(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155895
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】多機能デバイスのための単一の可動フィーダユニット及び対応する方法
(51)【国際特許分類】
B65H 1/28 20060101AFI20231016BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B65H1/28 320A
B65H3/06 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054443
(22)【出願日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/717,311
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】プラサント、カライセルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァサラオ、ビンダナ
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィーンクマルレディ、チャラ
(72)【発明者】
【氏名】マニカンダン、ナガラジャン
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC21
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA22
3F343HA33
3F343HB03
3F343HC03
3F343HC30
3F343JA01
3F343KB03
3F343KB04
3F343KB13
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA14
3F343LC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多機能デバイスのための可動フィーダアセンブリ/ユニット、並びに対応する方法を開示する。
【解決手段】本明細書では、多機能デバイスが開示される。多機能デバイスは、複数のトレイを含む。各トレイは、1枚以上の媒体シートを受け入れる又は格納するように構成されており、更に、それぞれの垂直高さに配置されている。多機能デバイスは、多機能デバイスにおける全てのトレイのための単一の可動フィーダユニットを更に含む。単一の可動フィーダユニットは、複数の位置をまたいで移動して、印刷動作のために選択された、複数のトレイのうちのターゲットトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自身を再配置するように構成されている。
【選択図】
図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能デバイスであって、
複数のトレイであって、前記複数のトレイの各々は、1枚以上の媒体シートを受け入れる又は格納するように構成されており、前記複数のトレイの各々は、それぞれの垂直高さに配置される、複数のトレイと、
前記複数のトレイのための単一の可動フィーダユニットであって、前記単一の可動フィーダユニットは、複数の位置をまたいで移動して、印刷動作のために選択された、前記複数のトレイのうちのターゲットトレイに近接して前記単一の可動フィーダユニット自体を再配置するように構成されている、単一の可動フィーダユニットと、を備える、多機能デバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの垂直に配向されたトラックを更に備える、請求項1に記載の多機能デバイス。
【請求項3】
前記単一の可動フィーダユニットは、前記少なくとも1つのトラックと係合し、前記複数の位置をまたいで移動するように構成されている、請求項2に記載の多機能デバイス。
【請求項4】
前記単一の可動フィーダユニットを、前記複数の位置をまたいで移動させる駆動システムを更に備える、請求項3に記載の多機能デバイス。
【請求項5】
前記駆動システムは、
垂直に配向された親ねじと、
前記単一の可動フィーダユニットに取り付けられ、前記親ねじと係合するように構成された係合部材と、
前記係合部材を回転させ、それによって前記係合部材及び前記単一の可動フィーダユニットを前記親ねじに沿って移動させるように構成された第1のモータと、を備える、請求項4に記載の多機能デバイス。
【請求項6】
前記単一の可動フィーダユニットが、前記単一の可動フィーダユニット内で媒体シートが詰まったときに前記媒体シートを切断するように構成されたブレードを更に備える、請求項1に記載の多機能デバイス。
【請求項7】
前記ブレードは、前記単一の可動フィーダユニットの長さに沿って水平に移動して媒体シートを切断するように構成されており、前記単一の可動フィーダユニットの前記長さは、前記単一の可動フィーダユニットの第1の端部と第2の端部との間で画定される、請求項6に記載の多機能デバイス。
【請求項8】
前記単一の可動フィーダユニットは、ねじ付きシャフトを備え、前記ブレードは、前記ねじ付きシャフトと螺合され、前記ブレードは、前記ねじ付きシャフトの回転時に前記ねじ付きシャフトに沿って移動することができる、請求項7に記載の多機能デバイス。
【請求項9】
前記ねじ付きシャフトの回転は、第2のモータによって動力供給される、請求項8に記載の多機能デバイス。
【請求項10】
前記単一の可動フィーダユニットが、フィード位置とアンフィード位置との間で構成可能な折り畳みフィードローラを備える、請求項7に記載の多機能デバイス。
【請求項11】
前記フィード位置において、前記折り畳みフィードローラは、媒体シートスタックに近接して位置合わせされて前記媒体シートスタックに接触し、
前記アンフィード位置において、前記折り畳みフィードローラは、前記媒体シートスタックから離して位置合わせされる、
請求項10に記載の多機能デバイス。
【請求項12】
前記折り畳みフィードローラは、ソレノイドによって動力供給されて、前記フィード位置と前記アンフィード位置との間で構成される、請求項10に記載の多機能デバイス。
【請求項13】
第1のモータに結合されたセンサを更に備え、前記センサは、
前記単一の可動フィーダユニットの位置を検出し、
前記第1のモータに信号を提供し、前記単一の可動フィーダユニットを再配置するために、前記単一の可動フィーダユニットを前記親ねじに沿って移動させることを開始又は停止させるように構成されている、請求項1に記載の多機能デバイス。
【請求項14】
多機能デバイスであって、
複数のトレイであって、前記複数のトレイの各々は、媒体シートスタックを格納するように構成されており、前記複数のトレイの各々は、それぞれの垂直高さに配置される、複数のトレイと、
前記複数のトレイのための単一の可動フィーダユニットであって、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、現在位置から前記ターゲットトレイに近接する位置まで移動するように構成された、単一の可動フィーダユニットと、
コントローラと、
複数の命令を記憶するように構成されたメモリと、を備え、前記複数の命令は、前記コントローラによって実行されると、前記コントローラに、
文書を印刷するための要求を受信させ、前記要求は、少なくとも、媒体サイズ、媒体タイプ、及びトレイを含み、
前記要求に基づいて、前記文書を印刷するために使用される、前記複数のトレイのうちの前記ターゲットトレイを特定させ、
前記ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、前記単一の可動フィーダユニットを前記現在位置から前記ターゲットトレイに近接する前記位置に移動させ、
前記ターゲットトレイ内に存在する前記1枚以上の取り出された媒体シートを使用して前記文書を印刷させ、印刷出力をもたらす、多機能デバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、前記単一の可動フィーダユニットの前記現在位置を受信する、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項16】
前記単一の可動フィーダユニットは、前記多機能デバイスにおいて前記複数のトレイをまたいで移動するように構成されている、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項17】
前記単一の可動フィーダユニットは、少なくとも、前記単一の可動フィーダユニットの前記現在位置及び前記単一の可動フィーダユニットの移動を検知するためのセンサを備える、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項18】
前記単一の可動フィーダユニットは、詰まり状態中に詰まった媒体シートを切断するためのブレードを備える、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項19】
前記単一の可動フィーダユニットは、前記文書の内容を印刷するために前記1枚以上の取り出された媒体シートを受け取るために前記単一の可動フィーダユニットと通信する印刷エンジンを備える、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項20】
前記単一の可動フィーダユニットは、少なくとも1つの折り畳みフィーダローラと、1つ以上のシャフトと、駆動機構と、1つ以上のモータと、1つ以上のガイドと、を備える、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項21】
前記ターゲットトレイから前記1枚以上の媒体シートを取り出す際に、前記単一の可動フィーダユニットは、前記複数のトレイのうちの所定のトレイに近接する所定の位置に戻る、請求項14に記載の多機能デバイス。
【請求項22】
複数のトレイを備える多機能デバイスにおいて印刷するための方法であって、
文書を印刷するための要求を受信することであって、前記要求は、少なくとも、媒体サイズ、媒体タイプ、及びトレイを含む、受信することと、
前記要求に基づいて、前記文書を印刷するために使用される、前記複数のトレイのうちの前記ターゲットトレイを特定することと、
前記ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、単一の可動フィーダユニットを現在位置から前記ターゲットトレイに近接する位置に移動させることと、
前記ターゲットトレイ内に存在する前記1枚以上の取り出された媒体シートを使用して前記文書を印刷し、印刷出力をもたらすことと、を含む、方法。
【請求項23】
前記複数のトレイに関連付けられた前記単一の可動フィーダユニットが前記ターゲットトレイに近接して配置されているかどうかをチェックすることを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記単一の可動フィーダユニットは、前記複数のトレイ及び前記多機能デバイスにおける対応する位置をまたいで移動可能である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ターゲットトレイから前記1枚以上の媒体シートを取り出す際に、前記単一の可動フィーダユニットを前記複数のトレイのうちの所定のトレイに近接する所定の位置に戻すことを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記単一の可動フィーダユニット内の紙詰まり状態を検出することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
ブレードを使用して詰まった媒体シートを切断することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記単一の可動フィーダユニットを前記多機能デバイスの前記複数のトレイをまたいで移動させながら、前記単一の可動フィーダユニットの位置を連続的に検知することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、多機能デバイスに関し、より詳細には、多機能デバイスのための単一の可動フィーダユニット及び対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デバイスは、電子メール、ファックス、コピー、印刷、スキャン又は他の画像形成機能を含む多数の機能を実行することができる。既存の多機能デバイスは、複数のトレイを含み、これらのトレイの各々は、異なるタイプの媒体シート、例えば、異なるサイズ又はテクスチャを有する紙媒体シートを収容するように構成されている。これらのトレイの各々は、それぞれの垂直高さに、すなわち上下に配置される。各トレイは、そのそれぞれのトレイからシートを取り出すための別個のフィーダユニットを有する。例えば、多機能デバイスが3つのトレイを有する場合、3つの異なるフィーダユニットが多機能デバイス内に存在し、各フィーダユニットは各トレイ専用である。各フィーダユニットは、関連するトレイから媒体シートを取り出す。取り出された媒体シートは、次に、多機能デバイスによる印刷のために使用される。
【0003】
ここで、多機能デバイス内の複数のフィーダユニットは、多機能デバイス内の部品の数を増加させ、より多くの組み立て時間につながり、更に多機能デバイス/組み立てをより複雑にする。これは更に高度なメンテナンスを必要とし、サービスコストを不必要に増加させる。更に、紙詰まりのシナリオでは、複数のフィーダユニットが、紙を取り除くことに対する障壁として働く。したがって、即席のフィーダユニット、方法、及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、多機能デバイスが開示される。多機能デバイスは、複数のトレイを含む。複数のトレイの各々は、1枚以上の媒体シートを受け入れる又は格納するように構成されている。複数のトレイの各々は、それぞれの垂直高さに配置されるように構成されている。多機能デバイスは、複数のトレイのための単一の可動フィーダユニットを更に含む。単一の可動フィーダユニットは、複数の位置をまたいで移動して、印刷動作のために選択された、複数のトレイのうちのターゲットトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自身を再配置するように構成されている。
【0005】
本明細書に示される更なる態様によれば、多機能デバイスが開示される。多機能デバイスは複数のトレイを含み、複数のトレイの各々は、媒体シートスタックを格納するように構成されている。更に、複数のトレイの各々は、それぞれの垂直高さに配置される。多機能デバイスは、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、現在位置からターゲットトレイに近接する位置まで移動するように構成された、複数のトレイのための単一の可動フィーダユニットを更に含む。多機能デバイスは、コントローラと、複数の命令を記憶するように構成されたメモリとを更に含む。複数の命令は、コントローラによって実行されると、コントローラに、文書を印刷するための要求を受信させ、要求は、少なくとも、媒体サイズ、媒体タイプ、及びトレイを含み、要求に基づいて、文書を印刷するために使用される、複数のトレイのうちのターゲットトレイを特定させる。複数の命令は、コントローラによって実行されると、コントローラに更に、1枚以上の媒体シートをターゲットトレイから取り出すために、単一の可動フィーダユニットを現在の位置からターゲットトレイに近接する位置に移動させ、ターゲットトレイ内に存在する1枚以上の取り出された媒体シートを使用して文書を印刷させ、印刷出力をもたらす。
【0006】
更に、本明細書に示される態様によれば、複数のトレイを含む多機能デバイスにおいて印刷するための方法が開示される。この方法は、文書を印刷するための要求を受信することを含み、要求は、少なくとも、媒体サイズ、媒体タイプ、及びトレイを含む。次に要求に基づいて、複数のトレイのうちの、文書を印刷するために使用されるターゲットトレイが特定される。その後、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、単一のフィーダユニットは、現在位置からターゲットトレイに近接する位置に移動される。最後に、ターゲットトレイ内に存在する1枚以上の取り出された媒体シートを使用して文書が印刷され、印刷出力がもたらされる。
【0007】
本開示の他の及び更なる態様及び特徴は、本開示を限定するのではなく、例示することを意図した実施形態の以下の詳細な説明を読むことから明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
主題の例示される実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、同様の部分は、全体を通して同様の数字によって示される。以下の説明は、例としてのみ意図されており、本明細書で特許請求される主題と一致するデバイス、システム、及びプロセスの特定の選択された実施形態を単に示す。
【
図1A】(先行技術)既存の多機能デバイスの異なる図を示す。
【
図1B】(先行技術)既存の多機能デバイスの異なる図を示す。
【
図1C】(先行技術)既存の多機能デバイスの異なる図を示す。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、本開示の種々の実施形態を実践することができる、例示的多機能デバイスを示す。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による多機能デバイスの正面図及び斜視図をそれぞれ示す。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による多機能デバイスの正面図及び斜視図をそれぞれ示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、(
図2A~
図2Cの)多機能デバイスの単一の可動フィーダユニットの複数のトレイにわたる移動のプロセスのフロー図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、3つのトレイにそれぞれ対応する異なる位置に単一の可動フィーダユニットを有する多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態による、3つのトレイにそれぞれ対応する異なる位置に単一の可動フィーダユニットを有する多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図4D】本開示のいくつかの実施形態による、3つのトレイにそれぞれ対応する異なる位置に単一の可動フィーダユニットを有する多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、折り畳みフィードローラがそれぞれアンフィード位置及びフィード位置に構成された状態の多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、折り畳みフィードローラがそれぞれアンフィード位置及びフィード位置に構成された状態の多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、多機能デバイスの一部の斜視図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、ブレードがそれぞれ第1、第2、及び第3の位置にある多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態による、ブレードがそれぞれ第1、第2、及び第3の位置にある多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図7C】本開示のいくつかの実施形態による、ブレードがそれぞれ第1、第2、及び第3の位置にある多機能デバイスの一部の斜視図を示す。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、多機能デバイスのブロック図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、単一の可動フィーダユニットを使用して複数のトレイから媒体シートを取り出す方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、図面を参照して行われる。実施形態のいくつかは、特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定するためではなく、本開示を例示するために説明される。当業者であれば、以下の説明において、いくつかの等価な変形例を認識するであろう。
【0010】
非限定的な定義
本開示で使用される1つ以上の用語の定義は、限定することなく以下に記載される。当業者であれば、定義は明確にするためにのみ提供され、以下に提供されるものよりも多くの例を含むことが意図されていることが理解される。本開示の様々な実施形態では、本文書で使用される1つ以上の用語の定義を以下に提供する。
【0011】
「多機能デバイス」という用語は、限定するものではないが、スキャン、印刷、コピー、撮像などの1つ以上の機能を実施するように構成された単一のデバイス又は複数のデバイスの組み合わせを指す。多機能デバイスは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含む。本開示の文脈において、多機能デバイスは、多機能デバイスにおける全てのトレイをまたいで移動可能であるような、単一の可動フィーダユニットを含む。
【0012】
「単一の可動フィーダユニット」は、多機能デバイスの全てのトレイに取り付けられたユニットを指し、1枚以上の媒体シートを取り出すために、多機能デバイスのトレイをまたいで単一の可動フィーダユニットを移動させるための1つ以上の構成要素(以下で詳細に説明する)を更に含む。単一の可動フィーダユニットは、多機能デバイスからのコマンドに基づいて、又はユーザ若しくは管理者ユーザからの入力に基づいて移動可能である。デフォルトでは、単一の可動フィーダユニットは、多機能デバイスの所定の位置にある所定のトレイにセットされている。
【0013】
「複数のトレイ」という用語は、多機能デバイスにおける異なるトレイを含む。各トレイは、多機能デバイスで使用するための1枚以上の媒体シートを含む。各トレイは、同じタイプの媒体シートを含んでいてもよいか、又は異なる媒体シート若しくはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。例えば、トレイ1と名付けられたトレイは、A4シートを含むことができ、トレイ2と名付けられたトレイは、A3シートを含むことができる。
【0014】
「所定のトレイ」という用語は、単一の可動フィーダユニットがセットされるデフォルトトレイを指す。例えば、所定のトレイは、多機能デバイスにおけるトレイ1であってもよい。「ターゲットトレイ」とは、印刷動作に使用されるトレイを指す。
【0015】
「ユーザ」という用語は、多機能デバイスで印刷用文書をサブミットする任意のユーザであり得る。
【0016】
「文書」という用語は、ユーザによって印刷のためにサブミットされた任意の文書を指す。文書は、テキスト、画像、グラフィック、又はそれらの組合せの形態のコンテンツを含む1つ以上のページを含む。文書はデジタル文書の形態であってもよい。
【0017】
「コンピューティングデバイス」という用語は、ユーザが通常、印刷コマンドをサブミットする日常業務及び他の目的のために使用するデバイスを指す。コンピューティングデバイスの例としては、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、ノートパソコン、携帯電話、タブレット、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、スマートフォン、又はデータ通信及び/若しくは印刷サブミッションが可能な任意の他のデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングデバイスは、ユーザが印刷のための文書、1つ以上の印刷パラメータなどをサブミットすることを可能にする印刷ドライバアプリケーションを含む。
【0018】
概要
図1A~
図1Cに示す既存の多機能デバイス100は、104a、104b、104c(総称として104)などの複数の異なるトレイを含み、各トレイ104は、異なるタイプの媒体シート、例えば紙媒体シートを収容するように構成されている。トレイ104の各々は、それぞれの垂直高さに、すなわち、上下に配置される。更に、既存の多機能デバイス100は、それぞれのトレイから媒体シートを取り出すために、トレイ104ごとに別個のフィーダユニット(102a、102b、及び102c、総称として102)を含む。
図1A~
図1Cを参照すると、既存の多機能デバイスの異なる図が示されている。
図1Aは、多機能デバイス100の斜視図を示す。
図1Bは、多機能デバイス100の断面図を示し、一方、
図1Cは、多機能デバイス100の断面図(
図1B)の拡大図を示す。
図1Cから明らかなように、多機能デバイス100は、上下に配置された3つのトレイ104b、104b、104cを含む。多機能デバイス100は、104a、104b、104cなどのそれぞれのトレイ専用の3つの可動フィーダユニット102a、102b、102cを含む。フィーダユニット104は、3つのトレイ104a、104b、104cのそれぞれのトレイに近接して配置される。102a、102b、102cなどの各フィーダユニットの位置は、3つのトレイ104a、104b、104cに対して固定されており、各フィーダユニット102a、102b、102cは、それぞれのトレイから媒体シートを取り出す。複数のフィーダユニット102a、102b、102cに関する上述の問題に鑑みて、本開示は、新しい単一の可動フィーダユニットを提案する。
【0019】
本開示は、多機能デバイスのための新しいフィーダユニット、並びに関連する取り出し方法及び印刷方法を提案する。具体的には、本開示は、多機能デバイスにおける複数のトレイのための単一の可動フィーダユニットを提案する。単一の可動フィーダユニットは、多機能デバイス内の部品の総数を減少させ、多機能デバイスを軽量機械にし、全体として取り扱いが簡単な機械にする。提案されたユニットは、後の段階のための組立時間及びサービスコストを更に低減する。
【0020】
単一の可動フィーダユニットは、ターゲット/所望のトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、多機能において全てのトレイをまたいで移動可能である。ユーザからの印刷要求に基づいて、単一の可動フィーダユニットは、要求に含まれる文書を印刷するための1枚以上の媒体シートを取り出すために、現在のトレイからターゲットトレイに移動する。このようにして、新しい単一の可動フィーダユニットを使用して印刷が完了する。印刷動作が完了すると、単一の可動フィーダユニットは、所定の位置にある所定のトレイに戻される。フィーダユニットは更に、簡単な紙詰まり除去機構を提供する。
【0021】
例示的な環境
図2Aでは、本開示の様々な実施形態を実践することができる例示的な環境200を示す。環境200は、多機能デバイス202を含むように示されているが、環境200は、プリンタ、多機能プリンタ、又は印刷機能を有する任意のデバイスを含むことができる。多機能デバイス202は、スキャン、印刷、コピー、画像形成、ファックス、フォーム記入などの1つ以上の機能を実行するが、これらに限定されない。多機能デバイス202は、本開示の範囲を限定することなく、家庭用多機能デバイス、オフィス用多機能デバイス、又は任意の他の種類の多機能デバイスであり得る。通常、多機能デバイス202は、1つ以上の文書を印刷するためにユーザによって使用される。文書は、テキスト、画像、グラフィックス、又はそれらの組合せの形態のコンテンツを更に有する1つ以上のページを有することができる。多機能デバイス202は、複数のトレイ203a、203b、203c、203d(総称として203)を含む。
【0022】
図示のトレイ203は、全ての媒体タイプをサポートし得る。あるいは、トレイ203は、特定の媒体タイプ及び/又は媒体サイズをサポートし得る。トレイ203は、同じ媒体タイプ及び/若しくはサイズを含んでもよいか、又は異なる媒体タイプ及び/若しくはサイズを含んでもよい。例えば、トレイ203a及び203bはA4媒体タイプを含むことができ、トレイ203cはA3媒体タイプを含むことができ、トレイ203dは光沢媒体などの特殊媒体を含むことができる。別の例では、トレイ203a、203b、及び203cは、A4媒体であるが様々なサイズを含むことができ、トレイ203dは、A3媒体を含むことができる。いくつかの実装形態では、トレイ203a、203b、203c、及び203dのいずれかは、媒体サイズに関連して専用トレイであってもよい。例えば、トレイ203bは、216×279mmの媒体サイズをサポートすることができるが、203a、203c及び203dなどの他のトレイは、全ての媒体タイプ及び/又はサイズをサポートすることができる。これらはいくつかの例であるが、本開示の範囲を逸脱することなく、知られている又は後に開発される他の変形形態が実装され得る。
【0023】
更に、多機能デバイス202は、4つのトレイ203を含むように示されているが、多機能デバイス202は、本開示を実施するために必要とされる任意の数のトレイを有することができる。トレイ203は、シートのスタックとも呼ばれる1枚以上の媒体シートを受け入れる又は格納する。トレイの各々は、それぞれの垂直高さに配置される。
【0024】
本開示の文脈において、多機能デバイス202は、多機能デバイス202の全てのトレイ用に単一の可動フィーダユニットを含む。単一の可動フィーダユニットは、複数の位置をまたいで移動して、印刷動作のために選択された、複数のトレイのうちのターゲットトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自身を再配置するように構成されている。具体的には、単一のフィーダユニットは、複数の位置をまたいで移動して、1枚以上の媒体シートを取り出して印刷に使用するターゲットトレイに近接して単一のフィーダユニット自体を再配置する。フィーダユニットは、多機能デバイス202の複数のトレイをまたいで垂直方向に上下に移動可能である。デフォルトでは、可動フィーダユニットは、多機能デバイス202において、トレイ1又はA4媒体シートを有するトレイなどの所定のトレイで、アンフィード位置などの所定の位置にプリセットされる。可動フィーダユニットは、1つ以上のねじを使用して少なくとも1つのフレームに関連付けられるか、又は取り付けられる。更に、可動フィーダユニットは、可動フィーダユニットが多機能デバイス202のトレイに対して移動することを可能にするために、少なくとも1つの軸受を含んでもよい。フィーダユニットは、多機能デバイス202からのコマンドに基づいて、アンフィード位置とフィード位置との間を移動するように構成可能である。
【0025】
動作中、単一のフィーダユニットは、現在のトレイからターゲットトレイ、すなわち印刷動作に使用されるトレイに移動する。ターゲットトレイに移動すると、フィーダユニットは、印刷のためにターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、アンフィード位置からフィード位置に回転する。こうして、多機能デバイス202において文書の印刷が完了する。フィーダユニットは、回転してアンフィード位置に戻る。セットされると、フィーダユニットは、移動してデフォルト位置、すなわちアンフィード位置にある所定のトレイ/デフォルトトレイに戻される。これに加えて、フィーダユニットは、紙詰まり除去機構を含む。フィーダユニットは、多機能デバイス202のトレイをまたいでフィーダユニットを垂直方向に上下に移動させるための1つ以上の構成要素を含み、更なる構造的詳細、機能的詳細、及び実装の詳細は以下で詳細に説明される。
【0026】
多機能デバイス202は、媒体シートを取り出す必要がある特定のトレイに近接して単一の可動フィーダユニットを位置付け、配置するのに役立つセンサを含むことができる。更に、媒体シートが詰まった場合、詰まった媒体シートを切断し、単一の可動フィーダユニットを解放するために、ブレードが設けられている。
【0027】
それぞれ、多機能デバイス210の正面図及び斜視図である、
図2B~
図2Cが、図示される。多機能デバイス210は、
図2B~
図2Cに示されるような複数のトレイを含む。これらの図から明らかなように、多機能デバイス210は、214a、214b、214c、214dのような4つのトレイ(総称としてトレイ214)を含む。各トレイ214は、1枚以上の媒体シート、例えば媒体シートスタックを格納するように構成されている。例えば、媒体シートは紙媒体シートであってもよい。更に、各トレイ214は、異なるタイプの媒体シート、すなわち、A4サイズの媒体シート、又はA3サイズの媒体シート、A2サイズの媒体シートなどのスタックを格納するように構成されていてもよい。各トレイ214は、互いに対してそれぞれの垂直高さに配置されるように構成されていてもよい。例えば、
図2B~
図2Cに示されるように、トレイ214は、垂直に上下に配置される。
【0028】
図2B~
図2C及び本開示の文脈において更に見られるように、多機能デバイス210は、トレイ214の各々から1枚以上の媒体シートを取り出すように構成された単一の可動フィーダユニット212を更に含む。単一の可動フィーダユニット212は、複数の位置をまたいで移動して、単一の可動フィーダユニット212が印刷目的で媒体シートを取り出す複数のトレイ214のうちの1つのトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自体を再配置するように構成されている。言い換えれば、単一の可動フィーダユニット212は、垂直方向上向き又は垂直方向下向きに移動して、媒体シート(複数可)を取り出すトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自体を配置する。単一の可動フィーダユニット212の動きは、
図3に関連して更に詳細に説明される。
【0029】
更に
図3を参照すると、複数の位置にわたる多機能デバイスの単一の可動フィーダユニット310の移動のプロセス300のフロー図が示されている。ここでは、多機能デバイスが、それぞれの垂直高さに配置された、すなわち、垂直方向に上下に配置された4つのトレイを含むと考える。したがって、複数の4つのトレイのそれぞれから媒体シートを取り出すために、単一の可動フィーダユニット310は、複数の位置をまたいで移動して、単一の可動フィーダユニット310が媒体シートを取り出すトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自体を再配置するように構成されている。
【0030】
302において、単一の可動フィーダユニット310は、第1の位置、すなわち、多機能デバイスに対して垂直方向の最も上の位置にある。第1の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、4つのトレイのうちの第1のトレイ(すなわち、最上部のトレイ)に近接して配置される。第1の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、4つのトレイのうちの第1のトレイから媒体シートを取り出す。
【0031】
304において、単一の可動フィーダユニット310が更に移動し、第2の位置、すなわち多機能デバイスに対して垂直方向に上から2番目の位置に位置付けられる。第2の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、第1の位置から第2の位置へ垂直に移動することによって、4つのトレイのうちの第2のトレイ(上から2番目のトレイ)に近接して再配置される。第2の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、4つのトレイのうちの第2のトレイから媒体シートを取り出す。
【0032】
306において、単一の可動フィーダユニット310が垂直方向に下方に移動し、第3の位置、すなわち多機能デバイスに対して垂直方向に下から2番目の位置に位置付けられる。第3の位置では、単一の可動フィーダユニット310は、第2の位置から第3の位置に垂直に移動することによって、4つのトレイのうちの第3のトレイ(すなわち、垂直方向に下から2番目のトレイ)に近接して単一の可動フィーダユニット自体を更に再配置している。第3の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、4つのトレイのうちの第3のトレイから媒体シートを取り出す。
【0033】
308において、単一の可動フィーダユニット310は、第4の位置、すなわち、多機能デバイスに対して垂直方向に最も下の位置にある。第4の位置では、単一の可動フィーダユニット310は、第3の位置から第4の位置へ垂直に移動することによって、4つのトレイのうちの第4のトレイ(すなわち、垂直方向に最も下の位置のトレイ)に近接して単一の可動フィーダユニット自体を更に再配置している。第4の位置において、単一の可動フィーダユニット310は、4つのトレイのうちの第4のトレイから媒体シートを取り出す。
【0034】
説明したように、複数の位置をまたいで移動するために、単一の可動フィーダユニット310は、少なくとも1つの垂直方向トラックに沿って移動する。例えば、
図3に示すように、単一の可動フィーダユニット310は、2つのトラック312a、312bと係合し、2つのトラック312a、312bに沿って複数の位置をまたいで移動するように構成されている。2つのトラック312a、312bの各々は、仮想の実質的に垂直な軸に沿って配向される。これは、
図4A~
図4Dに関連して更に説明される。
【0035】
次に
図4Aを参照すると、(多機能デバイス210に対応する)多機能デバイス400の一部の斜視図が示されている。多機能デバイス400は、(単一の可動フィーダユニットに対応する)単一の可動フィーダユニット402を含む。示されるように、多機能デバイス400は、3つのトレイ404a、404b、404cを含む。3つのトレイ404a、404b、404bの各々は、媒体シートスタックを格納するように構成されている。更に、3つのトレイ404a、404b、404cの各々は、それぞれの垂直高さに、すなわち、垂直に上下に配置される。単一の可動フィーダユニット402は、3つのトレイ404a、404b、404cの各々から1枚以上の媒体シートを取り出すように構成されている。単一の可動フィーダユニット402は、3つのトレイ404a、404b、404cに対応する3つの位置をまたいで移動して、単一の可動フィーダユニット402が媒体シートを取り出す3つのトレイ404a、404b、404cのうちの1つのトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自体を再配置するように更に構成されている。
【0036】
上述のように、多機能デバイス400は、実質的に垂直な軸に沿って配向された少なくとも1つのトラックを含む。一例では、少なくとも1つのトラックの各々は、多機能デバイス400に堅固に固定されてもよく、金属、合金、プラスチックなどを含むがこれらに限定されない剛性材料で作られてもよい
図4Aの実装形態では、多機能デバイス400は、2つのトラック406a、406bを含む。2つのトラック406a、406bの各々は、多機能デバイス400に堅固に固定され、実質的に垂直な軸に沿って配向される。単一の可動フィーダユニット402は、2つのトラック406a、406bのうちの少なくとも1つと係合し、2つのトラック406a、406bのうちの少なくとも1つに沿って複数の位置をまたいで移動するように構成されている。
【0037】
複数の異なる位置をまたいで単一のフィーダユニットを移動させるために、多機能デバイス400は駆動システムを含む。
図4Aに示されるように、駆動システムは、垂直に配向された親ねじ408を含む。親ねじ408は、多機能デバイス400に取り付けられ、実質的に垂直な軸に平行に配向される。駆動システムは、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられ、親ねじ408と係合するように構成された係合部材(
図4Aでは見えない)を更に含む。駆動システムは、第1のモータ410を含む。いくつかの実施形態では、第1のモータ410は、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられてもよい。第1のモータ410は、係合部材に結合されてもよく、係合部材を回転させ、それによって、係合部材及び単一の可動フィーダユニット402を親ねじ408に沿って移動させるように構成されていてもよい。第1のモータ410は、例えば、電気モータ(直流モータ(DC)又は交流モータ(AC))であり得る。
【0038】
一例として、親ねじ408は、多機能デバイス400に固定され、実質的に垂直な軸に沿って配向されてもよい。親ねじ408は、その長さに沿って形成されたねじ山を含むことができる。係合部材は、例えば、親ねじ408のねじ山と一致するねじ山を(内面に沿って)有するナットを含むことができる。したがって、係合部材は、親ねじ408と螺合するように構成されていてもよく、更に、その軸を中心とした回転によって親ねじ408の長さに沿って移動するように構成されていてもよい。係合部材の親ねじ408との係合及び回転を可能にするために、少なくとも1つの軸受、少なくとも1つの軸受ブッシュ、及び少なくとも1つのガイドレールが設けられてもよい。
【0039】
第1のモータ410は、単一の可動フィーダユニット402に固定して取り付けられてもよい。更に、係合部材は、第1のモータ410に固定して取り付けられてもよい。したがって、第1のモータ410は、親ねじ408の中心軸と一致する軸を中心として係合部材を回転させるように構成されていてもよい。したがって、係合部材を回転させることを通して、第1のモータ410は、親ねじ408の長さに沿って係合部材並びに単一の可動フィーダユニット402を移動させることができる。理解されるように、一方向(すなわち、時計回り又は反時計回りの方向の一方)への係合部材の回転は、係合部材及び単一の可動フィーダユニット402を垂直上方へ移動させることができ、一方、反対方向(すなわち、時計回り又は反時計回りの方向の他方)への係合部材の回転は、係合部材及び単一の可動フィーダユニット402を垂直下方へ移動させることができる。
【0040】
単一の可動フィーダユニット402は、媒体シートをトレイから取り出し、媒体シートを多機能デバイス400の印刷部/エンジン(
図4Aには図示せず)に供給するための折り畳みフィードローラ412を更に含む。折り畳みフィードローラ412は、フィード位置とアンフィード位置との間で構成可能であり得る。単一の可動フィーダユニット402が、媒体シートを取り出すトレイに近接した所望の位置にくると、折り畳みフィードローラ412を、フィード位置へと構成することができる。フィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、トレイ内に存在する媒体シートスタック414から一番上の媒体シート414aを取り去ることができる。媒体シート(複数可)414aの取り出しが完了し、単一の可動フィーダユニット402が異なるトレイに近接する異なる位置に移動することが要求されると、折り畳みフィードローラ412を、アンフィード位置へと構成することができる。いくつかの実施形態では、折り畳みフィードローラ412は、単一の可動フィーダユニット402の長さに平行な水平軸を中心に枢動可能に回転することによって、フィード位置とアンフィード位置との間で構成可能であり得る。これは、
図5A~
図5Bに関連して更に詳細に説明される。
【0041】
ここで
図4B~
図4Dを参照すると、本開示のいくつかの実施形態による、3つのトレイ404a、404b、404cにそれぞれ対応する異なる位置に単一の可動フィーダユニット402を有する多機能デバイス400の一部の斜視
図401A、401B、401Cが示されている。
図4Bに示されるように、単一の可動フィーダユニット402は、第1の位置、すなわち、多機能デバイスに対して垂直方向の最も上の位置にある。第1の位置において、単一の可動フィーダユニット402は、トレイ404a(点線によって表される)に近接して配置される。したがって、この位置において、単一の可動フィーダユニット402は、トレイ404aから媒体シートを取り出す。更に、
図4Cに示されるように、単一の可動フィーダユニット402は、第1の位置から移動して第2の位置、すなわち、多機能デバイスに対して垂直方向の中間位置に位置付けられる。第2の位置において、単一の可動フィーダユニット402は、第1の位置から第2の位置に垂直に移動することによって、トレイ404b(点線によって表される)に近接して再配置される。第2の位置において、単一の可動フィーダユニット402は、トレイ404bから媒体シートを取り出す。更に、
図4Dに示されるように、単一の可動フィーダユニット402は、垂直方向に更に下降して、第3の位置、すなわち、多機能デバイスに対して垂直方向に最も下の位置に位置付けられる。第3の位置において、単一の可動フィーダユニット402は、第2の位置から第3の位置に垂直に移動することによって、トレイ404c(点線によって表される)に近接して単一の可動フィーダユニット自体を更に再配置している。第3の位置において、単一の可動フィーダユニット402は、トレイ404cから媒体シートを取り出す。
【0042】
ここで
図5A~
図5Bを参照すると、(
図4Aの)折り畳みフィードローラ412がそれぞれアンフィード位置及びフィード位置に構成された状態の多機能デバイス400の一部の斜視
図502、504が示されている。
図5Aに示されるように、折り畳みフィードローラ412は、アンフィード位置に構成されている。アンフィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414から離して位置合わせされる。例えば、折り畳みフィードローラ412は、1つ以上のローラを含む。これらの1つ以上のローラは、媒体シートスタック414の一番上の媒体シート414aに接触すると、回転し、媒体シートスタック414から一番上の媒体シートを引っ張って取り去るように構成されている。一例では、折り畳みフィードローラ412の1つ以上のローラは、媒体シートスタック414から一番上の媒体シートを引っ張って取り除くことができる高摩擦面を有してもよい。アンフィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414から離して位置合わせされており、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414から一番上の媒体シートを取り去ることができない。
【0043】
図5Bに示されるように、折り畳みフィードローラ412は、フィード位置に構成されている。単一の可動フィーダユニット402が、媒体シートを取り出すトレイに近接した所望の位置にくると、折り畳みフィードローラ412は、フィード位置へと構成される。フィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、トレイ内に存在する媒体シートスタック414から一番上の媒体シート414aを取り去るように構成されている。1つ以上のローラは、媒体シートスタック414の一番上の媒体シート414aに接触することができる。接触すると、1つ以上のローラが回転して、媒体シートスタック414から一番上の媒体シート414aを引っ張って取り去る。(
図5Aの)アンフィード位置から(
図5Bの)フィード位置に構成されるために、折り畳みフィードローラ412は、単一の可動フィーダユニットの長さに平行な水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転し得る。
【0044】
いくつかの実装形態では、折り畳みフィードローラ412は、ソレノイドによって動力供給されて、水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転してもよい。しかし、他の実装形態では、折り畳みフィードローラ412は、折り畳みフィードローラ412を水平軸A-A’の周りで枢動可能に回転させるために代替機構によって動力供給されてもよい。
【0045】
媒体シート(複数可)414aの取り出しが完了し、単一の可動フィーダユニット402が異なるトレイに近接する異なる位置に移動することが要求されると、折り畳みフィードローラ412を、アンフィード位置に再度構成することができる。折り畳みフィードローラ412を、水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転させて、アンフィード位置へと再構成することができる。媒体シートの取り出しが完了し、単一の可動フィーダユニット402が異なる位置に移動することが要求されると、単一の可動フィーダユニット402が異なる位置に移動し始める前に、折り畳みフィードローラ412をアンフィード位置へと構成することができる。折り畳みフィードローラ412のアンフィード位置は、単一の可動フィーダユニット402が障害物なしに複数の位置をまたいで移動することを可能にすることができる。
【0046】
いくつかの実装形態及び機能において、媒体シートスタックからの媒体シートが、媒体シートの向きの乱れ、媒体シートの不適切な/不完全な除去、媒体シートのつかえなどを含む様々な理由で、単一の可動フィーダユニット内で詰まる場合がある。媒体シートの詰まりは、単一の可動フィーダユニットを1箇所で動けなくする恐れがある。このため、フィーダユニットにつかえた、詰まった紙を取り除く必要がある。このような状況では、紙詰まり除去機構が実行される。紙詰まり除去機構は、媒体シートが単一の可動フィーダユニット内で詰まったときに媒体シートを切断するように構成されたブレードを含む。これは、
図6及び
図7A~
図7Cに関連して更に説明される。
【0047】
更に
図6を参照すると、多機能デバイス600の一部の斜視図が示されている。
図6に示す図によれば、多機能デバイス600の単一のフィーダユニットは、ブレードを含むように示されている。ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の長さに沿って水平に移動して、単一の可動フィーダユニット602内で詰まった恐れがある媒体シート606を切断するように構成されている。単一の可動フィーダユニット602の長さは、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部と第2の端部との間で画定され得る。理解されるように、単一の可動フィーダユニット602の長さは、(少なくとも1つのトラックが沿って配向される)実質的に垂直な軸に対して垂直であってもよい。
【0048】
ブレード604が単一の可動フィーダユニット602の長さに沿って移動するために、単一の可動フィーダユニット602は、ガイド/駆動シャフト608a及びねじ付きシャフト608bなどの2つのシャフトを更に含む。ねじ付きシャフト608bは、単一の可動フィーダユニット602の長さに平行に位置合わせされる。ブレード604は、ねじ付きシャフト608bと螺合されてもよい。ブレード604は、ねじ付きシャフト608bがその中心軸を中心として回転すると、ねじ付きシャフト608bに沿って移動する。この目的のために、ブレード604は、ブレード604内に形成されたねじ付きリングセクションを更に含み、ねじ付きリングセクションは、ねじ付きシャフト608bのねじ山と一致するねじ山を含み得、ねじ付きシャフト608bと係合するように構成され得る。ねじ付きシャフト608bがその中心軸を中心として回転すると、ブレード604は、ねじ付きシャフト608bに沿って移動させられる。
【0049】
いくつかの実装形態では、ねじ付きシャフト608bの回転は、第2のモータ610によって動力供給される。第2のモータ610は、電気モータ(直流モータ(DC)又は交流モータ(AC))であってもよい。更に、第2のモータ610は、単一の可動フィーダユニット602に取り付けられて固定されてもよい。
【0050】
いくつかの実装形態では、詰まった媒体シートを切断するために、ブレード604は、ねじ付きシャフト608bに沿って往復運動を実行することができる。換言すれば、例えば、ブレード604は、最初に、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部から第2の端部に移動し、次いで、単一の可動フィーダユニット602の第2の端部から第1の端部に戻るように移動することができる。ここで、一方向(すなわち、時計回り又は反時計回りの方向)への(第2のモータ610による)ねじ付きシャフト608bの回転は、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部から第2の端部へブレード604を移動させる。同様に、反対方向(すなわち、時計回り又は反時計回りの方向の他方)への(第2のモータ610による)ねじ付きシャフト608bの回転は、単一の可動フィーダユニット602の第2の端部から第1の端部へブレード604を移動させる。ブレード604の移動は、
図7A~
図7Cに関連して更に説明される。
【0051】
ここで
図7A~
図7Cを参照すると、ブレード604がそれぞれ第1の位置、第2の位置、及び第3の位置にある状態の多機能デバイス600の一部の斜視
図702、704、706が示されている。
図7Aに示されるように、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の長さに対して第1の位置にある。更に
図7Aに見られるように、第1の位置において、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部の近くにある。詰まった媒体シート606を切断するために、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の第2の端部に向かって移動し始める。
図7Bに示されるように、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の長さに対して第2の位置にある。図から分かるように、第2の位置において、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部と第2の端部との中間のどこかにある。
図7Cに示されるように、ブレード604は、第3の位置にあり、単一の可動フィーダユニット602の第1の端部から更に移動し、単一の可動フィーダユニット602の第2の端部の更に近くに配置され、詰まった媒体シート606の切断を完了する。詰まった媒体シート606の切断が完了すると、ブレード604は、単一フィーダユニット602の第1の端部に向かって戻り始め、そのデフォルト/初期位置、すなわち
図7Aの位置を維持する。
【0052】
いくつかの実装形態では、多機能デバイスは、少なくとも1つのセンサ、例えば、第1のモータに結合された少なくとも1つのセンサを更に含む。センサは、単一の可動フィーダユニットの位置を検出し、第1のモータに信号を提供して、単一の可動フィーダユニットを再配置するために、単一の可動フィーダユニットを親ねじに沿って移動させることを開始又は停止させるように構成されている。ここで
図8を参照すると、多機能デバイス800のブロック図が示されている。
図8を考察しながら、上述の他の図を参照することができる。図示されるように、多機能デバイスは、402などの単一の可動フィーダユニット(又は他の図に示されるフィーダユニット)と、複数のトレイとを含む。各トレイはセンサを含むことができ、更に、可動フィーダユニットも1つ以上のセンサを含むことができる。多機能デバイス800は、ユーザインタフェース801と、コントローラ802と、メモリ804とを更に含む。更に、多機能デバイス800は、入出力のための入出力インタフェース806と、第1モータ410と、第2モータ610と、ソレノイド808と、センサ810とを含み得る。印刷エンジンは、文書の内容を印刷するために取り出されたシートを受け取るために単一の可動フィーダ402ユニットと通信する。
【0053】
ユーザインタフェース801は、ユーザが、メディア詳細、ユーザID、及び本開示を実装するために必要とされる他の関連詳細などの種々の詳細を入力することを可能にする。例えば、ユーザインタフェース801は、ユーザが、媒体タイプ、媒体サイズ、媒体色などの本開示の文脈における種々の選択を行うことを可能にする。ユーザインタフェース801は、ユーザからの入力を受信するため、1つ以上のボタン、又はタッチスクリーン、又はキーボードなどを含むことができる。ユーザから受信される入力は、媒体シートを取り出すための複数のトレイからのターゲットトレイからの媒体シートを含むことができる。ユーザインタフェース801は更に、本開示を実施するのに関連するものとして、様々なメッセージ/通知をユーザに表示する。
【0054】
メモリ804は、本開示を実施するために必要な全ての関連情報を記憶する。例えば、メモリ804は、印刷用の文書、トレイID、媒体詳細、ユーザID、各トレイのシート枚数などを記憶する。メモリ804は、複数のコントローラ実行可能命令を更に記憶する。複数のコントローラ実行可能命令は、コントローラ802によって実行されると、コントローラ802に、本開示を実施するために、すなわち、フィーダユニットを現在のトレイからターゲットトレイに移動させて、印刷動作用に1枚以上の媒体シートを取り出すために、必要な1つ以上の動作を実行させることができる。メモリ804に記憶された任意の詳細は、本開示を実施するために必要に応じてコントローラ802によって取り出され得る。これらはいくつかの例であるが、メモリ804は、本開示を実施するために必要な他の関連する詳細/情報を記憶することができる。
【0055】
特に、メモリ804は、複数の命令を記憶するように構成されており、複数の命令は、コントローラによって実行されると、コントローラに、文書を印刷するための要求を受信させ、この要求は、少なくとも、媒体サイズ、媒体タイプ、及びトレイを含み、要求に基づいて、複数のトレイのうちの、文書を印刷するために使用されるターゲットトレイを特定させ、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、単一の可動フィーダユニットを現在位置からターゲットトレイに近接する位置に移動させ、ターゲットトレイ内に存在する1枚以上の取り出された媒体シートを使用して文書を印刷させ、印刷出力をもたらす。
【0056】
デフォルトでは、可動フィーダユニットは、印刷動作が実行されていないことを考慮して、所定のトレイ、すなわちトレイ1で、所定の位置、すなわちアンフィード位置に設定されている。いくつかの実装形態では、所定のトレイは、印刷動作に使用される最後のトレイ、すなわち、トレイ2、トレイ3、トレイ4、又はトレイ1自体などであり得る。コントローラ802は、フィーダユニットが多機能デバイスのトレイの異なる位置をまたいで上方及び/又は下方に移動するように、フィーダユニットを管理する。フィーダユニットは、親ねじ機構の助けを借りて垂直に上下に移動する。親ねじ機構は、モータ駆動され、軸受、軸受ブッシュによって支持され、詳細に上述したように、フィーダユニットの垂直移動のためにガイドレールによってガイドされる。センサは、フィーダユニットの位置と、多機能デバイスにおけるトレイの異なる位置をまたがったフィーダユニットの移動とを検知する。
【0057】
いくつかの実装形態では、フィーダユニットの位置及び多機能デバイスのトレイに対するフィーダユニットの移動を検知することができるセンサがフィーダユニット上に設けられる。
【0058】
更に、いくつかの実装形態では、センサが、多機能デバイスのトレイの各々に設けられる。そのような実装形態では、フィーダユニットが取り付けられるフレームは、センサによって検出可能な突出部(シートメタルフラグとも呼ばれる)を含み、それにより、各トレイ上のセンサは、突出部の検出に基づいて、そのトレイに対するフィーダユニットの位置及び移動を検知することができる。
【0059】
更に、いくつかの実装形態では、多機能デバイスは、センサがフィーダユニット上に設けられ、並びにセンサが多機能デバイスの各トレイ上に設けられるように、複数のセンサを含む。そのような実装形態では、複数のセンサは一緒に、トレイに対するフィーダユニットの位置及び移動を検知する。例えば、信号/ビームは、フィーダユニット上に位置付けられたセンサを通過し、信号は、トレイ2などのトレイ上に位置付けられたセンサを通過する。両センサからの信号が一致すると、フィーダユニットはトレイ2で停止する。
【0060】
最初に、ユーザは、ノートパソコン、コンピューティングデバイス、モバイルデバイスなどのユーザのコンピューティングデバイスを介して印刷用文書をサブミットする。具体的には、ユーザは、自分のコンピューティングデバイス上で動作しているプリントドライバを介して印刷用文書をサブミットする。印刷用文書をサブミットしながら、ユーザは、片面/両面、カラー/白黒、向き、ページ数、例えば、媒体タイプ、媒体サイズ、媒体色などの媒体詳細、印刷用トレイなどの1つ以上の印刷属性をサブミットする。このようにして、ユーザは、多機能デバイスで印刷用文書と、多機能デバイスでの印刷要求とを成功裏にサブミットする。
【0061】
機能において、多機能デバイス800、具体的にはコントローラ802は、ユーザによってサブミットされた文書及び印刷属性を受信する。このようにして、コントローラ802は、文書と、媒体タイプ、媒体サイズ、又は媒体色などの媒体詳細とを含む印刷要求を受信する。ユーザから文書及び関連する詳細を受信すると、コントローラ802は、印刷用文書を多機能デバイスの印刷キューに追加する。コントローラ802は、プリントキューに従って文書の実行を開始する。実行時に、コントローラ802は、文書の印刷に必要なトレイ、すなわちターゲットトレイを特定する。コントローラ802は、要求に基づいて、複数のトレイのうちの、文書を印刷するために使用されるターゲットトレイを特定する。ターゲットトレイの特定は、印刷要求に含まれる詳細に基づいて行うことができる。例えば、コントローラ802は、媒体タイプ、媒体サイズに基づいてトレイを特定する。例えば、ユーザがA4媒体シートなどの媒体タイプを選択した場合、コントローラ802は、A4媒体シートを有するトレイを特定する。別の例では、ユーザがA3媒体シートのような媒体タイプを選択した場合、コントローラ802は、A3媒体シートを有するトレイを特定する。更なる例では、ユーザがトレイID/番号を選択した場合、コントローラ802は、ユーザの文書を印刷するためのトレイを特定する。このようにして、コントローラ802は、文書を印刷するために使用するターゲットトレイを特定する。
【0062】
特定すると、コントローラ802は、フィーダユニットの現在位置をチェックする。フィーダユニットに位置付けられたセンサは、フィーダユニットの位置を検知し、現在位置を渡し、それをコントローラ802に送信する。この例では、センサ810は、第1のモータに結合される。センサ810は、単一の可動フィーダユニット402の位置を検出する。例えば、センサ810は、単一の可動フィーダユニット402の現在位置及び単一の可動フィーダユニット402の移動を検出する。現在位置に基づいて、コントローラ802は、更に先へ進む。例えば、フィーダユニット402の現在位置がターゲットトレイにある場合、方法は、ユーザの文書の印刷に進む。しかし、フィーダユニット402の現在位置が、トレイ1などのデフォルトトレイのようなターゲットトレイと異なる場合、コントローラ802は、フィーダユニット402をトレイ3に移動させる。コントローラ802は、フィーダユニット402をフィーダの現在位置からターゲットトレイに近接する位置に移動させて、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出す。ここで、現在位置は、ターゲットトレイとは異なる任意の位置、例えば、トレイ1などのデフォルトトレイ、トレイ2、トレイ4などであってもよい。単一の可動フィーダユニット402は、印刷キュー内に以前に存在していた文書を印刷するために使用されたトレイに近接する位置、又は1枚以上の媒体シートが最後に取り出される位置に位置付けられる。
【0063】
多機能デバイス800は、少なくとも1つのトラック406を更に含む。現在の実装形態では、多機能デバイスは、実質的に垂直な軸に沿って配向された2つのトラック406a、406bを含む。単一の可動フィーダユニット402は、2つのトラック406a、406bと係合し、2つのトラック406a、406bに沿って複数の位置をまたいで移動する。
【0064】
位置検知に基づいて、コントローラ802は、フィーダユニットに信号を送信して、単一の可動フィーダユニット402をターゲットトレイに近接する位置に再配置する。センサ810は、駆動システムの第1のモータ410に信号を提供し、単一の可動フィーダユニット402をターゲットトレイに近接して再配置するために、単一の可動フィーダユニット402を親ねじ408に沿って移動させることを開始又は停止させる。親ねじ408は、多機能デバイス800に取り付けられ、実質的に垂直な軸に平行に配向されてもよい。更に、係合部材は、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられ、親ねじ408と係合するように構成されていてもよい。第1のモータ410は、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられ、係合部材に結合されてもよい。更に、第1のモータ410は、係合部材を回転させ、それによって、係合部材及び単一の可動フィーダユニット402を親ねじ408に沿って移動させるように構成されていてもよい。したがって、信号がトリガとなって、第1のモータに回転を開始させ、それによって、単一の可動フィーダユニット402を移動させて、単一の可動フィーダユニット402をターゲットトレイに近接する位置に再配置することができる。
【0065】
単一の可動フィーダユニット402は、フィード位置とアンフィード位置との間で構成可能な折り畳みフィードローラ412と、1つ以上のシャフトと、1つ以上のガイドとを更に含んでもよい。例えば、折り畳みフィードローラ412は、単一の可動フィーダユニット402の長さに平行な水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転することによって、フィード位置とアンフィード位置との間で構成可能であってもよい。フィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414に近接して位置合わせされて媒体シートスタック414に接触してもよく、アンフィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414から離して位置合わせされてもよい。更に、いくつかの実施形態では、折り畳みフィードローラ412は、ソレノイド808によって動力供給されて、水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転してもよい。
【0066】
信号を受信すると、単一の可動フィーダユニット402は、複数の位置をまたいで移動して、単一の可動フィーダユニット自体をターゲットトレイに近接して再配置する。再配置すると、単一の可動フィーダユニット402は、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出す。フィーダユニット402が複数の位置をまたいで移動しているとき、折り畳みフィードローラ412は、折り畳みフィードローラ412が媒体シートスタック414から離して位置合わせされるように、アンフィード位置に構成される。単一の可動フィーダユニット402が、媒体シートを取り出すターゲットトレイに近接した所望の位置にくると、折り畳みフィードローラ412は、フィード位置へと構成されて、トレイ内に存在する媒体シートスタック414から一番上の媒体シート414aを取り去る。次に、折り畳みフィードローラ412の1つ以上のローラが、媒体シートスタック414の一番上の媒体シート414aに接触する。接触すると、1つ以上のローラが回転して、媒体シートスタック414から一番上の媒体シート414aを引っ張って取り去る。
図5Aのアンフィード位置から
図5Bのフィード位置に構成されるために、折り畳みフィードローラ412は、水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転する。更に、媒体シート(複数可)414aの取り出しが完了し、単一の可動フィーダユニット402が異なるトレイに近接する異なる位置に移動することが要求されると、折り畳みフィードローラ412を、アンフィード位置に再度構成することができる。折り畳みフィードローラ412を、水平軸A-A’を中心に枢動可能に回転させて、アンフィード位置へと再構成する。媒体シートの取り出しが完了し、単一の可動フィーダユニット402が異なる位置に移動することが要求されると、単一の可動フィーダユニット402が異なる位置に移動し始める前に、折り畳みフィードローラ412をアンフィード位置へと構成することに留意されたい。折り畳みフィードローラ412のアンフィード位置は、単一の可動フィーダユニット402が障害物なしに複数の位置をまたいで移動することを可能にする。
【0067】
このようにして、ターゲットトレイからの1枚以上の媒体シートが印刷のために取り出される。取り出されたシートは、文書を印刷するための印刷エンジンに渡され(as passed)、印刷出力がもたらされる。
【0068】
ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すと、単一の可動フィーダユニット402は、複数のトレイ404のうちの所定のトレイに近接する所定の位置に戻る。
【0069】
フィーダユニット402が昇降する際にトレイと干渉しないように、可動フィーダユニット402には、初期折り畳みフィードローラが設けられている。折り畳みフィードローラはソレノイドによって駆動されて回転し、用紙をピックアップする。この折り畳みフィードローラは、垂直に移動している間は傾斜/回転した位置にあり、そうでなければ、折り畳みフィードローラは、用紙をピックアップし、プリント動作のためにピックアップされた紙をプリントエンジンに送るために平坦な位置にある。
【0070】
紙詰まり状態の場合、コントローラ802は紙詰まり除去機構を作動させる。上述したように、紙詰まり除去機構は、内蔵ブレードと2つのロッドとを含み、一方はガイドロッドであり、他方はねじ付きロッドである。コントローラ802が紙詰まりを検出すると、モータが作動してねじ付きロッドを回転させ、内蔵ブレードが機械の機内側から機外側に移動して用紙を切断し、ユーザが他の部品を妨害することなく紙を手動で除去できるようにする。最後に、紙を引き裂いた後、刃は元の位置に静止する。
【0071】
詳細には、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット402内で詰まっている恐れがある媒体シート606を切断するために、単一の可動フィーダユニット402の長さに沿って移動するように構成されている。駆動シャフト608a及びねじ付きシャフト608bを含む2つのシャフトは、単一の可動フィーダユニット402の長さに平行に位置合わせされる。ブレード604は、ねじ付きシャフト608bと螺合され、ブレードは、ねじ付きシャフト608bがその中心軸を中心として回転すると、ねじ付きシャフト608bに沿って移動する。ねじ付きシャフト608bがその中心軸を中心として回転すると、ブレード604は、ねじ付きシャフト608bに沿って移動させられる。ねじ付きシャフト608bの回転は、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられ固定された第2のモータ610によって動力供給される。第2のモータ610は、コントローラ802に通信可能に結合される。したがって、媒体シート詰まりが検出されると、コントローラ802がトリガとなって、第2のモータ610にねじ付きシャフト608bを回転させ、更にブレード604をねじ付きシャフト608bに沿って移動させ、詰まった媒体シートを切断する。第2のモータ610及びねじ付きシャフト608bの一方向への回転は、単一の可動フィーダユニット402の第1の端部から第2の端部へブレード604を移動させることができ、一方、第2のモータ610及びねじ付きシャフト608bの反対方向への回転は、単一の可動フィーダユニット402の第2の端部から第1の端部へブレード604を移動させることができる。
【0072】
図9は、単一の可動フィーダユニットなどの新しいフィーダユニットを使用してターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すための方法フローチャート900である。具体的には、
図9は、多機能デバイスにおける複数のトレイの異なる位置をまたいでフィーダユニットを移動させるための方法900である。方法900は、多機能デバイスにおいて実施することができる。しかし、方法900は、プリンタ、多機能プリンタ、又は印刷機能を有する任意の同等の装置で実施することができる。多機能デバイスは、印刷及び/又は他の画像形成動作のための多数のトレイを含む。トレイは、本開示の範囲を限定することなく、同じ媒体又は異なる媒体を有することができる。各トレイ404は、それぞれの垂直高さに配置される。
【0073】
最初に、ユーザは、上述したような1つ以上の印刷属性と共に印刷用文書をサブミットする。印刷属性としては、印刷されるページ数、カスタム印刷、向き、印刷に使用される多機能デバイス、カラー/白黒、片面/2倍サイズ(double size)、仕上げオプション、媒体サイズ、媒体タイプ、又は文書を印刷するためのトレイが挙げられる。
【0074】
902において、文書を印刷するための印刷要求が多機能デバイスにおいて受信される。文書と共に、印刷要求は、上述したような印刷属性を含む。印刷要求が媒体詳細を含まない場合、多機能デバイスは、デフォルト媒体タイプをA4又はトレイ1などのデフォルトトレイとみなす。
【0075】
904において、複数のトレイのうちの、文書を印刷するために使用されるターゲットトレイが特定される。ターゲットトレイが特定されると、単一の可動フィーダユニット402の位置が検出される。いくつかの実装形態では、単一の可動フィーダユニット402の位置は、第1のモータ410などのモータに結合されたセンサ810などのセンサを使用して検出される。単一の可動フィーダユニット402は、複数のトレイ404に対して複数の位置をまたいで移動するように構成されてもよく、複数のトレイ404の各々から1枚以上の媒体シートを取り出すように更に構成されてもよい。単一の可動フィーダユニット402は、少なくとも1つのトラック406と係合し、少なくとも1つのトラック406に沿って複数の位置をまたいで移動するように構成されてもよい。少なくとも1つのトラック406は、実質的に垂直な軸に沿って配向され得る。フィーダユニット402の現在位置に基づいて、方法900は先へ進む。単一フィーダユニット402の現在位置が既にターゲットトレイにある場合、方法900は、文書の印刷に進む。単一のフィーダユニットの現在位置がターゲットトレイと異なる場合、方法900は先へ進む。
【0076】
906において、単一フィーダユニット402は、ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、現在位置からターゲットトレイに近接する位置に移動する。方法900は、複数のトレイに関連付けられた単一の可動フィーダユニット402がターゲットトレイに近接して配置されているかどうかをチェックすることを含む。単一の可動フィーダユニット402がターゲットトレイに近接して配置されていないことが検出された場合、単一の可動フィーダユニット402は、現在位置からターゲットトレイに近接する位置に移動させられる。フィーダユニットを現在位置からターゲットトレイに移動させるために、信号が単一の可動フィーダユニット402に送信されて、単一の可動フィーダユニット402をターゲットトレイに近接する位置に再配置する。信号を受信すると、単一の可動フィーダユニット402は、複数の位置をまたいで移動して、単一の可動フィーダユニット自体をターゲットトレイに近接して再配置する。再配置すると、1枚以上の媒体シートが、単一の可動フィーダユニット402を使用してターゲットトレイから取り出される。単一の可動フィーダユニット402は、駆動システムによって複数の位置をまたいで移動させられてもよい。例えば、駆動システムは、多機能デバイス800に取り付けられ、実質的に垂直な軸に平行に配向された親ねじ408を含むことができる。駆動システムは、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられ、親ねじ408と係合するように構成された係合部材を更に含むことができる。駆動システムは、単一の可動フィーダユニット402に取り付けられた第1のモータ410を更に含むことができる。第1のモータ410は更に、係合部材に結合され、係合部材を回転させ、それによって、係合部材及び単一の可動フィーダユニット402を親ねじ408に沿って移動させるように構成されてもよい。
【0077】
ターゲットトレイから1枚以上の媒体シートを取り出すために、折り畳みフィードローラ412は、単一の可動フィーダユニット402の長さに平行な水平軸A-A’を中心に折り畳みフィードローラ412を枢動可能に回転させることによって、アンフィード位置からフィード位置に構成される。フィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414に近接して位置合わせされ、媒体シートスタック414に接触し、最終的に媒体シートを取り出す。このようにして、媒体シートは、新しいフィーダユニットを使用して(フィーダユニットを現在位置からターゲットに移動させることによって)ターゲットトレイから取り出される。アンフィード位置において、折り畳みフィードローラ412は、媒体シートスタック414から離して位置合わせされ得る。折り畳みフィードローラ412は、ソレノイド808によって動力供給されて、水平軸を中心に枢動可能に回転することができる。
【0078】
908において、ターゲットトレイ内に存在する1枚以上の取り出された媒体シートを使用して文書が最終的に印刷され、印刷出力がもたらされる。
【0079】
方法900は更に、単一の可動フィーダユニットを多機能デバイスの複数のトレイをまたいで移動させながら、単一の可動フィーダユニットの位置を連続的に検知することを含む。
【0080】
いくつかの追加の実施形態では、方法900は、紙詰まり除去機構の実装を含む。方法900は、単一の可動フィーダユニット402における媒体シートの詰まり状態の検出を含むことができる。単一の可動フィーダユニット402における媒体シートの詰まり状態は、多機能デバイス800に設けられたジャムセンサによって検出され得ることに留意されたい。したがって、ブレード604に、媒体シートを切断させてもよい。既に上述したように、ブレード604は、単一の可動フィーダユニット402の長さに沿って移動することによって媒体シートを切断するように構成されてもよい。単一の可動フィーダユニット402の長さは、垂直軸に垂直な単一の可動フィーダユニット402の第1の端部と第2の端部との間で画定され得る。ブレード604は、ねじ付きシャフト608bがその中心軸に沿って回転すると、ねじ付きシャフト608bに沿って移動する。ブレード604は、単一の可動フィーダユニット402の長さに平行に位置合わせされ得るねじ付きシャフト608bと螺合され得る。ねじ付きシャフト608bの回転は、第2のモータ610によって動力供給されてもよい。
【0081】
多機能デバイスのための移動可能な単一の可動フィーダユニットと、多機能デバイスの複数のトレイから媒体シートを取り出すための技術とが開示される。複数の位置をまたいで移動して、複数のトレイのうちの、媒体シートを取り出すトレイに近接して単一の可動フィーダユニット自体を再配置することによって、複数のトレイの各々から媒体シートを取り出すように構成された単一の可動フィーダユニットが提供される。複数のトレイの各トレイ用の複数の単一の可動フィーダユニットを1つの単一の可動フィーダユニットに置き換えることによって、製造、運用、及び修理のコスト及び時間が削減される。更に、詰まった媒体シートを単一の可動フィーダユニットから切断するためのブレードは、多機能デバイスにおける媒体シート詰まりの問題を克服する効果的であるが経済的な解決策を提供する。
【0082】
当業者であれば、「is」、「are」、「may」、「can」、「could」、「will」、「should」などという句(単数又は複数)の使用は、本開示の様々な実施形態を理解するためのものであり、この句は、本開示又はその実施をいかなる方法でも限定するものではないことが理解される。
【0083】
「comprises」又は「comprising」という用語は、本明細書において、記載された特徴、整数、工程、若しくは構成要素の存在を指定するために使用されるが、1つ以上の更なる特徴、整数、工程、若しくは構成要素、又はそれらの群の追加を除外するものではないことが強調される。
【0084】
本方法が記載される順序は、限定として解釈されることを意図するものではなく、記載される方法ブロックの任意の数を、本方法又は代替の方法を実装するために任意の順序で組み合わせることができる。追加的に、本明細書に記載される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、個々のブロックを本方法から削除することができる。更に、本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装され得る。しかしながら、説明を容易にするために、以下に記載される実施形態では、本方法は、上に記載されるシステム及び/若しくは機器並びに/又は任意の電子デバイス(図示せず)に実装されると考慮され得る。
【0085】
上記の説明は、様々な構成要素の製造又は設計の具体的な詳細を提供しない。当業者は、かかる詳細に精通しており、提示されるこれらの技法から逸脱しない限り、技法、既知の関連技術、又は今後開発される設計及び材料が用いられるべきである。当業者は、好適な製造及び設計の詳細を選ぶことができる。
【0086】
以下の考察全体を通して、サーバ、サービス、エンジン、モジュール、インタフェース、ポータル、プラットフォーム、又はコンピューティングデバイスから形成される他のシステムに関して多数の参照がなされ得ることに留意されたい。かかる用語の使用は、プロセッサ可読媒体とも称される、コンピュータ可読有形非一時的媒体に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成又はプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを表すものと見なされることを理解されたい。例えば、サーバは、記載される役割、責任、又は機能を果たす様式で、ウェブサーバ、データベースサーバ、又は他のタイプのコンピュータサーバとして動作する1つ以上のコンピュータを含み得る。本文書の文脈内で、開示されるデバイス又はシステムはまた、プロセッサと、デバイスに、デバイス又はシステムの特徴を制御、管理、又は別様に操作させる、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、非一時的メモリと、を有する、コンピューティングデバイスを備えると見なされる。
【0087】
本明細書の発明を実施するための形態のいくつかの部分は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、CPU用メモリ記憶デバイス、及び接続された表示デバイスを含む、従来のコンピュータ構成要素によって実施されるデータビット上の動作のアルゴリズム及び記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、当業者の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝達するために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、一般に、所望の結果をもたらす、自己整合性のある工程の順序として理解される。工程は、物理的量の物理的操作を必要とするものである。概して、必ずしもそうではないが、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作することができる電気信号又は磁気信号の形態をとる。主に一般的な使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などと称することが時として好都合であることが証明されている。
【0088】
しかしながら、これら及び同様の用語の全ては、適切な物理的量に関連付けられるものであり、これらの量に適用される好都合なラベルに過ぎないことを理解されたい。別様に具体的に明記されていない限り、本明細書の考察から明らかなように、説明全体を通して、「受信する」又は「取り出す」、「印刷する」、「検出する」、又は「特定する」、又は「送信する」、又は「移動させる」などのような用語を利用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ内の物理的量として同様に表される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム若しくは同様の電子コンピューティングデバイス、又は他のこのような情報の記憶デバイス、送信デバイス、若しくは表示デバイスの働き及び処理を指すことが理解される。
【0089】
例示的な実施形態はまた、本明細書で考察される動作を実施するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得るか、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを備え得る。かかるコンピュータプログラムは、限定はされないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び磁気光ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体などの、各々がコンピュータシステムバスに連結されたコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0090】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。様々な汎用システムは、本明細書の教示に従ってプログラムで使用され得るか、又は本明細書に記載される方法を実施するために、より特殊な装置を構築することが便利であることを証明し得る。様々なこれらのシステムの構造は、上記の説明から明らかである。加えて、例示的な実施形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して記載されていない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書に記載される例示的な実施形態の教示を実装することができることが理解されよう。
【0091】
本明細書全体を通して例示される方法は、コンピュータ上で実行され得るコンピュータプログラム製品内に実装され得る。コンピュータプログラム製品は、ディスク、ハードドライブなどのような制御プログラムが記録された非一時的コンピュータ可読記録媒体を含み得る。非一時的コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、若しくは任意の他の磁気記憶媒体、CD-ROM、DVD、若しくは任意の他の光媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、又は他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又は内部からコンピュータが読み出すことができ、かつ使用することができる任意の他の有形媒体が挙げられる。
【0092】
代替的に、本方法は、制御プログラムが、電波及び赤外線データ通信などの間に生成されるものなどの音波又は光波などの伝送媒体を使用するデータ信号として具現化される伝送可能な搬送波などの一時的媒体で実装され得る。
【0093】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。上に開示される及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物のうちのいくつかは、他のシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されよう。以下の特許請求の範囲に包含されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって、本明細書の様々な現在不測の若しくは予期されない代替例、修正例、変形例、又は改善例がその後に行われてもよい。
【0094】
当初提示された、及び補正され得る特許請求の範囲は、現在、予想又は認識されないもの、並びに、例えば、出願人/特許権者及び他の者から生じ得るものを含む、本明細書に開示される実施形態及び教示の変形、代替、修正、改善、等価物、及び実質的な等価物を包含する。
【0095】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。