。
【0096】
第2のEGR経路内のEGRガスの量及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を表わす値が与えられる。第2の感知バルブは、第1の時間間隔及び第2の時間間隔にわたって開いたままであってもよく、第2の時間間隔では、第1の感知バルブを含む他の全ての感知バルブが閉じられ、値が与えられ、及び/又は第2の時間間隔にわたる値の平均値が決定される。第1の時間間隔は30秒、第2の時間間隔は60秒を要し得る。
【0097】
第2の感知バルブが閉じられる。
【0098】
好ましくは、利用可能な場合及び/又は選択された場合、更なる感知バルブが連続して開閉され、更なるEGR経路におけるEGRガスの量及び/又はそれぞれの混合ゾーンの下流側の排ガスの濃度を表わす値が与えられる。
【0099】
全てのEGR経路又は選択されたEGR経路のみが測定経路に連続的に接続され得る。
【0100】
任意選択的に、測定品質を向上させるために、接続されたそれぞれのEGR経路ごとに幾つかの測定値が連続して取得され、各EGR経路又は選択されたEGR経路のそれぞれの平均値が決定される。
【0101】
それぞれのEGR経路と測定経路との間の接続は、少なくとも数秒間にわたって確立されたままであってもよい。この時間にわたってそれぞれの感知経路が開いていてもよい。
【0102】
全体の平均値は、全てのEGR経路の値から決定され得る。全体の平均値と個々のEGR経路の値との間の差を決定することができ、また、差が小さくなって全体の平均値から±1%を超えて逸脱しないように、EGRバルブ及び/又はEGRブロワを動作させることができる。
【0103】
以下、図を用いて、本発明の実施例について更に説明する。同じ参照番号は、機能的に対応する特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【発明を実施するための形態】
【0105】
図1は、内燃エンジン10の第1の例の概略図を示す。内燃エンジン10は、少なくとも200mmの内径12を有するシリンダ11を有する。
【0106】
内燃エンジン10は、タービン31a、31b及びコンプレッサ32a、32bを伴う2つのターボチャージャ30a、30bを有する。
【0107】
内燃エンジン10は、シリンダ10の排気出口13とシリンダ10の空気入口14との間に並列に流体配置された2つの低圧EGR経路41a、41bを伴う排ガス再循環のためのシステム40を有する。
【0108】
排ガスは、ターボチャージャ30a、30bのタービン31a、31bを介して案内可能である。各EGR経路41a、41bにおいて、再循環された排ガスは、排ガスが新鮮な空気と混合される混合ゾーン46a、46bを形成するターボチャージャ30a、30bのコンプレッサ32a、32bを通じてシリンダ11の空気入口14へ案内可能である。
【0109】
各EGR経路41a、41bはEGRバルブ42a、42bを有する。全てのEGR経路41a、41bは共通の遮断バルブ44を有する。EGR経路41a、41b内の圧力は、EGR経路41a、41bとファンネル47との間に配置された背圧バルブ43によって調整することができる。
【0110】
EGR経路41a、41bのそれぞれは、それぞれの感知経路51a、51bを介して測定経路53と流体接続可能である。各感知経路51a、51bは、測定経路53をそれぞれのEGR経路41a、41bと流体接続するための感知バルブ52a、52bを有する。各感知経路51a、51bは、コンプレッサ32a、32bの下流側にある混合ゾーン46a、46bの下流側で、それぞれのEGR経路41a、41bから分岐する。
【0111】
各感知経路51a、51bは、少なくとも1つのガス・センサ・デバイス54を伴う測定経路53に流体的に接続される。ガス・センサ・デバイス54は、それぞれのEGR経路41a、41b内のEGRガスの量及び/又は混合ゾーン46a、46bの下流側のそれぞれのEGR経路41a、41bのEGR濃度を表わす値を与える。
【0112】
全てのEGR経路41a、41bは、前記同じ測定経路53に接続可能である。
【0113】
内燃エンジン10は、ガス・センサ・デバイス54によって与えられる値を受けるように構成される第1の制御ユニット50を有する。第1の制御ユニット50は、混合ゾーン46a、46bの下流側で本質的に同じEGR濃度を全てのEGR経路41a、41bに与えるためにEGRバルブ42a、42bを動作させるように構成される。
【0114】
内燃エンジン10は、測定経路53をそれぞれのEGR経路41a、41bに連続的に接続するために感知バルブ52a、52bを操作するように構成された第2の制御ユニット60を更に有する。
【0115】
第1の制御ユニット50と第2の制御ユニット60とが一体型制御ユニットを形成する。
【0116】
測定経路53は、コンプレッサ32bの上流側で第2のEGR経路41bに流体接続される。したがって、それぞれのEGR経路41a、41bに接続されると、ガス・センサ・デバイス54の上流側の測定経路53は、コンプレッサ32a、32bの下流側のEGR経路の圧力レベル、すなわち高い圧力レベルを有し、また、ガス・センサ・デバイス54の下流側の測定経路53は、コンプレッサ32bの上流側のEGR経路の圧力レベル、すなわち、より低い圧力レベルを有する。
【0117】
図2は、第1の例と同様の内燃エンジン10の第2の例の概略図を示す。EGR経路41a、41bは、排気マニホールド15と掃気レシーバ25との間に配置される。
【0118】
再循環された排ガスが第1のEGR経路41aと第2のEGR経路41bとに分配される前に、排ガスがEGR冷却器45とEGRデミスタ48とを通じて案内される。
【0119】
この例において、測定経路は、コンプレッサ32aの上流側で第1のEGR経路41aに流体接続される。
【0120】
内燃エンジン10は、各コンプレッサ32a、32bの下流側に、入口空気冷却器33a、33bを有する。
【0121】
原理的には、感知経路51a、51bは、高温空気がガス・センサ・デバイス54に案内されるように、入口空気冷却器33a、33bの上流側でそれぞれのEGR経路41a、41bから分岐することができる。
【0122】
或いは、感知経路51a、51bは、破線で示される入口空気冷却器33a、33bの下流側でそれぞれのEGR経路41a、41bから分岐することができる(
図3~
図5も参照)。
【0123】
図3は、第2の例と同様の内燃エンジン10の第3の例の概略図を示す。
【0124】
図4は、第3の例と同様の内燃エンジンの第4の例の概略図を示す。
【0125】
図1~
図3に示されるような背圧バルブ43の代わりに、EGR経路41a、41b内に十分な圧力を確立するために、排ガスブロワ49が設けられる。
【0126】
図5は、第4の例と同様の内燃エンジン10の第5の例の概略図を示す。
【0127】
図4に示される共通のEGRブロワ40の代わりに、各EGR経路41a、41bは、それぞれのEGRブロワ49a、49bを有する。
【0128】
この場合、第1の制御ユニット50は、EGRバルブ42a、42b及び/又はEGRブロワ49a、49bを動作させて、混合ゾーン46a、46bの下流側で本質的に同じEGR濃度を全てのEGR経路41a、41bに与えるように構成される。
【0129】
図6は、内燃エンジン10の第6の例の概略図を示す。
【0130】
内燃エンジン10は、2つのターボチャージャ30a、30bを有する。排ガス再循環のためのシステム40は高圧システムであり、排ガスは、ターボチャージャ30a、30bのタービン31a、31bの上流側で分岐可能である。
【0131】
排ガスの一部は、排気経路41a、41bを介して掃気レシーバ25に案内され、ターボチャージャ30a、30bのコンプレッサ32a、32bの下流側にあるそれぞれの混合ゾーン46a、46bで掃気と混合可能である。
【0132】
混合ゾーン46a、46bの下流側では、それぞれの感知経路51a、51bがEGR経路41a、41bから分岐する。各感知経路51a、51bは、EGR経路41a、41bを測定経路53に接続するための感知バルブ52a、52bを有する。
【0133】
測定経路53はファンネル47に流体接続される。
【0134】
一体化された第1及び第2の制御ユニット50、60は、
-EGR経路41a、41bを測定経路53に連続的に接続するために、感知バルブ52a、52bを動作させ、
-混合ゾーン46a、46bの下流側のEGR経路41a、41bにおけるEGR濃度を表わすデータを受け、
-EGRバルブ42a、42bを動作させて、混合ゾーン46a、46bの下流側のEGR経路41a、41b内のEGR濃度を釣り合わせるとともに、掃気レシーバ25内に均一なEGR濃度をもたらす、
ように構成される。
【0135】
第1のタービン31aは、廃棄ゲート34が開いているときにバイパス35を介して迂回され得る。バイパスの上流側には背圧バルブ43が配置される。
【0136】
図7は、第6の例と同様の内燃エンジン10の第7の例の概略図を示す。この例では、バイパス35は、背圧バルブ43の上流側で分岐する。
【0137】
図8は、第6の例及び第7の例と同様の内燃エンジン10の第8の例の概略図を示す。背圧バルブ43(
図6及び
図7参照)の代わりに、EGRブロワ49が排ガスを第1のEGR経路41a及び第2のEGR経路41bに案内する。第1のEGR経路41a及び第2のEGR経路41bは、共通のEGR冷却器45を有する。
【0138】
図9は、第8の例と同様の内燃エンジン10の第9の例の概略図を示す。共通のEGRブロワ49及び共通のEGR冷却器45(
図8参照)の代わりに、この例では、各EGR経路41a、41bは、それぞれのEGRブロワ49a、49b及びそれぞれのEGR冷却器45a、45bを有する。
【0139】
全ての図は、2つのターボチャージャと、2つの並列なEGR経路41a、41bとを伴う内燃エンジン10の例を示す。しかしながら、内燃エンジン10は、並列に配置された更なるターボチャージャ及び/又は並列に配置されたより多くのEGR経路(図示せず)を有することができる。
【0140】
同様に、内燃エンジン10は、2つ以上のシリンダを有することができる。
【外国語明細書】