IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アンシディスの特許一覧

特開2023-155907トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器
<>
  • 特開-トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器 図1
  • 特開-トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器 図2
  • 特開-トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155907
(43)【公開日】2023-10-23
(54)【発明の名称】トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/25 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
G01B11/25 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023063658
(22)【出願日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】2203324
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】506394290
【氏名又は名称】アンシディス
【氏名又は名称原語表記】INSIDIX
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】レジス、ブレザーズ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、ベルネス
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065AA53
2F065BB05
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF09
2F065GG24
2F065HH06
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065QQ31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来技術の方法よりも良好な成果を提示するトポグラフィ測定を実行するための方法を提供する。
【解決手段】複数の突出パターン(2)が設けられた第1の表面を備えるサンプル(1)の第1の表面は、いくつかの繰り返しパターンを定義する構造化光によって照明される。構造化光は、第1の表面に対して第1の角度(α)で放出される。構造化光によって照明されたサンプル(1)の第1の表面の第1の画像が取得される。第1の画像は、第1の表面に対して第2の角度(β)で取得される。照明されたサンプル(1)の第2の画像が取得される。第2の画像は、第1の画像とは露光時間の値が異なる。第1の画像は、第1の画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第2の画像と比較される。第1の画像及び第2の画像から基準画像が形成される。基準画像にはあらゆるアーチファクトがない。第1の表面を表す量は、基準画像から計算される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-複数の突出パターン(2)が設けられた第1の表面を備えるサンプル(1)を提供することと、
-前記サンプル(1)の前記第1の表面の複数の画像を取得することであって、前記複数の画像が、前記サンプル(1)の基準画像を含み、各基準画像が、構造化光で照明された前記サンプル(1)に対応し、前記基準画像の前記構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ前記繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、取得することと、
を含む、トポグラフィ測定を実行する方法において、
前記複数の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面の少なくとも1つの第1の一連の画像を含み、前記第1の一連の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得され、前記第1の構造化光が、いくつかの繰り返しパターンを定義し、前記第1の一連の画像の画像が、前記第1の表面に対する前記第1の構造化光の照射角度(α)によって互いに異なることを特徴とし、
-前記第1の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、前記第1の一連の画像の前記画像を比較することと、
-少なくとも前記第1の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、前記少なくとも1つの加工画像が、前記少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は前記少なくとも1つのアーチファクトの程度が低減されている、形成することと、
-前記少なくとも1つの加工画像及び前記基準画像から前記サンプルを表す少なくとも1つの量を計算することと、
を含む、トポグラフィ測定を実行する方法。
【請求項2】
前記第1の一連の画像が、前記基準画像の画像を含み、前記少なくとも1つの加工画像が、前記基準画像の前記画像に置き換わる、請求項1に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項3】
前記複数の画像が、各々が前記基準画像の画像を含むいくつかの第1の一連の画像を有し、各第1の一連の画像が、少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は低減された程度のアーチファクトを有する加工画像を形成するために使用され、各加工画像が、前記基準画像のうちの1つに置き換わる、請求項2に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項4】
前記複数の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面の少なくとも第2の一連の画像を含み、前記第2の一連の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面が前記第1の構造化光によって照明されたときに取得され、前記第2の一連の画像の画像が、前記第2の一連の画像の前記画像の露光時間によって互いに異なり、前記第1の構造化光の前記照射角度(α)が、前記第2の一連の画像に対して一定でありかつ前記第1の一連の画像の角度のうちの1つに対応し、測定方法が、
-前記第2の一連の画像のうちの少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、前記第2の一連の画像の前記画像を比較することと、
-少なくとも前記第2の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、前記少なくとも1つの加工画像が、前記少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は前記アーチファクトの程度が低減されている、形成することと、
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項5】
前記第2の一連の画像が、前記基準画像の画像を含み、前記第2の一連の画像から形成された前記少なくとも1つの加工画像が、前記基準画像の前記画像に置き換わる、請求項4に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項6】
前記基準画像の画像が、前記第1の一連の画像及び前記第2の一連の画像に属し、前記第1の一連の画像及び前記第2の一連の画像が、前記基準画像の前記画像に置き換わる加工画像を形成するために使用される、請求項2及び5の組合せに記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項7】
前記複数の画像が、各々が前記基準画像の画像を含むいくつかの第2の一連の画像を有し、各第2の一連の画像が、少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は低減された程度のアーチファクトを有する加工画像を形成するために使用され、各加工画像が、前記基準画像の画像に置き換わる、請求項4から6のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項8】
前記複数の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面の少なくとも第3の一連の画像を含み、前記第3の一連の画像が、前記サンプル(1)の前記第1の表面が第2の構造化光によって照明されたときに取得され、前記第3の一連の画像の画像が、前記構造化光の色によって互いに異なり、前記第2の構造化光の照射角度(α)が、前記第3の一連の画像に対して一定でありかつ前記第1の一連の画像の角度のうちの1つに対応し、測定方法が、
-前記第3の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、前記第3の一連の画像の前記画像を比較することと、
-少なくとも前記第3の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、前記少なくとも1つの加工画像が、前記少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は前記アーチファクトの程度が低減されている、形成することと、
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項9】
前記第1の一連の画像の前記画像の比較が、前記第1の構造化光の前記照射角度(α)に応じて、前記第1の一連の前記画像の平均光度よりも高い光度を提示するエリアの変位を識別することを含み、前記アーチファクトが、スプリアス反射である、請求項1から8のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項10】
前記第1の一連の画像の前記画像の比較が、前記第1の構造化光の前記照射角度(α)に応じて、前記第1の一連の前記画像の平均光度よりも低い光度を提示するエリアの程度の修正を識別することを含み、前記アーチファクトが、影である、請求項1から9のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項11】
前記第1の一連の画像の前記画像の比較が、前記構造化光から生じる前記繰り返しパターンの光強度修正の抽出及び前記光強度修正の比較を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のトポグラフィ測定を実行するための方法。
【請求項12】
-サンプル(1)を支持するように設計された表面を有する支持体(3)と、
-異なる構造化光を放出するように構成された投射手段(4)であって、前記構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ前記繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、投射手段(4)と、
-異なる構造化光のうちの1つによって照明された前記サンプル(1)の画像を取得するように構成された画像取込手段(5)と、
-異なる構造化光によって照明された前記サンプル(1)のいくつかの基準画像を取得するように構成された制御回路(6)であって、前記基準画像の前記構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ前記繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、制御回路(6)と、を備える、
トポグラフィ測定器において、
-前記投射手段(4)が、前記支持体(3)の前記表面に対する前記構造化光のいくつかの照射角(α)を定義するように構成されており、
-前記制御回路(6)が、第1の構造化光によって照明された前記サンプルの第1の一連の画像を取得するように構成されており、前記第1の構造化光が、いくつかの繰り返しパターンを定義し、前記第1の一連の画像の画像が、前記支持体(3)の前記表面に対する前記第1の構造化光の照射角度(α)によって互いに異なり、
-前記制御回路(6)が、前記第1の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、前記第1の一連の画像の前記画像を比較するように構成されており、
-処理回路(10)が、少なくとも前記第1の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成するように構成されており、前記少なくとも1つの加工画像が、前記少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は前記少なくとも1つのアーチファクトの程度が低減されており、
-前記処理回路(10)が、前記少なくとも1つの加工画像及び前記基準画像から前記サンプルを表す少なくとも1つの量を計算するように構成されていることを特徴とする、
トポグラフィ測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トポグラフィ測定を実行するための方法及びトポグラフィ測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野において、主面から突出した構成部品が使用されている。これらの突出した部品の形状及び寸法を把握するためには、細心の注意を払わなければならない。突出した部品は、例えば、電子チップ又は任意の他の電子デバイスの電気接点として機能することとなる導電性パッドである。突出した部品の寸法を適切に把握することによって、高性能の電気接点を達成することが可能になる。
【0003】
複数の突出した部品の形状及び寸法を可能な限り正確かつ迅速に測定できることが重要である。
【0004】
光学的方法を用いて突出した部品の寸法の測定を実行することが知られている。複数の突出した部品を有するサンプルの表面にテクスチャ光が照射される。テクスチャ光は、サンプルの表面に照射された複数の繰り返しパターンを定義する。
【0005】
テクスチャ光によって照明されたサンプルの表面のいくつかの画像が取得される。異なる画像を分析することにより、突出した部品の寸法及び形状を計算することができる。
【0006】
測定の質は、取得された画像の質に大きく依存する。したがって、突出した部品の寸法及び形状を計算するステップで使用される画像の質を改善するための必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの目的は、従来技術の方法よりも良好な成果を提示するトポグラフィ測定を実行するための方法を提供することで構成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この結果は、トポグラフィ測定を実行するための方法によって達成される傾向があり、方法は、
-複数の突出パターンが設けられた第1の表面を備えるサンプルを提供することと、
-サンプルの第1の表面の複数の画像を取得することであって、複数の画像が、サンプルの基準画像を含み、各基準画像が、構造化光で照明されたサンプルに対応し、基準画像の構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、取得することと、
を含む。方法は、複数の画像が、サンプルの第1の表面の少なくとも第1の一連の画像を含み、第1の一連の画像が、サンプルの第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得され、第1の構造化光が、いくつかの繰り返しパターンを定義し、第1の一連の画像の画像が、第1の表面に対する第1の構造化光の照射角度によって互いに異なり、
-第1の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第1の一連の画像の画像を比較すること、
-少なくとも第1の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、少なくとも1つの加工画像が、該少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は該少なくとも1つのアーチファクトの程度が低減されている、形成すること、
-少なくとも1つの加工画像及び基準画像からサンプルを表す少なくとも1つの量を計算すること、
という点で注目に値する。
【0009】
優先的には、第1の一連の画像が、基準画像の画像を含み、少なくとも1つの加工画像が、基準画像の該画像に置き換わる。
【0010】
優先的には、複数の画像が、各々が基準画像の画像を含むいくつかの第1の一連の画像を有する。各第1の一連の画像が、少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は低減された程度のアーチファクトを有する加工画像を形成するために使用される。各加工画像が、基準画像のうちの1つに置き換わる。
【0011】
優先的には、複数の画像が、サンプルの第1の表面の少なくとも第2の一連の画像を含み、第2の一連の画像が、サンプルの第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得され、第2の一連の画像の画像が、第2の一連の画像の画像の露光時間によって互いに異なり、第1の構造化光の照射角度が、第2の一連の画像に対して一定でありかつ第1の一連の画像の角度のうちの1つに対応する。測定方法が、
-第2の一連の画像のうちの少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第2の一連の画像の画像を比較することと、
-少なくとも第2の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、少なくとも1つの加工画像が、該少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又はアーチファクトの程度が低減されている、形成することと、
を含む。
【0012】
優先的には、第2の一連の画像が、基準画像の画像を含む。第2の一連の画像から形成された少なくとも1つの加工画像が、基準画像の該画像に置き換わる。
【0013】
優先的には、基準画像の画像が、第1の一連の画像及び第2の一連の画像に属する。第1の一連の画像及び第2の一連の画像が、基準画像の該画像に置き換わる加工画像を形成するために使用される。
【0014】
優先的には、複数の画像が、各々が基準画像の画像を含むいくつかの第2の一連の画像を有する。各第2の一連の画像が、少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は低減された程度のアーチファクトを有する加工画像を形成するために使用される。各加工画像が、基準画像の画像に置き換わる。
【0015】
優先的には、複数の画像が、サンプルの第1の表面の少なくとも第3の一連の画像を含み、第3の一連の画像が、サンプルの第1の表面が第2の構造化光によって照明されたときに取得され、第3の一連の画像の画像が、構造化光の色によって互いに異なり、第2の構造化光の照射角度が、第3の一連の画像に対して一定でありかつ第1の一連の画像の角度のうちの1つに対応する。測定方法が、
-第3の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第3の一連の画像の画像を比較することと、
-少なくとも第3の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成することであって、少なくとも1つの加工画像が、該少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又はアーチファクトの程度が低減されている、形成することと、
を含む。
【0016】
優先的には、第1の一連の画像の画像を比較することが、第1の構造化光の照射角度に応じて、第1の一連の画像の平均光度よりも大きい光度を示すエリアの変位を識別することを含み、アーチファクトが、スプリアス反射である。
【0017】
優先的には、第1の一連の画像の画像を比較することが、第1の構造化光の照射角度に応じて、第1の一連の画像の平均光度よりも低い光度を提示するエリアの程度の修正を識別することを含み、アーチファクトが、影である。
【0018】
優先的には、第1の一連の画像の画像を比較することが、構造化光から生じる繰り返しパターンの光強度修正を抽出すること、及び該光強度修正を比較することを含む。
【0019】
本発明のさらなる目的は、従来技術の機械と比較して改善された性能を提示し、かつサンプルの量をより正確に計算することを可能にする、トポグラフィ測定器を提供することである。
【0020】
この結果は、トポグラフィカル測定器によって達成される傾向があり、トポグラフィカル測定器は、
-サンプルを支持するように設計された表面を有する支持体と、
-異なる構造化光を放出するように構成された投射手段であって、構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、投射手段と、
-異なる構造化光のうちの1つによって照明されたサンプルの画像を取得するように構成された画像取込手段と、
-異なる構造化光によって照明されたサンプルのいくつかの基準画像を取得するように構成された制御回路であって、基準画像の構造化光が各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、かつ繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる、制御回路と、
を備える。
【0021】
トポグラフィ測定器は、
-投射手段が、支持体の表面に対する構造化光のいくつかの照射角を定義するように構成されており、
-制御回路が、第1の構造化光によって照明されたサンプルの第1の一連の画像を取得するように構成されており、第1の構造化光が、いくつかの繰り返しパターンを定義し、第1の一連の画像の画像が、支持体の表面に対する第1の構造化光の照射角度によって互いに異なり、
-制御回路が、第1の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第1の一連の画像の画像を比較するように構成されており、
-処理回路が、少なくとも第1の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成するように構成されており、少なくとも1つの加工画像が、該少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか又は該少なくとも1つのアーチファクトの程度が低減されており、
-処理回路が、少なくとも1つの加工画像及び基準画像からサンプルを表す少なくとも1つの量を計算するように構成されている
という点で注目に値する。
【0022】
他の利点及び特徴は、非限定的な例示目的のためにのみ与えられ、添付の図面に表された、本発明の特定の実施形態及び実装モードの以下の説明からより明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】トポグラフィ測定器を概略的に示す。
図2】均一な光によって照明された半球形の形態の突出パターンを有するサンプルの写真である。
図3】トポグラフィ測定を実行するための方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
サンプルが基板の第1の表面から突出して配置された1つ以上の突出した部品を有する場合、サンプル、優先的には突出した部品又は突出した複数の部品を特徴付けることが有効であり、すなわち、サンプルを表す量を計算すること、より優先的には、突出した部品又は突出した複数の部品を表す量を計算することが有効である。これを行う迅速な方法は、サンプルのいくつかの画像を撮影する光学特性評価を用いることである。したがって、高品質の画像を得て、そこからサンプルの量、より具体的には突出した部品の量を可能な限り正確に推定することが重要である。
【0025】
図3に示す第1のステップS1では、複数の突出パターン2(図1を参照)が設けられた第1の表面を備えるサンプル1が提供される。サンプル1は、支持体3上に配置される。突出パターン2は、任意の形状である得る。しかしながら、突出パターン2が、球形若しくは半球形、円錐形、直線状のパッド、又は突出パターン2の形状の計算及び横方向寸法の計算を容易にする他の単純な形状の形態であることが、特に有効である。横方向寸法は、第1の表面に対する垂線も表すサンプル1を支持する支持体3に対する垂線の軸に、垂直な方向に測定される寸法である。第1の表面に対する垂線は、図1に示す線Aによって表されており、これはトポグラフィ測定器が測定方法を実施することができることを表す。
【0026】
突出パターン2は、任意の可能な材料から作製され得る。しかしながら、この方法は、突出パターン2が金属材料から、より一般的には光を反射する材料から作製された場合に特に有効であることが判明している。金属材料から作製されたパターンは、アーチファクトを生成する効果を有する光を反射することが観察された。また、投射手段4から突出パターン2にテクスチャ光が放出されると、突出パターン2のうちの一方の表面が他の表面よりも良好に照明されるという効果を有する影現象が生じることが観察された。この現象は、第1の表面に対する垂線からの距離が増加するにつれて強調される。
【0027】
トポグラフィ測定方法は、構造化光によるサンプル1の第1の表面の照明を含む。構造化光は、いくつかの繰り返しパターン、例えばいくつかの縞を定義する。第1の表面の照明は、投射手段4によって実行される。構造化光は、グレースケール画像又は他の色の色合い、及び場合によっては黒及び白であり得る。構造化光は、所定の度数及び所定の位相で繰り返されるパターンを定義する。投射手段4は、好適には、好ましくは可視範囲内の構造化光を投射するように構成された投射機を備える。
【0028】
構造化光は、好適には、例えばモアレ又は「シャドウモアレ」タイプの縞パターンを形成する。一実施形態では、投射機は縞パターンを直接放出する。代替の実施形態では、構造化光は、投射機から発する光が通過するマスクによって形成される。マスクは、例えばRonchi格子の形態の開口部及び不透明領域を備える。これら2つの技術を組み合わせることも可能である。
【0029】
測定方法は、ステップS2におけるサンプル1の第1の表面の複数の画像、特にステップS2aにおける複数の基準画像の取得を含む。
【0030】
基準画像は、サンプルの表面上の構造化光の繰り返しパターンの変形を含む。構造化光の照射角度は、繰り返しパターンの繰り返しピッチとして知られており、そこから繰り返しパターンの変形を推定することができ、したがってそこからサンプルに対する量に関する情報を推定することができる。繰り返しパターンの繰り返しピッチ及び位相によって互いに異なるいくつかの繰り返しパターンを使用することによって(場合によっては繰り返しパターンのサイズを用いて)、サンプルに対する量を計算することができる。
【0031】
ステップS4において、基準画像は、サンプルの少なくとも1つの量、優先的には複数の突出パターン2を表す量を計算するために使用される。優先的な様式では、基準画像は、突出した部品の共平面性、断面平面における、すなわち線Aに垂直な突出した部品の形状、線Aに垂直な1つ以上の方向における突出した部品の繰り返しピッチ、突出パターンのうちの少なくとも1つの横方向寸法、すなわち線Aに垂直な方向、及び1つ以上の突出パターンの高さ、すなわち線Aに沿った寸法から選択される少なくとも1つの量を計算するために使用される。
【0032】
画像を取得するために、サンプル1の第1の表面の画像を取得するように構成された画像取込手段5を使用することが有効である。画像取込手段5は、好適には、サンプル1の表面上に照射された構造化光を取り込むように配置されたカメラを備える。カメラは、取り込まれた構造化光からシステムの表面のトポグラフィ測定値を提供するように設計されている。図示の実施形態では、画像取込手段5の光軸は、支持体3の表面に対する垂線Aと一致する。
【0033】
サンプルを特徴付けるために、異なる構造化光を連続的に照射することが有効である。構造化光は、繰り返しパターン、好ましくは縞を定義する。サンプルの特性評価を実行するために、サンプル1の第1の表面の複数の基準画像が、ステップS2aにおいて取得されることとなる。各基準画像は、他とは異なる構造化光を用いて取得される。構造化光は、繰り返しパターンの位相及び/又は度数が互いに異なる。度数を変化させることにより、繰り返しパターンの繰り返しピッチが変化し、パターンの幅、特に縞の幅を変化させることも有効である。位相を変化させることで、サンプル上の縞の位置を変化させ、白色エリアが黒色エリア又はグレースケールのエリアとなる。パターンの位相及び度数を変化させることによって、当業者はサンプル1を特徴付けることができる。白色エリアから黒色エリアへの遷移を表す強度の変化は、正弦波又は三角形の形状、段階式、又は任意の他の好適な形態であり得る。
【0034】
繰り返しパターン、好ましくは縞の位相及び度数によって互いに異なるいくつかの基準画像を取得することにより、サンプルを表す量を計算することができる。
【0035】
既知の技術によってサンプルのトポグラフィを判定するように、異なる基準画像が一緒に分析される。サンプルの表面上の縞の変形が観察されて、サンプルの特性、優先的にはそこから突出パターンの特性を推定する。
【0036】
2つの突出パターン2間の距離、各突出パターン2の高さ、各突出パターン2の横寸法、各突出パターン2の形状、及び各突出パターン2を受容する表面の平面性を計算することができる。各突出した部品2について、突出パターンの(線Aに沿った)最高点を通過する数学的表面を計算することもできる。さらに、突出パターン2のピークの共平面性を計算すること、すなわち、突出パターン2のピークが同じ平面に属するかどうか、及び場合によっては、突出パターン2の全てのピークを通過する表面の(線Aに沿った)振幅を判定することが可能である。突出パターン2のピークを通過する表面の特性及び/又は突出パターン2を支持する基板の表面の特性を計算することもできる。特性の計算は、弓なり及びねじれタイプの計算であり得る。
【0037】
しかしながら、これらの画像は、サンプル1のより正確な特性評価を妨げるアーチファクトを提示するため、サンプル及び優先的には突出パターンを表す量のより細かい特性評価を果たすように追加の画像の取得を実行することが重要である。
【0038】
構造化光は、第1の表面に対して第1の角度αで放出される。投射手段4は、照射角度αとも呼ばれる、サンプル1の第1の表面に対して第1の角度αを有する構造化光を投射する。第1の角度αは、突出パターンを受容する基板の第1の表面の垂線に実質的に対応する、サンプルを支持する支持体3の表面の垂線に対して測定される。他の構成も可能である。
【0039】
特性評価の質を改善するために、アーチファクトの存在を判定することができ、かつこれらのアーチファクトを排除すること又は少なくともアーチファクトの重大さを低減することができるように、異なる条件下でいくつかの画像を取得することが有効である。撮影された追加の画像は、少なくとも1つのアーチファクトの程度を低減するか、それどころか少なくとも1つのアーチファクトを排除するように、計算された別の基準画像によって基準画像を置き換えるために、又はアーチファクトの重みを低減するように既に撮影された基準画像に基準画像を追加するために使用することができる。これにより、サンプルの量特性のより正確な計算が可能になる。
【0040】
ステップS2bにおいて、サンプル1の第1の表面の少なくとも第1の一連の画像を取得することが有効である。第1の一連の画像は、サンプル1の第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得される。第1の構造化光は、いくつかの所定の繰り返しパターンを定義し、第1の一連の画像の画像は、第1の表面に対する第1の構造化光の照射角度αによって互いに異なる。
【0041】
投射手段4は、異なる値の第1の角度αを有する同じ第1の構造化光を照射するように構成されている。第1の角度αは、優先的には、投射手段4の光軸とサンプルを受容する支持体3の平面に対する垂線との間で測定される。構成に応じて、投射手段4は、複数の角度αを定義するように移動するモバイル投射機を備える。いくつかの投射機を有することも可能であり、各投射機は所定の角度に関連付けられる。さらに、いくつかのモバイル投射機を有することが可能である。
【0042】
第1の角度αは、5°~175°、好ましくは10°~170°、より優先的には25°~155°、さらにより優先的には25°~55°及び115°~155°で構成されるのが有効である。0°~90°で構成された角度は、サンプルの一方の側、すなわち支持体の一方の側、したがって画像取込手段5の一方の側、例えば図1の右側に配置された投射手段4に対応し、一方、90°~180°で構成された角度は、サンプルの他方の側、すなわち支持体の他方の側、したがって画像取込手段5の他方の側、例えば図1の左側に配置された投射手段4に対応する。例えば2つの投射機を用いて、突出パターン2の2つの対向する表面を連続的に照明することができる投射手段4を使用することにより、突出パターン2の輪郭をより良好に定義することがより容易になる。
【0043】
複数の画像のうち、少なくともサンプル1の第1の表面の第1の一連の画像が取得される。第1の一連の画像は、サンプル1の第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得される。第1の構造化光は、いくつかの繰り返しパターンを定義する。
【0044】
突出パターン2間で光放射反射現象が発生したとき、放出された構造化光の一部は、画像の少なくとも一部上に非常に明るいエリアの出現を生み出す鏡面反射の形態で取込手段5に向かって反射して返ることが観察された。非常に明るいエリアは、画像の平均光度よりも高い光度を有するエリアである。非常に明るいエリアは、構造化光のパターンの特性、特に光強度の変化の観察をより困難にするか、又は妨げる低コントラストエリアである。スプリアス反射、より具体的には鏡面反射は、投射された繰り返しパターンの不十分な局所コントラストを生成する。コントラストが低いとアーチファクトが導入され、トポグラフィ再構成計算の精度が低下する。したがって、サンプル、例えば、突出パターンの特徴、より具体的には、突出パターン2の縁部、突出パターン2の形状、又は隆起部を特徴付けることがより困難である。この非常に明るいエリアは、突出パターン2を表す量の測定をより困難にするアーチファクトを作り出す。照射角度αを修正することにより、放出された構造化光の反射点を変位させることができ、したがって、第1の一連の画像間の非常に明るいエリアの位置を変位させることができる。照射角度αの値に従って第1の一連の異なる画像上の非常に明るいエリアの位置を比較することにより、照射角度αに従って非常に明るいエリアの変位を識別することが可能であり、それによって、アーチファクトの存在、この場合はスプリアス反射又は屈折を判定することを可能にする。
【0045】
照射角度αを調節することにより、影現象を修正することも可能になり、それにより、支持体の、したがってサンプルの同じ側から放出される構造化光を維持しながら突出パターン2の縁部を判定することが可能になる。影は、低光度エリア、すなわち低コントラストエリアの出現をもたらす。コントラストが低いため、構造化光の繰り返しパターンを観察することは困難であり、したがって、サンプルに関する関連情報を、優先的には突出パターン2を計算することは困難である。
【0046】
また、照射角度αを調節することにより、突出パターン間の多重反射現象の影響を低減することができる。多重反射は、サンプル上の別の位置から発する投射された強度を画像取込手段5に反射することとなる。これにより、再構成計算が局所的に歪む。多重反射の影響を低減するために、テクスチャ光の度数及び/又はピッチを修正することも有効である。
【0047】
例示目的のために、図2は、実質的に半球形の形態の突出パターンによって覆われた基板を有するサンプル1を示している。サンプルは、45°に等しい角度で照射された均一な白色光によって照明されている。突出パターンは全て同じように光を反射するわけではなく、かつ突出パターンは全て鏡面反射エリア及び陰影エリアを提示することが明らかである。また、中央の突出パターンは、隣接する突出パターンの反射を表すいくつかの反射点を提示することも明らかである。
【0048】
一般的な様式では、照射角度αの調節により、反射及び屈折現象の結果として高光度エリア又は低光度エリアの形態で現れる少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定することが可能になる。
【0049】
照射角度αの調節により、複数の画像の取得が可能になり、繰り返しパターンの特性の判定を容易にすることによって、アーチファクトの程度を低減することによって、かつ/又はアーチファクトを変位させることによってサンプルを表す量をより良好に判定することが可能になり、テクスチャ光の繰り返しパターンの少なくとも一部の存在を識別するのに十分なコントラストを得ることが可能になる。
【0050】
第1の一連の画像の画像は、第1の表面に対する第1の構造化光の照射角度αの値によって互いに異なる。照射角度αを調節することにより、サンプルと構造化光との間の相互作用が修正される。各画像は、照射角度αの既知の値に対応する。第1の光の照射角度αを調節することにより、影エリアのサイズ、及び突出パターン2の側壁上への構造化光の投射の角度、したがって反射及び屈折が修正される。
【0051】
第1の一連の画像を形成するためにいくつかの画像を取得することにより、構造化光の繰り返しパターンをより良好に観察することが可能になり、それにより、第1の一連の画像が、第1の構造化光が反対方向に、すなわち正及び負の値を有する角度で、すなわちサンプル1の一方の側又は他方の側に配置された投射手段4によって放出された画像を含む場合に、突出パターン2の寸法特性を優先的により良好に識別することが可能になる。
【0052】
照射角度αの異なる値に対応し、サンプルの同じ側から及び/又は画像取込手段5の同じ側から放出された第1の一連の画像の画像を有することが特に有効である。例えば、第1の光がサンプル1上に照射されたとき、少なくとも2つ又は少なくとも3つの画像が取得され、画像は、照射角度αの値によって互いに異なり、第1の光は、支持体3の同じ側から放出される。例えば、3つの画像は、少なくとも10°だけ互いに異なる角度αの3つの異なる値に対して取得される。例えば、3つの画像は、80°~10°、好ましくは70°~20°、さらにより好ましくは60°~30°で構成された角度αに対して、例えば55°、45°及び35°に対して取得される。
【0053】
好ましくは30°未満、優先的には20°未満、さらには15°又は10°の差を有する角度αの値に関連付けられたいくつかの画像の使用により、照射角度αによるアーチファクトの変位をより容易に監視することが可能になる。画像間の角度αの差は、好ましくは1°より大きく、より優先的には5°より大きい。
【0054】
また、第1の一連の画像が、サンプルの一方の側から放出された構造化光に対して異なる角度αの画像、及びサンプル1の他方の側から放出された構造化光に対して異なる角度αのいくつかの画像を有することも有効である。サンプル1の2つの側は、サンプル1の量特性の計算の質を改善するために、いくつかの異なる条件下で照明される。
【0055】
ステップS3aにおいて、第1の一連の画像の画像は、追加の基準画像を形成することとなるか、又は基準画像のうちの1つに置き換わることとなる加工画像を形成するために使用される。
【0056】
ステップS3aにおいて、弱い光度を有するエリア又は強い光度を有するエリア、すなわち低コントラストエリアに対応する1つ以上のアーチファクトの存在を識別するように、第1の一連の画像の画像を比較することが有効である。
【0057】
アーチファクト又は複数のアーチファクトが識別されると、第1の一連の画像は、サンプルを表しかつ識別されたアーチファクトのうちの少なくとも1つ又はアーチファクトが低減される程度を欠いている加工画像を形成するために使用される。
【0058】
第1の一連の画像は、様々な方法で使用することができる。第1の一連の画像を形成しかつ例えば異なる重みを有するエリアを有するトレースの形態で互いに追加される、複数の第1の画像のスタックに対応する、加工画像を形成するために、画像上のアーチファクトを表すエリアを識別し、アーチファクトのない同じエリアを他の画像で検索することが可能である。
【0059】
特に有効な様式では、第1の一連の画像の画像を処理して第1の構造化光のパターンを識別し、優先的に繰り返しパターンを定義する構造化光の修正を抽出することが有益である。例えば、構造化光が強度の正弦波変動によって表されるグレースケールの縞を定義する場合、画像内のこの正弦波変動を検索することが有効である。縞がサンプルによって変形されると、変動はより必然的に正弦波変動になるが、変動は、度数が照射角度αとして知られているため画像間で転換可能である。次いで、サンプルの表面上のパターンの変形を見積もるように構造化光の強度の変動を比較することによって画像を比較することが可能であり、照射角度αは既知である。この構成は、照射角度αの変動に起因する突出パターン2上の光強度変動を考慮しないことを可能にするため、特に有効である。加工画像は、サンプル上の光強度変動によって表される。この加工画像は、より良好な質の特性評価を提供するように、サンプル上の光強度変動も保有する基準画像とともに使用される。
【0060】
有効な様式では、第1の一連の画像の画像は、基準画像のうちの1つである。次に、第1の一連の画像の基準画像に置き換わるために加工画像が形成される。加工画像は、アーチファクトを排除又は低減したため、置き換わる基準画像よりも良好な質である。
【0061】
さらにより有効な様式では、いくつかの第1の一連の画像が取得され、各第1の一連の画像は基準画像のうちの1つを保有する。各第1の一連の画像により、基準画像に置き換わるように設計された加工画像の形成が可能になり、それにより、サンプル1の特徴量の計算が改善される。
【0062】
優先的には、いくつかの第1の一連の画像は、同じ照射角度αの値を使用する。
【0063】
特に有効な様式では、第1の一連の画像の画像は、高光度エリアと低光度エリアとの比較を容易にするように、照射角度αを変化させるだけで取得される。例えば、第1の一連の画像の画像は、露光時間、テクスチャ光のパターン、テクスチャ光の色、又は取得手段の角度を変化させることなく取得される。サンプルが第1の一連の画像の異なる画像に対して同じ温度にあることも有効である。したがって、第1の一連の画像の画像の比較は、より容易に実行される。
【0064】
サンプルの特性評価をさらに改善するために、ステップS2cにおいて少なくとも第2の一連の画像を取得することが有効である。複数の画像のうち、少なくともサンプル1の第1の表面の第2の一連の画像が取得される。第2の一連の画像は、サンプル1の第1の表面が第1の構造化光によって照明されたときに取得される。
【0065】
第2の一連の画像の画像は、画像取込手段5の露光時間の異なる値によって互いに異なる。強く照明されたエリアは、画像の露出オーバーエリアに対応する。反対に、弱く照明されたエリアは、露出アンダーエリアに対応する。第2の一連の画像の画像間の露光時間を修正することにより、露光時間に応じて変化する表面を有するアーチファクトを提示する画像が得られる。
【0066】
露光時間を短縮することにより、露出オーバーエリアの表面が低減され、アーチファクトの程度、したがって使用不可能な情報の量を制限することが可能になる。露光時間を増加させることにより、露出アンダーエリアの表面が低減され、これにより、アーチファクトの程度、したがって使用不可能な情報の量を制限することが可能になる。第2の一連の画像の複数の画像間の露光時間を調節することにより、第1のテクスチャ光の繰り返しパターンの強度の変動を監視することがより容易になる。
【0067】
第2の一連の画像の画像を処理することにより、構造化光の繰り返しパターンを表す光強度変動をより正確に計算することが可能になる。したがって、構造化光の繰り返しパターンがより良好に定義された加工画像を形成することが可能である。有効な様式では、サンプル上の構造化光の光強度変動が、第2の一連の画像の画像から抽出された。光強度変動は、少なくとも1つのアーチファクトがない新しい画像を定義するために使用される。優先的な様式では、4つの異なる露光時間値による少なくとも4つの画像が取得され、加工画像を形成するために使用される。
【0068】
ステップS3bにおいて、第2の一連の画像の画像は、追加の基準画像を形成するように又は基準画像に置き換わるように設計された少なくとも1つの加工画像を形成するために使用される。
【0069】
優先的な様式では、第2の一連の画像は、基準画像のうちの少なくとも1つを含み、好ましくは、第2の一連の画像の基準画像はまた、第1の一連の画像に共通であり得る。これにより、第1の一連の画像及び第2の一連の画像を使用して、アーチファクトの数及び/又はアーチファクトの程度を低減することによって、より良好な質の加工画像を形成することが可能になる。
【0070】
この場合、各々が基準画像を有するいくつかの第2の一連の画像、及びさらにより優先的には、いくつかの第1の一連のうちの1つにも共通の基準画像を取得することが特に有効である。このようにして、いくつかの基準画像の質を大幅に改善することが可能であり、それによってサンプルを表す量の計算の質が改善される。
【0071】
優先的な様式では、露光時間は、突出パターン2を受容する基板の表面上の構造化光の繰り返しパターンの測定を容易にするように、基準画像に採用される時間に関して短縮される。この画像により、突出パターン2を受容する表面の平面性に関する測定を改善することが可能になる。
【0072】
優先的な様式では、最短時間と最長時間との間の露光時間比は、少なくとも1.3に等しく、好ましくは少なくとも1.6に等しく、より優先的には少なくとも2に等しく、さらには少なくとも5に等しい。露光時間比が大きいほど、突出パターン2を支持する基板からの情報と、突出パターン2の反射エリアからの情報とに一般に対応する、非常に明るいエリアと弱く明るいエリアとからの情報を区別しやすくなる。
【0073】
第2の一連の画像の取得が実行されるとき、他のパラメータ、特に構造化光、照射角度、及び観察の角度に関するパラメータが優先的に一定であることが特に有効である。
【0074】
さらに別の好適な実施形態では、少なくとも第3の一連の画像が取得される。方法は、第2の構造化光によって照明されたサンプルの少なくとも1つの画像を取得することで構成されるステップS2dを含む。第2の構造化光は、放出された光の色によって、基準画像、優先的には第1の一連のうちの1つを取得するために使用される構造化光とは異なる。繰り返しパターンは、少なくとも1つの基準画像の構造化光のものと同一であり、すなわち位相及び度数が同一である。色の修正を用いて、突出パターン2及び/又は突出パターン2を受容する基板を形成するために使用される材料に応じてコントラストを改善することができる。
【0075】
ステップS3cにおいて、第3の一連の画像の画像は、アーチファクトの少なくとも1つを欠いている画像を形成するために使用される。第3の一連の画像が基準画像のうちの1つを有することが有効である。次いで、第3の一連の画像の画像は、追加の基準画像を形成するように設計されているか、又は基準画像のうちの1つに置き換わるように設計されている加工画像を形成するために使用される。
【0076】
各々が基準画像のうちの1つを含むいくつかの第3の一連の画像を取得することが有効であり得る。いくつかの第3の一連の画像は、基準画像に置き換わるために使用される。
【0077】
投射手段4は、構造化光の色を修正するように構成され得る。投射手段4が、白色光を黒又はグレースケールのパターンで送達するように構成されることが有効である。投射手段4が、別の色の光、例えば、赤、青、緑、黄、オレンジ、又は紫の光を、別の色の黒若しくはグレースケールのパターン又は複数のパターンで送達するように構成されることも有効である。
【0078】
さらに別の実施形態では、少なくとも第4の一連の画像が取得される。方法は、第1の構造化光によって照明されたサンプルの少なくとも1つの画像を取得することで構成されるステップS2eを含む。第4の一連の画像の画像は、画像取込手段5によって使用されるものとは異なる取得角度を使用することにより、基準画像とは異なる。
【0079】
画像取込手段5は、第1の角度とは異なる、取込角度とも呼ばれる第2の角度βで少なくとも1つの画像を取得するように配置される。第2の角度βは、画像取込手段5の光軸と、サンプルを支持するように設計された支持体3に対して垂直な軸との間の角度である。次いで、画像取込手段がモバイルに取り付けられ、かつ/又はいくつかの取込手段が使用される。取込角度の修正により、露出オーバーエリア及び露出アンダーエリアの位置を修正することが可能になる。
【0080】
ステップS3dにおいて、第4の一連の画像の画像は、アーチファクトのうちの少なくとも1つを欠いている画像を形成するために使用される。第4の一連の画像が基準画像のうちの1つを有することが有効である。次いで、第4の一連の画像の画像は、追加の基準画像を形成するように設計されているか、又は基準画像のうちの1つに置き換わるように設計されている加工画像を形成するために使用される。取込角度と照射角度との対の定義により、方向Aにおける測定の感度を定義することが可能になる。取込角度又は照射角度のいずれか一方、又は両方を修正することにより、閾値よりも大きい、又は最良の閾値でさえある方向Aにおける測定の感度を達成する対の角度を決定することが可能である。しかしながら、この実施形態の1つの欠点は、画像を重ね合わせると、取得した画像を変形し、それにより前の画像に近づけるという目的の追加の計算が必要になるため、画像を重ねることがより困難になることである。第4の一連の画像において、突出した部品の別の表面を計算するために、別の第1の一連の画像、又はさらに別の第2の一連の画像若しくは別の第3の一連の画像を取得することが有効である。したがって、計算の精度を向上させるために、異なる条件下で同じ突出要素に対して計算された2つの表面を使用することが可能である。
【0081】
一般な様式では、測定方法は、第1の一連の画像、及び好適には第2、第3、及び第4の一連の画像のうちの少なくとも1つを使用して少なくとも1つの加工画像を形成することで構成されるステップS3を含む。
【0082】
第1の一連の画像に存在する異なる条件に対して、すなわち照射角度αの異なる値に対して第2の一連の画像を生成することが有効である。複数の第2の一連の画像により、第1の一連の画像の画像の質を改善することが可能になり、それにより、第1の一連の画像のみ、又は第1の一連の画像及び単一の第2の一連の画像のみを用いて、より良好な質の加工画像を形成することが可能になる。
【0083】
第1の一連の画像を、画像を共有する1つ以上の第2の一連の画像と関連付けることにより、アーチファクトのより良好な排除及び/又はアーチファクトの表面のより大きな低減が可能になる。
【0084】
第1の取得から生じる、加工画像による置き換わりから生じる、及び/又は追加された加工画像に対応する基準画像は、当業者に知られているように、サンプルを表す少なくとも1つの量を計算するために、テクスチャ光の繰り返しパターンの変形を識別するために使用される。
【0085】
優先的な様式では、第1の一連の画像の画像は、最も明るい画素と最も小さな明るさの画素とを識別して反射及び/又は屈折の位置を特定するように比較される。最も明るいピクセルの位置は、鏡面反射の位置を特定するのに有効である。
【0086】
測定器は、サンプル1の少なくとも第1の表面を繰り返しパターンで照明するように構成された構造化発光体4と、サンプル1の第1の表面の複数の画像を取り込むように構成された画像取得デバイス5と、を備える。
【0087】
測定器はまた、画像取得デバイス5による複数の画像の取得条件を定義し、かつサンプル1の第1の表面の少なくとも第1の画像を取得するように構成された、制御回路6を備える。測定器はまた、複数の画像を記憶するように構成されたメモリ7を備え得る。
【0088】
また、測定器は、第1の表面に対する、したがって支持体3の表面に対する発光体4の傾斜角αを修正するように構成された第1の移動デバイス8を備えることが好ましい。好ましい様式では、測定器は、第1の表面に対する、したがって支持体3の表面に対する画像取得デバイス5の傾斜角を修正するように構成された第2の移動デバイス9を備える。
【0089】
制御回路6は、異なる構造化光によって照明されたサンプル1のいくつかの基準画像を取得するように構成されている。基準画像の構造化光は各々、いくつかの繰り返しパターンを定義し、繰り返しパターンの位相及び/又は度数によって互いに異なる。制御回路は、第1の構造化光によって照明されたサンプルの第1の一連の画像を取得するように構成されている。第1の構造化光は、いくつかの繰り返しパターンを定義し、第1の一連の画像の画像は、支持体3の表面に対する第1の構造化光の照射角度αによって互いに異なる。
【0090】
制御回路6は、第1の一連の画像の少なくとも1つの画像上の少なくとも1つのアーチファクトの存在を判定するように、第1の一連の画像の画像を比較するように構成されている。
【0091】
処理回路10は、少なくとも第1の一連の画像から少なくとも1つの加工画像を形成するように構成されており、少なくとも1つの加工画像は、該少なくとも1つのアーチファクトを欠いているか、又は該少なくとも1つのアーチファクトの程度が低減されている。処理回路10は、少なくとも1つの加工画像及び基準画像からサンプルを表す少なくとも1つの量を計算するように構成されている。
【0092】
特権的な実施形態では、サンプル1は、トポグラフィ測定器内に位置する筐体内に配置されている。筐体は光沢のある第1の表面を有し、投射機は筐体の外側に配置されている。構造化光は、筐体の透明部分を通過してサンプル1の第1の表面に到達する。画像取込手段5は、カメラを備え得、カメラは存在する場合には、筐体の外側に配置されている。カメラは、サンプル1の表面に照射され、筐体の透明部分を通って、より正確には筐体の光沢のある第2の表面を通って伝播する構造化光を取り込むように配置されている。
図1
図2
図3
【外国語明細書】