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特開2023-155965搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155965
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20231017BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065501
(22)【出願日】2022-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】春日 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 和人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】インターネット上に投稿された投稿情報に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理可能な搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法を提供することである。
【解決手段】搬送部材管理システム100は、少なくとも車両30と当該車両によって搬送されるPC部材11とが紐づけられた搬送部材管理情報を記憶する記憶手段110と、インターネット上に投稿された少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報を含む投稿情報を収集する投稿情報収集手段120と、収集された投稿情報のうち車両に関する特定情報を抽出する特定情報抽出手段130と、抽出された特定情報と記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両によって搬送されるPC部材の位置を分析する位置分析手段140と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両と当該車両によって搬送される搬送部材とが紐づけられた搬送部材管理情報を記憶する記憶手段と、
インターネット上に投稿された少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報を含む投稿情報を収集する投稿情報収集手段と、
前記投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、前記車両に関する特定情報を抽出する特定情報抽出手段と、
前記特定情報抽出手段によって抽出された特定情報と前記記憶手段によって記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、前記車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する位置分析手段と、を備える、
搬送部材管理システム。
【請求項2】
前記特定情報抽出手段は、前記投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、特定の識別情報が含まれる投稿情報を前記車両に関する特定情報として抽出する、
請求項1に記載の搬送部材管理システム。
【請求項3】
前記特定情報抽出手段は、前記投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、前記車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報を抽出する、
請求項1又は2に記載の搬送部材管理システム。
【請求項4】
前記信頼性を有する投稿情報とは、予め設定された前記車両の走行スケジュールに適合して投稿されている、
請求項3に記載の搬送部材管理システム。
【請求項5】
前記信頼性を有する投稿情報とは、前記車両が視認されることにより得られる個別情報が前記投稿情報に含まれる、
請求項3に記載の搬送部材管理システム。
【請求項6】
前記信頼性を有する投稿情報とは、前記車両の一部又は全部が含まれる撮影画像が前記投稿情報に含まれる、
請求項3に記載の搬送部材管理システム。
【請求項7】
前記位置分析手段によって分析された搬送部材の位置を、地図上に重畳して表示する表示手段を、さらに備える、
請求項1又は2に記載の搬送部材管理システム。
【請求項8】
前記特定情報抽出手段によって抽出された特定情報のうち、前記車両、前記車両の走行スケジュール及び前記車両の周辺環境に関する情報の少なくともいずれかを含む特殊情報に基づいて、前記車両の搬送過程における問題発生の有無を示す順調度を判定する順調度判定手段を、さらに備える、
請求項1又は2に記載の搬送部材管理システム。
【請求項9】
前記特定情報抽出手段によって抽出された特定情報を前記インターネット上に投稿した投稿者に、所定のインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を、さらに備える、
請求項1又は2に記載の搬送部材管理システム。
【請求項10】
前記インセンティブ付与手段は、前記投稿者のうち、予め登録された登録会員に、前記所定のインセンティブを付与する、
請求項9に記載の搬送部材管理システム。
【請求項11】
前記特定情報抽出手段によって抽出された特定情報は、前記車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報である、
請求項10に記載の搬送部材管理システム。
【請求項12】
前記所定のインセンティブは、前記登録会員の属性及び前記投稿情報の信頼性のレベルの少なくともいずれかに応じて設定される、
請求項11に記載の搬送部材管理システム。
【請求項13】
前記インターネット上に投稿情報を投稿する投稿者によって前記車両がカメラを介して認識される場合には、画面上で所定のデータが認識可能となるAR(Augmented Reality)機能を有するARアプリケーションを、さらに備える、
請求項1又は2に記載の搬送部材管理システム。
【請求項14】
前記所定のデータは、文字及び画像の少なくともいずれかで構成され、前記車両又は前記搬送部材に対応して設定されている、
請求項13に記載の搬送部材管理システム。
【請求項15】
車両によって搬送される搬送部材を管理する搬送部材管理システムが実行する搬送部材管理方法であって、
インターネット上に投稿された少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報を含む投稿情報を収集する投稿情報収集ステップと、
前記投稿情報収集ステップで収集された投稿情報のうち、前記車両に関する特定情報を抽出する特定情報抽出ステップと、
前記特定情報抽出ステップで抽出された特定情報と、メモリに記憶されている少なくとも前記車両と前記車両によって搬送される搬送部材とが紐づけられた搬送部材管理情報とに基づいて、前記車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する位置分析ステップと、を含む、
搬送部材管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、土木工事及び建設現場において、コンクリート部材を用いる際、建設現場でコンクリートを打設してコンクリート部材を完成させる現場打ち工法の他に、工場でコンクリート部材を生産して建設現場に持ち込むプレキャスト工法がある。
【0003】
プレキャスト工法は、工場で生産されたコンクリート部材(プレキャストコンクリート部材:PC部材)を建設現場まで運搬しなければならないが、建設現場においてコンクリートを打設する必要がない。また、プレキャスト工法は、適切な設備及び検査環境を有する工場でコンクリート部材を生産することにより、高品質、品質の安定性及び作業の安全性が期待でき、建設現場等での工期短縮や作業員の省人化が可能となる。
【0004】
ここで、工場で生産されたPC部材を建設現場まで搬送する際に、その位置を把握しておくことが好ましい。例えば、PC部材にタグを取り付けて、GPS(Global Positioning System)を利用しながら、工場から出荷された、建設現場までの経路のうちどこに位置するか、建設現場まで搬送された、及び建設現場のうちどこに保管されているか等を把握するとよい。
【0005】
ところで、近年、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いて投稿された投稿情報を利用することが考えられている。例えば、特許文献1では、SNSを用いて投稿された投稿情報の解析情報と、投稿情報に基づいて特定されたスポットのスポット位置情報とを対応づけたスポット情報を生成して提供する情報処理システムが開示されている。より具体的には、当該情報処理システムでは、SNSを用いて投稿された投稿情報が解析され、現在地周辺のスポットに対する他の投稿者の感情などを含む解析情報を提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-7576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理システムに関する技術では、SNSを用いて投稿された投稿情報(SNS情報)に基づいて、現在地周辺のスポットに対する解析情報を提供しているが、例えば、車両によって工場から建設現場まで搬送されるPC部材などを含む搬送部材の位置を把握する目的でSNS情報を利用することについては考えられていない。
【0008】
そこで、本発明は、インターネット上に投稿された投稿情報に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理可能な搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る搬送部材管理システムは、少なくとも車両と当該車両によって搬送される搬送部材とが紐づけられた搬送部材管理情報を記憶する記憶手段と、インターネット上に投稿された少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報を含む投稿情報を収集する投稿情報収集手段と、投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、車両に関する特定情報を抽出する特定情報抽出手段と、特定情報抽出手段によって抽出された特定情報と記憶手段によって記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する位置分析手段と、を備える。
【0010】
この態様によれば、投稿情報収集手段は、投稿情報を収集し、特定情報抽出手段は、収集された投稿情報から車両に関する特定情報を抽出する。そして、位置分析手段は、抽出された特定情報と、記憶手段によって記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する。これにより、インターネット上に投稿された投稿情報に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理することができる。
【0011】
上記態様において、特定情報抽出手段は、投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、特定の識別情報が含まれる投稿情報を車両に関する特定情報として抽出してもよい。
【0012】
この態様によれば、特定情報抽出手段は、収集された投稿情報のうち特定の識別情報が含まれる投稿情報を車両に関する特定情報として抽出するため、特定情報を適切に抽出することができる。これにより、適切に抽出された特定情報(投稿情報)に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理することができる。
【0013】
上記態様において、特定情報抽出手段は、投稿情報収集手段によって収集された投稿情報のうち、車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報を抽出してもよい。
【0014】
この態様によれば、特定情報抽出手段は、収集された投稿情報のうち車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報を抽出するため、信頼性を有する特定情報(投稿情報)に基づいて、車両によって搬送される搬送部材をより適切に管理することができる。
【0015】
上記態様において、信頼性を有する投稿情報とは、予め設定された車両の走行スケジュールに適合して投稿されていてもよい。
【0016】
この態様によれば、特定情報抽出手段は、予め設定された車両の走行スケジュールに適合して投稿されている投稿情報を信頼性を有する投稿情報とし、特定情報として抽出することができる。
【0017】
上記態様において、信頼性を有する投稿情報とは、車両が視認されることにより得られる個別情報が投稿情報に含まれてもよい。
【0018】
この態様によれば、特定情報抽出手段は、車両が視認されることにより得られる個別情報が投稿情報に含まれている投稿情報を信頼性を有する投稿情報とし、特定情報として抽出することができる。
【0019】
上記態様において、信頼性を有する投稿情報とは、車両の一部又は全部が含まれる撮影画像が投稿情報に含まれてもよい。
【0020】
この態様によれば、特定情報抽出手段は、車両の一部又は全部が含まれる撮影画像が投稿情報に含まれている投稿情報を信頼性を有する投稿情報とし、特定情報として抽出することができる。
【0021】
上記態様において、位置分析手段によって分析された搬送部材の位置を、地図上に重畳して表示する表示手段を、さらに備えてもよい。
【0022】
この態様によれば、表示手段は、分析された搬送部材の位置を地図上に重畳して表示するため、搬送部材の位置を適切に把握することができる。
【0023】
上記態様において、特定情報抽出手段によって抽出された特定情報のうち、車両、車両の走行スケジュール及び車両の周辺環境に関する情報の少なくともいずれかを含む特殊情報に基づいて、車両の搬送過程における問題発生の有無を示す順調度を判定する順調度判定手段を、さらに備えてもよい。
【0024】
この態様によれば、順調度判定手段は、車両、車両の走行スケジュール及び車両の周辺環境に関する情報などを含む特殊情報に基づいて順調度を判定するため、車両の搬送過程において問題が発生しているか否かを適切に把握することができる。
【0025】
上記態様において、特定情報抽出手段によって抽出された特定情報をインターネット上に投稿した投稿者に、所定のインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を、さらに備えてもよい。
【0026】
この態様によれば、インセンティブ付与手段は、車両に関する特定情報をインターネット上に投稿した投稿者に、所定のインセンティブを付与するため、当該投稿者にとっては、インターネット上への投稿の動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、投稿者を含むインターネット利用者に向けての宣伝となる。
【0027】
上記態様において、インセンティブ付与手段は、投稿者のうち、予め登録された登録会員に、所定のインセンティブを付与してもよい。
【0028】
この態様によれば、インセンティブ付与手段は、予め登録された登録会員に所定のインセンティブを付与するため、投稿者にとっては、登録会員となる動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、投稿者を含むインターネット利用者に向けての宣伝となり、会員を獲得できる機会となる。
【0029】
上記態様において、特定情報抽出手段によって抽出された特定情報は、車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報であってもよい。
【0030】
この態様によれば、インセンティブ付与手段は、車両に関する特定情報として信頼性を有する投稿情報を投稿した投稿者に所定のインセンティブを付与することになるため、特定情報抽出手段は、信頼性を有する投稿情報を特定情報として抽出し易くなる。
【0031】
上記態様において、所定のインセンティブは、登録会員の属性及び投稿情報の信頼性のレベルの少なくともいずれかに応じて設定されてもよい。
【0032】
この態様によれば、所定のインセンティブは、登録会員の属性及び投稿情報の信頼性のレベルの少なくともいずれかに応じて設定されるため、投稿者にとっては、より適切な投稿情報を投稿することの動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、より適切な投稿情報を収集でき、さらには、より良い会員を獲得できる機会となる。
【0033】
上記態様において、インターネット上に投稿情報を投稿する投稿者によって車両がカメラを介して認識される場合には、画面上で所定のデータが認識可能となるAR(Augmented Reality)機能を有するARアプリケーションを、さらに備えてもよい。
【0034】
この態様によれば、ARアプリケーションを用いて、投稿者によって車両がカメラを介して認識される場合には、画面上で所定のデータが認識可能となるAR機能を有するため、投稿者にとっては、よりインターネット上への投稿の動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、投稿者を含むインターネット利用者に向けての宣伝となる。
【0035】
上記態様において、所定のデータは、文字及び画像の少なくともいずれかで構成され、車両又は搬送部材に対応して設定されてもよい。
【0036】
この態様によれば、所定のデータは、文字及び画像の少なくともいずれかで構成され、車両又は搬送部材に対応して設定されるため、投稿者にとっては、楽しみが増し、よりインターネット上への投稿の動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、種々の方法で、投稿者を含むインターネット利用者に向けての宣伝となる。
【0037】
本発明の一態様に係る搬送部材管理方法は、車両によって搬送される搬送部材を管理する搬送部材管理システムが実行する搬送部材管理方法であって、インターネット上に投稿された少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報を含む投稿情報を収集する投稿情報収集ステップと、投稿情報収集ステップで収集された投稿情報のうち、車両に関する特定情報を抽出する特定情報抽出ステップと、特定情報抽出ステップで抽出された特定情報と、メモリに記憶されている少なくとも車両と車両によって搬送される搬送部材とが紐づけられた搬送部材管理情報とに基づいて、車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する位置分析ステップと、を含む。
【0038】
この態様によれば、投稿情報収集ステップにおいて、投稿情報を収集し、特定情報抽出において、収集された投稿情報から車両に関する特定情報を抽出する。そして、位置分析ステップにおいて、抽出された特定情報と、メモリに記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両によって搬送される搬送部材の位置を分析する。これにより、インターネット上に投稿された投稿情報に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、インターネット上に投稿された投稿情報に基づいて、車両によって搬送される搬送部材を適切に管理可能な搬送部材管理システム及び搬送部材管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100の概要を示すシステム概要図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100における各機能を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100が実行する搬送部材管理方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。
図4】本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100が実行する、変形例としての搬送部材管理方法M101の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の第2実施形態に係る搬送部材管理システム200における各機能を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る搬送部材管理システム200が実行するインセンティブ付与方法M200の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0042】
<第1実施形態>
[搬送部材管理システムの概要]
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100の概要を示すシステム概要図である。図1に示されるように、搬送部材管理システム100は、インターネット50上に投稿された投稿情報を収集して各種処理を実行するものである。ここでは、インターネット50上に投稿される投稿情報として、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いてインターネット50上に投稿されたSNS情報を一例に挙げて説明する。
【0043】
例えば、工場10では、プレキャストコンクリート部材(PC部材)11が生産されて、当該PC部材11は、搬送用の車両30に積み込まれて出荷される。そして、車両30は、工場10から建設現場20までPC部材11を搬送する。
【0044】
ユーザ40は、PC部材11を搬送している車両30を見かけた際に、その旨を、SNSを用いてインターネット50上に投稿する。SNSは、例えば、FACEBOOK(登録商標)、インスタグラム(登録商標)及びTWITTER(登録商標)などを含むが、これらに限定されるものでなく、その他のSNSであっても構わない。
【0045】
搬送部材管理システム100は、インターネット50上に投稿されているSNS情報を収集し、それらを解析することによって、当該SNS情報に基づいて各種処理を実行する。例えば、搬送部材管理システム100は、当該SNS情報から、車両30に関するSNS情報を抽出して、当該車両30に積み込まれているPC部材11の位置を分析したり、車両30の搬送過程における問題を分析したり、有用なSNS情報を投稿したユーザ40にインセンティブを付与したりしてもよい。
【0046】
[搬送部材管理システムの機能構成]
次に、搬送部材管理システム100が実行する各種処理について詳しく説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100における各機能を示す機能ブロック図である。図2に示されるように、搬送部材管理システム100は、記憶手段110と、投稿情報収集手段120と、特定情報抽出手段130と、位置分析手段140と、表示手段150とを備える。
【0047】
記憶手段110は、少なくとも車両30と当該車両30によって搬送されるPC部材11(搬送部材)とが紐づけられた搬送部材管理情報を記憶している。例えば、記憶手段110は、データを記憶可能なメモリなどであって、PC部材11を管理するための搬送部材管理情報を記憶している。
【0048】
具体的には、記憶手段110は、工場10で生産されたPC部材11について、建設現場20まで搬送されるために積み込まれる車両30が対応づけられた搬送部材管理情報として記憶している。さらに、搬送部材管理情報には、PC部材11又は当該PC部材11が積み込まれた車両30について、工場10から建設現場20までの走行経路や走行時間(出発時刻/通過時刻/到着時刻)を含む走行スケジュールが含まれていてもよい。
【0049】
投稿情報収集手段120は、インターネット50上にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を用いて投稿されたSNS情報を収集する。SNS情報には、少なくとも当該投稿に関する位置情報及び時刻情報が含まれており、さらに、投稿者によって記載されたコメント、添付された写真や動画、及びキャラクタ画像やスタンプなども含まれてもよいし、「いいね」「GOOD」などのリアクション情報が含まれてもよい。
【0050】
また、投稿情報収集手段120は、SNS情報を、1種類のSNS情報から収集してもよいし、複数種類のSNSから収集してもよい。具体的には、投稿情報収集手段120は、TWITTERに投稿されているSNS情報を収集してもよいし、FACEBOOK、インスタグラム及びTWITTERに投稿されているそれぞれのSNS情報を収集してもよい。
【0051】
特定情報抽出手段130は、投稿情報収集手段120によって収集されたSNS情報のうち、車両30に関する特定情報を抽出する。例えば、特定情報抽出手段130は、投稿情報収集手段120によって収集された大量のSNS情報を解析して、その中から車両30に関する特定情報を抽出する。ここで、特定情報抽出手段130において、SNS情報を解析する際には、既存のSNS分析ツールや解析システムを利用してもよいし、専用の解析システムを用いてもよい。
【0052】
特定情報抽出手段130は、例えば、SNS情報に特定の識別情報が含まれているSNS情報を車両30に関する特定情報として抽出する。典型的には、特定の識別情報としては、「#(ハッシュタグ)会社名」「#ブランド名」「#車両30に記載されている文言」などが想定される。
【0053】
投稿者によってSNS情報が投稿される際に、車両30に関する特定情報として、どのような特定の識別情報が付されるかについて、予め想定して特定の識別情報を設定してもよいし、さらには、投稿されるSNS情報に基づいて分析して特定の識別情報を設定及び更新してもよい。また、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて学習させることによって特定の識別情報を設定及び更新するようにしてもよい。
【0054】
さらに、信頼性の高いSNS情報を数多く抽出するためには、例えば、メディアやSNSを用いて、予め決められた特定の識別情報を付すように宣伝及び広告により周知活動をしておくとよい。具体的には、車両30を見かけた際には、“#ブランド名”を付したSNS情報を投稿するように、メディアやSNSを用いて周知活動を行う。
【0055】
位置分析手段140は、特定情報抽出手段130によって抽出された特定情報と記憶手段110によって記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両30によって搬送されるPC部材11の位置を分析する。特定情報抽出手段130によって抽出された特定情報について、その特定情報(SNS情報)には、当該投稿に関する位置情報及び時刻情報が含まれている。
【0056】
例えば、車両30に関する特定情報として抽出されたSNS情報に基づいて、投稿者によって当該SNS情報が投稿された位置(緯度・経度)及び時刻を把握することができる。すなわち、車両30を視認したユーザ40(投稿者)が当該SNS情報を投稿したとすれば、当該SNS情報に基づいて、車両30の位置(緯度・経度)及び時刻を把握することができる。
【0057】
そして、位置分析手段140は、車両30の位置及び時刻を把握するとともに、記憶手段110に記憶されている搬送部材管理情報に基づいて、当該車両30に積み込まれているPC部材11の位置及び時刻を把握することができる。
【0058】
さらに、位置分析手段140は、上述した車両30に関する特定情報を時系列的に複数分析すれば、車両30の走行経路及びPC部材11の搬送経路を把握することができる。
【0059】
表示手段150は、位置分析手段140によって分析されたPC部材11の位置を、地図上に重畳して表示する。例えば、表示手段150は、会社内、工場内及び建設現場の管理室等に設置されている管理装置(パソコン等)の画面に、又は関係者のスマートフォンの画面に、車両30やPC部材の位置を地図上に重畳して表示する。
【0060】
車両30やPC部材の位置を地図上に重畳して表示する際には、車両30に関する特定情報(SNS情報)に含まれる時刻における車両30やPC部材11の位置を点として表示してもよいし、複数の点に基づいて推定される車両30の走行経路及びPC部材11の搬送経路として表示してもよい。
【0061】
[搬送部材管理方法]
次に、車両30によって搬送されるPC部材11を管理する搬送部材管理方法について、具体的に詳しく説明する。
【0062】
図3は、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100が実行する搬送部材管理方法M100の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示されるように、搬送部材管理方法M100は、ステップS110~S150を含み、各ステップは、搬送部材管理システム100に含まれるプロセッサによって実行される。
【0063】
ステップS110では、投稿情報収集手段120は、インターネット上に投稿された投稿情報を収集する(投稿情報収集ステップ)。具体例としては、投稿情報収集手段120は、FACEBOOK、インスタグラム及びTWITTERなどのSNSを用いてインターネット50上に投稿されているSNS情報を収集する。
【0064】
ステップS120では、特定情報抽出手段130は、ステップS110で収集された投稿情報のうち、車両30に関する特定情報を抽出する(特定情報抽出ステップ)。具体例としては、特定情報抽出手段130は、インターネット50上に投稿されている大量のSNS情報を解析して、その中から、例えば、車両30に関する「#(ハッシュタグ)会社名」「#ブランド名」「#車両30に記載されている文言」等が含まれるSNS情報を抽出する。
【0065】
ステップS130では、位置分析手段140は、ステップS130によって抽出された特定情報と予めメモリに記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両30によって搬送されるPC部材11の位置を分析する(位置分析ステップ)。具体例として、位置分析手段140は、車両30に関する特定情報として抽出されたSNS情報に含まれる位置情報及び時刻情報から、当該車両30の位置及び時刻(その位置での)を把握する。そして、位置分析手段140は、当該車両30の位置及び時刻と搬送部材管理情報とに基づいて、当該車両30に紐づけられているPC部材11の位置及び時刻(その位置での)を分析する。
【0066】
ステップS140では、搬送部材管理システム100は、ステップS130で分析されたPC部材11の位置及び時刻(その位置での)について、その信頼性について判定する(信頼性判定ステップ)。具体例としては、ステップS130で分析された車両30やPC部材11の位置及び時刻(その位置での)と、予めメモリに記憶された搬送部材管理情報に含まれる、工場10から建設現場20までの走行経路や走行時間(出発時刻/通過時刻/到着時刻)を含む走行スケジュールとを比較する。すなわち、ステップS130で分析された車両30やPC部材11の位置及び時刻(その位置での)が予め設定された走行スケジュールに適合しているか否かを判定する。
【0067】
ステップS130で分析された車両30やPC部材11の位置及び時刻(その位置での)が予め設定された走行スケジュールに適合している場合(ステップS140のYes)、ステップS150の処理に進み、適合していない場合(ステップS140のNo)、ステップS110の処理に戻る。
【0068】
ここで、走行スケジュールに適合しているとは、ステップS130で分析された車両30やPC部材11の位置及び時刻(その位置での)と、走行スケジュールに含まれる位置及び時刻とが完全に一致している場合のみに限定されるものではない。例えば、交通渋滞、天気、迂回経路、運転者の休憩、運転技術、投稿者の移動及び投稿のタイミングなどを考慮して、両者の差異が所定の範囲(位置及び時刻)内であることも含む。
【0069】
ステップS150では、表示手段150は、ステップS140で分析されたPC部材11の位置を、地図上に重畳して表示する(表示ステップ)。具体例としては、表示手段150は、PCやスマートフォンの画面に、地図上に重畳して、車両30やPC部材11の位置について、その時刻での位置として点で表示したり、それらの複数の点に基づいて推定される車両30の走行経路及びPC部材11の搬送経路として表示したりする。
【0070】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100及び搬送部材管理方法M100によれば、投稿情報収集手段120は、SNS情報を収集し、特定情報抽出手段130は、収集されたSNS情報から車両30に関する特定情報を抽出する。そして、位置分析手段140は、抽出された特定情報と、記憶手段110によって記憶されている搬送部材管理情報とに基づいて、車両30によって搬送されるPC部材11の位置を分析する。これにより、SNSを用いて投稿されたSNS情報に基づいて、車両30によって搬送されるPC部材11を適切に管理することができる。
【0071】
[特定情報の信頼性について]
SNS情報は、その投稿者によって自由に投稿されるため、収集されたSNS情報から車両30に関する特定情報として信頼性を有する適切なSNS情報を抽出することが好ましい。本実施形態では、図3を用いて説明したように、SNS情報に基づいて分析されたPC部材11の位置について、予め設定された走行スケジュールと比較することにより、その信頼性を判定していた。信頼性を判定する方法としては、これに限定されるものではなく、以下に、その他の具体例を示す。
【0072】
(具体例1)
投稿情報収集手段120によって収集されたSNS情報のうち、車両30が視認されることにより得られる個別情報が含まれるSNS情報を、車両30に関する特定情報として信頼性を有するものとしてよい。個別情報とは、ユーザ40(投稿者)が実際に車両30を視認しないと得られない情報であって、例えば、車両30の車体の色、模様、車体に記載された文字や画像(キャラクタ)、車両30に付随する部材(表示灯や行灯など)を含む。
【0073】
このように、SNS情報に、車両30が視認されることにより得られる個別情報が含まれていれば、当該SNS情報は、ユーザ40(投稿者)が実際に車両30を視認して投稿されている可能性が高く、車両30に関する特定情報として信頼性を有するSNS情報と判定する。
【0074】
(具体例2)
投稿情報収集手段120によって収集されたSNS情報のうち、車両30の一部又は全部が含まれる撮影画像が含まれるSNS情報を、車両30に関する特定情報として信頼性を有するものとしてよい。
【0075】
このように、SNS情報に、車両30の一部又は全部が含まれる撮影画像が含まれていれば、当該SNS情報は、ユーザ40(投稿者)が実際に車両30を撮影して投稿されている可能性が高く、車両30に関する特定情報として信頼性を有するSNS情報と判定する。
【0076】
[特定情報の利用方法について]
本実施形態では、収集されたSNS情報から車両30に関する特定情報を抽出し、抽出された特定情報に基づいてPC部材11の位置を分析していた。そして、上述したように、車両30に関する特定情報として信頼性を有するSNS情報を判定し、より適切にPC部材11の位置を分析していたが、特定情報の別の利用方法について説明する。
【0077】
図4は、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100が実行する、変形例としての搬送部材管理方法M101の処理の流れを示すフローチャートである。図4に示されるように、搬送部材管理方法M101は、ステップS110、S120、S131、S141及びS151を含み、各ステップは、搬送部材管理システム100に含まれるプロセッサによって実行される。
【0078】
ステップS110及びS120は、図3と同様であって、投稿情報収集手段120は、インターネット50上に投稿された投稿情報(SNS情報)を収集し、特定情報抽出手段130は、これらの投稿情報のうち、車両30に関する特定情報を抽出する。具体例としては、SNSを用いてインターネット50上に投稿されたSNS情報が収集され、そのうち車両30に関する特定情報(SNS情報)が抽出される。
【0079】
ステップS131では、ステップS120で抽出された特定情報が所定数以上か否かを判定する(特定情報判定ステップ)。当該特定情報が所定数以上の場合(ステップS131のYes)、ステップS141の処理に進み、当該特定情報が所定数未満の場合(ステップS131のNo)、ステップS151の処理に進む。
【0080】
なお、所定数は、PC部材の位置及び搬送経路を適切に分析するために必要な数であることが好ましく、所定数に満たない場合には、その特定情報に基づいて分析されるPC部材の位置及び搬送経路の精度が低い場合も考えられ、さらには、例えば、特定情報の数が0の場合(特定情報が無い場合)には、そもそもPC部材の位置及び搬送経路を把握できない。
【0081】
ステップS141では、ステップS120で抽出された特定情報をPC部材11の位置分析に利用し、図3のステップS130以降の処理を実行する(位置分析利用ステップ)。
【0082】
ステップS151では、ステップS120で抽出された特定情報をPC部材11の位置分析に利用せずに、順調度判定手段は、ステップS120で抽出された特定情報を車両30の搬送過程における問題発生の有無を示す順調度を判定に利用する(順調度判定利用ステップ)。
【0083】
順調度判定手段は、ステップS120で抽出された特定情報のうち、車両30、車両30の走行スケジュール及び車両30の周辺環境に関する情報の少なくともいずれかを含む特殊情報を確認し、当該特殊情報に基づいて、車両30の搬送過程における問題発生の有無を示す順調度を判定する。
【0084】
ユーザ40(投稿者)は、例えば、交通事故、交通渋滞、あおり運転、火事や洪水などの災害、大雨や台風などの天候、それらに伴う被害、及び事件など、日常とは異なる事象に遭遇した際に、SNS情報として投稿する場合がある。換言すると、順調度判定手段は、このような日常とは異なる事象を示す特殊情報が含まれる特定情報(SNS情報)がない場合には、車両30の搬送過程における問題発生がないと推定し、車両30におけるPC部材11の搬送は順調であると判定してもよい。
【0085】
このように、特定情報(SNS情報)に基づいてPC部材11の位置及び搬送経路を把握しない場合(把握できない場合)であっても、特定情報(SNS情報)に含まれる特殊情報に基づいて車両30の搬送過程における問題を把握することができる。一方で、当該特殊情報がなければ(少なければ)、車両30におけるPC部材11の搬送は順調であると推定することもできる。すなわち、ステップS120で抽出された特定情報(SNS情報)に基づいて、車両30におけるPC部材11の搬送過程におけるリスク管理として利用することができる。
【0086】
なお、ステップS141において、ステップS120で抽出された特定情報をPC部材11の位置分析に利用しつつ、ステップS151で説明したように、特定情報(SNS情報)に含まれる特殊情報に基づいて車両30の搬送過程における問題の有無を監視するようにしてもよい。
【0087】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態では、ユーザ40(投稿者)にインセンティブを付与する点について説明する。本実施形態では、本発明の第1実施形態に係る搬送部材管理システム100と同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって詳細な説明は省略し、主に、本発明の第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0088】
図5は、本発明の第2実施形態に係る搬送部材管理システム200における各機能を示す機能ブロック図である。図5に示されるように、搬送部材管理システム200は、記憶手段110と、投稿情報収集手段120と、特定情報抽出手段130と、位置分析手段140と、インセンティブ付与手段250とを備える。
【0089】
インセンティブ付与手段250は、特定情報抽出手段130によって抽出された特定情報をインターネット50上に投稿した投稿者に、所定のインセンティブを付与する。所定のインセンティブとは、例えば、商品、金券、サービス、これらに交換可能なポイント、及びこれらに相当する引換券、優待券、割引券(紙及び電子媒体)などを含む。
【0090】
また、所定のインセンティブを付与される投稿者は、予め登録された登録会員であることが好ましい。例えば、投稿者には、予め、ホームページなどで会員として登録するように促して、当該ホームページへ誘導するとよい。ホームページには、例えば、環境問題への取り組みなどを掲載し、当該ホームページを訪問した投稿者に、企業活動の取り組みを宣伝・広告することもできる。
【0091】
[インセンティブ付与方法]
次に、ユーザ40(投稿者)に所定のインセンティブを付与するインセンティブ付与方法について、具体的に詳しく説明する。
【0092】
図6は、本発明の第2実施形態に係る搬送部材管理システム200が実行するインセンティブ付与方法M200の処理の流れを示すフローチャートである。図6に示されるように、インセンティブ付与方法M200は、ステップS110、S120、及びS230~S250を含み、各ステップは、搬送部材管理システム200に含まれるプロセッサによって実行される。
【0093】
ステップS110及びS120は、本発明の第1実施形態で説明した図3と同様であって、投稿情報収集手段120は、インターネット50上に投稿された投稿情報を収集し、特定情報抽出手段130は、これらの投稿情報のうち、車両30に関する特定情報を抽出する。具体例としては、SNSを用いてインターネット50上に投稿されたSNS情報が収集され、そのうち車両30に関する特定情報(SNS情報)が抽出される。
【0094】
ステップS230では、インセンティブ付与手段250は、ステップS120で抽出された特定情報(SNS情報)を投稿したユーザ40(投稿者)が予め登録された登録会員か否かを判定する(登録会員判定ステップ)。当該投稿者が登録会員である場合(ステップS230のYes)、ステップS240の処理に進み、当該投稿者が登録会員でない場合(ステップS230のNo)、ステップS250の処理に進む。
【0095】
ステップS240では、インセンティブ付与手段250は、当該投稿者に所定のインセンティブを付与する(インセンティブ付与ステップ)。
【0096】
ステップS250では、インセンティブ付与手段250は、当該投稿者に所定のインセンティブを付与しない。
【0097】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る搬送部材管理システム200及びインセンティブ付与方法M200によれば、インセンティブ付与手段250は、車両30に関する特定情報をSNSを用いて投稿した投稿者に、所定のインセンティブを付与するため、当該投稿者にとっては、SNSへの投稿の動機付けになる。また、PC部材11を管理する企業にとっては、投稿者を含むSNS利用者に向けての宣伝となる。
【0098】
さらに、本実施形態では、インセンティブ付与手段250は、投稿者のうち、予め会員登録した登録会員に所定のインセンティブを付与しているため、投稿者にとっては、登録会員となる動機付けになり、PC部材11を管理する企業にとっては、投稿者を含むSNS利用者に向けての宣伝となり、会員を獲得できる機会となる。
【0099】
なお、インセンティブ付与手段250は、特定情報抽出手段130によって抽出された特定情報について、車両30に関する特定情報として信頼性を有するSNS情報である場合、当該SNSを投稿した投稿者にインセンティブを付与するようにしてもよい。ここで、信頼性を有するSNS情報は、本発明の第1実施形態でも説明したように、走行スケジュールに適合しているか、ユーザ40(投稿者)が実際に車両30を視認しないと得られない個別情報が含まれているか、車両30の一部又は全部が含まれる撮影画像が含まれているかに基づいて判定されるとよい。
【0100】
このように、車両30に関する特定情報として信頼性を有するSNS情報を投稿した投稿者にインセンティブを付与するようにすれば、投稿者は、信頼性を有するSNS情報を投稿しようとし、信頼性を有するSNS情報が数多く投稿されるため、特定情報抽出手段130は、信頼性を有するSNS情報を特定情報として抽出し易くなる。その結果、車両30によって搬送されるPC部材11を適切に管理することができる。
【0101】
さらに、投稿者に付与される所定のインセンティブは、登録会員の属性及びSNS情報の信頼性のレベルの少なくともいずれかに応じて設定されるようにしてもよい。例えば、これまでの投稿実績に応じて登録会員の属性(ランク)を設定し、上位ランクの登録会員、及び車両30の一部又は全部が含まれる撮影画像が含まれた信頼性の高いSNS情報を投稿した投稿者には、さらに割増しのインセンティブを付与するようにする。
【0102】
これにより、投稿者にとっては、積極的に投稿して登録会員として上位ランクを目指したり、より信頼性の高いSNS情報を投稿したりすることの動機付けになる。また、PC部材11を管理する企業にとっては、より適切なSNS情報を収集でき、さらには、より良い登録会員を獲得できる機会となる。
【0103】
また、ユーザ40(投稿者)は、例えば、予めAR(Augmented Reality)機能を有するARアプリケーションをスマートフォンなどにダウンロードし、カメラを介して車両30を認識した場合、当該スマートフォンの画面上で認識可能となる所定のデータを確認できるようにしてもよい。
【0104】
投稿者にとっては、ゲーム感覚で、車両30に注目するようになり、車両30をカメラで撮影して、SNSに投稿しようとする動機付けになる。また、PC部材11を管理する企業にとっては、投稿者を含むSNS利用者に向けての宣伝となる。
【0105】
さらに、ARで認識可能となる所定のデータは、文字及び画像の少なくともいずれかで構成され、車両30又はPC部材11に対応して設定されるとよい。例えば、所定のデータは、車両30を特定する個別情報としての合言葉や企業のキャラクタなどを含み、さらには、レアなデータを確認して投稿した場合には、インセンティブ付与手段250は、割増しや特別のインセンティブを付与するようにしてもよい。
【0106】
このように、投稿者がゲーム感覚で取り組めることにより、投稿者にとっては、楽しみが増してよりSNSへの投稿の動機付けになる。また、搬送部材を管理する企業にとっては、種々の方法で、投稿者を含むSNS利用者に向けての宣伝となり、これらの取り組みの拡大にも繋がる。
【0107】
また、上述した各実施形態では、インターネット上に投稿された投稿情報として、SNSを用いて投稿されたSNS情報を一例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、インターネット上の掲示板やその他情報提供サイト等への書き込み等、SNSを用いずに投稿された投稿情報でもよい。
【0108】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0109】
10…工場、11…プレキャストコンクリート部材(PC部材)、20…建設現場、30…車両、40…ユーザ、50…インターネット、100…搬送部材管理システム、110…記憶手段、120…投稿情報収集手段、130…特定情報抽出手段、140…位置分析手段、150…表示手段、200…搬送部材管理システム、250…インセンティブ付与手段、M100,M101…搬送部材管理方法、M200…インセンティブ付与方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6