(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015594
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】AD変換回路
(51)【国際特許分類】
H03M 1/12 20060101AFI20230125BHJP
【FI】
H03M1/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119469
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】栗林 英毅
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩市
(72)【発明者】
【氏名】江川 美穂
【テーマコード(参考)】
5J022
【Fターム(参考)】
5J022AA01
5J022BA06
5J022BA10
5J022CE02
5J022CE03
5J022CF08
(57)【要約】
【課題】ADCの変換完了タイミングの時間差を所望の範囲内に抑える。
【解決手段】AD変換回路は、第1および第2のAD変換器(ADC)200-1,200-2と、ADC200-1,200-2に対してそれぞれ変換開始要求信号START_CH1,START_CPUを出力するCPU206と、通常モードにおいては変換開始要求信号START_CPUをADC200-2へ伝送し、ADC200-1,200-2を同期させる同期モードにおいては、変換開始要求信号START_CPUのADC200-2への伝送を停止して、ADC200-1,200-2が同期するタイミングで変換開始要求信号START_STをADC200-2に出力する制御部209とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアナログ入力信号をデジタル信号に変換するように構成された第1のAD変換器と、
前記第1のアナログ入力信号と同一または異なる第2のアナログ入力信号をデジタル信号に変換するように構成された第2のAD変換器と、
前記第1、第2のAD変換器に対してそれぞれ第1、第2の変換開始要求信号を出力するように構成されたCPUと、
通常モードにおいては前記第2の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器へ伝送し、前記第1、第2のAD変換器を同期させる同期モードにおいては、前記第2の変換開始要求信号の前記第2のAD変換器への伝送を停止して、前記第1、第2のAD変換器が同期するタイミングで第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力するように構成された制御部とを備えることを特徴とするAD変換回路。
【請求項2】
請求項1記載のAD変換回路において、
前記制御部は、前記同期モードにおいて、前記CPUから前記第2の変換開始要求信号が出力され、前記第1のAD変換器による変換が完了した後に、次の前記第1のAD変換器による変換と前記第2のAD変換器による変換とが同期するように前記第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力することを特徴とするAD変換回路。
【請求項3】
請求項1または2記載のAD変換回路において、
前記制御部は、
前記第3の変換開始要求信号を生成するように構成された信号生成部と、
前記通常モードにおいては前記第2の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力し、前記同期モードにおいては前記第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力するように構成された第1のマルチプレクサとから構成されることを特徴とするAD変換回路。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のAD変換回路において、
前記CPUは、前記第2の変換開始要求信号と同期して前記通常モードまたは前記同期モードのいずれかを指定する第1の制御信号を出力し、
前記制御部は、前記第1の制御信号によって指定されたモードで動作することを特徴とするAD変換回路。
【請求項5】
請求項4記載のAD変換回路において、
複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかを選択的に前記第2のAD変換器に出力するように構成された第2のマルチプレクサをさらに備え、
前記CPUは、前記第2の変換開始要求信号と同期して複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかの選択を前記第2のマルチプレクサに対して指定する第2の制御信号を出力することを特徴とするAD変換回路。
【請求項6】
請求項5記載のAD変換回路において、
前記CPUは、複数の前記第2のアナログ入力信号を順番に指定する前記第2の制御信号を出力し、同じアナログ入力信号を前記第1、第2のAD変換器が同期して取り込むべき順番のときに同期モードとすることを特徴とするAD変換回路。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のAD変換回路において、
前記制御部は、前記第2の変換開始要求信号と同期して前記通常モードまたは前記同期モードのいずれかのモードで動作することを特徴とするAD変換回路。
【請求項8】
請求項7記載のAD変換回路において、
複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかを選択的に前記第2のAD変換器に出力するように構成された第2のマルチプレクサをさらに備え、
前記制御部は、前記第2の変換開始要求信号と同期して複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかの選択を前記第2のマルチプレクサに対して指定する第2の制御信号を出力することを特徴とするAD変換回路。
【請求項9】
請求項8記載のAD変換回路において、
前記制御部は、複数の前記第2のアナログ入力信号を順番に指定する前記第2の制御信号を出力し、同じアナログ入力信号を前記第1、第2のAD変換器が同期して取り込むべき順番のときに同期モードとすることを特徴とするAD変換回路。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のAD変換回路において、
前記CPUは、前記第1のAD変換器に対して前記第1の変換開始要求信号を周期的に出力することを特徴とするAD変換回路。
【請求項11】
請求項10記載のAD変換回路において、
前記CPUは、前記第1の変換開始要求信号を出力する第1の周期よりも長い第2の周期で前記第2の変換開始要求信号を周期的に出力することを特徴とするAD変換回路。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のAD変換回路において、
前記CPUは、前記第1の変換開始要求信号を常に有意の値とし、前記第2の変換開始要求信号を周期的に出力し、
前記第1のAD変換器は、予め指定された出力データレートで変換結果を出力することを特徴とするAD変換回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AD変換回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力発信器には、差圧(DP)センサ、高圧側の静圧(STH)センサ、低圧側の静圧(STL)センサ、温度(TEMP)センサ等の各種センサが搭載され、それらのセンサ出力のAD変換値を演算することでゲージ圧/絶対圧の測定値(PV値)を算出する。この演算に必要なDP信号については、サンプリング時のエイリアスの影響を避けるために、DP専用のAD変換器(ADC:Analog-to-Digital Converter)を用意し、常時AD変換を行う必要がある。一方、残りのSTH,STL,TEMPの各信号については、常時サンプリングが不要なため、別のADCを用意し、STH,STL,TEMPの3つの入力を切り替えながらAD変換を行うという計2チャンネルのADCを用いるシステム構成となっている。
【0003】
圧力発信器のような信頼性が求められる製品の場合、PV値算出のためのDP測定以外にも、補正用のSTH,STL,TEMP測定や、センサとADCの故障を検出するための測定も動作中に行う必要がある。そこで、上記のように2チャンネルのADCを用意して、チャンネル1のADCでDPの測定を行い、チャンネル2のADCで補正のためのSTH,STL,TEMPの測定とセンサ故障診断のためのDPの測定(チャンネル間同期不要)とADC故障診断のためのDPの測定(チャンネル間同期必要)を行うこととなる。
【0004】
ADCの故障診断を正しく行うためには、チャンネル1と同等なADC設定、かつチャンネル1とほぼ同タイミングでチャンネル2を用いてDPを測定する必要がある。チャンネル1のADCのDP取得周期を例えば50msとすると、チャンネル2のADCはその±2%の範囲内(±1ms)のタイミングでDP値を取得することが求められる。この時間制約が守れない場合、DP値に揺らぎがあったときにADCが故障していないにも関わらず、ADC故障と誤判定してしまうこととなる。
【0005】
チャンネル1のADCについては前述のとおり、エイリアスの影響を避けるために常時サンプリングが必須であるということを考慮すると、チャンネル1とチャンネル2のADC値の同期取得を行うためには、外部からADC変換開始要求を指定可能な入力端子を持つ市販ADCチップ(例えばTI社のADS1248やアナログデバイセズ社のAD7176-2)を2チップ使用する。
【0006】
そして、それぞれのチップをチャンネル1、チャンネル2とし、チャンネル2でADC診断用のDP値(DP SYNC)を取得する際はチャンネル1の変換完了割り込み信号を見て、チャンネル2の変換開始要求信号を生成する、というCPU(Central Processing Unit)による処理を行うこととなる。
【0007】
図8は従来のAD変換回路の構成を示すブロック図、
図9、
図10はAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
図10は、
図9の時刻ts以降のタイミングを示している。
図8~
図10の例では、チャンネル1のADC100-1の測定値取得周期を50ms、チャンネル2のADC100-2の測定値取得周期を180msとしている。
【0008】
CPU102は、タイマ103,104からチャンネル1用の50ms周期のタイマ割り込み信号INT_TIM_CH1とチャンネル2用の180ms周期のタイマ割り込み信号INT_TIM_CH2とを受ける。CPU102は、タイマ割り込み信号INT_TIM_CH1に応じて、変換開始要求信号START_CH1をチャンネル1のADC100-1に対して出力する。
【0009】
チャンネル1のADC100-1は、変換開始要求信号START_CH1と同期してDPセンサからDP信号を取り込み、AD変換して、変換完了時に変換完了割り込み信号INT_CH1を出力する。
図9、
図10のADC_CH1はチャンネル1のADC100-1の出力を示している。
【0010】
また、CPU102は、タイマ割り込み信号INT_TIM_CH2に応じて、変換開始要求信号START_CH2をチャンネル2のADC100-2に対して出力する。
チャンネル2のADC100-2は、変換開始要求信号START_CH2と同期してSTHセンサ、STLセンサ、TEMPセンサ、DPセンサからSTH,STL,TEMP,DP,DP SYNCの各信号を順番に取り込み、AD変換して、変換完了時に変換完了割り込み信号INT_CH2を出力する。
【0011】
STH,STL,TEMP,DP,DP SYNCの各信号を切り替えるために、180ms周期でマルチプレクサ101の出力を切り替えるようにしている。
図9、
図10のADC_CH2はチャンネル2のADC100-2の出力を示している。
【0012】
ここで、上記のとおり、DP信号の測定についてはセンサ故障診断のためのDP測定(チャンネル間同期不要)とADC故障診断のためのDP測定(チャンネル間同期必要)の2回が行われる。
図8~
図10では、ADC故障診断のために取得されたDP値をDP SYNCとしている。
【0013】
CPU102は、DP SYNCを取得する際は、チャンネル1の変換完了割り込み信号INT_CH1を見て、チャンネル2の変換開始要求信号START_CH2を出力し、DP SYNCの取得タイミングをチャンネル1のDPの取得タイミングと揃える必要がある。
【0014】
しかしながら、圧力発信器は消費電流の要求が厳しいため、1MHz以下の周波数でCPUを動作させる必要があるということを考慮すると、低速のCPUの処理によってチャンネル1とチャンネル2の変換完了タイミングを±2%(±1ms)以内の時間差に抑えることは困難であった。
【0015】
また、発明者は、異なる周期で多チャンネルのAD変換が可能な多チャンネルADCを提案した(特許文献1参照)。特許文献1に開示された多チャンネルADCにおいても、チャンネル間の同期が可能であるが、各チャンネルの出力周期を、最も短い周期の整数倍にする必要があるという制約があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、第1のAD変換器と第2のAD変換器の変換完了タイミングの時間差を所望の範囲内に抑えることができるAD変換回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のAD変換回路は、第1のアナログ入力信号をデジタル信号に変換するように構成された第1のAD変換器と、前記第1のアナログ入力信号と同一または異なる第2のアナログ入力信号をデジタル信号に変換するように構成された第2のAD変換器と、前記第1、第2のAD変換器に対してそれぞれ第1、第2の変換開始要求信号を出力するように構成されたCPUと、通常モードにおいては前記第2の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器へ伝送し、前記第1、第2のAD変換器を同期させる同期モードにおいては、前記第2の変換開始要求信号の前記第2のAD変換器への伝送を停止して、前記第1、第2のAD変換器が同期するタイミングで第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力するように構成された制御部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記制御部は、前記同期モードにおいて、前記CPUから前記第2の変換開始要求信号が出力され、前記第1のAD変換器による変換が完了した後に、次の前記第1のAD変換器による変換と前記第2のAD変換器による変換とが同期するように前記第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記制御部は、前記第3の変換開始要求信号を生成するように構成された信号生成部と、前記通常モードにおいては前記第2の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力し、前記同期モードにおいては前記第3の変換開始要求信号を前記第2のAD変換器に出力するように構成された第1のマルチプレクサとから構成されることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記CPUは、前記第2の変換開始要求信号と同期して前記通常モードまたは前記同期モードのいずれかを指定する第1の制御信号を出力し、前記制御部は、前記第1の制御信号によって指定されたモードで動作することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例は、複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかを選択的に前記第2のAD変換器に出力するように構成された第2のマルチプレクサをさらに備え、前記CPUは、前記第2の変換開始要求信号と同期して複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかの選択を前記第2のマルチプレクサに対して指定する第2の制御信号を出力することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記CPUは、複数の前記第2のアナログ入力信号を順番に指定する前記第2の制御信号を出力し、同じアナログ入力信号を前記第1、第2のAD変換器が同期して取り込むべき順番のときに同期モードとすることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記制御部は、前記第2の変換開始要求信号と同期して前記通常モードまたは前記同期モードのいずれかのモードで動作することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例は、複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかを選択的に前記第2のAD変換器に出力するように構成された第2のマルチプレクサをさらに備え、前記制御部は、前記第2の変換開始要求信号と同期して複数の前記第2のアナログ入力信号のうちいずれかの選択を前記第2のマルチプレクサに対して指定する第2の制御信号を出力することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記制御部は、複数の前記第2のアナログ入力信号を順番に指定する前記第2の制御信号を出力し、同じアナログ入力信号を前記第1、第2のAD変換器が同期して取り込むべき順番のときに同期モードとすることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記CPUは、前記第1のAD変換器に対して前記第1の変換開始要求信号を周期的に出力することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記CPUは、前記第1の変換開始要求信号を出力する第1の周期よりも長い第2の周期で前記第2の変換開始要求信号を周期的に出力することを特徴とするものである。
また、本発明のAD変換回路の1構成例において、前記CPUは、前記第1の変換開始要求信号を常に有意の値とし、前記第2の変換開始要求信号を周期的に出力し、前記第1のAD変換器は、予め指定された出力データレートで変換結果を出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、通常モードにおいては第2の変換開始要求信号を第2のAD変換器へ伝送し、第1、第2のAD変換器を同期させる同期モードにおいては、第2の変換開始要求信号の第2のAD変換器への伝送を停止して、第1、第2のAD変換器が同期するタイミングで第3の変換開始要求信号を第2のAD変換器に出力する制御部を設けることにより、低速のCPUを使用する場合でも、第1のAD変換器と第2のAD変換器の変換完了タイミングの時間差を所望の範囲内に抑えることができる。また、本発明では、チャンネル間の出力周期の制約を無くすことができる。
【0023】
また、本発明では、制御部が、第2の変換開始要求信号と同期して通常モードまたは同期モードのいずれかのモードで自律的に動作することにより、CPUの負荷を下げることができる。
【0024】
また、本発明では、CPUが、第1の変換開始要求信号を常に有意の値とすることにより、CPUの負荷を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施例に係るAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施例に係るAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施例に係るAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施例に係るAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の第3の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、従来のAD変換回路の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、従来のAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、従来のAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。本実施例のAD変換回路は、図示しないDPセンサから出力されるDP信号(第1のアナログ入力信号)をデジタル信号に変換するチャンネル1のADC200-1と、図示しないSTHセンサ、STLセンサ、TEMPセンサ、DPセンサから出力されたSTH信号、STL信号、TEMP信号、DP信号のうちいずれかの信号(第2のアナログ入力信号)をデジタル信号に変換するチャンネル2のADC200-2と、STH信号、STL信号、TEMP信号、DP信号のうちいずれを選択的にADC200-2に出力するマルチプレクサ201とを備えている。
【0027】
さらに、AD変換回路は、CPUとの接続のためのインタフェース部(SPI_IF)202と、ADC200-1とADC200-2を同期させる変換開始要求信号を生成する信号生成部(STATE_CTRL)203と、CPUから出力された変換開始要求信号とSTATE_CTRL203から出力された変換開始要求信号のうちいずれかを選択的にADC200-2に出力するマルチプレクサ204と、MCU(Micro Control Unit)205とから構成される。
【0028】
STATE_CTRL203とマルチプレクサ204とは、制御部209を構成している。
MCU205は、CPU206と、タイマ207,208とを備えている。CPU206は、内部のメモリに格納されたプログラムに従って本実施例の処理を実行する。
【0029】
図2、
図3は本実施例のAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。なお、
図3は、
図2の時刻ts以降のタイミングを示している。
本実施例では、ADC200-1,200-2とMCU205とを接続するシリアルバスとしてSPI(Serial Peripheral Interface)を用いているが、I
2C等の他のシリアルバスを用いてもよい。また、ADC200-1,200-2とMCU205を1チップ化する場合はSPIやI
2Cではなく、例えばArm社が定めたAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)などの内部バス(Internal BUS)を用いて接続すればよい。
【0030】
本実施例では、チャンネル1のADC200-1の測定値取得周期(第1の周期)を50ms、チャンネル2のADC200-2の測定値取得周期(第2の周期)を180msとしている。
【0031】
MCU205のタイマ207は、チャンネル1用の50ms周期のタイマ割り込み信号INT_TIM_CH1をCPU206に出力する。MCU205のタイマ208は、チャンネル2用の180ms周期のタイマ割り込み信号INT_TIM_CH2をCPU206に出力する。
【0032】
CPU206は、タイマ割り込み信号INT_TIM_CH1に応じて変換開始要求信号START_CH1(第1の変換開始要求信号)を出力する。また、CPU206は、タイマ割り込み信号INT_TIM_CH2に応じて変換開始要求信号START_CPU(第2の変換開始要求信号)を出力する。
【0033】
チャンネル1のADC200-1は、変換開始要求信号START_CH1と同期して図示しないDPセンサからDP信号を取り込み、DP信号をAD変換して、変換完了時に変換完了割り込み信号INT_CH1を出力する。
図2、
図3のADC_CH1はADC200-1の出力を示している。このようなADC200-1の動作は従来と同様である。
【0034】
従来技術では、CPUがチャンネル1のADCとチャンネル2のADCそれぞれに対して変換開始要求信号を発行していた。
【0035】
これに対して、本実施例では、チャンネル1のADC200-1については、上記のとおりCPU206からのみ変換開始要求を行う。一方、チャンネル2のADC200-2については、CPU206以外にも変換開始要求信号を発行できるSTATE_CTRL203と、STATE_CTRL203から出力された変換開始要求信号START_ST(第3の変換開始要求信号)とCPU206から出力された変換開始要求信号START_CPUのうちどちらを使用するかを選択して出力するマルチプレクサ204とを設けた。
【0036】
STATE_CTRL203は、CPU206からSPI_IF202を介して出力されるマルチプレクサ制御信号START_SELが“High”のときにCPU206から変換開始要求信号START_CPUを受け取ると、チャンネル1のADC200-1の変換完了割り込み信号INT_CH1を監視し、この割り込みと同期して変換開始要求信号START_STを生成する。
【0037】
CPU206は、タイマ208からのタイマ割り込み信号INT_TIM_CH2と同期してSTH,STL,DPの各信号が順番にAD変換されるように、SPI_IF202を介してマルチプレクサ制御信号START_SEL(第1の制御信号)とマルチプレクサ制御信号MUX_SEL(第2の制御信号)とを出力する。
【0038】
具体的には、CPU206は、STH,STL,DP(チャンネル間同期不要)のいずれかの信号を取り込むモード、すなわちチャンネル1のADC200-1とチャンネル2のADC200-2とを同期させる必要がない通常モード(Normal Mode)のタイミングでは、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号START_SELを“Low”に設定し、STH,STL,DPのいずれかの選択対象を指定するマルチプレクサ制御信号MUX_SELを出力する。
【0039】
このとき、CPU206は、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号MUX_SELによる指定をSTH→STL→DP(チャンネル間同期必要)→DP(チャンネル間同期不要)→STH→・・・・・の順に切り替える。
【0040】
マルチプレクサ204は、CPU206からSPI_IF202を介して出力されたマルチプレクサ制御信号START_SELが“Low”の場合、CPU206から出力された変換開始要求信号START_CPUを変換開始要求信号START_CH2として出力する。
【0041】
マルチプレクサ201は、CPU206からSPI_IF202を介して出力されたマルチプレクサ制御信号MUX_SELに応じて、STH,STL,DPの各信号のうちいずれか1つを選択してADC200-2に出力する。
【0042】
ADC200-2は、マルチプレクサ204から出力された変換開始要求信号START_CH2と同期してSTH,STL,DPの各信号のうちいずれか1つをマルチプレクサ201を介して取り込み、信号をAD変換して、変換完了時に変換完了割り込み信号INT_CH2を出力する。
図2、
図3のADC_CH2はADC200-2の出力を示している。なお、
図2では、記載を簡略にするため、STL信号の取り込み例のみを記載している。
【0043】
チャンネル2のADC200-2についてはマルチプレクサ201による入力の切り替えが行われるため、信号を取り込む前にADC200-2の内部のデジタルフィルタおよびレジスタをリセットする必要がある。
そこで、STATE_CTRL203は、CPU206から出力された変換開始要求信号START_CPUに応じてリセット信号RST_CH2を“High”にする。リセット信号RST_CH2が“High”になったことにより、ADC200-2の内部のデジタルフィルタおよびレジスタがリセットされる。リセット信号RST_CH2が“Low”になると、ADC200-2は、リセットモードから解除され、データの変換が可能になる。
【0044】
チャンネル1のADC200-1については、前段にマルチプレクサがなく、常にDP信号を変換するので、STATE_CTRL203は、最初の起動時のみリセット信号RST_CH1を“High”にすればよい。
【0045】
次に、CPU206は、
図3に示すように、DP SYNCを取り込むモード、すなわちチャンネル1のADC200-1とチャンネル2のADC200-2とを同期させる必要がある同期モード(Sync Mode)のタイミングでは、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号START_SELを“High”に設定し、DPを選択対象として指定するマルチプレクサ制御信号MUX_SELを出力する。
【0046】
CPU206は、後述のようにSTATE_CTRL203から変換開始要求信号START_STが出力された時点で、マルチプレクサ制御信号START_SELを“High”から“Low”に戻す。
【0047】
STATE_CTRL203は、マルチプレクサ制御信号START_SELが“High”の場合、CPU206から変換開始要求信号START_CPUが出力され、ADC200-2のリセット時間が経過し(リセット信号RST_CH2が“Low”になったとき)、ADC200-1の変換完了割り込み信号INT_CH1が“High”になった後に、次のADC200-1による変換とADC200-2による変換とが同期するように変換開始要求信号START_STを生成する。
【0048】
STATE_CTRL203は、マルチプレクサ制御信号START_SELが“High”になったことをSPI_IF202を通じて検出できる。
また、変換開始要求信号START_CH1が“High”になってから変換完了割り込み信号INT_CH1が“High”になるまでの時間は既知である。すなわち、ADC200-1がAD変換に要する時間は既知である。変換開始要求信号START_CH1の周期は既知の値であるから、変換完了割り込み信号INT_CH1が“High”になってから次に変換開始要求信号START_CH1が“High”になるまでの時間も既知である。そこで、STATE_CTRL203は、マルチプレクサ制御信号START_SELが“High”の場合、変換完了割り込み信号INT_CH1が“High”になってから規定時間後に変換開始要求信号START_STを“High”にすればよい。
【0049】
マルチプレクサ204は、CPU206からSPI_IF202を介して出力されたマルチプレクサ制御信号START_SELが“High”の場合、STATE_CTRL203から出力された変換開始要求信号START_STを変換開始要求信号START_CH2として出力する。これにより、変換開始要求信号START_CPUのADC200-2への伝送が停止され、変換開始要求信号START_STがADC200-2へ伝送される。
【0050】
マルチプレクサ201は、CPU206からSPI_IF202を介して出力されたマルチプレクサ制御信号MUX_SELに応じてDP信号を選択してADC200-2に出力する。
【0051】
ADC200-2は、マルチプレクサ204から出力された変換開始要求信号START_CH2と同期してDP信号をマルチプレクサ201を介して取り込み、信号をAD変換して、変換完了時に変換完了割り込み信号INT_CH2を出力する。
【0052】
以上の動作により、本実施例では、STH→STL→DP SYNC→DP→STH→・・・・・の順に取得され、AD変換される。
なお、マルチプレクサ制御信号MUX_SELがSTH,STLを指定する期間の長さはそれぞれ180ms(INT_TIM_CH2,START_CPUの周期)である。一方、DP信号については2回続けて取り込む必要があるため、
図3から分かるように、マルチプレクサ制御信号MUX_SELがDPを指定する期間の長さは2×180msである。
【0053】
本実施例では、
図3の破線部210のタイミングで示すように、同期モードにおいてADC200-1とADC200-2の変換完了タイミングを同期させることができ、低速のCPU206を使用する場合でも、ADC200-1とADC200-2の変換完了タイミングの時間差を所望の範囲内(例えば±1ms)に抑えることができる。また、本実施例では、特許文献1に開示された多チャンネルADCのようなチャンネル間の出力周期の制約を無くすことができる。
【0054】
また、市販ADCチップ(例えばTI社のADS1248)では、リセットに所定の時間(ADS1248の場合は32KHzクロックで32サイクル分)を要する。そのため、従来技術のような構成でチャンネル1の変換完了割り込み信号INT_CH1を検出した後に、変換開始要求信号START_CH2を生成した場合、リセット時間経過後からチャンネル2の変換を開始するため、チャンネル1とチャンネル2の変換完了タイミングがリセット時間分、ずれてしまう。
【0055】
一方、本実施例では、CPU206から変換開始要求信号START_CPUを受信した後、リセット時間経過後にSTATE_CTRL203がチャンネル1の変換完了割り込み信号INT_CH1の立上りを検出して、チャンネル2の変換開始要求信号START_STを生成するため、リセット時間分のチャンネル1とチャンネル2間の変換完了ずれは発生しない。
【0056】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図4は本発明の第2の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。本実施例のAD変換回路は、チャンネル1のADC200-1と、チャンネル2のADC200-2と、マルチプレクサ201と、SPI_IF202と、STATE_CTRL203と、マルチプレクサ204と、MCU205aとから構成される。
【0057】
MCU205aは、CPU206aと、タイマ208とを備えている。CPU206aは、内部のメモリに格納されたプログラムに従って本実施例の処理を実行する。
【0058】
図5、
図6は本実施例のAD変換回路の動作を説明するタイミングチャートである。なお、
図6は、
図5の時刻ts以降のタイミングを示している。
第1の実施例では、チャンネル1のADC200-1による変換の都度、CPU206が変換開始要求信号START_CH1を出力し、ADC200-1がDP信号のAD変換を行うようにしていた。
【0059】
一方、本実施例のCPU206aは、
図5、
図6に示すように、変換開始要求信号START_CH1を常時、有意の値である“High”に保つ。
したがって、ADC200-1は、予め指定された出力データレートでDP信号のAD変換結果を出力し続ける。この場合、予め所望のデータレート(本実施例では50ms)でAD変換結果を連続出力するようにADC200-1を設定しておき、変換開始要求信号START_CH1を“High”にすればよい。
【0060】
第1の実施例で説明したとおり、STATE_CTRL203は、最初の起動時にリセット信号RST_CH1を“High”にするので、リセット信号RST_CH1が“Low”に戻った時点で、ADC200-1は、リセットモードから解除され、指定された出力データレートでDP信号のAD変換結果を出力する。
【0061】
本実施例では、変換開始要求信号START_CH1を常に“High”にするため、CPU206aにタイマ割り込み信号INT_TIM_CH1を供給する必要がなくなるので、タイマ207が不要となり、タイマ208のみ用意すればよい。
変換開始要求信号START_CH1の出力処理以外のCPU206aの動作は、第1の実施例のCPU206と同じである。また、CPU206aとADC200-1以外の構成の動作は第1の実施例と同じである。
【0062】
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、CPU206aがタイマ割り込み信号INT_TIM_CH1を受ける必要がなくなるので、CPU206aの負荷を下げることができる。
【0063】
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図7は本発明の第3の実施例に係るAD変換回路の構成を示すブロック図である。本実施例のAD変換回路は、チャンネル1のADC200-1と、チャンネル2のADC200-2と、マルチプレクサ201と、SPI_IF202と、STATE_CTRL203bと、マルチプレクサ204と、MCU205bとから構成される。
【0064】
STATE_CTRL203bとマルチプレクサ204とは、制御部209bを構成している。
MCU205bは、CPU206bと、タイマ208とを備えている。CPU206bは、内部のメモリに格納されたプログラムに従って本実施例の処理を実行する。
【0065】
第1、第2の実施例では、CPU206,206aからSPI_IF202を介してマルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELを出力していた。
これに対して、本実施例では、CPU206,206aの代わりに、STATE_CTRL203bからマルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELを出力する。
【0066】
第2の実施例と同様に、CPU206bは、変換開始要求信号START_CH1を常時“High”に保ち、またタイマ208からのタイマ割り込み信号INT_TIM_CH2に応じて変換開始要求信号START_CPUを出力する。
【0067】
STATE_CTRL203bは、CPU206bからの変換開始要求信号START_CPUと同期してSTH,STL,DPの各信号が順番にAD変換されるように、マルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELを出力する。
【0068】
具体的には、STATE_CTRL203bは、通常モード(Normal Mode)のタイミングでは、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号START_SELを“Low”に設定し、STH,STL,DPのいずれかの選択対象を指定するマルチプレクサ制御信号MUX_SELを出力する。このとき、STATE_CTRL203bは、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号MUX_SELによる指定をSTH→STL→DP(チャンネル間同期必要)→DP(チャンネル間同期不要)→STH→・・・・・の順に切り替える。
【0069】
次に、STATE_CTRL203bは、同期モード(Sync Mode)のタイミングでは、変換開始要求信号START_CPUと同期してマルチプレクサ制御信号START_SELを“High”に設定し、DPを選択対象として指定するマルチプレクサ制御信号MUX_SELを出力する。
【0070】
第1、第2の実施例では、DP SYNCを取り込むべき順番のときに同期モードであるとして、CPU206,206aがマルチプレクサ制御信号START_SELを“High”にする。同様に、本実施例では、DP SYNCを取り込むべき順番のときに同期モードであるとして、STATE_CTRL203bがマルチプレクサ制御信号START_SELを“High”にする。
【0071】
マルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELの出力処理以外のSTATE_CTRL203bの動作は、第1、第2の実施例のSTATE_CTRL203と同じである。上記のとおり、CPU206bは、マルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELを出力しないが、それ以外の動作は第2実施例のCPU206aと同じである。また、STATE_CTRL203bとCPU206b以外の構成の動作は第2の実施例と同じである。
【0072】
こうして、本実施例では、
図5、
図6のタイミングチャートと同じ動作を実現することができる。本実施例では、マルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELの出力をCPUによるソフトウェア処理ではなく、STATE_CTRL203bによるハードウェア処理で行うことにより、CPU206bの負荷をさらに下げることができる。
【0073】
本実施例では、第2の実施例と同様に、CPU206bが変換開始要求信号START_CH1を常時“High”に保つが、第1の実施例と同様に、タイマ割り込み信号INT_TIM_CH1に応じて変換開始要求信号START_CH1を出力してもよい。すなわち、CPU206bは、マルチプレクサ制御信号START_SEL,MUX_SELを出力しないが、それ以外の動作を第1実施例のCPU206と同じにしてもよい。この場合は、タイマ207が必要になることは言うまでもない。
【0074】
第1~第3の実施例では、STH→STL→DP SYNC→DP→STH→・・・・・の順に取得してAD変換する例で説明しているが、従来技術と同様に通常モードにおけるチャンネル2の選択対象としてTEMPを加えてもよい。また、STH,STL,TEMP,DP,DP SYNC以外にもチャンネル2で取得したい信号がある場合には、適宜追加することができる。また、逆に取得不要な信号を減らすことも可能である。例えば本実施例では、静圧センサの信号をSTH,STLの2つ取得しているが、1つでも問題ない。
【0075】
また、第1~第3の実施例では、ADC200-1,200-2から出力されるAD変換結果の処理について述べていないが、本発明では、AD変換結果を処理する手段は必須の構成要件ではなく、例えばAD変換結果をSPI_IF202を介してCPU206,206a,206bに転送すればよい。このとき、AD変換結果に個別のIDを付加して転送するようにしてもよい。これらの処理については特許文献1に開示されている。AD変換結果を処理する手段は特許文献1に開示された構成に限るものではないことは言うまでもない。
【0076】
また、本発明の適用対象は圧力発信器に限るものではなく、圧力発信器以外の機器にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、複数チャンネルのアナログ入力信号をAD変換する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
200-1,200-2…ADC、201,204…マルチプレクサ、202…インタフェース部、203,203b…信号生成部、205,205a,205b…MCU、206,206a,206b…CPU、207,208…タイマ、209,209b…制御部。