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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155924
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/12 20060101AFI20231017BHJP
   F25C 1/24 20180101ALI20231017BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20231017BHJP
   F28F 9/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
F28F1/12 Z
F25C1/24 301
A23L3/36 Z
F28F9/00 331
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065443
(22)【出願日】2022-04-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
3L065
4B022
【Fターム(参考)】
3L065BA25
4B022LF01
4B022LP01
4B022LQ01
4B022LT05
(57)【要約】
【課題】食品や生活用品の熱交換を素早く行うのに好適な熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換対象物またはアタッチメント5を挿入する挿入孔2があり、挿入孔2以外の表面積は挿入孔2の表面積の1.5倍以上とした、金属製の伝熱放熱部1とする。または、前記伝熱放熱部1と、前記伝熱放熱部1周囲に気流を発生させるファン3、で構成する熱交換器とする。または、前記伝熱放熱部1と前記ファン3に、前記伝熱放熱部1と前記ファン3を包み込み、ファン3が発生させる気流の吸気口6と排気口7があり、熱交換対象物やアタッチメント5を挿入孔2に出し入れできる開口部がある、ケース4を追加した、熱交換器とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換対象物またはアタッチメント(5)を挿入する挿入孔(2)があり、挿入孔(2)以外の表面積は挿入孔(2)の表面積の1.5倍以上とした、金属製の伝熱放熱部(1)である、熱交換器。
【請求項2】
請求項1に示す伝熱放熱部(1)と、伝熱放熱部(1)周囲に気流を発生させるファン(3)、で構成する熱交換器。
【請求項3】
請求項2に示す熱交換器を包み込み、ファン(3)が発生させる気流の吸気口(6)と排気口(7)があり、熱交換対象物やアタッチメント(5)を挿入孔(2)に出し入れできる開口部がある、ケース(4)を追加した、請求項2に示す熱交換器。
【請求項4】
請求項3に示すケース(4)の排気口(7)に、排気される気流の方向を変化させる、フィン(8)またはノズル(9)を設置した、請求項3に示す熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や生活用品の熱交換を素早く行うのに好適な熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や生活用品を冷却する方法としては、冷却対象物を冷蔵庫や冷凍庫にそのまま入れる方法が一般的であり、また、冷たすぎたり熱すぎたりするものを室温などの周囲環境温度に近づける方法としては、対象物を室内等の周囲環境にそのまま置いておく方法が一般的である。
【0003】
特許文献1には、各種の被解凍物を効率的に解凍することができる解凍プレートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実登3054412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、食品や生活用品を冷却する方法としては、冷却対象物を冷蔵庫や冷凍庫にそのまま入れる方法が一般的であり、また、冷たすぎたり熱すぎたりするものを室温などの周囲環境温度に近づける方法としては、対象物を室内等の周囲環境にそのまま置いておく方法が一般的である。
【0006】
冷蔵庫や冷凍庫に熱交換対象物をそのまま入れる方法や、室内等に熱交換対象物をそのまま置いておく方法では、熱交換対象物と周囲環境との熱交換の多くは、熱交換対象物表面における自然対流熱伝達により行われる。このため、前記方法よりも素早く熱交換を行うためには、熱交換対象物の表面積を増大することと、強制対流熱伝達とすることが効果的である。
【0007】
特許文献1には、各種の被解凍物を効率的に解凍することができる解凍プレートが開示されている。この解凍プレートは、熱伝導率の高さと表面積の大きさで、被解凍物と周囲環境との熱交換効率を高めるものであるが、解凍プレートが平面状であるため、被解凍物は1面でしか解凍プレートに接触することができない。また、解凍プレートと周囲環境の熱交換は自然対流熱伝達によるものとなっている。
【0008】
本発明は、食品や生活用品等の冷却や、それらを周囲環境温度に近づけることを、素早く行うことができるようにするため、熱交換対象物の見かけ上の表面積を増大させたり、ファンによる強制対流熱伝達を行って、熱交換効率を増大させる、熱交換器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
熱交換対象物またはアタッチメント5を挿入する挿入孔2があり、挿入孔2以外の表面積は挿入孔2の表面積の1.5倍以上とした、金属製の伝熱放熱部1とする。または、前記伝熱放熱部1と、前記伝熱放熱部1周囲に気流を発生させるファン3、で構成する熱交換器とする。または、前記伝熱放熱部1と前記ファン3に、前記伝熱放熱部1と前記ファン3を包み込み、ファン3が発生させる気流の吸気口6と排気口7があり、熱交換対象物やアタッチメント5を挿入孔2に出し入れできる開口部がある、ケース4を追加した、熱交換器とする。また、前記排気口7に、気流方向を変化させることができるフィン8やノズル9を設けても良い。
【発明の効果】
【0010】
伝熱放熱部1の材質である金属の熱伝導率は一般的に大きいため、挿入孔2へ挿入した熱交換対象物の熱は効率よく伝熱放熱部1へ移動する。また、伝熱放熱部1の挿入孔2以外の表面積は挿入孔2の表面積より大きいため、挿入孔2へ挿入した熱交換対象物の見かけ上の表面積を増大させることができるので、熱交換効率を増大させることができる。
【0011】
また、伝熱放熱部1の周囲に気流を発生させるファン3を設けることで、伝熱放熱部1と周囲環境との熱交換が強制対流熱交換によるものとなるため、より効率的な熱交換を行うことができる。
【0012】
さらに、ケース4には、ファン3で発生させた気流を、伝熱放熱部1周囲に効率よく流す効果があり、強制対流熱伝達の効率を高めることができるため、より効率的な熱交換を行うことができる。
【0013】
例えば、冷凍状態の熱交換対象物を挿入孔2に挿入した状態で、ケース4を設けた本器を常温室内で使用した場合、室温よりも冷却された気流が排気口7から出る。フィン8やノズル9には、排気口7から出る気流の方向を変化させる効果があるため、本器は冷風機としても使用することができる。
【0014】
本器では、熱交換対象物をそのまま挿入孔2に挿入する使用方法のほか、挿入孔2に挿入できるように製作した、各種形状のアタッチメント5を使用することで、各種形状の熱交換対象物に対応した使用方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】請求項1に係る実施例1の斜視図である。
図2】請求項2に係る実施例2の分解斜視図である。
図3】請求項3に係る実施例3の部分カットモデルの斜視図である。
図4】請求項4に係る、実施例4の斜視図(a)、および実施例5の分解斜視図(b)である。
図5】各種アタッチメント5の斜視図である。(a)は缶飲料用アタッチメント。(b)は製氷皿アタッチメント。(c)は落とし蓋アタッチメント。(d)は汁物容器アタッチメント。(e)はアイスキャンディ製造用アタッチメント。
【発明を実施するための形態】
【0016】
熱交換対象物またはアタッチメント5を挿入する挿入孔2があり、挿入孔2以外の表面積は挿入孔2の表面積の1.5倍以上とした、金属製の伝熱放熱部1とする。または、前記伝熱放熱部1と、前記伝熱放熱部1周囲に気流を発生させるファン3、で構成する熱交換器とする。または、前記伝熱放熱部1と前記ファン3に、前記伝熱放熱部1と前記ファン3を包み込み、ファン3が発生させる気流の吸気口6と排気口7があり、熱交換対象物やアタッチメント5を挿入孔2に出し入れできる開口部がある、ケース4を追加した、熱交換器とする。また、前記排気口7に、気流方向を変化させることができるフィン8やノズル9を設けても良い。
【0017】
図1に、請求項1に係る実施例1を示す。実施例1において、挿入孔2は、熱交換対象物である缶飲料の缶が容易に出し入れできる範囲でできるだけ缶に密着する大きさ・形状としており、これにより、缶飲料と伝熱放熱部1との間における熱交換の効率を高めている。
【0018】
図2に、請求項2に係る実施例2を示す。実施例2において、挿入孔2は、各種アタッチメント5が容易に出し入れできる範囲でできるだけ各種アタッチメント5に密着する大きさ・形状としており、これにより、各種アタッチメント5と伝熱放熱部1との間における熱交換の効率を高めている。また、伝熱放熱部1の下部にファン3を接続している。
【0019】
図3に、請求項3に係る実施例3を示す。実施例3において、ケース4は、伝熱放熱部1と、伝熱放熱部1の側面に配置したファン3を取り囲むように配置している。また、ケース4には、ファン3の背面に吸気口6を設け、ファン3を配置した反対側の側面に排気口7を設けている。
【0020】
図4に、請求項4に係る実施例4および実施例5を示す。実施例4では、前記実施例3における排気口7にフィン8を設置している。実施例5では、請求項3に係る実施例の排気口7に、取り外しが容易なノズル9を設置している。
【0021】
本器は、図5(a)~(e)に示すアタッチメント5を挿入孔2に挿入することで様々な用途に特化した利用ができる。これらのアタッチメント5の主材質は、伝熱放熱部1と同様に金属である。図5(a)は缶飲料用アタッチメントで、缶飲料を挿入する缶挿入孔がある。図5(b)は製氷皿アタッチメントであり、氷を製造するために使用する。図5(c)は落とし蓋アタッチメントであり、熱交換対象物の上面からも熱交換するために使用する。特に、食品保存袋などに入れた液体状の熱交換対象物の場合には、熱交換対象物の上面に密着させることができるため効果的である。図5(d)は汁物容器アタッチメントであり、カレーや汁物の粗熱取りや冷却に使用し、落とし蓋アタッチメントと併用することで、湯気による周囲環境への悪影響を低減できる。図5(e)はアイスキャンディ製造用アタッチメントであり、アイスキャンディを製造するために使用する。これらのアタッチメント以外にも、弁当の粗熱を取りやすくするため、そのまま弁当箱として使用できるアタッチメントなども考えられ、本器はアイデア次第で様々な用途に利用できる。
【0022】
図1図5に示した、実施例1~実施例5および各種アタッチメント5は、本発明の実施例に過ぎず、伝熱放熱部1の形状、挿入孔2の形状、ファン3の配置位置や形状、ケース4の形状、各種アタッチメント5の形状、吸気口6や排気口7やフィン8やノズル9の個数や配置位置や形状、等を限定するものではない。
【0023】
伝熱放熱部1の材質は、熱伝導率が大きく、比較的安価な材質であるアルミや銅を想定するが、耐食性を重視したステンレスや、コスト度外視で大きい熱伝導率を求めた銀、などの他の材質を排除するものではない。
【0024】
本器は、熱交換対象物を急速に冷却するために、冷凍庫内や冷蔵庫内で使用することが多いと考えられることから、本器を冷凍庫内や冷蔵庫内に着脱できるように組み込むことは利便性向上に有効である。
【0025】
本器を冷凍庫内で使用する場合、冷却効果が高いため、熱交換対象物が不意に凍結することがあることから、本器にタイマー表示や警告音発生装置を組み込むことも利便性向上に有効である。
【符号の説明】
【0026】
1 伝熱放熱部
2 挿入孔
3 ファン
4 ケース
5 アタッチメント
6 吸気口
7 排気口
8 フィン
9 ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換対象物またはアタッチメント(5)を挿入する挿入孔(2)があり、挿入孔(2)以外の表面積は挿入孔(2)の表面積の1.5倍以上とした、金属製の伝熱放熱部(1)と、伝熱放熱部(1)周囲に気流を発生させるファン(3)、で構成する熱交換器。
【請求項2】
請求項に示す熱交換器を包み込み、ファン(3)が発生させる気流の吸気口(6)と排気口(7)があり、蓋などの開閉を伴わずに熱交換対象物やアタッチメント(5)を挿入孔(2)に出し入れできる開放開口部がある、ケース(4)を追加した、請求項に示す熱交換器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図1本願発明に係る実施例1の斜視図である。
図2】請求項に係る実施例2の分解斜視図である。
図3】請求項に係る実施例3の部分カットモデルの斜視図である。
図4本願発明に係る、実施例4の斜視図(a)、および実施例5の分解斜視図(b)である。
図5】各種アタッチメント5の斜視図である。(a)は缶飲料用アタッチメント。(b)は製氷皿アタッチメント。(c)は落とし蓋アタッチメント。(d)は汁物容器アタッチメント。(e)はアイスキャンディ製造用アタッチメント。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図1に、本願発明に係る実施例1を示す。実施例1において、挿入孔2は、熱交換対象物である缶飲料の缶が容易に出し入れできる範囲でできるだけ缶に密着する大きさ・形状としており、これにより、缶飲料と伝熱放熱部1との間における熱交換の効率を高めている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
図2に、請求項に係る実施例2を示す。実施例2において、挿入孔2は、各種アタッチメント5が容易に出し入れできる範囲でできるだけ各種アタッチメント5に密着する大きさ・形状としており、これにより、各種アタッチメント5と伝熱放熱部1との間における熱交換の効率を高めている。また、伝熱放熱部1の下部にファン3を接続している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図3に、請求項に係る実施例3を示す。実施例3において、ケース4は、伝熱放熱部1と、伝熱放熱部1の側面に配置したファン3を取り囲むように配置している。また、ケース4には、ファン3の背面に吸気口6を設け、ファン3を配置した反対側の側面に排気口7を設けている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図4に、本願発明に係る実施例4および実施例5を示す。実施例4では、前記実施例3における排気口7にフィン8を設置している。実施例5では、請求項に係る実施例の排気口7に、取り外しが容易なノズル9を設置している。